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1956-08-10 第24回国会 衆議院 逓信委員会閉会中審査小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年八月十日(金曜日)    午前十一時十分開議  出席小委員    小委員長 松前 重義君       秋田 大助君    小泉 純也君     早稻田柳右エ門君    松井 政吉君       森本  靖君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  小委員外出席者         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君         日本電信電話公         社総裁     梶井  剛君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件     —————————————
  2. 松前重義

    松前委員長 これより逓信委員会閉会審査小委員会を開会いたします。  去る八月一日付をもって再任されました日本電信電話公社総裁梶井剛君並びに同副総裁靱勉君の両君よりあいさついたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。梶井総裁
  3. 梶井剛

    梶井説明員 私の任期は去る七月三十一日をもって終りと相なりました。もちろん老躯その任にたえないのでありまするから、当然辞任いたしたいと考えておりましたところ、今回さらにもうしばらく勤めるようにという御命令をいただきました。まことに自分に自信はございませんのですが、心をさらに新たにいたしまして、事業のため、また国民のために努力いたしたいと考えております。つきましては公共企業体といたしまして、従来一方ならぬ御援助、御指導をいただきました国会方々に対しまして、この機会に今後とも御指導、御鞭撻をいただきますようにひとえにお願いを申し上げまして、ごあいさつといたしたいと思います。(拍手
  4. 松前重義

    松前委員長 次に靱副総裁
  5. 靱勉

    靱説明員 私も去る七月三十一日をもちまして任期満了いたしたのでありますが、関係方々の御配慮によりまして、再び八月一日付をもちまして副総裁に任命されました。副総裁仕事と申しますのは、公社仕事につきまして総裁を補佐するというのでありますので、過去におきまして、もちろん浅学非才でございまして、十分その任務を全うしていなかったのでございますが、皆様の御指導、御援助によりまして、なお今後引き続きその職を行うことになりました。命を受けました以上、懸命の努力をいたす覚悟でございます。過去におきまして非常に御指導、御鞭撻をいただきましたことに対しまして、ここに深く御礼を申し上げるとともに、相変りませぬ御指導、御鞭撻を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。簡単でありますが、これで私のあいさつといたします。(拍手
  6. 松前重義

    松前委員長 次に郵政事業に関する件、電気通信に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  この際小泉純也君より発言の通告がありますのでこれを許します。小泉君。
  7. 小泉純也

    小泉委員 私は松井郵務局長お願いかたがたお尋ねを申し上げたいのであります。  それは記念切手発行に関することでございまするが、今日までいろいろと意義ある多くの記念切手発行をされておるのであります。大体当局におかれましても、毎年記念切手発行については、それぞれ一定計画を持たれ、また時期的にも一つの構想のもとに順次これを実施しておられると思うのでございまするが、大体一年間記念切手というものは、何回くらい、またどういう時期に今までの慣例と申しますか、実績からいたしますれば発行になっておるのでございまするか、この点をお伺いしたいと思います。
  8. 松井一郎

    松井説明員 記念切手発行につきましては、毎年その暮れになりますると翌年度計画を大体立てたいというので、関係の各省に何かそういうものについての特に要望があるかないか、要望があればそれを出してもらいたいというようなことで、一応の基準をきめます。なおそのほかに郵政省へ直接いろいろそういう希望を申し出られる方もおられますので、そうしたものを取りまとめまして、大体その年の最初年間記念切手発行計画というものを立てるのでございます。  御承知でもありましょうが、切手は大体製作に着手して完全に配給するまでに三カ月というものを予定するというのが現在の能力でございます。そこで年間計画を大体立てて、われわれといたしましては、現在のところ記念切手とか、特殊切手を総合いたしまして、大体年間に十五種くらいを出すのがいいところではないかと思っております。もとよりそれが一種類、二種類ふえた減ったということでどうこうということはありませんが、大ざっぱな見方としては大体そのくらいがいいのではないか。一時年間二十種類をこえる切手を出したことがございますが、そのときは切手製作の方におきましても非常に念を入れるわけに参りませんでしたし、またそれを買われる方々からも、少し乱発のきらいがあるというような非難を受けたのであります。ここ二、三年の実績から見ますと、大体十種類ないし十四、五種類までということになっております。
  9. 小泉純也

    小泉委員 私がこれをお伺いいたしましたのは、実は御承知でもございましょうが、日本画壇巨匠であります雪舟の四百五十年記念に今年は相当するのでございます。博物館関係者その他ゆかりの著名の方々が、雪舟四百五十年記念会というものを組織されまして、これを顕彰をいたし、また全国民世界に向って雪舟偉業をばさらに発揚しようという計画が持たれておるのでございます。申し上げるまでもなく、雪舟日本巨匠であるのみならず、今日は世界文化人の一人に選ばれまして、世界的な顕彰を受くるに至っておることも、われわれ日本国民としてまことに慶賀にたえないことでございます。  そこで私がお願いをいたしたいことは、この雪舟の四百五十年記念という本年度において、ぜひとも雪舟顕彰記念切手発行を、少し申し上げる時期はおくれましたけれども、今からでも決しておそくはない、何とかお骨折り願えるならば、この四百五十年記念に際会しての雪舟記念切手発行ができるのではないかと思うのでございますが、この雪舟記念切手発行に関して、当局においては何か陳情等を受けられ、また当局自体といたしまして記念切手発行についてお考えになっておりましょうかどうか、この点もお伺いいたしたいと思います。
  10. 松井一郎

    松井説明員 私たち大体今までの切手発行方針といたしまして、原則として生存している方に対しては記念切手発行しない、しかしなくなられた方についての記念切手発行ということは当然考えられることであります。これにつきましてもいろいろの個人人物主体とする切手ということになりますと、その人物の取り方、考え方というものが、人によっていろいろな評価があるわけであります。実は前に文化人切手というものを発行する際には、特に文部省の方へ委嘱いたしまして、学士院とか芸術院とかいう方々に集まっていただいて、そこである一定人物をしぼっていただいて、この限度において発行するというような、その当時も当初は四十数人の候補者があったのでありますが、最後は十人か二十人くらいにしぼっていただいて発行して参ったのであります。その後実は個別的に私どもの方に、いろいろなチャンスにその人の記念切手を出してくれというような要望もございますが、どうも郵政大臣限りということでもって、ある人物のみに関する記念切手ということについては、よほど考えなければならぬというので、その以外に特に人物主体として取り扱ったものはありません。ただこの雪舟の問題につきましては、お尋ねのようにことしの春ごろから私どもの方にも、そういう御意見が参っております。  私ども雪舟の持っておるいろいろな文化上の偉業については、これは相当高く評価すべきものだろうということに異議はないのであります。ただ個人雪舟というものを主体とした記念切手発行ということは、従来のそうした関係からして、やはりこの際これだけを切り離して処理するのは困難ではないか。そこでできれば秋の切手趣味週間のために、これは記念切手ではありませんが、われわれの方の言葉で特殊切手と言っておりますが、その特殊切手を一種類発行するという中に、秋にふさわしい芸術的な価値の高いものという観点から、できれば雪舟作品を取り入れるわけにはいかないだろうかというので、実は私どももそういう観点から雪舟作品その他について、博物館その他とも連絡していろいろと当ってみたわけであります。どうも切手にするには、何しろああいう小さなものでありまして、雪舟の画業の中心をなしているものは、あの雄大な山水画ということでございますから、これを切手にするのにはどうしても適当な図案が現在のところ見つからない。そこでどうもこの十一月三日の切手趣味週間切手の題材として、雪舟切手を取り入れるということは困難になっている。そこで現在のところ雪舟個人主体とし、あるいはその作品主体とした切手を取り上げるということは、そういう関係がございまして、今のところ考えておりません。
  11. 小泉純也

