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1956-07-14 第24回国会 衆議院 議院運営委員会 第63号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年七月十四日(土曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 椎熊 三郎君    理事 荒舩清十郎君 理事 園田  直君    理事 福永 健司君 理事 松岡 松平君    理事 井上 良二君 理事 野原  覺君       伊東 隆治君    内田 常雄君       草野一郎平君    濱地 文平君       平野 三郎君    坊  秀男君       松澤 雄藏君    山本 正一君       池田 禎治君    栗原 俊夫君       山本 幸一君    渡辺 惣藏君       岡田 春夫君  委員外出席者         議     長 益谷 秀次君         副  議  長 杉山元治郎君         内閣官房長官  根本龍太郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 七月十四日  委員荻野豊平君、菅太郎君、薩摩雄次君及び小  山亮君辞任につき、その補欠として草野一郎平  君、平野三郎君、伊東隆治君及び岡田春夫君が  議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  議員三木武吉君逝去につき弔詞贈呈の件  本院予備経費支出承認に関する件  沖縄議員団派遣に関する件  臨時国会召集要求に関連し、内閣官房長官に  質疑     —————————————
  2. 椎熊三郎

    椎熊委員長 これから議院運営委員会を開会いたします。  最初に御報告申し上げたいことがございます。去る七月十一日、社会党阿部五郎君外百五十二名、右の代表者淺沼稻次郎君から臨時国会召集要求書が出されました。その要求書を読んでみます。    臨時国会召集要求書  先の緊急諸案件審議の為七月下旬に臨時国会を召集するよう憲法第五十三条により要求する。      記  一、日ソ国交回復ならびにプライス報告に関する外交交渉経過方針  二、健康保険赤字対策  三、公務員給与改定に関する方策  四、その他緊急事項  こういう内容をもって要求されて参りましたので、議長は直ちに、即日これを内閣に送付いたしました。  右御報告申し上げます。  本日は、先般の理事会で、社会党から臨時国会開会要求の問題がありました。いつ国会を開くのかというようなことに対する政府意見、その他いろいろ政府要求される向きもありそうな状態でしたから、根本官房長官に御出席を願いました。この臨時国会開会要求について政府方針を説明していただきたいと思います。
  3. 根本龍太郎

    根本説明員 臨時国会を直ちに開くべしとの、成規手続をもって議長を通じて内閣に御連絡がございましたので、これを内閣において検討いたしました。政府も実は日ソ交渉全権を追加するという問題を研究中でございましたので、これがもし国会議員から選ばれるということになりますれば、これは当然国会承認を得なければならないことになりますので、その場合は、あるいは臨時国会を召集するようにいたしたいと思っておったのでありまするが、昨日閣議におきまして、外務大臣みずからが全権の引き受けをなさるという事態になりましたので、全権承認のために臨時国会を開くことは必要がなくなったのであります。社会党側の御要請もあることでございまするが、今直ちに政府といたしましては臨時国会を開く必要はない、こういう結論に達して参ったのでありますので、政府としては今直ちに臨時国会を開く手続をいたす考えは持っていない次第でございます。もとより成規手続をもって要請せられるということでございますので、適当な機会に、それに対する国会召集の点は考えなければならぬということは考えておる次第でございます。
  4. 椎熊三郎

    椎熊委員長 お聞きの通りですが、いかがですか。何か御意見がございましたら……。
  5. 池田禎治

    池田(禎)委員 適当な機会というばく然たる言葉ではなくて、たとえば、交渉するについても相手があることですから、その結果を待たなければならないことはいうまでもないのですが、交渉の終了後すみやかな機会に開くとか、あるいはまた、大体八月の下旬には開くとか、そういう見通しというか、政府考え方はいかがですか。
  6. 根本龍太郎

    根本説明員 ただいまのところ、日ソ交渉が再開されまして、どれだけの時間がかかるかということについても、実はめどがついておりません。実際にやってみなければわからぬことでもございます。なおまた、ただいまのところ、いつそれでは国会を開くべきかということについては、まだ結論に達していないのでございます。結論に達していないのでございまするから、今私から、いつごろかということについては、御質問に対して明確なお答えをすることは適当でないと思います。
  7. 野原覺

