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1956-09-22 第24回国会 衆議院 逓信委員会閉会中審査小委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十一年九月二十二日(土曜日) 午前十時五十六分
開議
出席小委員
小
委員長代理
松井
政吉君 秋田 大助君 小泉 純也君
橋本登美三郎
君 森本 靖君 小
委員外
の
出席者
郵政事務官
(
事務次官
)
小野
吉郎
君
郵政事務官
(
大臣官房調査
課長) 畠山
一郎
君
郵政事務官
(
大臣官房電
気通信監理官
)
松田
英一君
郵政事務官
(
郵務局長
)
松井
一郎
君
郵政事務官
(
電波監理局次
長) 莊 宏君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社理事
(
業務局長
) 吉澤 武雄君
日本電信電話公
社計画局長
佐々木卓夫
君 専 門 員 吉田
弘苗
君 ————————————— 本日の会議に付した案件
郵政事業
に関する件
電気通信
に関する件
電波監理
及び
放送
に関する件 —————————————
松井政吉
1
○
松井
小
委員長代理
これより
逓信委員会閉会
中
審査小委員会
を開会いたします。
郵政事業
に関する件、
電気通信
に関する件、
電波監理
及び
放送
に関する件について
調査
を進めます。 この際、新
郵政事務次官小野吉郎
君より就任のあいさつをいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。
小野郵政事務次官
。
小野吉郎
2
○
小野説明員
私今回はからずも
事務次官
の重任を拝しましたが、まことに
浅学非才
でございまして、果してこの重責をにない得るかどうか、きわめて
危惧
の感にたえないのであります。幸いに当
委員会
の御
先生方
の御
支援
、御叱正を得まして、この重要な
郵政事業
の
運営
の全きを期して参りたいと思います。特に過去、
郵便貯金関係
、
簡易保険関係
につきましては、それぞれ
貯金局長
、
簡易保険局長等
として、当
委員会
の御
先生方
には並々ならぬ御
指導
をいただいたのであります。幸いに御
指導
の結果、どうやら大過なく参りましたことは、心から諸
先生方
に感謝申し上げる次第でございます。将来も、
事務次官
の
重職
につきました上は、及ばずながら粉骨砕身、
郵政事業
の
発展
のために貢献して参りたいと思います。何しろ非常に
浅学非才
、その任にたえ得るやいなや、非常に
危惧
の感を抱いております。どうぞ御
支援
、御鞭撻をいただきまして、何とかこの
重職
を果して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
松井政吉
3
○
松井
小
委員長代理
これより
質疑
に入ります。
橋本登美三郎
君。
橋本登美三郎
4
○
橋本
(登)小
委員
この前の
委員会
で、
農村電話
の問題についての
質疑
を行いましたが、一昨日及び昨日二日間にわたって、
千葉
県下の
農村電話
の
実情
を
調査
した結果、
関係当局
に二、三の点について御
意見
をお伺いしたいと
考え
るのであります。
数字
上の問題がありますので、この点前と重複するかもしれませんが、この点をお聞きいたします。 現在
有線放送等
に基くところの
施設
はどれくらいになっておりますか。その中で、
電話
をある程度まで
利用
しておる、そういうような
世帯数
と申しましょうか、
施設数並び
に
加入者数
はどれくらいになっておりますか、ちょっと伺いたいと思います。
松田英一
5
○
松田説明員
お答え申し上げます。実は最近の詳細の
数字
につきましては目下
調査
中でございまして、もう近いうちにかなり詳しい
実情
がわかるかと思うのでございますが、何分現在のところといたしましては、この前にもちょっと御
説明
申し上げましたように、この一月末の
数字
でございまして、それによりますと、大体
有線放送
としての全体の
設備数
が二千三十、それから
スピーカー
の数が三十万七千三百四十九ということになっております。それからそのうち
通話
を兼用しておりますものが、これは大体の推測でございまして、はっきりとつかめてないのでありますが、大体
設備数
において二百九十、それは全体の
有線放送
に対しましては、一四・三%になっております。この推定の数は最近のいろいろぼつぼつとわかって参ります模様と比べまして、そう変らないのじゃないかと思っております。
橋本登美三郎
6
○
橋本
(登)小
委員
有線放送施設
の総数が大体
加入者
三十万のようでありますが、一昨日来から
千葉
県下の
調査
をした結果は、
千葉
県下六十六カ所の全線が
電話施設
を持っておる。そういう点から
考え
ると、
電話兼用
が二百九十という
数字
は最近においては相当数大きく上回るのではなかろうか、こういうふうにわれわれ想像いたします。そこで最近のわれわれの
調査
によりますと、これらの場合はいわゆる
連絡用電話
を
相互電話
に使用しておる時間が少いところで三分の一、多いところで五分の四くらいを使用しておる、こういう
状態
のもとにおける
有線放送
というものは適法とお
考え
になっておるかどうか、この点の御
説明
を伺います。
松田英一
7
○
松田説明員
ただいまの御
指摘
の問題でございますが、この問題は最近に非常に
有線放送利用
の
通話
の
状況
が急進展いたしまして、もともとは確かにこういう
事態
でなく、正常な
法律
の姿で
運用
しておったわけでございますが、その後若干こういうきざしが出て参りましたときに、それは現在のようなものとまで
考え
ておりませんでしたので、ある程度
現行法
の
運用
のもとにおいて、まあまあこの程度なれば
有線放送
を動かしていくのにやむを得ないのじゃなかろうかというふうなことで、実は大目に見て参ったわけでございます。ところが最近の進展の
状況
は、さらにそれ以上に
通話利用
の面がかなりはっきりと出て参りまして、この点におきましては、私
ども
も相当考慮しなければならないというふうに、
現行法
の
運用
の点ではかなり問題もあるのじゃないかというふうに
考え
ておる次第でございます。
橋本登美三郎
8
○
橋本
(登)小
委員
われわれの
実態調査
の結果、
現行法
をもってしてこれは黙認だけで済ませるような
状態
ではないようであります。従って
当局
においてもこれが時代の変化に伴う適正な
改正
というものをお
考え
のようでありますが、これに関して
電電公社
の方に伺いたいのですが、こういうような
事態
は、もちろん第一には
農村
における
電話普及度
が非常におくれておったということが第一点。第二には
有線放送当事者
の言っているように、新しい
農村
の
建設
あるいは
農村振興
といいましょうか、
農業開発
の面、こういう面からして
告知用
として
一つ
の新しい
農村建設
をやっていきたい、まえ
農作物等
の値段あるいは
農村振興
といいましょうか、そういうような
建前
からも、一方において
告知用
として重要な
使命
を持っている。しかしながらそれらのことを行うためにも、その間のある程度の
電話連絡
が必要である、こういうようなことであります。従って
一つ
には
農村
における
電話事業
が
普及
していなかったことも
原因
でありまして、こういう
事態
に立ち至りましたことについて、
公社当局
としてどういうようなお
考え
を持ち、将来どういう対策を持っておられるか、この点をお聞きいたしたい。
靱勉
9
○
靭説明員
今
橋本
委員
が御
指摘
のように、このいわゆる
有線放送兼用
の
電話
というものは、これは非常な勢いで
設備
されつつある。その
原因
といたしましては、なかなか
公衆電話
の
設備
が
農村
の末端まで
普及
されてない結果ではないかということでありますが、まことにその通りでありまして、私
ども
もすでに御
承知
のようにわが国の
電話施設
というものが、ほかの国に比べましてもまだ未
普及
の
状態
です。ことに
農村
、山村あるいは
漁村等
におきまする
電話施設
が非常にまだ未
発達
の
状態
にあることは、
公社
としましてあまねく
サービス
を提供することを任務といたしておりますものとしては、はなはだ申しわけない次第と
考え
ているわけであります。ただこの
発達
の
過程
を見ますと、初め
有線放送
でいったところが、
スピーカー
あるいは
送受話器等
をつけるということで、簡単に
告知
もできる。従って
相互
に
通信
ができるというようなことになったわけであります。これの
発達
の
過程
といいますのは、
農村
におきまして
ラジオ
の
受信機
を
設備
していくよりも、村全体の
告知機関
、そういうものを
中心
として
発達
しているので、現在におきましてもこの機能を全然
考え
ないで、いわゆる
私設電話
と申しますか、そういうものの
発達
がきわめて微々たるものであると
考え
ております。そこで結局
農村
において
放送施設
を兼用したものが必要である。また相当距離もありますから、村のいろいろな事項を
告知
することがまず第一の
目的
である。この
利用目的
というものは、現在におきましては、
公社
においては
電話
だけの
サービス
を提供しているので、少し両方の領域が違うやに
考え
ているわけであります。もちろん
公衆電話
といたしまして、あるいは隣接の
町村
、あるいはまた相当全国的な組織ができるような
公衆通信施設
の
利用
というものは、別途の当然の要請としてあるわけでありますので、まず
公社
といたしましては、その
方面
の
サービス提供
の本来の
使命
に邁進するために、すでに本
年度
から無
電話部落
の解消、あるいは五カ年
計画
もすでに四年内に入りましたので、全部バランスのとれた
電話
の
普及
をいたしたい、こういうことで本
年度
、さらに来
年度
において
相当規模
を大きくやっていきたいという
考え
でありますが、現在起っております
有線放送兼用
のものにつきましては、私
ども
その必要な理由が十分にわかるのでありまして、
農村
の
発達
と申しますか、そういうためにもきわめて重要な
施設
である。これらとの連係を
公社
としても真剣に
検討
いたしておりますと同時に、
農村電話
の
普及策
を目下
検討
中でありまして、さらに積極的に
普及
いたしたい、こういう
考え
に立っている次第であります。
橋本登美三郎
10
○
橋本
(登)小
委員
最近の
有線電話放送
といいますか、この
法的根拠
はどういう
立場
でやられているか、
設備者
の
趣意書
を見なければわかりませんが、おそらく
有線電気通信法
の第四条のうち四の「二人以上
共同
して行う
業務
に必要な
通信
を行うため、その
業務
を行う者が
郵政大臣
の
許可
を受けて設置する」、これによって
設立
をされているのではないかと思うのです。もちろん一部には農業協同組合なり、あるいはそうした
業務
に必要な
通信
を行うために
設立
しているものもありましょうが、
千葉
県下の場合になりますと、
例外
なしに
有線放送協会
を作って
電話
の使用をやっておりますから、おそらく第四条第四号の
項目
に従ってああいう
施設
を行い、かつまた
運営
を行なっておるものと思うのです。そこでこの場合における
解釈
ですが「二人以上
共同
して行う
業務
に必要な
通信
」、こういう
工合
に最近行われております
農村
の
有線放送電話
