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1956-02-17 第24回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十七日(金曜日)    午前十時二十三分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 薩摩 雄次君    理事 瀬戸山三男君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    大高  康君       久野 忠治君    二階堂 進君       松澤 雄藏君    山口 好一君       今村  等君    島上善五郎君       渡辺 惣蔵君  出席政府委員         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         建設事務官         (計画局東北興         業株式会社監理         官)      小林 忠雄君         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 二月十七日  委員高木松吉君及び山田長司君辞任につき、そ  の補欠として荒舩清十郎君及び原彪君が議長の  指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路整備特別措置法案及び日本道路公団法案に  ついて参考人出頭要求に関する件  道路整備特別措置法案内閣提出第二十三号)  日本道路公団法案内閣提出第二四号)  東北興業株式会社法の一部を改正する法律案(  内閣提出第三四号)     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  道路整備特別措置法案日本道路公団法案を一括して議題といたします。  質疑に入る前にお諮りいたします。理事会の決定によりまして、本案に対し参考人を招致し、意見を聴取したいと存じますが御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さよう決します。なお人選時日等につきましては、各理事と協議の上決定いたしたいと存じますので、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  5. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは前会に引き続き両案に対する質疑を行います。前田榮之助君。
  6. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ただいま議題となっております両案について御質問を申し上げます。最初主として大臣お尋ねいたしたいのでありますけれども、大臣がただいまおいでになりませんから、政務次官道路局長御両人に御質問申し上げますが、あるいは質問大臣に適当だと思うようなことはあと回しにいたしてもらっても差しつかえございませんから、そのおつもりでお答えを願いたいと思うのであります。  第一に日本道路公団についてでありますが、道路公団を作られまして、大体において七百人か八百人くらいの所要人員があるという先日御説明であったのでありますが、この七百人八百人という人は、新しくいわゆる公務員ともいうべきものをふやされるのか、あるいはまた現在建設省建設関係事業に携わっておる人の職場転換をされるのか、この点をまず第一にお伺いを申し上げます。
  7. 堀川恭平

    堀川政府委員 ただいまの御質問にお答えいたしまするが、七百人ないし八百人というようなことは総体の人員だと思うのでありますが、そのうち、建設省で現在有料道路をやりつつある職員をその方へ回すこと、それから定員を減らすというわけじゃありませんが、とにかくそういう方法で、現在の建設省におる職員によって大体その程度の者が埋められる、こういう考えでおるのであります。
  8. 前田榮之助

    前田(榮)委員 大体現在の職に従事されておる者を主として運営していくという御趣旨のようでありますが、新しくやらなければならぬと思われるものは大体何人くらいの予想でおられるか、その点お聞かせ願いたい。
  9. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 ただいま直轄の方で有料道路に従事いたしております者は二百二、三十人おるわけでありますが、このうち関門の国道につきましては、建設省に委託する考えでおりますので、実際に公団の方に持ってこなければならない人間は二十数名でございます。それからその他貸付でやっております事業につきましては、府県の職員が従事いたしておりますが、これは公団の方に引き取る考えでおります。なお事業が増して参りますので、従来は二十億から二十数億程度事業を行なっておりましたものが、三十一年度において八十億の事業を行うことになりますので、この分の人間が増して参ります。それは今概数でございますが、約三百名程度はそれらの新しくふえる事業に対して増さなければならぬと考えております。
  10. 前田榮之助

    前田(榮)委員 事業を遂行される点についての大体の人口だと思うのでありますが、いわゆる公団本社と申しますか、本部と申しますか、その方の役員は七人か八人か程度のものであろうと思うのでありますが、その方も三十人や四十人のはしたの人数ではできないと思うのでありますが、それば建設省におられる人の職場転換というような程度で納めていく考えなのか、その点はいかがでございますか。
  11. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 本部と申しますか、本社と申しますか、まだ名前はきまっておりませんが、これにも百名から百二、三十名の者は必要と考えております。これらの者の大部分は、建設省配置転換で充足いたしたいと考えておりますが、なお足らないものがあろうと思われますので、新規に建設省職員以外から求める数がある程度できようか考えております。
  12. 前田榮之助

    前田(榮)委員 政府は、行政整理を全般的に行おうという意思があると思います。また当然終戦以来の日本行政を全面的に整理しなければならぬ。しかもこれは能率的な行政を行わなければならぬ、近代的な政治の行き方を考えなければならぬと思うのであります。そこで問題になるのは、人員整理の問題が、あるいは社会不安を起したり、いろいろな関係から問題になるのでありますが、こういう公団を作る、公社を作る、いろんなことをやるたびに、政府が企図されておるところの行政簡素化等が、むしろ複雑になる傾向が出てきておると思うのです。片一方では整理というようなことで、退職金を与え、いろんなことをして人員整理をしたようでございますけれども、だんだんこういう公団やあるいは公庫だとか、いろんなものができるたびに、建設省設置法のもとにおける人員はあるいは減っても、事実上建設行政に関する人員はふえてくる。また整理をしたしたといっても、いわゆる特別職といいますか、臨時要員といいますか、こういうもので今まで世間をごまかしてきたような傾向があるのであります。公団をお作りになることはよくわかりますけれども、結局全体として行政簡素化人員整理による国の行政費の節約、こういうことは逆行する結果になると思うのでありますが、その点について、そういうことはないという数字的な説明がつくか、この点お聞かせ願いたい。
  13. 堀川恭平

