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1956-06-03 第24回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月三日(日曜日)     午後零時十一分開議  出席委員    委員長 高木 松吉君    理事 濱野 清吾君 理事 古川 丈吉君    理事 三田村武夫君 理事 山中 貞則君       佐々木秀世君    塚原 俊郎君       福永 一臣君    青野 武一君       高津 正道君    西村 力弥君       山田 長司君    小林 信一君     ————————————— 三月十二日  委員岡崎英城君、高村坂彦君瀬戸山三男君、  二階堂進君、松澤雄藏君及び辻原弘市君辞任に  つき、その補欠として菊池義郎君、米田吉盛君、  山本正一君、田中彰治君、荒舩清十郎君及び青  野武一君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員山田長司辞任につき、その補欠として高  津正道君が議長指名委員に選任された。 六月三日  委員加賀田進辞任につき、その補欠として山  田長司君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  調査員等処遇に関する件  決議案に関する件     —————————————
  2. 高木松吉

    高木委員長 これより会議を開きます。  昨六月二日院議をもって本委員会を本日限り廃止することが決定されました。本日最終委員会を思い出多いこの第十委員室において開会し、その委員長としての職務をとる私といたしましては感慨無量であります。つきましては、本委員会最終日に当りまして、先ほど理事会において協議をわずらわしました諸点につきまして議事を進めたいと思います。  ただいま、三田村君より、本委員会廃止に伴い、本委員会事務局調査員等の問題について決議案が提出されておりますので、この際その趣旨説明を求めることにいたします。三田村君。
  3. 三田村武夫

    三田村委員 この際決議案を提出いたしたいと思います。  まず、案文を朗読いたします。    決議  一、事務局職員については可及的多数配置転換の出来るよう配慮すること。  二、事務局職員退職金については、実情に即した特別の措置を講ずること。  三、事務局職員については、委員会残務整理のため残務整理要員として任命すること。  四、委員中より実行委員を挙げ右各項の実現を計ること。  この際決議案提出趣旨について一言申し上げておきたいと思います。  御承知のように、本委員会は、第一国会において、いわゆる隠退蔵物資の問題がやかましく取り上げられ、隠退蔵物資摘発調査特別委員会として発足し、次いで不当財産取引調査特別委員会となり、さらに考査特別委員会名称が変り、二十六年二月の第十国会において行政監察特別委員会となり今日に至ったものであります。その間、名称の変更に伴って、本委員会任務内容についても多少の変化はありますが、その担当して参りました当委員会任務内容国政運行の上に非常に大きな功績を残してきたことは周知の事実であります。あるいは政治浄化の面において、あるいは行政粛正の面において大きな功績を残してきたものであることは、今日この委員会廃止に当って、当委員会の一員であるわれわれは誇りを持って言い得ると思います。  なお、この委員会運営に当って事務局員諸君の並々ならぬ努力について、深い感謝と感銘を持ってこの際一言申し上げておきたいと思います。  御承知のごとく、当委員会の担当いたして参りましたその仕事内容が、冒頭に申し上げましたように、隠退蔵物資ないしは不当財産摘発処理、こういう特殊の任務を持っておりましたがゆえに、事務局員諸君のなされるその職務内容についても、非常に困難な条件が伴っておったことは申すまでもありません。ときには行政官庁に乗り込んでいって役人からいやな目でながめられ、あるいはときには圧迫を受け、その身辺の危険すら感じられたこともあったと思います。そういう中において、しかもその身分臨時職員であるという非常に不安な立場に置かれながら、十年来今日まで努力を続けてこられたその職員諸君立場と苦衷、努力に対しては、満腔の敬意を表するものであります。今日この委員会院議によって廃止されることになったのでありますが、顧みて感慨禁じ得ないものがあります。のみならず、私たち今日国民の負託のもとに国政に携わる立場から申しますと、少くとも、こういう委員会こそ、私は、多々ますますその機能を発揮して、世上指弾の的になるような、政界の反省の対象になるような事案、あるいは官界腐敗対象になるような事案は、やはり国政審査対象として大いにこれを粛正していく高い機関がなければならないと信ずるものの一人であります。院議によって廃止決定されましたけれども、私自身といたしましては、再びこういう機関が、その内容使命もより一段と強化されたものによって、この国会活動の中に大きな立場使命を持たれる機会があることをひそかに期待するものであります。  この決議内容につきましては、今申しましたような趣旨にかんがみまして、われわれが当面一番心にかかるものは、せっかく長きにわたって委員会の業績の基礎づけをしてくれられました職員諸君立場であります。どうかその点を十分われわれともども真剣に考慮いたしまして、職員諸君身分及び処遇について万遺憾なきを期したいと考えるものであります。そういう趣旨において提案いたしました決議案であります。  委員議君におかれましてもせっかく御賛同を賜わらんことを切望いたしまして、提案の趣旨弁明にかえます。(拍手
  4. 高木松吉

