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1956-09-25 第24回国会 衆議院 法務委員会閉会中審査小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年九月二十五日(火曜日)    午前十一時二十八分開議  出席小委員    小委員長 高橋 禎一君       池田 清志君    椎名  隆君       世耕 弘一君    林   博君       古川 丈吉君    横川 重次君       猪俣 浩三君    佐竹 晴記君  小委員外出席者         警察庁長官   石井 栄三君         警  視  長         (警察庁刑事部         長)      中川 董治君         警  視  監         (警察庁警備部         長)      山口 喜雄君         検     事         (刑事局長)  井本 台吉君         法務事務官         (矯正局長)  渡部 善信君         法務事務官         (人権擁護局         長)      戸田 正直君         文部事務官         (調査局長)  福田  繁君         建 設 技 官         (営繕局長)  小島 新吾君         判     事         (最高裁判所事         務総局事務次         長)      石田 和外君         判     事         (最高裁判所事         務総局刑事局         長)      江里口清雄君         参  考  人         (聖公インマヌ         エル教会牧師) 坂下 内匠君         専  門  員 小木 貞一君     ————————————— 九月二十五日  小委員三田村武夫君同日委員辞任につき、その  補欠として古川丈吉君が委員長指名で小委員  に選任された。 同日  小委員古川丈吉君同日委員辞任につき、その補  欠として三田村武夫君が委員長指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  法務行政に関する件     —————————————
  2. 高橋禎一

    高橋委員長 これより法務委員会 閉会中審査小委員会を開会いたしま す。  昨日に引き続きまして、法務行政について調査を進めます。  本日の調査のため、聖公会インマヌエル教会牧師坂下内匠君を参考人と決定いたします。坂下さんどうぞこちらへ。  参考人におかれましては忌憚のない御意見をお述べ願いたいと思います。  それでは質疑に移ります。猪俣浩三君。
  3. 猪俣浩三

    猪俣委員 私が先般二十四国会で立正交成会の問題について論議いたしましたその議論の中にクリスチャンとしては芳ばしからざる言論があるがごときことを考えた文部省の一事務官が、私の所属いたしておりまする教会へ参って、その牧師さんに対しまして、私を信者の籍から除名すべきことを勧告したということであります。これはささやかなる一事件のようでございますけれども、私はこれを不問に付すべき問題じゃないと考える。なぜかと申しますと、第一は、私どもが立正交成会調査いたしましたのは、これが相当布教行き過ぎがあって、人権じゅうりん的なこともあり、家庭を破壊しているような実情もあり、その点につきまして調査をし、かつ当委員会では決議をしてあるはずであります。なおまた文部省も二回にわたって邪教についての行き過ぎのないような警告を発するのみならず、立正交成会それ自体に対しましても警告を発したということを新聞で承わっております。そらするならば、立正交成会なるものな相当問題の宗教であるということが、国会においてもあるいは所轄主務省である文部省においても認定せられておるはずであります。しかるにかかわらず、その私の言動の一部分をとらえて、私を信者から除名すべきことを勧告するがごとき文部当局があるといたしますならば、私ども疑惑を持たざるを得ない。一体新興宗教とその所轄官庁である文部省宗務課との間には腐れ因縁のあることが昔から言い伝えられておる。われわれはこれを信じているわけでもございません。しかし、巷間これが相当伝わっておることは文部当局も御存じのことだと思います。さような際に、みずから行き過ぎ宗教として警告を発するような立正交成会の問題について私が発言したことに対して、除名を勧告するがごとき行動をやる者があるということになると、彼らは何の動機に基き、何の意図のもとに一体かような行動をしたのであるか、私ども疑惑を持たざるを得ないのであります。世間疑惑を深めるような事象が起っておるから、これは不問に付することはできない。第二点といたしましては、自来国会における発言に対しましていろいろな方法によって圧迫があるやに聞いております。先般二十四国会決算委員会において行われましたる佐久間ダムの問題あるいは中古エンジンの問題につきまして証言をした防衛庁あるいは通産省の役人の中に左遷せられた者があるやにも聞いておる。なおその前にも、委員会に証人として呼び出されて証言したばかりに非常に不利益をこうむったような事案はあったのである。今度私にとりましてもこの文部事務官行動は見のがすことのできないものである。文部省諸君一体さようなことをどう考えておられるか、はなはだ軽微に事を考えておられるのではないかと思いますから私は申し上げたいのであるが、キリスト教信者として、信者の籍から除名するということは死刑の宣告であります。信者といたしまして三十数年来教会委員を務めている私にとじましては重大な一身上の破滅であります。牧師さんが公正な立場からこれを拒否されたからいいようなものの、教会にもいろいろな問題があるから、牧師さんが私に何らか反感を持ってもしこの文部事務官の説に賛同したといたしますならば、私には大へんなことが起ります。のみならず、この立正交成会の教祖と称する日敬なる人物は私の選挙区である新潟十日町の出身でありまして、十日町の近くに広大もない説教所が新築されておるのである。多数の信者がありまして、私のところに百有余枚の脅迫状が舞い込んできております。もしこの牧師が私のことに対しまして文部事務官の説に賛同するような言説をいたしましたならば、これが立正交成会機関雑誌あるいは機関紙に発表せられまして、私の選挙それ自体もはなはだ苦難の道をとらなければならぬような状態に落ち込みます。社会的に政治家としても相当り致命傷を負うのであります。さようなことを承知してか知らずでか、実に軽挙盲動もはなはだしい。かような意味において、国会において私ども信念に基いて——しかも宗教及び信仰を否認するのではありません。自分みずから今日まで現役としてインマヌエル教会委員を務めて教会の経営に当っている一人であります。さればこそ、淫祠邪教に対しまして徹底的にこれを排撃し、正しい宗教の繁栄をこいねがうために私は立正交成会の問題を当委員会に訴えたのである。しかるに、同じキリスト教信者と称する、しかも宗教所管庁である文部省事務官が、さような、私に対して重大なる影響を及ぼす行動をとるということは容易ならぬことだと思うのです。私どもはその文部事務官責任を追及せざるを得ません。そうしなければ政治家として実に危険な立場に陥ります。公正なる信念のもとに活動する者がいろいろの手を通じて圧迫せられる。私のところにはいろいろのもりが来ております。しかし、それは意といたしません。しかし、とにかく文部省の堂々たる事務官——係長であるそうであるが、公然とさような行動をして私を傷つけんとするがごときことは、私は議員として黙視できません。また、国政運用国会活動の上からも、これは軽視できない問題だと思うのであります。第三点といたしましては、この文部事務官が、思いつきでやった、まことに軽率であったと私に謝罪でもするならばいざ知らず、外部に対しては、おのれの非をたなに上げて、ある者に対しては教会なんぞたずねた覚えがないと放言した。私のところにも参りました文化ニュースがたずねていったときには、てんで、そんなばかげたことができますかといって頭から否認した。なおまた、ここに十月一日号の週刊新潮に現われたところを見ますると、信仰告白をしたのだ、それを漏らした牧師が悪いのだというような放言をやっておる。宗教のことに関係いたしまする文部事務官が、何らその職務と関係のないかような人を傷つける行動をやっておって、しかも国会の問題になっているにかかわらず、おのれの行動を全部否認して他をばかり傷つける。信仰告白というふうに牧師が受けたといたしますならば、これを他に漏らすことは牧師としては重大なる問題です。牧師の職にとどまっていることはできません。彼が私を除名せいと言うことが信仰告白になるのかならぬのか。大体行ったこともない教会を突如としてたずね、会ったこともない牧師信仰告白をするということは常識上あり得るか。しかも他人を除名せよというような信仰告白ということがあり得るか。かような点につきまして、かような人物一体宗教行政の府におるということに対して、私どもは遺憾にたえない。かような意味において、この真相を明らかにしていただかぬと、私がいたずらにないものをあるがごとく当委員会に訴えて世間を騒がしたことに相なります。それでは私どもとしても立つ瀬がございません。私は広安なる人物を見たことも聞いたこともございません。何を好んでこの人物にないことをあるというがごときことを言うて当委員会を騒がす道理はございません。私は坂下牧師からしかも非常に時間がたった後に座談で聞いたのであって、それで驚いたのであります。その広安が持ってきた名刺までも牧師さんから私は預かりました。それに対しまして、この前質問いたしました局長は、そんなことはあり得ないことだ、そういう人物じゃないというふうに説明せられておる。この新潮を見ましても、酒もタバコも飲まぬ実にりっぱな人物のように書かれておって、そうしてしかも、私が、広安が立交成会から金品をもらったと言ったごとく書いてある。私はさような発言をしておりません。ここに速記録を持っておる。新興宗教文部省とが腐れ縁があるような説があるということだけ言った。広安が立交成会から金品をもらったというようなことは言いません。牧師さんの印象として私は聞いたことがありますが、それは私は言ってない。さようなことが流布されますと、当委員会権威にも、国会議員権威にもかかわります。私どもは、その国会議員としての責任上、威信の上からも、事の黒白を明らかにしてもらわなければなりません。  そこで、あなたは、先般、さようなことをやる男でもないし、やったことは想像つかぬようなお話でございましたが、その後調査して報告することになっておったのであります。私は今申しましたような趣旨で私は質問しておる。決してささやかなことじゃないと思う。その意味におきまして、十分なる御調査が済んだと思いまするから、あなたの調査の結果を御報告願いたい。
  4. 福田繁

