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1956-04-20 第24回国会 衆議院 本会議 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十日(金曜日)     ━━━━━━━━━━  議事日程 第三十三号   昭和三十一年四月二十日     午前零時五分開議   一 北洋漁業に関する日ソ交渉経緯についての外務大臣報告に対する質疑(前会の続)     —————————————  第一 地方財政再建等のための公共事業に係る国庫負担等臨時特例に関する法律案内閣提出)  第二 地方交付税法の一部を改正する法律案北山愛郎君外十名提出)  第三 地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 地方財政法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 宮内庁法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 関税法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第八 百貨店法案内閣提出)  第九 国際金融公社への加盟について承認を求めるの件  第十 旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)     ━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案について本日の本会議において文教委員長中間報告を求めるの動議福永健司君外六名提出)  議員請暇の件  北洋漁業に関する日ソ交渉経緯についての外務大臣報告に対する質疑(前会の続)  地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案についての文教委員長中間報告  文教委員長から中間報告があった地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案議事日程に追加し直ちに一括議題となし審議すべしとの動議福永健司君外四名提出)  地方教育行政組織及び運営に関する法律案内閣提出)  地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案内閣提出)     午前一時四十分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 本日の議事日程参事をして報告いたさせます。     〔参事朗読〕  議事日程 第三十三号  昭和三十一年四月二十日(金曜日)     午前零時五分開議  一 北洋漁業に関する日ソ交渉経緯についての外務大臣報告に対する質疑             (前会の続)     —————————————  第一 地方財政再建等のための公共事業に係る国庫負担等臨時特例に関する法律案内閣提出)  第二 地方交付税法の一部を改正する法律案北山愛郎外本名提出)  第三 地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 地方財政法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 宮内庁法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 関税法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第八 百貨店法案内閣提出)  第九 国際金融公社への加盟について承認を求めるの件  第十 旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)      ————◇—————
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 福永健司君外六名から、地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案について本日の本会議において文教委員長中間報告を求めるの動議提出されております。右動議議題といたします。  採決いたします。本動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、福永健司君外六名提出動議は可決されました。(拍手)      ————◇—————
  6. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 午後一時に再開ることとし、それまで休憩いたします。     午前一時四十三分休憩      ————◇—————     午後五時七分開議
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ————◇—————
  8. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) お諮りいたします。議員河野一郎君から、日ソ漁業交渉政府代表として訪ソのため、四月二十一日から五月十五日まで二十五日間請暇申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 北洋漁業に関する日ソ交渉経緯についての外務大臣報告に対する質疑を継続いたします。日野吉夫君。     〔日野吉夫登壇
  11. 日野吉夫

    日野吉夫君 私は、日本社会党代表し、一昨昨日報告のありました日ソ漁業交渉の問題に対し、鳩山総理大臣重光外務大臣に対し若干の質問を行わんとするものであります。(拍手)  まず、質問に入る前に、日本北洋漁業に致命的な打撃を与えるこのたびのサケマス漁業制限という重大な事態を引き起した政府の不手ぎわな外交方針に対し遺憾の意を表するものでございます。(拍手)  わが北洋漁業の実情は、十九船団母船と、五百隻の独航船と、一一万人の乗組員を擁し、来たる二十二、三日にはそれぞれもよりの漁港を出発し、基地函館に集結した上に、いよいよ二十八日には北洋漁場に向って出発することになっていることは、皆さんの御承知通りであります。果して安全に操業ができるのかどうかという不安を抱いて、今回の日ソ漁業協定成否をじっと見守っておるのであります。鳩山内閣は、さきの総選挙に当って、日ソ国交のすみやかなる解決国民に向って公約し、また、鳩山総理みずから、この問題に政治的生命をかけるとまで断言されたことは、今さらここに私が指摘するまでもないことでございます。  しかるに、昨年六月ロンドンにおいて日ソ交渉開始してより八カ月、回を重ねること二十三回、しかも、なお妥結を見るに至らず、去る三月二十日の会議最後として、ついに無期限の休会状態に陥り、再開めどが全く立たないという最悪事態に立ち至っておるのでございます。(拍手)かかる事態を引き起した最大の原因は、申すまでもなく、政府二元外交であり、政府与党内部における意見の不統一であります。わが在ソ抑留同胞の引き揚げがいたずらに遅延し、また、本月末の出漁目前に控える重要な段階において今回のサケマス漁獲制限という事態を招いたのも、その根源を探れば、日ソ交渉早期妥結という根本問題に対し政府が確固たる方針を持っていないことに起因するものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)この意味において、私は、日本北洋漁業についてこのような重大事態を引き起した鳩山内閣外交方針に対しては遺憾の意を表さざるを得ないのであります。内閣を統括する地位にある鳩山総理の日ソ国交回復に関する基本的な方針並びに今後の見通しについて、明確なる所見を伺いたいのであります。(拍手)  次に、今回ソ連政府から寄せられました日ソ漁業交渉に関する回答文に対し、政府はいかなる態度をもってこの交渉に臨まんとするのであるか、お尋ねいたしたいのであります。ソ連政府回答は、漁族資源保護海難船舶救助に関する協定を締結するための交渉を開始したいとの日本政府提案の趣旨を検討した結果、右交渉の開始に同意したとあり、続いて、なお協定成立し、実施された後に、現在ソ連がとっている漁族資源保存制限について検討をする用意があるといっておるのであります。この回答文から判断いたしましてソ連側は、一般漁業協定成立を見ざる限り、サケマス漁獲制限の問題の交渉に応じないことが明白であります。プラウダ紙の発表においても、この点は明確にされているところであります。かかる状況のもとで行われる交渉に、わが方の態度が、依然として、諸懸案解決などと、ロンドン会議を蒸し返すならば、何らの進展を見ないことも明らかなる事実といわなければならないと思います。(拍手)われわれは、問題の早期解決をはかるために、本格的漁業協定を締結する交渉に応じ、それによって漁獲制限の問題を一挙に解決することが最善の方途であると考えるのであるが、鳩山総理はこの点に対しいかなる考えを持って交渉に臨まれんとするのであるか。この点を明確に御答弁願いたいのであります。(拍手)  質問の第三点は、日ソ両国間に本格的な漁業協定を締結することによって両国間に国交回復契機を作らんとする意図が果して政府にあるのかどうか。前に述べた通りに、日ソ交渉は完全に暗礁に乗り上げており、このまま推移すれば、いつ交渉再開されるのか、全く見当さえつかない状態であります。かくして、鳩山内閣最大公約たる日ソ交渉早期妥結は、今やほご同様に捨て去られんとしており、公党としてゆゆしき大問題といわなければなりません。このとき、日ソ漁業交渉が当面の問題として眼前に提起されたのであります。鳩山内閣にして、もし国民公約に忠実であり、真に国民の日ソ国交回復の熱望にこたえんとするならば、このたびの日ソ交渉こそ、鳩山内閣起死回生の妙薬、局面打開の絶好の機会であると信ずるのでありますが、これに対する鳩山さんのお考えはどうであるか、伺っておきたい。  しかるに、政府与党内部には、このたびの日ソ漁業交渉はあくまでサケマス漁獲制限問題のみに限るべきで載る、漁業問題に関する一般的協定を結ぶべきでない、また、一般漁業協定を締結することは事実上日ソ両国間の国交回復をもたらすおそれがあるとして、反対するものがあると伝えられておるのであります。鳩山総理は、かかる暴論に屈して、一般漁業協定を拒否し、そのために目前サケマス出漁支障を来たすことになるならば、日本北洋漁業はたちまち甚大なる打撃をこうむることはもちろん、せっかく開かれんとする日ソ国交回復のドアは閉ざされることになるのであります。日ソ交渉妥結のためには生命をかけると公言された首相であり、必要とあらばソ連まで出向いても解決をはかりたいと言明されておる総理は、何ゆえ党内意見統一を積極的におはかりにならないのか。外交の背景は国論統一であることは、いまさら言を要しないところである。わが党は、鈴木委員長より、しばしば両党首会談を申し入れて、国論統一に協力しているのに、自民党内部意見の不統一外交を誤まらしめ、国家と民族をして不幸に陥れていることは、天人ともに許さざるところといわなければならないのであります。(拍手鳩山総理は、先日までは一代行委員にしか過ぎなかったのでありますが、今回は総裁に就任されたのである。このたびの漁業交渉契機に、日ソ国交をすみやかに解決すべく、党内意見統一をはかり、積極的措置をとるべきと思うが、鳩山総理所信を伺いたいのであります。質問の第四点として、次にお尋ねいたしたいのは、河野農相代表資格に関する問題であります。全権委員であるのか、政府代表であるのか、明確にこの点をお答え願いたいのであります。新聞の報ずるところによれば、全権委任状を持った政府代表という奇妙な代表であります。何ゆえにかくのごとき形をとらねばならないのか、国民とともに、はなはだ了解に苦しむものでございます。(拍手回答文の示すごとく、一般漁業協定の締結により、当面の漁獲制限交渉が可能とされるならば、この交渉に臨む態度は、最初から一切の調印ができる全権として派遣すべきであって、このことこそが交渉を可能にする唯一の方途であると信ずるものでありますが、いかなる考え政府代表として派遣するのであるか。こそくな手段をもって国交回復をちゅうちょすることは、問題の解決を遠く追いやる結果になることは明らかであります。総理は具体的な現実を直視し、漁業問題の早期解決をはかるために、あいまいな政府代表をとりやめ、明確な全権の形をとるべきであると思うが、鳩山総理はいかにこれを考えておられるか。(拍手)  次に、今回の代表団の構成を見ますと、一方的に資本家代表政府代表だけであります。中小自営漁民代表労働者代表協同組合代表等を欠いている。この点はどうした手落ちか。さらに、もし共同監視委員会設置等のことがあれば、海上保安庁等も重要な役割を果すことになるが、この方面の代表を加えないことはあまりにも一方的ではないか。松本全権ソ連を再認識せよと、至るところで言っている。ソ連をよく知るならば、かかる手落ちはないはずである。総理はこれらの代表を追加して派遣する考えはないかどうかを伺いたいのであります。  次に、ソ連との間に漁業問題に関する暫定協定を締結した場合、漁獲高調査のために、ソ連調査事務所日本に設置することを考慮していると鳩山総理言明されておるのであります。右の言明に対し、根本官房長官は否定的な談和を発表しておられるが、真相はどうか。もし首相言明通りならば、いかなる形の調査機関が設置されるのか。現在のソ連代表部との関係はどうなるかの点も、あわせて伺っておきたいと思うのであります。  さらに、首相に対する最後質問として私は本交渉重大性にかんがみ、一応総理に伺っておきたい。河野農相は、かつて日魯漁業の社長たりしことがあり、現在もまた深い関係を有しているやに聞く。北洋漁業については、昨年は十二船団、三百四十隻、本年は十九船団、五百隻と、ウナギ上り船団独航船を増加し、実質は日魯中心に、三大独占資本系列化を完成したのである。このことが、ソ連及びカナダ等より乱獲指摘となってきた関係等もあって今次会談根本に横たわる問題として重大視しなければならないところであります。自民党内部においても、このことを指摘して反対しておるようでありますし、国民の中には大きな疑惑を持って見ている者もある。総理農相の出発する前場に、かかる一切を一掃し、船団の再編成、漁価対策等北洋漁業に対する基本的の方針を明らかにして、いささかも協定成立支障なきょう万全を期して本協定に臨ましむべきであると思うが、首相所見を承わっておきたい。(拍手)  次に、重光外相に対して日ソ漁業協定に対する基本的な考えをただした、のであります。重光外相報告を聞いていて受ける印象は、きわめて消極的であり、この機に至るも、なおかつ、ちゅうちょしているかに考えられるのであります。さらに、一昨日の外務委員会におけるわが党の松本君の質問に対してこういう答弁をいたしております。政府国交回復したくないと言ったことはない、国交についてのロンドン交渉休会になっている、そのときに漁業問題が起ったから交渉するというにすぎない、ということを言っている。何たる情ない答弁でしょうか。この言葉のどこに国民の信頼をつなぎ得る積極さがあるのか。漁業問題解決の意欲がどこにあるのでありましょうか。行き詰まった日ソ交渉に対して、わが方から申し入れた交渉である。おくれたとはいえ、返事がきたのである。鳩山首相日ソ交渉成否に運命をかけておると言っているが、重光外相外交担当大臣としていかに対処するつもりか、決意のほどを伺いたいのであります。  しかも、今、十九船団母船、五百隻の独航船、二万人の乗組員が、この二十八日には拿捕か抑留かの不安にかられつつも、北洋漁場に向って出発せんとしておるのである。この緊迫した事態を、あなたはいかに認識し、いかなる手を打たんとしておられるのか。慎重に考慮した上に、最悪の手を次々に打ってきたのが重光外交の姿である。かくして、国連加盟に失敗し、日韓交渉が何らのめどがつかず、日ソ交渉は全く行き詰まり、しかも、その間、相手方のいやがる手だけを次々に打ってきたではありませんか。わが党の鈴木委員長質問に、あなたは、何の打つ手があるかと逆襲して議場を騒然とさせたことは、いまだ忘れはしないでしょう。重光外交は、まさに打つ手なしである。碁であるならば、投げの一手があるだけじゃないか。ボロボロ碁に、今漁業交渉という劫が立ったようなものではないか。外相は、この漁業交渉を巧みに取り上げて、行き詰まりの日ソ交渉に活を入れ、大胆に漁業交渉成立せしめ、このステップ台の上に懸案本格的日ソ国交回復をはかるべきである。今さら、しり込みして国交回復の糸口を失するがごときは、厳に慎しむべきであると考えるが、重光外相日ソ交渉積極方針に切りかえる意思があるかどうか、伺いたい。  第二点として河野政府代表全権委任状が出せない理由について伺いたい。すでに明らかにしたごとく、漁業協定成立した上でなければ当面の問題たる漁獲制限交渉に入らないということは、ソ連が繰り返し繰り返し言っている通りである。しからば、当然協定成立必要条件たる委件状の提示が必要となるのに、この委任状を与えずに、政府代表として出発せしむることは、この協定成立に対して外相に熱意なきものと解してよろしいのか。ロンドン会議が三月二十一日から無期休会となり、直ちにソ連の一方的漁獲制限に対する国際法上の不当を抗議し、日ソ交渉とは別個に話し合いを行いたいと申し込み、それに対して、ソ連側から、去る十日、前述のごとき回答がきたのである。健全なる国民常識の持主ならば、当然に受けて立つべきであるし、申し込み内容たる魚族保護海難救助協定をまず成立せしめ、当面の漁獲制限に対してすみやかなる妥結を見るような努力をすべきである。もしそのために必要欠くべからざる手続は外交担当大臣たる外相が率先して配慮すべきものと考えられるが、重光外相は、河野代表出発前に委任状を与えて出発せしめる考えはないかどうか、この点を伺いたい。(拍手)  さらに、外相、ただいまは国交交渉の時期でないと言っているが、何を根拠としてかく言われるのか。しからば、いかなるときが適当な時期か、伺っておきたい。当面の漁業問題、引揚者の問題等をいかに考えておるのか、与党内に二つの潮流があるとも聞いているが、この意見統一再開の時期と関係があるのかどうか。日ソ交渉が八カ月、二十三回、しこうして回答はゼロであった。このことは重光外交の手柄でも自慢でも決してないのであります。単なる悲鳴でしかない。……