を
解釈
できるかどうか、この点について
監理官
もしくは
電波監理局関係
の御答弁を願いたい。
松田英一
11
○
松田説明員
現在の
有線放送利用
の
電話
につきましては、実は
有線放送
ということで
発達
して参りました。
有線放送
につきましては御
承知
のように
届出
だけでございまして、
有線放送設備
を設置いたしますときには、
届出
だけをやって、そうしてその
届出
した
施設
を
利用
して、ある程度
有線放送
の
運用
上やむを得ない
通話
だけを
相互連絡
をするということでございまして、それを
有線放送
の中に含めるということは確かに問題だと思うのでございますけれ
ども
、
有線放送運用
にやむを得ないものということであれば、ある程度の話があってもそれは仕方がないのじゃないか。しかしそのままでいきますときには、今の第四条の
規定
と申しますよりも、むしろ第十条の
規定
によりまして、二人以上の間の
通信
になりますと、結局「その
設備
を用いて
他人
の
通信
を媒介し、その他その
設備
を
他人
の
通信
の用に供してはならない。」というこの
規定
に違反いたしまして、この
規定
に対する
例外
といたしましては、第十条の十号にあります「
有線放送業務
の
運用
の規正に関する
法律
第二条に
規定
する
有線放送
を行うとき」この場合はいいのですけれ
ども
、それ以外の場合はいけないということになっておりますので、やや
通話
めいて参りますと、この
規定
にも必ずしも当てはまらないのじゃないか。しかし
設備
といたしましては
有線放送設備
ということで、それに付帯して起っておる事象でございますので、あくまでも
届出
だけでこの第十条の
規定
にひっかからないような
工合
にお互いに
共同
で設置した、従って
共同
で設置した者の間の
通信
でありますから、
他人
の
通信
の
利用
ということではないというふうなぐらいの
解釈
をいたしまして、実は現在は
許可
には全然かかっていないわけであります。
橋本登美三郎
12
○
橋本
(登)小
委員
今
有線放送法
の
建前
でもってやっておるようでありますから、当然
許可認可
の手続をとっておらないだろう。第十条の
規定
によって、これは
通信施設
とはみなさないという条項に従ってやっておるのだろうと思うのです。しかし実際の問題は、調べてみますと今申したように、第四条の第四号もしくは第六号の場合でなければできないような
施設
が行われておる。こういうことから見て、実際上の問題としては、地元においてはこれはどうしても必要であり、かつまた今後これを助成もしていかなければならない、こういうような
発展過程
をとるのでありますから、これに対して頭から押えるということはわれわれも
考え
てはおらない。何とかして現在の
事態
に適応し、かつまた
公衆
の
電気通信
に
影響
のない
立場
においてこれらが公正なる
発展
を遂げるという
意味
においては、われわれも何ら異議はないのであります。しかし現在の
法律
の上から言えば、現在行われておりまする
有線放送電話
というものは
法律
に違反をしておる、こういうように
解釈
されますので、従って積極的に、なるべく早くこういうような
事態
を是正するために、
当局
としては新しい
法律
を作るなりあるいは
関係法律
の
改正等
によって、具体的にこれが公正に
利用
せられる、こういう
工合
に持っていかなければならぬと
考え
るのでありますが、それに対する根本的な
考え方
、ことにいわゆる
施設者
でありまするが、もし現在のままの形で、いわゆる
有線放送協会等
の形でもって
簡易電話
が、われわれが言うところのいわゆる
簡易電話
が認められる、こういうことになりますと、これは大きな問題になりはしないか。であるからして、もし現在のような
事態
で
簡易電話
ができる、こういうことになると、
電信電話公社
以外の
電話通信業者
が現われて、そうして
利益
を
目的
とする、あるいは
利益
を
目的
としなくても、何らかの形で、形においては
電電公社
と全く違わないような
電話事業
というものが行われる、こういう結果になると思うのですが、
政府当局
で
考え
ておられる法の
改正
あるいは新しい
法律
でもけっこうですが、
考え
ておられるならばその概略をお聞きしたい。
松田英一
13
○
松田説明員
ただいま
先生
の御
指摘
ございましたように、実は私
ども
もこの問題がかなり急速に
発展
して参りましたために、従来も私が先ほど申し上げました
行き方
ではなくて、何とか
許可
にかけるような
行き方
で
現行法
の
運用
で何か
考え
ていかなければならないのではないかということは、実は考慮しておったわけであります。しかしこの前にも
松井先生
からの御質問がございましたように、確かに
現行法
の
建前
ではそういうものを真正面から扱っていくということに行きましては、そういうことを予想して作られてもおりませんために、かなり無理なような気もいたしておりまして、
研究
を進めておったわけであります。そこへこのたび国会の
先生方
からこの問題の御
指摘
を受けましたが、しかし
実態
といたしましては、確かにいろいろ
農山漁村
の
発達
のために必要やむを得ないというふうな節も感ぜられますので、何とかその
趣旨
を達成しながら、しかも現在
公社
のやることになっております本来の
電話事業
というものとの調整を十分
考え
まして、適当な
解決方法
を見出さねばならぬだろうというふうに私
ども
考え
まして、
現行法
の
運用
で無理であるとすれば、やはり立法しなければならないだろうというふうに
考え
ております。まだ現在私
ども
といたしましていろいろ
検討
中でございまして、ここで具体的にこういうふうにしたいということを結論的に申し上げる
事態
にまだ至っておりませんので、
先生方
の御
意見等
も十分お伺いさせていただきまして、急速に
研究
を進めていきたいと
考え
ております。
橋本登美三郎
14
○
橋本
(登)小
委員
結局内容的にいえば
簡易電話
ですが、
放送
と送受信とを
一緒
にした機械によって
相互連絡
するのですが、従ってこれをいうならば一応
簡易電話
ということになるのでしょうが、しかしながらこの
簡易電話
を
中心
にしてものを
考え
るということになれば、明らかに
公衆電気通信法
なり
有線電気通信法
なりにかなり大きな
影響
を与えるので、これは発生から
考え
ましても、
中心
を
簡易電話
に置くのではなくて、やはりあくまでも
有線放送
が
主体
である。
有線放送
ということからしてそれに伴う
業務
と同時に、非常に簡単な
相互連絡
を行う、こういうことが
主体
でなければならぬと思うので、従ってあくまで
有線放送
を
主体
とする
簡易電話
の設置、こういうことになるだろうと思うのですが、その点に関する
当局
の
考え方
、もしそういうことになれば、現在無理して
有線放送協会
なり何か
第三者
の人格を作ってこういうものを作っておりますが、もしこれが
第三者
の資格において行われるということになれば、都市でもどこでもこういう
設立
が可能になってくる、こういうことでやはり
電話
の
独占事業
というものに非常な
影響
を与えることは明らかであります。そういう点から
考え
て、いわゆる
施設者
及びこれを
運営
する
業務者
に対して
一つ
の
制限
を加える必要がありはしないか。たとえば
地方公共団体
あるいは
各種協同組合
またはこれに準ずるような
公共的団体
、こういうものは
有線放送簡易電話
というものができるけれ
ども
、それ以外の場合においては純然たる
有線放送
による
施設
以外はできない、こういうことによって、いわゆる
施設業者
並びに
業務者
にある程度の
制限
を加える必要がありはしないか、これが
一つ
。 それから第二には、
有線電気通信法
の中にもありますが、第四条第六号で
電話施設
を行うことのできる
地区
は、これはいわゆる総合的な
電話地区
の
意味
でございますが、
電電公社
が
公衆電気通信役務
を提供することが困難な
場所
と認められた
地区
に対して、
郵政省令
の定める
基準
によって
施設
する、そうして
大臣
の
認可
を受けなければならぬ、こういう
規定
がありますが、最近の
有線放送簡易電話
というものは、必ずしも布設の困難な
地区
じゃないのであります。大部分はそこには
公衆電話
が入っております。きのう
調査
いたしましたところでも、ある
地区
では大体十五本近く、もう
一つ
の
地区
では五本の
公衆電話
が入ってきておる。従ってこういう点から
考え
て、必ずしも
公衆電話
を布設することが困難な
地区
じゃない、ある
場所
においては都会にまでこれが行われておる、こういう
状況
でありますから、いわゆる
有線電気通信法
の四条の六号には該当しない
地区
において行われておるわけであります。しかしながらそう言いましても、これらの
簡易電話
を必要とする
地区
は、何といっても
山間僻地
の
農村部落
である。でありますから、当然
電信電話公社
の
電話事業
というものとの衝突を来たさないためにも、何らかの
制限
を必要とするのじゃなかろうか。そこでそういう
意味
から、第四条第六号のいわゆる
公衆電気通信役務
を提供するのに困難な
地区
じゃない、
公衆電気通信役務
を
普及
するのに困難な
地区
、こういうようなある程度の差別が必要じゃなかろうか、こういうことを
考え
るわけであります。かつまたそういう事情から、これがもし
公衆電気通信
のごとくに広範囲にわたり、あるいは
市外交換
まで行う、こういうことが行われることが非常な問題になりますので、その点やはり
運営区域
というものを
町村単位
なりある程度の
単位
にこれをとどめて、かつまた
公衆電話
との接続は
原則
としてこれを禁止する、こういう
措置
を明らかにしておく必要がありはしないか。 これらの
施設
というものは、われわれ行って見てみますと、非常に簡単な装置である。大体において
原則
として単線である。複線の工事をやっておるところはほとんどない、こういうことは、もちろん
公衆電気通信
に
影響
を与える場合においては、これに改善を加える
法的根拠
がありますから、その
方面
においての一応の
措置
はあるわけでありますが、しかし
加入者
の
利益
のためにも
最小限度
の
技術基準
を設ける、そうしていわゆる
業者
に
利用
せられないという
措置
が必要ではなかろうか。もちろんこれは高度の
技術基準
を与えれば、当然低廉にして簡便な
方法
で布設できるというような従来の非常な特典を阻害することになりますから、高度の
基準
を与える必要はありませんが、
加入者
の
利益
のためにも、かつまた
公衆通信
に
影響
を与えないためにも、そうした
最小限度
の
技術基準
を必要としはしないか。 第五番目には、こういう
事態
であるから、現在の
有線放送
の
運用
に関する
規定
のごとくに単なる
届出
だけではいけない、従って設計に対する
認可
あるいは
業務
の開始に対する
許可制
をとるべきではなかろうか、こういうふうに
考え
ます。 次にはこの前
松井委員
からも
質疑
がありましたが、ややもすればこういうものを
利用
して
広告等
が行われておる、これなどは全く
設立
の
趣旨
とは趣きを異にするのでありますから、この種のものに対しては営利を
目的
とするところの
施設
及び
広告等
による
利益行為
を行うことを
制限
する必要がありはしないか。かつまた
地方
としては五百軒もしくは一千軒、多いところは二千
世帯