    野原委員 ただいま議運委員長から申されましたように、私どもの方としては、成規手続をもって臨時国会開会要求をしております。その要求書の中には、先ほどお読み上げになったように、三つ内容があります。第一は日ソ交渉の問題と、もう一つ沖縄の問題、すなわちプライス報告の問題それから二番目は、健康保険赤字を一体どういう対策をもってやるのか、これはこの前の国会で流れておりますから、この対策の問題はやはり重要ではないか、それから三番目は、人事院公務員に対する給与勧告の問題、これらの問題は、次の通常国会を待つまでもなく、すみやかに国会としては何らかの方針を出して処理する必要がある。はっきり筋道を通して私ども要求をしておるのであります。ただいまあなたの方から、臨時国会を開く必要がない、こういうにべもない御答弁で、社会党要求に対しては何らお触れになっておらない。あなたは政府代表者でございますから、一体この社会党要求というものはなっていないのかどうか、あなた方の見解をお聞きしたいのです。こういうことを議会で討議する必要もない。沖縄の問題のごときは、アメリカに対して国論を統一して当る必要があると私ども考えておるのですけれども、そういうことに対しても、全くこれは必要がないのだ、今の内閣だけで処理できるんだということならば、それでは、一体どういう方針で処理されようとお考えになっておるのか、はっきりお聞きしたいのです。私ども要求に対するあなたの見解を聞かなければならぬ。社会党要求が一体どういうわけでじゅうりんされていくのか、問題にされないのか、この点をはっきりお伺いしたい。
  8. 根本龍太郎

    根本説明員 日ソ交渉の問題につきましては、すでに前国会においてもこれは十分に論議をし、また今度重光外務大臣みずからが出馬されるに当りましても、方針とかそういうものの変化はないわけでございます。従って、先般の国会で申し上げたことが変っていない以上、この問題について、あらためて国会にその所信を表明しなければならないという段階ではないのじゃないかという見解でございます。  それから、プライス報告その他の沖縄の問題につきましては、現在閉会中でございますけれども委員会においてそれぞれこれを取り上げられまして、なおまた、これの視察とかなんとかについても、御承知通り御協議の上、それぞれ両方の党で善処の方法考えておられるというように仄聞しておりますので、そういう点をあわせまして、これは今どうしても直ちに臨時国会を開かなければならないという状態ではないのじゃないか、という考え方をいたしております。  それから健康保険赤字問題でございますが、これは御承知のように、前国会におきまして、われわれはこれをせめて継続審議に持っていく、あるいはこれをぜひ通過したいという方針でございましたが、残念ながら社会党の御反対によって成立を見ず、継続審議にもなっていないのでございます。この問題は、できるだけ現在の情勢としてやり得ることは手配をいたしていきたい、かように考えております。  それから人事院給与に関する勧告ということでございますが、これはいまだ勧告も出ておりません。そういう観点からいたしまして、現在このために臨時国会を開かなければならないという絶対的な状況にはなっていないのじゃないか。  こういう考え方をいたしまして、そのために、今直ちに臨時国会を開くことについては、政府としては同意いたしかねる、こういう見解を申し上げたいと思います。
  9. 野原覺

    野原委員 私は、その二つの点について意見を持っておりますけれども、あなたとここで討論するつもりはないから、重要な点について、もう一点だけお伺いしたい。それは沖縄問題ですが、御承知のように、あなたは新聞記者に対して談話を発表して、沖縄のこの四つ要求に対しては何としても政府としては解決しなくちゃならぬのだ。これはほんとうか、うそか知りません、ゼスチュアでなければけっこうだと思うが、そういう談話が、あなたとしても、外務大臣としても、選挙中に再三出されておる。一体今の政府は、国会を開かないで、アメリカに対して、沖縄のあの四つ要求解決できる自信がおありになるかどうか。あなた方の方で議会を開かぬという限り、この場でお尋ねする以外に手がないからお聞きしますが、あの四つ要求解決できるとの自信のもとに議会を開かないというのかどうか、これは明確に聞いておきたいと思います。
  10. 根本龍太郎

