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1956-09-22 第24回国会 衆議院 逓信委員会閉会中審査小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年九月二十二日(土曜日)    午前十時五十六分開議  出席小委員    小委員長代理 松井 政吉君       秋田 大助君    小泉 純也君      橋本登美三郎君    森本  靖君  小委員外出席者         郵政事務官         (事務次官)  小野 吉郎君         郵政事務官         (大臣官房調査         課長)     畠山 一郎君         郵政事務官         (大臣官房電         気通信監理官) 松田 英一君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君         郵政事務官         (電波監理局次         長)      莊   宏君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉澤 武雄君         日本電信電話公         社計画局長   佐々木卓夫君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件     —————————————
  2. 松井政吉

    松井委員長代理 これより逓信委員会閉会審査小委員会を開会いたします。  郵政事業に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  この際、新郵政事務次官小野吉郎君より就任のあいさつをいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。小野郵政事務次官
  3. 小野吉郎

    小野説明員 私今回はからずも事務次官の重任を拝しましたが、まことに浅学非才でございまして、果してこの重責をにない得るかどうか、きわめて危惧の感にたえないのであります。幸いに当委員会の御先生方の御支援、御叱正を得まして、この重要な郵政事業運営の全きを期して参りたいと思います。特に過去、郵便貯金関係簡易保険関係につきましては、それぞれ貯金局長簡易保険局長等として、当委員会の御先生方には並々ならぬ御指導をいただいたのであります。幸いに御指導の結果、どうやら大過なく参りましたことは、心から諸先生方に感謝申し上げる次第でございます。将来も、事務次官重職につきました上は、及ばずながら粉骨砕身、郵政事業発展のために貢献して参りたいと思います。何しろ非常に浅学非才、その任にたえ得るやいなや、非常に危惧の感を抱いております。どうぞ御支援、御鞭撻をいただきまして、何とかこの重職を果して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 松井政吉

    松井委員長代理 これより質疑に入ります。橋本登美三郎君。
  5. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 この前の委員会で、農村電話の問題についての質疑を行いましたが、一昨日及び昨日二日間にわたって、千葉県下の農村電話実情調査した結果、関係当局に二、三の点について御意見をお伺いしたいと考えるのであります。数字上の問題がありますので、この点前と重複するかもしれませんが、この点をお聞きいたします。  現在有線放送等に基くところの施設はどれくらいになっておりますか。その中で、電話をある程度まで利用しておる、そういうような世帯数と申しましょうか、施設数並び加入者数はどれくらいになっておりますか、ちょっと伺いたいと思います。
  6. 松田英一

    松田説明員 お答え申し上げます。実は最近の詳細の数字につきましては目下調査中でございまして、もう近いうちにかなり詳しい実情がわかるかと思うのでございますが、何分現在のところといたしましては、この前にもちょっと御説明申し上げましたように、この一月末の数字でございまして、それによりますと、大体有線放送としての全体の設備数が二千三十、それからスピーカーの数が三十万七千三百四十九ということになっております。それからそのうち通話を兼用しておりますものが、これは大体の推測でございまして、はっきりとつかめてないのでありますが、大体設備数において二百九十、それは全体の有線放送に対しましては、一四・三%になっております。この推定の数は最近のいろいろぼつぼつとわかって参ります模様と比べまして、そう変らないのじゃないかと思っております。
  7. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 有線放送施設の総数が大体加入者三十万のようでありますが、一昨日来から千葉県下の調査をした結果は、千葉県下六十六カ所の全線が電話施設を持っておる。そういう点から考えると、電話兼用が二百九十という数字は最近においては相当数大きく上回るのではなかろうか、こういうふうにわれわれ想像いたします。そこで最近のわれわれの調査によりますと、これらの場合はいわゆる連絡用電話相互電話に使用しておる時間が少いところで三分の一、多いところで五分の四くらいを使用しておる、こういう状態のもとにおける有線放送というものは適法とお考えになっておるかどうか、この点の御説明を伺います。
  8. 松田英一

    松田説明員 ただいまの御指摘の問題でございますが、この問題は最近に非常に有線放送利用通話状況が急進展いたしまして、もともとは確かにこういう事態でなく、正常な法律の姿で運用しておったわけでございますが、その後若干こういうきざしが出て参りましたときに、それは現在のようなものとまで考えておりませんでしたので、ある程度現行法運用のもとにおいて、まあまあこの程度なれば有線放送を動かしていくのにやむを得ないのじゃなかろうかというふうなことで、実は大目に見て参ったわけでございます。ところが最近の進展の状況は、さらにそれ以上に通話利用の面がかなりはっきりと出て参りまして、この点におきましては、私どもも相当考慮しなければならないというふうに、現行法運用の点ではかなり問題もあるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  9. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 われわれの実態調査の結果、現行法をもってしてこれは黙認だけで済ませるような状態ではないようであります。従って当局においてもこれが時代の変化に伴う適正な改正というものをお考えのようでありますが、これに関して電電公社の方に伺いたいのですが、こういうような事態は、もちろん第一には農村における電話普及度が非常におくれておったということが第一点。第二には有線放送当事者の言っているように、新しい農村建設あるいは農村振興といいましょうか、農業開発の面、こういう面からして告知用として一つの新しい農村建設をやっていきたい、まえ農作物等の値段あるいは農村振興といいましょうか、そういうような建前からも、一方において告知用として重要な使命を持っている。しかしながらそれらのことを行うためにも、その間のある程度の電話連絡が必要である、こういうようなことであります。従って一つには農村における電話事業普及していなかったことも原因でありまして、こういう事態に立ち至りましたことについて、公社当局としてどういうようなお考えを持ち、将来どういう対策を持っておられるか、この点をお聞きいたしたい。
  10. 靱勉

    靭説明員 今橋本委員が御指摘のように、このいわゆる有線放送兼用電話というものは、これは非常な勢いで設備されつつある。その原因といたしましては、なかなか公衆電話設備農村の末端まで普及されてない結果ではないかということでありますが、まことにその通りでありまして、私どももすでに御承知のようにわが国の電話施設というものが、ほかの国に比べましてもまだ未普及状態です。ことに農村、山村あるいは漁村等におきまする電話施設が非常にまだ未発達状態にあることは、公社としましてあまねくサービスを提供することを任務といたしておりますものとしては、はなはだ申しわけない次第と考えているわけであります。ただこの発達過程を見ますと、初め有線放送でいったところが、スピーカーあるいは送受話器等をつけるということで、簡単に告知もできる。従って相互通信ができるというようなことになったわけであります。これの発達過程といいますのは、農村におきましてラジオ受信機設備していくよりも、村全体の告知機関、そういうものを中心として発達しているので、現在におきましてもこの機能を全然考えないで、いわゆる私設電話と申しますか、そういうものの発達がきわめて微々たるものであると考えております。そこで結局農村において放送施設を兼用したものが必要である。また相当距離もありますから、村のいろいろな事項を告知することがまず第一の目的である。この利用目的というものは、現在におきましては、公社においては電話だけのサービスを提供しているので、少し両方の領域が違うやに考えているわけであります。もちろん公衆電話といたしまして、あるいは隣接の町村、あるいはまた相当全国的な組織ができるような公衆通信施設利用というものは、別途の当然の要請としてあるわけでありますので、まず公社といたしましては、その方面サービス提供の本来の使命に邁進するために、すでに本年度から無電話部落の解消、あるいは五カ年計画もすでに四年内に入りましたので、全部バランスのとれた電話普及をいたしたい、こういうことで本年度、さらに来年度において相当規模を大きくやっていきたいという考えでありますが、現在起っております有線放送兼用のものにつきましては、私どもその必要な理由が十分にわかるのでありまして、農村発達と申しますか、そういうためにもきわめて重要な施設である。これらとの連係を公社としても真剣に検討いたしておりますと同時に、農村電話普及策を目下検討中でありまして、さらに積極的に普及いたしたい、こういう考えに立っている次第であります。
  11. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 最近の有線電話放送といいますか、この法的根拠はどういう立場でやられているか、設備者趣意書を見なければわかりませんが、おそらく有線電気通信法の第四条のうち四の「二人以上共同して行う業務に必要な通信を行うため、その業務を行う者が郵政大臣許可を受けて設置する」、これによって設立をされているのではないかと思うのです。もちろん一部には農業協同組合なり、あるいはそうした業務に必要な通信を行うために設立しているものもありましょうが、千葉県下の場合になりますと、例外なしに有線放送協会を作って電話の使用をやっておりますから、おそらく第四条第四号の項目に従ってああいう施設を行い、かつまた運営を行なっておるものと思うのです。そこでこの場合における解釈ですが「二人以上共同して行う業務に必要な通信」、こういう工合に最近行われております農村有線放送電話解釈できるかどうか、この点について監理官もしくは電波監理局関係の御答弁を願いたい。
  12. 松田英一

