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1956-03-23 第24回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十三日(金曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 薩摩 雄次君    理事 前田榮之助君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    伊東 隆治君       大高  康君    久野 忠治君       志賀健次郎君    高木 松吉君       仲川房次郎君    中村 寅太君       二階堂 進君    廣瀬 正雄君       松澤 雄藏君    山口 好一君       今村  等君    中島  巖君       山下 榮二君    山田 長司君  出席国務大臣         建 設 大 臣 馬場 元治君  出席政府委員         建 設 技 官         (住宅局長)  鎌田 隆雄君  委員外出席者         建設事務官         (住宅局住宅計         画課長)    鮎川 幸雄君         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 三月十六日  委員島村一郎辞任につき、その補欠として南  條徳男君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員久野忠治辞任につき、その補欠として荒  舩清十郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員三鍋義三辞任につき、その補欠として片  山哲君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員片山哲君、荒舩清十郎君及び南條徳男君辞  任につき、その補欠として三鍋義三君、久野忠  治君及び松永東君が議長指名委員に選任さ  れた。 同日  理事大島秀一君同月十六日委員辞任につき、そ  の補欠として同君理事に当選した。 同日  理事三鍋義三君同月二十二日委員辞任につき、  その補欠として同君理事に当選した。     ————————————— 三月十六日  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一三五号) 同月十九日  首都圏整備法案内閣提出第一三八号) 同月十六日  和田橋永久橋架替え請願(片島港君紹  介)(第一四〇〇号)  日本道路公団法案の一部修正等に関する請願(  丹羽兵助紹介)(第一四〇一号) 同月二十二日  外舛沢防水ため池工事促進に関する請願(山本  猛夫君紹介)(第一五二三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  地代家賃統制令の一部を改正する法律案内閣  提出第一三〇号)  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一三五号)  首都圏整備法案内閣提出第一三八号)  能代市大火の災害状況に関する報告聴取     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先だちまして、理事補欠選挙を行います。理事大島秀一君、三鍋義三君が委員辞任されましたので理事が二名欠員となっております。理事選挙は、先例によりまして、選挙の手続を省略し、委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、再び委員になられました。  大島秀一君、三鍋義三君をそれぞれ理事指名いたします。
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 地代家賃統制令の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。
  5. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま議題になりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案審議を進めるに当りまして、まず最初に住宅局長にお尋ねいたしたいと思います。  その第一点は、この統制令下にあるところの現在の実態というものを、私たちはこの法案審議していく上において把握しておきたいと思うのでございます。たとえば統制下にある実態が、住宅対策の見地から、また借地借家人という立場から、また地主とか家主という人の立場から一体どういう状態にあるのか、こういう点をこれから審議を進めていく上におきまして私たち予備知識を与えていただきたい、このように考えるのでございます。
  6. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この地代家賃統制令の現在施行されております実態につきまして概略御説明いたします。  まずこの統制令下にあります貸家の数がどのくらいかということでありますが、私ども調査いたしておりますところによりますと、大体におきまして全国で三百四十万戸程度貸家でございます。そのうちの大部分、すなわち約八〇%、二百六十万戸程度市部にございまして、その残りの約二〇%、八十万戸程度郡部に存在いたしております。従いまして今一番問題となりまするのは市部住宅でございまするので、統制令というものは、貸家全体につきましてはかなりの大きなウェートを占めておるということが申し上げられると思うのでございます。現在の統制令によります家賃はどの程度かという問題でございますが、場所によって多少異りますが、今統制令で定められております額をそのまま施行せられるものとしますと、大体坪当り東京都のごときが八十円ないし九十円、それから郡部——多少いなかの方に参りまして六十円程度、大体その辺のところが統制額、きめられております額でございます。  それからもう一つは、統制額はきまっておるけれども、果して統制額通り施行されておるかどうか、かなりやみ家賃が多いのじゃないか、こういうことが世間でいわれておるのであります。そういう点につきましても私の方で調査を進めておりますが、大体におきまして半分くらいは統制家賃が守られておるように考えられます。それから、あと残りの半分のうちのまた半分つまり二五%程度が五割以内のやみ家賃あとの二五形程度が五割以上のやみ家賃というようなことが二十九年の実態調査によって判明いたしました。従いまして、大体この統制令によりまして、多少のやみはないとは申せませんけれどもかなり地代家賃の額を左右しておる、こういうふうには見られると思うのでございます。従いまして、この統制令があるために、一般庶民が普通の価格よりも低い地代家賃を支払うことでもって何とか今日しのいでいっている、こういう現状のようにうかがえるのでございます。大体地代家賃統制令実態はそんなところでございますが、それでは今度は果して家を持っている方の大家さんの側はどうなっているかという問題でございます。今申しましたように地代家賃統制令の額は大体戦前の額の六十倍程度に抑えられておるのでございますが、一般物価は三百倍というような統計になっております。生活物資の方は二百九十倍でありますか、卸売物価指数は二百四十倍というのが今経済企画庁が発表しておるところでございます、そういう物価に比較しまして、地代家賃は六十倍程度に抑えられておるということは、やはりそれだけそれを貸しておる方の側の負担になっておることは事実でございます。それはどこにしわが寄っておるかといいますと、現在のうちに対して手入れを怠るといいますか、修繕をとてもする余力は生じないというような事態になって現われておりまして、今日の貸家状態維持保存血からいいますと非常に困った状態にある、こういうふうな見方ができると思うのでございます。非常に簡単でございましたが……。
  7. 三鍋義三

    三鍋委員 大体現在の実態を御説明願ったのでございますが、今お聞きいたしました点から考えましても、この地代家賃統制令は確かに現実としていろいろの問題があることがわかりました。ところで今度のこの改正案を見ますと、全然基本的な考え方に触れていられないように思うのでございます。政府は現在の統制令を今後ともずっと続けていかれるのか、あるいはまた将来これを緩和の方向へ持っていかれようとするのか、あるいは全然これを撤廃してしまおう、このようなお考えを持っておられるのか、こういう点について根本的なお考えをお聞きしたいのであります。
  8. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この地代家賃のみを統制下において他のものが割合に自由な状態にあるというようなことは、あまり好ましい状態ではないのではないかというような基本的な考え方を持っております。全体がある統制下にあります場合には、これはまあ均衡上やむを得ないとしまして、一部分のみその統制をやるということは、いろいろそこに破竹的な面が生ずるというふうに考えられます。従いまして今日住宅難一番住宅問題がおくれているというような現実一つとしては、やはりそういう統制というようなものもかなり影響を持っているのではないかというような見方もできるかと思うのでございます。従いましてほかのものとの関連もございますが、できることならばやはりこういう統制というものを地代家賃に限って統制していくという事態は解消したいものであるというふうには考えるのでございます。しかしながら従来、十数年続けて参りましたこの統制令を一気にはずすということは、やはりこれは庶民生活と非常に密接な関係を持っておりますので、一ときにはずすということはいろいろな社会的な混乱を招くもとであるとも考えられますので、やはりこの庶民生活影響少い面、あるいは住宅対策上どうしても建物維持保存しなければならないというような面、そういう面からの多少の修正を行なって漸進的にやって参りたい、こういうふうに考えるのでございます。
  9. 三鍋義三

    三鍋委員 この問題は米の統制問題とよく似通ったところがありますので、なかなかむずかしい問題だと思うのでございます。そこで次にお伺いしたいのは、ここに大修繕と書いてあるのでございますが、どういう程度を大修繕考えられるのか、これについてちょっと御説明願いたいと思います。
  10. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 ここで大修繕考えておりますのは、いろいろ考え方がございますが、端的に申しますれば、坪当り二千円程度以上の修繕曲をかけたというような事態によって判断をいたしたい、こういうふうに考えているのでございます。
  11. 三鍋義三

    三鍋委員 坪当り二千円の修繕費をかけた場合に、その後の家賃はどの程度増額されるものか、大体の御構想をお開きしたいと思う。
  12. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 かりに坪当り二千円かけたとしました場合に、坪当りどれくらいの増額を認めるかという御質問でありますが、大体におきまして、今考えておりますのは、坪四十円程度増額になるかと思います。この計算の根拠は、大体今投下されました資本を年限約五年間ぐらい、六分程度の利回りでありますか、そんなふうな考え方ではじきますと、大体四十円程度になると思います。これはいろいろ検討いたしておりますが、その辺が妥当ではないかと考えております。
  13. 三鍋義三

