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1956-02-10 第24回国会 衆議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十日(金曜日)     午前十時二十五分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 荻野 豊平君    理事 薩摩 雄次君 理事 瀬戸山三男君    理事 前田榮之助君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    伊東 隆治君       大高  康君   二階堂  進君       山口 好一君    今村  等君       楯 兼次郎君    中島  巖君       安平 鹿一君    山田 長司君  出席政府委員         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         建 設 技 官         (住宅局長)  鎌田 隆男君         建 設 技 官         (営繕局長)  小島 新吾君  委員外出席者         労働事警官         (職業安定局失         業対策部長)  澁谷 直藏君         専  門  員 西畑 正倫君 二月九日  委員楯次郎辞任につき、その補欠として原  彪君が議長指名委員に三任された。 同月十日  委員原彪辞任につき、その補欠として楯兼次  郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月九日  道路整備特別措置法案内閣提出第二三号)  日本道路公団法案内閣提出第二四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件 建設行政に関する件     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。建設行政に関する件について調査を進めます。前会に引き続き馬場建設大臣並びに政府当局質疑を行います。本日は労働省失業対策部長澁谷直藏君が出席されておりますので、その方面から質疑をしていただくことにいたします。二階堂進君。二階堂委員私は特別失業対策事業に関しまして若干の質問をいたしたいと考えます。時間の関係もございますので要点だけを取り上げましてお尋ねをいたしてみたいと考えます。具体的に特別失業対策事業のことについてお尋ねをいたします前に、なぜがこの問題を取り上げなければならなかったかということについて私の考えを申し述べまして、それを基本にいたしまして具体的に質問をいたしてみたいと考えておるわけでございます。(委員長退席内海委員長代理着席)御承知のごとく予算編成に当っては、大蔵省の原案に対しまして各層は第一次査定とか第二次査定とかを通じて猛烈なる予算復活の要求をいたされることは御承知通りであります。昭和三十一年度予算編成につきましても向様なことが各省と大蔵省との間に行われておりますし、また私ども建設委員独自の与党の立場において政府建設行政に対する考え方等を是正いたさなければならないという立場で、予算復活特に住宅等予算復活に尽力をいたして参ったのであります。このように予算復活について非常に建設省におかれても徹夜もされるほどの努力をいたされて、ようやく第二次査定とか第三次査定とかいろいろのものを経て最終の決定がなされるわけであります。このように苦労をして予算の獲得をされて、この手筆が一年間に実施されるわけでございますが、非常な苦労をして増額をされた予算が、年度末になってある程度事業が翌年度に繰り越される、あるいは年度内において実施ができないというような事態が起って参っておるのであります。これは、私もきめられた予算年度内に一銭も余すところなく執行することの困難なことは十分承知をいたしております。がしかし、年度末になって相当多額の金が残っている。たとえば昭和三十年度予算編成について考えてみましても、私ども昭和三十年度補正予算財源をいろいろと検討して、先日まで大蔵省当局とも折衝いたしたのでありますが、建設省あるいは運輸省あるいは厚生省等におきましても相当な金が残されておる。これは、昭和三十年度はもちろん予算通過がおくれたことも一つの大きな原因でありましょう。あるいはまた地方財政吾が苦しい丸めに、地方の方が思うように国家の予算に並行して財源の裏づけができないというような事態等もあって仕事ができなかったので、繰り越しができる、あるいは全を返すような事態も起ってくるということがあったことは御承知でおりましょう。あるいはまたたとえば特別失業対策事業等につきましては、建設省労働省の間において事務的にいろいろな点が困難な事態もあって、従って事業実施がおくれたといったようなこともその原因一つであったかと考えられるのであります。しかし、いろいろな事情があったことも私ども承知いたしておりますが、毎年ぐん予算相当苦労して計上して、そうしての予算に見合う計画が樹立されて仕事が遂行されるというのにもかかわらず、年度末になって莫大な金が残されていくということは、これはどう考えてみても不合理きわまることであります。予算国民の税金であります。無理算出して予算をつけたが、その予算が実行できないというような政治のあり方については、私どもは非常な疑問持っておる。私どもはこの際、これからの予算というのは、たとえば建設省なら建設関係において計上された水利おるいは道路住宅、その他失業対策事業等予算は、ほとんどすべてが、一年間の計画が樹立されましたならば、その計画通りに金が使われて、目についた仕事ができるように実行してもらわなければならぬと考えております。それが私は政治だろうと考えております。今後予算執行については分議会の立場において、一体どういうわけでこういうよう悪が起ってくるのかという原因一つ突きとめて、そうして政府の方においてあやまちがあるならば、政府にそのあやまちを是正せる、あるいは事務当局の間においていろいろなことが未解決であるために、予算執行がおれるというようなことがあるならば、そのをお互いに話し合って、協力して、予算に計上された金が十分に国民経済の向上に役立つというふうに使っていただくように努力をいたさなければならない。