    松田説明員 現在の有線放送利用電話につきましては、実は有線放送ということで発達して参りました。有線放送につきましては御承知のように届出だけでございまして、有線放送設備を設置いたしますときには、届出だけをやって、そうしてその届出した施設利用して、ある程度有線放送運用上やむを得ない通話だけを相互連絡をするということでございまして、それを有線放送の中に含めるということは確かに問題だと思うのでございますけれども有線放送運用にやむを得ないものということであれば、ある程度の話があってもそれは仕方がないのじゃないか。しかしそのままでいきますときには、今の第四条の規定と申しますよりも、むしろ第十条の規定によりまして、二人以上の間の通信になりますと、結局「その設備を用いて他人通信を媒介し、その他その設備他人通信の用に供してはならない。」というこの規定に違反いたしまして、この規定に対する例外といたしましては、第十条の十号にあります「有線放送業務運用の規正に関する法律第二条に規定する有線放送を行うとき」この場合はいいのですけれども、それ以外の場合はいけないということになっておりますので、やや通話めいて参りますと、この規定にも必ずしも当てはまらないのじゃないか。しかし設備といたしましては有線放送設備ということで、それに付帯して起っておる事象でございますので、あくまでも届出だけでこの第十条の規定にひっかからないような工合にお互いに共同で設置した、従って共同で設置した者の間の通信でありますから、他人通信利用ということではないというふうなぐらいの解釈をいたしまして、実は現在は許可には全然かかっていないわけであります。
  13. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 今有線放送法建前でもってやっておるようでありますから、当然許可認可の手続をとっておらないだろう。第十条の規定によって、これは通信施設とはみなさないという条項に従ってやっておるのだろうと思うのです。しかし実際の問題は、調べてみますと今申したように、第四条の第四号もしくは第六号の場合でなければできないような施設が行われておる。こういうことから見て、実際上の問題としては、地元においてはこれはどうしても必要であり、かつまた今後これを助成もしていかなければならない、こういうような発展過程をとるのでありますから、これに対して頭から押えるということはわれわれも考えてはおらない。何とかして現在の事態に適応し、かつまた公衆電気通信影響のない立場においてこれらが公正なる発展を遂げるという意味においては、われわれも何ら異議はないのであります。しかし現在の法律の上から言えば、現在行われておりまする有線放送電話というものは法律に違反をしておる、こういうように解釈されますので、従って積極的に、なるべく早くこういうような事態を是正するために、当局としては新しい法律を作るなりあるいは関係法律改正等によって、具体的にこれが公正に利用せられる、こういう工合に持っていかなければならぬと考えるのでありますが、それに対する根本的な考え方、ことにいわゆる施設者でありまするが、もし現在のままの形で、いわゆる有線放送協会等の形でもって簡易電話が、われわれが言うところのいわゆる簡易電話が認められる、こういうことになりますと、これは大きな問題になりはしないか。であるからして、もし現在のような事態簡易電話ができる、こういうことになると、電信電話公社以外の電話通信業者が現われて、そうして利益目的とする、あるいは利益目的としなくても、何らかの形で、形においては電電公社と全く違わないような電話事業というものが行われる、こういう結果になると思うのですが、政府当局考えておられる法の改正あるいは新しい法律でもけっこうですが、考えておられるならばその概略をお聞きしたい。
  14. 松田英一

    松田説明員 ただいま先生の御指摘ございましたように、実は私どももこの問題がかなり急速に発展して参りましたために、従来も私が先ほど申し上げました行き方ではなくて、何とか許可にかけるような行き方現行法運用で何か考えていかなければならないのではないかということは、実は考慮しておったわけであります。しかしこの前にも松井先生からの御質問がございましたように、確かに現行法建前ではそういうものを真正面から扱っていくということに行きましては、そういうことを予想して作られてもおりませんために、かなり無理なような気もいたしておりまして、研究を進めておったわけであります。そこへこのたび国会の先生方からこの問題の御指摘を受けましたが、しかし実態といたしましては、確かにいろいろ農山漁村発達のために必要やむを得ないというふうな節も感ぜられますので、何とかその趣旨を達成しながら、しかも現在公社のやることになっております本来の電話事業というものとの調整を十分考えまして、適当な解決方法を見出さねばならぬだろうというふうに私ども考えまして、現行法運用で無理であるとすれば、やはり立法しなければならないだろうというふうに考えております。まだ現在私どもといたしましていろいろ検討中でございまして、ここで具体的にこういうふうにしたいということを結論的に申し上げる事態にまだ至っておりませんので、先生方の御意見等も十分お伺いさせていただきまして、急速に研究を進めていきたいと考えております。
  15. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 結局内容的にいえば簡易電話ですが、放送と送受信とを一緒にした機械によって相互連絡するのですが、従ってこれをいうならば一応簡易電話ということになるのでしょうが、しかしながらこの簡易電話中心にしてものを考えるということになれば、明らかに公衆電気通信法なり有線電気通信法なりにかなり大きな影響を与えるので、これは発生から考えましても、中心簡易電話に置くのではなくて、やはりあくまでも有線放送主体である。有線放送ということからしてそれに伴う業務と同時に、非常に簡単な相互連絡を行う、こういうことが主体でなければならぬと思うので、従ってあくまで有線放送主体とする簡易電話の設置、こういうことになるだろうと思うのですが、その点に関する当局考え方、もしそういうことになれば、現在無理して有線放送協会なり何か第三者の人格を作ってこういうものを作っておりますが、もしこれが第三者の資格において行われるということになれば、都市でもどこでもこういう設立が可能になってくる、こういうことでやはり電話独占事業というものに非常な影響を与えることは明らかであります。そういう点から考えて、いわゆる施設者及びこれを運営する業務者に対して一つ制限を加える必要がありはしないか。たとえば地方公共団体あるいは各種協同組合またはこれに準ずるような公共的団体、こういうものは有線放送簡易電話というものができるけれども、それ以外の場合においては純然たる有線放送による施設以外はできない、こういうことによって、いわゆる施設業者並びに業務者にある程度の制限を加える必要がありはしないか、これが一つ。  それから第二には、有線電気通信法の中にもありますが、第四条第六号で電話施設を行うことのできる地区は、これはいわゆる総合的な電話地区意味でございますが、電電公社公衆電気通信役務を提供することが困難な場所と認められた地区に対して、郵政省令の定める基準によって施設する、そうして大臣認可を受けなければならぬ、こういう規定がありますが、最近の有線放送簡易電話というものは、必ずしも布設の困難な地区じゃないのであります。大部分はそこには公衆電話が入っております。きのう調査いたしましたところでも、ある地区では大体十五本近く、もう一つ地区では五本の公衆電話が入ってきておる。従ってこういう点から考えて、必ずしも公衆電話を布設することが困難な地区じゃない、ある場所においては都会にまでこれが行われておる、こういう状況でありますから、いわゆる有線電気通信法の四条の六号には該当しない地区において行われておるわけであります。しかしながらそう言いましても、これらの簡易電話を必要とする地区は、何といっても山間僻地農村部落である。でありますから、当然電信電話公社電話事業というものとの衝突を来たさないためにも、何らかの制限を必要とするのじゃなかろうか。そこでそういう意味から、第四条第六号のいわゆる公衆電気通信役務を提供するのに困難な地区じゃない、公衆電気通信役務普及するのに困難な地区、こういうようなある程度の差別が必要じゃなかろうか、こういうことを考えるわけであります。かつまたそういう事情から、これがもし公衆電気通信のごとくに広範囲にわたり、あるいは市外交換まで行う、こういうことが行われることが非常な問題になりますので、その点やはり運営区域というものを町村単位なりある程度の単位にこれをとどめて、かつまた公衆電話との接続は原則としてこれを禁止する、こういう措置を明らかにしておく必要がありはしないか。  これらの施設というものは、われわれ行って見てみますと、非常に簡単な装置である。大体において原則として単線である。複線の工事をやっておるところはほとんどない、こういうことは、もちろん公衆電気通信影響を与える場合においては、これに改善を加える法的根拠がありますから、その方面においての一応の措置はあるわけでありますが、しかし加入者利益のためにも最小限度技術基準を設ける、そうしていわゆる業者利用せられないという措置が必要ではなかろうか。もちろんこれは高度の技術基準を与えれば、当然低廉にして簡便な方法で布設できるというような従来の非常な特典を阻害することになりますから、高度の基準を与える必要はありませんが、加入者利益のためにも、かつまた公衆通信影響を与えないためにも、そうした最小限度技術基準を必要としはしないか。  第五番目には、こういう事態であるから、現在の有線放送運用に関する規定のごとくに単なる届出だけではいけない、従って設計に対する認可あるいは業務の開始に対する許可制をとるべきではなかろうか、こういうふうに考えます。  次にはこの前松井委員からも質疑がありましたが、ややもすればこういうものを利用して広告等が行われておる、これなどは全く設立趣旨とは趣きを異にするのでありますから、この種のものに対しては営利を目的とするところの施設及び広告等による利益行為を行うことを制限する必要がありはしないか。かつまた地方としては五百軒もしくは一千軒、多いところは二千世帯、これらが一括して入っておるのでありますから、もしこれを政治的に利用する、あるいは一部の人が特別な意味をもって利用する、こういうことが行われますと、かえってこれらが悪弊害を伴いますから、この業務運営についてはあくまで政治的中立を守らせる、こういう規定も必要ではなかろうか。  その次には、主として現在有線放送施設として行われておりますから、ラジオ番組の一部——もちろん全部の場合も同様ですが、一部であっても受信料対象になっておる。これはもちろん一部であってもそのまま中継放送すれば、これは当然聴取料対象になるわけでありますが、これはついきのう視察いたしましたが、滝田地区のごときは、ほとんど朝起きどり程度を中継する以外に、気象通報のごときも全く自主番組放送しているにもかかわらず、実際上はラジオ聴取料対象になっておる。しかも実際上これらの施設を見ますと、滝田地区の場合には、六百三十戸のうち五百八十何世帯というものが普通のラジオを持っておる、鎌足地区のごときは四百世帯のうちで大体三百世帯ラジオを持っておる、こういう地帯でありますから、ほとんどラジオの全面的な中継または相互番組中継は必要としておらないのが現状であります。でありますが、実際上ほんのわずかでありますが、利用しておりますけれども、もしこれを、一部でもそのままには利用しない、自主的に番組を作って送る場合はありましょうが、利用しない、こういう場合にはラジオ聴取料対象にはならない、こういう工合解釈するのですが、その点に対する解釈及びこういうようなことがもし新しい法規として、あるいは法律改正によって行われる場合は、以上の四つにわたる項目というものが新しい法律の内容として考えらるべきものである、こういう工合考えるのでありますが、当局の御見解を一つお聞かせ願いたい。
  16. 松田英一