    堀川政府委員 御説ごもっともなのでありますが、大体御承知のように、本年までは二十五億ほどの予算有料道路をやっておったのであります。それがまず八十億になり、また今後相当額に上るんじゃなかろうかと、かように考えております点から行きますと、どうしてもそこに従業するところの人員はふえていくということは、これはどうしてもわかりきったことで、そこをおっしゃることだと存ずるのであります。御承知のように、前に私が申し上げましたように、できるだけ現在従業しておるその人間配置転換し、各県から応援を求めて、各県の整理人員もあることでありましょうし、そういうものをも合わせてやっていきたい。かように考えておりますので、新しい、新しいといって、今何も関係のない人をあまり採用するという意味じゃないのだと、かように私は考えております。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この点はもう少し政治根本に触れて、また後刻大臣お尋ねすることにいたしまして、日本道路公団法の第一条に目的が示されてあるのであります。この目的はこれでよろしいとは思いますが、この道路公団法が行う事情の計画、これはどこに主体があるのか、こういう点をお尋ねするわけであります。それはすなわち、建設省の今まで持っておられる道路整備五カ年計画範囲に即応して行われるのでありますが、この道路公団の役目でありますところの総裁、副総裁理事、こういう方々は、この公団運営に対して責任者としてやるのでありますが、この公団が行う事業、すなわち第一条の目的計画、これはもちろん建設省において行われるのだと思うのであります。この点の計画が、公団役員がどの範囲で参画して行われるものなのか、ただ現在行なって参りました直轄あるいはまたここに資料として示されている事業、これを総括する公団としても、相当事業はありますけれども、こういうことをやるためではないと思うのでありまして、将来の日本道路行政についての計画に対して、公団主体性はどうなのか、こういう点をお示し願いたいと思う。
  15. 堀川恭平

    堀川政府委員 公団というものはどういう主体でやられるかということになりますと、御承知のように役員があり、また役員によって公団の行ういろいろな範囲を審議し、そうして建設大臣の許可を得る、こういうことになっておりますが、御承知のように、道路古来天下道路であって、有料道路という、いわゆる金を払って通るのが本体じゃなしに、これは無料で政府が行うことが本体であろうと存ずるのでありますが、それが変則的にこういう有料道路を作らなければならないということは、何と申しましても日本財政のしからしめるところであろうと存ずるのであります。そういう意味から行きまして、御存知のようにガソリン税目的税として、道路を促進しようということで、五カ年計画を立てたのでありますが、二千六百億も要るその五カ年計画ガソリン税のみでやるといたしましても、現在三年で四二%か三%しかできておらない現状であります。その上に、それ以外に相当要望され、そうして必要な道路があちらこちらとあるということは、現在御承知のごとく有料道路にしてやっていきたいというもののみでも三千億もあるという現状であります。でありますから、国民にほんとうに必要であって、ここをどうしてもやらなければならぬ、それには有料道路でもかまわぬというところを選定して、それを建設大臣が許可したものからやっていくということになっていくのだろう、私はかように考えております。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 私の質問の仕方が悪かったかもしれませんけれども、私が質問を申し上げておるのは、たとえばこれに類似したもので住宅公団がある。住宅公団は、建設省住宅計画を立てられて、その立てられた範囲の中で何億で何万戸を建てろ、こういう範囲住宅公団指示される。その範囲での仕事をする。こういうことになっているので、これはどうして完全に指示された計画を遂行していくか、こういうことで大体においていいと思う。ところが、道路に関する限りは、そういうことではいけないと思う。橋を幾つ、トンネルを幾つやれ、こういう計画ではないと思う。しかも道路は、一つ道路を作ってもそれに付随したいろいろなものがある。この法律の中にもあるように、駐車場が必要なということもあろうし、あるいは道路の支線との関係をどうするかというようなこともあると思う。そこで全体を含めた交通網交通政策との計画がなければならないのであって、その計画全体はもちろん建設省が立てられるわけです。何も道路公団にその計画を立てよというものではないと思う。ただの道路公団の方で最高責任者立場におられる方々が、昭和三十一年度の事業昭和三十二年度、三年度と、一応ある程度長期計画考えながら、その範囲ではどういうようにやっていくかという計画性がなければ、道路整備による目的達成という点に不十分な点が出てこようと思うのであります。そこで、道路公団の持つところの計画、それから、建設省全体との計画、これをどういうように調整していくか、こういう点が、この法文の中に明確に書くのは困難でもあるし、書いてもない。そこで、これを新しく二本の法律の中に制定して運営していくということになると、どの程度公団にそれをやらす方針であるか、こういうものが大体あると思う。ちょっとその点をお聞かせ願いたい。
  17. 堀川恭平