    三鍋委員 こまかく入りますと、際限はないと思いますが、たとえば坪当り二千円の大修繕をするということ、あるいはしたということですが、これなんかは、判定といいますか、果して二千円かけられたか、あるいはそれがどういう坪数修繕されたかといったような問題は、実際問題としてはやはりいろいろな問題があるのではないかと思うのでございます。  次に七条の第一号におきまして、改良工事については、著しいという言葉を今度は削除してありますが、実際には著しい改良工事とただの改良とその相違点、どの程度のものであるかということがちょっとあいまいなような気がするのでございます。この点について御説明願いたい。
  14. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 従来著しい改良工事とありましたのですが、著しい改良工事というのもどうもはっきりしません。ただ改良修繕ということだけは概念的にかなりはっきりいたしておりますので、改良工事と前に考えておりましたのは、つまりできましたときの一番当初の家の価値を増加するようなことをやる場合、こういうふうに見ているわけでございます。それから今度の修繕工事というのは、一番最初できましたもののところに復元するという概念をいっている、この統制令ではそういうふうに解釈をいたしているのでございますが、その改良工事といいますのも、たとえば屋根が鉄板ぶきあるいはマサぶきでありましたものをかわらぶきに直す、こういうのは相当著しい改良工事であると思うのでございます。それをほんの一部分改良したからといって、今まで一々統制額を認可して増額するということはしないという一つ意思表示が著しいということであったと思うのでございますが、実際問題としては今回の大修繕という考え方と混同を生じて参りますので、著しいというのをこの際省きましたのですが、従来とそう考え方としては変ってないと考えます。
  15. 三鍋義三

    三鍋委員 借家人が現在住まいをしておる家は雨が漏るし、それがために床が腐朽したとかなんとかいうような、いろいろな住宅としては非常に条件の悪い住まいに住もうておる。ここで改良とかあるいは大修繕をしてもらいたいというのは、やはり住んでいる人の願いだ、こう思うのでありますが、これをやってもらったら家賃が上る、自分にはその能力がない、少しぐらい雨が漏っても、少しぐらい畳にでこぼこがあっても、何とか現在の家賃住まいを続けたいといったような、そういう非常に能力のない、気の毒な人がある場合、家主が一方的にこの修繕をやろうとする、こういう場合に何かそこに摩擦が起らないだろうかということを考えるのですが、この点についてはどのように考えられますか。
  16. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 貸家修繕して額を上げてもらおうという大家さんの意図には、当然その修繕興相当する金の回収が行わなければ、そういう資本投下をする者はなかなかないと思うのでございます。従いまして今度の場合むしろ入っておる人とそういう話し合いが最初できまして、これだけの修繕をしてこれだけ上げる、それはけっこうです、上げていただきますという話し合いができてからでなければ修繕はちょっとできないのではないかと思うのでございます。従いまして大家さんの方も中へ入っている人も、そういう話し合いができまして、これだけの修繕をする、だからこの統制額をこれだけ上げてもらいたいという申請が出てくる、そういう事態に事が運んでいくのではないか、こういうふうに私ども考えている次第であります。
  17. 三鍋義三

    三鍋委員 これはずいぶん局限された事態を取り上げることになるかもしれませんけれども、住んでいる者が、何としてでも雨も漏らないようにしてもらいたい、もう少し戸のあけたてもすらすらといくようにしてもらいたい、こう願って修繕してもらいたいという気持は一ぱいなんですが、どうしても修繕後の家賃のことを考えると、自分の現在の収入からその能力がないといった場合に、不本意ながら現状に甘んじて住まわなければならないという人たちも、私相当にあるのではないかと思うのでございます。この場合、あくまで借家人がその修繕を拒否することができるのでございましょうか。特殊な例になるかもしらぬけれども考え方によっては私相当にこういう問題が多くあるのではないか、こう思います。
  18. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 その貸主と借主との間の問題は、両者契約でございます。従来の家賃契約を変更するということが行われなければ、別に上げた家賃を払う必要はないわけでございます。従いまして今度かりに大家修繕を強行しまして、それだけの家賃を認めてもらったのだから、ぜひ払えと先に言いましても、それは契約がなければ別に払う必要はないわけでございますから、この統制令の額を認可したということは、両者契約を強制することではない、こういうふうに考えられるのでございます。
  19. 三鍋義三

    三鍋委員 先ほど御説明願ったかもしれませんけれども、もう一ぺんちょっとお聞きしたいのですが、この対象となる老朽家屋、これは大体どれくらい見込んでおられますか。どうしても修理をしなければならないその対象の家です。
  20. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 大体におきまして、要修理家屋は一五%程度全国であろうかと考えられます。
  21. 三鍋義三

    三鍋委員 今度の改正によって借家についての修繕費家賃増額によってまかなうことになるわけでございますが、現行の第八条の規定によりますと、家主借地または借家維持に必要な処置を怠る等の事由によりまして、借地または借家が不良となった場合、地代または家賃の減額をすることができるようになっておるのでございますが、借家維持に必要な修繕家主負担という建前になっておる。こういう観点から、今後は修繕費家賃に転嫁されるということは、統制家屋老朽化を防ぐという建前からいえば、納得できるのでございますけれども、観念的には、今後の改正は第八条の規定の精神と矛盾するように考えるのでございますが、この点について御説明願いたいのでございます。
  22. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 確かに御意見のように、従来の統制令下におきましても、家屋主要構造部維持保全につきましては、それを家賃統制額の中にある程度見込まれておるのは事実でございます。ただこの統制昭和十三年に始まりまして今日までの経過をずっと考えてみますると、その間にインフレーションによりまして物価が何百倍と増高したわけでございます。その事態をよく考えてみますと、こういうインフレが急激にずっと続きました。今日ではかなりおさまってはおりますが、その経過におきましては、家賃一部分をもって修繕をする、あるいはその家屋を完全に維持保全していくということはなかなか困難な事態であったろう、そういう現実の姿を見まして、今回「大修繕」というところの大修繕を行う者につきましては、特別の額を認めるという措置を講じた、こういう現実の姿によりまして考えておる次第でございます。
  23. 三鍋義三

    三鍋委員 私はこう考えるのでございますが、統制家屋老朽化を防止するということは、何といっても住宅対策上緊急の問題である、これは私も了解するのでございますが、私はやはり住宅不足ということ、こういう事態考えますときに、もう少し大局からこの問題を解決するように考えたらいいのじゃないかという工合に考えるのでございます。すなわち大修繕をいたしましたその費用を、直接家主に大きな負担のかからないように、またそのしわ寄せ借家人にかからないように、現状のままにおいて何とか住宅金融公庫資金家主さんに融資をしてあげるとか、そういうような対策考えることこそ私は時宜に適した最もいい対策ではないか、このように考えるのでございます。局長はどのようにお考えでございましょうか。
  24. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この住宅老朽化現状にかんがみまして、住宅修繕をする、その修繕資金を何とか政府が与えてやる、こういうことにつきましは全く同感でございまして、われわれいろいろ検討いたしております。ただその修繕資金貸付ということにつきましては、技術上なかなかむずかしいところがありますので、今なお検討いたしておるのでございますが、一つり考え方としましては、こういう修繕貸金のごときは、むしろ借入金ということも大事でありますが、その借入金貯蓄というようなものとのからみ合いにおきまして、やっていく方がいいのじゃゃないかというようなことも考えられますので、いろいろ今の低額の貯蓄をやりつつ、またその資金を借りていくというような形のものにつきまして、今せっかくいろいろ検討中でございます。また一部そういうものを、実際に今度のあの融資保険法とからみ合せまして、銀行その他に勧奨しまして、そういう方法を現実に始めたところもございます。
  25. 三鍋義三

    三鍋委員 増築の三万戸といったような計画もできておるのでございますが、実際はなかなか思うようにいっておらないようでございますが、何かこういう面からも一つ考えていただきたい、このように考えるのでございます。  次に三十坪以上の建物については、統制を廃止することになるのでございますが、三十坪という基準を一体どこから求められたか、その根拠をお聞きしたいのでございます。それからいわゆる三十坪以上というそういう貸家が、全国にどれくらいあるのでございましょうか、これをお聞きしたいと思います。
  26. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 三十坪ときめました根拠としましては、つまり一般庶民生活影響を来たさないような範囲の家について統制から除外した、こういう基本的な考え方であります。従いましてその一般庶民影響を来たさない家というのは、どの程度かという問題になるわけでございますが、それを一応三十坪と考えたのでございます。それはいろいろの根拠がございますが、一つ住宅金融公庫法によりまして融資をいたしております住宅が三十坪でございます。これはやはり庶民の家に対して——特定の人がかなり大きな家を建てるのには、ああいう資金でありますからお貸ししない。三十坪くらいまでは、一般庶民生活として必要な住宅の坪数であろう、こういう考え方が入っておりまして、住宅金融公庫貸付対象となる家は三十坪ときめられておるわけでございます。これを合せるということも一つ考え方でございます。  それからもう一つは、三十坪以上の家というのが、全国のどのくらいのパーセンテージに当っているかというようなことも検討してみたのでございますが、大体統制令を受けております住宅のうち三十坪以上というのが大体八%程度でございます。つまり一割未満でございます。この辺のところも考えまして、三十坪以上であれば、そのくらいの家であれば一般庶民生活というものにそう影響を来たさないであろう、こういうふうな考えを持っておるわけであります。
  27. 三鍋義三

