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1956-03-20 第24回国会 衆議院 商工委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十日(火曜日)    午前十一時三分開議  出席委員    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君    理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君    理事 長谷川四郎君 理事 中崎  敏君       秋田 大助君    阿左美廣治君       宇田 耕一君    内田 常雄君       大倉 三郎君    菅  太郎君       椎名悦三郎君    篠田 弘作君       島村 一郎君    首藤 新八君       鈴木周次郎君    田中 龍夫君       野田 武夫君    淵上房太郎君       前田 正男君    南  好雄君       山本 勝市君    伊藤卯四郎君       加藤 清二君    佐々木良作君       佐竹 新市君    多賀谷真稔君       田中 武夫君    帆足  計君       松尾トシ子君    松平 忠久君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         内閣官房長官  根本龍太郎君         公正取引委員会         委員長     横田 正俊君         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局長)  小川清四郎君         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君         中小企業庁長官 佐久  洋君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君  委員外出席者         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 三月十六日  委員島村一郎君及び横川重次辞任につき、そ  の補欠として南條徳男君及び野田武夫君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員南條徳男辞任につき、その補欠として島  村一郎君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員島村一郎君、淵上房太郎君、松岡松平君及  び山本勝市君辞任につき、その補欠として芦田  均君、渡邊良夫君、宇田耕一君及び高岡大輔君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員芦田均君、高岡大輔君及び渡邊良夫辞任  につき、その補欠として島村一郎君、山本勝市  君及び淵上房太郎君が議長指名委員に選任  された。 同月十九日  委員秋田大助辞任につき、その補欠として三  木武夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員三木武夫辞任につき、その補欠として秋  田大助君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  理事永井勝次郎君同月九日委員辞任につき、そ  の補欠として同君が理事に当選した。     ————————————— 三月十六日  下請代金支払遅延等防止法案内閣提出第一三  三号)  計量法の一部を改正する法律案内閣提出第一  三七号)(予) 同日  丸物百貨店池袋進出反対に関する請願(島村  一郎君紹介)(第一三九七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  下請代金支払遅延等防止法案内閣提出第一三  三号)  計量法の一部を改正する法律案内閣提出第一  三七号)(予)  通商産業基本施策に関する件     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長 これより会議を開きます。  委員長より去る十六日の本委員会議事に関しまして一言申し上げたいと存じます。  御承知通り、当日は特定物資輸入臨時措置法案を議了いたしたわけでありますが、念のため当日の事情を申し上げますと、かねてこの議案につきましては、通商産業大臣質疑を継続いたしておりましたが、社会党委員よりなお農林大臣に対しても質疑をいたしたいとの申し出がなされておりました。たまたま時を同じくして、参議院の予算委員会において、社会党委員農林大臣に対する質疑が行われておりまして、その質疑が終り次第、農林大臣は本委員会出席することになっておりましたところが、この質疑が意外に長引きましたので、再三連絡し、出席を督促いたしておりました。その間、農林大臣出席を見ないまま、社会党委員は全員退席されてしまいました。暫時社会党委員出席を待っておりましたが、自民党委員より質疑終局の動議が提出され、質疑終局の後、討論を省略して採決に入り、本案を議決いたした次第でありますから、議事は適法に進められているのでありますが、ただ与野党の連絡が十分とれないために誤解もあったやに存じます。本件に関しては、その後、二回にわたる理事会において十分協議いたしました結果、なおバナナ等輸入問題につきまして、社会党委員の中に質疑の御要望もありますので、昨日の理事会の申し合せにより、本日農林大臣出席を要求いたしまして、質疑をしていただくことに相なったわけであります。委員長といたしましては、今後このような誤解と行き違いのないよう、委員各位とも緊密なる連絡をとって議事を進めて参りたいと存じますので御了承願います。なお委員諸君におかれましても、委員会開会中はなるべく退席されることのないよう御協力を賜わりたいと存じます。  この際理事会の申し合せにより通商産業基本施策に関して調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。佐竹新市君。
  3. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私は河野農林大臣輸出入秩序の問題を中心として質疑を申し上げたいと思うのであります。  今回のバナナ入札に当りまして、実績を持たない全芭連なるものが輸入入札者になったわけでありますが、それに関して、先般本委員会におきまして、私は河野農林大臣市場法改正の問題について質問をいたしましたところが、河野農林大臣は、下僚がやったので私はあまりそういうことには関心を持っておらなかったというような御答弁でございましたが、その後資料を入手いたしてみますと、農林大臣から東京都知事安井誠一郎あてに、「バナナ輸入方式に関連する取引について」という農林経済五千四十二号で昭和三十年十二月十四日に農林大臣命令が出されております。この内容はこういうふうになっておるのであります。「今般政府においては、農林通商産業両省合意の上、台湾バナナ輸入方式につき別紙の通り行うこととしたが、これが円滑かつすみやかな実施を行うため、これが輸入に関し輸入以後の取引、特に中央卸売市場における取引に関する取扱いを下記の通り定めたから、これより貴都(市)中央卸売市場業務規程昭和二十三年東京条例第百四十七号)の改正等所要措置をとられたい。以上、中央卸売市場法(大正十二年法律第三十二号)第十七条の規定に基いて命ずる。追って本指示に基き貴職においてとられた業務規程改正その他必要な措置は、すみやかにこれを農林省農林経済局企業市場課)あて報告されたい。なお本命令に基く業務規程改正については、中央卸売市場法第四条の規定により、農林大臣の認可を必要とすることとなっているので、その手続をとられたく念のため申し添える。一、業務規程第三十六条第二号の「買付」を「買付輸入を含まない。)」に改めること。二、業務規程において開設者許可または承認により仲買人場外買付禁止規定除外例を認め得ることとなっている中央卸売市場については、当該規定に基き上記の業務規程改正が行われるまでの間の経過措置として、仲買人輸入業務許可または承認すること。三、輸入により買い付けたバナナ中央卸売市場に搬入し、場内にて取引する場合には、取引中央卸売市場の本来の取引段階(卸・仲買い小売の各段階を経て流通する。)を通じて行われるよう指導すること。」と、まことに懇切丁寧に農林大臣からいわゆる知事あて命令が出されておるのであります。このいわゆる農林大臣命令が出されまして、翌年の二月四日には東京都議会の本会議でこれを議決いたしておるのであります。そうして、そのことによっていわゆる全芭連なるものが今回入札に入ってきたのであります。特に今回の、バナナに限ってそういう処置農林大臣がとられたということはどういうことであるかということを先般伺ったのでありますが、これに対して農林大臣はどういうふうにお考えになっておられたのか、その経過お答え願いたいのであります。
  4. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知通りバナナ輸入につきましては従来実績主義と申しますか、とかく輸入業者輸入して参ります金額と、これが差益として納められますものと、それからこれが取引に出ますものとの間に相当の開きがあります。これが十分に吸収せられておりませんために、いろいろな問題があったことは御承知通りであります。これが各方面にいろいろ論議されたことも御承知通りであります。従いまして、私といたしましてはバナナ取引公正妥当にする必要があるという考えを持っていました。これが公正妥当を期するにはどういう方途をもってやるべきかということを、下僚研究を命じました。その研究の結果、下僚がそういう措置をとったならばうまくいきますということを言ってきたと思います。そこで私はそういう命令を出したのでございます。
  5. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 御承知のように輸出入の問題の窓口通産省所管でありますが、通産省からそういうような処置をとられたいということを農林省の方に言われて、農林省の方で農林大臣命令市場法改正をされたのかどうか、その点を承わりたい。
  6. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知通り輸出入貿易に関しましてはもちろん通産省所管でございますけれども、それが農林物資に重大な影響のあるものにつきまして御協議を願い、共管でやっておるものもあるわけでございます。農産物に重要な関係のあるものにつきましては、今お話通り農林省から通産省の方に御協議を願う、また改善についてわれわれの方からお願いをするという場合もあってしかるべきだと考えます。
  7. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 今回特にそういう大臣命令が出された——今の大臣のようなお答えであったならば、事前に市場法改正でもやられればいいのに、突如としてそういう命令が出されたいきさつはどういうことですか。
  8. 河野一郎

