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1956-06-13 第24回国会 衆議院 決算委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月十三日(水曜日)     午後零時十一分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 生田 宏一君 理事 池田 清志君    理事 田中 彰治君 理事 本名  武君    理事 山本 正一君 理事 山本 猛夫君    理事 佐竹 新市君 理事 山田 長司君       臼井 莊一君   小笠原八十美君       加藤 精三君    小山 長規君       笹本 一雄君    櫻内 義雄君       中馬 辰猪君    辻  政信君       中嶋 太郎君    並木 芳雄君       林   博君    眞鍋 儀十君       足鹿  覺君    中村 高一君       細田 綱吉君    八百板 正君       矢尾喜三郎君    吉川 兼光委員外出席者         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月三日  委員辻政信君、山田長司君、細田綱吉君、小松  幹君及び佐竹新市辞任につき、その補欠とし  て水田三喜男君、楯兼次郎君、吉川兼光君、原  彪君及び片島港君が議長指名委員選任さ  れた。 六月十三日  委員赤澤正道君、大久保留次郎君、床次徳二君、  關谷勝利君、椎名悦三郎君、田中伊三次君、本  名武君、松岡松平君、水田三喜男君、片島港君、  楯兼次郎君、原彪君、吉田賢一君、神近市子君、  坂本泰良君及び吉川兼光辞任につき、その補  欠として並木芳雄君、辻政信君、池田清志君、  眞鍋儀十君、笹本一雄君、加藤精三君、中嶋太  郎君、小山長規君、中馬辰猪君、八百板正君、  矢尾喜三郎君、細田綱吉君、中村高一君、山田  長司君、佐竹新市君及び足鹿覺君が議長指名  で委員選任された。 同日  委員並木芳雄君、辻政信君、笹本一雄君、直鍋  儀十君、加藤精三君、池田清志君、中嶋太郎君、  小山長規君及び中馬辰猪辞任につき、その補  欠として赤澤正道君、大久保留次郎君、椎名悦  三郎君、關谷勝利君、田中伊三次君、床次徳二  君、本名武君、松岡松平君及び水田三喜男君が  議長指名委員選任された。 同日  理事關谷勝利君、本名武君、坂本泰良君及び吉  田賢一君同日委員辞任につき、その補欠として  山本正一君、池田清志君、山田長司君及び佐竹  新市君が理事に当選した。     ————————————— 六月二日  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書  昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和二十九年度国有財産無償貸付状況計算書  歳入歳出の実況に関する件  国有財産に関する件  政府関係機関の収支に関する件 の閉会審査を本委員会に付託された。 同月六日  次の委員会開会要求書が提出された。    委員会開会要求書  来る六月八日決算委員会開会されるよう、衆  議院規則第六十七条第二項の規定により要求する。   昭和三十一年六月六日           臼井 莊一           櫻内 義雄           床次 徳二           松岡 松平           山本 猛夫           關谷 勝利           田中 彰治           本名  武           生田 宏一  決算委員長 上林與市郎殿     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  国有財産に関する小委員会における  参考人出頭要求に関する件     —————————————
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。すなわち理事關谷勝利君、本名武君、吉田賢一君、坂本泰良君より理事辞任の申し出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次にこの補欠選任を行わねばなりませんが、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認めます。  それでは委員長理事に、山本正一君、池田清志君、佐竹新市君及び山田長司君を指名いたします。     —————————————
  5. 上林與市郎

    上林委員長 この際山本猛夫君より発言を求められておりますので、これを許します。
  6. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私はこの際議事進行に関して申し上げたいのでありますが、われわれは、内容はどういうことを報告するのか知りませんが、一応山本委員長から報告をしていただいて、その報告の後に委員長に関する問題であるならば、一身上の弁明を委員長にしていただいて、しかる後に理事会を開く、こういうことにして議事を進行していただきたいと思います。
  7. 上林與市郎

