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1956-03-30 第24回国会 衆議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月三十日(金曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君    理事 前田榮之助君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    荒舩清十郎君       伊東 隆治君    大高  康君       木崎 茂男君    久野 忠治君       高木 松吉君    仲川房次郎君       中村 寅太君    二階堂 進君       廣瀬 正雄君    松澤 雄藏君       松永  東君    山口 好一君       今村  等君    楯 兼次郎君       山下 榮二君    山田 長司君       渡辺 惣蔵君  出席政府委員         総理府事務官         (自治省行政部         長)      小林與三次君         大蔵事務官         (主計局長)  原  純夫君         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建設事務官         (営繕課長)  小島 新吾君         建 設 技 官         (首都建設委員         会事務局長)  松井 達夫君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 三月三十日  委員薩摩雄次君辞任につき、その補欠として久  野忠治君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月二十九日  積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関  する特別措置法制定促進に関する請願(池田正  之輔君紹介)(第一六七〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一三五号)  首都圏整備法案内閣提出第一三八号)  官庁営繕法の一部を改する法律案田中角榮君  外九名提出衆法第二七号)  都市公園法案内閣提出第一三二号)(予)     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  官庁営繕法の一部を改正する、法律案議題といたします。本案に対する質疑前回をもって終了いたしております。この際官房長より発言を求められておりますから、これを許します。官房長
  3. 柴田達夫

    柴田政府委員 今回御提案になっております官庁営繕法改正案につきまして、建設省としての意見をこの際表明させていただきたいと存じます。  本案につきましては、政府といたしましては全く賛成でございます。本案内容によりまして、従来から懸案となっております官庁施設営繕統一ということにつきまして、完全の域とまでは申すことはできないにいたしましても、相当の程度につきまして統一できるという意味におきまして、これは非常に貢献するところが多いものであると確信いたすものであります。もし本案が成立いたします場合には、政府といたしましても、この趣旨に基きまして一そう官庁施設統一合理化ということに努力をいたしまして、成果をあげたいものと念願をいたしているような次第でございます。  以上建設省の所信につきまして、一言私どもの見解を表明いたした次第でございます。
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 内海君より本案に対する修正案提出されております。この際提出者より趣旨説明を求めます。内海君。
  5. 内海安吉

    内海委員 修正案の案文を朗読いたしまして。    官庁営繕法の一部を改正する法律案に対する修正案   官庁営繕法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第一条の改正規定中「維持管理」を「保全」に改める。   第九条の三の見出し及び同条第一項中「維持管理」を「保全」に改め、同条第一項中「附帯施設を」の下に「政令で定める技術的基準に従い、」を加え、同条第二項を削る。   第十二条第一項の改正規定中「並びに合同庁舎」を削り、同条第三項の改正規定中「維持管理」を「保全」に改める。   附則第三項中の建設省設置法第十二条第一号の二の改正規定及び附則第四項中の北海道開発法第十二条第一項第一号の二の改正規定中「維持管理」を「保全」に改める。  修正理由を申し上げます。  本案第九条の三には、各省各庁の長は、その所管の建築物等維持管理しなければならない旨規定されておりますが、現行の国有財産法第五条に同様の規定がありますので、重複を避けるため「維持管理」とありますのを「保全」に改めることが適当と考えます。  また本案第十二条第一項には国家機関建築物と並べて「合同庁舎」の字句がありますが、合同庁舎国家機関建築物の一種でありますから、この字句を削除することが適当であると考えるのであります。以上。
  6. 徳安實藏

    徳安委員長 ただいまの内海君の説明に対し御質疑があればこれをお許しいたします。——質疑がないようでございますから、本案討論に付したいと存じます。  討論の御通告もありませんので、討論を省略し直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  官庁営繕法の一部を改正する法律案及び内海提出修正案について採決いたします。まず内海提出修正案賛成諸君の御起立を求めます。   〔総員起立
  8. 徳安實藏

    徳安委員長 起立総員。よって内海提出修正案は可決いたしました。  次にただいまの修正部分を除いた原案賛成諸君の御起立を順います。   〔総員起立
  9. 徳安實藏

    徳安委員長 起立総員。よって修正部分を除いては原案の通り可決いたしました。これにて本案は修正議決いたしました。なお報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認めさように決しました。     —————————————
  11. 徳安實藏

    徳安委員長 次に公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を問題といたします。本案に対しても質疑は終了いたしております。柴田官房長より発言求められておりますから、この際これをお許しいたします。柴田官房長
  12. 柴田達夫

    柴田政府委員 前回委員会におきまして、三鍋委員から、参考資料としてお配りいたしました表の中で、保証金事故昭和三十年度におきます東日本建設業保証会社内容についてお尋ねがございました。取り調べて申し上げることに保留いたしておりましたので、その内容を申し上げます。  昭和三十年度の東日本建設業保証会社建築工事事故に一千二百四十三万円の弁済をなしたという事実がございます。この内容は、発注者防衛庁東京建設部であり、請負者は長建設株式会社でございます。工事は浜松の防衛庁航空通信学校工事でございます。工事費は五千二百六十万円でございまして、そのうち三割の一千五百七十八万が前払い金となっております。そのうち三百三十四万円の出来高のところで工事が中絶いたしまして、事故といたしまして、その差額の、一千五百七十八万円の前払い金から、でき上っておりました高を差し引きました一千二百四十三万円の事故金額保証会社から支払われているのでございます。この原因は同会社の倒産によるものでございまして、その結果現在その会社営業休止の状況にあるような次第でございます。完成保証人がありまして、その事故を請求しましたけれども、完成保証人の方は違約金を払いまして保証を拒否いたしましたので、防衛庁において請負契約を解除した結果、残工事につきましては、別に入札をいたしまして、別な業者によって現在は完成をいたしておるような次第でございます。  以上、御報告を申し上げます。
  13. 徳安實藏

    徳安委員長 本案討論に付します。本案に対する討論通告もないようでありますから、討論を省略し、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と、呼ぶ者あり〕
  14. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案賛成諸君の御起立を願います。   〔総員起立
  15. 徳安實藏

    徳安委員長 起立総員。よって本案原案の通り可決いたしました。  なお、報告書作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さように決しました。     —————————————
  17. 徳安實藏

    徳安委員長 次に都市公園法案議題とし、審査を進めます。  質疑通告がございますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。
  18. 三鍋義三

    三鍋委員 都市公園国立公園との関係につきまして、若干お尋ねいたしたいと存じます。第二条第三項の規定によると、国立公園法に基く公園施設などは、都市公園公園施設から除外されることになっております。都市公園内に国立公園計画に基く公園施設ができたような場合には、当然にその施設管理国立公園管理者が行うことになると思うのでございますが、従来国立公園管理は、都道府県知事がこれを委託されてやってる場合が多いので、市町村長管理する都市公園にそのよう施設が設けられた場合には、管理が二分化するように思われるのであります。こういう点から考えまして、せっかくのこの法案が適切を欠くおそれがあると思うのでありますが、この点についての御見解を承わる次第です。私はこのような場合には、原則としてその施設などの管理は、都市公園管理者すなわち市町村長がやるのが当然である、このように思うのでございますが、これに対するところの御所見を承わりたいのであります。
  19. 町田稔

    町田政府委員 ただいま御質問のありましたように、国立公園の一部に都市公園がございまして、都市公園国立公園施設が設けられまする場合には、この施設管理は、国立公園法規定に基きます管理者管理いたすことになっております。国立公園法規定によると、国立公園施設として設けますものについての管理は、おおむね地方公共団体となっておりますので、原則として都市公園施設管理者と一致することが多かろうと思います。しかしながら、国立公園施設を直接国が設ける場合、それから市町村管理いたしております都市公園内において、府県知事国立公園施設管理するという場合が、今お話のございましたように考えられるのでございます。しかしその際には、まず都市公園国立公園施設を設けるにつきましては、十分都市公園管理者と協議をいたしまして、この規定に基きまして、第七条によりまして設ける施設制限を受けることになります。第七条に該当いたしません国立公園施設は設けることを得ませんし、またそれを第七条に該当しまして設けました場合には、国立公園以外の他の施設と同様に、その当該施設管理者がこれを管理することは当然だと考えられるのでございまして、この点につきましては事実上支障がないものと考えております。
  20. 三鍋義三

    三鍋委員 次に国立公園法の第八条の第二項を見ますと、主務大臣国立公園風致維持のために特別地域指定したり、あるいは景観維持のために特別保護地区指定したりすることができるようになっております。この特別地域とか特別保護地区指定されておるのは、大体全国に現在どのくらいの範囲に設けられてありますか。
  21. 町田稔

