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1956-03-06 第24回国会 衆議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月六日(火曜日)    午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 松山 義雄君    理事 今松 治郎君 理事 山本 友一君    理事 青野 武一君 理事 中居英太郎君       伊藤 郷一君    岡崎 英城君       關谷 勝利君    中嶋 太郎君       堀内 一雄君    松田 鐵蔵君       眞鍋 儀十君  早稻田柳右エ門君       井岡 大治君    下平 正一君       正木  清君  出席政府委員         運輸政務次官  伊能繁次郎君         運 輸 技 官         (船舶局長)  山下 正雄君         運輸事務官         (船員局長)  安西 正道君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君  委員外出席者         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 三月二日  委員有田喜一君、伊藤郷一君、佐伯宗義君及び  生田宏一辞任につき、その補欠として辻政信  君、田中正巳君、櫻内義雄君及び首藤新八君が  議長指名委員選任された。 同日  委員首藤新八辞任につき、その補欠として生  田宏一君が議長指名委員選任された。 同月三日  委員今松治郎君、櫻内義雄君、田中正巳君及び  辻政信辞任につき、その補欠として松本俊一  君、佐伯宗義君、池田勇人君及び有田喜一君が  議長指名委員選任された。 同日  委員池田勇人辞任につき、その補欠として伊  藤郷一君が議長指名委員選任された。 同月五日  委員松本俊一辞任につき、その補欠として今  松治郎君が議長指名委員選任された。 同月六日  委員小澤佐重喜辞任につき、その補欠として  堀内一雄君が議長指名委員選任された。 同月六日  理事今松治郎君同月三日委員辞任につき、その  補欠として同君が理事に当選した。     ――――――――――――― 三月一日  臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八九号) 同月五日  鉄道抵当法の一部を改正する法律案内閣提出  第一六号)(参議院送付) 同月一日  長岡市に国立測候所設置請願大野市郎君紹  介)(第一〇六二号)  自動車損害賠償保障法の一部改正に関する請願  (保利茂紹介)(第一〇六三号)  同(丹羽兵助紹介)(第一〇八九号)  同(伊藤郷一君紹介)(第一一四三号)  道路運送法の一部改正に関する請願外一件(矢  尾喜三郎紹介)(第一〇六四号)  同(早川崇紹介)(第一〇九〇号)  同(纐纈彌三君紹介)(第一〇九一号)  同(徳安實藏紹介)(第一一四四号)  同(古井喜實紹介)(第一一四五号)  同(原捨思君紹介)(第一一四六号)  同外三件(青野武一紹介)(第一一四七号)  同(井堀繁雄紹介)(第一一四八号)  同(竹谷源太郎紹介)(第一一四九号)  東北海域救難用飛行機常備等に関する請願(  愛知揆一君紹介)(第一〇九二号)  同(田中利勝紹介)(第一一五〇号)  東北地方港湾修築工事に対する国庫負担率引  上げ等請願愛知揆一君紹介)(第一〇九三  号)  同(田中利勝紹介)(第一一五一号)  新潟飛行場民間航空開設に関する請願(亘四  郎君外一名紹介)(第一一五二号) の審査を本委員会に付託された。 同月二日  新宿駅のターミナル・デパート化反対に関する  陳情書  (第二二五号)  山陰本線及び舞鶴線の電化に関する陳情書  (第二六一号)  下関、山口両駅間等気動車運転陳情書  (第二九六号)  長崎駅改築に関する陳情書  (第二九七号)  長崎線複線化に関する陳情書  (第二九八号)  長崎、壱岐、対馬航路に対する国庫補助復活に  関する陳情書(第二  九九号)  下関鉄道管理局設置に関する陳情書  (第三〇〇号)  大村空港整備促進に関する陳情書  (第三〇一号)  離島航路用船舶建造促進に関する陳情書  (第三〇二号)  西海橋県営自動車運転免許に関する陳情書  (第三〇三号)  阪神国際室港開設に関する陳情書  (第三二四号)  関門トンネル通過による貨物運賃改訂に関する  陳情書(第三二  五号)  諌早、長崎間の鉄道敷設に関する陳情書  (第三二七号)  長崎、門司間の夜行列車に寝台車連結陳情書  (第三二八号)  西海、雲仙両国立公園間にデイゼルカー運転の  陳情書(第三二九  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第八〇号)(予)  臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八九号)     ―――――――――――――
  2. 松山義雄

