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1956-05-14 第24回国会 衆議院 農林水産委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十四日(月曜日)    午前十一時三分開議  出席委員    委員長 村松 久義君    理事 笹山茂太郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 助川 良平君 理事 田口長治郎君    理事 中村 時雄君 理事 芳賀  貢君       足立 篤郎君    安藤  覺君       五十嵐吉藏君    石坂  繁君       楠美 省吾君    小枝 一雄君       鈴木 善幸君    原  捨思君       松浦 東介君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    伊瀬幸太郎君       井谷 正吉君    田中幾三郎君       日野 吉夫君    久保田 豊君  出席政府委員         農林事務官         (大臣官房長) 谷垣 專一君  委員外出席者         農林事務官         (大臣官房総務         課長)     檜垣 好文君         農林事務官         (農林経済局統         計調査部長)  野田哲五郎君         専  門  員 岩隈  博君     ――――――――――――― 五月十一日  委員川俣清音辞任につき、その補欠として中  村時雄君が議長の指名で委員に選任された。 同月十四日  理事中村時雄君五月八日委員辞任につき、その  補欠として同君が理事に当選した。     ――――――――――――― 五月十二日  一湊漁港改築費予算化に関する請願原捨思君  紹介)(第二一四七号)  農地改革の行過ぎ是正に関する請願廣瀬正雄  君紹介)(第二一八九号)  笠間営林署管轄区域の一部変更に関する請願(  船田中君紹介)(第二一九〇号)  地方競馬民営移管反対に関する請願江崎真  澄君紹介)(第二一九五号)  国産しゆろ生産業危機打開対策確立に関する  請願世耕弘一紹介)(第二二一二号)  桜島の噴火降灰による農業被害措置に関する請  願(山中貞則紹介)(第二二一三号)  福島県の凍霜害対策確立に関する請願外一件(  助川良平紹介)(第二二二三号) の審査を本委員会に付託された。 同月十日  原水爆実験に伴う水産関係損害補償に関する陳  情書(第六五二号)  米穀の統制撤廃反対等に関する陳情書  (第六七一  号)  海外出漁船母体に対する国庫補助に関する陳情  書(第六七  三号)  漁業共済保険制度確立に関する陳情書  (第六七五号)  さつまいもでん粉政府買上げわく拡大等に関  する陳情書(第六  七六号)  競馬民営反対に関する陳情書外十二件  (第六七九号)  同外四件(第七  一一号)  八郎潟干拓事業促進に関する陳情書  (第六八五号)  雑豆類輸入抑制に伴う需給調整に関する陳情  書(第七〇八号)  同(第七三二号) を本委員会参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  小委員補欠選任  凍霜害による農業災害に関する小委員会設置の  件  派遣委員より報告聴取     ―――――――――――――
  2. 村松久義

    村松委員長 これより会議を開きます。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この補欠委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認めます。よって中村時雄君を理事に指名いたします。  次に小委員補欠選任についてお諮りいたします。委員異動に伴い、水産に関する小委員欠員を生じておりますので、その補欠委員長において旧名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認め、委員長において水産に関する小委員白浜仁吉君及び日野吉夫君をそれぞれ指名いたします。     —————————————
  5. 村松久義

    村松委員長 四月下旬及び五月上旬における凍霜害による農業被害状況について、派遣委員より調査報告を求めます。各班について、順次報告聴取することにいたします。第二班足立篤郎君に御報告を願います。
  6. 足立篤郎