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日野君、時間が参りました。
  13. 日野吉夫

    日野吉夫君(続) 外相はこの機会日ソ漁業協定を正式に成立せしめ、その上に、当面の具体的な漁獲制限の取りきめ成立によって、漁業者中心とする国民不安一掃をはかり、そのために必要なる党内意見調整等一切の施策を打ち立てて国会を通じ国民に知らしむる義務があると思うが、外相所信を伺いたいのであります。  以上をもって私の質問を終りまするが、総理大臣重光外相よりそれぞれ答弁を求めるものであります。事態はきわめて重大であるとともに、きわめて急迫していることにかんがみ、具体的に、直ちにもって国民の不安を一掃するに足るよう、配慮ある御答弁を要求するものであります。(拍手
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) ただいまの日野君の発言中、不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。     〔国務大臣鳩山一郎登壇
  15. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 日野君の御質問お答えをいたします。  現在、日ソ交渉は中断をしておりますが、双方の合意する時期に再開さるることになっております。政府としては、交渉が円満に早期妥結されんことを希望しております。  第二に、国論統一とか、党内意見の相違とかというようなことについて御質問がございましたが、国論統一は、お説の通りに、その必要性は認めます。従って、私はこれに対して努力をしたいと思います。  河野君の資格について御質問がありました。これは政府代表として出かけますが、また必要に応じては途中全権に変えるかもしれません。  その他の御質問に対しては外務大臣よりお答えいたします。(拍手)     〔国務大臣重光葵登壇
  16. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えをいたします。  私の国会に対する本件報告及び外務委員会における答弁は、漁業交渉を開始するに至りました経過をそのまま御説明をいたしたものでございます。本件のきわめて重要な、また緊要なことは、よく承知をいたしております。それでありますから、日ソ交渉自然休会になるとともに、この交渉を開くことを提案いたしたわけであります。その提案に対して、ソ連側交渉を開始しようということに承諾をしてくれました。そこでこの交渉が始まるわけでございます。一般の問題としては、日ソ国交をすみやかに調整するために、懸案解決努力をしてきたことは御承知通りであります。政府方針は少しも変っておりません。また、これが私の所信でございます。(拍手)なお、漁業問題の交渉に当るために、政府は従来の慣例に従いまして、政府代表を派遣することに決定をいたしました。もしこの交渉において全権委任状を要するときには、何どきでも、そのときにすぐこれを発することができるように用意をいたしております。私はさような時期が少しでも早くくることを期待いたしておる次第でございます。(拍手
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて質疑はり終了いたしました。      ————◇—————
  18. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案についての文教委員長中間報告を求めます。文教委員長佐藤觀次郎君。     〔佐藤觀次郎登壇
  19. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君 ただいま地方教育行政組織及び運営に関する法律案及び地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案につきまして、文教委員会における審査の中間報告を院議をもって求められましたので、御報告申したいと存じます。(拍手)  この際、去る十七日、中間報告動議提出に際して赤城宗徳委員よりなされました提案説明は、いささか事情が違いますので、その経過を念のため報告しておきます。  事の起りは、四月十二日午後委員会再開されたときからのことです。この日、めずらしく、自民党席には多くの見なれない委員が詰め寄り、空気のただならざるを感知いたしました。当日午後は、普通やらない予定日だったので、わが党理事は出席していなかったのですが、審議促進のため、特に委員会再開しました。午後四時半ころ、野原委員質疑中、差しかえられた新顔の与党委員も多く席を占め、また、あとの方からは、ときどき打ち切りの声も小さく聞えました。私は、手洗いに行くため、やむなく前田委員に頼み、廊下に出ると、文教委員会質疑打ち切りをやるからこれから出席するのだという自民党委員の声を耳にいたしました。  そこで、種々状況考えますと、先日、清瀬文部大臣が、新聞記者に、非公式ながら、本法案が十二、三日に委員会打ち切りになると述べられたことも、私は思い出されました。当日、社会党委員席にはわずか四名しか出席していないという心細いありさまでしたので、これは容易ならざる事態が起きはしないかと、心ひそかに心配いたしておりました。そこで、坂田理事委員長席に呼んで、君の方はきょう打ち切り動議を出すのではないかと尋ねましたところ、同君は、そんなことはしない、委員長、信用してくれという返事でしたので、ちょっと安心いたしました。しかし、その後、坂田委員より、散会理事会を開けとの申し出がありましたので、すぐわが党の理事を出すよう委員部諸君を督促して、その行方を探しましたが、見当らなかった。そこで、前田委員に話してぜひこの委員会散会したあと坂田理事の要望に応ずるため、わが党理事出席方をお願いいたしました。五時半、ようやく山崎理事のありかもわかりましたので、坂田理事にその由を伝え、かつ、理事会委員会散会後開くこととして、委員長からその旨を散会前に宣言する旨を記したメモを同君に示したので、坂田理事はそれを了とせられました。その後また、赤城理事委員長席に来られ、党との関係もあるので、ぜひ理事会動議として出したいとの申し出がありました。私は、坂田理事に話したと同じように、理事会を開くのにわざわざ動議を出さなくとも、委員長から責任を持って開催することを宣言するので、そんなことはしないでほしいと申しましたところ、同君も私の意を了とされ、自席に戻られました。(「何を言っているのだ」と呼び、その他発言する者多し)黙って聞け。それなら、なぜ中間報告を求めたのだ。(発言する者多し)野原委員よりの質疑はその後も続いていましたが……(発言する者多く、議場騒然)野原委員質疑はその後も続いていましたが、五時四十分ころ、ようやく終る時期がきたので、前田、横路両委員から、坂田、赤城両理事に、理事会散会後開くことに了解を求めましたので、これで私は円満にいくと思い、ほっといたしました。ところが、赤城理事に何かと耳打ちする自民党委員の二、三の方もありまして、ちょっと私は変に感じていたやさき、しばらくして、突然赤城理事が立ち、「議事進行の動議」と言われたので私としては、これは急に質疑打ち切り動議に変ったのではないか、先ほど心配していたことが実現してきたらしいと思い、議場の混乱を避けるために、直ちに委員会散会したのであります。(拍手)  その後、赤城、小山両委員より、わが横路、前田両委員交渉があり、話し合いがついて、円満裏に十三日委員会を開催することにきめ、さよう処理したいと思っておりましたが、両者間にその了解の大きな食い違いがあることがわかりました。その後、自民党側十二名の署名入りの委員会開催要求書が参りましたので、これは、十三日委員会を開き、何らかの強行手段をとることと確信し、まず両者が話し合うことが第一であると思い、理事会を十三日午後一時に開くことといたしました。十三日理事会を開きました結果、両党理事の間には相当の勘違いもあり、十二日のことはお互いに誤解のあることもわかったのであるが、委員長としては、理事会の議がこの際円満にまとまらなければ混乱を生ずると思ったので、五回の休憩をしながら、七時間にわたし理事会を開いたが、わずかの食い違いで議事がまとまらず、ついに翌日に持ち越しました。  自来五日間、毎日理事会を開きましたが、自民党は審議期間三日を主張し、社会党は五日ということで、両者が譲らず、私としてはお互いに話し合いで円満に処理を期待いたしましたが、ついにまとまらず、わずかの相違でかくのごとく中間報告を余儀なくされたことは、返す返すも残念であります。(拍手)十六日も、私は両者の最後の妥協案を出したが、そのとき、赤城、坂田両委員より、委員長中間報告動議の手続をしたのだから、今さらせんなきことと、ついに最後の通牒を受け通り、万事休した次第であります。  私は、昨年三月以来文教委員長の重職を汚し、松村文相のとき、政府提案の十一法案を円満にまとめ上げ、また、困難な議員提案の三案も無事通過させ、各党の協力のもとに、その職を全うして参りました。(拍手)清瀬文相になるに及び、一つは自民両党の合同ができたのにもよるのでありましょうが、実に、委員会は、前の時代と変り、険しい雰囲気と変り果てて、しばしば怒気を帯びる発言のある委員会となり、まことに残念に存じました。しかも、本国会にも政府は七つの法案を仕上げ、今や政府提案の残っているものはわずか四法案となりました。私は委員長として、教育二法案と並んで教科書の法案は世評の高い重要法案であるから、努めて審議期間も長く、慎重審議すべきものと考え、私は一日の欠席もせず、熱心に法案の進行に努めて参りました。(拍手)ときには社会党委員質疑にある程度の制限を加え、そうして、公平な委員長として、自民党委員もよく理解していただいたはずでございます。(拍手)  委員長中間報告が求められた例は、昭和二十二年以来初めてのことでございます。すなわち、第一国会昭和二十二年十一月二十二日の会議において、すべての動議に先だち直ちに鉱工業委員会において審査中の臨時石炭鉱業管理法案について鉱工業委員長中間報告を求める動議提出され、院議でこれを可決したのでありますが、委員長伊藤卯四郎君が同委員会における審査の経過報告したこと以来のことであります。このときは、民主党の議員が自由党にくらがえしたため、与党委員が急に減った理由により、委員会の構成が変ったので、やむなく本会議動議を求めて中間報告をなし、それから委員会に諮り、否決されたので、やむなく本会議において採決した理由によるものでありました。今回とは全くその事情が異なっていることも理解されたいのであります。  今回の審議がおくれている原因は、第一に、清瀬文相は本案を二月下旬に必ず提出すると言っていたのに、与党間の賛否両論の調整がつかず、やっと三月の九日に委員会付託になった点にあります。また、第二の原因は、本案の審議中、清瀬文相がしばしば委員会において冗長な答弁をなし、時間を浪費したことでありまして、このことは与党諸君もよく御存じのはずであります。(拍手)  さらに、審議の過程中に最も大きな問題となったのは、矢内原東大学長以下十大学長の声明、次いで、関西の滝川京大学長以下十三大学長、また、上原教授以下六百七十五名の全国学者の法案を憂うることなど、その声明の内容は、「教育は時の政治の動向によって左右されてはならず、教育の制度と方針は政争の外において安定させるべきだが、最近、文教政策の傾向はこの原則を危うくするように思われる。たとえば教育委員会について、あるいはまた教科書制度について、そのいわゆる改正案を見ると、いずれも部分的改正ではなく、民主的教育制度を根本的に変えるようなものであり、ことに教育に対する国家統制の復活を促す傾向がはっきりしているのは、容易ならぬことといわねばならない。こうした傾向はやがて言論思想の自由の原則を脅かすおそれあるものである。戦後、民主的な教育の制度と方針が創始されて未だ年月も浅く、各部面にわたって改善を要する点はあるとしても、その根本原則は堅持しなければならない。もし法制上改正を要する点があるならば、政府はそのことを適当な審議機関に諮問して十分に審議を尽さしめ、また広く関係方面の専門的意見を聞き、世論に耳を傾け、慎重審議の上で初めて法規の改正に着手し、これを国会の議にまかせるべきであって、かりにも制度を根本的にくつがえすような改正案を急に作成して国会に上程し、その通過をはかるようなことは、厳に戒められなければならない。ようやくにして健全に育成されつつある国民教育の前途を思い憂慮にたえず、ここに有志相はかって声明を行い、政府国会の反省を促し、世論の一そうの興起を期待する。」(拍手)というものでありまし て、社会に大きな波紋を与えました。また、全教委、地教委のこぞっての熱烈な反対もあり、この法案をめぐって、教育の民主主義を守り得るかどうかのまことに重大な岐路に立たされたものでありまして、委員長としていよいよ慎重審議をする必要が痛感されたのも当然と理解されたいのであります。(拍手)  さて、この両法案は、ともに去る三月八日本院に提出せられ、翌九日の文教委員会に付託されました。次いで、十四日、清瀬文部大臣より提案理由の 説明を聴取し、十九日より両案に対する質疑に入ったのであります。自来約一カ月にわたり、ほとんど連日のごとく委員会もしくは理事会を開き、本案の審査について円滑なる議事の進行をはかって参ったのであります。  本案は、申すまでもなく、わが国教育の将来に多大の影響力を持つ重要法案でありますゆえ、院の内外において幾多の論議がなされ、また、本院に提出されますや、議員各位より重大なる関心が寄せられましたのであります。すなわち、去る三月十三日、委員会審査に先だち、本会議において清瀬文部大臣より提案理由の説明を聴取し、山埼委員よりこれに対する質疑がなされたことは、各位御承知通りでございます。次いで、委員会の審査に入りますや、各委員よりきわめて真摯かつ熱心なる質疑がなされ、政府当局よりもそれぞれ懇切なる答弁がなされたことは、ありがたいことでございました。  特に、本委員会では、法案の内容の重大性にかんがみ、広く教育に関するわが国各界代表の方々より意見を聴取するため、去る四月七日及び九日の両日にわたり、まれに見るりっぱな公聴会を開きました。(拍手)公述人として招致いたしましたのは、東京大学学長矢内原忠雄君、元総長南原繁君、全国町村会会長関井仁君、日本教職員組合中央執行委員長小林武君、長崎県知事西岡竹次郎君、全国都道府県教育委員会委員協議会幹事長松沢一鶴君、国学院大学教授北岡寿逸君、朝日新聞社論説委員伊藤昇君、東京大学教授田中一郎君、京都大学教授池田進君、千葉市教育委員尾形猛男君、日本PTA協議会会長塩沢常信君の十二名でございまして、これらの方々より本案に対する熱心かつ忌憚のない意見の開陳がなされました。また、各委員よりも公述人に対する真摯な質疑応答を行いまして、本案に対する線密周到な検討を進めて参ったのであります。  さて、本委員会といたしましては、先にも述べました通り委員会審査だけについて見ましても、公聴会を含めまして、今日まで回を重ねること十四回、時間数にして相当の程度審議しておりますが、なお十分なる審査を要するところが多々あります。しかしながら、地方教育行政組織及び運営に関する法律案について見ましても、本則六章六十一カ条、附則二十五カ条から成り立つ大きな法案でございまして、特にその盛られておる内容から申しまして、一条々々ゆるがせにできない重要なものを含んでいるのであります。(拍手)  本委員会といたしましては、提案者たる清瀬文部大臣、緒方政府委員に対する質疑応答及び資料の要求によって法文の内容を具体的に解明するとともに、また、先に述べた公聴会により、識者の批判を聞き、国民各位より本委員会に寄せられた各種の陳情、さらに、新聞その他による世論の動向に注目して参ったのでありますが、いずれにいたしましても、あらゆる角度から慎重に検討いたしまして、本案審議に万全を期すべきものと存じておる次第であります。しかるに、現段階では、本法案に対する総括質問を残し、逐条質疑に入ったのでありますが、逐条質疑はいまだ第七条第一項の程度までしか進行いたしておりません。第二に、本案の重要性にかんがみ、現内閣の最高責任者たる鳩山総理大臣より直接政府の見解をただしたく、総理に対する出席要求がなされておりますが、これがまだ済んでおりません。第三に、地方教育行政について密接なる関連を持つ本院の地方行政委員会より、本案に対する連合審査会開会の申し入れが参っておるのでありますが、これもまだ行なっておりません。  以上が今日までの経過の概要でございますが、次に、法案の内容に関しまして、文教委員会における審査の経過を詳細に御報告申し上げたいと思います。(拍手)  本委員会におきましてはこれよりいよいよ質疑の段階に入ったわけでありますが、まず、逐条審査に入る前に、一般質疑の中において問題となった諸点について申し上げます。  その第一点は東大矢内原学長ら十名の学者による文教政策の傾向に関する声明に関する問題であります。この問題について、平田委員、辻原委員、木下委員河野委員、高津委員より、それぞれ熱心な質疑がなされました。そのおもなる点について申し上げます。  まず平田委員より、この声明について大臣の所見をただしたのに対し、清瀬文部大臣より「大へんいいことが書いてあると思います。これは二つありまして、第一段は、民主的教育の根本制度は容易に変更すべきものじゃないということ、第二段は、それぞれの機関等に意見を徴して、慎重審議の上で議案を作れということでございまして、大体私もそういたしたつもりでございます。ただ、大学におられまして、国会や文部省でしておることが、まだ十分おわかりにならなかったのじゃないかと思うのであります。」