運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1956-09-28 第24回国会 衆議院 文教委員会 第50号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十一年九月二十八日(金曜日) 午前十時四十七分
開議
出席委員
委員長
佐藤觀次郎
君
理事
加藤
精三
君
理事
高村
坂彦君
理事
坂田
道太
君
理事
辻原 弘市君 稻葉 修君
纐纈
彌三君 田中 久雄君 並木 芳雄君
古川
丈吉
君 町村 金五君
茜ケ久保重光
君
伊瀬幸太郎
君 小牧 次生君 山本 幸一君
小林
信一
君
出席国務大臣
文 部 大 臣 清瀬 一郎君
委員外
の
出席者
文部事務官
(
大臣官房総務
参事官) 齋藤 正君
文部事務官
(
大臣官房会計
課長
)
天城
勳君
文部事務官
(
初等中等教育
局長
) 緒方
信一
君
文部事務官
(
初等中等教育
局教科書課長
) 安達 健二君
文部事務官
(
社会教育局
長)
内藤譽三郎
君
文部事務官
(
調査局長
) 福田 繁君
文部事務官
(
管理局長
)
小林
行雄君 専 門 員 石井つとむ君
—————————————
九月二十八日
委員久野忠治
君、
古川丈吉
君、
高津正道
君及び
野原覺
君
辞任
につき、その
補欠
として
纐纈
彌三 君、
塚原俊郎
君、
茜ケ久保重光
君及び
伊瀬幸太
郎君が議長の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員纐纈
彌三君及び
茜ケ久保重光
君
辞任
につき、 その
補欠
として
久野忠治
君及び
高津正道
君が議 長の
指名
で
委員
に選任された。 同日
理事加藤精三
君六月十三日
委員辞任
につき、そ の
補欠
として同君が
理事
に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
理事
の互選
昭和
三十二
年度
文教関係予算
に関する件
学校教育
に関する件
社会教育
に関する件
教育委員会制度
に関する件
—————————————
佐藤觀次郎
1
○
佐藤委員長
これより
会議
を開きます。 この際
理事
の
補欠選挙
についてお諮りいたします。すなわち、去る六月十三日に
理事加藤精三
君が
委員
を
辞任
され、
理事
が一名欠員となっております。つきましては
理事
の
補欠選挙
を行わなければなりませんが、先例によりその手続を省略し
委員長
において
指名
いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤觀次郎
2
○
佐藤委員長
御
異議
なしと認めます。よって
加藤精三
君を
理事
に
指名
いたします。
—————————————
佐藤觀次郎
3
○
佐藤委員長
それではまず
文教関係予算
について
天城会計課長
の
説明
を聴取いたします。
天城会計課長
。
天城勳
4
○
天城説明員
三十二
年度
の
文部省関係
の
概算要求
でございますが、実はまだ政府の
明年度予算
に対する
基本方針
がきまっておりませんので、最終的な段階でございません。事務的には
財政法
その他で
大蔵省
との交渉を進める時間的な段階にきておりますので、省内で事務的に現在
考え
られる案をまとめて
大蔵省
と交渉中でございますから、それにつきましてお話申し上げたいと思います。従いまして、お手元にお配りいたしました数字的な資料につきましても最終的な決定のものばかりでございませんで、今後加わるものもありましょうし、場合によれば取捨の行われるものもあろうかと思いまして、数字的にも最終的には変動のあることをお含み願いたいと思います。 三枚つづりで数字的な紙がございますが、
三枚目
の一番最後に
文部省所管
の
合計額
が載っております。二十二
年度
の
概算要求額
は現在のところ千六百四十億となっております。前
年度
の千三百五億に対しまして三百三十五億の
増額
を要求いたしておりますが、比率で申しますと大体本
年度
の二五%
増程度
でございます。この数字的に並べましたもののほかに一枚紙で
項目
だけいわば重点的なものを列挙してございますので、大体
考え方
の
中心
は半
ぺら紙
の
列挙事項
に要約しておるつもりでございます。両方をごらんいただきまして御説明申し上げたいと思います。
最初
に
義務教育費
の
国庫負担金
でございますが、これは
御存じ
のような
義務教育
の諸
学校
の
教職員
の
給与
の
実績半額負担
の法律がございまして、
明年度
なお
教職員
の増が見込まれておりますので、その
増額分
と
昇給財源
その他を織り込んでおります。ただ
明年度
につきましては、小
学校
の
児童
は本
年度
よりも増加いたしますが、
中学校
の
児童
は本
年度
よりも若干減少いたします。プラス、マイナスがございますが、総体では
児童数
は増加いたしますが、
中身
においてそういう出入りがございます。従ってその純増に対しまする
教員増
を見込み、
昇給財源
を見込む、こういう
考え方
でおります。なお本
年度
から
教職員
の
恩給費
を半額
国庫負担
することになっておりますので、
明年度
はその
恩給費
の
負担
が平
年度
化しまして、約五億ほど新しい
負担金
としてこの中に計上されております。 第二番目は
文教施設
の
整備
でございますが、
中身
は
国立文教施設
、
国立大学研究所等
の
施設
の
建設費
と、
公立学校
の
建設費
の
補助金
の二つに分れます。両方とも大体本
年度
の額の約倍額ほど要求いたしておりますが、
国立学校
につきましては現在
緊急整備計画
というのを三年
計画
で進めてきておりますが、その
計画
の継続という形で要求いたしております。なおこの五十四億の中には、従来の
計画
以外に新しい——後ほど触れようと思いますが、
学術関係
の
振興
に伴います分野の拡張に伴う
施設費
を含めております。 それから
公立文教
につきましては、これも従来からの
計画
の基礎がございますので、それらについてできるだけ
増額
をいたしたい、こう
考え
ておりますが、特に現在の
公立文教
の実態にかんがみまして、幾つかの重点を
考え
ております。たとえば
中学校
の
義務教育
の年限に伴います
中学校
の
建設
、あるいは
老朽危険校舎
の改築、不
正常授業
の解消、さらに
学校統合等
に伴います校舎の建築、こういう点につきましては特に重点的に
考え
ていくわけでございます。 次は育英と
学徒援護関係
の
事業
でございますが、
最初
に
育英会
の
育英事業
の拡張でございます。これは
育英会
の
奨学金
が
中心
をなす
経費
でございますが、
明年度
は
高等学校
の奨
学生
の対象を拡大していきたい、こう
考え
ておりまして、現在
高等学校
は全日制で
三彩定時制
で二・五%いうような率でございますが、両者を合せまして三・五%くらいまで拡張していきたい。あわせて現在単価がなお一部七百円という少額が残っておりますので、これも全部千円にしていきたいというようなことを内容にいたしておりまして、そして
高等学校
の面に重点を置いております。
大学
につきましては現在単価に二千円と三千円の二種類がございますが、三千円口の比率を増大していく、こういうのを主とした
中身
にいたしております。
学徒援護会
の
補助金
でございますが、これは
学徒援護会
という団体がございまして、
学生
の
就職あっせん
とか、あるいはアルバイトとか、
宿舎
というような
事業
をいたしておりますが、その団体に対しまして
補助金
を出すわけでございますが、
明年度
新しい問題として
学生会館
の新しい
建設等
を見込んでおりますので、増加いたしております。 次の
学生寮
の
建設
、これは一昨年から進めておりますが、
公益法人
に
補助金
を出しまして、現在のところ東京でございますが、
学生
の寮を
建設
するという
事業
でございます。これも当初立てました
計画
がございますので、これも続いて
明年度
も要求していく、こういう
考え方
でおります。 その次は
学生保険制度
の実施でございますが、これは全然新しい問題でございまして、
大学
の
学生
に対して
健康保険制度
を実施したい。現在
共済制度
とかあるいは
国民健康保険
の
制度
が確立されておりまして、
一般社会人
の
健康保険
については
制度
がございますが、一番健康の問題が多い
学生
に対して
健康保険制度
がございませんので、この面に
健康保険制度
を実施したい、こういう
考え方
でこの
制度
を
考え
ておりますので、それに伴う
予算
をここに計上いたしておるわけでございます。大体
考え方
といたしまして、
学生
の病気の中で一番多い結核につきましては、
全額給付
をする。国はそれに
半額補助
をする。その他の病気につきましては半額給付、大体
学生
の
保険料
は年間千二百円くらいで
保険経理
をやっていきたい、こういうような
構想
でございます。 それから
科学技術
の
振興
という
項目
でございますが、現在
科学技術
の
振興
はいろいろな方面から強く叫ばれておりまして、その基礎的な
研究
と
技術者
の養成という面を
教育関係
が引き受けておりますので、われわれといたしましても、
科学技術
の
振興
のための
経費
は相当大幅に要求する必要があると
考え
て以下かような
経費
を計上いたしております。
一つ
は
理科教育
の
設備費
の
経費
でございますが、これは
理科教育振興法
に基きます
補助金
でございます。従来から
計画
を立てて
補助金
を計上いたしておりますが、この
計画
に従って
明年度
も要求をしておるわけでございます。 第二番目の
産業教育
の
振興
のための
補助金
でございますが、これも
産業教育振興法
がございまして、これに基いて
中学校
、
高等学校等
の
産業教育
の
施設
及び
設備
の
補助金
を出しておりますが、それに伴う
金額
でございます。 三番目の
科学教育研究室
、これは
金額
は少額でございますが、
国立大学
の主として理学部で、
公立学校
の先生の一種の
現職教育
を行っておりますが、この面を拡張していきたい、こう
考え
ております。 第四番目に
在外研究員
の
派遣費
でございますが、これも
学者
、
研究者
の
研究
を深めるために
在外研究
ということもきわめて必要なことでございますが、従来大体七千万円くらいの
予算
でございまして、十分な
研究者
の派遣ができかねておりますので、この面も
増額
していきたいと
考え
ております。 それから五番目の
科学研究費
でございますが、これは
学術研究
につきまして非常に重要な
経費
でございまして、現在も約十一億計上いたしておりますが、極端に申しますれば多々ますます弁ずるというような
経費
でございまして、特に新しい学問、
技術
の分野が広がって参りますと、この
経費
の必要が要求されて参ります。従ってこれも
増額
を要求いたしているわけであります。 次は
私立大学
の
基礎研究
の
設備費
を
助成
するという
経費
でございます。これは現在も三千八百万円計上いたされておりますが、
科学技術
の
振興
という面では
国立学校
のみならず、
私学
についてもこれを成助する必要があると
考え
まして、これはかなり大幅な
増額
をいたしております。 次は
民間学術研究機関
の
補助
でありますが、これも従来から続けてきております民間の
学術研究機関
できわめて優秀なものがございますが、財政的に必ずしも十分でございませんので、こういう機関に
援助
を与えて、その
研究
を伸ばしていこうというための
経費
でございます。 次が
公立大学
の
設備
の
整備
のための
補助
でございますが、
国立
はもちろん国でまかなうわけでございますし、
私学
につきましては今申し上げましたような形で国の
助成
も行われておりますが、
公立大学
につきましては現在のところ特に財政的な
援助
は一般的なもの以外はございません。
地方財政
の
事情等
もございまして、
公立大学
につきましても
科学技術
の
振興
という見地から国の
助成
が必要ではないか、こう
考え
て新しい
事項
を要求しているわけであります。 その次は
国際地球観測年事業費
でございますが、明年の七月からいよいよ
国際地球観測年
の
観測事業
が正式に始まるわけでございまして
御存じ
のように今年
南極地域
の
観測
につきましては
予備観測隊
が十一月ごろ出発いたしますが、明年は本
観測
の年に当りますので、
必要額
を計上いたしております。 その次は
高等学校
の
定時制教育
の
振興
の問題でございますが、
定時制
の問題につきましては現在
財政面
から
考え
ますと
地方財政
の
事情等
からかなり計上困難な問題が出ております。これを財政的に救済する道はいろいろ
考え
られるわけでございますけれども、ここに四つの重点的な方法を
考え
たわけでございます。
一つ
は
定時制
の
教職員
の
給与費
、これの
国庫補助
の道でございます。これにつきましてはすでに御承知のように昭和二十四年まで国において四割
国庫補助
をいたしておりました。
平衡交付金制度
ができましたときにこれが吸収されて今日に至っておりますが、何と申しましても
給与費
というものが大きな
財政負担
になっておりますので、そういう
関係
で過去の
給与費
の四割
国庫補助
を復活するという形で
財政補助
を国でいたしてみたいというのが
最初
の
事項
でございます。 第二番目は現在
定時制
及び
通信教育
の
振興法
がございまして従来も
財政援助
をいたしておりますが、それを拡充計上いたしたのが第二番目の
項目
でございます。 それから第三番目は、夜間の
定時制
における
学校給食
の開設ということが前国会で立法化されましたので、これに伴う
施設設備
の
補助金
を新たに計上いたしました。 第四番目は、これは広い意味では
公立文教施設
の
中身
でございますけれども、
定時制高等学校
の
施設費
、建物の
補助金
が現在計上いたされておりませんが、これを新たに計上していきたい、こういう
考え方
で第四番目の
項目
を起したわけでございます。 その次は、
青少年対策費
と申しますか、
社会教育
の
経費
でございます。
最初
は
青年学級
の
運営費補助金
、これは
青年学級振興法
に基きまして
青年学級
に国の
補助金
を出しておりますが、現在実施の
学級数
もふえて参りましたので、
対象学級数
をふやしていきたい、こういう
考え方
でおります。 二番目の
青少年指導者講習会
、これは現在もやっております
事業
を続けていくという
考え方
でおります。 それから次のページの第三番目でございますが、
青少年教育キャンプ
、これは
青少年
に対しまして、
キャンプ
を実施することによって
青少年活動
を健全に導くという目的のもとに現在も昨
年度
から実施いたしておりますが、地方の要望も非常に強いのでそれを
増額
していきたい。 それから第四番目は
青少年教育施設等
の
整備
、これは
中身
といたしましては、
青少年
の家というような形で現在も実施いたしておりますが、
青少年
のレクリエーションその他指導の
中心拠点
となる
施設
を
建設
しておりますが、その
事業
を拡充して続けていきたい。なお
体育面
としてはモデル的な
屋内体操場
とかあるいは
プール等
の
建設
も進めていきたいと
考え
て、それらのものを内容としております。 五番目、六番目、七番目は、
事項
としては似たような形で出ておりますが、これは一括申し上げますと、
青少年
の
映画
に対する対策のための
経費
でございます。現在
青少年
に対する
映画
の影響が非常に大きくて、それがいろいろな社会的な問題、
教育
的な問題として議論されていることは
御存じ
の通りでございますが、これに対して
青少年
に向くいい
映画
を積極的に国で供給するということもきわめて必要な仕事でございまして、いたずらに観覧を禁止するとか押えるとかいうことが
映画対策
と
考え
るよりも、いい
映画
を積極的に
青少年
に供給することが必要と、こう
考え
まして、かなり大幅な
金額
を計上いたしまして、
教育映画
のよいものを国で買い上げて積極的に
地方団体
に回していく、こういうのが一言で申しますと、これらの
経費
の
中身
でございます。 それから八番目の
青少年
のための
巡回文庫
、これは図書でございますが、これも現在府県を
中心
としまして
巡回文庫
を実施しておりますその図書を国で積極的に
助成
していく、こういう
考え
でおります。 それから九番目は、これは新しい
構想
でございますが、音楽あるいは演劇につきまして現在地方的にはかなりいい芽ばえを持っている楽団、
劇団等
もございますが、なかなか伸び悩んでおります。こういういい劇団ないしは楽団の基礎を
援助
していこうということと、一方中央における
中央楽団
あるいは中央の劇団の優秀なものを積極的に地方に巡回してもらいまして、いい鑑賞の機会を与え、かつ
音楽演劇
の鑑賞の指導をする、こういう
構想
で新しく
予算
を要求しているわけでございます。 その次は、
教育
の
機会均等
という
考え方
でくくった一連の
経費
でございますが、
中身
は大体従来から計上しておりますものを伸ばしていくのが
中心
でございまして、
最初
が
義務教育関係
の
教科書
