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1955-12-16 第23回国会 衆議院 法務委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月十六日(金曜日)    午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 高橋 禎一君    理事 池田 清志君 理事 椎名  隆君    理事 福井 盛太君 理事 田中幾三郎君    理事 古屋 貞雄君       小林かなえ君    世耕 弘一君       林   博君    花村 四郎君       古島 義英君    松永  東君       宮澤 胤勇君    横井 太郎君       坂本 泰良君    佐竹 晴記君       中村 高一君    細田 綱吉君       吉田 賢一君  出席国務大臣         法 務 大 臣 牧野 良三君         労 働 大 臣 倉石 忠雄君  出席政府委員         内閣官房長官 田中 榮一君         警察庁長官   石井 榮三君         警  視  長         (警察庁警備部         長)      山口 喜雄君         調達庁長官   安田  清君         法務政務次官  松原 一彦君         検     事         (刑事局長)  井本 臺吉君         法務事務官         (人権擁護局         長)      戸田 正直君  委員外出席者         検     事         (大臣官房調査         課長)     位野木益雄君         検     事         (矯正局長)  渡部 善信君         判     事         (最高裁判所事         務総局総務局総         務課長)    海部 安昌君         参  考  人         (警視庁警備第         一部長)    藤本 好雄君         専  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 十二月十五日  委員坂本泰良辞任につき、その補欠として神  田大作君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 同月十六日  委員八百板正辞任につき、その補欠として坂  本泰良君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月十四日  新潟刑務所移転に関する請願櫻井奎夫君紹  介)(第三三二号)  鳥栖簡易裁判所庁舎新築請願井手以誠君紹  介)(第三六九号)  検察官不当処分等に関する請願島上善五郎  君紹介)(第四一八号)  拘引被疑者に深網笠使用に関する請願淺沼稻  次郎紹介)(第四九五号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 同月十四日  戦争受刑者早期釈放に関する陳情書  (第二〇四号)  戸籍、住民登録並びに外国人登録関係法令の改  正に関する陳情書  (第二一  六号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭に関する件  閉会審査に関する件  法務行政に関する件(駐留軍基地における人権  問題等)  請 願   一 売春等処罰法制定に関する請願上林山    榮吉紹介)(第四号)   二 与論島茶花港に入国管理事務所設置の請    願(上林榮吉紹介)(第二六号)   三 人権擁護のための予算増額に関する請願    (菊地養之輔君外一名紹介)(第七一号)   四 大隅簡易裁判所庁舎新築請願山中貞    則君紹介)(第九五号)   五 新得町に簡易裁判所等設置請願(本名    武君紹介)(第一六一号)   六 刑事訴訟法の一部改正等に関する請願(    中川俊思君紹介)(第二六五号)   七 新潟刑務所移転に関する請願櫻井奎夫    君紹介)(第三三二号)   八 鳥栖簡易裁判所庁舎新築請願井手以    誠君紹介)(第三六九号)   九 検察官不当処分等に関する請願島上    善五郎紹介)(第四一八号)   一〇 拘引被疑者に深網笠使用に関する請願    (淺沼稻次郎紹介)(第四九五号)     ―――――――――――――
  2. 高橋禎一

    高橋委員長 これより会議を開きます。  この際閉会審査に関する件についてお諮りいたします。すなわち、本国会も本日をもって閉会となりますので、閉会審査事件として、一、裁判所司法行政に関する事項、二、法務行政及び検察行政に関する事項、三、国内治安及び人権擁護に関する事項、四、上訴制度最高裁判所機構改革を含む)及び違憲訴訟手続に関する事項、五、外国人の出入国に関する事項、六、交通輸送犯罪に関する事項、七、売春問題に関する事項、八、戦犯服役者に関する事項について閉会中もなお審査を継続いたしたいと存じますので、この旨を議長に申し入れたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋禎一

    高橋委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、申入書作成については委員長に御一任を願います。     —————————————
  4. 高橋禎一

    高橋委員長 次に、本日の日程に掲載されております請願十件を議題といたします。  なお、請願審査に関しまして最高裁判所当局より出席して説明をいたしたいとの要求がありますので、国会法第七十二条第二項の規定により、これを許可いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 高橋禎一

    高橋委員長 御異議なければ、さよう取り計らいます。  それでは請願審査に入りますが、紹介議員の御出席になっておりますものにつきましては、その紹介説明を聴取し、紹介議員の御出席になっておらないものについては直ちに関係当局意見を聴取いたしたいと存じます。  日程第一は売春等処罰法制定に関する請願であります。これを議題といたします。政府当局意見を求めます。
  6. 松原一彦

    松原政府委員 いわゆる売春問題につきましては、去る九月二日に売春問題対策協議会からの内閣に答申がございましたので、政府としましては去る十月二十八日に内閣売春問題連絡協議会を設けましてさらに検討を続けております。売春問題は、御承知通りに、単に刑罰法規によってこれを解決することは、事実上にも理論上にもとうてい期待することができない難問でございますので、とりあえず、国家予算の許す範囲内においてできる限り保護更生措置を講ずるとともに、人身売買等悪質者につきましては厳重なる取締りを励行すべきでありまして、その限りにおきまして必要なる立法措置を講ずる考えでございます。なお、通常国会におきましては、売春取締法に関する審議会を設けて、慎重に審議し、できる限り速急に成案を得て提出いたしたいと思っております。
  7. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  8. 高橋禎一

    高橋委員長 日程第二は入国管理事務所設置請願であります。これを議題といたします。まず政府当局意見を求めます。
  9. 松原一彦

    松原政府委員 与論島茶花港にこれを設置することは、当局の方でもさよう考えておりますので、ただいま準備中でございます。ただし予算関係上係員は一名しか配置ができませんが、至急に実施する用意を持っております。
  10. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑はありませんが。——なければ次に進みます。     —————————————
  11. 高橋禎一

    高橋委員長 次に、日程第三、人権擁護のための予算増額に関する請願議題といたします。まず当局意見を求めます。
  12. 松原一彦

    松原政府委員 人権擁護委員使命重大性は十分痛感しておりますので、その使命達成のためには必要な予算をぜひ増額いたしたいのでございまして、この請願趣旨には全く同感でございます。詳細な現状につきましては、御質疑がございますならば政府委員からお答えいたします。
  13. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑はありませんか。
  14. 細田綱吉

    細田委員 人権擁護委員民間からいろいろ御選任になって、日本官憲人権じゅうりんから救うといういろいろな制度を設けておるのでございます。もちろんそれについては相当の予算措置も必要であると思う。従来この問題に対して政府はきわめて消極的な態度で、一方、最近人権じゅうりんの件数が非常に多くなっておることは私が申し上げるまでもございません。ただ、民間の人をふやす、予算をふやすというようなことだけで果してこの趨勢を食いとめることができるか、官憲人権じゅうりんの暴挙を阻止することができるかということは、きわめて考慮を要する問題であると思う。そこで、私の考えることは、何といっても、こういう問題については、いわゆる在野法曹、言葉をかえて言うならば最近組織されております日本弁護士連合会の方に、こういう重大な人権じゅうりん事件の事実調査を委嘱するということがきわめて効果ある措置ではないかと思う。法務省の中に人権擁護局があるが、局長、給仕、タイピストまで加えて十八人というようなことでは、これはただ単に申しわけ的にその局をこしらえているだけで、ほとんど当局にはその熱意がない。こういう人権擁護局に対する定員、予算増額はもちろんですが、野におけるこれらの権威として日本弁護士連合会等に特別な一つ委嘱措置を講ずる、あるいはまたこれに対して予算が必要なら政府がその点をめんどうを見るというようなことがきわめて有効適切な措置であると考えるのですが、この点について当局はどうお考えになっておりますか、伺いたい。
  15. 牧野良三

    牧野国務大臣 細田さんの御意見は、私、しごく同感でございます。もうすでに一週間以前から弁護士会の諸君とも打ち合せまして、根本的に何とかやり直したいと思っております。どうぞその点においては切に御協力を願います。
  16. 高橋禎一

    高橋委員長 ほかに御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  17. 高橋禎一

    高橋委員長 日程第四号(第九五号)、第五(第一六一号)、第八(第三六九号)は裁判所設置及び庁舎新築に関するものであります。三件を一括議題といたします。まず関係当局意見を求めます。海部最高裁判所総務課長
  18. 海部安昌

    海部最高裁判所説明員 大隅簡易裁判所庁舎新築につきましては、地元からの改善の御要求、まことにごもっともだと思います。来年度の予算要求いたしております。予定いたしておりますから、どうぞよろしくお願いいたします。  また、鳥栖の方の簡易裁判所設置につきましては、来年度に予算要求はしておりません。改善の御要求、御趣旨、きわめてごもっともと存じますが、ほかにもなお緊急に改善を要するものがたくさんございますので、順序があとになっております。これにつきましても、順次予算措置を講じて、その点の御要求に沿うように努力いたしたいと思います。  次に、新得町に簡易裁判所設置する件につきましては、最高裁判所といたしましても、よく検討いたしまして、十分考慮いたしたいと思います。
  19. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  20. 高橋禎一

