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1956-03-22 第24回国会 衆議院 商工委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十二日(木曜日)    午前十一時四分開議  出席委員    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君    理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君    理事 長谷川四郎君 理事 中崎  敏君       秋田 大助君    阿佐美廣治君       宇田 耕一君    内田 常雄君       大倉 三郎君    菅  太郎君       菅野和太郎君    椎名悦三郎君       篠田 弘作君    島村 一郎君       首藤 新八君    鈴木周次郎君       田中 角榮君    田中 龍夫君       野田 武夫君    淵上房太郎君       前田 正男君    南  好雄君       森山 欽司君    山本 勝市君       伊藤卯四郎君    加藤 清二君       佐々木良作君    佐竹 新市君       多賀谷真稔君    田中 武夫君       松尾トシ子君    松平 忠久君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         農林事務官         (農林経済局         長)      安田善一郎君         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      堀口 定義君         農林事務官         (農林経済局企         業市場課長)  三宅 康松君         参  考  人         (東京中央卸         売市場長)   小金井健男君         参  考  人         (東京中央卸         売市場業務部         長)      石井 孝義君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 本日の会議に付した案件  通商産業基本施策に関する件     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長 これより会議を開きます。  前会に引き続き通商産業基本施策に関して調査を進めます。バナナ等輸入問題に関する質疑を継続いたします前に、通商産業政務次官及び農林省農林経済局長よりそれぞれ発言を求められております。順次これを許します。川野政府委員
  3. 川野芳滿

    川野政府委員 先日佐竹委員質問に対して、私の答弁中用語の足らない点もあったかと考えますので、重ねて簡単に御答弁申し上げてみたいと思います。  政府が、バナナ輸入に当りましては、過去の輸入実績を重んじますことは当然でございますが、さらに輸入意思並びに能力を有する新規業者をある程度参加させまして、門戸を開放するということもまた必要かと存じまして、今回通商産業省農林省協議の上、ただいま申しました意思能力のある加工業者を加えることにいたした次第であります。  なお、農林省都条例改正を指示した点につきましては、本件は農林省専管事項でもございますし、さらに通商産業省はさきに輸入方式を決定いたしますときに、当然バナナ加工業者もこれに参加させることといたした次第でございます。従いまして、今回農林省が指示いたしましたことは当然であると考えておる次第であります。
  4. 神田博

  5. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 通商産業政務次官からお話がございましたが、これに関連しまして、先般中央卸売市場業務規程を定めた都条例改正について御質問もございましたので、この際私から当時の経緯及びその内容、意味を御説明申し上げて御了承を願いたいと思う次第であります。東京都の中央卸売市場業務規程を定めました都条例第三十六条第二号は、他の都市の場合と異なりまして、仲買人がその許可を受けました取扱い品目の部に属する物品につきまして、その属する市場外において買付を行うことを全く禁止する規定になっておりました。ところがこの買付輸入を含むかどうかは、解釈上従来から疑義がございまして、特に先般バナナ輸入につきましてその輸入意思能力を有するものについてさらに門戸を開こうという趣旨のもとに輸入方式改正決定をされるに伴いまして、これを明確にする必要があると認めた次第でございます。この買付という、禁止をいたしております行為の中に輸入を含むと解釈いたしますことは、中央卸売市場内の取引秩序を維持するための業務規程として制定をされております都条例としては制限が強過ぎると思量いたされまするので、これを輸入を含まずと明文化させたのでございます。すなわち輸入意思能力を有する者は、資格要件が明らかで公平である限り適切に輸入業務をなさしめるのは妥当なことでございまして、その者が中央卸売市場卸売人であると、仲買人であると、輸入専門業者その他の者であるとを問わず、輸入業務適格性を有する場合、これが第一次的な問題ではないと考えられるのであります。かつまた最近のバナナ輸入資格者相当に強い制限的でございまして、相当過当な利益を得ておりましたので、輸入資格範囲を逐次適切に広げていくのは、一方において過当な利益政府またはこれにかわるべき意味を持ったジェトロなどこれに準ずるもので吸収することをあわせ行うことは正当であると考えたのであります。農林省といたしましては、バナナ輸入取扱い方式につきまして通産省にも御意見を申し上げ、これと協議の上通産省においておきめになりましたが、両省意見の一致の上にこれを決定したのでございまして、これに応じまして、バナナ中央卸売市場を通じて、国内の取引が適切になされることがよいと考えて、その旨の指導方針をあわせて明らかにいたした次第でございます。
  6. 神田博

    神田委員長 この際お諮りいたします。  本問題調査のため参考人として東京中央卸売市場長小金井健男君、及び同業務部長石井孝義君より、適宜質疑応答の形式によって事情を聴取することにいたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 神田博

    神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  それでは質疑を継続いたします。
  8. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 安田経済局長にお尋ねいたしますが、ただいま都条例業務規程改正についてあなたの御説明があったわけでありまするが、東京都の都条例がこのような業務規程であったならば、これは非常にきつ過ぎるので改正したというのでありまするが、他都市における市条例は、やはり東京都とは違っておるのでありますか、その点をお伺いいたします。
  9. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 東京都を除きまして、他の中央卸売市場業務規程は、仲買人につきまして場外取引を禁止する、買付を禁止するという規定がございますが、いずれも特別の事由がある場合とか、例外を設けて業務規程として適切にきめる範囲内、卸売市場取引上適切を期する範囲内においてきめておるのであります。
  10. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 そこで今の御説明の中に、輸入業務適格性のある者は入れても差しつかえないという考え方から、この都条例業務規程改正方を命令した、こういうように言われておりまするが、私の聞いておりまする範囲内におきましては、今回入札の大部分をとりましたところの、いわゆる全芭連なるものは、これは果して適格性があるかどうかということが非常に問題なのであります。と申しますのは、先般三月十日の期限の日に、この差益金ジェトロに納めますとき、その前日、本委員会において私が川野政務次官並びに樋詰政府委員質問をいたしましたときには、おそらく六億何ぼの金額ジェトロに完全に納まらないであろうという情報を得たのであります。と申しますのは、その前に三和銀行、東海銀行、千葉銀行それから神戸銀行、これらの銀行相当に交渉いたしましたけれども、各銀行ともちゅうちょしたそうであります。そこで最後には一人の業者から千五百円ずつ一株について集めたのであります。千五百円ずつ集めまして、あと差益金の金が足らないので、これを三和銀行に頼んだのであります、この三和銀行に頼んだことについて、的確なるところの情報によりますると、三和銀行がそのあとの足らない四億ばかりの金をどうして引き受けたかというと、次のバナナ割当を当分しないということで、そうなれば当然値上りになるということで、三和銀行業務部長から神田支店長に、土曜日でありましたから十二時前に、裏書きをしてよろしいということで、神田支店長は腹をきめて裏書きをした、こういうことになっているのであります。こういうようないわゆる一つ輸入の先を見越して、品物が入らないということで金融操作をする、またその背後にだれかさした者がいる。これは業者仲間でももっぱら評判であります。しかしながら、こういうような者が果して適格性のある業者とお認めになったその考え方の根拠はどこにあるか、その点をお伺いしたい。
  11. 川野芳滿

    川野政府委員 その点については前にも樋詰政府委員から御答弁申し上げたと考えるのでありますが、御承知のように、バナナというものは非常に腐敗しやすい品物であります。そういうことで、バナナの取り扱いにある程度の理解ある人も入れたがよかろう、こういう点と、さらに輸入につきましても、ただいま申された金融その他の面につきましても能力あるであろうというような人を、実は農林省と合議いたしまして、入れることにいたしたような次第であります。なお、初めそういう方々を輸入業者に追加する当時の考えといたしましては、入札制度に付するという前提のものではなかったのであります。従来の輸入業者と話し合いの上にある程度新規業者ワクをやって、輸入を認める、こういうことでこれまたたびたびお話申し上げましたように、通商産業省といたしましても、従来の輸入業者と折衝いたしまして、そういうワク内でやろうと、こういうことにいたしたのでありまするが、遺憾ながら話がまとまらず、今回だけは試験的にこういうようにやった次第であります。
  12. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私は次の質問に入る前に、河野農林大臣は非常にお忙しい方でありますから、農林大臣に簡単に質問いたしておきます。先般河野農林大臣からいろいろ御答弁を拝聴いたしましたけれども、どうも納得のいかぬ点があるのであります。と申すのは、河野農林大臣は、あまりこの問題には自分は関係していないので詳しいことはわからない、下僚がやったと言われるのであります。ただいま安田経済局長からの説明を聞き、川野政務次官からの説明を聞きましたけれども、これはおとといまでの委員会に対する答弁は食い違っていたのであります。川野政務次官都条例改正自分らは全然知らなかったと、この間の速記では答弁されております。それから河野農林大臣は、自分はあまりこの問題にタッチしない、下僚がやったんだろうとおっしゃった。この都条例業務規程改正したところに根本的な問題があるから、本委員会の問題になっているのでありますが、責任所在は一体どちらにあるのかということになって、御質問をしたのでありますが、きょうになったら両省でお打ち合せの結果都条例改正をしなければならぬ立場になったから改正方農林省がやったのであろうというように話が妥結してきております。これは妥結されることも一向われわれの関知しないことでございますが、しかしながら何といたしましても今回の入札というものはあまりにも不純な入札であるということだけはわれわれははっきり言えるのであります。と申し上げますのは、先般も河野農林大臣に申し上げましたように、この全芭連なるものは有名無実団体でありまして、今まで会費も何も納めていない団体が、この入札のあった後に、三月三日に、卸売ということを頭につけて加工協同組合ということで発足したのであります。その前はほとんど有名無実のものである。それが今回これだけのいわゆる入札に加わる力を持ってきたというところにわれわれは非常な疑問を持つのである。しかもその前におきましてまだ金芭連の当時に、これが大体入札に加わってそうして競争することができるという見通しのとき、昨年の十月から十一月にかけて小さい業者で五万円、大きい業者で十万円、大体われわれの見通しによりますと二千万円ばかりの金を集めております。これは卸加工協同組合の基金でも何でもない。当時一般運動資金だとうわさされているのであります。そういうような金を業者から集めて運動したということは、これは明らかなことであります。そういう点におきまして今回一体これは通産省がこういうことをやらしたのか、農林省がやらしたのか、その根本的な責任所在というものは、まだ本委員会で明確になっておりません。われわれはそういうように考えます。ただ今朝になりまして突如両方から都合のいい御答弁をされましたが、これはあなた方の方の御答弁で、われわれの関知しないところでありますが、その責任は一体どこにあるのかということをわれわれ尋ねているのであります。と申し上げまするのは、本委員会商工委員会でありまして、いわゆる通産省関係全般に対することをここで審議するのであります。今回のような輸入秩序を乱されたということは、はっきりわれわれのおらないところの本委員会で多数をもって決議されております。輸入秩序を乱したところの根本の責任は、一体農林省にあるのか、通産省にあるのか、この点を私はお尋ねしているのであります。これについて河野農林大臣の明快な御答弁を願います。
  13. 河野一郎

    河野国務大臣 今お話のうちで、業者が金を二千万円とか集めて運動資金に使ったというお話でございますが、これは私も聞き捨てならぬことと思いますから、どういうことに使ったか、全芭連の方をよく取調べをさしてみます。  それからもう一点は、輸入を乱したということでございますが、私は何も輸入を乱したことでも何でもない。先般も申し上げました通り実績と申しますか、過去の秩序といいますか、これは社会党さんの方はむしろこういうふうにやることを御賛成だろうと私は思うのでございまして、持っている者が、いつまでも持っている上にあぐらをかいて、そしてその実績でけろっとしているということは、とるべき態度じゃないと思う。これはだんだん世の中が正常化してくれば、正常化してくる方向にいくのがあたりまえだと私は思っている。  それから多数の小さいものが集まって、そして中間のロスが省けていくようになれば、それも決して悪いことでないのじゃないかと私は思うのであります。これは意見が違うかもしれませんが、今回の処置は、この間からお話を承わっておりまして、これからの輸入を押えて、不当な利益を与えるような処置をしたならば、そのときにはこれは非常に弊害が起ってくる、これはその通りでありまして、そういうことは絶対にさすべきものでない、これは現に御説の通りと思いますが、その他の点につきましては、私はそんなに間違った行政措置とは考えていないのであります。
  14. 加藤清二