    松山委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  最初にお諮りをいたします。理事でありました今松治郎君が、去る三日委員辞任されておりますので、理事が一名欠員になっております。この際理事補欠選任を行わなければなりませんが、その選任委員長に御一任いただきたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松山義雄

    松山委員長 それでは今松治郎君を理事指名いたします。  なおこの際お諮りいたしておきますが、委員辞任に伴う小委員補欠選任につきましては、委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松山義雄

    松山委員長 それではさように取り計らいます。     —————————————
  5. 松山義雄

    松山委員長 これより去る一日付託されました臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案内閣提出)の提案理由説明を聴取いたします。伊能政務次官
  6. 伊能繁次郎

    伊能政府委員 本日は大臣がよんどころない公務のために、午前中こちらに参上いたすことができませんので、私がかわりまして提案理由を御説明申し上げることをお許しいただきたいと存じます。  ただいまから、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。現行臨時船舶建造調整法は、戦後のわが国商船隊再建のため船舶建造について調整を行う必要上制定されたものであります。本法有効期間昭和三十二年三月三十一日までとなっておりますが、さきに政府が樹立いたしました経済自立五カ年計画に基く計画造船の円滑な遂行をはかるため、現行法有効期間昭和三十六年三月三十一日まで延長したいというのがこの法律案提出いたすゆえんであります。  戦後わが国商船隊再建につきましては、臨時船舶管理法によりまして建造許可制度が行われておりましたが、同法は昭和二十八年四月二十八日限りその効力を失いましたので、これにかわるものとして同年八月一日、現行臨時船舶建造調整法が公布せられ、今日に至った次第であります。ひるがえって本法制定理由考えてみまするに、戦争によって崩壊したわが国商船隊の急速なる再建整備は、わが国経済自立達成のため欠くべからざる要件でありますので、政府といたしましては、船舶建造のため財政資金の投入、市中資金のあっせん、利子補給及び損失補償制度確立等の方途を講じているわけでありますが、その船舶建造につきましては、真に国民経済の要請に適合するよう、種々の観点より検討の上調整し得る権能を留保することが必要と考えられるのであります。これはまた貴重な資金の有効かつ合理的使用という見地から申しましても、日本開発銀行を初め金融機関建造融資に対する政府の助言と協力の体制として、十分有効な機能を発揮しているものと考えられます。  さて、政府が新船の建造につきどのような判断を加えるかと申しますと、緊急に整備を要しまする航路制定とか、当該航路におきましての適正な船腹量の決定とか、商船隊再建の方向とか、あるいは海運業なり造船業なりに対する一般的な政策面考慮等でありますが、このような判断による必要な調整によりまして、商船隊再建整備の円滑な遂行が得られるものと考えるのであります。右のごとき本法制定事情より見まして、本法有効期間経済自立五カ年計画の終期でありまする昭和三十六年三月三十一日まで延長することが、最も妥当かつ必要と考えられるのであります。ことに最近の世界的な船舶建造意欲の高揚に伴い、わが国造船所における輸出受注は飛躍的に増加し、このため国内船舶建造余力は漸次縮小しつつありまして、このままに推移いたしますると、経済自立五カ年計画による船腹拡充計画の円滑なる遂行にも支障を生ずるおそれもなしとしない情勢であります。このような事情を勘案いたしますと、現行法有効期間の延長は、わが国際海運のためにぜひとも必要といわなければなりません。  以上もちまして提案理由説明を終りたいと存じますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申上げます。
  7. 松山義雄