    河野国務大臣 私の記憶では、市場法改正をこの国会に提案するために、実は昨年の夏から市場法改正に関する審議会ですか委員会ですかを開いて、全国の識者にお集まり願ってやっておるわけであります。それがだんだん進んで参りまして、成案を得てこの国会に提案をする準備をしたのであります。それと関連して今のような処置が行われたのだろうと思うのであります。なお御承知通り砂糖などの特殊物資差益をどうするかということは、昨年の予算編成当時から非常に問題になりまして、そして予算編成に当ってこの差益をいかに吸収するかということは、政府におきましてもだんだん協議をいたしましてきめたものであります。
  9. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 どうも私はその点が納得いかないのです。市条例改正をいたされるというお考えであったならば、特にバナナだけの条例東京都知事命令して改正されなくても、本国会で全般的な改正をされるのであるならば、そのときに出されてもいいと思う。  もう一つこの問題についてお尋ねしたいのは、私は市場法というものができたところの一つの根幹は何であるかというと、卸売卸売小売小売仲買仲買というような分業論の上に立っておると思う。今農林大臣の言われるようなバナナ一つの問題を考えてみても、市場法というものは分業論の上に立っておる、それを根底からこわすようなことになりやしないかというように考えるのですが、農林大臣はどうお考えですか。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知通り市場法につきましては、戦時中もしくは占領下におきまして非常な物資の不足の際に、市場の方がこれを十分集めてきて、市場物資の潤沢をはからなければいけなかった時代があるわけでございます。それが今度は逆に物資が相当潤沢になって参りましたので、そこに物の動きが変って参りましたから、それにつれて運営についても変えていかなければならないという問題が起っておるわけでございます。また今お話もございましたが、実績主義をとることも一つ方法でございますけれども、物の動きについて実情が変って参りましたから、いつまでも実績主義一本でやって参ることには多少窮屈な面が起って参りますので、順次実情に即して変えていかなければならぬ問題があることは、当然じゃなかろうかと私は考えております。
  11. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 そういたしますと、大体通産省の今日までの輸出入の問題は、ほとんど実績中心にしてやられておるように考えております。しかし今のような農林大臣の御答弁でありますと、今後実績主義は漸次解消していって、そしてだれでも通産省窓口輸入手続がとれるようになってくる。たとえばバナナの場合には、一つの色づけをする加工業者でありますが、何ら輸入業者手続経ずして、織物業をやる者とか、あるいは機械工業をやる者が直接輸入することができるのでありますかどうか。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 これは御承知通り輸入業者輸入をする場合もあります。たとえば燐鉱石のごときは、実需者たる肥料会社燐鉱石輸入割当をもらって、そして輸入業者に委託してやっております。これは物によっていろいろございます。全部輸入業者がやっておると考えません。砂糖にしても、製糖会社が大部分はその為替ワクをもらって、そうして輸入業者輸入させておる。それでこれは輸入業者に順次ふやしていく方向がいいのではないかと考えております。そういうふうに正常化して参る場合には、輸入輸入業者がやるということになりましょうが、従来やって参りました傾向は必ずしもそういっていない、こう思います。
  13. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 まことに河野農林大臣から重要な御答弁をいただきましたが、通産省は今のような考え方で、将来輸入あり方あるいは輸出のあり方が変ってくるということについて、どのようにお考えになりますか。
  14. 川野芳滿

    川野政府委員 その問題につきましては、先般も大臣通産行政一般質問のときに御説明申し上げたと思いますが、将来の方向といたしましては、輸入AA制に持っていきたい。しかしものには段階がございますので、そういう方向に順次っていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  15. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 そこで河野農林大臣にお尋ねしたいのは、今日は先般残りました質疑で、主として臨時措置法に対しての点でございますが、やはり加工業者も加えて輸入のできるようにしたならば、漸次競争もなくなって、安くなっていくだろうというようなお考えを、これは先般も安田農林経済局長も言われましたが、しかし今回の場合においては、国の吸い上げる差益額入札によりましてほとんど倍の四千何百円というところにつり上ってきたのでありますが、こういうことになりますと、末端価格にしわ寄せしてきて、高いバナナになって、あなたの方のお考えになっておるところとは逆な方向値段がつり上ってくる、こういうことになってきますが、この点はどうお考えになりますか。
  16. 河野一郎