    堀川政府委員 よくわかりました。御承知のように、今まで道路公団はなくて、今度いよいよ発足するのでありますから、さような目的、いわゆるいろいろな大計画を立ててやらなければいけないのではないか、こういう御趣旨と存ずるのであります。そこで道路計画というものは、大計画を立ててやっていくことでなければ、意義をなさぬと思いますが、その計画道路審議会において大計画をいたして、その計画に基いて道路を新設したり改修したりなんかして今やっておりますが、今後道路公団ができますと、その普通の一般財政からやる道路計画と、公団でやる道路計画とをこの審議会によってまず大計画をいたしまして、その計画に基いてわれわれはまた審議いたし、そうして着工するということになるのじゃなかろうか、私はさように考えますが、道路局長からまた詳しくお話申し上げます。
  18. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 道路整備特別措置法道路法特例的な処置として立てられたものでございます。御承知のように日本道路整備がなかなか進んで参りませんので、民間資金も入れて有料道路にして、日本道路網整備を進めたいという趣旨に出ているわけであります。従いまして道路全体の計画につきましては道路整備計画としまして道路審議会にも諮問さるべき事項であります。この審議会におきまして日本道路の、有料道路も含めての計画を立てまして、それに基いて有料道路整備していくということに考えている次第であります。
  19. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それで道路公団自体としての計画を立てるということは、いわゆる道路整備五カ年計画に基く、あるいは道路審議会で決定されるその範囲で、それを取捨選択することも、たとえばその中のどの橋とどの橋をやりたい、こういう独自の計画を立てるということ自体もすべて建設省指示に基くのであって、一口にいえば道路公団は別に独自の計画性を持たなくても指示範囲内でやっていけばいい、こういう程度のものなのか。何かやはり道路公団相当——私がこれを御質問申し上げるのは、つまり総裁、副総裁というような人に計画を立てさせるというならばやはり非常に高度な計画性のある人、また近路政策全体とのにらみ合せ等についても十分見識のある人を選ばなければならぬということにもなるし、ただ範囲内で執行していけばよろしい上いうことになるなら、いわば行政手腕というかそういうものだけでよろしいということになろうと思う関係からお尋ね申し上げるのであるが、その独自の計画というものを立てさせるように考えられるのかどうか、こういう点をお尋ねしているのでありますが、道路局長その点あなた方のこれを立案されるときのお考えをお聞かせ願いたい。
  20. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 道路全体の整備計画につきましては、先ほど申し上げましたようなやり方で計画を立てるわけでございますが、これはいわば方針と申しますか、そういったことがきまるわけでございまして、その方針に従いまして具体的な計画有料道路については公団が立てていくわけでございますから、公団にはまた独自の有料道路に対する計画というものが出て参ることに考えておるわけでございます。
  21. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それではその次にお尋ね申し上げたいのは、第十九条の業務の点であります。業務の中の第一に料金徴収が規定されております。この料金はもちろん道路設備費を償った場合においてはというような一定の制限があり、その制限範囲内において公団建設大臣認可を得て行うと思いますが、その認可を得て行う料金の問題は、大体公団自由裁量——全然ワクのない自由裁量ということにはもちろんならないと思いますが、公団が何かの基準を求めて料金を取らせるようにするのか。この第一には「料金を徴収することができる」と規定されてあるのでありますが、その料金というものは公団一つ計算を立てまして、その計算の上に立ってもちろん取ると思いますが、この料金をきめるのは公団がどの程度まで自由裁量ができるか、公団にまかせるのか、こういう点をお聞かせ願いたい。
  22. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 料金につきましては特別措置法の十一条、十二条にきめられております。なお第十三条では運輸大臣意見を聞くことになっておるわけでございますが、これらの基準に基きまして公団料金をきめ、建設大臣認可を受けて実施するということになるわけでございます。
  23. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それからその次の三に自動車駐車場の問題が掲げられてありますが、この文章によりますと、「自動車駐車場建設及び管理を行うこと。」とあります。これは自動車駐車場というものはほかの団体・たとえば市町村その他の法人、こういうものも行うことができると思うのでありますが、これは「料金を徴収することができる自動車駐車場建設及び管理を行うこと。」とあるのでありますが、これをそういう駐車場建設管理を「行うことができる」という文章にしなかった理由をお開かせ願いたい。そうしておきますなら、やってもやらなくても、都合がよかったらやるということになるのでありますが、これはやることと書いてあるのでありますが、それはどういう理由でそう原案を作成されたか、お聞かせ願いたい。
  24. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 この十九条の三号は、公団のやる業務のうちの有料自助車駐車場についていっているわけでありまして、公団のやる自動車駐車場建設及び管理を行うこととしているのであります。一号から五号までみな「行うこと。」と書いてきめたわけであります。
  25. 前田榮之助

    前田(榮)委員 その次にお尋ね申し上げるのは、第二十六条の借入金及び道路債券の問題であります。この民間資金を利用される点は私らも賛成でありますが、しかし政府がやる事業民間資金を入れるため債券を発行してよいかどうかという問題があると思うのでありますが、これは政府根本方針に触れることでありますから、大臣大蔵省関係お尋ねすることといたしまして、ここに道路公団が発行いたします道路債券を大体五十億と予定されているようでありますが、この発行する条件利率その他についてのお考えをお示し願いたいと思います。
  26. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 公団は三十一年度におきまして五十億の公団債を発行する計画にいたしておりますが、この公団債は百円の額面が九十九円五十銭で売り出されます。利率は七分五厘、一年据え置きで六年で償還、全部で七年で償還するという考えをいたしております。
  27. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この公債発行の詳しいことは大蔵省関係が必要だと思うのですが、大体道路公団の持っている財産——これは私はしろうとであるいはお笑いになるかもわかりませんが、こういうものに対しての債券を発行されることはこれは問題ではないと思うので、これがために聞くわけではございませんけれども、道路公団のたとえば橋梁というようなものと外資導入というようなこととの問題は、今はございませんけれども、もしそういうもののあった場合における抵当権設定というものが問題になる場合においては、これはやはり抵当権設定を行い得るのかということについて、私しろうとですからこの際教えてもらっておきたいと思います。
  28. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 外資の問題はただいまのところこの公団では考えておらないのでございますが、抵当権設定につきましては、この公団財産である道路につきまして抵当権設定はできないことはないわけでございますけれども、道路抵当考えることは適当でないと思いますので、三十八条でありますが、政府債務保証をすることに考えておるわけであります。
  29. 前田榮之助

    前田(榮)委員 これはこの法案と直接関係がある問題ではございませんけれども、ここで一つお尋ねを申し上げておきたいのは、将来日本道路網の完成に重大な役割を持つべきものは、今参議院継続審議をいたしております縦貫道路でなければならぬことは本委員会でも認められ、全員一致賛成で御通過をなさっておるのでありますが、この縦貫道路のような大事業を行うことが予想されるのですが、これらはもし施工するといたしますならば、この道路公団がやるのが適当ではないかという説もあるのでありますが、こういう大事業がこの公団で行われるようになるものかどうか。これは関門トンネル一つの橋などとは趣きが違うのでありまして、将来こういう大きい事業道路公団に行わしめるという予想のもとにこの道路公団法をお考えになったか、この点をお聞かせ願いたい。
  30. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 ただいま参議院継続審議になっております縦貫自動車道につきましては、自動車道道路運送法にいう自動車道でございますので、この公団の対象にはなっておらないわけでございますが、しかしああいう自動車道のような道路設定いたしまして、有料道路としての条件に合えば、それはこの公団ができることになるわけでございますが、この公団考えました考えの中には、高速自動車道路を将来この公団が実施いたしたいという構想で立てたものでございます。
  31. 前田榮之助

    前田(榮)委員 まだいろいろお尋ねを申し上げたいのですけれども、大臣質問をした方が適当だと思うので、一応私はこれをもって打ち切ることにいたします。
  32. 三鍋義三