    福田説明員 猪俣委員に申し上げますが、この前当委員会におきまして、私ども宗務課の課員であります広安孝夫という事務官がいろいろ御迷惑をかけたような御発言がございましたので、それについては十分本人から真相を聞きただして他日お答えするというように申し上げたように記憶いたしております。そこで、その後、先生がこの前おあげになりましたことにつきましては、十分本人にその当時の事情も聞いてみました。ただし、これは、きょうここにお見えになっておりますが、坂下牧師と対談と申しますか、この二人のお話でございますので、私どもがいろいろ両方の話を聞かずに申し上げるのもどうかと思いますけれども、一応私は私ども広安事務官の話を申し上げたいと思います。  この前お話がございました点につきましては、いろいろ行き違いもあるようでありまして、果して広安事務官の真意であったかどうかということについては私は疑いを持っておるのであります。この前申し上げましたように、広安という事務官は、約三十年近いキリスト教信仰生活を送っておる、きわめてまじめな事務官でございまして、また新興宗教の係もいたしておりません。もっぱらキリスト教関係の仕事に専念しております。そういったことでありますので、その人物についての誤解は、一応私どもとしては解いていただきたい、かように考えておるわけであります。ただ、その当時、坂下牧師電話をかけましていろいろお話があったというようなことは、本人からも聞いております。それからまた、その後坂下牧師のその教会をおたずねいたしましたときに、そんな話が出たというようなことも、大体聞いております。しかし、これは、本人の話はあくまで信仰談でありまして、別に文部事務官としての話でもないし、また公けの話でもないということで、坂下牧師とお別れしたというように申しております。従って、いろいろな話は出たかもしれませんが、しかしながら、今申されたような坂下牧師に対して除名を勧告したというようなことはないということを申しております。また。国会の御発言に対して外部でいろいろ支障のあるようなことを文部事務官としてやるということは、これは当然考えておりませんし、私どももそういうことはなかろうと考えます。ただ、そういった点でもし御迷惑をかけたといたしますれば、重々おわびしなければならない点だと思うのであります。
  5. 猪俣浩三

    猪俣委員 すると、あなたの答弁を聞くと、信仰の話をしたのであって、僕を除名せよというようなことを言うた覚えはない、そういうことを言っておる。無責任もはなはだしいです。そんなクリスチャンはありません。クリスチャン自分のやった行動に対して責任を負わなければなりません。私ども常に他を糾弾いたしておりますが、自分言論に対してはいつも責任を負う覚悟で立っております。十字架を負って立っております。いやしくも人を除名せよというような行動を、だれに頼まれてやったか知らぬが、やった人物が、さような卑怯なる態度をとるということに対しては、文部省役人としても私は資格がないと思う。それをあなた方がまた真に受けておるということもおかしい。大体この坂下牧師広安とは年来交際しておる人物であるかどうか。坂下牧師の所管しておる私の教会でありますインマヌエル教会に彼はかって礼拝に行ったことがあるのかないのか。そんな一面識もない牧師に対して、行ったこともない教会に行って信仰の話をするというようなことは、常識上あり得るか。また信仰の話をするのに二回も三回も電話をかけるとはどういうわけか。そういう点、あなた方は調査されたか。なお、この人物キリスト教伝道者か何かやっておったことがあるそうだ。戦時中キリスト教に対する弾圧がひどくなると、身をかわして、どういうつてか知らぬが、文部省役人となって入ったというようなことも聞いておる。そういうことに対しては調べたか。彼は前身どういうことをやっていた人物であるか。坂下牧師とどういう関係で面識があり、しょっちゅう会った人であるかどうか。信仰の話をするのに、二回も三回も牧師電話をかけるとは何事であるか。信仰の話をしに行ったことに対して、牧師が私に驚いて話をする道理がありません。そんな非常識牧師じゃありません。そういうことに対して、なお広安に対してあなた方は追及したのかしないのか。彼の言うことを、そうかそうかと真に受けておられるのか。そこをお尋ねします。
  6. 福田繁

    福田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、広安事務官の申し分によりますと、電話で話したことはあるそうでございまして、その際に坂下牧師から一ぺん来て話してくれというようなことがあったので、その後機会を見て礼拝をし話をした、こういうようなことを申しております。坂下牧師とどの程度親交があったのか、私はその点はよく存じません。存じませんけれども広安事務官文部省宗務課におりますこともう十数年になりますので、キリスト教関係は、知己と申しますか、知っておる方が非常に多いわけであります。従って広安事務官の話によりますと、何回か坂下牧師にお会いしたことはあるということを申しております。しかし、それが非常に懇意な間柄であるかどうかということは、私にはわかりませんので、坂下牧師にお尋ねいただきたいと思います。ただ、聖公会の中で申しますと、私は聖公会の内容を十分知っておりませんけれども、必ずしも自分の所属の教会に行って信仰の話をしなくても、また上級の教会ではそういうことはあり得る、また奨励しているというようなことも一部では申されております。従って、親交があったかどうか存じませんけれども坂下牧師教会に行って信仰談をしても、これはそう不思議ではない、そういうふうなことを本人は申しております。
  7. 猪俣浩三