また事務当局の間において、予告執行にふまじめなる態度があるとするならば、その点も私ども国会を通じて事務当局を激励、鞭撻してあやまちなきように予算執行をいたしていただきたい、こういうふうに考えておるのであります。私どもはこういう見地から、今後予算につきましては、独自の立場において、過年度における予算とその執行された事業等については十分検討を加えて参りたい。そうして国民から信頼れるところの政治を、少くとも私どもは行なって参らなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。私はこのような私なりの考え方に基きまして、昭和三十年度特別失業対策事業について、建設省労働省当局に若干お尋ねをいたしてみたいと思うのであります。御承知通り特別失業対策事業は、建設省関係におきまして、数字があるいは違うかもわかりませんが、道路において国費約十六億三千万円程度が計上してあったのであります。しかるに、二月六日現在において約八千六百万円——道路関係国費総額の五・三%くらいに当ると考えられますが、この八千六百万程度の金がいまだ未配分になっておるという状態であります。なおまた河川におきましても、当初の特別失業対策事業に充てられた予算が、約五億円程度承知をいたしておりますが、このうち未払いになっております金額が二千八百九十万余りあるように考えられるのであります。総体の金額は大した金額ではありません。私はこの少い金額それ自作を、しかも年度末の間近かに迫った今日、とやかく申し上げたくはないのであります。しかしながら、先ほど私が申し上げました通り、国が特別失業衆事業として、建設関係道路河川等に二十億余り予算をつけておったものが、予算通過昭和三十年度はおくれた関係もありましょうが、とにもかくにも本国が予算を組んで、国が計画を立てて道路なり河川なりの仕事をやろう、こういうふうに計画を立てておったものが、二月の半ば過ぎになっても数千万円以上、八千何百万円という金が残っておる、私はこういうことがどうもふに落ちないのであります。このことについての理由は、建設省道路局あるいは河川局あるいは労働省の方からそれぞれの立場において、どういうわけでこういうふうに金が余ってきたのか、その理由を私はお聞かせ願いたいと考えるのであります。本日私は建設省労働の方に両方一緒にここにおいでを願っておりますが、ざっくばらんに、きょうは一つ私のお尋ねすることに対しましてお答えが願いたい。建設省の方は労働省の方と、これらの仕事を遂行される上におきまして、それぞれ打ち合せをしていろいろな計画を立てるわけでありますが、この委員会においては、どちらの方にも気がねすることなく、こういうわけでわれわれはこれだけの仕事ができなかったのだということを、私の質問に対して述べていただきたい。そうしてこういうふうに金が余ってきた理由をもし明らかにされますならば、私どもはよく皆さんに御協力を申し上げて、できるならばこの年度内において国が予算をつけて計画が立っておるものは仕事をやってもらいたい。仕事をする個所は、河川にしても道路にしても、やってもやってもやり切れないほどたくさんあることは御承知通りであります。しかるにこの金がこんなに余ってきておる理由はどこにあるのか、私はその理由をよくお聞かせを願って、そうして私どもはこの国会を通じて是正すべきものは是正して、また本年度年度も約カ月余りあります。道路にしても百メートルでも仕事ができれば、それだけの仕事をやってもらいたい。このままにほったらかしておくならば、八千万心の金か残されていく、そういうことでは私ども国民に対してはなはだ相済まないと考える。でありますから、私はここで繰り返し華語し申し上げるわけでありますが、一体どういうわけで道路においてもあるいは河川においても金が残って仕事ができないようになってきたのか、この理由をまず最初建設省道路局長、次に河川局長の方から御説明を願い、さらに労働省立場においてどういうわけでこういうことになってきたのかということの一つ具体的な意見をお聞かせ願いたいのであります。
  3. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 道路関係特別失事業につきまして申し上げますが、お話通り道路におきましては、三十年度特別失業対策事業としまして十六億三千万の予算を持っておったわけでございます。現在までに九四・七%の消化をいたしましたが、なお五・三%に当ります八千六百万円が未払い分のまま残っておる状態であります。なぜこうなったかというお尋ねでございますが、道路の方におきましてはこの八千六百万円がほとんど国道の方で残っておるわけでございます。府県道関係の分は全部消化いたしましたが、国道関係におきまして八千六百万円を残しております。その理由でございますが、一つには三十年度における予算決定がおくれたということが一つございますが、道一路におきましては、この失業対策事業道路整備五カ年計画に合せて使わなければならないということが一つあるわけでございます。と同時に、失業者の発生する地域においてまた所定失業者を吸収しなければならぬ、この二つ条件を満足しなければならないわけでございます。金が余って参りましたので、できるだけ消化すべく努力いたしたのでございまするが、その道路整備五カ年計画におきましても、最初にきめておりました道路整備五カ年計画だけでなくて、後年度においても道路整備計画に乗るようなものは実施するという建前で、融通的に考えたのでございますが、この事業実施する地域が限定されており、その地域における道路事業というものが所定失業者を吸収するという点におきましては、はなはだ困難であるというような点で八千六百万円を残しておるわけでございますが、お話のように、まだ年度末までに時日もあることでございますので、極力これを減らすべくただいま努力をしておるわけでございます。道路整備五カ年計画というものにあまりにかたく縛られてやれないのだということではございませんで、その間には相当年度のものも融通して考えるようにして範囲を広めて考えておりますが、失業者吸収率の問題、それから失業者の発生する地域問題等のためにこの消化がはなはだ困難な状態であることを申し上げたいと思うのであります。
  4. 米田正文