    町田政府委員 国立公園法関係厚生省で主管いたしておりますので、正確な資料を持ち合せておりませんが、第八条に規定いたしております特別地域はごく狭い範囲で、風致維持上特に必要な地域についてこれを国立公園として指定することになっておるわけでございまして、ごく狭い地域指定いたしております。これは現在厚生省の方で地域指定いたしておりますが、個所数につきましては、国立公園の数は二十カ所ございます。それから景観維持のための特別保護地区国立公園につきまして一カ所以上ございます。それで二十カ所以上の特別地域指定されておるということになっております。
  22. 三鍋義三

    三鍋委員 都市公園施設についてもこのよう地域地区指定ができるのかどうか、これをお聞きしたい。できるとすれば、これらの地域については工作物の新築あるいは水面の埋め立て、木竹の伐採、家畜の放牧その他いろいろな面で制限を受けるわけでありますが、都市公園についてやたらにこういうよう地区指定が行われていろいろな制限がなされた場合、都市公園としての十分な機能を発揮することができないようなことになるのではないか、このように考えるのでございますが、この点いかがでございますか。
  23. 町田稔

    町田政府委員 今御意見のございましたように、都市公園地域をかぶって特別地域指定することは可能でございます。その場合には都市公園に対します、ただいま御審議いただいております法律と、それから国立公園法とが両方適用になるわけでございますが、この際に国立公園地域内にございます都市公園につきまして、国立公園伝適用を排除することは、国立公園目的達成上適当を欠く場合が多いと思うのでございます。と申しますのは、国立公園内におきましては、特別地域等指定いたしまして、特に景観維持上、ある種の景観を阻害するような行為の制限をいたしておりますか、そういうことにつきましては、たとい都市公園内といえどもこれを行うべきものではないと思うのでございまして、この点につきましては都市公園国立公園内にあります際には一種の制限があるわけであります。しかしながら、他方国立公園内の都市公園におきましては、この都市公園法によりまして、各種国立公園内に設けた施設といえども、特別の場合でない限り、たとえば第七条の各号に該当する場合でない限り、これは設けられないのでございまして、この点は都市公園目的に合致したよう国立公園運営をせざるを得ないわけであります。両者の法律が相併存して適用されることは、地域がダブリます以上はやむを得ないものと考えておるのでございます。
  24. 三鍋義三

    三鍋委員 二つのものがダブっていくことは、これはある程度やむを得ないと思うのでございますが、私たちがやはり心配するのは、そういう明らかに錯綜した場合における運営、これに何かそごを来たしまして、両方目的が達せられないというようなことを心配してこの点をお尋ねしたわけでございます。次に公園管理者以外のものの公園維持についての項につきましてお尋ねしたいと思いますが、第五条の規定によりますと、「都市公園に設ける公園施設で自ら設け、又は管理することが不適当又は困難であると認められるものに限り、公園管理者以外の者に当該公園施設を設け、又は管理させることができる。」ことになっておりますが、みずから設けまたは管理することが不適当または困難であるというのは、どういう場合を考えておられるのございますか。
  25. 町田稔

    町田政府委員 都市公園に設けます公園施設公園管理者みずからが行いますことが最も望ましいと思うのでございます。しかしながら特に第五条におきまして、公園管理者以外のものが公園施設をみずから設け、または管理することができるよう規定いたしましたのは、たとえば公園施設の中には売店とか軽食堂等よう地方公共団体がみずから経営することが必ずしも適当でないものがございますし、なお財政上、技術上の理由等によりまして、その他の施設につきましても公共団体設置したり管理することが困難である場合がときどきございます。それでそういう場合に、管理者以外のものがこれを設け得るよう規定を設けた次第でございます。
  26. 三鍋義三

    三鍋委員 これはいろいろな公園に具体的問題としてあると思うのでございますが、たとえば日比谷公園松本棲でございますが、この状態を私たちが実際に見てみますと、公園を利用する人にとっては何ら便益というものがない。便益がないというよりも、むしろああいうものがあるために、これを利用する人々の自動車とか、そういうものの出入りによりまして、公園で慰安したり、あるいはいこいの場所を求めにくる人に迷惑を与えておるのではないか、こう思うのです。今後こういう公園利用者にあまり関係のない、むしろ迷惑を与えるようなそういう施設は設けるべきではないと思うし、また現在あるものを、何らかの処置を講じて撤去させるとかなんとかする必要があるのではないか、そういうところまで積極的にいって、初めてこの都市公園法設置される意義も私はあると思うのでございますが、ちょっとこまかくあまりに具体的であるかもしれぬけれども、この松本陵などはどうしてああいう所にああいうものができたのか、そのいきさつがおわかりでしたら御説明願いたいと思います。
  27. 町田稔

    町田政府委員 今御意見のございましたように、都市公園公園施設として必ずしも適当でない施設が非常に多く設置を見ておるのでございまして、これは従来都市公園法よう公園管理いたします規定がございませんでしたので、その設置はやむを得なかったわけでございます。それで今御意見のございました通り、そういう公園に設けることを不適当といたします施設を今後設置することを制限いたしますためにこの公園法が必要でございますので、御審議をいだいておるわけでございます。現在の松本櫻は、最初は公園施設目的のために休憩所等を兼ねて設けられたのでありますが、その後その運営が多少公園施設として不適当な運営になっておるように認められます。これらの具体的な施設についての将来の処置につきましては、公園法が施行になりました後に十分検討いたしまして、善処をいたして参りたいと思うのでございますが、その点につきましては、特に公園法の付則の第五項におきまして公園施設以外の既存物件に関する経過措置規定いたしたのでございます。それで全国公園施設以外の各種の御指摘になりましたよう施設が存置されております場合に、この経過規定によりまして、今直ちにそれらの物件を撤去いたしますことは、実情として不可能な場合が考えられますので、最長五年間だけはその施設の存置を許すように考えております。その後につきましては、その五年間の期間内に極力公園施設に変更させるよう行政指導をいたして参りたいと思いますし、なおそれが不可能なものは、五年を経過した後に撤去させるというように考えておる次第でございます。
  28. 三鍋義三

    三鍋委員 松本楼がどのようにしてああいう形になってきたのか私どもわからないのでございますが、私の心配するのは、初めはちょっとした売店みたいだったものがだんだんと増改築していって、現在のようなああいう不当な高層な建築物になっていくということが、自然的に、なかなか巧みに、あるいはたくまずしてああいう工合になっていくことがやはりあり得ると思うのです。今後こういう施設、料亭といったようなものは絶対に許可されない方針かどうか、それをはっきりとここで御言明をお願いしたいと思うのであります。  もう一つそれに続きまして、この第十条を見ますと「原状に回復することが不適当な場合においては、この限りでない。」これを見ますと、ひがみかもしれぬが、何かそれをまた擁護するような、裏づけをしている条項のようにもとられるのでありますけれども、これと関連いたしまして今の問題を一つ明確に御答弁願いたいと思います。   〔委員長退席内海委員長代理着席
  29. 町田稔

    町田政府委員 この都市公園法によりますと、第五条の二項に「公園管理者以外の者が公園施設を設け、又は管理ようとするときは、条例で定める事項を記載した申請書公園管理者提出してその許可を受けなければならない。」ようにいたしております。それで今後一たん設けられました公園施設許可なくして他の施設に変るようなことは起り得ないと思います。ことに後段におきましては「許可を受けた事項を変更しようとするときも、同様とする。」というよう許可を受け直す必要があるよう規定いたしておるのでございまして、その心配はないと思います。ことに許可を受けずして変更いたしました場合には、罰則の規定を設けまして処罰いたすようになりますので、この点は従来と違いまして、非常にその強行をすることが容易であると存ずるのでございます。  なおただいま御質問のございました第十条の原状回復の点につきましては、これはたとえば公園内の地下に水道管あるいは下水管等が埋まっておりまして、それが不要になりましたときにも特に掘り出して原状回復をするという必要はございませんので、そういう場合にだけ適用する意味におきまして規定がございます。御指摘ような例はこの規定では適用がないのでございます。
  30. 三鍋義三

    三鍋委員 第五条の第三項に「公園管理者以外の者が公園施設を設け、又は管理する期間は、十年をこえることができない。」こう一つ打ち出して、「これを更新するときの期間についても、同様とする。」となっておりますが、この意味をちょっと御説明願いたいと思います。
  31. 町田稔

    町田政府委員 公園施設につきましては、公園管理者管理いたしますのが望ましいわけでございますので、公園管理者以外の者につきましては、その管理をいたします期間を限定いたしまして、特に十年としたわけでございます。しかし十年を経過いたしまして、従来設置管理いたしておりました公園管理者以外の者になお継続してこれを管理させることが適当な場合もあり得ることが予想されますので、特に更新をすることを許す規定を設けましたのでありまして、原則としては公園管理者が、期間が経過いたしました後は管理を引き継ぐということを考えておる次第でございます。
  32. 三鍋義三