、これらが一括して入っておるのでありますから、もしこれを政治的に
利用
する、あるいは一部の人が特別な
意味
をもって
利用
する、こういうことが行われますと、かえってこれらが悪弊害を伴いますから、この
業務
の
運営
についてはあくまで
政治的中立
を守らせる、こういう
規定
も必要ではなかろうか。 その次には、主として現在
有線放送施設
として行われておりますから、
ラジオ番組
の一部——もちろん全部の場合も同様ですが、一部であっても
受信料
の
対象
になっておる。これはもちろん一部であってもそのまま
中継
放送
すれば、これは当然
聴取料
の
対象
になるわけでありますが、これはついきのう視察いたしましたが、
滝田地区
のごときは、ほとんど朝起きどり程度を
中継
する以外に、
気象通報
のごときも全く
自主番組
で
放送
しているにもかかわらず、実際上は
ラジオ聴取料
の
対象
になっておる。しかも実際上これらの
施設
を見ますと、
滝田地区
の場合には、六百三十戸のうち五百八十何
世帯
というものが普通の
ラジオ
を持っておる、
鎌足地区
のごときは四百
世帯
のうちで大体三百
世帯
が
ラジオ
を持っておる、こういう地帯でありますから、ほとんど
ラジオ
の全面的な
中継
または
相互
の
番組
の
中継
は必要としておらないのが現状であります。でありますが、実際上ほんのわずかでありますが、
利用
しておりますけれ
ども
、もしこれを、一部でもそのままには
利用
しない、自主的に
番組
を作って送る場合はありましょうが、
利用
しない、こういう場合には
ラジオ聴取料
の
対象
にはならない、こういう
工合
に
解釈
するのですが、その点に対する
解釈
及びこういうようなことがもし新しい法規として、あるいは
法律
の
改正
によって行われる場合は、以上の四つにわたる
項目
というものが新しい
法律
の内容として
考え
らるべきものである、こういう
工合
に
考え
るのでありますが、
当局
の御見解を
一つ
お聞かせ願いたい。
松田英一
15
○
松田説明員
ただいまいろいろ細目にわたりまして御
意見
を伺わせていただいたわけでございますが、
有線放送
を
利用
いたしておりますこの
通話
の
状態
というものが、確かに
農山漁村
、
一種
の
共同社会
といいますか、都市的な形態でなく、そこに所在する
世帯
がいろいろな
関係
で、あるまとまりをつけてまとまっておりますその地域に必要なものとして
発達
してきております。そういう
関係
を
考え
まして、ただいま
橋本先生
からの御
意見
のように、まず現在の
格好
におきましては、一応それは先ほど申し上げました
法律
の
解釈
をいろいろ考慮いたしまして、
申請者
の側で
共同
で作っているのだというふうな
格好
をとりますために、
一種
の
有線放送協会
というものを作りまして、しかもそれもはっきりした
協会
という
法人格
を持ったものではなくて、まあまあ
一緒
にやっておるんだというふうな
格好
で作ってきておったわけでございますけれ
ども
、これを正式にきちんと取り上げます場合には、むしろそれよりも、やはりそういった
有線放送利用
の
通話
というものが必要になっておりますその
実態
というもの、
農山漁村
のあるまとまっている
共同社会
というものの必要性ということで、それとの結びつきにおいて
考え
る必要があろうと思いますので、確かにただいまおっしゃいましたようなことで私
ども
考え
ていかなければならないだろうと思う次第でございます。従いまして、それの認められます範囲の地域の問題、あるいはそれの
運営
いたします区域の問題、そういうものもやはりそれと同じ
意味
におきましてのまとまった
一つ
の
共同社会
という、その範囲においての必要性というものを満足する程度にとどむべきであろうと思いますし、また
公社
の
電話
との
関係
におきましては、確かに御
指摘
のように、現在の
法律
は加入区域あるいは加入区域外の特定地域だけという
格好
にできておりますけれ
ども
、現状からいたしまして、
公社
の
電話
があるいは十とか五つとかいう
工合
にしかないところに、この
有線放送利用
電話
は四百、五百、場合によっては千という
工合
に
利用
されておるわけでございますので、その特定地域だけでなくて、現在の
公社
の加入区域とある程度かぶってくる、共通になってくるという面はやむを得ないことではないかと思います。しかしそうかと申しまして、これがどこでもいいというふうなことではないと思いまして、先ほど申し上げました
一つ
の
農山漁村
というふうな性格的な
制限
と同時に、また
公社
の
電話
の
普及
ということがなかなか一時には達しにくいというふうな
状況
、そういうことをよく
考え
合せまして、範囲というものは
制限
していかなければならないだろうと
考え
ておる次第でございます。もちろんそういうことでいろいろと実際の
運用
上適当な範囲にこれを認めていくことによって、初めて
公社
の
電話事業
との調整がとれていくだろうと思いますので、そういう
意味
におきましては、これは現在のような
届出
制では不満足であって、当然
許可制
にしなければならないだろうと
考え
ております。また
許可制
にいたしまして、その
施設
そのものにつきましても、実際できたものが使いものにならないというふうなことでは困ります。しかしまた一面においては、あまり厳重にいたしますと、
発達
をここでとめてしまうということにもなりますので、そこのところを適当に考慮いたしまして、
技術基準
等を高めるという必要性はあるだろうと
考え
ております。また
有線放送
の事業自体といたしまして、営利を
目的
としてそういうところで
一つ
の別個の
電話事業
というふうなものができていくということは、現在の
電信電話公社
というものに日本の
電話
の
発達
をはからしていくという
趣旨
から
考え
まして当然いけないことだと思いますので、営利を
目的
とするようなものの介在は絶対に許し得ないと
考え
ております。なおおしまいの方の問題は、
電波監理
局の方で
放送
との関連において
考え
るべきことだと思いますので、私の
関係
いたしておりますところだけをお答え申し上げました。
莊宏
16
○莊
説明
員
橋本先生
からのお話の中で、広告をやるようなことは禁止したらどうかというお話があったようでございますが、この点につきましては、現在の
有線放送
の
運用
の規正に関する
法律
で、御
承知
の通り
有線放送
というものを非常に幅を広くとっておりまして、街頭でやります広告
放送
といったようなものも
有線放送
の中に入れております。ああいったものから広告をやめさしてしまうということはとうてい
考え
られない。ああいったものほうるさいからもうやめさしてしまうのだということにいたしますれば別でございますが、そうでない限りは広告というものはどうしてもくっついてくるのだと
考え
ております。それで
先生
の御
趣旨
は、現在の
法律
でやっている
有線放送
というものに幾つかの区分を立てて、そうして
ラジオ
の
共同
聴取を
目的
としているようなものについては、広告を挿入するというようなことをやめたらどうか、
ラジオ
の
共同
聴取をやっていて、部落
電話
を兼ねるものについては広告をやめさしたらどうか、そういう区分を作ったらどうか、こういう御
趣旨
だろうと思いますが、それらの点につきましては今後十分
研究
させていただきたいと存じます。 それから
政治的中立
を守っていくことを明らかにすべきではないかというお話がございましたが、この点につきましては現在の
有線放送業務
の規正に関する
法律
におきましても、
放送
法の
規定
を準用いたしまして一応
規定
ができているのではなかろうかと
考え
ます。 それから、
ラジオ
の方はあまり聞かない者についても
受信料
の
対象
としているけれ
ども
、
ラジオ番組
をそうあまり聞かない者については
受信料
を取らないというふうにしたらどうかというお話のようでございましたが、この点につきましては非常に問題がむずかしいので、なおよく
検討
さしていただきたいと存じます。NHKの
放送
サービス
を、
有線放送
自体だけではなく全部のものについて
考え
てみた場合に、NHKをどのくらい聞いているか、また聞けるかということについては、全国非常に無数の段階があるように存じます。さらに、たとえば東京におきましてかりにある人が民放ばかり聞いておるということにしても、やはりNHKの
受信料
は取らせるという
建前
になっております。そういったようなことを
考え
まして、全体的な公平を失しないように、またNHKに
受信料
を取らせるという現在の
放送
法の
建前
というふうなものも
考え
合せまして、今後十分
研究
をさしていただきたいと存じます。
橋本登美三郎
17
○
橋本
(登)小
委員
先ほど私が具体的に申しました内容は、どちらかといえば現在の
有線放送業務
運用
の規正に関する
法律
というものだけを
改正
することによっては困難ではなかろうか、従って新しい
法律
を必要とするのではなかろうかという前提に立って内容を申し上げたのであります。
政治的中立
という問題については、現在の
有線放送業務
の
運用
の場面においても
政治的中立
を要求されておりますので、これは問題はないのでありますが、ただきのう
調査
しました
有線放送協会
の中でも、これはまあ広告ではありませんが、一回当り五円の
通話
料を取っておる、こういうようなやり方をやっておりますが、こういう点から見てもそういうような
通話
料を取る必要があるかどうかは、もちろん必要があって取るのでありますが、現在の
法律
の上から見てこういうような
措置
が妥当であるかどうかという問題もあります。いずれにせよ内容の点については今申した通りでありますが、これがいずれの
法律
といいましょうか、別個の
法律
でうたった方が妥当性ができるか、あるいは従来の
法律
を
改正
することによって大体の
目的
を達成し得るかどうか、その点に関する見通しを
一つ
お話し願いたい。
松田英一
18
○
松田説明員
具体的の
法律
の作り方につきましては、実は私
ども
まだ結論を得ておりませんので、こうすればいいだろうということをここでまだ申し上げられないのは非常に遺憾でございます。ただいま
橋本先生
の言われましたお
考え
というものは、私
ども
非常に肯綮に当るところがあると
考え
ておりまして、十分に
研究
させていただきたいと思います。
橋本登美三郎
19
○
橋本
(登)小
委員
電波監理
局の見解はどうでしょうか。私が申し上げましたような内容でものを作っていくとなれば、現在の
有線放送業務
の
運用
の規正に関する
法律
では、これはとうてい内容的に律することはできない、こういうふうに
考え
られます。先ほど申したように、街頭宣伝のごとき広告を禁止すれば、これはとうてい
目的
を達成しないことは明らかでありますからして、そういう特殊なものがある
法律
の中でこういうものを
規定
することは困難である、こういうふうに
解釈
されます。しかし相当の部面においてはもちろんこの
有線放送業務
の
運用
の規正に関する
法律
とダブる点が多いのであります。多いけれ
ども
、特殊地帯であるからして、やはり特殊立法でいかなければ相当困難があるように見受けられますが、これに対して荘次長の見解をお伺いしたい。
莊宏
20
○莊
説明
員
有線放送
を
電話
に
利用
する問題につきましては、
松田
監理官
、平山
監理官
の担当分野として、そちらの線で盛んに
研究