    三鍋委員 この対象は大体戦争前にできた家が対象になると思うのですが、戦争前にできた家というものは、現在の住宅構造から比較いたしますと、廊下とかなんとか実にむだが多いと思うのです。だから結局この三十坪という基準を設けられましたけれども、現在の家の構造からいくと、大体三十坪あたりに相当するのじゃないかというような見解を持つのでございますが、この点局長はどのようにお考えになっておられますか。
  28. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 確かに今日できております家は、だんだん今日の生活に即した設計がなされておりますから、最も新しい家は効率的な家を建てることと思うのでございます。しかしながらこの統制令がかかっておりますのは二十五年以前のうちでございます。従いましてその辺のうちでは、なかなかやはり新しい設計に基きましてできましたうちもかなりございまするので、それほどの差異を認めなければならぬというほどのものではないかと思うのでございます。
  29. 三鍋義三

    三鍋委員 これは三十坪というたら、昔の古いうちはそう大したものではないと思うのです。しかし、これは局長が専門的に調査されて、専門的の立場からの結論をおっしゃったのでございますから、これはやはり局長のお言葉を信頼しておきたいと思います。  次に、お尋ねいたしたいと思うのは、この法律施行される前に修繕しておるのはたくさんあると思うのですが、これはどのように取り扱われるのですか。
  30. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 これはこの法律施行後の大修繕につきまして増額を認めていこうということになっておりますので、この法律施行前の修繕につきましては、今度の改正によって認めるというわけにはいかないと思います。
  31. 三鍋義三

    三鍋委員 当然そうだろうと思いますけれども、何か現実におきまして矛盾するように思うのでございますが、これは法が制定後の問題でありますから、まあ、局長のお言葉は当然だと思うのでございますが、この辺にもこの改正令にやはり足りない点があるように思います。私は大体これで私の質問を終るのでございますけれども、私はやはりこの改正案は局部的に部分的な問題を取り上げてみると、無理からぬ、妥当な点を認めるのでございますけれども、現在なお住宅にあえいでいる庶民大衆、またそれとすれすれの状態にある借家人、こういう実態を見ますときに、この改正法律案を出されるのはどうも時期尚早ではないかという考えを持ちます。自然今までやみをはばかって控え目にしていた家主が、今度は法の制定のもとに大っぴらにこれをどんどん上げていくということに、またそれを認めるということになりますれば、結局やはり二十坪以上の庶民対象となるところの家賃にも大きくしわ寄せをされていって、生活をますます苦しくしていくのではないか、このように考えるものでございます。なお、同僚委員質問もありますから、私の質問はこの程度で一応打ち切らせていただきます。     —————————————
  32. 徳安實藏

    徳安委員長 ただいま大臣が出席されましたので、地代家賃統制令の一部を改正する法神業に対する審査を一応中止いたしまして、公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案についてこれを議題とし、提案理由の説明を聴取いたしたいと思います。馬場建設大臣。     —————————————
  33. 馬場元治

    ○馬場国務大臣 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨について御説明申し上げます。  現在公共工事前払金保証事業に関する法律に基き保証事業を営んでいる保証事業会社は三社でありまして、その前払金保証額は昨年度約二百六十五億円に達し、公共工事における前払金の支出を円滑にし、公共工事の適正な施工に顕著な効果をおさめているのであります。しかしながら、本事業の発展に伴い、その反面において、保証事故の増加も予想され、この場合における保証事業会社の保証能力を確保する必要がありますので、この際保証お業会社の保証金の支払い能力を増大する措置として、その責任準備金及び支払備金の算出方法を改めようとするものであります。  以下本法案の要旨について御説明申し上げます。  まず第一に、責任準備金の規定に関する改正でありまして、現行法におきましては、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるとき、そのまだ経過していない保証川間に対応する保証料の総額に相当する金額を積み立てるという方法を規定し、いわゆる未経過保証料方式のみをとっておりますが、この方式のほかいわゆる収支残高方式すなわち当該事業年度における正味収入保証料からその年度の事業費及び支払った保証金等を控除した残額を積み立てる方法を取り入れ、これらの方式により計算した額のいずれか多い額を責任準備金として計上させることとするものでありまして、この方法は、損害保険会社における責任準備金の算出方法と同様のものであります。  第二は、支払備金の規定に関する改正でありまして、現在支払備金として積み立てる額は、当該事業年度において締結された保証契約に関するものでありますが、これを当該事業年度前において締結されたものについても、支払い義務が発生している保証金等がある場合にはその金額を支払備金として積み立てることといたしたものであります。  以上、公共工事の前払金の保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いする次第であります。     —————————————
  34. 徳安實藏

    徳安委員長 次に、首都圏整備法案についてこれを議題とし、提案理由の説明を聴取いたします、馬場建設大臣。     —————————————
  35. 馬場元治

    ○馬場国務大臣 ただいま議題となりました首都圏整備法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます、  東京都がわが国の政治、経済、文化等に関し重要な機能を果しておりますことは言うまでもないところでありますが、東京都と社会的経済的に密接な関連を持つ区域は、都の行政区域を越える広い周辺地域に及んでいるのであります。従って、首都の整備のみならず、その周辺地域を含めてこれが重要施設の整備を促進して十分にその機能を発揮し得るようにする必要があると考えるのであります。  現在、首都の重要施設の整備の進推をはかりますために、昭和二十五年に制定されました首都建設法がありますが、同法によると、東京都の区域内において施行される重要施設の基本計画、すなわち、首都建設計画を首都建設委員会が作成しその実施の推進に当ることになっております。しかしながら、首都への過度の産業及び人口の集中とこれに伴う環境の悪化の現状考えますと、単に東京都の区域内の重要施設を計画的に整備することに意を用いるのみでは不十分でありまして、その周辺の都市を市街地開発区域に指定し、積極的に工業都市または住居都市として発展せしめること、また首都の近郊地帯を緑地地帯として整備すること等の措置を講ずるとともに首都における重要施設の整備を一そう推進する必要があるのであります。  すなわち、東京都及びこれと社会的経済的に密接な関係を有する政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域について、市街地開発区域の整備、近郊地帯並びに首都及びこれと連接した枢要な都市の整備を中心とした総合的な整備計画を策定し、その実施を推進することにより、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展をはかる必要があるのであります。これが、本法律案を提案する理由であります。  次に本法律案の要旨について申し述べたいと存じます。  第一に、首都圏整備計画の作成並びにその実施に関する事務の調整及び推進等の事務を所掌するため、総理府の外局として首都圏整備委員会を設置し、従来の首都建設委員会を発展的に解消することにいたしたのであります。この委員会は、権威のある科学的合理的な計画を策定し、これが強力な推進をはかりますため、国務大臣をもって充てる委員長委員四人で組織することとし、委員のうち少くとも二人は常勤委員とすることにしたのであります。  第二は、首都圏整備計画の作成であります。首都圏整備計画は、基本計画、整備計画及び事業計画といたしておりますが、その中心となるものは整備計画であります。整備計画は、既成市街地、すなわち東京都及びこれと連接した枢要な都市を含む区域のうち政令で定める市街地の区域、近郊地帯すなわち既成市街地の秩序ある発展をはかるため緑地帯を設定する必要がある既成市街地の近郊で政令で定めるもの並びに市街地開発区域の整備に関する事項で、宅地の整備、道路、鉄道、軌道その他の重要施設の整備に関するもののうち根幹となるべきものを中心とした総合的な計画であります。これらの計画は、首都圏整備委員会が、関係行政機関の長、関係都県及び委員会に置かれる首都圏整備審議会の意見を聞いて慎重に策定することになっております。  第三は、首都圏整備計画に基く事業の実施であります。まず、既成市街地の周辺地域内の区域について適当なものを選びこれを市街地開発区域として指定し、各区域ごとにその性格、規模に応じた整備計画を作成し、重要施設の整備を強力に推進することといたしたのであります。次に、整備計画に基く事業は、委員会が実施せず、それぞれ当該事業に関する法律に従い各実施官庁、地方公共団体、または関係事業者が実施することとなっておりますが、整備計画の円滑な実施をはかるため、これらのものはできる限り整備計画の実施に協力すべきこととし、委員会は、整備計画の実施に関し必要な勧告をなし得ることといたしたのであります。なお、以上のほか首都への産業及び人口の過度の集中を防止するため必要があると認めるときは別に法律で定めるところにより、工業等制限区域を指定し得ること、市街地開発区域内において事業計画に基き小学校、または中学校の施設の建設を行う地方公共団体に対し国は補助をなし得ること、国は本計画に基く事業を執行する地方公共団体その他の事業者に対し必要な資金の融通またはあっせんをすること、地方公営企業の建設、改良等を行う場合に必要な地方債の許可に関する取扱い等について必要な措置を講じ、首都圏整備計画に基く事業が適正かつ円滑に実施されるよう企図した次第であります。  以上申し述べましたように、首都圏整備法案を提案いたしましたのは、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展をはかるために緊急を要するものと考えたからでありまして、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  36. 徳安實藏