    足立委員 今回凍霜害現地視察団の第二班として、淡谷委員とともに、五月十日より十二日に至るまで、山梨県及び長野県の各地視察いたしました状況を簡単に御報告申し上げます。まず調査の順路に従いまして、そのつど調査見聞いたしましたことを中心に御報告いたします。最初山梨県庁に参りまして、現地参加古屋代議士を交え、天野知事農務部長農林省統計調査事務所長県会議員団等より、県下被害状況全般並びにそれに対しての対策要望等聴取いたしました。  山梨県における五月十日までに集計されました被害総額は、五億六千万円以上と予想されまして、昭和二十八年四月の三億八千二百万円をはるかに上なのは県北部の北巨摩郡で、次が甲府市、東山梨郡といった順序でありまして、県南部地帯被害が比較的軽微でありました。作物別に見ますと桑が一番激烈で、次いで麦類果樹蔬菜等であります。今回の被害が甚大となりましたのは、農林省山梨統計調査事務所提出の資料に示されております通り、本年四月中旬より凍霜害発生直前まで、平年の気温をはるかに上回る温暖異変を生じ、これによりまして農作物生育が急激に進行し、軟弱なる枝葉が伸長いたしました直後、逆に急激なる気温の降下を来たし、三十日に至り摂氏零度以下に低下しました。このような、霜害に最もかかりやすい生育状態において氷点下気温が低下いたしましたので、今回の予想外の大被害を招いた結果となったのであります。このように激甚なる被害に対して、県議会ではさっそく凍霜害に対する緊急協議会を開催いたしまして、日夜対策を講じておりますが、県として国に対し次の事項要望しておりました。  一、被害農家に対する営農資金貸付及びこれに伴う利子補給並びに既貸付営農資金償還延期  一、被害県に対して自作農維持創設資金融資ワク拡大  一、共済金早期支払い  一、樹勢回復用肥料消毒用農薬に対しての助成  一、被害養蚕農家に対し蚕種購入資金助成  一、農業所得税減免措置  一、特別地方交付税交付金増額  一、恒久策として国において凍霜害について試験研究を拡充強化し、その結論に基く施設等を示してもらいたい  以上のような事情の聴取を終りまして、農務部長県会議員等案内により現地視察を行いました。  最初甲府北東部塩山市の桑園視察いたしました。この塩山市は養蚕専業農家が多く、桑園面積三百七十七町歩中、百四十一町歩がほとんど全滅に近い被害を受け、またバレイショ、桃、ブドウ等にも相当被害が見られました。塩山市の視察を終えたわれわれ一行は、隣接山梨市の被害桑園視察しましたが、この地区養蚕専業者が最も多く、しかも桑園被害激甚のため、春蚕の掃き立てばほとんど不能に陥り、農家現金収入の道を閉ざされるとともに、農家労力は時期的に遊休する結果となりますので、この際近くを流れる重川の築堤工事の施工を繰り上げて、今回の被災農家に対して、いわば失業対策的意味を持った救済事業としてくれとの要請がありましたが、このような具体的に実現可能性のある場合におきましては、国としても積極的に推進させる必要があるとの感を深くしました。  山梨市の視察を終えるころ、案じられておりました天候の変化から小雨のそぼ降る中を双葉町に向いました。この双葉町は全町ほとんど養蚕専業農家でありますが、桑園はほとんど全滅の有様で多勢参集した農民の顔には暗影ひとしお深いものがありました。また全く見込みのなくなった桑を切り捨てる農民のうつろな眼に接することは涙なくして見られぬ状態でありました。淡谷委員とともに激励を含めた見舞の言葉を送りまして、次の視察予定地明野村及び韮崎市に向いました。韮崎市において市長初め関係者より被害状況聴取し、それに対する陳情を受けました。なお時間の都合視察ができませんでしたが、甲府南部、甲西町は早出し蔬菜生産地で、早出し野菜、ことにトマトはほとんど全滅とのことであり、この地方視察のできなかったことはまことに残念でありました。  以上で山梨県下視察を終了いたしましたが、総体的に見まして県下被害霜害によるものが主でありました。種類別に見ますと、桑の被害が一番大きく、麦類相当被害が見込まれましたが、被害徴候あとに時間の経過とともに現われますので、今後の収穫滅相当数量に及ぶものと思われます。  韮崎市におきまして県の関係者と別れを告げ、次の視察予定地長野県に向い、十九時七分上諏訪駅に到着いたしました。駅近くの宿舎で県知事、農地経済部長等より今回の県下全般被害状況について説明聴取いたしました。長野県の五月十日までに判明いたしました被害総額は実に二十七億七千万円の巨額に上り、その被害はほとんど全県にわたり、特に上伊那下伊那、東筑摩、南安曇、北佐久小県、更級、埴級、上高井の各郡、長野上田小諸、須坂、松本伊那駒ヶ根飯田の各市は被害激甚地であり、作物種類別には養蚕県であるだけに山梨と同じく桑がその被害特に大きく、次に果樹類麦類、水稲苗しろ、バレイショ等であります。かく激烈なる被害を全県下にわたって受けた原因として考えられることは、二十九、三十の両日にわたり百葉箱内において氷点下二度、極端な地区では零下五度以下、地表面零下七、八度という極端な気温の低下を示し、しかもこの低温相当長時間続いたため、霜害に加えて凍害を受けてしまったためと思われます。