しておるところであります。従いまして私の方といたしましては専門の方の
意見
が出ましたときによく相談をいたしまして、
有線放送業務
の
運用
の規正に関する
法律
をどうしたらいいかということを
考え
たいと思っております。
橋本登美三郎
21
○
橋本
(登)小
委員
なおこれに関連してですが、たとえば一
地方
の行政区域内で三つないし四つのいわゆる旧
町村
ごとに実際上の
有線放送施設
が行われているようであります。
関係
者の陳情によれば、この三つないし四つのいわゆる
有線放送
地区
を行政
地区
と合せるために、この
相互
間に連絡ができるようなことも認めてもらいたい、こういう意向がありますが、これに対する御見解を承わりたい。
松田英一
22
○
松田説明員
ただいま御質問になりました点は、実際の
法律
を作ります場合に相当具体的に問題になる点であろうと
考え
る次第であります。私
ども
現地のいわれます
趣旨
はまことに了承できるのでございますが、結局
電電公社
でやっております本来の
電話事業
というものとの調整という点で、その問題を相当慎重に
考え
なければならないと思うのでございますが、要は先ほど申し上げましたある程度の
共同社会
的な広がりというものがどの程度にあるか、実際の
運営
がどの程度にその必要性とからまってきておるかということなどと
考え
合せまして、その連絡の範囲というものは自然限定されていくのだろうと思いますが、今
橋本先生
の言われましたような場合、少くともある
一つ
の行政区域外にわたるというようなことは、はなはだ感心しないことだというふうに
考え
ておる次第であります。
橋本登美三郎
23
○
橋本
(登)小
委員
大体質問の内容については御了承願ったと思います。またこれからの
研究
課題でありますが、すでに十万もしくは十五万
世帯
がこういう
電話
利用
の
有線放送
をやっておる現実の
状態
でありますから、一刻も早くこれが
法律
の整備を
一つ
やっていただきたい。できれば臨時国会が将来ありといたしますれば、その臨時国会にかけてこの問題を解決するくらいの覚悟をもつて、
一つ
善後
措置
を講じてもらいたいということをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
松井政吉
24
○
松井
小
委員長代理
森本靖君。
森本靖
25
○森本小
委員
この
有線放送業務
の問題については、今
橋本
委員
の方から詳しくお話がありましたので、私も若干ありますけれ
ども
それはあと回しにいたしまして、まず最初に郵政省
当局
にお聞きしたいのは、本日
委員会
をやるということで、
委員会
に
大臣
、政務次官にも御出席を願いたいということを国会の方から通告してあったはずでありますが、
大臣
、政務次官、両方とも政治的な責任者が出席しておりませんが、その間の事情はどうなっておるか、ちょっと御
説明
、願いたいのであります。
小野吉郎
26
○
小野説明員
今日の
委員会
には、
大臣
、政務次官おそろいで御出席の予定であったのでありますが、政務次官につきましては、ちょうど
地方
に電報
電話
局の起工式がございまして、その起工式について、いろいろ地元と
関係
方面
に調整を要する問題もありまして、ひとまずお出かけになる予定を組んでおられ、予定の通り行かれたのであります。
大臣
はぜひこの
委員会
に御出席になりたい御予定であったのでありますが、ちょうど昨日急に党務の
関係
が生じましてお出かけになったのでございまして、まことに相済まないわけでありますが、御了承を願いたいと思います。
森本靖
27
○森本小
委員
この
委員会
において、政治的な面については、
大臣
でなければ回答ができない問題もあろうかと思います。また新しい次官にそういう問題を質問するのもまことにどうかと思いますが、しかし緊急な用件がありますので、そういうような問題について質問をした場合、
大臣
の言明としてこっちの方が
大臣
の代理として受け取って差しつかえないということならばいいのでありますが、少くともこの
委員会
が開会されておるのに、
委員会
の
業務
と
地方
の電報
電話
局の起工式と一体どっちが大事かということくらいは、政治家であるならば大体常識で判断ができると思う。それを欠席せられては、われわれとしては政治的な問題については、一切質問ができぬということになります。しかしそうはいっても緊急な問題がありますので、何が出るかわからぬけれ
ども
、そういう問題について新しい次官としては一体回答ができるかどうか、一応先にそれを聞いておかないと、質問をやったところで何にもならないので、その点を明らかにしてもらいたい。
小野吉郎
28
○
小野説明員
大臣
、政務次官いずれも当
委員会
に御出席相なれなくなりましたことは、重々おわびを申し上げる次第であります。私まだ着任早々でありまして、前任者からも詳しい引き継ぎをまだ受けておらないのであります。とはいえ、あらゆる問題につきましてお答えできない、こういうわけでもございませんし、事柄によりましては十分に引き継ぎを受けないと、また
大臣
の気持も明確に
承知
しておらない点につきましては、まことに相済みませんがお答えいたしかねる点もございますが、その他私が本省幹部といたしましてその辺が明確になっております問題でありますればお答えいたし得るのではないか、かように
考え
ておるような次第でございます。
森本靖
29
○森本小
委員
そういうことでございますならば、
大臣
がおらなければ、その問題についてはわからぬから回答ができぬという問題がかりに出てきた場合は、当
委員会
としては大体次の十月十日なり十一日ごろに、もう一回
大臣
と政務次官に正式に出席していただいて、そうして
質疑
応答をして明らかにしていきたいという
委員会
を予定しておるわけですが、それではそういう問題については、
大臣
からはっきり回答するまで、省側としては行政
措置
なんかについても、ここでかりに問題になった問題については、そういうことを明らかにしてからでなければやれないということくらいは次官としてできるわけですか。——それもできないということになれば、
委員会
は一体何をやっているかさっぱりわからぬということになるので、その辺を明らかにしていただかないと因るということです。
小野吉郎
30
○
小野説明員
郵政省の仕事にもいろいろ重要度の段階はあろうかと思いますが、何しろ国家行政事務でありますので、緊急を要する問題が起きますならば、あるいは当
委員会
がそれまで待ち得ないということも起きてこようかと思います。できるだけ当
委員会
におきまして問題のあります点につきましては、われわれも善処していきたいと思うわけであります。
松井政吉
31
○
松井
小
委員長代理
ちょっと
委員
長から事務的にお伺いします。本日
委員会
を開くというのは、この前の小
委員会
の日に
委員会
の決議できめておるわけです。それできょう何を
調査
するかということについては、国会の事務局の
委員
部の方から私の方にきたのが九日なんです。九日に私は
郵政事業
に関する件の
調査
をする、これは公報で出しております。これは御通知を受けたと思います。
小野吉郎
32
○
小野説明員
そうであります。
松井政吉
33
○
松井
小
委員長代理
そういう通知を受ければ、当然
郵政事業
ということになると
大臣
ということになるが、
大臣
が出られない場合は、国会開会中ならあなたの方から国会の事務局の方、たとえば
委員
部なりあるいは専門
調査
室なりあるいは
委員
長じかにあなたの方が事務的な連絡をとるわけですね。今その衝に当っておる事務
当局
の責任者はだれですか。
小野吉郎
34
○
小野説明員
それは
事務次官
に相なろうかと思います。
松井政吉
35
○
松井
小
委員長代理
そうすると、きょう
委員会
を開いて
大臣
は来ない、政務次官はおらないというのは、国会の事務局の方から問い合せて初めてわかっているのですよ。きのうでも連絡はできないのですか。
小野吉郎
36
○
小野説明員
まことにその辺の手順につきましては手落ちがあったやに
考え
ます。陳謝いたします。ただ
大臣
、政務次官、いずれも当
委員会
に御出席の予定であったのでありますが、政務次官につきましては
大臣
が御出席に相なられる見通しでございましたので、先ほど申し上げましたような要務で出かけられました。その後におきまして、
大臣
は当
委員会
に本日御出席になる予定であったのでありますが、やむを得ざる理由によりまして昨日出かけられたのでございます。その辺の連絡不行き届きはまことに私といたしまして遺憾千万であったわけであります。深くおわびを申し上げる次第であります。
松井政吉
37
○
松井
小
委員長代理
きょうでも、十時に開会しよう、きょうは小
委員会
であることは御
承知
でありましようね。——小
委員会
ですからやはりおいでの方々と私が加われば開けるわけです。それで十時に開こうというので十時半まで待った。ところが肝心の郵政省の担
当局
長
関係
はお出にならないのですよ。
大臣
もいない、政務次官もいない。それで
委員会
の手続はこの前の
委員会
できめておる。きめた手続によってわれわれはやる。十日も前に
調査
の手続をとっておる。公報に載せておるにもかかわらず、あなたの方の局長も文書課長さんもお出にならない。一体これはどういうわけなんですか。
小野吉郎
38
○
小野説明員
まことにどうも事前にとっておくべき御連絡におきまして遺憾の点があったように思います。深く陳謝申し上げます。
松井政吉
39
○
松井
小
委員長代理
国会の方には
委員
部もあって逓信
委員会
担当の職員もおり、専門
調査
室には担当専門員もおるし、さらにわれわれも、ほとんど出かけておりますが、やはり理事から
委員
長のところに連絡がとれないわけがございませんから、少くとも国会の
委員
部と専門
調査
室の方には緊密な連絡をとっていただきたいと思います。これはきのうきょう開くということをきめているわけではないのです。この前の
委員会
で正式にきょう開くことにきめているのです。しかもその間において、前の
委員会
からきょう開く
委員会
までの間に緊急やむを得ざる問題ができたときに、きのうまでは
大臣
も政務次官もおったが、きょうはいなくなったということになりますと、国会の方から、きょうの問題を予想して
大臣
、政務次官ともに政治的な行動を起して逃げたという
解釈
をされた場合に、あなた方の方は答弁に困ると思います。きょうの
調査
事項は
郵政事業
について
調査
をするということで、前の
委員会
できょう開くということがきまっているのですから、そういう国会の事務
当局
との間の連絡は、今後担当の課長さんなり部長さんの方で緊密にとっていただくように
一つ
お願いしておきます。
森本靖
40
○森本小
委員
今の
大臣
、政務次官の出席の事務的な手続の問題については、今
委員
長の方から注意がありましたので、これ以上触れません。 それではさっそくお聞きしたいのですが、全逓信従業員組合が出しておりますところの全逓新聞、あるいはまた一般の商業新聞等で見ますと、郵政省がもう一回昔の特定郵便局長会議というものを官制化するというような動きがあるやに報道せられておりますが、その内容について明らかにしてもらいたいと思います。どういう
格好
になっているのか。
小野吉郎
41
○
小野説明員
この問題についてはいろいろ長い沿革もあるわけでありますが、現在の郵政省の
考え方
としては、そういうものは諸般の
関係
に照らして、無理がなければやった方がいいのではないかという気持で
検討
