○河野(正)
委員 ただいま
大臣の
答弁を承わって参りますと、私
ども、きわめて不満なものがございます。と申しますのは、たとえば
授業料のごときはとっておらないのだと、何か恩恵がましいお
言葉でございますけれ
ども、
授業料をとってほらないということは、これは
学校教育法で明確に規定されたところでございます。従いまして、
授業料をとっておらないから、私が申し上げました趣旨に沿っておるというようなことは、
答弁といたしましては、私
どもとしてまことに不満といわなければなりません。
そこでさらに
質問を続けたいと思いますが、御
承知のように、従来におきましては、
小学校の一年生に対しましては、教科書が無償で配付されておりました。その後財政上のいろいろな圧迫から一応中断されまして、そしてさらに今日におきましては、経済的に就学困難な
児童に対しましては援助をしようということでございますけれ
ども、先ほどから申し上げますように、
教育基本法の建前から、あるいはまた
学校教育法という法の建前から、きわめて私
どもはこういう法案には——現実に対しましては、ある程度私
ども了承することはやぶさかでございませんけれ
ども、基本的には非常に大きな不満の意を表せざるを得ないのでございます。しかも私
どもが申し上げたいことは、今日まで今申し上げましたような事情にあったのでありますが、松村前
文部大臣もたびたびこの問題につきまして言及されておったのでありまするが、今後学童の教科書の問題につきましては、何とかして国が全面的に負担をするという態度をとりたいというようなことを申されておったのでございますけれ
ども、今日におきましては、いろいろ財政的な問題があるのでございましょうけれ
ども、今日のようなきわめてこそくな法案となって現われたのでございます。ところがそれにつきましては、今
大臣からいろいろ釈明があったのでございますけれ
ども、そうでありますならば、
大臣のお
言葉に私
どもが一歩譲ったといたしましても、非常に大きな矛盾を感じます点は、附則の第二項に、「新たに入学する
児童に対する
教科用図書の給与に関する
法律は、廃止する。」ということがうたわれております。この附則の第二項に定められました
法律というものは、少くとも私
どもが今日まで主張して参りました
一つの既得権と申しますか、既成の事実に立ちますところの問題であったのでございます。ところがこの法案と同時にこの
教科用図書の給与に関する
法律を廃止するということになりますと、今まで入学いたします
小学校の一年の
児童に対しまして、
お祝いとして渡しておりました
教科用図書の予算と、今日出て参っております就学困難な
児童のための
教科用図書の予算というものが、ちょうどすりかえられたというふうに私
ども理解するのでございまして、この法案が
大臣が仰せられますように、前進した
一つの法案だというふうに、私
ども考えて参るわけには参りません。そこでこのような附則第二項にうたわれております
法律の廃止ということにつきましては、今後非常に大きな問題を残すと思うのでございますが、この廃止の問題につきまして、
大臣がどのようなお
考えでおられるのか。その点をお伺いいたしておきたいと思います。