という答弁であります。さらに、同委員より、文教政策の傾向に関する声明というこの中には最も大きな問題は、こういう大改革を審議機関に諮問もしないで、急速に提出しなければならなかったことと思われるその理由について質問いたしましたのに対し、清瀬文部大臣より「このうちで、今私が説明しました教科書法案と、それから今審議の対象となっておりまする地方教育行政組織及び運営に関する法律、この二つについて言っておられまするが、教科書法についてはかねがね調査いたしておりましたが、中央教育審議会からは十二月の五日に答申がございまして、これをよくかみ分けて、とるべきはとってこの案を立てております。それから教育委員会のことにつきましては、私の前任者が教育行政のことを諮問したうちに含まれておりまするので、昭和二十八年七月二十五日付で詳しい答申が出ております。」との答弁がなされました。次いで、辻原委員より、これに関連して次のような質問がなされました。すなわち、「今大臣の平田さんの質問に対する答弁を聞いていると、これらの人々の見解はこの法案の研究あるいは政府の真意、こういうものを十分検討なりあるいはそんたくすることがないために、このような声明を発表したのであって、政府としては所要の手続、あるいは十分関係の方々の意見を尊重してやったのだという答弁でありますが、もし大臣がお話のようであるなら、少くとも今日日本の教育学界の中の大部分の人たちが、あげてこの法案に対して警告を発するような、そういう異例の態度はとらないでありましょう。そこに、大臣のお考えになっている点と、またこの法案に対して従来関係した方々あるいは一般国民との間に、非常にギャップがあると考えられます。これに対して大臣の少くとも納得せしめられ得る御見解を承わらないことには、われわれとして黙って引き下るわけには参らない。この文教政策の傾向、言葉はどうであろうとも、少くともこれは一歩一歩教育がその根底をゆすぶられて漸次言論の自由、学問の自由を脅かすような過程をたどりつつあるということに対する声明である。これは単に清瀬大臣の見解のみならず、鳩山内閣の文教政策が、そういった言論自由の圧迫、民主教育の根底をゆすぶつているという傾向をたどりつつあるという学界の方々の相一致した見解であります。これに対して、政府としては具体的にどうであるかということを天下に表明せられる責任が、少くとも政府代表していらっしゃる鳩山総理にあると思うがどうか。」従って文部大臣の答弁あと総理の出席要求がなされました。これに対する清瀬文部大臣答弁は次の通りであります。すなわち、「この声明に対する私の答え今平田委員に対していたした通りであります。いい声明と思います。この主張にはちっとも異議ありません。民主教育の根底は容易に動かすべきものではありません。それから法制上に改正を要するところがあるならば、それは適当な機関に諮問して十分に審議を尽すということは、その通りでございます。ただ、もしそれが中教審に諮問してないということでありましたら、教科書法については、最近諮問いたしましてそれを採用しております。それから教育委員会については前任者が諮問して答えが出ております。もっとも、これは全部はとっておりませんでした。けれども、その答えの中に、市町村委員会については多少の疑念なしとはしがたいが、現行法の性格を直ちに変改するなとおっしゃっております。私の方も疑念を持ちましたから、地方委員会は廃止しないで存置してその規定を改めて、今の案のようにいたしたのでありまして後段のことについては、少し御調査が足らなかったのではないか。前段のことについて、ちっとも異存はありません。」との発言があり、また私からは、「ただいま辻原委員より要求のありました鳩山内閣総理大臣の出席につきましては、後ほど理事会に諮り、この取扱いを決定いたしたいと存じますので、御了承願います。」との旨の発言をいたしました。  以上が三月二十日の委員会における質疑の内容でありますが、次いで二十七日に至り、木下委員より、「十人の学者たちから声明書が出たが、その後日数もたちましたし、状況の変化もあったと思うのでありますが、大臣の心境の変化は少しもありませんか」との質問に対し、「少しもございません。」との答弁でございました。さらに、木下委員から言葉を続け、「では、私進んでお尋ねいたしますが、十人の学者たちがああいう意見を出されたのに対して、大臣はこの前も、また、ただいまも本委員会で御答弁をなさったように、まことにけっこうな意見だ、この通りと思う。事実についてはいささか調査が間違っておることがあるが、意見としてはこの通りだということを、はっきり、たびたびおっしゃっておると思うのであります。よいことだ、この通りだと、はっきりあれほどおっしゃりながら、なぜ逆な御提案をなされたか。集約して言いますと、よろしい、この通りだとおっしゃりながら、それを守らなくて公選を任命にするという逆なことをお考えになったか」について尋ねたことに対して、清瀬文部大臣より、「この声明は教育委員会の構成を公選方法にすべしという御主張じゃないんです。この中には各方面に聞くがよろしい、こういうことが最後でございます。私もそれを聞くに努めたのでございます。」「それからまた、教育委員会のことにいたしましても、中教審に諮って一ぺんかけておりまするし、また地方制度調査会にもかけておりまするし、教育委員会制度協議会にもかけておりますし、また政会諮問審議会にもかけておりまするが、これは一々違った答えが出ております。違った答えをみなとるわけにいきませんから、これらを研究いたしまして、また党内の調査も経てここに至つたのでございます。これは、教科書のように、一つの単純なものじゃございませんから、どの委員の方も、おれの言っていることが通っておらぬとお考えでありましょう。しかしながら、どの委員会のおっしゃることもみな少しはとってあります。」かような答弁でございました。これに関連して、河野委員より、「しかしながら、大臣も御承知のように、その後、関西におきましても、瀧川京都大学総長以下十二氏の、いわゆる矢内原総長声明に対する支持の声明が表明せられて参りました。なおまた、その他のいろいろな学者の間においても、こういった矢内原総長以下の声明を支持するんだという強い意思表示がだんだん行われておるということを承わっています。大臣はそれはきわめて一部の学者の声明であると言われる。ところが、今日に至りましては関西においても、あるいは全国におきましても、そういった機運が非常に強く盛り上ってきている。これが一つの情勢の推移であるというふうに私は見て参るが、こういった情勢の推移が起って参っても、なお大臣としては、やはりそれは一部の学者の意見であるというふうに考えられるか」との質疑に対し、清瀬文部大臣より、「関西での学者の御決定は新聞承知しているだけで、書面も受け取っていない。しかしながら、東京の十大学学長の御意見は、必ずしもこの法案をやめてしまえとか、どこを訂正せいということじゃなくて民主主義の教育の方針は捨てるなとおっしゃるので、私も捨てません。改正の必要があったら、適当なところに諮問せいとおっしゃるから、将来も諮問するつもりであります。現在も諮問してこれを作ったので、一向私のやっておることと抵触しておらないのです。ゆえに、これを尊重して、現に新聞の切り抜きまで私は張って持っておるくらいで、けんけん服膺しておるのでございます」との答弁がございました。また、文部大臣の答弁から察しますと、おれは暗にこの十人の学者の言うことはよいと思うが、たまたま党議によってこうされたのだから、それに服したのだというお話がありました。党議ということで間違ったことをがまんしておやりになるということでは、日本の文部行政の責任者として大へんなことだと思うがいかがですかとの質疑があり、清瀬文部大臣より、「党でおきめになったことに、私は逆なことはしないのであります。」「しこうして、この案ができてから後に学者先生が声明をお出しになった。この声明を文字に拘泥せずに熟読翫味いたしますと、これまたわれわれの案と根底において違うところはございません。」との答弁がありました。(拍手)  最後に、翌二十八日に、高津委員より次のような質疑がなされました。   この法案に対しては目下ごうごうたる非難が起っており、その非難の台風は日を追って吹きつのるばかりであります。私はこれは文部大臣として十分に御留意いただきたいと存じます。   すなわちその実情を申しますが、第一は、東京方面の教育界の最高の権威矢内原東大総長初め現役大学学長八名、元大学総長二名、計十名の反対声明がありました。   第二は、これに続く関西教育界の最高権威、これまた瀧川幸辰総長を初めとする十三名の反対声明であります。   第三は、大学教育を受けつつある大学生十八万人の一大集団である全学連の右の反対声明に対する支持声明であります。   第四は、全国都道府県教育委員会協議会すなわち全教委と、全国教育委員会委員連絡協議会すなわち全地教委と、これら全国の全部の教育委員がこぞって反対声明を出しているという事実。しかもこの教育委員の諸氏は総辞職を決議しているという事実。文相御自身に対する不信決議をしているという事実。   第五は、これらの教育委員と日教組との関係は、従来犬とサルとの間柄であったわけでもありませんが、しかし親類同士という間柄でもなかったのであります。ところが一たびこの法案の内容を見るに至り、一切の行きがかりを一擲して、この法案に関する限り、教育の危機事ここに至っては黙視できないとして共同戦線に立ち、本法案反対の共同声明を発表するという新しい事態まで生れつつあるのであります。   第六は、大臣も委員各位も御存じの教育界の元老、ペスタロッチ研究の権威たる長田新氏を会長とするあの日本教育学会は、この法案を学問的立場から検討中でありましたが、今月十九日本法案に反対する第一次声明を発表し、これを文相あてにはもちろん、私たち文教委員にも提出して参りました。   第七は、学問、思想の自由を守り、教育の統制に反対する声明発起人会から、昨日私たち文教委員に対して反対の声明を持って参ったのでありますが、これも二百四十四名の連名になるものでありまして、非常に権威のあるものと認めます。   第八は、これまた昨日東大の勝田守一教授ら五名の代表が全国六百十七名の有名教授の本案に反対する抗議文を当文教委員長佐藤觀次郎君に提出されました。   第九は、学校の先生方に常々会って、教育を語り合い、教育についてともに種々な協議や行事を行なっているところの、一般国民の水準以上に教育の愛好者であり理解者であるPTAが続々としてこの教育委員会骨抜き法案の反対に立ち上ろうとしておるのであります。   かくのごとき足並みそろった反対機運の大きさ、高さ、深さと申しましょうか、それは全く前古未曽有のものでありまして、教育界はこれより大荒れに荒れようとしておるのであります。   おれたちは多数党だ、数で押し切ればいいのだという態度で臨むことは、はなはだ乱暴な文部行政ではないでありましょうか。このような、教育関係者のほとんど全部といっていいほどの人々が反対する場合には、それらの事情を大所高所から冷静に勘案され、とにかく大切な教育のことでありますから、強引な処置は見合せられるのが妥当ではないでありましょうか。   このような反対があるのに、この法案を通過させ、実施するのは、はなはだ乱暴な文教行政であるという点、他と違い教育のことなのだから、これらの圧倒的な反対は十分に勘案してこの法案は見合せるがよかろうという点  この二点について伺いました。これに対し、文部大臣より、「今御列挙の九つの意見について、私がまだ存じないものもございますが、しかしながら、教育に関する立法はきわめて大切なものでありまするから、私の手元に来ますれば、よく拝見いたそうと思っております。」との答弁がありました。この問題については、なおいろいろな論議がなされたのでありますが、詳細は速記録に譲りたいと思います。(拍手)  次に、第二点といたしましては、教育委員の総辞職問題であります。すなわち、山崎委員より、本法案がもし通過の暁は、全国の教育委員が一斉に総辞職も辞せないという気がまえを示しているが、万一こういう事態が起ったなら、日本の教育行政が一大混乱を起すことは火を見るより明らかである、従ってこういう事態が起ったときの文部大臣の責任の帰趨を明確にされたい旨の質疑がなされました。これに対し、文部大臣より次の答弁がありました。「全国の教育委員の方々が教育に熱心のあまりいろいろと御研究になっておることは承知いたしておりまするけれども、これらの人が同盟して一斉に辞職なさるなどとは私は考えておりません。教育を愛護する者はさようなことには走るまいと考えておるのでございます。」さらに、山崎委員より、「私たちもそうありたいと実は願います。その気持は文部大臣もわれわれも同一でございまするが、御承知のごとく、神奈川県は、過日の新聞紙上を見ますると、もうすでに総辞職をやるようです。また、聞くところによりますると、地方教育委員会の中にも、長野県でありましたか、出ておる。なおかつその傾向が全国的に広がらんとしておるこの趨勢というものは、あなた方の情報網にも私ははっきりと入っておると思うのであります。」「私がお尋ねしておりますことは、そういう事態が起ったときの文部大臣の責任のとり方の御決意を聞いておるのであります。」そこで、清瀬文部大臣より、そういうことが起らないことを望むというよりも、起らないとかたく信じておる旨の答弁がありました。さらに、いろいろ論議があった後、山崎委員より、「現に教育委員会の全国協議会では総辞職をする決意を表明しているんですから、今後起ってくるかもしれないという状態は、今あなたが事務的にその補充ができるとかいうような、そういう非常識な答弁をされるものじゃ私はないと思うんだ。重ねてお聞きいたします。」と質問されましたのに対し、清瀬文部大臣より「そのようなゼネストに類するようなことは、教育委員会に限って断じてないと思います。」との答弁がなされました。なお、論議がいろいろございましたが、詳細は速記録に譲りたいと存じます。  次に、第三点として論議されました問題は、文部省の広報活動についてであります。これについては、高津委員、辻原委員野原委員より、それぞれきわめて熱心な質疑がなされ、清瀬文部大臣、淺井人事院総裁、林内閣法制局長官より答弁がございましたが、詳細は速記録に譲り、質疑のおもな点だけを申し上げます。  まず、四月三日、高津委員より、文部広報三月二十三日号記載の重要教育二法案の問題点の解明文に関し、まだ議会で論争の最中に、これが質問もまだ続行しているのに、こういうような文書を税金の中から大量に印刷をして振りまくということは、何らかの法律に違反しないか、また辻原委員より、法案国会で論議中、しかもそれぞれ見解を異にし、国会の審議を通じてでなければ法律の解釈が明確にならない、それにもかかわらず、そういうものを事前に取り上げ、一方的解釈を与え、文部省の責任において宣伝していくことは、政府の一機関としての文部省として越権行為であり、文部省の広報活動の範囲を越えるものではないか、また野原委員より、行政庁が、立法府において今日政治上の大きな論争課題となっているものを一方的な立場で主張を流すことは、立法府の意思をじゅうりんするものではないか、また、この広報は政治的意図をもって発行されたものでないか等の質疑がございました。これらに対し、清瀬文部大臣より、この広報の発行は文部省設置法第五条第十号の「所掌事務の周知宣伝を行うこと。」に根拠を置き、文部省組織令三十五条により広報課が置かれ、そこの事務になっている、もちろん責任は私が負います、政府並びに文部省で出した法律案の内容を世間によく知らしめるための報道は当然のことであって、しなかったらわれわれの怠慢である、広報活動の範囲を一歩も出ていないと思っている旨の答弁がなされました。次いで、辻原委員より淺井人事院総裁に対し、文部省職員の行なった文部広報百四十一号裏面の文章表現、編集方法は、少くとも法律案がまだ法律とならない段階のものであって、しかも全国の教育関係者に及ぼす影響は大きいから、国家公務員法第百二条の政治的行為の制限規定及び人事院規則に照らし、どのように解釈をするかという意味の質問を行なったのに対し、淺井人事院総裁より、この広報活動に関係している一般職の職員は上司の命を受けてやっておることで、人事院規則第七項により違法性は阻却されておると考えている、ただ、こういうことが望ましいかどうかということは、人事院から申し上げるべき問題ではないと思います。との答弁がございました。この点を要約して、辻原委員より、総裁の御見解としては、これは一国家公務員の責任の範囲内で出したのではないいわゆる文部省全体としてこの行為をやったのであって、国家公務員法の個人に対する処罰規定の範囲外であるという見解かとただしたのに対し、その通りでございますが、これは職員の本来の職務を執行するために行なった行為であると考えております、と答弁がなされました。また、同じく辻原委員より、林法制局長官に対し、文部大臣の責任において、また文部省の行政当局の責任においてかかる行為が許されるかと質問したのに対し、政策的に論ずることは別問題であるが、法律的にはその範囲を逸脱するものではなかろうとの答弁がございました。  さらに、引き続いて、三月二十七日から四月六日まで六回の総括質問を行い、続いて二回の公聴会、四月十日から三回の逐条審議を行い、ようやく第七条までの審議を終った状況であります。これらの詳細については、すべて速記録によって御承知を願いたいと存じます。  三月十九日及び二十日の委員会に次いで、二十七日の委員会におきましては、平田委員から熱烈なる質疑がございましたが、その内容について申し上げますと、まず平田委員は、第一に、現行教育委員会法が教育行政制度として果してきた業績及び欠陥について、第二は、公選制と任命制について、第三は、教育長の選任方法が都道府県と市町村で異なる理由、第四には、文部大臣の権限強化について、清瀬文部大臣及び緒方政府委員質疑を行いました。