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1956-04-30 第24回国会 衆議院 法務委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月三十日(月曜日)     午前十一時三十二分開議  出席委員    委員長 高橋 禎一君    理事 池田 清志君 理事 椎名  隆君    理事 高瀬  傳君 理事 福井 盛太君    理事 三田村武夫君 理事 猪俣 浩三君    理事 菊地養之輔君       犬養  健君    世耕 弘一君       林   博君    横井 太郎君       横川 重次君    神近 市子君       佐竹 晴記君    志賀 義雄君  出席政府委員         法務事務官         (人権擁護局         長)      戸田 正直君  委員外出席者         検     事         (民事局参事         官)      平賀 健太君         参  考  人         (元読売新聞記         者)      白石  重君         参  考  人         (元立交成会         第七支部長)  岡部 ツネ君         参  考  人         (元大和ムシブ         ロ株式会社社         長)      長沼 広志君         参  考  人         (立正交成会会         長)      庭野 鹿蔵君     ————————————— 四月二十七日  刑事補償法の一部を改正する法律案武藤運十  郎君外十名提出、衆法第五〇号)  の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する  法律案起草に関する件  法務行政及び人権擁護に関する件(立正交成会  問題)     —————————————
  2. 高橋禎一

    高橋委員長 これより法務委員会を開会いたします。  罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する法律案起草に関する件について議事を進めます。  まず、本件について質疑通告がありますのでこれを許します。椎名隆君。
  3. 椎名隆

    椎名(隆)委員 罹災都市借地借家臨時処理法の一部を改正する法律案についてちょっとお伺いしたいと思いますが、御承知通り、国会が開会中にこの罹災というような問題が起ればよろしゅうございますが、もし閉会中に罹災が生じたとすると、罹災地の各位が非常に御迷惑をこうむるわけです。そこで、罹災都市借地借家臨時処理法の第二十五条の二の中における「別に法律で定める火災震災風水害その他の災害」を「政令で定める火災震災風水害その他の災害」に改めまして、「「第二十五条の二の法律施行の日」」を「「第二十五条の二の政令施行の日」」に、「「第二十五条の二の法律施行の際」」を「「第二十五条の二の政令施行の際」」に改める、また第二十七条第二項中における「法律で」を「政令で」に改めるべきであると思います。御承知通り、本月二十三日午前六時四十分ごろ福井県の芦原で大きな火事がありましたので、でき得るならば、政令でやるようにして、この「法律施行」というのを「政令施行」に改めたいというふうに考えておるのでございますが、これに対して、「法律で」を「政令で」に改めるにつきましては、調査審議するのにどのくらいの期間を要しましょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  4. 平賀健太

    平賀説明員 法務省といたしましても、ただいま椎名委員仰せ通り、同様の考えを持っておるわけでございまして、今回の芦原災害につきまして、もしかりにただいま椎名委員仰せのように第二十五条の二が改正されまして、かつ、芦原災害をこの第二十五条の二の災害に指定いたす必要がありまして、もし政令でこれを指定いたすといたしますと、どのくらいの日数が必要かというお問いだと思うのでありますが、まず第一に、この二十五条の二の改正法律が公布施行されまして、それからせいぜい一週間か十日ぐらいありましたならば、これを政令でもちまして芦原災害を指定することができるのではなかろうかと考えております。
  5. 椎名隆

    椎名(隆)委員 一週間か十日でできれば非常にけっこうだと思いますが、せっかくこさえましても、あんまり時日が長くなりますと、芦原では借地借家臨時処理法に関して非常に問題が出てきちゃうのです。出てきてから後に施行しても、ある程度その効果というものは減殺されてしまうのです。そこで、でき得る限り早く私たちは改めたいと考えるので、一週間か十日でおできになりますか。もう一ぺん念を押しておきます。
  6. 平賀健太

    平賀説明員 現地の災害実情につきましては、目下建設省、地元の県当局などにおいて鋭意調査中であるように承知いたしておりますので、この二十五条の二の改正規定施行されまして一週間ないし十日もあれば十分と考えております。
  7. 高橋禎一

    高橋委員長 ちょっと私から平賀参事官お尋ねしますが、今まで法律でもってその区域なり災害を指定しておりましたが、それを政令にまかせるということについて、この法律改正が行われた前の災害指定について何ら疑義はありませんかどうですか、そこのところの御意見を伺いたい。
  8. 平賀健太

    平賀説明員 ただいまのお尋ねは、二十五条の二の規定改正されまして、従来法律で指定することになっておったのを政令で指定し得るように改めた場合に、この改正法律施行前の災害政令で指定できるかというお尋ねと思うのでございますが、その点につきましては、現行法の第二十五条の二が法律改正によって設けられましたのは昭和二十二年法律第一〇六号によるものでございます。ところが、この第二十五条の二が設けられました際、そのときの改正法律には遡及して適用することができるというような注意的な規定を全然設けておらないのでありますが、それにもかかわらず、この昭和二十二年の改正によってできました条文によりまして、昭和二十年の当時の災害を指定いたしておるのでございます。それでありますから、このときの例から言いますと、今回「法律」とあるのが「政令」と改まりましても、この改正法施行前の災害をやはり政令で指定することができるという解釈に当然なるのではないかというふうに考えております。
  9. 高橋禎一

    高橋委員長 他に御質疑がなければ、本案起草については次会に譲ることにいたします。     —————————————
  10. 高橋禎一

    高橋委員長 次に立正交成会の問題につきまして調査を進めます。  本日は参考人より実情を聴取することになっております。  この際委員会を代表いたしまして参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙中にもかかわらず御出席くださいまして、まことにありがとうございました。本日調査いたします問題は重要なる問題でございまして、直接関係のある方々より実情を聞く必要があるとの見解から、本日御足労をわずらわした次第であります。どうぞ忌憚のない実情をお述べ願います。  なお、念のため参考人の方に申し上げますが、参考人より委員への質問は、衆議院規則によりできないことになっておりますから、御了承を願います。そして、御発言さなる際は、参考人の方も委員の方も、委員長より許可を得て発言していただくようお願いをいたします。  これから質疑に入るわけでございますが、まず最初私から白石参考人お尋ねをいたします。白石参考人は現在どこに住んでいらっしゃって、そうしてどのような職業に従事していらっしゃるか、そして立正交成会とはどのような関係がおありか、そして立正交成会に関する事柄について御承知になったのはどういうふうな機会からであるか、それらの点についてお述べを願いたいと思います。白石参考人
  11. 白石重

    白石参考人 お答え申し上げます。私は現在千葉市黒砂町五百六十三番地に住んでおります会社員でございます。私が立正交成会につきまして承知をいたしました動機は、大体私も日蓮主義を信奉する一人でございますので、戦後国民道義が非常に廃頽いたしまして、このままではわれわれもほうっておけない、何とかこの再建をはからなければならない際に当りまして根本的に道義再建をはかるには、やはりどうしても宗教的な信仰を基礎にしてはからなければならぬという考えを持ちました。ところが、御承知のように、旧来の仏教は葬式宗教と言ってもいいくらいに堕落をしておりますので、立正交成会がはなばなしく活動をしておりまするのを拝見いたしまして、その掲げておる目的を拝見いたしますると、まことに今日の時世を救うためにごもっともだ、こう私は考えたのであります。どういうことを書いてあるかといいますと、立正交成会目的教義謄本にありますが、法華三部経を教義の本典とし、妙、体、振の理念に基き異体同心を規範として教義を広め云々ということを書いてございます。また、謄本にはございませんけれども、立正交成会長沼理事長から昭和二十九年一月二十四日付で千葉財務部長あて嘆願書を出しております。この官庁に提出いたしました書類の中に立正交成会教義及び実践方法云々という一項目がありまして、その中に目的をはっきりしております。これにはこうあります。本会は法華三部の妙典に基いて日蓮上人教旨を奉じ大曼陀羅を奉祀しこれを万教帰一の本尊と定める云々、こうありまして、私は、立正交成会目的とするところは日蓮上人教旨を奉じて法華三部経を教義の聖典とするところの宗教である、こう考えた次第であります。そこで、私も、かような目的に掲げるような教義を広めるところの宗教団体であるならば、私もその傘下にはせ参じて及ばずながら犬馬の労をとりたいという考えを持ちまして、昭和二十八年の初めごろから一生懸命に交成会教義その他を検討いたしますと同時に、導きの親と言うそうでもりますが、私の友人ですでに交成会の熱心な信者になっておる方々に伺いますと、会長庭野鹿蔵氏が非常に法華教の深奥をきわめた大家であって、しかも非常な人格者である、こういう説明を承わりましたので、二十八年の初めと思いますが、交成会本部に参りまして、入会をさせていただこうと思ったのであります。ところが、この際まず姓名判断をやられました。十数人と考えまするが、ずらりと姓名判断をやられる方が並んでおりまして、まず、私の名前に対してこれは何画であって、お前さんはいいところへ来た、ここで交成会に入らぬというと、お前さん子供あるだろう、あります、これは肺病になるところであった、こういうお話で、どこが根拠なのか知りませんが、こう言って大分おどかされたのであります。それから、私、ごもっともに拝聴いたしましてから、法座というのであるそうでありますが、井戸端会議のような円形の何か座談会のようなものがありまして、そこへ連れていかれたのであります。ところが、どうも一向教義らしいものも最初の私に対してお話がないもんですから、まあそのときにははっきり入会のことも言わないで立ち帰ったのでありますけれども、その後だんだん交成会教義はどういうものであるかということを一生懸命になって研究したのであります。——委員長、よろしゅうございますか、長くなりますが。
  12. 高橋禎一

    高橋委員長 どうぞ。
  13. 白石重

    白石参考人 ところが、先ほど申し上げましたように、掲げてあるところの目的は私の考えるところと全く一致するのでありまするけれども、その言うところと実行するところは全然逆であります。驚くべきことは、日蓮上人教旨を奉ずるということをはっきり言っておりますにかかわらず、一つも日蓮上人教旨を奉じないところの教え——教えといいまするか何といいまするか知りませんが、とにかく宣伝をしておる。これはとんでもない間違いであるということを言いますると、会長庭野さんは、これは宗教新聞でありまする京都の中外日報昭和二十九年六月九日発行の中外日報に掲げてございまするけれども、庭野日敬師長田恒雄氏の質問に対してこういうことを明白に言っております。教学日蓮信仰は親鸞、生活は道元、これが立正交成会教学の根本だと思いまするけれども、信条だと、こう言っております。これは実に驚くべきことだと思います。何となれば、日蓮は、御承知通り念仏無間禅天魔と、はっきり言っておるのであります。これがいいか悪いかは別といたしまして、いや しくも日蓮教学を奉ずるというこの宗教が、日蓮の呼号したこの念仏無間信仰態度、あるいは禅天魔生活態度をとるということは、これは非常な矛盾だと私は考えておるのであります。同時に、日本週報の第二百六十五号に、庭野会長さんが、方便衆生済度云々という記事を書かれておりますが、これが立正交成会教義基盤だということをはっきり書いております。法華経方便品諸法実相の理をもって立正交成会教義基盤とする、これも実に驚くべきことと思うのであります。いやしくも日蓮教義を奉ずるところの宗教団体が、法華経方便品諸法実相の理論をとってこれを教義基盤とするに至っては、これは実に驚くべきことだと思います。日蓮のとりましたところの教義基本はそんなものじゃない。法華経は少くとも本門寿量品文底秘沈の事の一念三千を根幹とするところのものでありまして、これはとんでもない間違いをやっているということを私ははっきり発見したのであります。従って、決して日蓮教学を奉ずるところの宗教ではないということを私は断言してはばからないのであります。  こういうふうに、根本的の信仰意識を誤まって、その上に立てたところの教義というものは何であるかといいますと、これはとても問題にならない。どういうことをやっておるかというと、実際に当ってみますと、一体教義があるのかないのか、私にはとうていつかめないのであります。ここにたくさんり事例がございますが、立正交成会教義というものは何かつかめませんけれども、わずかにつかめたところは、たとえば、頭が痛いと言えば、どうもそれはお前さん目上の方に対して何か敬いを失っているのじゃないか、足が痛いと言えば、下の者に対してつらく当るのじゃないか、そうして、これは、仏さんのお悟りといいますか、妙佼先生のお悟りというか、これは罰の当るということだそうでありますけれども、そのためだと言う。それではどうすればいいかといえば、まず本部にお参りをしておさい銭をたくさん上げるんだ、御供養するんだ、先祖の因縁があるから、それを切るためにそうしておわびをしなければならぬ、こういうこと宣言っておる。これがどうも総じて立正交成会教義のほとんど全部ではないかというふうに私は感ぜられたのであります。こういう状態では、私もとても交成会会員となってこれを信仰するということはとうていできませんので、ぐずぐずいたしておりましたが、その間、私は、たくさんの事実を確認いたしますと同時に、かつて信者でありた方、またその当時信者であった方々を約七、八十人直接おたずねいたしまして、その経験談を拝聴いたしたのであります。その結果、これはどうしてもほうっておけない、これはただに日蓮の精神を損傷するばかり。なく、現在の日本にかような宗教を看板にしてとんでもない詐欺恐喝のごときことをやっておる集団を存置するということは、これは国民の一人とししどうしても許すことができないといり確信を得ましたので、昭和二十九年の二月九日に、東京地方裁判所民事第八部に対して、宗教法人法の定める、すなわち宗教法人法第二条の目的、定義に掲げてあるところの宗教団体でははいこと、同時に、同法第八十一条第一項第一号の、法令に違反して明らかに著しく公共の福祉を阻害しておるところの団体であるということ、同第二号に掲げてあります、目的をはなはだしく逸脱しておるということと、同時に、目的のための行為を一年以上にわたってしないこと、こういう理由によりまして、解散の請求をいたして今日に至っておる次第であります。
  14. 高橋禎一

    高橋委員長 それでは、通告のございます方々質疑を許します。猪俣浩三君。
  15. 猪俣浩三

    猪俣委員 白石さんに特に具体的にお尋ねいたしたいことは、本法務委員会は、宗教の名によって治安関係を乱し、基本的人権を侵害する行為が現われているやに疑惑を持ちまして、調査に乗り出しておるのであります。そこで、あなたの経験されました、あるいはあなたが知らせを受けました、この立正交成会なる宗教団体がその信者に加えられたいろいろな問題、人権侵害的な問題について、もし具体的な事実を御存じでありましたら、どういう人間がどういう方法によってどういうふうな被害を受けたかということを承わりたいと思うのであります。あなたが御記憶の点だけでもけっこうでありますが、具体的に御指示をいただきたいと思います。
  16. 白石重

    白石参考人 お答え申し上げます。基本的人権を侵害されたという事実は非常にたくさんございます。ところが、この事実を公表されることを非常におそれておるのであります。なぜおそれるかといいますると、私の知り得ましたるたくさんの事例によりますると、だれだれがこういうことを話をしたということのために、交成会側から非常なおどかしを受ける、このために遺憾ながらその事実を言えないんだと言う人が非常にたくさんあります。しかし、ここに多くの事例がございまするから、お差しつかえなければ披瀝さしていただきますが、よろしゅうございますか。
  17. 猪俣浩三

    猪俣委員 その具体的事例を詳細にお述べをいただきたい。当法務委員会中心課題はそれなんでありますから、あなたの知り得た範囲におきまする具体的事実、——場合によってあなたがあげられた証人につきまして当委員会でまた調査するかも存じませんから、真実なところをお述べいただきたいと思います。  そこで、あなたのお述べになる前に、言い出しといたしまして、東京都南多摩郡鶴川村野津田の佐藤ちせなる者が一家心中の憂いがあるとしてあなたに訴えてきたことがあるかどうか、訴えてきたことがあるとするならば、その内容について御発表を願いたいと思います。
  18. 白石重

    白石参考人 佐藤さんからそういう切々たる衷情を訴えられました事実がございます。この方も、新聞に出されたことによって大へん交成会信者仲間からしかられて、また非常に慎まれておるので、あまり公けにされることは困ると言っておられますけれども、「交成会教えをそのまま受けましたなら全く気狂いになるのも当然です」、「あの会の教えは人生を暗くし生命力をちじめること確かです」と、こう最近は言っております。先ほどの猪俣先生の御質問に対しましては、三月三十一日付でこういう手紙をもらったのであります。前の方は略しますが、「過日読売新聞にて白石様の記事を拝見し、同感を覚え、私共も是非とも解散を望む次第でございます。今更過去のことを申上げるのもお恥かしいのですが、私共は昭和二十三年以来の信者であり、当時は村にも数ない事業家として暮して居りましたが、会の教えに従いまして素直にまいりましたが、倒産どころか大きな赤字を生じてしまい、只今では生きるにも生きられず死ぬに死なれぬ状態となり、今日一日明日一日と悲しいどん底の生活を続けて居ります。宗教が如何に私共の生活を左右するか、昨今 くわかりまして、昨年三月に交成会を脱会致しました。如何に努力しても起ち上ることは容易でなく、生きられる所まで生きて、その後は一家心中を覚悟致して居ります。」、こういう手紙をいただいております。
  19. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは、その手紙をもらいまして、佐藤ちせなる者に会いましたか、会いませんか。
  20. 白石重

    白石参考人 佐藤ちせさんには慰問の手紙を送っておりますけれども、まだお目にかかっておりません。
  21. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、佐藤ちせから手紙をもらって、あなたはそれに対して二本返事を出しておるが、その手紙は確かにこの所番地の佐藤ちせに届いているわけですか。
  22. 白石重

    白石参考人 届いておるようであります。返事をいただいておりますから。
  23. 猪俣浩三

    猪俣委員 それでは、そのほかのかような事実がございましたら、あなたの方からお述べになっていただきたいと思います。
  24. 白石重

    白石参考人 これは少々古うございますが、昭和二十九年六月四日に私が東京都葛飾区新宿町五ノ二二八三番地富岡義雄さんをおたずねいたしましてお話を承わったのでございますけれども、富岡さんはこう申しております。「自分は立正交成会入会し、さんざんな目にあった。本部法座で法について質問したのに端を発し、ついに昭和二十八年七月二十日午後十時半ごろ、自分の隣家で会員であった長谷川誠七氏に呼び出され、交成会第三十一支部部長(現七十三部長小林武外五名の幹部に取り巻かれて暴行を受け、ズボンは引き裂かれ、首を締められ、全身数カ所に打撲傷を受けた。長谷川氏の救援があったので、ようやく虎口をのがれることができたが、亀有警察署において事情を聴取され、小林等も召喚され取調べを受けたが、その後うやむやにされた。暴行を受けた後、交成会本部福富秘書課長に会見、責任をただしたところ、マルで解決できると、なぞのようなことを言っていたが、自分は受け付けなかった。自分や家内が交成会本部べ通っていた長い間に体験したり感知したりした驚くべき事実は次の通りである。イ、幹部庭野会長長沼会長に会見するところには秘密な電気しかけがあって神様が御降りになるとか御先祖の霊が移ったとか怪しいことを言う際は、軽い電流を身体に通すようになっているそうである。ロ、本部その他の道場には喜捨箱というのがあって、道路、車内その他どこであっても落してあった金があったら拾って来てこの箱に入れるように常々教えられる。拾った金を警察へ届けるなとは教えないが、きれいに使わねばならぬものだからここへ持って来いと、暗に横領を教唆している。現に自分も半カ年間三百円ばかり入れた。ハ、先年の九州に大水害の見舞金として、会員一人当り最低百円の釀金を申し渡され、自分の概算でも、数千円出した者もあるから、一億円内外集まったと信ずる。しかし見舞金として贈ったのは二百三十万円であった。会員をだまして巻き上げたもので、見舞と占ったのは全くの方便にすぎない。ニ、毎月五日を虚空蔵菩薩、すなわち長沼妙佼家の御命日と称し、虚空蔵菩睡は金を授ける神様だから、たくさん事納すれば幾倍にでもして下さると教えている。ホ、火消しの九字を切ること乞教え、毎年一月末からの大寒の一週間を通じてこれをやる。そして、各人か総戒名を祭って妙佼様の御名を念ずれば絶対に火事を避けることができる、近所に火事があっても荷物を出す必要も逃げる必要もないと教え込む。この一事だけでも随分危険な教えである。そして万一焼けた場合は、ざんげが足らないのだから妙佼様にあやまれとしかられる。」、こういうことであります。人権を侵害されている具体的は事実はありますが、そういう方は名別ははっきりしてないのであります。よた、私が直接聞いたものでも、どうも名前を明らかにせられるとあとで非常な脅迫を受けるので、それがこわいから公けにしないでくれということを非常に強く頼まれておりまするが……。
  25. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、名前は出さぬでもいいが、大体の所番地人権侵害の事実の概要はわかっております
  26. 白石重

    白石参考人 大体わかっております。
  27. 猪俣浩三

    猪俣委員 それならば、名前を明らかにしなくてもようございますから、立正交成会なるものが信者に対していかなる行動をやっておったか、それを具体的にあなたの知る限り述べていただきたい。
  28. 白石重