    上林委員長 それは先ほどの理事会において申し合せになっておりますから、そのように進行して差しつかえありませんね。それではそのように進行いたします。山本猛夫君、発言をして下さい。
  8. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 過ぐる二十四国会の開会中におきまして、閉会中も継続審議を行う旨の御了承を得ました国有財産に関する小委員会の経過につきまして、中間の御報告を申し上げます。  国有財産に関する小委員会におきましては、高速度道路等の問題その他数件に関しまして審議並びに調査を進めて参ったのでございますが、たまたまその審議並びに調査を進めておりまするさなかに、決算委員長上林代議士に関連いたしまする事項が出て参りましたので、小委員会といたしましては慎重にこれを取り扱わなければならない必要性に迫られて参りました。  よって過ぐる四日公報をもって、六日に当小委員会を開催する旨を御報告申し上げまして、六日に小委員会を開催いたしたのでございます。しかるところ社会党委員の御出席がございませんでしたので、再三にわたりまして社会党さんの方に御出席方を御要求申し上げました。しかるところ定刻を過ぎましても御出席がございませんので、定足数に満ちました者のみによって開会をいたしたのでございます。よってわれわれは事上林委員長の御身分に関することでもございまするので、慎重を期しましてさらに後刻小委員会を開催することにいたしまして、一応休憩をいたしまして、小委員において懇談をいたしました結果、当問題はこのまま等閑に付すべきでないという結論に到達をいたしましたので、決算委員長をお探しをいたしまして、当日すなわち十三日をもって決算委員会をお開きいただきまして、懇談に基きましてきめられました参考人を招致して、事態を明らかにして、当委員長の御名誉を保持しようといたしたのでございます。それに関しまして投書等もございますが、きわめて簡単に内容のほどを御説明申し上げたいと存じます。  まず私の手元にごらんのような封書をもって陳情書が到達いたしました。その陳情書を御報告申し上げます。   国会議員の綱紀の粛正について   本国会を通じて国会運営の状況は暴力による議事の妨害はもとより国民としてふんまんにたえない事柄が山積いたしましたが、これら表面に現われた事実についてはすでに各言論機関は筆をそろえて、かつて見ないほどの痛評を下し、全国民またこれと同様な感を抱き、終りには議会制度の根本にまでその疑いを抱くものさえもありますことは、わが憲政のためまことに遺憾しごくのことでありまして、これら表面に現われた事実にかんがみ、これが対策については政府政党とも深く反省して、何らかの結果が現われてくることを期待いたしておりますが、かかる表面に現われないことで、国会議員がその地位を乱用して幾多擯斥すべき事実があり、しかもこれによって真の民主政治が妨げられ、さらには多くの国損が生じていることが多いのであります。ここに別紙の事実もその一例でありますが、幸い今国会において決算委員会委員会が設けられました機会に、その真相を御調査下さいまして、その審議を明確にいたされますよう全国民にかわって陳情いたす次第であります。なおこれに対する幾多の人的物的証拠もありますから、御要求次第提出いたします。   山形県北村山郡大石田町           高田  某   昭和三十一年六月  日  衆議院議長 益谷秀次殿  衆議院決算  委員会小委  員会委員長 山本猛夫殿 こういうのでございます。  以上の文案につきまして、その同封せられました事項につきまして御報告申し上げます。それはその一及びその二となっております。まずその一から御報告申し上げます。   某決算委員長——上林決算委員長林野庁批難事項と関連せしめて薪炭用材払下げせしめた疑いがあり、事実の如何では刑事事件となりかねないので、これが真相を明白にする必要がある。第一事実  (一)秋田県営林局管内楯岡営林署管内、横山村の薪炭用材を、特定人払下げ方についてしばしば某決算委員長は、秋田営林局に陳情していたが、営林局においては、無理なことなので、これを許さなかったので、委員長は、たまたま昭和二十八年度会計検査院批難事項中に、秋田営林局関係で、不当に杉材の払下げのあったことを発見したので、この事件の内容は、当然決算委員会において責任を問われるものであることを秋田営林局に対して指摘した。  (二)秋田営林局長水野金一郎は大いに驚きこの事件が決算委員会において寛大に取扱われるよう、委員長に対ししばしば上京して請託した。ある時は箱に入った贈物までをしたようである。その箱の中の物品が商品券であったか、札であったかは不明であるが、箱入りの物品を贈ったことは事実のようである。  (註)物品を贈与したことについては水野局長から証言をとる必要がある。  (三)水野局長がこの批難事項の件を指摘せられてから以来、関係部課長とともに上京して委員長の第一会館の事務室において、薪炭用材払下げについて善処する旨約束し、この件について調査室調査員あてに左のような書簡を送って委員長にとりなし方を依頼した。すなわち「楯岡営林署管内に於ける薪炭材売払いの件につきましては、来る本月三日より、当局係員を派遣いたしまして、地元の各位にも営林署に御来集願い、その後の事情もうかがわせ、再度現地調査を致させ、充分に相談の上善処いたすことと致し度存じ手配しました」(三十年六月二日付)さらに同年六月十三日付をもって次のような書簡を送っている。すなわち  「横山村の薪材売払いの件につきましては、今月十九日事業部長利用課長とを派遣して、取りあえず、今年の冬の薪を申請者各位とも話し合いの上決定実行し、明年度以降の分については、当該個所は経営編成案替の時期になって居りますので、今度は之が調査を他に優先して行う様、関係各部課長に夫々指令して居りますので、此の調査完了を俟って、伐採方針を確立することに致したく存じて居ります。」  右によれば委員長がこの批難事項を指摘するまでは許可しなかったが、これを指摘せられてから俄然その態度をかえて至れり尽せりの手段をとったようである。  (註)これらの経過について水野局長なり関係部課長から聴取する必要がある。  (四)以上の経過によって、委員長はその目的を達したようであるから、批難事項決算委員会で強くとりあげて、この上水野局長つるし上げる必要はなくなった。しかし林野庁委員会でとり上げると、この事件は悪質なの、で、必ず問題になるので、むしろ林野庁全体を決算委員会の審議からはずして無審査で二十八年度全部の決算を終らんとし、彼の推薦して専門員とした黒田と打合せて委員会の議事を進行しようとした。  (この点委員長は意識的に林野庁全体を審議からはずしたかどうかは不明であるが、少くとも彼は委員長として農林省関係審議の折に林野庁を後廻わしにして全部ぬいていたことを忘れるはずはないのである。もし忘れていて、林野庁を無審査で二十八年度を終ったとしたならば無責任きわまることと云わねばならぬ。)  (五)以上の取扱いを知った村田調査員は、林野庁をぬかすことは、不当である旨を主張したので、黒田専門員は止むなくこれを委員会の日程案の中に入れて三月某日林野庁長官の出席を求めて林野庁全体の説明を聴いたとき、果せるかな吉田委員から鋭い追及を受けたのである。  第二 本件に関する法律上の所見  決算委員長批難事項を指摘して当該官庁に、不当に自己のためまたは第三者特に選挙民のために利権を要請するが如きことは政治上、徳義上、最もつつしまねばならぬことであり、たとえこれが正当に許可される性質のものであっても、決算委員長がその職務上関係ある批難事項を指摘してかかる権益を得せしめ、また得せしめようとしたことは、はなはだ穏当を欠くものと言わねばならぬ。しかしてこれを厳重に解釈するならば、刑法の規定に該当する左の場合が考えられる。  (一)恐喝罪(刑法二四九条)「人ヲ恐喝シテ財物交付セシメタル者ハ十年以下ノ懲役に処ス。  前項ノ方法ヲ以テ財産上不法ノ利益ヲ得、又他人ヲシテ得セシメタル者亦同ジ」  なおこれに関連して左のような判決列がある。  「恐喝の手段は必ずしも明示の言動力を要するものに非ず。自己の性行、経歴及び職業上の不法なる勢威等を利用して財物の交付を要求し人をして其の要求を容れざるに於ては不当なる不利益を醸さるるの危険あるべしとの危惧の念を抱かしむるが如きも亦恐喝罪となる……」とある。右の場合決算委員長たる地位により、決算委員会において当該官庁批難事項をとり上げてその責任者たる営林局長農林大臣及び林野庁長官等上司の前でその責任を問われることは宮東としては致命的のことであって、決算委員長がこの事実を示して利権を要求するが如きは当然本条に該当すべきものと考えられる。すなわち決算委員長といふ職業上の地位において、不法なる勢威等を利用して用材の払下げを要求しこれをいれざるにおいては委員会つるし上げをせられるかも知れぬといふ危惧の念を抱かしめたことは明らかであって、正しくこの判例によって見る恐喝罪を構成するものと考えられる。  (二)脅迫罪(刑法二二三条)「生命、身体、自由、名誉若クハ財産ニ対シ害ヲ加フ可キコトヲ以テ脅迫シハ暴行ヲ用ヒ人ヲシテ義務ナキ事行ハシメ、又ハ行フ可キ権利妨害シタル者ハ、三年以下ノ懲役ニ処ス。」  営林局長を国会に召喚して大臣や長官等彼の上司や、各新聞記者ラジオ録音、テレビ、さらに多数の議員及び傍聴者の前で、つるし上げを受け、その責任を問われることは官吏としてこの上の名誉をきそんせられることはなく、場合によっては彼の身分も危険になることは明らかであって、彼に畏怖心を起さしめることは明らかである。ゆえに局長はこのようなことから逃れるために、本来ならば許可できないことも許可をする。すなわち義務なき二とを彼の意思に反してやらざるを得なくなり、ついにこれに払下げ許可をしてしまったといふことになれば、明らかに本条に該当する。もとより未遂も罰せられる。  (三)涜職罪(刑法一九三条)「公務員其職務濫用シ人シテ義務ナキコトヲ行ハシメ又ハ行フ可キ権利妨害シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス。」  本件の場合委員長批難事項を発見するや秋田営林局長を二回以上上京せしめ、自室においてみずからこの事件の内容を尋問し、その責任を追及するがごときことは、従来委員長のやったことではなく、況んや薪炭用材払下げの件を要求するがごときことは明らかにその職務の乱用と云ふべく、かくのごとき事件で遠くから局長や部長課長を上京せしむるがごときは、委員会としての意思でなく、況んやこれによって畏怖心を生ぜしめ、払下げすべき義務なきこと、むしろ局長たる正当な職務の執行でないことを行わしめたときは本条に該当するものと考えられる。  その二について御報告を申し上げます。   