    高橋委員長 日程第六(第二六五号)は刑事訴訟法改正等に関する請願であります。これを議題といたします。まず政府当局意見を求めます。
  21. 松原一彦

    松原政府委員 刑事訴訟法第二百六十一条によりまして、告訴人等に不起訴理由を告げる場合、不起訴裁定理由書謄本を送付しなければならないとすることは、不起訴裁定書が大正十三年司法省刑事局長通牒によりまして作成せられましたる内部事務処理の便宜のためのものにすぎないことから見ましても妥当ではないと考えます。ただ、不起訴裁定書作成法律によって義務づけるかどうかにつきましては、今後十分検討していきたいと思っております。裁定書謄本告訴人に送付することの可否につきましても、あらためて研究するつもりでおります。  次に、検察官適格審査会は、検察官としての適格性審査する機関でございまして、検察官処分の当否を判定する機関ではございませんから、事件の再審査についての勧告権を同委員会の会長に与えるのは不適当であると考えます。しかも検察官のする起訴及び不起訴処分はすべて上級官庁の監督に服するだけではなく、不起訴の場合には、さらに検察審査会審査に服し、公務員職権濫用事件につきましては裁判所の判断をも受けることになっておりますので、これらの機関権限と大同小異の権限を他の機関にも認める必要はないと心得ております。
  22. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑はありませんか。——なければ次に進みます。     —————————————
  23. 高橋禎一

    高橋委員長 日程第七、新潟刑務所移転に関する請願(第三三二号)を議題といたします。まず政府当局意見を求めます。
  24. 松原一彦

    松原政府委員 新潟刑務所は、大半が明治十九年の建築にかかっておりますので、相当老朽化しております。しかも市中にあって必ずしも刑務所としてはよい環境とは申されないので、御請願趣旨は十分了解できるところであります。ただし、目下矯正関係では須坂と福島、大分の三刑務所移転、及び老朽刑務所として札幌、宮城外五カ所の改築工事を実施中でございまして、また現在移転を陳情されておりますところに名古屋、山形、福島高知等があります。これらはみな市のまん中に位しておるという状況でありますが、いずれもそれぞれに相当額予算が伴いますので、これが実現には相当困難が伴うものと思っております。加えて、最近収容者が増加する傾向にありますので、移転等に伴う収容力の減少は極力避けねばならない実情にありますので、本問題も、まことに御同感でございますが、早急の実現を期待することは困難かと存じております。
  25. 高橋禎一

    高橋委員長 御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  26. 高橋禎一

    高橋委員長 次に日程第九、検察官の不適当処分等に関する請願(第四一八号)を議題といたします。まず政府当局意見を求めます。
  27. 松原一彦

    松原政府委員 ただいまこの問題につきましては調査中でありまして、この点調査の上に御報告をしたいと思います。
  28. 高橋禎一

    高橋委員長 御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  29. 高橋禎一

    高橋委員長 日程第一〇、拘引被疑者に深網笠使用に関する請願(第四九五号)を議題といたします。まず政府当局説明を求めます。
  30. 渡部善信

    渡部説明員 未決拘禁者に対しましてかぶり物を使用しますことにつきましては、現在の監獄法施行規則に、在監者に使用します雑具の品目の中にかぶり物が定められておりますので、これを使用することにいたしておるのでございます。ところが、終戦後、この網笠使用につきまして、収容者が非常にいやがる傾向が非常に顕著に現われて参りましたので、この使用を一時中止いたしておるわけであります。しかしながら、現在におきましても、東京拘置所あるいは前橋、静岡等におきましては、この網笠を少年あるいは女の被告人被疑者には使用いたしておるのであります。従いまして、本人人権を尊重する意味合いから申しまして、今後、このかぶり物使用につきましては、さらに慎重に、本人人権を尊重いたしますように措置いたしたいと思います。
  31. 高橋禎一

    高橋委員長 何か御質疑がございますか。——なければ、以上をもちまして質疑は終了いたしました。     —————————————
  32. 高橋禎一

    高橋委員長 次にお諮りいたします。本日の請願日程中、第一ないし第八及び第一〇はいずれも採択の上内閣に送付すべきものと決定し、第九はその決定を留保いたしたいと思いますが、これにて御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 高橋禎一

    高橋委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお、ただいま議決いたしました請願報告書作成等については委員長に御一任を願います。  なお、この際御了承を願っておきます。すなわち、当委員会に送付されました陳情書はお手元に印刷して配付いたした通りであります。念のためお知らせいたします。     —————————————
  34. 高橋禎一

    高橋委員長 次に、法務行政に関する件について調査を進めます。  駐留軍基地における人権問題等について質疑通告がありますので、これを許します。  なお、本問題について警視庁藤本警備第一部長を参考人といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 高橋禎一

    高橋委員長 御異議なければ、さよう取り計らいます。  質疑通告順にこれを許します。中村高一君。
  36. 中村高一

    中村(高)委員 人権じゅうりんの問題についてはこれから聞く順序になっておりまするが、その前に、倉石労働大臣がお帰りになるそうでありますから、前の委員会から継続して議論をしておりまする問題だけを一つ先に片づけておきたいと思うのであります。  調達事務一つ基地拡張問題につきまして、調達庁長官の談として、条件派に対しましては協力謝礼金というものを五万円ないし五十万円ぐらいの金額で支出するということを発表されておりますので、この前の法務委員会で、会計検査院事務総長出席をしてもらいまして、そういう条件派にだけ協力謝礼金というようなものを出した前例があるかどうかお聞きしたのですが、今までも米軍基地接収の問題は各地に起っておりまして補償の問題も出ておるのでありますが、会計検査院としては今まで検査をいたした事例の中にはないとのことです。ところが、今度砂川の基地問題に対しては、条件派の人にだけは、協力してくれたのだから五万円ないし五十万円の金を出すということを新聞に発表して、しかも十七日とかに政府から回答があるということを相当大きく宣伝をされておるのであります。これは、今後の基地拡張問題が引き続いて行われますので、こういう支出方法を行われますということは今後にもきわめて大きな影響を来たすと思うのであります。そこで会計検査院意見を伺ったところ、今まではないという。そこで、そういう支出一体会計法上あるかどうかという点ですが、憲法にも土地収用法の中にも、収用を受ける職に対する損失補償はするということはどこにも書いてございます。憲法にも、正当な補償をして私有財産はこれを公共の用に供することができるとあります。土地収用法にも損失補償するとあるのですが、そういう条件派であるからこれに対してお礼の意味で多額の金を出すというようなことは、憲法にもないし土地収用法にもどこにもそういうものがないがどうだという質問に対しては、どうも実際に出してみてからでなければわからない、会計検査院としては支出があればその支出を検査して意見を述べるのだ、こう言うのです。一応答弁にはなるのでありまするけれども、この点については会計検査院としてはあいまいなことを言っておるのであります。しかし、今まで前例もないことでありまして、そういうものが不当な支出であればおそらく返還を命ずる腹のようでありましたけれども、明確なことを言わないのであります。しかし、どうもその点についてはまことにあいまいでありまして、そういうものを出されるということであるならば、何かこれは切りくずしに使うような感じを与えるのであります。土地ブローカーや何かが土地の買い受けをするときなどにはそういうようなことをやってもよろしいけれども国家がいやしくも基地拡張のために土地収用していやがる国民から土地を取り上げるのであるから、それには憲法にあるような正当な補償土地収用法にある損失補償という明確な規定によって行われるならばいいけれども、いかにも切りくずしに利用するような、悪い意味で言えばわいろ的な性格を持ったそういうものを国家が出すべきものではない。出すならば堂々とそういうものは損失補償の中に入れて出しなさい。決してわれわれは出す金に文句を言うのではない。たくさん出してやれという主張なんでありますから、その点について明確にしてもらわないと、今後の基地拡張にも私は必ず支障を来たすと思いまするので、この点について大臣の御答弁を伺っておきたいと思うのであります。
  37. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 お尋ね飛行場のことにつきましては、五飛行場拡張をするということについて国として動かすことのできない決定をいたしました。そこで、そのために非常に御迷惑を受けられる土地方々に対しては、全力をあげて政府はその理解を願うように努めて参りましたが、同時にまた、その土地補償などについての措置はなるべく早くいたすように、ただいま研究をいたしておる最中でありますが、特に政府方針について協力を願った方々には何らかの意味謝意を表することがよいではないかという考えになりまして、目下このことについても検討中でございます。
  38. 中村高一