    河野国務大臣 砂糖でございますとか、バナナでありますとかいう特殊の物資につきましては、一般貿易の鉄則に沿いかねるものがあるのではなかろうか。このバナナにつきましては、台湾との貿易関係で、一定の為替ワクをきめておるわけであります。従ってこれに対して需要が非常に多ければ、差益政府が少くとりましても、物は上っていくと思います。国内需給関係でこれはきまるのであります。従ってこれは今回通産省がとりました入札制度国内需給の情勢を見て、その差益をなるべく多く政府が取り上げる方法の方が妥当じゃないか、この高い安いということは輸入数字に対して——数字は今申します通り需給によって為替数字をきめるのではなしに、別の要素によって為替数字はきめられる、別の要素によってきめられた為替数字に対して、国内バナナに対する需給国内バナナ価格をきめるということになると私は思うのであります。従いましてその差額は最大限に政府が吸収するのは妥当ではないか、そこにゆとりを不当に残すということはよろしいことではないというふうに考えるのでございます。
  17. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 今回の差額は、もちろん国が大きく倍額に近いものを吸い上げたのでありますから国としては利益になりました。しかしながらこれはわれわれの考え方から見た正常な差益の吸収ではない、私はかように考えておるのであります。なぜかならば、業者が今度卸売協同組合をこしらえましたのは、この入札が済んで、三月の三日に二百六十名ですかの者を集めて協同組合を作ったのでありまして、その前は全芭連という一つ加工連合会のような形式はとっておりましたけれども、実体はほとんど会費も納めていない、何にもない、実体のないものでありまして、会長は先般ここに参考人として出ました名古屋の森瀬理事長であったのであります。ところが今回いわゆる卸売加工協同組合という協同組合に直してから、福田善三郎君が会長になったのであります。それまでは全芭連というものは実際には有名無実のものでありました。それを今度は農林省の方から全国的意、室を持って、そうしてバナナの色づけをして、従来扱った者はこの際申請をして、申請した者は全部これを入札させることができる、こういうような規定ができました。そのために全国バナナ業者に檄を飛ばしまして——その加工業者で室を持っておるとかおらぬとかいうことは通産省でも一つ調査になってなりませんが、とにかく千名にも余る者がわんさわんさ押しかけてきて申請をして、それから発展をして全芭連というものができた。いわゆるこの市条例規定改正されましてから福田君なるものがクローズ・アップしてきたのであります。そうしてクローズ・アップして参りまして入札の結果落札したということから協同組合ができ上っておる。これは卸売協同組合と名前をつけた動機に私は不純があると考える。これは何といってもそういう経過からたどってみますと、バナナ業者加工組合というものがそれだけ大きな経済力は持っておらない。その証拠には、この三月十日の期限差益金の六億七、八千万円余りの金をジェトロへ持っていって納めますにつきましても、私は九日の日に本委員会質問をしたのであります。金ができないというのです。それで保証金没収になるというようなところまで追い込まれていったのであります。それが突如として九日の日の私の質問に対しまして、川野政務次官もあるいは通産省事務当局の方からも、十日の期限というのは当然大臣公報で決定しているものであるから、没収する、その期間に政治的な手が打たれても断じて通産省は取るかと聞きましたら、没収する、没収するどころではない、その業者入札権も認めない、こういう答弁があったのであります。しかしながら十日の日の十二時前に六億なんぼかの金を持って、三和銀行保証約手を持ってジェトロへ納めたのであります。その間のいきさつを聞いてみますと、その内訳は、東海銀行が一億三千なんぼ三和銀行が四億なんぼであります。この三和銀行にいたしましても、東海銀行にいたしましても、ことに三和銀行におきましては一部分預金者であるかもしれませんが、大部分の者は預金者でも取引者でもないのであります。やはり約手を出しております。そのいきさつを聞いてみますと、三和銀行はその前日に断わっているのであります。ところがこの九日の日に委員会で問題になりまして、十日の日に大阪の本店の三和の業務部長から神田支店あて約手保証をしてよろしいということがきた。その約手保証をしてよろしいということがきたのはどういうことからきているかということで、いろいろ私も調査してみましたところが、次の割当を当分見合す、だからバナナは必ず高く上るのだ、本年度は四百五十万ドルのうち二百二十五万ドルが今期割当であります。あとの二百二十五万ドルはこれは台湾等関係におきまして、新たに来年度またこの予算が組まれて外貨が割り当てられる。その外貨割当をまた今年度のようにずっと先に延ばしますと、バナナが払底していますから、入ったバナナ倍額に上るのでございます。上るということになれば銀行が立つ。そのいわゆる当分の間割り当てないということを銀行の方に言って、銀行本店の方の業務部長から、要するに神田支店の方に土曜日の時間ぎりぎりのときにきて、保証してもよろしいということが本店業務部長からかかってきたから、それで神田支店では約手保証したのだ、こういうように言われておるのであります。そうしてみますと、私はこれに対しては非常な深い疑惑を持つものであります。なぜそういうような経済力のない業者没収一歩手前になるようなときに、来年度の割当が先になるならばバナナ値段は上るから、そうすれば銀行保証しておいても銀行に迷惑をかけるようなことがないということが契機で今回できたというのでありますが、そういう問題について今回われわれは一貫して考えますと、特殊な政治的な関係によってこういうことがなされたのではないか、こういうふうに疑われるわけであります。そこで農林大臣は、この問題は非常に重要な問題であるから今度の割当についてはどういうような考えを持たれるか。それは通産省所管でありますから通産省考えでありますが、今回のいきさつから見まして、もし割当がおそくなるということになったならば、ますますバナナは高くなって、農林大臣のお考えになるような考え方とは別途の方向に向っていく。そうして結果において特殊な業者に不当な利益を得させる、そういうことになるということを言いましたところが、農林大臣通産当局と相談をして来年度の上半期の外貨を早く割当をするようにする、こう言われたのでありますが、こういうようないきさつがありますので、世間から非常な疑惑を持って見られておるのでありますが、こういう点について河野農林大臣はいかようにお考えになりますか。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 だんだんのお話でございますけれども、私ははっきり申し上げます。昨年の十一月ごろじゃないかと思いますが、福田君にはそれ以降一ぺんも会ったこともなければバナナの話を聞いたこともございません。バナナをだれがどうやって入札をして、銀行がどうなった、そんなことはこの間の委員会へ出て初めて伺ったようなことで、全然私は聞いたことがないのであります。これについて実は私は全然関心を持っていなかったのであります。たまたまこの間承わったのであります。だからこの間も申し上げました通り、今お話通りに、今までの処置は私は悪くないと思います。問題は今後不当に輸入期をずらして、今お話のようにそういう者に不当な利益を得させるという行為がありましたら、それは悪いことでございますから、また同時に大衆にも非常に迷惑をかけることでございますから、そういうことのないように、行政遅滞なく進めるということを通産大臣お願いをしてでも必ずやることにいたしますとお答えを申し上げたのでございます。要は今だんだんお話通りに、今後の行政において輸入の時期をずらし、特定の者に不当の利益を得さしめ、大衆に迷惑をかけるという処置が行われたときに初めて、今お話のようなことについて非難が起ってくるのだと私は思うのであります。今までの処置は、入札で高く入れたら、入れた人が何の考えがあって入れたか知らぬが、政府としてはいいと思います。決して私は悪いと思っていないのです。ただ、今後に問題がありますから、今後は絶対そういうことをさせぬように、また特定の者をもうけさせぬように行政措置遅滞なく行うようにして参るということは、重ねて申し上げますが、もしそういうようなことがありますれば、私はそういうことのないように通産大臣に積極的にお話し申し上げて輸入していただくようにするということに考えます。  実はお約束申しました通りに十一時半でございますから、御無礼でございますが、ちょっと中座させていただきます。
  19. 神田博