上林衆院決算委員長職権乱用について   衆議院決算委員長上林與市郎代議士は、その職権を乱用して自己の選挙区内におけるどぶろく密造販売事件に介入し、所管税務署及び検察庁支部を牽制して被疑者からは謝礼をもらっているという相当根拠ある疑いさえあることは、議員の体面を汚すのみならず、場合によっては犯罪を構成するとも思考せられるので、決算委員会としてはこれを徹底的に調査して、同委員会の威信を保持すべきである。右事件の概要は左の通りである。   (第一)どぶろく密造販売被疑事件の概要  一、鶴岡市大字福田町四五佐藤長治郎、同人妻末代は、かねてからどぶろくの販売のうわさがあったので、鶴岡税務署においては昭和三十年六月三十日、同人宅を臨検したところ、どぶろく若干と帳簿を発見したのでこれを押収した。どぶろくの現物は僅少であったが、その帳簿によると、昭和三十年三月三日から同六月二十七日までの間において五石八斗二升、この価格十一万六千四百円を六十二回にわたって販売していたことが判明したので、同税務署においては山形地方検察庁鶴岡支部に告発し、同時にこれを入手した先である山形県西田川郡西郷村大字下川字街上二四四斎藤正子どぶろく密造の疑いで告発した。  二、山形地方検察庁鶴岡支部においては、直ちにこれを検挙し、それぞれ起訴、裁判の結果、佐藤長次郎は懲役四年、その他罰金の判決があったが、その後同人は死亡し、現に裁判係属中の者は密造の疑いのある斎藤正子のみであって、来たる六月十一日第二回裁判開廷せられる予定である。  三、この事件が税務署によって告発せられ検挙せらるるや、日農組合員から上林代議士のもとにこれが釈放方等について陳情に上京し、あるいは電報等によってしばしばこれが処理方を依頼してきたので、上林代議士は、まず税務署一般事務についてこれを突くべき弱点がないかについて、決算委員会調査室に下調査せしめたところ、会計検査院が調査した資料を得たので、福田調査員鶴岡税務署酒田税務署等に派遣して調査せしめ、あらかじめ決算委員会で取り上げるぞという暗黙のうちに威嚇行為に出た。会計検査院の調査した資料は、税務署にとっては決して大きい誤まりでなく、従って国会に対する批難事項としての報告書の中にも掲載されていない。このようなささいな事件でかつて決算委員会としては遠くまで長期にわたって調査員を派遣した先例はないのであって、これはこの事件を有利に進めるための手段であり、現に他の調査員はこれが出張方を拒絶したので福田調査員を派遣し、長期にわたって自己の選挙区である各税務署検察庁支部を回らしめたことは職権乱用もはなはだしい。もとより本件の調査については各決算委員はもとより、理事さえも知っていない。  四、調査員を各税務署に派遣するとともに上林決算委員長はしばしば鶴岡税務署に多数の組合員等を引き連れて威圧するとともに、検察庁には昭和三十年十月三日のごとき、十三名の組合員を引き連れ、検事室において三浦副検事をつるし上げた。当時の状況は十三名の抗議団として、鶴岡警察署にこの写真が保管せられている。これは決算委員長たるの威力と同時に、暴力の一歩前、多数の喧騒の威力を示して検事の行動を牽制せんとしたものであって、脅迫行為であったとも考えられるのである。  五、さらに上林代議士の属する日農組合員等は、検事や警察官の名誉を侵害するようなポスターを至るところに張りつけ、市民のひんしゅくを買ったが、検察庁においては、これらのあらゆる妨害にもかかわらず、厳然として法の命ずるところによりとるべき処置を進めたのである。  六、どぶろく密造の疑いによって斉藤正子は三十年九月三十日逮捕され、十月七日起訴、十一月二日第一回公判が開かれたのであるが、どぶろくを販売した佐藤長治郎は正子からこれを買い入れたことを自白したのであるが、五石八斗二升(帳簿記載)も買い入れたと認めしめては、正子は当然密造の疑いを持たれるので、長治郎やその妻末代には「これは酒ではない、サイダーであったとうそを自白せよ。」正子には「どぶろくを売ったことはないとがんばれ。」と、上林代議士守谷県議上林代議士の秘書)その他の組合員は教唆した。このことはすでに検察庁においても捜査済みであるが、これは無知な長治郎等に対してかかる指導をしたことは証拠隠滅教唆罪とも見ている。  七、以上のような上林代議士の行動に対し、彼の腹心である日農渡辺支部長はこの事件本来の目的である運動謝礼金の問題について、まず正子に対し、どぶろくを正子は売ったのではないことにしてあるから、これらの運動のためまず上林代議士に謝礼をせねばならぬと要求し、正子もこれを承諾したが、今は金がないが、秋になれば入るからと言ったところ、渡辺は、それでは立てかえておくと言った。そうしてその後一万五千円は確かに上林代議士にやったと言った。さらに正子は一万円上林代議士にやったと言っている。   (第二)上林代議士に対する処置   以上のように上林代議士決算委員長たるの地位を乱用して   一、自己の利益のために公務員たる調査員を長期にわたって遠方に派遣し、税務署検察庁等に対して威嚇的調査を行わしめたことは職権の乱用もはなはだしい。   二、刑事被疑者に対し「うその自白」を指導したことは証拠隠滅教唆罪を構成する。   三、決算委員長たる地位により税務署長以下係員、検事以下係官を威嚇し、あるいは多数の組合員を伴い、これらの官庁に押しかけ、多数の威力を示して、公務の執行を妨害したことは、議員たるの体面を汚すことはなはだしい。   四、これらの運動によって謝礼金を受けたことは議員たるの体面を汚すことはなはだしい。   (第三)以上の事実に対し、決算委員会としてはまず  一、(一)の点は福田調査員を喚問して事実を調査し(二)(三)(四)については鶴岡税務署長及び山形地検鶴岡支部長を喚問して事実を調査するとともに、特に(四)については、正子を証人として喚問して、上林に対していかほどの謝礼金を交付したかを証言せしめ、なおどぶろくは売らないとがんばれと指導せられた点を証言せしめる。末代に対しては、帳簿に記載せられた五石八斗二升は、どぶろくでなくサイダーである旨述べよと指導せられた状況を証言せしむべきである。  二、以上委員会の手続は国会閉会後になるから、国有財産小委員会において閉会中に調査すべきことを決議すべきである。 こういうような意見のものが同封せられまして、私の手元に投書が参っております。  なおもう一項目、簡単でございますから御報告を申し上げます。   衆院決算委員長上林代議士恐喝類似行為について  衆院決算委員長上林代議士は、自己の選挙区の一部の者(主として選挙運動員のもののごとし)のために、秋田営林局検査院批難事項があったことを種にして、水野局長外係部課長に対し、これを決算委員会において糾明するがごとき態度を示し、従来から同局に要望していた薪炭の払い下げを強硬に要求し、ついにその目的を達したことは、恐喝の疑いすら持たれるとともに、さらに三十一年度においても申請し、この中にはすでに死亡している仮空の名を用い、あるいは真正の者の中にもこれに加入することを拒んでいる者の名を用いる等により、虚偽の文書によりこの手続をせしめていることは、決算委員長としての体面を汚すものであって、同様なる他の事件とともにその真相を糾明すべきである。   本件の具体的内容は左の通りである。  (一)、特定人に対して国有林薪炭用材払い下げについては、二十八年以来しばしば営林局に要望していたが、営林局の方針としては、従来からの慣例として、部落共用林を設け、部落居住者の自家用として払い下げ、そのかわり義務として国有林の防火、さらに火災の場合における消火作業等を条件としていたので、このような特定人に対し、しかもこの義務も負担しない人たちに払い下げるべきでないと拒んできたが、たまたま上林委員長営林局批難事項を表面に出して、これと関連せしめて交換的に強く要望したので、やむなく営林局はこの例外を認めて、ついに左の通り払い下げを行なった。すなわち山形県北村山郡大石田町大字横山高橋円太郎外十三名、この代表奥山吉郎(同住所)に対し、「なら」「ざら」等五百八十五本、百六十六石を一万三千五百円で三十年七月二日、引き渡しを完了した。  (二)、三十年度において以上のようにその目的を達したので、続いて三十一年度においても、前年同様の申請をしているが、右申請人の中の一人、高橋伊勢治は三十年九月九日死亡しているが、この申請書は十月十八日(実際受け取ったのは十一月八日)であって、これは仮空の人物である。また高橋茂はこの申請に加入していないことを、本人の直筆で署長あてに申し出ているが、申請者中に加えられているごとく、委任状に押している印鑑が同じものが数個あることからしても、仮空の人物がほかにもいるのではないかと想像せられる。もしありとすれば、これは虚偽の文書であり、詐欺にもなるおそれがある。  (三)、次にこの払い下げの条件は、自家用として随意契約によって、安価に払い下げられている。これは予決令第九十六条一項七号によったものであって、自家用であるからである。しかるに自家用でなくして、営業用に回したとすれば、随意契約では受けられないものを、官を偽わって払い下げを受げたこととなる。聞くところ(営林署長)によると、営業用トラックで運んだとも言われている。なお上林委員長の宅では薪炭を営業としている趣き(鶴岡市泉町)。  (四)、以上のように払い下げの内容においても不当、不正があるが、この問題の本来の不正な点、特に決算委員長としてあるまじき点は、最初の恐喝の点である。すなわち特定人に対し払い下げをすべからざるにもかかわらず、従って二十八年以来、いかに陳情があっても拒み続けてきたのであるが、秋田営林局管内における検査院批難事項を発見して以来、同局長に対していたけだかとなって、万一払い下げないときは、これを決算委員会にかけて、局長を委員会つるし上げせんとする態度を示したので、局長として国会に喚問せられ、大臣や次官その他の上司の前でその責任を問われることは、官吏として致命的のことであるので、あらゆる手段を尽してこれが緩和を陳情するとともに、この払い下げについても、さっそく許可手続をする旨答え、ついにこれを実行したのみならず、これから毎年同様に継続せんとしたことは、上林代議士がこの目的を達したのであって、幾多の判決例の示す通り、明らかに恐喝罪を構成するものであり、検察当局においても同様なる見解を持っている。  以上の文章が同封せられまして、本小委員長のもとに送られ、さらにこの同文のものが益谷衆議院議長あてに送られているものと考えられるのでございます。従ってわれわれは日ごろ信頼いたしておりますし、ことに人格高潔をもってうたわれていると信じておりました上林委員長の身辺に対して、かような疑惑を生じたのでございますから、われわれは上林委員長の名誉保持のために、厳密なる調査を行なって、事の真相を明らかにし、委員長の名誉を傷つけないような方途を講ずべきであると考えまして、小委員会におきましては、かようなことに関しますることの調査のために、証人並びに参考人を喚問いたしたい、かように思いまして、証人並びに参考人をお呼び下さいますように、御要求申し上げます。
  9. 吉川兼光