    猪俣委員 ますますけしからぬ人物なんだ。少しも反省がない。彼は神田かどこかの教会に属しているそうです。文部省というところはよほどひまなところだとみえる。日曜以外に教会に出ることは勤め人には容易ならぬことです。自分教会には努めて出る。私どもひまがあったらひとの教会に出たいが、そんなひまはありません。それは他の教会に何かの理由で行ってもいいでしょう。しかし、インマヌエル教会というのは小さな教会です。何かゆえにそこを選んで信仰の話をやってくるのか。もっと年輩の、キリスト教としては長老に属する牧師さんがおる教会は他にたくさんある。おそらく広安君とそう年令も違わぬような坂下牧師教会、小さい教会へ来て信仰談を戦わさなければならぬという必要がどこにあるか。おかしいと思わなければならない。それは禁じてはおりません。ほかの教会に行っちゃいけないなんて禁じちゃいない。しかし、それはへ理屈というものです。一面識もない、行ったこともない教会に行って信仰談をするとは何ごとですか。そういうことに対してあなた方にもっと追究をしなければならない。自分の部下だといって、そうくさいものにふたをするような態度をとらず、もっと論理的に説明を求めなければならぬでしょう。何かそこにあるんですよ。わざわざ、ことさら私の所属している教会へ行って、一面識もない牧師信仰談を戦わす、おかしいじゃないですか。そんな説明でごまかそうといったって、常識が許しません。彼が国会議員発言に対して非難をして、社会上にも相当影響を与える信者除名をしろと要求をする。今そういうことをしたことがないと彼は言っているそうですが、無責任もきわまります。こういう要求をやったとするならば、文部省はどういう責任を負うのですか。そんなことは何でもないことになるのですか。簡単なことでしょうか。新興宗教文部省関係が多少今世間のうわさに上っているこの際に、この邪教征伐の第一陣に立っておる私に対して、さようなことを私の牧師に対して言うて行くということは、言うたことが真実であるとするならば、文部省はいかなる責任を負われるのか、その御所見を承わりたい。
  8. 福田繁

    福田説明員 新興宗教といろいろ関係があるような今の御発言でございますが、これはこの前本委員会で私が申し上げましたように、私ども役所といたしましては、従来とも方針として、そういう新興宗教との関係には特に注意をいたしております。さようなことは現在ございません。ただ、さっきのお話のように、国会議員国会での御発言に対していろいろ圧迫するようなことを外でやるというようなことにつきましては、これは文部事務官でありますので、そういった点は重々今後注意——もしそういうことがございますならば、今後役所として重々注意をして参りたいと思います。なお、この問題は、私どもといたしましては、そういう広安君と坂下牧師の間の問題でございますので、役所として私どもがどうのこうのと言うような立場にはなかろうと考えております。
  9. 猪俣浩三

    猪俣委員 なお、とにかく文部事務官立場であることは間違いないし、文部事務官という名刺を持っておるのです。その名刺はちゃんとここにある。そうして自宅の電話番号まで鉛筆で書いて置いていっておる。そこで、あなた方から徹底的な調査をしてもらいたい点だが、どうもあまり調査なさらぬ。信仰の話をしたってというのは、どういう話をしたと言っているのです。あなたの聞いた、信仰の話をしたというのは、どういう信仰の話をしたというのです。それを承わりたい。
  10. 福田繁

    福田説明員 信仰の話と申しますので、私も深く追究いたしませんでしたけれども聖公会の中でのいろいろな話で自分が聞いたことを坂下牧師に申し上げた、かように申しております。
  11. 猪俣浩三

    猪俣委員 何も調べておらない。ただ彼を弁護することばかり考えておる。何も調べていないんです。これは別に刑法の罪に触れるわけでも何でもありませんけれども、いけないことだとするならば、どういう話をしたかということが中心でしょう。彼が何の話をしてきたか、それを何も聞いておらぬ。話にも何にもならぬじゃないですか。何も調査していないじゃないですか。彼の言うたことだけ言っている。何の話をしたというのです。何も調査しておらぬ。  そこで、坂下牧師広安の話だとあなたはおっしゃる。私は、そんなことなら、あなたら忙がしいのに来てもらって質問しません。一国会議員委員会において発言したこと、そこから因果関係があって、その国会議員に対して社会的な地位を失わせんとする一つの行動をやった、私はそこに重点を置いておるのです。私は何もこわがるんじゃありません。ありませんが、この週刊新潮にも書いてあるように、私どものような国会議員立場にない人間に対して、文部省宗務課の人がこういうふうな干渉がましいことをやったなら、信仰の自由さえ妨げられるじゃありませんか。あいつは除名してしまえ、信者にとっては除名ということは最大の不名誉です。私も除名なんかされたら国会議員候補に立てません。除名しろなんて言うていかれるだけで、もう私の不名誉なんです。また、除名しろなんて言うてきもせぬものを、坂下先生がそういうことを言うてきたと言う道理はありません。しかもこれはずっと古い話なんです。たまたま私の家内が教会におたずねしていったときに座談で出たことなんです。ただ私にはぴんとくるものがあった。何の意味でこの男が忙しいさなかに行ったこともない教会に行って私の話なんか牧師にしたのだろうか、私にはぴんとくるものがあった。それでなお詳しく牧師さんに私が聞くようになったのです。そうしてこの名刺をいただいて帰ったのです。私は何も知らなかったのですよ。これがそのままやみからやみに葬られたら、私にどういうことが起っておるか。そのとき牧師さんが私のことに対して、いや、あの人もどうもちっと困ったものだという話をしたならば、必ず交成会の持っておる機関誌に大々的にそれを掲げるつもりであったに違いないのだ。諸君がどんなに否認したって私にはわかります。交成会はあらゆる方面へ手を回しているのだ。だから、それがそうじゃないならば、もう少し明確なる調査をあなた方がやらなければ、疑いが晴れませんよ。そうして行政官庁国会における議員発言に対して外部と結びついて何らかその間に傷つけようとするということになるならば、とても公正な発言国会でできません。私どもも人気の上に立っている人間です。選挙が何よりこわい人間なんです。しかるに文部省役人がさようなことを策謀して私に傷をつけるようなことをやる。それが交成会機関誌に出る。私の選挙区にはたくさんの信者がおるのです。新潟県の十日町市と見附市です。そういうことを考えて、それでも彼は押し切ってさような行動をやったのです。この牧師さんが私にそのことを打ちあけたら彼はどういう責任をとらなければならぬということも覚悟してやったことなんだ。だから、私をして言わしむれば、立正交成会から万一の場合の地位の保障を受けているのではないかと思われる。  なお、彼はキリスト教新聞にも働きかけたということをあなたは聞いたか聞かないか、それをお尋ねいたします。キリスト教新聞にも私のことを書かせようとして働きかけたということを聞いております。それはあなたは調べられたかどうか、お尋ねします。
  12. 福田繁

    福田説明員 その点は私は聞いておりませんが、ただ、冒頭に申し上げましたように、私はいたずらにかばうものではございませんけれども広安君も先生と同様にキリスト教信者として非常に熱心な信者だと私は考えております。従って、今申されたような立正交成会と通報するとか、あるいは立正交成会に入っていくというようなお言葉の意味にとれましたけれども、さようなことはキリスト教の熱心な信者として断じてあるまいと考えております。
  13. 猪俣浩三