    根本説明員 沖縄住民の非常に熱心なあの要求は、ぜひ実現いたしたいと思いまして、政府はただいま、せっかくこのために、アリメカ側ともいろいろとあっせん、あるいは交渉をいたしておるわけでございまして、国会を開かなければ解決できないとか、できるとかという御質問でございますが、これに対してお答えすることは適当でないと思います。これは政府としては、できるだけこれを実現するべく、最善努力をしておるということだけ申し上げておきます。
  11. 山本幸一

    山本(幸)委員 今官房長官野原君の質問に対して、国会を開かなければ解決するとか、しないとかということについては、お答えしなくてもよろしいということでありますが、沖縄問題を処理するに当っては、政府もたびたび言われておるように、できるだけ沖縄島民要求をキャッチするように努力あっせんすると言われておるわけです。そういう沖縄島民要求をなるべく通してやりたいという気持であれば、僕は政府だけでなしに、やはり内地の八千何百万の国民が、ほんとうに統一した意見、統一した考え方でなければ、この問題を有利に片づけていくことはできないと思うのです。その場合一番大事なことは、国民代表する国会意思決定国会における論議、特に少数党意見を十分に聞いて国論を統一するという形を持たなければ、実際問題として効果がないわけです。そういう点、あなたは政府だけでやれば十分だというおつもりかどうか、もう一ぺん聞きたいと思います。
  12. 根本龍太郎

    根本説明員 もとより外交交渉は、その衝に当るのは政府でございますけれども、当然これは、全国民背景なくして成功を望むことは困難でございます。その建前においては同じでございますけれども、現在この問題が直ちに政府だけでやれるかどうかという質問に対しては、私はこれは国民的な背景のもとにやらなければならぬというお答えをする以外に、方法がなかろうと思います。しかしながら、この交渉も非常に大きな問題でございまして、今直ちに結論ができるかどうか、相当困難な問題だと思います。従いまして、政府最善努力をこれに傾注するということにいたしております。国会側においてもこの問題について取り上げられて、あるいは現地調査をするとか、いろいろな施策を講じておられるような状況でもあるとお開きしておりますので、この問題はやはり、今直ちに国会で決議をしてどうこうするという方法もありましょうけれども、もう少しく政府が中に立って折衝もし、この円満なる解決をはかるということが当面の問題ではないか、こう考えておる次第であります。
  13. 山本幸一

    山本(幸)委員 私は根本さんの今の点は、あなたにふさわしくない答弁だと思うのです。私はあなたのいつもの態度を信頼しておりますが、沖縄問題に関しては、野原君が主張したように、今度の臨時国会要求するについての三つの点、その中には健康保険赤字対策の問題、公務員給与ベースの問題もありましょうが、何といっても今度社会党臨時国会要求しておるのは沖縄問題、それから日ソ交渉の問題、この外交問題が中心です。その中でも特に緊急を要する問題は、やはり沖縄八十万島民の問題です。そこで政府が御努力を願っておることについて、とやかく言うのじゃない。また今後も御努力を願うことは間違いないと思うが、しかし問題は、やはりこれが今日までの経過政府からよく国会報告をする。そのことは国民に知らせることでもあり、同時に政府所信を明らかにして、今後どうするかということを明確にしなければならぬ。また国論を統一するためには、野党側も協力一致してこの問題の対策を立てなければならぬ。そのことが沖縄八十万島民にこたえることであり、同時にわれわれが全国民にこたえることであろうと思う。また場合によれば、この問題は、もっと大きな国際的な世論の喚起のところまでいかなければならないかもしれない。そのために国会は、まだ正式な決定はしておりませんが、衆議院においてはすでに現地派遣をしようという声まで出て、本日後刻それをきめることになろうと思いますけれども、そういうやさきに、この重要な問題を控えて、政府国会を開かなくても政府努力だけでできるというようなことは、それは沖縄島民に対して不親切じゃありませんか、もう一ぺんその点を明確にしておいてもらいたいと思う。
  14. 根本龍太郎