の
無償給与費
でございます。これも三十一
年度
から実施しておりますが、いわゆる準要
保護児童
に対する
教科書
の
無償給与
でございます。本
年度
の
経費
では予定の
対象児童
がふえませんので、当初
考え
た線まで拡充したい、こう
考え
ております。 それからちょっと飛びますが、この項の六番目に準要
保護児童生徒給食費補助
、これも本
年度
から始めた
事項
でございます。
給食費
を準要
保護児童
に対して
補助
する。同じ思想でございますが、この
金額
につきましても、前
年度
考え
ておりました水準まで伸ばしていきたい、こう
考え
ております。 もとへ戻りまして、第二番目の
僻地教育
の充実のための
経費
の
補助
でございます。現在いろいろな
制度
がございますが、これに加えまして新しく
スクール
・バスあるいは
スクール
・ボートその他無
電灯地帯
における
学校
の簡単な
発電装置
というようなものの
補助
を起したい、こう
考え
ております。 それから
特殊教育
の
振興
、これも主として盲、
ろう学校
を
中心
に進めて参りましたけれども、前国会で法律の一一部改正がありまして
養護学校
もこの対象にいたす、あるいは
高等学校
の
教科書
についての
負担率
をかえる、こういうような
制度
が新たに加わりましたので、それに伴います必要な
経費
を計上いたしたわけでございます。 それから四番目は、
公立養護学校
の
教職員
の
給与
、
教材費
の
国庫負担金
、これも前国会で新しい法律が制定されましたので、
義務教育
諸
学校
と同じように、
養護学校
につきましても
給与費
と
教材費
の
国庫負担
をいたすことになりました。これに必要な
経費
を計上いたしております。 第五番目は、
僻地教員
の
住宅建設費
でございます。
明年度
はこの
住宅費
をさらに拡充していきたいという
考え
で要求いたしております。 給食は先ほど申しました。 次の
特殊教育施設整備費補助
、これは
公立文教
の広いワクの中に
考え
らるべきものでございますが、
特殊教育関係
の盲
学校
、
ろう学校
のほかに、
養護学校
につきましても、その
建設費
の
補助
を出すという
考え
で、本
年度
始めておりますものを拡充していきたいと
考え
ております。 第八番目の
僻地集会室整備費補助
、これも
公立文教
の一環でございますが、
僻地教育
の充実という面から特に伸ばしていきたい、こう
考え
ております。 その次は
私学
の
振興
に関しまする
経費
でございますが、
一つ
は
私学振興会
に対する
出資金
でございます。これは三十一
年度
八億出資いたしておりますが、
明年度
一応
目標額
と
考え
ておりますものの残額として十三億を要求いたしておる形でございます。 それから
私学共済組合
に対しましては、これは一般の
健康保険
と同じように給付の一五%を国で
補助
いたすことになっておりますし、その実績に基きまする
補助金
の
増額
とその他
事務費等
を含めております。 第三番目の
理科助成
、これは
私学
におきまして、特に
理科方面
の
教育
には非常に
経費
がかかるわけでございまして、
理科系
の
教育
の
施設
ないし
設備
に対して国が特別の
助成
をしようという
考え
で、三十一
年度
発足したのでございますが、その
経費
を
増額
していこうというのが、この三番目の
経費
でございます。 その次は芸術、スポーツの
振興
としまして、特に大きなものがございますので、ここに特出いたしました。
一つ
は
国立競技場
の
建設
の問題でございます。これは三十三年に予定されておりますアジア・
オリンピック大会
に備えまして、
国立
の
競技場
を
建設
するための
経費
でございますが、これは本
年度設計
その他
準備費
がすでに入っておりまして、
明年度
中にこれを
建設
する運びになっておりますので、その
建設費
でございます。 その次は、
国立
の
西洋美術館
の
建設
、これは
松方コレクション
を受け入れましてその
美術館
を
建設
する、こういう話が二、三年前から進んでおりまして、いよいよ
建設
の段階になりましたので、明年中に
美術館
を
建設
するという金でございます。 その次は、
国際文化
の交流のために幾つかの
項目
をまとめたわけでございますが、
最初
に
教育映画
の
国際交流
、これは新しい
項目
でございますが、現在
日本
の
映画
が非常に国際的に進出して参りまして、相当の評判になっておることは
御存じ
の通りでございますが、これは主として劇
映画
でございまして、
教育映画
はなかなか自主的には国際的に進出できない状況でおります。主として
教育映画社
の財政的な事情かと思うのでございますが、
日本
の
教育映画
にもすぐれたものがたくさんございますので、こういうものを積極的に国際的に紹介したいという
考え
で、
教育映画
の優秀なものの
外国語版
を作りまして、
国際コンクール等
に積極的に出し得るようにしたい、同時にそういういいものにつきましては、プリントを作っておいて、
日本
の
事情紹介
、
国際交流
のためにも積極的に海外に出す、こういうようなものもしたいと
考え
ております。 それから第二番目は、
国費外国人学生宿舎
の
建設
でございます。その次に
国費外国人留学生
の招致というのが関連いたしますが、現在国費によりまして
外国人
の
留学生
を招致いたしております。主として
東南アジア関係
でございますけれども、なおヨーロッパ、
米大陸等
にも及んでおりまして、現在
学生
が来ているわけでございますが、この
留学生
をさらに大幅に招致して
国際文化交流
の道を開きたいと
考え
て、第三番目では
明年度
から
外国人留学生
の
招致数
を拡大するという案を持っております。それに関連いたしまして、招致しました
留学生
の
宿舎
がこれまた現在不十分でございまして、せっかく呼びましても生活上のいろいろな問題が出て参りますので、積極的に
受け入れ態勢
としてこの
宿舎
を
建設
したいと
考え
ているのがこの一連の
経費
でございます。 四番目は諸
外国
との
留学生
及び
人物交換
、
外国
から相当の
学者
、
留学生
が
日本
に来ておりますが、一面
日本
の
学者
や
研究者
間に
外国
の資金で留学しているケースも相当あります。これらは国によっていろいろ方法が違うのでございますが、
旅費等
について必ずしも先方が
負担
しない場合もございますので、そういう場合の
旅費補助
というようなことを
中心
に
考え
まして、
留学生交換
を促進したいと
考え
ているのがこの
経費
でございます。 それから
在外公館
におきます
文化アタッシェ
の設置の問題でございますが現在。パリの
フランス大使館
にはいわゆる
文化アタッシェ
が設置されておりますが、将来これを他の国にも拡充したいという
考え方
で計上いたしております。設置する
場所等
につきましてはまだ最終的な決定は見ておりません。 六番目は
琉球教育
に対する
協力援助
、これは琉球の
学生
が
日本
の
大学
に来て勉強いたしておりますが、それに対する
財政援助
で、ございまして、明年は琉球の
大学
の先生の
内地留学
ということも
考え
て
経費
を
増額
いたしております。 以上が大体
本省関係
の
経費
でございます。 その次に
国立学校
の
経費
が
考え
られます。これは
三枚目
の中ほどに
国立学校合計
とありまして本
年度
三百三十三億八千二百万というのが計上されておりますが、明年はこれを約四百十二億と見込んでおります。これは
項目
が非常にたくさんございまして、いろいろの
経費
がございますが、特にここに掲げました
科学技術
の
振興
という
関係
から新しい問題の重点を申し上げたいと思います。
明年度
から
国立大学
におきましても
原子力関係
の講座を開設いたしまして、この諸
研究
と
技術者
の養成を開始したい、こう
考え
まして、五
大学
に講座の増設、それから
大学院学生
の募集、その他
研究所
に
原子力関係
の部門の増設をはかっていくというのが
最初
の項でございます。 それから第二番目に、これは
学術会議
の強い要請もございまして、新たに
物性物理学
の
研究所
を創設するという
構想
が出ておりまして、これを取り上げまして、
明年度
以降
計画
を定めまして
物性物理学研究所
を作る。これは諸
大学学者
の
共同研究機関
といたしまして、なお
最終案
につきましては
関係
のところで協議いたしております。
場所等
につきましてはあるいは東京あるいは関西というような意見もございますが、一カ所共同
研究
施設
として創設する
考え方
でおります。 それから最後に、文化財保護
委員
会の
経費
の中でおもなものとして文化財保存
事業
の強化、
一つ
は
国立
劇場の設立の
経費
でございますが、本
年度
準備費
が千七百万円計上されまして準備を進めてきております。
明年度
は時間的なズレもございまして、直ちに
建設
の段階まで至りませんで、基本設計、実
施設
計の一部くらいまでやる前提で
必要額
を計上いたしております。 第二番目の文化財保存
事業
費、これは文化財
事業
の
中心
をなす
経費
でございますが、建造物の改修や防災
施設
等につきまして直営あるいは
補助金
で
事業
をいたしておりますが、それらの
経費
を
増額
していきたいと
考え
ております。 それから第三に文化財観光
施設
整備
費でございますが、これは従来の文化財保存
事業
と若干観点を異にいたしておりまして、観光
事業
を
整備
する、そのために観光
施設
を
整備
するという案が出ておりまして、道路であるとかあるいはホテルであるとかいろいろな分野で総合的に
整備
していくという案が
考え
られております。文化財
事業
といたしましては、文化財が同時に観光の対象となることがわが国においてきわめて多いので、それらの文化財につきまして観光の面から見た
施設
を
整備
するという全体の政策がございまして、その一環として
必要額
を計上いたしたわけでございます。 以上きわめて簡単でございますが、合計いたしまして千六百四十億という
金額
を計上して、現在
大蔵省
と事務的に話を進めておりますが、
最初
に申し上げましたように政府の
明年度予算
編成方針も確定いたしておりませんので、将来にわたりましてはこの
事項
、数字については変動があることを御承知おき願いたいと思います。
佐藤觀次郎
5
○
佐藤委員長
ただいま
天城会計課長
より
説明
がありました
文教関係予算
に関する質疑は追って行うことといたします。
—————————————
佐藤觀次郎
6
○
佐藤委員長
次に、昨日に引き続き文教行政に関する質疑に入ります。辻原弘市君。
辻原弘市
7
○辻原
委員
映倫の問題は大臣に少しただしておきたいこともありますから、大臣が見えられてからにいたしたいと思います。それまで最近これも非常に重要な問題になっておりますし、いろいろな観点があってやや論争が起っております
学校
統廃合に関する問題について、
最初
に初中
局長
に伺っておきます。すでに文部省では一応
学校
統合に関する方針を定めて、これを中教審に諮問されたということを聞いておりますが、その方針とは一体どういうものであるのか。それからいま
一つ
は、
中央
教育
審議会でどのような審議の過程をとっておるのか、その中間的な報告が文部省に参っておるならば、これを明らかにしていただきたい。 それからちょっと
委員長
に希望がありますが、
説明
は
一つ
簡潔にやっていただきたい。
緒方信一
8
○緒方
説明
員 公立小
中学校
の
学校
統合方策につきまして、八月二十七日に大臣から
中央
教育
審議会に諮問をいたしました。これは町村合併が進みまして、
学校
統合の気運も
地方
で起っておりまするし、またわが国におきまする
学校
の規模を
考え
てみます場合に、小規模の
学校
が
相当
多い。たとえば五学級以下の
学校
が三割を占めるといったような現状でございまして、これは
教育
効果の点から申しましても、あるいはまた
学校
経営の経済的な効率の観点から申しましても、できるならばこれを適正規模に改めていくということが必要であろうと存じまして、冒頭に申し上げましたように、現在
地方
におきまして実際に町村合併の促進、あるいはまた新町村
建設
促進法でございますか、この
法律
の
実施
等によりまして、気運が起っておりますので、文部省としましてもこれに対しまする方策をはっきりきめまして、そうして
地方
を
指導
していきたい。その方策をきめますために、
中央
教育
審議会に諮問をいたしたのであります。目下審議中でございまして、そう遠くないうちに答申を出してもらえるのじゃないかと期待をいたしております。
辻原弘市
9
○辻原
委員
やや抽象的で、具体的な方針というものがわかりにくいのでございますが、
学校
統合ということになりますると、ひっかかってくる問題は、第一に新しい統合の場合に適正規模をどうするか。もう
一つ
は現在持っておる特に
教職員
定員、これ等とのにらみ合せの問題が起ってくると思います。それから
建設
にからまる新しい
施設
の問題が起ってくる。私は重要な問題はこの三つに帰すると思いますが、その中で第一のいわゆる新市町村
建設
といいますか、町村合併の促進法に基くものは、大体本月をもって一応完了するようであります。大体それらの合併がほぼ一段落ついたと見ていいわけでありますから、それらの現況に見合って、どの程度の規模のものをどういう形で設置していくかについての具体的な
方法
、方策というものをもって、おそらく中教審に示されたのではないかと私は思いますが、どの程度の具体的なものを示されたか、それを
一つ
お知らせいただきたい。
緒方信一
10
○緒方
説明
員 簡単にというお話でございましたから、きわめて抽象的に申しましたが、さらにお尋ねでございますので申し上げますが、諮問をいたしました要点はただいまお話の
通り
でございまして、統合の方策をきめます上におきましては、第一にいかなる規模を適正な標準規模としてそれを基準にやっていくか、これが
一つ
ございます。これをどういうふうにきめるかということを諮問いたしておるわけであります。文部省としてあらかじめ原案をもって示したわけじゃございませんで、中教審にお諮りして、そして中教審の審議に伴って文部省も
研究
資料を出してきめていただく、こういうことにいたしております。そこで先ほど申し上げましたように、わが国は相・当小さい規模の
学校
が多い、いろいろ統計的に見ましても、概括的に申しまして十二学級あるいは十八
学校
、その程度のところが、一番実際の効率の点から申しましても、教員配置の点あるいは
学校
経費
の点等から申しましても、一応大づかみに申しますと、その辺じゃなかろうかというふうな
考え方
がございます。それをなお精密に検討いたしまして中教審に示し、中教審の
研究
と待って一応のところをきめていきたい、かような
考え方
が
一つ
。それからもう
一つ
は、統合いたしますと、どうしても通学距離の問題が起ってきます。通学距離をどれくらいに
考え
るかということが
一つ
の要点であろうと思います。現在各
地方
ですでに
学校
統合の方針をきめてやっておるところもございまして、県によってきめておりますけれども、これも大体実情でございますが、四キロないし六キロということをきめておるところが多いようであります。これらの点につきましても、なお文部省として検討してみたいと
考え
ております。それから今お触れになりました統合するにつきまして
助成
の問題がございます。
一つ
は統合のための
施設
の
助成
、あるいはまた通学のための交通
機関
等に対しまする
助成
、かようなことがございますから、それについて答申を求めておるわけでございます。
学校
統合の
施設
につきましては、三十一
年度
からすでに
予算
がついておりますが、さらに来
年度
も
要求
中でございまするし、それからなお
スクール
・バス等につきましても、これは僻地の
教育
振興
等に関連いたしますので、その観点からいたしまして、これも必要でありますので、
予算
要求
をいたしております。
辻原弘市
11
○辻原
委員
その中教審の答申は、大体いつごろ行われる予定であるのか、それからこれは大臣にお伺いする問題であろうと思いますが、その答申が出ましたならば、これをどういう形で
実施
していくのか。
助成
の問題は別でありますけれども、
一つ
の新しい統合に関する具体的な方策というものが確定した、それにのっとって何かの法的措置をとろうというのか、ないしは行政措置でやろうというのか、また、それをある程度強制力を持たしてやろうというのか、この点について……。
緒方信一
12
○緒方
説明
員
学校
統合ということは、いろいろその
地方
の実情もございますし、社会的ないろいろな条件もございますので、これを一律に
一つ
の基準をきめて強制をするというやり方はできないと思います。従いまして今私どもの
考え
は、やるならばこういう基準だと、
一つ
の基準といたしまして示しまして、ただ先ほど申しましたように、
相当
地方
でも熱意が起っておりますから、その点につきましては積極的に
指導
はいたしておりますが、行政
指導
としてやって参りたい、かように
考え
ております。
辻原弘市
13
○辻原
委員
中教審の答申の見通し……。
緒方信一
14
○緒方
説明