    吉川(兼)委員 議事進行に関して……。実はただいま小委員長報告なるものの詳細をきわめたものを伺いまして、私ども驚いたのであります。全くあいた口がふさがらないのであります。それは小委員会というものの性格についても、いろいろ議論する点がございますけれども、それはしばらく預かるといたしまして、今山本委員長報告いたしましたところの小委員会なるものは、六月六日の午前十一時二十四分に始まって、十一時二十五分に休憩して、わずか一分間しか会議をいたしておらない。しかもそこには社会党委員は一人も出ておらないのであります。しかしながら、この方は公報で御通告がしてあったようでありますから、社会党委員出席しなくても過半数に達しておりますし、しかもその日になりまして、小委員松岡松平君を辞任させて、本名武君を特に小委員に選出したりいたしまして、準備をして開いておりまするから、開いた手続は私は決して間違っていないだろうと思いまするが、ただその内容が、わずか一分間しか開いてないし、また一分間の間に山本委員長発言だけが速記録に載っております。私これを読んでみまするが、山本君はこういうことを言っております。「○山本委員長 国有財産に関する小委員会開会いたします。つきましては、国有財産調査に関しまして、重要案件でございますので、証人及び参考人の喚問をいたさなければなりませんが、証人及び参考人の喚問につきましては、御承知の通り委員会の承認を経なければなりません。委員長の所在をただいま求めておりますが、それが判明いたしますまで暫時休憩をいたします。」これが一分間の議事です。その次には「休憩後は開会に至らなかった」というので、開会に至っておりません。従って一分間で散会しておるわけですが、ここに少しも、今ここで報告なさいますような投書を取り上げて、報告もしておらなければ、審議もしておらないのです。ただきわめて抽象的な、今私が読み上げたような文句を読んだだけで散会しておる。社会党も出ておらないところで、一つもその問題に対する審議も行われておらないということは、私は小委員会がこの問題を審議するに当って完全であったというふうには解釈ができないのであります。  そこで、ただいま長々と読み上げました投書なるものを伺っておりますると、これはすでに皆様もここでお聞きになりました通りに、まことに院内の委員会審議内容あるいは調査員の派遣等に対することに至るまで、詳細をきわめております。それほどの詳しいものが投書として現われておるということは、どうも私は院内に、投書をする者と相通ずる者があるのではないか、こういうふうにしか解釈ができません。純真な投書であるならば、そういう院内のことがこまかく出るわけはない。  それからもう一つ小委員会審議について不審を抱きますることは、ただいま小委員長がお読み上げになりましたようなものが、自民党の人々にはガリ版で配ってあるそうでありまするけれども、われわれ社会党の方には、本委員に対してはもちろんでありますが、小委員に対してすら、その資料が全然渡されておらない。そうして速記のところでは、本委員長上林君自身も何のことかわからないような抽象論で、小委員会を一分間で終っておる。今山本委員長上林委員長の人格等を憂えるお言葉がありましたが、私はこういうような開き方自体が、国会の権威を失墜するきわめて大きなものであるということを、さらに山本君以上に憂えざるを得ないのであります。しかもまたこの委員会内容がそうでありまするだけでなく、投書の中に現われて参りますところの秋田営林局長の水野何がしという人は、このたびの参議院の選挙に、自民党の公認候補でちゃんと立候補して戦っておられる方です。おそらく秋田営林局長をしておられましたから、秋田山形、東北一帯がその地盤ではないかと想像されるのでありまするが、そういうような選挙対策を多分に含んだ投書であるかもしれない。大体あるというふうに見えるのが、私は常識的ではないかと思うのであります。  さらにいま一つ私は、特に国会の権威のためにこの際一言申し上げておきたいことは、今投書の日付を山本委員長が読み上げたところによりますると、本年の六月というふうになっておるようであります。きょうは六月のまだ半ばにも達しておらない十三日です。小委員会が開かれたのは、六月の六日です。投書を受け取るやいなや、六日とか十日とか、一月もたたないうちに直ちに小委員会を開いて、しかも  一分間で散会をしている。あるいは、社会党委員は公報に通知したけれども出てこないということを盛んに御主張になって、ただいまえんえん数十分間にわたる投書を本委員会で読み上げて、小委員会では全然審議しておられない。私はこういうような軽率な、しかもそのうしろに、選挙を前にした一つの陰謀があるかのように想像されまするような取り上げ方をしますということは、国会全体の名誉のために、また権威のために、大いにここでそのことを声高く申し上げなければならないのであります。私は先刻の議事進行発言によりまして、このあとで上林委員長が弁明をなさることは賛成であります。それは弁明をなさるがよろしいでしょう。しかしながら、こういうような投書が来たからと申しまして、いかに議長のところに来、あるいは小委員長のところに来たからと申しまして、それこそ待っていましたとばかりに、三日か五日の間に小委員会を招集して、そうしてあわてて小委員を自民党の方でおさしかえになって、われわれの方ではその日の現在の小委員坂本泰良君と吉田賢一君ですが、二人とも長い間の国会の済んだ直後で、所用のために自分の選挙区に帰っておっておらない。そういうところで、小委員会の議題もあまり明瞭にされずに開いて、一分間で散会して、自民党の諸君のところにはガリ版で全部資料が行っておるが、われわれの方に、小委員のところにも来ておらない。こういうようなことを何で急いでやらなければならないか。やはり少くとも——小委員長が言われるように、権威ある国会の、委員長というものは役員です。その委員長の一身上に関することであるならば、少くとも国会調査員が出かける。あるいは、あなた方の方の、自民党のこの問題を取り上げる党の人がそれを調査に行ってくるとか、そのくらいの余裕を見てやったからといって、そんな一日二日を争わなければならぬ問題ではないと考えておるのであります。こういうこと等をいろいろ総合してみますると、私はこれはまことに、ひとり決算委員会のみにとどまらず、日本の国会運営に対する非常なる汚点でありまして、参議院の先般の議事の運営が、ただいまいろいろ国民の間で論議されておりまする際に、またしてもこのような、小委員会を一分間開いて、しかもけさの新聞には堂々と、小委員長の談話というものが載って、そうしてあらゆる点に陥穽が準備されておるようでありまするが、しかし問題自体はきわめて早々の間に、何らの調査の方法もとらず、慎重を期することもなく、一片の投書——これは怪文書であるかもしれません。私は怪文書だと断言はしませんが、怪文書であるかもしれない。しかもその問題になっております委員長の相手方の営林局長なる者は、現に自民党の公認候補で参議院議員選挙を争っておる。こういうような幾つかの疑えば疑われる問題がありますにかかわらず、この問題を早急に取り上げたことに対しまして、私は小委員長、あなたの小委員会審議に対しまして、はなはだ信頼を欠くものでありますことを、この際申し上げておきます。従って議事進行に対しましては、このあとで委員長の弁明があるのはけっこうです。  さらにもう一つ私は、これは委員長に申し上げておきたいと思いまするが、この委員会を開く前に、委員長の一身上に関することということが大体においてわかっておりまするにもかかわらず、委員長委員長席におってこの委員会を進めるということは、私はこれは穏当を欠くのではないか。むろん委員長の一身上の弁明の際には、だれかにかわるでありましょうが、私はその前にかわらなければならない性質のものであると思うことが一つ。もう一つは、これはむしろ——この委員会の運営と若干関係しまするが、もっと大きくはわれわれ党の方に関することでありまするが、あなたは自分のこういう問題が出るということをあらかじめ知っておったかということが一つです。われわれの想像では、知っておるにもかかわらず、自分に関係することであるからというので、特に党の国会対策委員会なんかにこの取扱いを相談せずして、そうして小委員会の開催その他に賛成しておるのではないかというように想像されるのでありますが、小委員会だけは小委員長でも開けますけれども、その後の、たとえばきょうの招集等については、これこそ職権乱用であります。あなたの職権で開くことはできますけれども、党の態度もわれわれはきめなければならぬ。実は卒然として今日出席してこの問題にぶつかりまして、私どもはこの取扱いに非常に迷ったのでありますが、これはひとりあなた個人の問題ではない。国会の常任委員長という権威ある役員に関する一片の投書を、こういうような形で当該の委員会で取り上げてよろしいかどうかという先例にもなるわけでありますから、この問題を議するに当りましては一つ慎重を期してもらわなければならぬということを申し添えまして、私の発言を終ります。
  10. 上林與市郎