    松山委員長 本案に対する質疑次会に行うことにいたします。     —————————————
  8. 松山義雄

    松山委員長 続いて道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。正木清君。
  9. 正木清

    正木委員 ただいま議題となった道路運送車両法の一部を改正する案件について、二、三の質問を行いたいと思います。当局お尋ねをいたしたいと思いますことは、この原案が通過いたしますと、一体年間どれくらいの増収になるのか、その金額をお示し願いたいと思います。
  10. 山内公猷

    山内政府委員 概算をいたしまして、来年度におきましては約八千万円増収になる予定になっております。
  11. 正木清

    正木委員 たとえば二百円を三百円とし、自動車検査証の再交付を受ける者から一件五十円を新しくとって、全体として年間八千万円の収入増となる、こう心得てよろしいのですか。
  12. 山内公猷

    山内政府委員 お話の通りでありまして、全部で約八千万円の増収になります。
  13. 正木清

    正木委員 国の予算全体から見て八千万円という金額は、これは話にならないほど僅少な額でございますが、この僅少な額にもかかわらず、この二百円を三百円と改め、検査証の再交付を受ける者から新しく一件五十円を徴収する、こういう法案国会に出す限りにおいては、何か大きな理由があるように考えられますが、もし何か大きな理由があるとすれば、この機会にあらためて聞いておきたいと思います。
  14. 山内公猷

    山内政府委員 こういう手数料といいますものは、いわゆる行政上の手数料でございまして、これをどのくらいにするかといいますことは、もとより国でございますから、これによって利益を上げようということではないのでありまして、その原価計算におきましてはどうしなければならないという強い理由はないわけでありますが、大体におきまして原価をまかなうに足る程度手数料ということが一応の基準になっております。この点に関しましては大臣から提案理由説明の際にも御説明申し上げたように、最近自動車の構造が非常に複雑化したことと、大型になりましたことで、従来のような手数料よりも原価的にある程度手間がかかってくるという理由で、御質問のように、非常に大きなねらいはないのでございまして、運輸当局といたしましては、こういうものは安い方が、業界のためあるいは一般自動車を利用される方々のためには、よいと考えておるのでございますが、ある程度原価をまかなわなければならないという全般的な、財政的な見地に立ちまして、この値上げをお願い申し上げている次第でございます。
  15. 正木清

    正木委員 そこでお尋ねをしたいと思いますが、法案内容内容でございますから、さして業界にも問題はないと私は想像いたしておりますが、この法律案提出いたします過程において、当局としては業界等意見をそれとなく徴したことがあるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。   〔委員長退席山本(友)委員長代   理着席
  16. 山内公猷

    山内政府委員 その点におきましては、各業界に一応われわれの方の考えておる案を示しまして、完全なる了解であるかどうかはわかりませんが、反対のないという程度了解を得ております。
  17. 正木清

    正木委員 私もそれとなく業界諸君に電話連絡して意見を徴してみたのですが、あらたまっての反対は私の聞いた範囲内においてはないようでございます。  そこでお尋ねしたいのですが、この自動車検査証の再交付の点ですが、一年に紛失をして再交付を受ける件数はどれくらいあるか、もし数字がまとまっておればここで御発表願いたい。
  18. 山内公猷

    山内政府委員 約六万件でございます。
  19. 正木清

    正木委員 自動車検査証というものは、自家用を運転する者にとっても、それを営業として運転する者にとっても、非常に大切なものですが、それを紛失して、あらためて再交付を受けなければならないのだ、こういうことですが、一般国民から見れば、なるほど安いほどけっこうなことはと思いますが、常に責任がものの土台となっておらなければならない仕事の性質から見て、検査証を紛失した者に再交付する場合に、五十円という非常に安い規定を打ち出した何か根拠があるのですか。常識的にちょっと考えますと、検査証というものは非常に大切なものです。そうでしょう。それを紛失するというその行為自体に、私としてはいろいろ考えさせられる点があるのです。むしろこれなどは逆に相当その一件について料金を取っても差しつかえないようにすら考えられるのですが、ことさらに五十円とこう安くした理由があれば、この際承わっておきたいと思います。
  20. 山内公猷