県としてはあらかじめ防霜対策に万全の処置を講じたようであるが、このような気象状態の下では施すすべもなく、ついにその深刻さにおいて前例を見ない大被害を受けるようになったのであります。この激甚なる被害に対し、県では直ちに霜害対策本部を設け、応急的諸対策官民一体となって講じておりますが、長野県として国に対して次のような事項早急実現要望しております。   要望事項  一、樹勢回復および代作用肥料購入助成  二、水稲苗しろ追播用種子及び代作用種苗ならびに肥料購入助成  三、再掃立蚕種購入助成  四、予備蚕児および稚蚕児委託経費助成  五、種苗ならびに桑葉輸送費に対する助成  六、霜害防止に要した経費助成  七、災害対策技術指導強化費助成  八、被害農作物病虫害防除に対する助成  九、被害農家に対する営農資金融資ならびに既融資金償還期限延期  一〇、自作農維持創設資金の増資ならびに既融資金償還期限延期  一一、生活資金のための救農土木事業の実施  一二、農業共済金早期支払  一三、農業所得税減免  一四、県市町村財政確立するための地方税交付金増額  一五、開拓農家に対する特別融資対策  以上のごとく県下全般被害状況、それに対する対策及び国に対しての要望聴取した後、地方諏訪郡の地方事務所長県会議員農業団体等より郡下被害状況及び陳情等聴取して、第一日の日程を終了しました。  翌五月十一日朝七時三十分に上諏訪宿舎出発、本日の日程である東信地区視察をするために自動車にて和田峠を越えて北佐久郡に向いました。途中、凍霜害関係はありませんが、薬用ニンジン(朝鮮ニンジン)、ホップ等特用作物栽培状況視察しながら、北佐久浅間町に到着地方事務所長小諸市長県会議員等より被害状況聴取陳情を受けました。北佐久下並び小諸市の被害で特に被害の大きいのは、リンゴナシ桃等でほとんど八〇%以上の収穫減となっております。さらに時間の都合現地視察はできませんでしたが、軽井沢を中心とした浅間山麓の高冷地帯の水稲苗しろの被害はほとんど全滅状態の由で、対策として追いまきをしたり、隣りの群馬県にも追いまきを依頼しておる状態で、時間の関係現地視察のできなかったことは残念でありました。  次いで浅間町の果樹園視察しましたが、予防対策として重油を燃焼して相当効果をあげた事例も多く、非常に参考になりました。重油燃焼による予防対策を講じた果樹園は、午前一時ごろから六時ごろまでの間たき火を併用しながら重油を燃焼いたし、そのために被害を軽微にとどめ、五〇%以上の収穫を確保できる見込みのものもあります。このように重油を燃焼する方法により効果をあげた農家には、奨励の意味を含めて補助金を出した方がよいのではないかと考えられます。県では石油カンを改造した重油燃焼器を勧すめておりましたが、一個百五十円ないし二百五十円ぐらいで反当り最低三十個ぐらい必要との説明でしたから、反当り四千五百円ないし七千五百円程度施設費であり、燃焼した重油の量はおおむね反当り一石五斗、金額にして六千円程度であります。  次に、小諸市内の旧三岡村の果樹栽培指導農園視察しましたが、インド、紅玉、祝等リンゴ及び桃はほとんど全滅、デリシャス、国光が三〇%くらい収穫できる程度であります。六十才すぎた農民の話で、今回の被害は生れて初めてとのことでありました。果樹のほか、桑の被害も大きく、春蚕は三分の一程度の掃き立もでき得るかどうか、あやぶまれておる現状であります。麦も相当被害がありますが、しばらく経過を見ませんと、はっきりした減収はとうていつかめません。なお予防法として面白いと思いましたことは、バレイショでありますが、予報が出ましたので、農民は地上に発芽しておった部分に土壌をかけ、百パーセント被害をまぬがれた例もあるのであります。  北佐久郡、小諸市の調査はこの程度に終り、小諸なる古城のほとりを流れる千曲川を左に見ながら小県郡、上田市に向いました。この地方の特産であります菓子グルミはほとんど全滅であります。上田市に至る間桑園及び菓子グルミ被害状況を見ましたが、北佐久郡と同じくすべて凍害を受けておりました。次に、上田市外山口リンゴ被害状況を見ました。この辺一帯はほとんどリンゴ栽培専業農家でありますが、ほとんど全滅に近い状況で執りました。栽培管理の十分行き届いた最も新しい栽培方法を取り入れた果樹園視察してこのような状態でありますので、その他の被害程度は十分推測できました。  山口を出て上田市の地方事務所に象りまして、上田市及び小県郡下の各町村の果実、麦類バレイショ等被害状況聴取し、その陳情を受けました。あと上田南西部桑園及び麦類被害状況現地視察して、これで上田及び小県郡下視察を終了し、青木峠を越えて松本市に向い、六時過ぎ松本市の宿舎に着き、地元地方事務所長松本市長その他関係者より被害状況聴取陳情を受けたのであります。これで第二日目の日程予定通り終了しました。  五月十二日午前八時浅間宿舎出発最初桔梗ヶ原の林五一氏という人の経営する果樹園視察重油燃焼法による予防措置に精魂を傾け、ある程度被害を免れた実例を見聞いたしましたが、一面零下四度以下では、幾ら骨を折っても一慶ないし二度の温度の上昇はできましても、根本的には防除でき得ないことの実情を見聞いたしたのであります。