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1956-02-10 第24回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十日金曜日)    午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 山本 粂吉君    理事 大平 正芳君 理事 高橋  等君    理事 保科善四郎君 理事 山本 正一君    理事 受田 新吉君 理事 下川儀太郎君       大坪 保雄君    大村 清一君       薄田 美朝君    田村  元君       福井 順一君    宮澤 胤男君       横井 太郎君    飛鳥田一雄君       石橋 政嗣君    稻村 隆一君       西村 力弥君    森 三樹二君  出席政府委員         内閣官房長官 田中 榮一君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 二月九日  委員古川丈吉君辞任につき、その補欠として北  れい吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月九日  国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法  律案八木幸吉君外五名提出参法第一号)  (予)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二五号)(予) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一号)  臨時教育制度審議会設置法案内閣提出第一〇  号)     —————————————
  2. 山本粂吉

    山本委員長 これより会議を開きます。  総理府設置法の一部を改正する法律案及び臨時教育制度審議会設置法案一括議題とし、これより質疑に入ります。受田新吉君。
  3. 受田新吉

    受田委員 総理府設置法規定の中に附属機関と単なる機関と二つに分けて、それぞれ審議会あるいは学術会議というようなものを設けておられますが、この附属機関機関との区別と、今度売春対策審議会なるものをつけ加えるに、附属機関へ持ってきた理由だけお示し願いたいと思います。
  4. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 ただいまの御質問は、第十条の附属機関審議会が置かれてあるということと十六条との関係で、なぜ十六条の、内閣総理大臣所轄のもとに置かないかという御質問と理解するのでありますが、ただいまの審議機関内閣のいわゆる諮問機関でございまして、諮問機関性質を帯びておりますので、「第十五条に規定するものの外、本府に、左の附属機関を置く。」といって三つございますが、そのほかの表の中に審議機関としてこれを置いた次第でございまして、いわゆる内閣諮問機関という立場におきまして、この第十条の規定に従って付置いたしたような次第でございます。
  5. 受田新吉

    受田委員 その十五条の諮問機関と十六条の代表機関との差はどこにございますか。
  6. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 第十六条の機関は「内閣総理大臣所轄の下に、」となっておりまして現在まで日本学術会議が置かれてございますが、内閣総理大臣所轄のもとにある程度の独立性を持った機関であると考えております。他の諮問機関所轄ではございますが、日本学術会議と異なりまして、政府諮問に対して答申をするという機関でありますので、独立性がやや洗いという観点からこの十条の機関にいたした次第でございます。
  7. 受田新吉

    受田委員 独立性がやや薄い委場合が附属機関で、独立性を濃厚に持っているのが単なる機関である、かように了解してよろしゅうございますか。
  8. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 大体さように解釈してさしつかえなかろうと考えております。
  9. 受田新吉

    受田委員 しからばこの売春対策審議会なるものと、それから同時に御提出になっておられる臨時教育制度審議会なるものとの比較検討でありますが、内閣臨時教育審議会を置くということと、総理府設置法の十六条で内閣総理大臣所轄のもとに置かれる独立的な重要性を持った機関との関係はどういう説明をしていただけばいいのでありますか。
  10. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 今回設置されまする臨時教育制度審議会は、教育の基本的なことにつきまして現行教育制度についても再検討いたしまするし、また現在の教育制度に関連した事項につきましても広く検討していただく。教育国家大本でございまするので、こうした相当大きな国家政策的な事項に関することを検討していただく。この審議会各省関係しておるものと考えておりますので、さよう意味から、これをより有力なものにするということにして、総理府とせずに内閣にこれを設置するよう規定した次第であります。
  11. 受田新吉

    受田委員 内閣設置するという、かかる同種の機関がほかにありますか、あるいはそういうことを予定したものがありますか。
  12. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 従来内閣設置した例はあまりないのでありますが、事の重要性を十分見まして現在法案国会提案せんといたしまするものとしましては、国防会議等も場合によっては内閣に置いたらどうか。それから国の大本規定する憲法調査会憲法の改正に関する調査会といったものは内閣に付置する方が適当ではないか、かよう考えておる次第であります。
  13. 受田新吉

