運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-02-11 第24回国会 衆議院 逓信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十一日(土曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 松前 重義君    理事 秋田 大助君 理事 廣瀬 正雄君    理事 松井 政吉君 理事 森本  靖君       宇田 耕一君    川崎末五郎君       竹内 俊吉君    中垣 國男君       濱地 文平君    松浦周太郎君       伊藤 好道君    佐々木更三君       杉山元治郎君   橋本登美三郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         郵政政務次官  上林山榮吉君         郵政事務官         (電波監理局         長)      濱田 成徳君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君         日本電信電話公         社総裁     梶井  剛君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  秋草 篤二君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 二月十日  電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第三一号) 同日  郵政職員の兼職に関する特例制定請願(池田  清志君紹介)(第五〇八号)  稚内漁業用海岸局短波施設設置請願廣瀬  正雄紹介)(第五〇九号)  鳴海町の電話普通加入区域拡張に関する請願(  早稻田柳右エ門紹介)(第五一〇号)  毛呂山郵便局集配局に昇格の請願横川重次  君紹介)(第五七二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件  テレビジョン受像機に対する現行物品税の低税  率期限の延長に関し大蔵委員会に申入れの件     —————————————
  2. 松前重義

    松前委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、電気通信に関する件及び電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  この際お諮りいたします。目下本委員会において調査を進めております郵政事業電気通信事業放送事業等の問題に関連いたしまして、松井政吉君及び小泉純也君の両君より、近畿、東海地方におけるこれらの事業運営状況について調査したところがありまするので、本委員会審査または調査参考に資するため、その内容会議録に参照として掲載されたい旨の申し出があります。つきましては松井政吉君、小泉純也両君の御要望通り取り計らいたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。会議録  質疑の通告があるのでこれを許します。橋本登美三郎君。
  4. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 前回の当委員会におきまして、大臣固定資産税に対する三公社の問題の取扱いについて質疑をいたしましたが、その後新聞等によりますと、順調なる経過をたどっておるようでありますからして、大臣のお骨折りにはもっぱら感謝をいたすものであります。つきましてはその経過等につきまして御説明を願いたいと思います。
  5. 村上勇

    村上国務大臣 固定資産につきましては、私どもとしても極力反対いたしまして、この三公社課税については、これは確定資産ではないということははっきり明文にうたっておるつもりであります。ただその三公社がどれだけの納付金を出すかという、その金額をあらかじめきめる一つ方法として、大体固定資産はこれくらいあるだろうというようなことできめる。ただその納付金の限度をきめるだけの参考として、固定資産というものを算定してみようということでありますが、しかしこれとても各市町村がそれを参考に計算するのではなくて、自治庁が一括してこれを決定するということになっております。従いまして私どもとしては、大体三公社課税につきましては、公社事業用固定資産に関しては納付金制度によるということをまず第一項目にあげまして、固定資産評価は適正な時期により、自治庁が一括してこれを決定するというように第二項でいたしております。第三項では、第五号納付金算定標準額価格の二分の一(昭和三十一年度に限り四分の一の額による)。四点は、評価額は、自治庁から関係市町村配分する。五は、納付金算定標準額に乗ずべき率は百分の一・四とする。六は、市町村は、自治庁から配分を受けた評価額に基き納付金額算定して公社納付金納付請求書を送付する、公社はこれに基いて納付金関係市町村納付するということであります。備考といたしまして、第四点の評価額自治庁から関係市町村配分するという点についての、四の評価額配分基準に関する総理府令については、自治庁運輸郵政両省と協議して決定するということに相なっております。これはまだ閣議決定したわけではないのでありますけれども、本日正午の臨時閣議決定されるだろうと思っております。
  6. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そうしますと、一応その納付金額範囲を、固定資産標準として金額を一括してきめる、その配分方法については自治庁が定めた金額を、各町村に三公社より直接に納付する、こういう形になるわけですね。
  7. 村上勇

    村上国務大臣 その通りであります。自治庁が各市町村に指令をして、各市町村がそれを算定して各公社にそれぞれ請求書を出す、公社はこれに対して給付金を支払うということであります。
  8. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そこでちょっとわかりにくいのですが、そうしますと各市町村評価委員会にかけるということになるのですか、算定金額を。
  9. 村上勇