桔梗ヶ原から辰野町に至り現地参加宮澤胤勇代議士を迎え、同町のナシリンゴ桑園及び麦類被害状況視察した後、伊那谷を下り伊那市に到着地方事務所において所長等より郡下町村伊那市、駒ヶ根市等の果樹桑園麦類等被害状況聴取し、それに対する陳情を受けました。上伊那郡の被害総額は五億五千万円に上る前例のない大被害であり、被害の大きいものは、桑園果樹、苗しろ、菜種等であります。全地域は、山間、平坦の区別なく被害を受けており、特にこの地域果樹栽培には進歩的な研究をしている土地だけに、累年発生する凍霜害に対する恒久的対策を立てようとまじめに研究をしており、恒久策として、凍霜害防止に対する基本的研究機関の新設、地域的気象観測所設置等警報組織確立果樹園集団化とその助成等の項目につき強い要望を受けたのであります。ことに今回の凍霜害の場合、防霜処置として燃焼資材の不足、値上り等を見たため重油完全配給と備蓄に対する利子補給等要望されておったことは、今後の措置につき十分参考にすべきであろうと思います。なお重油にかわる固型燃料等についても、その研究について意見を聴取したのでございます。  さらにわれわれ一行桑園、麦、果樹等被害を見ながら今回の調査最終目的地たる下伊那郡、飯田市に向いました。最初果樹専業地帯である大島村を見学、午前一時十五分から日の出過ぎまで二反五畝の面積に対し重油二石と松葉、まき等まで燃焼し尽して相当程度効果をおさめた血の出るような努力の跡を見学しました。自動車の古タイヤに重油をかけ燻蒸してその上に土をかけ予防方法をとったものもありました。下伊那郡下では果樹被害もさることながら、桑園被害はきわめて大でありまして、被害後すでに十日以上も経過するもいまだ発芽を見ず、その様相は筆舌に尽くしがたく、見渡す限り黒変枯死生長点もほとんど枯死し回復の見込も立たぬ惨状を呈している状態でありました。最後に現地視察いたしました日本三大桑園の一つに数えられている天龍川流域の川路村桑園は、まさに冬の桑園の姿そのままでありました。飯田市の地方事務所被害状況全般について説明聴取を受けました後陳情を受け、一応これをもって今回の調査の全予定を終了いたしました。  以上をもちまして巡路に従っての現地調査報告の大略を申し上げたのでありますが、総括的に申しますと、今回の凍霜害昭和二十八年のそれよりもはるかに上回っており、範囲がきわめて広く、かつ霜害凍害が二重に加わったため被害の度を増したのであります。地域的に見ますと、山梨県は大体霜害がおもであり、長野県は凍害の影響がきわめて大きいのであります。種類別に見ますと両県とも桑が大きく、長野県では果樹被害も全県にわたって莫大なものであります。ことに東、北信におけるリンゴ被害相当数に上っております。次いで麦の被害は実体は把握しがたいのでありますが、他の作物から考えてみましても、その減収量相当量に達するものと考えております。予防措置として、いずれの土地におきましても恒久対策の樹立を要望されました。なお今回の災害実情から、予防措置の限界は現在の経済技術のバランスを考えるとき、摂氏零度以下においてはきわめて困難でありますが、先ほど来御報告申し上げました通り血の出るような努力をいたしまして、相当防除に成功している例は数多くあるのであります。ところによりましては刀折れ矢尽きまして、その所期の目的を達し得なかった農民もあるのでありますが、これらの農民に対して失望を与えないような今後の措置確立が望ましいと考えられます。あわせて努力の報いられた農民に対しても、努力によってある程度の難は免れたのでありますが、成果を上げるに要した経費補償も考えてやらなければならないと痛感いたしたような次第でございます。  なお御同行願いました淡谷委員果樹に対する専門の知識をお持ちでありまして、現地において懇切丁寧な御指導に当って下さいました。なお技術的な面で淡谷委員から補足して御報告いただきますれば、まことにありがたく存じます。以上概略でございますが、御報告にかえます。
  7. 村松久義

    村松委員長 淡谷委員補足説明あと回しにいたしまして、第三班の五十嵐吉藏君。
  8. 五十嵐吉藏