    白石参考人 この方はお名前を申し上げても差しつかえないようでありますから申し上げますが、茨城県多賀郡関本村山小屋関場小野貞雄氏の詳細な手紙であります。略して読みますが、「私は四十六才になる学問のないただの大工ですが、あなたが立正交成会を訴えたのは賛成だ。幹部の一人が、私の姓名判断をやって、あなたは畳の上で死ねない人だと言う。おどかしたわけなのでしょうが、畳の上で死ねなければベッドの上で死ぬと言って、それきり行きませんでした。こんな悪い暗示を人に与えて無理に信者にしようとする交成会のやり方は実に卑劣です。私の隣のやはり土方のかかあは、これはもうすっかり交成会につかれた気違いだ。小さい子供が四人もいるのに、一家の主婦の役目も果さず、子供にワカメのような着物を着せ、満足に飯も食わせず、甘ったれ盛りの五つ六つの子供を寒中戸外におっぽり出して道場に日参しているので、人々の笑いものになっています。そればかりか、他人の家をやたらに訪問して人の感情を害して歩いている。他人の不幸を喜ぶとしか思えません。たとえば、炭鉱でけがをしたむすこのいる家へ行って、その親に、御先祖様の供養が足りないからむすこが死にかかっているのだとか、嫁入り前の娘さんのいる家ヘ行って、あなたの家では因縁が悪いから信仰しないと娘が嫁に行っても一つところではおさまらないなどと言って親たちの憤りを買っている。どこかの家で災難を食うと、待ってましたとばかり、さもうれしそうに目を輝かして飛んでいきます。」——中は略しますが、「まるで妙佼先生が天地を支配しているかのように言うけれども、今は天皇ですら人間宣言されたのに、どこの馬の骨だかわからない妙佼ばあさんが神様に成り上ったのでは、日本の民主主義はめちゃくちゃです。私は一度怒って神だなに張ってある戒名とかを破り捨てましたところが、さあ大へんな評判になって、小野さんは必ず遠からずお悟りがあると、幹部を初め騒いでいます。そして私の身に何事かあれかしと首を長くして待っております。」  それから、これは新潟県見附市の一信者としてありますが、女の方のようであります。「私らの町にもずいぶんたくさんの信者がおりますけれども、中にはひどい迷惑をこうむっている人があります。現在でも、会をやめたいがたたりがこわいとか、また教師におどされていやいやながら入会しておる人がたくさんあります。交成会のやり方はひど過ぎる。まるでこの世に金をかき集めに出てきた亡者のようなものです。名前を言うことができないで、はなはだ残念でありますが」云々というのであります。これは見附の現在信者の女の方であります。病人がありますというと、そこをつけ込んで、絶対に安静をしいられておる病人のところに面会を強要してそうして長い関すわり込む、これではとてもたまらぬ、こう言って来ております。  この方はお前は立川市柴崎一丁目の吉川保氏でありますが、最近の手紙を読み上げます。「(1)立正交成会(豊田道場)から来た者が、私に対する脅迫がましい言説のあったという事は、白石様の訴訟の事が読売紙上に発表された前日だったと思いますから、それは三月五日の事でありましょう。一行三名(それは、私の入会に主として勧誘にきた幹部二名と、いわゆる「みちびき」親となった私の同僚社員の母親の三名ですけれど、その代表格の一番の幹部の一人は、私の入会の勧誘の際に数度来た以外かつて来なかったものです)は、ちょうどその時騒がれていた立正交成会のいわゆる土地問題について、「あんな事実は無いのだ、それどころか、耕地整理組合から逆にその会ヘ土地を買ってくれと言ってきたと聞いている」との釈明とも打消ともつかないような説明を約四時間(正午少し前から)にわたって続けた後、  一、中野のバス・ガールは立正交成会の悪口を平素から言っていたが、こんども土地問題で「それ私が勝った」と言って、また交成会の悪口を言った後、さてバスに乗って出て行ったが、間もなく、その何と自分で乗っていたバスの下敷きとなって顔をひかれ、バケツにしぼるほど血を出した。一、柴崎町のある隣組長(吉川の同町内)は、豊田道場に来るように奨めていたのに来なかったから、勤めから帰って三時間で死んでしまった(この隣組長というのは、一面識もない人だが、その急死——心臓マヒ——の事は知っていた。しかしこの人が立正交成会入会していたことは初めて知った。そして、う)の隣組長が、ここに来ている代表でない方の幹部(軍人未亡人)の隣家だということも知った)。以上の表現は少し拙いけれども、こういう二つの説話を持出した事は間違いありません。しかし、それは私が信者として熱心でなかったということ、ということは、日連様の教えをもって逆に会の教えをやり返していたということ、そんなわけで豊田への参詣も昨年初秋ごろからやめてしまっていたということ、また糖尿病患者(五年来)として、手術のようなことは絶対に禁物であることなど申しておったから、私の最もイヤがるこうしたいわば効果的な話題を製作して来て、一もみもんだというところなのでしょう。信者の弱点を捉えることは立正交成会か絶えず努力しているところで、道場でのいわゆる御法座なるものでも、また家庭へ回ってくるお使いでも、常に信者にざんげをなさしめ、信者自身はもとより、祖先代々の経歴まで述べさせています。それにしても、以上の二つの説話には、私は、ばからしいにしても、やはり腹が立ったことですから、たまりかねて怒り出し、そんな脅かしを言いに来るのなら、もう会にもみんなにも用はないから、来てもらいたくないと言って、寝床の方に立ち去ってしまったような次第です。つまり、彼らは、正午前から来て、それはすでに四時ごろだったと思いますから、私は午後の安静(一時−三時)を完全にやめさせられてしまったわけです。彼らは、病人信者には病気がなおるといって入会させておきながら、一向に病気がなおらないのはともかくとして彼らの来訪は病人の安静時間も何も考えていないのが通例です。豊田道場にお参りに来いというのもまた同じで、私など、糖尿病患者として五年来の制限食から体力が衰えているところへ、豊田道場の坂道を登っていって、昨年の夏のある暑い目に法座で正座していて、気持が悪くなり、驚いて以後豊田行きをしばらくやめていたほどで、非科学的というか、会は病人に確かに無理をしいています。私など、豊田へ行かなくなり、それから会から離れたら、かえって元気になってきたように感じられます。それにしても、以上の私に対してなされたような説話が、一般の信者——特に病者に対してもなされているとすれば、それは恐怖感を与えるに十分以上のものと思います。  こういうケースのものは、まだたくさんほかにもございます。
  29. 猪俣浩三

    猪俣委員 私どものところにも投書は相当参っておりまして、大体あなたの今読んだことと大同小異であります。そこで、さような事実が客観的に存在していることは疑うことはできないと思うのです。  なお、これはこの前の当委員会における調査によって明らかになりましたことであって、あなたが御存じであるかどうかを伺いたいのですが、それは、この立正交成会の中に大和ムシブロというようなトルコぶろ組織がある、信者はほとんど八〇%以上はそこべ入ることを勧誘せられる、肺結核患者であろうが脊髄カリエス患者であろうが、みなそこへ入れられたために、病勢が悪化して、中には死亡した者がある、むちゃくちゃに全部そこへ入ることを強要されておることは、この立正交成会の元顧問医師のような立場にあった人が当法務委員会に証言しております。そこで、あなたはこういう大和ムシブロなんということについて何かお聞きになったことがあるかどうか、あるいは現場を見られたことがあるかどうか、そういうことについて知っている範囲をお答え願いたい。
  30. 白石重

    白石参考人 大和ムシブロのことにつきましては、私は話は聞いておりまして、非常に被害を受けたということも聞いておりますけれども、それについては、私、よく存じておりません。また、現場を見たこともございません。
  31. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、参考人は、この立正交成会の杉並の本山というのか本殿というのか知らぬが、そこへおいでになったことがありますか。
  32. 白石重

    白石参考人 ございます。
  33. 猪俣浩三

    猪俣委員 そのあなたがおいでになって、何か買わせられたかどうか、あるいは説教を聞いたかどうか、あるいは集まっている信者がどういう階層の者があるか、どんな雰囲気であるか、あるいは妙佼とか日敬とかいう教祖という連中はどんな態度で信者に接しているのか、そういうことについて、もしあなたが見聞したことがあったら、お述べ願いたい。
  34. 白石重

    白石参考人 立正交成会本部には、最初簡単に申し上げましたように、私、二十八年の初めと同年の暮れに参っております。そして、暮れには、この訴訟、解散請求をする必要上、私も導きの親によって紹介されて入会いたしたのでありますけれども、そのときの状況を申し上げたいと思います。  二十八年のたしか十二月でございますけれども、私は下総支部——たしか下総支部というのだと思いますが、これによって入会をさしてもらうということになりますというと、本部の道場の正面に姓名判断をやる場所がありまして、そこへ連れていかれて、私の姓名の判断をされたのであります。先ほど申しましたように、お前は子供があるかと言うから、ありますと言うと、いいときに入会をする決心になった、もうしばらくぐずぐずしているとお前の子供は肺病になるところであったが、これで助かったんだ、これでよく修行しなさいということでありました。それから、法座という下総支部の円形になった座談会式の井戸端会議のようなところへ連れていかれまして、ざんげというのですか、今までのことをみなそこでもって言うのですが、十五、六人その法座の人たちはおったと思いますが、そこにおられる方たちは、話を聞いておりますと、とにかく今まで非常な不幸な境涯にあった人たちが多いようでありました。しかも御婦人の方が多かったのでありますけれども、支部長さんという方を中心にいたしまして、この支部長さんの言うことは絶対服従、どんなことを言われてもこれには絶対服従する。その間には自由というものは全然認められません。この支部長さんの言うことは即、妙佼先生ですか日敬先生か存じませんが、とにかく仏様のお言葉であるということで心服しなければならない、こういうふうに考えられたのであります。そうして、お前さんはいいときに入会した、さっそくきょうお前の家にお祭り込みに行く、——これは総戒名を持って会の幹部の方が私の家に行かれるのだそうでありますけれども、たまたまその日は私は午後一時から数人の方と東京都内に約束があったものでありますから、それで、前からの約束でありますので、きょうは一緒に参るわけにはいきませんと言いましたところが、支部長さんからだいぶしかられまして、お前のその約束はどういう約束か知らぬけれども、これは仏様はちゃんとそんなことは知っているので、お前がその約束の時間にきょう行っても、向うの相手は来ないから、それはよせ、そして、きょうはお祭り込みの大事な日だから、そんなところはやめて、行け、こう言って、だいぶおどかされたのであります。しかしながら、私と数人の方たちと約束したのでありますから、それはどうしても行くというので行きましたところが、少々時間におくれました。ところが、約束の相手方はちゃんと待っておられた。これで、どうも仏様のお見通しというものはずいぶんいいかげんなものだということを、入会早々のその日に感得したようなわけであります。交成会本部の何については大体そんなものです。
  35. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは東京の地方裁判所に交成会解散訴訟を起されているそうでありますが、その訴訟に代理弁護人がついておったら、弁護士の名前、それから、その訴訟記録がおありであるかどうか、その訴訟記録に添付されておるようた証拠書類の写しがおありであるかどうか、おありなら、さらにそれを当法務委員会ヘ御提出願えるかどうか、それをお伺いしたい。
  36. 白石重

    白石参考人 東京地方裁判所に解散の請求をいたしております。その書類はございます。また添付した証拠書類の写しもございます。それは御命令がございますれば法務委員会に提出することは一向差しつかえございません。私の代理人の弁護士は、三鷹市下連雀二百十七番地、板倉正氏、さらに、最近私の請求の趣旨に賛意を表されまして協力を申し出られました弁護士の方には、東京弁護士会の本林譲氏がございます。
  37. 猪俣浩三

    猪俣委員 この立正交成会は、千葉県下の国有地の払い下げに関し嘆願書を県庁なりあるいは市議会なりに提出して、払い下げ運動をやったということを聞いておりますが、その結果や何かについてお聞きがあったら、その払い下げの土地がどこであって、どういう事情で知事やあるいは市議会に働きかけたか、知事や市議会がそれに対してどういう態度をとったか、あるいは市議会の議員や知事が何か供応その他の利得をしたことがあるかないか、そういう事情についてあなたのお知りの限りを御説明願いたい。
  38. 白石重

    白石参考人 立正交成会が、千葉市の轟町と思いますが、ここに旧陸軍の用地であります国有地があります。この払い下げ運動をやった事実はございます。これに対しまして、昭和二十九年一月二十四日付の立正交成会の文書があります。これは、当時の関東財務局の千葉財務部長鈴木秀雄氏あてに、国有地払い下げ許可にかかる嘆願書というものを出してありますが、その嘆願書がどういう経路で私の手に入ったか、これは、私、わからないと言うと変でありますけれども、突然私の家のポストの中に入っておりました。しかしながら、これは明白に立正交成会で作成された文書であることに間違いないようであります。ただいま御質問がありました千葉市会に対してはなはだ妙なことをやっております。この嘆願書の中にこういうことを書いているのであります。「曩には地元会員の署名を以て、千葉市会に嘆願し同市会の証明と賛同も得られ、今茲に払下許可の急速適切なる御措置を懇願するものであります、」こういうことを書いてありますので、私自身としては非常に驚いて、千葉市会に質問しましたところが、この事実は全然ない、こう言うのであります。千葉市議会はこの立正交成会の国有地払い下げに関して何ら証明したこともなければ賛同もしたことはない、こう明確に言明いたしております。しかるに、この官庁に出しました文書には、理事長沼総一氏の名義をもって、明らかに、「千葉市会に嘆願し同市会の証明と賛同も得られ」というこの虚偽の文書を提出しております。これについては千葉市議会でもだいぶ問題になったようでありますけれども、二十八年の八月十日と記憶いたしますが、市会議員十何名と平山さんという助役さんが立正交成会本部に参って供応を受けた事実はあるそうであります。これは市当局者が言明しておりますから間違いないことと思いますが、同時に、この嘆願書の中に添付しております千葉県知事柴田等氏の感謝状というのがあります。これにはこう書いてあります。    感謝状         立正交成会々長            庭野日敬殿   今次日蓮聖人開宗第七百年に当り貴会は弐万余名に及ぶ大団体を編成し本県霊蹟に来詣され其の間秩序整々寔に信仰者の亀鑑と云ふべく吾が郷土の偉人日蓮聖人の偉徳を顕彰  せられたる法労は真に感銘に堪えず  茲に深く感謝の意を表します。   昭和二十七年四月二十八日    日蓮聖人開宗七百年    祭千葉県奉賛会長      千葉県知事柴田等こうありますけれども、この柴田知事のとられた行為と、千葉市議会のきわめて明白を欠く態度に対しては、憲法八十九条もしくは地方自治法二百三十条違反の疑いがあるということを、ひとり私ばかりでなく、多少この間の事情を知っている者は非常な疑念を持って見ていることは事実であります。
  39. 猪俣浩三

    猪俣委員 さきに聞き落しましたが、あなたが交成会に参詣せられたときに、何か品物を買わせられませんでしたか。
  40. 白石重

    白石参考人 経本、じゅず、その他のものを買えというお話がございましたけれども、私はすでに経本も持っておりますし、おじゅずも持っておりますので、それは必要ないと言いましたところが、いや、交成会の経本はまた違う、おじゅずも違うのだから、交成会式のものでなければお功徳にはならぬから、それを買え、こういうお言葉でございましたけれども、たまたまその時分私は千円がらみの金は持ち合せておりませんでしたので、いずれまた後ほど買いましょうということで、そのときは買わなかったのであります。従って、以後買いません。
  41. 猪俣浩三

    猪俣委員 その際に、そのじゅずとか経本とかいうものの値段はお聞きになりましたか、なりませんか。
  42. 白石重

    白石参考人 経本、じゅず、あるいはたすきがあるそうでございますけれども、そういうものをいろいろ合せますと千円がらみになるということを聞きました。
  43. 猪俣浩三

    猪俣委員 その品物は見せられましたか。
  44. 白石重

    白石参考人 見せられました。
  45. 猪俣浩三

    猪俣委員 それはこんなものですか。   〔猪俣委員実物を示す〕
  46. 白石重

    白石参考人 そうでございます。
  47. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、経本はこんな……。
  48. 白石重

    白石参考人 そうでございます。
  49. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、こんなものはどうですか。これは霊鑑とかなっているのですが、過去帳のことだろうと思うのですか……。
  50. 白石重

    白石参考人 それは、お祭り込みのときに見せられました。
  51. 猪俣浩三

    猪俣委員 この霊鑑というのは祭り込みのときに買うのですか。あなたも買わせられましたか。
  52. 白石重

    白石参考人 私は買いませんでした。断わりました。
  53. 高橋禎一

    高橋委員長 他に参考人白石重君に対しての質疑はありませんか。——椎名隆君。
  54. 椎名隆

    椎名(隆)委員 この際白石君に二、三お尋ねしたいと思います。  白石さんが立正交成会入会したのは、二十八年の十二月に導き親という人の紹介によって入会したのですか。
  55. 白石重

    白石参考人 その通りでございます。
  56. 椎名隆

    椎名(隆)委員 そういたしまして、二十九年二月九日に東京地方裁判所の民事部の第八部に解散の請求をなさいましたか。
  57. 白石重

    白石参考人 入会をいたしましたのが二十八年の暮れでございます。
  58. 椎名隆

    椎名(隆)委員 そういたしますと、入会してから解散請求の訴訟を起すまでの間が約二ヵ月くらいしがなかったわけですが、その二ヵ月くらいの期間内に解散請求を起すということは、入会のときから解散の請求をしようと思って入会なさったのですか。
  59. 白石重

    白石参考人 そのときはそうでございます。けれども、先ほども申し上げましたように、私が第一回に入会したのは二十八年の正月でございます。けれども、そのときに正式の入会手続をとらなかったのであります。そのために延びておりました。ですから、入会を決心してから解散の請求をするまでは優に一年以上もあったわけであります。
  60. 椎名隆

    椎名(隆)委員 それから、解散請求の訴訟を起す前に、立正交成会の方に対して、あなたの会に対して解散請求をするという意思を通告しましたか。あるいは突然に訴訟を提起になったのですか。
  61. 白石重

    白石参考人 立正交成会に対してそういう通告をしたことはございません。突然であります。
  62. 椎名隆

    椎名(隆)委員 訴訟をなさいましてから、立正交正会の方からあなたに対して、その解散請求の訴訟を取り下げてもらいたいとか、あるいは和解したいというような申し出がありましたか。
  63. 白石重

    白石参考人 立正交成会本部の意思であるかどうか知りませんけれども、数人の方からそうした——そうしたということは、取り下げもしくは妥協して穏やかに済ました方がいいじゃないかという交渉は、数人から受けております。
  64. 椎名隆

    椎名(隆)委員 その交渉をお受けになったときに、ただ単純に訴訟を取り下げてもらいたいというような申し出であったのか、それとも、今この訴訟を取り下げてくれるとするならば、こういうことをしようじゃないかというような申し出があったのか、ないしはまた、中に入った方々は、あなたをよく知っておる人か、全然無知の人であるか、いかがでございますか。
  65. 白石重

    白石参考人 金で解決したらどうかという話を数人から聞きました。私のよく知っておる人もありましたし、知らない人もありました。
  66. 椎名隆

    椎名(隆)委員 金で解決するとするならば、その金額等の申し出があったのでしょうか。申し出があったとするならば、その額はどのくらいであったか。
  67. 白石重

    白石参考人 公正会本部の意思かどうか知りませんけれども、あるいは数百万と言い、あるいは一千万くらいでどうかというような話はありました。
  68. 椎名隆

    椎名(隆)委員 あなたが入会せられてから立正交成会に対して献金はどのくらいになりますか。献金はいたしませんでしたか。
  69. 白石重

    白石参考人 私は一銭も献金はいたしません。
  70. 椎名隆

    椎名(隆)委員 入会するときに姓名判断のところに連れていかれてあなたはいいときに入会した、今入会されなかったならば子供が肺病になったのだ、それはよかったと言って、姓名判断のところに連れていかれたと言われるが、連れていかれたときにあなたは改名させられたんですか。こういうふうに名前をかえた方がいいということを言われたのかどうか。並びに、姓名判断を受けたときに判断料というものはとられたかとられないか。
  71. 白石重

    白石参考人 私の場合は改名をせよということは言われませんでした。従って、判断料はとられませんでした。
  72. 椎名隆

    椎名(隆)委員 それから、信者の中で、病気になった際に医者にかかることを極度に嫌っていたんですか、あるいは医者にかかることを妨げるような事実が具体的にはっきりしておりますか。
  73. 白石重

    白石参考人 具体的にはっきりしております。
  74. 椎名隆

    椎名(隆)委員 それから、教祖のお告げということかあるんですが、教祖のお告げというものを直接お聞きになったことがありますか。あるいは、教祖のお告げだと称して、だれか第三者が入ってきてそうして、これは教祖のお告げだから、お告げには絶対服従しなければならぬと言うのか、どっちですか。
  75. 白石重

    白石参考人 私自身は教祖のお告げなるものを聞いたことがございません。
  76. 椎名隆

    椎名(隆)委員 立正交成会入会いたしますと、他宗を非常に忌みきらいするのかということが一つと、それから、今まであった仏壇等、あるいは各自の家に今までの慣例でみな神だなを祭っておるのですが、神だなをこわされたり、それから先祖の仏壇を取りこわさせてるというようなことはありませんか。
  77. 白石重

    白石参考人 その事例はございます。
  78. 椎名隆

    椎名(隆)委員 あなたが入会してから後に調査したのは、七、八十件あるとおっしゃいましたね。その七、八十件の中のどの程度まで、今まで先祖の仏壇とか神だな等をこわされた家があったでしょうか。
  79. 白石重

    白石参考人 ここに統計はございませんけれども、今までお祭りをしておりました先祖の位はいとかいうものを片づけてしまった、——こわしたかどうか知りませんが、とにかく片づけさせられまして、総戒名と称する印刷した紙きれでありますけれども、これを中心にお祭りするということで、今までのものはすっかり片づけてしまう。これは全部同じケースであります。同時に、はなはだしいのになりますと、こんなものは必要ないから焼いてしまえということで、みな片づけさせられてしまう。これは一般の通例でございます。
  80. 椎名隆

    椎名(隆)委員 現在訴訟はどの程度まで進んでおりますか。近日結審になるような工合いになっておりますか、あるいはもう少し延びるような状態になっておりますか。
  81. 白石重

    白石参考人 二十九年二月九日付で請求の訴えを起しましてから、今日まで証人の尋問その他でたしか六回くらいの審理を重ねております。最近では、昨年の九月の十四日と記憶いたしますが、九月十四日に立正交成会理事長が相手方として初めて呼ばれまして調べられました。以来今日まで非常に等閑に付されておったような傾向があるのでありますけれども、来月、五月二日に証人調べその他をやるからという現在通知に接しております。
  82. 椎名隆

    椎名(隆)委員 立正交成会を脱会すると、それに対して他の信者の方あるいはその他の支部長というような方方が来て、さらに入会するように、あるいはまた、入会しなければどうこうするとか、脅迫するというようなことをやっておったのですが、いわんや、あなたは立正交成会解散の請求までなさったのだから、そのあなたに対する何かおどかしとか、単に和解せよというだけでなく、脅迫めいた言辞を弄せられたことがありましょうか。
  83. 白石重

    白石参考人 実は、私に対してそういうことがあるだろうということを予期しておったのでありますけれども、不思議なことに、私に対してはどうもそういう事実がないのであります。ということは、このたくさんの手紙をもらっておりますが、この中にも、激励をするものはありますけれども、お前のやっておることはけしからぬというはがき一本来ないのであります。従って、私自身としては、どうもだれも脅迫して来ないのであります。これは実は私意外に思っております。
  84. 椎名隆

    椎名(隆)委員 こういうことを聞いては失礼かもしれませんけれども、解散請求に対する訴訟は絶対に取り下げませんか。どこまでも遂行する御意思ですか。
  85. 白石重

    白石参考人 取り下げする意思はございません。
  86. 椎名隆

    椎名(隆)委員 終りました。
  87. 高橋禎一

    高橋委員長 他に質疑はありませんか。−猪俣君。
  88. 猪俣浩三

    猪俣委員 さきに椎名委員お尋ねしたときに、それに対して、あなたは肯定はしたけれども具体的な事実をあげなかったと思うのです。それは、仏壇をこわすということ、いま一つは、病気の際に医者にかからないで信心すればよいのだということを強要したような事実はたくさんありますとあなたは言いっぱなしだが、具体的の事実がございますか。たれがどんなふうに言われたのですか。
  89. 白石重

    白石参考人 あります。仏壇をこわされた例は、昭和二十九年五月十六日でありますが、千葉県の船橋の湊町におる大塚さんという、元立交成会の非常に熱心な会員でありまするが、この方のお話に、「私は終戦後信仰を求めて勧められるまま立正交成会入会しました。そして毎日東京本部に参詣を強請されましたが、乗りものに弱いので、船橋から中野まで電車に乗りますと、途中から気分が悪くなって本部へ着いたころはすっかり病人になってしまいます。すると、満座の中で、信仰が足りないから仏様の罰だとしかられます。こんなことを繰り返ししかられることが宗教信仰かと疑われますし、私の気持に合いませんので、いろいろ脅やかされはしましたが、間もなく脱会しました。そのため、私自身は非常にたくさんな被害を受けないで済みましたが、この辺は交成会に入った者が多いので、随分泣かされております。私の隣家の鈴木由蔵(七〇才)さんも、元交成会会員ですが、ひどい目にあっております。由蔵さんが六十六才のころ首にはれものができてなかなかなおらないと、例のように、本部へお参りが足らないから仏様の罰だと脅やかされましたが、由蔵さんは、医者に見てもらって治療を受け、また交成会から授けられた総戒名という札をはがして従来の本尊などを仏壇に祭りました。すると、交成会の人達が押しかけて来て、断わるのも聞かずに、家の中に侵入して、仏具をほうり出す等の乱暴をやって、大へんな騒ぎでした。由蔵さんもあきれて脱会することになり、身延山に団体参拝する費用として予納してあったもの一を、参拝を中止するから返却してくれと、軸部の船橋三丁目の中村富雄さんに頼みましたところ、一度納めた金は本部では返却しない規定だと言って、ごたごたしておりましたが、由蔵さんも承知しないため、結局中村さんが自腹を切って払ったそうです。」、こういうのが仏壇を放擲された実例でございます。
  90. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、病気の場合は。
  91. 白石重