    三鍋委員 大体それに適用されるよう施設というものは現在どういうものがありますか。また今後どういうものが予想されますか。
  33. 町田稔

    町田政府委員 特に公園管理者管理することが不適当な施設というものは、比較的少いのでありまして、私たちが予想いたしておりますのは、主として売店あるいは軽食堂という類を現在予想いたしております。
  34. 内海安吉

    内海委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——質疑がなければ、予備審査の段階における質疑はこれにて終了いたしたいと思います。御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なしと認めさように決します。     —————————————
  36. 内海安吉

    内海委員長代理 次に首都圏整備法案議題とし審査を進めます。ちょうど大蔵省の原主計局次長自治庁小林行政部長がお見えになっております。御質疑があればお許しいたします。二階堂進君。
  37. 二階堂進

    二階堂委員 ただいま提案されております首都圏整備法案につきまして簡単に二、三要点について質問してみたいと思うのであります。今回東京都を中心とし、さらにこれに隣接する地域整備目的とせられまして本法を提出されたのでございますが、ただいま提案になっておりますこの法案内容を検討いたしますと、昭和二十五年でありましたか制定されました旧法に比較して、やや私は前進をいたしておる法案だと考えるのであります。しかしながらこの日に日に膨大になっていきます大東京整備、並びに近接する地域の政治、経済、文化、これらの総合的な計画についての事業というものはきわめて膨大なものであります。この計画実施されるに当りましては、協力な一つ機関を設けて、この実現をはからなければこれは無意味だと考えます。すなわちこの計画を思い切って立てて、そしてこの計画に伴う予算的な裏づけあるいは資金的な裏づけというものをなさなければ、幾らりっぱな法案をお作りになっても実施が伴わないことになって、骨抜きの法案でしかたいというふうに考えられるのであります。たとえば東京都の交通網整備一つを考えてみましても、大へんな仕事だと考えております。今にしてこのよう実施計画を立てて、相当思い切った仕事を断行しなければ、この仕事が、一日おくれればおくれるほど事業実施も困難になるし、またこれに伴う財政的負担も増加していくという事態に直面していくことは明らかであると、私は考えておるのであります。このような見地に立ちまして提案されておりますこの法案を検討いたしますと、内容的には私はきわめて不利な点が多いように察知いたすのであります。もちろんこの法案に伴う予算的な措置もいたされておりませんし、また具体的な計画は今後お立てになるという法案でありますので、これらについて具体的な質問ができません。できませんがしかし、私はこの程度の法案内容であっては、先ほど来申し上げておりまするような大きな仕事の実現は、きわめてむずかしいというふうに考えるのでありますが、この点について政務次官は一体どのようにお考えになっておりますか、まずその点を第一点としてお伺いいたしたい。
  38. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 二階堂委員の御質問はよく私もわかるのであります。できるだけ強い法案を作るということが本旨でなければならぬということであるのであります。御承知のように、この法案委員会提出して審議を願っておるのでありますが、前の首都建設委員会より強いものをここにあげておるのではなかろうかと私は考えておるのであります。そこで首都圏の範囲の点につきましても、前は五十キロの円形というような幅の狭いものであったのでありますが、今回は大体七、八十キロから百キロくらいの程度になるのではなかろうか、かように考えております。県にいたしましても千葉県、神奈川県、埼玉県あるいは群馬県、栃木県、茨城県も入れてくれというような御要望もあるそうであります。そういうふうにできるだけ相当広範囲に考えていきたいということでありますが、これも各方面の今度の委員の方々の意見によってきまることと存ずるのであります。  なお委員の点につきましては、どうしても相当一流の人物によってやっていただかなければならぬ。いわゆる都市計画とかあるいは土木建築の一流の人物、あるいは自治行政の一流の人物というようか人によってこれを立案していただきたい、かように考えておるのであります。
  39. 二階堂進

    二階堂委員 ただいまお伺いしますと、計画をお考えになっておる区域というものも相当広範囲にわたるように伺うのであります。従いまして私は、先ほどから申し上げておりますように、これは単に旧法に基いての東京都内の仕事だけでも大へんな仕事であります。加えて今後計画を立てて事業実施せられるという区域は、先ほど政務次官も申されましたごとく、大へんな広地域にわたる産業、経済、文化すべてにわたる総合計画をお立てになって、そして整備ようということでありますので、相当思い切った計画もお立てになるし、また計画をお立てになっただけではこれは無意味である。これに伴う予算措置が相当思い切ってなされなければ、この法案は死文にひとしいものになってしまうという心配を、私はまずこの法案を見て痛切に感じますので、この実施に伴う将来の予算措置については、十分一つ腹をきめて取り組んでいただきたい、かように考えるわけであります。  さらにまた第五条の委員会の構成につきましても、委員長のほかに四名の委員もお作りになるように出ておりますが、ただいまの政務次官の御意見によりますと、相当慎重に、りっぱな人をこれに連ねなければならぬというふうにお述べになっております。私はしごくもっともな考え方だと思っております。たくさんの人を連ねる必要はない。ほんとうに総合計画を立てる上において識見といい、その力といい、また技術的な考え方においても、人後に落ちないりっぱな人をその局に据えていただくことが人選上大事な要件ではないかと考えておるのであります。この点につきましては、政務次官の意見と私は意見を同じくするものでありますので、要望として私の意見をつけ加えておきます。  こまかい点につきましてはいろいろ質問をいたしたい点もありまするけれども、要点のみに限って私は質疑をいたしてみたいと思っておりますが、次にお伺いいたしたいことは、国の補助の規定に関する点であります。第二十四条には、開発区域内における学校建設に関する補助の規定があります。御承知のごとく住宅公団によってかなり多くの集団住宅が建てられるようになったのでありますが、昭和三十一年度におきましても、住宅公団の計画の中にも、四、五千戸、それ以上になんなんとするような住宅建設の計画東京都を中心とした付近にあるのではないかと考えるのであります。このように集団的な住宅を建てて参りますと、その問題の一つに学校の建設が出てくることは当然であります。この住宅公団の予算の中にも、当然子供のために学校の施設を同時に作っていく必要があろう。そうでなければ子供が遠いところの学校に通わなければならぬというような、非常に不便な状態もできてくるということを考えまして、当然住宅公団の集団住宅を作るようなときには、その一部の予算として学校の建設も同時に並行して考えていくべきじゃないかという意見を私は述べて参っておりますが、私はよく勉強しておりませんが、公団住宅の何千戸以上に上る集団住宅の予算の中に、学校建設の予算が本年度は考えられていないのではないかというふうに考えるのであります。そこで東京都及び近郊の開発区域の中には、やはり住宅問題も同時に総合的に考えていく必要があろうと思うのであります。このような場合に、学校の建設の必要を考えられて、この二十四条の中に補助規定を設けられたことはきわめて適当な考え方だと考えております。しかしこの規定を見ますと、非常に補助の程度が少いのじゃないか。これを見ますと、予算の範囲内、これはもちろん大蔵省当局はいつもつける文句であります。これは当然のことであります。「予算の範囲内で、小学校の施設にあってはその建設に要する経費の三分の一以内を、中学校の施設にあってはその建設に要する経費の二分の一以内を補助することができる。」こういうふうに書いてあります。これは補助規定を設けられたことは非常にいいと思っておりますが、しかしながら東京都及び近郊の市街地開発区域内に一つ計画を立てて住宅建設をやられる、こういう計画が立った場合、その計画を前進するためには、ある程度思い切って補助を与えて、住宅も学校も並行して建てていくというような施策が行われなければ、この計画を強力に実施することはきわめてむずかしいのではなかろうかと考えております。   〔内海委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、大蔵省の原次長も見えておりまするが、本年度の住宅公団の中の学校の施設あるいは学校施設に必要な用地の予算というものを、建設省、住宅公団の方からその予算の要求があったと思いまするが、あなたの方でこれは不必要だというよう——結果から見ますと予算がついていないということであれば、あなたの方でその予算はどうも困るというふうにおっしゃったのではないかと思うのでありますが、どういう理由で、そういうことになったのか、そのことが一点。  それから文部省の規定によりますと、小学校と中学校では建設についての補助が違っておるのではなかろうかと思うのでありますが、このことも私よく勉強しておりませんのでわかりません。しかしなぜ小学校と中学校の建設の補助を二分の一と三分の一に違えたのか。これは同じ学校の建設に必要なものならば、二分の一あるいはそれ以上の補助は当然なさるべきものだと思うわけであります。それは一つ計画ができ、その計画を強力に推進しようというために法案が出るのです。だから小学校の場合と中学校の場合と文部省の規定によって違っておるから、その法律の通りにこれを実施すればいいのだというようなことであっては、この非常に膨大になっていく東京都の整備、あるいは近郊地域整備計画実施する上において手ぬるいのではないかと思うのです。これはある程度思い切って補助を出すというようにお考えになるのが適当じゃないかと考えております。この点について私大蔵当局にお尋ねをいたしてみたいと思うのですが、原さん、この二点についてどうですか。
  40. 原純夫