    根本説明員 先ほど申し上げた通りでございまして、政府は、せっかくこの打開のために努力をしておりますし、またこの問題については、与野党とも相協力して打開しようということでございますし、なおまた、これに対する政府所信も、すでに態度を明らかにして、当面の要望を実現するために最善努力をするというような状況でありまするので、麦とは、もっぱら実際的な、解決の具体的な折衝の方が問題ではないか、かように考えておりますので、現在のところ、今直ちにこの問題を主として臨時国会を開かねばならないという判断には、政府としてはなっていないのであります。
  15. 山本幸一

    山本(幸)委員 幾ら申しましても、結論は、御丁寧な言葉だけれども見解相違というお答えだと思う。  そこで、もう一つお尋ねしますが、私どもが常に主張しておるように、二大政党ほんとうの姿は、少数党意見を十分に聞くことだと思う。そうして、やはり少数党に対して、与党なり政府なりの所信をなるべく浸透させて、そこで国論を統一するというやり方が、一番よろしいじゃないかと思う。従って僕は、原則的に、二大政党対立の今日においては、特に少数党といえども、有力な野党社会党から、当面する重要な案件をテーマにして臨時国会要求した場合に、やはり政府は受けて立って、臨時国会を直ちに開くというやり方が、国会運営の上においても、また民主的な手続の上においても、一番正しいやり方だと思う。これに対して、あなた方の方としては、どうも都合が悪い——率直な言葉で言えば、おれの方が全権を選ぶについて、国会議員がたまたま選ばれるとすると、仕方がないから臨時国会を開くだけで、あとのことは都合が悪いから、なるべく臨時国会を開かぬでもよさそうだというふうな考え方のように私には見受けられる。ところが御承知のように、今度の日ソ交渉全権を選考するに当られて、あなたの方では、全く二元外交そのものの醜態を暴露して見えると思う。たとえば、きょうまでの全権の選任の方法について非常な紆余曲折があって、国民からは相当重要な関心を持たれておると思う。そこで私は、その経過から見ると、明らかに相手方に対して弱みを見せたと思う。全権の選考の仕方についても……。同時に、またもう一つの問題は、政府は、一々わが党の質問に対して、日ソ交渉に対する方針は御答弁なさって見えますけれども、その御答弁後から今日までの経過から見ても、実際問題は、答弁通りかどうかということが疑わしいと思う。私どもは、そういう点はやはり国会を開いて、もう一ぺん明らかにし、しかも全権がきまった上においては、さらに政府方針を再確認して明らかにする。そのことは、国論を統一して相手方折衝する条件じゃないかと思う。そういう点から、国会を開いてそういう手続をとられることが、政府としても一番いいじゃないかと思っておるが、その点はどうですか。
  16. 根本龍太郎

    根本説明員 先ほど申し上げた通りでございまして、外務大臣みずからが出馬されるということでございまして、しかも外務大臣は、総理とともに国会において、この問題について幾たびも明確なる答弁をいたしておる次第でございます。従いまして、全権がきまったから、そのために臨時国会を開いて、あらためてその方針を示すという必要は、現在喫緊の問題と政府としても考えておりません。
  17. 井上良二

    井上委員 根本さんに伺いますが、私も別の角度から臨時国会重要性があると思う。それは御存じの通り参議院選挙が終りまして、参議院の会派の構成及び議院構成が変ってきました。衆議院の場合は、総選挙の直後直ちに特別国会が召集されるということになるが、参議院の場合は、半数改選になっても、政府臨時国会を開かない限りは、次の通常国会まではそのままでおるわけです。これは全くおかしなことでございまして、参議院が三年に一ぺんの半数改選が行われて、国民の新しい意思というものが表明された今日、当然参議院運営その他についても、新しい構成がそこに考えられねばならぬこととなると思う。そういうわけでもありますし、同時に、今いろいろ議論されております日ソ交渉及び沖縄問題等は、やはり国民内部において相当批判のある問題でありまして、また政府及び政府与党内部においても、相当議論のあるところです。一体重光全権は、どちらの意向を代表して交渉をしようというのかということで、相当疑惑を持っておる。だから、この際、やはり全権が、国論代表し、国会意思を尊重して、国の将来の運命をかけて、この方針でいくのだということを明確にされて出かけられる方が、実際国のためにもいいじゃないか、国民全体も希望しておるところじゃないか。そう長い日にちを要しませんから、一つ参議院の新しい構成に対応するため、一つはそういう重要な外交問題に対する政府態度を明確にするということをこの際打ち出してやる必要がありますから、ぜひこれは、そうかたくならずに、かつまた成規手続要求されておりますので、当然次の通常国会までには、政府臨時国会を開かねばならぬ義務が生じておるのでありまして、その時期を早うやるか、おそうやるかだけの問題でございますし、また、この際特にやる必要があるということを野党及び世論要求しておりますから、そこらをもう一度御考慮に入れて御検討願いたい。参議院の新しい構成は、あのままでほっといてもいいとお考えになりますか。そんなことは衆議院が優先だから、政府は一向かまわぬという考え方ですか、それはどうですか。
  18. 根本龍太郎