    徳安委員長 ただいま説明がありました同案に対する質議は次会に譲ることといたします。     —————————————
  37. 徳安實藏

    徳安委員長 この際、能代大火の被害状況につきまして、大臣よりその後の対策につき御説明を聴取いたします。馬場国務大臣。
  38. 馬場元治

    ○馬場国務大臣 衆議院並びに参議院の本会議でそれぞれ御報告をいたしましたが、昨日衆議院で報告をいたしておきました罹災者の数につきまして、その後の調査の結果多少の変更を見ましたので、昨日の報告を訂正をいたしまして、数の御報告をいたしたいと存じます。  昨日衆議院で御報告いたしましたのは、焼失家屋が千三百二十戸、罹災世帯が千三百九十九世帯、罹災人員が五千九百九十八人、こういうことになっておりましたが、その後の報告によりますと、焼失住宅は千百五十二戸、焼失いたしました非住宅三百十八棟、罹災世帯千二百四十八世帯、罹災人員五千八百五十七人、こういうことに相なっております。なお後刻さらに報告が参りまして変更がありました場合には、その都度御報告いたしたいと存じます。
  39. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ちょっと関連して。能代の火災について緊急を要する問題でありますので、この際大臣にお尋ね申し上げておきたいと思います。かかる大火災には今後の都市計画、あるいは今後の防火地帯の関係、また焼失罹災者の将来の生活の困窮の問題等から、借地借家法を適用することに大体なっておるのでありますが、当然この能代のごとき大火災のときには直ちにこれが適用をなされるものだと思うのでありますが、この点いかようになっておるか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。
  40. 馬場元治