    村上国務大臣 これは各市町村評価委員会にかけるのではないのであります。自治庁があらかじめ算定した額を市町村に示すということであります。
  10. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そうしますと、三公社自治庁との間に、これは何によってきめるか知りませんが、何らかの方法金額をきめて、それを市町村当局に通知するだけじゃなくして、今のお話によると、何だか評価委員会の云々という話がありますが、そこでだいぶ違ってきますが、その点はどうなっておりますか。
  11. 村上勇

    村上国務大臣 市町村評価委員会というものはございません。
  12. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そこで固定資産標準とする、その固定資産考え方ですが、これは三公社の問題及び三公社に準ずるNHKの問題も関係してくるわけですけれども、ことに電電公社内部施設、マイクロウェーブとかあるいは電波関係機械とか、クロスバー導のいろいろの精密な機械がありますか、これらの算定方法帳簿価格基準としてやるのか、もしくはそういうものは非常に変化が多い。かつまた近代化しなければならないのであるからして、そういう特殊な機械に対しては、固定資産評価の上から除く、こういう考え方はお持ちになっておりませんか。
  13. 村上勇

    村上国務大臣 細目にわたってのお答えはまだどうかと思いますが、しかしただいま御指摘のように、そういう課税評価につきましては、大体国会に提出した公社財産目録によって自治庁がこれを勘案してやるということは間違いないと思います。またそういう際に、なかなか自治庁自体できめ得ることではないのでありますから、運輸あるいは郵政等関係各省自治庁が相談してきめることになるだろうと思っております。
  14. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 こまかい点になりますから、公社の方からお聞きします。固定資産内容ですが、もちろん建物というものについては問題はないと思いますけれども、中の機械等については、固定資産として帳簿価格には載っておるけれども、実際上の問題としては使用せず、倉庫の中に突っ込んであるというものまでも、実は評価されて帳簿の上に載っておるのではないか、こういうような疑問があるわけであります。というのは、ことに公社の場合におきましても、減価償却というものを考えて、かつまたある程度再評価の上においてもそういう点を考慮するために、実際上の無価値のものでも、ある程度価値のあるような工合に帳簿価格に載っておるということから、これが算定の基礎になる危険があるかどうか、その点ちょっと伺っておきたいと思います。
  15. 梶井剛

    梶井説明員 経理局長からお答えいたします。
  16. 秋草篤二

    秋草説明員 ただいま橋本委員からの御質問の点は、おそらく今後の評価決定に当りまして、郵政当局監理官等において御苦心いただく点だと思いますが、まだ具体的にそういうものがどうなるか存じ上げてはおりません。ただし今橋本先生の御質問の、たとえば物品などが在庫になっておって、しかも固定資産という記録になっているというようなこと、こういうものはないとは存じますが、ないことになっておりますが、まれにもしあれば、現在私どもが聞いている範囲では、むろんそういうものは自治庁の方では認めない。あくまで固定資産の中で——たとえば一番大きい未完成工品、これは本年度でございますと百億に近いものになろうかと思いますが、こういうものはむろん除く。それからもっと議論になっておりましたのは、測定器とか什器、こういうようなものは私ども財産固定資産として経理しておらない、備品として経理しておる。金庫とかそういうようなものです。この点は監理官が現在までの折衝の間において、除いてくれるということを承わっております。
  17. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 今の経理局長お話によると、固定資産として厳格に考えられないようなものは、できるだけ除いてもらえる方針のようでありますから、大へんけっこうだろうと思います。こういうものはその性格として、固定資産として考えるべきものではないのだ、こういう考え方から、近代化を阻害したり、あるいは減価償却の実情を阻害するような機械類等について、固定資産化して考えるという考え方は、一つできるだけ除くように、大臣並びに各位において御努力を願いたい。そういたしませんと、帳簿価格だけによって参れば、相当金額帳簿価格に載っておるということになって、それから算定していくことになると、現在組んでおる予算においてすらも間に合わない。どれだけふえるかわからない。こういうことになれば、結局これは一般の電信電話利用者にかけられる金額になるわけでありますから、従ってその内容についてはとくと御研究を願いたい。特にNHKの場合でありますが、この場合におきましても今要望書が出ておるようでありますが、内容が非常に近代化されなければならぬ性格のものでありますから、これらを一々固定資産としてこれに税金がかけられる、こういう事情でありますと、結局は進歩を阻害する結果になる。電波監理局長もこの点について、こういうものはこの際固定資産から除かるべきじゃないかという見解を持っておるとすれば、放送関係についての御見解一つ述べてもらいたい。
  18. 濱田成徳