    神田委員長 通商産業基本施策に関する調査につきましては、ただいま御承知のように、河野農林大臣が先約がありまして中座されましたので、この質疑を一応後刻に譲ることといたしまして、他の議事を進めていきたいと思います。御異議ございませんか。
  20. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 他の議事をやられる前にちょっとこの問題について……。  この審議を行うに当って、私はきょうが最後だという委員長の言ですから、なるべくそれに支障を来たさないように協力しようと思っているのですが、実はこちらが協力するならあなたの方も協力してもらわぬと困る。と申しますのは、私が前に要求しておきましたところの、都条例改正がなぜ行われたか、これに対する証人を喚問してもらいたい。それができなければせめてその理由書を提出していただきたいということをお願いしておいたはずです。  またもう一つは、台湾で二円のバナナがこちらでは三十円から四十円に売られている。一体どこでどうしてそういう値段になるかという原価計算書を出してほしいといっておいたけれども、それが出ていない。すべて砂糖にしても、硫安にしても、石炭にしても、電気にしても、ああいうむずかしい複雑なものを審議するに当ってもなお原価計算書というものは出ておるわけです。それをバナナのように簡単なものを出してもらいたいと言うたのに、きょう審議を終るというのにそれが出ていない。  それからもう一点、先般お願いしましたパイカンが台湾値段にしてアメリカヘは五ドルで売られておる。欧州へは六ドルだ。日本へはFOBにして八ドルだ。これは一体どういうわけか。日台協定によって向うが買ってもらいたい、買ってもらいたいというバナナを無理やりに高く買っている。こちらはほかの国へ出すよりも硫安二十五万トンを一かます十貫目俵について百円も安く売っている。そのお礼にパイカンがアメリカよりも五割も六割も高く買わされる。一体この理由はどこにあるか。これをぜひ資料として御提出願いたい。それがなければ審議が十分に行われないということを申し上げておいたにもかかわりませず——きょうこれで終らないというならまだ話がわかる。それはまだ後に出るだろうと考えられますが、きょう終るという委員長のその言に私は協力しようと思っておる。そうしたらあなたの方も協力して、これくらいの資料は一つ出しておいていただかぬと、これは一方的な押しつけになる。一方的な押しつけでこういうぷんぷん変なにおいのする法律が通っていったんじゃ、どうも当委員会の権威にかかわる。あなたの方も心もとないだろうと思う。従って至急提出方を要求いたします。
  21. 神田博

    神田委員長 加藤君のただいまの資料提出の件について、通産省より御答弁願います。
  22. 川野芳滿

    川野政府委員 ただいま御要望の資料はできるだけ早く提出いたしたいと思いますが、そのうちの七ドル五十にきまったいきさつについての資料というお話しでございますが、これは交渉によってきまりましたのでござまして、なかなか資料はむずかしいと思いますから、その点だけは御了承いただきたいと思います。
  23. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 今の加藤先生の御質問でございますが、バナナが七ドル五十している、パイカンが八ドル、こう思いましたが、これは日本から雑貨あるいは農水産物を全体で千五百万ドルぐらい大体売っているはずでございますが、そういうものを全部ひっくるめまして輸出入のバランスをとるということのためにバナナを単価幾らにするかということは、これは両国間の国際交渉で別にきまっておりますので、たとえば原価は向うで一円だ、それを三円にするのは向うがどういう原価計算をしたかということは、これはわれわれにはわからないわけでございます。
  24. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私が要求しているのは、樋詰さんに要求しているのじゃないのです。つまり向うの仕入れ価格です。台湾バナナが大体安いときには二円、高いときには——これは国民にわかりやすくするために一本でいうと、一本二円か三円なんです。それがこちらにくると一本三十円か四十円になっている。一体どうしてそうなるかということが国民の疑惑の的なんです。だからそれの原価計算書を出してもらいたい。というのは、この委員会ではそれ以上複雑な電気、砂糖、硫安その他を審議する場合にも必ずその原価計算書というものが出て高いか安いかを審議するわけです。だからそれを出してもらいたいということをもうとっくに言うてある。  それからもう一点は、今のパイカンの方は、バナナと比較しての話じゃない。パイカンは台湾から諸外国へ輸出されるときに、アメリカヘは五ドル、欧州へは大体六ドル、日本へは八ドル、一体これはどういうわけか、どうしてそうなっているか。むしろ私らの考えでは、台湾から日本へ輸出されるものは、こちらから肥料その他をよその国よりも特別に安く差し上げているから、安くしてしかるべきだと思うのに高くなっているが、これはどういうことか、こういうことを聞いておるのであって、それの資料を提出してもらいたいというのです。  それから、都条例が特別に改正されたのだが、この理由が開きたい。そこで証人を喚問してもらいたいというたら、証人を喚問せぬでもわかればいいだろうという委員長の話だった。その通りだ、わかるためにやっているのだからわかればよろしい。そこでせめて東京都の都条例改正の責任者から、かくかくの理由でこの条例改正を上程して、かくかくの議決によってこうなったという、その書類だけでもいいんだから、そんなものは何もこれから作るものじゃなくして写しをとってくるだけのことだからこれはできるはずです。だからそれを私は要求している。無理じゃないでしょう。どうしても証人として東京都知事をここへ連れてこいというたらこれは無理かもしれぬけれども、あなたのおっしゃることに協調してやっているわけなんです。
  25. 神田博

    神田委員長 加藤君の資料の要求については、委員長責任をもって善処いたします。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  26. 神田博

    神田委員長 速記を始めて下さい。  この際理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  去る九日理事永井勝次郎委員辞任につき、理事が一名欠員となっております。同君は去る十日再び委員に選任されておりますので、再び永井委員理事指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 神田博

    神田委員長 御異議なしと認め、永井勝次郎君を理事指名いたします。  次に、ただいま科学技術振興対策特別委員会において審査中の核原料物質開発促進臨時措置法案は、核原料物質に関する鉱業権、租鉱権について、鉱業法を規定いたしております関係上、本委員会所管にも関連し、本委員会といたしましても、特に重大な関心を有しておりますので、さきの理事会の申し合せでは、この議案について、当該特別委員会に連合審査会の開会を申し入れることにいたしておりましたが、昨今の本委員会の審査状況から見まして、連合審査を行う時間的余裕もありませんので、再び昨日の理事会協議の結果、今回に限り連合審査会の開会申し入れは行わないことに決定いたしました。  なお、今後この種の重要関連議案が提出されまたし場合は、そのつど連合審査を行うよう取り運びたいと存じますので、御了承願います。     —————————————
  28. 神田博

    神田委員長 同じく十六日予備審査のため本委員会に付託されました計量法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。  まずその趣旨の説明を求めます。川野通商産業政務次官。
  29. 川野芳滿

    川野政府委員 計量法の一部を改正する法律案を提出いたしました理由について御説明申し上げます。  計量法が近年における計量器の著しい発達に即応して新しい計量器を大幅に取り入れ、また終戦後の法制民主化の線に沿った諸規定を盛りまして、従来の度量衡法とは面目を一新した法律として施行されましたのは、昭和二十七年三月であります。以後現在までに約四年を経過いたしまして、関係法令も整備され、計量行政も充実して参りました。しかしながら計量法の四年間の運用の結果、同法が計量の正確性を保持するために設定した諸規定の中には、理想的ではあるが現状では早急に実施することが困難な点並びに計量器使用者の便をはかる上において不合理な点がありますので、これらの諸点につきまして、若干の修正丁と補完とをする必要が生じてきたわけであります。このような事情からここに計量法の一部を改正する法律案を提出いたしました次第であります。  この法律案のおもな改正点の第一は、正確に計量する義務の規定につきまして、量目の公差を、生活必需物資のような重要商品から順次定め、正しい取引を促進することができるようにしたことであります。  第二は、容量検査を廃止し、これにかわる制度として容器の型式を定め、その型式に適合する容器で容量の正確なものを自動的に製造し得る設備を持った容器の製造事業者を指定いたしまして、その指定事業者にはさらに自己検査をさせ、これに合格した容器にその旨の表示をさせて、正確な容器の使用により大量に取引されている商品の容量を正確にするようにしたことであります。  なお、そのほかに、はかりの販売事業者に対し、はかりについて簡易な修理権限を与えること、自動制御等合理化に使用される計量器について、メーカーがアフターサービスを自由に行い得るようにしたこと、並びに定期検査にかわる検査を受けることのできる期間を広げること等若干の条文改正を行うことといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及び主要な内容の概要であります。何とぞ御審議の上御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
  30. 神田博