これに対し、第一の現行教育委員会法が教育行政制度として果してきた業績及び欠陥については、緒方政府委員から、教育委員会が教育行政制度として果してきた従来の業績については、六・三制の確立に非常な努力がされ、特に施設の面等の整備が行われたことなどたくさんあるが、教育委員会制度が直接教育内容の面に効果をあげたかということについては、これがそうだと直ちに申し上げかねると答弁がありました。続いて、清瀬文部大臣から、この法案作成に際しては、現在の教育委員会の長所、短所をよく研究の上で当ったのであると、文部省内で調査研究した資料に基いて説明がありました。第二に、公選制と任命制については、清瀬文部大臣は、第一、選挙によりますと、すべての選挙に伴う弊害がこの場合も考えられ、あるいは特殊な無理な請託とか、あるいは委員の行動にひもがつきやすい、あるいは選挙のわずらわしさから、選挙をきらって適当な人物が出ない、あるいは選挙であるから政治的所属の制限ができないので、全員または過半数が一党にかたまって中立性を危うくするおそれがあること、あるいは、選挙によると、同時にみな退職するので、連続性、すなわち安定性を欠くこと、理事者と教育委員との政治的立場から摩擦が激しくなること、委員会は合議制だから長所はあるが、同時にまた、委員の一人一人の責任感が薄くなること、あるいは合議制なため処理が敏速を欠くこと等、両方の長所、短所を拾い上げ、これをよく検討した上でこの法案が生まれたのであるとの説明がありました。  平田委員は、これに対し、今の説明は矛盾しているように思うが、委員の発言は、民意が反映した、これは選挙をすることによって住民がみな市町村の教育行政に参画しているという、この意思がここに反映されたのであると私は思うが、今度の法案によれば、任命制にしたので、この民意の反映ということが行われなくなるのではないかとの質問がありました。これに対して、清瀬文部大臣は、選挙は民意を反映するので、これが長所であるが、その反面に、小さい団体の民主主義では長短交錯していることが事実であり、やはり、この場合は、選挙制より任命制の方が、前述したような中立性確保の上から最もいい方法であり、また、公選によって選ばれた首長が議会の承認によって任命するのであるから、民主的でもあり、最適の人物を得ることができるとの説明がありました。  平田委員は、さらに、文部大臣は常に党議を重んずると言っているが、大臣が無所属でない限り、やはり自由民主党の政策が教育の上に織り込まれる、あるいは、市町村長の政党の政策がそのままに織り込まれるということかないかとの質問が行われ、文部大臣は、これに対し、それは非常に説明しにくいことで、たとえを申すことはよくないかもしれませんが、船を作る造船所と、できた船を運航する船長のようなもので、教育法をいかにするかということは、日本では国会という造船町でやるよりほかはない、法律を作る以上は、やはり政党内閣提案して、反対派の人にも集まってもらって、十匁に検討して教育法を作る、これができ上ったら、これを運行する委員会でも、先生方でも、公平中立に、一方に偏しないよう教育委員会の行政をやつていただき、教員の方も中立の教育をやっていただくのであります、との答弁がありました。  次に、第三の、教育長の選任方法が都道府県と市町村で異なる理由についてさらに平田委員質問に対し、清瀬文部大臣、これは一口にいえば簡素化のためであります、小さい町村では簡素にする方がよかろうと考えたためであるとの説明がありました。これに対し、平田委員は小さい町村はどうして簡素にしなければならないかと質問すれば、清瀬文部大臣は小さい村では何事も簡単にする方がよいと思う、人口も少く、学校の数も二つか三つくらいだから、あまり大きな組織は必要ないと思われるとの答弁があり、さらに、平田委員は大臣の考えるようにすると、教育の機会均等という教育基本法が行われなくなると思う、そのような大臣の説明では納得できない、特に、町村によっては三人の教育委員でよいとのことですが、教育長が一人、委員長が一人、平委員が一人、このような三人で教育のことが運営できるかどうか問題であるとの質問に対し、文部大臣は、勉強して下さるならば十分できると思う、三人で支障あるなら五人でもよいとの説明がありました。  次に、第四番目の文部大臣の権限の強化について平田委員は今回提出された法案は教育委員会の大切な点を骨抜きにして中央からの強いひもがつけられる仕組みになっている、いわゆる国家統制への道をたどっているものであり、現行法の地方分権の建前を切りくずして文部大臣の監督権を強化したものであると思われるとの質問に対し、清瀬文部大臣は、国が国民教育の任務を負っているのだから、児童生徒に事故が起きた場合責任をとらなければならぬ、そのためには、平生から指導監督の力をもう少し強くやっていいのではないかというのが全体の世論でありますので、この案もこういう趣旨で立てております、という説明でありました。  次いで、木下委員から、第一に、児童生徒の自殺事件が多くなる傾向にあると思うが、そういう事実及び原因についての調査、第二に、学区制の廃止、第三に、文部省における体育局の新設、第四に、矢内原学長外十氏の声明に対する現在の心境、第五に、民主主義の根底をゆるがすような公選制から任命制に切りかえる逆な趣旨の法案提出された理由、及び、任命制と政治的中立等について文部大臣に質疑を行いました。これに対し、文部大臣は、第一の質問、すなわち、児童生徒の自殺事件について省内に連絡班という責任を持つものを設け、そういう事故は逐次あるたび調査させているとの答弁があり、これに対し、木下委員は、このように入学試験や就職試験に落ちて自殺したりする生徒が多くなる傾向があるのであるが、文部当局はいかなる善後処置をとっているかとの質問に対し、緒方政府委員は、省内に臨時調査連絡班という機構を設け、地方の学校の事故あるいは児童生徒の非行の問題につき調査し、その結果を検討していること、第二、児童生徒の生活指導、生徒指導を徹底させ、かようなことを防止していこうとしていること、このため、三十一年度におきましては予算も計上し、地方にこの生活指導や生徒指導をやるよう講習会を開き、あるいは協議会を設けて努力いたしておるとの答弁がありました。次に、学区制について、教育の機会均等という面から見て学区制を設けて縛っておくことがよいかどうか、二、将来この制度を継続するつもりかどうかとの質問がありました。これに対して、清瀬文部大臣は、学区制は当分現行通りに維持していく考えである、第二、これが絶対的に永久方法とは考えられないが、現在は遺憾ながら学校差というものがあり、学区制を廃止すればそこへ集中ということになるので、この法案でも学区制は認めているとのことでございました。さらに、木下委員は、学区制を撤廃することは学校差をなくすることにじゃまにならないし、また、教育の機会均等という意味からも、学区制を廃止する方がよいと考えているから、文部当局でも十分研究してほしいとの希望がありました。  次に、第三問として、体育局については、木下委員から、文部省に設置の計画があるかどうか、あるとすればその内容について伺いたいとの質問があり、これに対して、清瀬文部大臣は、希望があること、三十一年度予算の作成に当り、閣内閣外に交渉もしたが、わが国の財政状態の上から不可能であった、今後機会あるごとに努力したいとの説明がありました。  次いで、矢内原学長等十氏の声明に対する木下委員質問は、この十氏の声明が出てから一週間も経たが、大臣の心境にその後変化はないかどうか、また、大臣は、この十氏の意見はその通りと思うが、事実はいささか調査が間違っているとも言われましたが、しかし、意見はその通りであると肯定しながら、なぜこの法案のような公選を指名とするような逆な提案をされたかとの質問に対し、文部大臣は、この声明は教育委員会の構成を公選方にすべしという主張でないこと、広く各方面の意見を聞くことというのであります、それで私も広く聞くことに努めたこと、特に教科書法案のごときは九分通り中教審の諮問の答えの通りやったのであって、それを諮問されぬということは少し違っていること、四、教育委員制度についても中教審に一ぺんかけているし、また地方制度調査会にかけているし、政令諮問審議会にもかけていること、これらの答申はそれぞれ違ったものになったので、これを調査研究してこの法案ができたこと等の説明がありました。(拍手)  中間ではございますが、一言重要な点について付言いたしたいと存じます。  すなわち、本報告の冒頭にも申し上げましたのでございますが、本案審議に当り、なお今後に残されておる問題について申し上げます。第一に申し上げねばならないことは、地方教育行政組織及び運営に関する法律案の逐条質疑がまだ第七条第一項程度までしか進んでおらない点であります。(拍手)思うに、法案の総括質問はもとより大切でございますが、逐条質疑において、提出者の意図されているところが詳細に解明され、幾多の疑問がただされ、個々の条文の解釈が明確にされるのであって、これが将来法律となった場合においては、その適正な運営に役立つことは論を待たないところであります。(拍手)しかるに、本案を見ますると、本則、附則合せて八十六カ条、関係法律整理法案は二十カ条、及び附則九項で、総計百十余カ条がありまして、現状ではまだ審議が緒についたばかりと申すほかなく、今後論議さるべき多くの問題がたくさん残されているのでございます。(拍手)  次に、第二点として申し上げますことは、鳩山総理に対する出席要求に関することであります。このことにつきましては、去る三月二十日の委員会において、辻原委員より、矢内原東大学長等十名の学長声明に関し、鳩山総理の出席を求める要求がなされました。その要旨とするところは、同声明の意味するものは、今日の文教政策の傾向は、一歩々々教育がその根底をゆすぶられて、漸次言論の自由、学問の自由を脅かすような過程をたどりつつあるということに対する声明であって、一つの心ある人々の警鐘と見られる重要なものであるから、政府の首班としての鳩山総理よりこれに対する見解を天下に表明せられる必要があると思うということであります。(拍手)私、委員長としては、理事会に諮って取扱いを決定したい旨の答弁をしておりました。その後、理事会においては、議案の審査日程がきまらないまま、この問題も直ちに決しませんでした。しかし、その後に至り、周囲の情勢と事柄の重要性にかんがみまして、私は自由民主党中村国会対策委員長と直接話し合ったところ、中村委員長は、われわれの意のあるところを十分に了とせられ、必ず法案が上る前日には総理を出席させることを取り計らうとの確約を得たのであります。(拍手)その出席が、まだ今日実現していないのであります。  最後に、第三点としてまだ残されているのは、本案についての地方行政委員会との連合審査会に関する件であります。本案は、申すまでもなく、地方公共団体における教育行政の重要性と一般行政との関係、並びに国との関係等を内容としているものでありまして、本院における地方行政委員会におかれては、本案に対し特に深い関心を寄せられ、去る十日に至り、文教委員会との連合審査会の開会要求に関する件を協議決定されたのであります。その後、大矢地方行政委員長より、たびたび、連合審査の開会について、私のもとへ御熱心なる要請が参っているのであります。しかるに、理事会においてはその方法は議せられず、今日そのままになっているのは、まことに遺憾でございます。(拍手)  以上申し述べました三点は、要するに、本案審議の万全を期する上に欠くことのできない重要なことでありまして、今後あらゆる困難を克服してでもこれらの審議を尽し、教育に関する国家百年の計に照らして悔いのないよう、かつまた、国民の負託にこたえたいと念願するものでありまして、(拍手)私は、委員長といたしまして今日まで順調に審議を重ね、一年二カ月の間、よく文教委員会を一度のもめ事もなくして済まして参ったのであります。私は、この関係考えまして、何がゆえに、今ごろになって、わずか一日の差をもちまして、かような中間報告を求めまして、強引にこの法案を決行されるか、自民党態度がわからないのでございます。(拍手)どうか、教育の問題ははなはだ重要な問題でございますので、今後も十分審議を尽し得るよう、賢明な議員各位の御賛同を得たいと存ずる次第であります。
  20. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 佐藤君、申し合せの時間が過ぎました……。(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)
  21. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君(続) 最後に、山本委員から、かかる問題について、二大政党が各市町村において積極的に党員獲得の活動を行なった場合、村の全員が入党するか、または、党員でない人がごく少数のときは委員を得るのに困難を生じ、本案における任命制の趣旨に反しないかとの質問に対し、清瀬文部大臣から、もし、市町村民が、極端な場合を仮定して、大多数二大政党のいずれかの党員となり、この法律で許されている一党三人以上の任命を見なければ適任者がないというような場合があったとすれば、この法案では、その土地の住民でなくとも、首長の被選挙権さえあればよいのであるから、その場合は、その市町村の住民以外の人を選任して差しつかえないのであるとの答弁がありました。  三月二十九日の委員会におきまして、高津委員より、教育委員会関係法案と教科書法案の二つは急角度の転換であり、教育界にしこりを残すものではないかと、文部大臣に質問がありました。清瀬文部大臣は、世界の新しい動向を正視せず、それとは正反対の思想体系をもって逆行しようとしていること、アメリカ一辺倒の教育、アメリカが喜ぶような教育の中央集権化を実施しようとして、アメリカ色を払拭すると言いながら、実はアメリカの世界政策の一翼となっていると思われること、この法案のねらうこのような急角度の方向転換は、必ずや教育界に末長くしこりを残し、教育界の九割八分のものはこれを了承せず、文部省と冷戦的なにらみ合いの状態を長い間続けると思うが、大臣はいかに思うか、との質問がありました。これに対して、清瀬文部大臣は、教育は非常に幅の広い大きなものでありまして、世界の外交、思想の情勢がいかようにあろうとも、健全なる教育という点においては同様であり、政局の変動によって変化を生ずるといったような幅の狭いものではないのであり、従って、心配されるような、教育界にしこりを残すようなことは考えられないと答弁し、さらに高津委員は、この法案は教育に対する荒療治で、急激な方向転換命令だと考えられ、中央集権的教育行政機構の確立がこの法案のねらいだと思うこと、特に、第五十二条の措置要求権は、第十六条の教育長の任命の規定と川付って実質的には指揮命令権となり、教育の地方分権も、教育の民主化も、教育の自由もなくなり、教育界は大混乱となり、教育の大損失となると思われるが、それに対し、教育界はよりよくなるという大臣の積極的理由を示されたいとの質問があり、これに対し、文部大臣は、この法案は重大なものであるから……。
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 佐藤君、簡単に御報告願います。
  23. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君(続) 一部には反対もあり、また他方には、賛成で、通過を熱望している人もあるのでありますから、皆様の審議の結果、適当なところに落ちつくものと思われる、従って、質問にあったような教育界の混乱を来たすようなことは考えられない、本法案が、民主主義的方法で議事を進め、政治の最高機関たる国会がもしこれを通過して下されば、次の時代の国民を育成するために、この機構を使ってくれるものと確信するとの答弁がありました。  なお、多くの質疑がありますが、両法案についての中間報告のほんの一部を報告いたしまして、私は、委員会において、皆様方の御賛同を得まして、さらに多くの審議を続けられんことをお願いいたしまして、降壇いたします。(拍手
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) ただいまの中間報告に対し、質疑の通告があります。これを許します。八木昇君。     〔八木昇君登壇
  25. 八木昇