    根本説明員 井上先生の御発言には、非常にりっぱな理由のあることだと思います。しかし、先ほどお答え申したのが政府見解でございますので、私がこれ以上それに対して付加することは、政府代表として申し上げることはできないと思いますから、御了承願います。
  19. 山本幸一

    山本(幸)委員 根本さん、今井上さんの言われたことは重大だと思う。私も申し上げようと思っておったが、参議院では、継続審議の問題がある。ところが半数改選で、新議員が当選してきましても、常任委員会成立ができない。早く言えば、参議院構成上の問題です。そこで継続審査に移すべき案件が、停滞状況になる。これは理屈じゃなく、現実の問題だと思います。そういう場合に、それを促進し、軌道に乗せる意味においても、やはり参議院構成をこの際しなければならぬと思う。私は、そういう点からいっても、臨時国会が必要だと思うが、どうですか。これは一つ腹を割ってやって下さい。これは困りますよ。常任委員構成ができないから、参議院継続審議の問題をどうしますか。  もう一つの問題は、それと関連して、衆議院沖縄に派遣すれば、参議院も出てくると思う。その場合も困るじゃないか。半数改選という関係で、やはりその議員を含めて相談しなければならぬと思う。そういう問題も関連しますが、まず第一点の構成上の問題については、現実の問題です。常任委員会をすぐ作らなければならぬ。継続審査案件があるから、これは重大だと思います。これはもっと赤裸々になって、座談するつもりで、こういう問題は研究していただかなければならぬと思う。どうですか、答弁余地はないですか。
  20. 根本龍太郎

    根本説明員 参議院構成の問題は、重要な問題とは思います。今お話のありましたように、問題は持っておりますけれども、しかし、これは議員であることは当然であります。従って代表を出すことについて、その人の中から選ぶということも、代表といいますか、もし派遣するという場合においても、この人を除外しなければならぬという理由はないと思います。各党派において、所属議員から出してくるとすれば、それはできると思います。継続審議の問題に関連しては、非常に重要なことだと思います。
  21. 山本幸一

    山本(幸)委員 もう一ぺん検討される余地はないですか。特に重要な問題ですから……。
  22. 根本龍太郎

    根本説明員 きのうの問題で、いろいろ検討しましたけれども、現在直ちに臨時国会を開く方針はきめていないのです。今直ちには開かない、適当な時期ということで話をしております。しかしながら、本日あらためてこの委員会において、特にそういう問題が取り上げられて政府に通達されれば、これを決定しなければならぬことになるかもしれません。
  23. 山本幸一

    山本(幸)委員 特に希望しておきますが、今申し上げたように、参議院構成上の問題は重大だと思う。それとも政府なり与党なりの方々が、そんな継続審議はどうでもいいのだ、しなくてもいいのだということなら別だが、おやりになるなら、この際やらなければならぬと思う。従って、これはやはり至急にきょうのわれわれの考え方を、決して無理なことを言っておるのでないから、もう一ぺんあなた方は御研究願って、直ちに回答できるようなことにしていただきたいと思います。
  24. 井上良二