    猪俣委員 自分の部下だからあなたが擁護されることも人情としてわかります。しかし、常識を逸しております。国会議員たる私を除名せよなんということを白昼公然と名刺を持って働きかけていくなんということは容易ならざることです。かようなことをあえて彼はしたのだ。何のためにこれだけのことをしなければならぬのであるか、私は釈然といたしません。しかし、いかにあなたを追及しても、立正交成会から幾らかもらったんだなどということをあなたはおっしゃる道理はないから、私はこれであなたへの質問は一時中止しまして、ここに参考人としてさっきお許しいただきました坂下牧師がお見えになっておりますので、牧師にお尋ねしたいと思います。
  14. 高橋禎一

    高橋委員長 どうぞお続け下さい。
  15. 猪俣浩三

    猪俣委員 坂下さんにお尋ねいたします。まず第一に、あなたと広安なる人物は前に何か交友関係があったのかどうか、それをお尋ねします。
  16. 坂下内匠

    坂下参考人 実は電話で申し込みがありまして、文部省宗務課と申しますか、記録しておりましたわけでございませんから、あるいは用語に相違があるかもわかりませんが、その趣旨、ポイントだけははずれておらないつもりでございます。実は電話が参りまして文部省の宗務官だ、これについて実はあなたのところに猪俣という代議士がおりますか、おります。実は猪俣代議士が法務委員会においてなしたところの言葉を知っておるか、実は新聞で若干読んで知っておるということでございまして、そのことにつきまして、実は聖公会としてなぜ除名しないかということでございました。そして私の言うべき言葉を広安さんがうまく封じてしまったのであります。それは猪俣代議士個人の意見であるからと言うかもわからないけれども聖公会としてこれを放任することはできないだろうというようなことをおっしゃいました。実は、私は今まで親交があった方でないことは、本人が初めて参りまして名刺を交換したことにおきましてもこれがわかって下さると思うのでございます。もし親交がありますれば名刺の交換などはする必要がないはずでございますし、いま一つ、さきの電話の一きましたときに、私は名前をおっしゃって下さったのですけれども、うろ覚えでございまして、十分にこれを聞きとることができませんで、実はこれは猪俣代議士にも申し上げておりませんけれども信者除名問題云々ということは、これは軽々に外部からの圧力ですべき問題ではございませんで、これは教会内部の問題でございます。それで、除名などという重大な問題は、聖公会におきましては、こういう場合には諮問機関がありまして、しかる後に結論を得るべき問題でございますけれども、私はただ一つそのときに非常に圧力を感じました。文部省の宗務官だというので、私は非常に圧力を感じまして、実は、電話がありましたその晩、私どもの主教と申しまして東京全体を管轄している人がございますが、その主教のところに私は足を運びまして、実は文部省の宗務官がこうこう言ってきておる、私は実は驚きまして、圧力を感じまして、ここまで足を運んだわけでございますと申しましたところ、主教も笑って外部からそういうふうなことを言ってきても、軽々にそんなことができるわけはないじゃないかというようなわけであったのでございます。話の内容はまだ申し上げたいと思うのでございますが、猪俣代議士が親交があったかどうかということでございますので、私は電話で聞きましてもその人の名前は思い出せないし、また礼拝にその翌日参りましたときも初めてお目にかかり、そうして名刺を交換するほどに今まで一つも交わりのなかったお方であることを申し上げておきたいと思います。
  17. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、あなたとはほとんど一面識のなかった人間である、それがいきなり、聖公会信者の一員であるということではなしに、文部省の宗務官であるということで電話をかけてきた。その電話は一回ですか、二回ですか。
  18. 坂下内匠

    坂下参考人 二回でございます。
  19. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、二回とも今あなたが申されたような趣旨でございますか。なぜ除名しないかということの趣旨でございましたか。
  20. 坂下内匠

    坂下参考人 全くさようでございます。
  21. 猪俣浩三

    猪俣委員 そこで、彼が今度は教会へ参られた、そして参ってからあなたとどういうふうな話のやりとりがあったか、その詳細をお述べいただきたいと思います。それから、来るようになりました動機につきまして、二回電話があって、結局三回目に彼が来たようになりますが、どういう理由で教会に来るようになったか、来てからあなたとどういうような話をしたのであるか、それを一つおっしゃっていただきたいと思います。
  22. 坂下内匠

    坂下参考人 これは、私のところに来てからの話の内容よりも電話での話のやりとりの方がより詳細でございますから、その方がよろしいのじゃないかと思うのでございます。さっき申しましたように電話がありまして文部省の宗務官である、猪俣代議士はあなたの所属の教会信者か、さようでございます。しからば立正交成会のことについてかくのごとく言っておるが、これについて除名の処分をとらないかというようなことでございました。そして、それにつきましては、多分先生立場といたしまして、それは個人の意見であって聖公会の意見じゃない、こう逃げられるかもわかりませんけれども、この問題を放置できないじゃないか、立正交成会には聖公会のようなそういうものではなくて非常に規模の大きな印刷局があって、そうして一たびこれを発表するならば致命的になる、実はこの問題の取扱いについて、キリスト教新聞というものがございまして、確かに賀川豊彦氏がこれを主管しておると思うのでありますが、その記者を私よく存じておりますので、それとも話し合って、非常に困っておるというようなことでございました。私は、電話の話のやりとりのうちに、どうも顔が見えないでこういうことを言っておったんじゃ話にならないから、一度ゆっくり顔と顔とを相合せて、しかる上に話そうじゃないか、こういうことを言いまして、本人電話を切ったわけでございます。そして、その足で、実は文部省宗務課からこういうことを言ってきたというので、私はさっき申しました主教のところに足を運びまして、こういう問題がありますが、いかがなものでしょうかというお伺いまで立てに行ったわけでございます。それから、ちょうどその次の日が日曜日に当りますので、日曜日に礼拝の途中からおいでになりました。従って、その会衆の席にその方がおいでになっておったのでございますけれども、宗務官であるやら、広安氏であるやら、これも私は知らなかったわけでございまして、礼拝が終りましてあいさつに行きましたときに、文部省の宗務官でこれこれだという名刺をちょうだいしたわけでございます。そして私は広安さんを私の部屋に案内いたしまして、よもやま話をしたのでございますが、本人からこの話は初め何も出なかったわけでございます。そして、もっぱら話しておりましたことは、自分がかって聖公会に伝道師としておったということをお話したのでございまして、私は来意が那辺にあるかわかりませんので、猪俣代議士のことはどうですかと言いましたところが、いや、これはもうこれだけですよというようなことで別れた次第でございます。
  23. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、彼があなたのところへたずねてきたときの話はそれだけで、私を除名せよという話はしなかった、ただし電話のときにそれを強く言ったんですね。おそらく電話の際にあなたが彼らの申し出に対してうなずけないような態度をとったために、やってきたときには体をそらしてしまったのじゃないかと私は思うのですが、非常にずるいやり方です。一発電話でおどかして、あなたが少しそれに乗るようであったら執拗にやってくるつもりであったんじゃなかろうかと思うのです。それから一ぺんも教会に行かないでいてはいかぬので、将来の証拠のためにあなたのところにたずねていったんじゃないかと思うのです。今私はあなたのおっしゃることをここで初めて聞いたんですが、私はあなたに会ってそういう話をしたのかと思っておったのだが、それは電話の話ですね。そうしますと、その電話はどのくらいの時間話されましたか。その話の内容をもう少し言ってくれませんか。
  24. 坂下内匠