    加藤(清)委員 ただいまの御答弁によって、私はこの際承わっておかなければならぬことが生じましたので、承わりますが、加工業者輸入業務をつかさどらせるということは、決して輸入秩序を乱すものではない、ごもっともな御意見です。ところが通産大臣に承わりまするが、通産大臣は食言をしたか、あるいはうそを言って全国の商工会議所を回っておられるか、いずれかということになりまするが、よろしゅうございますか。——私が承わりたいのは、通産省の大方針は、外貨割当が非常にまちまちになっている。従って将来は設備割当を変えて商社割当にするんだ、その先がけとして、特殊商社外貨割当するんだ、保有を認めるんだという事実を実行に移してこられたわけでございます。このために今まで設備に割り当てられていた業界ではてんやわんやの大騒ぎ、商社側としては、その通産省の命によって受け入れ態勢を整えるべく商社合同なり何なりをやり、合同のできないところは協会を作ってまでもその準備を進めつつあるわけでございますが、そのやさきに、設備割当したということは、その方針を乱さないと解釈してよろしゅうございますか。しかもその設備が承わるところによりますと、現在自分所有権のある設備でさえもいけない、こういうことに相なっている。ところが全芭連の場合におきましては、その設備は私有ではないはずである。所有権は都とか、あるいは府県、先ほど安田局長の言いましたところのほとんどが中央卸売市場に併設されたものでございまして、それを加工業者が借りて行なっている。しかるがゆえにこのバナナ加工業者の数を調べてみますと、全芭連は二百六十一軒、こういう御答弁参考人からなされましたけれども、それ以外に、加工業務をつかさどっているものはまだまだ四百の余、合計すればこれは八百軒余ある、こういうことを、これも政府側から御答弁なさっていらっしゃる。外貨割当の大方針が変った上に、しかも設備にされるならまだ過去に例があったというのですが、設備のない、設備を借りていたものに外貨を割り当てるとか、あるいは輸入権を認めるということは、まだかつてない異例措置だと私は考える、この異例措置が、しかも数がわずかであるというならばまだしも、一挙に六百有余軒もふやさなければならない、こういうことは考えられないことなんですし、また通産省ではいまだかつてないことなんです。なるほどバナナ輸入業者が一部の特権を持って暴利をむさぼっているというので、それに水をかけるためにある程度の数をふやされるということなら、これは話がわかる。しかし何がゆえに過去の輸入業者が百五十数軒しかなしところに持っていって、そこに一挙に六百有余軒もふやさなければならないのか。通産省方針からいけば、もしそういう今までの特権階級暴利をむさぼっている、だからふやさなければならないというならば、むしろ貿易に非常に有能な、過去において多くの体験を持ち、しかもバナナ輸入においても経験を持っている輸入商社がほかにたくさんあるはずなんです。それを許すのが当然の帰結だと思いますが、農林大臣は、決して輸入秩序を乱していないと言われるが、しかし通産省の過去の方針あるいは現在行なっている方針、将来やろうということを各方面で言っておられることと比較いたしますと、これは大きな変革であり、これこそ輸入業界の革命である、こう考えられますが、通産大臣としては一体どう考えられますか。次官として答えられなければ、通産大臣答弁を待つわけでございます。
  15. 川野芳滿

    川野政府委員 通産大臣がただいま仰せのように外貨をできるだけ商社に割り当てる、しかも商社はできるだけ少いことを希望する、こういうような意味お話をされたということでございますが、これは外貨割当一般方針としてお述べになったものと信ずるのでありまして、どの業種にもその通りでやる、こういう意味ではなかったのではなかろうか、私はそういうふうに考える次第であります。そこで例を申しますと、米のごとき商社につきましては、あまり商社をたくさん割り当てるということは外国において買付の競争をするというような点で、これはいかがかとも考える次第でございまして、そういうわけで、ものによってはあるいは外貨割当の数を増す業種もあってしかるべきじゃなかろうか、こういうわけであります。  なお、ただいま今回のバナナにつきましては設備割当というお話しがあったようでございますが、設備割当をいたしたのではございません。加工業者のうち輸入能力のある者、こういう考えで実は割り当てた次第であります。
  16. 加藤清二

    加藤(清)委員 私は輸入能力があるとは認めないのですよ。あなたが今のようなことをおっしゃいますととんでもないことになりますよ。それはどういうことであるかといえば、大方針は大方針だが、例外措置は認める、こういうふうに受け取っていいわけですね。
  17. 川野芳滿

    川野政府委員 その通りです。
  18. 加藤清二

    加藤(清)委員 しからば例外措置基準を承わりたい。なぜかならば、この際はっきりしておいていただかぬと困ることは、この外貨割当あるいは輸入権利の喪失等々によって、死ぬか生きるかのことが業界では行われるわけであります。従って行うにしてもあらかじめ余裕期間を持たせて、その準備態勢を整えさせなければ必ず混乱が起きます。そこで例外措置というもので行われるというならば、その基準は那辺にあるか、どういう基準に当てはまったならばそれを許されるか、それによって将来外貨の渡される場所が多く変って参ります。すでにこのことが行われてからは、塩の輸入設備割当にしてもらいたいということで陳情があったことは御存じでしょう。
  19. 川野芳滿

    川野政府委員 私が先ほど申し上げました割当の問題につきましては、無制限新規割当をするという意味ではございません。先ほども申し述べたように、過去の輸入実績を認めることは当然である。しかしその一部分については、新規業者にも認める業種があってしかるべきじゃないか、こういう意味を申し述べたのでございまして、その点で御了承していただきたいと存じます。
  20. 神田博

  21. 中崎敏

    中崎委員 時間の制約がありますので、きわめて要点をかいつまんで、農林大臣に主として質問いたします。  農林大臣の過般来の当委員会における発言によりますと、今回のバナナに対する外貨割当措置というものはおおむね適当である。ただ輸入の後においての措置として、このバナナ価格が不当に上るというようなことになると工合が悪いというので、三十一年度のバナナに対する外貨割当等について、またその時期、金額等について、適正にこれを扱うことによって価格の不当な混乱を防止することによって十分であるという発言であったように思うのでありますが、その点変りありませんですか。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 さようでございます。
  23. 中崎敏

    中崎委員 それではお尋ねいたしますが、今回のこの外貨割当措置というものが、その結果において必ずしも適正でなかった、このことは通産当局においても、すでに認めておられるのであります。従いまして、今回のこの外貨割当実績というものは次の外貨割当については何ら基準にしないんだ、既成事実として何ら認めないということは、今回のそうしたことが結果的に見てもまずかったということをはっきり認めておられるわけであります。さらにまた私たちが知らないうちに決定されておりますところのこのバナナ法案につきましても、これは附帯決議がつけられておりますが、「政府は、本法案に基く外貨割当をなすに当っては、正常な輸入秩序の維持に関し特段の留意を払うべきである。」ということは、今回の措置が不適当であったために、結果から見て、従前の幾多の苦労をして犠牲を払って実績を持ったところの輸入業者が、全面的に締め出しを食って、何らこの者に携わるところの機会を与えられなかった、これは適当でないからということになるんだと思うのであります。が、そうしますと、農林大臣の言われることと、通産省措置と、さらにこの決議との趣旨とにおいて相当の食い違いがあるのじゃないかと思うのでありますが、その点いかがでございますか。
  24. 河野一郎

    河野国務大臣 私は一回の入札をもってこれを実績にとるということは適当でないと思います。入札できめたというその行為入札によってこれをやるということは一つの行き方でございます。実績をとるが、実績で話がうまく妥当にいかない場合は入札でやるということも一つのやり方だと思うのであります。しかし入札で一ぺんきめたらこれが実績になる、そういうわけにはいかぬということだと思います。
  25. 中崎敏

    中崎委員 この点につきましてはまず第一に、今回の措置によりまして大臣は、一つ余剰価格といいますか、あまりもうけ過ぎているから、その金を政府の方で吸収するんだからいいじゃないかという考え方のようであります。従いましてそういう考え方の上に立つならば、この次も同じような方法によってやられるのかどうか。そうすれば結局においてやはり依然として高く入れた人がとっていく。しかも今度のような場合においても全芭連というものが結果的に見ればほとんど独占的にやる。入札はやっていても、そういうものの入札の何まで買い上げて、一つのところへ集めてきておるというような状態が見受けられるのでありますが、今後の場合においてもやはり同じような考え方の上に立って、いわゆる最高の入札順にどんどんとっていかれるということにされるのかどうか、お聞きしたいのであります。
  26. 河野一郎

    河野国務大臣 これは主として通産大臣のおやりになることでございますけれども、私は国家の立場からいたしますれば、国内のバナナの需給の関係と見合って価格が出て参ります。その価格の差益はなるべく政府が多く吸収することが妥当であると思いますから、その際に通産当局としては適当な差益の吸収金額を想定され、それで話がつけばけっこうでございましょうし、話がつかなければ入札でやることもまた一つの方法である、こう考えております。
  27. 中崎敏

    中崎委員 まず今回の外貨割当の内容について見ますと、外国商社といいますか、華商に対しまして二三%の割当がされておるのであります。これはおそらく随意契約によるものと思うのでありますが、これについて、四千百八十六円というのが平均したところの日本人の入札した者が一かごについて政府に納めているものであります。ところが、華商については一体どういうふうな価格でこの割当を決定されたのかをお聞きしたいのであります。
  28. 川野芳滿

    川野政府委員 日本人と同様に華商からも納めさせております。
  29. 中崎敏

    中崎委員 金額も同じですか。
  30. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 金額は日本人の平均四千百八十六円と全然同じものを一かごについて納めさせるということで、これは全部ジェトロに金が入っております。
  31. 中崎敏

    中崎委員 そうしますと、これは随意契約でありますからして、もう初めから入札によって、そうしてこれが割り当てられたものではないのであります。それは事情は他にあるかもしれません。けれども、国内的に一般の人間に対してやるよりも特権を——いわば特権です。これはそのいかんにかかわらずやはり二三%というものは当然とっていくんだから。そういうふうな特権措置を与えるということは適当でないのではないか。言いかえますると、そういうふうなことがあるとするならば、国内的にもたとえば適正な価格をつけて、従前の商社にもある程度の割当をする。そうして他の商社に対しても——商社というより、こういうような市場関係の人をどの程度入れるのがいいか悪いかということは別として、実際に能力のある者に割り当てたと言われるけれども、引き取る能力がないから全芭連にどんどん買い集められていく。そういうことでただ利権あさりだけをやっているというような格好になっている。だからこういうふうに秩序を乱すと私は言いたい。もう少し計画的に、一定の割合をもってやるという方法もあると思う。そうすれば秩序混乱しない。たとえば華商に割り当てたと同じような方法によってやったらいいのではないかと思うのでありますが、この点について河野大臣は、こういうふうな華商に対する割当がいいのか悪いのか、さらにこれを将来こういうような方向に押し広めて——金額が四千百八十六円が妥当であるかどうかは別です。あるいは千七百円であるか、あるいは二千八百円であるか、あるいは三千五百円であるか、そのときの一般の査定基準が出てきていいと思うのであります。いずれにしても、そういうふうな一定の標旗的なものを定めて、秩序を維持するような方法をやられたらどうかと思うのでありますが、この点いかがですか。
  32. 河野一郎