員 答申の見通しは、ちょっとまだ申し上げかねますが、そう遠からぬうちに出て参ると思いますけれども、まだいつということはちょっと申し上げかねます。今小
委員
会を作りまして、中教審自体といたしましても、鋭意
研究
していただいておる
段階
でございますから、ここ半月か一月以内には出していただけるのではないかと、かように期待いたしております。
辻原弘市
15
○辻原
委員
教育
的に見た場合に、
学校
統合というものは価値のあるものだとわれわれも
考え
ております。ただし問題は、これは町村合併でも同じでありますが、
一つ
の方策を国が、確定してそれを行政的にしろ法的にしろ、強制するような傾向が生まれたならば、これは
地方
に紛糾を招くもとであります。それと同時にいま
一つ
は、
教育
の中でも、
日本
の場合に、山間僻地というものは特に
僻地教育
というものが強調されておるように思う。私は
地方
に間々見るのでありますが、非常に無理な山間であっても、国の方針がそういう形に確定したとなると、どうもそれにくつついて、無理な町村合併、無理な
学校
統合が行われるような傾向もある。その点は
指導
に当っては
一つ
十分お
考え
をいただきたいことと、それからいま
一つ
、
学校
を統合する妙味は、おそらく文部省の腹の中あるいは
大蔵省
等では、教員定数の問題に対して
相当
有利になるのじゃないかという見方がある。この点は安易に統合を、定員を減少させるというふうなことに妙味を置いて、促進するようなことは、逆にそのために過大な教員減を来たすおそれが非常に多いと思いますので、その点についても留意をしていただきたいと思うのであります。特にこの問題は、文部省の方では何か新しく教員定数の算定方式を
考え
られておるようでありますが、それらとも見合って、少くとも現状の教員定数——と申しますのは、先ほど会計
課長
の
説明
にもありましたように、小
学校
においてまだ生徒数が増加している傾向でありますから、今減少させるような方向をとることは非常に問題がある。その点は
考え
ていただくと同時に、今町村合併に基く教員定数の問題をどういうふうに
考え
ているか、初中
局長
の見解を
一つ
聞いておきたいと思います。
緒方信一
16
○緒方
説明
員 前段に言われました、強制をしてはいかぬという点は、初めからその
通り
に
考え
ております。 それからなお、いかに
学校
統合をやるといたしましても、それは事実上できない、こういうことです。特に山間僻地におきまして、むしろこれは非常にむずかしい点がある。これはもちろん残る僻地につきましては、
僻地教育
振興
という観点からまた施策を進めなければならぬと
考え
まして、先ほど会計
課長
から
説明
がありましたように、その面の
予算
要求
等もいたしておりますし、その努力は従来と変らず一そう強化していきたい、かように
考え
ます。 それから教員定数の問題は、これもお話の
通り
でございまして、むしろねらっておりますところは、先ほども申しました
通り
に、小規模
学校
におきましては教員の配置が効率的でなくて、三学級五学級という
学校
ではそう豊富な教員配置はできませんので、どうしても
教育
的に見まして欠けるところができて参ります。それが
相当
大きな規模の
学級数
になりますと、それが十分効率的に活動ができまして、
教育
内容
の面から申しまして非常に利点があると
考え
ております。そういう観点から進めておるわけでありまして、今お話のように何か教員定数を減らすということを目標にしてやっておるということはございません。これは純粋に文部省の施策なのでございます。
辻原弘市
17
○辻原
委員
私もこの問題について文部省の状況をいろいろ漏れ承わるのでありますが、今お話を承わりますと町村合併あるいは新町村
建設
という、そういった今の
地方
の動きに即応した統合であるというふうに
考え
るのでありますが、そういうふうにはっきり割り切られておるのか。それとも
教育
的にやはり統合を推進していかなければならぬ。従って小中学の統合という形が一応終ればあるいは
高等学校
ないしは
大学
こういう形に即応して及ぼしていかれるような、そういう全体の体系の中でこれを
考え
られておるのか、その点についてやや疑問がありますので、
義務教育
の面、いわゆる新町村
建設
という面にくつついた
学校
統合をやるという形だけでやるのか、さらにそれを上位の
学校
に及ぼしていくのか、この点だけ
一つ
承わりたい。
緒方信一
18
○緒方
説明
員 これは新町村
建設
、町村合併の観点だけかとおっしゃいますと、そうでないと申し上げなければならないのであります。小規模
学校
というものの
教育
的の観点から見まして、非常に不効率、能率的でありませんから、これを
教育
的観点から見まして適正の規模に持っていきたい、こういう根本的の
考え方
がございます。しかしこれはあくまでも公立小
中学校
の問題でありまして、
高等学校
以上の問題につきましては
考え
ておりません。その意味におきましては新町村
建設
とからみ合う問題であります。 なお
高等学校
の問題につきましては
定時制
の分校の統配合の問題等がいろいろございますが、これは別の問題として
考え
なければならないと
考え
ておるのでありまして、先ほど会計
課長
からも
説明
いたしましたように、その面に対します財政的な力を強化していきたい、かように
考え
ております。
辻原弘市
19
○辻原
委員
でき得べくんば、今お答えなさったような形のものが中教審に諮問されたんだろうと思いまするから、中教審に諮問された、そういった材料がありましたら、
一つ
委員
会に御提示を願いたいと思います。 それから次に
管理局長
に伺いますが、今初中局の方で町村合併に基く
学校
統廃合の問題に対する方針を近く確定されるような話でありますが、そういたしますと、問題はやはり
施設
に対する
助成
でありますが、これはたしか当
委員
会でこの問題を取り上げまして、
地方
が自主的に統合を
決定
してやるという場合においては、積極的に国も
援助
すべきである、こういうことを議決したことがありましたが、本
年度
三億の
予算
でもってやった結果、おそらく不十分であったように思いますが、それについて大体もう結果が出てると思いますので、簡単に現況を、どの程度の規模があってどの程度の
助成
が行われたか、さらに本
年度
の
実施
計画
として先ほどの
予算
説明
の中ではこまかくわかりませんが、概略どういう
計画
を持たれておるか、これをちょっと承わっておきたい。
小林行雄
20
○
小林
説明
員 町村合併に伴う
学校
統合の
予算
は、ただいまお話のございましたように、今
年度
初めてとれたわけでございますが、
予算
額は三億でございまして
実施
の予定坪数は大体一万七千坪でございます。これは各府県に平等に割ったといたしますと、大体一府県三百坪程度という計算になるわけでございます。これに対しまして、実は私どもは
予算
坪数が少いものでありますので、各府県からの申請を
相当
しぼったのでございますが、それでも五倍程度の申請が出ております。もしこれをしぼらなければ十倍以上にも申請があったのじゃないかというふうに
考え
ております。現在この
学校
統合の
予算
は各府県とも大体配分を終っておりますが、
学校
数にして大体五十校程度のものに配分されておるようでございます。今
年度
の
予算
の
実施
状況はそういった状況でございますので、来
年度
についてはこの
学校
統合に関する
予算
は、特に
重点
を置いて
大蔵省
と折衝いたしたいと
考え
ております。大体本
年度
の
予算
が三億と申しますと、私どもの一応の計算からいたしますと、大体十四分の一程度のものでございますので、これでは今後本
年度
のままで行きますと十四年もかかるということになるわけでございます。私どもといたしましては、できればこれを今後三年間のうちと完全に
実施
をしたいというので、残りの予定坪数約二十五万坪の三分の一を
大蔵省
に
要求
することにいたしておるわけでございます。
辻原弘市
21
○辻原
委員
町村合併促進法を作って、
地方
にほんとうに町村合併に国が
助成
をするということを具体的に現わしたのは、おそらく私はこの文部省の統合
予算
くらいであろうと思います。その他いろいろ起債
関係
等の
援助
があるようでございますけれども、実際目に立って国が
地方
の合併に対して協力をしたという例は、この
予算
一つ
だと私は申し上げても差しつかえないと思う。この
予算
のありがたみは
地方
は感じておると思います。ただ問題は、この
予算
のみに限らず、その他の
施設
の
助成
を全般的に見た場合に、やはり
地方
負担
が非常に増大しておるという傾向です。この点について十分
一つ
思いをめぐらしていただきたい。私は特に今年文部当局にも、また近く
予算
が確定した後においては
国会
においても、そういう点を強調いたしたいと思うのでありますけれども、坪数を確保して多くをやるという方針まことにけっこうでありますが、それを急ぐあまりに置き捨てられて、結局
地方
では
補助
があるから
建設
をしたい、しかしもらったところが
地方
負担
が非常にかさんできて、耐えられない新たな赤字の原因を生んでおる、こういう結果が出ておることを
局長
もよく
御存じ
だろうと思いますので
一つ
。——幸いに
対象
はゼロから出発をいたしておるようでありますから、その点についてはこれは非常に画期的だと思う。 さらに今
年度
の
重点
として
考え
て、大蔵当局とも、十分なる折衝を遂げていただきたい点は
単価
の問題なのであります。御承知のように昨年からの鉄資材の値上りは目ざましいものがあって、株式その他を見ましても一目瞭然でありますように、約三割ないし四割、ひどいものになると五割方上っておる。本年配分されましたものを見ますると、
予算
単価
五万七千、実際
地方
に鉄筋
校舎
等でやった場合には五万五千ないし五万四千程度で配分せられていると思いますが、ところが事実上現在請負契約を済ましたものを見ますると大体六万ないし六万五千、少しかさむものになりますと約七万程度、こういうのが
一般
の傾向だと思います。そうしますると認証は、坪数において
相当
量のものを見ましても、
単価
の面における切り捨てが非常に多い、その方だけはこれは
助成
もなく、起債の
対象
にもならない、純町村の
負担
ということになる、ここに私は非常に重要な問題があると思います。本
年度
下半期等において鉄鋼資材の値下りが予想されるならば、これはけっこうでありますけれども、今の場合ちょっと予想されがたいので、本
年度
の
予算
については昨年一昨年とは
相当
傾向が違うということはすでに御認識だと思いますので、多くは申し上げませんが、この点は十分考慮を願って、資材の値上りに見合う
単価
補正を御考慮いただきたい。三十二
年度
の
予算
はこれは当然のことでありますが、すでに配分をした本
年度
の
予算
についても何らかの臨時的措置でも講じなければちょっと追っつかない町村が出るのじゃないか。これをおそらく行政上の立場から見れば、
予算
が少いんだからそのためにやれないところはやらぬでもいいじゃないが、こういう議論になると思いますが、しかしやらなければならぬというところはそれはどうしてもやらなければならぬということになる。それは金があるからやるということじゃない、必要欠くべからざるものとしてやるということでありますから、そういう一行政上の冷たい観点を出されないで、との点についての補正措置、これを
一つ
考慮願いたいと思いますが、いかがなものでしょうか、何か
方法
をお
考え
になっておられるか、お伺いいたします。
小林行雄
22
○
小林
説明
員 前段の
地方
負担
の増大、設置者の
負担
が増大するということに関連いたしまして
補助
予算
の充足率の問題がございますが、従来は御承知のように市町村で予定いたしました工事に対しまして四〇%あるいは五〇%程度の
補助
しかなしてないというような事例もございまして、そのために設置者の
負担
が非常に大きくなるということもあって、これが批判されておったのでございます。今
年度
につきましてはこれをできるだけ引き上げまして、原則として八〇%を目標にするようにしてもらいたいということで、府県に指示をいたしておるのであります。場合によっては多少それを割っておる府県もあるかと思いますけれども、大体充足率は高まっておると思うのでありましてこの点につきましては
明年度
以降もできるだけそういった線に沿っていきたいと思っております。なお後段の鉄鋼の値段の増高に伴う鉄筋あるいは鉄骨
校舎
の建築難という問題でございますが、確かに一部では最近非常に値上りのために請負が困難になっておるというような話もございます。しかしまた他面一部の府県では現在なお、現在の
予算
単価
を下回って低い
単価
で工事が進行しておるというようなものもございます。従って請負工事の値段が非常にアンバランスな状況であります。私どももこの点は心配をいたしておりまして先般も各府県の、その方の
学校
建築の主管の
課長
に集まってもらいまして、最近の建築状況についていろいろ意見を聞いたのでありますが、現在ではまだそれほど府県の主管
課長
としては強い要望ではないようでございます。しかし文部省といたしましては今後も十分状況の推移を注目いたしまして、もし必要があれば何らかの
対策
を講じたいと思っております。
単価
の引き上げというようなことは、これは文部省だけでなしに、
関係
の各省がございますので、なかなか困難かと思いますが、いずれにいたしましても何らかの
対策
を講じたいと思っております。
辻原弘市
23
○辻原
委員
その点はやや私と
局長
の認識が違うようであります。またこの間何か二十五日、六日に
課長
会議
を開かれたようでありますが、
課長
さん方の意向とも若干違うようであります。おそらく実際の町村の工事施行者を集めて意見を徴すれば私のような意見になるかと思います。それは先ほど私が申しましたように、やはり行政をやられる立場に立たれると、むしろやはり非常に希望が多いために、でき得べくんば坪数が多い方がよい、あと
単価
の問題、これは町村の問題なのであります。従ってどうもその点の意見を強調するよりも、多々ますます弁ずで、坪数を確保していく、充足率を高めるということに
重点
が置かれるのが人情の常ではないか、こういうふうに
局長
の答弁を拝察したわけであります。やはり実際は確かにアンバランスは多少あるかと思います。私も若干調査をいたしましたが、アンバランスはあると思います。しかし目ざましい値上り傾向はこれは否定し得ません、請負の仕事はいろいろ
方法
がありますから、必ずしも適正な時価によって請負契約が結ばれておるとは
考え
られません、地元請負もあれば、いろいろの傾向があると思いますが、しかし大体において今まではあまり問題にならなかった資材の値上りということにおいてのいわゆる契約変更あるいは請負契約の不成立、こういうことが頻発しておるという現状は、これは全国的におそらく今びまんしておるだろうと思います。そういう点からおそらく私はこれは実際建築に入る時期には
相当
声が上ってくるのじゃないか、しかしどちらをとろうかということで非常にこれは
地方
としても、また文部省としても悩まれる点だろうと思います。ウエートの置きにくい点であると思いますけれども、やはり私は今の
地方財政
の現況、それと先ほど申し上げましたように、せっかく政策として統合を推進する以上、そのために新たな赤字を追加するような施策は厳に慎しむということが私は正しいのじゃないか、そういう観点で
単価
補正を
考え
ていただきたいと思いますが、まだまだその時期にあらずということではややこの点のテンポがおそいように見受けられますので、
一つ
再検討をお願いいたしておきたいと思います。 町村合併に関する問題は以上にとどめまして、次に初中
局長
に別の問題でお伺いをいたしておきたいと思います。それは昨日高津
委員
がちょっと触れられましたが、
教育
委員
の選任の問題であります。これもむしろ方針として大臣に承わった方がいいのでありますけれども、今ちょうどここ二、三日でほぼ全国的な選任が完了するようでありますが、その過程で起きた問題の
一つ
は、これは自民党が何か幹事長、それから文教の責任者名で出しました通牒からかもし出されたものであります。いま
一つ
は、文部省が、通牒ではなかったようでありますが、通知ですか、
国立大学
、いわゆる国家公務員である
教職員
については兼職は好ましくないというような通知、この点で
地方
での選任に
相当
影響を来たしておるようであります。前者の問題は、
局長
にお伺いしてもあずかり知らぬところだろうと思いますので、大臣に承わりたいと思いますが、そのあとの
国立大学
の教授の兼職は好ましくないというのですか、これは許可しないというのですか、これについて若干お伺いしたいのです。これはそういう質問があったので回答されたということでありますが、どういう観点で、なぜいけないのかということを
一つ
お知らせを願いたいと思います。
緒方信一
24
○緒方
説明
員 これはただいまお話のように、岡山市の
教育
委員
といたしまして岡山
大学
の
先生
を任命することについて問題が起ったわけでありまして、文部省といたしましてその間い合せに対しまして、その場合におきましてその
大学
の教授としての職務に専念するためには、
教育
委員
を兼ねることは好ましくないという
考え方