    高木委員長 この際発言の通告がありますので、これを許します。青野武一君。
  5. 青野武一

    青野委員 ただいま三田村委員から四項目決議を含む動議が提出されました。私は、社会党を代表いたしまして、この動議並びに四項目にわたっての決議案内容について賛成意思を表明したいと思います。  私は、きのうに限って、党内で四つばかりの委員会関係しておりましたので、いろいろあちらこちらの委員会出席して、その後衆議院運輸委員会の中で設けられております観光小委員会出席し、引き続いて五時過ぎまた運輸委員会出席して発言をしておりましたので、きのうの本会議はずっとおくれて入場いたしましたために、劈頭行政監察委員会廃止するという決議は、実は不注意にも知らなかったわけであります。本日理事会が開かれるというので、私、理事ではありませんが、いろいろな事情が聞きたいと思って出席をして、お話を聞いておりました。それは廃止に至るまで各党間でどういう話し合いがあったかということは、大体おぼろげながら知っておったのでありますが、念のために申し上げますと、三十年十二月二十三日の日付で私どもに配付されている議運の会議録を見ますると、「本国会中における特別委員会設置の件であります。特別委員会設置につきましては、社会党からもいろいろの御意見がありまして、数日来両党間において折衝いたしました。本日は、特に自由民主党社会党幹事長書記長国会対策委員長の四者会談常任委員長室において長時間にわたって開かれまして、文書によって取りきめができました。その文書の取りきめを運営委員長のところまで届けられまして、さよう決定するようにということでございます。速記録に残す必要上、一応四者会談からの申し入れの文書を朗読いたします。」これは椎熊委員長発言であったわけでありますが、その内容は、「一、国会行政監査権限は十分生かすべきである。これが機構運営方式はあらためて考慮する。行監は、本国会においても設置するが、その仕事残務処理にとどめる。」これが自由民主党及び私ども社会党幹事長書記長国会対策委員長の四者会談の集約をした最後話し合い決定であった。こういうことが文書に載っているのでございます。従って、これを読んでみますと、国会行政監査権限は十分生かすべきである。機構運営方式をあらためて両党の幹部会決定をする。こういうことが前提になって、二十四国会は、御承知通り、十二月二十日召集せられて、五月の十七日、百五十日で終りますが、いろいろな関係で十七日延長されて本日をもって終ります。その百六十七日間残務整理という形式にとどまって十分に権限を発揮することができなかったと思いまするが、こういう機関は、だれが考えましても、存置すべきであると思うのであります。ましていわんや、今日問題になっておりまする前国鉄総裁加賀山公邸交換事件、あるいは中古エンジンの問題、ガソリンの問題等、その他政府各省機関のお役人がいろいろ国民の租税を通じて取り上げている金の使い道はかなり大ざっぱなものがある。そういうときに、この衆議院における行政監察特別委員会役割というものは、三田村委員が今仰せられましたように、終戦後ずっと続いて大きな問題と取っ組みまして、綱紀粛正の上からいきましても大きな役割をして参ったことは、今さら申し上げるまでもありません。こういうことが、忙がしいとはいいながら、特に十分な連絡がとれないうちに、社会党幹部諸君がいきなり廃止をされたということについては、私は、個人的に非常な不満と、それに対して反対の意見を持っている次第でありますけれども、一たび昨日の衆議院の本会議劈頭に満場一致でこれが廃止決定をされた以上は、民主主義立場からいってもこれに服従しなければなりませんが、これは永久に廃止をするというわけではありません。四者会談の今の集約せられた決定事項の中には行政監察については機構運営方式をあらためて考慮する、こういうものは置くべきであるということが根底にあるわけであります。