    濱田政府委員 日本放送協会は、今お話のごとくラジオ、テレビジョンについての非常に重大な放送研究という面の責任を持っております。今御承知のごとく、必要ないろいろの研究施設等は絶えず更新され、あるいは全く新たなものが作られる、あるいは場合によりましたならば取りこわし、別なものにかえられるというようなものもありますので、これにつきまして評価をするというようなことは不可能であります。そういう意味におきまして、たとえば研究施設、あるいは技術局方面におきましてもテレビジョン実験等に使うような施設につきましては、これは明瞭に除外されてしかるべきと考えます。
  19. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 たとえば国際放送は、御承知のように法律の定めるところに従って、国が行うべきものを日本放送協会をして当らしめておる。従ってそれに要する費用は、原則として法律の定めるところでは全額を支給しなければならぬことになっております。そういう国際放送は、これは政府がやるべきものをNHKをしてやらしめておるのであって、その放送に必要なるものを使った場合においても、今度は固定資産税がかかるということになる。しかしながらこの点実際上の問題としては分離すべき方法がむずかしいということは言えるのです。たとえば国際放送鉄塔がある。これは国際放送鉄塔であるから、これはむろん政府が持つべきものをNHKをして当らしめておるから、非課税にするということが言えるでしようが、現在は国際電電は他の業務と兼務してやっておる、こういうふうでありますから、鉄塔の問題については将来はありましても、現在は触れない。しかし政府が行うべきものを、一応スタジオ等を利用してやっておるのが現在の状況でありますから、こういう点から考えてもこれは一つ内部進歩発達近代化、こういう点からも固定資産税をかけるにしましても、その固定資産税内容については特に当局はお考えおきを願いたい。そうして新しい文化の発達を阻害しないように御協力を願いたいと思います。  そこで三公社及びNHKの問題もありますが、大臣はこれらは暫定的な措置として行われる考えですか。それともこの措置というものは、実は発生したのは地方財政窮乏化しておる、従ってこれだけの赤字を何とかして他の方面から財源を作りたいということから生まれてきたのですか。その意味から言えば暫定的でなければならぬと思いますが、その点関係閣僚においてはどういうような御解釈のもとにこれをやっておりますか。
  20. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。それも御指摘通り地方財政窮乏を打開する意味においての三公社課税でありますので、地方財政が何らかの財政措置においてその窮乏が打開した暁には、当然これらの機関に課税するということは必ずしも賛成できませんので、願わくは時限的な立法措置でありたい、かような希望を持っておりますので、私の立場からはどこまでもその点を強く要望していきたいと思っております。しかし諸般の情勢から、これが果して今回時限措置になるかというようなことについては、ただいまのところお答えいたしかねるのでございます。
  21. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 法律を暫定的な時限法として作るかどうかという問題についてはお骨折りを願いたいと思いますが、なかなかむずかしい問題だろうと思うのです。しかしこの問題が出てきたのは、何といっても地方財政赤字をどうして埋めるかということから出たのですから、法律的にその措置が困難である場合は、少くとも閣議の申し合せとして、これはこういう事情でこういう課税が行われることになったのであるから、将来地方税法改正されるなり、もしくは地方財政が確立される暁においては、当然これはやめるものである、こういう申し合せば、法律ができればけっこうですが、それは困難にいたしましても、私はその程度の閣議の申し合せというものは可能だと考えるのですが、大臣のお考えはいかがですか。
  22. 村上勇

    村上国務大臣 私の立場から、閣議におきましても、閣議決定の前に御趣旨通りこれを強く要望して参りたいと思います。これが果して閣議でその通りに採択されるかどうかということにつきましてはお答えできませんけれども、私は御指摘通りにその要望を主張して参りたいと考えております。
  23. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 大臣の従来からの非常な御努力に対してわれわれは信頼をしておるわけですが、今のお話は少し弱いようであります。閣議決定でありますから、あなたがこれにあくまで反対であれば通過はしないのですからどうしても、ただし条件としてこれは地方財政赤字救済のためのものであるから暫定的のものであるという一項は必ずつけるように、一つお骨折りを願いたいと思います。以上をもって私の質問を終ります。
  24. 松前重義