    ○馬場国務大臣 お説の通りに、こういった大火災のあとには借地借家、土地の所有権あるいは借地権、そういった問題についてややもすれば紛争が起りがちでありまして、まことに遺憾なことであると考えております。この問題は直接には法務省が関係をいたしておるのでありますが、建設省といたしましても、重大な関心を払わざるを得ませんので、法務省とも十分協議をいたしまして、適切な措置を講じたい、かように考えておるところであります。
  41. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 適切な処置を法務省と御相談の上でやられるということでありますから、私はそれを信じまして、できるだけ早く処置されて、罹災者の生活を擁護されるように御希望申し上げます。
  42. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは、地代家賃統制令の一部を改正する法律案につき質疑を続けます。前田榮之助君。
  43. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 地代家賃統制令は、いわゆる戦後の土地、建物等が非常に窮迫いたしている際に国民生活を守るという建前法律施行されたのであります。しかしながら現状におきましては、局長の御報告にもありましたように、なかなか適切にこの法律が守られておらないのであります。これはどうも日本人の社会生活における大きい欠陥であろうと思うのであります。建設省としては直接取締り官庁ではない、取締りはやはり警察、司法の関係であろうと思います。そういう点で、司法関係との連絡、これらに対する法律を作り、住宅問題を解決する担当官庁は建設省でありますが、しかしその建設省が直接に法律で取り締るというわけにはいかないのでありますが、それらとの連絡はどうなっているか。法律を作りっぱなしということになっておるのか。一つ現状を御報告願いたいと思います。
  44. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 取締り当局とこれを所管している建設省とはいろいろ連絡をいたして実施はいたしているのでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたような現況でありまして、実際上この取締りが、普通の刑法その他ああいうような関係のように厳格に実施するということはなかなか困難な事情にあることは事実でございます。従いまして、最近においてこれによって起訴になったとかいうような事例はほとんど見ないのであります。そういうような現況でございます。しかし取締り当局とはいろいろ連絡ははかっているのであります。
  45. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 その次にお尋ね申し上げたいのは、昭和三十年度は鳩山内閣において四十二万戸の計画、昭和三十一年度においては四十三万戸の計画、その中で借家というものの中で住宅公団等の建てる場合は別でありまして、この法律に適用されることはない。それで民間の建物、たとえば昭和三十一年度でも二十五万二千戸が民間の出資にたよられているのであります。大体この二十五万戸からの家屋の中で、民間資本による借家、いわば昔は借家業というものがありまして、家を建ててその家賃生活をしておる職業というものがあった。そういう職業は、今日の金利の高い、また借家の性格からいってなかなかできないことだと思いますが、それを職業にする、しないは別といたしまして、借家として建てられるものはその中の何戸くらいになるでしょうか。
  46. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 二十五年以降の新築家屋には統制令はすでにはずれておるのでございますが、ただいまお尋ねの最近建っております民間自力建設のうちの貸家建設はどのくらいかということでございますが、これは建築動態統計調査というのをやっておりますが、その中から拾いました推定によりますと、最近の数年間は大体二万戸ないし三万戸程度でございます。三十年度におきましては——まだ三十年度は完結いたしておりませんので十二月ごろまでの統計でございますが、二万七千戸程度と今出ております。従いまして今後一、二、三月を入れますと大体三万戸程度になるのではなかろうかと考えておるわけであります。
  47. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 大体一〇%程度というような見当になると思います。しかしながらこれは住宅ではないのではないか。むしろ店舗として建てられたものは、これは相当借家としても営業が成り立つ。ただ純粋な住宅としては、私は、今日の経済情勢からいっては成り立たないと思う。従って純粋の住宅の上からいいますと、この一〇%、二万戸ないし三万戸ということはないと思うのですが、その点はいかがですか。
  48. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 純粋の店舗ではございませんで、この二万七千戸の統計は、店舗つきの住宅、併用住宅というのはございますが、住宅のみの統計でございます。ただどういう住宅かということになると、いろいろの住宅が入っておりますので、この中にはかなり小さな部屋、一間か二間というような、いわゆる今の国家資金で建っておりますアパートとは違いまして、民間の、いわゆる昔の木造のアパートといいますか、一部屋住宅というようなものもかなりこの中には入っているかと思うのであります。しかしこの統計は住宅のみの統計ではございます。
  49. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 本法の改正案に対する問題点としてわれわれが心配するものは、この法律が適切に正確に実行できるかできないかという問題なのでありまして、坪当り二千円の修築費を使って、四十円程度家賃の値上げを認める。そうして大体、五カ年間で二千円程度になる。利子も幾分かかりますからその程度になるという数字もよく合っているし、その点はきわめて合理的だと思われる。しかしながらこれは表面上の問題でありまして、これが正確に行われないところにこの問題点がある。果して二千円程度というものをどこでどういうように認めていくかということが現実には問題なのでありまして、たとえば千五百円の修築をやっても、大工、左官に話し込んで、二千円になるような領収書をもらって、そしてその領収書に基いて手続を行うと言えば、それを取締り官等がせんさくするといってもせんさくしようがないのです。やりようがない。問題はそこにあるのでありまして、それをどういうように正確に行われようとお思いになってこういうことをやったのか、この点はどういう取締り方をやってどういうようにしようとお考えになっておるか。この点をお答えを願いたい。
  50. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 これを実際に認可いたしますのは都道府県知事でございますが、これの審査に当りますのは都道府県の建築部あるいは建築課でございます。東京都でいいますと建築局、そこで、その申請書類に基きまして、この増額の認可をいたすわけでございますが、必要に応じまして現場の調査もいたしまして、こういうところにはかなり専門家もおりますから、どの程度修繕が行われたかということを現実に現場の審査をいたしまして、その判定は努めて正確に行いたい。こういうように考えておる次第でございます。
  51. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 努めて正確に行うというのですが、それは努められるのは当然です。努めても正確に行われぬということが問題なのであります。その証拠がすなわち局長が仰せになったいわゆる二分の一は法律がまあまあという程度に実行されておるが、あとの二分の一は実行されておらない。そのうちの半数すなわち全体の四分の一が五割以内程度の超過であって、残りの四分の一は五割を越える。そういたしますと、この風潮というものは将来もまた過去における家屋に対してもそういうことになるのでありまして、今法律をゆるめて値上げを承認する、こういう建前に立ちますると、そのことによって適法なるところの手続を行なって家賃の引き上げを行なった場合においては、その部面は正確であるでしょう。その部面におきましては不当なことはないと思う。ところがそれに基いてやはりこの率、すなわち二分の一というものがやみの価格に必然的について上るのであります。ここが問題なのでありまして、これは私の経験からもそういうことが言われるのであります。また私らの住んでおる周囲の家屋家賃の値上げもみなそうなっておる、そうしてはなはだしいのになりますと、たな子と教主とが相談をいたしまして、家賃を値上げをしたんじゃない、近所がああいうように上ったから私の家も上げてもらわなければならぬが、そういうことが認められない場合においては出てもらわなければ困りますがね。こういうようなことになりますと、立ち退きを命ぜられたのでは困るから、それは私の方もお宅さんの安い家賃で住まわせていただいているんだからそれは認めます。それなら取締りが来てもそういうことを打ち明けないでくれ、こういう家賃の違反がきわめて巧妙なる手段において行われておる。これが建設省にわかった数字は、今局長が説明された率が現われておる。これはおそらくそれ以上であって以内ではないと思う。政府で正確に調査をされた以上にこの違反があると思う。問拠点はそこなんでありまして、それをどういうようにしてこういうことのないようにするか、もしこれが行われない、正確に行われる見込みがないというなら、むしろ法律は作らない方がいい、法律を作る限りにおいては、——これを正確に行わしめようという熱意がなけりゃならぬのでありますが、その点どうもまだ、私ら局長の説明では納得がいかないのであります。ほんとうにどの程度までこれを正確に実施させるということの言明は、——これはむしろ建設当局よりも取締り担当官に聞くべきでないかと思うのですが、その点いかがですか。
  52. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 今回のこの改正の要点は、一つ修繕でございます。修繕費二千円程度修繕か千五百円程度修繕かの分界が明瞭じゃないじゃないかということのお尋ねだと思うのであります。その点につきましてば先ほどもちょっと申し上げましたが、この判定はかなり専門的な問題になると思うのでございます。この取締りを実施いたしまする官庁がかなりそういう専門家をそろえた部局でありまするので、必要に応じて現地の調査をいたしまして、適正なる施行ができますようにわれわれは今後やっていきたいと考えておる次第でございます。
  53. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 それはわれわれが質問をいたしますれば、不十分なる取締りなどをやろうというような答弁をされることはないから、局長としては今申されたように言わざるを得ないのだと思いますが、実際はなかなかそういうようにいかないのでありまして、なるほど担当委員等が集まって現地を見てやる場合においては、それは大体の見当がつくし、そうむやみに不当なことはない、そういう場合はいい。だが多くの家屋を、そう一軒も残らず適正に見るということは困難なことでありまして、なかなかそういうようにいかないで、今報告の二分の一以上の法律を適正にされておらないというところに現実に現われておるのであります。  そこでもう一つお尋ね申し上げておきたいのは、この改正によりまして三十坪以上の家屋を適用外にはずす、——三十坪であろうと四十坪であろうと、あるいは三十幾坪であろうが二十九坪であろうが、大修繕を行えば家賃を値上げをするという点と三十坪以上をはずす、大家屋統制外に置くという二つの点が、主としてこの改正案になっておると思うのですが、三十坪以上をはずす必要はないと思うのです。三十坪以上でも、三十坪以下でも、修繕を行なって経費をかけたものに対しては家賃の値上げを認めるということであるなら、三十坪以上で家賃が不当に安い家賃で困れば値上げはできるわけであります。そういうように小さい家屋、大きい家屋——大きい家屋を持っておる者は、同じ家主といたしましてもどちらかというと資産も多く持っておる。そういうようなことの区別をつけることは、これは現実には必要な部面もあります。必要な部面もありますけれども、全体的としてそういうような思想といいますか感覚というものは、私は現代に合わない考え方じゃないかと思う。この三十坪以上をどうしてもやらなきゃならぬと痛切に考えられる事項がどこにあるか。ただそれは、三十坪以上は借家などといわないでいいのではないかという簡単なる理由は私も認めます。認めますが、わざわざこうして法律ができておるものを、そう特に考えなきゃならぬ問題は私はまだ認めることができないのですが、それはどういう事情か、もう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
  54. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 これは地代家賃統制令そのもののできました当時からの目的あるいは今日の状態が、かなり変遷を来たしていると思うのでございます。最初の目的は全体の物価を調節するというようなものの一環としてできておりまして、その後はだんだんほかのものがはずれてこの家賃統制令だけ残ってきた。かなり性格が変って参りまして、庶民生活影響を来たす意味ではずせないという事態からこれだけが残っていった、こういうふうに見るのが至当だと思うのでございます。従って最初できました新しい物価統制令の観点と、今日残っておりまする地代家賃統制令というものは、かなり性格を異にしてきておるというふうに見られるのでございます。二十五年以降の新築家屋におきましてはもうすでにはずされておりますが、これなんかの考え方も実はその辺にあって、はずした新しい家屋というならばまた新しい家屋によって投資が行われるであろうというような観点からも、はずされておると思うのでございます。今回この修繕につきましては一応保全の関係からぜひ省きたいということと、それからもう一つ、この三十坪以上としましたのはそういう考え方で、一般庶民生活はぜひ安定させて守りたいという基本的態度は変えませんで、比較的あの統制令の適用で保護されなくとも生活し得る階層のもので、こういう無理な統制を続けるのはどうかというような考え方でその点を見出したかったわけであります。その見出し方としまして、うちの大きさによりまして一応その点を見出したいということでいろいろ研究をいたしたのでございますが、大体三十坪以上といううちが、先ほどもちょっと申しましたように全体の八%、一〇%以内であるというようなこと、それからもう一つは、その三十坪以上の借家に入っております人々の平均収入というようなものが、それ以下の一般勤労者の平均収入よりもかなり高くなっているという現実、私の方の統計によりますと大体三万一千円以上ぐらいのところになっておるようでありますが、その程度の収入の人、今かなり上の収入の人が大きなうちにどうしても入っておる、こういう現実から、その三十坪以上のものは今回これをはずしてもそう社会的な影響門はないのではないか、こういう考えでやったわけであります。
  55. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 どうも局長考えとわれわれの考えとはちょっと違うように思うのです。この統制方式は順次終戦来崩壊されていく傾向がある。これはいわば戦時体制が平和体制となることに基くもの、それともう一つは、ここに近代的社会生活の上からくる庶民生活保護の建前に立たなければならぬ、つまり社会制度の、一種の社会政策的な発展、こういう上から来る部面と二つあると思うのですが、新築家屋統制の外に置かれたことだけでも、旧家賃は実質的にその当時から上っておるのです。それを機会に上ったというくらいのものが相当ある。しかしながら何としても全体の住宅払底のときに、何とかしてたくさん建てさせようという政策に基いて、新築家屋については一種の奨励するということも加味されて統制の外へ置かれておるという部面があるのであります。ところがこの三十坪以上をはずすというのは、庶民としては生活水準の高い人が住まうからということでありますが、それが現実にはそうなっておるでしょう。なっておりましょうが、このことがやはり三十坪以下の家屋家賃に響くということを考えなければならない。全然響くおそれなし、こう断定するなら別でありますが、その点はどうなんですか。三十坪以下に影響が来ないという確言ができますか、この点お聞かせ願いたい。
  56. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 二十五年以降の新築家賃統制からはずしたということが、従来の地代家賃統制下にある住宅にまで影響を来たさなかったかどうかという点につきましては、お話のように若干の影響は来たしたものと考えられます。今回のこの三十坪以上のものをはずすということが、直ちに三十坪以下のものの値段まで引き上げるということには、直接関連はないのでございますけれども、実際問題として全然影響がないかどうかというお話でありますと、あるいは多少の影響がないということは断定することはできないかと思うのでございます。しかし直接の関連はここではないわけでございまして、三十坪以下は依然その統制は続けたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  57. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 その点がわれわれの見解と建設省の見解との相違点で、この改正案の重要な問題点なんですよ。これは相当影響のあることは、現実には間違いなしと私は断定して差しつかえないと思うのであります。  そこで進んでお尋ね申し上げますが、この三十坪以上をはずさなければならぬということは、社会政策の上から、われわれから言いますと社会主義の建前に立って、今日これをやらなければ新しい住宅が二十五万戸民間で建てるのに支障を来たすという部面があるかどうか。これが住宅建設奨励のために非常な影響があるというならば、また忍ぶべきを忍ばざるを得ないということにもなるかもわかりませんけれども、私はもうすでに新築家屋については統制をはずしておる今日において、そういう影響はないと断定していいと思う。そこで将来の住宅政策というものは、民間の個々の住宅建設に影響があるということでなしに、ただ問題点は、前にも局長が御説明になったように、修繕をすべきときに適切な時期に修繕をしなければ腐朽度が早くなるおそれがある、これは国家の損耗である、こういう建前の点がただ一点あるだけです。私はほかにはないと思う。この点があると思いますけれども、しかしながらこの点はやはり修繕を行えば値上げはできるという一般的な改正案があるのであるから、三十坪以下にはこれは影響がない、だから三十坪以上をはずすことはこの際取りやめるべきだと思うのですが、そういうことを御研究になることはできないものであるか、この点伺いたいと思います。
  58. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この三十坪をはずすことにいたしました理由をもう一つ申し上げたいと思うのでございますが、それは最近国が苦しい中から、かなり資金を出しまして作ります公営住宅にしろ、あるいは公団住宅その他にしろ、今日公営住宅のごときも、大体木造で補助をいたしましてもどうしても坪当り百八十円になるわけであります。そういうものと従来先住しているとはいいますものの、戦前から三十坪以上の大きな家を借りまして、そのままずっと安い家賃で保護せられている人たちとの収入のバランスといいますか、そういうものを考えてみまして、果してどういうふうになっているかというような現実も、実は多少研究をいたしたのであります。しかしそれがだれの犠牲もなくそう安くなっている場合ならばけっこうではございますが、それを持っている大家といいましても、かなり零細な生活をしている人がかなりおるのでございます。そういう人の犠牲におきまして戦前からかなり安い家賃で、坪当り八十円程度あるいは百円程度家賃で今までずっと入ってきておったわけでございます。そういう人と、今日住宅政策でもって政府が補助までいたしまして建てます新築家賃との均衡をいろいろ考えてみますと、かなり割り切れないものがございますので、三十坪以上というようなものは、この際お互いの話し合いで決定する家賃にした方がいいのではないか、こういうような考えもあるのでございます
  59. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 聞けば聞くほどだんだん反対的な意見が濃厚になると私は思います。それは今申された三十坪以上については、新築家屋との均衡やその他の関係でも、統制をはずして適正な家賃にする必要がある、こういうことならそれは二十九坪や二十八坪にもそういうことはないですか。それ以下の二十九坪や二十八坪の零細な家主には一そうあると思う。そのことは同じなんです。ただ入っている者が零細な者であるから、それらの生活を脅威いたしては——今日の日本経済の建前から、住宅費を現在以上に負担させることは困難である。そのこと自体が社会的に非常に影響がある、こういう点にあると思うのです。ですからそういう点は、やはり家主建前に立って同情するなら、むしろ小さい家を持っている者に同情せなければいけないということになる。だからそういうことでなしに、実際に今日の住宅政策を今後においてどういうふうに向けていくかという問題なのでありまして、大体住宅というものは法人やその他のものが経営する場合は別でありますが、個人経営の場合にたよる住宅政策というものは、もう時代おくれで、これは諸外国を見られても、やはり近代的な都市建設等を行うのは、大体において公共団体住宅を建てて、国民に住まわせるという建前になっておる。日本の政策もだんだんそういうふうになりつつあって、住宅金融公庫等の国家資本が投じられるようになったのも、そういう傾向に基くのであって、明治時代にはこういうことはなかった。それと同じように、近代的な住宅政策の建前に立っても、まだ全体の統制をはずす時期ならずという前提に立つならば、二十九坪、二十五坪、三十坪、三十五坪の区別は不当だと私は思います。これ以上私はあなたの答弁は要りませんが、あなたの説明では私は納得がいかないということだけ申し上げて、私の質問は終ります。
  60. 徳安實藏