    三鍋委員 私、きょうはこの公団法を中心といたしまして、大綱に関する質問大臣にいたしたいと思っておったのでございますが、まだ大臣がお見えになっておりませんから、政務次官から御答弁をお願いしたいと思います。  御承知の通り、道路というものは、人のからだにたとえてみれば血管に相当するものであると私は考えます。人体にくまなく大小の血管の網が張られて、初めてその機能が発揮されて完全なる人間が形成される、このように考えるものでございます。この観点からいきますと、一国の文化程度というものは、その進展いかんは、その国の道路網整備いかんによって判断されると言っても過言ではないでしょう。ところがわが国の現状を見ますとまことに情ない状態であります。至るところで動脈硬化症状を来たしておる。また血管が破裂している場所もある。血行があまねく正常に行き渡っていないがために多くの資源が眠り、また産業の開発がおくれ、文化に恵まれないところの地域がたくさん残されておる、そういう実情であります。一方心臓はどうなっているかと見ると、疲れ果てておる。これは栄養が十分に補給されていないからであります。こういう状態ではいけないというので、衆参両院一致いたしまして、可決したいわゆるカンフル注射とでもいいますか、あるいは栄養の補給とでもいいますか、道路整備五カ年計画というものが通過したのでございますけれども、この法案が初年度からもうこづき回されて地方道路譲与税はかきむしられたり、あるいはまた道路公団法というものによって何かねらわれているような感じがするのでございます。ちょうど一くれの砂糖はアリがたかってくるような状態であります。これに対しまして、政府当局道路整備するという目的には変りはないんだ、このように御答弁になるのでございますけれども、特例がまた特例を作り、事業計画一貫性を欠き、道路整備五カ年計画目的がだんだんとゆがめられていく憂いがあるのでございます。たとえば住宅政策にいたしましても、私たちは公営住宅を強化して、適正な処置をとるべきであるという主張をいたしたのでございますけれども、いわゆる住宅公団というものが設置され、そのしわ寄せが公営住宅根本問題に押し寄せておる。この予算は削られて、そうして増改築の費用が今十億以上も使用されないで、とほうは迷っているといったような状態考えますときに、私はやはり慎重に検討されなければならぬ問題である、このように考えるのでございます。そこで私は政務次官に大まかな立場から二、三点御質問申し上げたいと思うのでございます。  その第一点は、民間資金の活用ということが、この法案の大きなねらいであると思うのでございますが、三十一年度はたしか五十億見込んでいられるようでございます。また住宅公団に対しましては、本年度の五十二億に対しまして三十一年度は百億といったように、三十一年度の予算を通観いたしますと、民間資金というものに多く依存されておるように思います。この民間資金の確保の見通しに誤まりがないのかどうか。もし資金が予定通りに集まらないときにはどうされようとするのか。ところが半面民間資金が非常にだぶついておって、銀行の救済事業を始めたのではないかという政府に対する批判もあるのでございますが、もしそうだとするならば、この法案にも何か暗い影がつきまとっておるように思うのでございますが、これに対する御所見はいかがでございましょうか。このようにいたしまして政府は明年度も公債の発行はやらないと公言いたしておりながら、実質的には公債発行にひとしいものを民間資金の活用というカムフラージュによってやっておるのではないか。私は堂々と公債を発行されるべきであると思うが、これらの点につきましての政務次官の御所見を承わっておきたいのでございます。
  33. 堀川恭平

    堀川政府委員 なかなかむずかしい問題でありまして、私の一言で政府を代表したような御答弁もできぬと思います。政府を代表する答弁大臣におまかせいたしまして、私といたしましては、お説ごもっとものように存じますが、本年度といたしましても住宅公団に百億あるいは道路公団に五十億という民間資金を活用するということは、御承知のように日本銀行の貸し出しも減っていき、民間金融会社の預金はふえる、あるいはまた郵便貯金もぐんぐんふえていくというような時代でありますので、この点を活用していってもインフレにはならぬのじゃなかろうか。そうして重要な施策に持っていくことが、いわゆる日本の基礎を強固にするものじゃなかろうか。また公共事業に対しましてこれをどしどしやることが、完全雇用の域に達していくのじゃなかろうかというような、あらゆる面から考えて、この民間資金の活用というものが必要な時期にきたのではなかろうか、かように私は考えるのであります。  なおまた来年になったら、またまた同じようなことをいって、こういうことをやるのじゃなかろうかと言われますが、私、堀川個人としては、もうそろそろ公債を発行してもいいのじゃなかろうか。お尋ねのように、私はそういう時期がもうきておるのじゃなかろうかと考えるのでありますが、これは私個人の私見でありますので、政府を代表したのではないことを御了承いただきたいと思います。
  34. 三鍋義三

    三鍋委員 私はこの問題は政府も非常に苦慮されておると思うのでございます。私たちは、やはりインフレの様相を内蔵しているという一応の見方をしておるのでございます。  次に、ただいま前田委員からもちょっと触れられたと思いますが、二十二国会でありましたか、衆議院の全会一致で通した国土開発縦貫自動車道法案について大臣はどのように考えておられるか、これを政務次官にかわってお聞きしたいのでございます。参議院では審議未了になったのでありますが、御承知の通り四百三、四十名の与野党を問わない共同一致の提案だったと思うのでございますが、こういう重要法案に対する政務次官の御見解を承わりたい。私はこれは画期的な国土の総合開発あるいは戦争によって失われた多くの土地を国内に求めての構想であると思うのでございますが、これに対しまして大臣初め建設当局はどれほど熱意があるのかということに疑いを持ったのでございます。これを放棄いたしましてこの道路公団法を非常に熱心にやられるということは、何か顔をさか手でなでられたような気持がするのでございます。どうでございましょう。この縦貫自動車道につきましての政務次官のお考えは、今後これを何とか成立させるための努力をなお持ち続けていかれるのか、これに対する予算措置をどのように考えられているか、ここらあたりの御見解を承わりたいのでございます。
  35. 堀川恭平