    松前委員長 関連いたしまして私から質問します。ただいまのような事務的な手続で納付金と称する固定資産税を徴収することになりますれば、その計算あるいは算出等にどのくらいの要員を必要とするか、それに対する予算はどういうふうにお考えになっておられるか。これは自治庁においてどのくらいのものをお考えになっておるか、電電公社で大体どのくらい必要か、その他の公社でどういうふうな計画のもとにこれをやろうとなさっておられるかを伺いたいと思います。大臣から総括的に承わって次に電電公社からも伺いたい。
  25. 村上勇

    村上国務大臣 非常にめんどうな問題でありますが、これはまだどういうあり方で課税するかという方針がはっきりと決定しておりませんので、私ども郵政省としてはこれに関してただいまのところはお答えいたしかねるのでございます。
  26. 秋草篤二

    秋草説明員 委員長の御指摘の点が、私ども事務当局としまして最も懸念したところでありまして、それがゆえに大臣のお骨折りをいただいて今日まで運動していただいたわけでございますが、当時の法案を見てすぐ私たちの頭に浮んだことは、やはりこれは容易ならない増員を必要とするだろうということでございます。東京電力の固定資産の取り方を調べてみたところが、それは関東一帯でございますが、ここだけでも二十数人がそれだけにかかって、明細な固定資産の額を自治庁を通して報告をするというようなことも聞いて参りましたので、私どもはこれから推算いたしましても最小限二百人の人を動員してやらないと、なかなか簡単に済むことではないというように判断したのであります。しかしながらおかげで一括に郵政監理官自治庁の方で、うちの固定資産を総括的に一発で閣議決定をするということになりますと、問題はかなり簡単になって参ります。しかしこの点はまだ固定資産額できめるとか、予算額できめるとかいうようなことでもないようでありまして、ある程度問題は監理官が御活動になる資料としまして、電電公社各地財産を最終的に、最悪の場合には全国市町村財産まで監理官がお持ちになって自治庁折衝しなければ、なかなか向うは納得しない。最悪の場合でありますが、こういうことを予想いたしまするとなかなか容易ならぬことだと思います。これはまだ最終的にはきまっておりませんが、できるだけこの線が簡素になるように政府当局にお願いしたいと思っておるのです。  それから私どもが第二番目に懸念しますことは、そうした固定資産の額とか帳簿とかいうような純然たる作業という以外に、各地におきますところの交渉とかいろいろ折衝、旅費、賃金、そういうふうなものも頭に入れて、これがまた莫大なる経費である。それに加えて精神的ないろいろな浪費というものは別といたしましても、これを何とか簡単にやってもらいたいということでございまして、しかしこれも今度のいわゆるさっき大臣がお述べになりました総理府令においてこの評価をどういうふうに、どういう標準できめるか。たとえて申しますと、監理官が今まで御折衝になったいろいろのやり方の中で、加入者の数で財産を分割するという一つやり方もございます。そんなようなことで結了いたしますれば、これまたありがたい次第だと思っております。とにかく当初の案で行きますと、非常に大きな人員と経費がかかるということだけは確実のように私どもは思っているのでありますが、あとはこれからの総理府令決定監理官のいろいろの御交渉の御苦心の次第によりまして相当軽減されるじゃないか、こういうように思っております。
  27. 松前重義

    松前委員長 もう一つ伺いますが、この固定資産税なる性格を持った納付金算定されなければならない。そのために必要なる要員、少くとも相当増員を必要とするものであると認められるのですが、これに対して郵政大臣はどういうふうにお考えなのですか。大蔵省並び郵政省あるいは自治庁等に、あるいはその他の固定資産税徴収に必要なる事務担当者が必要であると思うのですが、このことは増員に必要であるということをお考えになっておられるかどうかを伺いたいと思います。
  28. 村上勇

    村上国務大臣 どれだけの数が増員されるかということについては、ただいまのところはっきりした数字を持ち合せておりませんが、少くとも徴税がふえてきたのでありますから、これに必要なだけの増員は当然だろうと思っております。
  29. 松前重義