    小泉委員 ただいままでに申し上げましたこの雪舟の問題は、実は委員長を初めわれわれ委員にもそれぞれ切実な陳情がございまして、私が非公式ではございますが委員会を代表してという形でお尋ねを申し上げ、かたがたお願いをいたしておる次第でございますので、今後とも何らかの方法雪舟四百五十年記念会意義あらしむるよう、特段の御研究を願いたいということをお願いを申し上げまして、一応私の質問を終ります。
  12. 松井一郎

    松井説明員 お尋ねの趣旨はよく私どもも了承いたします。私ども実は雪舟図案について、適当なものがあれば何か切手に使えないかという努力を今までも続けて参りましたし、今後もまたそういう方向で考えていきたいと思っております。
  13. 松前重義

    松前委員長 記念切手のついででありますが、この前請願が出ておりました原爆に関する記念切手発行については、一応これを委員会においては取り上げたのであります。政府はどういうお考えをこれに対してお持ちであるか、前からの懸案でもありますから伺っておきたい。
  14. 松井一郎

    松井説明員 この前の国会の際にお答えいたしました通りに、私どもとしては、原爆禁止自身どうこうということではなくして、これに関連して何かそれが国家的なあるいは国民的な行事でも行われるような際には記念切手発行考えてもいい、かようなお答えをしたはずであります。私ども実は今日でもそういう考えで、そういうチャンスがありますればそういうことを研究したいと考えております。
  15. 松前重義

    松前委員長 ただいま長崎で世界から集まりまして原爆に関する平和集会をやっております。ああいう催しは少くとも一つ世界的な催しであると見ることができるのであります。これをチャンスとして記念切手発行等考えておられないのでありますか。
  16. 松井一郎

    松井説明員 もちろん私どももこうしたことは一つの対象として考えなければならぬことだと思います。実はこの問題がことし行われるというので、私どももその会議あり方あるいはその規模といったものについていろいろと関係方々お尋ねして、記念切手をこの際発行するかしないかということの一応の研究をして参ったのであります。ところがことしの会議につきまして、いろいろと問題が問題であるだけに一応関係筋意見をも聞いたけれども政府の方におきましても、政府として積極的にこの会合を支援していくというほどの方針考えておらないというような状態になっております。たまたま一方この大会をめぐりまして、昨年度はこの大会運営において重要な役割をしたような有力なる団体の中にいろいろ見解が分れまして、ある種の団体は、もとより原子爆弾禁止それ自身については異議はないが、大会あり方についてその見解を異にするというようなことがはっきりと表明されて参りましたが、どうもわれわれとしては、ただ単に原子爆弾禁止ということではなくて、大会国民的にこぞってこれを祝われるという姿が好ましいのであります。そのあり方についての政治的な見解のために、昨年までは支持しておった団体がことしは非常に警戒をするというような現象が起って参っておる現状において、われわれにおいてこれを発行することについては相当慎重に考えていかなければならないという関係もありまして、かたがた時期はどんどん切迫して参りますので、本年度における発行は流すということにしたわけであります。将来そうした会合ほんとうに各団体の一致した基礎において行われるような時代になれば、またもとよりそういうことについては考えなければならぬだろうと思っております。
  17. 松前重義

    松前委員長 あまり長く議論したくないのでありますが、原子爆弾禁止に関しては、国会全会一致をもって超党派でこれを決議いたしております。小さな団体反対することがあなた方として最も関心を寄すべきものであるか、それとも国会全会一致をもってこれを決議したことが関心を寄すべきものであるのか、どちらでしょう。
  18. 松井一郎

    松井説明員 私ども切手発行の立場から関心を持っておりますが、原爆禁止ということではなくて、原爆禁止というものをめぐっての世界大会が開かれることを記念するわけでありますから、やはりその大会性質とかあり方ということを一つ考えなければならぬ。むしろそれが主体になっている。記念切手発行の場合には、世界のいろいろな会議の場合に発行されるわけであります。その場合には必ずしもその内容等どうこうというわけではなくて、むしろその大会規模あり方というものが考え方主体になっておるということであります。
  19. 松前重義

    松前委員長 御説明がどうもわかりませんな。もっと簡明率直に言って下さい。
  20. 松井一郎

    松井説明員 どうも私の説明が不十分で御理解いただけないのは残念でありますが、切手自身一つ内容的なものをどうこうする、たとえば今回の場合を申し上げると、原爆禁止ということを直接主体とするというよりも、集まられる会議性質というものにむしろ着眼するというのが記念切手あり方ということでございます。常にそういう具体的なものを記念するというのが記念切手の即物的な行き方と申しますか、そういう行き方でございます。
  21. 松前重義

    松前委員長 それでどうして御反対なんですか、もう少し聞かないとわからないのですが。
  22. 松井一郎

    松井説明員 そういう観点からことしの大会を見ましたところ、いろいろ大会運営についても、去年とはまた違った意味のいろいろな見解も出てきておるという形、現状におきまして、われわれはことし発行することに対しては、問題が問題であるだけに、そういう政治的な見解について団体内部分裂がある場合には、切手というものはなるべく避けるべきである、むしろ切手というものの性質からいうと、切手が先行すべきものじゃなくて、切手というものは受け身で立たなければならぬという点から見まして、ことしの発行を差し控えたわけであります。
  23. 松前重義

    松前委員長 内部分裂はどういう具体的な例がありますか。
  24. 松井一郎

    松井説明員 私から御説明するまでもないと思いますが、委員長すでに十分御承知だろうと思いますが、全労会議とか新産別とかいって去年はこれに積極的に参加した団体が、ことしはこの大会反対しておるのであります。こういうものに参加すべきでないということが起きておるのであります。そういうふうにいろいろ会議運営会議の性格といいますか、そういうものをめぐって意見対立があるような場合には、切手なんというようなものはなるべく避けて、みんなが円満にやられる場合に発行すればいいのじゃないか、かように考えます。
  25. 松井政吉

    松井委員 関連をしてですが、そこは私、ちょっと間違いじゃないかと思うのです。要するに会議司会者が変ったり、運び方が変っても、あなたの方の記念切手というものは、この原水爆禁止の国際的な会議記念するのでありましょう、そうでございますね。そうすれば司会者が変り、運び方が変っても、毎年行われる会議記念することについては意義があるわけでしょう、そうじゃないですか。それをあなたのような説明だとわれわれは聞き捨てならぬ問題なんです。どの団体反対をし、どの団体が賛成したかということは、私たちも参加しておる側ですから、少くとも直接参加している側の私の方が詳しいと思う。だからことしは政党としては出ないのです、あいさつをやらないのです。東京大会でもそうでございましょう。主催者側東京都が引き受けた形で、東京都の議長さん並びに東京都の区会の議員の代表があいさつしただけで、政党は一切やっておらないのですよ、よろしゅうございますか。そういうやり方と去年のやり方とおととしのやり方が違うということではないのですよ。その会議記念するのでしょう。そうするならば構成メンバー等についての答弁をあなたがすると、その答弁中身と言質はあらゆる団体に波及しまして大へんなことになりまするから、そういう意味でないという答弁のやり直しをやった方がいいのではないかと思いますが、その点一つはっきりやっておいて下さい。
  26. 松井一郎

