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山崎始男君 ただいま
議題となっております、十九日の本
会議の劈頭に、
地方教育行政の
組織及び
運営に関する
法律案及びその
法律の
施行に伴う
関係法律の
整理に関する
法律案について、自由民主党の
赤城宗徳氏外十数名から、わが
佐藤文教委員長に向って
中間報告を求むる
動議が、突如として本日
提出されましたが、私は、社会党を代表いたしまして、
反対の
討論をいたしたいと存じます。(
拍手)
ただいま、日ごろ尊敬いたしております
赤城氏から、るる提案の御
趣旨の弁明がございましたが、私も、文教の理事の一人といたしまして、今回の経緯に対しましては詳細に知っておるものの一人でございます。その一人といたしまして、ただいまの御
趣旨の中には、日ごろ尊敬する
赤城氏ではございまするが、半分はほんとうのこともございますけれども、
あとの半分は大体事実と相違をいたしておるのでございます。(
拍手)私は、そのようなことはともかくといたしましても、一体、
国会法の五十六条の三に基く
中間報告を求むる
動議をお出しになったというこのこと自体が、大政党の
態度として実に遺憾であると、まず申し上げなければなりません。(
拍手)私は、御提案になりました
赤城氏ほか
文教委員の皆さん方のお気持はよく知っております。決してかかる人たちが、今回、この
通りの、突如として
中間報告を求めるような
動議を御
提出になる腹は、おそらくなかったと私は思っております。(
拍手)ところが、いわゆる、
あとの方にすわっていらっしゃる、おそらく幹部の人が、あえて行わしめたものと思うのでございます。(
拍手)
一体、
国会法五十六条の三を使うということ自体、私は、よほどこれは問題があると思うのでございます。この
中間報告を求める
動議をお出しになる以上は、特に必要なる事柄があった場合、あるいは、よほど会期が切迫をして緊急を要する場合、このようなときにのみ使うべき性質のものであることは、今さら申し上げるまでもございますまい。(
拍手)それならば、この
法律案の
審議の過程を見まして、何がゆえに、緊急な事態が、たったここから先でもございましたか。何ゆえに、特別の必要な事態が、ここから先でも起っておりますか。御
承知のように、自民党の幹部の方は、すでに五月十七日の会期を一方的に六月三日まで延ばすという腹すら固めていらっしゃるこの際に、何を好んで、一日や二日早く、かくのごとき非立憲な、かくのごとき非民主的な
中間報告を求める
動議をお出しになるのか、私は、その気持があまりにもわかり過ぎて、大政党である自民党の皆様方のために、心から御忠告を申し上げたいのでございます。(
拍手)
先ほどから、わが党の同僚
議員がるる申しておりましたが、皆様方は、
佐藤文教委員長が
委員会を開かないと、こう言われます。皆さん、私たちは、毎日
理事会を招集をして、
審議の
日程をきめてくれるならば、ただいまからでも開くと言うて、実は本日も、まだ皆様方と
話し合いをする
理事会を現在休憩中であるのでございます。しかも、皆様方と私たちの一方との話の食い違いというものは、たった一日でございます。いわゆる大政党の皆様方が、少数党であるわれわれに、たった一日ぐらいなことならば譲ってやるというこの気持こそ、私は、
民主主義のルールであり、同時に、二大政党を育成するところの最も大切なる心がまえでなければならないと思うのでございます。(
拍手)
このような事情で、どこに緊急の事態、特別に必要な事態があるのでありましょうか。こういうことを考えてみました場合に、今日突如として
中間報告を求めるこの非常手段をあえて強行されるというお気持は、おそらく、世間のこの
法律に対する反撃に対して、あえて社会党は
委員会を開かないというところにこれを
理由づけて、
国民の目をごまかさんとしておると解釈する以外はございません。(
拍手)
私は心静かに考えまするが、皆様方が保守合同をされて絶対多数をとったとたんに、そのうちに、心の中の、力による政治、多数の横暴による政治の、このきばが、いつ出てくるか、いつ出てくるかと、私たちは
国民とともに、おそらく出てくるであろうということを予想いたしておりました。皆さん、
中間報告を求むるというがごとき、今日この非常手段をお使いになるということは、過去の歴史を見てみましても、
昭和二十二年の石炭国管以来、八年目に一ぺんでございます。(
拍手)ぼつぼつ、多数党の横暴、力の政治が、数にものをいわせて、今回そのきばを
国民の前に出したことを、おそらく、九千万
国民は、だれ一人として見のがす者はないと思います。(
拍手)皆さん、この
法律案の反動性、同時に、
審議に対する——先ほど同僚
議員が申しましたるごとく、
関係法規を入れて百六条からあるのにもかかわらず、
逐条審議がわずか六カ条、こういう事実をもって 一日や二日の意見の食い違い、話の食い違いでもって、このような非常手段を強行されることは、おそらく、九千万
国民は、決してだまされないということを、よく覚えておいていただきたいと思うのでございます。(
拍手)
おごる平家は久しからずであります。皆さん、今に、この声なき
国民の目というものは——決して大衆というものはばかではございません。皆様方は、あの平清盛が西に傾きかけた太陽を幾ら扇子でもって巻き返しても、もはや返ってこないということを、十分心に銘記していただきたいのでございます。
私は、かかる非立憲的な
動議に対しては断々固たる
反対の意見を表示いたしまして、私の
反対討論を終りたいと存じます。(
拍手)