    河野国務大臣 これは私の所管ではございませんで、通産省でやっていらっしゃることでありますから、責任ある答弁はいたしかねます。
  33. 中崎敏

    中崎委員 私が農林大臣質問をするわけは、言いかえますと今回のこういう措置が適当であるということをあなたはお言いになる。そうすると、その適当であるということの内容をこうして検討してみれば、われわれから見れば不適当と思われるものもたくさんある。それでもあなたは、やはりそういうふうなものが適当であるとお考えになるかどうか、あるいはそういうことは不適当であるとして、将来通産省と同じような考え方の上に何らか強いアドバァオスをする場合において、あるいは通産省と話し合いをする場合において、そんな無理なことを言うていかれるのかどうか、それを聞いておるのであります。
  34. 河野一郎

    河野国務大臣 私、そういう沿革をよく心得ませんが、案ずるに従来国内人が七十何%、中国人が二十何%という大ワクをきめて、その七十何%を国内の実績者で分けておるというような経過になっておったのではないかと思うのであります。そういうことからまず中国人の方はそれで話がきまって、国内の方の七十何%を適当にきめようということで話をしたところが、話がまとまらなかった。まとまらないので仕方がないから落札してきめた、こういうことじゃないのですか。どうも私は詳しいことを存じませんが、そういうことで話がまとまればまとまるで、政府としては公正な差益を吸収して、一部特定の者に不当な利益をおさめさせるということはよろしくない処置でございますから、そこで公正な差益の吹収をするという話し合いがつかなければ、入札によって一番高いものから落していく、これが一番公正な処置だというふうに思うのでございます。それで、これも一つの妥当な方法じゃないかと申し上げたのでございます。
  35. 中崎敏

    中崎委員 そこで問題があるのです。言いかえますと、外貨割当の権限というものは政府にある。従いまして、大ていのことはみな政府がこうだといって、一方的に割当をやってきておる。この場合に限って業者の話し合いがつかぬから、それで入札をさせた。結果において大きな秩序混乱を来たした、こういうことなんです。今後ともに、たとえば七七%の中からこれだけを輸入業者に割り当てるのだ、これだけは全芭連業者とか、あるいは実際に加工業者に割り当てるのだとかいうようなことをやれば、七、三とか、八、二とか、こういうのがちゃんと出てくる。それをこの場合に限ってなぜやらないのか。そして今度はこういう疑惑を持たすようなことをやっている。しかも現在バナナがどうして高いかといえば、そういうふうにすったもんだしてどうしてもうまくいかないので、バナナの現品がほとんどないからべらぼうに高い。であるから、現在のこのべらぼうに高い値段をこの次もやられるということになると、やはり独占的な輸入権を持っておるところの全芭連が莫大にもうける。それが疑惑だというのです。あなたは福田君に会ったとか会わぬとか言われるがそういうことは問題じゃない。えたいのわからないところの全芭連が出てきて、独占的に一ぺんにやった。しかも今回の不当な入札の方法によってそういうことになった。しかも現在バナナの値段はべらぼうに高い。そういう状態において、今回はたった二百二十五万ドルしか輸入されていないのだから、どうしてもこれがべらぼうに高くなる。また今度今のような混乱した価格が維持されるということになれば、結局において市場の秩序を乱す、同時に価格においてもそういうことになるということが考えられる。一方、少数の人間たちが不当にもうけるという結果になるから、こういうやり方は適当ではないのじゃないか、こういうことを私たちは言っておるのでありますが、その点いかがですか。
  36. 河野一郎

    河野国務大臣 お話しになることがどうも私にはよくわからないのですが、今は入っていないから、高いか安いかよく知りませんが、高いかもしれません。しかし、入札をして落した連中のバナナが入ってくれば、たくさん入ってくるからバナナが下って平常の値段になるだろうと思います。もし高ければもっと為替の割当をやればいいのでありますから、あとは遅滞なくいたすようにさせますと申し上げているのでありますから、決していつまでも——今落札した男の立場を保護するためにあと外貨割当はいたしませんというならばそういうことになりますけれども、外貨割当は年間を通じてどのくらいあるということはみな承知の上で、みなそろばんをはじいて、このくらいの外貨割当があるのだからこのくらいまで値を入れても差しつかえなかろうということで皆さん競争入札なすったのですから、競争入札してとってきたものを入れてやる。あとからわれわれが、福田がとったのだからあと割当をしばらく押えてやれ、そうしてもうけるまで入れないでおいてやれということにしたら悪い。それだけのことじゃないかと私は思うのです。ほかに別にちっともそう大して不思議はないと思うのです。どうもたびたび私をお呼び出しになっていろいろおっしゃいますけれども、私が申し上げる通りあと外貨割当をしないで押えておったならば悪いから、そういうことが絶対ないようにいたしますと言っているのであって、年間を通じて四百何十万ドルというようにバナナ輸入の為替はきまっているのです。これは台湾との約束できまっている。それは年間を通じて割当をいたします。そのする際に、だれによこせ、かれによこせと、今までのように特定の者がとってもうけたとかもうけないというのはよくないから、話が円満にまとまり、政府の差益吸収が妥当公正に行われるようにしたい、それで話がうまくいくならばそれでけっこうだが、うまくいかないから入札でやらせる、おそらく社会党内閣がやってもこれよりほかに方法はないと思います。それを特定の者だけに為替の割当をやれば従来のようなことになるのじゃないかと思うのです。また農林省の立場から申せば、先ほど来申し上げました通り…。
  37. 中崎敏

    中崎委員 大体の趣旨はわかりますから、簡単に言って下さい。
  38. 河野一郎

    河野国務大臣 そういうことです。
  39. 中崎敏

    中崎委員 その問題についてでありますが、河野農林大臣は大きな政治問題にはなかなかたんのうのようでありますけれども、こういうような具体的な問題については十分にお知りにならないような点がある。言いかえると、ただ大きいことだけひょっと指図されるからそうなるのかもしれない。現に四百五十万ドルの予定のものが二百二十五方ドルしか輸入されないことになる。言いかえれば半分しか輸入されない。そうして今度は、来年度はどんどん輸入をするということをあなたの方は言われるが、来年度は台湾との協定において一体何ぼになるかということはきまっていない。あなたの方は四百五十万ドルきまっておるとお言いになっても、実際にはそうはいかないのです。今ここで二百二十五万ドルしか予定されていないから、次にやはり二百二十五万ドル以上輸入されるということになれば、しかもそれが、この二百二十五万ドルを切らないうちに早いうちに呼び水を入れてどんどんやるということになれば——そういう具体的な方法さえわからないのにただやれやれと言われても、今日までのやり方について信頼できないのです。だからそういうことについて、たとえばまずどういう人に割り当てるか、一体どういう方法で今度の場合においては外貨割当をするかということがはっきりわかりますか。今それがまとまらない。また半年も先になって、すったもんだしているうちに台湾のバナナは腐ってしまうということになる。そういうことを考えると、やはり福田は頭がよいから、ちゃんと二倍にでもなるような手を打たれるということになる。それでは非常に不都合であるから、そういうような方法でないような方法はどこにあるのかということをわれわれは聞いているのです。
  40. 河野一郎

    河野国務大臣 わかりました。私の知らないことがありまして答弁がまずかったと思いますが、台湾の方が、あまりこちらから片貿易になっておりまして、為替が、向うに約束通り売れませんから、そこでこちらの買う分が、それだけの為替が十分出てこないというようなことがあるそうであります。しかしこれは何も政府の行政方針じゃなくて、一般の経済上に起っておる現象でございますから、いやしくも貿易をやって、こういうものに入札される人は、そういうことはみな頭に入れてやられるのじゃないでしょうか。こっちに台湾から買うべき為替があるにもかかわらず、政府がその為替を押えて、そうしてことさらにもうけさせるということをしたらこれはよろしくないから、そういうことは絶対にまかりならぬことだと私は申し上げたのであります。しかし今言う通りに、台湾との関係がだんだん片貿易になりかけて、こちらの品物をなかなか買わないということがあるそうでございますが、そんなことのためおくれたりいろいろな問題があったそうであります。しかし一般の商売で入札する人は、そんなことはみな百も二百も承知の上でやるものではないでしょうか。しかしそういうことはよくわかりません。わかりませんが、今お説の点もよくわかりましたから、そういうことのありませんように、たとえば硫安等を特別に出してやるとかなんとかして、そういうことのないように私も努力いたします。
  41. 中崎敏

    中崎委員 そういう点について責任を持ってやられればそれでいいのです。言いかえますと、片貿易であるからしょうがないじゃないかということでやられると今のようなことになる。言いかえれば、四百五十万ドルの予定で輸入されるとして、その予定通りになればこんな混乱は起り得ない、ところが二百二十五万ドルで一年をぴしゃっと締められてしまうと、バナナの値段はべらぼうな高い値段になってしまうのです。だからこういう人たちがうまくやって、権利まであさって、莫大な政治資金まで使ってやることになる。だからそこのところは、あなたたちがよく責任を持ってそういうことがないように善処するということがはっきりすればいいが、それでない限りにおいては、われわれは、この法案をほんとうにまじめに審議せよといっても、何をやられるかわけがわからぬような場合においては、ああそうですが、おやりなさいということは言えないのです。
  42. 河野一郎

    河野国務大臣 お話よくわかりました。私も今の点を存じませんで答弁しておりましたので、はなはだ不行届きの答弁をしたと思いますが、それにつきましては、台湾の関係でございますから、硫安を持っていくとかいろいろ持っていくものがあると思います。こういう点につきましては、私も格別の努力をいたしまして、そういう点のないように一つ善処いたします。
  43. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほどの質問に関連して端的に一言だけお伺いしたいと思います。今回のバナナ入札制度につきまして、いろいろとこれが問題を起しておるということは、従来の質問等で御承知だろうと思う。ことに輸入秩序を乱したということと、それから市場の秩序を乱したということ、そのためにバナナの方に、いわゆる他の青果物等の資金も吸収せられて、市場におきましてはいわゆる三日払いが原則でありますが、そういうふうなことで金が入らない。従って農産物の生産者あるいは農協等への金の回りが悪いということも聞いておるのですが、こういう事態を起していることにつきまして、農林大臣は一昨日、この方法は公正かつ妥当な方法だと思ってやらせた、こういうふうに言うておりますし、またきょうの御答弁の中でも、これがいいのだというふうに言うておられるようでありますが、この方法を今でもいいと思っておられますか。そういうふうな問題があったので、今後は変えようと思っておられるのか、その点はっきりと御答弁願いたいと思います。ことに樋詰次長とか通産省関係の方は、これは特例中の特例である、異例中の異例であるというような言葉を使っておられて、暗にこの方法はまずかった、今後はこういうことはやらないということを言うておられるように思いますが、この点通産省農林省の間にだいぶ食い違いがあると思われますので、はっきりして下さい。
  44. 河野一郎

    河野国務大臣 今、農産物の市場からの支払いが云々というお話でございましたが、これはすみやかに調査いたしまして、そういうことになっておりますれば別途考慮いたします。  それから今回の措置は妥当でなかったが今後これについて云々というお話でございますが、これは入札制度はあまり結果がよくなかったということだと思うのであります。十分に勉強して将来改善するように努力していただくようにいたしたいと思います。
  45. 川野芳滿

    川野政府委員 将来の輸入方式の問題でありますが、これは私もたびたびこの席で言明申し上げたと思います。今回の入札制度の問題等もよく研究いたしまして、適正な輸入方式をきめたいと考えております。
  46. 田中武夫

    田中(武)委員 ただいまの双方の御答弁によりますと、今後研究しよう、こういうふうに承わるのでありますが、先日来の樋詰次長さんの説明を聞いておると、これはもう異例中の異例であるというようにはっきり言うておられたように思いますが、この点少し食い違っておるように思います。  それから、本日の冒頭において、通産政務次官は一昨日の答弁を変えておられるようでありますが、この点についてもう一度はっきりお伺いしておきます。これは昨年の十二月十四日に農経五千四十二号をもって農林大臣命令として東京都知事に出された通牒の文面には、農林、通産両省合意の上云々ということになっておるが、これについて一昨日私がお伺いしたところ、通産省はこれを出されたことを全然知らなかったというふうにお答えになっております。きょうの冒頭では、言葉が足りなかったからということで若干補足的なことを言っておられましたが、この点ほんとうに知らなかったのか。農林省通産省にそういうことを何も言わずにこの通牒を出されたのか。この点双方おられますからはっきりしておいていただきたいと思います。
  47. 川野芳滿