    松前委員長 増員が必要であるといたしますれば、少くとも定員法改正とこれに伴う人件費補正予算を組まなければならないと思うのです。ですからこの法律が出ると同時に、定員法改正並びに補正予算提出をされるつもりでありますかどうか、お伺いしたいと思います。
  30. 村上勇

    村上国務大臣 そのことはすでに予算書の中に盛り込まれておるだろうと思っております。少くとも予算の大綱が出ておる限り、私は増員されたものが含まれておる、かように思っております。
  31. 松井政吉

    松井委員 関連して。先ほど来の橋本委員大臣との間の質疑応答を聞いておったのでありますが、ちょっと僕にはわからないのです。一体納付金というものはいかなるものであるか。納付金というものの性格は一体どういう性質のものであるか、これをちょっと説明を願いたい。
  32. 上林山榮吉

    上林政府委員 非常にむずかしい御質問であると思うのですが、現在の予算制度においては、交付金あるいは補助金というような制度は非常にはっきりしているのでございますけれども納付金というような制度予算上の適当な言葉であるかどうかということは、これは御質問趣旨がどうであったかわかりませんけれども、非常に不明確なものであるということは率直に認めていいのじゃないかと私は考えるのであります。しかしながら私どもの意図したところは、できるだけ固定資産税性格と同じであるという解釈をある方面において主張しないようにするためには、こういう言葉の方が適当ではなかろうか、これは楽屋裏を正直に申し上げますとそういうようなことで、これを開き直ってしからば予算上はどうだ、こう言われるとなかなかただいまのところ——前にはこういう制度予算上あったのでありますけれども、現在のところはその点が非常にあいまいでございますので、非常に答えにくい点であるということを申し上げておきたいと思います。
  33. 松井政吉

    松井委員 楽屋裏はよくわかります。私もそうだと思います。そうだと思いますけれども、済まないのは、性格のわからない形のまま税金に該当するものを取って、それを地方の自治体に交付するということは、ほんとうから言うたらできないのです。理論上筋が通らない。そこで楽屋裏はよくわかりましたが、理論的な定義というものはこの際はっきりしてもらわなければいかぬと思う。まだ閣議並びに政府考え方がまとまっていないというならば、これはやはり定義はまとめてもらわないと、われわれは了承することができないのです。だからそういう意見が政府部内で一致しているのか、まだその定義等について理論的に明らかにするところまで来ていないのか、この点をお聞かせ願いたい。もう一つ、かりに納付金ということであるが、固定資産評価に伴う形で取ろうというのですから、これは税金性格ですね。そうなりますとこれは利益には関係ないのですね。これを一つはっきりしてもらいたい。
  34. 上林山榮吉

    上林政府委員 後段の点は事務当局から説明を願いたいと思います。前段の点でございますが、どちらかといえば、われわれは固定資産税的性格をできるだけ交付金的性格に持っていきたいというので、かりに納付金とい言葉を使いましても、その実態は大体交付金という形で、政府部内においては話し合いを進めていると思っておるのであります。また結論的にはそういうふうに固まっていくだろうというように考えられるのでありまして、固定資産税という性格は、できるだけそういう疑いを持たれないようにしていきたいものである、こういう考えを私としては今持っておるところであります。話し合いの結果も交付金制度というような形に持っていきたい、こういうように考えております。
  35. 松田英一

    松田説明員 ただいまのあとの方の問題に関しましてお答えを申し上げます。現在考えられておりまする納付金算定から考えますと、利益とは関係なく納付をすると考えております。
  36. 松井政吉

    松井委員 もう一点、そうしますと税金的性格自治庁一本でこれは取り上げる。そこで今度は地方自治体の赤字——赤字と言うと語弊がありますが、地方財政の援助のためにこれを配分といいますか、還元といいますか、やる、こういう説明だったのです。そうなりますと、取るときの性格では納付金というけれども税金的性格で取る。今度配分といいますか、還元の形態は、交付金ですか、補助金ですか、税の差し戻しですか、この点の性格一つ明らかに聞きたいと思うのです。
  37. 松田英一