    松田説明員 ただいまいろいろ細目にわたりまして御意見を伺わせていただいたわけでございますが、有線放送利用いたしておりますこの通話状態というものが、確かに農山漁村一種共同社会といいますか、都市的な形態でなく、そこに所在する世帯がいろいろな関係で、あるまとまりをつけてまとまっておりますその地域に必要なものとして発達してきております。そういう関係考えまして、ただいま橋本先生からの御意見のように、まず現在の格好におきましては、一応それは先ほど申し上げました法律解釈をいろいろ考慮いたしまして、申請者の側で共同で作っているのだというふうな格好をとりますために、一種有線放送協会というものを作りまして、しかもそれもはっきりした協会という法人格を持ったものではなくて、まあまあ一緒にやっておるんだというふうな格好で作ってきておったわけでございますけれども、これを正式にきちんと取り上げます場合には、むしろそれよりも、やはりそういった有線放送利用通話というものが必要になっておりますその実態というもの、農山漁村のあるまとまっている共同社会というものの必要性ということで、それとの結びつきにおいて考える必要があろうと思いますので、確かにただいまおっしゃいましたようなことで私ども考えていかなければならないだろうと思う次第でございます。従いまして、それの認められます範囲の地域の問題、あるいはそれの運営いたします区域の問題、そういうものもやはりそれと同じ意味におきましてのまとまった一つ共同社会という、その範囲においての必要性というものを満足する程度にとどむべきであろうと思いますし、また公社電話との関係におきましては、確かに御指摘のように、現在の法律は加入区域あるいは加入区域外の特定地域だけという格好にできておりますけれども、現状からいたしまして、公社電話があるいは十とか五つとかいう工合にしかないところに、この有線放送利用電話は四百、五百、場合によっては千という工合利用されておるわけでございますので、その特定地域だけでなくて、現在の公社の加入区域とある程度かぶってくる、共通になってくるという面はやむを得ないことではないかと思います。しかしそうかと申しまして、これがどこでもいいというふうなことではないと思いまして、先ほど申し上げました一つ農山漁村というふうな性格的な制限と同時に、また公社電話普及ということがなかなか一時には達しにくいというふうな状況、そういうことをよく考え合せまして、範囲というものは制限していかなければならないだろうと考えておる次第でございます。もちろんそういうことでいろいろと実際の運用上適当な範囲にこれを認めていくことによって、初めて公社電話事業との調整がとれていくだろうと思いますので、そういう意味におきましては、これは現在のような届出制では不満足であって、当然許可制にしなければならないだろうと考えております。また許可制にいたしまして、その施設そのものにつきましても、実際できたものが使いものにならないというふうなことでは困ります。しかしまた一面においては、あまり厳重にいたしますと、発達をここでとめてしまうということにもなりますので、そこのところを適当に考慮いたしまして、技術基準等を高めるという必要性はあるだろうと考えております。また有線放送の事業自体といたしまして、営利を目的としてそういうところで一つの別個の電話事業というふうなものができていくということは、現在の電信電話公社というものに日本の電話発達をはからしていくという趣旨から考えまして当然いけないことだと思いますので、営利を目的とするようなものの介在は絶対に許し得ないと考えております。なおおしまいの方の問題は、電波監理局の方で放送との関連において考えるべきことだと思いますので、私の関係いたしておりますところだけをお答え申し上げました。
  17. 莊宏

    ○莊説明員 橋本先生からのお話の中で、広告をやるようなことは禁止したらどうかというお話があったようでございますが、この点につきましては、現在の有線放送運用の規正に関する法律で、御承知の通り有線放送というものを非常に幅を広くとっておりまして、街頭でやります広告放送といったようなものも有線放送の中に入れております。ああいったものから広告をやめさしてしまうということはとうてい考えられない。ああいったものほうるさいからもうやめさしてしまうのだということにいたしますれば別でございますが、そうでない限りは広告というものはどうしてもくっついてくるのだと考えております。それで先生の御趣旨は、現在の法律でやっている有線放送というものに幾つかの区分を立てて、そうしてラジオ共同聴取を目的としているようなものについては、広告を挿入するというようなことをやめたらどうか、ラジオ共同聴取をやっていて、部落電話を兼ねるものについては広告をやめさしたらどうか、そういう区分を作ったらどうか、こういう御趣旨だろうと思いますが、それらの点につきましては今後十分研究させていただきたいと存じます。  それから政治的中立を守っていくことを明らかにすべきではないかというお話がございましたが、この点につきましては現在の有線放送業務の規正に関する法律におきましても、放送法の規定を準用いたしまして一応規定ができているのではなかろうかと考えます。  それから、ラジオの方はあまり聞かない者についても受信料対象としているけれどもラジオ番組をそうあまり聞かない者については受信料を取らないというふうにしたらどうかというお話のようでございましたが、この点につきましては非常に問題がむずかしいので、なおよく検討さしていただきたいと存じます。NHKの放送サービスを、有線放送自体だけではなく全部のものについて考えてみた場合に、NHKをどのくらい聞いているか、また聞けるかということについては、全国非常に無数の段階があるように存じます。さらに、たとえば東京におきましてかりにある人が民放ばかり聞いておるということにしても、やはりNHKの受信料は取らせるという建前になっております。そういったようなことを考えまして、全体的な公平を失しないように、またNHKに受信料を取らせるという現在の放送法の建前というふうなものも考え合せまして、今後十分研究をさしていただきたいと存じます。
  18. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 先ほど私が具体的に申しました内容は、どちらかといえば現在の有線放送業務運用の規正に関する法律というものだけを改正することによっては困難ではなかろうか、従って新しい法律を必要とするのではなかろうかという前提に立って内容を申し上げたのであります。政治的中立という問題については、現在の有線放送業務運用の場面においても政治的中立を要求されておりますので、これは問題はないのでありますが、ただきのう調査しました有線放送協会の中でも、これはまあ広告ではありませんが、一回当り五円の通話料を取っておる、こういうようなやり方をやっておりますが、こういう点から見てもそういうような通話料を取る必要があるかどうかは、もちろん必要があって取るのでありますが、現在の法律の上から見てこういうような措置が妥当であるかどうかという問題もあります。いずれにせよ内容の点については今申した通りでありますが、これがいずれの法律といいましょうか、別個の法律でうたった方が妥当性ができるか、あるいは従来の法律改正することによって大体の目的を達成し得るかどうか、その点に関する見通しを一つお話し願いたい。
  19. 松田英一

    松田説明員 具体的の法律の作り方につきましては、実は私どもまだ結論を得ておりませんので、こうすればいいだろうということをここでまだ申し上げられないのは非常に遺憾でございます。ただいま橋本先生の言われましたお考えというものは、私ども非常に肯綮に当るところがあると考えておりまして、十分に研究させていただきたいと思います。
  20. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 電波監理局の見解はどうでしょうか。私が申し上げましたような内容でものを作っていくとなれば、現在の有線放送業務運用の規正に関する法律では、これはとうてい内容的に律することはできない、こういうふうに考えられます。先ほど申したように、街頭宣伝のごとき広告を禁止すれば、これはとうてい目的を達成しないことは明らかでありますからして、そういう特殊なものがある法律の中でこういうものを規定することは困難である、こういうふうに解釈されます。しかし相当の部面においてはもちろんこの有線放送業務運用の規正に関する法律とダブる点が多いのであります。多いけれども、特殊地帯であるからして、やはり特殊立法でいかなければ相当困難があるように見受けられますが、これに対して荘次長の見解をお伺いしたい。
  21. 莊宏

    ○莊説明員 有線放送電話利用する問題につきましては、松田監理官、平山監理官の担当分野として、そちらの線で盛んに研究しておるところであります。従いまして私の方といたしましては専門の方の意見が出ましたときによく相談をいたしまして、有線放送業務運用の規正に関する法律をどうしたらいいかということを考えたいと思っております。
  22. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 なおこれに関連してですが、たとえば一地方の行政区域内で三つないし四つのいわゆる旧町村ごとに実際上の有線放送施設が行われているようであります。関係者の陳情によれば、この三つないし四つのいわゆる有線放送地区を行政地区と合せるために、この相互間に連絡ができるようなことも認めてもらいたい、こういう意向がありますが、これに対する御見解を承わりたい。
  23. 松田英一

    松田説明員 ただいま御質問になりました点は、実際の法律を作ります場合に相当具体的に問題になる点であろうと考える次第であります。私ども現地のいわれます趣旨はまことに了承できるのでございますが、結局電電公社でやっております本来の電話事業というものとの調整という点で、その問題を相当慎重に考えなければならないと思うのでございますが、要は先ほど申し上げましたある程度の共同社会的な広がりというものがどの程度にあるか、実際の運営がどの程度にその必要性とからまってきておるかということなどと考え合せまして、その連絡の範囲というものは自然限定されていくのだろうと思いますが、今橋本先生の言われましたような場合、少くともある一つの行政区域外にわたるというようなことは、はなはだ感心しないことだというふうに考えておる次第であります。
  24. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 大体質問の内容については御了承願ったと思います。またこれからの研究課題でありますが、すでに十万もしくは十五万世帯がこういう電話利用有線放送をやっておる現実の状態でありますから、一刻も早くこれが法律の整備を一つやっていただきたい。できれば臨時国会が将来ありといたしますれば、その臨時国会にかけてこの問題を解決するくらいの覚悟をもつて、一つ善後措置を講じてもらいたいということをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  25. 松井政吉