    神田委員長 本案に関する質疑は、後日に行うことといたします。     —————————————
  31. 神田博

    神田委員長 なお、去る十六日本委員会に付託されました下請代金支払遅延等防止法案を議題とし、審査に入ります。  まずその趣旨の説明を求めます。横田公正取引委員会委員長
  32. 横田正俊

    ○横田政府委員 ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。  下請代金の支払い遅延など親事業者の下請事業者に対する取引上の思わしからざる行為につきましては、政府関係機関において、独占禁止法等の措置によりこれが防止に努力してきたのでありますが、経済情勢が比較的好転した今日におきましても、遺憾ながらこの問題は改善されたとは必ずしも言い得ないのであります。  下請代金の支払い遅延など、親事業者の不公正な行為は、わが国の経済において重要な役割をになっている中小下請事業者の事業経営を圧迫することになり、ひいてはわが国経済の健全な発達を阻害することになるのであります。従って、下請事業者利益を保護するためには、下請代金の支払い遅延などの防止について、さらに積極的な措置を講ずる必要があると考えられるのであります。  ここにおいて政府関係機関は、これまで本問題を処理してきた経験を基礎にして、これが対策を鋭意研究して参りました結果、本問題を解決するためには、独占禁止法のほかに、それと相並んで別個の法制を整えることが必要であるとの結論に達し、ここに本法案を提出いたした次第であります。  次に本案の概要について御説明いたします。  第一の点は、下請代金の支払いを中心にして四つの点について、親事業者の守らなければならない事項を明らかにいたしたことでございます。  第二の点は、公正取引委員会は、これを順守しない親事業者に対してはその行為を改めるために積極的な努力をなすように勧告を行い、親事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができることにし、下請代金の支払い遅延などの機敏かつ円滑な解決をはかる方法を講じたことでございます。  第三の点は、親事業者に下請代金の書面による明示及び下請取引に関する必要な帳簿書類の作成、保存の義務を課しまして、下請取引の公正化に資せしめるとともに、政府の指導監督に便ならしめようとしたことでございます。  第四の点は、本法の施行に必要な限度において公正取引委員会中小企業庁長官及び主務大臣の報告徴収及び立ち入り検査の権限を定め、下請取引の特殊性にかんがみ、政府が積極的にその監督を行い得ることとしたことでございます。  以上の四点が本法案の要点でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
  33. 神田博

    神田委員長 なおこの際同委員会事務局長小川政府委員より補充説明をいたしたいとの申し出がありますのでこれを許します。小川政府委員
  34. 小川清四郎

    ○小川政府委員 下請代金支払遅延等防止法案の提出理由及び概要について補足説明をいたします。  下請代金の支払遅延等の問題につきましては、公正取引委員会において、独占禁止法にいう不公正な取引方法に該当する場合があるものといたしまして、中小企業庁の協力を得まして、極力これが防止に努めて参ったのでございます。しかしながら、次に述べますような事情もございまして、遺憾ながらその防止について十分な成果を上げることができなかったのでございます。  すなわち第一に、下請事業者は、親事業から下請関係を切られることを最もおそれておりますので、被害者である下請事業者からの申告をあまり期待することができないわけでございます。第二に下請取引におきましては、代金等につきましての契約がはっきりしていない場合がかなり多いために、不当値引き等については有効な規制をなし得ない場合がございます。第三に、独占禁止法の措置によるときは、審査審判手続によることになるのでございますが、審査審判手続によることとなりますと、その解決にはどうしてもある程度の時間がかかりますし、下請事業者にとって必ずしも利益とならないような結果が生ずる場合も考えられるのでございます。  このように、独占禁止法に基く措置のみでは、下請代金の支払い遅延等の防止について十分な効果を上げることは困難であるという事情もございますので、中小企業庁とも相談いたしまして、より効果的な対策についていろいろ研究いたして参りました。その結果、下請代金の支払い遅延等の防止については、政府がより積極的な監督を行い得るようにするとともに、問題の迅速かつ円滑な解決をはかるには、審査審判手続とは別に、より弾力的な措置考える必要がございまして、そのためには、独占禁止法のほかに、これと相並びまして別個の法律を制定すべきであるとの結論に到達いたしまして、本法案を立案、提出する運びになったのでございます。  次に本法案の内容につきまして御説明いたしますと、第一に、本法案の目的でございますが、本法案の目的は、第一条にうたってありますように、下請代金の支払い遅延等を防止することによりまして、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、経済的弱者である下請事業者利益を保護し、もって国民経済の健全な発達に寄与することにあります。  第二は、本法の対象でございますが、本法が対象とするところは、下請取引における親事業者の下請事業者に対する行為でございます。いわゆる下請という言葉は下請事業者の立場からする概念でございますので、もっぱら親事業者の行為を対象としております本法では、下請という言葉の代りに、製造委託、修理委託という言葉を使っておりますが、委託であるかどうかにつきましてはあくまで実質的に判断いたしますから、取引の形式が、請負の形をとるか、売買の形をとるかは必ずしも問うところではないのでございます。また、親事業者は資本金一千万円をこえる法人、下請事業者は資本金等が一千万円以下の法人、それに個人としております。これまで下請問題を処理して参りました経験と中小企業関係の諸法律の例に基きまして、親事業者と下請事業者とをこの程度の規模で分けるのが、最も妥当であると考えたためであります。  第三は、親事業者の順守事項を明らかにしたことでございます。第四条において親事業者が下請事業者に製造委託または修理委託をした場合に、親事業者が下請事業者に対し行なってはならない行為を定めまして、かかる行為として、同条各号に、下請事業者の給付の不当な受領拒否、下請代金の不当な支払い遅延、不当な値引き、不当な返品の四点をあげたのであります。すなわち下請取引における親事業者の思わしからざる行為の態様を明らかにするとともに、このような行為をしないよう、親事業者の自粛、自戒を期待しているのでありまして、これは本法案の中心をなす規定でございます。  第四は、勧告等の制度を設けたことであります。第七条におきまして、公正取引委員会は、ただいま御説明いたしました順守事項を守らない親事業者に対して、その行為をすみやかに改めるよう勧告することができることになっております。つまり、親事業者が守るべきことを守らないときは、勧告という行政措置によって親事業者にみずから反省する機会を与え、その行為を改めるため、みずから積極的な努力をなすべきことを促し、問題を迅速かつ円滑に解決しようとするものであります。なお、親事業者が勧告に従わなかったときは、これに対する措置として、その旨を公表することができることといたしております。またその行為が独占禁止法の不公正な取引方法にも該当することとなります場合には、このような親事業者に対しては、独占禁止法による審判を開始することもできるわけであります。その反面におきまして、親事業者が勧告に従ったときには、その勧告にかかる行為について独占禁止法の規定は適用しないことにいたしております。  第五は、親事業者に、下請代金の額を記載いたしました書面を下請事業者に交付する義務及び下請取引に関する帳簿書類を作成、保存する義務を課したことでございます。これは最初に申し上げましたように、下請取引におきましては、契約に際して下請代金の額がはっきりきめられていない場合が多く、また下請代金の支払い遅延等の防止のためには、政府の積極的な監督を必要とするという点にかんがみ設けたのであります。書面の交付は、第四条の不当値引きの規制の前提条件を整備する意味におきまして、また書類の作成、保存は政府の監督に便ならしめるために、第三条、第五条にそれぞれ規定した次第であります。なお帳簿書類の作成、保存についての細則は、公正取引委員会の規則に委ねられておりますが、一般に用いられております伝票、帳簿等を利用するようにいたしまして、親事業者に特別の負担をかけないよう留意する所存でございます。  第六は、中小企業庁長官調査及び公正取引委員会に対する措置の請求に関して規定したことであります。第六条におきまして中小企業庁長官にかような権限を与えておりますのは、中小企業庁設置法におきまして、中小企業者利益の保護という観点から、独占禁止法の施行に関し、中小企業庁の公正取引委員会に対する協力関係が特に規定されております。また下請問題につきましても、これまで両者は、緊密に協力して、その防止に当って参りましたので、本法の関係につきましても、両者の協力関係規定することとした次第でございます。  第七は、報告及び検査について定めたことであります。第九条において、公正取引委員会中小企業庁長官及び中小企業庁長官の行う調査に協力する意味におきまして、主務大臣に、それぞれ報告徴収及び立ち入り検査の権限を定め、本法の目的達成のため政府が所要の監督を行い得るようにいたしました。  第八は、罰則について定めたことであります。第五条の書類の作成及び保存、第九条の報告及び検査の規定に違反する者に対し、必要な罰則を定めております。しかし第三条の書面の交付、第四条の親事業者の順守事項につきましては、それぞれの規定の趣旨にかんがみまして、罰則は設けないことにいたしました。  以上が本法案の大要でありますが、もし本法案が国会の御賛同を得て成立することになりますれば、独占禁止法の運用と相待って、下請代金の支払い遅延等の防止の成果を大いに上げることができるものと考える次第であります。
  35. 神田博