    受田委員 将来この委員会提出予定されております国防会議及び憲法調査会設置法、こういうようなものは内閣に撒いてただいま提案されておりまする臨時教育制度審議会と同格に取り扱うというお話に了解してよろしゅうございますか。
  14. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 ただいま申し上げました二法案につきましては、まだどうなりますか、法案取り扱いについて私どもも確と承知しておりません。これが内閣に付置されるであろうということは、私どもは事前に承わっておるのでありますが、今後の取り扱いはまだ決定しておりません。  なお内閣に付置されました審議会……。しましては現在一つだけございます。これは閣僚審議会と申しまして、「外国為替及び外国貿易管理法に基き、外国為替予算を作成し、及び変更する。こうした閣僚審議会というものが、現に一つだけ内閣設置されております。こういう例がございます。
  15. 受田新吉

    受田委員 今田中長官によりまして、国防会議法案憲法調査会法案なるものが提出される予定であることを承わったのでありますが、憲法調査会の方は、この提案予定の中にあるようでありますけれども国防会議の方は、まだ政府提出するかどうか、結論が出ていないのではないかと思ったのですが、今予定される法案の中に国防会議も入っておるということになると、今国会には、いずれそういうことになるわけでございますね。
  16. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 ただいま申しました通り、まだ今後の取扱い方につきましては決定いたしておりませんが、多分提案されるであろうということをわれわれは予想いたしております。
  17. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、政府が予想しておる今国会提案国防会議憲法調査会及びこの臨時教育制度審議会、こういうようなものは、国の基本的な政策問題であるというので、特に重視して内閣直属とするという御意図を持っておられると了解しますが、さようでよろしゅうございますか。
  18. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 特に各省関係した非常に重要な問題でございますので、内閣にこれを付置する、こういうことにしたらどうだろうか、こういう意見でございまして、まだ申し上げたように、決定したものでないことだけを申し上げておきます。
  19. 受田新吉

    受田委員 この国防会議法は、防衛庁の諮問機関になるのじゃないかというようなうわさを私は聞いておったのでありますが、内閣直属ということにはっきり大体構想ができておるわけでございますね。
  20. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 国防会議法案は、前回国会にも提案をいたされまして、その当時は総理府にこれが付置されるというよう提案されておったと私記憶しております。
  21. 受田新吉

    受田委員 総理府設置されるものが、今度は内閣一つ飛躍したわけでございますね。
  22. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 私の今申し上げましたのは、私の誤解でございまして、前回もやはり内閣にこれが設置されることになっておったと記憶しております。
  23. 受田新吉

    受田委員 私はここで政府意図を確かめたいのでありますが、総理府設置法に、日本学術会議などは、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学向上発達を図り、行政、産業及び国民生活科学を反映浸透させるための機関」として重視されておりますが、この日本学術会議ような重要なものよりも、国防会議あるいは教育制度審議会というようなものの方を、ウエートを高めて、内閣の方へ持っていくということになると、日本学術会議そのもの軽視する傾向になると思うのでありますが、いかようでございますか。
  24. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 決してどこの管轄にするからそれを軽視するとか、これを重くみるとかいう考えは毛頭ございません。特に今申し上げましたよう臨時教育制度審議会のごときは、各省関係しました非常に広範なものであり、国の政策の上におきましても、特に重要なものでございますので、これは内閣に置いておいた方が、各省との関連性をもちまして、その方が運営がしやすい、こういう点から内閣にこれを付置した次第でございます。
  25. 受田新吉

    受田委員 軽視軽視ということは全然ない。同等にこれを見ているのである。原則はそうであるという最初のお言葉があったのでありますが、そうなれば従来教育制度審議に当りましては中央教育審議会なるものがありまして、文部大臣諮問機関として現存しております。この中央教育審議会なるものを持っておる以上は、これは軽視軽視の問題でなくて、もうりっぱな各省にまたがる教育基本問題もここで十分討議されていいと思うのでありますが、いかがでございますか。
  26. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 今お話のこの中央教育審議会には、教育刷新審議会仕事をその後引き継いだものでありまして、これは文部大臣諮問機関としての役割を果すわけでございます。さらに今回設置されまする臨時教育制度審議会は、この中央教育審議会審議することはもちろんのこと、それ以外のさらに大きな問題につきましても、根本的に教育制度についてこれを検討し、さらにまた教育制度に関連した事項についても広く再検討をしよう、こういう趣旨から、特にこの中央教育審議会とは別に内閣臨時教育制度審議会設置いたした次第でございます。
  27. 受田新吉