    松井委員長代理 森本靖君。
  26. 森本靖

    ○森本小委員 この有線放送業務の問題については、今橋本委員の方から詳しくお話がありましたので、私も若干ありますけれどもそれはあと回しにいたしまして、まず最初に郵政省当局にお聞きしたいのは、本日委員会をやるということで、委員会大臣、政務次官にも御出席を願いたいということを国会の方から通告してあったはずでありますが、大臣、政務次官、両方とも政治的な責任者が出席しておりませんが、その間の事情はどうなっておるか、ちょっと御説明、願いたいのであります。
  27. 小野吉郎

    小野説明員 今日の委員会には、大臣、政務次官おそろいで御出席の予定であったのでありますが、政務次官につきましては、ちょうど地方に電報電話局の起工式がございまして、その起工式について、いろいろ地元と関係方面に調整を要する問題もありまして、ひとまずお出かけになる予定を組んでおられ、予定の通り行かれたのであります。大臣はぜひこの委員会に御出席になりたい御予定であったのでありますが、ちょうど昨日急に党務の関係が生じましてお出かけになったのでございまして、まことに相済まないわけでありますが、御了承を願いたいと思います。
  28. 森本靖

    ○森本小委員 この委員会において、政治的な面については、大臣でなければ回答ができない問題もあろうかと思います。また新しい次官にそういう問題を質問するのもまことにどうかと思いますが、しかし緊急な用件がありますので、そういうような問題について質問をした場合、大臣の言明としてこっちの方が大臣の代理として受け取って差しつかえないということならばいいのでありますが、少くともこの委員会が開会されておるのに、委員会業務地方の電報電話局の起工式と一体どっちが大事かということくらいは、政治家であるならば大体常識で判断ができると思う。それを欠席せられては、われわれとしては政治的な問題については、一切質問ができぬということになります。しかしそうはいっても緊急な問題がありますので、何が出るかわからぬけれども、そういう問題について新しい次官としては一体回答ができるかどうか、一応先にそれを聞いておかないと、質問をやったところで何にもならないので、その点を明らかにしてもらいたい。
  29. 小野吉郎

    小野説明員 大臣、政務次官いずれも当委員会に御出席相なれなくなりましたことは、重々おわびを申し上げる次第であります。私まだ着任早々でありまして、前任者からも詳しい引き継ぎをまだ受けておらないのであります。とはいえ、あらゆる問題につきましてお答えできない、こういうわけでもございませんし、事柄によりましては十分に引き継ぎを受けないと、また大臣の気持も明確に承知しておらない点につきましては、まことに相済みませんがお答えいたしかねる点もございますが、その他私が本省幹部といたしましてその辺が明確になっております問題でありますればお答えいたし得るのではないか、かように考えておるような次第でございます。
  30. 森本靖

    ○森本小委員 そういうことでございますならば、大臣がおらなければ、その問題についてはわからぬから回答ができぬという問題がかりに出てきた場合は、当委員会としては大体次の十月十日なり十一日ごろに、もう一回大臣と政務次官に正式に出席していただいて、そうして質疑応答をして明らかにしていきたいという委員会を予定しておるわけですが、それではそういう問題については、大臣からはっきり回答するまで、省側としては行政措置なんかについても、ここでかりに問題になった問題については、そういうことを明らかにしてからでなければやれないということくらいは次官としてできるわけですか。——それもできないということになれば、委員会は一体何をやっているかさっぱりわからぬということになるので、その辺を明らかにしていただかないと因るということです。
  31. 小野吉郎

    小野説明員 郵政省の仕事にもいろいろ重要度の段階はあろうかと思いますが、何しろ国家行政事務でありますので、緊急を要する問題が起きますならば、あるいは当委員会がそれまで待ち得ないということも起きてこようかと思います。できるだけ当委員会におきまして問題のあります点につきましては、われわれも善処していきたいと思うわけであります。
  32. 松井政吉

    松井委員長代理 ちょっと委員長から事務的にお伺いします。本日委員会を開くというのは、この前の小委員会の日に委員会の決議できめておるわけです。それできょう何を調査するかということについては、国会の事務局の委員部の方から私の方にきたのが九日なんです。九日に私は郵政事業に関する件の調査をする、これは公報で出しております。これは御通知を受けたと思います。
  33. 小野吉郎

    小野説明員 そうであります。
  34. 松井政吉

    松井委員長代理 そういう通知を受ければ、当然郵政事業ということになると大臣ということになるが、大臣が出られない場合は、国会開会中ならあなたの方から国会の事務局の方、たとえば委員部なりあるいは専門調査室なりあるいは委員長じかにあなたの方が事務的な連絡をとるわけですね。今その衝に当っておる事務当局の責任者はだれですか。
  35. 小野吉郎

    小野説明員 それは事務次官に相なろうかと思います。
  36. 松井政吉

    松井委員長代理 そうすると、きょう委員会を開いて大臣は来ない、政務次官はおらないというのは、国会の事務局の方から問い合せて初めてわかっているのですよ。きのうでも連絡はできないのですか。
  37. 小野吉郎

    小野説明員 まことにその辺の手順につきましては手落ちがあったやに考えます。陳謝いたします。ただ大臣、政務次官、いずれも当委員会に御出席の予定であったのでありますが、政務次官につきましては大臣が御出席に相なられる見通しでございましたので、先ほど申し上げましたような要務で出かけられました。その後におきまして、大臣は当委員会に本日御出席になる予定であったのでありますが、やむを得ざる理由によりまして昨日出かけられたのでございます。その辺の連絡不行き届きはまことに私といたしまして遺憾千万であったわけであります。深くおわびを申し上げる次第であります。
  38. 松井政吉

    松井委員長代理 きょうでも、十時に開会しよう、きょうは小委員会であることは御承知でありましようね。——小委員会ですからやはりおいでの方々と私が加われば開けるわけです。それで十時に開こうというので十時半まで待った。ところが肝心の郵政省の担当局関係はお出にならないのですよ。大臣もいない、政務次官もいない。それで委員会の手続はこの前の委員会できめておる。きめた手続によってわれわれはやる。十日も前に調査の手続をとっておる。公報に載せておるにもかかわらず、あなたの方の局長も文書課長さんもお出にならない。一体これはどういうわけなんですか。
  39. 小野吉郎

    小野説明員 まことにどうも事前にとっておくべき御連絡におきまして遺憾の点があったように思います。深く陳謝申し上げます。
  40. 松井政吉

    松井委員長代理 国会の方には委員部もあって逓信委員会担当の職員もおり、専門調査室には担当専門員もおるし、さらにわれわれも、ほとんど出かけておりますが、やはり理事から委員長のところに連絡がとれないわけがございませんから、少くとも国会の委員部と専門調査室の方には緊密な連絡をとっていただきたいと思います。これはきのうきょう開くということをきめているわけではないのです。この前の委員会で正式にきょう開くことにきめているのです。しかもその間において、前の委員会からきょう開く委員会までの間に緊急やむを得ざる問題ができたときに、きのうまでは大臣も政務次官もおったが、きょうはいなくなったということになりますと、国会の方から、きょうの問題を予想して大臣、政務次官ともに政治的な行動を起して逃げたという解釈をされた場合に、あなた方の方は答弁に困ると思います。きょうの調査事項は郵政事業について調査をするということで、前の委員会できょう開くということがきまっているのですから、そういう国会の事務当局との間の連絡は、今後担当の課長さんなり部長さんの方で緊密にとっていただくように一つお願いしておきます。
  41. 森本靖

    ○森本小委員 今の大臣、政務次官の出席の事務的な手続の問題については、今委員長の方から注意がありましたので、これ以上触れません。  それではさっそくお聞きしたいのですが、全逓信従業員組合が出しておりますところの全逓新聞、あるいはまた一般の商業新聞等で見ますと、郵政省がもう一回昔の特定郵便局長会議というものを官制化するというような動きがあるやに報道せられておりますが、その内容について明らかにしてもらいたいと思います。どういう格好になっているのか。
  42. 小野吉郎

    小野説明員 この問題についてはいろいろ長い沿革もあるわけでありますが、現在の郵政省の考え方としては、そういうものは諸般の関係に照らして、無理がなければやった方がいいのではないかという気持で検討いたしておりますが、しかしまだ成案を得ておるわけではございませんし、そういう関係研究中でございます。
  43. 森本靖

    ○森本小委員 研究中であるということでありますが、その研究するということを省議か何かで決定しているわけですか。
  44. 小野吉郎

    小野説明員 この問題は局長会議において慎重に審議しておりますし、また省議においても確かに話題になっております。ただ、まだはっきりこれでやろうという成案を得ておりませんし、その上におきましては確定のものではありませんが、できればほしいものだというような意見が出ております。
  45. 森本靖

    ○森本小委員 これはおいおい質問していったら明らかになると思いますが、まず最初に、そういうふうに省議かあるいは部局長会議でまとめて研究をするということをきめられたのか、それとも大臣なり政務次官の方から政治的に研究をせよというふうな指令によって研究しているのか、そのいずれかをお聞きしているわけであります。
  46. 小野吉郎

    小野説明員 これは大臣、政務次官の方からの要請ではないのでございまして、純事務的に見て考えているわけであります。少くとも特定局長会議というものを作りましても、これが純事務的な要請以外の方に運用せられることは、私どもは断じてよろしくない、かように考えておりまして、非常に小さい無数の特定局の郵政事業運営上の純事務的見地に立って、こういうものがほしい、こういった気持を持っております。
  47. 森本靖

    ○森本小委員 事務的に進めておるということはさっきからの答弁で明らかになりましたが、私は聞いておるのは、それでは事務的に進めるというのは、次官が事務的に進めてみよというということを命じたのか、局長会議においてこれは事務的に研究してみようということをきめたのか、それとも担当課長が勝手に事務的に進めておるのか、その根拠を一つ聞きたいのです。
  48. 小野吉郎