    上林委員長 私に対する御質問みたいな御発言にだけ御答弁申し上げますが、けさまで案件の内容を私は全然存じませんでした。  それから委員会の招集の問題ですが、これはたしか六日かと思いますけれども、成規の手続を踏んで開会要求がありました。その要求書の中には期日の指定まであったのです。私は何とか期日に間に合わそうと思ったのですけれども、やはり休会早々なものですから、委員を全部当ってみますと、定足数が足りない心配もあったものですから、翌日ちょうど理事の方々にお会いする機会がありましたので、いろいろ懇談した結果、きょうという日をきめたのです。案件の内容は全然知りませんでした。それだけは御了承願いたいと思います。  これは皆さんもお互いだと思いますが、衆議院規則あるいは運営規則になくてもよき先例を作る努力は払っていると思うのです。私も及ばずながらそういう努力を払ってきたつもりです。その建前から私は山本さんにお伺いしたい点があるのです。今投書々々と言っておられますけれども、委員会運営に関する事項が多い。その点だけ私は確かめておきたいのですが、その投書をあなたがごらんになって、小委員長としての取扱い方を何にも考えずに、ただ発表すればいいという考え方で発表をされたのですか。私のところにも投書は一ぱい来ていますよ。それを全部一々続んでよければやらしてもらいます。小委員長としてこの点運営上いかがですか。
  11. 山本猛夫