    白石参考人 これは千葉県の例でありますが、「私も小金町本土寺の檀徒としてまた信徒として日蓮信者として法華経を唯一無二の聖典と受持讃仰おくあたわざる者でありますが、私の近所に狂信的な信者があって困っておる。」ということを前提にしまして、この方は名前はないのでありますが、こういうふうに言って来ております。「会員獲得のため結核患者の家族を訪問、入会して信ずれば万病即治と勧め、家族が入会すれば、医師の勧める患者の外科手術もこれがため延期または手術を拒否せぬまでも躊躇逡巡させる事実を現実に目撃しました。」……
  92. 猪俣浩三

    猪俣委員 参考人に申し上げたいのですが、今突然の質問で、あなたがその投書を整理なさるのも大へんだと思うし、時間もたちますので、今申しました病気なんか医者にかからずに信心で直せということを強制されたような事実がありましたら、その投書につきまして御迷惑でも概要を書きまして当法務委員会に後日御提出いただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  93. 白石重

    白石参考人 お言葉のごとくさっそく整理いたしましてお届け申し上げます。現にここにあるのでございますが、整理してございませんので……。そういう事実はたくなんございますので、追って文書にいたしましてお届け申し上げます。
  94. 高橋禎一

    高橋委員長 この際御報告申し上げますが、参考人の御出席をお願いしておった方のうち、本日は白石重君、立正交成会会庭野鹿蔵君、大和ムシブロ株式会社取締役長沼広志君、岡部ツネ君、これだけの方は御出席下さいましたが、脇直子君、立正交成会会長長沼マサ君、このお二人の方は出席になっておりません。そのうち、脇直子君からは何の連絡もないようです。長沼マサ君からは病気ということで診断書が出ております。そのほか政府委員で戸田人権擁護局長が出席いたしております。以上御報告申し上げます。  世耕弘一君。
  95. 世耕弘一

    世耕委員 白石さんにお尋ねしますが、白石さんは、これを見ますと、元毎日新聞記者をなさったと書いてありますが、本社の方ですか、地方の方ですか。
  96. 白石重

    白石参考人 毎日新聞というのは、私、きょう本院の玄関でそう書いてあるのを見たのでありますが、毎日新聞にいたことはございません。私は国民新聞読売新聞本社におったことはあります。政治部であります。
  97. 世耕弘一

    世耕委員 読売の本社にいらっしゃったということはわかりましたが、次にお尋ねいたしたいのは、どれくらいの学歴をお持ちですか、それをお聞きしたいと思います。
  98. 白石重

    白石参考人 学歴は何もありません。小学校を卒業しただけです。
  99. 世耕弘一

    世耕委員 これは別の観点からまたあとでお聞きしたいと思いますが、参考までに伺っておきたいのですが、信仰生活というのは、一年や半年で実は信仰生活に入るということは普通の人ではむずかしい。よほど信仰生活を長くしていないとむずかしいのです。また、一面から言うと、キリスト教の例をもちましても、偉大なキリストでもはりつけになることがある。だから、宗教それ全体が悪じゃない、反面に善のものがあるということも考えなくちゃならぬのです。そこで、誤解があるかもしれませんからお聞きしますが、あなたが告訴なさったということを今聞いておるのですが、この立正交成会というものは絶対にいけないものであるか、救われた人があるのではないか、これをどうしてもつぶさなければならぬものであるかどうか、この点あなたはどうお考えになっておるか。
  100. 白石重

    白石参考人 救われた方があるかどうかは私よく存じませんが、あるかもしれません。あるかもしれませんが、少くとも私の知り得た範囲におきましては、救われた方よりも、被害をこうむって基本的人権を侵害された、あるいは治療の機会を逸するとか、あるいは一家倒産のうき目にあうとか、そういう被害を受けた方の方が多いのであります。従ってこれがために公共の福祉ははなはだしく阻害されておるというこの現実を見ましては、今後再びこういう災いの拡大することを避けるために、これはどうしてもすみやかに解散されなければならないと私は信じております。  なお、私の信仰生活についてお話を承わったのでありますけれども、私は立正交成会信仰は非常に短時日あるいは短時間であったかもしれませんけれども、日蓮信者としては数十年の信仰生活をいたしており、現在もそうであります。
  101. 世耕弘一

    世耕委員 よくわかりましたが、信仰生活には御承知のように精神生活が主で物的とか肉体的というものは従になるものだと思うのです。ところが、精神的には救われたが金は損をした、献金したが惜しくなるという者がよく世間にある。これはひとり信仰生活ばかりではありません。弁護士にものを頼んで事件は片づいたが、事件が片づいて安心すると、今度は弁護士に払う金が惜しくなったという方がある。(笑声)これはあり得るのです。それで、信仰生活を主にしてものを考えるか、物を主にして考えるかということにも、おのずからなる、これはまた——私は決して立正交成会に何も縁故はないのですが、信仰生活に入る者はすべてを捨てようということが前提にならなければ信仰生活に入れない。だから、医者にもかかろうか、それからこっちの方は拝もうかということでは、ほんとうの精神的な生活を得られるものではありません。現に、これは最近の医学雑誌に出ていることで御承知かもしれませんが、現代の医学で病気がなおるのが四五%、あとの五十五%は精神的な治療も受けなければなおらぬということは、すでに欧米の学界で発表されております。これはごらんになったかもしれませんが、そういうこともあるのですから、私は端的にものを判断して、ここには三十万人の信者があるというようなことを聞いておりますが、三十万人の人をだますには普通のだまし方ではできない、必ずどこかに神秘的というか、それでなければ非常にすぐれた悪の天才か何かがいなくてはならぬと思います。そこまであなたは突っ込んで御研究になられたのかどうか、私はそこに一つの疑問を持つということと、もう一つは、今あなたがおっしゃるような程度のことは私も知っておりますが、今じっとあなたの話を承わっておると、二十年も宗教関係信仰生活をなさったというのですから、一年どころじゃない、即座に−立正交成会の内部までわからなければならぬはずであります。それがわからないで、一年もかかって調査をなさったところを見ると、いわゆる新聞記者的才能をもって、ここを一つ一つあばいてみようかという野心があってやられたのじゃないか、こういうふうにも実は考えられるのです。そういうふうなことをお考えになっていないのかもしれませんが、私はあなたのお話を伺ってそういうふうに感じたのでありますが、その点はいかがでしょう。
  102. 白石重

    白石参考人 私は別にそういうつもりでやったのではございません。一年以上もかかっておかしいじゃないかというおしかりでございますけれども、いやしくも法律に基いて訴えを起すということは、やはり相当事実を根拠にして、裏づけにしてやらなければできませんので、これは当然相当の時間が必要だと私は考えます。
  103. 世耕弘一

    世耕委員 午後にまたやるというふうなお話ですから、私はこれ以上御質問することを避けますが、あなたの態度にはどうも解せないところがある。ほんとうに二十年も信仰生活をなさっておったなら、宗教家として、信仰家としてなぜあなたは立正交成会を更生させられなかったか。あなたはそれよりもむしろ新聞記者としてニュース・バリューをねらったというふうにわれわれには考えられる。そういうふうに考えられても仕方がない。もう少し掘り下げていただきたいと私は思うのです。むしろ立正交成会信仰生活を通じて交成会のあり方をついてもらわないと、あなたのせっかくの労力がむだになる。私は新興宗教がなぜ現在の日本に興り得るかという原因をもっと突き詰めてもらいたいと思う。それで初めてあなたのねらったところが大きくなるのではないかと思う。私も少し調査をいたしておりますが、この議論をすると長くなりますから申し上げませんが、せっかくここまで掘り下げていただいて訴訟事件まで持ち出されたその熱意で、もう少し立正交成会をえぐってもらいたい。そうして、立正交成会で、もしそこに教祖の一つの霊魂といいますか、あるいは生霊があるとするならば、これに触れていただきたい。そうしたならば、二十年のあなたの本来の法華経ですかあるいは日蓮関係のある宗旨に徹して、その目的を達するのではないかというふうに考えられます。この点はもう少しお聞きしたいのですが、午前中の質問はこの程度にしてくれとの委員長お話がありましたから、私はこれで失礼いたします。
  104. 高橋禎一

    高橋委員長 午前はこの程度にとどめ、午後二時より再開することとし、休憩いたします。    午後一時十五分休憩      ————◇—————    午後二時五十四分開議
  105. 高橋禎一

    高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  立正交成会の問題につきまして調査を続けます。  午後の参考人の氏名並びに順序は、岡部ツネ君、長沼広志君及び庭野鹿蔵君であります。  この際私より一言ごあいさつをいたします。参考人各位には本日は御多忙中にもかかわらず当委員会に御出席下さいましてまことにありがとうございます。目下調査中の立正交成会実情につきまして率直なる御意見をお述べいただきたいと存じます。なお、念のために申し上げますが、参考人より委員への質問衆議院規則によりできないことになっておりますから、さよう御了承願います。また、御発言なさる際は参考人の方も委員長より許可を得て発言なさるようお願いいたします。まず岡部ツネ君にお尋ねいたしますが、あなたの住所、氏名、職業等をお述べ願います。
  106. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私は杉並区和田本町一二、職業は別に今はしておりませんが、杉並区会議員をやっております。
  107. 高橋禎一

    高橋委員長 それでは質疑を許します。猪俣浩三君。
  108. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは交成会信者であり、かつては交成会の第七部長とやりを勤められたことがありますか。
  109. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 さようでございます。私は、信者になり、またあとは支部長として五年前までやらしていただきました。
  110. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたのむすこさんか何かでこの交成会理事をしていらっしゃる方がありますか。
  111. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 ございます。
  112. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたはこの交成会の第七部長をやられたそうですが、部長というのは一体交成会に何人くらいあるのですか。
  113. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 ただいま百二十人くらいございます。
  114. 猪俣浩三

    猪俣委員 この部長というのは何か月給でももらっておるのですか。また、無給で働いておるものですか。
  115. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私がやらしていただきましたときは一万ちょうだいしておりました。
  116. 猪俣浩三

    猪俣委員 一万円の月給で働いておった。その当時あなたは朝日生命保険の外交も兼ねていらっしゃったんじゃありませんか。
  117. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 支部長になるまでは朝日生命の外交をやっておりました。
  118. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたの部長の下で副部長をやっておった仲井よりという人を御存じですか。
  119. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 存じております。
  120. 猪俣浩三

    猪俣委員 この仲井よりという人の長男に和夫というものがあった。この人間は十七か八でなくなったそうでありますが、どういう病気、何が原因でなくなったか、御存じですか。
  121. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 和夫さんという子供さんがありまして、その方のことでその奥さんはお入りになったのでございます。その子供さんは、病気が胸の病気でもございましたが、学校の方から通知があって、いつもお金を持っておるというので、それで学校から調べが来て、いつもおうちのお金を持っている、それで大へんにお母さんも心配なすってお入りになったのでございます。
  122. 猪俣浩三

    猪俣委員 この子が病気にかかった。それは何病であったか、御存じですか。
  123. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 胸の病気だと思います。
  124. 猪俣浩三

    猪俣委員 今のあなたの言葉では、その胸の病気のほかに何か頭の病気でもあったような言葉だと思ったのですが、何か精神的に異常でもあったというのですか。
  125. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 頭の病気ではございませんと思いますが、ただ、お母さんのお金を持ち出して使うということをお母さんの方から訴えられましたけれども、そのことも、だんだんいらっしゃるうちになおりました。また、非常にやせていらっしゃいましたが、だんだんあそこにいらっしゃいましてよくおなりになりまして、ほんとうに青年部で一番くらいの体格になられたのでございます。一時はそうなられたのでございます。
  126. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると和夫君は堀之内学園の中学時代はずっと級長をやってきたしっかりした人間だ。それから、今あなたが言うたことを聞くと、立正交成会に入ってから、むだ使いをすることもなくなったし、からだも非常に丈夫になった。それがどうして死んだのですか。
  127. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私の方にいらっしゃっているうちは、工合が悪うございましたけれども、だんだんよくなられたのでございますが、あの方の申し出の通り、堀之内のお祖師さんで万灯を振って、そしてあとで倒れたということを聞きました。それから一年間入院したということも聞きました。だけれども、そのときはもうお母さんは来ておられませんでした。何かが気に入らなくて来られなくなったのであります。
  128. 猪俣浩三

    猪俣委員 ここは国会の委員会だから、正直に話してもらいたい。あなたの隣に偉い教祖という人がいるから、十分にしゃべれないかもしれないけれども、なるべくうそのことを言わないように。また、教祖も、何を言ってもあとからしからないように願いたい。正直に言ってもらいたい。この子は肺結核ぎみの子である。またじん臓が悪かった。何かこの交成会の第二道場とやらいう道場を作る工事に、ただ使いの人夫として、宗教的に言えば奉仕団だし、われわれから見ればただ使いの人夫、こういうものとして使われたことがあるかないか。
  129. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 青年部にお入りになりましてから、一々していなさることは私は存じませんけれども、その弱々しい方は、結局マンホールとなんとかの作業をしたということを聞きましたけれども、そういうことをさせておりません。お手伝いのことをさしていたと思います。そして、おもだった仕事は大人の丈夫な方がやっていらっしゃったと思います。また、私ら神に仕える者は絶対にうそなんかは申しません。
  130. 猪俣浩三

    猪俣委員 お母さんはあなたの下で副部長までやった女なんだ。そしてわれわれから見ると相当盲信している女なんだ。その子供の病気になったこと、死んだこと、それに対する交成会の処置に憤慨して、今交成会から離れておる。先般当委員会で涙ながらに詳細に話しています。あなたの前の証言によると、交成会に来て大へんからだが丈夫になったと言うけれども、今の証言を聞くと、大へんやせておったからマンホール掘りはさせなかったと言う。どちらがほんとうですか。
  131. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 初めいらっしゃったときは、弱いからお母さんがずっとやっておられましたけれども、御当人もまたおいでになるようになったのでございます。初めはお母さんがずっとやっていらっしゃったのでございます。そして、その子供さんは、初めはそうであったけれども、修行にいらっしゃっているうちにだんだんよくなって、お太りになって、ほんとうにお母さんもその当時は大へん感謝して喜んでいらっしゃいました。それからあとに病気になられたのでございます。
  132. 猪俣浩三

    猪俣委員 その病気になった原因はどこにあるか、あなたはわからぬですか。お母さんは、第二道場とやらの水びたしのマンホーに三ヵ月間労力奉仕をさせられてそれが原因でじん臓炎を併発し、とうとう立つことができなくなったと、涙ながらに証言しておるではありませんか。
  133. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それも私らは……。
  134. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたはマンホールの奉仕作業をしておるところを見たことはないのか。
  135. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 青年部の人は手伝いくらいのことをしておりました。大人の丈夫な人は重いことやいろいろのことをしておりましたけれども、そういうこまかいことまでは、私は一々ついておるのではございませんから、わかりませんけれども、だんだんそれで丈夫になって、太って、青年部で一番だなというような体格になって、大へん喜んでいらっしゃったのでありますけれども、お母さんがどうしたことかいらっしゃら、なくなったのであります。
  136. 猪俣浩三

    猪俣委員 十五、六万も亭主がこつこつためた金をすっかりささげ尽して、それほど盲信した女が離れたには原因がなければならない。それがこの子供からのことなんです。それを、あなたは、丈夫になった丈夫になったということだけ言うて、その病気の原因なんかについてさっぱりしゃべらないが、知っておるはずです。あなたが部長で、この人が副部長で、しょっちゅう行き来しておったに違いない。だから、そういう点に対してあなたの言うことが少し矛盾しておる。丈夫になったのがどうして死んでしまったか、その原因を私は尋ねておる。お母さんは、このマンホール作業がたたったのだ、それを今でもくやしいと言って、この前の法務委員会の席上では泣いておりましたよ。それをあなたは全然歯牙にもかけない証言をなさっておるので、私は不思議に思う。それでは、そういうことはないのですか。奉仕作業のために病気したというようなことは、あなたは知っておるのですか知らぬのですか。見たことがないとして知らぬというなら、それもいいです。どっちなんですか。
  137. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 その当時、修行していらっしゃって、だんだんよくなられて、丈夫のようになられていましたけれども、それは、人間というものは、−丈夫になったから必ず病気にならないというものではございません。私はお母さんとも非常に仲よく−あのお母さんと言い合いをしたり何かしたことはございませんので、子供さんも非常にかわいいものだ、またお母さんも非常に気持のさっぱりした方で、その当時から仲よくやらしていただいたのでありますが、そんな大金を上げたというようなことは私は存じません。
  138. 猪俣浩三

    猪俣委員 からだが悪いので交成会に入ってきたと言うが、それなら非畳に丈夫になって今でも元気でいそうなものですが、そうすると、神様にも十の限度があるのですか。その熱心な子供を丈夫にさせることができなかったのか、死んだことに対して交成会はどう考えておりますか。
  139. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 一たん丈夫になられても、それは、人間でございますから、また病気になることはないとは限らないと思います。お母さんは、坊ちゃんは非常にいいからと言って喜んでいらっしゃったのです。みなにもかわいがられ、私は非常にいい子だと思って喜んで一緒にやらせていただきました。お母さんがそのうちに来られなぐなった。私はよくなったと思いましたけれども、どうしたことか来られなくなって、ちょいちょいいろいろのことをおっしゃっておるということを聞きまして、私は非常に心外でございます、子供さんもよくなられて、ずっとよくなっていらっしゃったのでございますけれども、また工合が悪くなって来なくなられたのでざいますが、来なくなってからのことは私は存じません。それからお母さんもいらっしゃらなくなったのでございますが、入院されたということも伺いました。しかしながら、普通ならば行くのでありますけれども、お母さんがその当時はいろいろのことを言っていらっしゃいましたので、私は行きませんでした。
  140. 猪俣浩三

    猪俣委員 その子が死ぬと、お母さんが信仰がなくなったから子供が死んだのだというようなことを、交成会では信者の前で拡声機を据えて宣伝したということを仲井よりが証言しておるのだが、どうですか。
  141. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなことは絶対ございません。子供さんがなくなったのに、やめていらっしゃったからといっても、そんなことを交成会で言うようなことは絶対ございません。
  142. 猪俣浩三

    猪俣委員 この仲井よりの証言によると、あなたは和夫に対して、お前は親より先に死ぬのだから、今のうちに生命保険に入っておけと勧めて生命保険に入った、というのだが、こんなことを言ったことがありますか。
  143. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 言ったことはございません。そんな、親より先に死ぬからというようなことが言えるべきことではございません。常識としてもそんなことは言えません。
  144. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうじゃないのだ。たくさんの投書を見ると、お前は病気になる、火事になる、死んでしまう、そういう予言をみなやるのだ。それは姓名判断でやってみたり、何か都合が悪いことがあると、そういうことを支部長とか副支部長とか幹部とかが言っておるという投書が山のように来ておりますよ。だから、仲井よりがそういうことを言われたであろうことは、普通の常識では思われないが、立正交成会支部長という立場のあなたを想像すると、言ったのじゃないかと思う。まあそれは水かけ論だから、言わぬなら言わぬでよろしい。  そこで、立正交成会の布教の方法について少しお尋ねしたいのだが、入会一すると何か買わせますか。
  145. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それは、お経をあげなければなりませんから、お経本、おたすき、おじゅず、−持っている方はよろしゅうございます。持っていらっしゃらない方は、仏の前、神の前に鎮座して御供養申し上げるのですから……。人間はきたない根性を持っておりますから、そのためにお題目の入ったおたすきをかけます。それのない方には、お買いなさいと申します。
  146. 猪俣浩三

    猪俣委員 こういうじゅずを売っているが、これは幾らで売っているのですか。それから、こういうたすきみたいなもの、それから経本−法華経の経本、霊鑑とか何とかいう過去帳、この値段をあなたは知っておりますか。   〔猪俣委員実物を示す〕
  147. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 知っております。でも、その当時はとても安うございましたが、今は高くなっておりますから…・−。今の値段を申し上げれば、経典一冊五十円でございます。じゅずは、大が百八十円、小が百三十円、その過去帳という霊鑑が五十円、たすきは八十円でございます。
  148. 猪俣浩三

    猪俣委員 一体交成会信者というのは今何人くらいあるのですか。
  149. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 会員は三十二万でございます。
  150. 猪俣浩三

    猪俣委員 そのうちの半分がこれを買ったとしても大へんな収入だろうと思うのだが、一体この収入はだれの所得になるのです。
  151. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 宗教法人の会のものになるのでございます。
  152. 猪俣浩三

    猪俣委員 宗教法人の会の収入になっているのですか。
  153. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そうでございます。
  154. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、おまんだらとやらいうものがあるが、これをもらうのには大体どのくらいの金を納めるのです。
  155. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 おまんだらさんをいただきますと、お礼は自分の自由でございますから幾らでもよろしいのでございます。それは何にも申しませんが、自分の身分に応じて出すのです。
  156. 猪俣浩三

    猪俣委員 だから、あなたの取り扱っていたうちにおまんだらをもらったものが相当あるだろうと思うのだが、あなたの取り扱ったうちのおまんだらをもらった人は、身分で違うかもしれぬが、大体どんな見当の寄付をしておるのですか。
  157. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そうでございますね。その人の身分によりますが……、もう七年も八年も前のことでございますから、よく覚えておりませんが、その当時はほんの自分の気持で上げるのでございますから、十円の方もあれば二十円の方もございました。五十円の方もございました。それはいろいろ大ぜいの方ですからよく記憶にございませんが、その程度でその当時はちょうだいしたのであります。
  158. 猪俣浩三

    猪俣委員 われわれの調査とあなたの言うことは違っておるが、それはそれでよろしい。これは会計を調べればわかることでありますから。このおまんだらとか御守護神というのは、たとい三十円でも二十円でも寄付を支払うわけだが、それはだれの収入になるのですか。
  159. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 やはり宗教法人でございます。同じように一緒に−百…。
  160. 猪俣浩三

    猪俣委員 それは違う。あなたは宗教法人が所得すると言うが、宗教法人が文部省に届けたのと違っておるぞ。
  161. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 みんな一緒に上げるのだから……。
  162. 猪俣浩三

    猪俣委員 文部省の届の中には書いてない。
  163. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 一緒に上げるのです。
  164. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、立正交成会のだれかがごまかしておることになる。
  165. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 どうすることもできない。一緒にみんな上げるのですから……。
  166. 猪俣浩三