    徳安委員長 山田長司君。
  61. 山田長司

    ○山田委員 二、三お伺いいたします。私から申し上げるまでもなく、地代家賃統制令ができた前後は、日本の農地法のいわゆる農地改革のなされた前後で、この第一条に規定がありますように「地代及び家賃統制して、国民生活の安定を図ることを目的とする。」ということがこの統制令の目的であることは、今私があらためて申し上げるまでもないことだと思います。この法令がもし実施された暁には、全体的に見ると、零細な家屋に住む人たちまで家賃を値上げすることに拍車をかける結果になると思うのです。このことは今局長がうやむやのうちに明確に言い切っていると私は思うのですが、そういう点でこの法令についてはもう少し研究する余地が必要とされるのではないかと思われるわけです。第一、「大修繕と認められる工事がなされたとき。」こういう規定がこの条文の中にありますけれども、大修繕でなくても、どんな工事でも最近は坪二千円くらいな金額にならないものはない状態です。そうすると改良工事でも何でもほとんど一律な形で七条の規定による賃上げがなされることになると思うのですが、建設省の省令で定めるといっているけれども、一体どんな形において建設省としては省令を作っておられるのか。これはどうしても非常に明確性を欠いておると思うのです。この点一つ伺います。
  62. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 ここで大修繕と申しましたのは、建設省で定めることになっておりますが、これは現在かなり研究いたしております。今のところ大体坪当り二千円以上を要した修繕を大修繕という範疇に入れたい、こういうふうに考えておる次第でございます。つまりその他の小さな修繕は大修繕とは考えない。坪当り二千円、十五坪の家でありますと三万円になりますが、三万円以上の修繕費をかけたものというふうに考えておる次第であります。それから同時に改良のお話でありましたが、改良とは一番最初作られましたときの価値を変更して増大する場合の工事でありますから、この修繕とはおのずから変りまして、改良の方は従前も増額を認める理由にはなっておったのでございます。でありますから改良とは分離いたしまして、大修繕という一つの範疇を設けたい、こういう考えでございます。
  63. 山田長司

    ○山田委員 さらに第十五条の規定にありまするところの家賃の値上げについて、七条や八条の規定で認可を求める規定があるのでございますけれども、今まで家賃の値上げはみんなうやむやのうちにされているのでありまして、都道府県の地代家賃審査会にかけられて家賃の値上げがされているというのは全くまれでありまして、ほとんどはこの審査会の議を経ないでうやむやのうちに家賃の値上げがなされていると思うのです。そういう点から考えてみても、せっかく設けられている規定などというものは無視されている形になっているのですが、もしこの規定ができることになりますと、なお無視した形で値上げがなされると思われますが、一体あなた方はこの地代家賃審査会というものが活発に動いていると思うのですか。
  64. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 地代家賃統制令下におきましても、家賃の値上げは実際法的に数回値上げされております。それは建設大臣がその額の基準につきまして告示をいたして、従来不適正に至ったときには適正にまで上げてきているわけでございます。  そこで今お尋ねの第十五条の都道府県の地代家賃審査会といいますのは、その基準に基きまして特別なる事情がありました場合に、そのおのおの個々の事例につきまして、地代をその基準よりも上げる場合の審査機関と見られるのでございますが、この審査機関にかけて上げたり下げたりしているという事例は、お話のように今までもあまり見られておりませんが、これは国全体としてきめられました額を特別な事例に基いて上げ下げするときのその額を変更する場合の審査会というふうにこの法律ではなっているわけでございます。
  65. 山田長司

    ○山田委員 ただいまのお話を伺いましてもわかりますように、地代家賃審査会というものはあっても有名無実であって、しかも第七条の第二項及び第二項の規定に従って借家人家主に対してこの条文の規定に従うように申し入れをするような場合があれば、ほとんど家主から抗議が出、追い出されてしまう、あるいは訴訟が出るというような事例があるのであって、審査会を設けても、この審査会は何ら役に立たないものを設けてあるのですから、こういうものが設けられている上に、もし今度のこの規定ができますならば、審査会などあってもなくても、さらにいいことになってしまうと思うのです。この審査会なるものを何らの処置もしないでこういう事態が発生していいと思うのですか。
  66. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 審査会の性格はただいまお話があり、また私から先ほど御答弁申し上げましたような性格に現行法ではなっているわけでございますが、今回の改正に当りまして大修繕増額いたしまするものをこの審査会にかけぬでもいいようにいたしましたのは、今度の大修繕の項によりまして、この増額の申請がかなりたくさん出てくるであろうということを予想しているのであります。従いましてそれが出てきましたときに、直ちにこの事務を非常に迅速に取り運ぶために、審査会の人々に集まっていただきまして、一一これをかけておりますと、月に一回やりますと一カ月間にためておかなくちゃならぬというような事態も起りますので、その事務の簡素化から、こういう場合はこの審査会にかけなくてもいいというふうに改正をいたしたいというのがこの改正案なんでございます。何が残るかということでありますが、それは知事が特権をもって減額あるいは増額することができるようにもなっております。この地代家賃統制令そのものがそういうふうになっておりますが、知事が特権をもって増減するような場合にはこの審査会にぜひかけなければならない。こういうものだけはぜひ残したい、こういう考えでございます。
  67. 山田長司

    ○山田委員 地代家賃審査会なるものが都道府県に存在していまして、農地の場合などは一つの村や町に農地委員会があって、問題が起ったときには、その村や町に農民が異議を申し立てていって、ほんとうに手近かなところでこの処理ができるわけです。ところがこの地代家賃審査会なるものは、大体県庁にあって末端の借家人については非常に遠距離のところにあるために、泣き寝入りしている例が非常に多いと私は患う。しかも何度も足を運ぶというようなことになりますと、時間的にも経済的にもまとまらない状態にありますがゆえに、申し出をしない状態にあると思う。こういう点について従来と同じ考え方でこの審査会なるものを存在させておこうとお考えになるわけですか、一応伺います。
  68. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 従来のこの法例の審査会の性格を今度変えようといたしておるわけではございませんで、従来通りの性格のものとして存置し、今岡は事務の簡素化だけをはかる、こういう考え方でございます。
  69. 山田長司

    ○山田委員 私はそんなことではとてもこの結論は出ないと思うのです。なぜならば戦災都市でない地域は、これは一つの地区を申し上げてもあなた方になかなか理解できない点があると思うのですが、一つの市で半分くらい借家人がいるところがあるのです。そうすると、これは私はかなり問題が起ると思うのです。その場合に一々審査会のところまで出向いていかなければならぬというような事態が発生すると思うのですが、私が言うのは、このことについて今までと同じような形で考えられるかどうかということなんです。
  70. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 今度のこの改正によりまして、額の改訂を知事に申請が出て参ったといたしました場合に、この審査会に一々かけておりますとたいへんな手数になりまして、時間的にもかかりますので、この審査会にはかけなくとも、この増額あるいは減額、そういう認可ができるように、事務の簡素化をはかったのでございます。従いまして一々都道府県の審査会を開いて、そこで議決されませんでも、直ちに仕事が運ぶ、こういうふうにいたしたわけでございます。
  71. 山田長司