    松井説明員 私の最初に申し上げました点は、記念切手というものは常に切手というものがそう先走ってものをやるのじゃなくして、国家的なあるいは国民的な行事が行われて、そしてみんながこれを喜んで迎えておるといったような環境において、それを歴史的な意味において記念していこうということが記念切手というもののあり方なんです。切手発行のときに、いろいろ国際会議も従来ございます。たくさんありまするが、私ども国際会議と名をうたわれても、その実質がほんとうに全世界を網羅したような会議でないと、これはやはりちょっと困るのではないか。近ごろ国際会議という名において、ごく世界の一部の人が参加したようなものも名前をうたっておるというような場合もありますので、そういうことから会議の大きさ、規模といったようなものを考え発行していくかいかないかということをきめておるわけであります。先ほど私が申し上げましたのは、ことしの会議——これはもちろん今じゃなくて、切手の準備というのは三月ぐらい前にしなければならぬ情勢でございますから、その当時の情勢があるいは若干現在とは違っておるかもしれません。しかしその二月ばかり前の情勢においては、まだ会の運営あり方などをめぐっていろいろな意見もあったようでございます。しかもまだはっきりとどういう国が来られるかということについても、半ばはっきりしたものもあったようでございますが、また必ずしもはっきりしないものもあるといったような状況があったというようなこと、そういうような状況の際に、切手発行というものは三月前に決定してやるというような関係もございますので、ことしの場合は一応遠慮した方がいいのじゃないかということになっております。
  27. 松井政吉

    松井委員 そうすればだいぶさっきとは答弁中身が違うようでありますが、要するにそういう会議記念することであって、それから構成団体の一部が賛成した、反対したということで郵政省は決定するものではない、そういうことですね。いわゆるあらゆる国際会議——あるいは国内だってそうだと思うのですが、全国民が行うべきだという会議ならば、あなたの方は取り上げる場合があるでしょう。全国民、全体で記念しようという会議なり、行事があるとすれば、それは取り上げるのでしょうから、そういう意味のいわゆる会議記念するのであって、主催団体が変更されたり、会議運営がどうだから記念切手発行しない、こういう意味ではないのでしょう。その点ははっきりしないと、最初答弁では会議運営が違うから、こういうことになりますると大へんなことになりますから、この点ははっきりしておいてもらわぬと困ると思う。
  28. 松井一郎

    松井説明員 私の申し上げましたのは、そういう狭い意味会議運営どうこうというようなことまで内容にわたって言うつもりは毛頭ございません。これもやはり一般的な規模ということで、そしてなるべくそこに対立がないことがもとより望ましいことであります。
  29. 松前重義

    松前委員長 この問題はまだ留保をいたしまして、いずれ後日にやりたいと思います。     —————————————
  30. 松前重義

  31. 秋田大助

    秋田小委員 今回国政調査に参りまして、具体的には福井県の吉崎局あるいわ坪江局集配局を無集配局に変更の問題について陳情を聞き、なお各地においてこの問題がだいぶ重要な地方問題化しておる傾向をわれわれは看取いたしたのでございます。さきに、個人的なことを申し上げましてはなはだ恐縮でございますが、私の出身県でありまする徳島県那賀郡富岡町所在の桑野局の無集配化の問題につきましてもお話を申し上げたことがございますが、町村合併実施に伴いまして郵便局の統配合問題と申しますか、集配局を無集配局に変更する問題が全国的に重大な地方問題化する傾向がうかがわれるのでございます。そこで個別的問題は別といたしまして、私は当委員会といたしましてはこの問題に対する一般的な郵政当局計画方針なり、また実施に当っての方針等を伺っておくことが必要ではないかと思いますので、その点について一、二お伺いをしておきたいのであります。  そこで、郵政事業一般大衆日常生活に重大な関係があることは、申すまでもございません。ひいてこれが一般の政治、文化、経済の発展、興隆に至大の関係を持っておりますので、決して地方々々のわずかのつまらない村落の問題、僻地の問題として看過すべからざることは当然であります。そこで大体一般町村民は、町村合併に伴って自分の町の、自分の村の今まで直接集配事務をやってくれた郵便局が、その事務を廃止されるのだということまで認識をして町村合併に賛成は、おそらくしておらないと思う。もし事前にこれを知っておったならば、そんなのならば、これはほかにいろいろと問題があって、その観点からは町村合併をしなければいけないと思うが、自分の村の、町の郵便局集配事務が取り上げられるならば、これは考えものだといって、おそらく町村合併反対し、町村合併実施できなかったであろうかと思われるほどの問題であろうと私は思います。そこで一体郵政当局といたされては、どういう場合に町村合併実施に伴って郵便局統廃合をされようという方針であるか、その御方針と、それからこれを実施していく場合には、どういう手順を踏んで実施していく御方針であるか、それから全国的に現在までの町村合併数がどのくらいで、それに伴ってどのくらいの数の郵便局統廃合しようと計画をされておるか。現在までの実績数、今後町村合併に伴って予想される郵便局統廃合の数等について、御説明を承わりたいと思います。
  32. 松井一郎

    松井説明員 お答えいたします。町村合併に伴う集配地の再編成という問題については、事前に前国会あるいは前々国会におきましても、その基本的な考え方については、たびたび御説明申し上げてありますが、大体この問題は、私どもとしては実は町村合併という一つの過渡的な問題が起きて、しかもその町村合併あり方というものが、郵便のサービスをやっていくに好ましい方法と必ずしも合致しないというような一つの矛盾ができてきたのであります。もとより御承知のように、郵便集配事務でございまして、窓口事務は別でございます。集配事務というもののあり方としては、理想を申せば、一市町村に一集配郵便局を置くことが一番いいわけでございます。しかし、それはその町村自身が適正なる規模のものであり、そして郵便局のあり場所というものも、ちょうどいいところにあるというような場合には、もとよりそうした理想的な形をとるわけでございます。しかし具体的なことになりますと、必ずしもそうはなっておらない。そうしますると、どうしても郵便局集配能力の限界というものから見まして、場合によれば一市町村に二つあるいは三つの集配局を置かなければならぬというようなことも起るわけであります。しかし何にしましても、その場合に私どもが従来あったものをそのまま置いておいて、しかもそれが一つ市町村、小さな村に五つも六つもの集配局があるというようなことは、郵便事業の上から見てどうしても好ましいことではない。その上に最近は地方々々においても道路が改善されておりますし、ある程度広い範囲の集配事務を受け持つということは必ずしも不可能のことではない。そういう観点から、そういう郵便局集配能力の上から見て、従来に比べてサービスが落ちるということが一方においてないとともに、現在郵便局の内部取扱いについて非常に間違った区分、間違った運送の仕方のために、一つ郵便物が二カ所も三カ所もの郵便局を堂々めぐりしておるというようなことは、郵便の本来の使命である確実性を著しく阻害するというようなことをよく調べた上で、総合的にそういうものを見て、これはどうしても集配区画を整理しなければならぬといったようなところはやはりやっていかなければならぬ。しかしやる上については、必ず地方の関係方々とよく話し合い——われわれの意図しておるところは決して悪いことをしようというのではなくして、換言すれば関係の利用者の方々のむしろ利便になることを考えておるという確信を持ったものをやるべきである、かような形で私ども郵政局を指導しております。もとより現地をよく知っておるのは郵政局でございますから、そういうような角度から郵政局としてどうしても必要である、これはどうしてもやった方がプラスになるというようなところを上申して参ります。今日まで私どもとしてそれはけっこうであるというような形において実施をして参りましたのは、私ここで今正確な資料を持っておりませんが、たしか全国的に八十四、五局あったと思います。これが今後どの程度のものになるかということは、私ここではっきりとした見通しをつけるわけに参りませず、またこういう仕事は、仕事性質上いつまでにやらなければならぬといったようなものでもない。われわれとしてはしょっちゅう全国の郵便局と地方状況の変還を見て、常にその合理的な方法での措置ということは考えていかなければならぬと思います。
  33. 秋田大助