    井上委員 山本君から詳しく申しておりますように、参議院としましては、選挙後でございますから、新しく当選された人がどの常任委員会にも入るわけにいかない。院の議決を要します。だから、かりに常任委員会を開こうとしても、開けない状態になっておる。現実に、衆議院のように閉会中に常任委員会を開くことができない。一切の参議院としての成規活動ができない状態になっておるわけであります。議員が当選しておるけれども、一体どの委員会に、またどの役職が振り当てられるかということは、全然今の議決がないからできない。そういう中途半端な状態で、ここ二カ月も三カ月も過ごして、十月か十一月かに臨時国会をやるつもりか知らぬけれども、それまで待てば、参議院としては全く開店休業で、政府の怠慢のために、国会としての活動ができないことになってしまう。だから、一応参議院の新しい構成議決する必要も起っておりますので、この際わずかな日時でいいですから開かれて、正式にやはり国会としての構成をとるようにお考え願いたい。そうしなければ、継続審査の問題だけでなく、参議院としての構成ができない。与党側でもぜひ御検討願いたいと思う。そうして月曜日までに返事が願えるように願いたい。
  25. 山本幸一

    山本(幸)委員 私の方から伺いに行ってもいい。
  26. 井上良二

    井上委員 正式にやはり議運を開いてもらおう。
  27. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは、この問題の締めくくりをしておきたいと思います。今回の社会党からの臨時国会召集要求の件は、成規に通告してございますが、憲法第五十三条の規定は、政府において義務を負わねばならぬ規定になっておる。ただ日限の制限がないわけでございます。要求しておる社会党側と、政府との間に大きな見解相違のある点は、政府はもし開くとすれば、全権派遣に対する議院の同意を得るということのみと考えておる次第でございます。しかるに社会党要求の中に、七月下旬において開けというやや具体的な日限の制限を付してあるのは、日ソ交渉再開前に、この問題に関する政府所信を聞きたいという点に重点があると思われるのであります。  もう一つは、その要求の中に入っておりませんけれども参議院構成に関して疑義があるという点もあるようです。本日のところ、政府はこの要求について、今直ちに臨時国会を開く意思はないということが明らかにされたのですが、さらに質問の結果、そういう点についての政府所信を聞きたいということですから、御研究の上、それではもう一度月曜日に議運を開く、そういうことでよろしゅうございますか。
  28. 園田直

    ○園田委員 ただいま官房長官に対しての質問の中に、新しい議員が選出をされて、これの常任委員決定ができないから、継続審議その他参議院としての活動が停止されておる、従って、これがために開けという要求でございますが、参議院規則第三十条には「委員の選任は、すべて議長の指名による。」こういうことになっております。参議院委員の指名は、本会議において議決する必要なく、議長から指名すれば委員の選任ができる。しかも、それによって委員会継続審議、その他の参議院としての活動は発揮できるものでありますから、その点は誤解のないように、官房長官は注意してお考えいただきたいと思う。
  29. 椎熊三郎

    椎熊委員長 こういう規則があるというあなた方の考え方、また全体としての参議院構成という考え方もあるので、一応あらためて会議を開いて、それまでに政府はすべてを研究して明確な答弁を与えていただきたい。それでは、社会党からの臨時国会要求の件は、当院としては議長から通告したということの報告で、ございますが、政府は本日出席して、今直ちに臨時国会を開く意思はないということが明らかになりました。なおその他の質問の件につきましては、研究の上、月曜日に御報告願う。そういうことで、この問題は決定しておきます。     —————————————
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次に、先般なくなりました議員三木武吉君に弔詞贈呈の件でございますが、緊急を要する問題でもありましたので、当時理事会を開きまして、議長の諮問に答えました。弔詞は、三木武吉君は満二十五カ年勤続に七カ月ほど足りないので、二十四年五カ月でございます。従って二十年在職の人とか、二十五年在職の人の場合の前例が文書等もあるのでございますが、いずれも該当しないので、適当な文書を事務局で考案していただきまして、理事会としても、これを承認いたしまして、議長が当日葬儀に参列して弔詞を呈しました。ただいま朗読します。  衆議院ハ多年憲政ノ為ニ尽瘁シ特ニ其ノ功労顕著ナル元自由民主党総裁代行委員議員正三位勲一等三木武吉君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス「特ニ其ノ功労顕著ナル」というようなところが、二十五年とやや違っております。御了承願えますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは追認していただきました。     —————————————
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員長 つきましては、前例等もございまして、弔慰金の問題、議員各位の香典の問題について、事務総長から申し上げます。
  33. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 ただいま委員長からお話のございました通り、三木さんが逝去なされましたにつきましては、弔慰金を予備金から歳費一カ年分、すなわち九十三万六千円を支出することを御承認願いたい。なお、前例によりまして、議員皆様からの醵出金は一人五百円といたしまして、これはすでにお供えいたしてございますが、来月分の歳費から会計課においてそれぞれ差し引くことを御了承願います。
  34. 椎熊三郎

