○岡
委員 アメリカの原子力のように、いわゆるビジネスに対する
研究委託でもって、
研究費の多くを食われるようになってしまっては困るのですが、いずれにいたしましても、現在、日立、旭硝子等、相当
原子力関係の
研究所を持っておるのでありますが、こういう民間の大経営の
研究所の、
研究の
内容はちっとも必要でありませんが、民間の大経営が出しておる
研究費、また
研究所の所員の処遇などをぜひ
一つ資料として、できるものだけ私どもにお示しを願いたい。この間も
予算委員会で、一人当り
研究費、国は四十八万円、民間は七十七万円というように、処遇なり
研究費において非常に気の毒な状態に国の諸君がおられるということを発表せられましたので、そういうことでは、せっかくの
科学技術庁を設けても、なかなか所期の成果があがらないと思われます。この点ぜひ
一つお願いしたいと思います。
それから、それに関連して、先ほど
齋藤政務次官が仰せられましたが、
大学については、
研究の自由を尊ぶという立場から、一応切り離そうというお
考えのようでありました。それも、方向としては確かにそうあるべきだと思いまするが、ただここでお聞違いいただきたくないのは、
大学の
研究の自由というものが、果してあるかということなのです。どんなテーマでも
研究できる自由はあります。しかし、
大学の
研究室というものは、
——私も郷上へ帰れば
大学の
研究生ですが、これはもう試薬も実験動物も自分の費用で買わなければならぬ。戦前はそうではなかったのです。こういうことでは、
大学の
研究の自由と幾ら思っておられましても、
予算の制約、
研究生の生活上の制約から、
研究ができない。だから学位をもらえば、その学位をみんなよりよき俸給をもらうための足がかりとしてしまう。学位をもらってやっと本格的な
研究を始めてもらいたい人が、全部生活に追われて、それを肩書きにして、自分を売ってしまうというのです。だから、
大学における
研究の自由を尊重するということは、単にどんなテーマでも
研究生は
研究すればいいというものではない。同時に、
研究し得る経済的な物質的な条件をそろえてやらなければならぬ。でなければ、
大学における
研究の自由というものはない。ここにやはり
科学技術庁としては大な関心を持っていただかなければならぬということが
一つ。いま
一つは、現在の
大学の
研究室というものは、私は非常に規模が小さいと思う。中には大きなものもありますけれども、しかし各教授ごとに十名かあるいはそれ以上の
研究生がおるという、ただそれだけの
研究室です。
科学技術庁を設けて特にその
応用面を中心とする
科学技術の
振興をはかろうとしても、
日本の
大学研究における
基礎研究というものが今のような姿では、ほんとうに
日本の総合された
科学技術の
発展というものは期せられないというのが実情なんです。そういう
意味で、
科学技術行政、
科学技術施設の総合ということをしばしば仰せられましたが、この問題は、当然やはり
科学技術の
基礎研究をやっておる
大学の
研究室というものと共同
研究にする、またはこれに対する
研究の施設、設備、資金等に対してもっとこれを供与する努力をする、こういう点について、文部当局に御出席願って、私ども聞きたいと思っておるのですが、しかし
資料として、今、
日本の
大学にどれだけの
研究室があるか、平均どれだけの
研究員がおるか、そうして農業とか工業とか、まあ農業はようございましょうが、医学、工業面の別学の中でも、いろいろ実用面もありましょうし、そういう科目別な
研究室の構成、数、こういうものを伺いたい。これは
文部省の方に御連結いただきたいと思いますが、それをひっさげて、
文部省の該当者に
一つ出ていただいて、この面も今後、
委員会の問題として私ども
研究いたしたい。
それから国際的な
交流という点について、最後にお尋ねしておきたいと思います。先般来、ここ数年各国と文化協定を結んでおります。そうして学者の交換等もやっておるようであります。このことは、外務省が外国と交渉をする窓口かもしれないが、しかし、事実上、これは
科学技術庁の直大な
所管事務としてもいいじゃないかと私は思うのです。そして、もっと先進国のすぐれた
科学技術を導入することは、もちろん私はしなければならぬと思います。そういう点で、これもまた後刻の
委員会でいろいろ御見解をお聞きしたいし、私ども希望を申し上げたいと思いますので、現在
日本が
科学者の交換をし得る国々の名前、それから現在各国に派遣されておる
日本の
科学者のその国別、それから担当
専門家名、人数というようなものの分類表、一覧表とでもいったようなものを御
提出を願いたいし、同時にあわせて、このような
科学技術の国際的な
交流に関して、正力
委員長はいかなる構想をお持ちであるか。よくあなたにものをお尋ねすると、やらにゃなりません、やりますと言われる。これでは困るので、具体的なものがあったらお示しを願いたい。