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政府委員(
緒方信一君) 第一の
愛知の
学区制の問題でございますが、きのうの御
質問に対しまして、私現在の
教育委員会法にきめられております
通学区域の
制度は、私としてはこの際
改正する
意思はありません。そういう
気特はない、こういう
お答えをいたしておきました。
愛知県の
学区の問題は今お述べになりました
ように従来はいわゆる小
学区制でございました。それを
教育委員会が先般これを
二つの
学区に改める
決定をしたわけでございます。このことは
教育委員会の五十四条に定めております県の
教育委員会の
権限を行使したわけでありまして、そのことが適当であるかどうかという問題は別に起ってくると思います。しかしこれが適当であるかどうかということは、やはり私は
教育委員会制度の本旨から申しましても、これは
教育委員会は
住民から
公選され
住民の
意思を代表して
教育行政を行う
機関でございますから、その
教育委員会がきめたことは一応それは
住民の
意思を代表するものと見なければならぬと思います。そこでただ問題は、先般
衆議院におきましてこの問題につきまして県の
教育委員会と名古屋市の
教育委員会の
両方の方を
参考人として呼ばれましてその
事情の聴取がございました。私もそこに呼ばれまして出席いたしましたのでよく
事情は知っております。その席でも伺いました。これによりますと、いろいろと
両方の
教育委員会の間に
見解の
対立がある
ようであります。そこで県の
決定が正しいか、それに
対立した
見解を持った市の
見解の方が正しいかということは、これは
指導助言の
権限は
文部省にあるかもしれませんが、一がいにこれは
中央できめらるべきものでないと思います。やはり
地方の
実情によって
決定せらるべき問題だと
考えるわけであります。
事情はよく
調査いたしておりますけれ
ども、どちらがいいといった
ような
指導助言はいたしておりません。ただこの
対立によりまして今
お話しのございました
ように、新学期も差し迫ったこのときに
高等学校の
教育が
愛知県においてうまくいかないということであれば、これはきわめて遺憾なことでございますので、この
対立がすみやかに解決いたします
ように私
どもは祈っておるわけでございます。そこでいろいろと
両方から
事情等も聞いておりますが、これは相当隔たりのある
見解が述べられております。こういうときに
中央の官庁が
指導助言の
権限がかりにあるといたしましても、こういう
地方の問題が
対立して激化しておるところに役人が話をするということは、かえってこれは火に油を注ぐ
ような結果にたらぬとも限らぬ、か
ようなことがございますので
指導助言をいたしますのにもよほど適当な時期を見なければならぬ、か
ように存じております。非常にむずかしい問題だと
考えております。従いまして
指導助言はいたしておりませんが、時期を見て、もし必要がありと認めるならば、そのときにこの件につきましては一考する、そういう
状況でございます。
それから次の
佐賀県の問題でございますが、これも今
事情をお述べになった
通りだと存じております。ただこれは適法であるかどうかという点につきましては、これは二人の
教育委員でやりますことが適法でございます。七人の
教育委員のうち三人が残って四人はやめる、そこでまあ一人が
病気であれば、二人の人が
協議してやる。これは
教育委員会法の
手続からいって適法でございます。これが
委員が全部かけた場合には
教育長が
事務を執行するという
規定もございます。そういう
意味におきましてこの問題を緊急に処すべき
事情があったと思います。従いまして二人の
委員でやるということも適法であると思います。ただこういう大きな問題は、それを全員で
協議をするという方がいいと思います。それは正しいと思います。この問題に対しまする
指導助言の
関係でありますけれ
ども、私
ども県の
教育委員会からいろいろ
法律的な問い合せ等もございましたからこれは書面は出しておりませんけれ
ども、口頭ではいろいろ
相談にのつております。ただその人員の問題、定数の問題は、これは御
承知の
ように県の
条例できめるわけでありまして、県の
条例を
議会が
議決をします場合に、
知事がその
条例の
原案を作って出すということじゃなくて、県の
教育委員会から
原案の
送付な待って、そうして、それによって
原案を
議会に提出する、これが
通例であるというふうな
規定なんです。
通例であるということでございますので、必ずそうしなければならんということじゃない。そこで
知事が
単独でも出せる、これは
法律上の効力から申しますと。しかしそれは望ましいことじゃないと存じますけれ
ども、そういう
規定なんです。それからあるいはまた
県会においてもこれは
発案権がある、そういう
事情いろいろにつきまして県の
教育委員会からお問い合せ等があって、そういう
法律上の
疑点等につきましても
解明等はいたしまして、
指導いたしました。そこであの問題は御
承知の
ように県の
知事側は千名ほど初めは整理の
お話しがあった
ようでありますが、だんだん話がまとまって四百七名でございましたか、それで一応県の
教育委員会としても
原案を作って一ぺん送った、こういう
実情もありましたのですが、しかしそれを
原案として
送付をしても、もっと
知事の方で大きなものを吹っかけて来て、それが
議会で
議決されるのじゃないかという観測もあった
ようでございまして、そういうことでいろいろ誤解が起った
ようでありますけれ
ども、結果としましては、四百七名だと存じますが、それで
条例が通ってしまった
ようでございまして、今日その欠員になりました
委員もたしか充員されております。その後格別なその違った
決議も
教育委員会としてない
ようでございまして、大体それで問題は落ちついて来ているのじゃないか、その
原案送付の問題は落ちついているのじゃないか、か
ように
考えております。