    山内政府委員 正木先生の言われるように、そういう場合には罰則的に高いものを、経済的なことを考えないで、罰則的な料金ということも考えられるわけでございますが、現行におきましては全然無料で再交付をしておる制度になっております。それで今度新たに五十円という再交付料制定をいたしたわけでございますが、今言いましたようにこれは陸運事務所で非常に多く発行しておるわけでございまして、その場合に手数を計算いたしましたところ、約五十円という数字が出ましたので、現在ただで出しておるのに、急に高い料金を取るということもいかがかと考えまして、一応経済的な原価計算を基礎に考えまして、五十円という数字を出しておるわけでございます。
  21. 正木清

    正木委員 そこで私のお伺いしたいのは、こうした行政に直接携わっておるのは陸運局並びに陸運事務所でございます。運輸省の従来の陸運局並びに陸運事務所に対する行政上の取扱い方は、政務次官はみずから運輸省事務次官を務められた大先輩ですからよく御存じであろうと思うのですが、同じ運輸省の中の役所の一つとして、大きな陸運行政に携わっておるこの陸運事務所等に対する職員定員配置状況予算配分状況というものは非常に悪いのです。このことは、私は当委員会でしばしば具体的な事例をあげて詰問的な質問をいたしておりますから、本日は省略いたしますけれども、今の陸運事務所は御承知のように二月一日から自動車損害賠償保障法というものが施行されて、窓口事務というものが非常に増加したにかかわらず、案の定ことしの定員配置予算配分も、この事務増加率とは逆に何ら見るべきものがない。若干ふえておるではないかという御指摘があるかもしれませんが、仕事の量と比較すると、依然として陸運事務所陸運局というものは、運輸省の中でまま子扱いをされておるというのが間違いのない現実ではないか。こういうことに対して一体運輸省当局はどう考えておるのか。一体このようなことでいいのかどうか。おとなしくしておるところの局なり事務所は、依然としてまま子扱いをされておる。予算も満足にいかない、旅費も満足にいかない、こういうことでいいのかどうか。仕事の量の上から見ると——東京事務所なんかは病気欠勤者が非常に多いです。これは数字が一切を証明しておりますから、ここで多くを語る必要はないと思いますが、こういう点についてどうお考えになっておるか。この際私はこの点だけはお伺いしておかなくてはならぬと思います。
  22. 山内公猷

    山内政府委員 この登録車検というものの私の方の要員は、一般管理事務ではないのでございまして、一応われわれは現場要員に近い仕事をしておると考えておるわけでございます。御承知通り陸運局定員は、昭和二十四年以来年々の整理によって減ってきております。ただ運輸当局といたしましては、そういう現場要員に近い仕事をいたしておりますために、検査登録要員減員につきましては、ほかの一般行政事務に携わっております職員と、減員の仕方は同様には考えていなかったわけでございます。しかし自動車増加に伴いまして、そういう要員が非常に必要であるにもかかわらず、たくさん減らなかったというだけでございまして、御指摘のような勤務の過重という面も相当現われてきております。ただわれわれといたしましては、その場合に、特に車検の問題でございますが、人手を減らして機械化による作業合理化という面、これはそう大きなものではございませんが、ある程度そういう点に考慮を置きまして、その定員の不足を補って参ったわけでございます。しかしその面にも限度がありまして、三十年度におきましてこの点については十分大蔵財政当局にも御理解を得まして、われわれの方の仕事といたしましては非常に画期的とも申せないかもしれませんが、三十六名の増員を得ました。それから三十一年度におきましてもそういう事由で三十六名の増員予算に盛り込んでもらっております。ただいま御指摘のありました庁費旅費の点につきましても、これは単に陸運というだけでなくて、運輸省全体において、各省に比べて非常に少いという現実数字的に示しまして、その点におきましては、来年度相当多くの庁費旅費を入れてもらったわけでございます。大体陸運関係のこの自動車車検登録関係におきましては、三十年度の予算に比べまして、庁費におきまして約四割くらいふえておる予算をつけてもらったわけでございます。それでもまだ三十一年度で十分であるとは考えておりませんので、われわれといたしましては、三十二年度、三十三年度続けまして、この自動車増加の趨勢に対応するような要員をつけてもらいたいという強い希望を持ちますとともに、またその面に万全の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  23. 正木清