    ○山田委員 そんな簡単に利益を得る者と損をする者と、人間は神様のような神経ではないから、簡素化で借家人家主との間に問題が簡単に片づくものではない。だからこれは問題だと思うのです。そういう点でやはりこれが慎重を期するためには、今までのように審査会が中央にあって、かなり不便なところで一日がかりになってしまうようなことがあるのですから、それだからこの審査会はあっても有名無実だったのです。現在でもさらにその有名無実の状態が続いて、その上にもってきて、簡単に家主借家人と話がつくというふうにお考えになられることは、私は机の上のプランだと思うのです。そんな簡単に一軒の家の値段というものがきまるものとお考えになられることは、どうも私には理解できないのですが、その点もっと明確に願います。
  72. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この地代家賃審査会というものの性格につきまして、多少誤解がおありになるのじゃないかと思うのでございますが、この地代家賃審査会は、そういう大屋と借主との間に立っての紛争の処理機関ではございませんで、知事の諮問機関として地代家賃の額を決定する場合、もちろんこの額というのは、全国的には国が告示をいたしてきめておりますが、その局地の条件によりまして、増額または減額するときの全体的なそういうものの諮問機関のような性格を従来持っておったわけでございます。でありますから今山田委員のお尋ねは、この間にいろいろなむずかしい紛争が起る。この紛争の処理機関としてこれを滑川するかどうかというようなお尋ねとも関連するのかと思うのでございますが、この審査会で紛争の処理をいたすことは無理だと考えるのでございます。やはりこういう紛争が起りますと、あと契約上の問題になりますので、民法の問題でございます。従いまして調停裁判なり何なりの問題になってくるものと考えるのであります。
  73. 山田長司

    ○山田委員 審査会が諮問機関であることは決してわからぬわけではないのですが、私は一つの問題が起って県に認可を願い出ていった場合には、このことによって知事が諮問すると思うのですが、何べんも借家人が出向いて行かなければならぬような、有名無実の審査会であるから私は言うのです。これが一つなんです。  もう一つは、民法上の問題であるというけれども、一応最善を期するためには、やはり民法上の問題としても、一応何らか審査会において、都道府県民に理解のできるような基本的な示唆を与えておく必要があると思うのです。そういうことがなされずして、ただ民法上の問題として処理すればいいのだということで、調停裁判の持ち上るのを待っていること自体が私はおかしいと思うのです。そういう点でもしこれを実施しようとするならば、何らか審査会以外の機関を当然私は考えられなければならないと思うのですが、その点どうなんです。
  74. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 今回の改正は、この審査会に関係いたしますのは、つまり今まできめられております統制額の改訂ということがこの審査会に関係するわけでございます。今度の額の改訂が起りますのは、大修繕がなされたときということになります。そしてこの大修繕によって増額し得る範囲というのは、建設省令によって大体基準が定められまして、坪当り三千円をかけた場合には幾ら幾ら、二千円をかけた場合には幾ら幾らという大体ものさしができ上るわけでございます。そういうものによりまして事務的に非常に簡潔にその処理をして参りませんと、かなりの件数がここに生じて参るだろう、こういうふうに考えられますので、契約のところまではなかなかいきませんが、その統制額改訂の事務的処理は迅速に行われなければならないと思うのでございます。その額の改訂のときに、この審査会にかけるかどうかということなんでありますが、これが非常にたくさん毎日出て参りますのを、何地区かためてやるということは非常に困りますので、迅速に処理するためにこの審査会からはずした方がよかろうというのがこの案なのであります。  それから今の山田委員のお尋ねは、両者の紛争が起った場合にそれを処理あるいは訴願する審査会というものを設ける必要があるのじゃないかというお尋ねと解するのでございますが、その場合の処理機関というものを、今定められております他の機関のほかに併置する必要があるかどうかということにつきましては、これは非常に問題でございまして、われわれの今の考えとしましては、現在そういう機関がすでに存在しておるのでございますから、それを活用するのがむしろいいのじゃないか、そのほかにさらにここに調停機関というようなものを設けるのはいかがか、こういうふうに考えるのでございます。
  75. 山田長司

    ○山田委員 もう一点伺います。大修繕とかあるいは改良工事という形で規定がございますけれども、今おっしゃられますように、その改良工市なり大修繕なりの坪当りの単価というものは、一応請負わした工事の大工さんなり、あるいはその他の人たちによってなされるわけですけれども、そのことは家主と工事人との間で話し合いがつくことになるわけですから、金額上においては領収証その他でどういうふうにでもごまかしのきく点があると思うのです。この点についての何かごまかしのきかぬような方法の目安というようなものをお考えになれぬものですか。
  76. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 認可の公正を期するために、そういうごまかしのないように標準修繕費といいますか標準建設費というような規定を作成する必要があろうかと思います。そういう基準、たとえば土台を全部取りかえた場合にはどのくらい、あるいは柱を根継ぎした場合にはどのくらいというような基準はぜひ定めまして、これを取締りをやります方面に徹底いたしたい、こういうふうに考えておりまして、今その案につきましていろいろ検討を加えておるのでございます。  それからもう一つは、ただこれだけかかりましたというので、請負の受け取りだけを持ってきてそのまま認可するかどうかという問題でございますが、これは借り主と貸す人の両方の立場があるわけでありますから、こんなに修繕してないというような、そういうごまかしのある場合には必ずや借受人の方から何らかの意思表示があろうかと思うのでございます。そういうような場合には、当然これを主管しております都道府県の担当の係官が現地へ行って、実際それだけの修繕がなされたかどうかということを検査する必要もあろうと思います。そういうふうにいたしまして、適正な運営を期して参りたいと考えておる次第でございます。
  77. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 時間がかかりましてまことに恐縮ですけれども、二、三伺ってみたいと思うのであります。  低所得者、低賃金者といいますか、いわゆる庶民階級の生活を守るためにできたのがすなわち地代家賃統制令であろうと思うのであります。私はこの法律を皆無にひとしい結果に陥らしめるのではなかろうかということを憂うるのであります。もしこういうことをいたしますと、低賃金、低所得者の生活に大きな脅威を与えることは火を見るよりも明らかであろうと私は想像いたします。そういう場合に、低所得者を守るということは一体どういうことで守られるとお考えになっておるか、私は特に建設大臣のお考えを伺ってみたいと思うのであります。
  78. 馬場元治

    ○馬場国務大臣 住宅政策全体を通じまして、いわゆる庶民性を持たしめるということは、住宅政策の基本的な一面でありまして、その意味におきまして公営住宅にいたしましても、あるいは公庫、公団その他の政府資金による住宅建設は、いずれも御指摘のような点を十分考慮いたしまして施策しておりますことはかねて御理解を賜わっておるところであろうと存じます。地代の問題につきましても御指摘の点は十分に考慮しなければならないのでありまして、先ほど来局長からしばしば申し述べたところで御了解を賜わることと存じております。全体をにらみ合せまして、今回この改正をいたすことが一番適正であると考えまして本法案を提案いたした次第であります。
  79. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 大臣の答弁ではもう一つ納得いたしかねるのであります。大体地代家賃統制令にひっかかるのは昭和二十五年前に建てた建物で、全日でざっと五百万戸以上がこの統制令対象になるといわれておるのであります。そういたしますと、これは先ほども申し上げましたように、いわゆる低所得者に関するものでありまして、きわめて事は重大であるとわれわれは考えておるのであります。先ほどから山田委員と当局との質問応答の中でも伺ったのでありますが、坪当り二千円以上の修繕あるいは改良工事等において家賃の値上げを認めることになって参りますならば、この統制令が根本的にくつがえされることは火を見るより明らかであります。こう考えて参りますと、この統制令はあってなきがごとき姿になってしまうのであります。従ってこれらに乗じて統制令の違反者が続出することも想像されるのでありますが、これらの取締り等についてはどういう方法をお考えになっておるか、当局のお考えを伺ってみたいと思うのであります。
  80. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 取締りにつきましては、取締り当局ともよく連絡をして、今回の改正の趣旨か周知徹底せしめるようにいたしたいと考えておりますが、中には非常に悪質なる者が生じて参ります場合には、当然この統制令にあります罰則の適用も行わなければならぬと考える次第でございます。今回の改正の趣旨をよく取締り当局にも連絡をいたしまして、これにつれてほかの統制にはずれます分にまで影響の生ずることのないように十分の処置をいたしたいと考えておる次第であります。
  81. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 私はこの統制令対象になる家の大半は、すでに建築費といいますか資本金の全部を償却してしまった家であろうと思っておるのであります。従ってささいの修繕をしたからということで、家賃を値上げしなければならぬという事情ではないのではないかと考えられるのであります。そういう点は一体当局はどうお考えになっているか伺いたいのと、もう一つ地代については一体どういうことにされるお考えを持っておられるのか、その辺のことを伺ってみたいと思うのであります。
  82. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 この地代家賃統制令の適用になっておる家屋は、もうほとんどその償却を終っておる家屋じゃないか、つまり建設資金あたりは家賃でもうほとんどとっておるのじゃないか、こういうふうなお尋ねのように拝聴いたしました。一応そういう考え方もできないことはありませんが、現に存在しておるうちでありまして、この財産価値をやはり認めておるわけでありまして、これによりまして固定資産税も課しておるわけであります。ある程度の財産価値を認めておるわけでございますので、税法上もその他もすべてのものがそういうふうになっておりますので、この価値がゼロであるというふうな見方をするのは少し極端ではないかという考え方でございます。  それからもう一点の地代についてでありますが、地代につきましては、修繕と何ら関係ございませんので、従前と同じ考え方でございますが、ただ地代家賃とが一緒になっている部分がございます。その部分の、つまり三十坪以上の家屋の乗っております土地といいますか、その一緒になっております切り離せない部分につきましては、統制令の適用外になるものは一緒に適用外になる、ここの点が変るだけでありまして、地代につきましては従前とそう大した相違はないわけであります。
  83. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 地代については従来通りと、こう申されるのですが、あるいはこういうことを機会会にいたしまして、地代家賃をひっくるめまして値上げの対象考えられるおそれが想像されるのであります。そういうことに対する当局の監督はきわめて困難であろうと私は想像をいたすのであります。そういう点から考えまして、この法律は低所得者に対してきわめて無慈悲な結果を与えるものであると想像するのであります。先ほどからいろいろお話を伺っておりますと1時間の制限もあるそうでありますから、いろいろまだ伺いたいこともありますけれども、同僚諸君もそれぞれの立場がおありのようでありますから、私はこれ以上は質問を申し上げません。ただこの機会に伺っておきたいと思うのは、今申し上げましたような、地代家賃とを混合せしめて、まぎらわしい一子でこの改正法律を巧みに利用するということが、よほど私は想像されるのでありまして、これらに対するところの当局の取締り、それらを一体どうされようとするのか。先ほどの山田委員との応答を聞いておりますと、何かそれらに対する適切な委員会とかそういうものは考えていないけれども、従来の諮問機関のごときもので調整するかのようなお言葉も漏らされたように拝聴いたしたのでありますが、そういう点がこの法律運営についてきわめて困難、重大なことではなかろうかと思っておるのであります。そういう点について、一体当局はどう処置されていくというお考えを持っておられるか、伺っておきたいと思います。
  84. 鎌田隆男