    受田委員 中央教育審議会設置目的は、単なる文部省の所管の小さな問題としてでなくして、国の教育刷新を目標としておる点においては、今副長官が仰せられたような、基本的な問題が十分これに討議されるべきことと私は了解しております。中央教育審議会というものは小さな教育問題だけをやるので、ほかの教育全般に関する問題はやらないかというと、この内容をごらんいただけばわかる通り教育のあらゆる面について検討を加えて、国の教育振興をはかるよう規定されております。しからばここへあらためて臨時教育審議会なるものが、その国の全般のものとして揚げられて、内閣に直接置く機関として設ける必要をお認めになられたということになるならば、今までの中央教育審議会なるものは、はなはだ薄弱な機関であるという御前提のもとに立たれるのかどうかを御答弁願いたいと思います。
  28. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 先ほど申し述べましたごとくに、この中央教育審議会文部大臣諮問機関でありまして、おのずからその審議する範囲というものが非常に狭い範囲に限られておるようにも考えられます。今回政府検討ようという点につきましては、国民全体の福祉にも関係がある大きな問題であり、かつまた国政全般にも非常に関係する仕事でありますので、むしろこれは合議体として内閣に付置した臨時教育制度審議会設置した方がよかろう、こういう関係でやったのでありまして、従いましてこの中央教育審議会そのものはやはりそれぞれ重要なる教育の専門的な事項につきまして御審議を願うことになっております。教育学術文化全般にわたって調査をしていただくことになっておりますので、やはりこの中央教育審議会は、特に現行教育制度に沿ってこれを検討していただく必要があろうと考えますので、やはりこの中央教育審議会審議会としての使命を十分に果たしていただく予定になっております。
  29. 受田新吉

    受田委員 あらゆる面にわたって、広く教育関係する問題を取り扱うのだということでありますが、中央教育制度審議会なるものも、その点においてはあらゆる面にわたった検討がされるよう規定されております。これは別にそうした広い面の調査を落しておるという解釈は私はしておらないのでありますが、いかがでしょう。
  30. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 ちょっと今の点聞き漏らしたので、おそれ入りますが。
  31. 受田新吉

    受田委員 中央教育審議会というものと、今度政府意図されている審議会というものと、その間に軽重の差を今おつけになっていられるわけでありますが、軽重の点において、その審議の対象とされるべきものが、今副長官が言われたような、今度の問題は学術等も含めた広い意味のきわめて広範なる問題だ、こう仰せられておりますが、その基本的なものは中央教育審議会においても同様に取り扱われておると私は解釈しておりますが、いかがでしよう
  32. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 それでは大体の審議会方針内容等について、ちょっと申し上げてみたいと思いますが、中央教育審議会は広く教育学術文化全般にわたって調査研究いたします。それから臨時教育制度審議会は、特に教育制度及びそれに関連した制度についての調査審議をする。それから審議方針といたしましては、中央教育審議会は、国政全般立場でなく、主として現行教育制度の線に沿って審議をする。それから新しく置かれるべき臨時教育制度審議会は、現行教育制度が現存の国情に果してそのまま適合しているかどうか、根本的にこれを検討したらどうか、しかしてこの検討につきましては、先ほど申し述べましたごとくに、国政全般立場から総合的にこれを審議する必要があるんじゃないか、こういう点からおのずから多少その審議方針について異なっております。それから審議内容につきましても、前者は教育しの一般施策について審議をする、後者は当面の緊急な政策的事項審議する。それから、設置期間につきましても、一方は恒久的な審議会であり、他方はあくまで臨時的なものでありまして、とりあえず緊急な重要政策審議が終了いたしましたならば、直ちにこれを廃止する、こういう建前で進んでいるものであります。
  33. 受田新吉