    猪俣委員 このおまんだらや御守護神というものは、教祖とかいう人たちの個人収入になるのではないですか。
  167. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなことございません。
  168. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、この立正交成会入会を申し込んで信者になった者には、今まで置かれておったような仏壇や神だなというものはやめてしまえということを幹部が指導するというのだが、そういうことはありますか。
  169. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そういうことはございません。もしそれが、こちらで戒名をつけて、その霊鑑の過去帳に戒名をつけましたからは、あとは要らなければそれは片づけますけれども、そうでなければ、そんなことを無理に言いません。
  170. 猪俣浩三

    猪俣委員 だから、その過去帳に何か書いて……。それから、こういうものがあるね。これは何だね。戒名か。こういうものをやった際には、これを仏壇へ張っておいて、あとのものをみんな取りはずしてしまへ、こういうことを指導するのではないのですか。
  171. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなこと絶対ございません。それはまん中に張りますけれども、そういうことは絶対申しておりません。それを総戒名として、その一家で御先祖を拝むために張りますけれども、そういうことは絶対ありません。
  172. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは何でも絶対ございませんございませんと言うが、そういうことを指導を受けた人たちがたくさんいる。それで聞いておるんだ。まあ、あなたの取り扱った中にないならばしょうがない。ちっとほかの人の言うことと言うことが違うので、それで今念を押しておる。  それでは一応私の質問を終ります。
  173. 高橋禎一

  174. 椎名隆

    椎名(隆)委員 簡単にちょっと伺いますが、岡部さんはどこの学校をお出になりましたか。
  175. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私は、からだが弱うございまして、小学校もろくに行かなかったのでありますが、いろいろの学校に参りました。それは、いなかの小学校を出ましてから、裁縫学校、農学校、そういうところ三校ばかり一年ずつくらい参りましたが、からだが弱いために、おもに家で父から高等女学校の課程のものを教わりましてまたは家庭教師とか…−。東京へ参りましてからは、神田の神保町にございました藤井学園という学園に入りまして 一年半ばかり勉強いたしました。
  176. 椎名隆

    椎名(隆)委員 失礼ですが、お年はお幾つになられましたか。
  177. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私は六十五になりました。
  178. 椎名隆

    椎名(隆)委員 朝日生命の外交員をやっていらしたそうですが、保険に関係したのはいつごろから御関係になったのですか。
  179. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 昭和十一年だったと思います。
  180. 椎名隆

    椎名(隆)委員 そうしますと、五年前に外交員をおやめになって立正交成会にお入りになった。そうすると、大体十四、五年間外交員としてやっていらしたのですね。
  181. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そのときに入りましてそれから、やっておりますうちに、十五年くらい席は置いておりましたけれども、子供が病気になりましてから、こちらの信仰に十四年前に導かれまして、ずっとやっておりました。子供二人と私が生活をし、学校へもやるのでございますから、それでやっておりまして、支部長にならしていただくようになってやめました。
  182. 椎名隆

    椎名(隆)委員 外交員をおやめになる前に立正交成会入会した。立正交成会入会するには、支部長になることを条件として、外交員の方はおやめになったのですか。
  183. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そうじゃございません。入会させていただきますときは、子供が病気で入会さしていただいたのでございますが、この病気を直していただきたいために一生懸命にやらしていただきましたらば、子供もだんだんとよくなり、朝は早く起きますし、規則的な生活をしております。それで、子供の方でも、絶対安静にしていても昼寝てしまって夜本を読むから困る、そう申しますから、それで立正交成会の方へ修行に出させていただきまして、いろいろ人間の道としてのことを教えていただきまして、そのためにだんだんと丈夫にならしていただきました。そうこうしているうちに、子供はすっかりよくならしていただきましたのです。そうしますと、やはり自分子供だけなおって人さんの子供を救わないことはいけないと言われますし、また自分もそう思いました。ほんとうに自分子供がそうやってよくなったから、人さんを救いたい。交成会では、絶対悪なことはやらない、正しいこと、清いこと、人さんのためになることをしろ、心、根性を直せということを大へんやかましく指導されます。私は根性がなかなか悪うございましたが、おかげさまでよくなってきたのでございます。子供の病気をなおしていただきたいために一生懸命にやったのでございますが、よくなりましたけれども、そのうちに支部長にならしていただきましてやめたのでございます。でも届けばずっとおそくなりました。
  184. 椎名隆

    椎名(隆)委員 入会して支部長になるまではどのくらい期間があったのですか。
  185. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 その当時は、私はほんとうに、仕事も持っておりますし、また子供をなおしていただきたい一心で、ほんとうに不眠不休のようにして、夜は数時間より寝ないくらいでずっとやりましたけれども、身体はおかげでほんとうに今まで弱かったのが丈夫になりました。また子供の方もだんだんよくなった。それで、人さんが片手間にしていらっしゃるのを、私は一生懸命本気になってやりました。また、上から言われたことを絶対信じてやりましたから、絶対ここで奮発して心、根性を直さしていただこうと思って一生懸命やりましたから、私は一年半ぐらいで支部長にならしていただきましたけれども、その当時は、なかなか、なりましてもまだ月給は出ませんでございまして、それから二年たってからちょうだいしたと思っております。
  186. 椎名隆

    椎名(隆)委員 入会いたしましても支部長になるまでは外交関係の方はおやめにならなかった、支部長におなりになってから外交員としてはおやめになったのですね。
  187. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 さようでございます。
  188. 椎名隆

    椎名(隆)委員 そういたしますと、あなたは今子供さんが二人とおっしゃいましたが、もしかりに立正交成会の方から月給が月に一万円出なかったとするならば、外交員の方はおやめにはなりませんでしたか。
  189. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それはその当時はやらしていただけました。それは、あそこに行っておりますと、むだなお金を全然使いませんから、それでけっこう二人の子供を食べさしていただきました。
  190. 椎名隆

    椎名(隆)委員 杉並区会議員をやつていらっしゃるというのは、あなた自身が杉並区会議員をやっていらっしゃるのですか。
  191. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 さようでございます。
  192. 椎名隆

    椎名(隆)委員 十数年間保険の外交に携わっているので、すいも甘いもかみ分ける、加入をすすめるときにはさそうまかったものと私も考えております。そこで、あなたの手によって加入せしめた方はどのくらいございます。
  193. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 その人数は相当ありますが、私も少し潔癖なものでございますから、人さまが言われたらそのままちゃうだいして、あまり無理なしい方はとてもできない人間でございます。ですけれども、ずいぶん何百人というくらいでございましょう、こちらへお険の外交員はいずれも無理にすすめているので、おそらくこれも無理があったのじゃないかと想像されるのですが、その点は別にいたしまして、あなたのむすこさんも交成会理事をなさっているのですか、現在。
  194. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 はい。
  195. 椎名隆

    椎名(隆)委員 そうすると、幾らぐらい月給をいただいておりますか。
  196. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私は別居しておりますから何ですけれども、二万円いただいておると思います。
  197. 椎名隆

    椎名(隆)委員 あなたが勧めて加入した方、つまり、あなたの傘下に入る方ですが、その方が本部に献金をする、あるいはあなたの支部ばかりでなく、各全般の支部で献金をする、そして献金の多いことによって賞与というもりが違うのではないですか。
  198. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 賞与というものはございませんし、そういうことは絶対ございません。全然それはございません。自分の意思によって一円でも十円でも好きなだけでございますから、そういうことは絶対ございません。
  199. 椎名隆

    椎名(隆)委員 かりにあなたの支部から献金をする場合には、あなたの手を通ずるとか、あなたの支部の了解を得て本部に献金するのですか。直接本部へ持っていって献金するというようなことはあり得るのですか。あるいは、支部方々本部へ献金するのは八体あなたの了解がなければやれないのですか。どっちなんですか。
  200. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなことございません。直接本部自分が包んでそして上げるのでございますから、こちらの事は全然わかりません。どれだけするものだか何だからちっともわかりません。あなたに感謝する気持があれば感謝しなさいと申すだけでございますから、どれだけしたかどうか、ちっともわかりません。こっちの手を経なくてもよろしいのでございます。
  201. 椎名隆

    椎名(隆)委員 宗祖と申しますか、  一番のお偉い方々は、どこの宗教でもみな予言をするのが普通なのですが、−予言をするというのが一つと、それから、あまり仕合せなので、ばかに金もうけができる、年ごろになったらいい奥さんがもらえる、あまり仕合せだからというのでこの宗教に入れというのは少いのです。大体、自分災害がこういうふうに来て困る、そんな結果、  これを宗教の力によって救ってもらいたい、それについてはある程度金を上げるのは仕方がないというので、大体自分が不幸だという人間が多くこの宗教の中にも入っていくというふうに考えられるのですが、自分が病気でしようがない、その自分の病気をなおしてもらいたいといって入った場合、宗祖の前に連れていって、この人の病気はどういうふうにしたらなおるかというようなことを判断してもらうのですか。
  202. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなことはございません。また、大ぜいの人を一々先生のところに連れていったりはできません。それは、支部長が、ふだんの教えを聞いてそれによって、いろいろ出ております欠陥を−肉体の病気であろうとも、何と申しましても体というものは精神から来るのでございますから、精神を、根性を直さなければいけないというので、根性を直すように、いい根性になるようにということは始終申して、それによってなおるのであって、何も神様にお願いしたからといって神様だけがなおして下さるものではございませんし、それによってお札を強要するとか、そういうことはございません。自分の気持だけ自分が包んで、そしてちゃんと上げるのでございますから、そういうことはございません。
  203. 椎名隆

    椎名(隆)委員 ここではそうおっしゃられますが、実際行ってみると、そうではなくて、むしろ医者にかかる金があるとするならばそれは献金をして、そしてこっちの命令によって病気がなおるのだというようなことをよく言われるということを聞いておるのですが、あるいはまた、それはお祖師様というか何というか知らぬけれども、その方が直接診断をせぬでも、あるいは支部長とかないしはその中におるお偉い方々の前へ行って、そして、この病気はこういうふうにしたらなおるのだ、お医者の心得があるのかないのか知らぬけれども、たとえば、コップについだ水でも、これを何とか名前をつけてありがたがらせてこれを飲むと病気がなおる、そういうようなことをよく言って、お医者さんにかかることを妨げている、そんなことはなかったのですか。
  204. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そんなことは絶対ございません。交成会では病院もできておりますし、お医者さんにかかることをどうのこうの言うことは絶対ございません。教元は、肉体はやはりお医者さんの薬でなおさなければいけないが、その肉体をなおすのにも精神が根本であるから、精神をよくして——悪いことをしていて神様になおしてくれとか病気がなおりたいと思ってもだめだから、あなたの心を清く正しくして、身を立てて、そして病気をなおしなさい一。しかも、交成会ではそういうことを言わないということははっきりわかっております。病院もできておりますから、それですから、病院の方へ行きなさいということを申します。決してそんなことを言いません。それが、どうした間違いか、そういうことがございますけれども、そういうことはございません。
  205. 椎名隆

    椎名(隆)委員 新興宗教もたくさんあるのですが、どういうわけか知らぬけれども、立正交成会に風当りが強くて立正交成会が、至るところで信者の中から気違いが起きるとか、あるいは死んだとか、いろいろ新聞や何かでもって相当非難を受けておる。この非難を一体なぜ受けておるのだろうということをお考えになったことはございませんか。
  206. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 その非難を受けておりましても、そういう非難をされるときには、われわれの根性、心、行いがいけないので、それで言って下さるのだから、ほんとうに私らも直しましょう、そう言って、たたいて下さる方には合掌する気持でみんなやっておりますから、ですから、皆さんが言われても、それは、はっきりとわかったこと、これはこうだと白黒をつけたいのは人間の感情ですが、みんな宗教心を持って、一々こう言われたからこうだということではなく、こうされても、ああ済みません、こうしろと教えられておるのでございますから、だから……。
  207. 椎名隆

    椎名(隆)委員 なぜ非難を受けておるか、それについて考えたことがあるかどうかと聞いておるのです。立正交成会が世の中の人々から非難を受ける理由は何か、それについてお考えになったことがあるかどうか。
  208. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それは、ここは正しい根性になれ、正しい行いをしろということを厳しく申します。いけない方や悩みのある方は、やっぱり自分の過去がいけなかったんだから、行いと根性を直して正しい人間になりなさいということを強要しますが、非常にわがままな方や、来るのがいやな方がございます。そのために結局むくれる方がありまして、そうして落ちる方がございます。その落ちた方はいいことを言わないで、悪いことを、ちょっとしたことを大きく言ったりいろいろして、きょうのお話も実に驚いてしまいました。また、仲井さんなんかも、ほんとうに仲よくして、この五年間、自動車で演説して歩くとき、車の上と下とで手をにぎって涙をこぼして、その後快くつき合っていたのに、このごろひょっとああいうことを言うのは、だれかに突つかれたんだなということを私はほんとうに痛感いたしました。この間お目にかかったときも、非常に快くお話をなすって、私も気持よく、行こう行こうと思ってもひまがなくて行けないがとお互いに言い合って分れたのでございます。それにああいうことをおっしゃるのは、それは私はちょっとどなたかに突つかれてなさったんじゃないかと想像はしております。
  209. 椎名隆

    椎名(隆)委員 ちょっとピントがはずれているのですがね。法律によって絶対に加入を命ずるのではないので、好きな方が進んで信仰しようとか、あるいはあんた方のような勧め上手の方の勧めによって入るとか、そうして入るのです。いやならば脱退すればいいのですから、教えがむずかしいためにこれに対する悪口を言うということはちょっと考えられないのです。その方々が非難するからこういう問題になったんだというふうに考えられないのですが、どこかに立正交成会の欠点があるというふうにお考えにならないですか。
  210. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それは、われわれが理想としておりますところは、お釈迦様のようになりたい、人格の高いりっぱな人になりたいと思って、とにかく、悪いことが出ても何しても、この教えを聞いて来る人も、こちらも、そのつもりでやらしていただく。お釈迦様の気持に近いような人間になりたいというのでございますから、やっぱり、その教えというものは、知りたい方もありますが、いやな方もございますでしょう。その方がおやめになってそういうことをおっしゃるので、そうでない方はそんなことをおっしゃらないと思います。
  211. 猪俣浩三

    猪俣委員 さっき聞き落したんだが、この立正交成会本部の中か何かに大和ムシブロというトルコぶろがあることをあなたは知っておりますか。
  212. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 存じております。
  213. 猪俣浩三

    猪俣委員 それは一日何人ぐらいただいま入っておるのですか。
  214. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私はこのごろ五年間あまり行きませんので、どれだけぐらいお入りになるか、ちょっとわかりませんでございます。五年前に……。
  215. 猪俣浩三

    猪俣委員 五年前はどうでした。
  216. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そのときはまだ少しでございました。
  217. 猪俣浩三

    猪俣委員 この蒸しぶろにどういえ病気の人間でもみな入れ入れと勧めて、この蒸しぶろに入ったために病勢が悪化した人が相当ある、こういう一とを聞いておりませんか。
  218. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 それは、長沼広志さんが来ておりますから、よくそれを聞いて下さいませ。やつぱりいけない病気の者は、ちゃんと張り紙をしてあって、入っちゃいけないと……。
  219. 猪俣浩三

    猪俣委員 いや、あなたに聞いているのだ、そういうことを聞いておる^おらぬか。
  220. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私はこのごろ外にず一と出ておりまして、議会の方ばかり付きますから、そういうことは聞いておりません。
  221. 猪俣浩三

    猪俣委員 どうもあなたの証言は宗教家として非常に反省の足りない証言をしておると僕は思うのです。立正交成会のことには一分一厘の間違いもないような証言をやると、あなたは立正交成会の肩を持つつもりで言うておるかもしれぬが、それはかえってひいきの引き倒しになりますよ。どんなものだって欠点がないものはないのだ。それを何もかもみなくさいものにふたするような証言ばかりやっておるから、信用ならぬ。それはあなたのむすこさんが二万円もらっておるから無理もないかもしれないけれども、証言が信用できないのだ。  長沢という医者は知っておりますか。
  222. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 存じております。
  223. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたから言うと教祖とか何とか言われる妙佼という婦人の顧問医師みたいなことをやっておって、そして交成会の育児園か何かの嘱託もやっておった。この医者が来て、この委員会でちゃんと証言しておるんですよ。それをあなたは頭から否定したようなことを言っておる。   〔庭野参考人資料を岡部参考人に渡す〕  これは知らぬならいい。そんなものをわきから見せないでいい。知らぬなら知らぬでよろしい。あなたが聞いたことを言えばいいのだ。
  224. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 長沢さんが何とおっしゃったか知りませんけれども、ここに科学者から見た交成会といって、堂々と発表しているじゃありませんか。
  225. 猪俣浩三

    猪俣委員 そんなことを聞いているのじゃない。蒸しぶろについて長沢がそういう証言をしたが、そういうことを聞いたことはないかと聞いているのだ、聞かぬならそれでよろしい。
  226. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私は聞きません。
  227. 猪俣浩三

    猪俣委員 もう一つ、立正交成会は相当の財産を持っておって、日本に二台しかない自家用車の一台を持っておる、こういうことも伝わっておるが、そういうことをあなたは知っておりますか。
  228. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 私はそれは存じません。
  229. 猪俣浩三

    猪俣委員 もう一つ、立正交成会では自家用自動車は何台ぐらい持っていますか。
  230. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 多分七台かございますと思いますが、私は交成会にはこのごろ全然関係がございませんので、何台だということはよく正確にわかりませんが、七台か八台あるのじゃないかと思います。それはあとから会の方に聞いていただきたいと思います。
  231. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、教祖の長沼妙佼及び庭野俗名鹿蔵さんだが、この人たち・は相当りっぱな邸宅を買い取って住まっていられるそうだが、あなたはそのお宅を見たことがありますか。
  232. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 会長先生のおうちは行ったことはございません。また、妙佼先生のおうちは、お近くでございますから存じておりますけれども、あまり狭いので、私はいつでも、ほんとうに、前のおうちからもみな見える、うしろはすぐ山で、ああいうところでは先生が伸び伸びもなさらないのではないかと思い、そう主張しております。
  233. 高橋禎一

  234. 世耕弘一

    世耕委員 私は少し別な観点からお尋ねしたいと思います。今椎名委員からもお話がありましたが、立正交成会がどうもひどく悪く言われる、この原因はどこにあるか、こういうことがまず浮んでくるのです。あなたはその点についてどういうふうにお考えになっておられますか。
  235. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 この修行の道には、いろいろと教えをいただいたからといっても、まっすぐに理想のお釈迦様のような心、根性になりませんので、みんながほんとうにいろいろそう言われることや何かは、いけないことがあれば直さなければならない。また、みんなの気持がたるんだりいろいろとすると皆さんからいろいろ非難される。その非難されたり何かするために、みんながほんとうにしっかりとざんげをさしていただき、精進さしていただく。気のゆるんだときは緊張するし、ほんとうに一生懸命な気持になって、世のため人のためにならなければいけないということは、この教えをやった者は必ずわかりますので、今度のことなんかも、先生方もそう言われますが、私自身もそう思っております。仲井さん一人に言いなさったのではない、私らの精進が足らなかったのだと私は思っております。毎日相当大勢の方にきついことを言ったこともある。早くなおしてあげたいために、ほんとうに仕合せにしてあげたいためにそういうことを言ったこともある。それは仲井さんだけじゃない。みんなのために、神様が私たちをよりよい人間にするために、ほんとうに人格の高い人間にするために、たたいて下さるのだなと思って、それでも人間ですから気持がいいものではございませんけれども、読売さんもどなたもいろいろどうおっしゃっても、ほんとうに、われわれの修行の道が清い正しいと言いながら、そこでちょっとゆるんだり傾いたりするとこういうふうな試練を受けるのだと、みなそれはそう思っております。
  236. 世耕弘一

    世耕委員 端的にお尋ねしますが、結局、問題は、金銭問題が大きな悪評−の原因じゃないかと私は考える。そうしますと、立正交成会に入って信者に一なっていれば金をもらえるのだったら、おそらく問題がなかったと思う。金は上げた、御利益がなかったというところに問題が起る。端的に突っ込むとそうです。その点はどうですか。来る人に幾らでも上げる、行きさえすればもらえる、行きさえすれば食事をいただける、その御利益があったらば、こういうふうな問題は起らなかったのじゃないか。そうすると、せんじ詰めれば金という問題ですが、金とあなた方の信仰する宗教とどういう関係があるか。めんどうな問題になるとむずかしいから、私はお聞きしようと思いませんが、金がもとじゃないか。結局、地獄の何とかも金次第と言うが、その金がもとで恨まれたり喜ばれたりするのじゃないですか。こういう点はどうですか。
  237. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 その気持で来た方は確かにもらえないことを不平に思いましょうけれども、現在どんどんとこうしてたくさんの方がいらしているところを見ますと、お金はもらわなくとも、自分の心、根性を直したために、実の生活そのものがずっと変ってきております。それはほんとうに真にやっている方ははっきりとよくわかっております。勝手気ままな根性の方は、それはなかなかそういい生活になれないと思います。
  238. 世耕弘一

    世耕委員 それでは、さらにお尋ねいたします。そういうようにして金をもらえるつもりで入って来た勝手気ままな根性を持っている人を救うのがあなた方の役目でしょう。そういうことになりますね。
  239. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 はあ。
  240. 世耕弘一

    世耕委員 そういう人たちを満足させるのが宗教の使命である。非難されればされるほどその法律をくぐってさらに善事を尽すのがもし教祖さんの精神であったならば、それは尊い精神じゃないか、こう思うのですが、その点があなた方の心のうちになくちゃならぬと思う。その点はどうですか。
  241. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 そのために、結局、その方たちをほんとうに真に救ってあげなければならない、救いにくい救いにくいほんとうにわがまま気ままな方たちを救わなければならないために、根性を直しなさい根性を直しなさいということをとてもやかましく申し上げるので、また、それがいやで来ない方もございます。
  242. 世耕弘一