    川野政府委員 輸入方式を決定いたすにつきましては、農林省通産省と合意の上で決定いたしたような次第であります。従ってその結果都条例改正という問題が起りまして農林省の方でおやりになった、こう私は了解いたしております。その結果が通産省に報告された、こういうことになっております。都条例改正問題については、先ほども申しましたように、農林省専管事項でございまして、通産省がかれこれ言う筋合いのものではなかろう、従って農林省専管事項ですから農林省でおやりになった、こういうことであろうかと考えます。
  48. 加藤清二

    加藤(清)委員 農林大臣に集約して簡単に質問いたします。御承知のごとくこの法律は前の国会にも上っておったのですが、わが党としてはあなたがさっきおっしゃった通り賛成なんです。賛成して早く通そうと言うておった。ところがあなたの方の都合で延び延びになって結局今日こういう問題が起ってきた。いわばあなたの方の砂糖と抱き合い心中をさせられた。だから延び延びになっておる責任はと言われたら、どっちかというと農林省にあると言いたい。  そこでお尋ねしたいことは、これは通産省の所管であるとこの前の質問であなたはお答えになっておりますが、通産省の所管のものに対して、農林省はとかくいろいろなサゼスチョンが多いようで、そのサゼスチョンが通産大臣の力よりも大きいようであります。従って伸びたり縮んだりするようでありますが、あなたは先ほど来のお答えの中にもありましたように、今後の割当については遅滞なく行わせるという御答弁でございますが、この遅滞なくの時期は一体いつですか、いつ発表されますか。それからこの割当方式については、一体どのような基本方針を持っておられますか。
  49. 河野一郎

    河野国務大臣 日台間の貿易につきまして、今政府はいろいろ協議をしておりますから、それが結論を得ますれば、そこに基本的な方向が出てくる。それについて通産当局は遅滞なく妥当な行政をなさる、こう考えております。万一その際に異常なバナナの高騰を見るとかいうようなことがありますれば、私たちといたしましてはこういう事態はあまり正しくないから何とかお考えになったらどうかということを通産大臣に御注意申し上げる、こういうことの意味合いで先日来お答えを申し上げておるのであります。
  50. 加藤清二

    加藤(清)委員 その遅滞なくという言葉ではどうも不安定なんです。と申しますのは、バナナ割当がずっと年来おくれてきているという事実をあなたはよく御存じでございましょうが、これはいつも遅滞なくやる、遅滞なくやるということで、当年からひどい場合には八カ月も、あいは一年余もおくれたことがあります。一昨年は一年余もおくれました。それがほとんど大臣が外国に行ったとかあるいは大臣がかわったとかいろいろな、いわば政府部内のおえら方の御都合によって延びてきている。これはあなたの責任というわけではありませんよ。あなた以前の場合のことですから。そこで遅滞なくと言われても、過去が過去でございますからなかなか信用ができないわけであります。従って時期をお示し願いたい。いつごろ次の割当をなさるか。この一点によってあなたのおっしゃるところの、今後バナナを暴騰させないということを実現させるポイントだと思う。従っていつ次の割当を行う——幾らということは日台協定が変れば変ってくるでございましょう。ところがいつというくらいのことは、日台協定ももう終りに近づいております。従ってすでにおわかりのはずであります。
  51. 河野一郎

    河野国務大臣 先ほど申し上げました通り政府は行政上の責任を持ってやっておるのであります。このやりまする行為が今信用ができるとかできぬとかいうことでありますが、信用ができなければおのずから責任をとるべきであります。私は将来の点につきましては、先ほど来申し上げます通りに、遅滞なく責任を持っていたしますということをここに言明いたしまして、この言明がはずれましたり言明通りにいたさかったなときには、いかように御批判をちょうだいいたしましても私としてはやむを得ぬことでございます。私は大よそ行政の衝に当ります者は、それぞれの責任においてやることでございますから、その責任範囲内において正しく行なっていく、それが間違っており、先ほど来申し上げます通りにこれが遅滞なく行われずに、不当な利益を与えるようなことになれば、そのときはその責任はあげて私にあるということになっても私は苦しくございません。
  52. 加藤清二

    加藤(清)委員 まことにけなげな御覚悟を承わったわけですが、それがときどき狂うのですよ。なぜ狂うかといえば、砂糖の問題に例をとれば、さきの国会ではこういう場合の答弁だけでなくして念書まで入っていた。しかも銀行保証まで入っていた、それが御破算にさせられていった、そういう事実が農林省の中にはあるわけなんです。
  53. 河野一郎

    河野国務大臣 今まで農林省にはそういうことはありませんよ。
  54. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは農林省じゃなくて、通産省と共管の問題で、通産省の中にあると補足しておきましょう。事実入った七十億の中にあの念書の問題はついに雲散霧消してしまった、そこで私が承わりたいのは、この次の割当の基本方針、先ほど来今回の分を実績に認めるとか認めないとかいうお話がございましたが、簡単にこの次の割当の基本方針農林省としてはいかようにお考えでございますか、このことは何も日台協定が延びようと延びまいと関係がないことであります。
  55. 河野一郎

    河野国務大臣 これは通産省で基本方針はお考えになる。それの御相談を受けることでございますから、私の方で主導権を持ってやることではございません。いろいろそのときの御都合もおありでありましょう。ただ私は先ほど申しました通りに、一ぺんの入札実績になるというようなことは私は考えておりません。これだけ申し上げて御了承願いたいと思います。
  56. 加藤清二

    加藤(清)委員 それではもう一点だけ承わりますが、その際にも、また異例措置とか言われますとまた問題をかもし出すわけでございますが、一部特定の業者利益があった場合には新規業者輸入を認めるというお言葉がございました。そこで新規業者を許す場合の基準を私は通産省あとからゆっくりお尋ねするつもりですが、農林省としては貿易の新規業者を許す場合にどういう基準があったら、あるいはどういう状態が出来したならばこれを許すかという基準があることだと思うが、その基準をお示し願いたい。
  57. 河野一郎

    河野国務大臣 これは加藤さん御承知の通りに過去の実例はいろいろさまざまになっております。さまざまになっておりますからここに一つ基準を示せとおっしゃいましても、それはそのときに出てきた状態によって適当に扱われるのであります。一つ基準があって、その基準通りにはいっていないものと思うのであります。一番最善な方法を勘案いたしまして決定すべきものであって、これは輸入業者だけでやってよろしいならば非常に簡単でございますが、輸入業者だけに扱わせますと、為替の割当をいたしますときに輸入業者が不当な利益をおさめまして消費大衆に非常に迷惑をかけておる例もございますし、ないしはまたその輸入が遅滞いたしまして、燐鉱石のような場合にはどうしても製造業者に為替割当をしなければならぬというものもございますし、ないしはまた御承知の京都の染物屋のような場合には、のりの原料をのり屋に与えないで染物屋に与えておるという場合もございますし、千差万別一様でございませんから、どれが一番大衆のためによろしいか、どれが一番公正であるかということで標準はきめていくべきものだと考えております。
  58. 加藤清二

    加藤(清)委員 それは個々別々で千差万別である。同じ農林省の問題でも、塩と砂糖と同じようなものでありながら違っている。同じバナナにしてもいろいろ過去に方法があったことはよく皆さんが御承知の通りでございまするが、それにしても新規業者を許すということは、これは新しい行き方でございまするから、それについて基本があると存じますけれども、その基本は、その場当りだ、こういうことになりますると、行き当りばったりで、出たとこ勝負できめていくということに解釈してよろしゅうございますか、そうでなくして何か基準があると思いますが……。通産省には基準があるようでございます。
  59. 河野一郎

    河野国務大臣 出たとこ勝負で行き当りばったりでやるというような無責任なことは行政庁のとるべきことじゃない、これは当然です。そのときの良識で判断をいたしまして妥当な処置であるというところにいくべきものだと私は考えます。ただだれがやってもよろしい、出たとこ勝負というようなことじゃないのであります。おのずからそこは社会の良識がこれを決定すべきものである、こう思います。
  60. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうすると、農林省としては将来AA制にすることに賛成である、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  61. 河野一郎

    河野国務大臣 AA制がとるべき処置であるということはこの間も申し上げた通りであります。ただし今申し上げますように、これによって影響するところが非常に多いのでございますから、それらについてはしかるべき委員会なり設けまして、それによって、暫定期間を置いて、いつごろからAA制にする、その間に準備しなさいというようにしてやっていくべきものだ、こう考えております。また反面、AA制にいたしますことによって国内の農産物、その他産業が不当に圧迫をせられまする場合には、国内のそれら農産物、他の産業については、しかるべき助長の施策をいたしまして相待っていくべきものだ、こう考えております。
  62. 加藤清二

    加藤(清)委員 ただいまのような農林省の御答弁でございますると、これはAA制でもなければ、あるいは割当制でもなければ、その場の行き当りばったりだ、行き当りばったりだという言葉は言いにくいから、そうではないが基本方針はないのだ、こういうことのようでございますが、いずれにいたしましても通産省は基本方針があるということになった方がいいわけなんです。だからこの点については農林省よりも通産省の方が一歩進んでおると思います。そこでその進んでおる通産省方針と、進んでいない農林省方針が違うておるわけなんです。一体その場合に、今までは別として、今後いずれが優先いたしますか。幸い安田局長もおられることでございますので、お尋ねいたしますが、通産省の基本方針が優先するのか、農林省のサゼスチョンが優先するのか、その点を一つはっきりしていただきたいと思います。
  63. 川野芳滿

    川野政府委員 私は通産省できめまして農林省に相談する、こういうことで現在きまっておると了解しております。
  64. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 これは農林省通産省が違うとか一般方針と個別のものとがやや違った事情にあるとかいう実態上の問題あるいは一般的な基本的原理の問題ではないと思うのでありますが、政府は一体となりまして農林物資につきましては通産省から相談をいただいたり、私どもから意見を申し上げたりして両者一致したところでやるべきものである、また過去もそうであると思っております。
  65. 加藤清二

    加藤(清)委員 業者と一致しておったらこんな問題にはならないのです。
  66. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 いや両者であります。
  67. 加藤清二

    加藤(清)委員 両者が一致すればなおさらだ。この法律は先国会で上っておったはずだ。
  68. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 前国会の法律案についての審議のことは国会の審議のことでありまして、政府はちっとも関係がないというわけではございませんけれども、ちょっと問題が違うんじゃないかと思います。
  69. 加藤清二

    加藤(清)委員 あなたの答える場所が違う——両者が、つまり農林省通産省とが協力してやる、こういうお話でございまするけれども、協力されていたらこの法律はもう通っておるはずです。時間がなかったから私はやめましたが、この国会が上げた法律を、農林省のおかげで延び延びにされたというのは、このバナナ法案だけではないのです。前の砂利法案もそうなんです。いつもその際には農林省の意向の方が勝っておる。こちらの方は協力して上げようとした。ただ先ほどどっかからやじが飛んだのですけれども、とんでもないことです。昔から通産委員をやっておったならば知っておるはずです。砂利法案もそうです。私どもは賛成でこの委員会は通っていった。ところが参議院の方であなたたちの党がもめちゃってあの砂利法案は流れ流れて三年もたなざらしを食ってようやくこの間まとまった、こういうことなんです。事実なんです。私どもは賛成したのですけれども……。このバナナ法でもそうですが、農林省のおかげでたなざらしを食って延びてきた、農林省からのサゼスチョンがあったのです。砂糖と抱き合い心中させたからなんです。そこでいつものことでございまするが、通産省は一体自主制があるのかないのかということが聞きたい。特に外貨割当の問題になりますると、やれ大蔵省がこういうことを言うからそれはできないとか、これは外為の方がこういうことを言うからそういうことはできないとか、農林省がこういうことを言うからこの法律はちょっと待ったとかいう、一体通産省は自主性があるのかないのか、この問題について川野次官でなくて、石橋さんに聞きたいのでございますけれども、おられないから先を急ぎます。  せっかく都の方が来ておられるようでございまするから承わりまするが、全芭連という組合の実態を私はよく存じておりませんし、中央卸売市場の実態もよくわきまえておりませんが、この際都の方に承わりたいことは、第一番に中央卸売市場におけるバナナ色つけ業者の地位というものでございまするが、これは卸売とはいうものの中央卸売市場で実際の卸ができるというのは二、三の業界だけであって加工業者はこの権限がないというのが普通であると心得ておりまするが、一体東京都の方はいかように相なっておりまするか、伺いたい。
  70. 石井孝義

