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井手小
委員 ちょっと
河川局次長にお伺いいたします。今も
足鹿委員に
答弁があったように、
海岸法ができたからというのですが、この比較的経験のある小
委員の前では
海岸法だけでは隠れみのになりかねるのです。その
証拠に、行政の一元化を目標にした
海岸法が案外すらすら通った意味は、結局今までと大体変りないということなんです。あれは法律をよく見てみますと、結局同じです。しかも府県知事が計画を立てる。そして本省に持ってきて
各省と連絡し計画を立てて予算化するということになりますと、かりにうまくいってもほんとうに効果の上る時期はずっと先だと思う。だから
海岸法ができましたからとはおっしゃって下さらぬようにお願いしたい。
そこで私は、白浜小
委員の御出席を待っておりますが、まだ見えませんので次に
お尋ねいたします。先刻も
海岸堤塘のことにちょっと触れておきましたが、
海岸堤塘あるいは漁港の防波堤などのほかに、
災害復旧事業に至らない
海岸線の
決壊、荒廃がきわめて多いのであります。これは
建設省にも
農林省にも
関係が深いことでありますから
一つお聞きを願いたい。たとえて申しますと、
長崎県におきましては
海岸線、離島—
海岸線はほとんど
決壊あるいは
崩壊の
危機に瀕している。というのは、島原半島において護岸が
決壊している。その上は
農地であったけれ
ども、経済効果が薄いというので
農地の
災害復旧にはなかなか認めてくれないそうであります。経済効果が薄く二十万円もかかるというのでなかなか認めてくれない。ところが続いて
崩壊の
危機にありますので、その
農地の横を走っている県道が近いうちに
崩壊しないかという心配が非常に強いのであります。これは
災害の関連
事業として
工事を取り付けるべきものであると思う。あるいは
長崎市郊外の茂木町に参りますと、
海岸線の道路がずたずたにやられている。ところがその道路の
復旧は
災害復旧工事として認められておりますが、その横の何十丈という高いがけがくずれております。しかもその上に
人家が二つも三つもあり、神社もございます。あすにもくずれそうな
崩壊場所、これが
災害復旧工事に至らないというので認められていない。しかしこのまま放置いたしますならば道路は
決壊するのであります。埋没するのであります。あるいは千々石町に参りますと、数十戸の漁村を守っている護岸が全部洗われてなくなってしまっている。しかしこれは
災害復旧工事には該当しないというので
査定から漏れているのであります。私はここに三つの例をあげました。しかし、どれ
一つをとりましても、
災害復旧工事に至らないというのでこのまま放置するわけには参りません。やはり
海岸線を守る上には、
防災工事と申しますか治山治水
事業と申しますか的確な言葉は知りませんけれ
ども、何かの方法で
工事をやらなくては
人家を守り道路を守りあるいは
農地を守ることができないのであります。
危機に瀕しているこの
状態に対して
建設省はどのようにお
考えになっているか。
農林省も
関係がございますから両方からお
考えを承わりたいと思います。ただ
災害復旧工事ではないからというのでは済まされないと思います。すでに報告もあったと思います。
大蔵省は報告をお
読みになっていないかもしれませんが、
建設省はなっていると思いますから、
一つこの点について
お答えを願いたい。
続いて
お尋ねをいたします。こういう場合は、
お答えの便宜にもなろうかと思いますので申し上げておきますが、直接
災害復旧工事には至らないけれ
ども放置するわけには参りません。従って当局の
立場を
考えてやりますならば、
防災工事のワクをうんとふやしてこれで
工事をやっていく、こういうことが私は一番実現性のある方法ではないかと思うのです。
地元も負担をさせる。
主管省も補助をやる。こういうことで護岸なりあるいは道路を守っていく方法はないものかどうか、私はいろいろと
考えて参りましたが、あの寸断されておる
長崎県、
佐賀県、熊本県の
海岸線を
考えますと、何とかこの際思い切った措置をとってもらわなければならぬ。いわゆる現行法でまかない得る方法
——しかも私はこの際申し上げたいことは、自衛力増強、自衛力増強と盛んにおっしゃいますけれ
ども、国土がこんなふうに荒廃していて自衛力増強もあったものではありません。内側からこわれておる。まざまざと私は見せられましたが、
大蔵省の方も幸いいらっしゃいますので、
主管省も大いにふんどしを締めて予算の交渉をなさって
——どうせ補正予算も出るでございましょう。防災費かあるいは治山治水の費用かで、うんとそういう方面の費用をとって、
海岸線を一応もとの姿に返すという御誠意がおありになるかどうか、その点を
お尋ねしておきたい。