○岡
委員 ただいまの
原子力発電についての
正力国務大臣並びに
佐々木原子力局長の御発言は、非常に重大な
内容を伴っておるわけであります。そこで、すでにしばしば申し上げましたように、アメリカにおける
原子力平和利用の影響に関する専門
委員会の、あのアメリカ上下両院に対する報告並びに勧告の中にもはっきりうたわれておることは
原子力発電については、いわゆる
計画の発表が、完成と取り違えられて流布される危険性がある。しかも、
研究計画の達成というものは、決して希望的な観測によって成就するものではないということを明確にうたっております。
——先進国でさえも、それくらいの周到な用意を公式に発表いたしておるのでありますから、この点は重々遺憾なきを期せられたいのであります。
それはさておきまして、今、船田長官も御出席でありますので、私は、
日本原子力研究所の敷地の問題は今、非常に世論が注目いたしておりまするので、この問題について
正力国務大臣並びに船田防衛庁長官、あわせて内閣官房の責任者の御出頭を求めて、責任ある御見解を承わりたいと思います。船田防衛庁長官にあえて申し上げたいのは、申し上げるまでもなく、
原子力の
研究開発は、
日本でも初めてのことであります。非常に大きな空白時代を残しまして、取り急ぎ
研究開発をしなければならないという必要に迫られていることは、申し上げるまでもありません。同時にまた、
原子力の
研究開発とその利用というものは、すでに御所管の軍事面においても、従来の作戦というものを根本的に変革しつつあることは御存じの
通りであります。
日本が
原子力の平和利用を達成しようという
努力は、これまたおそらく
日本における産業構造に根本的な改革を起すのではなかろうかという
考え方をわれわれは持っているわけであります。そういうことでありますから、なおさらのこと、初めて出発する
日本原子力研究所なり、あるいは
燃料公社なり、あるいはまたすでに一月一日に発足いたしました
原子力委員会等の権能については、われわれは重大な関心を注ぎ、同時にまた、その
運営については国会としても万遺憾なきを期したい、このような念願を持っているわけであります。特に
日本原子力研究所につきましては、他の
一般的な
研究所と違いまして、取り扱うもの、またそこで営む
研究等が、
原子力という特殊なものでありまするだけに、これについて周到な顧慮をし、科学的な
検討の結果として、その敷地は最適の条件のものを選ばれたい、このようにわれわれは念願いたしておったわけであります。そこで一昨日も同僚の志村
委員から防衛庁長官にお尋ねいたしましたが、今、話題に上っておりますのは、神奈川県の横須賀の武山でありますが、武山について、防衛庁長官は、志村
委員の
質問に対して、このようにお答えになっておられます。「武山は旧海兵団があったところで、自衛隊の水陸両用部隊を設けるには最も適当なところである。私個人の
考えでは、
原子力研究所は人家の少ない山の中にでも設けるのが適当だと思う。防衛
態勢整備のためにも、防衛庁としては武山を希望している。」こういうふうに新聞は伝えているのであります。このように御
答弁になったのでございましょうか。