    世耕委員 なおお尋ねいたします。古い話になりますが、親鸞上人はこじき坊主になって、そうして日本の国内を歩いて衆生を済度なさって、大きな殿堂は親鸞上人の教えの中に入っていない。しかし、近ごろの新興宗教は必ず大きな殿堂、大きな金がつきものに  なっている。ここに邪教として取扱われる情ない原因が出てくるので、そういう点に関してどう考えられますか。私は、あなた方の言うように、新興宗教の行き方については共鳴している一人である。けれども、どうぞ新興宗教をりっぱに仕上げていただきたい。今いい意味から言えば法律を受けている。日蓮のようなりっぱな大宗教家、不世出の宗教家ですらあの法律を受けておる。もしこれを考えたなら、あなた方法律を受けているとも言える。勇気を出していただきたい。勇気を出していただく反面において、心にわだかまりがあったら、私はこの機会に元の心に立ち返っていただくことが新興宗教−あなた方の本来の使命が達せられるのであると考える。今猪俣委員から自動者何台とか言われたが、私は、自動車十台が二十台あってもそれは差しつかえない。非難されないような自動車の使い方をしたらりっぱなものである。電車が自動車に切りかえられているときに、なぜお前電車で行かないか、人力でお前なぜ行かないかと言うばかなことは言いません。文明の利器をどうぞお使い下さい。優秀な自動車をお使いになることはいいが、それを衆生済度関係にぴったりと結びつけていかなければ、ほんとうにありがたみが出てこない。この点において間違いがあるために、さきのお方のように指摘を受け非難を受けられるのではないか。情ない、惜しいことではないか。お教えはもっと尊いものではないか。この点について私はもっとあなたの深い信念をお聞きしたい。率直にあなたのお考えになっていることを言うていただきたい。私は意地の悪い質の宗教がりっぱにこの法律を切り抜けて完成していただくこと、これがために私の感じたままをお尋ねするのだから、遠慮なくおっしゃって下さい。
  243. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 皆さんから見れば、大きなもの、りっぱなものをこさえるとおっしゃるのでございますけれども、何と申しましても、三十二万の会員では、一家が五人も八人もいらっしゃいます。その方たちが、悩み、苦しみをみな持っていらっして、だんだんその方に教えてあげて解決していくのであります。その方たちの入るところがないために、どうしてもこしらえなければならないのであれをこしらえましたか、そのほかにいろいろと社会事業を起してたくさんしておりますが、何も大きな殿堂というのではなく、何万という方がいなかから大へん遠いところから来ても入るところがない。あそこらの宿屋も道場もどこもかもみな泊っ、おって入るところがない。それで帰らなければならない。もっと話を聞いていきたいという地方から来た方たちがたくさんございます。その方たちに、初めのうちは、お参りしたら帰って下さい、帰って下さいという調子で、これは困った、一つ殿堂を建てようということで建てた。それがまたまた入りきれないから第二殿堂を建てよう。それがまた入りきれないから第三殿堂を建てよう。それでもまだ御縁日にはそこら一ぱい。雨の降った日などはこうもり立てて入っていらっしゃいますけれども、そのような調子で、いなかから、二、三日泊って写経をさしていただこう、いろいろなことを聞かしていただこうと思っていらっしゃる方も泊まっていられないようなことで、そのために次々と大きなものを建てなければならない。何万という人が参りますから、それで建てられるのだろうと私たちは思います。
  244. 世耕弘一

    世耕委員 それでは、お尋ねいたしますが、親鸞上人はこじき坊主になって衆生を済度なさったことは御承知でございますか。日蓮も同様です。たぜ大きな殿堂のところに固まっていないで布教をなさらないのか。一ところに集めて、おれのところへお参りに来いということ自体がすでに間違っておる。悩みがあったら行脚なさったらいいじじゃないですか。おれのところへ参りに来い、こういうことがすでにいけないのだ。日蓮が御苦心なさったその御法を、親鸞が御苦心なさったその御法を、われわれが実行していけば何も問題は起らない。私は、先ほどお聞きした新聞社の方が指摘なさったことは道理があると思う。あの人があれだけの信仰を持っていらっしゃったのを、よくあなた方の信仰の中に受け入れないで、かえって反逆者に追い出したということには、必ずここにそれだけの原因がある。それではほんとうに今後あなた方の宗教は発達していかない、こう考える。今あなたのおっしゃることは、それは俗人の言うことだ。私は宗教についてはいささかみずからも体験がある。また、そういう面についていささか研究もいたしております。それは、お参りに来られた方にお話しなさるなら、その程度でおわかりになると思いますけれども、私のお尋ねするのは、もっと深いところ、宗租のほんとうの心に触れてみたい、私はこういう考えお尋ねしているのです。だから、心の奥底では私は涙を催しておる。もししいて言わせるならば、私にこういうような質問をさせることは仏様が私をして言わしめておる、私はそれくらいの考えを持っておる。実際を言うと。ですから、そういう気持で一つそれをもり立てていこうじゃありませんか。いけないならいけないでよい方法をとろうじゃありませんかということを私はお尋ねしておるのです。だから、親鸞、白蓮を例に出したのは、それを言うているのです。どうぞ、そういう意味で、決して責めるわけではありません。どうぞあなた方の宗教があらゆる法律をくぐってさらに進んでもらいたい。それには、現在各方面から攻撃されているものを一つ一つほどいて、そうして帰依させなくちゃならない。敵がふえているじゃありませんか。まさに検事局まで行っているじゃありませんか。これはしごく残念なことじゃないかということをお聞きしているわけであります。しかし、このことはあなたにお聞きすることは無理かもしれません。あとで教祖様にお尋ねするつもりでおりましたが、お話が出たからあなたにお聞きするのですが、私は、大きな殿堂が一−かつて私は京都で宗教問題について演説いたしたことがございます。京都には大きなお寺がある。そこに住んでいる坊さんどんな生活をしているかといいますと、円山公園に一週間ばかりおりましたが、あの大きな殿堂からいかなる宗教が出てきているか。堕落しているじゃありませんか。そのために新興宗教というものが出てきた。私はそう考える。それだけに、あなた方の宗教に対して期待を持っておる。だから、善伊へ解釈すれば法律を受けておるのである。私は、こういうふうに、同清一いうとはなはだ失礼かもしれません、同情をして見ておる。だから、大きな建築をしなければ人が集まらない、夫婦連れでは来られない、子供連れも泊まるところもないと言うが、ほんとうに立正交成会宗教目的を達せられたら、近所隣にたくさん、たとい一畳も二畳の部屋までも、どうぞ信者の一お泊り下さいと言う者が出てきて初めて私はこの問題が解釈すると思う。大きな殿堂を新しく作らなければこの教が成り立たぬというところに私は難があるのだと思います。私はこういうことをあなたと議論をするつもりでありません。けれども、あなたの目元口元から非常に強い信仰に生きておらるようにうかがわれますので、あえお尋ねするのです。その点は私の言ことが間違っておるでしょうか。私、そういうふうに精神生活からまずかなければならない、形式を別にしなければならぬと思います。だから、新興宗教としてせっかく立ち上ろうとしておるあなた方に、私はもとの道に返れ、もとの姿に返れ、こう叫びたい。どうぞ、それだけでけっこうです、簡単にお答え下さい。
  245. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 今のお言葉、いろいろとありがとうございました。私らもほんとうにありがたいお言葉だと思います。親鸞さんは私はよく存じませんが、日蓮さんの教えを受けているのでございますが、その時分のお方はわらじをはいたりいろいろのことをしてもよろうしゆうございましよう。しかし、今の時代にわらじをはいたりそういうことをしていたら、やつぱり人は気違いだと思うだろうと私は思うのです。
  246. 世耕弘一

    世耕委員 そういうふうにおっしゃると、もっと私は申し上げなければならぬ。だから、私は、人力に乗るよりも電車が便利だから、電車にお乗りなさいと言うのです。高級自動車がどうしても布教に必要ならそれをお使い下さい。私はそんなけちなことを言うのではありません。文明の利器はお使いなさい、ラジオをお使いなさい、科学を利用しなさい、私はそれを言うておるのです。だから、日蓮さんのようにわらじばきで歩け、そういうことを言うておるのではない。そこにあなたがまだ布教師として足りないところがありますよということを申し上げたのです。私は、精神生活にあなた方が入っている以上、精神的にもっと考えていただきたい。あまりに物に片寄り過ぎている。形に片寄り過ぎている。ここに立正交成会の非難された原因がある。惜しいことじゃないか。せっかく三十何万という有力な信者を持ちながら、しかもその中には、私の調べたのでは非常に感激している。病気を直していただいた方もある。商売が繁盛にされたこともあることを私はよく見ておる。先ほどもお話がございましたが、信者さんが信仰で死んだ、こうおっしゃる。それは信仰の結果寿命がなくなって死ぬこともありますよ。その証拠には、科学の粋をもってする病院に入院したって、医者の診察が誤まり、手術の寝台で死ぬことがたくさんある。これは論ずべきではない、私はかように思う。ただ、私が言うのは、非難される点がどこにあるか。それは結局金だ。上ってくる金を片っ端からそれを布施する、困っている人に与えてやる。そうして足らなかったら自分が出て托鉢する。その托鉢した分まで困っている人にやる。こういうのだったら、私も実は信者に入れていただきたいということをお願いしたいのです。まだその点についてはちょっと私は納得ができない。それを言うているのです。これはあとで教祖の方にお聞きするとしまして、どうぞ、そういう意味で、悪い意味じゃございません。私は心からそういうふうに感じておるということを一つ申し上げておきます。
  247. 岡部ツネ

    ○岡部参考人 ありがとうございます。
  248. 高橋禎一

    高橋委員長 次は長沼広志君から御意見を伺います。  そこで、先ほど申し上げましたように、住所と氏名と職業をまずおっしゃっていただいて、質問に答えていただきたいと思います。
  249. 長沼広志

    長沼(広)参考人 住所は東京都中野区栄町通二丁目二十二番地、職業は宗教法人立正交成会理事、学校法人交成学園理事、氏名は長沼広志でございます。
  250. 高橋禎一

    高橋委員長 では、猪俣浩三君。
  251. 猪俣浩三

    猪俣委員 長沼参考人と教祖の長沼妙佼とどういう関係ですか。
  252. 長沼広志

    長沼(広)参考人 おいとおばの関係でございます。
  253. 猪俣浩三

    猪俣委員 この交成会の中に、たびたび私が質問いたしておりまする大和ムシブロというのがある。これは何か株式会社組織で、最初はあなたが代表者になっておったと聞いたのですが、どういう組織になっておるのですか。そして、いかなることをやる場所なのですか。
  254. 長沼広志

    長沼(広)参考人 今御質問のありました林式会社大和ムシブロは、立正交成会とは関係ございません。また境内にある会社でもございません−建物でもございません。場所は杉並区和田本町九百十三番地にございます。商号は株式会社大和ムシブロ、目的は、蒸気温浴の療法及びマッサージの治療、これが目的でございます。資本金の総額は四百万円、発行株式総数は十二万株、株の金額は五十円、発行済み株式数は八万株、会社の設立登記を完了いたしましたのは昭和二十六年の六月二十八日でございます。  株式会社大和ムシブロが創立いたしまして現在に至るまでの経過を申し上げます。これは、昭和二十六年の三月一日に杉並区和田本町九百十三番地に創立事務を開始いたしまして、土地四百坪並びに建坪が六十三・八二坪を・建設し、蒸気温浴並びにマッサージ施療を営業目的として、昭和二十六年の八月二十日公衆浴場の営業許可申請をなしまして、昭和二十六年の十月の七日付をもって、番号は第三百五十三号、公衆浴場営業許可証を東京都の知事より受理いたしまして、現在に至っております。
  255. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、この大和ムシブロというものは立正交成会とは全然関係のない株式会社組織、しかしあなたがその会社の代表者になった。それで、あなたは立正交成会の中心人物と聞いておる。そうすると、関係ないというわけはないじゃないですか。そうして、そこへ立正交成会信者の八〇%が入浴に行っておる。それで関係ないのでしょうかね。
  256. 長沼広志

    長沼(広)参考人 まず蒸しぶろの利用者の状況を申し上げます。当大和ムシブロは、施術責任者というのが浅井茂樹先生という先生でございまして、これは蒸しぶろの権威者でございます。私の方へ来るまで、銀座木挽町だったですか、ここで蒸しぶろを開業しておった方でございます。この道につきましては四十年の経験を持ったところの権威者でありまして、一昨年の十二月四日にはアメリカ合衆国ハワイ在住の本岡音六氏に招牌を受けまして、約一年にわたりまして蒸しぶろ利用、それからマッサージの術の指導のためにアメリカの方へ渡りまして、そうして一年間過した方でございますが、こういった有名な方がおる関係上、利用者は全国から参ります。これはもちろん交成会会員も含まれております。そのほか、外人の方も、また有名な芸能人とか官界人の方も一部参ります。それから、立正交成会会員は、本部の近辺だというところから、地理的な状態から申しましても、非常に当社としてはいいお得意さんでございますので、極力交成会信者さんに入っていただくようには宣伝もしますし、またサービスもいたしております。そういうような関係から、立正交成会大和ムシブロが直接の関係があるんじゃないかというようなことを言われておりますが、大和ムシブロといたしましては、営業本位の立場から考えますれば、一人でもお客さんが来ていただいて、会社が発展したいというのが本旨でございますので、幸いに思っているようなわけでございます。
  257. 猪俣浩三

    猪俣委員 参考人大和ムシブロの社長になったことがないのかあるのか。
  258. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ございます。
  259. 猪俣浩三

    猪俣委員 何か経営者は君じゃないような、何とかいうアメリカに行った大先生のようなことを君は言っておるのだが、経営者は立正交成会じゃないのかね。その株は一体だれが持っているのか。
  260. 長沼広志

    長沼(広)参考人 私は社長になったこともございます。正式にやめましたのは、これは登記が完了してございますけれども、本年の四月でございますが、やめましたのは昨年の十二月にやめております。株主の名簿がここにございますので読ましていただきます。
  261. 猪俣浩三

    猪俣委員 詳しいことはいいが、立正交成会関係者からどのくらい出資しておるか。
  262. 長沼広志

    長沼(広)参考人 立正交成会からは一銭も出資はありません。
  263. 猪俣浩三

    猪俣委員 立正交成会の一銭の出資もなくして、そうして立正交・成会の理事であるあなたが社長になっているのか立正交成会というのは宗教法人だろうから、出資はないだろう。当然のことだ。宗教法人は事業ができない。  だからこそ別なものを作るのです。新興宗教というのはみんなそうやっている。その名前自体では金もうけはで寺ないから、別のものを作る。だから、立正交成会そのものとしては出資してないでしょうが、立正交成会関係者がどのくらい出資しておるかということを聞いておる。宗教法人の立正交成会そのものが株なんか持っていない、そんなことはきまり切っている。立正交成会関係者が多数の株を持たぬのに長沼広志君が社長になれる道理はないのだ。そこを聞いている。
  264. 長沼広志

    長沼(広)参考人 株主は、一人か二人幹部は入っておりますけれども、信者でございます。
  265. 猪俣浩三

    猪俣委員 信者だってやはり立正交成会の一味じゃないか。そこで、今の代表者は何というのですか。そうして、何の理由で、この四月までやっておったのが急に社長をかえたのか。読売新聞記事が出たからだと思うのですが、理由はどういうところに……。
  266. 長沼広志

    長沼(広)参考人 今の社長は宮下という方がやっております。しかし、読売新聞記事が出たからというようなことでやめたのではなく、実際問題として、昭和二十六年に始まって今年が六年目になりますけれども、私が携わっておりましたのは四年間くらいで、ここ一、二年というものは、私たちがいなくても営業の方は・成り立ちますし、また経営もできますので、直接はタッチいたしておりません。
  267. 猪俣浩三

    猪俣委員 この蒸しぶろには、信者の病態のいかんにかかわらず、入ればなおるのだと言うて勧めたために、相当弊害が起っておるということを聞いておる。その事実はどうか。
  268. 長沼広志

    長沼(広)参考人 大和ムシブロにおきましては、そういうような宣伝はしておりません。
  269. 猪俣浩三

    猪俣委員 交成会の顧問医である尾沢君が当法務委員会へ来て証言しておるのだ。そういう事実があるのかないのか。ただ否認ばかりしてないで−その長沢という人は第三者じゃないのだ。君らの尊敬おくあたわざる妙佼教祖の顧問医みたいなことをやっておる。また育児園の医者もやっておる。そこで、その蒸しぶろへ入れるについて、一応この長沢医師の意見を聞くような組織になっておったのじゃないの。
  270. 長沼広志

    長沼(広)参考人 蒸しぶろで、受付に、入ってはいけないというような掲示はしております。これはどこのお湯屋さんでも同じようなことじゃないかと思います。公衆浴場法に基いたところの浴場でございますので、その線に沿って、法定伝染病とか皮膚病とか結核だとか高血圧とかいうような者は入ってはいけないということが受付に掲示されております。また、長沢先生の許可を受けて蒸しぶろへ入るとか入らないとかということでございますが、長沢先生は私も知っておりますので、こういう席上で長沢先生のことをどうこう一言いたくはないのでございますが、交成会にいられない、また育児園の嘱託医もできない、みずから去っていかなければならないというようなことになったことについては、当人が一番よく知っておると思います。
  271. 猪俣浩三

    猪俣委員 長沢氏はこう言っているのだ。「週に一回育児園に行きましたときに一時間くらい相談に乗りました。そのときに大ぜいいわゆる信者という人が相談に見えます。ほとんど病人と私は思っておりますが、」−交成会信者というのはほとんど病人らしい。「病人と私は思っておりますが、そのときに、どうしたらいいだろう、現在蒸しぶろに入っておると言う者が八十%から九〇%ございます。脊椎カリエス、あるいは高血圧、あるいは心臓弁膜症、だれもかれも蒸しぶろに入っておる。私の見た範囲の患者はほとんど入っております。いわゆる相談簿」−相談簿というものがあって、それに医者の意見が記されておるようである。「相談簿の中に片っ端から蒸しぶろ禁止、蒸しぶろ禁止ということを書いたことは、非常に幹部の忌謹に触れたように私は存じております。なお、蒸しぶろで卒倒して、ちょうどたまたま私が木曜日に行っておりましたときにかけつけて強心剤を注射した例は二例ございます。」、そうして、木曜日以外は私は参りませんから、あるいはそういうケースはもっと多いのではないかと思われます、こう言っておるのです。
  272. 長沼広志

    長沼(広)参考人 交成会には当時健康に関する長沢先生の相談部というようなものもございませんし、また、長沢先生が、会員の八〇%が蒸しぶろに入る、こういうようなことをこの委員会に来て言ったということも伺っておりますが、大和ムシブロの使用状況からしましても、立正交成会信者が八〇%もあの蒸しぶろに入るというようなことはできないのでございまして、また、蒸しぶろへ入るところの人たちが大部分患者だというようなことを言っておりますけれども、行ってみればわかると思いますが、それは患者の方もございます。いらっしゃる方は大部分神経系統の方が多いわけでございます。この蒸しぶろを利用いたしましてなおったという例は相当たくさんございます。ですから、強制して入れるとか、長沢先生の許可を受けて入れるとか、また相談を受けるとか、また病気になって長沢先生にお願いしたというようなことは私は今まで聞いておりませんが、しかし、大ぜいの方が来ることですから、たまには熱を出す人もあるでしょうし、また、途中で疲れて脳貧血でも起して、そうして強心剤を打ってもらうというような方は、これは大和ムシブロばかりでなく、会の諸施設におきましても相当ある場合がありますから、長沢先生のおっしゃるのは、私にはどういうことかちょっとわかりかねます。
  273. 猪俣浩三

    猪俣委員 一体、この大和ムシブロというのは、一回入るのに幾らとって、毎日何人ぐらい入っておる。
  274. 長沼広志

    長沼(広)参考人 入浴料金が一回六十円でございます。それから、施術、これはマッサージの方でございますがこれが一回百円でございます。そのほか、交成会信者さん、もしくは団体で入ることを希望するというような方に対しましては、半額の三十円で入れております。
  275. 猪俣浩三

    猪俣委員 何人くらい入っておる。
  276. 長沼広志

    長沼(広)参考人 二百五十名から…百名ぐらい入っております。十六台ふねがございますから、二百六十名から三百名というと、大体一日満員の状況でございます。
  277. 猪俣浩三

    猪俣委員 営業としては大へんな成績だと思うんだな。六十円、百円というものをとって、三百人も毎日入っておる。さっき世耕委員質問もありましたが、そういうことを無料で奉仕したらとういうものでしょうか。金ばかりとらないで。そうして、交成会というものがそんなに諸君の言うように仏様の事業を身がわりでやっておるようなことを言っておるのだが、このようなことはみなただでやったらどうだ。そうすれば、そんな一千五百万円の自動車を買う金なんか出てこないはずなんだ。もっと社会奉仕的にただでできないのか。
  278. 長沼広志

    長沼(広)参考人 これは会社でございますので、従業員も二十人近く使っておる関係上、ほかの蒸しぶろというのも東京に四つか五つあるそうでございますが、大和ムシブロだけの安い値段で入れているところはどこにもございません。また、施療百円、入浴料六十円ということを申し上げましたけれども、その施療というのはやる人とやらない人もございますので、私の申し上げましたのは、三十円、それから六十円の方、この方の入りますのが二百五、六十名から三百名ということを申し上げたわけでございまして、人件費、燃料費というようなものを払いますと、ほとんど一ぱい一ぱいで、利益をあげて、猪俣委員が今おっしゃったような自動車を買ってあげるというようなゆとりが今のところはございません。また、無料で入れられれば入れてもよろしいのでございますが、まだ無料で入れるだけのゆとりもできていないようでございます。
  279. 猪俣浩三

    猪俣委員 私が言うのは、そんな千五十万円も出して皇太子と同じような自動車を買う金があったら、交成会の中心人物である長沼参考人が社長の蒸しぶろなんだ、その交成会へ上ったおさい銭からそういう慈善事業を少しやってみたらどうだ、こういう意味なんだ。その蒸しぶろの金で自動車を買ったという意味じゃない。おさい銭の金で自動車を買う金があったら、もう少し社会事業の方に、無料サービスの方にやることができなかったかということを尋ねておるのです。
  280. 長沼広志

    長沼(広)参考人 今のは蒸しぶろへの質問のように聞かれたものですから、蒸しぶろとしてお答えを申し上げたわけでございますが、立正交成会としましては相当な公益事業もやっております。自動車のことがだいぶ問題になるようでございますが、現在自動車も十一台ございます。この十一台の自動車が布教その他の活動のためにほとんど足りないような状態でございます。できることでしたらばヘリコプターでも買って、その布教活動を徹底してやろうというような声も出ておりますが、現在ではまだそこまで至っておりません。公益事業関係も時間がありますれば申し上げたいと思いますが、委員長、いかがでございますか。
  281. 高橋禎一

    高橋委員長 猪俣委員質問に答えて下さい。
  282. 猪俣浩三

    猪俣委員 君がヘリコプターなんか買って布教したいと言うのはけっこうなことだが、自動車でも、走ればいいと思うんだ。それも、日本に二台しかない、皇太子しか持っていないような高級車を買うのは、一体どういうことだ。走るだけならオートバイでもいいんです。われわれ選挙のときはオートバイに乗って歩いている。もし時間を競うならば、オートバイでも三輪車でも何でもいいわけです。そんな日本に二台しかないような自家用車を買い込む必要がどこにある。そういうものを買い込まぬとおさい銭の上りが少いのかどうか知らぬが、何の必要があって、日本に二台しかない、大産業会社でさえ持っていないような自動車を買い込むのか、そこを聞いておる。そんな金があったら、長沼理事が社長で蒸しぶろというものを経営しているのだから、それこそ貧乏人でもただで入れてやって社会奉仕ができないのか。ただ吸い上げることばかり考えないで、そういうことができなかったのかということを聞いておる。
  283. 長沼広志

    長沼(広)参考人 会の予算の許す範囲内において社会事業は徹底してやりたいという考えを持っておりますので、今猪俣委員のおっしゃいましたような方向に近々のうちに進んでいくと思います。会といたしましては、決してむだな金を使っているというようなことは一つもいたしておりません。これは今後経理帳簿をお調べいただけばはっきりするわけでございます。
  284. 猪俣浩三