    ○原政府委員 第一の御質問、つまり住宅公団の予算において学校の建設費ないし敷地の費用を認めない理由はどうかということでありますが、いろいろそういう御要望もあるのでありますが、何分少い資金でたくさん住宅を建てたい、そして一般に学校の建設の費用は、御案内の通りに地方団体が一部補助をもらい、一部起債等の財源でやることになっております。もちろん首都圏地域、あるいは住宅公団の活動します地域公共団体も、それぞれ財政の苦しい中でありますが、どちらかと申しますと、大体ただいま公団でやっております地域は集中的な人口の多いところ、都市の中でも特に大きなところを中心にやっておりますので、そういう補助以外の財源の調達に当っては、たとえば起債の能力にしろその他にしろ比較的能力があるのではないかというようなところから、せっかくそういう力を出していただくというようなつもりで、一方に住宅をよけい作りたいという強い気持がありますもので、そういうようなことが合わさりまして、ただいまの公団予算には学校の費用は見られないということになっておるので、御了承願いたいと思います。  それから第二点の、二十四条の中学校と小学校について補助率が違うという点でございますが、これは実は基本法といいますか、一般法で小学校、中学校の補助率がこういうふうになっております。それをそのまま引き写したのであります。それではちっとも新味がないじゃないかということにもなりますが、実は一般法の中では小学校、中学校の児童生徒数を、前の年の五月三十一日でございましたか、こういう時期に実際に調べた人数がある一度を越えてふえておるという場合に学校を建てる、その場合に補助をするというふうになっておりますが、首都圏を作ります場合にはかなり雄渾に計画をきめて、大きな団地を選んで、いわば町作りをするようなわけでありますから、前の年の五月三十一日にそこに家があるかないかということではいかぬという御主張がありまして、それはその通りだということで、それの制限を排除してやっていこうというところに重点を置いたわけなのであります。補助率につきましては、先ほど申しましたように団体の財政力等を考えましても、やはり一般の補助率でよろしかろうと思ったわけなのであります。中学校と小学校に差がありますのは、大体昔の学制から六・三制になりまして義務教育が延びました。そのために、大体昔から何と申しますか、小学校の建物は地方団体が自力で建てるというふうな建前になってきておりましたので、そこへ持ってきて中学の課程が義務教育に加わるというようなわけで、これは追加の何でございますから、非常にそのときに中学校を一時に必要とするというようなわけで、地方団体の財政上に非常に大きく当るというようなことで補助率を高めた経緯でこういうことになっておる次第でございます。第二点についてはそういうことでございます。
  41. 二階堂進

    二階堂委員 ただいま原さんの御説明はよくわかるのです。学校の建設についての補助は、たとえば文部省関係で不正常授業解消に関する法律があります。これはそういう事態が起ってきたとき初めて自治体が文部省なりあるいは大蔵省、自治庁に申請して、教室が足らぬからぜひこれを作ってくれということの事態が起って初めてそういう問題が起るのです。あるいはまた災害が起ったときの補助とかあるいは老朽校舎に対する補助とか、これは文部省の規定にあります。しかし公団の住宅に関しましては、これは一年か半年の間に何千戸というような住宅が集団的に建つわけであります。これは不正常授業が起ったような場合と性質が違って、一ぺんに一万とか二万という人間が移動して移っていくので、当然そこに学校という問題が起ってくるのは常識であります。そこで親、子供は学校の問題に困るわけでありますから、当然何万戸というような住宅を建てる上から考えてみましても、学校についての予算は並行して同時に考えていかなければ計画はりっぱに遂行できない。これは常識なんです。ところが学校の問題については、不正岸授業の適用をしてやればいいとか、あるいはその他文部省の規定にあるような学校補助の規定適用すればいいのだというお考えであっては、たとえば住宅の建設計画にしましても、あるいは首都圏整備法案の中に盛られておりますこの開発区域の中に建てられる住宅の問題に関連する学校の問題にしましても、私は手ぬるいと思うのであります。これは予算もついておりませんし具体的な案も出ておりませんので、私はこまかく質問ができませんが、家をよけい作ってやることが主であって、学校のことは二次的に考えていけばいいという先ほどあなたの御意見でありますが、これは住宅公団の場合を考えてみましても、これはどんどん何年かのうちに何万戸と建つのでありますから、当然子供の問題が起ってくるのでありますから、当然公団の予算の中に学校の予算も組んで、そして学校も建ててやるという親切が並行してこそ、りっぱな住宅政策が行われると思うのであります。そういうような並行した予算措置を当然あなた方としてもお考えにならなければならぬ。ただ住宅のことばかりを考えていけばいいのだ、学校は二次的に考えていけはいい。自治体が自分の予算で作るだろう、私はそういう考え方であってはならぬと思う。この点につきましては、私はこの二十条の中の規定にも不満があります。住宅の総合計画の中に一定の区域を設けて、そしてどんどん住宅を建ててやるのですから、建ててやる場合には、当然学校という問題も並行してお考えにならなければならぬ。それには予算措置がなければどうしても並行して建てられぬ。しかも補助率としましても二分の一とか三分の一とか、これは規定があるでありましょう。しかしこういう場合は手ぬるいのです。文部省の規定があるから、その一般の規定適用すれば事足りるのだ、こういうことでは実施計画というものが強力に実現できない。何のためにこの法律を出すのです。東京都内の混雑している状態を考えてみても、このままにほっておいていいとお考えになりますか。このままにほっておけないということでこういう法律案が、一歩前進した形で出ておる。私はこの法律案はどうも手ぬるいと思う。このような一日もゆるがせにできない緊急な事態を、何とか解決しなければならぬということでこの法案が出て、これからあと基本計画は立てられて、整備計画は立てられて、そうして実施事業計画に移されるわけであります。その場合そういうような予算措置が並行して行われていかなければ、幾らりっぱな計画をお立てになっても精神の入っていない死んだよう法律になってしまう。私はその点を一つとくとお考えになっていただきたいと思う。なおまた、この予算の補助に並行しまして当然起ってくるのは地方債とか起債の問題です。このことにつきましても私は、自治庁の行政部長さんもお見えになっておりますが、これは並行して同じような考え方でいかれるべきものと考えますが、この点について一つ行政部長の御意見を承わって、速記録にちゃんと残しておかなければいかぬと思います。意見をはっきり述べて下さい。
  42. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 実は起債の問題は財政部長の方がよかったのですが、出ましたので私からかわって御答弁申し上げます。今お話の通りこの仕事をやるについては大きな資金がいることは明瞭でございまして、この法律にも特に企業債について特別な扱いを書いてあるのでございまして、自治庁といたしましては、この法律に書いてある趣旨に従いましてできるだけのことは考えたい、そういうふうに存じております。
  43. 二階堂進

    二階堂委員 そういうことだけで私は満足しない。書いてあることだけで満足するならあえてあなたの答弁は求めない、書いたものがあるからわかっておる。こういうことであきたらないから、もっと積極的にこういうようにしたいとか、すべきだというお考えがあってしかるべきものと思うからお尋ねするのです。書いてあるからこの通り一々やりますということは当然なことです。具体的にいろんな予算とか計画が出ておりませんので、幾らここで質問してみましたところでしようがない。  次に第三十一条資金の融通等に関する規定であります。「国は、整備計画又は事業計画に基く事業実施する地方公共団体又は関係事業者に対し、必要な資金の融通又はあっせんに努めなければならない。」これは先ほども申し上げましたように、計画が立てられると当然そういうようなことがついてこなければならぬわけであります。並行して考えなければならぬわけでありますが、私はこのような抽象的な文句であっては非常に不安なんです。これは大蔵省の原さんを目の前にして何ですが、ことごとにぼくらの意見が衝突するのは、計画は立てても予算は削られていく。金は出さないというようなお考えでありますからこうなるだろうと思っておりますが、ほんとうに仕事をしようという立場に立ってみますと、これはこんなことでは東京都の整備、この付近の整備計画を立てて仕事をやろうという上から考えますと、こんなことではどうするかということになるのが当然なんです。これはやはり私は考えなければならぬと思う。こういうふうな抽象的な文句では、私は絶対に納得ができない。そこで私は、大蔵省の方にもっと積極的に、この事業計画を遂行する上について、こういうような抽象的なことではいけないのだ、もっと積極的に資金の融通とかあっせんをするお考えがあるかどうか。具体的に申し上げますならば、北海道開発等については資金のワクを設けられて、資金の裏づけをちゃんとしてやって解決しようというような、具体的なワク等が設けられておりますが、私はそういうようなある一定のワクでも作って、積極的にこの実施計画裏づけをしていこうというような考えがなければ、この法案の精神というものは、十年たっても、二十年たっても、百年たっても実施ができないと考える。そういうようなことについて、大蔵省の当局としてどういうふうにお考えになっておるか。ただ単に予算の制限があるし、財政規模の関係があるからむずかしいなどというような、通り一ぺんの御答弁では私は納得しかねる。大蔵大臣にここに来てもらえばもっと明確な答弁が得られるかと思っておりますが、大蔵大臣はすぐかわられる。原さんや主計局長は始終おられますから、あなたの立場からどうしようとか、すべきだという意見があると思いますから、その意見一つ述べて下さい。
  44. 原純夫