    五十嵐委員 四月下旬及び五月上旬の凍霜害による農業被害調査第三班静岡県及び愛知県における実情調査について御報告申し上げます。  派遣委員井谷委員と私でありますが、現地において久保田委員が参加され、また調査室より菅原調査主事が随行いたしました。  十日朝東京を出発し、静岡市において県当局より県全般にわたる被害状況について説明聴取し、次いで掛川まで参り、掛川から自動車による案内に従って北小笠山梨町、袋井町、三方原茶業指導所支所及び浜松市神久呂の各現地の主として茶の被害調査をいたしたのでありますが、当県においては四月二十九日からの低温と三十日及び五月一日両日未明の凍降霜により、主として大井川以西各地約八千三百町歩にわたり茶、桑、バレイショタバコ蔬菜類がその被害を受け、その金額は約七億円に達したのであります。その中で茶は最も被害甚大で、作付面積一万五千町歩のうち六千二百八十町歩被害面積で、被害金額は約六億円に及ぶのであります。御承知の通り、茶は全国生産約一千四百四十万貫のうち、八百三十万貫か当県の生産であります。今回の災害は、その生産量の最も多い、また最も経済価値の高い一番茶の摘採期直前であり、しかも農家経済を左右する主産地帯であったことだけに被害農家の痛手は実に深かったのであります。その被害程度を見るに三〇%以下が八百四十八町歩、三〇%以上七〇%までが二千四百五十九町歩、七〇%以上が一千九百七十三町歩でありますが、近年における茶の海外市場は、中共茶の進出により、販路は著しく制約されており、また茶の取引機構の不安から、製品の厳選が要求されておりますので、被害程度の低いものでも霜害を受けたものは、かおりにおいて、また色において市場性がなく、全部刈り落さなければならぬ状態であります。  次に、桑は作付面積一千六百四十五町歩のうち、被害面積八百八十二町歩被害金額四千百十三万円にのぼり、被害程度は三〇%以下四百十町歩、三〇%以上七〇%までは百四十七町歩、七〇%以上が二百二十五町歩であり、バレイショ蔬菜タバコ等被害については、茶が被害の約九割であるためか、現地を見ることができなかったが、いずれも本年に入ってから最初換金作物だけに、被害農家の悲嘆はまことに察するに余りあるものがあります。磐田郡袋井宝野現地において、婦人会を代表された方の陳情に、毎日朝な夕なに涙にくれておりましたけれど、県の皆様や町の方々に激励言葉をいただき、どうやら仕事をする気にもなりましたが、畑に出ましてもちょうど死んだ子供にお乳を飲ませるような感じでございますとの切々たる訴えの声に胸の詰まるのを覚えたのであります。また被害当時は各村においてほとんどラジオ等により霜の降りるのを予想し、夜を徹してむしろでおおいをかけたり、あるいは重油を燃やしたりして防止努力したところもあったが結局だめだったと申しておりました。事実その効果はあまり見るべきものがなかったのでありましたが、十分研究を要すべきものと考えるのであります。なお麦類被害本最近に至り穂の白く変ったことにより発見されるに至り、県においても調査中でありました。  次に、茶、桑等に対する応急技術指導であるが、県の指導としては刈り落しと、病虫害防除薬剤の撒布と、樹勢回復の追肥を行なっておったのであります。  次に、要望事項として、各被害地とも今回の被害昭和二十八年の凍霜害より時期がおくれたため、損害が甚大であり、  第一に病虫害防除薬剤並びに樹勢回復用速効性窒素質肥料等購入経費に対する全額国庫助成  第二に、茶に対する農業災害補償制度確立  第三に、被害農家に対する長期かつ低利営農資金融資及び利子補給全額国庫負担、並びにすでに融資されておる営農資金返済期限の延長  第四に、課税の減免  第五に、農業共済保険金早期支払い  第六に特別交付税増額等でありましたが、特に助成金全額国庫支弁営農資金長期低利すなわち五カ年以上利子は三分五厘以内でという点は特に強い要請があったのであります。  次に愛知県でありますが、十一日に豊橋市に入り、県の東三河事務所において、県当局より、県全般にわたる被害状況について説明聴取し、次いで自動車による案内に従って、豊橋市東下条、南設楽郡新城町字富岡南設楽郡作手村字田原額田郡宮崎村字石原額田郡豊富村樫山、碧海郡上郷村字鴛鴨西加茂郡高橋村字寺部西加茂郡猿投村字篠原、瀬戸市字山口各地視察調査名古屋市に宿泊し、翌十二日は名古屋出発し、春日井市高山町、小牧市大山町、江南市役所扶桑町稚蚕共同飼育所、江南市般若、江南市村久野の各現地被害地調査をいたしました。  当県においては四月二十九日、三十日両日未明の寒波は、山間部中間部及び平坦部のきわめて広範な地域で凍降霜が起り、約二万九百町歩にわたりちょうど萌芽期にあった桑、茶、果樹、山間水稲苗しろ一麦等に甚大なる被害を与えたのであります。五月十日現在においてその被害見積金額は十四億四千五十一万円に達したのであります。特に養蚕は、掃き立てを数日後に控えて、その出鼻をくじかれた感であり、また茶においても一番茶の摘採期であり、さらに果樹類及び早熟蔬菜においても巨額の損害になったのであります。  桑は、作付面積五千三百三十町歩のうち被害面積四千四百七十七町歩で、被害金額三億七千三百七十二万円に及んでおります。今回は異例の晩期凍霜害で、桑芽の伸長は中生桑において三ないし四開葉で霜害に対し最も弱い危険期にあり、新柏は基部まで凍死黒変し、掃き立て直前のために被害激甚なものは掃き立て不能となり、春蚕飼育を断念し、伐採したところが大部分であります。それでも何とか副芽を待つという悲壮な気持で、枯木をながめてかすかな望みをつないでいる人々もありました。  