    秋田小委員 郵務局長のお話として従来当委員会でも伺っておったところでありまして、抽象的には御了承できるのでございますが、さてそれを実際に適用する場合に、その原則通りにやれるかどうか、実情と即しておるかどうかということが問題になるのだろうと思います。  そこで大臣にお伺いいたしますが、誤まって配付される点等は、確かに町村合併等に伴いまして、新しくできた町村名に合致した名前の郵便局に集めることが便利でございましょうが、今度郵便局統廃合いたしましてすればするだけ、やはり一応サービス・ダウンになるということは常識上考えられる。しかし同時に郵政事業の能率化、合理化ということから考えて、機械化等をもあわせ行うことによりまして、そのサービス・ダウンを防ぎ得るかどうか、ここが問題でございます。そこで、どうも私外から拝見しておりますと、各地方の郵政当局でまとめておられるのでございますが、そのもとには、その地方の郵便局等からの内申等をとっておられると思いますが、結局どうも机上プランにすぎないという場合が多いのじゃないかという感じがされるのです。何キロ以内であるからこれは合併しても大丈夫だ、自動自転車を使うから能率は落ちない、こういうような御説明がいつもありますが、それでは実際にその自動自転車が合併と同時に行っておるかというと、必ずしもそうはいかないのじゃないか。その間に多少の時間のギャップがあるように思える。また多少ならいいが、相当時間がおくれて不便をかけておるのじゃないか。それからまた山の険阻の実情等もやはりお考えにならないと、図面だけではどうにもならないことである。また夏の気候のいいときはよろしゅうございますが、冬季の場合をお考えになっておるかどうか。ことしの正月ごろも、福井県あたりでは郵便配達夫が雪に閉ざされて一時死亡を伝えられておったが、まことに幸いなることに生存をされておったというような記事を、新聞紙上で拝見したこともございます。そういうような場合を考えると、機械化されても果して自転車で行けるかどうか、簡単にお役所だけの考え方実施をされましても、地方民の感情はもちろんのこと、実際上非常な不便を起すばかりでなく、また従業員の方々に非常に危険、過重な労働をしいるというようなことにならないかという点を、われわれ委員として心配するのであります。同時に、町村合併規模が適正であれば、自然机上でやられました結論も合って参りますが、町村合併必ずしも適正規模ではございません。むしろ時期は現状としては早いが、遠い将来のことを考えて、実情よりはより拡大された規模において町村合併が行われておるというのが実情ではないか。そういう点が非常に多いという点を考えますと、文化あるいは交通、道路、橋梁等の実情がそれに即したときを待ちまして、郵便局統廃合も行うべきであるという、タイミングの問題も十分に御考慮を願わなければならないのじゃないかと思われるのであります。また町村合併には、郵政当局承知の通り因縁もありますし、合併町村住民間において実際上の感情必ずしも融和しないままに、多少政治的に合併がされておる等の点もございます。この点も考慮して郵便局統廃合考えることはもちろんでありますが、さほどの問題が起きておらなくとも、やはりおれの町の郵便局、おれの村の郵便局という感情も実際上は無視できないものがあります。これらを考えますと、町村合併実施に伴う郵便局統廃合実施につきましては、念には念を入れまして、実情をよく御考慮を願うと同時に、なかなか地方民というものは納得しがたいものでございますから、これはいいのだからと思われましても、無理押しをされずに、十分それの措置につきましては手を尽された上で、無理をせずになされるのが郵政当局としてとるべき態度ではないかと思うのでございますが、この辺に対する大臣の考え方を一応お伺いいたしたいと思います。
  34. 村上勇

    ○村上国務大臣 お答えいたします。町村合併ができたから、必ずそれにマッチさせて郵便局も統合しなければならぬというようなことは、これは非常に考慮を要することでありまして、ただいま松井郵務局長のお答えにもありましたように、いろいろな事情で、地元の人もその方が非常に郵便物もおくれないで都合がいいし、また郵政当局としてもその方がいいというように、それが合致した場合に、その統合をすべきものであろうと思います。町村合併をしたから、必ず局も統合するのだということを、われわれは原則とはいたしておらないのであります。少くとも私は郵便局の修改築あるいは増築等について、予算の許す限り、これをやるということはもとよりでありますが、今日この業務のいろいろな面から、たとえば貯金あるいは簡易保険、年金というような面から見ましても、むしろ郵便局を減らすというよりも、今後も大いに郵便局をふやしていきたいという気持を持っておりますので、できる限りそういう面につきましては、地元の世論あるいは意見というものを十分尊重して、そうして適正に統合のできる——統合しないために、地元に郵便物の遅延等による非常な悪い影響のある場合というようなことをよく吟味してやりたい、かように思っております。
  35. 秋田大助

    秋田小委員 大臣のお答えは、大へんわが意を得た感がございます。どうぞその基本方針、観念で実際問題に当っていただきたいと思うのであります。ただいまのお言葉の中で、郵便局の数は、減らすよりはむしろふやしたいぐらいだということは、ますますわが意を得た感じでございまして、どうぞその数という観念は、集配局をふやすのだということでありたいと思います。要するに合理化あるいは能率化の方法は、単に郵便局統廃合だけでなくあり得ると思います。それによりまして、むろし集配局はある程度たくさんあることの方が——町村合併に伴ってこういう利益をわれわれは得ているというようなことにならなければ、国民町村合併を歓迎しない。また町村合併は必ずしもわれわれの希望通りに実施されておりませんが、だんだん各地において、町村合併実施に伴う郵便局統廃合の問題に関連いたしまして、このことをまだほかの合併をしない住民たちも相知るようになって参りまして、合併すると、おれのところの郵便局は無集配局になってしまうというような実例が彼此みなしかりであるということになりましたならば、この町村合併今後の推進にも影響があろうと思います。目には見えませんが、郵政事業は大衆の心からなる協力がなければ、その事業の円満な、かつ盛んな将来の発展というものは期し得ないものでございます。この点は目には見えないが非常な関係があることでございますから、もちろん大臣はこの点とくと御認識と思いますので、その辺もさらに御考慮下さいまして、一つこれが実施には、ただいま申し上げました通り無理をしないようにしていただきたいと思います。ただいま郵便貯金、簡易保険あるいは年金契約のことが大臣のお話の中に出ましたが、先ほど申し上げました桑野局の無集配同化に伴いまして、旧桑野町の住民は、もしこれが実施されるならば、今までかけた貯金は全部おろそう、簡易保険や年金の契約も全部もう解除しよう、今後これは一切しない、不便でもほかの金融機関に持っていくという町村決議をしているような実情でございます。もちろん誤解に基くところも多々あろうと思います。しかし町民は、過半数の決議をとりまして調印をして、そうしてその書類は郵政当局に出ております。こういうように町民の感情が激高するというのは、理屈以外にやはり理外の理というものもございます。これは無視できないものがある。よく考えてみれば、何らか実情に沿わないものがあるのではなかろうかということを反省していただきまして、善処方を要望するのでございます。しかしはっきり現象に現われなくても、こういう思いをしておる町村の住民は全国には非常に多いのじゃないか、この点をよく御考慮願いまして、慎重の上にも慎重を期せられまして、郵政事業の将来の発展、大衆との融合という点についても特段の御配慮を願って、この問題を処理されんことを特に要望いたしまして、本日の質問は一応これで終ります。
  36. 松前重義