    ○原政府委員 実は私主計局の次長をやっておりまして、三十一条の資金の融通の方は主として預金部資金の運用の際または民間資金をいろいろな格好で借り入れるという際のあっせんでございまするし、三十二条は、地方債の方でございまするので、仕事の担当としてはちょっと違うのでありますが、大蔵省の気持を私がかわってというよう意味で申し上げますれば、もちろん私どもも、金を出さない出さないというような気持では毛頭ないので、生産的な仕事またはこういう首都建設の仕事というものが、大事なことだということはよくわかっております。従いまして十分こういう方面に積極的な態度でやりたいという気持は十分持っております。現に今これは一つの例でありますが、三十一年度予算並びにこれに伴いまする財政投融資の計画の中で、私の記憶いたします首都関係のものでは、地下鉄の建設資金というものが非常に大きな御要求がございまして、これはキロ当りの価格も非常に高くつくものでありますけれども、実はこれは内輪の話でありますが、中で相談いたしましたときに、こういう計画は相当出してもどんどん促進しなければならぬということで、かなりな資金がついたというようなことの記憶もございます。首都の建設に相当抜本的な手を打たなければならぬというのは、もう常識でございますから、出さないというような気持ではなくて、積極的に出して参りたい。ただそとから見て、資金をいかにも出さないように見えますのは、何分財布の中が少くて、そうしてつけがきまっちゃっておりますものですから、決して出さないという気持でやっておるのではないということを特に申し上げて、御了承をいただきたいと思います。先ほどの学校のお話も、一方で地方債や何かの方では、十分資金がつくというような実情も考えられますので、決して学校は二の次だというふうに考えておるんじゃありませんから、その点もあわせて御了承いただきたいと思います。
  45. 二階堂進

    二階堂委員 地下鉄の問題については非常に積極的に出していただいたそうでけっこうなことです。東京都の問題についても、これはきわめて生産的な仕事になるわけでありまするから、地下鉄に協力してくださったような考え方で、この資金の融通、あっせんに努力すべきだ、「努めなければならない」というようなことでなく、すべきだというふうな積極的な考え方で三十二年度の予算措置のときにも十分考えてやっていただきたい。これは先ほど申し上げましたように、学校の建設予算についてもどうも私の考え方とあなたの考え方は違う、だからそこも積極性が私はないと思う。われわれは、政治的な面からこれだけの仕事はしなければならぬと考えて、こういう計画もお立てになるし、また立てさせなければならぬと思う。仕事をする面からいえば、金が要ることは当然です。この金を用意しろということを申し上げておるわけではない。その施設が適切なものであったら、思い切って五カ年計画なら五カ年計画を立てて——この東京都内の道路網の整備ということを考えてみましても大へんな仕事なんです。それだけの仕事を一年や二年、あるいは五カ年に思い切ってするのには相当な金が要る。それをやることによって、大へんな経済効果が出てくる。これはある程度思い切った予算措置をしていかなければならぬ。昭和三十一年度にはわずかの金しかついていない。三十一年度から仕事をやれないのに、この中には三十二年度から事業計画に移すということが書いてありますが、私はそういうことではいかぬと思っております。ですからそういうお気持でこの資金の融通あっせんに努めて、大蔵省当局とされましてもお考えを願いたい。同時に北海道開発についての資金の別ワクというものは、金庫というようなものを設けられてやっておりますが、私はそういうところまでいかなければ、ほんとうにこの整備計画実施することはきわめて困難だ。これは困難だ、困難だ、財政の状況があって許されないということでは、毎日々々人口がふえて混雑していくこの際として、東京整備というものは百年たってもできないことだ。これをやるには、委員長とか大臣が相当腹を据えて、思い切ってこの仕事をやらなければ大へんなことになるということは明らかであります。従って私は、こういうことをくどくどしく申し上げておるのであります。  さらに自治庁の方も見えておられますから、同じような関連したことでありますが、三十二条の地方債の問題についてであります。これも地方公共団体の財政状況が許す限りこれを許可すべしというようなことが書いてあります。地方債につきましても、財政の状況が許す限りというワクをはめられておったのでは、今申し上げるよう事業計画というものはできない。いつもそうでしょう。予算のワク内においてとか、公共企業体の財政状況が許す限りというような一定のワクをはめてしまっておる。ワクをはめてしまっておれば、幾らりっぱな計画を立てようとしても、これは立てられないことになります。裏から見ればそういうことになる。たとえばこの区域の中に入っておる団体が、再建整備適用を受けるような団体であるならば、幾らりっぱな計画を立てられても、いやあなたのところは財政状況が悪いから——財政状況の許す範囲内でというこの規定がある以上は、この法律によりますと、あなたのところは、財政状況が悪いから、幾らりっぱな計画をお立てになっても仕事ができないといって断わられるよりほかにない。そういうことであっては、この法律の精神は生きてこないということは、あなたもよくおわかりだと思う。ここでこの法律をたてにとって、幾らあなた方に言っても始まらないけれども、ほんとうにこの事業計画実施されない。この法案提案理由の中にも、これらの計画をば強力に推進するために法案を出すと書いてある。強力に推進しようと言っておりながら、一方では予算がありませんから、地方では、地方の財政状況があなたのところは悪いからといってワクをはめられておっては、この計画は一歩も前進上ない、実施できないということになることは明らかであります。ですからこのよう計画が膨大な計画になると思うのでありますが、その計画を一年や二年でやるというのには何百億か何千億か要るでしょう。そんなべらぼうなことを申し上げておるのじゃない。こういうような問題が具体的に起ってきた場合には、必ずこの条項によって、あなたのところは財政状況が悪いからこの計画はできないということにぶち当ることは明らかです。従ってそういう場合には、積極的に計画を推進していくために、自治庁当局としても地方債あるいは起債等については、たとえばその団体が赤字再建整備適用を受けるような団体であっても、そういうものは無視していくというと語弊がありますが、そういうものはこの計画内容ともにらみ合せて、ある程度考慮して、起債等においても十分めんどうを見るという御意思があってよろしいと私は思うのですが、自治庁当局とされましては、この点についてはどういうふうにお考えになるか。条文に書いてあるから、私どもはその通り守っていけばよろしいのだという先ほどのあなたのお答えでありますが、そういうことではいけないと思う。私は希望的な意見でありますが、そういう事例が具体的に出てきた場合には、あなた方もそういうように……(「あるのだ」と呼ぶ者あり)あるならばなおけっこう、あるということで問題をとらえて開発していくという積極的な熱意があってしかるべきだと思うのですが、そういう点について自治庁の行政部長の御意見を承わりたい。
  46. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 私からは、行政部長ですからまことに答えにくい面もありますが、われわれといたしましても、この仕事の必要性、重要性は十分痛感しておるのでありまして、これが強力に進められることをわれわれ自身も思っております。それでございますから、自治庁といたしましても、所管の仕事の部門につきましては、できるだけの力を注ぐべきものだと考えております。ただ問題は、主として企業債の問題で、それぞれの団体の赤字団体等との関連の問題であると思いますが、今かりに再建整備団体があったといたしましても、再建整備上どうしても要る仕事は、十分に考えながら再建整備が進めらるべきものだと思っております。全く財政を無視していくということはもちろんできる相談ではありませんが、この法律趣旨を十分に体しまして、できるだけのことはやるつもりでおりますから、御了承願いたいと思います。
  47. 二階堂進

    二階堂委員 たとえば再建整備適用を受けるような団体があった場合に、そういうようなところがこの計画の中に入っていた場合にはどうですか。積極的にそういう点も考慮されて、起債等については十分めんどうを見てやりたいという御意思があるかどうか。その点も一ぺん念のために伺っておきたいと思います。
  48. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 再建整備団体が具体的の再建整備計画をどう立てるかということになりますが、いかに再建整備団体になりましても、どうしても要る仕事はやらざるを得ないものがあるわけでございます。しかしながら再建整備計画が成り立たぬようなことはもちろんできません。それでありますから、計画が成り立つ限りにおいては、そういう必要な仕事につきましてできるだけ考えるようにいたしたいと思います。
  49. 二階堂進

