○
永井委員 大
へん制限を受けましたから、簡単に御
質問したいと思います。私はこの
公庫が
発足するに当り、現在は
資金源が少いけれ
ども、これが
ほんとうに
効果的に
機能を発揮して、八十億の
投資でこれだけの
効果があった、さらにこれに
資金を増していかなければ、という非常に明るい希望を持って、この
公庫の将来を発展せしめなければならないと思う。その発展せしめるためには、現在起っておるような、これに過大な
期待をするとか、あるいは間違った
期待をするというような、いろいろな
条件というものは、できるだけこれをチェックして、健全な形でこれを発達せしめなければいけない。こういう
前提に立って、私は
お尋ねをいたしておるわけであります。いうまでもなく、この
日本の国の
産業の形態を大別すれば、本州の方は、過剰な
労働力のところに
企業というものが指向しておる。
北海道はどうかといえば、
北海道は
原料のあるところに
企業が指向しておる。
木材のあるところに
木材加工、
水産のあるところに
水産加工、農産物のあるところに
農産加工、こういうような形で指向しておる。そして、その
企業の成立する
条件としての
労働条件というものは、非常に不備である。
労働力がないから、わざわざ特別にその
企業だけに向けるべき
労働力というものをそこに集中して、
企業以外の宿舎であるとか、学校であるとか、そういういろいろな
生活条件というものをそこに整備しなければ、
企業を成り立たしめることができないというような、二次的、三次的な、いろいろな負担をしょっていかなければならない。さらに
交通機関の
関係から、あるいは文化的な施設から、そういうものが、これにふぞろいな形で起っておるわけでありますから、そういう
北海道の
総合開発計画というものの中で、
道路あるいは
河川改修、
港湾、こういうものが単独の形で工事されるものではなくて、そういうものを整備する、
道路を作る、
港湾を作る、その上に、ここにはどういう
企業というものを大体展望できるかというような、その次の
段階を
考えて総合的にやっていかなければいけない。そういうふうに、すべて総合的に
考えなければならない。そうでなければ、
金融だけの
関係では
効果を上げることはできないのだ。もしここで、八十億の
資金を投下したが、
効果が上らない、
北海道にはこれだけの金を入れても
効果が上らないということになれば、第二次、第三次の増資というものがここに起ってこない、チェックされる
条件がある。従って、この
公庫の
発足に当っても、
当局は十分そういう点は
考えていただくとともに、これを受けて、これを
効果あらしめるところの
北海道の道民の側においても、厳にこれを自粛して、いやしくも
復金の
二の舞であるとか、あるいは
造船疑獄の
二の舞を起すようなことのないように、
ほんとうにこの
運営に当っていかなければならないと
考えるわけであります。従ってそういうことをするためには、ただ信念的に、主観的に、
大臣がこういう
考えだ、ああいう
考えだと言ってもだめなんで、そういうことが可能なような、客観的なシステムなり、あるいはそういう
運用なり、そういうものを組織的に確立させて、こういう組織でいけば、従来の欠陥というものが是正されるではないか、八十億の
経済的効果を
最大限度に
期待できる、そういう
基礎条件が成立しているではないかという、万般の
前提条件を整備して、私はこの
公庫を
発足せしめたい、こういうのが
一つのねらいであります。その
意味において、
公共事業費を
北海道に持っていって、これだけの予算が使われても、
経済効果は少しも上っていないではないか。たとえば
港湾関係では、現在六十二からの
港湾を、ネズミの食いかじりのようにやって、十年も十五年もたたなければ完成できない。完成しないうちに、災害を受けて、つぶれていっている。こういうようなばかな金の使い方をしたら、これはちっとも
効果は上ってこない。こういう実例がたくさんあるのでありますから、私は、主観的に
期待を非常に多く
公庫にかけるというようなことなしに、そういう
条件というものを整備してかかる必要がある、こういうので、申し上げておるわけであります。先ほど
大臣は、この
発足に当って
企業が起るのは、
公庫と別個に起っておるというのでありますが、そうでなくて、金はあるのだから、貸してやるのだから、ということで、
受け入れ体制を
発足せしめておるというような、ばかげたことが起っておるわけでありますから、私は申し上げたのであります。
大臣のこれに対する
考え方、及び今後の善処の方針というものを承わりたいと思います。