○木崎
委員 ただいまの御
質問に関連をいたしまして、私も二、三ただしておきたいと思うのでございますが、実は一昨日でございましたか、
委員会におきまして前田、
三鍋両議員、並びに本日
二階堂議員から同じ点を
指摘されておるのでございます。私もやはりこの
法案をながめましたときに、同じ
ような観点に立って
政府側の考え方をただしておきたいと思うのでございます。
先ほど来
二階堂議員の御
質問に対する大蔵省側のお話を承わっておりますと、首都建設というものはどうしても強力に進めていかなければならないのである、
政府としてはこれについて積極的に手を打っていきたい。こういう
ような御答弁をしておられるのでございますが、反面、それならばこの
法律に伴う予算の
裏づけはどうか、こういう
二階堂議員の御
質問に対しては、これだけの
法律を出しておきながら、わずかに二十二名の、それもしかも新たに機構を
整備する場合に、新しい予算の持ち出しに一銭もせぬということでこれを進め
ようとされておるので、私はそのお考えになっておられることがずいぶん前後矛盾しておると思うのでございます。そこでこの
法律は、従来の首都建設法とは違って、広域な地帯に首都の百年の計をおろしていこうという思想に立っているのでありますから、その
意味においては大きな飛躍だと思うのでございます。ところがせっかくのこの考え方が、先般来皆さんからも御
質問があります通り、機構の問題と予算の
裏づけの問題でまことに徹底しておらない。言いかえれば、仏を作って魂を入れないという
ような
法律になっておると思うのでございます。
そこで、だんだん皆さんの御
質問から話が詰まってきておりますから、時間の
関係もありますので、私は端的に二、三の点について結論的に特に大蔵省側の
意見を聞きたいと思うのですが、さっきも
二階堂議員の
質問に対して政務次官から、今度の制度の運用上
委員会の運用ということが
一つの大きなテーマになっておると思うのです。これに人を得るかどうかということが今後の総合的な
計画を進め、あるいは基本的な問題を取り上げるのに、大きな力になって参ると思うのでございます。大体今度のこの
法案の予算の
裏づけが、そういう点についてないのですが、一体配置転換とおっしゃられますけれども、常勤の大臣級の
委員を置こうという構想に対して、どういう措置で経費の
裏づけをなされ
ようとしておられるのか。私は回りくどいことは申しません。原次長さんの御
見解をお聞きしたいと思います。これは簡単な問題ではありませんよ。あなたがさっき言われた
ように、ほんとうに国が首都の建設をやろうとして、
政府が信念を持ってこの
法律を出したのだということであるならば、
委員会の常勤の、大臣級の
委員の人件費の
裏づけがないということで、さっきあなたが言われた
ようなことで通るかどうか、これは重大な問題だと思うのです。それからさらに、この
法律案が
提案されたときには予算はすでにきまってしまったという
ようなことを言っておられるけれども、少くとも予算の編成当時には、この問題が具体的に三十一年度の予算編成の政治の課題として出ておった。それにもかかわらずこれだけの
法律を出しておって、機構その他について全く予算の
裏づけをしておらないということは、大蔵省当局の首都建設に対する基本的な理念を私は疑わざるを得ない。しかも、二十二名で十分やれるとあなたは言われるけれども、それではやれるという根拠をお聞きしたいのです。そういう答弁をあなたがなさるとすれば、私は与党だけれども、やはり
政府側の
意見をたださなければならない。これだけの底本的な
計画を立て、総合
計画を立て、しかも関東六県にも及ぶ
ような重大な国家的な施策を首都圏の軌道に乗せて
計画をなさろうという
法律の
内容を持っているじゃありませんか。それについて、従来の首都建設法の十三名と、さらに配置転換によった総計二十二名で事足りるというあなたの答弁は、さきほどあなたが言われたところの、首都建設は
政府が責任を持ってやるという閣議の決定の線に沿う答弁じゃないと思う。個人的な答弁ならばまだしも、大蔵省を代表しておられる
政府側の答弁としては、二十二名でいいのだというのではずいぶん人を食った話だと思う。われわれだけではない、各議員がみな、一体こんな機構でできるかということをまじめに議論しているのです。真剣に検討しているのですよ。それを二十二名でいいのだという
ような御答弁では納得がいかないのですが、そういう点について一体どういうことをお考えになっておられるのか。
それからさらに予算の
裏づけの問題なんですが、さっき
二階堂議員からも端的に急所をついておられると思うのですが、少くとも、この
委員会が発足した後において総合
計画を立案したものについては、これは国家的な首都の建設をやるのですから、閣議決定という線を打ち出すべきが当然と思うのですが、そういう点について御答弁がなかった
ようで、ございますが、政務次官はどういうふうにお考えになっておられるか。そうして、閣議で決定した総合
計画に基いて今度の
法律が
事業計画を明記している点は、これは私は大きな飛躍だと思うのであります。従来の首都建設がなぜ進まなかったか。これはいわゆる総合
計画の立案だけで、あとはいわゆるペーパー・プランを立てたにすぎなかった。それから、十カ年に何千億という
ような予算で現在各所に配られているものを、首都圏の
事業として
一つの軌道に乗せて、その予算を
整備していく、そういうことで総合
計画を立てて、そうして一年度ごとのものを
事業計画に乗せていくというところに今度のこの
法案の大きな飛躍があると私は思うのです。従来これがなかった点で、立てた
計画がうやむやになっておったのでございますから、この点は私は非常に大きな飛躍だと思うのでありますが、しからば今度の条文の中に、先般も前田議員さん、
三鍋議員さんからも御
指摘があったのですが、首都圏
整備委員会の予算に一括計上して、
実施に当っては各省に移しかえる措置をとるというその法文を、この条文の中になぜ入れられなかったのか。三十二年度からはそうなさるのだ。そうし
ようということを政務次官もお答えになっておられますが、それならば、この
法律の中にその辺のことを明記しておくべきではないか、こういうふうに考えますが、そういう点は、何か
提案者と特に大蔵省側との楽屋裏の申し合せか、お話し合いでもあるのかどうか。北海道の場合は予算総額で一括計上できめておりますが、そういう
ような措置を明確に
裏づけとしてやるのだから条文には載せなかったということであれば、われわれも承服できますけれども、その辺の点も一歩進めて
一つお答えをいただきたいと思うのでございます。
実は、私は与党ですから、
質問はしたくないつもりでおったのですけれども、さっきから話を聞いていると、原さんの答弁というのは現実にこの
法案の考えていることと、
——大蔵省が財布のひもを握っているから当然かもしれないけれども、やはり私は、国家的に取り上げなければならない
ような
一つの
仕事については人は要ると思うのです。要るところには出さなければいけない。行政機構の
整備あるいは人員の整理をやろうといっても、ほんとうにそういうことをやろうとすれば、やはり要るととろには入れなければならない。要らないところをどうするかという問題が残されておるのであって、それを二十二名で事足りるという
ようなことで大蔵省がお考えになっているとすれば、これはずいぶんおかしな話で、先ほどの政務次官の御答弁とも食い違うじゃありませんか。閣議で大体きめて出した
法案じゃないですか。それについて、政務次官と大蔵省の原さんとの答弁がそんな公式の席上で食い遣う
ようなことでは、われわれ与党でも黙ってはいられませんよ。その点を明確にして下さい。