を示したのであります。そのことを参考といたしまして各
大学
に通知をいたした、それが今のお話の問題であろうと思います。これは本質におきまして、国家公務員につきましては、その兼任の場合には国家公務員法に基きまして任命権者がそれぞれ規制をいたすことになっております。許可をすれば
法律
上は任命できるのでございますけれども、しかし
大学
教授の職責からいたしまして、実際に
教育
行政事務の執行
機関
でありまする
教育
委員
会の
委員
といたしましては、それを兼ねることは好ましくない、こういう観点でそういうふうな通知をいたしたのであります。
辻原弘市
25
○辻原
委員
これは
一般
的に許可しないという、そういう意味合いでの通知なんですか。というのは、今お話のごとく、われわれの理解としては
法律
上
教職員
の場合には国家公務員法の特例法ですか、あれによって所轄庁の許可を受ければ兼職してよい、兼職してならない職務を除いて、差しつかえない場合には所轄庁が許可をするということになっておりますが、従来やられておった例を見ると、これは個々にやっておるようであります。全般的に禁止をする必要があるならば、これは
法律
上の措置を伴う。しかも新教委法はようやく二十四
国会
で成立したばかりで、
相当
不要な
項目
まで入れて膨大なものになっております。もし必要とあらば、なぜ新教委法の中で措置をしなかったかという疑問が起ります。その中に法的措置をとっておらないから、これは
一般
的に禁止するのではなしに、個々に
法律
に準拠して一々のケースについて許可あるいは不許可をきめておる、こういうように理解しておる。おそらく実際選任する
地方
の側においても、そういう理解であったのではないかと思う。それを通知という形で
一般
的に禁止されたような傾向がありますが、そう理解していいのですか。
緒方信一
26
○緒方
説明
員 お話のように国家公務員につきましては、それぞれの任命権者の判断にまかせておるわけでありますから、何も
大学
教授だけの問題ではございませんで、国家公務員として
地方
に働いておるいろいろな種類の国家公務員がありますから、それを任命権者である道都府県あるいは市町村の長が任命しようとする場合には、それぞれの任命権者の許可が要る、こういうことに相なるわけであります。そこで
大学
教授につきましては、先ほど申しましたように、文部省としましては、文部省が任命いたしますから、任命権者としての立場からいたしまして
大学
教授の職責に専念をしてもらうためには、この際
教育
委員
を兼ねることは好ましくない、こういうことを岡山に対して申しました。そしてこれはやはりいろいろほかの
大学
でも問題がありましようから、その意向をほかの
大学
にも一応通知をしたというのが、今の通知の問題でございます。従いまして、これは許可を受けようとする場合には個々に出て参ります。しかし文部省の態度としましては、今申しましたような好ましくないという態度で臨む、こういうことでございます。
辻原弘市
27
○辻原
委員
態度として好ましくないというのは
一般
的ですね。そういう態度を文部省が持っておるならば、
地方
では選任を差し控えるということは当りまえです。従ってどなたが非常に
教育
委員
に適任であり、しかも業務上そうさした支障もないと
考え
ておろうが、それは問題じゃなしに、ともかく甲、乙、丙、丁、いずれもが
国立学校
の
教職員
である以上は全般的に不許可の方針なんだ、こういう取扱いですね。それはおかしいというのです。それならばその他のこれと同じような非常勤の
委員
についても、同一の方針をとっていなければならないが、事
教育
委員
にだけそういうような通知を出されて、不許可方針をとっておるということについては、何らかへんぱな取扱いのように
考え
られる。労働
委員
等については
相当
有能な
大学
教授が兼任をして、しかも
実績
を上げております。こういう点はなぜ
教育
委員
だけそういうふうに限定されたか。もちろん
教育
という非常にボリュームのある仕事でありますから、常識的にはわかるのでありますけれども、しかしそれは個々に検討すれば解決のつく問題です。かりにその個人の仕事が忙しくっても、その人がより有能であり、より能率的な人であるならば、兼任することも可能でしよう。そういうことは
一つ
一つ
のケースを調べてみなければわからない、それを
最初
からシャット・アウトするということは、これは何かの
考え方
があるとこういうふうに見られてもいたし方のない事柄だと私は思う。この点についてはどうでしょうか。
緒方信一
28
○緒方
説明
員 何かの
考え方
はこれは全然ございません。先ほどから申しますように、
大学
教授としての職責に専念するために——やはり今お話の点もございましたように、
教育
委員
会の
委員
といたしましては、
相当
仕事の
内容
がボリュームもございますし、具体的な執行
機関
の職責でございますから、
大学
教授としての職責に専念してもらうという意味からいたしまして好ましくないということであります。そのほかの意味は全然ございません。
辻原弘市
29
○辻原
委員
新教委法に基く
委員
の選任ということについてあなた方がこういう利点があると特にやかましく言われたのは、広く人材がどういう
方面
からでも得られるからです、それだから公選よりもその方がいいのだというようなことを言われる。ところがそういうことを言われながらに、片方においてやはり
地方
では
大学
の教授というような立場は比較的これは純粋な立場で、政治的にもあるいは社会的にも一応認められておる人たちです。そういう人たちをシャット・アウトして、そうしてそれ以外から選任をしなさいということは、それ自体すでに人材を網羅するというあなた方の提案趣旨の新教委法の
考え方
にももとっておるように思う。理屈をこねれば、
大学
の
先生
は非常に忙しい、学問に専念をしなくちゃならぬ、
教育
委員
も非常に忙しい、しかし忙しいからという事柄を全部に推して、それじゃいかぬということならば、労働
委員
だって同じようなことが言えます。労働
委員
の最近の仕事のボリュームというものは——地域にもよりますけれども、都会地の労働
委員
なんというのは非常に激務であります。むしろ
教育
委員
方よりもある時期における時間的なことから言えば、夜を徹して調停に当らなければならぬ、あるいは労使の間を歴訪してそれの解決に尽力をせなければならぬ、その仕事のボリューム、精神的な労苦というものは、私は
教育
委員
に決して劣るものではないと思う。それを片方においては問題にしないで許可しておいて、一方においてこれだけを禁止するということは、どうも非常に仕事のボリュームが多いからということの理由だけでは、これはうなずけません。しかしこれは水かけ論になります。しかしそういうことが必要であるならば、あなた方が法的措置をとればよろしい。
法律
で、国民の批判、
国会
における審議を待たないで、全般的に及ぼすような事柄を一片の通牒で事実上シャット・アウトしてしまうというのは、私は行政措置として行き過ぎであるように思います。何か
方法
を
考え
るべきじゃないか。 それからもう
一つ
は、東京ですでに発足しおりますが、季さんが、たしかこれは該当する国家公務員の
教職員
だろうと思いますが、この人については許可をされました。許可をされたから
委員
に選任されたんだろうと思うのですが、あなた方のそういう態度であるならば、この人も当然不許可にならなければならぬはずなんだけれども、許可をされているのはどういう
考え方
ですか。
緒方信一
30
○緒方
説明
員 その広く人材を求めるという要請が
一つ
ございます。しかしまた一面任命権者としての文部大臣の立場から判断するという立場も
一つ
あると思います。それは
両方
勘案して運営していくべきものであろうと
考え
ております。 それからなお、これは先ほど申しましたように、
大学
教授だけではございません。国家公務員いろいろございますが、中にはその任命権者の判断からいたしまして、そういう任命があった場合に許可をするということもあり得ると思います。これは
法律
措置の問題とは
関係
ないと思います。 それからなお、お尋ねの東京の
教育
委員
に任命されました木下学芸
大学
学長の問題でございますが、これは近く任期が参りまして、これはそれが前提になって許可をしました。
辻原弘市
31
○辻原
委員
最後に一言
局長
に申し上げておきますが、今大臣が見えられましたので、大臣に伺ってもいいのでありますけれども、木下さんはまことにりっぱな人でありますから、私は選任されたことについては何ら問題はないと思う。しかしながら選任をすることが好ましくないという
一般
法則を立てられた通牒を流しておきながら、やはり大臣の権限にあるんだから、その裁量の余地があるというようなことになれば、それは選り食いですよ。この人ならば気づかいないだろう、自分の気にかなった人だけは選任をして、それ以外のものは
一般
原則で締め出すというようなことに運用されるんです。それは現実にそういうことがあったというんではありません。しかし一例としてすでに——全部いかぬということならば、いい悪いという論争の問題になる。ところがいけませんぞと言っておきながら、最も手近なところでちゃんと選任してある。任期が切れるかどうかは将来の問題なんです。今現実の問題で、やはり判断すべきです。そういうことになれば、
教育
行政というものは間に合せだということになりますよ。かりに一カ月だろうが二カ月だろうが、仕事にたえられないということならば、学芸
大学
学長のお仕事が、その間留守だという議論になるわけです。あなた方の立論から言いますならば、それをおやめなさってから別個に選任されますのならばけっこうです。しかしそうではなくして、現実にその職にあるときにやっておりますから、すでに
一般
原則は破っておる。それならばそういうふうに全国的に、やはり岡山県でこういうりっぱな人が推薦されたならば、その人の仕事の分量、岡山県の実情等に立って検討して、許可、不許可をきめるべきであると私は言うのです。これは通牒でありますから何らの拘束力を持ちません。しかし所轄庁としてのあなた方の権限がございますので、その権限を行使される場合には、
一つ
今申し上げたようなことも考慮されて選り食いをしたりあるいは全部シャット・アウトしたりするというふうな、そういう行政上行き過ぎたことのないように、
一つ
この点はおやりをいただきたい。ちょうど今時期であります。しかもその問題でひっかかっておる県が一、二あるように私も聞いております。十分考慮を願っておきたいと思います。
緒方信一
32
○緒方
説明
員 先ほど私木下学長について申し上げました
説明
が、不十分だったかと存じますので、さらに補足して申し上げますと、木下学長は任期がたしか十月の二十日までだと思います。そこでもう御自身お出にならないわけでありますから、任期がそこで切れます。そこで今わずかの期間でもというお話でございますけれども、しかし
一般
的な態度として、先ほど申しました問題と、今の二十日間という問題は、これは質的に違う問題であると思います。その点だけつけ加えて御
説明
を申し上げます。
辻原弘市
33
○辻原
委員
文部大臣が見えられましたので、本論に帰りまして、この
機会
に最近非常に問題になっておりますし、われわれもどうも文部当局の態度にいささか不審な点もありますから、お伺いをいたしておきたいのでありますが、それは不良
映画
等に対する文部省の取扱い態度、また今後の
指導
方針であります。俗にいわれる太陽族
映画
「太陽の季節」を契機にいたしまして、あるいは「暴力教室」とかその他類似の
映画
が市中に公々然として上映されております。まあ
映画
館のわきにはちょっぴり小さい札で、何か未成年者の入場を禁止するというようなことかかかっておりますが、事実上大した効果はございません。こういうことかり非常に世論に問題を提起いたしまして、言論
機関
とかあるいは
関係
団体
、こういうところからの文部当局に対する批判の声が上っておりますし、同時にまた
映画
製作者に対する痛烈な反省を求むる声も上っておるようであります。同時に現在これらの
映画
の審査を取り扱っておるといいますか、
映画
の
一つ
の道徳的な基準を取り扱っている
映画
倫理規程管理
委員
会に対する手きびしい声もわれわれは聞くのであります。これらの問題をめぐって、いろいろ文部省の方でも検討せられておるようでありますが、どうもはっきりした態度が見えないのであります。そこで私は端的に伺いたいのでありますが、こういう
一連
の
映画
について、大臣はいかに
考え
られておるか、この点をまず伺っておきたい。
清瀬一郎
34
○清瀬国務大臣 今辻原君より御提出の問題は、
青少年
の
教育
上実に重大な問題でございます。それゆえに文部省といたしましても、いかにこれを扱うか
研究
を進めております。御承知の
通り
、戦後の文部行政は、かような重大な問題については独断することなく、審議会等の議を経て決しておるのでございます。これに
関係
しております審議会は、わが文部省に
社会教育
審議会の中で、
青少年
の分科会というのがあります。それから内閣における
青少年
問題協議会もございます。これは
法律
によるものであって、その中には
国会
議員も入っていらっしゃるし、
教育
家も入っていらっしゃる。ここに御列席の
委員
も入っていらっしゃるのであります。この二つの
機関
で今
対策
を審議
研究
いたしておるのであります。前者すなわち文部省内の
社会教育
審議会は分科会を設け審議された結果、本年の八月三十一日に
一つ
の答申を受けております。皆さんの御審議の参考としてごらん下さるならば、差し出してよろしいのでございます。長文でありますから、これを朗読すると、ちょっと時間がかかりますけれども、三段に分けて、一段はまず優秀な、よりいい
映画
を作成して不良なものを競争場より駆逐するという
考え
が
一つ
であります。第二は不良
映画
の未成年者に対する観覧を制限する、この制限も一足飛びに
法律
というのではなくして、第一には
民間
における国民運動、第二は優秀な
映画
については保護を与える、あるいは免税の保護を与えるとか、
児童
映画
館を作ってその方を見せる、それから第三に調査の上立法の措置もとる、こういう三段に分けております。終りに積極的
対策
として
青少年
の教養、娯楽、リクリエーションの向上をはかる、こういうふうなきわめて念を足したいい答申が出ておりまするから、これは尊重いたしたいと思っております。内閣の方の審議会は過日ほぼこれと似たような案を——だれか原案者であったか知りませんが、これに基いて意見がかわされたと聞いております。それについてはいまだ結論を得ずして、なお引き続いて調査するということの報告を得ておるのでございます。 今の御質問の最後は、私はどう
考え
るかということでありまするが、これは
教育
上重要な問題でありまするから、文部省、すなわち文部大臣の諮問
機関
としてお出しになった
社会教育
審議会の決議を尊重いたしたい、かように思っております。
辻原弘市
35
○辻原
委員
文部省内における
社会教育
青少年
分科審議会での結論は今承わりました。そこで私は先刻太陽族
映画
というふうに前提を置きましたが、私はもう少し
映画
全般について幅を広げて
考え
てその問題と取っ組んでみたいと思います。それは太陽族
映画
という形で銘打たれて世間に喧伝されましたので、その問題だけが、
映画
の及ぼす悪影響という点について非常に大きく取り上げられておりますけれども、私はそれ以外に特に
義務教育関係
の生徒
児童
に及ぼす影響としては、あるいはギャング
映画
、あるいは戦争まがいのちゃんばら
映画
というようなものも太陽族
映画
等の性的
映画
にまさるとも劣らぬ悪影響を与えておると思うのであります。従ってその
対策
については問題を二つに割って
一つ
お
考え
をいただきたい。これは
考え方
としてはむずかしいのでありますけれども、
一つ
は
一般
の大衆が
映画
を見るという場合に、それらの
映画
についてどういうふうにして文化性を高めていくかという問題、それからもう
一つ
は、直接文部大臣とされまして毛やはり
教育
の主管大臣でありますから、いわゆる
教育
の
対象
となっておる生徒、
児童
に
映画
がいかなる影響を及ぼしているか、その悪影響をどういうふうに取り除いていくか、この二つに問題を限定して
考え
ていただきたい。そういう立場から今の御方針を承わりますと、三つのうちで第一の優秀作品をどんどん作っていって、それによって不良を駆逐する、これはだれもが異論のないところでありましょう。しかし言うべくしてなかなかむずかしい、これができれば物事は簡単でありますが、言うべくして非常にむずかしいことであります。しかし
考え方
にはもちろん
異議
のあるはずはありません。第二番目の不良
映画
の未成年者に対する観覧の制限、これに私は具体的措置として後刻申し上げたいと思うのでありますが、いま少し端的に、しかも具体的に
一つ
措置をお
考え
になられてはどうかという意見をあとで申し上げたい。第三番目の立法措置ということでありますが、これは未成年者ということを
対象
にして立法措置をとりたいというのがお
考え
のように今まで聞いておるのでありますが、この立法措置について文部省内の審議会は一応答申をされた。それから聞くところによりますと、八月十四日に閣議においてもそういう問題が爼上に上ったとかいう話でありますが、その話を聞いてもやはり何か立法措置、さらにその立法の幅を広げて