    二階堂委員 これ以上私は議論を繰り返す意思はございませんが、今私は、大蔵省当局や自治庁当局に私の希望的意見を申し述べて御意見を承わったのでありますが、私は結論は、やはりこの法案では手ぬるいと思っております。ですから私は、結論的に申し上げますと、やはり基本計画なりあるいは事業計画というものは委員会や審議会等の方がお作りになるわけでありますが、この基本計画なり事業計画というものは予算的な裏づけを必要としなければいけないと考えるのであります。従ってこのよう計画は私は閣議決定があってしかるべきものだと考える。閣議でこういう計画を決定されるならば、これは当然予算の裏づけが一括して予算に計上されるだろう、あるいは強力に予算の裏づけというものが可能になってくる。この新しい法案を見てみましても、そういうことは出されていない。従ってこれは骨抜きの法案になってしまうような心配があると私は申し上げるのであります。どうしてもやはりこのような膨大な計画を実行していくためには、その基本計画なり、事業計画というものは閣議の決定を求めなければならぬ。もちろん閣議決定をされましたもの、たとえば特殊土壌法のごときも五カ年計画を立てて、閣議の決定を経ておると思うのでありますが、それにしても、五カ年間で約六割そこそこ、七割程度しか予算の裏づけができていないというような実情もあります。しかし閣議決定をされるということになりますると、当然政府の方においても、ある程度の予算を義務づけられることになる。ただいまのこの法案内容では、どこにもそういうような財政的な裏づけを義務づけるような条項というものが出ていない。私は当然予算措置が、三十一年度にはしてありませんが、三十二年度の予算については、国は相当思い切って予算をつけなければなりませんが、その計画等ができた場合には、やはり閣議まで持っていって、閣議で決定をされるようにせられるのが当然であろうと考えております。  最後に、もう一点お伺いをしておきたいと思うのでありますが、この機構定員の問題であります。現在はこの首都建設委員会の事務局に十三名、今回建設省から七名、運輸省から二名、計二十二名、こういう定員になっておるようでありますが、私は将来の計画等にかんがみまして、ほんとうに仕事をやろうというような段階になると思っておりますが、そういたしますると、わずかに二十二名くらいではとうていこの膨大な仕事はできていかないと思っております。そこで私は、この人員も相当ふやされる必要があるのではなかろうかと考えるのでありますが、同時に機構の整備も、私はほんとうに基本計画を立てられ、実施計画を立てられて、それが仕事に移されるだけのしっかりした機構を整備される必要があると思うのでありますが、この法案によりますと、そういうようなことは載っておりませんこれでは私ははなはだ不備だと考えております。そこでこの定員機構について政務次官はどういうふうな御構想を持っておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  50. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 定員につきましては、先般もお答えいたしたのでありますが、本年は御承知のように、この法案ができ上ります前に大体予算の原案が決定いたしておったので、予算的処置ができなかったのであります。そういう関係から定員を各省からもらって、移しかえをするような程度で、二十二名が現在の定員になっておるのでありますが、おっしゃるように、何とか機構も充実し、人間の数もふやして、できるだけこれを強力に推進していって、早く実行しなければならぬということは、政府として考えておる次第であります。定員が幾らになるかということは、現在のところ、本年度はできないのでありますが、来年度は何とか大蔵省とも相談して、でき得る限り多数の人員を認めていただきたい、かように考えております。
  51. 二階堂進

    二階堂委員 私は二十三名ではとても困難である。しかもまた部制も、計画部なりあるいはその他もう一部くらい設けて、着実にこの計画が実行に移されるような準備をされるべきだと考えております。三十二名程度ではとてもむずかしい。やはりこれは三十名程度人員をふやして、機構の整備をはからなければいかぬ。ことしは予算かついて仕事はしないわけでありますが、来年は予算をつけてもらって仕事をするわけでありますから、その準備をしなければならぬ。昭和三十二年度から人員をふやしたらどうだろうというような政務次官の御意見であったのでありますが、私はことしから人間もふやして仕事をやっていかなければ、来年の間に合わないと思うのです。従って、ことしある程度の人員を当然ふやさるべきだと思っておりますが、この法案提出されるときに、大蔵省との話し合いで、人件費等も相当要る、その当時の要求は定員二、三十名くらいふやすということがあったかに伺っております。そのときに、予算的に何千万という予算を計上することはむずかしい。これは私の聞き違いかもしれませんが、もしそういう事態が起ったら、予備費からでも人件費を見たらどうかという話し合いで、この法律案提出されたということを承わっておる。私は当然これは、この委員会において定員増をどうしてもお願いいたしてみたいと思いますが、もしそうなった場合、予備費から出すというその当時の話し合いであったそうでありますが、大蔵省としては予備費の中から、約三千万程度の要求があるようでありますが、その金をお出しになる御意思があるかどうか。そうしてもらわなければ人はふやせぬのでありますが、その点について大蔵省の御意見を承わりたいと思います。
  52. 原純夫

    ○原政府委員 ただいま政務次官からお答えがありましたように、予算の編成の時期と本件が持ち上って参りました時期と、本件が非常におそく持ち上って参りましたので、それらの関係から予算措置ができないということで、三十一年度は予算総則の中に、こういう特別な事態に備えるために、職務権限がある役所から他の役所に移ったという場合に経費等を持っていって、その役所で使えるというよう規定がありますので、それのできる限りにおいてやるという考えでございます。なお予備費はどうかというお尋ねでございますが、予備費は、予見しがたい、そうして臨時緊急な必要に充てるためのものであるということが憲法、財政法を通じます原則でございますので、政府のかなり重要な機構をどうするというような問題につきましては、やはり予備費でなく、予算に組んで御決定を経て実施するのが筋合いと思いますので、予備費によって定員をふやしますことはいかがかと実は考えております。ただいま申しました時期的な関係がありましたので、最後の段階で、調整につきましては、たしか五百万でありましたか相当額を追加して計上しております。なおその後人員の移しかえにつきましては、各省よく協力する気持でこういう原案を作りましたので、一つ御了承を願いたいと思っております。
  53. 二階堂進

    二階堂委員 五百万そこそこの金ではどうにもならぬのであります。私はやはり定員は二、三十名ふやしてもらわなければ、仕事ができないと思う。仕事をやろうというための法律であります。従ってその人件費が一つもないということであっては、仕事一つもできないことになる。二十二名ではとてもできぬと思っております。機構もこのような一向わけのわからぬ機構であってはいかぬ。もう少し機構も整備して、計画を立ててもらわなければならぬ。それに三千万程度の人件費が予算総則の規定によってもどうしても出ないということであれば、これはどうにもならぬということになります。それではいけない。どうしてもこれは三千万程度の金は、何とかして出してもらわなければいかぬと思います。もしこれがどうしても出ないということであれば、二十名三十名程度の人をふやすには一体どうしたらいいかということを考えなければならぬ。法律はできた、仕事はやらなければならぬ、人件費は出さぬ、こういうことでは何にもならぬ。そこでも上どうしても三千万程度の金が予備費の方からも出せない、どうにもやりくりができないということであるならば、一体あなたはどうして下さるのですか。何かそこに定員をふやしていくような、実際に仕事ができるような考えをお持ちにならなければならぬと思いますが、何かそれについて名案がありますか。
  54. 原純夫

    ○原政府委員 政府といたしましては、本案でやれると思って御提案申しておるわけであります。
  55. 二階堂進

    二階堂委員 本案でやれるというふうにあなたはお考えになっておるかもわかりませんが、私どもは二十名程度では仕事ができないと思います。従って、どうしても定員は二十二名プラス三十名というものを確保して、この法案の精神を着実に生かしていくということをしなければいけないと考えております。これはさきに申し上げましたように、私の気持でありますし、信念でありますので、どうしても、この人員をもっとふやして、部制もはっきりとしたものをしいて仕事をしていくというのが当然であろうと考えております。この点について委員会等においてさらに一つ御検討願って、修正などをいたしまして、どうしても二、三千万程度の金を出してもらうように工面をしていただきたいと思います。私はこれはできないはずはないと思っておる。原さんはどうしてもむずかしいと言われますが、わずか三千万程度の金でありますから、できないはずはないと思います。どうしてもそういうふうな工面をしていただくか、あるいはそれができなければ、何かほかの方法をもって二、三十名定員をふやすということを具体的に考えていただかなければならぬ、かように考えますので、この点を私は強く主張いたしまして、これ以上議論はいたしません。これで私の質疑を打ち切ります。
  56. 徳安實藏