    鎌田政府委員 今度の改正の点につきましても、お話のようになかなか技術的にむずかしい点もいろいろございまするので、十分に取締り当局の方にも連絡をいたしまして、この法の適正な運営ができますように今後努力をいたしたいと思います。
  85. 徳安實藏

    徳安委員長 ほかに質疑はございませんか。——御質疑もないようでありますから、本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 徳安實藏

    徳安委員長 御質儀なしと認め、さように決しました。  本案を討論に付します。討論の通告がありますからお許しいたします。廣瀬正雄君。
  87. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております地代家賃統制令の一部を改正する法律案に賛成の討論を行わんとするものでございます。  私どもは自由主義者でありますから、家賃地代も需要供給の自然の関係によりまして、その価格が安定することが最も望ましいと思っておるのでありますが、昭和十三年ごろから、日本の住宅事情、経済事情のために、家賃地代統制を行うこともまたやむを得なかったと思うのであります。そうしてこの統制は、わが国民の住生活、住居費の安定にきわめて大きな役割を果してきたものと認めるものでございます。しかしながら戦後の混乱期を終えまして、だんだん一般物価も安定して参りましたので、昭和二十五年からこの地代家賃統制対象は大幅に縮小されることになったのでございますが、これまた当然の措置といわねばならないのでございます。しかるに昭和二十五年以前の建物でも、貸家が損傷いたしまして大修繕の必要に迫られておるのが多いのであります。これをこのまま放置しておきますと老朽してしまうのでございます。かような家がたくさんあるのでございます。これは借家人のためにも家主のためにも国家のためにも惜しいことでありますのでこんな場合大修繕をやってもらいまして、これをやりましたものは、統制令改正によりまして、都道府県知事の認可によって家賃増額を認めることにいたしましたのは妥当と思うのであります。また三十坪をこえる建物及び敷地を統制対象からはずしましたのも、低水準のうらみのあります家賃地代の救済ができます効果が多いとともに、他面におきまして、庶民生活影響するところは少いと思うのであります。その他今回の制令の改正はきわめて適切であると存ずるのであります。  かような観点から、今回の法律案に賛成するものでございます。
  88. 徳安實藏

    徳安委員長 中島巖君。
  89. 中島巖

    ○中島(巖)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、地代家賃統制令の一部を改正する法律案に反対の討論をいたすものであります。  この法案が成立いたしますると、この法案対象になるところの家屋が約五百万戸、そして一世帯四人、五人と見ましても二千万人ないし二千五百万人の生活影響する法案でありまして一見こまかいように見えますけれども、これは重大なる法案である、かように私は考えます。そこでただいま提案になりましたこの法案の骨子となりましたものは、三十坪以下の改造の分に対するところの家賃の値上げを認める、それから三十坪以上は統制を解除する、この三点がこの法案の骨子なのであります。  そこで先ほどより住宅局長などの説明を聞いておりますと、個々の住宅所有者といたしましては、まことに妥当な、気の毒な点がある、かように私は考えるのであります。しかしながらわれわれ国会で論議する場合におきましては、国全体に対してどういう影響があるかという、この点についてわれわれは論議せねばならないのであります。従いまして、この提案理由の説明の中にもありますけれども一般物価の安定とともに、これを前提といたしましてこの法律案の提案をしておるのであります。しからば一般物価は安定しておるか、これが重要な問題だと思うのであります。安定したように見えますけれども、まだ非常に物価と収入が不均衡なのであります。その最も顕著な例といたしまして、戦争以前におきましては、家を建てましてその収入によりまして生活した者がたくさんあるのでありますけれども、現在はそういう者がない。従いまして多大な国費を投じてこの住宅政策に乗り出しておる、この一点から見ましても、まだ今日のわが国経済は均衡がとれておらぬ、こういうことがはっきり言えるのです。また一面現在の雇用関係を見ましても登録失業者が七十五万、潜在失業者は六百万、七百万と言われておる、こういうふうな情勢下なのであります。従ってこれらの一事から見ましてもまだ経済は給料と均衡しておらない、それで失業者がはんらんしておる、こういうような現在の国内情勢であるということは、これは提案者の住宅局長並びに建設大臣としても認めざるを得ないと思う。  そこで、この法律がどういう骨子でもって創設されたかという問題であります。これは戦争中の非常な経済界の混乱の中におきまして国民生活の安定に寄与することを目的として生まれたものであります。しかもその余じんはいまだおさまっておらない、こういう情勢でありまして、この法律創設の趣旨から言いましても、現在はずすのはまだ早い、かように考えるのであります。それから先ほども住宅局長の答弁を聞いておりますと、前田委員に対する答弁の中におきましても、家を持っておる者と他のものを所有しておる者との間の均衡が非常にとれぬということに重点を置いておるのでありますが、そもそもここへ重点を置いておるということが間違いであると思うのであります。国全体の上の各般の情勢からにらみまして、結論を下すべき立場の者が、家主立場において論ずるということがすでに基本的に間違っておる、かように断定をせざるを得ないのでございます。しかし先ほど申し上げましたように、家主としては非常に気の毒であるけれども、ひるがえってさかのぼって考えてみますれば、昭和二十五年以前の建築でありまして、従いまして戦後に建築したものはおそらく皆無であって、戦前に建築されたものである。従ってこの現在の五百万戸は大体において償却されておるものである、こういうように断定せざるを得ないのであります。その後におきましても数次にわたる家賃の値上げでかなり調整されておる、のみならずやみ家賃ででも現在実態はすいぶん調整されておるのであります。従いまして勤労階級、そして失業者、そういうものを非常にたくさん抱え、そして給与関係も非常なでこぼこのあるこの時代に、現在提案されました法律を実施するのは非常に時期尚早である、かように私は考えるのであります。  さらにこれは一部を改正する法律案でありますけれども、実際においては、現在やみ家賃が非常に横行しておる、そして家主は上げたくてうずうずしているという時代にこの案を出すことは、地代家賃統制令を撤廃したと同じ結果になるのでありまして、もう少し雇用力が増大して、均衡のとれた経済情勢になり、失業者がいないという戦前のような状態になったときに初めてこういう法律案提出すべきものでありまして、重ねて申し上げますが、これは適用者が二千五百万人になんなんとするところの法律でありまして、重大な法律でありますので、当局は撤回されることを望みましてこの法案提出に反対するものであります。  (拍手)
  90. 徳安實藏

    徳安委員長 これにて討論は終局いたしました。  地代家賃統制令の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  91. 徳安實藏

    徳安委員長 起立多数。よって本案は原案の通り可決いたしました。  なお報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。  本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時五十六分散会