    受田委員 御趣旨はよくわかりました。政府意図教育のあらゆる問題で、その緊急なものを臨時的に御提案審議会でお取り扱いになるのだということであり、中央教育審議会は一般的な永久的なものをお取り扱いになるという区別をお示しになられたのですが、教育大本というものは、臨時的な応急的なものというものは私は考えるべきではない、教育というものは国の基本的な問題であって、これがその場しのぎに臨時的に二年くらいの期間で、緊急政策で片づけられるような問題ではないと思うのです。これは国家百年の大計教育政策として考えるべきであって、ほんに緊急やむを得ない政策を、文部省以外の各省連絡事項までも考えておやりになるのだという考え方は、教育そのものを非常に便宜的に考えられる考え方じゃないかと思うのであります。教育そのものは、国家百年の基本的大計のもとに打ち立てられるべきもので、臨時的な処理でこれがまかなわれるべきものではないと確信しますが、副長官いかがお考えでしょう。
  34. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 お答えいたします。お説のごとくに、この教育制度というものは臨時的な審議会審議すべき性質のものじゃないことは、十分政府としても了解いたしております。従いましてこの中央教育審議会におきましては、現行教育制度欠陥があれば、その欠陥について是正する、改善策については十分これを審議する。今後もそうした問題につきましては、この中央教育審議会が中心になって政策検討いたすものと考えております。  ただ現在の教育制度が果して現在の国情に適しているかどうかということを検討するには、現在の中央教育審議会では十分にその審議ができない点がある。こういう点から臨時教育制度審議会というのを別途に作りまして、この審議会において十分に検討をしていただく、こういう趣旨でございます。
  35. 受田新吉

    受田委員 すでに自民党の方では議員総会をやられるそうで、もそもそしておいでのようでありまして、できるだけ早くやめてくれんかという御要求がありますので、次会に譲ることといたしますが、政府に御要望申し上げておきたいことは、教育という基本的な問題を臨時的なかかる措置考えられるかどうかという問題について、十分資料を御川惹いただいて、次会に御答弁いただきたい。その点につきまして私たちもさらに慎重審議をするべく用意をいたしたいと思いますし、真剣にこの問題と取り組んでいきたいと思いますから、さよう御了承願いたいと思います。     —————————————
  36. 西村力弥

    西村(力)委員 きのう新小岩のジェット機墜落の問題について田中さんにお尋ねをし、また強く今後こういう問題の発生しないよう措置を、政府側としてアメリカ当局抗議をするとかいうような話をいただいたわけでございますが、あのお約束はどういう工合に御処置願いましたか。きのうのきょうですから、ちょっと時間的にもあまり余裕がないかとも思いますけれども、お尋ねいたします。
  37. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 御質問趣旨を直ちに官房長官に報告いたしました。それからその旨を外務省の方へ連絡いたす措置をとったのであります。ただ実際の連絡内閣から直接やるわけに参りませんので、一応外務省の方に連絡しております。なお私としましては、さらに今後外務省のそれぞれの担当者の方に的確に連絡をいたしまして、その同等を得ておきたい、かように思っております。ただ時間的にきのうのきようでございまして、十分な時間がございませんので、私としては、まだ十分なる措置ができないことはまことに遺憾でございますが、今後十分な措置をとりたいと考えているということを申し上げておきます。
  38. 西村力弥

    西村(力)委員 私の質問趣旨には、こういうことのないようにという強い抗議を含んでいるのですが、そういう考え方政府自体考え方として外務省に伝えてあるかどうか、ただこういう質問があったから事情はどうなっているのだ、そういう事情を聴取するだけではなく、政府考え方をはっきりと、私の持っている気持通り抗議的な気持で当ったかどうか、いかがでございましょうか。
  39. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 私もまだよくその実情を十分に理解しておりませんので、一応御質問趣旨を伝えましてさらに実情を十分聴取いたしました上で、外務省とも話し合ってみたいと考えておりますので、一つしばらく時間的な御猶予をいただきたいと思います。
  40. 西村力弥

    西村(力)委員 実情調査といいますけれども、落ちて相当の被害である。都民全体、あるいは都民ばかりでなく周辺の都市生活者の全部に大きなショックを与えているのです。これは事実ですから、やはりその事実を把握して、実情調査をしなければわからないというような、そういう普通の順序をとられるということは、そもそも私たちとしては、腰が定まっていない政府の態度ではないか、こう感ぜざるを得ないのです。実情調査をしてという普通の手続を踏まれるだけでは、ほんとうに日本のわれわれの安心した生活は守れないのではないか、こういう気持がするのです。さっそく御調査の上、強い立場で問題の解決に当っていただ吾たいと私は希望いたします。それから委員長には、この具体的な折衝の結果についてなるべく早く知らせていただくようにお願いしておきます。
  41. 山本粂吉

    山本委員長 残余の質疑次会に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会