    正木委員 ただいまの答弁でございますが、万全の努力をされることはまことにけっこうですが、現実の問題としては、作業量と実際の定員及び予算が伴っておらないというのが現状であることだけは、あなた方も認めざるを得ないと思うのです。私は多くをここで申し上げたくはありませんが、それとなく私の耳に入ってくるところでは、万やむを得ず全国各地の主要な都市の陸運事務所業界から常置職員を派遣して、事務の一端をお手伝いをしているといううわさすら立っているのです。もしさようなうわさが立っただけでも、私は特に業界密接不可分関係を持ち、とかくのうわさなども出がちな陸運局及び陸運事務所行政としては、ほめたことではないと思います。なぜそういううわさが立っているのか。ひっきょうするに、作業量と実際の定員が足りない。それから全体の予算が足りないという、ここに大きな欠陥があるのだということだけは、政務次官、あなたは大先輩だから、よく頭の中に入れて、一度東京陸運事務所を御視察願いたい。そうすると、私が長年こうあってはいけないと思って主張してきたことが、一度におわかりになっていただけると思います。どうかそういう点を十分お考えになって、この法律案施行と同時に、やはり大蔵省に向っても強硬に要求すべき点は要求して、少くともこうした自動車行政をあずかる陸運事所なり陸運局が、世間からとかくの非難を受けないような措置をとられることこそが、運輸省上層部におられるあなた方の責任ではないか。実際にできないことを押しつけておって、わずかの欠陥をとらえて世間から非難を受け、りっぱな行政官を一人犠牲にするというようなことは、決してほめたことではないと思う。やはりすべきことはきちんとやって、監督を厳重にして、国民非難を受けないような措置をとられることこそが、行政事務として一番考えなければならぬ点であると思いますので、これだけを申し上げて、私の質問を打ち切ります。
  24. 山本友一

  25. 青野武一

    青野委員 自動車局長に、正木君の御質問に関連してちょっと申し上げてみたいと思います。全国のそれぞれの団体からいろいろ陳情書も参っておりますが、私も現実に体験しておる者の一人でありますが、今全国的に自家用トラックとか三輪車が、忙しいときはそうではないが、忙しくなくなりますと、営業用トラックとか三輪車あたりと目に余る競争を行なっている。片一方は自家用です。そうすると、一カ月二十四、五日も遊ばせておくのはもったいないという気持はわかります。しかし営業用として認可を受けておるわけではない。自家用として持っておる車を幾らか、たとえば二割とか三割安くして営業用に流用していく。それがために当事者間で非常に摩擦を起しておる。そういった傾向が局部的にもありますが、全国的に非常に強くなっておる。こういう点について取締り当局たる自動車局としてどのような取締りをなされておるか。これで営業用トラックとか三輪車を持っておられる諸君は、今非常に困っておると私は聞いておるのですが、こういう点について、たとえばその記号、番号を取り上げるとか、自家用の車の取り消しをやるといったような方法もありましょうが、さしあたりそういうような違反行為を起して摩擦を引き起してくる責任者に対して、どういう形で罰則が行われるのか、あるいは取締りが行われておるのかということをお伺いしたいと思います。
  26. 山内公猷