    坂下参考人 全く、面談いたしましてからは除名問題はあまり出なかったのでございます。もっぱら電話での話のやりとりでございます。電話では執拗にその除名問題を言ってきたものでございますから、問題の内容が重大であるのと、そして少くとも文部省宗務課からこういう問題で言ってきておることを、私は自分個人で納めておくのには少し問題が大きいんじゃないかと思いまして、主教のところへ行ったわけでございます。電話の応答はおそらく三十分間に及んだだろうと思うのでございます。それで、実は、百長くもなりますし、同じことの繰り返しでございますし、見えない相手でお互いに話し合ったのでは結論も出ないし要領を得ないから、一度顔と顔とを合せて互いにこの問題で話そうじゃないかということでございましたが、実は同じようなことの繰り返しでございました。
  25. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、広安教会であなたに面会する以前に、すでにあなたは、各牧師の監督機関であります主教に、文部省の宗務官がこういうことを言ってきておるということを訴えられたというわけですね。  それから、広安は、この週刊新潮を見ますると、自分信仰告白をしたというのでございますが、信仰告白というのは一体どんなことをいうのであって、それは全く見ず知らずの教会牧師のところに飛び込んでいってやるものかどうか、そうしてそれが真に信仰告白であるといたしまするならば、それを牧師たるあなたが他にしゃべるということは、キリスト教牧師としては一体いかなる責任があるのであるか、その点についての御説明を願いたい。
  26. 坂下内匠

    坂下参考人 私どもの管轄者である主教のところに参ったのは、訴えるというようなそういう固いものではございませんで、監督官庁からこういうことを言ってきたものでございますから、私としましては、何だか圧力を感じまして相談に行った程度のやわらかい考えでございました。主教と私ども関係はまた私ども信者さんとの関係のように密なものでございますから、訴えるとかいうのではございませんで、実はこれを相談に行ったのでございます。その相談というのも、官督官庁の文部省宗務課からこういうことを言ってくるものですから、一応これを相談しておいた方がいい、こう私は判断したわけでございます。そうしてこの問題が文部省の方であるいは相当に大きくピック・アップして取り扱うのではないかという懸念もありましたので実は相談に行ったわけでございます。  それから、信仰告白云々の問題でございますが、さっき申しましたように、信仰の内容のことにつきましてはほとんど言及しなかったのでございます。信仰談というよりも、今言った猪俣代議士に対する除名問題をめぐってやりとりをしただけでありまして、キリスト教信仰の内容につきましては一つも言及いたしませんでした。従って私は、これを信仰告白あるいはざんげなどというようなものには毛頭受け取っておらないわけでございます。御存じと思いまするが、信仰告白とかあるいはざんげというような問題は、来る人自身か一番敬虔な真摯な態度で来るものでございまして、人の攻撃とか、人を中傷すること、こんなものは信仰告白とかざんげというふうには私は毛頭受け取らないのでございます。ざんげとか信仰告白というのは、自分の罪、自分の至らなさというようなものを最も敬虔、真摯な態度でほんとうに告白すること、これこそざんげでございまして、信仰内容に触れず、こういう除名問題云々のことで話をしに来たことにつきましては、これはざんげとも信仰告白とも、私のこういう立場からはとっておらない次第でございます。
  27. 猪俣浩三

    猪俣委員 真にまた信仰告白であるとするならば、それを漏らすことは牧師としては一体どういう責任になるのであるか、それから、自分の属しもしない教会へ行って、自分一面識もない牧師にそういう信仰告白をするという行為が常識上あるものだろうかどうだろうか、それはないとも言い切れませんが、通例そういうことがあり得るものかどうか、さようなことについてもあなたの牧師としての立場で御説明願いたい。
  28. 坂下内匠

    坂下参考人 お尋ねの、牧師がもしもざんげ、信仰の内容を他に漏らすとしまするならば、猪俣代議士御自身よく御存じの通り、これは牧師として一日も勤まらないところの重大な問題でございます。人の秘密やそういうざんげというものを私どもは絶対に漏らしてはならない立場にあるのでございまして、それをキープするのが私ども牧師の役目でございます。従ってもしも人のざんげとかそういうものを漏らすならば、牧師として一日も立つことができないのみならず、それを漏らすべきじゃないと私は確信するものでございます。従って、この信仰告白あるいはざんげというようなことは、普通自分の所属しておる牧師のところに行ってするのが原則でありましてこれは、ブラジルのような落莫たるところの僻陬の地におきまして、教会がないというようなときには、自分の都合で行き当りばったりにそういうところに行ってする場合もあり得ることでございますけれども、東京におきましては、何十、何百という教会がございます。従って、そういった自分の精神的な一番重要な問題は、やっぱり自分の所属しておる教会牧師にするのが鉄則でございます。なぜかなれば、先ほども申し上げましたように、牧師信者というものは文字通り羊と羊飼いの間柄でございます。従ってざんげとか信仰告白という深刻、真摯な問題は、自分の所属しておる、自分の魂を預けております牧師のところへ行ってするのが当然でございます。
  29. 猪俣浩三

    猪俣委員 それで、最後にお尋ねしますが、私を聖公会信者から除名せよとあなたに追ったその理由について彼が言ったか、あなたはまたそれを尋ねられたか。何のために私を除名せよと彼が文部省の宗務官なる名をもって言ったのであるか。何の理由もなしにいきなり除名せよと言うたわけでもなかろうし、また除名せよと言うた以上、あなたとして何のためだという質問をされたと思う。そこで、どういう理由で、私が信者として資格がないから除名しないかというふうに要求したのであるか、その理由についてあなたがお聞きになったことがあるならお述べ願いたいと思います。
  30. 坂下内匠

    坂下参考人 実は、この問題につきまして、私は広安宗務官が参りましたそのインテンションが実はわからないのであります。なぜ見ず知らずの私に、電話番号を調べ、また私の教会に所属しておる代議士であるかということをつまびらかに調べまして電話がきたかという、その意図を実は私はつかめなかったのでございます。というのは、私は会ったときにそれをキャッチしたい考えで、電話では長くもなりますしそのインテンションをつきませんでした。ところが、来ましたそのときには、さきに申しましたように、あまりその問題に触れませんで、自分聖公会におったこと、関係したことをるるとして話されておりました。よもやま話であります。私から猪俣代議士のことはどうですかとこう言ったときに、いやあれはもうそれっきりだ、こうおっしゃったものでありますから、私はあえてそのインテンションを追及しないで終ってしまったのでございます。
  31. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、いきなり彼は猪俣代議士をなぜ除名しないかと言っただけで、その理由については電話でも説明しなかったわけですか。
  32. 坂下内匠

    坂下参考人 電話で申しましたことは、聖公会は他のプロテスタント諸教会と違いまして、ピューリタンばかりではない、それであるのになぜ他宗教のことを誹謗するか、こういうことでございました。しかるがゆえにこれは穏当じゃないという理由のように聞きとっておったのでございます。
  33. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、聖公会はピューリタンばかりじゃないんだ、それだのに猪俣は他宗教の攻撃をやる、それだから聖公会信者の資格はないんだというふうに言った。それから、いま一つ、さっきあなたがお話になりましたが、もう一ぺん念を押しますが、立正交成会というものは大きな団体で印刷局を持っておる、これに宣伝されると大へんなことになる、こういう意味のことを言ったように思いますが、それをもう一度繰り返していただきたい。
  34. 坂下内匠

