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政府委員(岩武照彦君) 御答弁いたしたいところがありますから……。私は御指摘のように高文という試験を通ったわけでございますが、
事務の範疇に属しますが、現在内局の局が九つありまして、現在のところはいずれも
事務系統ということになるわけであります。ただ
海野先生御指摘のように、先ほど申し上げましたが、根本におきまして、われわれ、技官の人と
事務官の人と区別するのは実はおかしいと思っております。これは御指摘の
通りであります。別段われわれも区別して扱っておりませんし、ただ何と申しますか、
事務系統の人は、先ほど御指摘のように、いろいろポストも変り得まして、いろいろな経験を経るのに反しまして、技官系統の方は、これは機械とか、電気とか、あるいは応用化学とかいうことでございますので、なかなか機械の仕事を応用化学でやっていくわけには参らぬ。従ってまあ特定の分野の仕事に狭く深くなるということはございます。ただ、そういうことでございまするので、比較的
事務系統の人は物をよく知っておる。簡単に申しますれば、
事務官の諸君でもある程度の技術的な
考え方知識等は得ておるわけであります。よく通産省の
事務官は技官みたようだと言われておるのでありますが、ある程度のことはわれわれといえ
ども、こまかいところはよく知りませんし、理屈も知りませんが、まあ
産業技術の大体の動向はそれは心得ておるつもりでございます。たまたま、石炭局長が
中小企業庁の長官になりましても、
中小企業の問題のつぼはそうはずしておらぬと思っております。これは私が思っておるだけでなくて、皆さんもそれはそうだと思いますが、そういうことでございまするので、根本におきましては、この
事務がどうだ、技術がどうだと区別するのは実はおかしい。これは繰り返して申し上げたいと思います。それから技官の諸君が、まあそういうふうなことで、いわば一極の差別感を持っておられるということは、われわれとしては残念でございます。劣等感と申しますか、ノイローゼと申しますか、そういうことであっては困りますので、一般の職員といたしましても、ある程度の役所の仕事をいたしますれば、法規に通じますし、だんだんに課長になる諸君も出てきますし、御指摘のように鉱山保安局長もこれは技官でやることもございまするし、また地方の通産局長も技官でやったこともございます。これはそのときによって適所適材ということでございまして、ポストがあいて適当な人がおれば、これは
事務官であれ、技官であれ、適当にやっていく、あらかじめ特定のポストに特定の人を
予定しておるということは全然ございませんので、これは私が人事をやるわけではございませんので、大臣両次官そのときの御相談できまるわけでございますが、決してそういうふうにあらかじめどうということはこれは全然現在やっておりません。これははっきり申し上げたいと思っております。
それからもう
一つ、特許の問題
お話ございましたが、これはどうも若干誤解があるように存じております。特許庁の定員につきましては、二十九
年度予算におきまして、当時行政整理がございまして、通産省全体の定員はたしか一割弱と思いましたが削減されました。しかるに特許庁の定員は四十三名プラスしてあります。言葉をかえて申しますると、当時一番整理の率がきつかったのが本省と通商局でございます。それをいわば普通の整理の率以上に減らしまして、そうして特許に定員をつけ、この人員を充足した、こういうことでございます。なお三十
年度予算におきましては、これはこの春の国会であるいは申し上げたかと存じますが、この際は特にはっきり本省の定員を三十名落しまして、それを特許庁にふやしまして、現在そのうちでこれはまあ八月一日から施行でございまするから、現在全部特許勤務に変っているわけではございませんが、十一名だけ残っておりますけれ
ども、これはその定員を現在特許にふやして勤務いたしております。従いまして特許庁から本省に定員を貸しておるというようなことは……現在残っておるのは十一名でございますが、これもだんだんに本人の希望も聞き、それからまた適所適材ということで特許庁に配置転換する
予定でございます。
年度内に終る
予定でございます。従いましてこの特許庁の定員を本省なり通産省全体が借りているということはごうもございません。逆にまあいわば身を切って特許をふやしておるということでございます。この点は
一つ特に御了承を願いたいと思います。