    中村(高)委員 そういう謝意を表するということが法律上許されるかどうかをお尋ねしたいのでありまして、法律には正当な補償をすれば私有財産公共の用に供してもいいというようになっておるのでありますけれども、そういう謝意を表するというようようなものが法律的にどこに根拠があるのか。会計検査院でさえも、そんな謝意を表するということは今までもないし、どうも答弁の模様では謝意を表するということは国家がやるべきではないという意味のような説明もしておるのでありまするけれども、そういう謝意を表するというようなことは、民間の会社などがやるとか、あるいは民間土地整理なんかをやる場合にはあり得るかもしれないけれども国家法律のもとに財政法に基いて法規に従って支出する場合に、特定の人にだけ謝礼を出すというようなことか許されるかどうか。国民はすべて法のもとには平等な扱いを受けるということが憲法方針でありまして、損害を受ける者は同じなんであります。それを早く切りくずしに応じた者に対して謝礼を出すというようなことは、法規の上においてはどこにも根拠がないと思うのでありますけれども、それを説明を願いたいと思ってお尋ねしておるのであります。
  39. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 御承知のように、行政協定に基く国の義務国家が遂行いたしていこうという場合に、その方針協力をしていただいた、そこで、そういうふうに、私どもとしては、国と国との話し合いもあるのでありますから、なるべく一定の期間内に私どもの方の義務を履行して拡張して提供するということを政府方針として活定したのでございますから、その方針に基いて協力を願うという方に対して特別な考慮を払うということは、私は支障のないことだと思いますし、ことに、国会で御協賛を願っております国の予算項の中にございます防衛支出金、この防衛支出金というものに基いて私どもの方で基地拡張をやって提供するのでありますから、その範囲内で、私どもが早くこの国の目的が完遂されるように努力をする、そういうことに使用することでございまして、別に他意あるわけではありません。
  40. 中村高一

    中村(高)委員 いや、大臣答弁は、支出するというそういう意味のことは、概括的な議論としてはわかるのですけれども謝礼金というものを損失補償と別に出す根拠があるかないかを聞いておるのでありまして、それならば、支出するときには謝礼金という項目で支出するのか、それとも損失補償の中に包含をするいとうのか、その支出方法がわれわれは問題になっておるのでありまして、技術的のことがおわかりにならなければ、調達庁長官からでもまたお聞きしてもよろしいのですけれども、その点はどうですか。
  41. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 ただいま明白にこういうふうな形で出すのではないかという意味お尋ねのようでありますが、私どもは、そういうふうにして早くまとめる方がいいということを考え研究を続けておるということでありまして、方針をまだ決定したわけではありません。
  42. 中村高一

    中村(高)委員 まだ方針決定しておらぬのでありますならば、そういうような正当な補償でないものを出すということによって何か基地の問題を切りくずすというような形にやることはまことに国家としてやるべきことではないと思うのでありますから、そういうものは正当な補償として土地価格なりあるいは建物の価格の中に加えて、そうして堂々と損失補償としてお出しになるように大臣一つ努力をしていただきたいと私は思います。
  43. 坂本泰良

    坂本委員 関連して。ただいまの謝礼金支出ですが、これは防衛支出金から支出するとのことでありますが、国民私有財産に対する関係ですから、それはやはり憲法二十九条の正当な補償のもとにやらなければならない。その正当ということは、その前提として、公平にやらなければならぬ、こういうことだと思うのです。そういたしますと、砂川なら砂川、あるいは板付なら板付の拡張に対しての私有財産損失をこうむる者に対しては、これはやはり、平等にしなければならないと思うのです。それを謝礼金とかなんとかいう名目で出すということは平等の精神に基本的に反すると思うのですが、その点は大臣はいかがお考えですか。
  44. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 当初申し上げましたように、政府としては一定期間内にぜひ拡張を実行いたしたいのであります。従って、なるべく早く地元の方々に御協力を願いたいという方針で、いろいろなことを考えて御協力を願うように進めておることでありまして、どういう方法でやるかということは、ただいま相談中でありますから、ただいまのお話のようなことも参考にいたしまして、遺憾なきようにいたしたいと存じます。
  45. 坂本泰良

    坂本委員 国民に対して負担を課するとか、あるいはそれに対して補償をやるとかいうような場合は、やはり憲法の基本的人権の公平の原則によってやらなければならぬと思うのです。従って、それを特別に支出するという場合には、これはやはり法的根拠がなければならぬと思うのです。法的根拠がないのに、私人間の売買その他の取引関係と同じようにプレミアムをつけるようなことは、少くとも国家の行為として、国民私有財産に関する問題に対しては、いやしくもそういうプレミアムがついてはいけない。これは公平にやらなければならぬと思う。この点については、今防衛支出金より謝礼金も出そうと思われるならば、特に法律でもこしらえようという考えでやっておられるのですか、どうですか。
  46. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 いろいろ意見がございますから、十分検討して——ただいまどういうふうな形で早くこれを御賛成を願うかということについて検討中なんでありますから、検討して、私ども成案が出たらあらためて発表いたすつもりであります。
  47. 坂本泰良

    坂本委員 この基地の問題については、収用に反対をする人は、何も個人的の、一般的の単なる国家の行為に対する反対でなくて、基本的には、国家のやり方に基いて先祖伝来の土地あるいは住宅その他が一部ではなくて全部が国家に取られてしまう、そういうような悲壮な考えで反対をしておるようなわけなんです。従いまして、その際に、ある一部の者が、また利害関係の非常に少い者が、たとえば土地にすればわずかな土地しか持たない者が賛成をして、そこで先祖代々農業をやっておる者が全然それができなくなる、そのために悲壮な気持で反対をしておる。それと少くとも国家が謝金としてプレミアム付の区別をするということは、これは基本的に人権を無視して憲法の二十九条をじゅうりんするものだと思うのです。ですから、この点については、やるなら反対派も賛成派もこぞってやらなければ、私はいやしくも国家の公平の補償の原則に反すると思うのですから、その点は特に留意してもらいたいと思います。
  48. 高橋禎一

    高橋委員長 古屋委員
  49. 古屋貞雄

    ○古屋委員 労働大臣の御答弁は、希望条件ということであるならよろしゅうございますが、希望条件でなくして、新聞に堂々と発表して、福島長官がそういうようなことの支払いをするという現実のことが記事に表われておる。これは新聞がうそだということなら別です。こういう事実が、特に特別な補償をあるいはお礼を出すということの記事が具体的に載っておりますので、その点を承わるわけなんですが、今倉石労働大臣は、特にそういう方たちは協力をしておるからお礼をするように研究をする、こうおっしゃるのですが、お礼をするとかしないとかいう補償の問題は土地収用委員会できめるべきものです。——政府がおそらくきめるのでしょうが、そういうことをいやしくも長官が堂々と新聞に発表するということが、同一の法律を、ある人には特殊な、ある人には冷酷な適用をするという感じを与えること自体、法務委員会としましては非常に重大な問題だ。従って、土地等の提供をしろという要求をされておる一方の方でも、憲法によって自分の与えられておる権利の補償を主張しておるわけですが、ある場合は条件が違うわけです。あそこの地域内に家だけ借りていて他に移転しても全然生活の保障に影響のない人と、その土地を奪われて全部の生活の保障が根本からくつがえされてしまうような人と、おのずから条件が違うわけですから、政府の方で、協力というのは早く承諾すれば協力ということになるということですが、そういう御判断をする観念自体が根本から異なっている。相手方の条件の問題なんですから、同じ土地を提供しろ、同じ家を提供しろと申しましても、その土地全体が自分の生活保障の全部の人と、他に移転をしてもやはり生活のできる人もあるんですから、早く承諾した者を協力者と認めるという観念、私はこの点承服できないのです。従いまして、長官が今のように新聞の上で特殊のお礼をすると言い、労働大臣も今お礼をしたいという希望ならけっこうです。するということが記事に出ている。希望であるなら私はあえて問いません。これは、今中村委員坂本委員からも言われた通り、いわゆる法の前に不平等なる観念を国民に与えることは、法に対する国民の信頼感に関係すると思う。そういうことはどうですか。大臣をおいて長官が勝手に言っていることであって、あの新聞記事というものは政府としてのはっきりした意思表示ではないのだということであれば、私はあえて追及しませんが、あの新聞記事は政府方針であるかどうか。その点と、それから、お礼をするというその気持はよくわかりますが、区別されますというと、どういう人が協力者で、どういう人が協力者でないとかという点の御判断をなさる条件をお聞きしたい。政府の言う通り早く提供しますと言えば、それは協力になるのか、あくまでがんばっておるのがいけないというのか。この点は、収用される相手方の生活上の保障の問題に重大関係を持ちますから、その判断の条件を聞きたい。
  50. 倉石忠雄

    倉石国務大臣 福島長官が新聞に談話を発表いたしましたことは私はよく存じておりますが、これは、先ほどもここで私が申しましたように、早く促進するための希望としてわれわれはこういうことを考えているんだということと同一でありまして、私ども考えていることとちっとも変っておりません。ただ、そういうことについて果してどういうふうにやったらいいかということでまだ地元との相談もいたしておりませんし、目下そういうことについて努力を継続中である、こういうことであります。もちろん、政府がやっている場合には法律尊重でやるわけでございますから、その点は私ども間違いのないように努力をいたして参るつもりであります。ただ、私どもといたしましては、なるべく大体明年の六月の米会計年度までには約束のものを提供したい、これが私ども方針でございますので、いつまでもこれに反対されておるということでははなはだ困るのでありまして、その点についてなるべく早く御協力を願うようにというこで、ただいまもなお努力を継続中でございます。
  51. 高橋禎一