    坂下参考人 聖公会という宗派は、今猪俣代議士のお尋ねにもありましたように、あらゆるバラエティに富んだ宗派でございまして、極端な方は禁酒、禁煙それ自体聖公会員であらねばならないように考えておる方もございます。ところが、それと反対に、酒、たばこ何ものぞ、こういうものは道徳的に少しも抵触するものではないという傾向の人もございまして、全く聖公会はローマ・カトリックと、そしてたとえば一番わかりやすいあの救世軍のような、そういう方たちも網羅された信徒の内容でございます。従って、ある方はピューリンタ的に非常にそういった酒、たばこをのむことさえも非常にやかましく言う方と、ある方は、正反対に、そういうことは問題じゃない、もっと大事な問題で道徳的に抵触するような問題につきましては非常に真剣になりますけれども、そういった問題はささいな問題として非常に寛容な態度に出ておるところの方々がおられるわけでございます。従って、広安宗務官のおっしゃったのは、そういう意味であろうかと思うのでございます。しかし、それは道徳的に抵触しても黙っておるというのがわれわれの宗教立場じゃございません。いあらゆる道徳的に抵触することは私どもは死守するのでありまして、酒、たばこをのんで道徳的に抵触するということならば、私どもこれは真剣に命がけで問題にいたしますけれども、今申し上げましたように、道徳的に抵触しない問題につきましては寛容な気持でおるのが私ども立場でございます。従って、私どもは、交成会がどういうふうな内容で、どういうふうな民間に働きかけをし、その派生した問題がどういうふうに人を益するか害するかということによりまして、これは、私どもキリストの徒におきましては、これに言及することは当然あり得ることと思うのでございます。  それから、今印刷局云々ということは、立正交成会はスケールの小さいものじゃない、非常にスケールが大きくて、たとえば報道機関などでも印刷局と名づけ得るところの規模の大きなものがある、従って、こういった問題を報道しますならば致命的な痛手を受けるのである、しかるがゆえにこれをそういう何にならないように善後策を講ずべきではないか、こういうことでございます。
  35. 猪俣浩三

    猪俣委員 今あなたのお話を総合すると、一つは文部省の宗務官という地位であなたをおどかし、一つは立正交成会が非常に宣伝力を持っているということであなたをおどかしておるということになるわけですね。そこで、彼があなたには信仰の問題など何の一つも話していない、いきなり私をなぜ除名しないかということを宗務官の名前を持ち出して言っておる、かような真相がわかった。そしていかにずるい人物であるかは、あなたと面と向った際に、ほかの信者もいる教会の中のために電話で訴えたようなことは一切口をつぐんで、しかもあなたに一ぺんも会わぬというのでは工合が悪いから、顔だけ見に行ったに違いない。相当用意周到な人物だ。そして私を傷つけようとしたのであります。何がゆえに、何人に頼まれてさようなことを言ったか、虫のせいやかんのせいでやったとは思えません。今の牧師さんの証言を聞いて、局長はどういう感想持たれたか。これをこのままほうかむりされるのかどうか。もっと徹底的にお調べなさるのかどうか。坂下牧師は東京の総監督であります主教に間髪を入れず訴えておるのです。証人はほかにもあります。でたらめなことを言うたなんということじゃありません。彼の言うことは全くでたらめです。何のために見ず知らずの牧師のところにたずねて行ったか。何のために私を除名せよなんということを言うたのか。一つも筋道が立っておらない。そこに何らかのひもがついておると私は思うのです。そうじゃないというなら、私どもの納得のいく調査をして説明をして下さい。納得がいかぬじゃないですか。広安行動が、何のために彼がそんな酔狂なまねをやっておるのか、あなた方は今の説明で納得いきますか。これに対して彼は一つもざんげしないのです。信者であるなら、自分の言行に対して責任を負うて、悪かったと思えばざんげしなければならない。きのう宗務課長が来て、きょうは質問をやめてくれ、広安ともよく話をしてみる、場合によっては広安とあなたを話させるからというので、私はきのう質問をやめたのです。何も彼はあやまっておらぬじゃないですか。あなたの答弁を聞いたって、全然問題にならない答弁です。言った覚えはないということを言っておる。こんな私の除名問題を持ち出さないで、信仰の話だけしたことを坂下牧師が私に言う道理はないじゃないですか。そんなことは常識上通りませんよ。あなた方はどうなさるのですか。もっと調査なさるのか、やはり広安はりっぱな人物で、そんなことを言った覚えはないのだ、いかに牧師がそう言おうが、あるいは主教が証言しようが、ないのだということになりますか。酒もたばこものまない、そんなことは私も禁酒禁煙です。彼だけは酒たばこをのまぬからりっぱなクリスチャンでうそを言う道理はないと思ったら大間違いだ。それなら私がうそを言ったことになります。私も禁酒禁煙です。しかし私は自分の言ったここに対しては責任を負っています。私は神の前に対してもやましからざる言行をやっております。彼は自分の言うたことに対して何ら責任をとらない。でたらめを言うて責任のがれを言うておる。そんな者をあなた方がりっぱなクリスチャンであり、りっぱな役人であるとして弁護なさってそれでいいですか。今の証言を聞いて局長どうお考えになったか、御意見を承わりたい。
  36. 福田繁

    福田説明員 ただいま坂下牧師お話を伺いまして、私どもも知らなかった点を教えられた点もございます。しかし、なおそういった本人坂下牧師の話の食い違いについては調査してみたいと思います。猪俣委員お話もよくわかりましたので、そういう信仰上の問題であれば、これは本人としても宗教人としての考えもあることと存じます。ただ、非常に何と申しますか、聖公会信者として寛容な態度を今まで持ち続けてきた者だということは申し上げてさしつかえないと思います。その他の問題につきましては今後十分注意をいたします。
  37. 猪俣浩三

    猪俣委員 私どもも、広安事務官自分行き過ぎを陳謝してあれするならば、深くとがめる意思はなかった。しかし、すでに文化放送においても週刊新潮においても、私のみならず、私に事実を告げた坂下牧師に致命傷の印象を与えられるような発言を彼はしておる。信仰告白をした、それを牧師は漏らした、こういうことになると、坂下さんそれ自身が牧師たる資格を失うのです。あなた方は宗教というものを一体どう考えていらっしゃるかしらぬが、信者除名するなんていうことは簡単なことではありません。だから、彼は信者と称しておるけれども、何にも知らぬのじゃないか、信者除名するのは、今坂下牧師の言ったように、一定の審議機関があって、全部調査した上でやるのです。死刑の宣告じゃありませんか。それを、まだやらぬか、どうして除名しないのか、こんなことを一牧師電話をかけること自体が、一体彼は何もキリスト教のことを知らぬのです。自分キリスト教のエキスパートのような顔をしてやっているが、何にも知らないのです。そうして信仰告白というものはどういう意義を持っておるか知らぬのだ。信者除名というものがいかなる意義を持っておるかも知らぬのです。しかも信仰の問題ならば彼は私と話し合うべきです。牧師を中に入れるならば、私と牧師と彼と三者がよく話し合うべきものなのです。私どもも話を聞いてなるほどと思えば自分行動を慎しみます。しかるに、いきなり宗務官の名前をもって電話をかけて、なぜ除名しないかと言う。何事ですか。そんなクリスチャンがどこにあります。クリスチャンの仮面をかぶっている男にすぎない。そんな者をあなた方が、りっぱな人物だ、そう言うてほめたたえる。何か私が何もないところにでっち上げて非難攻撃しているような印象を与えておる。けしからぬと思う。彼が陳謝して、自分行動を間違ったということを言わざる限り、どこまでも私はこれを調査していただきたい。あなたは調査しますね。念を押しておきます。どこまでも調査して下さい。坂下牧師の言うたことが正しいか、彼の言うたように、真の信仰上の告白をしただけにすぎないのか、もっと調査していただきたい。それを強く要望しておきます。  これで私は終ります。
  38. 坂下内匠