    石井参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。中央卸売市場取引の本体に照らしましても、卸売会社がバナナを引きまして、集荷いたしまして、それを競売なり相対売の形式をもって仲買人に売り渡し、仲買人が本質的に都の施設であるところの発酵室の使用の許可を得てこれを追熟加工するというのが本体でございます。従って仲買人というものこそが加工業者である、かように心得ております。
  71. 加藤清二

    加藤(清)委員 従って色つけ業者加工業者というものは、インポーターから品物を買って、これを色づけをする、色づけをしてから今度はそれを卸売市場に出す。これが仕事の内容だと心得ておりますが、これは間違いございますか、間違いございませんか。
  72. 石井孝義

    石井参考人 大体お説の通りでございますが、仲買人が色づけをして自己の店舗において一般の買い出し人に販売する、市場の中ではこういうふうになっております。
  73. 加藤清二

    加藤(清)委員 市場がいろいろに区画されておりまして、そこの自分の店へ出してそこで売る、こういうことなんでございますね。従ってこの仲買人つまり色つけ業者なるものは、その市場外で物の売買をすることは過去においては許されていなかった、こう解釈してよろしゅうございますか。事実私もそう心得ておる。今まで経験していますけれども、その点はいかがでございますか。
  74. 石井孝義

    石井参考人 その通りでございます。
  75. 加藤清二

    加藤(清)委員 その次に加工設備でございまするが、これは加工業者が持っているという面もありまするが、都道府県が大きい場合には大てい都道府県立の加工設備がございまして、所有権は都道府県にあってこれを色つけ業者に賃貸貸しをする、色つけ業者は都道府県の許可を得てそこを永続的にではなく瞬間的に、ぼちぼちと荷が入ったときに借りて、その設備を使用しているものだ、かように心得ておりますが、これは間違いでございますか。答弁は簡単でよろしゅうございます。
  76. 石井孝義

    石井参考人 ただいま都道府県といいましたけれども、これは六大都市中央卸売市場が、いずれも市場施設として公共団体の手によってバナナ発酵室を開設いたしまして、そこをバナナ加工業者であるところの仲買人に使用許可を与えております。その使用許可は瞬間的ということではございませんで、大体においては常に継続的に貸してあると思います。
  77. 加藤清二

    加藤(清)委員 その瞬間か永続かということでございますが、バナナの入ったときしか使わないのです、そしてそのバナナが断続的に入ってくるのですから、私は瞬間という言葉を使ったわけなのです。  さてその次に承わりたいことは、この際全芭連という実態を私はよく存じ上げていないので、教えていただきたい。なぜかならば、これは本省において今度インポーターとして認められたものでございますから、インポーターを認める資格の基準にもなると思いますので承わりたい。大体この全芭連というのは全国にまたがっておるとは聞いておりますが、全国の加工業者のオール組織でございますか、一部分の組織でございますか。
  78. 石井孝義

    石井参考人 中央卸売市場における全芭連の姿といいますと、大体バナナの発酵技能、販売の経験を有する仲買人のうち、過半数を占めております。そのほか都市によってその度合いその他は違うと思いますが、必ずしも国内の加工業者が全部残らず加盟した結集団体とは認められないと思います。
  79. 加藤清二

    加藤(清)委員 過半数とおっしゃると私は質問をしなければならぬ。なぜかならば、先般行われました入札権の有資格者は八百二十一軒あったはずです、そのうち全芭連の占めるものは二百六十一軒。そうでしょう、これは間違いですか。
  80. 石井孝義

    石井参考人 ちょっと私どもは直接仕事上タッチしておりませんので、何名なのかわかりません。
  81. 加藤清二

    加藤(清)委員 私はあなたを責めているのではないのですから、私が簡単に二つ質問を提供しますから、そのいずれであるかを答えていただけばけっこうです。  そこで、私の調査によりますと、過半数じゃないわけです、一部分なのです。ところがあなたは過半数だとおっしゃったから、それで追って質問、こういうことになったわけです。八百二十一軒の二百六十一軒というのは過半数じゃなくして、これは一部分だ、私はさように心得るわけなのです。  さてその団体は、参考人の肩書によりますと全国芭蕉卸売組合連合会、こういうことになっておるようでございますが、この連合会は一体どういう組合法によってできているものでございますか、この点あなた御存じありませんか。
  82. 石井孝義

    石井参考人 私どもは直接その団体の性格とか、どこでどういう許可を受けたかということは存じておりません。  ただ先ほど過半数と申し上げましたのは、中央卸売市場仲買人の中で、過半数を占めているということでございます。
  83. 加藤清二

    加藤(清)委員 一部分の過半数でございますね。——わかりました。  それでは安田局長通産省にお尋ねしなければなりません。全国連合会という以上は、いかなる法規に基いて作られている組合であるかは御存じのはずだと思いますが、何法に基いた組合ですか、安田さん。
  84. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 中小企業等協同組合法に基いた組合だと聞いております。輸入業者と全芭連と直接その当時分析して考えているわけでございません。
  85. 加藤清二

    加藤(清)委員 中小企業等協同組合法によると今承わりましたが、その設立及び登記はいつ行われたのでございますか。
  86. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 ただいま頭の中にございません。
  87. 加藤清二

    加藤(清)委員 樋詰さん、通産省……。通産省答弁
  88. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 後ほど調査いたしまして……。
  89. 加藤清二

    加藤(清)委員 これだから困るのですよ。設立がいつ行われたのやら登記認可がいつ行われたのやらわかっていない。そんなものは……(発言する者あり)なぜかというと、皆さん、こういうことなんです。新規業者として認める以上は、その組合の実態から、組合の資産から、すべてがわかっていなければ貿易を許されていないのです。しかも今まで過去に貿易の実績を持っているところの商社が新しく許される場合に、どれほどむずかしい規則を作っていらっしゃるか。過去に実績を持ち、店舗を持ち、外国に支店も持ち、その上なお銀行保証から何から、すっかり信用のあるところでさえも新規業者としてはなかなか認めていないのだ。そういう事実に徴して、組合の実態がわからない、会社でいえば会社の経歴書なんだ、その経歴書がわからずに——私は何もむずかしいことを聞いているわけじゃない、しごく簡単なことを聞いている、農林省も、通産省までがわからずにやったというに至っては言語道断、ずさんきわまりないものであると言われてもやむを得ない。
  90. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 ただいま御質問になりました全芭連は、本年一月局の担当課においてよく研究の上認可いたしました。その前は任意団体かと思います。しかし輸入取扱い業者として、いろいろ通産省と御相談申し上げましたものは、市町村長または市場開設者が、室施設を使うことのはっきりした権限を与えられたものという明確なもので、市町村長及び開設者というのはそこをよく監督し、かつ使用権を許可いたされましたので明確だと思います。全芭連そのものとは考えておりません。
  91. 加藤清二

    加藤(清)委員 それじゃ承わりますが、ジェトロへ金を納めて銀行保証したのは一体だれか。今のような御答弁であって、全芭連とは関係ないということになりますると、関係のない者が銀行保証まで無理やりにとってきて金を納めたということになりますが、それでよろしゅうございますか。
  92. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 関係がないと申し上げたわけではありませんので、輸入取扱い業者として入るには、そういう資格のしっかりした市町村長や市場の開設者が、ちゃんと権利を明確に認めてあげた方ということで取り扱ったということであります、その人々がかなり多く入っておると思いますが、その組合とその人との関係についてはお答え申し上げておるわけではございません。入札の結果その金融がどうなるかということは、直接農林省はタッチいたしておりません。
  93. 加藤清二

    加藤(清)委員 私がお尋ねしておりますのは、どういう手続で入札資格者をお許しになったかを聞いているのではなしに、全芭連という組合はどういう組合かということを聞いているのですから、混乱をせぬように一つ答弁を願いたいのでございます。  引き続いてその見地に立ってお尋ねをいたしまするが、この組合員の数を会長にお尋ねいたしました場合に、それは存ぜぬというのが会長さんの御答弁でございましたが、会長さんにして組合員の人数を知らないということは、まことに奇妙きてれつでございまするし、その主なおそこへ応援に現われ出た人が理事長という肩書きでございました。ところで、中小企業等協同組合法によりまして、会長制度と理事長制度と専務制度とは、一体どのようになっているのか、私は全国の理事長を長年やった経験がありまするので、この組合法をよく存じ上げておりまするが、一つの組合に理事長と会長とがひっついておる、不可思議きわまることだと思いまするが、そういう異例措置が組合内において行われているならば、その理由もおそらくや通産省ないし農林省はお調べになったことと存じまするが、いかなる理由でございましょうか。この点を一つ懇切丁寧に御説明を願います。
  94. 川野芳滿

    川野政府委員 どうも少し私といたしましては、無理な質問ではなかろうか、こういうふうに考えております。
  95. 加藤清二

    加藤(清)委員 それではこれは無理だとおっしゃるから、あとでよろしゅうございます。何も政務次官に聞いているのじゃないのだから。  それではあと急ぎますが、全芭連からわれわれの手元に出ましたところの参考意見書なるものを私は見ましたが、この参考意見書がまた珍無類なものでございます。この中小企業等協同組合を設立する前は任意の団体であったと存じまするが、これは東京都にお尋ねいたしますが、この任意の加工団体利益を目的としておりましたか、それとも慈善事業をやっておられましたか。
  96. 石井孝義

    石井参考人 仲買人の組織の問題については、彼らの共通の利益に立っていろいろ経済的な活動をやっておるわけでございまして、共同に施設をやり、共通に加工をやるというような趣旨であるかと思いますが、そのものが特に不当な利益を搾取するためであったとか、あるいは単に慈善事業であったとかいうようなことは、ちょっと存じておりません。
  97. 加藤清二

    加藤(清)委員 確かに中小企業等の協同組合であれば経済活動をやる団体だと私は心得ております。ところがこれが経済活動でなくして、利益を目的とするものでないという意見書を私らのところへ出しておられる。そうなると慈善団体かと、こう聞きたくなるわけです。  そこであなたの方の都の施設の使用を許す場合に、一体全芭連に許されておりますか、それとも全芭連ではなくして、その傘下の個々の業者に許されますか、この点を承わりたい。銀行の方は全芭連というものを対象にして銀行保証をしておるようでございます。ジェトロの方もまたこれを相手取って相談をしておるようでございます。ところがこの団体設備を借りて加工をやるというのが仕事の主体でございますが、貸す場合の対象は任意団体にされていたのか、個人にされていたのか、過去のことでけっこうですからこの点を承わりたい。
  98. 石井孝義

    石井参考人 バナナ醗酵室を貸す場合は、おおむね仲買本来の組織体でございます。バナナの専業者だけの集まりということでなしに、それらの団体を対象として、それらの名義において貸してあります。従ってそれらの組合員としての全芭連の加盟員あるいは全芭連に加入してなくても、その組合員として、バナナを追熟加工するのだということで、これらはひとしく使用しております。
  99. 加藤清二