    米田政府委員 お尋ね河川局所管特別失事業に関しましては、お話通り三十年度予算としては五億円が計上されておりまして、今日のところ施行不能額といたしましては二千八百九万円ばかりがございます。なぜこういう施行不能額ができたかと申しますと、これは先ほどの道路局長お話の中にもその共通の理由が含まれておりますけれども、私ども立場から申し上げますと大体四点ぐらいだと思います。  第一点は、ことしはこういう事業が初めて実施されたためと、それから暫定予算であったために基本計画を作ること等に時日を要しまして、事業実施の時期がおくれたことが一点であります。次にそういう一条の施行をする地域選定について、労働省側との打ち合せが、両者の意見が合わなかったというようなで、施行地選定がおくれたという点、それから失業者発生地域についてもそこに計画いたしましても、登録失業者がいないというような実情にも遭遇したという点でございます。それから第四点といたしましては、御承知のように今年、は地方財政が非常に窮迫したために、時期がずっと年年の終りに近ついて参りますと、財源不足のために工事実施ができないというような実情にあったことであります。これら四点が私どもの本年度実施してなおかつ五%余の工事施行不能事業があるという理由でございます。
  5. 澁谷直藏

    澁谷説明員 特別失事業の三十五億円の中で約一億円程度の残が残っているという点は御指摘の通りでございます。こういう状態になぜなったかというにつきましては、ただいま両局長から御説明がありましたが、大体労働省としてもういった原因でこういう状態になったというふうに考えております。何と虚しし悪しても狩別失業対策事業が今年度から初めて行われまして、しかもその事業失業者を吸収するという一つの目的のほかに、公共事業として事業の効果々を上げるという二つの的を同時に遂行するという性格を持っておりますために、いろいろな点で困難が伴ったわけでございます。しかしながら本年度実施過程を通じまして、建設省あるいは運輸省労働省の間に大体の意見一致を見ておりますので、来年度におきましては、こういう点は大幅に改善されるのではないか、またそういうふうに極力努力して参らなければならないというふうに考えている次第でござます。
  6. 二階堂進

    二階堂委員 道路局長お話によりますと、本年度に残された金額の点については、必ずしも五カ年計画に沿うた事業に限られることなく、あるいは第二次五カ年計画等考えられている地域へも仕事ができるように努力して参りたい、こういうような御意見もあったかのごとく私は了解いたすのでありますが、もしそうであるとすれば、さらに労働首の方といろいろと話し合いをされまして、残っている金額の使途について何とか努力してみるというような考えがあるかどうか、この点をお尋ねいたします。
  7. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 先ほどの御説明一つ落しておりましたので、つけ加えさしていただきますが、やはり道路につきましても地方財政関係がございます。それで残っております金の消化につきましては、なお努力を続けておるわけでございますが、実施する過程につきましては五カ年計画をそう窮屈に考えないつもりで、この点につきましては労働省とも打ち合せしておるわけであります。ただこの特別失事業条件労務比率等におきましてはなはだ制限されておりますので、この点の緩和あるいは失業者の発生する地域がもう少し拡大されるというようなことがありますれば、この消化も比較的楽になるわけでございます。この点につきましても労働省と打ち合せをいたしたいと考えております。
  8. 二階堂進

    二階堂委員 河川局長の御意見でございますが、その中で労働省との打ち合せの際に意見一致をみることができなかった点もあるようなことを申されましたけれども、これを率直に、労働省との間において話し合いをされたときにどうして意見一致できなかったか、どういう点がそういうことかということについてもう少し打ち明けて話を聞かせていただきたいと思います。
  9. 米田正文

    米田政府委員 河川事業の場合については御承知のように失業者の方に、その場所ずばりではなくて、その近在に適当な事業があるというケース相当にありまして、そういう市内地ではないが、市内をはずれて適当な河川事業があるというような場合に、われわれとしてはその事業を失対事業実施したい。というのはその市内から失業者現場に連れて行ってそこで事業実施するというような方法をとりたいということについて、労働省ではかりにその施工地を認めるとしても、そこに運搬をするというような問題に難点があるというような問題、あるいは逆に施工地の隣の村では失業者——やはりこれも主としてその現場に行く方法の問題になりますが、そういう点が適切でないというようなことが問題になりまして、こういう点については個々に折衝をして今日まで決定をしてきたのでありますが、そういう点では本年度の実績にかんがみますと、ある程度われわれの事業としては距離があってもそこで実施をしたいという点があるんですけれども、その辺が現地の状況もあり、労働省の方針もあって、なかなか話のつかないケースが多かったということを申し上げたのであります。
  10. 二階堂進