    松前委員長 森本君。
  37. 森本靖

    ○森本小委員 今の町村合併の問題でありますが、この問題については各委員が全国的に調査をしておりまして、そこでほとんど出てくる問題であります。そこで大臣は、ちょっと勘違いをしておるところがあると思いますので申し上げておきますが、大臣の方では、郵便局がどんどんふえていっておるというお言葉でございましたけれども、ただいま秋田委員が質問をしておる要点は、集配郵便局がふえているかどうかという点について質問をしておるのであって、今日の段階においては、集配郵便局は年々減っておるのであります。無集配郵便局がどんどんふえていっておる、こういう状態でありますので、その点は一つ勘違いのないようにしていただきたいと思いますが、どうでしょう。
  38. 村上勇

    ○村上国務大臣 私は窓口機関をふやすというような意味でお答えしたつもりであります。
  39. 森本靖

    ○森本小委員 そこで、先ほど郵務局長の方からも答弁がありましたが、前前国会におきまして当委員会におきましても、当委員会の決議といたしまして、町村合併に伴う郵便局統廃合の際には三つの条件を付したわけでございまして、この三つの条件については、郵政当局としてもそれは尊重して今後行いますとおっしゃった。この三つの条件というのは、統廃合することによってサービスの低下を来たさない、それから二つ目が大事でありますが、地元民の協力とそれから承認を得るというふうな、地元の協調を重んずるという点であったと思います。それから三番目には、従業員の配置転換等については組合と十分話し合いの上行なっていく、この三つの条件でありましたが、今日一番問題になっておりますのは、この二番目と三番目であります。ややもいたしますと、今の各郵政局の計画というものは単なる机上計画であって、地元民の協力と納得の上においてやろうとしないところに、今日の混乱が起きているのじゃないか。これは前の国会のときにも私たちの方から強く要望いたしまして、当局の方としてもそういう方針に従ってやるということでございましたけれども、今たちまち問題になっておりますところの福井県の坪江の問題にいたしましても、やはりこれは地元民の協力と納得の上においてやろうとしていませんから問題があるわけであります。やはり前の国会における決議は依然として私たちは生きているというふうに考えておりますが、当局として本今後また今起っているところの町村合併に伴う郵便局集配事務統廃合について、この三つの条件をかたく守ってやっていかれるかどうか、このことについてはっきりした御答弁を願いたい。
  40. 村上勇

    ○村上国務大臣 ただいまの御質疑の通りでありまして、個々の問題については一つ一つ私今はっきりしたお答えはできませんが、少くともそういう地元の要望を無視するようなことのないように十分注意して今後やっていきたいと思っております。
  41. 森本靖

    ○森本小委員 そうすると、ここが大事なところでありますが、地元の町村当局なりそれぞれの地元民の納得と協力がない限りにおいては、郵政当局としては一方的にはやらない、こういうふうにはっきりと解釈をしてよろしゅうございますか。
  42. 村上勇

    ○村上国務大臣 特別の場合もあるかもしれませんが、ともかくそういう趣旨によってやって参りたいと思っております。
  43. 森本靖

    ○森本小委員 その特別の場合があまり今日まで多過ぎたので問題になっているわけであって、その特別の場合ということが多くなると非常に問題になりますので、最初に当委員会で与野党とも満場一致で決議をいたしまして、郵政当局が尊重してその通り行うという御答弁をいただいた、この二つの条件を十分に尊重すると同時に、この通りやっていきたい、地元民の納得と協力がなければやらない、こういうことでいいのじゃないかと思いますが、かりに特別の場合という御答弁があるならば、その特別の場合ということは一体どういう場面になるのかという答弁をいただかなければならぬわけでありますが、しかしそういう特別の場合というのは除いて、除いてというよりも特別の場合というものはない、おしなべて地元民の協力と納得の上において郵政当局はやりたい、協力と納得がなければやらない、こういう答弁でけっこうでございますが、どうでございましょう。
  44. 村上勇

    ○村上国務大臣 特別の場合はほんとうに特別の場合であって、これはもうそういう場合はそうたくさんあるわけはないのでありまして、あくまでも当委員会における決議を尊重して、地元と十分納得をつけてやっていきたいと思います。
  45. 松前重義

    松前委員長 私から一言、今の町村合併について実情を少し申し上げなくちゃいかぬと思う。大臣も十分御承知であるかもしれませんけれども、ただいま秋田委員や森本委員から言われた事柄は、現在の地方の実情に即しない統廃合が行われつつあるということに対する、地方的な非常な不平不満等に対する政府の態度に対して、ただされたものであると思うのであります。実は私どもこの間から回ってみた結果として、ただいまの地元民の納得という問題は、ほとんど得られていないようです。得られたところがあるとするなら、これこそ特別の場合でありまして、今大臣の言われるのは逆であります。それからまた配置転換等による従業員の労働条件その他に対して、あるいは生活条件等に対しましても、労働組合はこぞってこの問題に対しては非常に困ったことだという陳情をしてくる。二つとも現在の強引な行き方に対しては、相当な不平不満どころか、真剣にこれと取っ組んでいる傾向が見える。しかも私も四、五カ所で具体的に陳情を受けたのでありますが、たとえば会津の山の中で、冬には丈余の雪が積るようなあの寒いところで、何しろえらい遠方の局と一緒に集配局を統合するというような話でありまして、私も十二月、一月にあの辺を歩いたことがありますが、それはもう一町歩くのでも何回もころげるような、自転車やその他で行けるものじゃない。そういう何里とあるところを一つ集配局に統合してサービスは低下しないというが、それは地図の上ではできますけれども、実際的にはそういうことはできないはずなのであります。そしてまたそれらの局長さんたち陳情によると、私どもは若くてまじめに仕事をしてきているから実はこういう目にあいます。しかし少し特定局長が顔役で、役所とうまくつながっておるような人たちは、統廃合の対象になりません。こういって非常に泣きごとをいっておられるところが非常に多いのであります。ですから特定局長会議がこれを取り上げられておられるのかどうか知りませんけれども、とにかくまじめな、若い、ほんとうに真剣に郵便局のことばかり考えてやっておる人、ほかの政治活動とかなんとかいうことは考えないで、まじめに郵政事業のために努力している人たちは、いわゆる集配事務を廃して、ほかに統合される、こういうことになりつつある。この現状を私どもは否定するわけにはいかぬ。いろいろな意味におきまして、今行われている統廃合なるものが、非常な強引さをもって、しかも非常にしゃくし定規な計画の上に立って行われつつあることを私は痛感して帰ったのであります。この点につきましては大臣は十分御認識であろうとは思いますけれども一つこの上とも慎重な態度をもって、もう一ぺん再検討される必要があるのじゃないかと私は思いました。これに対して大臣の御答弁を願います。
  46. 村上勇

    ○村上国務大臣 私もただいまの御意見と全く同感であります。しかし従来、今まで決裁いたしました統廃合につきましては、これは多分地元の方々の御賛同もいただいてできてきておるようであります。ただ今残っておるもので、そういうような圧力をかけて、そして無理やりに地元の意見を無視してやるというようなことがありますならば、これは十分注意いたしまして、さようなことのないように取り扱いたいと思います。
  47. 松井政吉