    小野説明員 その点はどこが発端だというようなことはないのでありまして、事業上の面から見ますと、御承知のように郵政省は郵便と保険事業を持っておるのであります。そういった事業面の角度から申しまして、現在の特定局の管理はあげて郵政局にまかしておるわけでございますが、そこには無数に全国に散在しております特定局の管理方式といたしまして十分でないものが感じられるわけであります。そういった面から、かつてその面でかなりの業績を上げた過去の実績もございますから、そういった面も参酌しつつ、事務的に何らかそういった管理機構というものが——現在の郵政局の直接管理では、あまりに小局が無数にあり過ぎる、そこに管理の維持が末端まで十分に到達しないといううらみもいろいろ起きているわけでございます。その打開策として各事業部門でそういったような気持が従来からあったわけでございまして、局長会議でだれが言い出したということではなくて、そういうものがほしいではないかということに相なったわけでございます。その意味におきまして現在検討を進めておる状況であります。
  49. 森本靖

    ○森本小委員 私が聞いておるのは犯人をあげろという意味でなしに、部局長会議においてそういうことをやるということがきまったのか、あるいは省議において研究をするということがきまったのか。だれしも特定郵便局の問題については何とかしなければならぬという考え方は、みなそれぞれ違った角度から持っているわけなんですから、そういう特定局長会議の官制化の問題について研究しなければならぬということを部局長会議できめられたのか、そのことだけを聞いておるのです。それとも部局長会議でも省議でもそういうことを研究することはさまっておらぬ、ただ部局長がこれは研究しなければならぬというばく然としたことで研究をしておるのか、その根拠を聞いているわけなんです。
  50. 小野吉郎

    小野説明員 この点は先ほど申し上げました通り、部局長会議でもそういう話題が出ておりますし、省議においてもそういう話題が出ております。そういうことで、私自身の前任の簡易保険の立場から見ましても、最近の成績は逐年心配の種があるわけでございます。そういった面から申しまして、私自身も何らかそういったものがほしいのではないかというような気持がごく最近にあったわけでございます。そういう関係でございますので、郵政省といたしましては一応純事務の立場に立ちまして、何らの弊害のない、また純事務の範囲を逸脱しない管理機構があっていいのではないかという面で検討を進めておるわけでございます。
  51. 森本靖

    ○森本小委員 質問の要点にはっきり簡単に答えてもらったらいいのです。私の言うのはまだこれからだいぶ時間がかかりますから、一つ簡単に願いたいのですが、私の言うのは、部局長会議においてそれでは研究しようということにきまったのか、あるいは省議において研究しようということにきまったのか、そのことだけを聞いているわけです。部局長会議においてもそういうことを研究しようということがきまった、省議においてもきまった、そういうことならそれでいいのですよ。
  52. 小野吉郎

    小野説明員 これは順序から申しますと、役所の線といたしましてはまず部局長会議にかけ、それから省議にかかるということでございますから、先ほど省議でそういった問題を論じましてそういう検討をやろうじゃないかということを申しました点におきましては、すでに部局長会議がどうとか省議がどうとかいうことは問題でないのであります。省としてそういうものを研究して何か妥当な案を作ろうじゃないかということになっておる現状であります。
  53. 森本靖

    ○森本小委員 この問題は郵政省としては省議で一応研究しようということになっているわけですね。
  54. 小野吉郎

    小野説明員 その通りでございます。
  55. 森本靖

    ○森本小委員 それからこの問題は純事務的な問題であるというふうに言われましたが、これは省議として一応事務的に研究を進めようということになるならば、大臣と政務次官においても事務的に研究していこうということについて承知しておるわけですね。
  56. 小野吉郎

    小野説明員 省議は大臣が主宰されるわけでございますから、御承知のことであります。
  57. 森本靖

    ○森本小委員 それではこの問題は、そうすると事務的に研究していこうということになっておるようですが、前の国会におきましても大臣、それから事務次官はこういう問題については毛頭考えておりません。こういう正式の答弁をはっきりしておるわけでありますが、郵政省というものは方針が百八十度に転換をしたわけですね。この前の国会で答弁したことと今言われたこととは全然逆になっておるのですが、その辺の見当はどうですか。これは次官が新しくかわったし、一切がっさい変えてしまった方がよいということで、急角度に百八十度方針を変更する、こういうことですか。
  58. 小野吉郎

    小野説明員 百八十度転回といっても、無から有を生ずるような状況ではないのでありまして、その当時郵政省として申し上げました当時としては、まだそういうものに対する管理機構としてそれが全然必要でないということを断定したのではないのでありまして、そういったものを具体的に早急に検討して実施するというような気持がなかったということを表明いたしたのではないかと思います。
  59. 森本靖

    ○森本小委員 あなたもそのときには保険局長としておったと思いますが、そういうことの答弁ではなかった。そういう問題についてはただいまのところ毛頭そういうことは考えておりません、研究するなどということも考えておりません、こういう答弁であった。これは速記録を見たらはっきり載っておるはずです。だからそういうことでこの間答弁したばかりで、それがこういうふうに百八十度変えて研究しなければならぬということは、どこに原因があるかどうかということを聞いておるわけです。
  60. 小野吉郎

    小野説明員 御承知のごとく、当時におきましても特定局方面におきまする業務推進連絡会議は作ったわけです。これも今申しました小局管理の事務的のいわゆる要請もありまして、当時はその程度のものを作っておるわけでありますが、いろいろ研究を要する問題はあったわけであります。その当時はまだはっきり具体的にどうこうというあれで、当時の業務推進連絡会議以上のものを考えてまだ踏み切っておらなかったということでございます。全然そういうものは無用であるというような見解に立っての御答弁ではなかったと思います。
  61. 森本靖

    ○森本小委員 業務推進連絡会議というのはきのうきょうできた問題じゃない。私が聞いておるのは、二十四国会の末期に宮本次官と大臣から、こういうふうな特定郵便局長会議の官制化については毛頭考えておりませんし、そういうことは研究しておりませんという明確な答弁があったわけです。それからこっちまだ何ぼも時間がたっていないが、その間に郵政省としては百八十度の政策転換をしたのですか、こういうことを聞いているわけです。
  62. 小野吉郎

    小野説明員 先ほど申しましたごとく、そういった百八十度転回というような意味合いにおける答弁ではなかったと私は思うのでありまして、特定局の純事務的な管理機構は一日もおろそかにさせず、ずっと続いてそのころから検討をしているわけであります。同時にいろいろな事業の推進から見まして、特定局の管理の純事務的ないわゆる方式等につきましては、常に研究をいたしておるわけでありまして、その当時といたしましてはそういったものを現在実施するというような見通しをまだ持っておりませんでしたので、大臣も前事務次官もそのような御答弁をなさったわけではないかと思うのであります。
  63. 森本靖

    ○森本小委員 それは新しい次官の答弁の解釈のしようですが、その当時としてはそういうことになっていなかった。ところが何ぼそういう答弁をしても、そのときの政治情勢と今の政治情勢とは違っておったわけだから、次官と大臣の答弁は、そういうことについても研究することは考えておらぬという答弁があったことは間違いない。それは今あなたがこの問題について、自分の方に都合のいい解釈の答弁をせられるけれども、当時の事務次官大臣の答弁はそうじゃない。しかしそれはそれとして、ここでこの問題を追及したところで何もならぬと思う。  それではその研究をするというのは、具体的にどういう問題が研究されておるか、その内容について明らかにしてもらいたいと思います。
  64. 小野吉郎

    小野説明員 先ほど申し上げました通り、まだ十分な確定した案を持っておらない段階でございまして、いろいろな意見が出ておるわけでございます。われわれといたしましては、この会を設置する基本的ないわゆる線といたしましては、特定局管理の、いわゆる現実的な小局管理の方式として純事務的に考えておりますので、あるいは郵便事業の現状なり、貯金事業の現状、保険事業の推移、そういったものを総合いたしまして、特定局長会のあった昔の時代と、それがなくなった今日とで、どのような変遷をいたしておるか、そうして特定局管理として事務的にどういうものを打ち出せば、そういう郵政事業発展になるかというようなことで検討を進めておるわけでございまして、まだ具体的に成案を得ておりませんので、どこをどうするということはただいまお答えを申し上げる段階ではないわけであります。
  65. 森本靖

    ○森本小委員 それでは具体的に成案が全然出ておらないということになりますが、そういうことになると、こういう問題についてはかりに具体的に成案ができて、それから省議なら省議できまって、これでよろしいということで大臣が決定をして、それから実際に移すという段階になると、かなりの日数を要するわけですね。そうすると、こういう問題についてはまだ研究中であって、次の十日か十一日に小委員会を開く予定でありまして、あとでどうせきまると思いますが、それまでにこういう問題が実施さわるというようなことはないわけですね。またあなた方の方でばく然とした内容も答弁が全然できぬというような情勢ならば、少くとも十月十日か十一日ごろにはまだ実施をするという段階にならぬわけですね。
  66. 小野吉郎

    小野説明員 そのことにつきましては私まことに相済まぬのでありますが、着任早々でありまして、まだ前次官の意思の十分な引き継ぎも受けておりません。大臣からもまたその点に関しまして何ら話を受けておりませんので、大臣がお帰りになれば、とくと御相談をいたしまして、それで大体荒筋は明確になるのじゃないか、かように考えております。
  67. 森本靖