    松田説明員 お答え申し上げますが、納付いたしますときに、税金性格であるかどうかという点は、これは政務次官からもお答え申し上げましたように、まだはっきりとはしていないわけでございまして、今後閣議等において検討されるものと思いますが、結局それを配りますときに現在考えられております様式——まだ決定はいたしておりませんけれども考えられておりますものから推測いたしますと、政府の方から交付するというようなことではなくて、自治庁の方で考えました方式によりまして、得られました全体の評価額を各市町村にある一定の方式で分けまして、それによって一・四というものをかけて、それを納付するということになりますので、その分け方の方式によって、もちろん今述べられましたようなことも起り得るわけでありますけれども、現在考えられております考え方ではそういうふうにいくのじゃなくて、むしろ、たとえば先ほど経理局長の方からお話が出ましたが、加入者の数による比率というふうなことで参りますと、交付するという格好ではないというふうに考えております。
  38. 松井政吉

    松井委員 これは関連ですから一問で終りたいと思ったのですが、ところが終るわけには参りません。はっきりして下さいよ。今あなたがおっしゃいましたように、政府が取るのじゃないということになると、取れないのですよ。政府が交付するのじゃないということになると、扱えないのですよ。公社が直接地方自治体に固定資産評価に基く税金を渡すのだが、扱いだけ自治庁がやるなんというばかな交付金はありませんよ。これはやはり自治庁の責任において政府がやるのでしよう。従って固定資産税的性格税金的性格になるのですよ。その点ははっきりしてもらわぬと大へんなことになる。それからもう一つ重要なことは、たとえば経理局長説明は、あなた引例をしましたけれども、かりに加入者の比率とかいうことになりますと、これは固定資産ではないのですよ。加入者の比率で云々という考え方が入るとすれば、これはもう純然たる固定資産を中心にしたものじゃなくなるわけです。取り上げる場合でもそれから交付する場合でも、それはもう固定資産性格ではなくなる。それで今度は固定資産税的性格だということでそれにばかりこだわりますと、大都市のように、固定資産評価をした場合でも多いところはよけい交付を受けるでありましようし、そういうことになりますと、一面から見ればこれは地方財政の救済の趣旨からははずれる形になる。そこで目的を達することが交付の場合にできなくなるのです。納付の場合にはできても交付の場合にはできなくなる。だからそういう点はどういう考え方納付をさせて、どういう考え方配分をしようと考えておるのか、こういうことを聞いておるのです。その配分の場合は交付金配分になるのか、今の交付税の性格を持つのか、それとも補助金性格で、たとえば電電公社固定資産はこの村にはないのだけれども、その村の地方財政救済のためにそこへも配分をするというのか、そうなればこれは純然たる配付税的性格を持つのですよ、よろしゅうございますか。電電公社固定資産はない町村にもそれを配付しなければならぬ、こういうことになればやはりこれは配付税的性格を持つものであって、そうじゃなくて三公社固定資産のない町村には配付しないのだということになれば、固定資産税的性格が配付のときまで生きてくるのですよ。だからその辺の性格と扱い方は一体どうする考え方か、これを聞いているわけです。
  39. 松田英一

    松田説明員 ただいまの問題は非常にデリケートなところでございまして、私がお答え申し上げましたのは、大体具体的に動いていくであろうという形の点からお答え申し上げたのでございまして、それが一体どういうふうに観念として把握されるべきかということになりますと、先ほど問題になりました納付金性格という問題と密接に関連してくるわけでございまして、まだ今のところはっきりとしたことは私としてはつかみかねている次第であります。
  40. 松井政吉

    松井委員 関連ですからこれでやめますが、大臣にこれは一つはっきりしておいていただきたいのですが、この納付金性格というものは、配分の場合には一体どういう性格に変るのですか。交付税的性格に変るのか、補助金性格に変るのか。それとも固定資産税的性格だから、固定資産のない町村には交付しないという原則に立つのかそういう点は一体どういう形になりますか。
  41. 村上勇