映画
法というようなものを作りたいというふうな話し合いが行われたということも聞いておるのでありますが、この立法措置ということについての閣議、それから審議会じゃなしに文部当局としてすでに正式な態度をきめておられるのかどうか、この点を
一つ
承わりたいと思います。もしその立法措置ということになれば、大体どういうような範囲、
内容
を持つのか、これも承わりたいと思います。
清瀬一郎
36
○清瀬国務大臣 閣議で
映画
法を作ろうということのあったという報道は誤報であります。間違いであります。そんなことは言ったこともなし、
決定
されたこともございません。しかしながら今
説明
いたしましたように、文部省内の
青少年
の審議会においては最後の手段として不良
映画
に対しては積極的に立法措置をも講ずることということをわれわれの諮問に対して答申されております。これは答申の順序から言えば、やはり国民運動が第一で、第二には優秀
映画
の奨励、第三の
方法
として推奨されておるのであります。先刻もお答え申し上げました
通り
、この答申は尊重したいと私は思っております。しかしながら内閣における他の審議会が今審議中でございまするから、私も閣僚の一人としてその答申を待っております。しかし質疑応答が重複せぬように申し上ぐれば、わが国では憲法に検閲は禁止せられております。これはほかの規定と違って絶対禁止であります。ゆえに
法律
を作るとしても検閲法は作らないということは、私ここで明言いたしておきます。目的は
教育
目的で、観覧の側の検閲といえば
映画
自身を審査する、観覧の側における
学校
の
教育
程度とか青年の年令とか、そういうことの方の制限に進むのじゃないか、かように思っております。
辻原弘市
37
○辻原
委員
非常に
考え方
の大事な点でありますので、今の大臣のお
考え
によれば、
一般
的に
映画
を検閲するというようなことを、戦前に行われた検閲
制度
、こういうものは憲法上絶対やらない、もし審議会が答申をした線に沿って立法措置をするならば、
教育
上の観点でいわゆる観覧者を制限するというような形の立法に進むのではないか、こういうふうに今お答えになられたのですが、そういうふうに承わってよろしいでしょうか。
清瀬一郎
38
○清瀬国務大臣 おおむねそれでいいと思っております。
教育
目的のためにということが
一つ
。それから
対象
たる者は、
青少年
、学童、こういうことになるのであります。この制限をする
機関
については、あるいは
教育
委員
会にまかす場合もありましようし、今までの各府県の条例は、知事がきめておる場合もあるのですね。知事がきめる場合は県会に響くことと思います。あるいは
学校
長ということもありましようし、このごろはPTAというような会もあります。おもに
教育
系統の人が、また
機関
がそのエレメントになって作業をする、こういうふうに私は
考え
ておるのです。しかしながら、これは先のことですから、その
通り
にするという公約じゃございませんけれども、率直にお答えする方がいいと思って申し上げておるのであります。
辻原弘市
39
○辻原
委員
検閲
制度
を復活しない、これは当然のことであります。しかし世上どうも
映画
法だのあるいは立法措置、
相当
な強制措置をとるということが誤解をせられて、またぞろ戦前のように文化に対する統制を加えるのではないかというような声が起っておりますが、本日の大臣のお答えによりましてその点ははっきりいたしました。われわれも検閲
制度
、いわゆる文化に制限を加える意味の立法措置には全く反対でありまするし、大臣。お
考え
に、その点に関する限りは賛成であります。 そこで、次の
教育
上の観点の問題でありますが、これも今承われば、
法律
上の措置によられようとしております。この点は、
法律
上の措置以前にもう少し積極的な手を打たれる必要がある、社会
局長
がおられますが、決して責めておるのではありませんので、非常にむずかしい問題ですから、寄ってたかっていい知恵を出して、国民
児童
の環境からそういう不良環境をなくしていくことに努めなければならぬとかねがね思っている一員です。その立場において、ただ観覧を禁止するということだけでは——これは私どもの小さい時分の経験から見ますと、どうも禁止せられれば見たくなるというのが子供心にもありますから、そういう子供の心を満足させる——昔の
教育映画
というようなものではなしに、もっと高い文化性を持った
映画
が、今の
一般
常設館においても、よく見れば中にあるのであります。いわゆる文化
映画
の範囲に入るか、劇
映画
との中間に位するか、それはわかりませんけれども、とにかくあることはあるのであります。そういうものに対する的確な取捨鑑別が行われ、そして
児童
生徒にそういうものを十分観覧させる
機会
を国として作らなければならぬ。今審議会の答申の中に、
児童
映画
館の設置ということがありましたが、これはその答申だけでなしに、ほんとうに大臣おやりになるような心組みがあるかどうか、この点を
一つ
承わっておきたいと思います。 その前に、もう少し私の
考え方
を申し上げておきたいと思うのですが、今までのように野放しで、小さい一年生の子供から全部、だれも補導責任者がなしに場末の常設館で見させることは、これは
教育
上どう
考え
ましても悪影響があります。そこで子供の興味をそらせるためには、やはりよい
映画
を、それもいわゆる勧善懲悪式の昔の
教育映画
では、これは子供に対する文化の与え方としては不十分だと思う。そういうことではなしに、幸い先ほど御
説明
いただいた
予算
の中にも、積極的に
教育映画
を何していこうという心組みが見られるのであります。
教育映画
というとどうもニュアンスがおもしろくないのでありますけれども、しかし
教育映画
と俗に言いますから、
教育
的な価値を持つ優秀
映画
、私はこういうふうに定義づけたいと思います。そういうものを
一つ
は
学校
という
教育
環境の場、それぞれ
学校
でもう少し
映画
教育
ということに頭を打ち込んでやっていけば、現在では決して常設館に劣らないだけの上映が私は可能だと思う。そういうことにして
映画
に対する子供たちの魅力をそこに十分集める。しかしそれだけではどうしても私は不十分であると思う。
教育
くさくなって子供にきらわれる傾向になっていく。そこで問題になるのは、今日市中でもニュース館等で、独立した常設館という形をもって
相当
の観客を集めている。こういうものにもう少し進んだ文化
映画
あるいは
教育映画
というものを加味して
児童
映画
館というものがそれぞれのセンターとして作られるならば、子供たちの
映画
に対する興味とあわせて
映画
による
教育
、これを十分行い得るではないか。だから、いろいろ方針を並べるよりも、そういう積極的な具体策を
一つ
ここらで講じてみるお
考え
をはっきりお持ちになるかどうか、この点大臣の御方針でありますので、率直に
一つ
承わりたいと思います。
清瀬一郎
40
○清瀬国務大臣 今お問いの
児童
映画
館は作るつもりでございます。それからまた
教育
に
映画
を用いることもやるつもりであります。およそ人間の育成は直接の経験が一番よいのですね。失敗しても成功しても自分でやった経験が一番
教育
上よい。その次は見ることです。見ることといえば、絵画とか今の
教科書
のさし絵をたくさん使っておりますのもそれです。
映画
とか、その次に聞くことなんです。経験主義の学説ですでにきまっていることで、たれが
考え
てももっともであります。
教育
に動いておる絵、ムービー、
映画
を使わないということはないので、これも大いに使わせるつもりであります。今のお問いは二つであったと思います。二つともあなたのおっしゃることに大賛成であります。
辻原弘市
41
○辻原
委員
そういたしますと、少し突っ込んで伺っておきたいのであります。先ほど大体三
項目
ありましたが、
青少年
に対する
映画
教育
としてここにあげられているのは、会計
課長
の
説明
によりますと、主として
民間
でやっておる
映画
の中でよいものを選んで買い上げるというふうな程度できわめて微々たるものであります。大臣から今やりますと非常にはっきりした答弁を伺って私もうれしいのでありますが、
児童
映画
館をこの際やって、その環境の浄化と、いま
一つ
は
映画
により
教育
のあれを高めたい、まさに私はけっこうだと思うのであります。ところが文部省の
予算
要求
の中にそれは出ていないのですか、これは一体どういうことでしょうか。
内藤譽三郎
42
○内藤
説明
員 実は
要求
書の中には出ておりませんけれども、本
年度
ないし来
年度
の
事業
といたしまして、先ほど会計
課長
が御
説明
申しました
国立競技場
の建築
計画
がございます。その
競技場
の
予算
を一応十四億出しておりますが、その十四億の中には
競技場
の
施設
のほかに、大体円形になっておりまして
相当
なスペースがございますので、その下のスペースを利用いたしまして
児童
映画
館とかあるいはプールとか室内競技、そういうような子供のセンターにいたしたい、かように
考え
ておりまして、
一つ
モデル・ケースに
中央
で作ってみたい、非常に効果をあげますならば今後
予算
に計上いたしまして
地方
のセンターを
助成
して参りたいと
考え
ております。
辻原弘市
43
○辻原
委員
これはややこまかくなりますけれども、そういうものを国で大都会のどまん中にたった
一つ
建てるということよりも、むしろできれば
地方
にそういうものを持っていくという
考え方
にだんだん及ぼしてもらいたいということと、それから何も国だとか
地方
公共
団体
だけがそういうものを作るという
考え方
に立たなくてもいいと思います。これは
映画
はもうかるからどんどん常設館が立っていくのであります。今
教育映画
の会社はほとんどもうかっていない。いい
映画
を作ろうとしたってつぶれている現状です。そういう現状だからいい
映画
はできない。
国際交流
なども今はなかなかできませんよ。実際いい
映画
はできない。できないということは、つまり興味を持って見ないということです。それを子供がそういう
施設
を持って見ることになり、あるいは
学校
においてそれがどんどん活用されていわゆる
一般
のエロ・グロ
映画
から子供の目が遠ざかっていってそこへ集中するということになれば、私は企業的に製作者の目がそういうところに向いていくと思う。そうすると
映画
と同時に常設館の
建設等
についても、成人向きの
一般
常設館だけでなしに、
児童
のものだけをやっても採算がとれるということになれば、
民間
の自力で行われる傾向も生まれる、その
一つ
の契機を国が作ってやる。それを文部省の
社会教育
の立場で
指導
していく、こういうふうな認識に立って私は何か手があると思います。その点で
予算
上の問題も
考え
てみれば、国でモデル・ケースを
一つ
東京のどまん中に作って、それが今度は私のいなかのようなところへできるまでには、
考え
てみると少々ひまがあるように思う。ところが
映画
の問題は、そうのんべんだらりとした問題じゃなしに、今何かの方策を立てなければならない。それを短兵急に手早に立法措置なんかでやろうとしたら、とんでもない方向に走ってしまうと思う。その点に
相当
重点
をおいて、
民間
から買い上げるのもけっこうでありますけれども、何か子供たちの興味と関心がそこへ向けるような
施設
を作っていただくということも、当面のこれらの問題の施策の
重点
にお
考え
をいただきたいと思います。それと並行的に、私は法的措置はいらないと思います。これはかつて
義務教育
の
教育
管理の中に含まれる子供たちに対する
映画
の取扱いは、自主的に
学校
がやっておったと思います。これは法的な措置がなくてやれると思う。何かその点行政を行われる人も、また
教育
を直接担当される人も、
考え
れば法的措置はいらないと思います。
先生
が目を放して子供たちを野放しにしないでおくならば、
学校
独自ででも、常設館においてこういう
映画
を自由自在に見られるということによって補導は行える。あるいは
教育
委員
会がそれを主管してやればできると思います。少くとも私は小
学校
の生徒
児童
について、今の比較的低俗な
一般
映画
を見さしての
教育
的効果というものは感じません。従ってこれを制限するということについては私は賛成であります。しかしその制限を法的にやるとか、あるいはそれだけにしっぱなしにして子供たちの目をそこへ向けていこうというような形に放置しておいては重大な問題になる。それを並行的におやりなさるような方策をこの際にとっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それから次に、別な点でありますが、文部省なりあるいは厚生省なり、また内閣の方の動きが、どうも法的措置ということに動き出しておるというような傾向を受けて、これも聞くところによると、有力
映画
会社等においては、それを避けるために自主的な——何といいますか現在の倫理規程管理
委員
会の機構を強化して、それに対抗しようというような動きがあるやに私は聞いておるのでありますが、この点は大臣でなくてけっこうでありますが、
社会教育局
長はそれらの動きをどういうふうに判断しておられるか、またその倫理規程管理
委員
会についてどういうふうに
考え
られておられるか、この点を承わっておきたい。 それからもう
一つ
は、今まで文部省は推薦
映画
というものをたびたびやりましたが、どうも推薦
映画
というものはあまりぱっとしない。もう
一つ
毒舌を振わしていただければ、文部省でずいぶん芸術祭をやっておりますね。この芸術祭というものはあまり成功しているように思われない。何か間延びしているように私は感ずるのです。もう少しこういう点について改善する余地があるように思う。時間がありませんので具体的に申し上げることを避けますけれども、これは賢明な内藤
局長
はすでに感じられておるはずでありますが、これらについて
一つ
この
機会
に意見を承わっておきたい。
内藤譽三郎
44
○内藤
説明
員 先ほどの
児童
映画
館は、
一つ
というわけじゃございませんで、私の方では全国に五百カ所の
映画
のセンターがございますので、そのセンターを利用いたしまして優秀
映画
を来
年度
予算
で買い上げまして、センターを
中心
に各
学校
に回して、
映画
館へいかなくても十分優秀
映画
が見れるような
予算
要求
をしております。これは形の上では
児童
映画
館とはなっておりませんけれども、実質的には
児童
のための
映画
の
鑑賞
の
機会
になると思うのであります。その
予算
は
要求
しておりますので、よろしくお願いいたします。 それからただいまの映倫の問題でございますが、映倫の改組が実は先月の十五日に、五社長
会議
で一応
決定
を見たのでございますが、従来は
映画
会社五社が
関係
しております映連というものがございました。この映連の方の各会社から資金が出ておりまして、その他審査料等を合せまして
映画
倫理規程管理
委員
会の運営をしておるわけです。しかしどうもそれだと
映画
会社のひもつきだという非難もございますので、去る八月十五日の五社長
会議
では全部白紙に戻しまして、これを
民間
人をもって充てるという線を打ち出したのでありますが、あと財源をどうするかという点につきましては、まだ詳細にきまってないようでございます。もちろん審査料等を徴集しなければならぬと思うのですが、その分と、それからどういう顔ぶれをもってこの五人の
委員
会を組織するか、あるいはどういう方が
委員長
になるのか、こういう点についてはまだきまってないようであります。文部省といたしましては、この映倫の自主的な改組によりまして業界の自粛が一そう強化され徹底されることを期待しているわけでありますしが、現在のところその
実施
がおくれておるようでございまして、先般マス・コミ臨時懇談会の方から映倫に対してその実現方についての回答を求めたということを聞いておりますが、その点は私どももその後の結果については同っておりません。一方興業者側の方からは、そういう不良
映画
については上映を拒否するから、こういう立法措置を講じないでほしいという希望も出ておるようでありますが、私どもの最近までの調べによりますと、大体
一連
の太陽族
映画
に入っているのは主として
青少年
でございまして、十八歳未満が約六〇%入っているそうでございます。そのうち大部分が学割を使って入っておる。ですから実際御遠慮下さいといっても、その効果が上ってないように見受けられるのであります。一応一段落したかに見えましたが、最近また「日蝕の夏」とか「夏の嵐」というような
映画
が出て参っておるのでありまして、私どもとしてはあまり好ましくない傾向ではなかろうかと感じておるのであります。もちろん業界の自粛を希望いたすものでありますが、やはり成人向き
映画
というものが何本かあると思うのでありまして、こういう
映画
をどうするか、もう
一つ
最近
外国
から輸入されたもので「
日本
かく戦えり」とか、あるいは「アリスのような町」とかいうようなものが問題になっております。これもやはり
青少年
に見せるのはあまり好ましくない
映画
ではなかろうか。それから一番手を焼いているのは産児制限というような名目でエロ・グロの
映画
、これは映倫の審査を受けてないのが
相当