    ○森本小委員 その点を明らかにしてもらわぬことには、ここで委員会を何ぼやったって——あなた方が全部行政措置でやるものなら、それについて何ら委員会において論議をしたところでむだになるわけです。だから私が最初に言ったのは、内容が今一応確定しておるならば、それに対する質問をして明らかにして、そういうところはこういうように直したらいいだろうという質問ができるわけです。しかしあなた方は内容はばく然としておる。それで十日か十一日に委員会を開いて、大臣も政務次官も呼んで——この問題は、あなたはさっきから事務的々々々と言うけれども、あなたも御承知のようにそう簡単な事務的な問題じゃないのです。これは少くともGHQが解散を命じたくらいの大きな政治的な問題です。それをそう簡単にやられたのでは、これはわれわれとしては行政上についての一体どういう示唆を与えるかということについても、何らの発言力がなくなってしまう。だからこの問題について私が聞いておるのは、もし十日か十一口に委員会が開かれるとするならば、それ以降にこの問題が持ち越されるということが、事務次官としてはっきり言えるかどうかということを聞いておるわけです。それが言えぬということなら、この委員会を開いたって何にもならぬのです。
  68. 小野吉郎

    小野説明員 私どもその辺に対する明確なお答えは今の段階ではいたしかねるのでありますが、もちろんいろいろと森本委員の御心配になっておりますように、かつて特定局長会があったわけでございますが、占領政策の一端といたしまして廃止を命ぜられておるというようなことであります。その当時のそういった廃止せられなければならなかったような構想における特定局長会の再誕生というものは、われわれとしてはもちろん避けたい。そういったあり方であってはいけない。純事務的な要請に沿った、現状に立脚して他に弊害を及ぼさない、事務の伸張に役立つような、そういうふうな組織でなければならないということは、基本構想として現に抱いておるわけであります。
  69. 森本靖

    ○森本小委員 私がさっきから聞いておるのは、そういうことを一つも聞いておるわけではないのですよ。そういうことで十日か十一日までにやるのだったら、それだから内容を明らかにしてもらいたいのです。この委員会においては内容が明らかにできぬ。それで十日か十一日にこの国会で小委員会を開くと言っておるのですから、それまで待てぬというのだったら一体どういうことだと聞いておるのですよ。われわれはそういう問題については一応内容を明らかにして、質問事項もやって、納得をする問題ならば納得をするし、あるいはそういう点についてはそれは間違っておるじゃないかという点を忠告する場合もあろうし、そのことを言っておるわけですよ。何だかきょうの委員会は、さっきから考えてみると、この問題が出て大臣、政務次官に質問をせられたのでは都合が悪いから、われわれはちょっとのいておるといって、おらぬような気がする。それで来月に委員会をやる、その間にそういうものを勝手にさっさとやろうというように邪推をしても、そういうふうにとれぬこともない。私が言っておるのは、せっかく来月それだけの委員会が開かれるのだし、これだけの大きな問題だから、その委員会においてこういうような問題についても質疑応答をやって、それからやったところで——これはそれほど一刻一秒を争う問題では一つもないのだから、それを私は明らかにしてもらいたいということを言っておるわけですよ。だからそれもできないということになれば、われわれは一体どうやったらいいかということはさっぱりわからぬ。だからあなた方がその十日か十一日までに緊急やむを得ざることとしてやらなければならぬということなら、すでに成案があるはずなんです。その成案の内容について詳細に説明して下さい。それからそれに対してわれわれは質問を行う。そういう成案も何もないというのだったら、せっかくあと十五、六日ぐらいで委員会が開かれるのだから、その委員会において大臣も政務次官も出席して、そういう問題について内容を大いにお互いに質疑応答をやって、その上において実施をするものは実施すればいいし、あるいはやめてもらいたいというようなものはやめてもらえばいい。そういうことを、いかに行政措置といえども、この問題は前から大きな政治的な問題になっておるのだから、それだけの考慮を払ってもらいたいということを言っておるわけです。
  70. 小野吉郎

    小野説明員 現在はっきりした成案を持っておりませんので、その点についてはお答えを申し上げかねるわけでございまして、まことに遺憾に存ずるわけでございます。今森木委員の言われるように、明確にしたい、この次の委員会の開催の日までに実施になるかどうかという点につきましては、私としてただいまお答えをする立場にないわけであります。もちろん大臣、政務次官におきましても、当委員会尊重の気持におきましては何ら欠ける心がないわけでありますから、大臣がお帰りになりましてとくと御相談をいたし、善処いたしたいと思います。
  71. 森本靖

    ○森本小委員 いや、私が言っておるのは、何かあなた方の答弁が非常におかしいのですよ。これだけの大きな問題をやるということならば、少くとも十日か十一日まで待てないというならもう何かの成案があるはずなんです。それで十日か十一日まで待って、それからやるというならば、あなたがさつきから言っておるように、まだ腹案で検討中だという答弁でも済むと思う。だからせっかくこの委員会としてもそういう問題については明らかにしてもらいたい、こういうことを言っておるのだから、その問題についてはそれはそれで明らかにして、大臣も政務次官も出席して質疑応答をやる。それからあとで実施に移したところで、時間的に何ら問題にならぬと思う。この問題はそれほど一刻一秒を争う問題じゃないのだ。だからその問題についてあなた方が回答できないというのはおかしい。もうあとわずかの日数だから、その間に、この問題がはっきりと成案ができておるというならば、待てぬということもあるかもしれない。だから成案ができておるのだったら、ここで明らかに説明を願いたい。先ほどからの回答では、そういうことは研究中であるということだから、研究中ならば次の委員会までに研究して、一つ腹案なら腹案を発表してもらいたい。そのときにわれわれは十分に質疑応答したい。こういうことを言っておるわけです。だから、きょうの委員会大臣なり政務次官が出てこなければ、事務次官としては答弁がしにくいだろうということを、一番最初に言ってある。言ってあるけれども、それを大臣と政務次官がほっぽらかして出てこないから、あなたに質問するより方法がない。きのう事務引き継ぎを受けた新しい次官に対して、こういう問題を追及することは気の毒だけれども、これは日がないからやむを得ない。だから、私は次の委員会においてもう一回この問題については詳細に質問をするから、新しい次官の責任において、それでまあなたの方ははっきりと行政措置として実施をするということはやめてもらった方がいいと思う。
  72. 小野吉郎

    小野説明員 私はこの問題が一日一刻を争う問題であるとも申し上げておりません。また次の委員会までに実施をいたさないということも私の立場としては現在断言できないわけであります。当委員会の今日の空気は、十分に大臣にお伝えいたしまして、善処いたしたいと思っております。
  73. 森本靖

    ○森本小委員 それではもう一ぺん聞きますが、この問題は最初に政治的な問題でないというお答えがあった。これはきわめて事務的に進めていくべき問題であって、郵政省内の事務的な問題であるということを言われた。政治的な問題であるならば、それは大臣と政務次官がおらなければ次の委員会まで待とうということは言えるかもしれませんけれども、あなたの方が郵政事業についてのきわめて事務的な問題として、行政措置として進めていくということならば、事務上の最高責任者としての次官が、私の方は事務的な問題でありますから、次の委員会まで待って、次の委員会説明をしてやりましょうということでもけっこうだと思う。そうでしょう。事務的な問題だから、次官において答えができないということはないはずです。これはやはり政治的な問題だから、大臣の方からやれというならばやらざるを得ません、こういうことですか。
  74. 小野吉郎

    小野説明員 大臣はそういう政務の重要な任務を持っておられる立場にあられますし、また郵政大臣としての半面は、事務の長でございます。私はその補佐にすぎないのでございまして、政治的な問題につきましては大臣の指示を仰ぐべきだ、事務の処理につきましてはわれわれ十分補佐いたしまして、行政長官としての郵政大臣の裁断に待たなければならないわけでございます。そういう立場でございますので、今日の模様を詳細に漏れなく御報告申し上げまして、善処いたしたいと思います。
  75. 松井政吉

    松井委員長代理 事務次官の方から、大臣の職責と事務次官の職責を聞こうというのではないのです。次の委員会を、きょう始める前に打ち合せしたのは十日、十一日に二日間やろうということになっているのです。そうすると十日、十一日までの間というのは、もう二十日ないわけなんです。だから二十日ないから、今から研究するのだということならば、あなたの方は局長会議なり省議で研究なさる期間がまだ二十日あるわけですね。それだけの期間なんです。それを十日、十一日に中身の説明をしないで実施をするというならば、実施し得る中身がもうできていなければならぬ。できていなければ、十日、十一日までにあなた方の方は何ぼ急いで作業をしたって、時間的にできないわけです。だからその辺をざっくばらんにお答え願えばいいわけです。
  76. 小野吉郎

    小野説明員 成案と申しましても、実はこれは役人の非常に融通のきかぬところだというおしかりを受けるかもわかりませんが、われわれといたしましてははっきりこれで行くのだという成案を得ませんと、なかなか内容につきまして御説明をいたしかねる、あるいはあとで変更を来たす、成案になってみたら前に御説明申し上げた線と変更を来たすということを極力警戒いたすわけでございます。そういう意味におきまして、現在成案を得ておりませんので、この機会にお答え申し上げかねることは非常に遺憾に存ずるのでございますが、成案を得ないとはいえ、この問題は管理方式として相当長く検討いたしておりますので、これから検討して成案を得るのにさほど日数を要するというような問題でもあるまいと思います。ということは、先ほど申し上げましたような純事務的な管理機構といたしまして、どういうものがいいかということに尽きるのでありまして、それ以外の意図は何もないわけでありますので、成案を得るのに急げば二十日も一月も要するというような問題ではないわけでございます。とはいえ、現在はっきりこれだという成案を持っておりませんので、案について御説明いたすことはごかんべんをお願いいたしたいというわけでございます。
  77. 松井政吉

    松井委員長代理 それではもう一点小委員長からお伺いしますが、そんなに長いことかからぬでも成案が得られる問題だ、長い間懸案になって研究してきているから、そんなに長い期間要らぬ。こういうお言葉ですね、しかし十日、十一日前にやるかもわからぬような含みを持ってのお答えですが、それならば長い間研究してきた現段階における研究項目だけ御発表願いましょうか。どの点を研究しつつあるか、どういう点を研究するか、まだでき上らぬけれども今何を研究しているか、何を局長会議で相談しているか、その中身を一つ聞かしていただきましょう。
  78. 畠山一郎