    山本(猛)委員 申し上げます。本投書は今日初めて受け取ったものじゃございません。ずいぶん久しい間でございますので、私どもにおきましては党の国会対策委に相諮りまして慎重にこれを検討いたしました。さらには重大な案件でございますことは仰せの通りでございますので、私も私費を投じましてこれを調査いたさせました結果、さらに党の国会対策委あるいは小委員会のわが党の委員にお話をいたしまして、本件についてはきわめて重大であるから、小委員会を正式に開いて、野党の皆さんともこの問題の取扱いの方法に関することをお計らい申し上げようとして、先般の小委員会を開催いたした次第でございます。ただいま吉川兼光君のおっしゃっておいでになりますことは、吉川兼光君は今までこの小委員会の様子を全然御承知ない結果であると思いますので、これを別にとがめ立ていたそうとは考えませんけれども、われわれにおきましては吉川兼光君の仰せの通り、むしろそれ以上に慎重を期してこの取扱い等に対しましては今日まで大事をとって参ったことは事実でございます。従って先般の小委員会におきましては、野党さんの御出席がございませんために、本問題に入りますことを決算委員長の御名誉上いかがかと考えまして、直ちに休憩をいたしまして野党さんの御出席を待ち、さらにまた委員長の御所在をお探し申し上げたのであります。ようやくにして委員長の御所在も判明いたしましたので、われわれはわが党出身の理事でございます松岡君、田中彰治君を委員長もとまで派遣をいたしまして、委員長に御交渉を申し上げる等、われわれといたしましては慎重以上の慎重を期して参った次第であります。吉川兼光君から御非難を受けるような点等はさらさらございません。
  12. 上林與市郎

    上林委員長 もう一つ運営上の問題について。いろいろ投書がありまして、内容については、小委員長として御責任を待っていただけるでしょうね。速記をとって公けの席上で言っておられることですから、ただ投書だということですが、内容については小委員長として責任を待っていただけますか。
  13. 山本猛夫

    山本(猛)委員 発言をいたします以上は、責任を持ちます。
  14. 上林與市郎

    上林委員長 それでは、非常にこまかい問題が出ておりますから、それはなお速記録を見た上で私も十分弁明をさせてもらいますが、今私の記憶に明らかな点だけをごく簡単にまとめて申し上げたいと思います。   〔「委員長それはこっちの席でやりなさい」「交代々々」と呼ぶ者あり〕
  15. 上林與市郎