    高橋委員長 それでは佐竹君。
  52. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 被疑者に対する捜査の行使と人権擁護の限界の点について承わりたいと思います。  最近警察や検察庁において被疑者を取り調べるに当って、被疑者が病気で重態に陥ったような場合でも、一たん拘引、勾留をいたしました限り、容易にその拘束を解きませず、取り調べを強行する例がたくさんに現われております。しかし、いかに捜査権の行使だといっても、人が倒れようが、人命にかかわろうがおかまいなしにやってよいということは断じてあり得ないと思います。捜査権の行使と人権尊重との間にはおのずから一個の限界がなければならぬと考えますが、法務大臣の御所見はいかがでございますか。
  53. 牧野良三

    牧野国務大臣 佐竹さん、あなたのおっしゃる通りでございます。その点は厳格に守ります。(「守っていないじゃないか」と呼ぶ者あり)過去にあっても、今後守ります。
  54. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 警察の留置場は、人の病気を高進すればこそ、病気治癒に適する場所でもございません。刑務所の病監といえども、その設備、またお医者さんの配置その他等において、重患者の治療に十分でないこともまたお話を待つまでもありません。従いまして、被疑者が重態に陥ったり一命に危険のあるような病状である場合には、すみやかに拘禁を解いて病院に入れるなりその他適当な方法を講じて、まずもってその一命の保全を期した上にしかるべきお取り調べを進めるということが人道上当然のことと考えます。その拘禁を解かなかったために一命を失った例もたくさんにございます。かりにそのような最悪の事態に陥らなかったといたしましても、拘禁を続けて治療に適当な方法を講じなかったために、あるいは不治の病人になった、あるいは治療に不測の年月と経費を投じなければもはや回復することができない状態に陥れられたりいたしました例もたくさんにあります。かくのごとき思わざる犠牲を被疑者に余儀なくさせるというがごときことは、これまた人道上断じて許されないところであると思いますが、この点についても法務大臣はいかがでございましょうか。
  55. 牧野良三

    牧野国務大臣 全く同感でございまして、佐竹さんからさような御質問を受けるに至っている事実があるといううわさがあるだけでも、申しわけないことだと思っております。
  56. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 ここにおいて、私は、過去にあった具体的事実の一つといたしまして、われわれの同僚衆議院議員の堂森芳夫君の御夫人堂森一枝様の公職選挙法違反事件関係いたしまして警察並びに検察庁のとった態度というものは人権じゅうりんではないかと考えられる点がありますので、法務大臣もおかわりになったことではありますし、ただいまの御意見を承わりまして意を強ういたしますので、ここに私はその具体的事実の一端をお訴えいたしまして、さらに将来における検察行政の上に十分御配慮を願いたいと同時に、この事件に対する御所見がいかがであるかということをもあわせてこの際承わっておきたいと考えます。  それは、堂森氏の御夫人は、本年二月十九日に、丸岡警察署の署員によって、戸別訪問の疑いで路上において職務質問を受けまして、同日同署に同行を求められ、同日午後十時三十分逮捕状が執行されました。同二十二日に勾留状が発せられましたが、その前日二十一日には、本人は心臓病で悪いからと署長に訴えられております。二十二日勾留状が出たときに、主任巡査部長に対して、心臓病で頭痛がするので取り調べをやめてほしいということを要求いたしております。そうして二十二日の夜に取り調べを中止いたしまして、保護室へ移しております。同夜半、すなわち二十三日午前三時ごろ悪寒を訴えまして、湯たんぽを提供いたしました。二十三日の朝十時ごろ前夜同様に苦痛を訴えまして取り調べ中止を求める旨記録にはございますが、そのときには実際は失心状態にあったようでございます。そこで丸岡警察署から荒川医師に診療を請いました。その荒川医師は平生警察から委嘱をいたしております最も信用のあるところのお医者さんであります。その来診を請いまして、診察をいたしました結果、荒川医師はかように診断をいたしております。患者は極度に身体衰弱しており、これに加えて心臓弁膜症で、血圧は非常に低く、早急に入院静養すべきである、このまま取調べを続行するときは生命が危ぶまれるとあります。そこで、取調べを中止いたしまして、被疑者を抱きかかえるようにいたしまして宿直室に連れて参り休養させたことが、刑事記録の上に明らかにされております。しかし、そのときに適当なる病院へ移すことについては当局は意を用いておりません。翌二十三日に福井刑務所高橋医官を呼んでその診察を求めましたところ、同医官においては荒川医師とは全く違った判断をいたしました。血圧、動脈、体温等に異状なく、取調べを続行しても生命に異状はない、かように述べております。同夕刻本人より強心剤の注射を求めましたので、丸岡町の友影医師の来診を請うておりますが、この医師の診断によりますと、多少のシッョクはあるであろうが別段悪いとは見受けられない、但し心臓は少々わずらっているようであるというのであります。しかし、この荒川医師の診察もございましたので、一応取調べを中止いたしまして、二十四日午後二時三十分福井刑務所の病監に移しております。そのときの記録によれば、四人がかりで刑務所の自動車にかかえるようにして乗せたとございます。かくて、被疑者の拘禁はそのまま続きまして、警察並びに検察官の取調べが続行されましたが、三月二十六日の夜分、福井地方検察庁、井村検事の取調べ中に、ついに一枝さんは卒倒いたしました。午後十時四十分まで検察庁で休養させ、十一時高志警察署に戻しましたか、同署に行ってからもなお意識は明瞭でなかったとあります。  以上のごとく、二月二十三日にすでに失心状態に陥り、三月二十六日には卒倒をいたしております。しこうして三月二十六日の晩高志警察署へ戻したときにもなお意識不明瞭な状態が続いておりました。しかも、荒川医師の診断のごとく生命に危険があるにもかかわらず、これを病院その他適当なところで療養せしむることなく、強権をもって拘禁を続行いたしまして取調べを進行いたして参ったおりますことは、私はこれは人権問題であると言わなければならぬと存じます。もっとも、右荒川医師の診断に対して、先ほど申し上げますがごとく、刑務所高橋医官及び友影医師が、異状はない、別段悪いところはないと診断は合っておりますけれども、しかし、福井刑務所高橋医官御自身の裁判所に出しております病歴書になれば、二十四日入所、同時に検診、胸部に所見はないが、脈搏結滞一分間に二、三回あり、体格一般に弱く、栄養かなり衰えているとあります。高橋医官自身、異状はないと認めておられますが、しかし、その病歴書によれば、脈搏結滞一分間二、三回とある。そして、血圧に異状はないというけれども、荒川医師が現実にはかったところによれば、血圧最高八十であります。しこうして、荒川医師は、この血圧最高八十というのは心臓弁膜症のそういった場合非常に危険な状態であるということを強調しております。これはもう学理でも議論でもありません。事実です。しこうして、荒川医師がブドウ糖、ビタカンファーを静脈に注射いたしておりますような事実に徴しましても、いかにこの荒川医師の診断が適切なものであったかということは、それに反対の意見を出しております高橋医官の病歴書においてもこれを肯定いたしておるのであります。ただ、裏面上、刑務所のお医者さんなるがゆえに、そういったような、病人はどんなに悪くても、生命危険の状態にあっても、いや異状はない、いや別段悪くない、こんな報告書を出させる刑務所並びに検察庁は、一体となって何か人間の命のごときは全く眼中に置かない思いを私ども国民に与えるような事態をあえて続けてきておるのであります。しかも、高橋医官の病歴書にはさらにこうあります。二月二十四日以来三月四日まで、ビタミンA1十ミリ、ビタカンファー二本混合注射を毎日連続いたしておるのであります。また、三月二十六日検事の前で卒倒いたしまして、二十九日再び刑務所の病監に移した後も、ビタミンA1十五ミリ、ビタカンファー二本を混合注射いたしまして、それが四月十二日まで続行をいたしておるのであります。このような髪状の、しかも心臓弁膜症の人で血圧最高八十といったような、だれが考えても人命に不安な状態にありますその人を、何カ月も拘禁を連続いたして、ここに適当なる療養と治療の方法を講ぜしめていなかったのであります。  私が申し上げるまでもなく、この御家庭はわれわれの同僚の国会議員堂森氏である。そして医院を経営しておるところの医学博士である。しかも被疑者はその御夫人である。こういう人に対して、かような一命に影響のあるような事態にある場合において、適当な方策を講ぜしむることなしに警察並びに刑務所の病監に拘禁を連続いたして、おりますというがごときは、容易ならざる事態ではないかと私は思うのであります。いかに捜査権行使といえども人権は尊重すべきであります。危険なる病人はまずなおして——逃げも隠れもいたしません。りっぱな方の夫人でありますので、まず生命保全の方法を講じて、しかる後になぜ調べなかったか。この適切なる方法を講じなかったために、御夫人は今なお救うべからざる病気の状態が続いておる。御主人の事件はすでに控訴審まで済んでおるけれども、その御夫人の事件はついに今日までなお進行していないではないか。かくのごとき厳然たる事実が存在いたしますにかかわりませず、これをこのままほうっておいてよろしいというものではございません。その方法が果して適切なものであったかどうかということについては、新法務大臣において十分の御調査を願いたい。ここに私の申し上げたことが真実であるかどうかわかりませんので、これに対する十分な意見を承わることができないかもわかりませんが、すでに刑事記録となって、争うことのできない記録となって現われておりますから、一つ十分の御調査を願って、次会でもけっこうでありますが、それに対する御所見を承わりたいと思います。この事件は名古屋の高等裁判所金沢支部刑事部の被告人堂森芳夫氏の公職選挙法違反事件記録中にその記録が明確にされております。従いまして、これをお調べいただきましたならばすぐわかることでもございますし、問題は有名人の御夫人の事件でございますので、すでに法務当局においてはそれらの点については十分お調べになっておられるかもわかりません。もしお調べになっておられますならば、この際御答弁をいただきたい。そうでなければ、御調査の上その御所見を承わりたいと思います。
  57. 牧野良三