いたしておりますが、しかしまだ成案を得ておるわけではございませんし、そういう
関係
で
研究
中でございます。
森本靖
42
○森本小
委員
研究
中であるということでありますが、その
研究
するということを省議か何かで決定しているわけですか。
小野吉郎
43
○
小野説明員
この問題は局長会議において慎重に審議しておりますし、また省議においても確かに話題になっております。ただ、まだはっきりこれでやろうという成案を得ておりませんし、その上におきましては確定のものではありませんが、できればほしいものだというような
意見
が出ております。
森本靖
44
○森本小
委員
これはおいおい質問していったら明らかになると思いますが、まず最初に、そういうふうに省議かあるいは部局長会議でまとめて
研究
をするということをきめられたのか、それとも
大臣
なり政務次官の方から政治的に
研究
をせよというふうな指令によって
研究
しているのか、そのいずれかをお聞きしているわけであります。
小野吉郎
45
○
小野説明員
これは
大臣
、政務次官の方からの要請ではないのでございまして、純事務的に見て
考え
ているわけであります。少くとも特定局長会議というものを作りましても、これが純事務的な要請以外の方に
運用
せられることは、私
ども
は断じてよろしくない、かように
考え
ておりまして、非常に小さい無数の特定局の
郵政事業
運営
上の純事務的見地に立って、こういうものがほしい、こういった気持を持っております。
森本靖
46
○森本小
委員
事務的に進めておるということはさっきからの答弁で明らかになりましたが、私は聞いておるのは、それでは事務的に進めるというのは、次官が事務的に進めてみよというということを命じたのか、局長会議においてこれは事務的に
研究
してみようということをきめたのか、それとも担当課長が勝手に事務的に進めておるのか、その根拠を
一つ
聞きたいのです。
小野吉郎
47
○
小野説明員
その点はどこが発端だというようなことはないのでありまして、事業上の面から見ますと、御
承知
のように郵政省は郵便と保険事業を持っておるのであります。そういった事業面の角度から申しまして、現在の特定局の管理はあげて郵政局にまかしておるわけでございますが、そこには無数に全国に散在しております特定局の管理方式といたしまして十分でないものが感じられるわけであります。そういった面から、かつてその面でかなりの業績を上げた過去の実績もございますから、そういった面も参酌しつつ、事務的に何らかそういった管理機構というものが——現在の郵政局の直接管理では、あまりに小局が無数にあり過ぎる、そこに管理の維持が末端まで十分に到達しないといううらみもいろいろ起きているわけでございます。その打開策として各事業部門でそういったような気持が従来からあったわけでございまして、局長会議でだれが言い出したということではなくて、そういうものがほしいではないかということに相なったわけでございます。その
意味
におきまして現在
検討
を進めておる
状況
であります。
森本靖
48
○森本小
委員
私が聞いておるのは犯人をあげろという
意味
でなしに、部局長会議においてそういうことをやるということがきまったのか、あるいは省議において
研究
をするということがきまったのか。だれしも特定郵便局の問題については何とかしなければならぬという
考え方
は、みなそれぞれ違った角度から持っているわけなんですから、そういう特定局長会議の官制化の問題について
研究
しなければならぬということを部局長会議できめられたのか、そのことだけを聞いておるのです。それとも部局長会議でも省議でもそういうことを
研究
することはさまっておらぬ、ただ部局長がこれは
研究
しなければならぬというばく然としたことで
研究
をしておるのか、その根拠を聞いているわけなんです。
小野吉郎
49
○
小野説明員
この点は先ほど申し上げました通り、部局長会議でもそういう話題が出ておりますし、省議においてもそういう話題が出ております。そういうことで、私自身の前任の簡易保険の
立場
から見ましても、最近の成績は逐年心配の種があるわけでございます。そういった面から申しまして、私自身も何らかそういったものがほしいのではないかというような気持がごく最近にあったわけでございます。そういう
関係
でございますので、郵政省といたしましては一応純事務の
立場
に立ちまして、何らの弊害のない、また純事務の範囲を逸脱しない管理機構があっていいのではないかという面で
検討
を進めておるわけでございます。
森本靖
50
○森本小
委員
質問の要点にはっきり簡単に答えてもらったらいいのです。私の言うのはまだこれからだいぶ時間がかかりますから、
一つ
簡単に願いたいのですが、私の言うのは、部局長会議においてそれでは
研究
しようということにきまったのか、あるいは省議において
研究
しようということにきまったのか、そのことだけを聞いているわけです。部局長会議においてもそういうことを
研究
しようということがきまった、省議においてもきまった、そういうことならそれでいいのですよ。
小野吉郎
51
○
小野説明員
これは順序から申しますと、役所の線といたしましてはまず部局長会議にかけ、それから省議にかかるということでございますから、先ほど省議でそういった問題を論じましてそういう
検討
をやろうじゃないかということを申しました点におきましては、すでに部局長会議がどうとか省議がどうとかいうことは問題でないのであります。省としてそういうものを
研究
して何か妥当な案を作ろうじゃないかということになっておる現状であります。
森本靖
52
○森本小
委員
この問題は郵政省としては省議で一応
研究
しようということになっているわけですね。
小野吉郎
53
○
小野説明員
その通りでございます。
森本靖
54
○森本小
委員
それからこの問題は純事務的な問題であるというふうに言われましたが、これは省議として一応事務的に
研究
を進めようということになるならば、
大臣
と政務次官においても事務的に
研究
していこうということについて
承知
しておるわけですね。
小野吉郎
55
○
小野説明員
省議は
大臣
が主宰されるわけでございますから、御
承知
のことであります。
森本靖
56
○森本小
委員
それではこの問題は、そうすると事務的に
研究
していこうということになっておるようですが、前の国会におきましても
大臣
、それから
事務次官
はこういう問題については毛頭
考え
ておりません。こういう正式の答弁をはっきりしておるわけでありますが、郵政省というものは方針が百八十度に転換をしたわけですね。この前の国会で答弁したことと今言われたこととは全然逆になっておるのですが、その辺の見当はどうですか。これは次官が新しくかわったし、一切がっさい変えてしまった方がよいということで、急角度に百八十度方針を変更する、こういうことですか。
小野吉郎
57
○
小野説明員
百八十度転回といっても、無から有を生ずるような
状況
ではないのでありまして、その当時郵政省として申し上げました当時としては、まだそういうものに対する管理機構としてそれが全然必要でないということを断定したのではないのでありまして、そういったものを具体的に早急に
検討
して実施するというような気持がなかったということを表明いたしたのではないかと思います。
森本靖
58
○森本小
委員
あなたもそのときには保険局長としておったと思いますが、そういうことの答弁ではなかった。そういう問題についてはただいまのところ毛頭そういうことは
考え
ておりません、
研究
するなどということも
考え
ておりません、こういう答弁であった。これは速記録を見たらはっきり載っておるはずです。だからそういうことでこの間答弁したばかりで、それがこういうふうに百八十度変えて
研究
しなければならぬということは、どこに
原因
があるかどうかということを聞いておるわけです。
小野吉郎
59
○
小野説明員
御
承知
のごとく、当時におきましても特定局
方面
におきまする
業務
推進連絡会議は作ったわけです。これも今申しました小局管理の事務的のいわゆる要請もありまして、当時はその程度のものを作っておるわけでありますが、いろいろ
研究
を要する問題はあったわけであります。その当時はまだはっきり具体的にどうこうというあれで、当時の
業務
推進連絡会議以上のものを
考え
てまだ踏み切っておらなかったということでございます。全然そういうものは無用であるというような見解に立っての御答弁ではなかったと思います。
森本靖
60
○森本小
委員
業務
推進連絡会議というのはきのうきょうできた問題じゃない。私が聞いておるのは、二十四国会の末期に宮本次官と
大臣
から、こういうふうな特定郵便局長会議の官制化については毛頭
考え
ておりませんし、そういうことは
研究
しておりませんという明確な答弁があったわけです。それからこっちまだ何ぼも時間がたっていないが、その間に郵政省としては百八十度の政策転換をしたのですか、こういうことを聞いているわけです。
小野吉郎
61
○
小野説明員
先ほど申しましたごとく、そういった百八十度転回というような
意味
合いにおける答弁ではなかったと私は思うのでありまして、特定局の純事務的な管理機構は一日もおろそかにさせず、ずっと続いてそのころから
検討
をしているわけであります。同時にいろいろな事業の推進から見まして、特定局の管理の純事務的ないわゆる方式等につきましては、常に
研究
をいたしておるわけでありまして、その当時といたしましてはそういったものを現在実施するというような見通しをまだ持っておりませんでしたので、
大臣
も前
事務次官
もそのような御答弁をなさったわけではないかと思うのであります。
森本靖
62
○森本小
委員
それは新しい次官の答弁の
解釈
のしようですが、その当時としてはそういうことになっていなかった。ところが何ぼそういう答弁をしても、そのときの政治情勢と今の政治情勢とは違っておったわけだから、次官と
大臣
の答弁は、そういうことについても
研究
することは
考え
ておらぬという答弁があったことは間違いない。それは今あなたがこの問題について、自分の方に都合のいい
解釈
の答弁をせられるけれ
ども
、当時の
事務次官
と
大臣
の答弁はそうじゃない。しかしそれはそれとして、ここでこの問題を追及したところで何もならぬと思う。 それではその
研究
をするというのは、具体的にどういう問題が
研究
されておるか、その内容について明らかにしてもらいたいと思います。
小野吉郎
63
○
小野説明員
先ほど申し上げました通り、まだ十分な確定した案を持っておらない段階でございまして、いろいろな
意見
が出ておるわけでございます。われわれといたしましては、この会を設置する基本的ないわゆる線といたしましては、特定局管理の、いわゆる現実的な小局管理の方式として純事務的に
考え
ておりますので、あるいは郵便事業の現状なり、貯金事業の現状、保険事業の推移、そういったものを総合いたしまして、特定局長会のあった昔の時代と、それがなくなった今日とで、どのような変遷をいたしておるか、そうして特定局管理として事務的にどういうものを打ち出せば、そういう
郵政事業
の
発展
になるかというようなことで
検討
を進めておるわけでございまして、まだ具体的に成案を得ておりませんので、どこをどうするということはただいまお答えを申し上げる段階ではないわけであります。
森本靖
64
○森本小
委員
それでは具体的に成案が全然出ておらないということになりますが、そういうことになると、こういう問題についてはかりに具体的に成案ができて、それから省議なら省議できまって、これでよろしいということで
大臣