麦類は山間部の大麦、小麦、中山間部の裸麦、小麦の被害が甚大であり、穂の全部または一部が凍害され白穂奇形穂となっており、その被害は目下五千百九十町歩で八千二百五十三万円と見積られているが、なお増大する見込みであります。  水稲苗しろは山間部の保温折衷苗しろであるが、被害前の高温続きに紙を取り除いたものでありまして、作付面積十七万一千四百二十坪、被害面積十四万八千二百八十坪で減収量二千石として被害金額二千百四十四万円であります。  園芸作物としてはカキが著しく、五、六寸に伸長し、展葉した新しい葉やつぼみが凍死し、本年の結実は望まれない、特にジロウガキ、フユウガキで有名な当県だけに作付面積一千五百六十町歩のうち、被害面積五百九十二町歩減収量百六万一千貫、被害金額一億四千八百五十八万円に達したのであります。  蔬菜類は主としてトマト、キウリ、カボチャ、インゲン、ウリ類で、本年は早熟栽培が普及したために、いずれも枯死状態であり、補植、または転作を余儀なくされている。作付面積一万二千町歩のうち被害面積二千六百三十一町歩被害金額二億三千百九十六万円の見込みであります。  茶は、作付面積九百三町歩のうち被害面積八百二十二町歩被害金額二億九百五十三万円である。その他バレイショタバコ等が著しい被害を受けているのでありますが、当県において特にその被害のはなはだしく感ぜられましたことは山林の被害であります。それは南設楽郡作手村字田原でありますが、海抜六、七百メートルの盆地地帯において、幼齢期の苗圃及び造林地の杉、ヒノキが枯死していることであり、広葉樹の葉が落ち、さながら秋から冬にかけての山景色と化していることであります。当県においては被害面積九千三百六十二町歩被害金額において八千四百七十二万円となっているのであります。  次に要望事項として、各現地において異口同音に  第一、災害農家に対する所得税の減免措置を早急に講ぜられたいこと  第二、農業災害保険金を迅速に給付せられたいこと  第三、特別交付税を考慮せられたいこと  第四、長期低利営農資金借り入れの措置を講ぜられたいこと  第五、凍霜害対策費につき特別助成措置として災害復旧肥料購入費、種子種苗購入並びに水稲苗しろまき直し経費、病虫害駆除予防費、蚕業技術指導強化費、夏秋蚕種購入費等の補助金全額国庫負担等でありました。  以上御報告を終ります。
  9. 村松久義

    村松委員長 次に第四班原捨思さんに願います。
  10. 原捨思

    ○原(捨)委員 私は第四班を代表いたしまして、調査の結果を御報告いたします。  本班に参加した委員は伊瀬委員と私の二人で、五月十日から十二日までの三日間にわたり、岐阜県、京都府及び奈良県下農作物の凍霜害について、現地調査して参ったのであります。  最初は岐阜県を調査いたしたのでありますが、御存じのように岐阜県は養蚕の非常に盛んな県であって、農家のこの養蚕への期待は大きく、現金収入は年間これに依存しているといわれているほどであります。しかるに四月三十日の凍霜害は、桑樹に対し壊滅的打撃を与え、回復見込みも立たない被害状態を呈し、まことに農家の悲嘆は深刻そのもので、想像以上のものであったのであります。  私たちはまず県庁において、県当局より県内における被害実情について御説明を承わったのであります。その概要を申し上げますと、総被害額は十一億八千九百余万円で、そのうち桑の被害が最も多く、総被害額の五六%に当る六億六千七百余万円で、これは栽培面積六千四百余町歩のうち五千六百余町歩に及び、実に八八%の被害でありまして、またこのうちの三分の一は壊滅で、回復不能といわれているものであります。その他被害は、麦類に二億円、果樹に一億二千余万円、バレイショに六千八百余万円、茶に六千二百余万円、ほかに菜種、タバコ蔬菜類も大きな被害があったのであります。  時間の関係上と、午後三時より二十五里以上にわたる現地調査日程のため、直ちに現地に向ったのであります。あいにく、正午近くより降り出した雨は本降りとなりましたが、予定調査を実行することとして関市へと進んだのであります。  この道沿いの桑園は、長良川に沿っている関係上、被害を免れている地点が随所に見られ、河川よりの水蒸気が霜害の軽減に効果があったことがよくわかったのであります。関市から美濃加茂市、可児市、御嵩を経て恵那市に進むに従って被害ははなはだしく、青い麦畑の中に茶褐色に枯れた桑園が点々と散在しているのがよく見られ、回復見込みも立たず、手の施しようもない程度被害で、県当局指導もあって、ほとんどが切り捨てられていたのであります。いまだ切り捨てられない桑樹を何とか手入れにより、一枚の葉をも得ようと懸命に努力をしている農家の方々の悲壮な姿が見られたのも、養蚕に依存することのいかに大きいかを物語っているといえるのであります。調査の途中部落々々で農家の苦境をお聞きいたしたのでありますが、昭和二十八年からの凍霜害のため、そのたびごとに受ける融資の返済がかさみ、もはや農家収入からしてはその限度に達しているとのことであります。  