    堀川政府委員 今御質問になりました縦貫道路の問題は、前にも少しお話しになっておられたように、ほんとうに必要なんだろう、御承知のように、両海岸の方は都市も相当充実し、そうして道路の一面あるいは列車の面、いろいろの面の交通網が相当行き渡ってきたように存ずるのであります。こういうときに当りまして中央にいわゆる背筋を通して肋骨を作っていくということが日本の産業に一番必要な面になってきておるのではなかろうか。いわゆる奥地開発に対しましても相当に効果がもたらされることはわかり切っておるのでありますが、御承知のように何を申しましても、日本の中央は山ばかりでありますので、トンネルはかりを通してやっていくことが日本の産業に効果をもたらすゆえんであるかどうかということを考えますときに、あるいはトンネルも作り、多少へんぴでも山の中を通り、また相当平野のところも通っていくということでなければ、百年たってもできぬような方法を考えてみても、日本の発達にはならぬ、私はかように考えるのであります。そこでこれに対する熱意はどうか、こうお問いになったことと存ずるのでありますが、その熱意に対しましては大臣あるいは建設省部内の首脳部全部がこれに対して相当早く着工いたしたい、こういうことで、すでにこれに対しましての調査を進めつつあるような現状であるのであります。つきましては、私は大臣とはときどき話しておるのでありますが、われわれの建設省におる間があるいはあと三月か四月か知れないが、できればそのうちにでも、一本のくいでも立てたい、こういうような考えをいたしておることは、大臣も変りないと私は考えております。
  36. 内海安吉

    ○内海委員 関連して。ただいまの政務次官の御答弁でございますが、四カ月や五カ月などと、そんな進退問題を考えないで、少くとも今の縦貫道路問題というのは、前国会においてほとんど挙党一致の態度をもって提案されまして、私がちょうど委員長として取り上げて、非常に苦労をして衆議院を満場一致をもって通過したのでありますから、ぜひとも最後のどたんばまでも熱意をもってこの法案の実行に力を注いでいただきたいということを要望しておきます。
  37. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま前委員長が非常に苦労されました立場からの御所見があったのでございますが、政務次官は非常に正直でございまして、あまり気の弱いことを言わないで、何年でもがんばってやる意気込みでやっていただきたいのでございます。そこでお尋ねしたいのでございますが、調査を進めているとおっしゃいましたが、大体調査費は予算でどれくらい見ておられるのでございましょうか。
  38. 堀川恭平

    堀川政府委員 調査費といたしましては、今審議いたしておる現状でありますので、あの法案が通過いたしましたら、調査費を請求しなければならぬことになっておるそうであります。今調査をしつつあるというところは、名古屋−神戸間の部分を相当程度調査を行なっておる現状であります。
  39. 三鍋義三

    三鍋委員 先ほど私がほんとうに熱意があるかどうかということをお聞きしたのは、何としてでもこれを通過させて、そうして少くとも調査費くらいこれだけ見ていこうという意気込みが予算措置の上に現われていないものでありますから、先ど御熱意のほどをお聞きしたのでございますが、この点につきましては、まだ参議院で審議未了になっておりますから、どういう方向をたどるか、私たちはその成立の一日も早からんことを念願しておるのでございますが、政務次官にも今後この点につきましては、一つ十分なる御配慮と御努力をお願いしたいと思います。  次にお尋ねしたいのでございますが、住宅公団は幾多の問題をはらみながら設立されたのでありますけれども、この運営が初めの予定計画通りに進展しているのかどうか。そしてまた今道路公団が生まれようとしておるのでございますが、今後なおどういう公団を作る考えでおられるか。ということは、たとえば治山治水公団とか、あるいは災害復旧公団とか、海岸保全公団とか、そういったような公団を作っていかれるような構想がおありかどうか、これをちょっとお聞きしたい。
  40. 堀川恭平

    堀川政府委員 先ほどの御質問に対しましてお答えします。熱意の度がどのくらいあるか、予算面に上ってないからというお尋ねでありましたが、われわれの方からは五億の調査費を請求しておるのであります。しかしまだ法案が通過いたしておりませんから、これを認めてもらっていないという現状であります。  それから公団は幾つ作るんだ、こういうことでありますが、現状では御承知のように、建設公債とかいう公債を発行することができないので、公団ということになっておるのじゃなかろうか。こういう考えからいきますと、来年あたりから社会党にしても、あるいは自由民主党にいたしましても、公債を発行して公共事業をやるんだということになりますならば、私は公団を設立する必要はない、かように考えます。
  41. 三鍋義三

    三鍋委員 先ほど御答弁になりました縦貫道路の調査費の件でございますが、五億程度を要求したけれどもというお話がありましたが、五億なんてそういうけちな御構想では、やはり熱意のほどが疑われるのでございます。最小限二十億くらい必要であると言われておったと思います。この点につきまして一そうの御努力をお願いいたします。  さて私は、これは根本問題に触れるわけでございますが、政府は、というより保守政党の方々は、国の基本法を立ち腐れにするような違憲立法を、次次とあえて強行しておられる。そうして他国によって押しつけられた軍備を、いわゆる漸増しておられる。そうしてこれに伴って軍事費を一年々々と増額しておるのが現状であります。簡単にイデオロギーの相違とか、そういう問題として片づけないで、真に守るに足る国土の建設のために、軍事費を極力押えて、これに回すべきであるという良識あるところの見解が、与党の方の中にも相当にあると聞いておるのでございますが、(「たくさんある」と呼ぶ者あり)たくさんあるでしょう。たくさんあるそうでございます。はっきりと私の言葉を裏づけていただいてる良識ある委員もずいぶんおられることは、心から喜びにたえないのでありますが、所管政務次官といたしまして、特に建設行政に携っておられますというと、いろいろの問題に悩んでおられると思います。治山治水の問題、あるいは災害復旧の問題、住宅の問題あるいは道路の問題、こういう緊急なる問題に直面されておるのでございますが、この点に対しまして政務次官は、一つ大臣にかわって、これに対する当事者といたしまして、私のこの考え方に対する御所見を承わりたいのでございます。まず民生の安定である。おのずからわき出ずるところの愛国心がなければならない。守るに足るところの国土、こういう段階を踏んで初めてあなた方がおっしゃる、いわゆる保守政党の考えていられるところの軍隊にも、真の筋金の入った軍隊ができるのじゃないか、このように考えるのでありますが、政務次官一つこれに対する御所見を承わりたいと思います。
  42. 堀川恭平