    猪俣委員 一体、この立正交成会幹部と称する者は、われわれが見てきたところでは、非常に執拗に会員の募集をやり過ぎる。そうして医学を否定して、今病院があると称するけれども、どうも、われわれ耳に入ってくる訴えの中には、病人に神様にたよれ仏様にたよれということを強要して、近代医学を否認しているような言動がある。国立第一病院までも、看護婦の中に信者があって、そうして、国立第一病院に入院している人たちに対して執拗なる勧誘をして、おしまいには、退院して交成会にすがれなんていう説教をして歩く。そういうことを諸君は否認しているけれども、それは一人や二人や三人じゃない。現に、長沢という医者が当委員会に来ての証言を見てみると、具体的に言っているんだ。   〔委員長退席、池田(清)委員長代理着席〕 「名前は忘れましたが、福島か栃木だと思いましたが、そこからやはり会員が来まして、私にレントゲン写真を示して、なお、自分は三日後に国立病院でベッドがとれた、そして胸郭成形手術を受ける、しかし、本日来てみたところが、そういうところに入ったらばお前の命はなくなると言われた、そうして、ここにはいい先生がというその人の言葉ですが、おるから、一応健康相談をしてみて、その上にしたらどうだ、とにかく病院に入院するのはよくない、こういうふうに言われたというので、私に相談に来たわけであります。私が写真を見ましたならば、当然胸郭成形手術の適応症がありますし、ことにベッドのとれないときにとれるということで、私の手元に宮本先生の「成形を受ける友に」という、いわゆる普通の方が読んでわかる小冊子がありまして、これを貸してやるから読んであなたは必ず入院しなさいと言って、帰しました。ところが、一昨年でございましたか、ころガキと一緒にその小冊子を私のところへ小包で送ってきてくれました。その中に手紙がありまして、先生の言うことを聞いて入院をして手術をした、その結果、今農業だが元気で働いておる、ありがとうございました、という手紙をもらったことがございます。そういう場合に、入院すると死ぬというような言い方をすることは全くよろしくない、こう思います。」、こう言っているじゃないですか。あなた方の会の医者が科学的に判断して、そうしてこの医者の言に従って第一国立病院に入ったからこの人は助かったけれども、教祖あるいは幹部の言うことを盲信して命を落した人が相当あるんじゃないかと思う。そういうことは、はなはだ僕はよろしくないと思う。立正交成会の蒸しぶろに入って死んだという被害者は相当私のところに来ておる。ところが、どういうものか、いよいよ証人に出てくれとなると、みな後難をおそれてしり込みするために私は法廷に出すことができない。今ここにも来ておる人があるが、どうしても証言するということをかんべんしてくれということで、証言ができないという困難がある。そこに宗教のマジックがあると思うのだ。だから、正しい真相が発表できない。そういうことに諸君は乗って事実を隠蔽しているのではないかと思う。そういう蒸しぶろで、入るべからざる者をどんどん入れたために、そうして、医者なんかにかかってはならぬ、信心していればいいなんということのために、病気が重くなったり死んだりした者が多々あるのではないか。そういうことに対・して、もう少し良心的に調査する必要があるのではないか。そういう調査をしたことはありますか。
  285. 長沼広志

    長沼(広)参考人 この前こちらの法務委員会に呼ばれまして井上長松さんとか何とかいう方だそうでございますが、この方が蒸しぶろに入った、それが原因でなくなった、こういうお話を伺いましたので、さっそく関係の人をそちらへ派遣しまして事実を調査していただきました。そうしましたところが、その奥さんという方が非常に興奮して怒っておったそうでございます。なくなったのは確かに結核でなくなったのであるけれども、蒸しぶろに入ったためになくなったのではない、どうして事実と相違したものを報道に現わすのかと言って、非常に怒っていたそうであります。その方はいつでもその証言に出るということをはっきり言っておりました。蒸しぶろへ入ったかどうかということを聞きましたところが、非常にその方はおふろが好きな方でございまして、そういう肺結核のような病状の方でありますけれども、毎日のようにうちでおふろをたてさせたそうでございます。そして蒸しぶろへも二回入ったそうでございます。しかし、それが直接の原因ではないということが調査の結果はっきりいたしました。そのように、私たちが調べたうちでは、こちらから問題がございますとすぐ飛んで行って調べてみますると、今まで私たちが調べた結果は、全然報道なんかなされたのと相違があるわけで、非常に迷惑をしているようなわけでございます。
  286. 猪俣浩三

    猪俣委員 そういう事実も、単なる人のデマじゃないのだ。交成会の熱心な信者である、そしてほとんど全財産をそれがために捨ててしまったという人が委員会で証言しているのだ。その人は材木屋さんなんだ。この間の証言を諸君のだれか理事が来て聞いておったそうだから、わかっているだろう。佐藤さんというりっぱなしにせの材木屋さんが、立正交成会に入ったためにすっかり家も何も全部手放さなくてはならぬという状態に陥った、井上という人はその使用人だった、その井上が死ぬときにつくづく交成会をのろって死んだというので、当委員会の私たちの質問に対して証言をしておるのです。諸君は、法務委員会に呼ぶと、そこへ出ていっていろいろ運動をしているらしい。それは、今哀れな未亡人が一人で生きているのだから、それはどうにでもなるだろう。しかし、交成会に敵意を持っている人の証言ではないのだ。熱心なる信者がそういうことを言うた。それを、あとから調べてきて、絶対ありませんと、そんなことを言っても、信用できない、できないけれども、これは水かけ論だからよそう。われわれもそんな荒唐無稽なことを言うているのではない。  それから、いま一つ尋ねるが、交成会では姓名判断というのをよくやっている。信者になりたいとか、会員になりたいとか言うと、すぐ姓名判断をやるそうだが、これは一体何から来ているのだ。姓名判断宗教とどういう関係があるか。
  287. 長沼広志

    長沼(広)参考人 姓名判断をやっております。これは、今までの統計学上から確実な資料に基いて、そして姓名学に基いてやっております。
  288. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうして、さっきの証人の証言によっても、お前はいいときに来た、入会しないと肺結核になる、お前の子供が病気になる……。そうして、よく火事になるということを言うようだ。たくさんの証人のいろいろな証言、私のところへ来る投書を見ていると、三年後には火事になる、−  この間の証言の中にも、そう言われたために気が触れた奥さんがあった。病人になる、いや火事を起す。一体姓名判断というのはだれがやっているんだ。仲井よりの証言によれば、仲井よりも姓名判断をやっていたという。一体、どういう専門的な知識を持ち、どういう教養を受けた人がこの姓名判断なるものをやっているか。姓名判断なるものは僕らは迷信だと思う。しかし、相当の教育ある人が相当の修養を積んで、統計学なんかを根拠として、あと霊感か何かでやるということもあり得ると思うが、何か支部長とか副支部長とか、導き親とかいうような者になると、みな姓名判断をやるらしい。どこでこの修養をして、どういうふうに交成会がこの姓名判断を指導しているのか。どこでそういう教育をしているのか。何のゆえにこの姓名判断なることをするのだ、そうして不吉なことを予言するのです。どうして火事になることが二年、三年前にわかるのか。そうして恐怖心に陥れて入会を勧誘する。精神的暴力じゃないか。姓名判断なるものは、いかなる資格のある者が何のためにやっているのであるか、それを聞かしてもらいたい。
  289. 長沼広志

    長沼(広)参考人 今たいぶ予言という御質問をちょうだいしたのでございますが、私たちも想像しないような予言が今あちらこちらから出ているわけでございまして、それが火事という一つの恐怖心を与えるというのが非常に多いようでございますが、この根源を私たちがいろいろと調査いたしました結果、ある宗教団体の何とか学会というのがそれを徹底的にやっているということが、どこへ行ってもはっきりとしてくるわけでございます。二、三日前の新聞だったと思いますが、どの新聞だったか新聞社の名前は忘れましたけれども、埼玉県の方でもって殺人事件がございまして、これなども、だいぶ予言されたとか、立正交成会信者だとかいうようなことを大々的に新聞に報道されました。そこで、さっそく私の方から調査に参りましたところが、これも何々学会ということがはっきりわかったわけでございまして、どういうわけですか、そちらの方で予言することを全部立正交成会の方へなすりつけてくるような傾向が非常にあるのでございます。しかし、交成会といたしましては、ありがたいことで、いろいろと世間様の非難して下さることを交成会に集中をして下さいまして、そうしてこれがために私たちは精進することができるのだというふうに、今では私たち考えて努力しているわけでございます。そのほか、姓名学というようなことにつきましては、ちょうどきょうは会長先生が来ておりますので、よく後ほどお聞き願いたいと思います。
  290. 猪俣浩三

    猪俣委員 それじゃ、その姓名学の大家である妙佼さんに来てもらって説明を聞きましょう。むやみやたらにさようなことをやることを僕らは好まない。参考人の言うのは創価学会のことだろうと思う。これは立正交成会と どっちつかずの新興宗教で、これも調べなくてはならぬと思っているのだ が、しかし、私の言うのは、創価学会の言うたことを立正交成会の言うたことと誤解して言っておるのではない。はっきり、そういう姓名判断から、お前さんの家は三年後に火事になると −か、子供が病気になるとか言われたというのを聞いておる。創価学会の言うたことを立正交成会になすりつけているのではない。立正交成会信者の訴えなんです。  もう一つ、何のためにそんな姓名判断なんというものを信者が来るとすぐやるのです。姓名判断信仰とどういう関係がある。そんなことは大道易者にまかせておけばいいではないか。神聖なる日蓮宗の堂々たる信仰団体とするならば、そんな姓名判断なんということを何のためにやるか。入ってくる、すぐ姓名判断をやるというのは、どういう意味なんだ。
  291. 長沼広志

    長沼(広)参考人 姓名判断はあくまでも方便でございまして、信仰に入る早道です。その姓名判断にしましても、決して予言めいたことは申しません。今までの統計学上から得た結果だけを皆さんに申し上げておるわけでございまして……。
  292. 猪俣浩三

    猪俣委員 私の質問の中心点をそらしてはいけない。私の質問は、姓名判断信仰とどういう関係があるのだというのだ。信仰を早めるために姓名判断をやる、こういう意味か、そこを聞きたい。
  293. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 長沼参考人には委員質問の範囲内においてお答えを願います。
  294. 長沼広志

    長沼(広)参考人 信仰と結びついております。まず、信仰に入るということは、自分の非を悟るということが一番大切でございますから、姓名学上においてその人の欠点というものが統計から言いまして現われてくるわけであります。そしてそれを直していただくために、姓名学上から一応予言を申し上げるわけでございまして、それによって信仰の精進ができるわけでございます。
  295. 猪俣浩三

    猪俣委員 一体、交成会というのは先祖を尊ぶとか親を尊ぶという宗教だが、名前は親がつけてくれるのだ。そうすると、三年たてば火事になる、お前は病気になるという名前をつけられた親というものは、子供から見ると全くとんでもない親だということになる。(笑声)親がつけるのじゃないか。自分がつけるのじゃない。その親のつけた名前、それによって病気になったり気違いになったり何かしたのじゃ、親を恨まざるを得ない。親や先祖を敬えということと−名字のごときは先祖伝一来のものなんだ。私は自分猪俣なんという名字はほんとうにきらいなんだけれども、なおそれでも……。(笑声)姓名判断なんかしに行ったら、きっと一あす死ぬなんと言われるから、僕は行かぬ。(笑声)そんな、親のつけたもの一を批判して、そして信仰の導きにする。それは早く信仰に入るかもしれぬ。いいところへお前来た、これを直さないでいたら子供が病気になる、さあ直してあげるから信仰に入れと言えば、ずっと入る。しかし、それは迷信というものだ。ほんとうの親鸞の精神によって入っている者ではない。そういう精神的な欺瞞だ。その道具に姓名判断を使うということはけしからぬと思う。だから、仲井よりにも言うたそうだ。姓名判断すると親より早く死ぬことになっているから、早く生命保険に入れと岡部というのが言うた。みな生命保険に入れたり信仰に早く入れたりするために姓名判断を使っている。姓名判断信仰というものと何の関係があるのだ。ほんとうの信仰は人の道を説いて入れるんじゃないか。姓名判断によって、危険が迫っているというようなことで早く信仰に入れる、それは脅迫するというものだ。私は幾ら説明を聞いても信仰関係がないと思う。関係があるとすれば、諸君の魔術師的な関係がある。一体、親鸞や日蓮姓名判断を言うたか。
  296. 長沼広志

    長沼(広)参考人 あくまでも姓名判断方便でございまして、信仰に入る  一つの段階でございます。
  297. 猪俣浩三

    猪俣委員 方便に使ってはいかぬと言うんだ。その方便というのは、われわれから見ると金もうけの方便に聞える。たぜ人の道を説いて入れない。姓名判断という、そんな迷信的なものを−姓名判断は科学的根拠なんかないじゃないか。そんなものによって人の魂を救う、日蓮や親鸞はそんなことはやらなかったはずである。そういう魔術を使うから、新興宗教はいけないと言うんだ。そうして人の精神的弱点につけ込んで会員をふやして、そうして何億という財産を持っている。そんなものは正しい宗教のあり方じゃありません。諸君は盲信者から見れば生き神様に見えるかもしれないが、僕らは、大きな企業の社長さんだと思う。妙佼さんとかなんとかいう方々は、世にも手腕のすぐれた企業家だと思う。姓名判断という一つの手段を使う、そういうことは私はやめてほしいと思うが、人のことを干渉もできない。(笑声)何も関係ないんじゃないか。それはそれでよい。  あなたは一体立正交成会と和田堀第二整理組合の土地問題について検察庁に調べられたことがあるか。
  298. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ございます。
  299. 猪俣浩三

    猪俣委員 それは、警察で調べられたか、いきなり検察庁の調べになったか。
  300. 長沼広志

    長沼(広)参考人 これは警視庁で調べられました。
  301. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうして、それについてあなたは逮捕勾留されたことがあるかないか。
  302. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ございます。
  303. 猪俣浩三

    猪俣委員 それは今どういう状態になっているか。
  304. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ただいま取調べ中でございます。
  305. 猪俣浩三

    猪俣委員 一体、こういう宗教団体理事をやっている、しかもあなたは妙佼教祖のおいごさんなんだ。そういう人が、警察にとめられたり、検事に調べを受けたり、それが、これはちと赤いとか黒いとか、あるいは信仰上の問題で日蓮が迫害を受けたようなことならいざ知らず、妙な財産問題、土地問題、−俗の俗なるものだ。こういうことで調べを受けるというようなことで、一体それをどう思うんだ。さきの世耕君の質問じゃないけれども、そういう財産関係ではなはだ暗い影を残している。その一端が警察問題にまでなっちゃった。一体宗教団体としてこれは名誉のことか不名誉のことか。
  306. 長沼広志

    長沼(広)参考人 時間がございますれば、和田堀の区画整理組合の関係を申し上げたいと思うのですが……。
  307. 猪俣浩三

    猪俣委員 その感想を聞けばよろしい。和田堀整理組合のことは私ども十分調査しておるが、君らがどんなうまいことを言うたって、検事の起訴、不起訴及び裁判の結果じゃないとわからない。君らはどうせただ自分の都合のいいことを言って、信者がうしろに来ているから、かえって盲信を促進するくらいなものだ。だから、そんなことはよろしいから、その調べられたことにどういう感想を持っているか。正しかったと思っているのか、それは犯罪の意思はなかったけれども、ああいうことで調べられるということは名誉なことじゃないと考えているか。そんな財産問題を引き起すのも、何か交成会に欠点があるのじゃないか。そういうことを反省したことがあるかどうか。
  308. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 長沼参考人に重ねて申し上げます。委員質問に直接簡単にお答え下さい。
  309. 長沼広志

    長沼(広)参考人 土地の発展に協力するために、和田堀区画整理組合の一役員として今日まで来たわけでございます。ところが、昭和十六年に認可されたところの区画整理組合であるがために、私たちが引き継ぎましたのは昭和二十八年でございますので、その間非常に長い間のズレがございましたために、書類の不備ということが一番の問題になっております。私としましては、大ぜいの人たちに御迷惑をかけたということは大へん申しわけないというふうに考えておりますが、私としては正しいことをやったという以外に考えておりません。
  310. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは宗教の懇談会と称して中野三業組合あたりでしばしば遊んでいる粋人だということを聞いている。ところが、税務当局にあなたの個人所得として出しているのはわずか二十四万六千円。これは月二万円ほどだ。こんな収入では、こういう色町などになかなか  幾ら懇談会であろうが、こういうところで懇談会をするの  は金がかかる。通いきれるものじゃな  いと思うのだが、何かそういう金の出場があるのですか。
  311. 長沼広志

    長沼(広)参考人 今までに宗教懇談会というようなことで行ったことはございません。
  312. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは中野三業付近では交成会のナーさんという名前で有名なんだが、そういう調査が入っておる。なければないでよろしい。ないでよろしいが、そういう調査が出ていますよ。あなたは行ったことはないですか。
  313. 長沼広志

    長沼(広)参考人 行っことはございますが、宗教懇談会というようなことで行ったことはございません。行ったのはもう五年か六年前のことでございます。それも一回でございます。
  314. 猪俣浩三

    猪俣委員 私の調査では、足しげく通って、ナーさんとして有名だという調査が出ておる。ないと言えばそれきりの話だが。一回行ったというのは、何のために行ったのですか。
  315. 長沼広志

    長沼(広)参考人 それは会社の友人の懇談会でございます。
  316. 猪俣浩三

    猪俣委員 交成会理事として宗教懇談会というようなことで行ったこと一はないが、蒸しぶろ会社の社長としてはしばしば行ったということになるのかどうか。
  317. 長沼広志

    長沼(広)参考人 一回もございません。
  318. 猪俣浩三

    猪俣委員 おまんだらとか御守護神というようなものを、われわれから見れば盲信者だが、立正交成会から見れば熱心な信者に、おめがねにかなった者たちにやる。そうすると、酒代という名目で相当の寄付があるそうだが、これは一体だれの収入になりますか。
  319. 長沼広志

    長沼(広)参考人 全部交成会の費用になります。
  320. 猪俣浩三

    猪俣委員 それは文部省へ届け出ますか。あるいは税務署へ届けてあるか。
  321. 長沼広志

    長沼(広)参考人 寄付をちょうだいするのは、宗教法人法によって届けがしてあると思います。
  322. 猪俣浩三

    猪俣委員 庭野熊蔵さんですか、私はどうも神様名前というのは忘れるが、鹿蔵さん、この人は相当りっぱな家を買ったか新築したかせられたそうだが、どのくらいの家を買って入っていられるのか。
  323. 長沼広志

    長沼(広)参考人 住所は杉並区天沼にございますが、建坪は、ちょっと忘れましたが、七、八十坪あるんじゃないかと思います。土地は三百か三百五十くらいじゃないかと思います。
  324. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、いま一件。なお、話が飛び飛びになったが、立正交成会では人権じゅうりん事実ありとして、日本弁護士連合会であなたを調べられたことがあると思う。そういう事実があるかどうか。
  325. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ございます。
  326. 猪俣浩三

    猪俣委員 それはどいういう事件であったか。
  327. 長沼広志

    長沼(広)参考人 よく皆さんは蔵敷事件と言っておりますが、これは時間がございましたならば……。
  328. 猪俣浩三

    猪俣委員 よろしい。蔵敷事件のことだね。それだけ聞いておけばいい。
  329. 長沼広志

    長沼(広)参考人 はい。
  330. 猪俣浩三

    猪俣委員 蔵敷事件ならば詳しくわかる。ところが、この蔵敷事件のことが読売新聞に報道せられるというと、交成会は、これは読売新聞記者の捏造一で、その主人公である栄子さんが興奮のあまり記者の言うまま提訴したのである、その後自分の軽卒を悔んで、義兄とともに四月一日読売本社をおとずれ、新聞報道と自分の供述はともに間違っていたということを義兄を代理として訴えたということを、立正公正会側から昭和三十一年四月に出た「読売新聞の報道に関する調査報告書」というものの中に書いて当法務委員会に配付した。何ら弁解しないなどと参考人は言うたんだが、こういう。パンフレットが出ておる。これを見ると、新聞のようなことは迷惑で、事実蔵敷事件は読売新聞記者の捏造であるというようなことを言うておる。そうして、この主人公である栄子さんは、その義兄と一緒に読売新聞本社をおとずれて、あれは間違っておったんだ、こういうことを申し込んだ、そういうわけで読売新聞に事実の訂正を申し込んだというようなことを書いてる。ところが、栄子さんは、そんなことを読売新聞社に行って言った覚えは絶対にないということを読売新聞記者に証言しておる。どこからこんなことが出てきたか。
  331. 長沼広志

    長沼(広)参考人 私の方で今よくその点わかりませんが、ここに書いたのは、初め交成会としまして今まで新聞に出ました結果を調査をしてそうして調査事実というものをここへ出したのでございまして、絶対に責任を持ちます。
  332. 猪俣浩三

    猪俣委員 ところが、われわれの調査によると、この立正交成会人権じゅうりんの犠牲になった内田トラという人、この人の死亡後線香一本も立正交成会は上げに来た者がなかった、ところが、日弁連や法務委員会でとり上げたということを報道されると、トラを導き入れた導き親の大屋悦子、杉山恵津、坂井千恵子、この三幹部が六年間ほうりっぱなしにした内田家をたずねて、その際に、あまり事を荒立てぬようにと言って、三名の幹部がおはぎをたくさん持ってきて家人に哀願して行った、さらに、数日後、今度は酒一升を内田トラの義兄宅に持ち込んで言いわけして行った、これは内田家の人たちの証言なんだが、こういうことを知っておるか知らぬか。
  333. 長沼広志

    長沼(広)参考人 持って行ったとか持って行かないとかいうことは全然存じておりません。私たちがこの問題を聞きましたのは、本人がなくなったのは昭和二十五年の春ごろだそうでございますが、この内田栄子さんという方は当時まだ十か十一の子供だそうで、この子供がどういうわけで人権擁護委員会に提訴に行ったかというようなことにつきましては私も存じませんが、私たちがいろいろ調べました結果、非常に家庭が複雑で、その内田トラさんのなくなった問題を外部へ出してもらうと、現在おりますお父さんも義兄もこれは婿に来た人だそうでございますが、その人々が徹底的に調べられると困る問題があるんだというようなことを私たちの会に来て申し述べたということを言っておりますので、この内田栄子さんという人が何のために行ったのか、私たちが想像したところでは、だれかにそそのかされて行ったのだということ以外にないのでございます。
  334. 猪俣浩三

    猪俣委員 蔵敷事件については、先般当法務委員会で、当時人権擁護委員会第五部長として五人の弁護士ととも一に調査に当った磯部常治弁護士が詳細に事を述べている。そうして人権じゅうりんの事実ありとして法務省、文部省、人権擁護局に警告を発している。弁護士会はそんな何も事実のないことを発表する機関じゃない。しかるに、立正交成会では、朝のお参りのときか夕べの勤めのときか知らないが、信者に対して、磯部弁護士は立正交成会なんかのことを調査したがために仏罰が当ってその妻と子供を殺されたんだ、−磯部弁護士は、銀座の白昼殺人事件として一世を驚倒させましたあの被害者なんです。その涙もかわかぬうちに、立正交成会ではさようなことを朝のお参りのときに言ったという。そういう事実があるか。
  335. 長沼広志