そして、来たるべき臨時国会なり、あるいは通常国会なりに、双方両党の幹部でわれわれの意思を十分くみ入れた話し合いが行われますならば、名称は変りましても、私ども希望通り行政監察特別委員会といったようなものができることを私は希望し、また確信を持っているわけであります。  さて、今四つ項目三田村委員から申し述べられましたように、行政監察職員諸君が現在二十八名おられるそうでりあますが、それらの諸君の組合の代表者からも要望がありましたように、全員の職場の配置転換を考えなければならない。また退職手当についての希望もございます。しかし、衆議院の各常任委員長の了解を求め、意見の調整が行われますならば、二十八名の行政監察特別委員会職員の方々の約半数の十四名の諸君は、今さしあたり新規採用を必要としておりまする常任委員会に、無理をすればはめ込むことができるのでありますが、あとに残った十四名の諸君をどういう形で転換をしていくか。どうしても何人か残った人には、どういうような退職手当の支給をすべきかというような点につきましても、あるいは残務処理のための小委員が公的ではありませんが、こういう問題を円滑に解決するために、各党から選ばられることになろうと思いするが、私は、これらの点を十分に考慮いたしまして、再び国会の開かれたときに、新しくこういう機関ができることを心から希望するものであります。  今も理事会でどなたかおっしゃいましたように、日本の警察と検察庁廃止せられ、刊法が廃せられるようなことがかりにありますならば、日本のどろぼう諸君はおそらく一安心するだろうと思う。政府機関のお役人さんは意識的にその予算を乱費する人はないでしょう。けれども、往々にして問題は次から次に起っている。問題が起れば、衆議院の中の行政監察特別委員会が、検察庁とは別個に厳然として独立する機関として、容赦なく、国民の敵のような役割をした人を召喚して、徹底的にこれを糾明して、その真実を天下に発表する、こういったような機関があることだけでも、どれだけ日本の官僚の諸君がまじめに仕事をせなければならぬということに大きな強制力を持っている。これが廃止せられたということになりますると、おそらくほっとした安心感を持つ人がかなりおるのじゃないかと思う。それはやがて大きな疑獄事件を生み出す原動力にもなりまするので、どうか、この点につきましては、行政監察委員各員の御協力と御支持によって、適当な機会に、もう一ぺん、形は変りましても、復活するような御協力をこの際私はお願いしておきたいと思います。  なおまた、今三田村委員からもおっしゃいましたので、重複を避けたいと思いまするが、一言申し上げます。二十八名の人は、長い職員の方は、終戦直後開かれましたこの行政監察特別委員会の、前の名称は違っておりましたけれども、その時分からずっと連続して御勤務になって、そうして国家公務員の待遇を受けているというわけではなしに、委員長及び委員からの委託、指令があるたびにいろいろ困難な仕事と取り込んで御努力をしていただいて参りました。また、勤続年数の短かい人でも、勤続年数の長い人と同じような苦労と努力をしてこられました。このような人が、いかに国会各党一致決定とはいいながら、こういう状態になって、本日をもって行政監察特別委員会廃止されるということについての精神的な気持、あるいは過去において努力して、そうして何ら報われるところがなかったというような点につきましても、私どもは非常にお気の毒に考えると同時に、こうべを下げて、私はありがとうございましたとお礼を申し上げたいのであります。できる限りのことは、配置転換並びに退職手当等につきましては、私ども社会党の者といえども、微力ながら自民党の人々と話し合って御期待に沿うように努力したいと考えているわけであります。  いろいろ申し上げたいこともございますけれども、私の方もただいまから、両院議員総会も開かれることであり、時間にかなりの制約を受けておりますので、今の三田村委員動議に、社会党を代表して、私は賛成の意を表する次第であります。(拍手
  6. 高木松吉