あるのであります。こういうものをどうしたらいいかというのが今の問題点でございます。それからお話しのように法的措置だけで片づくとは
考え
ておりません。もちろん補導の面において、あるいは
指導
の面において、優秀
映画
の面において、いろいろな面からこの問題の解決をしなければならぬのですけれども、現状においては、審議会の答申もございますし、今申しましたような問題を処理するためには何らか強力な措置が必要ではなかろうかと
考え
ておるのであります。 それから最後に芸術祭のお話が出ましたのですが、芸術祭というのは結局終戦直後に始まりまして、広く
一般
国民に優秀な芸術を観賞する
機会
を与えたいというのが
一つ
のねらいでございます。もう
一つ
は
日本
の芸術というものが高いかおりを持つように芸術の創造性を高めようというので、毎年やっている行事でございまして、この部門が最近は非常に広まりまして、
演劇
から
音楽
から舞踊から、あるいは放送、テレビ、レコード、大衆芸能、
映画
とか、あらゆる部門に広まって参っております。しかし国民の各階届を通しまして、
予算
は非常に少いのでございますが、文部省が直接やっているというわけではなくて、芸術祭執行
委員
会という組織を設けまして、
予算
は文部省の方から出しますけれども、今のところ
相当
な成果を上げていると思います。もちろんお話のように改善すべき息は大いにあると思いますが、ことしは特に
演劇
関係
に
重点
を置きまして、創作劇のコンクールを三つほど出しております。それから
地方
に
演劇
と
音楽
の
地方
巡回をいたしまして、東京でやった芸術祭を
地方
でも観賞する
機会
を与えたいというふうに
考え
ておるのであります。ともかく一番の大きなねらいは、わが国の芸術界がその時期を所って競って、新しい文化の創造発展に寄与するような芸術を作られ、しかもこれを安く観賞の
機会
を与えてもらうという点にあるのですが、このあとの安く観賞の
機会
というような点が税金その他で効果を上げておりませんけれども、今後一そう努力いたしましていい芸術を安く国民大衆に観賞の
機会
を与えるようにして参りたいと
考え
ております。
辻原弘市
45
○辻原
委員
最後に
一つ
。だんだん承わりまして、具体的な方向でもとられる点、われわれも賛成いたすべき点もありますが、この点はけっこうだと思います。大臣が述べられましたように、
教育
上管理しなければならぬ点については十分必要な措置、また
教育
的観点で積極的な手を打っていただくのですが、たとえば太陽族
映画
であろうとも、
一般
成人が見る場合にはそれぞれの観賞なり、批判というものがそこにあるわけですから、それを大衆の批判に仰がないまでの強力な措置、いわゆる検閲ということでなくても、審議会を設けてそこに強力な
映画
に対する
一つ
の審査規程を設けるということは、やはり文化を高めるという意味から申せばこれはあまり良策ではないと私は思う。こういう点については
一つ
その部面に関する限りは慎重に、急がれないで——
一般
の大衆が見る
映画
というものについてはできる限り私はオープンにすべきであると思う。その批判の中からいいものを生んでいく、こういう
一つ
の価値の創造に御努力願いたい。
教育
上の問題とごっちゃにして
考え
るとそこに何もかも一緒にして強制するというような格好になって、文化性を高めるという文部省一面の仕事がそれによってそこなわれる結果を引き起しますので、この点を重々大臣においても政策の上で配慮をしていただきたいと思います。 以上で私の質問は終了いたしました。
佐藤觀次郎
46
○
佐藤委員長
小牧次生君。
小牧次生
47
○小牧
委員
大臣に簡単にお伺いいたしたいと思います。聞くところによりますと、来月中旬でございますか、全国校長
会議
をお開きになるという話でございますが、どういうお
考え
で校長
会議
をお開きになるのか。終戦以来まだ一回もそういう例を聞いておりませんが、今回初めて全国の校長
会議
を開く、しかもなお新しい
教育
委員
会法が来月の一日から
実施
されるというこの
段階
におきまして、そういった
計画
を持たれるというのはいろいろな意味において非常に重要な関心事たるを失わないと
考え
ますので、まずその点をお伺いしてみたいと思います。
清瀬一郎
48
○清瀬国務大臣 小牧さん御承知のように、わが国において
学校
長の任務は非常に広大でございます。
学校教育
法には、校務を統括して所属職員を監督するとのみございますけれども、各種の法規をずっと通覧いたしてみますと、非常に大きな権限を持っております。この間できました
地方
教育
行政の組織及び運営に関する
法律
でございましても、所属教員の進退に関して意見を
委員
会に申し出るということも過日作ったような次第でございます。また
学校
の
施設
を
一般
者をして利用せしめるように同意するのには、やはりこれは校長の意見による、
学校
の始業の時間、終業の時間も校長できめる、あるいは
児童
の課業終了を認定して卒業の証書を与えるとか、
児童
に懲戒を加えるとか、これも
教育
の規模の
中心
といってもいいのでございます。過日
地方
教育
の行政組織並びに運営の規則も一新たにできましたことでありますし、それからまた今日この院内においてもそうでありますが、世間においてもわが国の
教育
の傾向——世間で新
教育
とは言いますが、私はこの言葉はあまり感心しませんけれども、新たなる
教育
の方針についてもいろいろ異論のあるところであります。この際かくのごとき重要なる人にお集まりを願って、行政上のわれわれの見解なりあるいはまた校長相互の間で
研究
されたことの意見交換なり、さようなことをいたすことは
日本
の
教育
のために非常にいいことと
考え
まして、これを発起しております。
小牧次生
49
○小牧
委員
重ねてお伺いいたしますが、どういう基準でどの程度の校長を各県から集めるというお
考え
でございますか。
緒方信一
50
○緒方
説明
員 ただいま大臣から御
説明
がありましたように、
学校
の運営管理の責任者であります校長を集めまして、その校長の職につきましての
研究
協議会ということでいたしたいと
考え
ております。ただいまのお尋ねはどういう範囲で集めるかということでございますが、これは幼稚園から
高等学校
までの、あるいは盲
ろう学校
等につきましても、校長を全国で
教育
委員
会から選んでもらいまして、総数千五百近くになると思いますが、それで三日間
研究
協議をいたしたいと思っております。 そこで若干補足して御
説明
申し上げます。
教育
の
内容
の刷新改善のためには、文部省で行いまするいろいろな
教育
の
内容
につきましての施策を文部省できめます。基準を作ります。それを具体的には学習
指導
要領等によりまして、これを
地方
に示すわけでございますが、その
実施
につきまして、各教科別にわたりましても、あるいは各種の問題につきましても、現在文部省は
予算
を取りまして、
地方
の
先生
自身、あるいは
教育
委員
会の担当の職員を集めまして、毎年講習会あるいは
研究
会等を行なってきております。特に三十一
年度
におきましてはこの活動を強化いたしますために、
予算
も
相当
増額
いたしまして、すでに本
年度
当初からこの
計画
は着々進めてきております。たとえば小、中、
高等学校
にわたりまして
指導
者
養成
、現職教員の再
教育
のためにも
相当
力を尽して参りました。全国各地にブロック別に
機会
場かを作りまして、そうして著名の
学者
、
先生
、一流の権威の人々から講義をしてもらいましてあわせて教師が
地方
で当面しております問題について、お互いに
研究
協議をしていくというふうな試みをずっとやってきております。その間にはいろいろな生活
指導
の面につきましても、ことしは特に全国協議会を開きまして成果を上げておると私は
考え
ております。
社会教育
につきましても
研究
協議会を開きました。その一環といたしまして、この校長の
研究
協議会も開きたいわけであります。 それから、校長は初めてではないかというお話でありますが、これは従来もそういう
研究
協議会に校長は集まっております。ただ今度違いますのは、
学校
運営管理という問題を取り上げまして
研究
協議をするということが違っております。時期にいたしましても、これはずっと
年度
計画
がございますので、これは昨年今ごろから
計画
いたしまして、そうして
予算
を取って
年度
当初からスケジュールを組んで、十月にやるということは、前からきめまして行うことになっております。そういう次第でございますから、一応御
説明
申し上げます。
小牧次生
51
○小牧
委員
昨
年度
から
計画
されたというお話でございますが、戦前にはこういう事例があったと思いますが、今度新しい
教育
委員
会法ができまして、いろいろそういう
計画
をされるそのこと自体については、とやかく申し上げませんが、ただ私どもが
考え
られるのは、新しい
教育
委員
会法ができて、その法のもとに初めてこれをやられる、こういうやり方についていろいろ疑念がないとしないわけであります。戦前いろいろ行われたことをここでまた復活されるのではないか。戦争中は
学校
長を通じて、当時の戦争目的の遂行というようなことで、文部大臣の訓示とか、いろいろなものが行われたことを聞いておるのでございます。そういったこととあわせて
考え
ましてもう
一つ
は、これも確かであるかわかりませんが最近文部省においては、いわゆる
教職員
組合の組合員から、
学校
長、また教頭を除外するというようなことも
考え
ておられるのではないかというようなうわさを耳にいたしたのであります。そういうことと関連いたしまして、いろいろこの問題を
考え
てみますときに、清瀬文部大臣は、
学校
長あるいは教頭、こういったいわゆる管理者といいますか、管理職の人々の人事権を強化していこう、こういう
考え方
がそこに動いておるのではないかということか
考え
られるのでありますが、この点については大臣はどうお
考え
でございますか。
清瀬一郎
52
○清瀬国務大臣 校長職員に対する人事管理、すなわち文部省の人事管理を強化するという
考え
は持っておりません。
小牧次生
53
○小牧
委員
この新しい
教育
委員
会法でも、大臣の今までのたびたびの御
説明
では、
教育
委員
会は決して自主性、その独立性を失うものではないということを申しておられたのでございますが、こういった
学校
長を全国一ぺんに
中央
に集めてやるということは、決して悪いことでないかもわかりませんが、ただこれが文部省の主催においておやりになる。そうじゃないのですか。——そういうふうに聞いておるのであります。
教育
委員
会が独自性を持ち、自主性を持つというならば、これはやはり新しい
教育
委員
会でそういったことをおやりになっても決して悪くはないのじゃないか、こういうふうに私は
考え
るわけでございますが、それを文部省の方で
中央
に集めてやるということ、それからいろいろ新しい
教育
委員
会の
法律
の運営という点、あるいはまた
学校
管理ということ、そういったことを直接いろいろ文部大臣が指示をされるのか、あるいは話をされるのかわかりませんが、そういった動きを見ますと、やはり私どもが前にこの新しい
教育
委員
会法案が審議される過程においていろいろ意見を申し上げた、いわゆる戦前の
教育
体制の復活ということが、こういう点にもだんだん現われてくるのではないか、また県の
教育
委員
会の
教育
長を任命するにも文部大臣の承認を必要とする、そういうことから、
教育
の国家統制あるいは
中央
集権化という傾向が生まれてくるから、これが
教育
の民主化に反するのではないかといういろいろな立場から、私どもは前にこの法案の
実施
について反対をいたしたのでありますが、そういういろいろ総合的な観点から
考え
てみますと、やはりこういった
学校
の管理者を集めていろいろおやりになるということについても、そういう点がここに現われて参ってきておるのではないか、こういう
考え
が起るのであります。これについては大臣どうお
考え
でございますか。
清瀬一郎
54
○清瀬国務大臣 お尋ねの本旨を少し私とりそこなっておるかわかりませんけれども、前提として私は戦前の
教育
の復活は
考え
ておりません。これは前の
国会
においてたびたびあなたとも論じたわけであります。ただしかし、
日本
が占領された初期に進駐軍がやったことをそのまま守ろうとも思っておりません。独立国家にふさわしき国民の品性を陶冶する、こういうふうには
考え
ております。校長
会議
を開く趣意は、あなたのお尋ねに対して私の答えたところ、あるいは緒方
局長
の補足されたところによって御了承を願いたいと思います。決して校長を集めて反動
教育
をやってくれというような下心でやっておるのではございません。御承知の
通り
、今度は
教育
委員
会法も新たにできましたし、それからまた何を申しても、やはり
教科書
の検定権は文部大臣にあるのです。それから学習
指導
要領もこちらでこしらえるのです。でありますから、まるきり
学校
の教員なり校長と切り離して何もせずにおれという思想ではないので、国のためにいいことはやっていきたい、悪いことはしないようにしたい、こういう
考え
であります。
小牧次生
55
○小牧
委員
来月中旬に開かれるわけでございますから、その結果を見なければこれ以上具体的にどうということも申し上げられないと思いますので、この点については一応ここで打ち切ります。 先ほどの私の質問でもこれと関連して申し上げたのですが、校長なりあるいは教頭を組合員から除外するというようなことが、たしか新聞の記事であったと思いますが、そういう記事を見たような記憶があるのであります。そういうふうに
考え
ておられるのかおられないのかわかりませんが、この点についてはどういうお
考え
でございますか、お伺いいたします。
清瀬一郎
56
○清瀬国務大臣 組合から除外するのは組合のなさることで、私のすることではございませんが、しかしながら世の中でほかの労働組合にも、同じように管理職を除外しておる組合もございます。そういうことは聞いてはおりますけれども、私はそれについて立法的強制をするやいなやということについてはまだ心はきめておりません。
小牧次生
57
○小牧
委員
それではもう
一つ
お伺いいたしますが、現在私の聞くところによりますと、いろいろな県において
学校
の
教職員
の昇給の問題が
相当
問題になっておるようであります。御承知の
通り
地方財政
再建促進特別措置法が
実施
されまして、赤字を持っておる県において、あるいは市町村においても、その適用を申請し、またこれを
決定
いたしておるところがあるのであります。特にそういう適用の申請をいたしておる県においてはこういった現象が強く現われて参っておりまして、九州各県の
事情
をいろいろ聞いてみますと、まだ一県も昇給が
実施
されておらない。そうして県の職員なりあるいは警察職員は昇給を
実施
いたしておるにもかかわらず、
学校
職員に限って今申し上げたようないろいろないきさつもございましょうが、とにかく昇給が
実施
されておらない。このために
学校
の
教職員
としては非常に不安定なままに今日まで参りました。生活の問題は非常に大事な問題でございますので、こういった問題が陰に陽にやはり
教育
効果といったものに及ぼす影響は大きいと
考え
ております。これは直ちに文部省自身の直接の責任であるとは決して私は申し上げません。それぞれ各
地方
公共
団体
の問題でございますので、それぞれの
地方
公共
団体
で善処してもらわなければならない面が非常に多いわけでございますが、ただ私がここで今度の新しい
教育
委員
会法に関連して大臣にお伺いしてみたいと思いますのは、私どもは、今度の新しい
教育
委員
会法によって新しい
教育
委員
会は財政権を持たない、もしそうなると従来でさえも
地方
公共
団体
の首長に対して非常に力が弱いのが、さらにこの財政権がなくなるとほとんど無力の状態になるということをたびたび文教
委員
会の席上で意見を申し上げた。ところがこの昇給の問題について、私どももいろいろ体験をいたしましたが、全く今申し上げたことが如実に現われて参りまして、まだ新しい
教育
委員
会は発足はいたしておりませんが、もうすでに従来の任期短かい
教育
委員
会としては知事なりあるいはその他の行政の首長に対してほとんど発言権もないし、停滞しておる昇給問題を解決する力を欠いて、その結果、全国的にどういう状態であるかわかりませんが、これは行き詰まりの状態を来たしておる。ほとんど行政の首長の
考え
通り
でこれが行われて参って、大臣がこの法案の審議の際にたびたび申された調和、これは大臣の独特な言葉であったと思いますが、こういったことが果して行われておるかどうか、これを大臣はどう
考え
ておるか、お伺いしてみたいと思います。
清瀬一郎
58
○清瀬国務大臣 そのことは過日の
地方
教育
行政組織の法案の
国会
審議中においてもたびたび申し上げましたが、
法律
第二十九条においては首長が
予算
提案前に意見を徴することになっておると思います。それゆえに
委員
会に発言権なしとは相なっておりません。それからまた今度は長の方も
教育
に関する責任を非常に持ってくる。自分が責任を持てばなおさらこのことについて注意してくれると思います。今
教育
委員
の任命は行われつつあるので、こう申しておる瞬間においても府県でまた町村で多々任命されることと思います。数日来の傾向を見れば、みなこれ首長、県議会また町村議会の信任する人でありますから、これらの人が