    牧野国務大臣 かようなお疑いを受けるだけでも当局としては申しわけがございません。すでに調査のある程度のものは手元に来ておりますが、納得がいきません。十分調査いたしまして、善後処置に遺憾なきを期します。
  58. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 その点についてはなお関連質問の方もあるようでありますが、この際、これに関連しまして、先ほど言った名古屋高等裁判所金沢支部刑事部にかかっております堂森芳夫氏の公職選挙法違反事件の記録をお取り寄せ願いますならば幸いでありますが、それが裁判所の方で都合が悪いということでありましたならば、すみやかにその写し等を作成して当委員会へ配付願いますように、しかるべくお取り計らいを願いたいものと希望いたします。
  59. 高橋禎一

    高橋委員長 その点は、理事会に諮りまして、委員長において適当に措置をいたしたいと思います。  法務大臣は午後の会議出席されるということになっておりますから、午前の会議はこれで退席されることを御了承願います。  坂本君。
  60. 坂本泰良

    坂本委員 警察庁長官と警視庁から参考人として警備第一部長が見えておりますから、砂川並びに大高根の警備の際の費用のことについて、時間がございませんから、ちょっとそのことだけについて御質問申し上げたいと思います。  砂川の関係は、八月二十四日から十一月九日までの十日間に出動人員は延べ一万一千三百四十三名というように承わっておりますが、その通りでございますか。
  61. 藤本好雄

    藤本参考人 お答えいたします。お尋ねの出動人員につきましては、個々の事件の場合の出動人員の数字はわかっておりますが、今総計したものは手元にございませんので、総計の数字は申し上げかねます。
  62. 坂本泰良

    坂本委員 ちびちびではなくて、今申しました八月二十四日から十一月九日までの十日間十回に、大ぜい出動したときの合計が一万一千三百四十三名というのですが、大体それくらい出動したのかどうか。はっきり何名ということまではわからないでよいのですが……。
  63. 藤本好雄

    藤本参考人 大体総計いたしまして六千人くらいになると思います。
  64. 坂本泰良

    坂本委員 この警察官の出動に対する費用が相当かかっておると思うのですが、この費用はどこから出ておりますか。
  65. 藤本好雄

    藤本参考人 それにつきましては、国から警備活動費として参っておりますので、それから支出しております。
  66. 坂本泰良

    坂本委員 この警察費用は、警察法が改正になりまして都道府県警察になり、都道府県から警察費を支出すると思うのでありますが、それを国から国費として出されたとするならば、どういう根拠に基いて出されたのでありますか。
  67. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 警察法の規定に基きまして、警備関係の経費は全額国費をもって支弁することになっております。
  68. 坂本泰良

    坂本委員 警備関係の費用は全部ですか。
  69. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 おおむねさようでございます。
  70. 坂本泰良

    坂本委員 警備関係もいろいろあると思うのですが、そうしますと、砂川の場合は、どういう警備関係の費用として出されたのですか。
  71. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 警察法第三十七条篇一項には、「都道府県警察に要する左に掲げる経費で政令で定めるものは、国庫が支弁する。」とありまして、政令で定めることになっておりますが、その項目といたしまして、第七号に、「警衛及び警備に要する経費」というように掲げてあります。もちろん予算範囲内ではありますが、原則といたしまして警備に要する経費は国費をもって支弁することになっておるのであります。
  72. 坂本泰良

    坂本委員 ただいま申しました十日間十回に六千人は、これはうそだと思うのですが、われわれの調査では、四日、五日でも千三百名、千五百名出ておりまして、全部で一万名以上出ております。それでは、警備費として国から出された費用は幾らであるか御存じですか。
  73. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 この事件のために特に出したということはないと思います。これは普通の予算といたしまして四半期ごとに経費を配賦いたしております。その経費の中の活動旅費といいますか、そういうものから支出されておるものと、かように考えております。  なお、人数につきましては、もし何でございましたら申し上げてよろしゅうございますが、目の子算用で今ちょっと読みまして、約六千人と、かように申し上げたのです。間違いありません。
  74. 坂本泰良

    坂本委員 半分じゃないですか。
  75. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 もし何なら読み上げてもよろしゅうございます。
  76. 坂本泰良

    坂本委員 警視庁から見えておりますから、警視庁の方にお願いしたいのですが、ただいまのこの十日間にわたる十回六千人と言われるのですが、われわれは一万人以上だと計算しておりますが、警視庁の方から、東京都の費用としてどれくらい支出されましたか、承わりたいと思います。
  77. 藤本好雄

    藤本参考人 警視庁といたしましては、東京都からの費用といたしましては支出いたしておりません。
  78. 坂本泰良

    坂本委員 支出していないといって、調べられたのですか。調べがつかなければあれですが、その点間違いがないですか。
  79. 藤本好雄

    藤本参考人 今申し上げましたのは、直接の警備の関係の費用でありますが、そのほかに、いわゆる超過勤務に要する費用とか、車両の燃料費というようなものは、主として都費で出ております。
  80. 坂本泰良

    坂本委員 車両の燃料費なんかは消耗品費で出ておると思いますが、超過勤務手当と消耗品費は幾らくらい出ておるか、おわかりになりませんか。
  81. 藤本好雄

    藤本参考人 超過勤務手当の方は大体百二十万くらい出ております。燃料費の方は、多くのものの中から出ておりますので、正確な数字は現在わかっておりません。
  82. 坂本泰良

    坂本委員 警察庁の方にお聞きしたいのですが、この出動人員に対しての超過勤務の費用が百二十万以上、それにガソリンその他の消耗品費が部費から出ておるのですが、国費から出ておるのはどういう方面の費用に出ておりますか。
  83. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 それは、警備に要する経費といたしまして、大体職員の活動旅費、それから捜査費、予備隊の出動費、そういうものでございます。今警視庁から申し上げましたように、一般に職員の超過勤務に要する経費あるいは出動の際の燃料費というようなものの経費は、これは都費の方、地方費の方で出す。負担区分が法律できまっておりますので、それに従いましてそれぞれ支出されておるわけであります。
  84. 坂本泰良

    坂本委員 それぞれどの方面に支出するか、——警察官は俸給をもらってやっておりますから、特に時間外勤務の超過勤務費が出ているわけです。そのほかにどういう費用が出ているのですか。またその額はおわかりになりませんか。私の聞くところによると、二百五十万以上出ているということを聞いておりますが、その点いかがですか。
  85. 藤本好雄

    藤本参考人 直接国費で出ておりますものは、これも精密に集計をいたしておりませんが、大体百万程度であります。
  86. 坂本泰良

    坂本委員 その内容はわかりませんか。
  87. 藤本好雄

    藤本参考人 内容はまだ正確になっておりません。
  88. 坂本泰良

    坂本委員 私の聞くところによると、一万一千名以上で二百五十万円以上出ているというのですが、どうも人数も金額も半分のようですが、それは間違いございませんでしょうか。
  89. 山口喜雄

    ○山口(喜)政府委員 予備隊等が出動しました場合の一日の手当、これはたしか百六十円か百八十円、非常に少い経費です。それ以上のものは支出できませんから、大体先ほどの六千人にその数をおかけ願いますと、ただいま警視庁から百万前後の金額と大ざっぱに申し上げたのは間違いないと思います。
  90. 坂本泰良

    坂本委員 その点は、私の聞くところによれば半分ですから、どういう費目で出されておるか、後日一つ調査願いたいと思います。  そこで、重ねてお聞きしますが、当日の砂川における警察官の出動はいかなる警備の目的で出動されたのですか、それを一つ聞きたいのです。
  91. 藤本好雄