が決定をして、それから実際に移すという段階になると、かなりの日数を要するわけですね。そうすると、こういう問題についてはまだ
研究
中であって、次の十日か十一日に小
委員会
を開く予定でありまして、あとでどうせきまると思いますが、それまでにこういう問題が実施さわるというようなことはないわけですね。またあなた方の方でばく然とした内容も答弁が全然できぬというような情勢ならば、少くとも十月十日か十一日ごろにはまだ実施をするという段階にならぬわけですね。
小野吉郎
65
○
小野説明員
そのことにつきましては私まことに相済まぬのでありますが、着任早々でありまして、まだ前次官の意思の十分な引き継ぎも受けておりません。
大臣
からもまたその点に関しまして何ら話を受けておりませんので、
大臣
がお帰りになれば、とくと御相談をいたしまして、それで大体荒筋は明確になるのじゃないか、かように
考え
ております。
森本靖
66
○森本小
委員
その点を明らかにしてもらわぬことには、ここで
委員会
を何ぼやったって——あなた方が全部行政
措置
でやるものなら、それについて何ら
委員会
において論議をしたところでむだになるわけです。だから私が最初に言ったのは、内容が今一応確定しておるならば、それに対する質問をして明らかにして、そういうところはこういうように直したらいいだろうという質問ができるわけです。しかしあなた方は内容はばく然としておる。それで十日か十一日に
委員会
を開いて、
大臣
も政務次官も呼んで——この問題は、あなたはさっきから事務的々々々と言うけれ
ども
、あなたも御
承知
のようにそう簡単な事務的な問題じゃないのです。これは少くともGHQが解散を命じたくらいの大きな政治的な問題です。それをそう簡単にやられたのでは、これはわれわれとしては行政上についての一体どういう示唆を与えるかということについても、何らの発言力がなくなってしまう。だからこの問題について私が聞いておるのは、もし十日か十一口に
委員会
が開かれるとするならば、それ以降にこの問題が持ち越されるということが、
事務次官
としてはっきり言えるかどうかということを聞いておるわけです。それが言えぬということなら、この
委員会
を開いたって何にもならぬのです。
小野吉郎
67
○
小野説明員
私
ども
その辺に対する明確なお答えは今の段階ではいたしかねるのでありますが、もちろんいろいろと森本
委員
の御心配になっておりますように、かつて特定局長会があったわけでございますが、占領政策の一端といたしまして廃止を命ぜられておるというようなことであります。その当時のそういった廃止せられなければならなかったような構想における特定局長会の再誕生というものは、われわれとしてはもちろん避けたい。そういったあり方であってはいけない。純事務的な要請に沿った、現状に立脚して他に弊害を及ぼさない、事務の伸張に役立つような、そういうふうな組織でなければならないということは、基本構想として現に抱いておるわけであります。
森本靖
68
○森本小
委員
私がさっきから聞いておるのは、そういうことを
一つ
も聞いておるわけではないのですよ。そういうことで十日か十一日までにやるのだったら、それだから内容を明らかにしてもらいたいのです。この
委員会
においては内容が明らかにできぬ。それで十日か十一日にこの国会で小
委員会
を開くと言っておるのですから、それまで待てぬというのだったら一体どういうことだと聞いておるのですよ。われわれはそういう問題については一応内容を明らかにして、質問事項もやって、納得をする問題ならば納得をするし、あるいはそういう点についてはそれは間違っておるじゃないかという点を忠告する場合もあろうし、そのことを言っておるわけですよ。何だかきょうの
委員会
は、さっきから
考え
てみると、この問題が出て
大臣
、政務次官に質問をせられたのでは都合が悪いから、われわれはちょっとのいておるといって、おらぬような気がする。それで来月に
委員会
をやる、その間にそういうものを勝手にさっさとやろうというように邪推をしても、そういうふうにとれぬこともない。私が言っておるのは、せっかく来月それだけの
委員会
が開かれるのだし、これだけの大きな問題だから、その
委員会
においてこういうような問題についても
質疑
応答をやって、それからやったところで——これはそれほど一刻一秒を争う問題では
一つ
もないのだから、それを私は明らかにしてもらいたいということを言っておるわけですよ。だからそれもできないということになれば、われわれは一体どうやったらいいかということはさっぱりわからぬ。だからあなた方がその十日か十一日までに緊急やむを得ざることとしてやらなければならぬということなら、すでに成案があるはずなんです。その成案の内容について詳細に
説明
して下さい。それからそれに対してわれわれは質問を行う。そういう成案も何もないというのだったら、せっかくあと十五、六日ぐらいで
委員会
が開かれるのだから、その
委員会
において
大臣
も政務次官も出席して、そういう問題について内容を大いにお互いに
質疑
応答をやって、その上において実施をするものは実施すればいいし、あるいはやめてもらいたいというようなものはやめてもらえばいい。そういうことを、いかに行政
措置
といえ
ども
、この問題は前から大きな政治的な問題になっておるのだから、それだけの考慮を払ってもらいたいということを言っておるわけです。
小野吉郎
69
○
小野説明員
現在はっきりした成案を持っておりませんので、その点についてはお答えを申し上げかねるわけでございまして、まことに遺憾に存ずるわけでございます。今森木
委員
の言われるように、明確にしたい、この次の
委員会
の開催の日までに実施になるかどうかという点につきましては、私としてただいまお答えをする
立場
にないわけであります。もちろん
大臣
、政務次官におきましても、当
委員会
尊重の気持におきましては何ら欠ける心がないわけでありますから、
大臣
がお帰りになりましてとくと御相談をいたし、善処いたしたいと思います。
森本靖
70
○森本小
委員
いや、私が言っておるのは、何かあなた方の答弁が非常におかしいのですよ。これだけの大きな問題をやるということならば、少くとも十日か十一日まで待てないというならもう何かの成案があるはずなんです。それで十日か十一日まで待って、それからやるというならば、あなたがさつきから言っておるように、まだ腹案で
検討
中だという答弁でも済むと思う。だからせっかくこの
委員会
としてもそういう問題については明らかにしてもらいたい、こういうことを言っておるのだから、その問題についてはそれはそれで明らかにして、
大臣
も政務次官も出席して
質疑
応答をやる。それからあとで実施に移したところで、時間的に何ら問題にならぬと思う。この問題はそれほど一刻一秒を争う問題じゃないのだ。だからその問題についてあなた方が回答できないというのはおかしい。もうあとわずかの日数だから、その間に、この問題がはっきりと成案ができておるというならば、待てぬということもあるかもしれない。だから成案ができておるのだったら、ここで明らかに
説明
を願いたい。先ほどからの回答では、そういうことは
研究
中であるということだから、
研究
中ならば次の
委員会
までに
研究
して、
一つ
腹案なら腹案を発表してもらいたい。そのときにわれわれは十分に
質疑
応答したい。こういうことを言っておるわけです。だから、きょうの
委員会
に
大臣
なり政務次官が出てこなければ、
事務次官
としては答弁がしにくいだろうということを、一番最初に言ってある。言ってあるけれ
ども
、それを
大臣
と政務次官がほっぽらかして出てこないから、あなたに質問するより
方法
がない。きのう事務引き継ぎを受けた新しい次官に対して、こういう問題を追及することは気の毒だけれ
ども
、これは日がないからやむを得ない。だから、私は次の
委員会
においてもう一回この問題については詳細に質問をするから、新しい次官の責任において、それでまあなたの方ははっきりと行政
措置
として実施をするということはやめてもらった方がいいと思う。
小野吉郎
71
○
小野説明員
私はこの問題が一日一刻を争う問題であるとも申し上げておりません。また次の
委員会
までに実施をいたさないということも私の
立場
としては現在断言できないわけであります。当
委員会
の今日の空気は、十分に
大臣
にお伝えいたしまして、善処いたしたいと思っております。
森本靖
72
○森本小
委員
それではもう一ぺん聞きますが、この問題は最初に政治的な問題でないというお答えがあった。これはきわめて事務的に進めていくべき問題であって、郵政省内の事務的な問題であるということを言われた。政治的な問題であるならば、それは
大臣
と政務次官がおらなければ次の
委員会
まで待とうということは言えるかもしれませんけれ
ども
、あなたの方が
郵政事業
についてのきわめて事務的な問題として、行政
措置
として進めていくということならば、事務上の最高責任者としての次官が、私の方は事務的な問題でありますから、次の
委員会
まで待って、次の
委員会
で
説明
をしてやりましょうということでもけっこうだと思う。そうでしょう。事務的な問題だから、次官において答えができないということはないはずです。これはやはり政治的な問題だから、
大臣
の方からやれというならばやらざるを得ません、こういうことですか。
小野吉郎
73
○
小野説明員
大臣
はそういう政務の重要な任務を持っておられる
立場
にあられますし、また
郵政大臣
としての半面は、事務の長でございます。私はその補佐にすぎないのでございまして、政治的な問題につきましては
大臣
の指示を仰ぐべきだ、事務の処理につきましてはわれわれ十分補佐いたしまして、行政長官としての
郵政大臣
の裁断に待たなければならないわけでございます。そういう
立場
でございますので、今日の模様を詳細に漏れなく御報告申し上げまして、善処いたしたいと思います。
松井政吉
74
○
松井
小
委員長代理
事務次官
の方から、
大臣
の職責と
事務次官
の職責を聞こうというのではないのです。次の
委員会
を、きょう始める前に打ち合せしたのは十日、十一日に二日間やろうということになっているのです。そうすると十日、十一日までの間というのは、もう二十日ないわけなんです。だから二十日ないから、今から
研究
するのだということならば、あなたの方は局長会議なり省議で
研究
なさる期間がまだ二十日あるわけですね。それだけの期間なんです。それを十日、十一日に中身の
説明
をしないで実施をするというならば、実施し得る中身がもうできていなければならぬ。できていなければ、十日、十一日までにあなた方の方は何ぼ急いで作業をしたって、時間的にできないわけです。だからその辺をざっくばらんにお答え願えばいいわけです。
小野吉郎
75
○
小野説明員
成案と申しましても、実はこれは役人の非常に融通のきかぬところだというおしかりを受けるかもわかりませんが、われわれといたしましてははっきりこれで行くのだという成案を得ませんと、なかなか内容につきまして御
説明
をいたしかねる、あるいはあとで変更を来たす、成案になってみたら前に御
説明
申し上げた線と変更を来たすということを極力警戒いたすわけでございます。そういう
意味
におきまして、現在成案を得ておりませんので、この機会にお答え申し上げかねることは非常に遺憾に存ずるのでございますが、成案を得ないとはいえ、この問題は管理方式として相当長く
検討
いたしておりますので、これから
検討