翌十一日京都府に参ったのであります。まず府庁において、知事、府会議長その他、府御当局より総括的な被害状況を承わり、その後京都府管内における被害地区の市町村長、関係団体代表の多数の方々より、種々被害実情について御説明をいただいたのであります。総合して申しますれば、茶の被害が最も多く深刻で、被害地区も山城地方に集中的にあったようであります。総被害額二億八千三百余万円のうち約一億九千七百万円と、七割以上が茶の被害でありまして、栽培面積に見ますると、一万一千五百余町歩のうち九千二百余町歩被害で、八割に当る大きいものであります。その次には桑園被害で、約四千万円に上り、丹波地方中心のようであります。果樹タバコ相当被害をこうむっていたのであります。  現地調査には知事、府会副議長の御案内をいただきまして、京都市から城陽、田原、宇治田原、湯船を経て笠置と、有名な銘茶の産地である山城地方を一巡いたしたのであります。この地方の茶は、静岡県等の茶の産地と、その生産栽培方法において非常に趣きを異にしているのでありまして、高級茶と申しますか、玉露、碾茶を主として生一産している所であって、そのため、茶樹は丁寧にこも、むしろにておおわれ、大切に手入れをされているのであります。これらの業者は、一番茶で茶の収入の八割を生産し、二番茶、三番茶で二割の収入を得る生産状態であります。今年のこの凍霜害は例年より七日から十日ほどもおそく、また零下六度の低温が長時間続いたために凍害を招き、このおおいのある茶園でさえも防除方法もなく、ほとんどが被害を受けたのであります。ちょうど新芽が出初めたときで、それを徹底的にたたかれ、従って今年は、今後手当を十分尽したといえども、一番茶を失った現在、八割近い損害は免れないのであります。おおいがあってさえこの状態でありますので、おおいのない多くの茶園においては全く悲惨で、いまだ見るからに真冬の姿と同様、若芽らしきものが見当らないばかりか、被害後十日を経た今日でさえ、本年は若芽を出さないのではないかとさえ思われるほどの打撃を受けているのであります。この山城地方農家現金収入のほとんどが茶に依存し、専業者も多数あるわけで、今年の現金収入の八割近くを失った農家としては、補助金によるか、無利子の資金による救済に望みをかけているようであります。  最後の調査県は奈良県でありまして、やはり茶園の被害について調査をいたしたのであります。非常に時間の制約を受けております関係上、前に述べましたように山城地方調査を十二日の午後三時まで行い、それから奈良県の調査に入ったのであります。高尾から奈良県に入り、月ヶ瀬、柳生、福住を経て奈良市と、現地を見せていただきましたが、奈良県の茶園はおおいのない茶園が多く、集団的に栽培されているのが目立って見られたのであります。この地方も山城地方とほとんど同様の被害で、壊滅の地区が多く、県よりの説明によりますれば、地表温度が零下六度まで下ったとのことにて、水蒸気も完全に凍り、これが降下して凍害を起し、そのために河川沿いの被害がはなはだしく発生しているとのことであります。  県下の総被害額は、一億二千二百万円となっており、そのうち茶の被害が最も多く、栽培面積一千余町歩の六〇%に当る六百余町歩損害を受け、その金額は八千二百万円余に上り、総被害額の七割近く占めるもので、また凍害もはなはだしく、バレイショにおいて五十三万貫余に及び、一千六百万円となり、カキ、菜種、桑等相当大きな被害を出していたのであります。  かくのごとく、三日間の調査日程を一応終了いたした次第であります。  以上簡単でありますが、凍霜害について現地調査。概要を申し上げましたが、その対策として最も要望していることは、樹勢回復のための速効性肥料と、病虫害予防のための農薬の緊急手配と、これに要する費用の補助であり、これは早急に措置する必要があると考えられたのであります。共済金早期支払い営農資金低利かつ長期貸付、及び前回の災害による償還金の延納措置が最も強い要望でありまして、その他は各班とほぼ同様であります。  今年の凍霜害の特徴は、低温が長く続いたために凍害を起し、速効肥料を吸収する力を失い、樹勢の回復が非常におくれること、及び例年より七日から十日間ほどもおそい時期にあったため、樹勢回復による事業の挽回が期せられないことがあげられるのであります。各地とも農民各位が災害防止に非常な努力を払い、被害を最小限度に食いとめるためにあらゆる方途を講じられたにもかかわらず、かくも甚大な被害を招いたことは衷心より御同情にたえない次第であります。  以上御報告いたします。(拍手)
  11. 村松久義

    村松委員長 なお第一班の中馬君及び石田君は、調査区域が広いので、昨晩おそく帰ってこられたそうでございます。従ってその報告書の作成準備間に合わずとの由でございますので、後にお諮り決定すべき小委員会においてその御報告を承わることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認めます。  なおこの際補足的の御報告がありますれば、これを承わります。
