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辻原委員 大体十
項目でくくってしまいますと、
文部省のおもなるものはほとんどこれに入ってしまうのであります。そういうことの御
説明を私が求めたのではないのです。ずっと
予算の御
説明を聞きましても、中にぼつぼつ新しい試みのものがあります。中にはわれわれが非常に賛成をして推進していきたいものがあります。そういう
意味で今年は政府の方でも
自然増収が一千億ほどあって、国の
予算の編成から見て、ことしあたりは相当
文教予算に力を注いでもいい年ではないかと一般に言われている
状況ですから、ここらで私は今まで陥没しておった
教育の中で、特に取り上げていかなければならぬようなものを具体的に
指摘をして、しぼってやるべきじゃなかろうか、こういうふうに
考えております。今の
説明の中に入っているのですが、これは今のところ絵に描いたもちでありまして、去年から約二五%の増加要求をまるまる認められるなどということはちょっと
考えられません。さてしぼられたときに、ことしはこれとこれとを
一つぜひ
重点的にやりたい、そういうものが
大臣の方からお示し願えましたならば、われわれとしても将来の
予算審議の際に非常に好都合ではないかと
考えたのであります。最初一、二、三と、こう並べられましたので、三つくらいで打ち切られると思いましたが、とうとう十まで読み上げられましたので、ちょっと
重点がわからなくなりました。
そこで具体的に
一つ伺いますが、ことしの
予算の
説明を承わって、中身を見ますと、従来よりは非常にいいことは、定時制の
教育に相当関心を払っておるということであります。これは機会均等の中の
一つの
項目として含めてもいいということが
大臣のお話にありましたが、私はこの問題はぜひとも本
年度一つの特徴的な問題として
重点的に取り上げてほしい、こういう
考え方を持つものであります。私は
新聞で見たのでありますが、ラジオでもそういう放送をしておりましたが、過般の全国校長
会議で、どなたかおっしゃった
言葉の中に、最近の
教育の
傾向は、どうもそれぞれ、
中学校は
高等学校の予備校的な
性格を持っておる、
高等学校は
大学の予備校的な
性格を持ってきている、言いかえてみると、英才
教育に堕しているような傾きがあるんじゃないか、これは行政に携わる
文部省自身がそういうことを認められておる。ましてやわれわれはそういう点を最近非常に実感として味わう。こうした弊を救うためには、普通のコースにおける
教育行政の中でこれを是正していくと同時に、一面その裏に忘れられがちな勤労青少年に対する
教育振興がより重要な
意味を持ってくる。さような
意味合いにおきまして、ことしの九月までの町村合併で、定時制は地方では顧みられなくなってきた
状況がございます。この地方の町村合併の動きと町村財政の
状況から、非常に陥没しておる定時制
教育を
振興するには、どうしても国の方で手を差し延べる必要がある、そういう
意味合いで私はこれに
重点を置くべきじゃなかろうか、こういうように
考えるわけであります。そうした点でやはり非常に問題は、第一番に定時制の人件費の問題であります。これは
予算の中に出されておりますが、か
つて国が負担しておった四割を復元しようという計画であるそうであります。しかしいかほど熱意を持ってこの問題に当っているかということについていささか疑問なしとしない、この際定時制の中で
施設も完備しなくちやなりませんし、あるいはその他付随する給食の問題等、たくさんありましょうが、まず息を吹き返す
一つの手としては、この国庫負担についての最低四割復元をぜひこの機会に実現すべきだ、こう私は思う。その点についてかりに将来
大蔵省との
予算折衝その他で、定時制に関する問題の中でいろいろしぼられてきましても、この点だけは何とか
一つ実現をしていっていただきたい、かように思うのでありますが、
大臣は、定時制の中で具体的に出されておるその問題を最後までがんばって、本年実施に移せるような意気込みをお持ちなさっていられるか、この点を伺いたい。