    徳安委員長 木崎君。
  57. 木崎茂男

    ○木崎委員 ただいまの御質問に関連をいたしまして、私も二、三ただしておきたいと思うのでございますが、実は一昨日でございましたか、委員会におきまして前田、三鍋両議員、並びに本日二階堂議員から同じ点を指摘されておるのでございます。私もやはりこの法案をながめましたときに、同じような観点に立って政府側の考え方をただしておきたいと思うのでございます。  先ほど来二階堂議員の御質問に対する大蔵省側のお話を承わっておりますと、首都建設というものはどうしても強力に進めていかなければならないのである、政府としてはこれについて積極的に手を打っていきたい。こういうような御答弁をしておられるのでございますが、反面、それならばこの法律に伴う予算の裏づけはどうか、こういう二階堂議員の御質問に対しては、これだけの法律を出しておきながら、わずかに二十二名の、それもしかも新たに機構を整備する場合に、新しい予算の持ち出しに一銭もせぬということでこれを進めようとされておるので、私はそのお考えになっておられることがずいぶん前後矛盾しておると思うのでございます。そこでこの法律は、従来の首都建設法とは違って、広域な地帯に首都の百年の計をおろしていこうという思想に立っているのでありますから、その意味においては大きな飛躍だと思うのでございます。ところがせっかくのこの考え方が、先般来皆さんからも御質問があります通り、機構の問題と予算の裏づけの問題でまことに徹底しておらない。言いかえれば、仏を作って魂を入れないというよう法律になっておると思うのでございます。  そこで、だんだん皆さんの御質問から話が詰まってきておりますから、時間の関係もありますので、私は端的に二、三の点について結論的に特に大蔵省側の意見を聞きたいと思うのですが、さっきも二階堂議員の質問に対して政務次官から、今度の制度の運用上委員会の運用ということが一つの大きなテーマになっておると思うのです。これに人を得るかどうかということが今後の総合的な計画を進め、あるいは基本的な問題を取り上げるのに、大きな力になって参ると思うのでございます。大体今度のこの法案の予算の裏づけが、そういう点についてないのですが、一体配置転換とおっしゃられますけれども、常勤の大臣級の委員を置こうという構想に対して、どういう措置で経費の裏づけをなされようとしておられるのか。私は回りくどいことは申しません。原次長さんの御見解をお聞きしたいと思います。これは簡単な問題ではありませんよ。あなたがさっき言われたように、ほんとうに国が首都の建設をやろうとして、政府が信念を持ってこの法律を出したのだということであるならば、委員会の常勤の、大臣級の委員の人件費の裏づけがないということで、さっきあなたが言われたようなことで通るかどうか、これは重大な問題だと思うのです。それからさらに、この法律案提案されたときには予算はすでにきまってしまったというようなことを言っておられるけれども、少くとも予算の編成当時には、この問題が具体的に三十一年度の予算編成の政治の課題として出ておった。それにもかかわらずこれだけの法律を出しておって、機構その他について全く予算の裏づけをしておらないということは、大蔵省当局の首都建設に対する基本的な理念を私は疑わざるを得ない。しかも、二十二名で十分やれるとあなたは言われるけれども、それではやれるという根拠をお聞きしたいのです。そういう答弁をあなたがなさるとすれば、私は与党だけれども、やはり政府側の意見をたださなければならない。これだけの底本的な計画を立て、総合計画を立て、しかも関東六県にも及ぶような重大な国家的な施策を首都圏の軌道に乗せて計画をなさろうという法律内容を持っているじゃありませんか。それについて、従来の首都建設法の十三名と、さらに配置転換によった総計二十二名で事足りるというあなたの答弁は、さきほどあなたが言われたところの、首都建設は政府が責任を持ってやるという閣議の決定の線に沿う答弁じゃないと思う。個人的な答弁ならばまだしも、大蔵省を代表しておられる政府側の答弁としては、二十二名でいいのだというのではずいぶん人を食った話だと思う。われわれだけではない、各議員がみな、一体こんな機構でできるかということをまじめに議論しているのです。真剣に検討しているのですよ。それを二十二名でいいのだというような御答弁では納得がいかないのですが、そういう点について一体どういうことをお考えになっておられるのか。  それからさらに予算の裏づけの問題なんですが、さっき二階堂議員からも端的に急所をついておられると思うのですが、少くとも、この委員会が発足した後において総合計画を立案したものについては、これは国家的な首都の建設をやるのですから、閣議決定という線を打ち出すべきが当然と思うのですが、そういう点について御答弁がなかったようで、ございますが、政務次官はどういうふうにお考えになっておられるか。そうして、閣議で決定した総合計画に基いて今度の法律事業計画を明記している点は、これは私は大きな飛躍だと思うのであります。従来の首都建設がなぜ進まなかったか。これはいわゆる総合計画の立案だけで、あとはいわゆるペーパー・プランを立てたにすぎなかった。それから、十カ年に何千億というような予算で現在各所に配られているものを、首都圏の事業として一つの軌道に乗せて、その予算を整備していく、そういうことで総合計画を立てて、そうして一年度ごとのものを事業計画に乗せていくというところに今度のこの法案の大きな飛躍があると私は思うのです。従来これがなかった点で、立てた計画がうやむやになっておったのでございますから、この点は私は非常に大きな飛躍だと思うのでありますが、しからば今度の条文の中に、先般も前田議員さん、三鍋議員さんからも御指摘があったのですが、首都圏整備委員会の予算に一括計上して、実施に当っては各省に移しかえる措置をとるというその法文を、この条文の中になぜ入れられなかったのか。三十二年度からはそうなさるのだ。そうしようということを政務次官もお答えになっておられますが、それならば、この法律の中にその辺のことを明記しておくべきではないか、こういうふうに考えますが、そういう点は、何か提案者と特に大蔵省側との楽屋裏の申し合せか、お話し合いでもあるのかどうか。北海道の場合は予算総額で一括計上できめておりますが、そういうような措置を明確に裏づけとしてやるのだから条文には載せなかったということであれば、われわれも承服できますけれども、その辺の点も一歩進めて一つお答えをいただきたいと思うのでございます。  実は、私は与党ですから、質問はしたくないつもりでおったのですけれども、さっきから話を聞いていると、原さんの答弁というのは現実にこの法案の考えていることと、——大蔵省が財布のひもを握っているから当然かもしれないけれども、やはり私は、国家的に取り上げなければならないよう一つ仕事については人は要ると思うのです。要るところには出さなければいけない。行政機構の整備あるいは人員の整理をやろうといっても、ほんとうにそういうことをやろうとすれば、やはり要るととろには入れなければならない。要らないところをどうするかという問題が残されておるのであって、それを二十二名で事足りるというようなことで大蔵省がお考えになっているとすれば、これはずいぶんおかしな話で、先ほどの政務次官の御答弁とも食い違うじゃありませんか。閣議で大体きめて出した法案じゃないですか。それについて、政務次官と大蔵省の原さんとの答弁がそんな公式の席上で食い遣うようなことでは、われわれ与党でも黙ってはいられませんよ。その点を明確にして下さい。
  58. 原純夫

    ○原政府委員 二十二名でやれないじゃないかというお尋ねでありますが、まさにおっしゃる通り、政府が責任を持って提案いたしました以上、やれぬということは毛頭ないと思うのです。もちろん人数が十分か不十分かという見解の相違はございましょうし、私どもも、いろいろな部門で人数が足らぬ、足らぬと言われれば——これは人数だけではございません。金につきましても足らぬ足らぬと言われれば、それぞれその立場においてそういう事情があろうという点は多々でございますが、せっかく政府部内でもいろいろ紆余曲折を経てまとめた数字でありますので、これが十分であるというような響きを与えたとしたら間違いでございます。不十分であろうが、三十一年度はこれでやっていただきたいということでまとまったのだと思います。  なお、いろいろなあれについて手違いと申しますか、うまく各措置が並んでいないといううらみがありますが、この点については一言釈明させていただきたいと思います。なるほど最終的に政府が責任を持って御提案申しておりますが、本件が動きますについては、率直に申して、時期的にかなりおそきに具体的な問題として出て参りました。予算の編成というものは、毎年の八月末に御要求を出していただくのでありますが、非常におそくなって、もう予算のまとまりますごく間近になってお話が出て参りまして、従いまして、十分関係各省の間に打ち合せをするいとまもないというような事態であったのであります。にもかかわりませず、非常に重要な問題であるということで私どもも真剣になって考え、また、ただいまお話の政策事項として取り上げられたことももちろんでありまして、そういう意味では、関係の方々と十分予算全般の打ち合せの一環として取り上げて判断をつけてございます。そういうよう意味で、確かに前の年から準備した他の諸項目とは、これに対する対策のそろえ方が足らぬということは、おっしゃる通りだと思いますが、そういうことでやむを得ないというふうに、ごかんべんいただきたいと思うのであります。何分非常に大きな問題でありますから、もっと早く私どもの方に原案をいただき、また政府部内で練りますれば、もっといいものができたというふうに、率直にいって思います。が、この辺はやはり事柄の前後があってそういうふうになったといういうふうに御了解願いたいと思います。  最後に移しかえの問題でありますが、これにつきましても、予算のまとまりますまでに十分関係各省の打ち合せがつかぬというようなことからやるといたしますれば、三十二年度からということになりますが、この点はなお十分御希望を体しまして、関係各省の間で打ち合せて、善処をいたしたいというふうに考えておる次第であります。
  59. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 閣議決定にしたらどうかというようなお話でありましたが、行政委員会でありますので、閣議決定と同じような効力があるのじゃなかろうか、かように考えます。  それから事業計画の移しかえというのは、今も原さんが言っておられたように、今話はしつつあるのではありますが、各省とどの程度の移しかえをするかということの程度になっております。移しかえをするということに対しましては、間違いないと考えております。
  60. 木崎茂男