    ○八木昇君 私は、日本社会党代表いたしまして、ただいま報告のありました佐藤文教委員長中間報告に対しましてただいまより若干の質疑をなそうとするものでございます。(拍手)実は、ただいまから質疑を申し上げます前に、一言だけ申し上げておきたいのであります。というのは、今回、八年前にたった一回だけしか先例かないというような異例の中間報告を求めておりながら、みずからが委員長報告時間を一時間に制限するというがごときことを、あえてやるような次第と相なったのであります。心ならずも本会議壇上に立たされたこの佐藤委員長に対し、私は、非常な憤りと同情の念を禁じ得ないのであります。そこで、私はこの際申し上げたいのであります。るが、よもや私の質問に対する答弁には時間の制限はなされないはずでございましょうから、(拍手)すでに報告されたものと重複するような点もあるいは質問するかもわかりませんけれども、報告で十分に述べ足りなかったと思われまする点は、この際、ゆつくり、十分御答弁をいただきたいのであります。(拍手)  元来、今問題となっておりまする地方教育行政組織及び運営に関する法律案なるものは、最近政府並びに与党が強引に推し進めておりまする一連の反動立法の中でも特に反民主主義的であるばかりではなくて、きわめて党利党略的なものでありまして、まことに重大な法案でございます。従いまして、これが審議に当っては、国権の最高機関としての国会が十分に慎重審議を尽し、わが国の教育の将来について誤まりのない正しい道を見出すべく努力することは、まさしく当然しごくでございます。(拍手)  この法案は、戦後確立されました民主主義教育の根本に反し、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」という教育基本法の理念を根底よりくつがえすものでございます。すなわち、教育委員の公選制を廃止し、教育委員会から教育予算の原案送付権を剥奪し、教育長の任命を、時の政党内閣の文部大臣の承認を要するものとするのでありまして、全く言語道断のものであります。(拍手)従いまして、先ほど申しましたごとく、この法案について相当の長期にわたり、深刻な論議が繰り返されるのは、全く当然のことでありまして、そうしてこそ初めてこの国会は全国民に対して忠実であるということができるのであります。しかるに、今回、自民党は、どうしたことか、本法案がいまだ文教委員会において審議中、しかも、重要な質疑かこれから大いに行われようとするやさきにもかかわらず、突如として、文教委員長に対し、この中間報告を求むる動議提出し、一昨々日、多数を利して強引にこれを可決したばかりではなく、しかも、自後において何事かを策せんとしておるかのごとくでありまして、全く不可解千万といわなければなりません。(拍手)  私は、一昨々日の動議提案理由説明等については、何一つとして納得のでき得るものはなく、その後今日までの推移から判断しますると、この動議提出の真の意図は、これによって佐藤文教委員長がいかにも少数暴力をふるったがごとく国民に思い込ませ、また他面において、国会はこの中間報告をやることによって、いかにも慎重審議をしたかのごとき体裁だけを整えて法案の本会議採決を一挙に強行せんとするものであると考えるのであります。(拍手)万一このようなことが行われるといたしまするならば、これは文教委員会での審議が尽されれば尽されるほど、政府並びに自民党の反動性がいよいよ国民の前に明らかにされ、全国民の反撃が高まるばかりではなく、失言大臣の清瀬文相が、またぞろ、いかなるへまをやるかもわからないということをおそれて、一挙に法案を押し通さんとの悪らつきわまる手段であるというのほかはありません。(拍手)  さて、そこで、私は、自民党諸君の言うごとく、佐藤文教委員長は果して少数暴力をふるったか、また、文教委員会は問題の法案の慎重審議をすでに十分尽しているかという点について、委員長の先ほどの報告にすでに述べられた点も相当あるかと思いまするが、主要な点については、この際さらに明確にいたしておきたいと思いますので、これから若干御質問をするのであります。  質問の第一の点は、今回の法案のような重要法案は、当然、まずもって教育委員会当事者はもちろんのこと、中央教育審議会あるいは臨時教育制度審議会等の専門機関にこれをかけて、相当の歳月を費し、慎重に検討すべきであったことは、たびたびいわれたところであります。これら当然の措置が全くなされず、突如として提案されたのがこの法案でありまする以上は、文教委員会の審議は相当の長期間を要するものと考えまするが、この際、委員長所見をさらに明確にお承わりいたしますとともに、最小限、では何日間くらいの審議をすれば一応の審議が終るとお考えになっておられるかを承わりたいのであります。(拍手)  また、教育行政の基本の根本的な変革をもたらすという重要法案でありまする以上は、鳩山総理の出席を求め、総括質問が当然行われるべきであり、今日までこの要求を当然せられたものと思うのでありますが、このことが、この文教委員会の審議が始まって一カ月もたった今日、いまだに実現をせられておらないというのは、一体いかなる経過を経てこうなっておるかを、この際つまびらかにせられたいのであります。(拍手)  次に、本教育関係法案に対する総括的な質問は、これは与野党それぞれにおきまして、今日までいかほどこれが進んでおるか、幾人これを行なったか、なお、総括質問をいまだ行なっておらずして今後その希望を持っておられる方々が幾人あるか、その辺を、具体的に、明確にしてほしいのである。  今次の法案は、先ほどもありました通りに、本則六章六十一カ条にわたっており、附則は二十五カ条にわたる膨大なものでありますが、この逐条審議は、先ほどのお話によりますと、わずか本則の第七条までしかいっておらないということである。では、一体、この逐条審議については、各委員の怠慢によってこうなったのであるか、それとも、十分に審議を尽してこられたのであるが、なお日数が足らないというような事情であるか、これらの点について、なお具体的にお答えをいただきたいのであります。  さらに、本日までの間に文教委員会は正味ともて何日間の法案審議が行われたのであるか、これらの諸点についてお答えをいただきたいのであります。(拍手)  質問の第二の点は、一昨々日の動議提案説明者によりますと、佐藤文教委員長は議事引き延ばしをばかり、委員会の審議を渋滞せしめたかのごとく言うておるのでありますが、委員会における佐藤委員長の議事運営のやり方について具体的に御説明を願いたい。四月十二日の、赤城理事が議事進行の動議を出そうとしたところの前後のいきさつにつきましては、先ほどの御報告で明らかでありまして、赤城理事の言われることがまことに事実と相違をしておることは、よくわかったのであります。(拍手)そこで、このことのほかに、何か少数暴力をやったような事実があるのかどうか、そういう覚えがあるか、明快にしてもらいたい。(拍手)  四月十三日以降十六日までの間に——、これまた、あの動議提案説明の中にありましたので、お伺いをいたします。四月十三日以降、委員長は、おそらく理事会はちゃんと開いておられたと思うのでありますが、果してそうであるか。開いたとするならば、議事日程についての各理事間の意見の対立点は、具体的にどういう事柄であったかを、この際明確にしてほしいのであります。右の諸点について明らかにせられたいと考えます。  質問の第三の点は、今次の法案は、地方行政の一部をなすものでもあり、小、中学校、市町村に関するものがその八割を占めておるのでありますから、当然地方行政委員会より連合審査の申し入れがあったはずであります。これまた先ほど御報告になっておりましたが、この連合審査がいまだ一回も行われておらないという経過について、どういうところからこういうことに相なったのであるか、真相を明らかにせられたいのであります。(拍手)  質問の第四点は、この法案提案の責任者であります清瀬文部大臣委員会に臨んでの態度についてお伺いをいたします。なぜ私がこのことをお伺いするかと申しますと、私が申すまでもなく、皆さんよくおわかりのことだと思いますが、さきに清瀬文相の不信任決議案がわが党より提出をせられましたように、ただいまの教育のさらに根本をなすところの憲法について、これを蔑視するかのような意見を執拗に持ち続けておられる清瀬文相に、新憲法下の民主主義教育を語る資格は絶対にないからであります。(拍手)清瀬さん個人が教育に対するいかなる認識と意欲を持たれましょうとも、それは個人的に自由でありましょう。しかしながら、あくまでも新憲法は生きておるのであって、その憲法のもとにおける現職の文部大臣であります。教育もまた当然その新しい基本のもとにあるのでありまして、これは厳然たる事実であります。私は率直に申して、清瀬さんが今わが国の文部大臣であることは日本国民の大なる不幸であると思っておるのであります。(拍手)過日、内閣委員会において、何なら本会議でやりましょう、こういう多数与党の数の力にものをいわせて威嚇的な態度をとり、物議をかもした清瀬文相が、文教委員会においていかなる態度をとり続けてきたかは、おおよそ私には想像ができるのでありまするが、その具体的な状況を、この際全国民の前に明らかにせられたいと考えるのであります。(拍手最後に、私は佐藤文教委員長に対し、この教育委員会法案の審議を今後いかように進め、国民より負託せられた国会の責務を全うせられんとするおつもりであるか、その方針をお伺いするものでございます。また、さらに、今回の法案は、教育行政における民主主義の放棄を全国民に迫るものでありまして、われわれ国民は、十年前の国民的な誤まりを深く反省をしまして、今次法案反対の国民の切実なる要望が全国的に高まっておりまするとき、この切願が多数の力のみによって遮断をせられ、国会に対しては何を望んでもむだであるという考え国民に与えるという事態に立ち至りまするならば、まことに重大なる事態であると考えます。(拍手)何とぞ、佐藤文教委員長におかれましては、与野党いずれにも一方的にはくみしない、あくまで民主的、公平な国会審議のため、運営に、一身の毀誉褒貶を顧みず、最後まで努力せられることを要望いたしまして、私の質疑を終る次第であります。(拍手)     〔佐藤觀次郎登壇
  26. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君 ただいま八木委員から質問がございましたので、私は正直な点をはっきり申し上げまして、御了承を得たいと思うのであります。  実は、文教委員の方は御存じだと思いますが、委員で来ない人は——まあニコヨンに来るような人は別でございますけれども、大体来られておる方には、絶対に私は公平を旨としております。ただ、私の尊敬しておる赤城理事から、十七日の提案説明の中に、少数暴力というお話がございましたが、これは多数暴力ということはありますけれども、少数の暴力ということはありません。(発言する者多し、拍手)これは、今までやっておられます小選挙区などの問題につきましても、いかに自民党が数の暴力をやっておるかということは、天下周知の事実でございます。(拍手)私は、文教委員会におきまして、今まで一年二カ月やらしていただきました。その間において、私は、少くとも委員長として、去る十二日までは絶対に不公平なことはやっていないはずでございます。(拍手)私たちは、いかなる委員会をやりましても、常に理事会を開いて——理事会は、御承知のように、自民党の方が五人でございまして、社会党は二人でございます。先ほど、椎熊さんは、なぜ逃げたかと言われますが、山中さんとか、ごらんのような力の強い方が来られたので、私は、どうせまたやられると思って逃げました。これはあぶないですから逃げました。(笑声)  私は、今問題になりました十二日の状況をよくお話しますと、今まで、大体、私は、党からは定数をやかましく言われておりました。しかし、御承知のように、私は、文教委員会はお互いに超党派的なことが非常に多いので、あまりやかましく申しませんでした。ところが、十二日は、どういうことか知らぬけれども、これは坂田君があとで済まぬと言っておられましたが、実は、全く珍しく、午後の三時ごろから、一度も文教の文の字もつかない、関係のないような方が、たくさんうしろにすわっておられました。(拍手)これは新聞記者諸君にも聞いてもらえばわかりますが、佐藤さん、きょうは打ち切りがあるかもしれない、あるいは暴力をふるわれるかもしれないから、十分に注意せよ、という私の友人からの注意がございました。(拍手)  そのことにつきまして、この間、赤城さんから、理事でないのに委員長の代理を何で前田君にやらせたのか——はなはだ失礼ですが、ちょうど、その日は、うちの山崎理事と辻原理事がおられなかったので、これは小便をするくらいなことはやむを得ませんから、やむなくやってもらいました。ちょうどそのとき、便所の前に参りますと、選挙特別委員会の前で、選挙特別委員会が終りまして、そこからどやどやっと四、五人の議員が文教委員会にかけ込んできました。その廊下の途中で、私を知らずに、どうも文教委員会はきょう打ち切り動議があるから、一つニコヨンでいってこようかなあ、困ったなあ、と言っておりました。(拍手)  そういうわけで、そのときには、私どもの委員がたった四人と小林君が一名、こちらが五名で、向うの方の委員は大体十九名全部そろっておられました。こういう関係で、私はどうせ多数の横暴でやられるかなあと思いましたが、坂田理事は、そういうことはやらぬと言っておりましたけれども、どうも空気がおかしいということで、私はいろいろそのときを勘案いたしました。多数決だからいいといっても、私たちは理事会で打ち合せをしておりまして、これは十二、三日まで打ち合せがしてありまして、そのときの話では、赤城さんと坂田君は、とにかく公聽会の日にちさえきめていただけば、そう急にきめていただかなくてもいいと言われました。私の方は、山崎理事が大体のこまかい打ち合せをやっておったわけであります。  そういうようなことで、その後、これは先ほど小山君からもヤジがありましたが、実は、私は、ちょうどその日は、これはもう私といたしましては大事でございましたので早く出ました。ところが、あとで赤城さんと小山君が来まして、私に会いたいという話でございましたけれども、私は、ちょうどそのときは、ほかに用がありましたので、いませんでしたが、横路君と前田委員が話をつけまして、明日委員会を開くという話でございました。ところが、その委員会の日は、教科書をやる委員会の予定でございました。ところがここ(発言する者あり)君ら、わからないのだ。委員じゃないから、わかるわけがないじゃないか。何を言っているのだ。君は知っていない。君は文教委員じゃないじゃないか。質問があったら質問しろ。——そういうわけで、私は努力をいたしておりまして、そういう点で話をしようと思いましたけれども、これは初めからの約束が違うということで話がつかないので、私はその翌日理事会を開きました。これは十三日でございます。十三日に理事会を開きましたが、御承知のように、いろいろ話をいたしましても、向うの方の立場と私の立場は、あとでいろいろ申し上げますが、たった二日の相違でございます。初めは絶対受け付けないと言いましたけれども、自民党理事の方から、早く委員会を開け、早く委員会を開けというお話でございます。これは、早く委員会を開けと言われても、あと動議打ち切りをやるか、委員長の不信任をやるか、僕だって、ばかじゃないからわかっております。(拍手)  そこで、そういうようなことになって、やつぱり両方とも話し合いでなければやれない。少数委員長で、たった十名よりおらぬのに、向うは十九名おるのだから、自民党がむちゃをやれば何でもできるんですよ。それで、少くとも私たち、両方とも話し合ってやるということの話でございました。ところが、向うは話し合いに応じない。ただ、委員会を開け、委員会を開けということでございますから、あなた方は一体いつまでに法案を上げればいいかとお尋ねいたしました。そうしたら、初めにはかけ引きがありましたけれども、最後には、坂田君から十九日までに上げてもらえばいいという話があった。ところが、私たちが審議を考えると、どうしても——これはあとで申しますが、審議の期間は七日くらいもらわなければ審議ができない。なぜできないかというと、御承知のように、逐条審議をやるだけでも、まだ七条までで——三十三条までは済みました点がありますが、三十三条、五十二条という重要な——これは清瀬文部大臣というような、こういうような人がやってしまわれたのでは……。こんな法案でうまいことをやるような文部大臣に、やらせてはならない五十二条がある。(拍手)これは、もう失礼なことでございますけれども、昔から気違いに刃物を持たせるなというような話がある。(拍手)こういうようなことをやらしてはいけないということがある。そういうような重要なところは、これまで一ぺんもやっておりません。(「恥かしくないか」と呼ぶ者あり)何が恥かしいか。君たちの方が恥かしいじゃないか。(拍手)——私は少くともそういう点で了解を得ましたが、私たちの腹は、この二十日に大体法案を上げるというように社会党はきめておりました。あなたの方は十九日だ。たった一日でこんな無理なことをしないでもよいでしょう。たった一日ですよ。私は坂田君に話しました。(拍手)急がば回れだ、ところが、あなたの方では、理事の間に二人の意見が違っておる。加藤君のような強硬論もあって、どうにも話がまとまらない。何か話がごちゃごちゃしている。(拍手)そこで、私はこういう点から、こういうようなおとなしい文教委員会のようなところで、もましたらいかぬということを話したら、田中さんや坂田さんなどはりっぱな人でありますから、けっこうであると言っておられましたが、加藤精三君が、あとでしまったことをしたと怒っていたと聞きました。(発言する者あり)これは、よその者、この委員でない人は何にも知らない。(拍手)君らは知らないのです。私は少くとも文教委員会委員長として、佐藤觀次郎が不公平なことをやったというなら腹を切って死にます。冗談言っちゃ困る。(拍手)私は絶えずそういう心持を持っておりました。  そこで、一体、この重要な法案について、どれくらい今まで審議があったかといいますと、十四日に大臣の説明がありました。それから全部で十四回やっておりますが、そのうちで、今の提案理由の二日、公聽会が二日、たった十日しか審議をやっていない。その三十時間のうちで……。これは三十時間やりました。そのうち、清瀬さんはおしゃべりですから、四割、八時間くらい答弁しておる。(拍手)前の松村文部大臣は、非常にそういう点静かでございまして、慎重でございましたが、これは清瀬さんには悪いけれども、委員会では、大体六回くらい自分の発言を取り消しておられる。内閣委員会では問題になっておるが、文教委員はおとなしいから、問題にしておりません。(拍手)  私は、どうしても審議をやってもらいたいというの、一体幾日要るかというと、大体、逐条審議に三日間、鳩山首相その他一般質問が二日間、地方行政との連合審査が二日間、七日間ほしかったのであります。しかし、自民党のいろんな注文がありまして、三日でやれということでありましたから、五日まで讓歩いたしました。ところが、最後に、私は、あなた方が中間報告の請求を出すときには、これは午前十一時でございましたけれども、坂田君と、それから赤城さんに、もう一日のことであるから——あなた方は三日だ。四日に歩み寄りなさい。四日で委員長がやると言ったら、もう動議を出したから仕方がないと言って、がっかりされてお帰りになった。(拍手)こういうような努力を認めてもらわなければ、少数の委員長は勤められません。  私は、そういう点で、今まで熱心にやってきたのであります。今までわれわれのやってきたことについて、いろんな御意見がありますが、人間でございますから、全然欠点がないわけではございませんけれども、去る十二日までは……。今まで一年二カ月やってきたのです。それだからこそ、今までの自民党諸君も、私の立場を認めて何とかいい方法を考えよう——私は理事会を五日間やりました。ところが、あんたの方は委員会を開け、開けと、いろいろ言ってこられましたけれども、遺憾ながら、少数野党の委員長では、どんな無理をされるかもわからないから、あぶなくて開かれません。どんなことをやるかわからない。こういうような考えで、私はなるべく円満にいくように努力して参りましたけれども、これは坂田さんや田中さんのお考えではない、大きな圧力が上からきて、そうして無理やりにやれという命令が出たのでありましょう。  こういう点で、いろいろ申し上げることがたくさんありますが、少くともこの法案は地方行政との関係が深い。また、中村さんがここにおられますが、中村さんも、法案が上るときは総理大臣は必ず一ぺん出すからというお話でございました。けれども、今まで一ぺんも出したことがない。まことに残念であります。中村さんや水田さんたちは、文教委員会理事会の空気を御存じない。強気の人の意見ばかり聞いておるからこんな間違いが起る。(拍手)われわれは委員会でまじめにやってきておる。あなた方の理事も熱心にやっておるけれども、真意をつかまないから、こんなむちゃな中間報告をやらせられる。こんなばかげたことは、かつてない。少くとも、私どもは、そういう点で与党の人も十分に反省して、こういうことをやらぬようにしていただきたいということをお願いいたすわけでございます。(拍手)  なお、いろいろ答弁をしたいこともございますが、ちょうど文部大臣が見えますから、ただ一つ申し上げます。文部大臣は学者でございまして、非常にりっぱな人でございますけれども、どうもしゃべることが軽率でございまして、ときどき、言わなくてもいいことを言っておられる。普通の大臣は多少ほらを吹いてもいいけれども、文部大臣は小学校の生徒にまで影響します。前の松村文部大臣は、同じ党ですが、一ぺんも失言なんかしたことはない。よく考えてものを言っておられます。同じ党でも、どうしてこんなに違っておるか、月とスツポンくらい違っておる。文教行政に立つ人にはどうか——清瀬さんは法律に明るい人格者ですが、文相は、どうか、まじめな人で、なるべくあまり失言をしない人をお願いしたいということを、一言だけお願いをします。(拍手