    山内政府委員 御指摘の点は、いわゆる貨物輸送交通秩序が乱れつつあるのではないかという点でございますが、その問題につきましては、自動車当局といたしましても常々心がけておるところでございまして、従前どういう措置をとったかということを簡単に御説明申し上げますと、昭和二十四年四月には貨物自動車輸送秩序確立方策というものを策定いたしております。それから二十九年八月には貨物自動車輸送秩序確立について陸運局長に通達を発しまして、この問題につきまして各地方現地当局の格別の努力を要請いたしております。さらに本年の五月には道路運送法施行規則の一部を改正いたしまして、自家用トラック届出事項及び車体の表示事項拡充をはかるというふうに、行政面におきましてはいろいろそういう措置をとっております。しかし今御指摘のありましたようないわゆるやみ輸送というものが跡を断たないわけでございまして、その根源がどこにあるかということをいろいろ探求いたしたわけでございますが、結局現在の道路運送法におきましては、有償で人または物を送る事業対象にいたしております。この「有償で」ということは、法の体系といたしましては、みな悪いことをしないでそういうやみ輸送がないということを前提としておるわけでございまして、最近たとえば無償をカムフラージュした有償運送が相当行われておるという事実もありますので、今般道路運送法の一部改正国会の御審議を仰ぐように今準備しておりまして、近く提案をいたしたいと思っておりますが、それでは有償という言葉を除きまして、無償のものを一応その対象にする予定にいたしております。これは現在通運事業法におきましては「営利を目的とするとしないとを問わず」とありますし、海上運送法におきましても、有償無償の区別をいたしておりません。と申しますことは、こういう事業法規におきましては、有償無償というものを区別しない方が、取締りの段階としてはスムーズにいくという考えのもとに作られたものであろうと思っております。道路運送法におきましても、昭和二十六年までは有償無償を区別しておりませんでした。二十六年の改正の場合に、今言いましたように無償事業をやるものはないであろうという考えから、「有償で」という言葉を入れたわけでございますが、いろいろその後の実施の状態を見まして、今般またもとに戻して、そういうふうな改正をお願いするようになっております。法律的にはそういうことでございますが、われわれといたしましては、この場合にも善意の第三者を罰しようという気持は一つもありません。無償ということで有償をカムフラージュしてやる、いわゆるやみ業者と申しますか、そういう悪い人はどうしてもこの交通秩序を乱しますので、そういうことのないように、今後もこの行政措置をいたしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  27. 青野武一

    青野委員 自動車局としてそういう案のあることを承わりまして、私も非常に納得したのでありますが、御承知通り自動車損害賠償保障法によりましても、保険金をかけてないときには結局自動車営業を許可しない、こういうようにはっきりした明文があるのであります。たとえば、今はありませんが、われわれの若いときには、銀座あたりには一流の商店の前に毎晩のように夜店が出る。そうしてわずかばかりの借賃であの目抜きの場所の道路に、いろいろな玩具類だとか、水道器具だとか、あるいは本だとかを出しているが、一方では一年間に莫大な税金を払っている。たとえば借家の場合には一ヵ月に何十万円かの家賃を出す。そうして高い土地、建物をもってやっていても、税金が非常に大きい負担になる。そういうまん前に、夜からではあるが、店を出して自由に売っている。私どもの若いときであるけれども、こういうことは見た目にあまりに差別がはなはだしい。やはり運送業にしても、営業用でやっておる人は、それに基いて帳簿も整理して、税金を出すし、それからやはり人間を使っておればそれに対する労賃も払っていくというようにやっておって、片一方は自家用で、そうしてひまなときに出かせぎをやる。表向きは親戚の品物をちょっと輸送している。いわば親戚の関係から無償でありますから——実際はそうでないのですけれども、そういうことを突き合してみると、不公平はどこまでいっても不公平だ。そういう点を何らかの形ではっきり処罰して、自家用の車は動かせないなら動かせないようにしていく。そうして営業用との均衡をはっきりとっていかないと交通事業が非常に混乱していくということは、私は将来もそういうことが続くと思いますので、今局長のお話を聞きましてある程度納得がいきましたが、こういう点について一つはっきりとした点を見つけ出して、そうしてそこをはっきりして、そういうようなやみ輸送のできないようにすべきであると思いますから、一つ善処方を特にお願い申し上げておきます。
  28. 山本友一

    山本(友)委員長代理 この際御報告を申し上げます。さきに地方税法の一部を改正する法律案を審査いたしております地方行政委員会に、連合審査会の開会を申し入れた次第でありますが、地方行政委員長より、明七日午前十時三十分に開会いたしたい旨申し出がありましたので、さよう御了承願いまして、進んで御出席をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十四分散会