○山本(幸)
委員 なかなか、
小倉さん、うまい
答弁をされるので、大したもんだと思うのですが、
最後に一点だけ申し上げたい。実はこれは先ほど申し上げた麦価の売却
価格にも関連いたしますけれ
ども、精麦業界は非常な浮沈、深刻な
状況にあって、倒産が続出しておる。このいう状態を作った
原因は幾つもあると思うのです。たとえば
一つはあなた方の
価格政策の悪さ、これはさっき申し上げた
通り。それから第二は能力過剰の問題、第三に今日精麦業界が非常に浮沈の
状況になったそもそもの糸口は、これは私、昭和二十九年の記憶で、昨年質問もしたのですが、中間統制が継続せられた。けれ
どもその当時の食糧
事情からいって一挙に全部を売却対象にすることが困難だったものですから、従って相当部分は
政府の委託加工をやっておられたわけですね。そこで委託加工を続行せられておりましたけれ
ども、その後に食糧
事情が好転し、嗜好も高まって、歩どまりを引き下げなければならない事態に当面した。その結果
政府の委託加工をせられた製品は、販売業者、卸売業者、小売業者が、その
価格では全然買わなくなった、こういう事実にぶつかったわけですね。そこで
政府としては、販売業者が買ってくれぬものですから、
値段をうんと下げるか、あるいは腐るまで
政府が持たなければならぬか、どっちかの問題にぶつかって、その結果
食糧庁としては、業者に対して半ば強制的にこの
品物は委託加工の製品であるから、
政府の責任で処理すべきであるけれ
ども、この際
一つ作った加
工業者の精麦業者が引き受けてもらえぬか。引き受けてもらうならば、それによる損害は長い目で見て補償いたしますと、これはあなたが当時の
長官でありませんが、前
長官の清井さんの時代、あるいはその当時の部長時代、そういうことを明確に言明しておられる。その言明のときに私は
食糧庁で立ち会っております。それによって業界は、早く言えば引っかかって、その腐りかかったような委託製品を引き受けて、それを二束三文で処理した。よって起きたところの損害は三十数億に余るのです。業者にしてみれば、そんなものは引き受けたくないけれ
ども、
食糧庁の言うことを聞かぬと、今後
価格の上でも、あるいは払い下げの上でも、
ワクの上でもいじめられるから、涙をのんで言うことを聞いたという実情らしいのですが、そういう損害が今日非常な悲惨な状態になる第一の糸口になっておると私は思うのです。それに重なって、食糧
事情がさらによくなり、米が豊作になり、あるいは
生産能力の過剰だ、こういう
理由が次から次へと重なって今日の事態に立ち至っているわけです。従ってそういう点はもう少し
食糧庁みずから反省なさらぬと——私は証人ですから——この
価格問題等を根本的に検討することにならぬのです。私はこの点を反省せられることがまず第一に必要なことであると思う。
さらに結論としては、この
価格の改訂については、あなた、今検討せられると言っておられますが、これは急を要するのです。急を要するからこそ、先般全国各地から業者が二千数百人も集まって、自民党の諸君も行かれ、社会党の、私も参りました。そうして大会を開いて、その実情を私
ども伺ったのですが、非常に深刻な状態にあるのです。それをこれからゆっくり検討するというようなあなたの態度では、業者はとうてい救われませんよ。ただあなたは、国会の
答弁の技術としてそういう
答弁をなさったのか、それとも真剣にこれを救済しようということで、いわば妥当な
価格を作って業界の苦境を何とかしてやろうということで至急に検討なさる決意があるのか、なさるとするなら、いつごろ検討せられて、いつごろ大体実施になるのか、いつごろから実施されようとするのか、それを
最後に伺っておきたい。