    加藤(清)委員 わかりました。そうするとこの設備を使用する権利と申しましょうか、それは全芭連というものにあるのではなくして、過去において借りたとか、そういう技術を持っているとかいう人の集まりに対して、個々が契約をして、その契約のもとにこの設備の貸与が行われていた、かように解釈してよろしゅうございますね。
  100. 石井孝義

    石井参考人 さようでございます。
  101. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうなりますとますますこの問題は困難を生じてくることに相なるのでございます。遺憾千万でございますけれども、ますます幽霊的存在で、しかもこの組合のことについてあとで研究してお答えになるとおっしゃいましたが、時間の都合上私が申し上げておきます。お気の毒ですからね。この認可は今月に入ってから行われているようでございます。そうなりますと、農林省通産省は設立認可、登記届のしていないところの団体に許可を与えた、こういうことになって参るわけでございますし、その資格は設備を持っているからという御答弁でございましたが、それは設備を借りているということでございます。しかもこれは全芭連ということではなくして、個々が借りていたということでございます。ますます不可解きわまることに相なってきたようでございます。この話の行方が果してどこへ落ちつくのか、私は、新しく制度を変える場合に、異例措置をとって行われたということだが、その目的は経済の安定であり、流通部門の円滑をはかることにあるとの御答弁を信頼して参りましたがここに至りますると、もはやその額面はから手形というよりも、むしろだまくらかしの手形であったと解釈しなければならぬことになったようでございます。まことに遺憾、残念でございます。そこで、一体基準はどこに置いてお許しあそばされたかということをお尋ねしたい。
  102. 川野芳滿

    川野政府委員 今回の新規業者につきましては、たびたび申しましたように、実は個人の資格で割り当てたのでありまして、全芭連という資格で新しい入札の資格を与えたのではございません。そこで基準でございまするが、六カ月以上の加工をやった人、あるいは施設を使った人、こういう人はある程度資格も能力もあるであろう、こういうことで実は認めたような次第でございます。
  103. 加藤清二

    加藤(清)委員 こういうこまかいことは、政務次官には無理なんです。ほんとうは事務当局は知っておらなければならぬのですけれども、それもよく御存じないというのですから、結局この新規業者が許されたということは、調査を十分にして有資格者に認めたということではなくして、調査も何にもせぬで、許したということですが、そんなことを綿密な通産省が許すはずはないのですから、調査をしなくてもこれだけは許せというような命令がどこかから出てきたために、やむなくとられた措置のように常識ある人なら判断するのです。  そこで最後にお尋ねしたい点は、百五十二軒のインポーターでは足りないから新規業者をふやした、こういうことでございますが、バナナ四百五十万ドルの輸入は、一体何人くらいあったら妥当とお考えになりましょうか、この点を一点。ところが全芭連は二百六十一軒ございます。次に、同じような加工業者は残りが四百八軒ございます。残りの方が多いようでございます。そこでこのたびの四百五十万ドルのバナナが全芭連傘下にだけ加工が許されて、残りの四百八軒というものは、加工できなくなってくる。そこで加工業者を助けるつもりでやった、一部業界の独占利潤を防ぐためにやったと口ではおっしゃいまするが、一体二百六十一軒全部に渡ったとしても、なお残りの四百八軒というものは、バナナ加工が許されない結果に相なって参りまするが、これでも通産行政に混乱を来たさないということが言えるでございましょうか。今回の措置に対して、そこから発生いたしました悪影響に対して、いかなる善処方をされまするかこの点をまず承わりたい。  次に、こういうような問題を将来行われるとするならば、これはまた別な機会に、私は同じようなケースでやってもらいたいのがたくさんにございまするから、そのうちにお願いを申し上げるといたしまして、こういうようなことを今後一体やられるか、やられないかという問題が一点と、それから次の外貨割当を一体いつ行われるか。このお答えいかんによって私は引き下ります。なぜかならば、次の割当の時期をいかにするか、次の有資格者をいかにするかということを、きょう大臣がお答えになることによって、業界混乱はある程度おさまっていくという見通しがあるからでございます。通産行政を安定させようとの意図から、ぜひ一つ、同じ考えでいらっしゃる、これは次官さんでけっこうでございます。
  104. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 ただいまの加藤君の発言は非常に重大な問題で、本委員会はまだまだ質疑を続けることを考えておるのでありますが、まだわれわれ納得がいきません。しかし結論的に今回の割当実績としないということと、それから次の割当をいつやるかということは、きわめて重大な問題でありますから、本委員会において後刻理事会を開いてもらって、この分だけは別個に取り扱っていただきたいと思います。これはきわめて重大な問題でございまして、事務当局は今日こういうことをなぜしたかという根本的な問題がここに出てきておる。この問題については何日か質疑をしておるが、事務当局の答弁ではわれわれ納得ができない。
  105. 神田博

    神田委員長 佐竹君のただいまの理事会の御要望につきましては、委員長において善処いたします。さよう御了承願います。
  106. 加藤清二

    加藤(清)委員 委員長の手元において佐竹委員の言を取り上げられたということになりますれば、私もそれでけっこうでございますので、その答弁は保留をさせていただいて、私は次に東京都の方がせっかくいらしておりますから、もう一点だけ伺いたいと思います。それはほかではございませんが、ただいままでお尋ねいたしました点によりまして、大体全芭連というもののある程度の姿がわかって参りましたが、今度は別の角度からお尋ねします。あなたの方で都条例改正を行なっていらっしゃるはずでございまするが、しかもこれはバナナ輸入業者に関することでやっていらっしゃる、こう聞いておりまするが、その改正の理由としてあげられました点は、何と何でございましたでしょうか。
  107. 小金井健男

    ○小金井参考人 私の方で条例改正いたしました理由でございますね。——これはすでに御案内の通りでございまするが、十二月十四日に命令をいただきまして、台湾産バナナ輸入を公正円滑に実施いたしますために、財団法人海外貿易振興会に割り当てる外貨を使用して輸入の実務を行う者の範囲を、単に台湾産バナナ輸入実績者のみに限定せずに、中央卸売市場卸売人仲買人など、バナナ加工施設の所有権または使用権を有するすべての者が参加し得る公開入札によって決定されるということになったことと関連いたしておるものでございます。これと関連いたしまして、中央卸売市場におきます売買取引を公正明朗にいたしますために、その取引は必ず本来の取引段階を通じて行わせるという御趣旨であったのでございます。かように貿易の機会均等とその円滑な実施及び中央卸売市場におきます売買取引の適切な運営をはかるために、都議会に提案をいたしまして、仲買人買付について輸入を含まないという趣旨改正をいたしたつもりでございます。
  108. 加藤清二

    加藤(清)委員 だんだんの御説明ありがとうございました。そうなりますと、その要点は、第一点は通産省及び農林省の命令によってやったものと今おっしゃった。それから都条例改正は、本省において仲買人加工業者を加えての公開入札制が行われるようになって、その後に都条例改正案を提案した、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか、それに間違いないですね。
  109. 小金井健男

    ○小金井参考人 公開入札制が行われるようになるにつきまして、従来参加しておりませんでした者の一部が参加するようになりますについて、従来の都条例では不都合がございますので、参加し得るように改正をいたしたわけでございます。
  110. 加藤清二

    加藤(清)委員 あとの答えが正しいと思います。先の御説明によりますと、公開入札の制度が先であとで変えた、こういうことでありますから、それで念を押したわけでございますが、順序からいきますと、本省からの命令が都にいって、都においては都条例改正して、その結果バナナ加工業者卸売業者のインポーターとしての入札資格を得ることができるようになった、こういうことでございますね。この都条例改正の際に、都としてはこの調査を綿密にするために、卸売業者やあるいは過去の実績を持っていたところのインポーター等々を呼んで、あるいは会合をして、意見を御聴取をなさったのですか、つまり参考意見をとられたことがありますか、こういうことです。
  111. 小金井健男

    ○小金井参考人 その点につきましては非常に歳末押し迫っておった関係もございますし、二、三伺ったところもございますが、徹底してそれぞれ了解を得られるような形で伺ってはおりません。
  112. 加藤清二

    加藤(清)委員 年末忙しいから、これはごもっともですね。忙しいから了解を得ずにとんとんとやった、それは命令であったからやむなく大急ぎでやったのだ、こういうことなのですね。
  113. 小金井健男

    ○小金井参考人 バナナ輸入につきましては、御案内の通り非常にいろいろな変遷を経ておりますし、これが公明に行われることにつきましては、市場といたしましても重大な関心を持っておったところでございますが、国策としてこういう方針によりまして決定いたしました以上、これに協力することがよろしいと考えておったわけであります。
  114. 加藤清二

    加藤(清)委員 都としては、本省の命令ならば上の命令やむなく、国策でございますから、これはごもっともでございます。そこで、それぞれの業界に対して十分に意見を聴取するひまがなかった、こう承わるのでありますけれども、その改正の命令に期限が切ってございましたか、これは文書の上にあったかなかったかという問題と、それから話し合いの上でそういうことが行われたかということです。いずれでもいいのですけれども、期限は切ってございましたか、ございませんでしたか。
  115. 小金井健男

    ○小金井参考人 別に期限は切ってありません。ただ一般の入札の時期も迫っておりますので、できるだけ年内にいたされるようにというお話を伺っております。
  116. 神田博