    二階堂委員 そこでお尋ねしますが、どういうわけでこういうことになってきたかという建設省の御意見はよくわかるのでございますけれども、もしかりに労働省の方との話し合いがある程度つくといたしますならば、これは地方財政等関係もございますので、地方の方からそういう仕事はやりたくないと言えばそれまででございますが、もし地方からもかりにこういう河川については仕事をしてもらいたいという要望があるとすれば、ただし労働省との話し合いがつけば、本年中には仕事ができる、こういうふうに了解してよろしいですか。
  11. 米田正文

    米田政府委員 そういう努力は従前ともやって参りましたけれども、なお今後今年度内に残りの問題としてそういう問題がありまして、両省で話がつけばもちろん今年度内でもなお実施いたしたいという考えは持っております。
  12. 二階堂進

    二階堂委員 そこで労働省の方にお尋ねをいたしますが、この地域指定をあなたの方で、道路事業についても河川事業についても、されることになっておりますね。これは一体どういうものを基準にしてその地域指定をされますか。
  13. 澁谷直藏

    澁谷説明員 お答え申し上げます。労働省特別失業対策事業実施地域指定しておるわけでございますが、これは御承知のように、失業対策事業は全国の安定所失業者として登録しております労働者対象として計画を立っておるわけでございます。従って本年度の当初におきましては安定所に登録しております失業労働者の数を二百人と押えまして、二百人以上の地域を二百八カ所当初に指定したのであります。ところがだんだん折衝を重ねて参りますと、その二百八カ所だけではとうてい地域的にマッチできないという事情が判明して参りましたので、その後逐次地域を追加しまして、現地ではさらに百十三カ所を追加指定してございます。それで現在のところは合計三百二十カ所の地域特別失事業が行われておるのであります。来年度におきましても基本的な考え方といたしましてはなるたけ失業労働者の多数おる地域でやっていただきたい。しかしながらどうしてもその地域が符合しないという場合も考えられますので、そういう場合はたとい登録労働者の数の少い地域でも実施していただく、こういうふうにして参りたいと考えております。(内海委員長代理退席委員長着席
  14. 二階堂進

    二階堂委員 そうするとあなたの方で適格者と言っておりますが、この適格者というのがあるところに限って一応実施するということになっておるわけですね。
  15. 澁谷直藏

    澁谷説明員 さようでございます。二階堂委員この適格者というのは特別失業対策事業に使用できる者、こういうことになるわけですね。
  16. 澁谷直藏

    澁谷説明員 労働省適格者と称しておりますのは、失着者は御承知のように非常に多数おりますが、これを全部失対事業で救済していくためには現在の予算の数倍の予算を必要とするということになるわけでございます。それで労働省といたしましてはその求職申し込みをしておりまする失業者の中から一世帯一人という限定をしておるわけであります。それでその世帯の主たる家計の担当者という条件でしぼっておるわけであります。その条件に該当して、しかもその人が失業しておるという場合を適格者と称しておるのであります。
  17. 二階堂進

    二階堂委員 道路局において今実施不可能になっておる個所は一級国道、二級国道については群馬県一カ所、新潟県一カ所、神奈川県一カ所、静岡県二カ所、栃木県一カ所、宮崎県一カ所、鹿児島県一カ所、こういうふうに出ております。河川については山梨県に二カ所、私の方の鹿児島県にもカ所あります。先ほどいろいろ建設省の方からどうしてできなくなったかという理由は承わりましたが、今私が申し上げましたような国道関係あるいは河川関係、これらについてお尋ねいたしますと、これは労働省の方で言われる通り地域指定外個所に全部なっておるのですか、その点をお尋ねいたします。
  18. 富樫凱一

    富樫(凱)政府委員 今申されました個所実施すべく予定してまだ配分できない個所でございますが、この地域指定されておらない地域でございます。
  19. 二階堂進

    二階堂委員 そうすると、労働省の方にお尋ねしますが、今私が申し上げました国道関係仕事ができない個所は、適格者がいないというわけであなたの方ではお認めになっていないわけですか。
  20. 澁谷直藏

    澁谷説明員 ただいま御説明申し上げましたように、労働省といたしましては、安定所に登録しておりまする適格労働者対象として事業実施していただきたいというのが基本的な考え方でございます。従いまして、建設省の方に対しましては、そういった適格失業者のおる地域事業を興していただきたい、こういう点で折衝を重ねてやっておるわけでございます。
  21. 二階堂進