教育
委員
と相なって、
教育
においてはかくのごときことが必要だといってまじめに誠意を持って求むれば、私は教員の俸給が昇格を禁ぜられ、また
教育
財産が修繕、拡大を禁ぜられるというような結果にはならないと思っております。もう数日にして十月一日から
実施
されますから、私は非常に楽観的心持を持って楽しんで結果を見ようと思っておるのであります。これがために
日本
の
教育
が破壊されるというようなことがありましたら私の責任であります。さようなことはなかろうと思っております。
小牧次生
59
○小牧
委員
まだ新しい
教育
委員
会が発足しておりませんから、これ以上大臣との論争はできませんけれども、しかし大臣は御承知かどうか存じませんが、すでに数県においては
教職員
の数百名の人員整理ということを打ち出して、着々これを
実施
に移しつつあるようでございます。しかしながら先ほど
予算
の
説明
もございましたが、今日の、特に
義務教育
の
指導
者、こういった面から見まして
学校
の
教職員
の配置がいまだなお不十分であるということは、もうだれしも否定ができないと思いますが、その傾向に比べまして
学校
の
先生
方を減らしている。しかも今申し上げたように県の職員とか警察職員は昇給
実施
をいたしておるにもかかわらず、
学校
の
教職員
の員数は
相当
多いというような
関係
もあるかもしれませんが、いずれにいたしましても
教職員
だけが昇給をストップされておる。これは緒方
局長
にあとでお答えを願いたいと思いますが、九州ですでに昇給を
実施
した県があるかどうかお答えを願いたいと思います。こういう状態のところに、新しい
教育
委員
会法によって、知事がそれぞれ
教育
委員
を新たに任命する、これが来月一日から発足をする、こういう
段階
に相なったわけでございますが、私どもの見るところでは、これはまことに失礼な言い方であるかもわかりませんが、今度できるそれぞれの新しい
教育
委員
会、これはほとんど名誉職に近いものである、こういうことを
考え
ますと、今停滞しておるこの昇給の問題あるいは
学校
の
先生
方を整理する、こういった問題等についても、どれほどの熱意をもって、この問題の解決に当られるか、これはきわめて疑問であると
考え
ておりますが、せっかく全国校長
会議
をお開きになるならば、こういった問題も——
学校
の校長自身が非常に困っておる。一体だれを昇給さしていいのか、全然これはできないという非常に困難な状況にあって、
学校
の校長自身が非常に苦しい立場に追い込まれておる。われわれがいなかに帰りまして
学校
を回りますと、校長が非常にその苦衷を打ちあける。こういう実情でございますから、せっかく校長
会議
でもお開きになるならば、こういった問題も十分
一つ
真剣に取り上げていただきまして、そうしてほかの県の職員なりあるいは警察職員、こういった人々と同じように、
学校
の職員も決して差別待遇をしないで、この問題が円満に解決のできるように、そういうことも重要な課題として
一つ
校長
会議
の中で文部大臣も善処していただきたい、こう思いますが、そういう
考え
がございますかお伺いいたします。
清瀬一郎
60
○清瀬国務大臣 先刻お答えいたしました
通り
、出席の校長がおのおの自分の経験に基いて意見の交換をされることと思います。そのうちには必ず今あなたのおっしゃった痛切な問題は発言され
研究
をされるものと予想いたしております。
緒方信一
61
○緒方
説明
員 昇給の問題につきましていろいろ御意見がございましたが、昇給が適確に行わるべきことはまことに必要なことだと存じます。ただしかし
地方財政
の観点からいたしまして、特に赤字再建に懸命になって努力しておりまする
団体
におきまして、いろいろ財政の
事情
から昇給等がおくれておるという
事情
も、また一面やむを得ないものがあるかと思います。しかしその場合におきまして、今御指摘のようにほかの職員は昇給しておって、
教育関係
だけがおくれておる、こういう事実はいかにしても納得のできないことだと思います。これはお話にもありましたように、
地方
教員の
給与
につきまして文部省は直接の権限はございません。これは
地方団体
の権限になっております。しかしさようなことがあるとすれば、やはり文部省としましても十分注意しなければならぬことだと思っておりますので、先ほどのお尋ねは、九州で昇給をやった県があるかというお話でございましたけれども、それは七月昇給のことでございましょうか。ちょっとここに資料を持っておりませんので、どの県がどうということはお答えいたしかねますけれども、今のような意味で、
教育関係
だけがおくれておるというようなことがあれば、これはいろいろと相談もしなければならぬと思っておりますが、十分調査いたしてみたいと思っております。
佐藤觀次郎
62
○
佐藤委員長
最後に
小林
信一
君。
小林信一
63
○
小林
(信)
委員
だいぶ時間が過ぎていますので、簡単にしたいと思いますが、
委員長
の方からも時間を短かくというようなお話ですから、箇条的に御質問申し上げますが、今まで質問された方たちの中で、私のちょっとふに落ちない点がありますので、それを
最初
にお伺いいたしますが、先ほどの小牧
委員
の質問の校長
会議
の問題ですが、私はその校長
会議
云々は申しませんが、校長に対する見解ですが、これは
教科書
法の法案審議のときにも、
教育
委員
会法の審議のときにも、校長という問題について文部省は一応あれらに掲げられておる条項についての校長の見解を言われたはずなんですが、この招集される校長
会議
は校長個人ですか、
学校
を代表する校長ですか。
緒方信一
64
○緒方
説明
員 ちょっと御質問の趣旨を私とりかねるのでございますが、
学校
の運営管理者としての校長をここに——その意味では個人でございますけれども、
教育
委員
会の方で選定をして、適当な人を推薦してもらう、こういうことでございます。
小林信一
65
○
小林
(信)
委員
つまり
一般
教職員
とは別個の、校長という任務の——任務というのか、校長その人ですね。そういうものを
考え
ての校長
会議
ですか。というのは、先ほど文部大臣のお話の中に、あげ足とりじゃないのですが、これは重要な問題だと思うのです。
教育
委員
会法審議の場合には、校長が人事の問題で
教育
委員
会に対して内申をすることができるというときには、一それは校長個人じゃない、
教職員
の意見の統一の上でもって内申をするのだ——これがもし間違いであれば、
教科書
法のときには、採択の問題のときに、
学校
側の意見を
教育
長なり
教育
委員
会に述べることがありますね。その場合校長という言葉が書いてある。そのときの校長はどうかと私が尋ねたときに、それは
教職員
全体の意向をまとめた校長の意見である。つまり校長の見解というものは、法案審議のときにはそういうふうになっておった。ところが今大臣の話を聞いていると、校長には内申する権利がある、権限がある。校長個人にあって、それはもう部下職員とは縁のない立場での権限のような感がする。それからこれは自民党の、
教育
行政ではきわめて重要な地位につかれている人も、そういうことを言っているのです。今度校長に内申権を与えておる。これで部下職員ににらみがきくんだ。そうするとこれはもう全然部下職員というものは別個にして、校長が終始教員の
指導
あるいは
一般
行動を見ておって校長が独自でもって、これは転任させるべきであるとか、これはこうすべきであるというふうな、そういう見解を持つんだ、つまりにらみがきくんだ、これはあまりこういう法案の審議に
関係
なかった方だから私は無理はないと思ったのですが、その方が今度の
教育
委員
会法を
地方
に出まして盛んに
指導
されたのですが、そういう形で政党が
指導
されておると、これは大きな間違いであるが、大臣も同じような見解を持っておられるかというふうに私感じたのですが、この場合の校長というのは、どういう見解でお集めになりますか、お聞きしたいのです。何か運営管理をするのだというような形で、管理される者と管理する者というふうな立場に校長を立たして校長
会議
をするというふうな印象を私は受けたのですが、そうなりますと、またここに文部省の見解というものを聞かなければならぬことになるのですがいかがですか。
緒方信一
66
○緒方
説明
員 御質問の趣旨がわかりましたが、私は今のお話は校長の権限いかんということに関連してくるかと存じますが、校長といたしましては
学校
運営管理の責任の立場にあります。その意味におきましていろいろな権限があると思います。ただ実際上
学校
を総括、統括していきます上におきまして実際上どういうふうに運営していくかということにつきましては、いろいろ問題があると存じます。それは教員全体の意見を聞いていくとか、そういうふうな
学校
を総括し統括していく立場において、その運営の
方法
におきましてはいろいろと校長自身の工夫もあろうかと存じますし、その間に教員の意向も十分反映させてやっていくことがよろしいと存じます。しかし権限といたしましては、校長独自にいろいろな権限が与えられておる、かように思うのであります。
小林信一
67
○
小林
(信)
委員
きわめて明快とは私
考え
ておりません。やはりこれも何か世間に、校長だけを集める、そうして部下職員と別個のものにするんだという印象を与えるのではなくて校長
会議
を招集するならば、それは
教育
全般というふうなものをやはり大きく掲げた、
学校
の教員の代表だというような形であり、またその校長自体の問題もあるんだというふうに印象づけた方がいいと思うのですが、そうしないと、何か校長だけは別個にして、教員の中を分離させるんだ。今日
教育
委員
会法がすでにそういう誤解が多分に持たれておるのですから、そうすべきだと思って、校長に対する見解というものを文部省は明確にして、今回の
会議
をもしやるならばおやりになったらいいと思うのです。今お話を聞いておりますと、極端に申しますと、にらみがきくんだという、そういう非常に偏した解釈をするような、
教育
委員
会法にもとった
会議
のような感がするわけです。これが今の小牧
委員
の質問の中から感じた点でございます。 さらに辻原
委員
の質問に対する御答弁の、いわゆる
児童
映画
劇場の問題ですが、おそらく
社会教育局
長はこの
方面
については研さんを持たれておって、しかも最近欧州の各
方面
を、この方を主として御視察なさったので非常な御抱負を持っておられるからかと思いますが、しかし私は今のお話を聞いておりますと、もっと
日本
の現状をしつかり
考え
て、それに即応するような措置をとるべきだと思うのです。今時間もございませんから簡単にいたしますが、視聴覚
教育
というものは、各
学校
の
教育
の大きな部面をもって重視されておるわけなんです。しかしナトコというようなものが普及いたしまして、各
学校
が大体十六ミリくらいの映写機をもってやっておりますが、問題はよいフィルムを安く手に入れるということが今一番困難になっているわけです。こういうものをもっと安く、きわめて簡便に供給するということが、私は一番大事だと思うのです。五百カ所のセンターに併設した劇場を作るとか、あるいはそういうところを利用してフィルムの配給をやるとかいうようなことも、もちろんやっていただきたいと思いますが、そういう実際今
先生
方が苦しんでおるこの視聴覚
教育
の悩みというものを知って、それに対して
対策
をされることが大事だと思うのですが、
予算
を拝見しますと、きわめて微々たるものであって、それすら十分にすることができないと思うのです。
一つ
くらいはモデル的なものを作ることもいいかもしれませんが、そういう悩みに沿っていくことが大事であって、何か文教行政を宣伝するようなことをされるのは、私は今の
日本
の現状としてはおもしろくない。内藤
局長
にこの際、先ほど来問題になった欧州各国の
映画対策
の実情というようなものをお伺いしたいのですが、
委員長
から言明がございまして、そういう時間が与えられないというので、またいずれかの
機会
にお尋ねしたいと思うのですが、
一つ
そういうことも参考にしていただき、
日本
の現状を——
先生
たちが実際この問題では苦しんでいるのですから、これを取り上げていただきたいと思うのです。こういうふうに文部省から
予算
の
要求
額が出されるときに、
社会教育
費というものはいつも少い。今回もずいぶん御苦労なさっておるようですが、私としては非常に不満なんです。
青少年
の
対策
のいろいろな動向がありますが、これらの
予算
をもってしては、その講習なりあるいは講師
派遣
というような、それくらいの費用であって、決してよいフィルムを作なるんという費用はないと私は思うのです。もっともっと
予算
を十分にとって初めてできる問題ではないかと思うのです。 ついでに申しますが、
青年学級
の問題です。わずか
予算
がふえておりますが、これすら
大蔵省
でもって認めるか認めないかわからぬと思うのです。文部省の
要求
しておる額というようなものは、私それすら非常に不満なんですが、文部省でかつて
青年学級
を設置する場合の大きな
構想
があったはずです。そういうふうなものを実現するくらいに——不良
映画
をいろいろ問題にしてこれをどうしたら
青少年
をよくすることができるかというふうな末梢的な
方面
に話は飛びますが、
青年学級
あたりの
施設
をもっと完備して、青年の要望にこたえるような
施設
をする、そういうふうなことを怠っておるから、こういう問題をいろいろしなければならないんだというふうに
考え
ていきたいと思ってできるならば文部大臣にもっと
青年学級
に対する大きな
構想
を持って、大きな
予算
の
要求
をされることを望む次第です。
予算
につきましていろいろお伺いしたいのですが、もう
一つ
管理局長
にお伺いいたします。
学校
統合、それにからまるいろいろな問題はともかくとしまして町村合併は、
学校
を統合することが何か第一条件のような形で町村合併がされたくらいに
考え
ていいと思うのですが、それが今日まで取り残されていることは非常に遺憾です。三億という金を出してみれば、どんな犠牲を払ってもこれを実現しなければならぬという各市町村の要望というものは、今回よくわかったわけなんですが、この中にどれくらい含まれておるか、パーセンテージでもけっこうですが、お伺いしたいと思うのです。一言でよろしゅうございます。この
公立学校
施設費
の中に
学校
統合に対する費用がどれくらいあるか、そしてできましたら、それは何年
計画
くらいでおやりになるつもりか、お伺いしたいと思います。
小林行雄
68
○
小林
説明
員 本
年度
の
公立文教
予算
の
要求
額は百十八億でございますので
学校
統合は十六億
要求
いたしております。二二%程度に当っておると思います。大体今後三十二
年度
以降三カ年で
実施
したいという
計画
でございます。
小林信一
69
○
小林
(信)
委員
年限につきましては短い方がいいわけですが、やはり
予算
関係
でそう短縮することは無理でしようが、三年ということは妥当だと思います。しかし果して十六億で、しかもこれは削られることが予想されるわけですが、十六億というのは非常に少いように思う。しかも
地方
の要望はここに集中されておる次第でございますので、がんばっていただきたいと
考え
ます。 それからこれは私特にお伺いしたい問題ですが、赤字の
地方
自治
団体
が再建
計画
をいたしますについて自治庁と盛んに折衝をしたわけです。まだ折衝しつつあるかとも思いますが、そういう場合に非常に
教育関係
の密接なものがあるわけなので、そういう折衝をされるときに、文部省というものが
関係
したかどうか、お伺いいたします。
緒方信一
70
○緒方
説明
員 これは、たとえば定数の問題にいたしましても、具体的な問題になって参りますと、文部省としても
関係
いたしますけれども、抽象的な
計画
が立ちまして、それによって毎
年度
計画
が立っていくという立て方が多いわけであります。その立て方によりましていろいろ
関係
の度合も違って参ります。必要な限度におきましては意見も述べたりいたしております。
小林信一
71
○
小林
(信)
委員
そうすると、これは大臣にお伺いいたしますが、そういう
教育
行政も含めた
地方
自治体の再建
計画
に対して、文部省に
関係
のあるようなことが出た場合には、文部省はそれに携わるというふうに今
局長
がお話しになったのですが、そうすると大体各再建
団体
の
計画
というものに対しては文部省は一応の了解をしておるわけなのですか。
清瀬一郎
72
○清瀬国務大臣 一体国の政治はみんな牽連しておりますので、全く独立の部門は少しもございません。わが国のたとえば貿易がよくなるということは、やはり国の経済がよくなる、従ってまた
地方
の財政もおいおいにはよくなるということ、あるいは国の防衛にしましてもやはりこれは
教育
にも
関係
いたしまするし、外交はむろんのことであります。それゆえに
地方
再建
整備
のことも、あの
法律
を作るときから私ども意見を述べております。今回京都で観覧税を取ろうということも、ひとり文部省所轄の文化財ということだけではなくして、
地方
の財源を満たすということ、
地方
の財源が十分になれば、先刻おっしゃった教員の待遇等もよくなるのでございます。それゆえに、一体的に私は見ておるのであります。なまいきなことを言うようでありますけれども、国務大臣としての任務を尽そうと思って、毎週定期の閣議にも臨み、臨時の閣議にも臨んでおるのでございます。 最後に、