    松井委員 実はその逆の場合もあるのですよ。だから郵政省の、今の集配局を廃止して町村合併に併う局の統廃合等については、私は科学的に調査しているかどうか、早くいえば疑わしいのですよ。今のような不平があって、私たちも、統廃合をしないでほしいという陳情を地元から受け、陳情もして参りました。そしてそのままにしておいてもらいたい、いわゆる地元の反対を押し切ってやることは避けた方がよろしいという、こういう立場でお願いしたこともある。ところがこれはあとで具体的に話をしますけれども、今局が七つある、その七つの局の所在地の町村が市に合併しておるのです。その七つの局長会議において、普通局を一つ集配局が二つ、特定局が五つあるものを、集配局一つにして合併をしよう、しかもその一カ所の局舎は、予算の上で来年の局舎を建てる計画に載っておるのです。それで局長諸君が七人集まって、そうしてむしろ統廃合してほしいという陳情を地方の郵政局あてにやっておるのです。ところが郵政局にそういう陳情をやると今度はいばってしまって、そんなに簡単にやれぬという。統合しては困ると言えばやるというのだ。統合してほしいと言えばちょっと待てというのだ。だからそういう意味で、一体地方の地元民に相談するというならば、地方の自治体の議会等に相談すれば、議会は正式の議会じゃなくて協議会というのを開いて、統廃合等についても十分相談してくれるのです。そうして町村合併したのだが、郵便局等の集配事務等を統廃合していいか悪いかということを相談してくれるのです。そういうことを一つもやらないで、希望しておるところは調査もせずにほったらかしておく、希望しないところは強引にやってのけよう、こういうことではうまくいくはずはないのです。そういう傾向が見られるので、地元民に相談をするというときには、自治体の選挙で選ばれた議員諸君の議会の協議会でも開いてもらって相談して、いかがでしょう、やった方がいいかどうか、やる場合にはどうしたらいいか、地元の方の土地のあっせんはどうしたらいいか、そういう形をやっているかどうか。私はやっていないような気がする。やっていないところから、要望するところは、陳情に汽車賃を使って地方の局まで出かけていけば、それはお希望通りにいくかどうか、私の方にも計画があるものですから、考えますと、はっきり返事しないのです。反対するところは、強引にやってのけよう、そういうばかげたことを考えておるから、私どもが地方へ調査に出かければ、全国からいろいろな意味陳情を受けるのです。だからもっと科学的に調査をして、そうしてわれわれも決議をしておるのですから、地元民の協力を得るということならば得る方法を地方議会に求めるのか、それとも地方の局長会議意見を参考にするのか、あるいはそうでなかったら地元の有力団体意見、あるいは労働組合の意見等を聞く方法を講じながらやはり科学的に、具体的に摩擦を避けて方針を進めるのか、その方法というものがはっきりしていないために、望んでおるところはほったらかしておく、いやなところはやろうとする、そういう現象が起っておるのだと思う。だからこういう点についてはやはり再検討して、地元民の協力の方法というものを具体的に考え出していただきたいと思う。
  48. 村上勇

    ○村上国務大臣 大体ただいま松井議員の御意見に近い方法でやっておるのでありまして、地方の郵政局からその地方の議会に諮問いたすということを個々に今やっておりますが、なお今後積極的にただいまの御意見のようにやりたいと思います。(「今やっていない」と呼ぶ者あり)従来もやっております。
  49. 森本靖

    ○森本小委員 大臣は人柄がいいので、なかなか質問がしにくいわけでありますが、今答弁せられたように事実やっておれば、そういう問題があまり起らぬわけであります。ここにおける大臣の答弁は、私たちも非常に納得のできる答弁でありまして、そういう答弁の通りやっていただければ実は幸いでありますが、やっておらないから、こういうふうに全国的に問題になっておるわけであります。そこでもう一回先ほどの問題に戻りますが、地元民の協力と納得の上にという場合に、これはおしなべてそういう方向においてやるのだ、ただ特別の場合ということがありましたが、それがちょっと心配になりますので、特別の場合というのはそれでは具体的にどういう問題になるかということを、一つ参考までにお聞かせ願いたいと思います。
  50. 松井一郎

    松井説明員 松井委員から大へんおしかりを受けたのでありますが、私ども委員会の御決議にありましたように、こういう問題についてはできるだけ地元民の方々とよく話し合って進めなければならぬということで、それにはしんぼう強くやるということと同時に、やはり郵政局関係の責任者が出向いて、われわれは結論において皆様方のために郵便がよくなるようにするのだというかたい信念のあるものについて話し合わなければいかぬ。決してわれわれは悪いことをしようとか、あるいはサービス・ダウンをして困らそうとか、そういうことじゃなくして、大きな目で見て郵便がよくなるという確信のもとにやらなければならぬ。それだけに何回でもしんぼう強く、話し合いで必ずわかってもらえる問題だというふうな強い信念で話し合うようにということを、私ども機会のあるごとに申してはおります。しかしあるいは中にはいろいろな状況のために、必ずしもそういうことが実行がスムーズに行くという点について遺憾な点があったかとも思います。その点については、今後ともなお御意見のように一そうそういう方向において、しんぼう強くお話し合いを続けていくということにおいて問題を円滑に進めたい、かように考えております。先ほど森木委員からの特別な例外とおっしゃいましたが、私どもはそういうことをできるだけやっていきたいということのみを今考えております。
  51. 森本靖

    ○森本小委員 大臣にもう一回お聞きしたいのですが、事務当局の方は特別の場合ということはないのだというふうな今の意向の答弁でありますので、そのように考えて、やはりこれは三つの条件のうちの二項の地元民の協力と納得の上においてやるのだ、協力と納得がなければ、協力と納得が得られるまで説明をして、そうして納得の上においてやるのだ、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか、
  52. 村上勇

    ○村上国務大臣 それでけっこうでございます。
  53. 森本靖

    ○森本小委員 それからこの町村合併にちなんで、さらにお聞きいたしたいことは、先ほどちょっと松井委員の方からもお話がありましたが、町村合併に伴うこの郵便局統廃合によって、相当な局が大きくなるという場合があるわけであります。これは従来であれば、当然普通局に昇格するという段階になるわけであります。ところが郵政当局の方としては、ここ三年間というものは、特定郵便局から普通局に昇格ということはとまっておるように聞いておるわけでありますが、この真相はいかがでしょうか。
  54. 松井一郎

    松井説明員 お尋ねのようにここ数年間そういうことは全然やっておりません。しかしいろいろ合併、統合その他によって、局の実態というものが変って参っております。従ってもう一度そういうものを見直して、特定局を普通局にするかどうかということを検討してみたいと思います。
  55. 森本靖

    ○森本小委員 これは検討してみたいというよりも、従来は普通局に特定局が昇格するというものが、年々少数であれ多数であれ、年ごとにその局数は違っておったけれども、あったわけです。しかしこれが何か政治的な問題かどうか知りませんけれども、ここ三年間というものはぴたっととまった。ところが町村合併に伴って普通局に昇格するということは、最もしやすい条件を備えておる今日の状態であります。そういう場合に、これがぴたっととまっておって、それをもう一回再検討するということでございますが、やらぬよりはやる方かましでありますので、ただいまから検討して、そういうふうにやっていただいてけっこうでありますが、今後は特定郵便局から普通局に昇格するという問題については、当然この統廃合に伴って、そういう問題が考慮されるし、また考慮しなければならぬというふうに郵政当局考えておるというふうに解釈をしてよろしゅうございますか。
  56. 松井一郎