    二階堂委員 さらにお尋ねをいたしますが、昭和三十年度事業計画をされる場合、これはもちろん建設省労働省の方において協議の上実施計画お作りになったはずであります。特別失業対策事業実施について、労働省建設省運輸省事務次官通達というものが昭和三十年七月二十六日に出されております。仕事が始められたのは十月であります。二ヵ月余りの日にちがあるわけでありますが、この間において実施計画を樹立される場合に、建設省労働省との間においていかような打ち合せをされてこういう計画お作りになったのでありますか。私は、昭和三十一年度計画についても、労働省の方から建設省にお出しになった案を持っております。これはおそらくあなたの方で、大体去年と同じような計画個所が並べてあるようであります。私はここで時間もありませんが、くどいことをお尋ねしなくちゃならなくなるかと思いますけれども、去年の実施がおくれたということは、予算通過がおくれたということも一つの大きな理由でありましょう。しかし次官通達が出されたのは七月の二十六日でございます。仕事が始められたのは十月の半ばですか、十月に入ってからであります。その間労働省の方から、これこれの個所仕事をしてもいい個所だと、いわゆる地域指定されている。その指定も、職業安定所に登録された失業者あるいはその中で適格者というようなものを大体勘案されて、この辺なら仕事ができるであろうということをあなたの方から建設省にお示しになって、そうして建設省の方に御相談なさったものと考えております。  ところが建設省の方は建設省の方で、川にしてもあるいは道路にしても、やりたい仕事もたくさんあるわけであります。今建設省の方に聞いてみますと、まだ未配分になっておる約十カ所余りの所は、これは建設省の方では仕事をやりたいといって具体的に計画を立てておるが、労働省のお示しになった地域以外の所であるので、適格者がいないとか、この地域以外の所では仕事ができないとか、従って八千万以上の金がまだ未配分になっておる。もちろんこの中には地方財政問題等があって、私のところは仕事はいけませんといって申し出たところがあるかもしれません。この点については私はまだ具体的にお尋ねいたしておりませんが、もしそういう所が一、二カ所あったとしましても、大部分は労働省のお示しになった地域以外の所であって、適格者がいない、こういうことで仕事ができなくなっているのじゃないかと考えるのであります。これは私の一方的な考え方かもしれませんが、この計画を立てる場合には、あなたの方の労働省建設省あるいは運輸省とよく相談をして計画を立てるべきものと考えております。あなたの方は失業者を吸収するという立場でこの計画をお立てになるが、一方の方は、河川とか道路とかいうものを直さなければならぬ、地方の要望もたくさんある、従ってそういう実際仕事をする個所を中心にして計画を立てていく。その計画の行き違いがどうもうまく調整がつかなくなって、年度末において約一億ばかりの金が全体の失業対策事業において出てきてしまっておる。私はこういうふうに考えるわけであります。  昭和三十一年のあなたの方の建設省にお示しになりました表を見てみますと、これは昨年の個所とどういうふうに変ってきておるか知りませんが、しかしながら、鹿児島県、宮崎県の方々に聞いてみましても、各代議士にいろいろ聞いてみましても、漏れておるところがある。事業がやれないところがある。適格者もおるに相違ないが、適格者以外に失業者はたくさんおるわけであります。あなたの方で考えているような適格者とか失業者とかいうのは、職業安定所に登録された方を失業者考えておられる。ところが地方では、登録されていない人がたくさんおるわけであります。河川なり道路なりで仕事をするということは、そういうところにたくさんの人が吸収されて失業対策にもなっており、失業救済にもなっておるわけであります。あなたの方はどうお考えになっているか知りませんが、労働省は失業対策という面ばかりにこだわって、最初にこういう案を現業官庁に、建設省運輸省にお示しになる。建設省運輸省の方では仕事をやりたい個所がたくさんある、どうしても仕事をやらなければならぬ個所がたくさんあるので、そこを中心に計画を立てる。従ってあなたの方から先にこういう案が出てくるというと、建設省建設省で地元によく打ち合せをして、地元の要望を聞いて、そうして計画を立てる。