して成案を得るのにさほど日数を要するというような問題でもあるまいと思います。ということは、先ほど申し上げましたような純事務的な管理機構といたしまして、どういうものがいいかということに尽きるのでありまして、それ以外の意図は何もないわけでありますので、成案を得るのに急げば二十日も一月も要するというような問題ではないわけでございます。とはいえ、現在はっきりこれだという成案を持っておりませんので、案について御
説明
いたすことはごかんべんをお願いいたしたいというわけでございます。
松井政吉
76
○
松井
小
委員長代理
それではもう一点小
委員
長からお伺いしますが、そんなに長いことかからぬでも成案が得られる問題だ、長い間懸案になって
研究
してきているから、そんなに長い期間要らぬ。こういうお言葉ですね、しかし十日、十一日前にやるかもわからぬような含みを持ってのお答えですが、それならば長い間
研究
してきた現段階における
研究
項目
だけ御発表願いましょうか。どの点を
研究
しつつあるか、どういう点を
研究
するか、まだでき上らぬけれ
ども
今何を
研究
しているか、何を局長会議で相談しているか、その中身を
一つ
聞かしていただきましょう。
畠山一郎
77
○畠山
説明
員 ただいま局長会の問題につきまして、事務的に
検討
いたしております事項のおもなものだけを申し上げたいと思いますが、第一に局長会にどういう仕事をやらせるかということであります。第二に局長会の組織なり構成なりをどうするかということでございます。それから局長会の役員をどういうものについてどういう
方法
で選びあるいは任命するかということでございます。それから局長会がそういうふうに官の補助管理機構といたしまして仕事をやりますと、どうしても金とか人とかいう問題になりますが、それをどう処理したらよかろうかという問題でございます。その他こまかい問題はいろいろございますが、おもな大きな問題といたしましてはそういうことでございます。
松井政吉
78
○
松井
小
委員長代理
そういたしますと、もう一点お伺いいたしますが、これはかなり具体的な問題を取り上げて
検討
しているわけですね。そうすると、最初に
小野
事務次官
はこれはわかっておらないのでしょうか、この程度のことは
事務次官
はわかっておったのでしょうか。
畠山一郎
79
○畠山
説明
員 お答えいたします。
事務次官
がお答えになりましたのは、たとえばどういう仕事をやらせるかということについて、これで行くのだという案ができていないということであろうと思います。私の申し上げましたのは、局長会をもし作るといたしましたならば、こういう点をきめていかなければできないであろうということを問題として
研究
しておるわけでございます。その点で
事務次官
の答えと私の御
説明
申し上げましたこととは、食い違っていないと思うのであります。
松井政吉
80
○
松井
小
委員長代理
事務次官
は何を
研究
しているかということも今のところは答弁できかねる、こうおっしゃっていますよ。今畠山
説明
員の方からは、具体的にこういう問題を取り上げて
研究
しているとおっしゃった。そうじゃないのですか。そうすると
小野
事務次官
は今の
研究
項目
はわかっておったが伏せておったのだ、畠山
説明
員の方は正式に
研究
題目を明確にお示しになった、こういうことなんですが、これは
事務次官
はきのうはっきりなったので、次官としてそこまで言うのはいけないと思ってそこまでお答えにならなかったのか。これはよけいなことで事務上の問題ですけれ
ども
、ちょっと
説明
しておいてもらわないと、今度
委員
の諸君が
小野
事務次官
を相手に
質疑
応答をするときに、やはりそういう先入観で答弁を求めなければなりませんから、この点は
一つ
はっきりしておいてもらいたい。
小野吉郎
81
○
小野説明員
今の問題点のごくあらましの点につきましては、私も
承知
いたしておるわけでございます。ただその程度御報告申し上げましたのでは、局長会の内容をそれで受け取っていただけるかどうか自信もありませんし、実はもう少し固まった成案があれば詳しく御
説明
申し上げるわけでございますが、そういうことで畠山
説明
員の今の
説明
の中身は、私全然
承知
していないわけではございません。
松井政吉
82
○
松井
小
委員長代理
ではもう
一つ
畠山
説明
員にお伺いいたしますが、今お示しになったような
研究
題目を御
研究
なさっておるのですが、
研究
しておるからには大体いつ成案を得て、どういう形でやろうかというプログラムが公式なり非公式で話に出ておると思いますが、どこで成果を得てどういう形で、これをどの時期に実施しよう、そういうことについてのプログラムがありましたら、
一つ
御
説明
願いたい。
畠山一郎
83
○畠山
説明
員 具体的なプログラムというようなものは別に作っておりません。いろいろな
考え方
を合せまして、こういうふうにいったらいいかどうかということを、ぼつぼつ問題ごとに結論を出していきたいと
考え
ておる程度の段階でございまして、いつまでにこういうことをやるとか、いつこういうことをやるとかいうことは、今のところ示されておりませんし、私自身も
考え
ておりません。
松井政吉
84
○
松井
小
委員長代理
そうすると、大体の感じは次の当小
委員会
のある十月の十日、十一日ごろには、詳しい中身が
説明
できる程度に
研究
が進捗すると思われますか。それともやはり現状以上に進まないという程度のものか、その辺の見通し、ちょっと答弁しにくいと思いますが、感じでいいですから、御
説明
できたら聞かしてもらいたい。
畠山一郎
85
○畠山
説明
員 相当長い間にわたって
研究
いたしておりますので、それほどの日数は必要としないと私としては
考え
ております。ただいつまでにできるかということになりますと、まだ自信のあるお答えはいたしかねますので、御了承願いたいと思います。
小泉純也
86
○小泉小
委員
ただいまの問題につきまして、森本
委員
からの質問まことにごもっともな点も多々あると思います。また答弁せられる側の
小野
事務次官
も、きのう事務引き継ぎを受けられたばかりの全くの新任早々でございまして、森本
委員
の質問に十分満足な御答弁ができないのも、これまた無理からぬことと存じますので、一応与党
委員
といたしまして、今までの質問応答の経過にかんがみましてここに提案をいたしたいことは、事務
当局
において十分に成案を得られましたならば、その成案について当
委員会
において詳しく御
説明
を願いたいということを要望いたしておきます。
小野吉郎
87
○
小野説明員
まことにごもっともな御要望でございまして、十分それを腹に入れまして、成案を得ましたならば御報告申し上げたいと思います。
森本靖
88
○森本小
委員
それでは次の
委員会
前までに、今から私が要求する資料をそろえておいてもらいたいと思います。 現在全国の特定郵便局長が任意団体として局長会というものを作っておりますが、その局長会がまた各郵政局ごとに各県に三つか四つずつ分れておると思いますが、その一番下の局長会の
単位
、それから郵政局
単位
の内容、それから全国の局長会、その機構、それからその役員の名前、その所属局名、その当該局長の勤続年数、そういうものについての詳細な全国のデータを
一つ
御提出願いたい。それから任意団体としての局長会が、今日どういうふうな
運営
をしておるか、月に一回会をやっているらしいが、どういう会をやっておるか、それから会費はどれほど取っておるか、それからその会議の開催、それから各郵政局、本省に対する陳情その他の内容、そういうものを資料として提出を願いたいと思います。それからその一番末端の各県の局長会というものがあると思いますが、その末端の局長会長以上の、今から一年前の出勤簿の内容というものを
一つ
早急に資料として御提出を願いたい。それからそれと同時に全国に今
業務
推進連絡会議というものがあると思いますが、その
業務
推進連絡会議というものがどういうようなことになっておるのか、それも資料として御提出願いたい。それからもう
一つ
、局長会で公務員法八十九条の職員団体として登録しておるところがあると思いますが、職員団体としての登録をされておるところの内容、そういうものを
一つ
提出を願いたい。この三つを
一つ
次の小
委員会
までに資料として御提出を願いたい。
小野吉郎
89
○
小野説明員
御要望の資料につきましては、いろいろ
調査
をしなければならない問題もあろうと思いますが、極力
調査
いたしまして、御要望に沿いたいと思います。
森本靖
90
○森本小
委員
それでは局長会の問題は一応これで終りますが、この前の小
委員会
以来質問をする予定でありましたが、時間がなくて質問をする機会がなかったわけでありますが、それは外国郵便の問題であります。これについて今日日本と直接郵便物の交換をやっておらない国々を、
一つ
ここでちょっと明らかにしてもらいたいと思います。
松井一郎
91
○
松井
説明
員 外国郵便のうちで、御
承知
のように通常郵便につきましては、万国郵便連合の基本条約がございまして、今日これに加盟しておる国が大体九十五カ国あります。正式に加盟しておらない地域につきましても、連合の取りきめでもって——継ぎ越し地域とわれわれ言っておりますが、その国と何かの
関係
があれば各国がそれを継ぎ越していくという
関係
でありますので、ほとんど通常郵便につきましては、事実上そこへ運送の道がないといったような国以外は、全部郵便の交換はしておるわけであります。ただ小包郵便につきましては、万国郵便連合におきましても、これは必ずしも強制的な
規定
として置いておりません。一応小包約定というものを作っておりますが、そのうちでこれに正式に署名しておる国は八十カ国余りでございまして、相当世界の大国といわれておる国が、それぞれその小包約定に入っておりません。そこで結局私
ども
としては、これと個別的な折衝をしていかなければならぬという形になっているわけであります。大体戦争前からそういう形の国については、一応個別小包約定というものがございまして、それぞれ戦後もその条約が復活して、その条約に基く交換をしているわけでありますが、ただ現在二、三の国についてはそれがなく、うまくいっておらない。その
一つ
はフィリピンでございます。御存じのようにフィリピンは戦争前は日本とアメリカとの間の約定というものによって、小包の交換をやっているわけであります。戦争後フィリピンが独立いたしまして、日米間の約定をそのまま適用するわけにはいかない。そこで私
ども
としても何とかフィリピンと日本との間の小包約定をしていきたいというわけで、いろいろ折衝しておったのでありますが、賠償問題が両国国交の
一つ
の大きな障害になりまして、この問題が解決のつくまでは一般的なこういう協定を結ぶわけにいかないというので、一時中絶しておりましたが、幸い賠償問題も
一つ
の見通しがつきましたので、最近向うからも本問題について急速に取りきめをしたいという希望を申し出ておりまして、目下折衝中のところであります。そのほかは中華人民共和国、いわゆる中共と北鮮については、現在違った
意味
の
一つ
の政治的な対立
状況
という
関係
で、現在小包が行っておりません。それからあと、カンボジア、ラオス、イエーメンといったような国は条例としては当然行くのでありますが、向うの国の国内事情のため、現在小包を送るということを停止しております。大体そうした国々については小包の送達が不可能な
状況
になっております。あとの国についてはいろいろなルートを通じて現実に小包は行っております。
森本靖
92
○森本小
委員
それで小包郵便の場合はわかりましたが、通常郵便について日本が直接やっておらないおもな国々というのはソ連、それから中華人民共和国と北鮮と、この三つがそうですか。