  27. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  28. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 福永健司君外四名から、文教委員長から中間報告があった地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案議事日程に追加し直ちに一括議題となし審議すべしとの動議提出されております。(「反対」と呼び、その他発言する者多し)右動議議題といたします。  本動議につき採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。本動議賛成諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼〕     〔各員投票〕
  29. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。  投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  30. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕  投票総数 三百四十   可とする者(白票)   二百八     〔拍手〕   否とする者(青票)  百三十二     〔拍手
  31. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、福永健司君外四名提出動議は可決いたしました。(拍手)     —————————————  福永健司君外四名提出動議を可とする議員の氏名    阿左美廣治君  相川 勝六君    逢澤  寛君  愛知 揆一君    赤城 宗徳君  赤澤 正道君    秋田 大助君  荒舩清十郎君    有田 喜一君  有馬 英治君    安藤  覺君  五十嵐吉藏君    井出一太郎君  伊東 隆治君    伊藤 郷一君  池田 清志君    池田 勇人君  池田正之輔君    石井光次郎君  石坂  繁君    石田 博英君  石橋 湛山君    稻葉  修君  今松 治郎君    宇都宮徳馬君  植木庚子郎君    植原悦二郎君  植村 武一君    内田 常雄君  内海 安吉君    江崎 真澄君  遠藤 三郎君    小笠 公韶君 小笠原三九郎君   小笠原八十美君  小川 半次君    小澤佐重喜君  大石 武一君   大久保留次郎君  大倉 三郎君    大島 秀一君  大高  康君    大坪 保雄君  大野 市郎君    大橋 武夫君  大橋 忠一君    大平 正芳君  大森 玉木君    太田 正孝君  岡崎 英城君    荻野 豊平君  加藤 精三君    加藤鐐五郎君  鹿野 彦吉君    亀山 孝一君  唐澤 俊樹君    川崎末五郎君  川崎 秀二君    川島正次郎君  川野 芳滿君    菅野和太郎君  木崎 茂男君    木村 文男君  菊池 義郎君    岸  信介君  北 れい吉君    北澤 直吉君  北村徳太郎君    清瀬 一郎君  草野一郎平君    楠美 省吾君  熊谷 憲一君    倉石 忠雄君  黒金 泰美君    小泉 純也君  小金 義照君    小島 徹三君  小平 久雄君    小林かなえ君  小山 長規君    河野 一郎君  河野 金昇君    高村 坂彦君  纐纈 彌三君    佐々木秀世君  齋藤 憲三君    坂田 道太君  笹本 一雄君    笹山茂太郎君  志賀健次郎君    椎熊 三郎君  重光  葵君    篠田 弘作君  島村 一郎君    正力松太郎君  白浜 仁吉君    周東 英雄君  須磨彌吉郎君    杉浦 武雄君  助川 良平君    鈴木 善幸君  鈴木 直人君    薄田 美朝君  砂田 重政君    世耕 弘一君  關谷 勝利君    園田  直君  田口長治郎君    田子 一民君  田中伊三次君    田中 彰治君  田中 久雄君    田中 正巳君  田村  元君    高岡 大輔君  高瀬  傳君    高橋 禎一君  高橋  等君    竹内 俊吉君  竹尾  弌君    竹山祐太郎君  千葉 三郎君    中馬 辰猪君  塚田十一郎君    塚原 俊郎君  辻  政信君    綱島 正興君  渡海元三郎君    徳田與吉郎君  徳安 實藏君    床次 徳二君  内藤 友明君    中嶋 太郎君  中曽根康弘君    中村 梅吉君  中村 寅太君    中山 榮一君  永田 亮一君    永山 忠則君  長井  源君    灘尾 弘吉君  夏堀源三郎君    並木 芳雄君  南條 徳男君    丹羽 兵助君  西村 直己君    根本龍太郎君  野田 卯一君    野田 武夫君 橋本登美三郎君    橋本 龍伍君  長谷川四郎君    畠山 鶴吉君  花村 四郎君    濱地 文平君  濱野 清吾君    林  讓治君  林  唯義君    林   博君  原  捨思君    平野 三郎君  廣瀬 正雄君    福井 順一君  福井 盛太君    福田 赳夫君  福永 健司君    船田  中君  古井 喜實君    古島 義英君  保利  茂君    保科善四郎君  坊  秀男君    星島 二郎君  堀内 一雄君    眞崎 勝次君  眞鍋 儀十君    前尾繁三郎君  前田房之助君    前田 正男君  町村 金五君    松浦周太郎君  松浦 東介君    松岡 松平君  松田竹千代君    松永  東君  松野 頼三君    松村 謙三君  松本 瀧藏君    松山 義雄君  三浦 一雄君    水田三喜男君  南  好雄君    村松 久義君 山口喜久一郎君    山口 好一君  山崎  巖君    山下 春江君  山手 滿男君    山中 貞則君  山本 粂吉君    山本 正一君  山本 友一君    横川 重次君  吉田 重延君   米田 吉盛君 早稻田柳右エ門君    渡邊 良夫君  亘  四郎君  否とする議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君 茜ケ久保重光君    淺沼稻次郎君  足鹿  覺君    飛鳥田一雄君  有馬 輝武君    淡谷 悠藏君  井岡 大治君    井谷 正吉君  井手 以誠君    井上 良二君  伊瀬幸太郎君    伊藤卯四郎君  伊藤 好道君    猪俣 浩三君  池田 禎治君    石田 宥全君  石橋 政嗣君    石村 英雄君  石山 權作君    稲富 稜人君  稻村 隆一君    今澄  勇君  今村  等君    受田 新吉君  小川 豊明君    大矢 省三君  岡  良一君    岡本 隆一君  加賀田 進君    加藤 清二君  春日 一幸君    片山  哲君  勝間田清一君    上林與市郎君  神近 市子君    神田 大作君  川俣 清音君    川村 継義君  河上丈太郎君    河野  正君  木下  哲君    木原津與志君  菊地養之輔君    北山 愛郎君  久保田鶴松君    栗原 俊夫君  小平  忠君    小牧 次生君  小松  幹君    五島 虎雄君  河野  密君    佐々木更三君  佐々木良作君    佐竹 新市君  佐藤觀次郎君    櫻井 奎夫君  志村 茂治君    下川儀太郎君  下平 正一君    杉山元治郎君  鈴木茂三郎君    田中幾三郎君  田中織之進君    田中 武夫君  田中 利勝君    田中 稔男君  田原 春次君    田万 廣文君  多賀谷真稔君    楯 兼次郎君  辻原 弘市君    戸叶 里子君  堂森 芳夫君    中井徳次郎君  中居英太郎君    中崎  敏君  中島  巖君    中村 高一君  中村 時雄君    中村 英男君  永井勝次郎君    成田 知巳君  西尾 末廣君    西村 榮一君  西村 力弥君    野原  覺君  芳賀  貢君    長谷川 保君  原   彪君    日野 吉夫君  平岡忠次郎君    平田 ヒデ君  古屋 貞雄君    帆足  計君  穗積 七郎君    細田 綱吉君  前田榮之助君    正木  清君  松井 政吉君    松尾トシ子君  松岡 駒吉君    松平 忠久君  松原喜之次君    松前 重義君  松本 七郎君    三鍋 義三君  三輪 壽壯君    武藤運十郎君  門司  亮君    森島 守人君  森本  靖君    八百板 正君  八木 一男君    八木  昇君  矢尾喜三郎君    安平 鹿一君  柳田 秀一君    山口シヅエ君  山口丈太郎君    山崎 始男君  山本 幸一君    横錢 重吉君  横路 節雄君    横山 利秋君  吉田 賢一君    和田 博雄君  岡田 春夫君    小林 信一君  中原 健次君      ————◇—————
  32. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 地方教育行政組織及び運営に関する法律案地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。     ━━━━━━━━━━━━━ (発言する者多し)     —————————————
  33. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。小牧次生君。     〔小牧次生君登壇〕     〔議長退席、副議長着席〕
  34. 小牧次生

    ○小牧次生君 私は、日本社会党代表いたしまして、ただいま議題となりました地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案につきまして反対の討論をなさんとするものであります。(拍手)  この法案は、御承知通り、わが日本の教育の将来、また、わが日本の将来の運命を左右する、きわめて重大なる法案でございます。この重要なる法案を、ただいま委員長中間報告をいたしまして、委員会の討論、採決を省略いたしまして、この本会議場で直ちに討論、採決を強行するという、自由民主党の大政党たる襟度と自制心を失いました非民主的態度は、徹底的に糾弾しなければならないと存ずるのであります。(拍手)このことは、わが国議会史上異例のことでございまして、将来長くわが国議会史上に汚点を残し、しかも、この法案はいわくつきの悪名を長く甘受しなければならないと信ずるのであります。(拍手)  今回提案せられたるこの二つの法案の趣旨を要約して申しまするならば、現行教育委員会制度は、占領中早々の間に制定されたものであるから、これを是正しなければならないというのが、表面の理由でございます。しかしながら、この裏を返せば、民主教育の否定と、戦前の教育体制復活の意図がひそんでおるのでありまして、ここにこの法案の持っておるところの重大なる歴史的な意義があると信ずるのでございます。(拍手)明治以来の日本の教育が、帝国憲法と教育勅語を中心として、偏狭なる国家主義、軍国主義、絶対主義を謳歌いたしまして、個人の人格の尊厳と自由を否定し、絶対服従と権威の道徳を国民に押しつけて参りました結果、真の科学的精神と批判的精神の成長する社会的基盤はほとんど失われまして、国民は、国家権力の命ずるままに盲目的に追従するという、まことに悲しむべき風潮を招来して参ったのであります。(拍手)かくのごとき歴史的、社会的背景のもとに、軍閥、官僚、財閥の三位一体の体制がここに確立されまして、国会でさえもこれに完全に牛耳られまして、ついに、無謀なる、悲惨なる大東亜戦争に突入して参りましたことは、今なお、なまなましい事実でございます。(拍手)教育が、個人の人格の完成、すなわち、自主性、自律性の涵養を忘れまして、絶対服従と権威の思想を謳歌、鼓吹するところに、真の道徳社会は断じて生まれてくるはずはないのであります。  戦前の教育が、かくのごとく、個人の人格の完成を忘れて、ただ単に、権力追従、絶対服従を基本としたものでありましたがゆえに、戦争末期のわが日本の指導者自身が、道徳的に頽廃し、酒食にふけり、やみを行いながら、反面、国民に対しましては、総力戦を呼号宣伝いたし、絶対服従と耐乏生活を強制するという、まことに矛盾きわまる現象を生ずるに至ったのであります。(拍手)しかしながら、国民は、この指導者の驚くべき実体を知るに及びまして、心からこれに服従し得るはずはございません。面従腹背の状態は全国にびまんいたしまして、武力戦に敗れ去る前に、すでに、日本内部的に崩壊し去ったということは多数の識者が指摘いたしておる通りでございます。(拍手)敗戦後の混乱と廃墟の中に、祖国を再建し、文化国家を建設しようとわれわれが決意いたしましたときに、真の平和と自由を守るために、戦争を否定し、武力を放棄するための平和憲法が絶対に必要であると確信いたしまして、これを心から求めましたことは、今なお厳然たる事実でございます。(拍手)  さらに、戦前の教育が、民主主義を否定し、個人の人格の尊厳を抹殺いたしました結果、批判の自由を持ち得ない、無気力なる人間を作り上げるところの原動力となったことを、あらためて強く反省いたしましたがゆえに、自由に批判のできる、はつらつたる人間、相互に人格を尊重することのできる人間を育成し、真に正しい道徳社会と文化国家を建設するために、教育基本法を制定いたしましたことも、これまた明白なる事実でございます。(拍手)戦前の教育が、戦争の反省から、平和憲法と教育基本法を基調とする民主教育に切りかえられたというこの事実こそは、歴史的にも、教育的に見ましても、きわめて重大なる意義を有するものと信ずるのでございます。かくのごとく、教育を国家権力、政治権力から解放いたしまして、直接国民の手によってこれを運営し、責任を果していくという目的のために生まれましたのが、現在の教育委員会制度であったということは、何人も否定することのできない冷厳なる事実でございます。(拍手)すなわち、平和憲法を父親とし、教育基本法を母親として生まれて参りましたのが現在の教育委員会法でございまして、正当なる嫡出子であるといわなければならないのでございます。(拍手)  しかるに、今回提案されました法案には、現在の教育委員会法第一条にありまするところの「教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接の責任を負って行われるべきであるという」この条文が完全に姿を消しまして、法案の内容は、これとは似ても似つかないものに変っているのでございまして、一体何から生まれて参りましたのか、その親がわからない、珍妙無類の子供が生まれようといたしておるのでございます。今は親はわかりませんけれども、二、三年たちましたならば、だんだんはっきりした顔形が現われて参りますので、そのときにはあるいは父親が帝国憲法であり、母親が教育勅語であるということになるかもわからないのでございます。(拍手)帝国憲法と教育勅語は、確かに十年前に死んだはずでございます。しかし、あるいは、実はまだどこかに潜伏して生きているかもわかりません。そうして、おれが親だといって、白昼公然と名乗りをあげてこないとは、だれも断定はできないのでございます。(拍手)このような客観的背景のもとに提案されて参りましたこの法案のおもなる点を具体的にあげながら、反対の理由を明らかにいたしたいと思うのでございます。  まず第一には、先ほど申し上げました通り、現在の教育委員会法の第一条には、「教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきであるという自覚のもとに、公正な民意により、地方の実情に即した教育行政を行うために、教育委員会を設け、教育本来の目的を達成することを目的とする。」