その計画の行き違いが、結論的に申し上げますとまだかなり残ってきているということになっている。あなたの労働省の方で地域指定をされるのはもちろんあなた方の立場において当然のことだと思っておりますが、しかしそれにはやはり失業者を吸収するということも大事であります。労働省に計上された失業対策事業費というものは、これは労働省の失業対策費として一応大きく掲げられてくるわけでありますが、そのうち何十億というものは現業の建設省とか運輸省に返ってくる。この予算というものは、筋かういうと当然建設省に計上さるべきものと考えるのであります。建設省にこれが計上されておったならばこういう行き違いは出てこないと思うのです。仕事をやると、それが必ず失業者を吸収するということになるわけであります。昭和三十一年度予算編成についても、委員会においてわれわれは強くこの点を指摘したいのであるが、労働大臣あるいは建設大臣にもよく話し合っていただきたい。一ぺん失業対策事業費として労働省の所管に計上されて、その金がまた建設省に戻ってくる、極端にいうならば、一つの金を二枚看板で使っているわけである。私はこういうことを申し上げたくございませんが、労働省に移された金がまた建設省に返ってきて、運輸省に返ってきて、そうして仕事をしているから、そういう予算が十分消化されない、そういうような不合理なことがあってはならぬと私は思っておるのであります。筋かういうと、失業対策事業費というものは、本年度から建設省道路なり河川につけていただくことが筋の通った考え方であり、そう考えるならば、建設省建設省考え方において地元の要望に沿って事業計画を立ててどんどん仕事をされるべきで、そうしてその仕事場に働く人はやはり失業者であります。まあ立場がありましているいろ御意見がありましょうが、昭和三十年度のこの計画をお立てになるときも、次官通達がなされてから仕事にかかるまでの間には相当な時間がかかっている。これは先ほど河川局長であったか、お話しもありました通り基本計画を立てるのに相当に手間取った。一ヵ月有半、二ヵ月にわたる時間がなぜかかったか、この点についても事務当局の熱意が足りないなかったのじゃないかと私は考える。さらにまた年度末を間近に控えて一億近い金が余ってくる。なぜ事務当局はこの金を年度内消化されるようにもっと積極的に努力せられなかったか。あなた方は国民の公僕であるはずであり、仕事をしたいところがたくさんあるはずであるから、積極的に話し合いをされて、そうして地方の方とも連絡をとって仕事をどんどん促進されるべきものだと考えているが、そういうようなことがなかったように私は考える。あなたの方にはいろいろな条件があり、規格があり、立地的な問題があって、そう簡単にはいかないということで御意見の御発表もないかと考えてはおりまするが、まだ一ヵ月有半あります。しかもやりたいところがたくさんあります。これらの問題を解決するのにさらに労働省建設省の間において積極的に話し合いをされて、適格者がいないところも、適格者に近いところの労働者というものはたくさんおるわけでありますから、そういう個所一つ御相談になって、さらに地方の方にもよく打ち合せをされて、一億に近い金のうち五千万でも仕事ができるということに努力していただくならば、私は地方の人も非常に喜ぶんじゃないか。そうであればわれわれが苦労して計上したこの予算も、年度内においてある程度消化されるということになるのじゃないかと考えておりまするが、そういうふうなことができるのかできないのか。労働省立場において、あなた方はこれはもうわれわれの規格に沿わない地域だから絶対に話し合いができない。適格者がいないところだから、あるいは場所が職業安定所から遠過ぎるからというようなことでどうしても仕事ができない。建設省運輸省から何と話を持ち込まれても、おれの方はおれの方の条件がいれられなければ仕事ができない、こういうふうにあなたはお考えになりますか。あるいは両方の話し合いをつけて、地方の自治体の方との話し合いがついていくものがあるならば、さらに話し合いの上で仕事ができるようにする御意思があるかどうか。あるいは先ほど申し上げましたように、条件に合わないから仕事は絶対にやることができないとお考えになるかどうか、その点をお聞かせ願いたい。
  22. 澁谷直藏