    上林委員長 了解を得ておりますから……。(「議事進行」と呼ぶ者あり)それでは中村君。
  16. 中村高一

    中村(高)委員 ただいま問題になっておりまする議案の提案の取扱いについてでありますが、今読み上げました山本君のは投書だというのでありますけれども、今読んだのを見ると、ちゃんとガリ版にして全部仲間に回しておる。そうしておいて投書だという形式でやるという形は、今後の委員会の運営にもこういうことをお互いにやり合うということは私はまことによろしくないことだと思う。この問題を今議論しておりますと時間も要するし、それぞれの委員の方もおるし、理事の方もおるし、小委員の方もおるのであるから、今後悪例を残さないように議事運営については慎重に考慮していただきたいと思うのでありますけれども、ただ私は、こういうような投書があったということで一々読み上げることを前例にしますと、みな議員のところには投書がきておるのであります、その投書を銘々の議員が一々読み上げるというようなことになると、自由民主党の諸君に対する投書もありますから、そうするとお互いに委員会というものが国政の審議なのか、泥試合なのかわからぬことになる。これでは国会の権威のためにもまことに私どもは悲しむべきことでありますから、そういうことについては十分考慮していただきたいのであります。しかし私たちは出たことを隠蔽したり何ぞするということはよろしくないと思う。いやしくも議員身分に関することであって、国会はみんな国民の信頼を受けなければならぬし、議員は多数の国民の投票によって出てきておるのでありますから、自分の一身がすべてきれいであることは当然でありますからして、上林君も十分洗っていただいて、悪ければどこまでも追及していただきたい。さらに弁明がありますればどこまでも追及して、問題を明らかにするということを何らじゃまするわけではありませんが、どうかこういう問題については国政の審議と泥試合というようなことをあまり間違わないようにしていただきたいということを私はお願いするのであります。特にこの委員会で個人のことをこうして今指摘されましたが、私は今読んでおるのをみると、森林の払い下げ国有財産払い下げ運動をしたというのでありますけれども、国有財産払い下げ運動をしたことが私は直ちに悪いとは言えないと思う。眠っておる国有財産などは払い下げてよい、国民に農民に解放してよい。ただその間に不正があってはならぬということは当然でありますけれども、今のを見るとどこが不正なのかわからぬ。私はそれをじゃましようというのではありませんから、十分審議していただきたい。どぶろくについて検挙された者について嘆願をしてやったというのでありますけれども、これも議員が嘆願するということは自由民主党の諸君でもやっておることでありますし、決して社会党の者だけではありません。それを一々嘆願したのが悪いというならば、私はこの委員会委員身分の上において、たとえばこの決算委員の中で多額の税金を滞納しておるという者があったならば、まず委員辞任するくらいの潔白さがなければならぬですよ。そういうようなことをやらないでおいて、そうして人ばかり責めるということでは一まず委員の中に国税を滞納している者があるかどうか、また自分が社長をしておって、その関係の会社で滞納などをしておったならば、みんなきれいにして国民の前に謝罪すべきだ。さらに衆議院においても四百六十七名のうちで議員の滞納があったならば、すぐに今度は決算委員会で調べていただいて、こうやって国民の滞納を責めておって、委員がみずから滞納なとしておる者があるのだったら、私はそういうことをはっきりさせなければならぬ。ことにこの委員会においては、今のような問題を取り上げるならば、防衛庁のあの疑獄事件などを十分審議して、国政に関与しなければならぬし、あるいは農林省の問題にしても、電源開発の問題にしても、かくのごとき重要な問題は全部多数の力で審議のできないようにしながら、一委員長の、まるで私憤を晴らすようなやり方は、国会の権威のために私はとらないものだと思っておりますから、どうかそういう点について、委員自身が潔白であるかをまず審査して、その上で人のことを責めるのが私はいいと思う。しかし国会議員でありますからみじんもお互いに悪いことはあってはならぬのであります。決算委員会上林君の問題に対してやることに対しては反対しませんから、どうかその他の問題もこれと同じように一つ公平に審議をしていただきたいということを申し上げて私の意見といたします。
  17. 上林與市郎

    上林委員長 私の一身上の弁明はこの席でいけなければ、あとで御相談していただきますが、議事の運営上に関することです。まあ投書ですからどのように取り扱いますか。審議を私が一存で左右しているかのごときことを言っております。しかしこの理由を一つ申し上げますが、理事の方は大部分御存じと思います。(「委員長、下へおりてやれ」と呼び、その他発言する者あり)これは運営上の問題ですから、ここで一向差しつかえないと思います。  最初に大体会期中の日程を組んで、そして重点事項というものを調査室から調査してもらって、それを理事会に諮っております。理事会に特に申し入れがあった場合にはそれに特につけ加えて、そして重点事項を決定しております。その重点事項を中心としてなお理事会で御承認を願って、その議事を運営しております。なお山本さんも理事でございますから、私はその点は十分御存じと思います。運営上につきましてはこういう取扱い方をしております。しかも秋田営林局の水野君を私が委員会に独断で証人なり参考人なりに呼んでつるし上げをするかのごときことを言っておりますが、皆さん御存じなんですか。参考人や証人は……(「委員長、席を譲れ、あとにしろ」と呼び、その他発言する者多し)運営上に関する問題だから私は発言する自由がありますよ。秋田営林局長参考人や証人に呼ぶとき、私の一存ではできません。皆さんの承認が必要です。理事会の承認が必要です。その上で委員会で決定してもらわなければなりません。そういうことは皆さんわかっているはずなんですよ。それを私が一存で秋田営林局長を証人に喚問して、そしてつるし上げをするかのごときことを言うことは委員会の権威を無視するものだと思うのです。  もう一点山本さん、私は少し勉強が足りないのかもしれませんが、皆さんから御相談を願う案件について、調査員を派遣して予備調査をする権限があると思うのです。これはむしろ悪用じゃなくて、理事会なり委員会の運営を円滑ならしめるものだと思う。そういう意味で調査員を派遣することを一一非難されて1投書はいいのですが、理事委員の方々が非難されておったのでは、これは委員長としての職責を全うすることはできないと思うのです。この点は山本さんも一つ認識を改めていただきたい。あなたが委員長になればわかることですから……。
  18. 田中彰治

    田中(彰)委員 議事進行。今中村さんが申されましたことによりますと、こういう問題は小さな問題だというようなことを言っておられますが、山本君が今読み上げたことが事実であるかないかということは、参考人とか証人を呼んで私は調べなくちゃならぬと思う。しかし山本君から聞いておりますところによると、投書を主体としたものではなく、投書山本君が見て、これは重大だと思ったから、彼も調査員を派していろいろ調べたから、その名前、番地、その日、いろいろなものがはっきりそこへ出てきておるのだと思う。そこでこれは調査したと言っても、やはり人間の調査ですから、間違いがあると、いけないから参考人を呼びたいといって相談をしているのですから、私はその点は何ともないと思う。  それからもう一つ、こういうものを刷って向うへ渡さないというのですが、これは国会事項であったときはなんですが、山本君が自分でやっておるものに対して、山本君が刷ってそれをほかへ渡そうと渡すまいと、これは小委員会では問題にならない。参考人を呼んで調べるときは渡してやるでありましょうが、中村さんがもしそういうことを言われるなら、僕はやはり決算委員長をやっておったときに社会党の諸君もわれわれとともにそういうことをやったじゃないですか。そんなことは何でもないと思う。  それからもう一つ、こんなものは小さい、一笑に付す問題と言うが、それではわが党のことを言うわけではないが、大野伴睦君が元代議士をしておった井上という人に頼まれて、そうして防衛庁へ紹介したということが、あれだけの問題になって、新聞で騒ぐならば、当然国民の血税を取り調べるところの委員長職権乱用したとか、今言ったような問題が実際事実であるかないかわからないが、事実としたら重大な問題です。そういうことを社会党委員が一笑に付すということは、彼らは良心がないのじゃないか。良心があるならば、国会議員として国民のきめた代表ならば、むしろこういうものはすっかり洗ってやるのが当然だ。そんなことでは——これは個人の問題だとか、あるいは小さな問題であると言われるなら、彼らは良心を失っておる。彼らに良心がない証拠だ。私はこの重大な問題——もしほんとうとすれば重大な問題でありますから、委員長はそこからかわられて、ここへ来て委員長が一身上の弁明をやられた方がいいと思う。そこにいてやられてはいかぬと僕は思うのです。
  19. 山田長司

    山田委員 私は国有財産の小委員会の小委員といたしまして、非常に遺憾な点がありますので、この際やはり立場を明らかにする点で申し上げておかなければならぬと思うのです。たまたま去る六日の小委員会の席には、私は党の用務で出ることができませんでした。きょう会合があるというので先ほどその記録を見せていただきますと、一分間で小委員会が終っておる。先ほどまた懇談会を開いたのでありますが、その懇談会にも先ほどの小委員会においての内容の話は全然出ませんでした。そういう形において小委員会が持たれたということをまず立場を明らかにしておかなければならぬと思うのです。  それから謄写版刷りの投書を自民党の人たちに全部渡したということについては、とやかく私は申し上げるものじゃありません。ただその真偽を疑うわけじゃないのですけれども、やはりこうして委員会で問題になります以上は、その投書は本人が果して書いたものであるか、あるいは書いたものでないか、やはりその本文を委員会で取り計らって見せていただきたい、こう思うのです。これは委員長にお取り計らいを願いたいと思うのです。どうかこれは即刻願いたいと思うのです。
  20. 上林與市郎