小林
さんの先刻来の御質問は、すべてわが文部省のいうことは御是認下さって、その上に、いかにも
予算
の
要求
が不足だろうというので鼓舞激励して下さるので、ありがたく思っております。できるだけがんばって、少くとも
要求
しておるものは取りたい、こう思っております。思ってはおりますが、やはり国の政治は一体でありまするから、国の財政
計画
にも影響はします。来年の収入は多いのです。多いけれども、
大蔵省
の
方面
では、これを使うてしまわないで減税に充てよう、こういっておられる。一千億も減税するということになると、やはり文部省も影響いたします。それゆえに、国民の今望んでおるところは積極的に仕事をしてくれというのか、
負担
を減ずるということがおもか、国民全体の
考え
も見なければなりませんし、国の将来も
考え
なければなりません。いろいろのことに影響いたしまするが、われわれは山をはって大きう言って、夜店の植木屋のような
予算
要求
をしたわけじゃありません。これだけは要るものですから、あなた方の間接直接の御尽力によりまして、これはぜひ取ってみたい、かように
考え
ております。御意見はありがたく拝承いたしておきます。
小林信一
73
○
小林
(信)
委員
最初
の御答弁の、政治は一本である、これはかねがね承わっておりますので、
地方
の赤字を解消するために
教育
もやはり犠牲にならなければならぬということは、私も承知しておるわけなんですが、これに対しましては、もしほかの方はそれほど影響を受けなくて
教育
によけいに影響がくる、いわゆる
教育
にしわ寄せがあるような、そういう再建
計画
に対してはやはり大臣といえどもがんばってもらわなければならぬというわけなんです。それから、次の
予算
の問題につきましては、私の言いたいことは、どれもこれもみんな大事なことであって、これはいろいろ折衝の上で、文部省内でもお互いに譲り合ってできた
予算
でしようが、私は
社会教育
ということが今いろいろな問題を
考え
ても非常に大事だという点と、どうもそれが軽く取り扱われておるんじゃないか、形だけに終っておるような印象があるということ、そうしてもう
一つ
、問題は、
予算
の範囲内ということは大事でしようが、
地方
の赤字財政——今問題にしております——それによって受けることが
教育
行政の中には今後
相当
の間起きてくるわけなんですが、それに対して国の
予算
計画
でこれを補っていかなければならぬという、その二つの点が私は大事じゃないかというので伺いしておるわけですが、結局、結論的に申すと、各府県の再建
計画
は互いにがまんしなければならないので、
教育
ばかりのせいじゃないんだというその大臣の御意見からしても、一応文部省としても妥当と認めるという御答弁だと思うのです。先ほど小牧
委員
から昇給等の問題があったのですが、府県の再建
計画
というようなものを
地方
自治庁との折衝の中から探ってみますと、昇給などにつきましては、
予算
に余裕があった場合には昇給をさせるというふうなことが多く見られるのですね。それから教員の数の問題につきましては、まず質から言うならば、自治庁からこういう指示をされた県があるのです。あなたの県は臨時教員などをやらずに、代用教員の採用の仕方がほかの府県に比べて少い、だから
教育
費によけいな金がいるんだというようなことを自治庁が平気で出し、これを平気で
地方
の長が受け取っておるのですね。それから再建
計画
からいきますと、一番問題になるのは
定時制
高校の分校だと思うのです。これはもう町村が再建
計画
のために縛られて、分校に対して町村が
負担
する分をとても出し切れない。それから、これは小さい問題ですが、秋になりますと、大がいどこの県でも同じだと思うのですが、郡別ぐらい——あるいは県に統合される場合もあるのですが、中、小
学校
が子供達の競技会なんかを開催いたします。全県の競技会もいたしますが、そういう費用はどこからも出てこない。これは大がい
教育
委員
会程度のものが主になってやりますが、その費用は町村の寄付金による。ところが町村の寄付金は財政需要額の何パーセントというふうに限定されるので、そういうところには出せない。母親学級とかあるいは婦人会とかあるいは青年団というふうなものに対する寄付金というものがあって、かろうじてそういう修養
団体
ができておったのですが、そういうものに対する寄付金は出てこない。これは
社会教育
のほんとうの末端のところに大きなしわ寄せが出てきておるわけなんです。自治庁の役人がこういうことを言っております。一体文部省はこういう
計画
をしても何とも感じないのか、こんな
計画
をすれば大事な
定時制
学校
の分校なんというものは廃止されなければならないような状態になるけれども、文部省はどうしてこれを黙っておるのかというくらいに、自治庁の方がもう私たちが聞いておられないようなことを言って私たちを憤慨させるのですが、そういう点を了解し合っておるのか、仕方がないと
考え
ておるのかどうかを私はお伺いするのです。
緒方信一
74
○緒方
説明
員 今の御質問の
中心
は主として
定時制高等学校
の分校の統廃合の問題でございますが、これにつきましては、先ほどお話になりましたように、赤字
団体
における寄付金、
負担金
の制限が
法律
で課せられておりますか、これにつきましての制限の緩和、撤廃、これにつきまして自治庁と現在折衝中でございます。その点はまだ話が就いておる次第で、まだ結論を得ませんけれども、そういう緩和をしてもらうように努力をいたしております。なおまた先ほど
予算
の御
説明
に関連して申し上げましたけれども、
定時制高等学校
で一番問題なのは、やはり教員の
給与費
でございます。
定時制
の
経費
のうちで、八三%ほどを教員
給与費
で占めておりますから、それに対しまして
国庫補助
の
制度
を復活したいということで、
金額
にいたしまして三十二億ほどの
要求
を今いたしておる次第でございます。これは
金額
から申しましても、折衝につきましては非常に困難があると思いますけれども、文部省としては努力をしていきたい、さようなことによりまして、財政的な
援助
を
地方
に対しまして強めていきたい、かように
考え
ております。
小林信一
75
○
小林
(信)
委員
定時制高等学校
の分校というようなものも大事であるので、私は非常にお聞きしたいところなんですが、それは私も
予算
要求
を見まして、
相当
文部省としては
対策
が講ぜられておるなと思うのですが、しかしこれによって救われるのは県財政だけなんです。町村の分担というものはどうするかということが問題になっておるのです。それから、同じことですが、
定時制高等学校
の問題でも、
高等学校
の
先生
の定員減という問題が、どこでも再建
計画
の中に入っておるわけです。そういう場合には、
定時制高等学校
の分校の
先生
、こういうところを切ろうというのが県の
考え
になってくるのではないかという問題、その定員減の問題で、私の県あたりでも小
中学校
合せて七千人ですが、今後八年間の間に八百人近い、一割以上の定員を減ずるということが約束されておるわけです。これも文部省としてはがまんをしろというのか、あるいは何らかそれに対しては今後
対策
をするというのか、どういうところでもって了解しておるのか、これがほんとうに聞きたいところなんです。
緒方信一
76
○緒方
説明
員 今お話でおあげになりましたうちで、小
中学校
義務教育
に関しましては、財政的に文部省が発言をし得る限度は、権限といたしましては
義務教育
国庫負担
法に基きます
関係
だけでございます。
給与
をつかさどります主体性はもちろん
地方団体
にございます。しかし一面、
教育
全体の立場からいたしまして、文部省はいろいろと注文するわけでございます。そこで、今一例をおあげになりましたように、各県でいろいろ
計画
がございますが、今お話のように
相当
長期の
計画
が立っております。そこで、今後生徒、
児童
の増減の傾向がだんだん減少になっていきますので、それに見合ってそういうような
計画
が立っておるわけでございまして、これは先ほど申しましたように、前提といたしまして権限は
地方団体
にありまして、
地方団体
が財政再建の努力のその
計画
として、そういう
計画
を立てるわけでございますから、それは一応尊重せざるを得ないと思います。ただ
教育
全体の質が低下しないようにという観点から、文部省としてはそれに対して関与をしていくということでございます。それが一々適当かどうかということにつきましては、いろいろ御意見があると思いますが、財政再建という努力につきましては、ある程度協力していただかなければならぬ、かように
考え
ます。
小林信一
77
○
小林
(信)
委員
ここがどうしても一番聞いておかなければならぬところですが、今の
局長
の御答弁は少しこんがらかってわからないのです。
地方
自治
団体
に対しては、文部省としては干渉することができないのだから、その自主性にまかせる。そうすると、結局自治庁と
地方団体
と折衝する場合には、
地方
自治
団体
に向って何ら干渉することができないのだから、その自主性にまかして文部省は手をこまぬいて見ておったということになるのですか。
緒方信一
78
○緒方
説明
員 それはあの
法律
の制定のときにもいろいろ意見も私ども述べましたし、それからまた
国会
の御意見としても、あの
法律
自体が政府提案が修正されまして、再建
計画
を立てます場合に、
教育
委員
会がそれに意見を述べる、
教育
委員
会の意見を聞いて再建
計画
を立てる、かような建前になっております。それで
教育
委員
会がその再建
計画
に対しまして十分関与し得るという
制度
になっておりますが、その観点におきましてその
団体
々々として適当な
計画
が立てられる、これが前提になっております。さらにその上におきまして自治庁に出て参ります。ただその場合に大体原則的な
計画
が立てられまして、それを漸次
実施
していくということでございます。文部省がそれに一々関与することはむずかしい場合が多いわけでありますけれども、意見としてはいろいろ述べる、かようなことに申し上げた次第であります。
小林信一
79
○
小林
(信)
委員
まことに申しわけないのですが、今後の
教育
行政という面からこういうところははっきりとしておかなければならぬ。大体
教育
委員
会があって、その
教育
委員
会と折衝して、そういう
先生
を減らすというような話をしてくるのだから、もちろん不当なことはあり得ないというのは機構上の問題であっていいのじゃないか、こういうふうなお話のようになるのですが、今現実に私の県あたりで一割以上も
先生
を減らされて——そういう機構でつながって、その機構にのっとって話がされてきたから間違いないだろう、あるいは今お話のように、今後八カ年という長期の間だからその間には
児童
減がある、それにのっとってそういう定員減もあったのだろう、当然だというふうにお
考え
になって——この問題を今文部省が権限がないからどうすることもできないと言えば、それまでですが、しかし
教育
行政をあずかる者としてこの事態がいいのか悪いのか、はっきりしていただきたいと思うのです。
緒方信一
80
○緒方
説明
員 いいのか悪いのかというのは、
教育
の具体的な問題としまして、具体的な場合々々におきましてその教員減の程度が
教育
の水準を非常に低めるというようなことになれば、これはいけないということは言えると思う。ただしかし事は具体的な問題であります。各県の財政
計画
の問題でございますから、国としては先ほど申しましたように、半額を
負担
をしていくというだけの責任を持っておるわけです。その問題自体はやはり各
団体
の財政再建という
計画
を立てる問題でありますから、それは全般的に
考え
ていかなければならぬ、かように
考え
ております。しかし
教育
の水準をずっと割るということであれば、適当でないということはだれしも言えることだと思います。
小林信一
81
○
小林
(信)
委員
結局は、文部省としては問題がどうであろうと、どうすることもできない、こういうふうにしか私承わることができないのです。先ほど大臣は、今こうやって話をしておる間にも全国の
教育
委員
は出つつある、りっぱな
教育
委員
が出るならば、おそらく昇給のことも心配してくれるだろう、こう簡単におっしゃられるのですが、そういうことが決して甘く
考え
られない現状にあるわけです。これをどうするかということをお伺いしているわけなんですが、しかしそういう機構で話し合いがされたのだから、その自主性にまかせる以外にない。これに対して文部省としては何ら干渉することかできない。こう言えばこういう状態でこの問題は解決されることになってしまうわけですが、そこで先日何かの新聞に、定数基準が定められたというふうに見えておったのですが、きめられたんですか。
緒方信一
82
○緒方
説明
員 定数基準と申しますのは、今国といたしましては小
中学校
の教員の定数につきましては、何らきめたものはありません。
地方
の各
団体
におきましてこれがきまりまして、それにつきまして先ほどから繰り返し申しますように、
財政負担
として半額を国庫が見ていく、こういうわけでございます。国庫が見ていきます場合に、あくまで
地方
の実質を
基礎
にしてその半額を見る、こういうことでございます。そこで国として定数をきめるという
考え方
は、何と申しますか、法定をしていくといったような
考え方
は、その
関係
とは矛盾いたしますからございません。ただしかし先ほどからお話になりますような、いろいろと
地方財政
の
関係
もございまして、教員の定数がだんだん減っていくということじゃ、これは困りますし、そういう観点からいたしまして、新しく何らかのそこに標準的な
考え方
が出てこないかということで、私どもは
研究
をいたしております。これは繰り返して申し上げますけれども、
法律
措置としてそれを強制していくという立場になって参りません、
方法
にはなって参りません。何と申しますか、
一つ
の標準として行政
指導
、
地方
が
予算
を組む場合、定数をきめる場合に、
一つ
のよりどころとなるものがあれば、非常に便宜でございますので、そういうものを作ることを実はずっと前から
研究
をいたしております。しかしこれは結論に到達しておりませんので、まだ
研究
の
段階
でございます。
佐藤觀次郎
83
○
佐藤委員長
小林
君、そろそろ結論をお願いいたします。
小林信一
84
○
小林
(信)
委員
結論を得たいのですか、どうも私の質問が悪いのかもしれませんが、実に
地方
でも困っておるのです。文部省としてもここでどうするということをおっしゃってくれないのですが、結局その方の結論はまた後日に譲ることにいたしまして今の問題は、やはり私もそう
考え
ておったんです。一応文部省が、何というのですか、その
一つ
の標準というふうなものを出そうとしておる。一学級何人が適当であって、そして一学級に対する
先生
の歌が一コンマ
幾つ
というふうなものを出される。やはり
地方
では大体それに準拠するというふうな
考え
で、そういう話があればそれをやっていくわけなんです。新聞に先ごろ出たものですから、これがそうかというふうに承わっているらしいんですが、私はそれをこの際明確にしたいからお伺いしたので、その算定する
基礎
というふうなものをどういうふうに——減ることもあるし、そうでないところもある、その基準となるようなものをどういうふうに
考え
られておるか、それを私は実はお伺いし、そしてそれを今度はただそういうふうなものを参考として持っているのではなくて、やはりこれは文部省としては暗に
地方
に生かしていくということになるのではないか、こう患うわけです。その場に今度はそういうふうなものは一応それとして、今度は八カ年間に一割以上も
先生
を減らさなければならぬ、こういう中で今果してそれが生きていくかどうか。そういうものに対して沿うような基準というふうなものを作るべきであって、それは簡単にできるものじゃない。かえってそういうふうなものが出るために、
地方
が今度混乱してきまして、生徒数は大体五十五人が適当である、そして一学級に対して
先生
は小
学校
で一コンマ幾ら、
中学校
一コンマ幾らだ、そうだとすれば、今度は自治庁とは再建
計画
の約束をして八百人減らすんだ、こういう現実の問題にどういうふうにこれがかみ合っていくか、これは実に問題なんです。そういうところを文部省はいかに御
研究
になっておいでになるかということを伺いたかったのですが、またいずれ次の
機会
に伺うこととして本日はこれで終ります。
伊瀬幸太郎
85
○伊瀬
委員
委員長
に
一つ
要望しておきたい。それはしばしば本
委員
会で審議されております、例の奈良正倉院の道路の問題です。これは過般文部省でも実地に御視察なさったと聞いておるのでありますが、この際本
委員
会からぜひとも国政調査に御出張願って、何らかの結論が出るような御審議をお願いしたい、かように存ずる次第であります。
佐藤觀次郎
86
○
佐藤委員長
伊瀬
委員
の発言の正倉院の件は、重要な問題でありますから、他日
理事
会を開いて協議して、適当に処理いたしますので、御了承願います。 以上をもちまして本日通告のありました質疑は全部終了いたしました。 本日はこの程度といたし、これにて散会いたします。 午後二時十分散会