    澁谷説明員 一億近い予算の残額がございますので、これを何とかして消化しなければならないというふうに考えております。労働省としましては先ほど申し上げましたように一応指定地域というものを定めまして、それを中心に計画を立てていただきたいということで折衝しておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、その折衝過程におきして地域がマッチしないということでさらに百十三カ所も追加をして参ってきております。従いまして今後におきましても、実はきのうも運輸省建設省の方とこの問題で折衝をやっております。それで何とかして近いうちに結論を出しまして、消化する方向に持って参りたいというふうに考えております。
  23. 二階堂進

    二階堂委員 くどいことは申し上げませんが、できるならば一つそういうふうに早急に話し合いをされて、自治体の方とも一つ建設省の方において連絡をとられて、県の方でぜひともというところがあれば仕事を進めて、年度内に計上されている予算消化には努力をいたしてもらいたいと私は希望申し上げておきます。さらに私はもう一点、労何七の方にお伺いいたしますが、これははなはだ地域的な問題になり摂して恐縮でございますが、鹿児島県に思川という川がございます。この川についても、これは最初は私は建設省の方にもお願いいたしまして、仕事ができるというふうに御意見を承わっておったのです。県の方としても、あなたの方の職業安定所ですか、あるいは鹿児島の支所ですか、そこの方からも仕事をしてもよろしいということであった。ところが労働省の本省の方で、何らかの理由でこれはいけないというふうに御決定になっておる。ところが私は約二週間ばかり郷里の方に帰りまして、県の方にも寄ったのでありますが、労働省の方でできないということで、いろいろ相談したのだけれども、むずかしいのでやめた、予算も計上してないが、国の方でもう一ぺんこれをやりたいというような御意思があって金を下さるということになりますれば、県としても予算の措置を考え仕事をやりたいという希望が土木部長の方からもあったわけであります。これはどういう理由でこの思川はやらないとおっしゃったのか、その理由を直接あなたの方にお伺いしたいと思うのでありますが、それ本今日までできずにおったわけでありますが、これらの問題もありますので、よく一つ早急に御連絡をとられまして、少しで本これは二、三百万の金であります。やりたいと地元の人が非常に強く要している用であります。それが先ほど申し上げたような理由意見一致を見ずに、仕事をやりたいところが目の前に見えておって、しかも仕上丁ができずに今日までほったらかされておるわけであります。これは地方の人は非常に不満を持っております。そういうのをでき得るならば大局的に見て、解決のできるものはどんどん事務当川で御相談下さいまして解決するように努力をしていただきたい、こういうことが私の考え方ておりますので、この点も一つお願い申し上げておきます。さらに昭和三十一年度のこの表につきましても、これはあなたの方からお出しになった表であると考えておりますが、この中にももう少し個所をふやしていただきたいということで、私は同僚の議員にもお尋ねいたしましたところが、これは確かにあるのであります。これは仕事をする運輸省とか建設省とかそういうところともよく打ち合せをされまして、一方的にこういうものを差し出す;これは大蔵省がまるで第一次案を示すようなものです。そうしてあなた方が復旧要求をされててんやわんやをされるようなものです。仕事をされる現場においては、これは地元も仕事をやりたいところはたくさんありますので、そういうところともよく打ち合せをされまして、そうして最後的な決定をされていただきたい。それを私は強く要望いたしておくわけでございます。時間の関係もありまして、私はこれ以上お尋ねをいたしませんが、この失業対策事業につきましては、これはあなたの方も非常に熱心に、あるいは建設省の方におかれても熱心に仕事を遂行していただいておりますので、私どもの方も非常に感謝をいたしておるわけでありますが、ただこの失業対策の仕事、あなたの方でやっておられる仕事は、これは働く人ももちろん失業者でありまするし、あるいは大きな労働にたえられない人もたくさんおるわけでありますが、時間的には八時間という時間でもって仕事をさしておる。地方では、昔の古いしきたりで仕事をしているところでは、時間をかまわずに仕事をやっておるわけであります。私はこういうような労働観念というものは、近代的な労働観念に合わない、少くともいなかにおいてそういう時間をかまわずに人を使うという観念は是正すべきであると考えておる。これは当然なことであります。しかしながら、一方において、失業対策等に使われておる人の仕事ふりは、これはきわめてマンマンデーな仕事ぶりが目につく。あるいはまた土木工事等において使われておるような失業者の方も、専門的に知識のない人が多いのであります。従って橋を作るとか道路を作るというような場合にもしろうと同士が寄って、そのしろうとの中から監督者というものが選ばれて、こうした監督者がいばっておる。そうして一般の失対の人を使っておる。そうして働く人の中においていろいろないざござがおるというような事例を私どもは知っております。また時間内に働くのでありますから、あるいは職業安定所の場所から、あるいは役場からその現場に行くのに自動車等で運んでいかれる時間もかかります。仕事も始めるのは朝の九時半か十時、そうして十二時になったら一時間休んで、また五時になったら帰る、日の高いうちに帰る。それで一方では、失業対策に働く人は金をもらって、そうして楽な仕事をしておるという印象を地方民に与えておる。地方の人たちは先ほど申し上げたような古い労働観念で人を使う。おれたちは終日働いてわずかばかりの金をもらっておるが、失業対策に働く人はいいことをした、八時間働いて、しかも一時間休んで、それで仕事が済んだらまだ日の高いうちに帰っていく、こういうようなことをいろいろ言っております。これは私は両方とも非常に反省しなければならぬ点もあるかと考えておりまするが、これらの失業対策や一般の失業対策事業等につきましても、働かれる人にもそれぞれの立場もあるし、また一般の過酷な労働にたえられない人もおるし、女の人もたくさん働いておるわけであります。しかしながら、時間的に働かれて、しかも国が相当膨大な金々使って失業対策というものを起して仕事をやらせておる以上は、現場においてもっとまじめに人が働くようにさせる。まるではたから見ると、働かない人間を作っているような印象を与える場所も少くない。そういうようなことはないように非常に厳重に監督御指導いただきたい。同時に、先ほど申し上げましたように、いなかの人たちが古い観念で雇った人を時間に関係なしに働かせるという考え方は、これはどうも是正しなければいけない。新しい労働に対する考え方というものは時代とともに変ってきておる。われわれも極力その古い考え方については是正いたしております。しかし一方におかれては、あなたの方でも一つまじめに働かせる。働かない人間を作っておるような印象を与えるところもありますので、そういうところはないように一つ努力をしていただきたいということを重ねてお願い申し上げておきます。  さらに昭和三十二年度予算等におきましては、先ほど申し上げましたような特別失業対策事業費というようなものは、やはり建設省建設省に、運輸省運輸省に当然計上されるべきものであると私は考えております。このことにつきましては、私どもは党内におきましても所管の大臣等を通じ、あるいは政調会長を通じて考えをまとめていきたいと考えておりますが、そもそもこういうようないきさつができてき、問題が残ったということは、結論的に申しますと予算が一応労働省の所管に計上されて、それがまた運輸省建設省に返っていくというところに、和は根本的な間迷いがあるのだと考えております。従ってこういうことのないようにするためには、建設省建設省労働省労働省と、これからわれわれも協力をいたしまして失業者を救済するための予算労働省予算に増額して計上する、また現実に仕事をする建設省運輸省で使われる予算は、当然建設省運輸省に計上されてしかるべきものである。こういう筋書を追った予算の編成が行えるならば、こういうような問題も少くなるのではないかというふうに私は考えておるわけであります。これは何も失業救済の仕事を軽視するわけではありません。われわれ保守党といえども労働者に対する対策、失業者の吸収に対する予算というものは、いろいろな国の施策の上においても当然重点的に考えていかなければならないのでありますが、そういうような考えからいたしましても、間違った考え方を今後是正していただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  24. 徳安實藏