このようにうたってあるのでありまして、教育が不当な支配に服しないこと、国民全体に対し直接責任を負うということ、地方の実情に即した教育を行うということ、すなわち地方分権、この三大目標を掲げておるのでございますが、今回の法案には、これが全然ないのでございます。(拍手)戦前の教育の反省から生まれました現在の教育制度のこの三つの目標が第一条から姿を消しておるということは、本法案の性格を明らかに物語るものでございます。なるほど、清瀬文部大臣は、教育基本法に同じような条文があるから新法案には掲げなかったと、苦しい答弁をいたしておるのでございますが、これは全くの言いわけにすぎないのでございます。(拍手)この正しい目的、目標を、何がゆえに最初に持ってくることができなかったのか。これは、すなわち、中央集権の強化と、官僚支配の精神がこの法案全体を貫いておるからでございます。(拍手)  そこで、最初に指摘しなければならないことは、現在の教育委員の公選制を廃止して任命制に切りかえた点でございますが、これこそは最も重大なる百八十度の転換でございまして、新法案の支柱をなすところのものといわなければなりません。公選制をこのように任命制に切りかえたことに関しまして、御承知通り、世論は沸騰し、また、公聽会における公述人も、圧倒的大多数が強く反対論を展開いたしましたことは、皆様の十分御承知のところでございます。(拍手)先ほど述べました通り、戦争の反省からして、教育は一般行政から分離して、国民自身の手によって運営されなければならない、時の政治権力に支配され、利用されて、大きなあやまちを犯すことになるというので、教育の自主性と中立性を維持するために直接公選制となったということに、私は絶対の確信を持っておる次第でございます。(拍手)教育基本法第十条に示すように、「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」とあるのは、教育の不当な支配を排除するための条項で、これに応ずる方法が公選制である。これは現行教育委員会法制定のときからきわめて明瞭でございまして、文部省自体が、機会あるごとに、このことを強調して参ったのでございます。(拍手)  以上申し上げましたように、委員の直接公選制によって初めて教育の自由と自主性が確保されるということを強調し、また、国会自身も、同じような解釈を今日までとつて参ったのでございます。清瀬文部大臣は、これについては、当時はなるほどそうだったかもしれないけれども、今日事情が変ったので、自分は直接公選制とは解釈しておらない、かように答弁をいたしておるのでございます。これは、教育制度の根本に関する解釈が、わずか数年を出ずいたしまして、大臣や次官がかわったためにその解釈が変るということは、断じて許さるべきでないと信ずるのでございます。(拍手)  しかも、憲法第九十三条第二項の「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」という条文の中の「法律の定めるその他の吏員」というのは、現在教育委員しかないのでございまして、憲法は明らかに教育委員の直接公選を示しておると思うのでございます。(拍手)今申し上げました通り、これを任命制に切りかえるということは、教育基本法と憲法に違反するものであるがゆえに、断固として排撃しなければならないと信ずるのであります。(拍手)  しかも、現在の教育委員は、国民によりまして直接選挙された人々であり、伴期もまだ十月まで残っておるのでございます。従って、これを今任命制に切りかえるということは、選挙民を冒涜するものであり、権利の侵害といわなければならないのでございます。(拍手)非常に激しい選挙の結果当選して参りました知事や市町村長が、自分に反対した者を任命するはずもございません。また、すべてほとんど自分のめがねにかなった、ひもつきや、論功行賞人事が行われるといことは、これは当然の成り行きでございます。ひもつきや論功行賞任命によりまして教育委員の人事権を掌握いたしました知事や市町村長は、直接教育行政を担当しなくても、任命権という伝家の宝刀を持っておりますので、これをちらちらさせながら、任命した教育委員を通じまして、教育の内容にも、教育の予算にも、教職員の人事にも、あらゆる面に介入していくことができるということはきわめて明瞭でございまして、文部大臣は、新法案によりまして教育の自主性と中立性を保つことができる、かように力説いたしておりまするが、実際はこれと全く逆な方向に進むものと信ずるのでございます。(拍手)  任命制の方がかえってよい人材を得ることができるとか、教育委員の選挙の投票率が低いとか、いろいろ独断的な理由をあげておるのでございますが、現行教育委員会制度に多少の欠陥はございましても、これを、根こそぎ、根本的に変えようとすることは、絶対に間違いでございまして、民主主義の重大なる後退であるといわなければならないと思うのでございます。(拍手国民が直接自分の自由な意思によって選ぶことによりまして教育の中立性は保たれていくと信じますと同時に、直接選挙することによりまして、教育に関する熱意と関心を高め——これを国民の手から奪って任命するということになりますならば、再び国民は教育に対する熱意と関心を失いまして、教育は沈滞し、大きく発展を阻害されるということは、戦前の教育を顧みるまでもなく、全く明瞭でございます。(拍手)  さらに、都道府県の教育委員会の教育長は文部大臣の承認を必要とするのでございますが、この規定に至りましては、まことにあぜんたらざるを得ないのでございます。一体、地方公務員で、このような任命手続を必要とする職員が、ほかにあるでございましょうか。(拍手)絶対にないのでございます。この教育長の任命に文部大臣の承認が必要であるというこの考え方、これこそ清瀬構想の中枢をなすものであり、その本質的なものであると信ずるのでございます。教育長の任命に当り、文部大臣の承認を必要とするこの新例は、政党人たる文部大臣、党議優先や政党の小使を自認せられる清瀬文部大臣が、教育に対する国の責任と監督を明確にするという美名に隠れて地方教育行政に大きく干渉し、これを左右することができるための手段であり、教育の国家統制、中央集権の強化、官僚支配への大きな布石であるということは、すでにあらゆる方面から指摘されておるところでございまして(拍手)いかなる意味においても、断じてこれを承認することはできないのでございます。(「時間々々」と呼ぶ者あり)都道府県におきましても、市町村におきましても、教育長が中心的存在となり、教育委員会の行政委員会としての実体は、全く有名無実、骨抜きとなりまして、上は文部大臣から末端は市町村の教育長に至るまでの一連の指導権、指揮権が、強力なる一本の線を引いて確立されるということは今や明々白々たる事実でございます。(拍手)     〔「議長、時間々々」「公平にやれ」と呼び、その他発言する者多し〕
  35. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 申し合せの時間がきましたから、なるべく簡単に願います。
  36. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 文部大臣の考えが、どのようにも支配し得るのでございます。これでは、名は教育委員会であっても、その実は、教育長を中心とする戦前の学務部あるいは学務課、こういうものと全く同様でございます。従って、教育を国民の手によって守るために、戦前と同じ教育体制に返そうとするこの法案に対しましては、断固として反対せざるを得ないのでございます。(拍手)  次に、反対の第二の理由を申したいと思います。それは、現在の教育委員会が持っておる予算の原案送付権、条例の提出権を、本法案は完全に剥奪いたしておるという点でございます。元来、教育委員会がいろいろ批判されてきましたおもなる点は、この原案送付権でございまして、知事や市町村長は何とかしてこれを奪いたいという自己本位の感情に支配されておるのでございます。原案送付権がございましても、財政権を有していない教育委員会が……     〔「議長、時間だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  37. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、申し合せの時間がきましたから、なるべく簡単に願います。
  38. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 今でさえ、知事や市町村長に対しまして非常に弱い立場にあるのでありまして、これを育成強化する方向を捨てまして、この原案送付権を奪われましたあとの新しい教育委員会なるものは、かりに公選の委員であっても、さらにいかに弱い立場に置かれるかということは、もはや説明の要もないと思うのでございます。(拍手)しかも、今度は行政の首長から任命されたる、ひもつきの教育委員であってみれば、一体いかなる自主性があるというのでございましょうか。任命権者たる知事、市町村長が絶対優位に立つことは自明の理でございまして、これでは、先ほど申し上げました通り、戦前の学務部と、また学務課と全然変るところはないということは、これによっても十分に主張し得ると思うのでございます。(拍手)原案送付権があるために、なるほど、全国的には、ごく一部に摩擦があるようでございます。しかしながら、これは教育が一般行政から独立すべきであるということからの当然の結果でございまして、一部の摩擦のためにこの根本を破っては、教育の独立性は侵害されるざるを得ないのでございます。(拍手)  次に、反対の第三の理由を申し上げたいと思うのでございます。法案第三十三条によりますと、学校における教材の使用について、あらかじめ教育委員会に届け出させ、または承認を受けなければならない、こういう規定に相なっておるのでございますが、教材の例として文部省が示しました例をあげてみますと、副読本、解説書、その他、参考書、雑誌、新聞その他各種学習帳、ワーク、ブツク、練習帳、地図、掛図、年表、写真、レコード、映画フイルム、幻灯スライド、録音テープ、放送、こういうものでございます。朝、新聞を見て、教師がこれを教材に使用したいと思いましても、一々届け出たり、承認を受けなければならないという規定でございます。映画を見せようと思っても同じことでありまして放送を聞かせようと思いましても同様でございます。なるほど、全部が全部届け出たり、あるいは教育委員会承認が必要であるとは申しません。しかしながら、これは明らかに前の検閲制度の復活以外の何ものでもないと存ずるのでございます。(拍手
  39. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、申し合せの時間が過ぎましたから簡単に願います。
  40. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) これで、教師の自由な判断に基いた民主的な新しい教育が果して期待できるであしましょうか。教師が積極的意欲を失って、真の教育の発展がいずこにありやといわなければなりません。(拍手)教師が教材を使用するに当りまして、このようなむずかしい規定がございますならば、時局に適応した教育も、地方の実情に適した教育も、届け出や承認の煩雑な手続等をいやがりまして、また、これをおそれて、次第にこういうものの回数は少くなりまして、これが生徒、児童の教育に与える重大なる影響を考えますときに、絶対にこれに反対せざるを得ないのでございます。(拍手)     〔発言する者多し〕
  41. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、だいぶ申し合せの時間が過ぎましたから簡単に願います。
  42. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 最後に、法案第五十二条について申し上げたいのでございます。文部大臣は、府県市町村の教育行政当局のやったことが違法不適正と認めるとき、また、教育本来の目的達成を阻害しているものがあると認めるときは、必要な措置を行うことができる、といたしているのでございます。なるほど、条文は一応もっともな形を備えているように見えるのでございますが、しかしながら、これらの適正か不適正かの判断はすべて文部大臣が行うものでございまして、文部大臣の主観によって適正か不適正かがきまるという、実におそるべき条文でございまして、これでは実質的には指揮命令あるいはそれ以上の強力なる権能となることが予想されるのでございまして、全くこれでは戦時中の教育制度と何ら変るとろがないのでございます。(拍手)     〔発言する者多し〕
  43. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、だいぶ約束の時間が過ぎましたから簡潔に願います。
  44. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 民主的教育制度を根本から破壊するこのような措置は民主主義下の今日、わが日本において断じて許さるべきでないと私は確信いたしているのでございます。     〔発言する者多し〕
  45. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、時間が過ぎましたから結論だけ願います。
  46. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 最後に、皆様に申し上げたいのでございますが、与党の有力なる議員である小坂善太郎氏が、今月十四日の読売新聞の紙上に、デモクラシア、オルガニカと題する長文の論文を書いておられるのでございますが、これは、小坂善太郎議員が本年三月スペインのフランコ総統と会見されました際の、フランコ総統の民主主義に関する見解を述べて、小坂善太郎氏の意見を書かれたものでございまして、私も、非常にこれを興味深く読みまして、小坂善太郎議員に敬意を表しておる次第でございます。(拍手)その内容を、ここで簡単に読んでみたいと存じます。     〔発言する者多し〕
  47. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) だいぶ時間が過ぎましたから結論を願います。
  48. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 「国会の多数意思は民意の反映であり、これによって決することがデモクラシーの原則であることは何ら疑いもないところである。しかし、それでは国会内の絶対多数を占める党の意思が常に民意であるかというと、必ずしもそうではない。このことは、多数党が常に反省していなければならないところで、民主主義の根本に触れる問題である。」「たとい世の批判がどうあろうとも、国会できめることが、オールマイテイである。国会内の多数の議決があればそれでよいではないか。こういった考え方はかつてわれわれを誤らせたことがあったかと反省する。」
  49. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君——小牧君、だいぶ時間が過ぎましたので結論を願います。
  50. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 「今また私は絶対多数をもつ与党の内にある。われわれは大いにためらいなく意見を言うことはよい。しかし、直ちに自分の考え国会内の決定に持ち込まんとせず、常に反省して、そのときの国民の意思についていかなる小さな声にも耳を傾ける善意と謙虚さをほしいと熱願する。」このように小坂善太郎議員は論文を書いているのでございます。(拍手)今日、与党の自由民主党の諸君は、この小坂善太郎氏の……。
  51. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君——小牧君、約束の時間がだいぶ過ぎましたので簡単に願います。
  52. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 政府与党は広範な国民大衆の声に耳を傾けなければならない、かように存じまするが、敗戦後十年、わが国の歴史は今や重大なる岐路に立っておると信ずるのでございます。極右、極左に道を開くか、その関頭に立っておると思うのでございます。(拍手)もしもこの法案が多数の力によって強行されるならば、権威の思想、絶対主義は再び息を吹き返しまして、国民は、無自覚、無批判に大勢に動かされまして、これに迎合し……。     〔「議長、注意しろ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
  53. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 小牧君、だいぶ時間が過ぎましたから、結論を簡単に願います。
  54. 小牧次生

    ○小牧次生君(続) 中途にして挫折することになると思うのでございます。従いまして、私は、民主主義をじゅうりんし、教育の国家統制、中央集権化、官僚支配を企図するところのこの反動的な法案に対しまして、断固として反対をいたすものでございます。(拍手
  55. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 米田吉盛君。     〔米田吉盛君登壇
  56. 米田吉盛