    坂下参考人 過日共同通信から電話がございまして、この事情を電話で聞いて参りました。私は外出しておりましたので、私と会うことができませんで、電話で共同通信からお尋ねがありまして申し上げたのでございますが、そのときに私が話を申し上げておるうちに、あなたの教会へ行ったことがないということをおっしゃっておる、いやそれはある、それは広安さん自身のためにはならないだろう、確かに来ました—。そしてまた、私の教会においでなったのは証人がほかにあるのでございますから、これは来たということはもう間違いのないことでございまして、武士に二言はないと昔は言いましたが、牧師に二言はありません。来たということは他にも証人がございますから、この点は私は重ねて申し上げておきたいと思うのでございます。
  39. 高橋禎一

    高橋委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がなければ、この問題の調査は本日はこの程度にとどめます。  この際参考人に御礼を申し上げます。本日は御多忙な際にもかかわらず本小委員会調査のため御協力願いまして、ありがとうございました。どうも御苦労さまでした。     —————————————
  40. 高橋禎一

    高橋委員長 では次に移ります。すなわち、印旛少年院の職員暴行事件その他警察官暴行事件について調査を進めます。椎名隆君。
  41. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 千葉県印旛郡に印旛少年院というのがあるのを御存じでございますか。
  42. 渡部善信

    ○渡部説明員 印旛郡の印旛少年院というものはございます。
  43. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 そこの院長は一昨年宋金光秀芳という人にかわったそうですが、この点いかがですか。
  44. 渡部善信

    ○渡部説明員 仰せのごとく、同少年院の院長は金光秀芳と申します。昭和二十九年の十二月六日付をもって印旛少年院院長に就任しております。
  45. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 金光秀芳という人は、印旛少年院の院長にかわる前はどういう職務だったんでしょう。
  46. 渡部善信

    ○渡部説明員 経歴の概要を申し上げます。金光院長は大谷大学の文科を卒業いたしたのでございますが、その後朝鮮に参りまして朝鮮の刑務所、少年刑務所等に勤務をいたしておったのであります。昭和十三年に応召いたしまして軍務に服したのであります。その後昭和十八年に召集解除になりまして、十八年に少年刑務所をやめまして内地に帰って参りました。昭和十九年には、これは会社でございますが、富山県下の不二越と申します鋼材の工業株式会社に就職いたしております。昭和二十年に再び応召いたして、金沢の方に入隊いたしましたが、二十年の九月、終戦によりまして復員をいたしております。昭和二十三年に法務省に教官といたしまして就職いたしました。最初瀬戸少年院に教官として勤務いたし、その後昭和二十六年には、同じく少年院でございます。が、金沢の方にございます湖南学院と申しまする少年院の庶務課長兼教務課長になりました。それからその後湖南学院の次長も兼務し、昭和二十七年に瀬戸少年院の庶務課長に配地がえとなっております。瀬戸少年院は名古屋の近在、瀬戸市にございます。そして二十八年に瀬戸少年院の次長となったのでございますが、ただいま申しますごとく、二十九年の十二月に印旛少年院の院長となった、これが概略でございます。
  47. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 そうすると、少年院の院長として就任したのは、印旛少年院が初めてでございますね。
  48. 渡部善信

    ○渡部説明員 さようでございます。
  49. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 今まで金光秀芳さんは各地の少年院にいたんだが、この人の各地の少年院にいらっしゃる当時、少年連中に対する何か人権じゅうりん問題があったというようなうわさは聞きませんでしたか。
  50. 渡部善信

    ○渡部説明員 これまでさようなことは聞いておりません。
  51. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 少年院というのは申し上げるまでもなく矯正教育が主であって、かりに少年が罪を犯したらばとて刑罰を科するために少年院に収容するものではないのであります。ことに父兄といたしましては、たとい自分の子供が悪いことをして少年院に収容せられても、一日も早くまじめになって出てきてもらいたいというのが父兄の腹だろうと思う。ところが、あにはからんや、少年院におきまして、そこの院長さんの意思いかんによって、収容せられておる少年連中が暴行を受けるとか、あるいは傷害を受けるとか、そういうようなことがあった場合、これを伝え聞いた父兄の心配というものは私は容易なものじゃないと思う。今まで印旛少年院は周囲の者に対してはしばしば迷惑をかけておった。あそこのさくが破れておりますので、しばしは少年連中が逃亡する。逃亡すると、あそこの周囲の町村がこれを逮捕するために金を出し合って——現在それでなくてさえ非常に各町村の財政は困難をきわめておる。ところが、少年が逃亡するごとに各町村で金を出し合って逮捕する。これではたまらないから、何とかあのさくをもう少し厳重にしてもらいたいという陳情もあったのです。最近になりまして、金光秀芳院長が来てから後、これはもう父兄が今までがまんにがまんを重ねていたのでありましょう、自分の子供は悪いことをしたのだ、少年院に収容せられている当時は少しくらいなことはせられても仕方がない、いいことをしたのではないのだ、しかしながら、われわれに訴えてくるような非行があったとするならば、もうがまんにがまんができなくて、この非行をあばいてもらいたい、何とか子供らを助けてもらいたいということを申し出たことと思う。その実例を申し上げますと、本年の八月十七日の午後、保安係長の千田善三教官は伊藤輝雄外十数名の収容少年を、何の反則行為がないにもかかわらず、板廊下にすわらして、そしてくつばきの足でそれぞれその顔面をけった、このたに伊藤輝雄という少年はくちびるを切られた上、前歯三本を折る重傷を負わされた、しかも今度はそのまま独房に放置された、その後上村久吾教務課長と——これは金光秀芳院長自身もやっておる。院長とは、それぞれ、伊藤輝雄に対して、お前が悪いからそうなったのだという訓戒を与えた、こういうことであります。そこで、その少年は父兄あてに、しばらくの間面会に来てはいかぬ—。なぜかというと、面会に来た際は傷を受けたり何かしたのがわかるから、面会に来るなと強要せられて自分の父兄にはがきを出させられたという事実があるのです。こういうことがあるのですが、人権擁護局の方に対して何かこういう請願書が行ったかどうか。請願書が行ったとすればまたそれについてお伺いしたいと思うが、請願書は行りていますか。
  52. 戸田正直