    徳安委員長 関連質問の申し出がありますからこれを許します。三鍋義三君。
  25. 三鍋義三

    ○三鍋委員 渋谷失業対策部長に関連してお伺いしたいのでございますが、失業者の作業効率を高めるために、失業者に対する指導監督といった立場の、いわゆる地方公務員特別職ですか、技官とかいった名称のもとにこの指導監督に当られる人々、こういう人が設けられてあるのでございますが、それが非常に苦しい立場に賢かれておるということをお聞しておるのでございます。というのは、同じ失業者でありながら指導監督、激励督励するという職務に置かれている、その人がまた計画された事業の遂行のためにある責任を持たせられておる常勤勤務である、しかもその待遇は一般失業者と同等の扱いを受けている。督励して仕事の能率を上げようと努力しようとすれば、卑近な話が、お前もおれと同じ仲間じゃないかえらそうなことを言うなといったようなことで、なかなか言うことを聞いてくれない。一方、国の方からはもっと能率を上げるように督励される。そういう重い責任の立場に置かれておりながら、待遇が同等である。こういう技官の立場にある人々が非常に苦しい状態に置かれておるのに対しまして、何かやはりこれに相当する待避を考えてあげなければならぬ、このように考えるのでありますが、これに対してどういう処置をとられるお考えか、それともやはり現在通りに行かれるのかどうか聞きたい。
  26. 澁谷直藏

    澁谷説明員 ただいま御指摘の点はまことにその通りでございまして、私どもも失対事業の能率の向上をはかるという観点からも何とかしてこれを改善したいと考えておったのでございますが、幸いに今回大蔵省との間に話し合いがつきまして、三十一年度からはそういった監督の立場に立つ人々に対しましてはその身分を臨時職員、いわば常勤と同じような待遇にいたしまして、期末手当等も支払えるというふうに改善されることになったのでございます。私はこの制度が実施されることによって、相当能率が向上されるというふうに期待しております。
  27. 三鍋義三

    ○三鍋委員 ただいまお聞きしまして適切なる御処置をなされているようでございますが、この問題は大へん重要だと思いますので、今後ともよりよき待遇、その他いろいろ身分上の問題を御配慮お願いいたしまして、私の質問を終ります。
  28. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ごく簡単に関連した御質問を申し上げますが、今二階堂委員から御質問があって、その質疑応答の中で考えられることは、いわゆる特別失事業の性格に関する質問ともなっていると思うのであります。そこで労働省といたしましてはこの予算を要求し、年度初めにこの、業を開始するときには、特別失事業に対して失業者の就労計画というものの中にちやんと織り込まれた数字があって、事業を進められていると思うのであります。従ってただ建設省の都合のいいようなことにまかしては労働省としては納得ができない。こういうことは私は当然だと思う。それでなけらねばならぬ。狩別失対などという名前を削って、やはり建設省公共事業費としてやるべきであって、特別失事業と名がつく限りは、就労効率を計画通り遂行していく、この特別失事業という予算国会でわれわれがその意味を十分くみ取って審議をし、両院を通風したものなのだ。もしそうでないことをやるといたしまするなら、これは国会の議決を欺瞞すると同じことに相なると思う。あくまでも計画通りの、就業効率を低下させるようなことは断じてさせないのか、その通りやるのか。もし今一億円ばかりの未執行ができた場合においては、その計画を幾らくらい下回るような結果になるのか、この点をお尋ねいたしておきます。
  29. 澁谷直藏

    澁谷説明員 特別失業対束事業は、御承知のように三十四億九千万で十カ月三万人の失業者を吸収するということになっているわけでございます。それで施行時期がおくれまして十月から始まりましたために、現在では全国を通じまして毎日五万以上の登録失業者がこれに就労いたしております。従いまして労働省といたしましては、やはり当初定められました失業者の吸収につきましては極力努力をして参りたいというように考えております。
  30. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 前回の委員会におきまして、逢澤委員から建設業者の入札資格規準の問題につきまして実情の面からるるお話がございましたが、これに対しましてさらに研究をいたしましてお答えするように保留いたしてありましたので、あらためてお答えを申し上げたいと存じます。この制度は、数年前から建設業審議会が入札制度の合理化の対策として研究を加えましてその実施を勧告いたしているものでございますけれども、その運用の実際のいかんによりましては確かにお話のような心配が生ずることも考えられるのでございます。この点につきましては、当局としても十分研究調査をいたしまして、特に中小業者の育成に留意いたしますように、適切な指摘をすみやかに加えて参りたいと思っておる次第でございます。以上で御了承をいただきたいと存じます。
  31. 徳安實藏

    徳安委員長 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。    午前十一時三十一分散会