    村上国務大臣 理論的には、どちらが正しいかということについてはまだ研究の余地があろうと思いますが、私としてはどこまでも交付金的な、いわゆる交付税的なものだと思っております。それは大体先ほど橋本委員からの御質疑にありましたように、この納付金はもちろん課税であります。ただ課税は何を標準にして課税するか、便宜上固定資産標準にして課税しようということであります。しかし固定資産標準にして課税いたしますと、どうも閣議自治庁長官から要求されました赤字市町村の財政を救済するという意味にならなくなる。それを私はおそれまして、どこまでも交付金的なものにしなければならない。ということを強く主張いたしまして、各方面相当激しい渡り合いをして参りました。その結果、納付金というようなことに落ちついたのですが、ともかくまだその性格についてはっきりしないところがあります。それは電話が十本あるから、この町には電話が千本あるからというても、ただ単に電話の数だけでこの課税標準をきめるべきでない。そこにつながっておる電線等も加味いたしまして、非常にむずかしいものが残されておりますので、この点はまた自治庁とも打ち合せまして、はっきりしてお答えいたしたいと思います。
  42. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 関連して。性格の問題はなかなかむずかしい問題でございますからあまり言いませんが、ただ先ほどからのお互いの質疑応答の中で考えなくちゃならぬことは、やはり赤字財政を救済することが事の起りでありますので、今度の場合においては予算措置ができてしまってからその問題が出てきたというところにも、一つの無理があるだろうと思うのです。ですから今回の三十一年度の予算の扱い方としては、一応先ほど来の説明でいくにしても——これは暫定措置にいたしまして来年度の予算の場合は明確に交付金的なものに持っていく。従って政府が出しておる交付金の中に加えてやるという方針に持っていけば筋合いがはっきりしてくるだろうと思います。しかしそれにしてもあくまで地方財政赤字を一応補てんするという建前ですから、きょうの閣議では暫定措置であるということだけは一つ大臣にがんばってもらいたい。将来、三十二年度予算の場合においては、一応納付金額範囲固定資産標準として算定をするけれども、その金額を一応政府の方に納めて、そうして今度は政府が一般の地方交付金額の中に加えてこれを配分するという考え方を強調し、そのはっきりした点をきょうの閣議でも決定してもらいたいと思います。
  43. 松前重義

    松前委員長 ちょっと速記をとめて下さい。     〔速記中止〕
  44. 松前重義

    松前委員長 速記を始めて。
  45. 秋田大助

    ○秋田委員 この際テレビジョン受像機等に関する物品税の課税の問題につきまして、簡単に二点大臣にお尋ねいたしたいと思います。  御承知通りテレビジョン受像機その他その部分品につきましては、現在三〇%、ただし十四インチ以下のものについては本年六月三十日までを限りまして一五%の物品税が課せられておるのでありますが、承わるところによりますと、政府当局、ことに大蔵当局は、十四インチ以下の小型受像機に対する低率適用の期間満了の措置として、本年七月以降は現行税率の百分の十五を百分の二十に引き上げる内容物品税法の一部を改正する法律案を、近く国会に提案される御意向と承わっております。こういう案が実施されますと、直接的にはようやくその普及が軌道に乗りつつあるところのテレビ放送に悪影響があって、その順調な発展を阻害することはもちろん、またようやく量産態勢に入っておりますテレビジョン工業の健全な発達をも阻害することはもちろんであります。これが影響は至大なものがありまして、わが国の産業経済の発展はもちろんのこと、ひいてわが国の民主政治の推進あるいは国民の教育、文化の向上のためにも、非常な悪い影響があろうと思います。またこのテレビジョン受像機その他に対する低率課税の恩恵というものは、これは全国民あまねくその恩恵を均霑せしむるべきものである。ところが現状においては御承知通り、東京、大阪、名古屋等でしかテレビは見かつ聞くことができない、この際これを上げてしまうと、その他の中小都市あるいは一般の農山村に居住されておる国民大衆諸君がいよいよ聞けるというふうにテレビ放送網が完備した場合に、この低率の恩恵には浴せない、こういう結果にもなるので、その点から申しましても私は非常に不当な措置だと思います。承わるところによりますと、イギリス等一、二を除きまして、欧米諸国においてもテレビ受像機に対しては無税の措置をとっておると承わっております。こういう点から考えましても、私どもはテレビ受像機に対する課税は無税にすべきものである、こう考えておりますけれども、財政上の要求等からやむを得ずこれに課税をいたすことを、百歩譲って承認いたすといたしましても、現在の状態におきましては、少くとも現行法をそのまま持続すべきものである、こうわれわれは考えております。テレビ放送あるいはこれに関連する受像機等は奢侈事業であり、奢侈的物品であるという考えからこの課税がされておると思いますが、この考え方は根本的に誤まりであり、誤解であり、われわれとしては一掃しておかなければならないと思っておりますが、ついてはテレビ受像機等に対する物品課税の増率の問題の取り扱いは、政府部内において現在一体どうなっておるかというのが第一点、第二点は、それに対する大臣のお考えはどうであるか、この二点についてお尋ねいたします。     〔委員長退席、松井委員長代理着席〕
  46. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。このテレビ受像機の課税につきましては、三十一年度の予算全体の中にはこれが含まれておると思います。従いまして三十一年度予算閣議決定の際には、この点だけは私は除外してその予算書に承認を与えておいたおりますが、これは各方面と相談してその上で決定するということになっておりますから、閣議予算全体は承認いたしておりますけれども、その点は除外しておりますので、今後の折衝に待って決定すればいいと思っております。  受像機の課税についての考え方はどうかという点につきましては、私も全く秋田委員と同感でありまして、少くとも国民生活の文化向上の上から申しましても、あまねくテレビを普及したいという気持は全くその通りでありますし、また私といたしましても、今までの十三万何がしというようなものよりも、今後の需要者の方が相当経済的に困難な立場からこれを求めるということのようにも考えられます。特に十四インチ以下の小型テレビに対しては、秋田委員と全く同じ気持でおります。
  47. 秋田大助