    ○米田吉盛君 私は、ただいま議題になりました地方教育行政組織及び運営に関する法律案並びに地方教育行政組織及び運営に関する法律施行に伴う関係法律整理に関する法律案に対し、自由民主党を代表して賛成の討論をいたしたいと思います。(拍手)     〔副議長退席、議長着席〕  元来、教育委員会制度は、わが国固有の制度として成長したものではありませんために、制定の当初から幾多論議があったのであります。府県教育委員会は設置後七年有半、地方教育委員会は三年余、この経験の結果、わが国の事情に適合しない幾多の点が判明したのであります。(「だれが作ったか」と呼ぶ者あり、拍手)だれが作ったかと言われますが、片山内閣のときに今の府県教育委員会ができたのであります。この声は——、この国情に適さないという声は、父兄からも、現場の教員諸君からも、また教育委員の方々からも、われわれは承わったのであります。ことに、全国知事会、府県議会議長会、全国市長会、同市議会議長会、全国町村長会、同町村議会議長会等からは、強力なる全廃論まで起ったことは、御承知通りであります。(拍手)  そもそも、教育制度の変更につきましては、ドイツ、イタリアともに、わが国同様、占領軍から改革を迫られたのであります。しかし、両国とも、申し合せたように、教育はおれたち自身の問題である、こういって自主的立場を主張いたしまして、峻拒しております。ひとり日本のみは、無条件降伏が徹底して、かえって行き過ぎて、精神的にまで無条件降伏した観があります。(拍手日本弱体化の政策であっても、言われるままに、ほとんど受け入れました。  過去の教育に誤まりがあったことは、われわれも認めるものでありますが、従って、その改革に一歩を踏み切ること自体は正しいと存じます。しかし、教育というものは、生活条件、国民感情等を異にしておりまする外国の社会で成長したものを、用意もなく、そのまま急速に取り入れるということは、教育的ではございません。(拍手)このために町村長あるいは住民の各位がどんなに困られたかということは皆さんも御承知であります。今日のわが国ほど、国情に合わない制度を取り入れて中毒して困っている国は、ほとんど世界にないのであります。この国民的苦悩を打開せんと決意いたしまして、自由民主党は、占領政治の是正を公約し、その一環として教育委員会の問題を取り上げたのであります。わが党の態度は、教育の本来あるべき原則、教育の民主化、地方分権化、宗教、政治への中立化は厳に守りながら、国情に適合せしめる基本方針のもとに、鋭意研究をいたしました。その末、今次政府提案を見るに至ったのでございます。  しかるところ、かつて現行制度制定当時に反対をせられましたる日教組であるとか、学者グループというようなところでは、今次の改正案に対してもまた反対をせられておるのであります。(拍手)これでは、政府のやることは何でも反対だ、こういう結果になると、われわれは思うのであります。  公聽会におきまして賛否両論を拝聴いたしましたが、反対論の、民主主義の原則論であるとか、教育が民主的に運営されねばならないというような見解については、私も傾聽したのであります。しかし、この場合最も大切なわが国現下の実情判断につきましては、反対論者の認識は浅薄で、はなはだ甘いと存ぜられました。(拍手)  その一例を申し上げますと、教育界の現状について、もし統制、不当支配があるとするなれば、国家のものではなくて、むしろ日教組支配の観がある。(拍手)日教組は大臣室や廊下にすわり込みをやる、それから、指令第三号を出して、この教育委員会法反対のために、四月二十七日には午後から一斉に授業をやめて早退をする、こういう指令を出しておる。こういうような日教組の現状でよいかという意味の質問をいたしましたについて、これに答えるのに、長い沿革の発達の過程において、その間にいろいろの運営の仕方があったかもしれない、あるいは、その点については問題とする点があったかもしれない、しかし、これは時をかせば必ず改善ざれると思う、かように答えられておるのであります。反対学者の第一級的人物にして、この程度の認識であります。この人たちの憂いは、逆コースという一方に対してのみ神経質であることを、われわれは承知いたしました。それだからこそ、このような反対が出るわけであることがわかりました。これでは無責任のそしりは免れないのであります。(拍手)  申すまでもなく、現実政治におきましては、実情判断はきわめて大切であります。このことは、基礎医学と臨床医学との関係のごとく、両々相待ってこそ初めて好結果がもたらされるものでありまして、反対論や学長声明、その他鳴りもの入りで反対論が騒ぎながらも迫力を欠いた点は、ここからでございます。(拍手賛成者の北岡博士は、学者の立場から、真の民主主義を守り、学問、思想の自由を欲するがゆえに本法案賛成することを述べられております。(拍手)京都大学の池田教授は、教育者の立場から、有力なる賛成論を展開せられました。(拍手)しこうして、いわゆる学者の声明なるものは決して学者の総意でないことを、両教授から強力に述べられておるのであります。(拍手)  本法案に反対せられる具体的の点は、第一は、教育委員会の性格を根本的に変更するものであると強弁せられておるのであります。しかし、これは明らかなお解でありまして、改正案は、委員の公選制を任命制に改めまして、総合行政との調和を進めるために権限の調整をはかったものでございます。教育の内容的権限は依然として教育委員会の専管に属しておって、教育専門行政の合議体として自主的執行機関であることの性格は変りません。  第二は、委員の公選制でありますが、この公選制を任命制に改めることは非民主的であると言われておるのであります。しかしながら、民主主義と選挙とは、原則的にはある程度つきものであります。しかし、選ばれる委員の仕事の性質、社会の実情等によって、各国の民主主義には幅がある扱いをしておるのであります。現に、この制度の母国でありまするアメリカにおいてすら、任命制と公選制は相半ばしておるではございませんか。苛烈な選挙まで争った委員こそ、かえって教育の中立性保持に危険であります。任命制の妙味は、各分野から適任者を得ることが自由でございます。かつ、選挙まで争って委員になりたくはないが、任命なれば使命を果したいという人材が多い日本の実情に照らしまして、(拍手)教育に携わる委員の選定方法として、私は最も適当であると存じます。家庭的立場から、婦人の適材の方々の立候補いたさない日本でございますから、この制度の活用によってすぐれたる婦人の進出は疑いございません。公共団体の長に選ばれるほどの人は教育については非常に公正で熱心であるのが、日本の伝統であります。この首長の推挙によりまして、さらに議会の承認を得て任命せられる方法は、慎重なる手続の間接選挙でもございましょう。  第三は、教育に対する国家統制の強化であると反論がございます。三十三条の教材の規定でありまするが、従来とも、学校の運営、管理は教育委員会の権限に属されております。取り扱われている教材がどういうような教育的価値があるか、また、父兄の経済的負担は過重じゃないかというようなことは、教育委員の責任であります。この責任上、必要な限度を規則で定める規定でありまして、過去における山口日記や旭ケ丘中学事件等の教育上戦慄すべき教材取扱いに対しまして適切な法的措置をなし得なかったことを打開いたしまする最小限の道でございます。(拍手)従って、本条によりまして実質的拘束を受けるものは常識逸脱者でありまして、多数の教員諸君を制肘する結果にはなりません。  四十八条の文部大臣の指導、助言、援助の規定は、従来とも文部省設置法にあるところでございまして、今回これを明細にいたしたにすぎません。地方の自主性を尊重し、教育の仕事、従来通り地方にまかせて、文部大臣が直接行うのではございませんから、決して中央集権ではありません。(拍手)元来、指導、助言、援助は、非権力的の微温的な概念でありまして、指揮監督とは根本的に違うことを理解していただきたいのであります。  五十二条の措置要求の権限は、教育に関する事務の管理、執行が法令の規定に違反していると認めるとき、または、著しく適正を欠き、かつ教育本来の目的達成を阻害しているものがありと認めるときに、これを放置することができないことは明らかであります。このような場合に、是正または改善のために必要な措置をいたすことは、教育を無政府的に放任しない限り、当然のことでございます。  次に、県の教育委員会の教育長を文部大臣が承認することになっております。これは、地方の自主性尊重を前提として……
  57. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 米田君、簡単に願います。
  58. 米田吉盛

    ○米田吉盛君(続) 国、府県、市町村間の教育行政の総合調和をはかってその効率化を策したものでございまして、統制強化の意図に出たものではありません。教育が、個人の完成のみでなく、広く国民の育成を期するものであり、この大切な仕事を地方公共団体の各個ばらばらの弱き自治能力のみに放任することなく、指導、助言、承認の微温的方法をもって各市町村の教育水準を全国的水準に高めることは、文化国家建設のために、むしろおそきに失したと思うのであります。  終戦今や十年、いろいろな制度を国情に即応せしめて国民のものとなさなければならない今日において、外国で育った教育委員会制度をして日本に適合せしめる改正は、民主主義の第一歩の前進であると私は確信いたします。しこうして、教育立国の基礎を確立するゆえんであると存じます。民主主義を守り、多数の国民諸君の熱望にこたえまして、ここに本法案賛成の意を明らかにして成立を期する次第であります。(拍手
  59. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。     〔「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  60. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) このまま暫時お待ちを願います。——このまま暫時お待ちを願います。     〔発言する者多く、議場騒然〕
  61. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 先刻の議長の宣告中、——————————————— ————————————————————— と申しましたのは、取り消しいたします。  両案を一括して採決いたします。     〔発言する者多く、議場騒然〕
  62. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) この採決は記名投票をもって行います。     〔発言する者多く、議場騒然〕
  63. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両案を可決するに賛成諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼〕     〔各員投票〕
  64. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) すみやかに投票せられんことを望みます。——すみやかに投票せられんことを望みます。     〔「採決に異議あり」「疑義が解決したら投票する」と呼び、その他発言する者、臨席する者多く、議場騒然〕
  65. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 重ねて注意をいたします。すみやかに投票せられんことを望みます。     〔「休憩々々」「開票々々」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
  66. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——ただいまから十分以内に投票を終られない方は棄権されたものとみなします。     〔発言する者あり〕
  67. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 先ほど投票の時間を十分と宣告しましたが、五分と宣告をいたします。     〔発言する者あり〕
  68. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の時間を経過いたしましたが、投票される方がありません。よって、投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。  投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  69. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕  投票総数 二百二十   可とする者(白票)   二百二十     〔拍手〕   否とする者(青票)    なし     〔拍手
  70. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、両案は可決いたしました。(拍手)     —————————————  両案を可とする議員の氏名    阿左美廣治君  相川 勝六君    逢澤  寛君  愛知 揆一君    赤城 宗徳君  赤澤 正道君    秋田 大助君  荒舩清十郎君    有田 喜一君  有馬 英治君    安藤  覺君  五十嵐吉藏君    伊東 岩男君  伊東 隆治君    伊藤 郷一君  生田 宏一君    池田 清志君  池田 勇人君    石井光次郎君  石坂  繁君    石田 博英君  石橋 湛山君    稻葉  修君  今松 治郎君    宇田 耕一君  宇都宮徳馬君    植木庚子郎君  植原悦二郎君    植村 武一君  内田 常雄君    内海 安吉君  江崎 真澄君    遠藤 三郎君  小笠 公韶君   小笠原三九郎君 小笠原八十美君    小川 半次君  小澤佐重喜君    大麻 唯男君  大石 武一君   大久保留次郎君  大倉 三郎君    大島 秀一君  大高  康君    大坪 保雄君  大橋 武夫君    大橋 忠一君  大平 正芳君    大森 玉木君  太田 正孝君    岡崎 英城君  荻野 豊平君    加藤 精三君  加藤鐐五郎君    鹿野 彦吉君  神田  博君    亀山 孝一君  唐澤 俊樹君    川崎末五郎君  川崎 秀二君    川島正次郎君  菅野和太郎君    木崎 茂男君  木村 文男君    菊池 義郎君  岸  信介君    北 れい吉君  北澤 直吉君    北村徳太郎君  清瀬 一郎君    草野一郎平君  楠美 省吾君    熊谷 憲一君  倉石 忠雄君    黒金 泰美君  小泉 純也君    小枝 一雄君  小島 徹三君    小平 久雄君  小林かなえ君    小山 長規君  河野 一郎君    河野 金昇君  高村 坂彦君    纐纈 彌三君  佐々木秀世君    齋藤 憲三君  坂田 道太君    笹本 一雄君  笹山茂太郎君    志賀健次郎君  椎熊 三郎君    椎名悦三郎君  重政 誠之君    重光  葵君  篠田 弘作君    島村 一郎君  正力松太郎君    白浜 仁吉君  周東 英雄君    須磨彌吉郎君  杉浦 武雄君    助川 良平君  鈴木 善幸君    鈴木 直人君  薄田 美朝君    砂田 重政君  世耕 弘一君    關谷 勝利君  園田  直君    田口長治郎君  田子 一民君    田中伊三次君  田中 彰治君    田中 久雄君  田中 正巳君    田村  元君  高岡 大輔君    高瀬  傳君  高橋 禎一君    高橋  等君  竹内 俊吉君    竹尾  弌君  竹山祐太郎君    千葉 三郎君  中馬 辰猪君    塚田十一郎君  塚原 俊郎君    辻  政信君  綱島 正興君    渡海元三郎君  徳田與吉郎君    徳安 實藏君  床次 徳二君    内藤 友明君  中嶋 太郎君    中曽根康弘君  中村 梅吉君    中村 寅太君  中山 榮一君    永田 亮一君  永山 忠則君    長井  源君  夏堀源三郎君    並木 芳雄君  南條 徳男君    丹羽 兵助君  西村 直己君    根本龍太郎君  野田 卯一君    野田 武夫君 橋本登美三郎君    橋本 龍伍君  長谷川四郎君    畠山 鶴吉君  花村 四郎君    濱地 文平君  濱野 清吾君    林  讓治君  林  唯義君    林   博君  原  捨思君    平塚常次郎君  平野 三郎君    廣川 弘禪君  廣瀬 正雄君    福井 順一君  福井 盛太君    福田 赳夫君  福永 一臣君    福永 健司君  淵上房太郎君    船田  中君  古井 喜實君    古島 義英君  保利  茂君    保科善四郎君  坊  秀男君    堀内 一雄君  本名  武君    眞崎 勝次君  眞鍋 儀十君    前尾繁三郎君  前田房之助君    前田 正男君  町村 金五君    松浦周太郎君  松浦 東介君    松岡 松平君  松田竹千代君    松田 鐵藏君  松永  東君    松野 頼三君  松村 謙三君    松本 瀧藏君  松山 義雄君    三浦 一雄君  三木 武夫君    水田三喜男君  南  好雄君    宮澤 胤勇君  村松 久義君    森下 國雄君 山口喜久一郎君    山口 好一君  山崎  巖君    山下 春江君  山手 滿男君    山中 貞則君  山本 粂吉君    山本 正一君  山本 猛夫君    山本 友一君  横井 太郎君    横川 重次君  吉田 重延君   米田 吉盛君 早稻田柳右エ門君    渡邊 良夫君  亘  四郎君      ————◇—————
  71. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 残余の日程は延期し、本日はこれには散会せられんことを望みます。
  72. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後九時二十二分散会