    ○戸田説明員 ただいまお尋ねの請願書は、千葉の地方法務局長あてに出してあります。それから直接人権擁護局にも請願書を出しております。
  53. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 さらに事実を申し上げますと、本年八月五日、平林博という少年は、生活指導係長寺井教官に殴打された事実がある。しかも足に傷を負わされておる。本年七月末、星兵意少年は千田教官、板橋教官等に首をバンドで巻かれて袋だたきにされて、全身ミミズばれになる傷を負わされてそのままおっぽり出された。本年六月五日白田鉄造少年は、戸島教官に顔を殴打されて右耳の鼓膜を破られた。本年四月初め高橋公志少年は戸島教官にぞうりで顔を殴打されておる。昨年九月十五日の職員の朝礼において金光院長は、新聞記者らの院外の者が来て諸君に何か聞いても、われわれは何も知らないから院長、次長に聞くようにと、一切何も言ってはならない云々という籍口令をしいた。それから、金光院長着任塚来、幹部職員の秘密専横行政は続けられ、それに盲従する一部の下級職員の事故には目をおおい、不服の言動を漏らす正義感の強い職員に対しては容赦なく公平を欠いた処分をもって待遇をしておるという事実もあるということを訴えられておるのですが、矯正局長は、今暴力行為を全面的に民間においても取り締ろうという際に、官庁の内部において、少年院の内部においてこういうことがあることについてどういうふうにお考えになりますか。
  54. 渡部善信

    ○渡部説明員 実はさような職員によります暴行事件があったということは私知らなかったのでありますが、仰せのごとく、少年院におきましては、あやまちを犯した少年たちを収容いたしまして、これに矯正教育を施しておるのでありますが、この矯正教育を施します過程におきまして、少年たちに暴力をふるうというがごときことは全くわれわれとしては考えも及ばないことなんです。かような行動に出ることは固く禁じておりますし、われわれといたしましてもたびたび通牒をもってその点を戒めております。最近の通牒を見ますと、昭和二十七年の三月にも出しております。昭和三十年の四月にも通牒を出しまして少年たちの処遇上におきまして、いやしくも暴力をふるうがごときことは絶対なしちゃならないということで固く禁じておるのでございますが、なお少年院長の会合あるいは各部課長の会合等におきましてもこの点は固く禁じておるのでございまして、われわれといたしましては、少年院の内部におきまして職員による暴行事件は絶無を期して、目下努力をいたしておるのでございます。ただ、かようなことを申し上げますと、決して容認いたしておるのではございませんが、収容されております少年たちは、なかなか教官の言うことを聞いてくれるような人たちは少いのであります。そこで、教官に対しまして反抗の態度に出る、あるいは教官を激高させるような言動に出る場合が往々にしてあるのでございます。かような場合に、決して感情にはやり、これに乗ぜられるというようなことがあってはならないのでございますが、やはり教官も人間でございますので、ついそれに激高いたしましてかような挙に出る場合が間々あるのでございまして、これはわれわれといたしましては十二分に注意はいたしておりますが、そういうことが起って参りますので、実に私は遺憾に存じておる次第でございます。このたびの事件につきましては、私らの方には申告はなかったのでございますが、外部の方にさような請願書と題するものが配られて、それをこういうことがあるがどうかということの注意を受けまして、私の方でさっそくその調査に乗り出したのでございますが、ちょうどその際に金光院長から、少年院の監督官庁でございます矯正管区というのが東京にございますが、その管区長のところに、ただいま御指摘になりました八月十七日の事件について、その当面の責任者である千田教官が実は収容少年に暴行を加えて前歯を折るような傷害を加えたということが明らかになったので、これに対する懲戒処分を行おうと思うのだがということを申して参ったようでございます。ちょうどそこへ私らの方から調査に行ったのとかち合ったのでございます。そこで、かような問題は十二分に掘り下げてよく調査をしなければならない、もしもその事実があるとするならば、ただ懲戒問題だけでは済まされない、これはゆゆしき刑事問題として取り上げて十二分に検討を加えなければならないというところで、さっそく矯正局の方から保安課の次席と、矯正管区の方から部長が少年院に参りまして、教官並びに少年について当りましたところ、ただいま御指摘になりましたような事件が大体あるという心証を得ましたので、さっそく千葉の地方検察庁の方にこのよしを通報いたしまして、検察庁の手によってこの事件を徹底的に調べていただくようにお願いを申し上げたのでございます。目下千葉地方検察庁の方においてこの事件について捜査をなさっていらっしゃるわけでありまして、不日この事件は明らかになるものと思いますが、その事件が明らかになるのを待ちまして、すみやかに処分をいたしたい、かように存じておる次第であります。かような事件ができましたことに、監督者の一員といたしましてまことに申しわけないことだと心からおわびを申し上げる次第でございます。  印旛少年院は、御指摘のごとく、これまでも地元の方々に御迷惑はかけております。この印旛少年院は実は特別少年院と申しまして収容少年の中でもちょっとてこずるような少年たちを実は入れている施設なのでございます。昭和二十九年の八月でございましたか、収容しております少年たちのボス的な存在をなしておりました少年たちが、処遇を少し厳格にいたしましたことに反感を持ちまして暴動を起して、非常な御迷惑をかけました。これは地方的にも大きな問題として取り上げられたのですが、その後昨年九月にも集団逃走事件が起りまして、地元の方々に御迷惑をかけたことがあるのでございます。少年院の教官たちはこういうふうな少年たちを一々補導いたしておるのでございますが、たといいかなる理由があったにいたしましても、これに暴力を加えたということは、まことに申しわけのない事件でございまして、深くおわび申し上げる次第であります。
  55. 椎名隆

    ○椎名(隆)小委員 まだ八街少年院の問題並びに、ことに警察官の暴行問題、今検察庁はこの暴力を全面的に消滅したいというので非常に骨折っておることはわかるのですが、この点につきましては、法務大臣並びに大麻国務相、警察庁長官等にはっきり私は聞きたいというふうに考えておったのですが、本日は留保しておきまして、中川刑事部長に一応今度来るまでに御用意を願っておきたいことを申し上げておきます。と申しますのは、ほんとうに警察が現在における暴力団を取り締る意向があるのかないのか、もしかりに取り締る意向があるとするなれば、—各都道府県、都市において今競馬、競輪をみなやっている。競馬、競輪をやるときには警備協力会というものがある。ひとり警察官だけでは取締りができない。いずれも地方におけるボス、いわゆるテキ屋、博徒、地回り、やくざ、あるいは暴力団体等を使わなければ、警察と相一体となって警備しなければ、競馬、競輪はでき得ない。これが真相なんです。それがために、各都道府県、都市はいずれも一競馬、あるいは競輪ごとに十万ないし十二万の金を支給しているというのが真相なんです。もしかりに警備協力会において地方のボス等を頼まなければ、競馬、競輪は遂行ができないという実情にある。警察庁において真に暴力団をなくすのだ、暴力行為をなくすのだとするならば、どうしてもこれと手を切らなくてはならぬ。その点を次回の委員会までに、各都道府県で競馬、競輪をやっている際に暴力団を使ってない都道府県があるかないか、都道府県で使っているところはどこか、一競馬、一競輪ごとにどの程度の金額を支給しているか、もし使わないことになればこれが競馬、競輪を遂行ずることができるかできないか、それらをお取り調べおきを願っておいて、そして次の委員会にはすぐに答弁ができ得るよう御用意を願っておきたいと思います。  きょうはこの程度で質問を保留しておきます。
  56. 高橋禎一

    高橋委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会