    松井説明員 お尋ねの通り私ども考えております。
  57. 森本靖

    ○森本小委員 その問題については、本年度から直ちにそういう方向に実施をされると解釈してよろしゅうございますか。
  58. 松井一郎

    松井説明員 いろいろ局長がかわっておりますから、できるだけ早い機会にそういうふうなことを検討してみたい、かように考えております。
  59. 森本靖

    ○森本小委員 この問題についてはまだ突っ込んだ質問もしたいと思いますが、今月の終りごろにまた委員会があるそうでありますので、それに譲りたいと思いますが、もう一点、この郵便局統廃合の問題について、これは大臣にお聞きしておきたいと思います。前々国会におきましても、前国会におきましても、私たちの方の要望といたしまして、町村合併については、県がその地方の指導権を握って今日まで町村合併をやっております。しかし郵政省の管轄としては、郵便業務、また監督業務の中には有線電信電話の業務がある。そこで町村合併の際には、必ずその郵政局なり通信局、あるいは通信部なり、郵便局意見事前に聞いて、そうして話し合いの上に、この町村合併をやっていただきたい、こういうことを強く私たちの方から申し入れをいたしまして、実は郵政大臣から自治庁長官に対してそういう話をした、こういう答弁があったわけであります。しかしいろいろ聞くところによりますと、一ぺんの申し入れを自治庁長官にやったのであって、実は自治庁長官の方から各県の知事に対しては、それほど重く見て、この町村合併のときに必ず郵便局なり電信電話の方に対して相談をしなければならぬというふうな指示があまり来ていないようであります。これは私たちとしては非常に遺憾な問題でありまして、これから先も——町村合併促進法の期限も切れるような時期でございますけれども、しかし当然残りの町村合併が促進をされると思いますので、特にこの問題についてはいま一回自治庁の方と大臣の方とよく政治的に話し合いをせられて、その話し合いをせられた問題が、自治庁から県あるいは町村に対して、下部末端までその方針が浸透するような方策を、郵政大臣として特に私は早急にとっていただきたいというふうに考えますが、どうでしょうか。
  60. 村上勇

    ○村上国務大臣 この問題はやはり町村合併一つの大きな問題になることでありますので、すでに私の方からは強く自治庁長官の方に申し入れをいたしておりますが、なお自治庁の方で再度各府県に通牒を出してもらうように、お説のように取り計らいたいと思っております。
  61. 松前重義

    松前委員長 どうも私は大臣の答弁で普通なら満足をするのでありますが、きょうは満足できないのであります。というのは、先ほど来申し上げたように、地方の実情は大臣の認識とは——お言葉はまことに工合のいいようなお言葉で御答弁になりますけれども、実際上事務が動いておる態勢現在の地方の実情がそれと反対であることを立証しておると思う。この点につきまして、きょうの国会の与野党を問わず同じように、少し無理がかかり過ぎているという実情を見て帰ってきた者ばかりでありますので、これに対しては大臣も少しお考え直しになって、もう一ぺんこの問題について真剣に取っ組んで、今までの方針について相当な無理がかかっておるようでありますから、この点に対しては再検討の必要があるのじゃないかと私どもは思って帰ってきたのです。これは実情を見ての話でありますので、理論の問題じゃありません。机の上の問題じゃありません。この問題につきまして私は一言大臣から、一応ここにみんなで熱心に披瀝しました実情を勘案されて、しかるべき御答弁を願いたいと思う。
  62. 村上勇

    ○村上国務大臣 地方の実情に沿わない統合をやるということは、私どもとしても感心しないところであります。従って従来の統合については、大体私の報告を受けているものは、地方はこれで何らの異論がないのだというように私は報告を受けて決裁をいたしておりますが、従来のものについての問題は私はないと思っております。ただ現在残っておるものに対しては、私も地方に参りまして幾つかの陳情も受けておりますし、特に国民を代表される委員方々が地方を御視察になられた場合に、強くその各地元からの御要望があったことと思うのであります。われわれはこれを決してただ単に聞き流していくというようなことは考えておりません。あくまでも慎重に今後そういうことのないように、常識的にもそういう地元の総意を無視するというようなことのないように、十分注意して参りたいと思います。このためにはなお各郵政局に対して、もう一度私の方からそういうことのないようにということを指示いたしたいと思っております。
  63. 松前重義

    松前委員長 何ども申し上げるようですけれども、どうか一つこの点は強力な措置をとっていただきまして、そうして無理のないような条件のもとにおいて、一応の目的を達せられる。けれども相当の無理をしておるという現実は十分御承知のことでありますから、どうぞ一つこの点は事務的に徹底するように、下部に対しましてお流し願って、目的が円滑に達することのできるようにお願いしたいと思います。
  64. 森本靖

    ○森本小委員 私この小委員会としての資料の要求を二つだけしておきたいと思います。それはこの前の国会でも論議をせられまして、予算面にもかなりうたわれました件でありますが、全国の無電話部落に対する実行予算の配分は、各通信局にそれぞれあったと思いますが、この実行予算の内容、各通信局ごとにおける予算の内容と、総予算というものを一応資料としてお出しを願いたいと思う。それからもう一点、電電公社の内部において、かりに職員が殉職というふうな場面に陥った場合の内規の規定があるかどうか、もし規定があるならばその規定を参考として御提出を願いたいというふうに考えます。以上資料の要求をいたします。それからこれは質問でありますが、これははっきりした情報ではございませんけれども、われわれ委員の中でもいろいろうわさを聞きますると、マイクロウエーブの問題について、またもや一部民間が——マイクロウエーブはずっと前に問題になりまして、一応おさまっておったわけでありますが、それをまたぞろ、昔問題になったような点を今日の閣僚の中における有力な一人物が、もう一回持ち出して、何とかしょうというふうな動きがあるというようなことをうわさとして聞いておりまするが、そういうことは大臣どうですか。
  65. 村上勇

    ○村上国務大臣 私もうわさ程度に聞いておりまするけれども、具体的にどうということはございません。
  66. 森本靖

    ○森本小委員 それはおかしなことで、われわれがうわさに聞くと、大臣もやはりうわさとして聞くということになると思いますが、そうすると、それはうわさはうわさとしても、この当委員会の決議というものは、与野党一致して変らぬわけでありますので、これは従来われわれが主張してきたように、電電公社が従来通りやっていくことが、今日でも正しいということを考えておるわれでありますが、この問題については、大臣もそういううわさがあったにいたしましても、断固としてその方針を堅持するというようなことについては間違いない、こういうふうに言い切ってもかまわぬわけですね。
  67. 村上勇

    ○村上国務大臣 まだうわさの程度でありまして、別に具体的な問題になっておりませんので、これをどうするかということについては、私何にも考えておりません。
  68. 森本靖

    ○森本小委員 それはうわさはうわさとして聞いているでしょうが、従来の当委員会の与野党の意見というものも、大臣ははっきり知っているわけです。それで今マイクロウエーブの問題について、とり来たっているところの、政府並びに電電公社がやっている内容についても御承知だと思う。その既定方針について、いかなる雑音が入っても、郵政大臣としては既定方針通り行う、こういう答弁をされるのが当然であります。うわさであるからそれについてはどうもわからぬ、そういうことでは将来の方針がぐらつくような感を抱くわけでありますが、このマイクロウエーブの問題については非常に重要な問題でありますので、閣議において政府方針が変ったならともかくも、今日においては現職の大臣としては、将来そういう問題が政府の内部において持ち上っても、私は既定方針通り堅持をする努力をしたいというのが当然だと思いますが、いかがですか。
  69. 村上勇