    神田委員長 本法案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  36. 神田博

    神田委員長 引き続きまして通商産業基本施策に関する調査を進めます。  政府委員より発言を求められておりますので、これを許します。樋詰政府委員
  37. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 先ほどの加藤先生の御質問で、まずパイカンをなぜアメリカやイギリスあたりより高く買っておるかというお話がありましたが、アメリカあるいはイギリスはそれぞれドルあるいはボンドのキャッシュで買付けをいたしております。それに対しまして、御承知のように日本は清算勘定で買っている。そこでその清算勘定の評定をいたしまして、輸出入大体バランスがとれるという格好である程度買いたくないものも、お互いの貿易の拡大の見地からできるだけ買い合おうということでやっているわけでございます。たとえば台湾砂糖というものにいたしましても、日本がドルを払うなら国際価格で供給しよう。しかし清算勘定で、現金のやりとりをしないというのであれば高く買ってくれ、そういうことをほかの物資でもやっているわけでございますので、かりに日本が台湾に対してパイカンのためにドルを払うということならば、欧米並みで買い付けることができるということになると思いますが、現在のような清算勘定でやっている場合は、ほかの見返り物資との関係もございますので、それぞれの話し合いでどこまでお互いに妥協できるかということで行なっているわけでございます。この点値段の引き下げにつきましては、毎回の交渉でも、政府といたしましてできるだけ下げるように努力はいたしております。今回の交渉におきましても、下げられるものなら下げるようにということで政府代表は今交渉いたしておりますが、その結果がどこまでなるかは、それはお互いの交渉の結果というものを待たなければわからないということでございます。  それからもう一つは、バナナが向うで一本二円しておる、こちらで三十円もしておるのは非常に高いじゃないかというお話でございますが、これは今正確にはちょっと調べておりませんので、もし間違いましたらあとで訂正出せていただきますが、御承知のように、大体協定でシフ七・五ドルということでやっております。その中の大体五ドル近いものが運賃じゃないか、かりにそういうふうになると運賃が実体よりも多いということになりはせぬか。たとえば塩あたりを見ますると、四ドルやそこらはしているのじゃないか、その点は最近の運賃を今調べておりますから、後刻はっきりしたことを申し上げたいと思っております。もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。
  38. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 詳細を私は聞こうとは思いませんけれども、バナナが腐るから保険金が高いというのなら話はわかるけれども、石炭よりも高いようなバナナの運賃があるというようなことはおかしな話になってきますよ。  それからもう一つは、今のお話でございますが、ちょうどただいま日台協定が台北で審議中なので、しかもそれが難渋してまた日延べをしてくれという通知が来ているでしょう。だから私は言うのです。それはなるほど清算勘定なんです。清算勘定だから向うのものをキャッシュで買うよりも高くしてくれというのは無理はないことなんです。それだったら日本の硫安もよそへ売るよりも高くしてもらったらいいんじゃないですか。それがおかしいと言うんですよ。硫安だけはよその国へキャッシュ・オン・デリバリーでやるよりも安く売って、そうして向うのものだけは清算勘定だから高く買わなければならない、なるほど向うは日本の買いたくないものを買うというかもしれないけれども、それは日本だって向うの買いたくないものを買わされておるのです。五分々々なんです。そういうところからいけば、なぜ日本だけが外国よりも高く買って、売るものは内地の百姓に売るものより安く外国に売らなければならないかということです。硫安会社の肥料が出血だという。これが一体どこにかぶさっておるかというと、日本の百姓や日本の消費者であるところの、バナナを買って食べる子供に背負わされておるということなんです。これはおかしいというのです。これは今日に始まったことじゃない。だからあなたの答弁だけではとても満足ができない。なるほどアメリカならばいくさに負けたのだからやむを得ぬ、ある程度メイファーズで引き下れるかもしれませんけれども、なぜ台湾との交渉において、そのようなことをしなければならないか。実におかしい。そう考えてくるとあなたの答弁では当然満足できないでしょう。もしあなたが満足しておるというのだったならば、あなたは日本人じゃない。だから私は言うんだが、この問題は事務担当官ではいけない。だから大臣に出てもらわなければ話にならぬ。
  39. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 関連質問バナナの運賃が五ドルなんて、そんなばかな……。これは一ドルなんです。最近の運賃は……。それだから私は責任ある答弁をしてもらいたいと言うんだ。まるでいいかげんなことを言うて、だれが考えてもバナナの運賃が五ドルということはない、一ドルなんです。私は政務次官にお尋ねしますが、さっき河野農林大臣が言われましたが、要するに市場業務規程改正東京都の知事に命令して、それからさらに安田農林経済局長の名でもって、バナナ輸入方式に関する市場取引について都知事にこういうものを出されておる。これは通産省の方から農林省の方にそういうことを頼まれたのですが、どうなんですか。河野さんは知らぬという。農林省はこういうものを出しておるという。一体だれがこんなことを言ったのですか。政務次官どうなんです。どうも私はふに落ちない。通産省の方からこういうことをしてくれということを農林省の方に頼まれたのですか。どうなんですか。
  40. 川野芳滿