松井一郎
93
○
松井
説明
員 大体ソ連につきましては、通常郵便については現在ヨーロッパ経由でどんどん入っておりますし、戦争前はウ
ラジオ
経由のルートがあったものでございますから、ルートとしてこちらを使っているというわけで、通常郵便
関係
としては、ソ連との間に通常郵便交換自身について今何ら支障はない。これは交通路がない
関係
でそういうことになるわけであります。それから中共については、現在のところ香港の郵政庁を介在して香港経由で送っております。そういう
関係
でルートは若干戦争前とは変っておりますが、通常郵便の扱いそのものは何ら支障はない、かようになっております。
森本靖
94
○森本小
委員
そうすると、ソ連と中共と北鮮というのは、万国郵便条約との
関係
はどうなっているわけですか。
松井一郎
95
○
松井
説明
員 ソビエト自身については、万国郵便条約上、これは一個のメンバーとして何ら条約上の問題はございません。私
ども
ソ連との
関係
においては、郵便においては多数国条約の一員としてほかの国と何ら差別なく取扱いをしている、かように申し上げていいと思います。ただ戦争前、ソ連は万国郵便条約の小包約定に入っておりません。そこで特に日本とソビエトとの間に日ソ小包約定というものがあったわけであります。これはソビエトが開戦を宣言すると同時に、この条約の効力を向う側の申入れによって停止しております。今日といえ
ども
その停止のしっぱなしになっているというだけの話でございまして、向うがこれを復活したいというならば、簡単にそれが復活して、小包についても軌道に乗る
関係
になっております。ただ御
承知
のように、中共については条約上非常にむずかしい議論がございます。万国郵便条約の署名の面から見ますと、万国郵便条約の署名はチャイナということになっております。そのチャイナとは何であるかという注釈をつけた場合に、これは新疆省、青海省、満州、そういうものを全部含んだ人口四億を持つ領土である、かような注釈が入っている。ところが実際にその条約に署名したのは台湾政権の代表者である。つまりチャイナという
一つ
の郵便条約上から見た地域を持った国家と、現実にそれに署名した
主体
との間に、政治的な問題については
一つ
のギャップができている。これを現実にどう解決づけるかということが、
考え方
として非常にむずかしいデリケートな問題でありまして、その辺に必ずしも一致した統一的な見解というものが、現在もまだ郵便の中にできておらないという
状況
でございます。北鮮についても条約上はやはり同じことでありまして、条約としてはあそこは
一つ
のコリアということで独立した
単位
になっている。たまたまそのコリアを代表して署名したのが韓国政府であるというので、その場合一体その条約の効力がどのようになるかという問題については、なかなかむずかしい議論があると思います。
森本靖
96
○森本小
委員
これは非常にむずかしい問題でありますが、しかし中共等においてはこの郵便物の問題については、日本と直接郵便協定を結ぼうという意向はないのですか。公式、非公式を問わず今までそういうような意向は向うにないのですか。
松井一郎
97
○
松井
説明
員 郵便についてはもとよりできるだけの障害を除いて、お互い正常なルートを持つということがその国にとっておのおの役立つことであります。日本と中共との
関係
につきましても、中共側からも実はそういう話をする前からも通常郵便について、たとえば国内に航空郵便がございますが、私
ども
の方としても国内の航空郵便を、あの広い土地でございますから、中共に送る手紙を航空郵便を使うと非常に速くなる。そこで中共政府に対して、一体あなたの方の国の航空路はどうなっているか、日本から出した通常郵便は航空郵便として扱えるかどうかという照会をしたときにも、向うは国内における航空線路の内容、それから所要料金というものを通報して参りまして、日本側から香港経由で入る通常郵便についても、便宜にそういう航空扱いをしてもよろしいといった協力的な態度を持っております。従って日本と中共との通郵の問題についても、向うは相当熱意を持っております。
森本靖
98
○森本小
委員
そうすると中共側としてもこの通常郵便物の交換については、何か協定を結びたいという意向は持っているわけですか。
松井一郎
99
○
松井
説明
員 私
ども
としては先ほどちょっと申し上げたように、一応中共も郵便連合の中では
一つ
のチャイナということで律しられているのだから、事実上台湾政権の方が署名されておっても、その条約を中共側でもそのまま継承されるというふうに
考え
ていくならば、お互いに郵便交換上必要な、たとえば小包郵便で申しますと、向うの国内の配達料、これは郵便の言葉でいうと首尾料という言葉を使っておりますが、あるいは交換局あるいは閉袋の締め切りのやり方というようなものをお互いに情報交換をしてやるならば、実際に船が行くならばそれに積めば郵便の交換が事実上行われるのじゃないか、そういう見解を今まで持っているわけでありますが、中共側としては単にそういうことではなくして、せっかくそういうことをやるならば、両国政府によって代表される正式な会議によって万般のことを取りきめていきたい、かような意向を今日まで二回ばかり私
ども
の方に漏らしてきております。
森本靖
100
○森本小
委員
それで向うさんの方の意向はわかりましたが、日本側の意向としては、これは外務省とも
関係
があると思いますが、ただそういう政治的な問題は一切抜きにして、万国郵便物の交換をするという
一つ
の精神に基いてやるとするならば、郵政省の
業務
上から見た場合には、これはやはり中共との間においてもその郵便に関する協定を結んだ方がよろしいというふうに、郵政省としてもお
考え
であるというように
考え
てもけっこうですか。
松井一郎
101
○
松井
説明
員 私
ども
郵政省の
立場
を申し上げれば、もうあらゆる国との間にそういうものを作りたいということが、これは基本線でございます。ただその作る場合の取りきめの仕方、形式といったようなものが、そういうようなまだ国交が正式に回復してない場合に、いろいろ政治的に持つ響きといったようなものが、やはり一方において考慮されなければならぬだろう、そういうことはそういうことでこれは外務省
方面
にお願いしなければならぬと思いますが、しかし私
ども
としては、形はいかなるものであっても、事実上の郵便のルートが軌道に乗るということに最善の努力をして参りたいと
考え
ております。
森本靖
102
○森本小
委員
それで郵政省の方の意向も明らかになりましたし、また中央の方の問題についても明らかになりましたので、この問題についてはやはり外務省の方の担当の方を当
委員会
に呼んで聞く必要があると思いますので、次会に外務省の方の担当の政府
委員
を呼んで聞きたいと思います。この問題についての私の質問は本日はこれで終ります。
橋本登美三郎
103
○
橋本
(登)小
委員
ちょっと森本
委員
の中日間の郵便の双務協定に関連して、
電波監理
局並びに電信
関係
の方にお聞きしたいのですが、国際
電話
の中共との
関係
はどういうようになっておるか、これは個別的に交渉をしてやれる性質のものであるか。それから
電波監理
に対しては、いわゆる電波協定には中国は入っておらぬようだが、入っておらぬでも何か双務的に話し合いのつく点があるかどうか、この二点をお伺いしたい。
松田英一
104
○
松田説明員
電気通信
関係
についてお答え申し上げますが、現在中共と申しますか、中共
地区
との間におきましては、実は上海との間に直通の電信の回路がございます。
電話
についてはこれは現在ございません。それでその電信の取扱いにつきましては、これは事実問題といたしまして、ずっと前から上海との間に直通の回路がございまして、事実現在の台湾政権といいますか、それが全体の中国を代表いたしておりましたときに、終戦後に復活したわけでございます。それがだんだんこういう
格好
になって参りまして、その後も事実上そのままつながっているということで、はっきりとその
関係
は分析してこうということで始まったわけでないものでございますから、まあまあそのまま事実上つながっているということで、実際それをどういうふうに形式的に
考え
ていくかということになりますれば、ただいま
松井
郵務局長
が言われたのと同じような
関係
になると思います。
莊宏
105
○莊
説明
員 電波
関係
につきましては、
電気通信
関係
と
一緒
に国際
電気通信
条約があるわけでありますが、これについては先ほどの郵便
関係
の場合と同じように、署名をいたしておりますのは台湾にあります政府であります。しかしながら電波の問題で混信の問題などが生じますと、こちらといたしましては北京政府の方に混信除去の要請などをいたしております。そういう
実情
でございます。
橋本登美三郎
106
○
橋本
(登)小
委員
そうしますと電信の場合には何となしに事実上の
関係
からやっている、
電話
の方の場合においては実施しておらないということでありますが、これは先ほどの郵便物と関連して
考え
ると、郵便物の場合においても現在定期船がすでに中国の港に行っているようでありますが、そういう経路線があるにかかわらず
電話
ができないというのは、一応国交調整の問題にも関連しましょうが、この問題は必ずしも国交問題と関連せずとも、万国共通の問題であり、お互い個人々々の
利益
の問題でありますから、当然何か話し合いがつくべき性質のものだろうと思うのです。ことに電波の問題になりますと中共側でも迷惑していると思うので、電波が混信したりして悩んでいると思うのであります。従ってお互いに単なる通報でなくて、具体的な交渉に当る
考え
を
電波監理
局で持っておるかどうか。
莊宏
107
○莊
説明
員 電波の問題について中共、北京政府と交渉いたしますことも、確かに私
ども
としても必要を認めているところでございます。しかしながら国際
電気通信
連合の会議におきましては、常にチャイナに対する資格問題が会議の初めにおいて問題になるわけでございまして、その際には従来の日本といたしましては、台湾の政府を支持して参っておるわけでございます。そういうような
関係
からいたしまして、北京の政府を正式に交渉の相手として何らかの態度を示すということは、現在のところなかなかむずかしい問題ではないかと
考え
ております。ただ先ほど申し上げましたように、混信の具体的問題等については、こちらから電報を送ったりなどしまして、個々の事実問題について解決をするというような
方法
でやっております。
橋本登美三郎
108
○
橋本
(登)小
委員
個々の事実問題について交渉するのと、いわゆる全体の問題として交渉するのは、内容については大きな違いがあると思います。しかし今までのように単なる通告程度の問題でこういう問題を解決できないことは明らかであります。通商
関係
ではかなりに正式な代表の取りきめのような形で行われておる。それに近いような形で行われておるのでありますから、こういう一般国民に直接
関係
のある、しかもお互いに迷惑する、こういう問題については積極的に
相互
間において連絡し、あるいは協議する、こういうことが行われてもよろしいように
考え
ます。本日は時間がありませんからあらためて外務省
当局
者を招致しまして、この点についての具体的な
検討
をしてみたいと思います。
松井政吉
109
○
松井
小
委員長代理
他に御
質疑
はございませんか。——御
質疑
がなければ本日はこれにて散会をいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時五十九分散会