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中西政府委員 労使お互いに
話し合いの場を広げていくことは、
大臣御就任以来の御方針でもあり、われわれも前々からその
方向で来たわけであります。ただ
話し合いの場と申しましても、結局は相互信頼の
関係がなければとうてい成功するものでもないのであります。従って
公労法の
改正の際も、実はお配りしてあります
答申の中の九というところに、「
労使の話合の場に関する事項」というので、特に日ごろから
意思の疎通をはかって、「
労使関係の円滑化と企業目的の達成に協力する
機構が
労使の合意によってできることは望ましい」という程度の規定を設けるならいいというふうな
答申があるわけであります。もしも
労使信頼
関係のもとに公企体におきましても、そういうものができることは望ましい。ただ
法律で書くということになると、全くのお経のようなことになりますので、このことは事実
関係でできるのじゃないかということで規定しなかったわけであります。
なお
民間の産業でありますが、これも同様でございまして、現在すでに重要産業におきましては、個々の企業だけではなかなか話のつかない問題が多い。たとえば石炭
関係に例をとりましても、
一つの石炭会社、
労使の
話し合いでは
解決のつかない問題がうんとございます。そういう重要産業につきましては、
政府筋の産業行政を担当しておるところとかいうようなところがやはり一緒になって
話し合いをいたしまして、初めて労働側の納得と協力が得られるのじゃなかろうか。
そこで八大産業ということを一応予定しておりますが、すべて一律には参りません。
労使相当信頼
関係の深い産業もございますし、そうでない産業もある。従って、信頼
関係が相当深まって、
お互いに顔を突き合していろいろと当該産業について話し合おうじゃないかという雰囲気のあるところにつきましては、
労使同じ場においてそれぞれ疑問の点、問題点を話し合って討論をする、あるいは協議するということになりましょう。しかし信頼
関係がそこまで行っておりませんで、うっかり
労使顔を合せると、直ちにそこが
団体交渉の場、集団交渉の場になってしまうおそれがあって、使用者側も出てこないというようなところにおきましては、場合によっては別々に開いて問題の所在をはっきりさして、そうして徐々に双方が
話し合いをするというような雰囲気に持っていきたい。従って画一的に重要産業ごとの協議会というものが
運用されるというふうには
考えておりません。その
労使の気持、信頼
関係、こういうものに即しまして究極において双方が
話し合いをし、相協力して当該産業の発展に寄与するというふうに持っていかなければならないというふうに
考えております。