    堀川政府委員 どうも畑違いのようでありますが、お説のように、古来軍事費が重なるときは一番国が危ないということは、われわれも経験してきたと存ずるのであります。そういう意味からいきまして、現在の軍事費がそれでは危ないほどの軍事費かというと、私はそうは考えていないのであります。現在日本がどういう立場に置かれておるかということを、われわれの知識で、われわれの政策で考えていきますときにおきましては、まだ一人旅ができて十分に防備ができるときではないのじゃなかろうか、かように考えております。そこでこれはあるいはあなた方の政策との相違であろうと存じますが、そういう意味からいきまして、今はまだ国を危なくするような軍事費が出ておるとは存じておらぬのであります。しかしながら公共事業をやるということに対しましては、軍事費に取られてあるいは少いかもしれない、また少いのでありますが、軍事費も少いのであろうと存じます。しかし毎年毎年繰り越されるあの金を公共専業につぎ込んでいただければ非常にけっこうだとは思いますが、皆様方も御承知のように、何分いろいろな条約がある関係上そういうこともできないのだ、私はかように考えて遺憾に存じておりますが、現在の情勢からいきまして、軍事費にあまり取られて公共事業ができないんだというようなところにはいっていない、かように考えております。
  43. 三鍋義三

    三鍋委員 ここは内閣委員会ではありませんから、私はこの論議をあえてやろうとは思わないのでございますが、ただ政務次官も、実際に地方の災害状況とかいろいろな問題に携わられて、人間としてやはりもっと金がほしいなと思われると思うのです。そういう場合に、私たちの見解として一番問題になる点は、今申し上げました軍事費なんです。これは毎年ふえていくのでございます。こういう関係からどうしても予算があらゆる方面で圧縮されてくる。こういう点から、所管の次官といたしまして、建設行政立場から軍事費の増強ということは果して妥当であるかどうかという、国の立場から考えての御検討をなおこの上ともお願いすることにいたしたいと思います。私の道路公団法をめぐりましての政務次官に対する質問は大体以上で終るわけでございますが、そこで道路局長お尋ねいたしたいと思うのでございます。  前回の委員会におきまして、瀬戸山委員の御要求によりましてここに特定道路整備事業の状況の資料が出たのでございますが、これにつきまして一つ説明をお願いできないものか。そしてそれに付随いたしまして、実際にこの事業におけるところの経営状況について、こういうところは困っている、こういうところはこのようにやっていきたい、あるいは成り立っているのか成り立っていないのか、成り立っているとすればどういうところをますます助長していけばいいのか、非常に困難な問題があるのかないのか、こういう点につきまして、今後詳細に法案を審議する上からやはり根本になると思いますので、これに対する御説明をお願いしたいと思います。  もう一つは、これも瀬戸山委員から要求のあった点だと思いますが、道路公団法ができました暁におきましても、大体こういう構想を持ってこういう点をやろうとしているのだということ。これはもちろん組織ができてからでないと詳細なものができませんでしょうけれども、やはりやろうとする以上は大まかな一つの構想というものがあると思うのでございますが、これに対する御見解を承わりたいのであります。
  44. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 お手元にお配りいたしました特定道路整備事業の現況について御説明申し上げます。  一番左の方にやっておる所をあげておりますが、直轄関門国道、松江国道——これは松戸と書いてございますが、松江でございます。それから若戸橋、笹子国道、京浜国道となっております。このうち若戸の橋が二級国道でございまして、他は全部一級国道であります。  それからその下に貸付で行なっている事業をあげてございますが、濃尾大橋、衣浦橋、愛岐道路、これは県道でございます。それから上江橋、片瀬−逗子、小田原−下田、これは二級国道です。それから裏磐梯、阿蘇、霧島、高野山、十日町−来迎寺、目吹橋、大阪−奈良、これは県道でございます。それから武生国道が一級国道でございまして、海門橋が県道であります。  以上申し上げましたうち、直轄のうちの京葉国道、貸付のうちの海門橋、これはいまだ着手いたしておりません。調査いたしておる段階でございます。  この総事業費がその次の欄にあげてございまして、今までに使った金がその次の欄に計上いたしてございます。三十年度末においての残がその次の欄にございますが、その次に進捗率をあげてございます。完成年度はただいま予定しております宗成年度をあげておりますが、ほとんど大部分を三十一年度に完成いたしたい考えでございます。本年度着工のもの及び関門国道は三十三年になりますが、そういった構想でございます。  その次の紙に有料道路の収支の現況についてあげてございますが、ここで昭和三十年度平均一日当り収入実績というのと、その次の欄に一日当り平均収入予定というのがございます。一日当り、平均収入予定というのが計画いたしましたときに立てたものでございまして、それに対して実際のものがその左の欄にあげておるものでございまして、これをAといたしております。これの収入予定に対する比、それがA対Bという欄にございます。これをごらん下さいますと、計で〇・六九となっておりますから六九%でございます。計画に対して六九%の実績が上っているわけでございます。この中を見ますと、たとえば栃木の日光が一・一〇でございまして、計画を上回っておるということでございます。また福岡、佐賀の大川橋の欄を見ていただきますと、一・三二でございまして、これも予定を上回って実績が上っているということでございます。この中で最も少いものが長崎の西海橋で、〇・一一でございます。これは完成いたしましてから間もないわけでございますが、前後道路がまだ十分でない関係がございまして、自動車の通行が少いわけでございますが、この西海橋につきましては、見物人が非常に多うございまして、毎日三千人から三千人を上回る人間が来ているそうでございます。しかし人間からは料金を取らないということにいたしておりまして、自動車だけから料金を取っておりますからこういう成績になっております。  〔委員長退席、荻野委員長代理着席〕 ここを見物は来られる方々は、橋のたもとで自動車をとめまして、そこでおりて橋を見物して、また戻って自動車に乗って帰るということでございますから、自助車は橋の上を通らないということで料金は上っておりません。これにつきましては、前後道路整備計画を今進めておるところでございますし、またこういうように見物人が多いようなところは、人間からとってもいいじゃないかという議論もあるわけでございます。そういったことも考えまして、この成績をもう少し上げていきたいと思っておりますが、平均いたしまして六九%でございます。これは、いずれの個所においてもだんだん成績が上ってきておりますから、遠からずこの計画収入には達するものと期待しておるわけでございます。特にここで変っておるのは、二番目の行に明石というのがあります。これは明石から鳴門に行きますフェリ・ボートの有料道路でございますが、これが六四%になっておりますけれども、この明石から淡路島の岩屋までにつきましては、現在一〇〇%以上になっております。ただ相良から鳴門まで、淡路島から四国まででありますが、これにつきましては、まだ成績が上っておりませんけれども、これもだんだん前後道路整備に従って成績が上るものと予定いたしております。こういうことでございますが、今後計画いたしますものにつきましては、相当大規模のものを考えておるわけでございまして、たとえば北九州の門司から八幡、ああいったところを実施いたしたいと考えております。従ってああいう場所でありますと、相当の交通量も見込まれますし、また関門国道が開通する時期を控えておりますので、これらについては十分採算の見通しを持っておるわけでございます。
  45. 三鍋義三