    藤本参考人 当日とお話がありますのは、警察官が出動しましたいろいろな日にちのすべてだと思いますが、大体、警視庁といたしましては、砂川の基地の問題につきましては、これが当事者の平穏な交渉によって解決するということを衷心の念願としておるわけでございます。しかし、正当な調達庁調査行為が行われます場合に、それに対する各種の妨害的な行為が行われるということになりますと、警察といたしましては、公共の秩序を維持するというような警察の責務がございますので、そういうものが予想をせられ、あるいは起っておるというような状況になりますと、やむを得ず、調達庁の要請がありまするならばそれに応じて警察官を出動いたさせまして、さような事態の防止に当らなければならぬ、こういう観点から、警備の警察官を出動させておるような次第であります。
  92. 坂本泰良

    坂本委員 警察は治安を維持するための警察だと思うのですが、砂川の警備として出される点はわからないわけですが、いかなる調達庁の要請があって、そうしてどういう警備のために出動されましたか、そこをお聞きしたい。
  93. 藤本好雄

    藤本参考人 例を十一月の一日、二日、四日、五日の場合にとって考えてみますと、十一月一日、それから二日、四日の三日間にわたりまして、調達庁の方から調査、測量班を出して調査におもむかれたわけでございますが、その際に、現地の地元の方々あるいは労組の方々等によりましていろいろ妨害的な行為が行われたために、結局調査ができなかったというような事態がございまして、そのときにも調達庁から警視庁の方に警備の要請があったのでございますが、警視庁といたしましては、地元の方々の良識によりまして事態が平穏に行われるよう期待いたしまして、この際におきましては直接警備の警察官を出さなかったのでございます。しかし、三日間の状態を見まして、なお五日にはやはり相当多数の人たちによってその調査が妨害されるというような情勢もございまして、調達庁からは警察の警備について要請がございましたので、過去三日の状況等にかんがみまして、調達庁が行われようとしております測量に関連いたしまして各種の妨害行為が発生するというようなことも予想せられましたので、それを予防いたしますために出動させたような次第でございます。
  94. 高橋禎一

  95. 中村高一

    中村(高)委員 この警視庁の警備課が出しておるものを見ると、犯罪の予防ばかりでなく、何が鎮圧するというようなことが書いてあるのですが、この鎮圧というのは何か暴徒か何かを初めから予想して考えておるようであります。まあ、前の方を見ると、同情的な態度で出ろとか、よく農民の気持を察してやれとかいうようなことが非常によく書かれてあるのですが、いよいよ出るというときになると、交通妨害、業務妨害、公務執行妨害等の犯罪を予防、鎮圧するというようなことが書いてありまして、どうも暴徒に対する対策のように考えられるのでございますけれども、この鎮圧とかということは、初めからそういう目的で出動させておるのでございますか。はなはだ穏当でないと思うのでございますけれども、いかがですか。警察官にそういう訓辞でもされて出動させておるのですか。
  96. 藤本好雄

    藤本参考人 鎮圧という言葉でございますが、これは警察法の第二条、警察の責務の中に、警察は犯罪の予防、犯人の逮捕及びその鎮圧に当るという言葉があるわけでございます。鎮圧というのは具体的にはどういうことかということになろうと思うのでございますが、現に犯罪が行われようとしておる場合等におきましてこれを制御するというようなことは警察官職務執行法に警察官の執行の仕方として規定してございます。言葉をかえて申しますならば、そういう行われようとしておる犯罪を制御するというようなことになろうかと思うのでございます。
  97. 中村高一

    中村(高)委員 警察官の予防とか鎮圧という意味も今説明があったのでありますけれども、警察官というものには一つの目的があって、それ以上のことをしてはならぬのだと思うのでありますが、現場に来て調達庁の測量班の手伝いなんかをすることは、一体予防、鎮圧の中に入りますか。
  98. 藤本好雄

    藤本参考人 警察の出ました目的は、先ほども申し上げましたように、調達庁の行います調査に関連いたしまして起ることが予想せられます犯罪の制御でございまして、調達庁の行います調査そのものを手伝うというようなことは警察の任務の中に入っておりませんし、警察としてはさようなことはいたしておらないのであります。
  99. 中村高一

    中村(高)委員 それなら聞きますが、警察官が測量隊員の前とうしろに護衛してついてくるのです。そのときに予防とか鎮圧とかいうものには何も関係ない。測量をさせるために、一番先に警察官が出て、あと測量隊がついてくるのでありますけれども、そんなことは行き過ぎじゃないのですか。妨害があったときに排除するのじゃないんですよ。まるで用心棒みたいな形なんです。
  100. 藤本好雄

    藤本参考人 お話の問題は、結局、調達庁の測量班が測量をしようということに対する妨害が非常に予想せられるような状況であったと思うのですが、そういう犯罪が行われようとすることを予防する手段として行なったのだと思います。
  101. 中村高一

    中村(高)委員 まだ何にも出ないうちに、あなた、予防も何もないですよ。もう道路から入ってくるときに警察官が前に出てそのあとに測量隊が入ってくるということは、それは警察のやるべきことじゃないと思うのです。まだ何にもないところを警察官を先に立てて入ってくるのです。だれも何もまだしていないうちに、現場に来るときにそうして入ってくるというようなことは、どうも警察官としては行き過ぎのように思う。もっともひどいのは、巻尺を持っておる警察官がおるのです。測量隊が長く引いた巻尺を持ってやってやったり、こっちから運んでやったりする。そういうことは、その予防、鎮圧の中には入らぬですよ。そんなことはやっちゃいけないといっておるのに、巻尺を持ったりなんかして歩いておる警察官があるんですけれども、これは行き過ぎだと思う。
  102. 藤本好雄

    藤本参考人 そういう実情があったということは聞いておらないのでございますが、かりにそういうことがあったとするならば、その点は行き過ぎであると思います。
  103. 中村高一

    中村(高)委員 そういう点は写真にも写っておるから、また書類を出してもいいのですが、そういうことをさせては困ると思います。  それから、あなたの方の文書を見ると、——一番最後の日なんか、私も行っておったんだが、ずいぶん大ぜい出ておった。もう二千人近く来ておったのに、これによると、十一月九日には制服が八十五名、私服が五十四名、百三十九名しか出ていないようになっておるけれども、これはどうもあなた方の報告は事実を曲げておるように思われます。これはおかしいですよ。八十五名というようなことはないですよ。僕は見ておったんですから。
  104. 藤本好雄

    藤本参考人 現場に出ました警察官につきましては、この資料に載っておる数字の通りでございます。ただ、当日いろいろな事態を予想いたしまして八方面本部等に待機さした警察官は相当数あります。しかし現実に現場に出て警備の仕事に当った者はそこに書いてある通りであります。
  105. 中村高一

    中村(高)委員 彼我の動員数対比表ですよ。われわれは、現場の畑の中に出なくても、道路におったのも動員の一つだと思うが、警視庁なり立川の警察から現場に来ておるのです。これも動員だと思うが、あなたのはどれですか。畑の中におったのが八十五名というのですか。
  106. 藤本好雄

    藤本参考人 八十五という数字は、畑の中に入りまして、現実に警備に当っておった教字でございます。それで、現場付近待機というのがそのわきにありますが、これが七十五、こういう数字でございます。そのほか相当数の者が八方面本部に、これは現場から離れて待機しておったわけでございます。現場におった数字はそこに書いてある通りであります。
  107. 中村高一

    中村(高)委員 あなたの方はこの報告書に基いて予算を出しておるんですけれども予算の数と大へん違うことになると、その予算はどういうふうに使われたか問題になるのですが、これだけしか出ていないのに莫大な予算国家からとるということは、警視庁が不当な支出をしておるものと見なければならぬのですが、この数はよろしいのですね。われわれはこの数で割り出すから、そうすればあのような莫大な金は出てこないのです。
  108. 藤本好雄

    藤本参考人 予算の数字は、八月、九月に行いましたもの、それから十一月のものを含めた数字でございます。予算の場合におきましては、待機をいたしました場合におきましても予算を要する面がございますので、その点は御了解をいただきたいと思います。
  109. 高橋禎一

  110. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 警察官が出動いたしまして、ずいぶん畑を荒した事実が、この写真にもちゃんと出ておりますが、こういうことについてはどういうふうにお考えになっていますか。
  111. 藤本好雄

    藤本参考人 警察官が出動いたします際におきましては、私どもといたしましては、農地を荒すというようなことのないように厳重に戒めておるのでございまして、また、私の聞いておりましたところでは、実際に警備に当った者につきましても、できるだけ農地の被害のないように行動をした、こういうふうに聞いておるので、ございます。ただ、あの場合におきましては、妨害も相当強固でございまして、両者の間に相当もつれ合い等もございましたので、そういう点からやむを得ざる損害が若干あったということはその通りであろうと思うのでございます。警察といたしましては、できるだけ農地の損害が生じないように十分注意をいたしております。また実際そういう方針でやっておると思うのでございます。
  112. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 現実に損害が生じておるのでありますから、その立証を明らかにした場合には、警察の方はどういうふうにお取り計らいになりますか。今訴訟の準備はいたしておりますから、法廷で争うことになろうと思いますけれども、明らかにこういうような事実がはっきりしてきた場合には、責任はどういうふうにお考えになりますか。これはおまわりさんのくつが畑を踏んでいるのが現実で、もう公知の事実ですから、この点を……。
  113. 藤本好雄