    長沼(広)参考人 そういう事実はございません。  それから、先ほど猪俣委員お話がありましたのは、蔵敷事件とちょっと質問の要点が違っているように見えます。蔵敷事件というのは大和村のことでございまして、先ほど猪俣委員が申されましたのは、内田トラさんといいまして、中野区本町通の問題でございますので、その点が違うように見受けられます。  猪俣先生のおっしゃいました、ただいまの磯部弁護士の問題につきましては、会では、そういった磯部先生の御家族がなくなられたことに対しまして同情はしておりますけれども、ただいま猪俣委員がおっしゃったようなことを言った覚えはございませんし、私も聞いておりません。
  336. 猪俣浩三

    猪俣委員 これはあとで証人を出す。聞いた人はたくさんある。それから磯部弁護士自身も調査に当ってその事実を確認しておる。  蔵敷事件だかどうだか、諸君の方で蔵敷事件だと言うから、この言葉を使った。だから念を押したじゃないか。やたらに姓名判断をされちゃ困る。  とにかく、行き過ぎの点は全部否認するのであるから、何でも水かけ論になってしまうのであります。長沼君に聞くが、一体立正交成会の布教の方法、現在のやり方は、これでいいと思っておるのかどうか、最後にその意見を聞く。
  337. 長沼広志

    長沼(広)参考人 ただいまいろいろ新聞等で取り上げておりますところの交成会の問題につきましては、交成会自身にしましても、非常にこれによって目ざめて、もっともっと勉強しなくちゃならぬのじゃないかということは私たちも考えておりますし、今後もそういうつもりで進みたいと思っております。
  338. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 他に長沼参考人に対する御質疑はありませんか。——なければ、次に庭野参考人に対する質疑に移ります。  庭野参考人には初めに姓名、住所、職業をお述べ願います。
  339. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 杉並区阿佐谷六丁目百五十七番地、立正交成会会庭野鹿蔵、以上であります。
  340. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 それでは質疑に移りますが、猪俣浩三君。
  341. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたは立正交成会の教祖だというのだそうだが、一体立正交成会というのはどういうことがその教義の中心なんだ。立正交成会というのは、聞くところによるとどうもはっきりしないところがある。私どもはあまり宗教のことは詳しいわけではないのであるが、何か教学日蓮信仰は親鸞、生活は道元、こう言っておるのだが、そこで目蓮、親鸞、道元、みなつきまぜた宗教のように見えるのだが、一体これは日蓮宗なのか浄土宗なのか、道元は禅宗だと思うが、禅宗なのか、どういう宗教なのか、あるいはカクテルなのか、そこを明らかにしてもらいたい。
  342. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 交成会教義について、先ほど白石さんからそういうような表現の最中に、私はここへ入って参ったのでありますが、交成会教義は、祖師の教典は法華経の三部経にありますので、根本は法華経にあるのです。先ほどお話しの三祖師というものは鎌倉時代の仏教の祖師として、今日宗教が三つの形態に分れているわけであります。この形態は、ある人がそういう表現をしたことがあるがという話を、実は浄土真宗のたしか全国の宗務局長が東京へおいでなったときに本部に見学においでになり、その場で私が、現在仏教の各宗がやはり振わないということは仏教の取扱い方に時代のずれがあるのだというところから、この三つの問題をある本で読んだことがあるが、確かに日蓮上八の言われた法華経教義というもので、親鸞のような仏様におまかせするところの悪人正機という立場から説かれる親鸞の思想、さらに禅宗の僧侶方のあのすべての行事、こういうものが今日ではやはり一つになるというところまでいかなければ、ほんとうの仏教の生命は出てこないのじゃないか、私はかように思っておるものでありますと、こういう話をしたのであります。そのときにみんな非常に共鳴してくれましたが、その後にたまたまそういうことで教義が一定しておらぬというのでいろいろの批判を受けておりますが、私自体の思想といたしますると、日蓮宗であるというふうに皆さんが誤解をしておるようでございます。また、日蓮宗では、過日、交成会の問題が起きたというので、わざわざ宗務総会ですか、宗会において立正交成会日蓮宗は何らの関係がないものであるという決議までしたということを伺っておりますが、これほど妙な話はないのでありまして日蓮宗ではないのであります。独立教団立正交成会ということは、決議をしてもらわなくても、出発したときからもうはっきりきまっているのであります。  そこで、教典は法華経の祖師の経典によって、これは、宗教はどういう方法教義を立てても、その規則にありますように、宗教教義を広め、儀式行事を行い、信者を強化育成し、この三つの条件がそろうというと宗教法人としての資格があるわけであります。教会を包括し、その他教団の目的を達するための業務及び公益事業を行うことを目的とするのである、こういうふうにはっきり……。書いておるのでございます。でありまするから、その目的に対して私どもは全力を尽して強化育成活動をしておるわけであります。  以上でございます。
  343. 猪俣浩三

    猪俣委員 われわれ外道にはどうもよく説明がわからないのだが、親鸞を信仰してもいいわけなんですね。
  344. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 これは、親鸞をも決して拝んで悪いということはないのであります。私どもの教義から言いますと…。
  345. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたの交成会で、毎月の五日及び二十八日に、本部御命日と称して、庭野長沼、この二人の教祖の家のために信者に供養をさせておる、こういうことをやっていますか。
  346. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 御命日という問題は、たとえば十五日はお釈迦様の御命日でありますし、五日は虚空蔵菩薩の御命日でありますし、二十八日は八幡大菩薩の御命日でありますので、この神様のお守護をいただいている者どもが、私ども全部会長以下会員一同はその月の御命日の日を期して神に心から報恩感謝の行事をするわけであります。以上。
  347. 猪俣浩三

    猪俣委員 庭野長沼両家の供養をしておると聞いておるが、そうじゃないのか。今言った何とか菩薩の命日かもしれぬが、その命日に信者が祈るのは、庭野教祖、それから長沼教祖の両家の祖先を供養しておるのだと聞いておるが、そうじゃないのか。
  348. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 そんなことはありません。
  349. 猪俣浩三

    猪俣委員 それから、交成会信者の告白を聞く、とにかく親に孝養を尽して先祖の供養をする、これが相当の行事になっておる。ところが、嘆異鈔という有名な親鸞の教えのエキスのような経典を見ると、父母の孝養のためとて一ペんにても念仏を申したることいまだ候わずと書いてある。これとあなたの方のその父母あるいは先祖に念仏を唱えるということとは同じなのか違うのか。
  350. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 だいぶ質問がずれておるようでありますが、親鸞を拝んでもいいと申し上げましたけれども、親鸞教ではないのであります。教学法華に基いての教学でございます。以上。
  351. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたがカクテルみたいなことを言うておるから質問しておる。法華か浄土宗か、僕ら仏教はよく知らぬけれども、それくらいの区別は知っておる。それをみな、教学日蓮だ、信仰は親鸞だ、生活は道元だなんて言って、浄土宗や禅宗の坊さん、信者のいるところに行ってごきげんをとったかもしれないが、さっぱりどこが中心かわからぬ。これはみな違うのだ。僕らは専門家ではないが、それでもわかるんだ。そこで、もし信仰が親鸞だったというようなものであるならば、これは親鸞の嘆異鈔と違っておると思って聞いてみると、それはもう親鸞じゃないんだと言う。そうすると、これは結局法華日蓮ですか。それが、さっきは日蓮宗でもないと言う。それなら何も身延山から破門されるはずがない。初めから独立宗教だなんて言うておるが、そうすると一体何なんだ。
  352. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 だいぶ宗教的なと申し上げては失礼でありますが、ピントをはずれておるようでございます。
  353. 猪俣浩三

    猪俣委員 どういうところがピントがはずれておるか。君の方がよほどピントをはずれておると思います。(笑声)教学日蓮で、信仰は親鸞で、生活は道元だと、そんなカクテルみたいな信仰はないと思うのだが、僕の言うことが正しいのではないか。それを、信仰は親鸞だということだから、そうすると親鸞の嘆異鈔と違うじゃないかと聞いておる。どこがピントが違うのか、説明して下さい。
  354. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 庭野参考人に申し上げますが、ここにおきましては委員質疑にお答えいただくのみでけっこうなんです。委員に対する逆問的な御発言は御注意願いたいと思います。
  355. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 先ほどの御質問は、親鸞を拝んでどうかという質問でありましたから、鎌倉時代の教相と言われる親鸞、法然、道元、日蓮、これは全く私どもは崇拝すべき人物だと存じております。教学日蓮であると申し上げましたように、法華経に根拠を置きます以上は日蓮主義でございます。以上。
  356. 猪俣浩三

    猪俣委員 信仰は親鸞というのはどういうことなんだ。信仰は親鸞にあるのかないのか。尊敬するということと  あなたの身延山ではないのだ。初めに身延山だ身延山だと言って、信者説明を聞くと、病人までも−そのために内田トラさんは自殺したのだが、行っちゃならぬ病人までもみな本山参拝をさせた。ところが、身延山から邪教として破門されると、これは初めから身延山とは関係ないんだと言い、それでは親鸞を信仰していいかと、一品えば、信仰してもいいという。一体、親鸞の、父母の孝養のためとて一ペんにても念仏を申したることいまだ候わずということとどう調和するのか。ただ先祖を敬え敬えと言うだけだ。それから、さっき言った姓名判断のことだが、名前は親がつけてくれたものだ。それを火事になるの病気になるのと言っておどかすのは、親を恨めということじゃないですか。どう調和するのですか。
  357. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 親鸞の、念仏を一ぺんもいまだ唱えずということは、それほど親鸞上人が非常に謙虚のお気持を持っていたということでありまして、私どもの交成会では、世間で親鸞宗の思想とも言われておるような仏に帰依する気持を、そういう形に持っていくべきだという表現をしておるのであります。
  358. 猪俣浩三

    猪俣委員 僕の調査しておるところ一によると、この五日の日と二十八日の日に、本部の御命日と称して、勧誘して、庭野長沼両家のための供養を相当させておる。そのときにやはりいろいろおさい銭をあげさしておるというふうに聞いておるが、あなたが、それはそうじゃない、何とか菩薩の供養のためだと言えばそれでいいだろう。私の調査はそうじゃない。  そこで、さきの姓名判断だが、長沼広志君は私が質問したことに答えていないんだ。姓名判断はどういう人たちがやるのか、それはいかなる指導を交成会がやって何のために姓名判断をやっておるのか。一体、どういう人たちにどういう勉強をさして姓名判断をさせるのか、そして、この姓名判断が相当弊害を伴うということを感じているかいないか、それを一つ答えて下さい。
  359. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 先ほど来姓名判断の問題が大体の焦点のように思っておりますが、先ほどから答弁しておるように、姓名学というものはどこまでも仏道に入らしめるための方便でありまして、特に法華経教義の特質として、最も方便を強調しているお経なのであります。そこで、方便を使っているわけでございます。
  360. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうすると、姓名判断というものは非常に大事な伝道の方便として法律経のどこに書いてあるのですか。私は法華経をよく知らないから、それを一つ説明して下さい。
  361. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 法華経の中には、無数の方便をもって衆生を引導して、もろもろの著を離れしむと書いてございます。
  362. 猪俣浩三

    猪俣委員 その方便として姓名判断を用いているということが法華経にあるのかないのか。大乗仏教でも小乗仏教でも言うのだが、仏教に言う方便というものは、姓名判断方便として使うという意味じゃないと思うんだ。あなたのような専門家に言うのはおかしいけれども、姓名判断で、お前のところは信仰に入らないと病人が出るのだと言われて、それでは入るということとは違うんだ。大乗仏教とか小乗仏教とかに言う方便というものは、法もまた説く人によって説き方が違うということです。これが方便でしょう。しかし、姓名判断方便だと考えるところに非常に反省すべきことがあるんじゃないか。そうすると、でたらめな占いでも何でも、方便といえばいいのか。あらゆる方便を使って人をだましてもいいのか。お前の家は交成会へ入ればこの姓名ならば金もうけができるとか、交成会へ入らないなら病人が出るとか火事になるとか言うことは、交成会に引き込むには方便上非常にいいでしょうが、法華教方便というものはそういう意味の方便でできているのではないと思う。そうすると、人をたぶらかしても交成会会員にさえなれば、これは方便なんだということになる。しかし、その人が交成会会員になったために、あるいはよくなるかもしれませんよ。だから、人をたぶらかす方便でもいいかもしれない。うその効用ということがある。しかし、宗教というものはそれではいけないと思う。幾ら方便であっても、荒唐無稽な非科学的なことを言って、信者に恐怖心を起させてあるいは一もうけしようということは一なるほど交成会信者になっておれば福が授かるかもしれないが、そういう経済的な利益でつってはいけないと思う。これは世耕委員が午前中言ったことだが、すべてが金につながっている。新興宗教が金が集まるのはそこからくる。有象無象を集めて、信仰に入れば金がもうかる、商売が繁盛する、病気にならないと言う。わずかなお布施で病気にならないし、火事にもならないし、商売も繁盛すると言えば、大てい入りたくなる。こんなことを諸君が自信を持って言い得る根拠はどこにあるのか。それがいかぬと言うのだ。それを、なお端的に、ただ口で言ってはわからないというので、おごそかな姓名判断ということで結論を出している。ここに魔術があると思う。だから、さっきから姓名判断のことが問題になり、入会申し込みをすればすぐ姓名判断をするということは弊害があるとは思わないかと言っているのである。たとえば、今言ったように、ほんとうに宗教の本質に目ざめて信仰に入るのではなくて、入らないと病気になるとか火事になるとか言われるので、こわさによって会員になってお布施を払っている。やめようと言えば、導き親とか支部長とか副支部長が朝に晩にやって来てやめさせない。会員はふえるでしょうが、そんな布教の方法が親鸞や道元やあるいは日蓮がとった布教の方法だろうか。日蓮宗のどこに姓名判断によってそれを方便として入れるということが書いてあるか。法華経にそれが書いてないとすれば、姓名判断によっておどかしつけ、入れるということはペテンだと僕は思うが、あなたはどう考えるか。障害があると思わないか。それは、ほんとうにありがたくて信仰に入る道じゃないのじゃないか。そこを答えて下さい。
  363. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 法華経方便ということに対しましても、ちょっとおわかりにくいようでございますから、日蓮上人の太田左衛門尉への御返事によってこれをちょっと申し上げてみたいと思います。「予が法門は四悉檀を心にかけて申すなればあながち成仏の理にたがわざれば、あまねく世間普通の義を用うべきか。」、かようにございま主でありますから、ほんとうに仏教の本質のところまで、真実までいけない者には、やはり方便の門を開いて真実の相を示すということは経文にもはっきりございます。方便がなくて、いきなり飛び込んで真実に到達できる人ばかりいれば何も苦労はないのであります。   〔池田(清)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、先ほど世耕先生からもお話がありましたが、現在の一般の大衆というものは、欺瞞とかたぶらかしとかおどかしとかいうことでは集まるものではないのではないか、百五十万人も二百万人もの人が十五年か二十年の間に集まるものではないのではないかと思います。そこにだれかがはっきりと真実を言うために、自己というものはどういう存在であるかを知るのであって私たち凡夫は、お経の方には三界の火宅のたとえを説き、窮子として説かれ、寿量品には良医のたとえというようなものを説かれまして、私どもはどこまでも仏様のところまで進む目的 のためにあらゆる努力をして自分が 一ほんとうに至らないところをざんげ反省して、仏様のみもとにだんだん近づきたい。その近づく方法としての問題でありますから、何回か申し上げまし一たけれども、大上人もちゃんとおっしゃっているように、成仏の理にかなうということは、これは仏教の本質にかなっているわけでありますが、それをかなわなくとも、しばらくの間は普通の義を用うべきかとおっしゃっておるのでありますから、やはり、だれにも納得のつく−今日の人がいいかげんのことで百万も二百万もの人がおそらくだまされまいと思うのであります。そういう意味から、一つのそこに学問的の理論がありましてそれを用うることによって、はっきりと自分自体を意識して本仏のもとに邁進しようと精進するわけであります。以上。
  364. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたはごまかしているのだ。目蓮の言うた方便、いわゆる仏教で言う方便ということ、姓名判断ということはその方便だ、こう言う。僕はそういう意味に姓名判断を使ってはいけないと思うのです。じゃ、立正交成会に入ったために、姓名判断によって医者にかからぬで亭主を失った、子供を死なしたという人が、現に当委員会にも苦情を訴えているじゃないか。これがほんとうの信仰から入ったのなら恨むはずはない。しかるに、そういう姓名判断みたいなことで、ここに入っていればお前の運勢は開くというようなことが、開かないから恨みが出ている。大へんな投書じゃないか。さっきあなたのわきで説明していた参考人のところに投書が山のように来ていたじゃないか。それは、だから、ほんとうの信仰の道から入ったのではなくてにせの万便を使ったからだ。ほんとうの信仰の道に導くのが方便だ。たとえば牛に引かれて善光寺参りという言葉がある。婆さんのほしていた布をとって牛がくわえて走ったから、その布欲しさに走って行ったところが、善光寺にお参りするようになって、無信心の婆さんか熱心な信者になった。これは方便でしょう。しかし、一体、姓名判断に一よって、交成会へ入らぬと病気になるとか火事になるとか言って入れるということが、そういう方便としていいのかね。あるいは、交成会へ入れば金もうけができるというようなことを言って、姓名判断をやってそれを入れさせ。それがその通りにならぬために、みなばか見たと言って離れていくのじゃないか。そんなものは真の信仰者を収得したことにならぬと思う。何百人ふえたって、そういう無知な大衆に仏教に言う方便なんという言葉を使う場合じゃないのだ。一つの欺瞞なんだ。私も若い時分日本で優秀な姓名判断家に判断を受けて、お前は女難の相があると言われたが、さっぱり当りゃしない。(笑声)今当るか今当るかと思ってたが、当りゃしない。(笑声)そんなでたらめなものなんだ。それをあなたはまじな布教に使う。おどかして入れるには入れやすいが、そういう布教の法をやることはいぬじゃないか。病気なおる、あるいは商売が繁盛する、そういうことばかり言う。幾ら交成会入ったって、政治が悪ければ商売繁盛ならぬし、病人もなおらない。それを妙な姓名判断をやる。そこで、さっきから私が質問しても答えないが、その姓名判断は何人がやるですか。あなた自身それをやるのか、あるいは支部長とか副支部長とか導き親とかいうのがやるのか。やるとすれはだれでも勝手にやついいのか。そうじゃないとするならば、いかなる修養をした人が、いかなる諸君のめがねにかなってそれをやることができるのか。そこを説明して下さい。さっきから僕が言うけれども、答弁がない。
  365. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 姓名学というものは支部長が取り扱うことになっております。
  366. 猪俣浩三

    猪俣委員 姓名学というものは、私もちょっとのぞいたことがある。大へんなものです。交成会ではそれを何か指導して勉強さしておるのか。あるいは参考書でもくれて勉強させるのか。大道へ出て占う者は何か免許がいるように聞いておるんだが、一体交成会姓名判断をする者は免許か何か取ってやっておるのか。だれでも支部長になればやれるのか。支部長というものは、会員をたくさん集めるとおまんだらなんかをやったり、寄付金を集めてもらった者を支部長にするのか。姓名判断とは違うじゃないか。姓名学などという学問をすることと、支部長になることとは同じですか。姓名学に非常に造詣の深い人を支部長にしたのか。そうじゃないとすれば、支部長になったがゆえに姓名学に詳しいというわけにいかないでしょう。そうすると、どういう指導をしておるのですか。
  367. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 支部長となるのには、そう簡単に一介の学校を卒業するとか−先生も姓名学を元かじったことがあるとおっしゃいますが、三ヵ月や五ヵ月で、大した統計もやってみない、そんな不勉強さで即座にわかるということは不可能でありましょう。ところが、五年も六年も心魂を打ち込んでその道に入っておりますれば、おのずから門前の小僧習わぬ経を読むで、ちゃんとわかるようになります。以上。
  368. 猪俣浩三

    猪俣委員 新興宗教というものはえらいもので、台所に働いていた女が支部長までになり、万人の運命を姓名によって判断する霊力が出てくるというから、豪儀なものだと思う。しかし、それをあんたとここであれしてもいけない。僕はこれは国家で取り締る必要があると思う。姓名判断なんかをするのは人の運命を迷わせます。ことに近代人は非常に神経衰弱症が多い。ノイローゼがはやっておる際に、生き神様などと言われておる諸君に、こうなったなんて言われたら、皆だあっとなっちゃう。そういう弊害については少しも考えたことはないかね。姓名判断などというものが人の心理作用にどういう影響を及ぼすか。暗示によっていいこともあろうかもしれぬが、しかし、悪い面もあるでしょう。そういうことを静かに考えたことはあるかね。
  369. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 このたびの報道機関を通じまして、いろいろと私どもも反省するところは相当あると思います。私どもも凡人でございまして、新聞にも教祖だとか大へんりっぱに書かれておりますけれども、私どもは決して何でもないのであります。当りまえの人間なんでありまして、霊力もございませんし、ごらんの通りの人間なんであります。そういう関係でありますので、言われるのには何かそこに私どもに欠点もあるのじゃないかというので、一切、この問題に対しまして報道されたことは、逐次、その住所氏名のあるものは、どういう結果になっておるかということを調査いたしてみましたのですが、最初は、とにかく自分たちが言われるだけ何か欠陥があるんだろう、先ほど来参考人が二人、岡部と長沼が言いましたように、自分たちがどこか至らないのだというので、ひたすらにざんげ反省ということでやっておったのであります。あまりしつこく言われますので、調査を逐次進めてみますというと、たとえば、女教祖が売春婦であった、こういうような問題まで飛び出してくる。先生もこの問題に対してこの前に取り上げられたようでありますが、現在、最初のだんなであるところの大熊房吉という方は、三十何年か別れておりましたのが、お弟子になつて、非常に喜んで現在信仰しているわけであります。結婚も、すぐ近所でありまして、埼玉県の狭い土地でありますから、どこの家がどういう系図であるとか、あそこの娘はどういう人間であるとかいうことははっきりわかるところで、双方履歴もちゃんとわかり、また仲人が立ってりっぱに結婚しておるのであります。こういう者を、売春婦である、宗教団体の指導者になったというので売春婦の汚名までかけなければならぬか、こういう報道をまた喜んで、これが真実の報道なるごとく、この神聖なる法務委員会まで持ち出さなければならないか、こういう問題であります。これは、参考人をしてお呼びいただけば、大熊房吉も、その後の第二回目のだんなであるところの現在の有路国平という方も熱心な信者でありますから、どういう素性で一緒になり、どういう生活からどういうところ一に別れなければならぬ原因があったか、こういうことは当人からでもはっきりとわかることであります。埼玉県の妙佼先生の近所には三カ所も支部が立つほど土地の人がことごとく交成会教えに満足して、ここの土地からこういう人が出たというので非常に誇りとして皆さんがやっている。これに何のためにそういう傷をつけなければならぬか、私どもはこれを疑ぐるのであります。また、山梨県におきましては、女教祖が踏み殺したというような大々的な記事を出されましたが、これもあまりにも突拍子もないことでありますので、これは早速に調査してみますと、当時妙佼先生はからだの工合が悪くて山梨県の温泉にたしか二週間ほど行ったことがございます。しかし、病人の家へ行って祈祷するとか呪文を唱えるとかいうことは、当時のからだの工合としても全然ありませんし、昨今に、そういう人様の家庭を訪問して、私たちが病人に対して九字を切るとか呪文を唱えるということは全然ないことであります。同時に、そういう問題を出された方も、あの人は奥さんを信仰に入れて殺した、油あげを食わしたりなんかして、医者にもろくにかけないで死んでしまったというような報道をされたので、あらゆる点で自分の名誉を非常に傷つけられて、この方は憤慨いたしております。こういうふうないろいろな事実から考えまして何かそこに、私どもが皆様から伺わなければならないところの意味があるとするならば、布教方法なりいろいろなことに対しましても、私どもは十分にありがたく皆様方の市を聞いて、私どもの教義の範囲におさまることであるならば、あらゆる面で修正をすることも決してやぶさかでないと思っております。また、先ほどの区画整理組合の問題でもそうでありますが、私どもとしては全然善意に基いて、土地の発展のために、公共福祉のためにというので、古い役員から依頼されて、東京都の方へ一体そういうことになっているのかと聞きますと、許可にもなってることであるし、継続事業であるし、だれか力のある人が入らなければできないのだから、しかも三分の一の地所がお宅のものだから、ぜひ一つ加わってやっていただきたい、あらゆる便宜をはかりますからやって下さった、こういうようなことで区画整理組合にも手を出したような次第でありますが、そういうことが、ことごとく、現在の新聞の報道によりますと、何かそこに魔力でもあるのか、特別の何かがあるのかというようにお考えのようでありますが、願わくは実態をもう少し御調査いただきまして、私どもの叫んでおるところの布教の方法やそういうことには、われわれも人間でありますから確かに欠陥もあるかもしれません。批判の的になるようなこともあるかもしれません。もっと宗教の本質に向って御批判やら御指導やらをいただきたい、かように考えております。  なお、交成会解散という問題に対しまして午前中おっしゃられたようでありますが、白石さんの方から確かに全然知らないうちに解散というような告訴をしておるということを方々から聞いたのでありますが、どういうところに解散目的があるのか見当がつかなかったわけであります。先ほど伺っておりますと、いろいろの事実があるとか投書があるとか言いますけれども、私が聞いた範囲におきましては、確実な住所氏名がはっきりして、しかも交成会のために非常な損害を受けたという確証、証人に出てくるだけのはっきりした証拠がないのじゃないか。そうすると、一番大げさに今日唱えられた女教祖の重病人踏み殺しという見出しと、女教祖の売春婦という報道と、こういうものを総合しますと、これは全く鎌倉時代の法律と言うよりほかに言いようがないのじゃないか、かように考えております。
  370. 猪俣浩三

