○古井
委員 今の
お話は少しおかしゅうございますよ。私が申し上げたいのは、そういうことならば、現在のあの
町村合併促進法案をまず
政府が責任を持っておやりになったらどうですか。あの中には
政府の予算に
関係するものがたくさんございます。それはちっとも
政府が出さぬからうまくいかない。例の
国有林野の問題なんかそうでございます。それさえできずに、
行政力の弱さ、まずさをすぐに立法に振りかえるというこの
建前について、私はお尋ねをしておるのです。これは
地方自治法でもそうです。何百万以上の府県においては、部はなんぼ、百五十万以上の府県はなんぼ、こんなところまでどうして
政府が干渉するのです。これは
住民が自分の判断でやればよろしい。そういうふうに乱暴をやる知事なら、この次の公選のときにそれを落せばいいのです。私はやはりそれを待たなければならぬと思う。今
町村合併で八千だとか何だとかいう議論が大へんありましたが、八千などというのは理論的な根拠がないことは、この前の討論のときにも明らかにされました。大体常識的に八千というのであります。しかし昔の
市町村を見ますと、何百万の市から、神奈川県の足柄郡では非常に小さい村もあります。それでも六十年そのままやっておるのです。そういう
住民の自由意思を十分にそんたくしなければならぬ。二年半やって、あれはできぬ、工合が悪い、また
法律でやったらどうかというのは、私は裏から見ると、功名心というふうなものもその中にちょっと入っているんじゃないか。民主主義、自由主義というもっと
基本的な立場に立って考えてもらいたい。私はこの
二つの
法案について特にそのようなことを考える。最近
法律でやれば何でも民主主義、自由主義でいいと言いますが、私は実際は必ずしもそうではないと思います。あの一九三三年にドイツでヒトラーが天下をとりましてから、二、三年の間に何百という
法律ができました。そうしてこれこそ民主主義だというので、みんな
法律でどんどん押えた。
内容を見ますと非常にこまかいことまで
規定をしておる。私は最近の
政府のやり方を見ますと、毎年議会に百数十の
法律を出します。そうして
法律が通ったから、
法律が通ったからというので、民主主義、自由主義の基盤をどんどん変えていく、それをゆすっているという形が見える。人の判断というものは間違いもありましょうから、
町村合併ができかけたら、また
意見があってガタガタなったという分村騒動、それはあります。それは一万近い
町村であったのですから、百や二百はあっても当りまえだと私は思うのですが、そのためにまた
法律を変えてしまうというふうなことはどうか。これは非常に素朴な質問なんですが、こういう形でいきますと——しかもそれが議員から出す
法案でありましたなら私はいいと思います。
政府がその点についてどうだということならいいと思います。
政府が自分でやるのですから。ただ二年半——あなたは先ほど革命と言われた。革命でもけっこうです。しかしそれならもっと時間をかけるべきだ。二年半で欠点があるからまた直していこうというのは、どうも私は
基本の点においてわからない。われわれの立場からすると、
町村合併促進法案のあの
内容をそのままもっとすなおに
政府にやってもらいたい。あのままで
努力をしてもらいたい。不自由な面があってもそれをやるというのが、
行政機関の責務だろうと思うのであります。これは
法律案を出してすぐ直すというふうなことでは、議会があるごとに、一部
改正法律案、一部
改正法律案ということでいろいろな
改正が出てくることになる。
地方自治法の一部
改正法律案でもそうであります。中を見ますと玉石混淆であります。こういう形は実際どうでしょうかね。私は自治庁なんていうものは非常にひまであるのが、日本の政治がうまく行われている証拠だと思います。自治庁が忙しいというのは少しおかしいのであります。ほんとうの姿でない。そういう面から考えて、なぜこういうものを急いでお出しになるのかわからぬ。特にきょう御
説明になった新
市町村建設促進法案というものについては、私はこんなものは要らないと思う。これがないとどうしても困るのだということがどこかありますか。人口四千の村を四年や五年残しておいて日本がどうして困るのです。その
住民の判断に待ったらいいじゃありませんか。私はこういう画一主義というものについては政治の
基本から考えて大いに議論がございます。その点についてさらに
太田さんの
意見を伺っておきます。