    ○村上国務大臣 どうもまだ何にも具体的な問題がないのですから、既定方針通り進むということは当然でありまして、それをあらためて私は何度も繰り返さぬでもいいのではないかと思います。ただうわさの程度でありまして、私に何らの申し入れはありません。
  70. 松井政吉

    松井委員 関連してお伺いしますが、大臣にお伺いしたいのは、前の塚田郵政大臣当時に問題が起きて、その問題を塚田郵政大臣はやはり法律改正をやらなければならない。現在法律では民間ではやれないという結論に立って、そのときはやれなかったのです。同時に当委員会、参議院の逓信委員会も同一内容に基く決議を行なっております。そして従来国会の決議を重んじてずっと来たわけです。ですから、既定方針とかなんとかいっても、行政措置だけでやれる性質のものではないのです。立法措置が必要なのです。そういう重要な問題であり、しかもその火元が閣僚の中にいるということになって、その閣僚の一人がまたそういうことを方々において放言をしている。こういうことがわれわれの耳にうわさとして入ってくるわけなんです。そうすれば郵政大臣という職責を離れて、国務大臣村上さんとして、閣僚の中にいるという場合の国務大臣としての責任は一体どうなるか、これを明らかにしてもらわなければ困る。それが一点。  それから第二点は、たとえば今度起ってきた原因は、電電公社の建設計画にも関連があると思われるのです。われわれが調査に歩いた結果、耳に入ってくる地方の動きというものは、やはり電電公社の行うマイクロウエーブの施設建設計画等にも若干の影響がある。というのは、マイクロウエーブがずっと建設されて、早くいえば地方ではテレビが見えるわけです。ところが本線一本通ったマイクロウエーブだけでは、たとえば北海道の例をとっても、今度は札幌から旭川、札幌から釧路というふうに建設を進めなければならぬのですが、そういう場合に電電公社だけでは建設能力、施設能力がないから、アメリカ・システムを持ってきて民間がやる。こういう議論が一方ではまことしやかに述べられているということなんです。そういうことから考えると、電電公社の方から総裁が来ておりますから伺いますが、電電公社の方から現状におけるマイクロウエーブの施設建設状況、それからその計画、それからたとえば電電公社でこの前問題になりました自衛隊で使用するもの、それから民間のたとえばテレビ等で使用するもの、それからすべての通信機関に使用するもの、それは現在の法律のもとにおいて電電公社が責任を持ってやり得る能力、それから建設、施設については万遺漏なきを期せるかどうかということをわれわれは一応聞かなければ、地方のうわさがほんとうであるのか、電電公社だけではだめなのか、そういう点に対する問題を明らかにしなければなりませんので、この点についての御説明をこの機会に願いたい、こう思います。最初は大臣、その次は電電公社、こういう工合に分けて一つお答えを願いたい。
  71. 村上勇

    ○村上国務大臣 ただいまの電信電話に対する問題は、私就任して三カ月か四カ月ごろにそういうことを聞きましたが、これははっきりと、ただいま松井委員のお説の通り、電電公社が中心となって、やるべきものであって、いわゆる民間の特別な人がやるべきものじゃないということははっきりいたしております。その点は別に私は何ら心配はないと思います。いずれにいたしましても電電公社を無視しての企業ということはできるものではないので、これを排しては絶対にあり得ない、私はかように思っております。
  72. 靱勉

    靱説明員 お答えを申し上げます。三十一年度計画といたしましては、すでに御存じのように福岡から鹿児島に延長する、さらに北海道につきましては札幌から旭川方面に延ばす、こういう計画に当初からなっておったのでありますが、その後さらに基礎的な設備をなるべく早く施設いたしまして、各地方の御要望に応ずるのが当然の公社の責務であるというふうに考えまして、大阪から北陸、すなわち福井、金沢、富山に行く線、東京から長野、新潟に行く線、なお東京から甲府に行く線も計画しております。さらに大阪の方から高知に向っていく線、こういうようなものの基礎的調査並びに、この夏の時期におきましてできるだけ基礎的設備を着工いたしたい、こういうことになっております。そこで一体電電公社は各地方の御要望に対しまして十分応じていく能力がありやいなや、こういう問題になるわけでありますが、この能力は国内の生産力から申しましても、設備的にあるわけでございますけれども、もちろんこれは御案内のように公社の予算というものは国会の議決によるわけでありまして、毎年度の資金計画によりまして国会の承認を得てやっていくということでありますので、この能力のあるなしという点は、いろいろな計画につきましてはただいまのところ本年度以降の五カ年計画というものを設定いたしております。それによりますれば、大体その期間におきましてわが国の相当ローカルの線まで設備できる、こういうふうに考えておるのでありますが、これにつきましては、電信電話の要請と、さらにやはりただいまのところテレビの中継は公社のマイクロウェーブによっておられるわけでございますが、電波監理局におきまして、民間でテレビを放送する関係機関との調整も必要とする、こういうことで、電波監理局と御連絡しまして、一応公社の案はごらんに入れているわけでございますが、まだ電波局その他のいろいろのチャンネル・プランというような問題とにらみ合せて、さらに御意見が出るかと思っております。しかしただいま申したような区間につきましては、私ども波長の割当の申請等を今進めておるような次第でございます。
  73. 森本靖

    ○森本小委員 私はこの以外にまだ放送法の改正に関する問題と特定郵便局長の特別職法案の問題と二つありますし、またさらにお年玉はがきの問題についても問題がありますが、今月の末に二日間にわたって委員会を開く予定でありますので、そのときに詳細に質疑応答を行うことにして、本日は私の質問はこれでおきたいと思います。  ただ、それまでの間に郵政省の方で検討しておいてもらいたいことが一つありますので、申し上げておきたいと思います。これは大臣でなくて、次官もしくは文書課長の事務当局の方の問題でありますが、私の方の選挙区に郵政局からこういう文書が各郵便局に流れておるということが、過日私の方に陳情みたいな形式で従業員の方から話があったわけであります。これは郵政局に対して、渡し切り経費もしくは私費あるいはどのような経費でも、郵政局に用事があって行った場合には捺印出張でよろしい、こういう通達が正規に上層部の方から出ておるようでありますが、これは労働組合、局長会というものを考えてそういう通達を出したのかどうか知りませんけれども、現実の問題としては労働組合はほとんど専従役員が行きますし、また説明員として行った場合には、公労法としてこの問題を取り扱った場合には、こういう通達を出さなくてもかまわぬわけであります。ところがこれが局長会の幹部の諸君が月のうちに何回も行くという場合には、法的の措置がないわけであります。過日私がこの委員会におきまして、九州の佐伯玄洞氏のいわゆる出勤簿の要求をいたしました場合に、郵政局からこれは正式の出勤簿であるけれども、その内容についてはまだ調査中である、こういう資料の回答をいただいたわけでありますが、これはそういうものに対するところの手助けとしての全国的な通牒ではないかというふうに、疑える節があるわけであります。こういうふうな通牒はいかなる方針において出されたか、さらにこの通牒は郵政局限りのものであるか、あるいはまた本省の次官なり文書課長あるいは人事部長の方から指示をして出したものであるか、そういう内容について調査していただいて、次の委員会で私の方から質問を行いたいと思いますので、その準備をあらかじめ願っておきたいということを要請して、私の質問を終りたいと思います。
  74. 松前重義

    松前委員長 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。  次会は来たる二十七日、二十八日の両日、それぞれ午前十時より開会いたします。    午後零時四十八分散会