    猪俣委員 ちっとも反省がない。さっき世耕委員から言ったように、どこか親鸞の布教とやり方が違っておるのです。そういうことについて少しも反省がない。ただ無理やりに会員をふやしていく。それはあなた自身が一々たくさんの人間に当っておるのではなかろうけれども、あなたの手足となって働いておる支部長とか、そういう者の中には相当いかがわしい者がいるのです。そうして無理な信者の獲得競争をやっておる。第何支部が何人の信者を獲得した、第一支部が千人獲得したら第二支部は千五百人獲得しなければならぬということで、またそれによって本部に行って鼻が高くなる。発言権も強くなる。あるいは月給もふえるのかもしれません。そんなようなことから、無理な布教方法をやっておる。そうして、なるべく早く、短時間に布教させるために姓名判断というようなものをやっている。これはおどかしだと思う。そういうことをやって相当の財産をためている。私は、宗教なんというものは、ほんとうの宗教は、親鸞がそうであったごとく、キリストがそうであったごとく−親鸞をごらんなさい。自分はこじき坊主で通すと言っておる。一生本山を持たずして天下を流浪して歩いている。キリストだって野から野を歩きました。しかし、諸君はそういうところに非常に欠陥がある。それから物質にからまる問題が始終起る。それは諸君の方は正しかったかどうか知らぬが、土地問題で収賄したとか贈賄したとか、詐欺があったとか、そういうような問題が始終起っている。そういう点で、布教のためには自動車十一台を入れることもよいかもしれませんが、宗教というものは事業とは違うのだから、そんな最優秀な自動−車をかかえて乗り回す必要はないと思う。そうして、そんな盲信者がふえることをもって自分宗教が価値あるものと考えておる。少しも反省がない。その反面幾多の弊害を来たしておる。今日法務省の人権擁護局においておびただしい事件が係属しておる。それに対して少しも反省がない。みんな自分たちの方が正しいと言っておる。一体、キリスト教でも仏教でも、おのれを反省するということが重大なことなんです。キリスト教ではざんげと言っておる。これが信仰の中心でなければならぬ。その本家本元がざんげ反省しておる様子が見えない。私はそこがにせものだと思う。これだけあなたは世の中を騒がせても、みんな、騒がせたやつが悪いのであって、自分たちは何も欠点がないのだ、こういうことを言っておる。私も凡人であるからというその言葉は正しいと思う。あなたの教育の程度から見たって、あなたが非凡な人間だとはわれわれは思わぬ。それならそれなりにすなおに信者の前に出したらよかろう。しかし、あなたが布教して歩いている写真を見たら、土下座してみんな拝んでいる。これはあまり生き神様と思わせないのがいい。そこから迷信邪教が起ってくる。ところが、そういうことに対してあなたは反省がない。大体、ディムラーという千五十万円か千五百万円の高級車を買ったというのは事実ですか。
  371. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 ディムラーという高級車を確かに八百万で買ってございます。
  372. 猪俣浩三

    猪俣委員 そんな高級車は日本には皇太子が持っているだけだという。有名な三菱、三井の会社でも持っておらぬ。そんな高級車が何のために必要なのか。神様が乗るために必要なのか。
  373. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 これは確かに高級車でありますが、布教活動に対して、こういう車があるということで勧められたままに、理事方も先生の活動するのに途中で車が故障したとか事故があるとかいうことではいかぬというので、勧められるままに買ったわけでありますが、報道されて初めてあの車が日本に二台しかない車なのかということも知ったわけでございます。当時、たくさん数がありましょうが、キャデラック私は理事に小言を言ったのでありますが、そうしますと、当時キャデラックを買うともう五十万か百万高かったそうでございますが、そういうところで、どれを買おうかという最中に、ぜひ買ってくれというので自動車一屋さんから勧められるままに、また理事方も、一つ買えるのだから買おうということで、そのときの動機としてはまことに薄弱なことでございますが、一今日いろいろの報道されたものに対しまして、ああいう車に乗らなくてはならないという別に理屈もなかったわけでありますし、無理に買えという命令をしたわけでもなかったわけでありますが、値段も、この問題が起きましたので、一体幾らで買ったのかというので聞いたような次第でありまして、特別高級車に乗ろうと心得ているわけではありませんし、また、先ほどの皆さんが土下座をするということでありますが、写真をごらんになると土下座と見えるかもしれませんが、確かに下にわらむしろを敷いてすわっておるのであります。先ほど来あまり大きな建物を立てて大勢人を集めるからいけないというお話のようでありますが、地方へ参りましても、百畳敷くらいの道場を建てましても、わずか一年か二年たつうちに庭へ全部わらむしろを敷いてすわるほど、やっぱり自分のほんとうに心をたたき直してもらって、そうしてほんとうの仏様の教えのところに会長以下会員はもう一丸となって異体同心となって進もうという信仰の集まりでありまして、あの写真の通りに、どこへ行きましても、庭へ全部むしろを敷いて立錐の余地のないほど信者は集まってくるわけであります。三年ほど前から、非常に施設が困難であるから、なるべくお導きなどはするなというようにやかましく言っておるのであります。ところが、毎月約六千世帯くらいの信者が自然に入ってくるわけでありまして、これをいかにして教化していくか。ほんとうに真の仏教を私どもは叫ばなければならないのだから、その面から教義的な面なども相当の改良を加えて、専門家の講師方もお招きをして、そうして教義の面からももっともっと私どもは完璧を期さなくてはならないところのちょうど今分岐点に来ているのじゃないか。しかも、社会批判は全国を風まして、創価学会の自殺があっても交成会という見出しで新聞には出る。調査をしてみると創価学会員だというようなことが、埼玉の自殺事件でも、ラジオでも放送してくれたそうでございますが、かようのわけに、あらゆることが、悪いことというと交成会にみな持ってこられる。これは私どもの何かの因果があるのだということで、信者とともに日夜反省ざんげ、先ほど仰せになった通りの気持で一生懸命に、私どもの真心が通れば必ず青天白日のときも来る。——かの親鸞、日蓮も−日蓮上人は、現世は…−……。(猪俣委員日蓮のことはまあいい」と呼ぶ)悪人のごとく言われておるけれども、未来には春日神社や八幡大菩薩のように尊ばれるときが来る、この法華一乗の道を行くことによって必ずそういう時代が来るという予言をされておるわけであります。まさに法華経の真の布教によって現在皆さんが集まってき、この集まることに、いろいろの既成教団からも、たとえば先ほど申し上げましたように日蓮宗から破門するという−門人でないものを破門という言葉自体がおかしいのであります。そういうことまでも宣伝をされるということは、私どもは全くこれは何かの宿命が私どもに課せられているのだということは反省ざんげを常にしておるわけでございます。特に、こういうお忙しい法務委員会の中まで伺いまして私のごときがここに参考人として来て、勝手なことを申し上げてはなはだ恐縮でございますけれども、自分の信じておるところ、自分のやっていることに対しての自信のほどを申し上げた次第でございます。
  374. 猪俣浩三

    猪俣委員 まあ、日蓮に比較して説明されているのだから、そういう人には僕ら信仰のことではあまり争う気はしない。そうして、法律だなんて考えておられると、ますますもってわれわれは北条幕府みたいになってしまうから、あまりやらぬつもりであります。  あなたは昭和二十七年九月杉並区阿佐ケ谷の中川博夫という人の邸宅を買われたそうだが、幾らで買われたか。
  375. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 二百五十万円で買いました。
  376. 猪俣浩三

    猪俣委員 私の調査では四百七十万円となっておるのだが、一体、幾間あって、何坪の土地ですか。
  377. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 間数がたしか九つくらいございます。百三十五坪ございます。
  378. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたが税務当局べ届けた個人所得は年間六十五万七千二百円になっておる。そうすると、月平均三万円くらいのものである。なかなか、私どもの財布でもぴいぴいがらがらだが、月三万くらいの収入で数百万円する家屋敷は買えないと思うのだが、このほかに何か所得はあるのですか。
  379. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 現在では月給十万円ちょうだいしております。その御調査はいつのことか知りませんが、盆、暮れに賞与も私は多少もらっておりますし……。
  380. 猪俣浩三

    猪俣委員 これは昭和二十七年度の税務署の個人所得の届出額です。それが六十五万七千二百円になっておる。その年の九月、あなたは四百七十万円の家を買い入れ、しかも改築費用を相当出して修繕したでしょう。それに相当の修繕をして、ほぼ一千万円に相当するものになっておる。あなたの言う通り二百何十万でもいいが、税務署へ申告した個人所得では月三万円ぐらいだ。そのときにあなたは数百万円の家を買っている。税務署への届出が正しいとすると、その家を買った金はどこから出たか。もし家をあなたのポケット・マネーで買ったとすれば、この税務署への届出はうそだったのか。幾ら生き神様でも、千数百万円の自動車を乗り回すような生き神様が二万や三万で月の生活をして、そのほかになお数百万円の余剰が出る道理がない。だから、この税務署への届出はうそなのかどうか。あるいは、二十七年ごろの収入を届ける際に、この個人所得以外に何かの金があって、これをお買いになったのか。何かつじつまが合わない。私が言うのは、二十七年度の所得税と二十七年度にあなたが買った家の値段について不思議があるが、どう調和するか。
  381. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 その届出はその通りでございます。交成会が法人になりましたのは、たしか昭和二十四年八月だと思いますが、それ以後月給制度にいたしまして、私生活はその届出通りでございます。それまでは、法人にならないうちは、会が自分のものでありましたので、当時の金がありましたので、買いました。
  382. 猪俣浩三

    猪俣委員 結局交成会信者の献金で買ったことになるわけだが、昭和二十五年に、ある骨董商から長沼マサが時価百万円もするようなダイヤの指輪を買った。その骨董商と親しい新宿区の河野という人が、信者の浄財を私財に投じているのは宗教家として邪道であると指摘した。それに対して、あなたは、それは間違いであったと言って間違いを認めた手紙を河野氏に出して  いるということを聞いているが、そう  いう事実があったかなかったか。
  383. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 ダイヤの問題で河野さんに手紙を出した覚えはございません。また、そんなものを買ってもおりません。
  384. 猪俣浩三

    猪俣委員 結局、何のために交成会がかように世論の指弾を受けるか。あなたはそれに対して決定的な反省をしておらないようであるが、みんな金のごとですよ。あなたに対する指弾のことは全部金にからんでいる。数百万円の家を買った、数百万円のダイヤの指輪を買った、みんな金銭にからんでおる。そして千何百万のディムラーを買った。とにかく、宗教家というものは、精神上の王者であるが、物質的にはごく質素にして、それこそ親鸞のような、キリストのようなものがほんとうの宗教家でなければならぬ。人から生き神様のように拝まれ、自分は堂々たる家に住んでいるとすれば、新興宗教くらいうまいものはないです。それがみな人の喜捨です。しかも零細なる人たちの金だ。だから、僕はさっき言った。千何百万円の自動車を買う金があったら、なぜ温泉ぶろぐらいは貧しい者をただで入れないか。——とにかく、金もうけが上手過ぎるのだ。そこから、交成会に対する嫉妬もありましょう。今中小企業者が税金々々で何よりも税務署の役人がこわいと言っている際に、宗教法人法の陰に隠れて、税金をあまりとられていない。それは、宗教というものは貧しいもので、ないという精神から来ている。今の新興宗教なんというものは一種の企業です。私は徹底的に徴税すべきものだと思う。そうすれば、千何百万円出して自動車を買うことができないはずだ。そして、ほんとうの宗祖と言われる人たちは貧しい生活をしてこそ初めて万人の信頼を博し、魂の救済ができるわけです。それを、ある者は中野三業組合に入り浸っているというようなデマが飛んだり、あなたが今憤慨して言うているが、長沼マサは売春婦であっ−たと言われる。実は、そのことについて、あなたがどこまでも否認するならば、当法務委員会に生き証人を出して対決させるつもりでおるのたけれども、前身がどうあろうとも、一応今正しい生活をしておる者を、われわれは攻撃する必要はない。ただ、一般の無知なる信者が生き神様のように祭り上げるごとから非常に弊害が起るのです。長沼マサは今病気で寝ているそうだが、一体生き神様でも自分の病気はなおせないかどうか、それをお答え下さい。
  385. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 今度の報道で教祖という名前をちょうだいしただけでございまして、一向に凡夫でございますし、君子に夢なし聖者に病なしというのですから、われわれは聖者でございましたら病もなかろうと思います。しかし、仏教の中で、われわれは生老病死のその中にいる、三界は安きことなし、なお火宅のことしと言うように、われわれは凡夫であります。長沼妙佼といえども、別に仏でも神様でもない、同じ人間であります。はたからどういうふうな名前をつけられても、交成会には教祖はあり得ない、私ははっきりとどなたの前でも言っておるのであります。同じ同志でございます。
  386. 猪俣浩三

    猪俣委員 そういう凡夫であるならば、それ、でいいのです。親鸞上人も愚禿親鸞と言っておることだから、はげたばかおやじだと自分から言っておるごとく、宗祖は謙遜であるべきなんです。そのかわり、自分の病気もなおされないようなことで、姓名判断なんかして、病院に行かぬでもよい、これを信じておればなおるというような布教はあまりしない方がよいと思う。あなたは幾ら否認しても、そういう布教をみなやっておる。それは信者をふやすために仕方がないかもしれない。ほかの新興宗教だってみなそうです。この宗教を信ずれは病気かなおる、商売か繁盛する、火事にはならぬ、こういうことなんだ。現在の宗教は利益宗教なんだから、そこに新興宗教の企業性があるのです。企業なんです。新興宗教なんというものは、ほんとうの魂の哲学的な宇宙的な哲理を説いておるのではない。これを信用したら火事にならぬぞ、病気にならぬぞ、金もうけができる、道ばたに金が落っておるかもしれぬような話をする。そうすると、それは方便だと、こう言う。だから、諸君の方便というのは非常に便利なんです。その方便のおかげで、諸君はこういう千万円もするような自動車を買い込んだり、何百万円もするような家を買い込んだりする。しかし、諸君が汗水流して生産して得た報酬ではない。みな盲信者どものお布施なんだから、よほど考えなさらぬといかぬと思う。そこに非常に立正交成会が危機に瀕しておると思う。戦前大本教の出口王仁三郎、あの男がばっこして、私はあの家の隣にいたが、まことに迷惑しごくでありました。まるでオートバイ四台くらいに前後を守られて、ささげ銃するような兵隊が五十人もいて、そうしてラッパを吹いて通っておった。とんでもない男だと思ったら、案の定没落した。ひとのみち、御木徳近という、これも繁盛してからに大堂、伽藍を建てるようになって没落した。あなたは、今実に教勢盛んであって、自分が行くと入り切れないように人が入ると言って喜んでおられるけれども、交成会は今危機に瀕しておる。何がゆえに世間がかような評判を立てるのであるか、その根本原因を考えなさらぬといかぬ。それを、ただ法難だ一。一体法務委員会で調べておることは法律だと思っておるのか、それを一つ聞きたい。われわれを北条高時のように思っておるのか、これを聞かせて下さい。
  387. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 法務委員の御調査が決して法律というわけではありませんが、報道などの工合から言いまして全然無根のことを報道されておることは法律的に考えるべきではないか、こういうわけです。
  388. 猪俣浩三

    猪俣委員 そうではない。そういう報道をされることが−あなたは、十の報道のうちうそのことが大部分であったとしても、そういう報道をされる原因がどこにあるかという反省をしなければならぬじゃないですか。それをしないで、ただ法律々々で片づける。飯倉一丁目に霊友会があるが、あなたはあそこで修養されて信者獲得の方法を勉強されたそうだが、これはとんでもないもので、これも法務委員会でやったが、あれもとうとう検事に起訴された。あれは小谷喜美とかいって、脱税、為替管理法違反、暴行、脅迫、それで裁判問題になった。そこに行ってあなたは修養しておったという。それはいいが、よほど反省なさらぬといかぬと思う。あなたは、自分の一行ったところ、みんながおべんちゃらを使う、そして盲信者が出てありがたやかたじけなやと土下座して礼拝しておるから、まるで自分を生き神様みたいに錯覚しているかもしれぬが、その反面実に弊害がある。当法務委員会が乗り出したのはそのためなんだ。それを法律考えたり、われわれを北条氏と考えたらとんでもないことなんだ。あなたはそういう傾向がある。あなたは「新潟県及県人」の塚田という社長を知っているらしい。ここにあなたが  一問一答をやっているのが出ている。「この度の問題をどんな風に考えておられますか。」という問いに対し、「天佑です。波平静なれば、会の発展をさえ切る素悪な人達の姿が見えません。嵐あれば、心あるものは、益々力となり、心なきものは去ります、心と心の結集を第一義とする宗教団体では、正に天助の機会が与えられたものとして探く感謝しています。不思議なことには、今迄何くれとなく世話をしてやった人達が、張本人となったいることです。」と言っている。問題は、あなたが反省しなければならぬということです。今であなたが何くれとなく世話してやった人が張本人となっているのはどういうわけか。これは大体宗教の真義に反している。仏縁のないものに仏縁をつけるのが方便だ。あなたの言う方便は、仏縁のないものに仏縁を結びつけるために存在するのである。しかるに、天佑です、波が平らかであれば会の発展をさえぎる素悪な人たちの姿は見えないが、風が立ったために悪いやつはいなくなった、そこで心と心の結集を第一義とする宗教団体−われわれから言うと盲信者どもばかりが固まっているのだが、それでまことにいいのだと言う。これは宗教の本質に反するじゃないか。何が天佑なんです。縁なき衆生を済度するのが宗教の務めでなければならぬはずじゃありませんか。ところが、みな悪い者が去ってしまったからさっぱりした、そういうふうに見えるのだ。そんな考え方で法律論をやられては、われわれはこけみたいになってしまう。そういうところに、実に新興宗教の邪悪性があると思うのだ。何が天佑なんです。何がみな変な者が去ってさっぱりしたのです。その変な者をつかまえて、これを仏の弟子にするのが宗教家の任務じゃありませんか。諸君を盲信しておさい銭ばかりたくさんあげると思って、いい気になって、堂々たる自動車を乗り回して生き神様と言われている。それが宗教家の本質か。あなたはこの法務委員会で調べられた後に必ず法律論を吹くに違いない。それがもうすでに出ておる。そうして盲信者どもに随喜の涙を流させる。こういう新興宗教のやり方というものは、宗教を冒涜するものだと私は思う。縁なき衆生をあなたの方に引きつけるために方便ということが経典にあるはずなんです。ああいやなやつが去ってくれてさっぱりしたということが宗教の本質になるかならぬか、それを答弁して下さい。
  389. 庭野鹿蔵

    庭野参考人 大へんにありがたい言葉をちょうだいいたしまして、感謝を申し上げております。交成会は創立以来十九年でありますが、その間に独立して教団を立てた者もございますし、去った者も相当ございます。しかし、ある程度まで、支部長、副支部長まで行った方は、たとえば、現在は仲井よりと称しておりますが、ほんとうは仲井とり、その仲井さんにしても、または元の馬場理事にいたしましても、現在日蓮宗の馬田即貞さんのところに行っておる中山という人にしましても、ことごとくこれは何事か後には必ず帰ってくると私は確信をいたしております。反旗を翻して相当優勢だった方も、五年、六年のうちには必ず帰ってくるようでございます。今のそのお言葉を肝に銘じまして、大いに去った方々に了解をしていただく最善の努力をいたしまして必ず何年か後には、また先生に、この通り、当時矢面に立って証人として交成会を冒涜したが、今ではこういうふうになったというふうなことも、見ていただける時期が来るのではないかというように考えております。いろいろありがとうございました。
  390. 猪俣浩三

    猪俣委員 あなたなかなか如才ないから……。(笑声)私の家に火事があるかもしれぬし、私もけがをするかもしれぬが、これは絶対交成会を調べたためじゃない。これは私の信ずる神の命に従って交成会を調べている。だから、罰が当ったというようなことは決して言わぬでもらいたい。私は絶対そんなこと信じていないものだから、そんなこと信者にこれっぱかしも言ってもらっては困る。あすにでも私は脳溢血で倒れるかもしれないが、あなた方に恨まれてなるのでは絶対ないから、これはもうはっきりしておくから、そんなことを言ってもらっては困る。あなたは言わぬかもしれないが、うしろにいるような連中なんかの中には、そんなことを言う人があるかもしれない。  私は、もう少し交成会の財産状態、それから交成会の教典、宗旨の中心趣旨、これを聞きたかったけれども、六時半から本会議が始まるし、ほかの委員質問もあるかもしれないので、これでやめます。
  391. 高橋禎一

    高橋委員長 他にどなたか御質問ありますか。II他に御質疑はないようでございますから、本日はこの程度といたします。  参考人各位には長時間、かつまた熱心に当委員会調査に御協力下さいまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十九分散会