    椎熊委員長 ただいまの事務総長の報告通り承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたしました。  三木武吉さんに関する件は以上でございます。     —————————————
  36. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次は、先般理事会でも御相談願いました沖縄の実情視察のために、外務、大蔵、内閣、法務、四つ委員会から委員派遣方の申請がございました。各委員会がおのおのそういうことをされる場合においては、全部認容するということになると、人数等も非常に多数になりますし、非常に重要な問題を扱うのですから、各委員会が個々に行くよりも、政党の方に人選を御一任して、それを認めるという形にした方が公平にいくのじゃないかということでございます。そこで自由民主党の方は、全体で五人くらいやっていただきたい。そうすると自由民主党三名、社会党二名、その人選を党にまかしてもらって、しかしながら派遣は本院派遣委員、そういうことにしたいと思います。その原則を認めていただけば、出発その他につきましては、人選ができた上で御相談いたしたい。
  37. 山本幸一

    山本(幸)委員 それは今委員長報告通り賛成です。ただ問題は、員数の関係ですが、この際与党から三名、野党から三名くらい出ることにしたらどうですか。やはりああいう問題は超党派の問題ですから、できるだけ多人数で行って調べてくる、こういうことにしたらどうですか。一ぺん研究を願えませんか。
  38. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員 それは山本さん、そうこだわってはおかしいじゃないですか。
  39. 山本幸一

    山本(幸)委員 いや、こだわるわけじゃない。むしろ私はそうやってもらった方がいいのではないかと思う。
  40. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そういうことは前例になるのだから……。
  41. 山本幸一

    山本(幸)委員 いや、前例にはしない、沖縄問題に限って……。
  42. 池田禎治

    池田(禎)委員 僕はそういうことではなくて、これはやはり四つ委員会からも出てくるのだから、もう少し超党派的な建前を生かしたらどうか。これはあなたの方としてはできないというのか、その点、考慮の余地があるのかどうか。
  43. 椎熊三郎

    椎熊委員長 五名にした点につきましては、先般の理事会でも、その内容について掘り下げた話し合いをしたはずなんですが、費用等の関係も多少あるようです。
  44. 池田禎治

    池田(禎)委員 そういうぎりぎりの線であるならば、私は別に固執はしません。
  45. 福永健司

    ○福永(健)委員 固執するんだったら、かえって君らが困る。
  46. 山本幸一

    山本(幸)委員 固執するわけではないが、沖縄島民は、この問題だけは理屈を言わずに、全国民あげて協力してもらいたいという気持があるのだから、やはりそういう形をとった方がいいと思ったのだ。しかし固執はしません。あなた方がいかぬとおっしゃるならば、私ども与党のおっしゃることは何でも聞きます。
  47. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員 五人なら超党派でないということですか。
  48. 山本幸一

    山本(幸)委員 いや、そういう今までの数の按分でいくのではなくて、私に言わしめれば、やはりこういう問題だけは超党派でやってもらった方がいいということなんです。
  49. 岡田春夫

    岡田委員 私、外務委員でありますので、この問題についていろいろ話を聞いておったのですが、今山本君からお話があったように超党派ということで、できるだけ出してもらいたいという沖縄からの希望もあるのです。しかし、この希望のように、ここでどうするというのではないが、どうせ行くのなら、そういう点をできるだけ含んで、超党派的な態勢がとれるようにしてもらいたい。そういう意味では、われわれとしては、自由民主党からも社会党からも行っていただくこともけっこうですが、それ以外の会派、すなわち小会派の方も入れていただく。これはだれを入れるかということは別問題ですよ。
  50. 椎熊三郎