    藤本参考人 警察官といたしましては、いろいろ御説明申し上げましたように、できるだけ損害の生じないということを注意をしてやっておるわけでございますが、いろいろもみ合い等の結果そういうものが生じたものであると思います。しかしそういうものにつきましては、正当な行為の執行上最小やむを得ざるものと思うのでございまして、そこに違法な行為による問題とかあるいは重大な故意過失というようなものも考えられませんので、警察としてその損害に対して賠償するという責任はない、かように思います。
  114. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 この点はまた後日争うことになりましょうから、この程度にしておきますが、九月の十三日に逮捕せられた者が三人、そのうち勾留の請求をせずに釈放したものが二人、勾留を請求したけれども却下されたものが一人、こうなっておりますが、これはお認めになりますか。
  115. 藤本好雄

    藤本参考人 検挙された者が三人であることは間違いございませんが、あとの措置につきましては、はっきりいたしておりませんので、後ほどお答えいたします。
  116. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 それでは、この逮捕の理由と釈放した理由を、後ほどでよろしから明らかにしていただきたい。  それから、十四日の逮捕者は、地元民が十三人、組合員、学生が十五人、合せて三十八人であります。その跡始末の結果はどういうふうになっておりますか。これもやはりお調べの上お答えいただきたい。
  117. 高橋禎一

    高橋委員長 ちょっとお諮りいたしますが、石井警察庁長官に地方行政委員会から出席を今求めてきておるのです。ところが石井長官に対して細田君の方から質問されることになっておりますので、時間の関係をお考え下さって、適当なところで一つ結末をつけていただきたい。  坂本泰良君。
  118. 坂本泰良

    坂本委員 それでは、石井長官にちょっとお聞きしたいのですが、これは結論になると思いますが、さっき中村委員から質問されました、まだ妨害も何も起っていない前、警察官が前に行くとかうしろへ行くとか、はなはだしいのは巻尺を持ったりしておりますが、調達庁をそういうふうに警察官が援護する、その基本は何にあるのですか。
  119. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 基地問題における警察出動の本来の目的は、あらためて申し上げるまでもなく、反対運動の勢いのおもむくところ不法律案を発生することのおそれのある場合、警察といたしましては、警察の職員にかんがみまして、これを予防し、また不法事案がすでに発生した場合はこれを取締りをいたす、これが警察本来の任務にかんがみて当然の職責であります。その職責を全うするために出動いたすのでありまして、測量業務を援護するということは、これは警察の任務でないことは申すまでもないことと思います。従いまして、先ほど来お聞きいたしておったのでありますが、中村委員の御指摘になりましたように、警察官が巻尺を持って測量隊を助けておった、こういうことでございますが、私は現地を見ておりませんから、果してそうであったかどうかは存じませんが、少くとも私が報告を受けておる範囲におきまして、私の判断するところによりますれば、これは御承知のように測量隊は逐次移動して測量いたすわけてあります。テープを張ったものを、またそれから次の個所に移動させる。そういう際に、たまたまそこに警察官が本来の任務のために配置についておる、ちょうど巻尺がからだのそばにやって来て、それを踏みつけたのでは気の毒だから、ちょっと手に持ってからだをかわす、こういうことはあるいはあり得るかと思うのでありまして、そういうことは何も測量業務を援助する意図のもとに警察官がそういうことをやっておるのではなくて、たまたま自分のところにその巻尺が来たので、体をかわしたということではなかろうか、かように思います。
  120. 坂本泰良

    坂本委員 そこで、長官にお聞きしたいのですが、反対運動を起す、その反対運動を起すのを防圧するにいうわけですね。そうしますと、調達庁の測量隊を警察がどうして擁護しなければならぬか、その法的根拠を最後に承わっておきたい。
  121. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 従来しばしば私から警察の態度につきましてはお答えをしたことがあろうかと思います。それをまた繰り返すことになるかと思いますが、この際御参考までに申し上げておきたいと思います。  基地反対運動に対する警察の基本的な態度と申しますか、私ども警察といたしましても、地元の方々が先祖伝来の土地を取り上げられることに対して、非常な悲壮な気持のもとに反対運動される気持は十分にわかるのであります。従いまして、反対運動が合法のワク内である限りは、私ども警察といたしましては、これに対して何ら干渉もしなければ介入もしない、こういう態度を堅持して参ったつもりであります。また将来もそうありたいと思っておるのであります。ただ、不幸にしまして、反対運動の熾烈なる余り、勢いのおもむくところ不法事態を起すということになりますならば、これは、警察の職責からいたしまして、反対の気持はわかるからということで、これをいつまでも黙認をするわけには参らないのでありまして、不法事態がまさに発生しようとするならば、いろいろ犯罪の予防の見地から、またすでに不法事態が発生をいたしておりますならば、これを取り締まるということは警察の職責上当然のことであろうと思うのでありまして、今日まで警察が基地の反対運動に関連して出動をいたす場合は、常に、今申し上げました見地から、その必要ありと判断したときには出動いたしておるのでありまして、その必要なしと思う場合には、いろいろ反対運動がありましても、それは見送っておるというのが、今日まで私どものとってきた基本的態度であります。
  122. 高橋禎一

    高橋委員長 それでは細田綱吉君。
  123. 細田綱吉

    細田委員 石井警察庁長官にお伺いいたしますが、前の齋藤長官のときに私費問いたしまして、そのままには受け取れなかったが、初めて伺うんだ、しかし至急にそういう問題のないように措置しますということは、齋藤長官が答えられておる。これは速記録をごらんになればすぐわかる。ということは、どういうことであるかというと、全国の警察署に被疑者の面接室のあるところは、きわめて少い。特に最近は、拘置所の不足の場合もそうですが、警察署で一応検事勾留に移したが、なお警察で継続して調べるという件数が非常に多くなっている。従って、いわゆる代監と称せられる警察署の留置場に被疑者を検事勾留中も拘置所にかわって留置する場合がかなりある。しかるに、各警察署に、特に地方府県の警察署に、被疑者の弁護権を行使するための弁護人その他と接見するいわゆる接見室というのがほんどない。これはどういうわけであるか。また、前の齋藤長官が言われてから何らかの手を打たれているか。この点を一つ承わりたい。
  124. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 全国の警察署に被疑者の面接室が全部できておるという状況であることは望ましい理想であるというふうに私ども思っておりますが、今日までこの点は遺憾ながら十分の施設が整っておらないのであります。逐次そうした理想の姿に持っていくべく、年々署の改造あるいは新築等の機会をとらえて努力いたしておる状況でございます。何分数も多いことでございますし、また金もかかることでございますので、短期間に理想の姿を実現するということは、なかなか至難でございますが、どこまでもその理想の姿に向って、今後とも一そう努力をいたしていきたい、かように思っております。
  125. 細田綱吉

    細田委員 あなたの方も、金がかかることであるからと言うのですが、それでは、昭和三十年度に、そういう警察署の改造といいますか、庁舎の改造といいますか、接見室を設けるために予算をどれだけ組んで実行されておるか、この点伺いたい。
  126. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 署の新築、改造等のいわゆる施設費をどの程度予算に計上しているかということは、私ただいまちょっと数字を記憶いたしておりませんので、数字をもってお答えすることのできないのは、はなはだ申しわけないと思います。もし御必要でありましたら、また係の者をして、数字を調査せしめまして、適当な機会にお答えいたしたいと思います。
  127. 細田綱吉

    細田委員 今さら私が申し上げるまでもないが、刑事訴訟法の三十九条に明らかに被疑者との接見交通の点について厳重に規定してある。ただ予算がないからといって、これは漫然日を送ってはいけない。あなたたちの曠職のそしりを免かれない。いやしくも刑法、刑事訴訟法という非常に重要な法律の実行のためには、あなたたちが予算を組むのは当然なんです。しかるに地方の府県に行ってごらんなさい。一つの県で弁護人に対する接見室を持っておるところが何警察あるか、ほとんどない。これじゃあなたたちは、まるで旧刑事訴訟法の当時とちっとも違っていやしない。しかも、弁護人が面会に行くと、大体刑事の前に呼んできて接見さす。こんなことでは被疑者が正直なことを弁護人に訴えることができるか。しかも、これが二日間の警察の留置の間ならいいけれども、また代監というような方法で長く留置している。これじゃまるで刑事訴訟法というものを全く警察自身がじゅうりんしている。予算がありませんじゃ済みませんよ、もうこの法律を通じた限りは、しかもこの法律政府提案の法律です。刑事訴訟法というのは政府提案の法律です。議員提出の法律じゃない。刑法、刑事訴訟法という重要な法律を施行するための予算を組まないということは、きわめてけしからぬ話である。この点は、田中官房副長官がおられるようですから、御意見一つ伺いたい。
  128. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、全国の警察署に接見室を漏れなく作りたいという理想は私たち持っておりますが、現実には先ほど申し上げましたようないろいろの制約から実現をいたしておらないという点も事実でございます。その点は、まことに遺憾に思っておりますが、しかし、それだからといって、この法にきめられておるような接見の仕事に支障を来たしてはおらないのでありまして、署の中の適当な部屋、代用するに適当なところを選びまして、その目的を達成するように十分配意をいたさしておるつもりでありますから、御了承願いたいと思います。
  129. 細田綱吉