    上林委員長 山本君、今の投書の本文を出していただけませんか。
  21. 山本猛夫

    山本(猛)委員 必要な段階に入りますれば……(「必要とは何だ、今必要なんだ」と呼び、その他発言する者多し)もちろん進んで、われわれが必要と認めます段階に入りますならば、当然本文もお出しをいたします。さらにまたこれに対しまするところの物的、人的に詳細なるべきものを御提出申し上げます。従って私が先刻文書をもってお願いをいたしました参考人及び証人等を、御承認願いました暁に、その調査の進展において必要と認められまする段階に、委員長要求の本文をお出しいたします場合のありますことを、言明いたしておきます。   〔委員長退席、山田委員長代理着席〕
  22. 山田長司

    山田委員長代理 上林委員長の一身上の発言を許します。
  23. 上林與市郎

    上林委員長 先ほど委員長席で申し上げました通り、この問題を、案件の内省を知りましたのがけさでございますが、山本君の発言内容全般にわたっての事実を、ただいま申し上げるわけにいかぬと思いますが、幸いこれに関連する私の資料手元にありますので、わかっている範囲内のことを一応申し上げまして、なお速記録を調査した上で、詳細に具体的に発言の機会を得さしていただきたいと思います。  その前に理解を深めていただくために申し上げますが、山林の払い下げ問題を取り上げましたのは、日本農民組合山形県連合会でございます。私は山形県連合会の会長でございます。責任者であることは間違いございません。なおその主体になりましたのが横山支部でございます。日農の組合員と、先ほど何か御発言の中に第三者ということがございましたが、私もあまり法律の専門家でございませんけれども、農民組合の責任者が、農民組合のためになることをすることが第三者に対する活動なのかどうか私はちょっと理解に苦しむのですが、私は第三者ではないと思います。  そこで具体的に内容を申し上げますと、御存じの通り農民組合は、基本的な活動の一つとして土地問題を取り上げることは、これは洋の東西を問わず、私どもの大きな目的の一つであります。この問題も日本農民組合山形県連合会の第八回定期大会(一九五五年十二月三日)に報告されている事項であります。その報告書の必要な範囲だけをちょっと読んでみます。その方が早いと思いますから……。「一、土地闘争、農業経営上絶対に確保しなければならない基本的な条件は、すなわち土地、資本、労力の三要素である。従って土地と結びつかない農業農民は、およそその存在意義もない」そういう書き出しがら、「山林解放闘争等も組織的に活発に行われた。特にそのおもなるものをあげると」と、多くの山林解放闘争の一つとして、今指摘されました北村山郡の横山支部の払い下げ問題が報告されております。項目だけを読んでみますが、「国有林薪炭林)払い下げ運動。一、関係者北村山郡横山支部長高橋伊勢治、氏外十五名。二、石数百六十石(雑木)。三、運動開始二十八年六月二十日。四、要求実現三十年六月十九日。(註)高橋支部長は三十年九月十七日、十八日の大高根軍事基地反対闘争において、警察の暴力行使のため九月二十七日死亡」こういう報告書が出ております。これが事実ですから、この問題があったことは事実です。なおちょっと私記憶を呼びさましているんですが、この十六名は貧農です。いわゆる零細農です。従来の経過資料を今探さしておりますが、ないということですから、あとから御報告申し上げますが、同じ部落内で富農層には、いわゆる薪炭林以上のものを払い下げておることが明らかになりました。それから同じ部落内に居住して、あすの生活もやっていけない十六人の零細農には、払い下げをしなかったのです。だから私は農民運動家として、日本農民組合の責任者として、組合支部が取り上げ、県連合会が取り上げて、零細農の解放のために国有林払い下げ運動をやるなどということは、私は絶対間違ってないと思います。それを御批判になるならどうぞ御批判になって下さい。——これが国有林の事実関係でございます。  それからどぶろくの問題ですが、これも幸い第八回の定期大会で報告されておりますから事実を申し上げます。これは大会で報告されている承認事項ですから、私は自分の意志を全然交えないで申し上げます。   報告事項の第六、農民不当弾圧排除、人権擁護闘争、鶴岡税務署管内における酒税法違反容疑の摘発は、年間百数十件に及んでいる。この摘発にからんで、農民に対する人権じゅうりんの行為がしばしばあった。そしてこのような越権行為を多くの農民から指摘されて、税務当局の責任者がみずから辞意を表明する事態すらあった。   しかし摘発された多くの農民は、国家権力を背景とする暴圧に対して心底から憤激していても、みずからの権利を擁護する自覚に乏しいために、事実と相違する強要によって多大の犠牲をこうむってきた。特にその代表的なものは、今年三月大山町に発生した斎藤正子氏(日農組合員)に対する税務署検察庁の横暴きわまる抑圧である。 これが今指摘された事項だと思いますから、これも読ませていただきます。   そしてこの戦いを通して検察側のわが日農に対する弾圧と組織分断工作は熾烈なものがあった。さらにこの事件の直接動機となった佐藤長治郎は、検事の不当逮捕による一方月間の勾留のため身心ともに疲労し、また釈放後の検事の謀略と暴圧に耐えかねて、遂に十一月九日、ゆく秋とともにこの世を去った事実は悲壮なものがあった。以下事件発生当時からの経過は別紙の通りであるが、この事件について明らかになった問題点は次のように指摘できる。   一、税務当局は斎藤正子宅の捜査に当って裁判所から出される家宅捜査令状を二回にわたって使用したこと。   二、右捜査に当って本人不在のため小中学校生徒を強制的に立会人としたこと。   註、教育委員会で問題となっている。   三、斎藤正子宅を数回にわたって捜査したが、酒税法違反となるべき証拠がなかった。にもかかわらず税務署佐藤長治郎の一方的供述によって告発したこと。   四、税務署佐藤長治郎妻末代を取り調べるに当って産後一カ月足らずの未だ回復しない健康状態をも考えず乳児と一緒にジープに便乗させ、八時間にわたる強制取調べをなしたこと。そのため本人は病状が悪化しその後も治療を受けている。   五、税務当局は斎藤正子に対し、証拠隠滅のおそれあるとして緊急非常事態における異例の措置である直接告発(直告)制度に基いて、事件発生以来三カ月半経過した七月十三日その手続をとったこと。   六、直告を受けた検察当局は斎藤正子を取り調べた結果この事件には無関係であることを確認したにもかかわらず、その後二カ月半経過した九月三十日緊急逮捕を行なったこと。このため斎藤正子は十日間の勾留を受け、早場米最盛期に重大な支障を、来した。   七、佐藤長治郎は、九月十二日より十月十日までの二十九日間の勾留によって、身心ともに疲労し、勾留中検事、看守、小使等によって事実無根の自白を強要されたこと。   八、佐藤長治郎本人の事件は、その後の公判によって解決したが、長治郎の一方的供述によって不法逮捕を受けた斎藤正子の公判に対して、検事側より長治郎が証人として喚問されるや、にわかに神経衰弱を来たし、また勾留中の疲労が悪化し、十一月九日死去したこと。   註、検事佐藤長治郎に対して自白を強要して策謀の事実や、わが日農に対する組織分断工作の政治的事実については、目下斎藤正子の公判流行中であるので公表は避ける。  「不当弾圧の経過」これに関係ある問題だけを申し上げます。   (一)、三月三十日、鶴岡税務署間税係員池田豊、同入江慎一の両名が、西川郡大山大字下川斎藤正子宅を酒税法違反容疑のため家宅捜査を執行した。そのとき斎藤宅には、よそに女中奉公をしている正子の長女よし(十八才)が留守居をしていたので、係員は捜査令状を提示して、その立ち会いのもとに捜査を行なったが、違反となるべき証拠品がなかった。   註、入江係員は当日正子宅にだれもいないので、すぐ帰ってきたと言っているが、よしさんは捜査を行なった日は、三月二十九日か三十日か忘れたと言っているが、出張簿には三十日と明記されてあった。(十月三日確認)   (二)、四月二日、同間税係員池田、入江は斎藤正子宅の第二回捜査を行なったが、前回と同様証拠品がなかった。そのとき捜査に立ち会ったのは、正子の次女中学二年ゆきみ(十四才)と長男中学一年良助(十三才)であった。   註、未成年者が立ち会った事実については、池田、入江係員も認めている。また立ち会って両名は、そのとき捜査令状の提示はなかったと言っているが、税務暑員は捜査令状を提示したと言明している、なお捜査令状は立会人の署名捺印はとっていない。   (三)、これも十月三日確認。六月三十日、鶴岡税務署間税係員池田、入江の両名は、鶴岡市大学福田佐藤長治郎宅を酒税法違反容疑で家宅捜査を行なった結果、現品として清酒三合と子供のノート一冊発見し押収した。なお当日押収したノートには「何本、何円」とあるのは全部酒であると言明したので、その出どころを追及された結果、四十才くらいの女の人から買ったと答弁したので、その女の家を知っているだろうと言われ、大山町大字下川斎藤正子宅前まで税務署のジープに便乗させられて案内した。   (四)、七月二日、鶴岡税務署宿直室において佐藤長治部の妻末代は、間税係員池田豊より長治郎と共犯であるとの容疑で取調べを受けた。そのとき末代斎藤正子より譲り受けたものであるとの陳述をなした。   註、このとき末代は産後一カ月で、このため病気が悪化し、その後治療を受けている。   (五)、七月二日、税務署間税係員池田、入江の両名は、斎藤正子宅に出張し、斎藤正子の取調べを行うのであったが、正子は農作業のため不在であった。そのとき両名の係員正子の母春代(六十五才)と子供二人がいたので、「正子はどこにいる」と尋ねたので、春代は、「正子は麦畑にいっている」と答えた。そこで両係員正子のいるところに案内せよとのことであったが、春代は、「自動車に乗ると目まいがするから」と言って拒んだところ、さらに両係員は、春代のそばにいた良助(十三才)に案内を命じたが応じませんので、良助のそばにいた正助(八才)の手を引っぱって、拒むのも聞かず無理やりジープに乗せ、ナシ畑や山小屋を探し、その後麦畑に案内させたが、正子はいなかった。そこで両係員は七月四日に税務署に出頭せよと言い残して帰った。 詳しい報告が出ておりますから、少し中を省略して申し上げますが、今公判係属中で、弁護士もちゃんとおってまだ公判を係属しているのですが、その記録が全部ありますけれども、あまり繁雑になりますから省略いたします。今のどぶろくの問題は、この事実だろうと思います。斎藤正子さんは、農民組合の組合員でありますから、農民組合の支部が決議し、県連合会が決議して取り上げた問題を、たとい私は直接関係がなくとも、責任がありますから、これは私は当然やらなければならぬ問題であると思っておりました。  それから謝礼云々の問題がございましたが、農民組合員のために、農民組合の幹部が仕事をなす場合に、謝礼をもらうなんということはありません。あるいは弁護士が担当しておりますから、弁護士の費用を相談した等のことはあったかもしれませんが、私は全然関係はございません。  なお、けさの東京新聞に北陸電力の問題に関連して、何か私が政治資金を要求したというような記事が出ておりました。新聞記事でございますので、あるいはこういう問題を釈明するのはどうかと思いますが、先ほどの理事会で私は率直に話をさせてもらいたい、こういうことを申し上げましたので、御了解していただけると思いますが、この問題は理事会で申し合せができまして、私ども現地に行った関係もありまして、お前も入って四人委員会で一つ相談したらどうかという申し合せができたわけであります。しかし四人委員会の会合の全体をここで申し上げることは、不見識と思いますから申し上げませんが、政治資金の問題は、これは率直に申し上げますと、私は半ば冗談だったろうと理解したいのですが、私と同席しておりました田中彰治君とか、あるいは松岡松平さんは発言したかどうかわかりませんけれども、たまたま雑談の中に出たことでありまして、私は一ぺんも、そんなことは冗談でも言ったことはありません。なお北電の責任者と会う場合に、私一人で会ったことは一ぺんもございません。これは先ほどもお話を申し上げたら、田中彰治君も、自分も発言しておきたい、こういう話がございましたので、私からもはっきり申し上げておきます。  それから最後に、私が前の営林局長の水野君を、この問題のために呼んだということをいっておりますが、私は呼んだことは一ぺんもございません。ただ私は国会議員である限りは、これ  はアメリカのよさを学ぼうと思った点もありますが、陳情は丁寧に聞く心がまえを持っております。採用するかしないかは別ですが、陳情は、役人であれ、民間の人であれ、あるいは身分の低い人であれ、私はほんとうに丁寧に聞く努力を払っております。従って、水野君が出張、して私に打ち合せたいと言ってきた場合に、私は会見を拒否したことはありません。これは私の心がまえです。身分の低い人であろうが、身分の高い人であろうが、役人であろうが民間人であろうが、それはかまいません。自分は自分の良識をもって判断して、採用すべきものは採用します。あるいは採用すべからざるものは採用しません。これは国会議員をやつている以上は、私は一つの座右の銘といいますか、そういう心がまえでやっていきたいと思いますから、だから水野君は懇意でもありますし、来た場合には私はいつでも会っておりました。  それから、何か私がつけ届けをもらったようなことを言っておりますが、これは私全く心外です。心外という言葉よりも、私が今この国税の乱費を究明したりする立場にある限りは、より以上身辺を清潔にしようとする努力を払っております。これは私がどこまでやっていけるかどうかということは、皆様の御批判にまかせますが、しかしこの決算委員会で国税の乱費なり国税の行方を追及しておるという立場にある限りは、必要以上に自分の私生活なり自分の身辺の清潔さを、何とか守っていきたいと思っております。これは心がまえでありますから、別に皆様に押しつけはいたしませんが、先ほど私の同僚の中村委員からお話がございましたように、小委員会投書でも取り上げるということでありますから、どうぞ十分真相を究明してもらって、幸い山本委員長も、内容については責任を持つと言っておりますから、どうぞそういうふうに取り扱っていただきたいと思います。  なお速記を見ないと、全部は尽せませんので、速記を見た上でなお私が釈明すべき点があれば十分釈明したいと思います。全部これは農民組合の会議で決定したことを取り上げておるのであって、それがいけなかったら私責任を持ちます、これは大会の記録かちょうど一冊ありましたものですから、事実が全部明らかになりましたが、以上が大要一身上の弁明であります。
  24. 田中彰治

    田中(彰)委員 北陸電気の問題については、松岡松平君と委員長から僕にも中に入って話をしてやれというようなことを話しておった。これは別にまだこの話がきまったわけでもなければ、目下交渉中なのでありまして、電気会社と要求する地主との間ですから、なかなかこれは私はそう簡単にきまらないと思う。ただきょうの新聞を見て私がちょっと思ったのは、委員長のこういうことが誤解されたんじゃないかと思う。委員長が今度選挙があるから、僕は個人の資格で君の会社に行くよというような話を、重役か何か来たときに、私らの話し中に委員長が冗談か何か笑って話しておった。僕はこの個人の資格ということが誤解されたんじゃないかと思うのですが、われわれ松岡君、それから委員長、私の間に交渉されているのは途中のものであって、そういう金銭の授受とか政治献金とかいうことについては、われわれは相談に乗ったこともなければ、話したこともありません。その程度のものです。これは私の考えそのままです。ただちょっと委員長が最後の日に、今度は僕も君の方へ視察に行かないで、選挙があるから個人で行って君のところへ寄るよ、こう言ったのが誤解されたんだと思います。それだけ私は申し上げておきます。
  25. 山田長司

    山田委員長代理 この際暫時休憩して、理事会を開きます。    午後一時四十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