    川野政府委員 実は通産省はそういう問題については全然タッチしておりません。しかし先般も御説明申し上げましたように、バナナ輸入については、もちろん輸入実績者を重んじますことは当然でございます。しかし一部には新しい人も輸入させたらというふうな点から、実は従来の実績者にもいろいろ相談をいたしたのであります。ところがその相談がまとまらずに、結論において従来の輸入業者の納得のもとに、試みとして輸入制度をとった、こういうことでありまして、通産省といたしましては、農林省が圧迫いたしましたために新しい人を入札に加えた、こういうことではございません。その点はどうぞ了承していただきたいと存じます。
  41. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 一部の人とあなたは言われますが、一部の人の新しい人を加えた、あなたは御事情をお知りにならぬから深く追究はいたしません。この安田農林経済局長から安井都知事あてに出しておりますのには、こういって書いてある。いろいろ書いてあるが、その他の施設については当該施設の所在地を管轄する市町村長の権利関係証明書によるものを有するすべてのものを言うのであるから念のために云云と言っております。要するにこれがために、全国のおよそ八百屋さんみたいな人が市町村長の証明書をとってきて、千何百人というものが入札申請をしたのです。これは安田経済局長がこういうものを通産省に迫って通産省がいれざるを得なかったということがはっきりここに出ているのです。農林大臣命令業務規程改正さして、さらにこまかい指示までしておるのです。通産省はだれに頼まれてこんなことをしなければならぬか。忙がしい農林省がそんなこまかいことに気がつくものではないのです。河野農林大臣がだれにも会うたことはないと言われればそれでいい。農林大臣が会うたことはわれわれは知っておる。それはそれでいいが、だれが頼んだのですか。だれが頼んで入札をやらしたのですか。輸入秩序をだれが乱したのですか、私はその点がいかないと思う。私はその点をついておるのです。私は輸入業者でもなければ全芭連でも何でもない。通産省がまた新たなものを加えていくならば輸入行政の秩序を乱してしまう。だから私はあなたにお尋ねしておる。ところがいいかげんに、それは別に農林省でないと言われても、事実がものを言うのだからしようがない。こういう八百屋さんまでも千何百人全部入れておる。だから私は通産当局にお尋ねいたします。窓口通産省なんです。それに無関係の方面から政治的な手が加わってくればあなた方はいつでもこういうことをするのですか、どうですか。
  42. 川野芳滿

    川野政府委員 都条例改正問題につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、通産省としては関係がございません。しかし実は新しい輸入業者を加えるべきかどうか、こういう問題につきましては、先ほども申し上げましたように、通産省といたしましてもある程度新しい人を加えるのも適当でなかろうか、こういうふうな考えのものに、さらに農林当局といたしましても新しい人を希望いたしておる、こういう実情でございまして、そういうふうな点から一部の新しい人を今回入札に試験的に加えたらどうか、こういうようなことで実はやってみたような次第であります。
  43. 田中武夫

    田中(武)委員 ただいまの質問答弁に関連してお尋ねいたします。先ほど次官は都条例改正については知らない、このようにおっしゃったのですが、それならば先ほど佐竹委員河野農林大臣に御質問の際に読み上げました、昭和三十年農経五、〇四二号、昭和三十年十二月十四日に農林大臣から安井都知事あての「バナナ輸入方式に関連する取引について」という中に、今般政府においては農林省通産省両省合意の上台湾バナナ輸入方式につき別紙の通り行うことにしましたが云々ということになっておる。こういうような、全然通産省自体が知らないのを農林省が合意の上こうやったというように書いて通牒を出されたのかどうか。こういうことは全然知らないのに農林省が勝手に書いて出されたのですね、そういうことでありますね。
  44. 川野芳滿

    川野政府委員 実は新しい人を輸入業者の中に加えるかどうか、こういうようなときに、ある程度加えたらよかろうというようなことに実は当局が考えました当時におきましては、都条例改正せぬでも当然できるもの、こういうふうに実は考えておったわけであります。ところが研究いたしますると、都条例改正せねばできない、こういう事情下にあったようでございます。しかしただいま申し上げましたように改正等の関係には全然タッチしておりません。
  45. 田中武夫

    田中(武)委員 次官の御答弁によりますと、ある程度新しく入ってもいいということについては通産省考えておった。しかしそうするためには都条例を変えなければならないということがあとでわかった、こういうように言われておりますが、それじゃこういう通牒を農林大臣が出されたあとでわかったのですか、その前にわかったのですか。
  46. 川野芳滿

    川野政府委員 実は大へん恐縮でございますが、あとで知ったようなことでございまして、都条例改正問題については、通産省に相談なく農林省だけでできることでございますから、従って農林省だけで改正をやられたこういうことになっております。
  47. 田中武夫

    田中(武)委員 そういたしますと、こういう通牒を都知事に出したということはあとでわかった。従って通産省としてはこういう通牒を農林省が出したことは全然知らない、こういうように解釈していいですね。
  48. 川野芳滿

    川野政府委員 そうです。
  49. 田中武夫

    田中(武)委員 そうしますと、この通牒は通産省農林省の合意の上でこうやるんだ。しかも通産省の主管事務である輸入の問題について、そういうものが出されたことについてあとからわかったが、通産省としては農林省に何も言われなかったのですか、それとも事後において了承せられたのですか、その点どうですか。
  50. 川野芳滿

    川野政府委員 樋詰政府委員から説明させたいと思います。
  51. 田中武夫

    田中(武)委員 私が今お伺いしておるのは事務的なものじゃないのです。農林省通産省と合意の上こうやったということがはっきり公文書に出ておる。それをあとで知った。しかも通産省の主管事務であるところの問題についてそうやられて、その後通産省として事後承認せられたか、それとも何とか農林省に言われたかどうかということを聞いておるので、事務的なことを聞いておるんじゃございません。従って大臣またはその代理である次官からお答え願います。
  52. 川野芳滿

