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1955-12-16 第23回国会 参議院 外務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月十六日(金曜日)    午後三時二十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山川 良一君    理事            小滝  彬君            鶴見 祐輔君            羽生 三七君    委員            大谷 瑩潤君            黒川 武雄君            杉原 荒太君            野村吉三郎君            宮澤 喜一君            加藤シヅエ君            石黒 忠篤君            梶原 茂嘉君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  森下 國雄君    外務省条約局長 下田 武三君    外務省国際協力    局長      河崎 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○原子力の非軍事的利用に関する協力  のための日本国政府アメリカ合衆  国政府との間の協定締結について  承認を求めるの件(内閣提出、衆議 院送付) ○国際情勢等に関する調査の件  (報告書に関する件)   —————————————
  2. 山川良一

    委員長山川良一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 羽生三七

    羽生三七君 私どもがこの原子力平和利用については原則的に賛成だということは御存じの通りでありますが、基本法ができて、設備ができて、実質上これに必要なウランを借りるなり買ってくるという順序を考えていく場合に、一体この協定はできてもいつごろにこれを引き取るような段取りになるのか、非常に長い先のことだったら何でこんなに急ぐのか。私不思議に思うのですが、一体その段取りはいつごろ引き取っていつごろ実用に供し得られるのか、その辺のお見通しをお聞かせ願いたいと思います。
  4. 下田武三

    政府委員下田武三君) この協定基本法との間には、何といいますか内容的な連関一つもございません。つまり先般御審議を願いましたMSAに基く武器の秘密を守らなければならぬという義務は、日本が負いました結果、国内法秘密保護法が成立いたしましたというような、内容的な連関一つもないのでございます。でございまするから基本法は完全に日本側の自主的にきめる国内態勢の問題でございまして、必ずしも協定との関連においてお考え下さる必要はごうもないという関係でございます。それでただいまのどういう段取りになるかと申しますと、この協定締結されますと、まだ濃縮ウランを借りましても入れるべき原子炉もないという状況でございまして、結局一番早く、即日からでもできますのは情報の交換でございます。何分日本はおくれておるのでございまするから、まず情報をいろいろのことを教えてもらうということが一日も早くできなくてはならない。本来ならば国内法はもう少し日本側の方で情報をもらって頭を作ってからお作りになった方があるいはいいのかもしれません。しかし国内法のことを伺ってみますと、結局細目はまた別の法律に譲ってごく大綱をおきめになるということでございますから、それはまことにけっこうでございますが、協定ができまして、いろいろなことを日本が知ってそれから国内法の細部まできめまして、そうして原子炉を購入いたしまして、その原子炉の購入ができますといよいよ協定に基くウランの賃貸借ということが行われまして、その際に細目取りきめを締結するという段階になってくると思います。従って協定締結、発効、それから国内法の整備、それから細目協定締結という段階になると思います。
  5. 羽生三七

    羽生三七君 それで私も基本法とこれとが何も直接の連関性があるとは思いません。それは別個のものだと思います。と思うのですが、ただ常識から考えても、十分な設備ができて、炉がいよいよ動き出せるようになって、さてそれに必要なウランがなければ仕事が始まらぬというときでも少しもおそくないことで、しかも世界的に開放されて公開性が確立される段階に何か非常に急いでいるというような感じがするのですが、先ほども申し上げました通り私は何も協定そのものに反対じゃありません。しかし手続的に見て非常に何かちぐはぐな感じがするものですから伺っているわけです。が、しかしこれは答えなくてもいいです。それから七条のCのところですが、合衆国の「原子力委員会代表者が賃貸された資材の状態及び使用を随時観察」することができるわけですが、これは後進国日本に経験のあるアメリカが好意的にめんどうをみてくれる、またそういう意味で来てくれる場合に許可することに解釈していいのですか、何か監督というようなニュアンスが若干でもあるのですか、いかがですか。
  6. 下田武三

    政府委員下田武三君) これは監督という意味はございません。燃焼の記録を保持してこれを通報してやるとか、すべて他人の物を借りておるわけでございますから、アメリカ国内でも濃縮ウラン原子力委員会つまり政府所有になっております、それを日本が借りるわけでございまするから当然所有者としての原子力委員会の人が自分の物がどういう状況にあるかということについて、やはりほっておくわけにいきませんので観審に来るということでございます。むろんその際つけたりで日本側が聞けばいろいろなことを教えてくれるかもしれませんが、それは全然別のことでございまして、ここでいう随時観察するということは、ただ自分の物がどうなっておるかということを見に来るだけのことでございます。
  7. 山川良一

    委員長山川良一君) ほかに御質疑はございませんか。ほかに御発言もございませんようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山川良一

    委員長山川良一君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。………別は御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 山川良一

    委員長山川良一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  10. 山川良一

    委員長山川良一君) 全会一致でございます。よって本件全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。なお本会議における委員長口頭報告内容及び議長提出すべき報告書の作成、その他誌般手続委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山川良一

    委員長山川良一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。それから報告書には多数意見者署名を付することになっておりますから、本件承認された方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     大谷 瑩潤  黒川 武雄     宮澤 喜一  羽生 三七     佐藤 尚武  石黒 忠篤     梶原 茂嘉  小滝  彬     野村吉三郎  杉原 荒太     鶴見 祐輔  加藤シズエ   —————————————
  12. 山川良一

    委員長山川良一君) 次に調査報告書に関する件についてお諮りいたします。御承知のごとく本委員会におきましては先に議長承認を得て国際情勢等に関する調査を行なって参ったのでありますが、何分にもその対象が広範であり会期中に調査を終了することは困難でありますので、この際議長に対しいまだ調査を終らない旨の報告書提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 山川良一

    委員長山川良一君) 御異議ないと認めます。なお右の報告書につきましてはその内容手続及び提出時期等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 山川良一

    委員長山川良一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。それではこれにて委員会を散会いたします。    午後三時三十六分散会