  117. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 都条例に関連いたしまして、一、二農林省にお聞きしたい。農林省はこの監督官庁でありますので、業務規程をきめる場合には、こういうよう業務規程を作れ、こういう準則で出される場合もあるでしょうし、出されない場合もあるでしょうが、要は、昭和二十三年都条例が出ておる。その際に当然認可されておると考えるわけですが、その後特定の——今もお話がありました特定の輸入方式のみを考え、しかもそれは特定業者が当るわけですが、こういうような特定の者のみの考え方から、都条例改正せよ、こういう御指示をなさっておるわけですが、果して十七条の監督権はそこまで行き渡るものか。一般的にはそういうことをなさっておるかどうか、お尋ねをいたしたい。
  118. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 中央卸売市場法は大正十二年制定されて以来長くそのままで、民法の改正に伴う改正以外はあまり改正はございませんでした。現行の業務規程の模範例等は昭和二十三年に示されておるようでありますが、最近のいろいろな事態にかんがみまして国会にも改正法案を御提案申し上げておるように、改正すべき事項も多いと思います。業務規程について命令を出したことは今回以外ありませんが、今後はなお一そう研究して法の目的に沿いますように、またいろいろの業務規程についても研究中でございます。
  119. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 この業務規程を都の条例で作らすということは、かなり都の意向が入ってもいいのだ、こういうことになると思うのです。そこで都といたしましては、この買付について仲買人市場外買付禁止の規定を入れておる。それを私は農林省の方で一問認可しておきながら、けしからぬ、だからこれを変えろ、こういうことはいかに監督権といいましても行き過ぎではなかろうかと考える。そこで、今まで業務規程の変更命令を出したことはない。今度初めてバナナ輸入方式について出した、こういうことですが、この業務規程を変更さす場合には、少くとも輸入の政策の基本的な問題に関してそれが支障を来たすか、あるいは流通安定の面に非常に支障を来たす、それは不当である、こういう場合にしか監督権の十七条の発動はすべきではない、かように考えるわけです。しかるに一特定業者輸入に参加させるために——権限を持っておるとはいいながら、これはおのずから限界のあるものであり、その限界を越えて、いやしくも都の条例変更を出すというのは、私は農林大臣の越権であると考えるが、どういうようにお考えですか。
  120. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 中央卸売市場法に基きまして業務規定で定むべき事項はきまっております。御意見に即しましては、問題は二つあるかと思います。中央卸売市場におきまする業務規程というものは、根本的に考えますと、条令で定めるのをどうかというかということ、またその必要があるかどうかというのは研究問題があろうと思うのです。たまたまもって都市の開設でございますので、その業務規程を定めまして、広くこれを知らせたり守らせたりするために条例があると思います。別途現行の中央卸売市場法には、民法による公益法人が開設者になることもその規定がございまして、民法による公益法人が開設者になる場合は、条例で定めないであろうと思うのであります。従って業務規程条例で定めます場合には、内容が必要限度において市場の中の取引秩序等に伴いまする取締り監督の規定を定めるのがほんとうだと思います。しかし最近は、二十三年以降は準則を与えまして、都市条例をもって定めて参りました場合は認可をしてあるのであります。しかしこの認可は、当時判断の許す限り認可してよろしいとなれば認可してあったとして取り扱っておりますが、各市場全く同様ではございません。本件と関係あるような場合は、東京都だけが少し厳重に書いてあったと思います。また当時はそれでいいと思っておったと思います。そういう意味におきまして、条例でどの範囲、どの程度きめるかということと、業務規程条例でなければならぬかということ、この両者をよく考えて適切を期するのがいいと思っておるわけでございます。
  121. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 局長の話を聞きますと、ますます私は監督権の乱用であると考えます。と申しますのは、本来こういう問題は都の条例でなくともいい。そのお話から推察するのに、これは仲買人卸売人の申し合せてある。お互いにこの市場ではこういうようにしようじゃないか、こういう申し合せでありますから、今お話しになりましたように、民法による市場ならば、あるいは都条例でなくてもいいという話があるのはもっともだと思う。これは仲買人卸売人、そこに集まる人の申し合せの規定なのです。いわば一種の共同契約である、いわば一つの法律なのである。お互いの規則なのである。それでありますから、お互いに集まった連中が、一つ仲買人市場外で買い付けることはやめようじゃないかというお互いの禁止を申し合せしておる。都がよそよりも特別の規定を入れておるというならば、そこの仲買人の共同意思によってできておる、その共同意思を、いやしくも国家が監督権があるからといってこれを乱用して、そうして命令をするというのは非常に不当であると私は解するものであります。都の条例でなくてもいいというのならなおさら、私は国家の監督権の乱用である。お互いにそういうことはすまいといって約束をしておるのが条例じゃないですか。それをお前のところは少しおかしいじゃないか、こういって監督することは、少くとも公序良俗に反する、日本経済の流通安定を阻害するという場合にのみ、この十七条の規程の変更の権限を発動されてしかるべきである。公序良俗にも反しないで、お互いに申し合せをしておるのを、これはけしからぬ、しかも特定のバナナ加工業者にのみ許す方式をもってこれを改正せよというようなことを言うのは、十七条の趣旨に反しております。十七条はそういうような趣旨じゃない、私はかように解するが、一つ御返事を願いたい。
  122. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 私が申し上げましたのは、民法の法人も開設者になれるところから見ますと、市場の業務規程というものは、本来は都市条例でなければきめてはいけないということはないと思いますけれども、一たん東京都が開設しておる市場につきまして、業務規程条例で定めることは悪いことではないと思う。そういう見解で当時認可してあったと思う。しかし都の業務規程を定めております条例でございますから、市場の取引の公正をはかって、それに必要な市場における卸、小売人、売買参加人、その取引方法などについて規定するのが適当でありますが、市場内におきます仲買人が市場の秩序を保つために、市場外においてはどこからも買付けをしてはいかぬ、こういう規定があることについて研究をしたわけでございます。他方、輸入方式は、市場長からもお話がありましたように、また通産省からお話がありましたように、室の施設を利用し得る権利を市町村長とか市場の開設者から許可を受けておる者も輸入の扱いの経験がある等の理由をもちまして、適格であるから入れることになりますが、市場の取締りの規則のために、たまたまその輸入し得る資格があるというもの、言いかえますと、従来輸入実績がありました卸売人でありますとか、輸入実績者として扱われておる、かつて実績があったが、一時なかったから入れられていなかった者、それから加工業者、こういうものを拡大しようとなりました際に、たまたまこれが市場の仲買人であり、また先ほどお話がありましたように卸売人である場合もあるわけであります。そういう者が営業の自由とか、ほかの事業をしておるから、輸入業務をやってはいかぬ。外割の割当を受けるかどうかは別でありますが、本来そういう営業をしていいか悪いかということは、むしろ憲法でも営業の自由というものが基礎にありますから、たまたま仲買人を兼ねておる、あるいは卸売人を兼ねておるために、その輸入取扱者になることはいけないときめておる条例は直した方がいい、こういうふうに思ったわけです。
  123. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 仲買人となろうという者は、この条例のあることを知って仲買人になっておる。それに参加しておる。ですから、こういう規則がありますよということを知って入っておる。あなたは機会均等を束縛するものであると言うけれども、自分はそういうことを知っている。料金は高いが、それもやはり買おうといって、高い料金を払っているのと同じです。これはそれと同じように、すでに条例が先にあるのですから、そのある条例仲買人は、市場外買付はできないということを知って、それに参加しておるのですから、何も憲法違反という問題は起らぬ。むしろそういうお互いの申し合せを外部の力で打ち破る、こういう国家の権力を利用して一部の業者にのみ利用さすという考え方が根本的に間違っておる。少くとも今お話しになりましたように、本来都条例にすべきものであるかどうかという疑問があるというので、仲買人卸売人が集まって一つの規則を作っておるのです。その規則を直すためには、やはり公序良俗に反するあるいは日本経済の秩序を害するという大きな問題でなければ直し得ない。これが法律論です。(「制限するときは公序良俗に反しない」と呼ぶ者あり)今制限というようなお話がありましたけれども、それは大きな間違いです。法律を都合のいいように解釈するというのは、三百代言のような解釈である。ですから、国家権力で、いやしくも申し合せ——これは、あなたの方で法律に違反しないのに労働組合の規則を変えろというのと同じ性格のものである。ですからお互いの申し合せあるいは都条例に現われておるのですから、しかも、自発的に、これはいけないといって改正を提案するならともかくとして、国家が、しかも農林大臣が十七条の発動によって命令を出す、しかもこの十七条の命令は、一般の経済流通に支障を来たすという命令ではない、バナナ輸入方式に関連する取引についてである。こういう特定の輸入業者を利さすためにこういう条例改正を命ずることは、私はむしろこれこそ憲法違反であると考えておるわけでありますが、一体どういう解釈であるのか、あなたの答弁が不満足であれば、法制局長官を呼んで聞きます。
  124. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 私にとりましてはなかなか参考になる意見を伺いました。今後はそのような意見もあると思って研究して間違いなきを期したいと思いますが、この改正がありましたのは、輸入方式上について特定の輸入実績の者だけを輸入さしたことのために、長く外貨割当も行われませんで、一部に過当な利益が発生するようになりましたので、公益上そういうようにしないで、輸入の取扱いを公正にしようというような目的が別途ありました際に、たまたま東京都の条例にそれを制限し排除する規定がございましたので、他の規定は必ずしもそうでありませんでしたから、東京都についてはお直し願ったらどうだろう、こういう意味のものを出したわけであります。
  125. 中崎敏

    中崎委員 関連して。その問題については、東京都の方で自発的におやりにならなかったからあなたの方が命令してやったのか、そこのところは一体どういうのかお聞きしたい。
  126. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 東京都が自発的にやるとかやらぬとかいうことは、全然関係がございません。
  127. 中崎敏

    中崎委員 それはおかしいじゃないですか。東京都は、都の条例によってそういうようなことを認めておる。ですから、もし東京都において新しくそうしたものを加える必要があれば条例を変えればいいのだ。東京都が自発的にそういうことを考えておらなくても、国の場合においては監督上必要であるので命令したというならば、それはまだわかる。しかしそれにしても、特定のものをやれといって命令するのはおかしいのだが、東京都がやるかやらぬか自発的に検討しないうちに命令がぽかっといったのかどうか、東京都がそれに反対したのかどうか、それが問題なんです。だからわれわれは行き過ぎであると言っておる。
  128. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 東京都の方で御反対になったとか、自発的におやりになるとかならぬとかということは考えておりませんでしたが、もともと業務規程条例で定まっております場合に、問題になっております買付の中には輸入を含むかどうか、こういうことは多少の疑義があるという解釈を持っておりました。なぜかと申しますと、中央卸売市場業務規程であるからであります。今後この輸入に関しましては、アメリカからサンキストのレモンが入ってくることもありますし、ほかの国から青果物が入ってくる場合も全くないわけではありませんが、さしあたってはなお研究したりする余地もありましょうが、バナナ輸入方式がきまって、これが公正な輸入方式であるということに大体打ち合せになりましたから、それでやったのでありまして、その他の市場取扱い物品についても、そういうふうにしたらいいと思っております。
  129. 中崎敏

    中崎委員 安田局長がいかにこれを強弁しようとも、特定のある人間に頼まれて、そして利権あさりと関連したところの権利の乱用である、こういうことをはっきり断定いたします。
  130. 安田善一郎

    安田(善)政府委員 私はそういうことは絶対ございません。
  131. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 議事進行について。この問題についての多賀谷君とそれから局長の問答、並びに同僚議員中のこれに対する相当明快なる考えを持たれたところの発言、私はこの解釈につきましては、最初解釈の問題でなくて、事実認定の問題だと考えておった。しかしこれは法律の根本に基く解釈の問題だと考えます。従いまして、この議員の中に、これほど大きな解釈の相違があり、同時にまた役所の中におきましても、解釈が必ずしも一定していないように見受けられます。そうするとこの際におきまして、私は法制局長官を呼んで、そうしてこの解釈がどこによるべきかということをはっきりと尋ねた上で、事実問題を解明すべきが至当だと思いますが、委員長において適当に処理されんことをお願いいたします。
  132. 神田博

    神田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  133. 神田博

    神田委員長 速記を始めて、ただいま佐々木君より動議が出まして、理事会で善処するようにという委員長への要望でございましたので、委員長において理事会に諮りまして善処いたします。  次は伊藤卯四郎君。
  134. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 バナナの扱い方の問題については相当論議をされてきております。そして論議するに従って、だんだん疑問が深くなってきておることは事実です。そういう疑問がだんだん深くなっていくので、与党側の方では、野党の社会党のおらぬうちに法案を可決した方がよかろうということでやられたという感じもするのであります。しかし私はそういう問題を今掘り下げて追及しようとは思っておりません。きわめて簡単な問題を一、二点だけはっきりしておきたいので、お尋ねしようと思います。  同僚各位から質問されたうちに、それぞれ相当論議をされておると思いますけれども、言葉を整理する上において、明確にしておく意味でお尋ねするのでありますが、大臣がおりませんから、大臣にかわって政務次官が一つ責任を持って明らかにしてもらいたいと思うのは、今度のバナナの扱い方は、差益金をたくさんとるというのが目的で扱われたのか、あるいは安いバナナを国民に食わせようという意味で扱われたのか、そのどっちであるかを一つ明らかにしてもらいたい。
  135. 川野芳滿

    川野政府委員 今回実は入札制度にいたしたのでありますが、われわれは初めといたしましては、入札制度をいたすという考えのもとに新規業者を入れることにしたのではありません。新規業者を入れましても、ある程度の割で、そうして旧来の輸入業者新規業者との割をきめまして、そうしてともに輸入をさせる、こういう考えで実は新しい業者を入れることにいたしたのであります。その場合においても、ある程度の差益金をとる、こういう考えでそういうふうにいたしたいと従来の輸入業者にも相談をいたしたのでありますが、残念ながらその相談がまとまらなかった。しかしてその結果、試みとして入札制度をするというこの相談が、輸入業者並びに新規業者もともに納得いたしまして、そういうことにいたしたような次第でございます。従いまして差益金をたくさんとるために入札をしたとか、そういう考えは全然ございません。
  136. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 そうすると、差益金をたくさんとるためにやったのではないとすれば、安いバナナを国民に食わすというのが目的でおやりになったのですか。その点のお答えがないようですが、それはどうです。
  137. 川野芳滿

    川野政府委員 でき得るならば安いバナナを国民に食べさせることが適当と存じておりますが、しかし安いと申しましても、バナナの値段というものはおのずからきまるものと考えております。
  138. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 政務次官は私が尋ねておる一番大事な点を明らかに答弁されません。だから差益金をたくさんとるのが目的か、安いバナナを食わすのが目的か、これは両立するのかどうかということを聞いているのです。
  139. 川野芳滿