    ○畠山説明員 ただいま局長会の問題につきまして、事務的に検討いたしております事項のおもなものだけを申し上げたいと思いますが、第一に局長会にどういう仕事をやらせるかということであります。第二に局長会の組織なり構成なりをどうするかということでございます。それから局長会の役員をどういうものについてどういう方法で選びあるいは任命するかということでございます。それから局長会がそういうふうに官の補助管理機構といたしまして仕事をやりますと、どうしても金とか人とかいう問題になりますが、それをどう処理したらよかろうかという問題でございます。その他こまかい問題はいろいろございますが、おもな大きな問題といたしましてはそういうことでございます。
  79. 松井政吉

    松井委員長代理 そういたしますと、もう一点お伺いいたしますが、これはかなり具体的な問題を取り上げて検討しているわけですね。そうすると、最初に小野事務次官はこれはわかっておらないのでしょうか、この程度のことは事務次官はわかっておったのでしょうか。
  80. 畠山一郎

    ○畠山説明員 お答えいたします。事務次官がお答えになりましたのは、たとえばどういう仕事をやらせるかということについて、これで行くのだという案ができていないということであろうと思います。私の申し上げましたのは、局長会をもし作るといたしましたならば、こういう点をきめていかなければできないであろうということを問題として研究しておるわけでございます。その点で事務次官の答えと私の御説明申し上げましたこととは、食い違っていないと思うのであります。
  81. 松井政吉

    松井委員長代理 事務次官は何を研究しているかということも今のところは答弁できかねる、こうおっしゃっていますよ。今畠山説明員の方からは、具体的にこういう問題を取り上げて研究しているとおっしゃった。そうじゃないのですか。そうすると小野事務次官は今の研究項目はわかっておったが伏せておったのだ、畠山説明員の方は正式に研究題目を明確にお示しになった、こういうことなんですが、これは事務次官はきのうはっきりなったので、次官としてそこまで言うのはいけないと思ってそこまでお答えにならなかったのか。これはよけいなことで事務上の問題ですけれども、ちょっと説明しておいてもらわないと、今度委員の諸君が小野事務次官を相手に質疑応答をするときに、やはりそういう先入観で答弁を求めなければなりませんから、この点は一つはっきりしておいてもらいたい。
  82. 小野吉郎

    小野説明員 今の問題点のごくあらましの点につきましては、私も承知いたしておるわけでございます。ただその程度御報告申し上げましたのでは、局長会の内容をそれで受け取っていただけるかどうか自信もありませんし、実はもう少し固まった成案があれば詳しく御説明申し上げるわけでございますが、そういうことで畠山説明員の今の説明の中身は、私全然承知していないわけではございません。
  83. 松井政吉

    松井委員長代理 ではもう一つ畠山説明員にお伺いいたしますが、今お示しになったような研究題目を御研究なさっておるのですが、研究しておるからには大体いつ成案を得て、どういう形でやろうかというプログラムが公式なり非公式で話に出ておると思いますが、どこで成果を得てどういう形で、これをどの時期に実施しよう、そういうことについてのプログラムがありましたら、一つ説明願いたい。
  84. 畠山一郎

    ○畠山説明員 具体的なプログラムというようなものは別に作っておりません。いろいろな考え方を合せまして、こういうふうにいったらいいかどうかということを、ぼつぼつ問題ごとに結論を出していきたいと考えておる程度の段階でございまして、いつまでにこういうことをやるとか、いつこういうことをやるとかいうことは、今のところ示されておりませんし、私自身も考えておりません。
  85. 松井政吉

    松井委員長代理 そうすると、大体の感じは次の当小委員会のある十月の十日、十一日ごろには、詳しい中身が説明できる程度に研究が進捗すると思われますか。それともやはり現状以上に進まないという程度のものか、その辺の見通し、ちょっと答弁しにくいと思いますが、感じでいいですから、御説明できたら聞かしてもらいたい。
  86. 畠山一郎

    ○畠山説明員 相当長い間にわたって研究いたしておりますので、それほどの日数は必要としないと私としては考えております。ただいつまでにできるかということになりますと、まだ自信のあるお答えはいたしかねますので、御了承願いたいと思います。
  87. 小泉純也

    ○小泉小委員 ただいまの問題につきまして、森本委員からの質問まことにごもっともな点も多々あると思います。また答弁せられる側の小野事務次官も、きのう事務引き継ぎを受けられたばかりの全くの新任早々でございまして、森本委員の質問に十分満足な御答弁ができないのも、これまた無理からぬことと存じますので、一応与党委員といたしまして、今までの質問応答の経過にかんがみましてここに提案をいたしたいことは、事務当局において十分に成案を得られましたならば、その成案について当委員会において詳しく御説明を願いたいということを要望いたしておきます。
  88. 小野吉郎

    小野説明員 まことにごもっともな御要望でございまして、十分それを腹に入れまして、成案を得ましたならば御報告申し上げたいと思います。
  89. 森本靖

    ○森本小委員 それでは次の委員会前までに、今から私が要求する資料をそろえておいてもらいたいと思います。  現在全国の特定郵便局長が任意団体として局長会というものを作っておりますが、その局長会がまた各郵政局ごとに各県に三つか四つずつ分れておると思いますが、その一番下の局長会の単位、それから郵政局単位の内容、それから全国の局長会、その機構、それからその役員の名前、その所属局名、その当該局長の勤続年数、そういうものについての詳細な全国のデータを一つ御提出願いたい。それから任意団体としての局長会が、今日どういうふうな運営をしておるか、月に一回会をやっているらしいが、どういう会をやっておるか、それから会費はどれほど取っておるか、それからその会議の開催、それから各郵政局、本省に対する陳情その他の内容、そういうものを資料として提出を願いたいと思います。それからその一番末端の各県の局長会というものがあると思いますが、その末端の局長会長以上の、今から一年前の出勤簿の内容というものを一つ早急に資料として御提出を願いたい。それからそれと同時に全国に今業務推進連絡会議というものがあると思いますが、その業務推進連絡会議というものがどういうようなことになっておるのか、それも資料として御提出願いたい。それからもう一つ、局長会で公務員法八十九条の職員団体として登録しておるところがあると思いますが、職員団体としての登録をされておるところの内容、そういうものを一つ提出を願いたい。この三つを一つ次の小委員会までに資料として御提出を願いたい。
  90. 小野吉郎

    小野説明員 御要望の資料につきましては、いろいろ調査をしなければならない問題もあろうと思いますが、極力調査いたしまして、御要望に沿いたいと思います。
  91. 森本靖

    ○森本小委員 それでは局長会の問題は一応これで終りますが、この前の小委員会以来質問をする予定でありましたが、時間がなくて質問をする機会がなかったわけでありますが、それは外国郵便の問題であります。これについて今日日本と直接郵便物の交換をやっておらない国々を、一つここでちょっと明らかにしてもらいたいと思います。
  92. 松井一郎

    松井説明員 外国郵便のうちで、御承知のように通常郵便につきましては、万国郵便連合の基本条約がございまして、今日これに加盟しておる国が大体九十五カ国あります。正式に加盟しておらない地域につきましても、連合の取りきめでもって——継ぎ越し地域とわれわれ言っておりますが、その国と何かの関係があれば各国がそれを継ぎ越していくという関係でありますので、ほとんど通常郵便につきましては、事実上そこへ運送の道がないといったような国以外は、全部郵便の交換はしておるわけであります。ただ小包郵便につきましては、万国郵便連合におきましても、これは必ずしも強制的な規定として置いておりません。一応小包約定というものを作っておりますが、そのうちでこれに正式に署名しておる国は八十カ国余りでございまして、相当世界の大国といわれておる国が、それぞれその小包約定に入っておりません。そこで結局私どもとしては、これと個別的な折衝をしていかなければならぬという形になっているわけであります。大体戦争前からそういう形の国については、一応個別小包約定というものがございまして、それぞれ戦後もその条約が復活して、その条約に基く交換をしているわけでありますが、ただ現在二、三の国についてはそれがなく、うまくいっておらない。その一つはフィリピンでございます。御存じのようにフィリピンは戦争前は日本とアメリカとの間の約定というものによって、小包の交換をやっているわけであります。戦争後フィリピンが独立いたしまして、日米間の約定をそのまま適用するわけにはいかない。そこで私どもとしても何とかフィリピンと日本との間の小包約定をしていきたいというわけで、いろいろ折衝しておったのでありますが、賠償問題が両国国交の一つの大きな障害になりまして、この問題が解決のつくまでは一般的なこういう協定を結ぶわけにいかないというので、一時中絶しておりましたが、幸い賠償問題も一つの見通しがつきましたので、最近向うからも本問題について急速に取りきめをしたいという希望を申し出ておりまして、目下折衝中のところであります。そのほかは中華人民共和国、いわゆる中共と北鮮については、現在違った意味一つの政治的な対立状況という関係で、現在小包が行っておりません。それからあと、カンボジア、ラオス、イエーメンといったような国は条例としては当然行くのでありますが、向うの国の国内事情のため、現在小包を送るということを停止しております。大体そうした国々については小包の送達が不可能な状況になっております。あとの国についてはいろいろなルートを通じて現実に小包は行っております。
  93. 森本靖

    ○森本小委員 それで小包郵便の場合はわかりましたが、通常郵便について日本が直接やっておらないおもな国々というのはソ連、それから中華人民共和国と北鮮と、この三つがそうですか。
  94. 松井一郎