    三鍋委員 今後の構想は……。
  46. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 今、今後のことで北九州のことしか申し上げませんでしたが、その他の個所についてもわれわれの案は持っておりますが、まだここでお示しするだけの状態になっておりませんので、御了承願いたいと思っております。     —————————————
  47. 荻野豊平

    ○荻野委員長代理 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案議題といたします。  この際、お手元にお届けいたしました資料によりまして、東北興業株式会社の概要について説明を聴取いたします。
  48. 内海安吉

    ○内海委員 私は東北興業の運営について政府の覚悟も一つ承わっておきたい。
  49. 荻野豊平

    ○荻野委員長代理 ただいま内海君からの御質疑がありましたので、あわせて御答弁を願いたいと思います。町田計画局長
  50. 町田稔

    ○町田政府委員 東北興業の既往の事業実績及び会社の概要に関しましてお手元に資料を配付申し上げましたので、この資料に関しまして簡単に御説明申し上げます。  なお特に資料にはかなり詳細に現在の状況なり過去の実績等が記載いたしてございますので、詳しくつけ加えて御説明申し上げることはないと思いますが、なお簡単に補足を要する点を申し上げたいと思います。  まず第一に、会社の概要に関しまして御説明申し上げます。  東北興業株式会社は、会社の概要というところの最初に書いてありますように、昭和十一年に東北地方の大冷害に対する総合振興計画の推進の中枢機関として設立されたのでありまして、この会社は東北興業株式会社法に基き設立されました特殊公社でございます。  会社の目的は、ここに書いてありますように、肥料工業その他電気化学工業、水産及び鉱産の資源開発事業、水面埋め立て事業、農村工業その他東北地方振興に関する諸事業目的としておるのでございます。  会社の資本は、何回かの増資を見まして、現在は一億九千五百万円になっておるのでございます。この資本の中の大部分は、政府及び関係の六県が所有をいたしております。政府及び関係県の持ち分は九三二%ということになっております。  現在までに会社がやりました事業は、別表の専業実績に書いてありますのでそれをごらんいただきたいのでございますが、会社は設立以来二十年間にわたりまして直営の事業とそれから投資専業とをやって参りました。直営の事業は三十年間に二十五種類の事業を経営いたして参りまして、その内訳は事業実績のところにある通りでございます。この事業実績の三ページをお開きいただきますとわかりますが、現在なお直営いたしております事業といたしましては、山形県に亜炭採掘の事業をいたしておりまして、木友鉱山と申しております。それから福島県で石灰窒素、カーバイドの工場を経営いたしておりまして、福島工場と申しております。それから秋田県に土地造成をいたしまして、現在造成した土地を所有いたしております。それ以外にやりました直営事業は、主要事業概要のところに書いてありますように、おもなものはこの通りでございますが、終戦後の各種の統制撤廃その他の理由によりまして整理をいたしまして、ただいま申しましたように三つの作業を直営いたしております。   〔荻野委員長代理退席、委員長着席〕  投資事業は一番終りの表にありますように、今までに九十九の会社に投資をいたしたのでありますが、現在はこのうち二十九の会社に整理をいたしまして投資をいたしておる次第でございます。その総額は一億九十万円ということでございます。  そこで、会社の今後の事業でございますが、今後とりあえず東北地方で特に資源の豊町なる石灰石を利用いたしましてセメント事業を起すことを計画いたしました。セメント事業は総額十四億円を要するのでございますが、そのうち五億円が一般の財政投資等によりましてまかなうことを得る見込みが立ちましたので、残余の九億円につきまして三十一年度において社債を発行いたしまして、これを調達することに計画いたしておるのでございます。そのために債券の元利につきまして保証をいたしますことが債券調達上必要となりましたので、従来からこれに関まして東北興業株式会社法には規定がございましたので、ただその規定が、この法案の提案の理由でも大臣から申し上げましたように現在は死んでおります。それを特に生かす必要が生じまして、生かすための改正法を御審議いただくために提案になっておる次第でございます。  なお東北興業の将来についての指導等に関する政府の所信に関しましてただいま御質問があったわけでございますが、東北興業は、戦前におきましては、非常に東北地方の振興に貢献をいたして参りましたが、終戦以来債券の調達等が不可能になりました。その他各種の事情で事業がきわめて萎靡いたして参りました。今後東北地方の振興が特に必要と考えられておりますので、その一翼をになわせる意味におきまして、この事業計画いたした次第でございますので、監督官庁でございます建設省といたしましても、十分に監督指導を徹底いたしまして、この事業の成功を期待いたしておる次第でございます。
  51. 内海安吉

    ○内海委員 本日この問題が委員会に提出されるとは思わぬで、あるいは不用意な質問をすることになるかもしれませんが、その点はあらかじめ御承知の上御答弁を願いたい。東北興業の必要であることは今さら申すまでもないのでありますが、昭和九年に特に東北六県が、積雪寒冷単作地帯、あまつさえ各河川がはんらんいたしまして、年年襲われるところの水害を根本的に、取り除くというような立場からいたしましても、東北興業の使命の重大なることは今さら申すまでもないのでございますが、どうも本日のこの御計画説明を聞きましても、東北開発の一環としてこういう事業計画をされたということであるが、最初九十になんなんとするところの大小会社に対して、あるいは投資あるいは協力態勢をとって参りましたこの東北興業会社、すなわち東北開発の唯一無二の会社であったはずなのであります。ところがその後九十の大小会社が二十五社になり、あるいはさらに十一社を目的として今日こういったような一つの案を出されるということは、果してどうも東北興業の本来の使命そのものを完遂するための熱意なり、努力なり誠意なりがあるのかどうかということに対して、私は少からず疑問を持っておるものでございます。これに対して簡明率直な、いつわりのないところの御答弁一つ与えていただきたいと思います。
  52. 町田稔