    椎熊委員長 岡田君はこの間の理事会のときにいなかったから、内容をよく御存じないかもしれぬが、外国旅行だから、旅費等の関係で非常に困難な問題がある。それから行く人の当面の問題は、これは言うまでもなく超党派的ですよ。ただ、人選する場合においては、やはり政党がきちんとしておる以上は、そこに根拠を置かぬとやりにくい。それから今、山本君から発言もありましたが、ここで今日はっきりきめておかぬと、また五名が六名になるかもしれぬというような、あいまいなことできめておくと、人選もやりにくくなる。一応五名として三対二ということだけははっきりしておきたいと思います。
  51. 野原覺

    野原委員 そこで私、先ほどの委員長の発言は、自由民主党対社会党三対二、こういうことですが、これはもちろん衆議院だけの問題だと思うのですけれども、どうですか。
  52. 椎熊三郎

    椎熊委員長 これは衆議院代表ですから……。
  53. 岡田春夫

    岡田委員 先ほど私が申し上げたのは、今の委員長の御趣旨については別段異議があるわけではございません。問題は、むしろその割り振りの内容について、超党派的な態勢を持ち出していただくとすれば、どうやられるか。だから、もっと具体的に言うと、自民党には申しわけないけれども、自民党、社会党二、二として、小会派の方に一をぜひ一ついただけないか、そういうようにお願いしたいのですが……。
  54. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そういう御発言もお聞きおき願います。——それでは、今四つ委員会から請求が出ておりますけれども、それは別といたしまして、党から人選してもらって衆議院代表として送る、その数は三対二、合計五名、さよう決定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  56. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次に御相談申し上げたいのは、先般もいろいろ話が出ました国会法改正に関する各党の考え方、自由民主党の方からは一つ考え方があるそうです。それで本委員会といたしましては、理事の人がこの改正の委員になっております。各党の意見がほぼ出そろったら、その委員会決定して……。
  57. 福永健司

    ○福永(健)委員 国会法改正の問題は、次会でどうでしょう。
  58. 椎熊三郎

    椎熊委員長 国会法改正の扱いはそれでよろしいですね。現にここには改正の小委員会がありますから、各党から意見が出た上で、まとめることにして……。  それから、先刻来の根本官房長官に対するお話によって、月曜日議運を開きますか。
  59. 野原覺

    野原委員 月曜日開きましょう。
  60. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは月曜日議運を開きます。時間はどうですか、きょうと同じですか。
  61. 野原覺

    野原委員 けっこうです。
  62. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは午前十時半理事会、十一時議運
  63. 井上良二

    井上委員 けさの公報を見ますと、決算委員会委員派遣承認が出ておりますね。これはどうして一体同一地区にこんなに人をやらなければならぬか、その点について……。
  64. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 それは今委員部の方でそうやりまして、この間ここで一応閉会中のワクに入っているものはみんな入れるということになっておりましたが、ただ問題は、自分の選挙区には派遣しないということが一つと、それから今までの……。
  65. 井上良二

    井上委員 私の言うのは、委員会代表して行く場合には、そんなに大ぜいの人が、八人も同一地区へ行かなければならぬ必要はないのではないかというのです。
  66. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員 それは私もけさちょっと公報を見てきたのですが、実際はどうなっておるのですか。認可したのですか。
  67. 椎熊三郎

    椎熊委員長 認可したのでしょう。
  68. 井上良二

    井上委員 決算委員会なんか、相当集中する委員会だから、これはもう少し整理しなくちゃいかぬ。
  69. 椎熊三郎

    椎熊委員長 人数が多いことは今まで前例がない。
  70. 井上良二

    井上委員 許可したものはしようがないけれども……。
  71. 椎熊三郎

    椎熊委員長 この間じゅう理事会なんか開いておるのは、これは選挙で各党の意見を聴取しておるひまもなかったのだけれども、あまり便宜な方法をとらずに、一応相談してみた方がいいだろうと思いますね。これはもう公報に出たのだから仕方がないでしょう。佐久間ダムについては非常に重要な問題だが、各委員会ともみんな出かけるというのはどうでしょう。
  72. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員 僕も、八人というのには驚いた。
  73. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは本日御相談申し上げることはそれだけです。来週月曜日十一時から議運を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時五分散会      ————◇—————