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鈴木(義)
委員 山村さんから非常に適切な御
質問がございましたので、この際
社会党の
立場からお答えを申し上げておきたいと思うのであります。
この暴力に訴えてもというようなことは非常な侮辱でありまして、ぜひお取り消しを願わなければならない。われわれはそういうような
考えは持っておらないのであります。しかし、数は決して合理を決しませんから、数をもってこれが合理的であるというようなことを仰せられても、われわれは納得することはできないのであります。何が合理的であるかということは、数が決する問題にあらずして、理性が決する問題であります。常に理性の応援を求めて問題を処理して参りたいと
考えておる次第であります。いわんや野党が議会において存在することは非常に大切なことでありまして、
イギリスのような国では、御
承知のように、野党の党首に対しては総理
大臣と同等の待遇を与えておるのであります。そこで、
社会党という唯一に近い大
政党に対して、その存在価値を認めないような
態度をとられることは、民主主義議会
政治の否認でありまして、それ自身ファッショであると私
どもは認める。しかるに、少し前の晩おそかったからといって、朝出てこないことを見越して、与党だけで集まってある
議案を決してしまうなどということは、これは議会
政治の否認でありまして、断じてわれわれは承服できないのであります。(「公報に出ている」と呼ぶ者あり)なるほど時間は十時ときめておられたかもしれませんが、議会における
委員会運営の慣例は、常に、十時半とか、大体与野党の相当数がそろうまで待つので、それを待たずに、かりに本
会議等において定足数がそろわないうちに与党だけでやったということがありましたならば、どうなりますか。これはよほどお
考えを願わなければならない。裁判所に持っていって解決してもらうべき問題ではない。三権
分立の建前から、議会において自主的に決すべき問題でありまして、それが、多数の暴力をもって
——これはわれわれは暴力と言うのであります。ただ、げんこつをふるうだけが暴力ではありません。数をもって理性を無視した行動をとろうとすることは、これは明らかに多数による暴力であるとわれわれは解しておるのでありまして、こういうことに対抗するためには、そのしりを引っ込めない限りは、われわれはあくまでレジスタンスを続けていくほかないのでありまして、ただいま議院
運営委員会においてそれをやっておるわけであります。山村
委員は、自由民主党はそういうことはしないということを仰せられたのであるが、すでに
一つの実例を作っておるのでありまするから、どうかいっときも早くこれを撤回されて、そうして正しい道に戻ってやり直していただくことをお願いいたします。それはちょうど実例が起ったので申し上げるわけでありまするが、まさか、
選挙法についても、朝早く野党が出てこないときをねらってやってしまうなどということはなかろうと思いますが、われわれから見れば、この
法案そのものが
一つのファッショでありクーデターであります。一党専制を招来せんがために、こういう
法律をお出しになったのであります。
先ほどから承わっておると、
政局安定のために小
選挙区案を出した……。(「それはこっちから
質問していない」と呼ぶ者あり)いや、それは多数の暴力に
関係があるから申し上げるのでありまして、どうか
一つよく答弁を聞いて再
質問をお願いいたしたいと思います。すなわち、小
選挙区
法案というものは何も急いで出す必要がないと、われわれは思っておるのです。すでに自由民主党は三分の二の勢力を衆議院において占めておられるのであります。ところが、衆議院においてそれだけの勢力を占めておるのに、何の必要があって、
政局を安定させるために、これ以上小
選挙区にして
社会党に打撃を与える必要があるのでありますか。これは私はどう
考えても
一つのクーデターを行うものとしか解釈することができないのであります。しかも、それぞれの
選挙区が
——一つ一つの区について御説明申し上げますれば、よく御納得がいくと存ずるのでありますが、これはだれのための
選挙区、これはだれのための
選挙区というふうに、みなそれぞれ人によって
選挙区を作っておるのでありまして、そういうことまでして、すでに三分の二の多数を占めておるのに、この上五分の四の多数とか六分の五の多数をお占めになりたいのでありまするか。むしろ、私
どもから言えば、その
提案の動機に疑義を持たざるを得ないくらいのものでありまして、われわれ
社会党から見れば、大切なことは、むしろその前提になる
選挙を公正にやること、正しい
選挙が行われるようになれば、
選挙区が大きかろうが小さかろうが、公正な世論の反映ができると
考えております。そのためにああいう
提案をいたした次第でありまして、むしろあれを前提として
一つ御
審議を賜わりたい。それができた後相当期間実施したならば、私
どもも小
選挙区にあえて反対はせない、賛成をするような心境に変ることがあるかもしれないのでありまして、どうかその点を誤解のないように御了解を願いたいのであります。
幾らでも申し上げたいが、あまり答えが長くなることもどうかと思いますので、再
質問を待ってお答え申し上げます。