    松井説明員 大体ソ連につきましては、通常郵便については現在ヨーロッパ経由でどんどん入っておりますし、戦争前はウラジオ経由のルートがあったものでございますから、ルートとしてこちらを使っているというわけで、通常郵便関係としては、ソ連との間に通常郵便交換自身について今何ら支障はない。これは交通路がない関係でそういうことになるわけであります。それから中共については、現在のところ香港の郵政庁を介在して香港経由で送っております。そういう関係でルートは若干戦争前とは変っておりますが、通常郵便の扱いそのものは何ら支障はない、かようになっております。
  95. 森本靖

    ○森本小委員 そうすると、ソ連と中共と北鮮というのは、万国郵便条約との関係はどうなっているわけですか。
  96. 松井一郎

    松井説明員 ソビエト自身については、万国郵便条約上、これは一個のメンバーとして何ら条約上の問題はございません。私どもソ連との関係においては、郵便においては多数国条約の一員としてほかの国と何ら差別なく取扱いをしている、かように申し上げていいと思います。ただ戦争前、ソ連は万国郵便条約の小包約定に入っておりません。そこで特に日本とソビエトとの間に日ソ小包約定というものがあったわけであります。これはソビエトが開戦を宣言すると同時に、この条約の効力を向う側の申入れによって停止しております。今日といえどもその停止のしっぱなしになっているというだけの話でございまして、向うがこれを復活したいというならば、簡単にそれが復活して、小包についても軌道に乗る関係になっております。ただ御承知のように、中共については条約上非常にむずかしい議論がございます。万国郵便条約の署名の面から見ますと、万国郵便条約の署名はチャイナということになっております。そのチャイナとは何であるかという注釈をつけた場合に、これは新疆省、青海省、満州、そういうものを全部含んだ人口四億を持つ領土である、かような注釈が入っている。ところが実際にその条約に署名したのは台湾政権の代表者である。つまりチャイナという一つの郵便条約上から見た地域を持った国家と、現実にそれに署名した主体との間に、政治的な問題については一つのギャップができている。これを現実にどう解決づけるかということが、考え方として非常にむずかしいデリケートな問題でありまして、その辺に必ずしも一致した統一的な見解というものが、現在もまだ郵便の中にできておらないという状況でございます。北鮮についても条約上はやはり同じことでありまして、条約としてはあそこは一つのコリアということで独立した単位になっている。たまたまそのコリアを代表して署名したのが韓国政府であるというので、その場合一体その条約の効力がどのようになるかという問題については、なかなかむずかしい議論があると思います。
  97. 森本靖

    ○森本小委員 これは非常にむずかしい問題でありますが、しかし中共等においてはこの郵便物の問題については、日本と直接郵便協定を結ぼうという意向はないのですか。公式、非公式を問わず今までそういうような意向は向うにないのですか。
  98. 松井一郎

    松井説明員 郵便についてはもとよりできるだけの障害を除いて、お互い正常なルートを持つということがその国にとっておのおの役立つことであります。日本と中共との関係につきましても、中共側からも実はそういう話をする前からも通常郵便について、たとえば国内に航空郵便がございますが、私どもの方としても国内の航空郵便を、あの広い土地でございますから、中共に送る手紙を航空郵便を使うと非常に速くなる。そこで中共政府に対して、一体あなたの方の国の航空路はどうなっているか、日本から出した通常郵便は航空郵便として扱えるかどうかという照会をしたときにも、向うは国内における航空線路の内容、それから所要料金というものを通報して参りまして、日本側から香港経由で入る通常郵便についても、便宜にそういう航空扱いをしてもよろしいといった協力的な態度を持っております。従って日本と中共との通郵の問題についても、向うは相当熱意を持っております。
  99. 森本靖

    ○森本小委員 そうすると中共側としてもこの通常郵便物の交換については、何か協定を結びたいという意向は持っているわけですか。
  100. 松井一郎

    松井説明員 私どもとしては先ほどちょっと申し上げたように、一応中共も郵便連合の中では一つのチャイナということで律しられているのだから、事実上台湾政権の方が署名されておっても、その条約を中共側でもそのまま継承されるというふうに考えていくならば、お互いに郵便交換上必要な、たとえば小包郵便で申しますと、向うの国内の配達料、これは郵便の言葉でいうと首尾料という言葉を使っておりますが、あるいは交換局あるいは閉袋の締め切りのやり方というようなものをお互いに情報交換をしてやるならば、実際に船が行くならばそれに積めば郵便の交換が事実上行われるのじゃないか、そういう見解を今まで持っているわけでありますが、中共側としては単にそういうことではなくして、せっかくそういうことをやるならば、両国政府によって代表される正式な会議によって万般のことを取りきめていきたい、かような意向を今日まで二回ばかり私どもの方に漏らしてきております。
  101. 森本靖

    ○森本小委員 それで向うさんの方の意向はわかりましたが、日本側の意向としては、これは外務省とも関係があると思いますが、ただそういう政治的な問題は一切抜きにして、万国郵便物の交換をするという一つの精神に基いてやるとするならば、郵政省の業務上から見た場合には、これはやはり中共との間においてもその郵便に関する協定を結んだ方がよろしいというふうに、郵政省としてもお考えであるというように考えてもけっこうですか。
  102. 松井一郎

    松井説明員 私ども郵政省の立場を申し上げれば、もうあらゆる国との間にそういうものを作りたいということが、これは基本線でございます。ただその作る場合の取りきめの仕方、形式といったようなものが、そういうようなまだ国交が正式に回復してない場合に、いろいろ政治的に持つ響きといったようなものが、やはり一方において考慮されなければならぬだろう、そういうことはそういうことでこれは外務省方面にお願いしなければならぬと思いますが、しかし私どもとしては、形はいかなるものであっても、事実上の郵便のルートが軌道に乗るということに最善の努力をして参りたいと考えております。
  103. 森本靖

    ○森本小委員 それで郵政省の方の意向も明らかになりましたし、また中央の方の問題についても明らかになりましたので、この問題についてはやはり外務省の方の担当の方を当委員会に呼んで聞く必要があると思いますので、次会に外務省の方の担当の政府委員を呼んで聞きたいと思います。この問題についての私の質問は本日はこれで終ります。
  104. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 ちょっと森本委員の中日間の郵便の双務協定に関連して、電波監理局並びに電信関係の方にお聞きしたいのですが、国際電話の中共との関係はどういうようになっておるか、これは個別的に交渉をしてやれる性質のものであるか。それから電波監理に対しては、いわゆる電波協定には中国は入っておらぬようだが、入っておらぬでも何か双務的に話し合いのつく点があるかどうか、この二点をお伺いしたい。
  105. 松田英一

    松田説明員 電気通信関係についてお答え申し上げますが、現在中共と申しますか、中共地区との間におきましては、実は上海との間に直通の電信の回路がございます。電話についてはこれは現在ございません。それでその電信の取扱いにつきましては、これは事実問題といたしまして、ずっと前から上海との間に直通の回路がございまして、事実現在の台湾政権といいますか、それが全体の中国を代表いたしておりましたときに、終戦後に復活したわけでございます。それがだんだんこういう格好になって参りまして、その後も事実上そのままつながっているということで、はっきりとその関係は分析してこうということで始まったわけでないものでございますから、まあまあそのまま事実上つながっているということで、実際それをどういうふうに形式的に考えていくかということになりますれば、ただいま松井郵務局長が言われたのと同じような関係になると思います。
  106. 莊宏

    ○莊説明員 電波関係につきましては、電気通信関係一緒に国際電気通信条約があるわけでありますが、これについては先ほどの郵便関係の場合と同じように、署名をいたしておりますのは台湾にあります政府であります。しかしながら電波の問題で混信の問題などが生じますと、こちらといたしましては北京政府の方に混信除去の要請などをいたしております。そういう実情でございます。
  107. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 そうしますと電信の場合には何となしに事実上の関係からやっている、電話の方の場合においては実施しておらないということでありますが、これは先ほどの郵便物と関連して考えると、郵便物の場合においても現在定期船がすでに中国の港に行っているようでありますが、そういう経路線があるにかかわらず電話ができないというのは、一応国交調整の問題にも関連しましょうが、この問題は必ずしも国交問題と関連せずとも、万国共通の問題であり、お互い個人々々の利益の問題でありますから、当然何か話し合いがつくべき性質のものだろうと思うのです。ことに電波の問題になりますと中共側でも迷惑していると思うので、電波が混信したりして悩んでいると思うのであります。従ってお互いに単なる通報でなくて、具体的な交渉に当る考え電波監理局で持っておるかどうか。
  108. 莊宏

    ○莊説明員 電波の問題について中共、北京政府と交渉いたしますことも、確かに私どもとしても必要を認めているところでございます。しかしながら国際電気通信連合の会議におきましては、常にチャイナに対する資格問題が会議の初めにおいて問題になるわけでございまして、その際には従来の日本といたしましては、台湾の政府を支持して参っておるわけでございます。そういうような関係からいたしまして、北京の政府を正式に交渉の相手として何らかの態度を示すということは、現在のところなかなかむずかしい問題ではないかと考えております。ただ先ほど申し上げましたように、混信の具体的問題等については、こちらから電報を送ったりなどしまして、個々の事実問題について解決をするというような方法でやっております。
  109. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 個々の事実問題について交渉するのと、いわゆる全体の問題として交渉するのは、内容については大きな違いがあると思います。しかし今までのように単なる通告程度の問題でこういう問題を解決できないことは明らかであります。通商関係ではかなりに正式な代表の取りきめのような形で行われておる。それに近いような形で行われておるのでありますから、こういう一般国民に直接関係のある、しかもお互いに迷惑する、こういう問題については積極的に相互間において連絡し、あるいは協議する、こういうことが行われてもよろしいように考えます。本日は時間がありませんからあらためて外務省当局者を招致しまして、この点についての具体的な検討をしてみたいと思います。
  110. 松井政吉

    松井委員長代理 他に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ本日はこれにて散会をいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午後零時五十九分散会