    ○木崎委員 時間の関係もおありのようですから、いま一点だけお聞きしたい。原さんのお答えではどうも私は納得ができないのです。公式の席上では私は原さんとは初めて議論をするのですが、少くとも与党が首都建設の問題をとらえた過程においては、私はあなたとずいぶん議論をしてきたつもりなんです。そうしてわが党におきまして首都建設の問題を正式な課題として取り上げて——これはもちろん社会党さんとも御連絡をしておるのです。取り上げて、予算の要求の中には、これだけの構想で進めていくのには、少くとも機構と予算の問題の明確な裏づけがなければ進まない。そこで人員の問題、機構の問題については五十二名という要求を、少くとも大蔵省には、与党の内部においては特別委員会を設けてやっておった。これは木崎議員一人じゃないんです。特別委員会の立場でやっておったのです。それにもかかわらず、大蔵省当局の一方的な見解で二十二名で事足りるというようなことの予算措置をなさるということは、私はこれはずいぶんおかしいと思うのです。そこで私は再度お聞きしたいのですが、首都圏の事務局長さんもおられますが、従来首都圏の事務局長として、部下十三名を率いてあなたはこの仕事をやってこられた。そこで今度の法律事業分量がどのくらいのものかということは、あなた自身大体の想像がつくと思う。今原さんは、二十二名で大体足りるのだ、政府が責任持って提案した以上は、これで十分だからということで提案をしたという機械的な御答弁なんです。実際にこの法律運営なさる首都圏の事務局長として、従来の立場からこの法律事業分量をお考えになったときに、一体どのくらいの人員がいるのか。われわれは従来の委員会の方々の意見を総合すると、大体五十二名程度の人員でなければとてもやっていけぬという観点に立って議論をしておるのですが、あなたは体験上、数字についてどのくらいの考えを持っておられるか。これはもちろん頭数ではないと思うが、参考のためにそういう点も明確にしていただきたいと思うのです。  それから原次長にお聞きしたいのですが、今回の場合のように、予算が決定した後に法律が制定された、これについて人件費的な予算の裏づけを予備費からやった例が過去においてないかどうか。私の調査においてはたくさんその例がございますけれども、あなたは、どうしても予備費からの流用はできぬとおっしゃっておるが、憲法の条項に予備費の中からの流用をしちゃいけないということは書いてありません。そこで、過去においてそういう例があったかなかったか。私の調査では、そういう例がございます。これだけの重要な法律ですから、機構が伴わないようなことではいけない。そこで、これは仮定の質問ですが、あなたは総理大臣じゃないのですから一つ事務的な答弁をしてもらいたいのですが、かりに三十名ばかりのものをどうしても予算の裏づけをしてほしいという意見が出たときに、大蔵省ではどうなさいますか。憲法では、予算を伴う修正の場合には必要な経費の裏づけをすればいいことになっている。私どもは三十名増員するには約三千万円の経費を必要とすると思うのですが、そういう予算案が全会一致で委員会から出たときに、大蔵省当局はどうなさるかを一つ承わりたい。それもできないというならば、さっき二階堂さんが御質問になったときにあなたがどういう答弁をなさっても、人間が三十名くらい足りないということはあなたも十分腹の中では御承知のはずです。ただ政府が出してしまったから、足りないとはどうしても言えないのだろうと思うのだが、そうだとすれば二階堂さんに対する御答弁はずいぶん不親切な答弁じゃないかと思うのです。事ここに至った以上は、あなたのところが責任を持って各省から必要な人員を配当して、そして委員会の協力を求めてりっぱな法律にしていく、これは大蔵省としても国民のために考えていいことじゃないか。何もそう面子にとらわれることはないと私は思う。われわれは国民のために法律を作っておるのですから、いわゆるお役人の気質をまる出しにされないで、何とか一つお話し合いでいこうじゃありませんか。その点どうお考えになりますか。
  61. 原純夫

    ○原政府委員 先ほど来から申しますように、これで十分だというふうに申し上げたようになっておったら間違いで、私どもとしては、不十分でしょうが何とかこれでやってほしいという以外になかったということでございます。従いまして、委員会においてもっと何とかしたいというお気持がおありになるのはよくわかります。その場合に、予備費を出した例はおっしゃる通り確かにございます。しかしいい例と悪い例があり、悪い例はならわぬようにしたいというように考えております。そこで、それじゃ何とかならぬかということについていろいろお話がございましたが、それは先ほど来申しております各省庁からの移しかえがどの程度できるかという問題になろうかと思います。その点につきましては、私どももなお十分余地のある限り努力をいたし、定員については行政管理庁が主管されるわけですが、私どもは経費の面から御関係がありますから、できるだけ御協力をいたしたいというように考えております。
  62. 松井達夫

    ○松井政府委員 首都建設委員会の現在の仕事の量と、今問題になっております首都圏整備委員会仕事の量との関係から、人員等についてどう考えるかという御質問でございます。首都建設委員会は東京都の区域の中の計画を立てるわけでございますが、首都圏整備委員会の方は、その周辺数十キロという非常に広い地域についてやることになっておりますので、仕事の量はおそらく三倍くらいになるのじゃないかと推量いたします。それで、現在は委員会の事務局の人員は十三名でございますが、当初は二十五名で出発いたしました。その当時の話を伺いますと、当時定員を五十名要求いたしたそうでございますが、それが結局二十五名にきまったようなわけで、その後だんだん人員が行政整理の関係で減って参りまして、現在のような状態になっております。それで今度の首都圏整備委員会につきましては、在来の首都建設委員会が、そんな工合に予定の人員がなかった上に、だんだん減って、いつまでもだらだら仕事をやっておるということじゃはなはだおもしろくないので、なるべく短期間にある程度の計画の仕上げをしてしまって、あとは仕事の推進をやっていくようにしたいというような要望が強いのでありまして、そういったような見地から、先般も事務局といたしまして、独自にどのくらい人間が要るかという計算をいたしましたが、大体八、九十名くらいの人間が、できるならばそういった短期間仕事をやる上には必要じゃないか、かように考えられるのでございます。それで先ほど原次長の方から二十二名でやれるというお話がありましたが、これは二十二名でやれるだけの仕事をやっていこうという意味でございまして、それだけで十分だという意味ではなかったという御趣旨ように私考えております。
  63. 木崎茂男

    ○木崎委員 私はあちらの方の席に回って、野党の立場で質問するならずいぶん言いたいこともあるのです。こういうことでは実際社会党さんにも申しわけないと思います。こういうものを出しておいて、政府部内で意見の調整がついていない。そこで至急に政府部内で意見の調整をなさって、予備費で出せないならば、配置転換して、必要最小限度のものは責任を持って出すということの措置をして、そして次の委員会までにあらためて責任のある回答をほしいと思います。そういうことが明確にならないと、これは与党だから協力したいけれどもできませんよ。それできょうは時間の関係もありますから、私の質問は保留させていただきまして、一応これで打ち切っておきます。
  64. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま二階堂委員及び木崎委員から、この予算措置につきまして、いろいろと条理を尽してお話があったのでございますが、国としては国民の納めた税金はできるだけ効率的に使わなければならないという、そういう建前から考えまして、せっかくこういう大構想を持って、首都圏をりっぱに作っていこうという気持なんでございますから、やはり法律を作った以上は、その運用が十分とはいかなくても、これで何とかいけるという、やはりそういう機構と人員というものがなければ、お金が死んでしまうと思います。そういう立場から考えましても、人員の配置転換とかその他で何とかできるのではないかと思いますから、その点ぜひお考え下さって、善処いただくようにお願いいたしておきます。
  65. 徳安實藏

    徳安委員長 次会は公報でお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会      ————◇—————