    ○町田政府委員 内海先生の今の御質問はごもっともでございまして、一時九十九社に及びます投資会社を持っておりましたのに、現在は投資会会社の数も二十九に減っております。非常に東北興業株式会社としましては事業の縮小をしておるのでございます。一時から比べますと大へん東北振興のためにで力を弱めておるというように考えられるのでございますが、これは先刻もちょっと申し上げましたように、二十一年の八月に会社経理応急措置法に基く特別経理会社に指定をされまして、当時事業整理をせざるを得なくなったのであります。そのために整理をいたしまして、現在投資会社の数が二十九社に減ったという事情がございます。  それかもう一つは、戦争前に投資をいたしました資金は、東北興業株式会社法債券を出す際には、政府が元利保証するという規定に基きまして、非常に容易に債券の発行ができたのでありまして、それに基いて資金を調達して会社の投資をいたしておったのでございますが、終戦後元利の保証を政府がすることを禁止せられましたので、それによりまして資金の制定が不可能になった。そういう関係で新たなる投資をすることができなくなったというような問題がございまして、現在の状況に至っておる次第でございます。
  53. 内海安吉

    ○内海委員 おもなる投資会社として十一社が掲げられておりますが、東京以北に当りまして私の最も要望しておるものは船舶であります。三陸は、御承知の通り日本における水産物の三〇%以上の水揚高をもって、水産三陸を誇って参ったのであります。ところがこの十一社の中に、私の最も注目されるのは東北船渠であります。今貿易の面を見ましても、船舶が日本の輸出の第一位を占めておるような現状である。特に金華山を基地としての漁船団を編成しなければならない。幾多のボロ船もあります。これらの船をどんどん修理して、そうして東北開発のために、ひいては日本水産のために、堂々と漁船団を組んでやるべきこのときに当って、東北にせっかく設けられたドックは、何一つ仕事をせぬでこのまま見送っておるというような情勢で、果して東北興業としての使命の達成はできるでありましょうか。私は眼前に展開されたこういう問題を取り上げて、民間と並行して進むことこそとるべき東北興業の使命ではないかと思うが、この点に対しましてどんなお考えを持っておられるか御答弁願いたい。
  54. 町田稔

    ○町田政府委員 ただいま御質問のございました東北船渠の問題でございますが、東北船渠の親会社としまして、東北興業がこれの再建に十分なる協力ができておりませんでした点はきわめて遺憾であると思います。ただ先刻申しましたように、むしろ東北興業としては東北船渠の再建をはかるだけの力かなかったということか実情であったと思うのでございまして、従来のように投資をする資金の獲得にきわめて容易な状況のときでありましたならば、おそらくはこれらの子会社につきましても、東北興業としては相当なる援助をし得たと思うのでありますが、これは援助するに方法を打たなかった。そういう意味におきまして、おそらくは東北興業が十分なる援助をしなかった、できなかったというのが実情ではなかったかと思うのでございます。今後こういうようにセメント事業等をやりまして、会社自体としても力をだんだんつけることができました暁には、東北地方でやっております。各種の事業にも検査をして助けていくということが可能な時代がくることと私たちは信じておるのでございます。
  55. 内海安吉

    ○内海委員 もちろんこの新しい計画に基き、岩手県方面に対すセメントの増産計画や、あるいは福島県下におけるこれらと同様な企業の旺盛を期するということは、これも東北振興のためには、決して私は否定すべきものではないと思うのであります。戦後々々というお言葉をよくお使いになりますが、戦後において一番先に力を入れ、そして融資の方法のあっせんをとったのは、何といっても日本水産を初めとして、この漁船船団の編成に対する政府の力というものは、莫大なものがあったのであります。そこで、漁船船団を組むに当っても、母船のごときは一船少くとも十五億ないし二十億という膨大なる費用をかけて奨励している今日である。そこでこれと相マッチして、東北よりも東京以北に一つもない、ドック、これを何ら顧みないで、新しい計画に進まれるということは、果して東北興業に対する認識があるかどうかという点に対して、私は、点の疑いを持たざるを得ないものでありますが、東北船渠に対してはどういうようなお考えを持って進まれる考えであるか、この際承わっておきます。あるいはあなたの方において御答弁ができないかもしれません、これは無理かもしれません、いずれあらためて大臣質問することになるかもしれませんけれども、あなたの答弁のできる範囲でよろしゅうございますから、お答え願います。
  56. 町田稔

    ○町田政府委員 私から今の御質問に対しまして御満足のいくような答弁を今直ちにちょっといたしかねるのでございますが、きわめて抽象的なことを申し上げますと、東北興業は東北各県にそれぞれ事業を直営するなり投資するなりという方法をとるべきだと思います。それで一つの県だけに片寄るようなことのないようにいたしたいと思うのでございます。が、そういう点から見まして直営事業はなお各府県に行き渡っておりません。投資の事業もまだ十分行き渡っておりません。将来はそういう点も十分考慮をして、直営事業もいたし投資の関係考えていくというようにいたしたいと思います。なお東北船渠そのものの再建について東北興業がどうするかということにつきましては、これは実は会社自体の問題でもございますので、私から今直ちに御答弁申し上げることは不適当かと思います。御了承願います。
  57. 内海安吉

    ○内海委員 よくわかります。ところで一地区に片寄ることはどうかというお話であったようですが、港湾とかあるいは河川とかあるいは電源の開発というようなものは地区や地域にこだわってはできるものではありません。このドックというものは地形から見ても、それからまた海洋の図面から見ましても燈台や何かの位置から見ましても、絶対にこれは不可欠の条件を持っているのであります。それを十分お考え願って、ぜひともこれは再建方面に向って力を注いでいただきたいということを御要望申し上げます。いずれ詳しいことは大臣と……。
  58. 徳安實藏

    徳安委員長 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。    午後零時五分散会