    川野政府委員 御承知のように、バナナ輸入に当りましては、外貨がきまっております。従いまして、そういう関係から特別利益金が出ておりますことは、御承知の通りであります。そこで正常の利益以外の特別利益金、この程度を国において吸い上げよう、こういう考えのもとにいたしておるような次第でございます。
  140. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 政務次官、私は非常に簡単に聞いておるのだから、簡単にお答えになればいいんです。差益金をたくさんとるのが目的か、安いバナナを食わすのが目的か、どっちが目的ですかと聞いている。どっちともはっきりしないじゃありませんか。それをはっきりしてもらうことです。ところがあなたはお答えにならぬから、私がかわって少し言うが、大体今度の入札制度、このやり方は、今までの政府側答弁を聞いておっても、差益金をたくさんとるのが目的でやったということは、しばしば御答弁の中に明らかになっています。だからこれはきわめて幼稚園の問答のようなことを私が聞いているのだから、この点をはっきりここで明らかにしておいて下さい。
  141. 川野芳滿

    川野政府委員 適正妥当な値段にいたそう、こういう考えでこういうことにいたした次第でございます。
  142. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 適正妥当というのは、どの程度のことを適正妥当と言うのですか。だんだんわからなくなってくるじゃありませんか。だんだん高くなってきておるが、高くなってくるのが適正妥当ですか。
  143. 川野芳滿

    川野政府委員 もちろんバナナの値段は、安くなることを希望する次第でございます。しかしながら、実際問題といたしましては、輸入量がきまっておりますので、安いと申しましても、そう安くなるのはなかなか至難であります。そういうわけで、ある程度の特別利益金を徴収する、そういう次第でございます。   〔「許してやれ」と呼ぶ者あり〕
  144. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 与党側の方から許してやれと言うから、まんざら許さぬわけでもありませんけれども、しかし政務次官は安いバナナを国民に食わすことを希望するとおっしゃるが、その希望することが、今度の処置の中に達せられておらぬ。これはお認めになるでしょう。政務次官は希望しておられる。しかしながら今度の扱い方には、その希望がいれられておらぬ。だからこの法案の中にますます疑問が深くなってくる。おそらく政務次官もこれはお考えになるでしょう。そこにわれわれがこの法案については依然として二十のとびらをあけることができない疑問がある。だからさきから、これはどうも臭いぞ、どうも妙な取引があるぞという疑問の声がだんだん起ってくるのは、ここにある。私がきわめて幼稚園のようなことを伺っても、これが明らかにならぬのだから、疑問の起ってくるのはあたりまえです。私は初めからこの法案は組み方に疑問がある、だから撤回して組み直していらっしゃいと言ったのは、この点です。与党の方でかんにんしてやれと言うから、あまり追及しても政務次官が気の毒だから、疑問の点をはっきり言っておいてこの点はかんにんしてやります。  いま一点お伺いしておきたいのは、これもしばしば同僚議員から論議をされたことですけれども、今日まで通産省が金科玉条というか、守り抜いてこられたのは、外貨割当については従来の輸入業者実績を根本方針として守り通されてきました。それで多くの論議の中に、そこまで頑強に実績主義を守らぬでもいいだろう、むしろ守られることは、中小を圧迫して大手を保護する意味になりはせぬかというところまで、われわれは突っ込んで質疑をしたけれども、根本方針として守り抜いてこられた。ところが今度はこれが根本的に変ってきておる。これはどういうわけで変ったのであるか、これを簡単明瞭でいいからお聞かせ願いたい。
  145. 川野芳滿

    川野政府委員 お説のように今までは輸入実績のもとに割り当てて参ったのでありますが、しかしバナナは御承知のように相当利潤もございまして、かようなものには、従来の実績のみによって業者にあぐらをかかせておくことはどうであろうか、こういうような考えのもとに、今回はある程度の新規業者を入れたい、こういうことで入れることにいたしたような次第であります。
  146. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 そうすると輸入業者利益が多いという場合には、その利益を押える意味において新たなる方針を立てられる、つまり輸入業者実績というものは守られるものじゃない、その業者が特に利益をあげておる場合には、根本的に方針をかえていく、こういうわけですね。
  147. 川野芳滿

    川野政府委員 それはものによりけりであると存じまするが、バナナのように市場もきまっておりますし、値段もきまっておる物資については、ある程度の新規業者を認めることもまた適当でなかろうか、こういうふうに考えております。
  148. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 そうすると、バナナ利益だけがいかぬので、ほかの利益は幾らあげておってもいいという解釈でございますか。
  149. 川野芳滿

    川野政府委員 ほかの利益と申しますと、御承知のように、今回時計等のように、やはり相当利潤のあるものについては、バナナ同様にやはり今回の入札制度、こういうことにいたした次第であります。
  150. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それでは、今政務次官が御答弁になっておる点を伺っておりますというと、従来の輸入業者実績というものは、これは一応御破算である、つまり利益の上らない場合においてのみは認めてやるが、利益の上る場合にはそれは認めないものになるのか、こういうことになるから、従来の実績主義が根本的に変えられてくるということはここで明らかになったとわれわれは解釈してよろしゅうございますか。
  151. 川野芳滿

    川野政府委員 その問題については、本日本委員会の冒頭に申し上げましたように、輸入業行の実績を重んじますことは当然であります。しかしそれだからと申しまして、ある程度の——この程度という問題についてはまた御議論があろうかと考えますが、ある程度の新規参加者を許すこともまた当然ではなかろうか、こういうふうに考えております。
  152. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それでは今政務次官が御答弁になったことで、従来通産省輸入外貨割当について根本方針としてこられた点が、このバナナ問題にからまって従来の方針が変えられたということだけはここで明らかになりました。そこで今後従来の方針を堅持されるということになるなら私はこれを許さぬということをここで明らかに発言をしておきます。ここで変った点だけは明らかになったんですから、私はそれ以上追及しようとは思いませんが、私が今申し上げた点を、いま一ぺん政務次官がここで再確認の答弁をしておいてもらいたい。
  153. 川野芳滿

    川野政府委員 ただいまの御質問に対する答弁は、加藤委員であったと思いますが、加藤委員からの質問についても私御答弁申し上げたと思います。通産省の大方針としては全然違っていない、すなわち石橋通産大臣が述べられました方針というものは大体の方針でございまして、従いまして全部の物資を商社割当にし、しかも商社は少い方がよかろうという方針でやろうという意味ではなかろうかと存じますが、ものによってはある程度新規業者に許す方針であろうかと存じておる次第であります。
  154. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 これはまた私があまり追及しますと、同僚の与党の諸君からあまり意地悪くお前追及するな、いいかげんなところでかんにんしてやったらどうかと思われるから、私はあまり追及しようとは思いませんけれども、今政務次官がおっしゃる答弁は、この大事な輸入業者に対する外貨割当の点が明確でありません。私がさきに従来の根本方針がこれに変えられたというといや変えないと言う。変えないのならさかのぼって聞かなければならぬ、バナナの問題はどうかと言わなければならぬ。そうなってくるとますますバナナ問題にからまって、何かそこにわれわれが割り切ることができないくさいものがあるということを言わなければならぬ。だから今私が伺っておるように、バナナの問題のみであると政務次官が言われても、それならくさいじゃないかということになる。バナナ問題のみじゃないんだ、政務次官がおっしゃったように利益のたくさんあるものについては利益を独占させるわけにいかぬからどんどん新しいものを入れて、今度の入札制をどんどんとっていくんだ、これなら話はわかります。だから私が政務勝次官の御答弁を伺って総合するところは、輸入業者利益は独占すべきものではない、従って入札制によって新たなものをどんどん入れていって、外貨割当はそれによってしていくものである。これはある意味においては正しいと思います。あなたはこれを正しいと思われたからさきのような御答弁になったと思いますが、私が今言ったようなことについては正しいとお考えになりますか、いや、それは正しくないとお考えになりますか、そこを一つ明らかにしておいていただきたい。
  155. 川野芳滿

    川野政府委員 自由市場等におきまして、競争して買い付ける、こういう場所等でありますならば物によりましてはできるだけ商社を少くする。この理由は私先ほど申の述べたと存じますが、あまり商社がたくさんありますと買い付け競争が起りまして、物を高く買いあさる。こういうようなことが起りますので、従いましてある程度の輸入業者に指定する方が適当じゃなかろうか、それだからと申しまして全部の業種にそういう政策をとりましたならば、御承知のように年々人口の増加いたしますわが国といたしましては、既設の業者以外には、新しい輸入業を営むものは一人もできない。こういう結果にもなりますので、従って物によりましては新しい業者を幾分か加盟させることの方が適当でなかろうか、こういう意味で申しておるのであります。
  156. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 どうもこれは意地悪く聞く意味ではありませんけれども、政務次官がお答えになることはしどろもどろのような気がいたしますが、どうですか、というのはさきには利益を独占さしてはいけないから新たなものも入れるのだとおっしゃった。ところが今の御答弁を伺っておると、だんだん整理していく。整理して少くするということはその特権を保護することになることは言うまでもないと思います。だからこの点あなたはお考えになって、自分の言っておることに矛盾しておるということをお感じになりませんか、どうですか。
  157. 川野芳滿

    川野政府委員 私の答弁は私自身といたしましては矛盾いたしておるとは感じておりません。先ほど来申し上げましたように、自由市場等におきまして買い付けする物資等におきましてはお説の通りであります。しかしバナナのような、市場がきまっておりまして、しかも値段もきまっておるもののように、異常の利益が生ずる物資等におきましては、ある程度の新しい輸入業者を追加することが適当でなかろうか、こういうふうに申し上げておるのでありまして、あえて説が変っておるとは存じておりません。
  158. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 通産省輸入問題、外貨割当に対する根本的な大きな問題を、私は政務次官に伺って責めておることは私は非常に同情にたえません、この根本方針で政務次官から御答弁願うことは無理であることが明らかになりました。そこでこの問題に関連して法制局長官に来てもらって、解釈上の点を明らかにしてもらわなければならぬこともあるし、先ほどまた委員長は、さきの動議についても理事会に諮ってということを御答弁になっておりますから、従ってこれらの問題等にからめて、この輸入外貨割当についての今後の根本方針とともに、私はこれをお尋ねしなければなりませんから、通産大臣に出てきてもらいまして、この問題は大臣との間において討議を通じて明らかにするということにして、一応きょうの質問はここで留保しておきます。
  159. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほど佐竹委員の提案になりましたことにつきまして、このあと理事会で御相談になるということでございますので、私どももう一つ御提案いたしますから理事会で相談をしていただきたい。  それは去る三月九日の当委員会におきまして、佐竹委員から、全芭連からジェトロへ納める金についていろいろと質問がありました。ところがそのときの政府委員答弁では、確かな見通しもないようにわれわれは感じたのであります。だが、その翌日の三月十日に、東海銀行東京支店の保証のもの一億三千六百五十一万二千円、三和銀行神田支店の保証のもの五億四千四十六万九千円、両銀行から合計六億七千六百九十八万一千円が福田善三郎名義の約束手形によって支払われている。それがわずか一晩か一日の間である。しかも先日の佐竹委員質問によると、土曜日であったので十二時ぎりぎりである。そういうこともありましたので、その間の事情について聞くために、東海銀行東京支店と三和銀行神田支店の関係者を参考人として呼んでいただきたいことを提案いたします。
  160. 神田博

    神田委員長 田中君のただいまの委員長に対する要望は理事会にお諮りいたします。
  161. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 資料要求。東京都の改正前の条例並びに改正後の条例、及び六大都市業務規程の内容、さらに、政府が出されました準則、こういうものを資料として御提出願いたい。
  162. 神田博

    神田委員長 ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕
  163. 神田博

    神田委員長 速記を始めて下さい。  この際午後三時まで休憩いたします。    午後一時五十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