    ○秋田委員 ただいまの大臣の御答弁を了承いたしましたが、つきましては本委員会としては、このテレビ受像機に対する物品税の問題は、少くともここ当分の間現行法を維持してもらいたいという御意向については、だれ一人御異存がないと私は確信をいたします。つきましては、この際この問題につきまして、われわれの意図を国会内に反映をし、われわれの意図を実現するために、この際当委員長名をもちまして大蔵委員長にあてまして、テレビジョン受像機に対する物品税の低税率適用期限延長に関する申し入れを、文書をもって明確にしておくことが必要ではないかと存ずる次第であります。従って、私はただいまの申し入れの件について案文を持っておりますので、この際これを動議として提出をいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。皆様の御意向を一つ伺っていただきたいと思います。
  48. 松井政吉

    松井委員長代理 お諮りいたします。秋田委員の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 松井政吉

    松井委員長代理 それでは案文を秋田委員から説明していただきます。
  50. 秋田大助

    ○秋田委員 それでは手元に案文の用意がございますので、これを朗読さしていただきます。    テレビジョン受像機に対する物品税の低税率適用期限延長に関する申入れの件   テレビジョン受像機に対する物品税率の軽減については、かねて旧電気通信委員会ならびに本委員会見解を貴委員会に申入れ、その都度、相当の御配慮を煩わしてきた次第であるが、聞くところによれば、政府は、十四吋以下の小型受像機に対する低税率適用の期限満了後の措置として、本年七月以降現行税率百分の十五を百分の三十に引上げる内容の「物品税法の一部を改正する法律案」を近く国会に提出するとのことであるが、右案のごとき課税率の改訂は、当然、該種受像機の値上げを招来し、その結果、漸くその普及が軌道に乗りつつあるテレビジョン放送の順調な発展に支障を与え、また、徐々に量産態勢を整えつつあるテレビジョン工業の健全な発達を阻害するものと思われる。よつて本委員会は現行百分の十五の税率の適用を、本年七月以降当分の間延長することが適当であるとの見解をとるものである。   本委員会は二月十一日の会議において、全会一致をもつて上記の見解に達したので、貴委員会に右法律案が付託になつた場合、その審査に際し、適当の措置を取るよう考慮方を要望する。 というものでございます。この動議提案の理由はもはや説明を要しないと思いますから、これを省略いたします。右申し入れを本委員会の決議において大蔵委員会に伝達せられんことを動議として提出いたします。よろしく御賛成あらんことをお願いいたします。
  51. 松井政吉

    松井委員長代理 動議の内容はただいま秋田委員説明通りであります。従いまして、テレビジョン受像機に対する物品税の低税率適用期限延長に関し、本委員会の決議として大蔵委員会に申し入れるに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 松井政吉

    松井委員長代理 御異議なきものと認めます。そのように委員長において取り計らうことにいたします。  ほかに御質疑ございませんか。  ほかに御質疑がなければ、本日はこの程度において散会をいたします。次会は公報をもってお知らせをいたします。     午前十一時四十六分散会      ————◇—————