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春日委員 先般来本
委員会で
金融に関するいろいろな論議が行われておりますが、その論議の中で最も重点的に、かつ強く論ぜられておりますことは、本日日本の
金融が大企業、大財閥に偏向あまりにはなはだしいので、これを是正しなければならぬ、わけても中小企業
金融はきわめて困難な状況にあるから、この面について、やはりその梗塞した
状態を打開するための
措置がとられなければならぬ、こういうところに集約できるかと存ずるのであります。従いまして、この
金融制度調査会においてわれわれが期待をしております事柄の中の重要なる
一つの項目が、中小企業
金融に関する問題でなければならぬとわれわれは確信をいたしておるのであり、同時にまた深く期待を寄せておるわけであります。そういう状況下に本
国会を通過いたしましたこの設置法に基いて、この
委員の選任が行われたのでありますが、少くとも今の御
答弁によりますと、
相互銀行が中小企業
金融関係を代表しておるからということでありますが、もとよりこの
相互銀行が中小企業
金融の衝に当っておるという
意味合いにおいて、これは信金もしくは信用協同組合等とやはり共通の利害の上には立つであろうが、しかし時と場合によりましては、競合する面がないわけではないわけであります。そういうような
意味合いから、
法律に基いて
信用金庫があり、信用協同組合の制度があって、それらがとも
どもにわが国における
金融の実務に携わっておる。そうするならば、そういう現場の
意見というものも、これは十分徴せられなければならぬと私は思う。ここにわれわれが調査したところによりましても、とにかく
日銀副総裁、あるいは全銀連の会長、大阪の大
銀行の協会会長、その他産業界の代表といたしましても、経団連の会長、あるいは日商の会頭、大阪商工
会議所の会頭というふうに、いずれも大企業、大財閥、学識経験者といえ
ども澁澤氏、山際氏、佐々部晩穂というような人たちは、いずれもこれは大企業、大財閥の代弁者たらざるはないわけであります。こういういうな背景の中において、わずか一名や二名の代表を加えた、とにかく二十分の一か二の代表を加えて、わずかに
委員会の附帯決議に形式的な面子を立てるというか、
措置をきれるということは、はなはだ私は遺憾にたえないと思う。大企業に対する大
金融、普通一般
銀行に対する
金融制度の根本的な改革も当然必要ではあろうけれ
ども、当面社会的にかつ政治的に、また経済ベースの上においても何らかの
措置を講じなければならない中小企業
金融について、その衝に当っておるところの代表が
意見を述べる
機会を与えられないというようなことは、私は明らかにその附帯決議に対してすなおにこれが掛縄されていないと言わざるを得ない。今
局長の御
答弁によりますと、
会議所の会頭がなっておるのだから、
会議所の内部においては相当中小企業問題が取り上げられておるという説でありますけれ
ども、これは、あなた方が雲の上で見ておるとそんなふうに誤解されるかもしれぬが、
現実の
会議所の運営がどういう人々によってなされておるか。中小企業
金融のごときは、
会議所の中の単なる一アクセサリーにすぎないのであって、これはてんで問題にならないくらいのものである。今中小企業
金融と大企業とがいろいろ対立的に問題を処理する場合、
会議所がいずれの側に立つか、これはとりもなおさず大企業、大財閥の側に立つということは、常識的にだれしも認めておるところであります。私はこういうような
意味合いにおいて、とにかくこういうような偏向的な、言うならば十八対二というような形の選任というものは、これはあくまでその附帯決議の精神がこの任命の上に十分に反映されておらない事柄であって、非難せざるを得ないわけである。しかし、これはあなたが任命したわけではありませんから、いずれ明日一萬田
大蔵大臣に、その偏向的なあり方について十分糾弾をして、修正をしてもらわなければならぬと
考えております。
それはそれにいたしまして、その次にお伺いをいたしたいことは、これは
国税庁長官にお伺いいたしますか、あるいは
主税局長にお伺いをいたしますか、青色申告制度ですね。これは先月ある一、二の大きい
新聞にスクープされたと申しましょうか、青色申告制度がはなはだ普及して参りまして、ために
所得税の徴収がなかなか困難になってきたというようなことから、この青色申告制度に与えられておりまするもろもろのフェーバーを近く制限するのではないかというようなことが、いわゆる青色申告制度を、大きくそのフェーバーを削減するというような
方向に
大蔵省の意向が進みつつあるというようなことが載っておりまして、
関係当事者たちに対して大きな衝撃を与えておるところであります。この際お伺いをいたしたいことは、果してそういうような情勢にあるのか
どらか、なお青色申告制度について何らか斧鉞を加えることを必要とされておる
段階にあるのかどうか、この際
関係当局の所信を明らかにいたされたいと思います。