    高木委員長 ただいま三田村君より提案されました決議案賛成諸君の御起立を求めます。     〔総員起立
  7. 高木松吉

    高木委員長 起立総員。よって、全会一致をもって可決いたしました。  ただいま決定を見ました決議は、議長及び議院運営委員長等に提出いたしたいと存じますが、その手続等につきましては委員長に御一任願います。     —————————————
  8. 三田村武夫

    三田村委員 ただいまの決議趣旨を完成するため、実行委員を選出して、その実行に当りたいと思います。つきましては、その実行委員の選出については、委員長指名によられんことを動議として提出いたします。
  9. 高木松吉

    高木委員長 ただいまの三田村君の動議通り決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 高木松吉

    高木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。  よって、委員長は、佐々木秀世君、塚原俊郎君、篠田弘作君、濱野清吾君、山中貞則君、古川丈吉君、三田村武夫君、青野武一君、佐竹新市君、山田長司君、高津正道君、小林信一君及び私、以上十三名の諸君指名いたします。  なお本日の理事会において決定を見ました諸事項につきまして、手続等について委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 高木松吉

    高木委員長 異議なければさよう決定いたします。  他にどなたか御発言ありませんか。——他にございませんければ、私からごあいさつ申し上げます。  顧みますと、昭和二十二年七月二十五日の第一国会において、隠退蔵物資等に関する調査特別委員会が設けられ、引き続き第二国会には不当財産取引調査特別委員会、第五国会には考査特別委員会、第十国会には行政監察特別委員会としてそれぞれ設置され、時の流れとともに発展を遂げ、順次その名称を新たにしながら、今日まで約十年間に上り毎国会引き続き設けられてきたのであります。  この際本行政監察特別委員会について少し申し上げますと、昭和二十六年二月六日、第十国会において院議をもって設置されて以来、今日まで毎国会引続き設置され、接収解除貴金属並びにダイヤモンド関係事件保全経済会等特殊利殖機関に関する件、国有財産管理及び処分に関する件、小中学校における教科書関係事件等について調査をいたしてきたことは御記憶の通りでございます。その間本委員会はその特質を遺憾なく発揮し、国会国政調査という新しい使命を十分果し、よく国民期待にこたえてきたのでありますが、諸般の情勢から今日限り廃止される運びとなりました。本委員会が今日限り廃止されましても、私も、国会国政調査権に基く広範な行政監査は、今後もきわめて必要であることを信じて疑わないものであります。その間本委員会の多難な運営の衝に当られた歴代の委員長及び各委員諸君の御精励に対して、深く敬意を表する次第であります。また、この間終始本委員会と行をともにして、公正かつ熱心に本委員会活動状況国民に報道されたプレス各位に、つつしんで敬意感謝の意を表明するものであります。  最後に、委員長として案じられますることは、委員会廃止に伴い、多年本委員会の困難な調査事務に当って参りました事務局職員の今後の身の振り方については、それぞれ容易ならざることが考えられますので、委員諸君、少くとも実行委員諸君は、一つ職員の今後の問題について格別の御指導と御協力、御同情を切にわずらわしたいのでございます。その辺の事情御賢察の上、よろしくお願いいたします。  本委員会を閉じますに当り、不敏な私をして今日まで大過なく委員長の職責をとることができましたことは、ひとえに各委員の御指導、御協力のたまものと深く感謝をいたす次第でございます。ありがとうございました。  これにて散会いたします。     午後零時三十七分散会