  13. 淡谷悠藏

    淡谷委員 山梨県及び長野県の果樹被害というものは、他の作物と若干違った点がございますので、二、三補足的に御報告申し上げます。  果樹の中でも、ブドウ、クルミ、カキ等は本年度出て参ります芽の中に花がありますので、これが一ぺんやられますると、ほとんどことしは見込みがないという形になって参っております。ナシ、桃、リンゴ等は、昨年形成されました芽の中に今年の実がもうすでにできております。同時に冬季間を通って参りますので、この凍霜害に対する抵抗力も若干強いように思われますが、山梨県のブドウは霜害関係で、高いたなにいたしましたので、案外被害を免れておりましたが、長野県では凍害が主で、高い部分ほど強くやられておりますので、ブドウの被害相当見られました。  なおナシ、桃、リンゴ等の被害は、雌しべの柱頭をやられまして、花は咲きますけれども、全然花粉がついても発芽し得ない状態になっているのが一つと、それから子房部がおかされまして、小さな実の中に、種が完全に変色しているという状態被害と、両様に見られたのであります。両方ともに一つ一つの花を検討してみなければ、災害の結果がはっきり出ないという点がございまして、従って葉も一応は出ておりまするし、花もみごとに咲いておりますけれども、結実が全くなくて、落花と同時に全部これが落ちてしまうといった、普通いっておりますカラマツ状態のものが大へん多くなりました。今その危険期に入っている関係上、今後この被害がどれだけ大きく出てくるかということは予知できない状態でございます。  なお先ほど来足立委員もこんこんと言っておられましたが、重油燃焼でございますが、果樹の一反歩の反収が非常に大きいので、一反歩一万円ぐらいの重油をたきましても、これを防ぎ得た場合は十分経営採算に間に合うという状態が出ておりますので、下伊那郡等におきましては、全面的に重油をたきまして——これも四度以下になりますと、一度や二度の温度ではできない。同時にたきました温度がまっすぐに上に上りますので、これに若干扇風機等も利用いたしまして、横に温度がなびくようなことにいたしましたら、果樹災害相当防ぎ得ただろうと思うのであります。同時にまた、この果樹は永年作物でありますので、芽は被害を受けておりますが、木そのものは死んでない。しかし実のない果樹に今後樹勢回復あるいは病虫害防除等をするということは、非常な努力を要し、同時にまた経済的にも重い負担になりますが、これを閑却いたしますと来年度からの結実に大へん影響する。ことしの花芽形成に大きな影響を来たしますので、この農民経済的な打撃と精神的な打撃を何とかして救済してやりまして、一日も早く来年度に備えて永年作物被害を食いとめるという方針をとらなければ、まことに憂慮すべき結果になりまして、本年の凍霜害が来年、再来年に及ぶような長い凍霜害の影響になるだろうと思いますが、なお詳しいことは小委員会等もございますので、その席で申し上げることにしまして、これだけ申し上げておきます。
  14. 村松久義

    村松委員長 ほかにありませんか。
  15. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 四班の報告中に漏れておりますが、特に私ども、京都へ参って調査したところによりますと、気象台の予報をキャッチすると、知事は直ちに県の広報集を二台出してその子院方法を通知した、あるいはラジオ東京を通じて、三回これの周知徹底方をやったのですが、肝心の農民はそれに対する対策をやらなかったというところに、今度の被害の大きな原因があると思う。現に岐阜県の蚕業試験場においては三反歩の桑園に対して五時間に一石八斗の重油を燃焼したために完全に凍霜害を免れているということがはっきりしているのでございますが、こういう点に対して、われわれは今後大きな示唆を与えられた。かように考えて参ったことをつけ加えて御報告申し上げます。
  16. 村松久義

    村松委員長 ほかにございませんか。——ございませんければ、これで報告を終了することにいたします。     —————————————
  17. 村松久義

    村松委員長 なおこの際お諮りいたしますが、ただいま問題となっております全国的な凍霜害による農業の被害状況調査及びその対策樹立のために、凍霜害による農業災害に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  なお小委員の員数、その選任及び小委員長の選任等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認め、追って公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会