    川野政府委員 新しい輸入業者加工業者を加えるかどうかという問題につきまして、実は通産省といたしましても、加工業者を加えてもよろしいということでいろいろ検討いたしました結果、都条例改正せねば加工業者を入れることができないということで農林省において都条例改正されたもの、こういうふうに考えまして、通産省といたしましては、先ほども御説明申し上げましたように、加工業者を加えるのには都条例改正せぬでもできるだろう、こういうような初め見当でございました。そういうわけで実は加工業者の卸業者を入れるということにいたしておったような次第であります。
  53. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 これは重大な問題ですよ。こういう加工業者という幅を広げたのです。全国の青物業者で今までバナナを取り扱っておった者は室を持っていた。室を持っていたということは、これは行ってみなければわからない。市町村長の証明で千何百名と範囲が広がってきまして、この人たちは入札申請して、相当経費を使って東京までやってきた。通産省の方から公報の出しっぱなしで、これこれの資格のある者はというので、みなバナナをもらいたいから来た。その当時一口十万円、二十万円のプレミアがついて、一部の業者が買いあさった。結局、入札することができぬので、最後に二百六十人ばかりにほとんど人数をしぼったものです。輸入業者と全芭連にしぼってしまって、八百屋さんは東京まで旅費を使って通産省窓口へ来まして、ああでもない、こうでもないといって書類だけ出させられて、それで市町村の証明書を送ったところが、いろいろなことを言うて、結局資格からはずれてしまった。これは迷惑しごくです。こういう幅を広げて、旅費を使ってきたものが、みんなおじゃんになってしまった。こんなむごたらしいことをして、公報でなぜ発表するかというので、その当時私は神田委員長に詳しい書類を出しました。そして官房長だったかに、これは大へんなことだ、だから一つ何とかしてやってもらいたい、こういうことも陳情したことがある。一口について十万円、二十万円という権利を買いあさった、そういう悪を教えたのは、いわゆる市条例改正したから、こういうことになってきたのです。そういうところから始まって、そういうものを出さなければならぬ。窓口通産省である以上——通産省はなぜそんなものを自分らが手続きされて改正されたか。農林省の方ではわれわれは知らなかったと言う。こんなばかげたことがありますか。だれが一体こういうことをやらしたか。河野農林大臣に言えば、河野農林大臣はわしは知らぬ、それは下僚の者が出したのだ。それで下僚の者はだれに頼まれたか。通産省は迷惑しごくです。それで業者は多額の旅費まで使って、てんやわんやの大騒ぎで、そして全芭連輸入業者の間でごたごたして、神田委員長も中に入られて、まとめるのにずいぶん苦労された。最後にがんばったために、あの高値の入札になったわけです。このいきさつ考えてごらんなさい。だれが一体こういうことをやらしたか。農林省は忙しい。米価の問題、再編成の問題、その他のたくさんな重要法案があり、全国の農村の問題、漁村の問題等、解決すべき大きな問題がある。ただ一部のバナナの問題くらいのことで農林大臣や安田経済局長が指示をして、だれに頼まれてやったのか。私は気がついてやったということは常識はずれのことだと思う。だから根本を、通産行政窓口を乱すようなことはだれがさしたのか。われわれ商工委員として大きな問題です。単なるバナナの問題ではない。今後こういうことをやられたら、輸出入の問題に関するところの秩序はいつもこわされてしまうことになる。問題はそこにある。通産大臣が病気で休んでおられるのはやむを得ぬ。だから、川野政務次官、また政府の説明員から納得のいくような答弁をしてもらいたい。だれがそういうことをしたか。その根底がわかるまでは私は通産行政全般に対して納得がいきません。御答弁を願います。
  54. 川野芳滿

    川野政府委員 今回の試みは、試験的の試みといたしましても、多少の混乱を起しましたことはまことに申しわけない次第でございます。しかし初めは加工卸業者全国にはそうたくさんいないだろう、こういうような考えのもとに実は試みたのでございます。しかし実際問題といたしましては、御説のようにある程度の混乱を来たしましたことはまことに恐縮に存じております。しかし今後といたしましては今回の混乱にかんがみまして、十分な検討をいたしまして、適正な方法をとりたいと考えております。
  55. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 大臣がいないから次官にお尋ねするが、決してこれは通産省を責めようとするのじゃないのですから、よく聞いて下さいよ。この法案が行われる前にこういう輸入業者を拡大したということ、これは通産省の意図じゃなかったでしょう。そこが聞きたいのです。通産省の意図でなくして、農林省その他何か知らぬけれども、その意図によっておやりになったと私は解釈したいのです。もしあなたがそうじゃないのだ、承知してやったのだとお答えになるならば、私は次に聞きたいことが出てくる。なぜかならば、なるほどあなたはバナナについては新規業者をふやしたい、こうおっしゃったのでございますが、このあなたの方の大方針によりますと、この国会の当初に出されました大方針、バナナのことも砂糖のこともパイカンのことも書いてあります、ところがそこにはそういうことが書いてないのです。むしろ商社が多過ぎるので貿易を乱している、従ってこれは将来整備統合して、商社の信用力を強大にしなければならぬ、それが貿易振興の目的である、このように大臣も、すべてが述べていらっしゃる。そこでそういう大方針が打ち立てられて、しかもなおその外貨割当は商社から設備に移行ではなくして、設備から商社に移行しよう、AA制にしようという大方針を立てられていらっしゃるわけです。そうするとずいぶんこれは逆行しているわけです。従ってあなたたちはこんなことをおやりになるはずはないのです。そこでもう一つここで御参考にあなたに知っていただかなければならぬことは、設備割当ということであるならばある程度納得するのです。しかし今あなたがおっしゃった通り、設備を持っているものに許したからというてそう大勢いないだろうとおっしゃった。私はある程度あなたのおっしゃることは正しいと思う。正しいです。なぜ正しいかといえば、設備を持っているものは加工業者ではないのですよ。加工業者が設備を持っている場合もありますけれども、それは紡績の場合が多くて、このバナナに限っては色づけの設備は都市の市場が持っているのですよ。それを加工業者がときどき借りてそこを使うだけの話なんです。設備の保有者と設備の権利を持っているものと、それから色づけ業者とは、同じものもありますけれども、ほとんどは別個なんです。だからもし設備を持っているから外貨の使用ないしは入札を許したというならば、むしろ競輪と同じようにこの施行者は都市及び市場に許さなければならぬ、こういう勘定が出てこなければならぬ。だから設備に許したということになってもこれは間違いのはずなんです。そこであなたは知らずにやった、いや言われたからやったんだ、こうなんでしょう。まさかそんなことを知っていたら、通産大臣や私の信頼する川野政務次官がそんなことをやるはずがないですよ。そうでしょう。そこのところを……。
  56. 川野芳滿

    川野政府委員 この問題につきましては、たびたび御説明申し上げましたように、輸入業者実績を重んずるということは当然でございます。しかし新しい一部の業者も加えたがよかろう、こういうことに農林省通産省協議いたしまして、そうして幾分かを新しい人に割り当てるということで、実は従来の輸入業者と相当に御相談申し上げたのでございます。一部分新しい業者を入れる、こういうことで実は従来の実績者と相当相談を申し上げたのでございますが、相談がまとまらず、その結果従来の輸入業者入札制で一回やってみてもよかろうということに話し合いがなりまして、今回の入札ということになったような次第でございまして、初めから入札ということではなかったのでございます。
  57. 神田博

    神田委員長 この際暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