    細田委員 これは長官が全く事実を歪曲して答えられておる。各警察署で進駐軍の監督が非常にやかましかった当時は、大体全国の警察署に接見室があった。その後、こんなものは必要がないのだといって接見室を取りこわしたり、ほかの方に使って、だんだんそれがなくなっているのが現状である。それから、あなたは今、そういう接見室がなくても、ほかの部屋を使って被疑者の基本的な権利の擁護には十分事欠かないと言っている。逆ですよ。行ってごらんなさい。どこへ行ったって地方の警察署でそんな部屋は一つもありはしない。あったって、どの弁護人が行ったって、そんなのを警察は提供していやしません。大体すぐ刑事の前で、ここでやってくれと言っておる。われわれのような図々しいのは、これは困る、あなたたちは外へ出てくれと言うかもしれないが、こんないやがらせを言って単独で接見するのはほとんど絶無です。大体の人はやむを得ないから刑事の前で聞く。従って、おざなりのことを聞くということになる。あなたの言うことは、全く事実と反しておるが、この点はどうです。かつて進駐軍の監督が強化されておった当時は、大体全国の警察署で接見室を持っておったが、その後そういうものは使わなくなった。他へ転用されている。現在は他の部屋を使っており、代用して使っておるというようなところはほとんどない。あなたの方への報告はどうなっていますか。
  130. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 ただいま、私、その関係の資料を持ち合しておりませんので、全国的な正確な実態というものをお答えできないのを遺憾に存じますが、御趣旨は十分にわかりました。私といたしましては、先ほど申し上げました、そういう理想の方向に、今後持っていくべく一そう努力をいたしまして、また、それが実現をするまでの間におきましては、接見室に代用されるべきかっこうなところを極力くふうをいたしまして、十分その目的を達するように第一線の各署の方にも十分その旨を指示いたしたい、かように存じております。
  131. 細田綱吉

    細田委員 最後に、全国の警察の数と、接見室を十分に持って、これを活用しておるところは幾つあるかという資料を一つ委員会に御提出を願いたい。それから、警察庁舎改善じゃなく、今言った接見室増設といいますか、設置といいますか、これがために三十年度予算はどれだけお使いになって、現実にどこの警察が幾つできておる、そういう資料を当委員会に提出して下さい。
  132. 高橋禎一

    高橋委員長 世耕弘一君。
  133. 世耕弘一

    世耕委員 私は中座しておりましたのであるいは重複するかわかりませんが、この点お許しを願いたいと思います。  関係当局からそれぞれ御答弁が願いたいと思いますことは、最近非常にやかましくなっております砂川基地の問題であります。この砂川基地をめぐっての人権問題、いろんな問題が発生されておるのでありますが、私ども実は現場へ参りましてつぶさにその基地の何たるかをば一応調査してきた。その経験から知識を得て、一応当局の御説明を伺っておきたいと思いますることは、砂川基地は、現在六千八百メートルの滑走路を持っております。そうして主として現在の砂川基地は修理工場として活動いたしておるような実情であります。職工一万人、一カ月の職工に支払いする賃金が三億五千万円ということの報告を受けおるようなわけであります。ところが、現在の六千八百メートルの基地の広さでは、大型の飛行機が着陸して修理を受けることができない。また新型のジェット機が故障が起きた場合に、あの基地へ飛んで来て修理を受けることができない。ゆえに、六千八百メートルのほかに約六百メートルを増大したい。しかもその六百メートルの中の三百メートルは予備として畑を残すだけであって、実際の基地拡張は三百メートルだということを言われておるのであります。現在一万人の日本人の職工が新しい飛行機の修理をしているということは、やがて日本に新しい飛行機の製造技術を獲得し得るという反面解釈ができるのであります。さらに、六百メートル拡張することによって、ジェット機の修理も、また新々大型二百人乗り、二台以上の戦車を積んで飛べる飛行機すら修理ができるということは、日本の工業技術の発達の上からも非常に喜ばしいことではないか。しかるに、これに対して猛烈な反対をしておる人たちがいる。私はこの反対の理由を発見することができない。過般行って参りますと、学生らしい帽子をかぶったのがその基地の周辺に立って、監視しておると称してながめておりました。それから、日蓮宗の坊さんだろうと思うが、ワクを組んで畑の中で太鼓をたたいてすわっておった。あの姿を見て私は情なくなった。かようなことが果して正常な基地反対の理由になるんだろうか。私はその現地を見ましてつくづく考えたことは、もしこれに反対してあそこの基地を全部引き払うということになったらどうなるんだろうか。一万人の職工が立ちどころに行き詰まり、三億五千万円に達するところの賃金支払いが停止したら、一万人の人ばかりじゃなく、あの基地周辺に住むところの数万の人間が路頭に迷う。路頭に迷わして、しかも新しい工業知識を獲得することを失って、それで何を得るんだろうか。しかも、聞くところによると、肥たごまで持ち出しておる、可憐な女まで狩り出して騒ぎ回るということで、私はあの現場を見て実は涙を流して帰って来たようなわけなのであります。反対することによって何が得られるかということを実は非常な疑問を持って帰って来た。この事実。もう一つは、あの土地関係のない労働者が何百人あるいは何千人か繰り出して警官隊と衝突するに至っては、私は狂気のさたと判断せざるを得なかった。で、私といたしましては、この関係について何か深い理由があるんであろうか、反対する人も、また実行しようとする人も、明白にその理由を掲げて世論に訴えることが一番正しい方法ではないか、こう思います。すでに解決しているやに承わったところ、今なお燃え上っておるという状況でありますが、法務委員として、人権尊重の建前、法を尊重する建前から、あの状態から見ました場合に、法の威厳もあるいは法の実行ももうすでに暴力の上に屈しているというような感じを受け取らざるを得なかったので、この際関係当局からこれについての理論的な、法的な、あるいは行政的立場からの御説明を承わりたい。それと、もう一つは、労働運動の連中があの基地に介入するのについて法的根拠はどこにあるのか、まず私は法的根拠から説明を承わりたい。労働大臣がおいでになったら労働大臣から直接お聞きしたがったのでありますが、労働大臣がおいでにならないようでありますから、他の当局から承わっておきたい、かように思うのであります。  もう一つ、時間を節約する意味において私はつけ加えて申し上げておきますが、最近神奈川県の相模原と私は記憶いたしております。進駐軍が引き揚げのために最近千人ばかり労働者が馘首されることをわれわれ報告を受けております。ところが、進歩政党と称する政党の幹部の連中ということを聞いておりますが、これは保守系の者ではなかったと思う、どうぞ首切らぬようにしてくれというように、司令官のところに泣きついたとは言いませんが、嘆願に行ったことを私は伝え聞いております。ところが、司令官は、進歩政党の幹部諸君は、アメ公帰れアメ公帰れとおっしゃっているから今帰る支度をしている、だから要らない人が千人ほど出てもそれは仕方がないじ〜ありませんか、あなた方の趣旨に従ってわれわれは引き揚げる、それを引きとめるとは何事ですかと逆襲されたということを私は聞いておる。これと同じことが砂川の基地に起った場合に、五万人の生活の保障はだれがするか、私はこれを憂える。私は現に基地の問題について——私は和歌山県の選出でありますが、二区において、大島に基地を置く場合、社会党の諸君、共産党の諸君が非常に熱心に反対された。だから、私は、そのとき選挙最中でありましたが、この運動をしている諸君なりまた地元の人に言った。今日われわれは戦争は予想せぬけれども、大島基地は少くともレーダーの基地である、しからば、この電波を利用して、遠い海上におけるところのいろいろな変化あるいはできごと、あるいは天候の予測等、立ちどころにわれわれはキャッチできるのではないか、もしこれに反対するとするなれば、文化的な耳と目をおおうという見解になるのだ、そんなばかげたことはよしなさい、むしろそういうことに反対する人があったならば気違いだとまで私は極論をいたしました。やがて君らが僕に頭を下げてあとの結末をつけてもらいに来るだろうということを予言すると言っておいて、三月ばかりたって来ましたが、結局地元の連中がレーダーの基地の何たるものか理解されて私のところに頼みに来られたから、私は政府と折衝し、地元の理解を得ましたものですから、二億ばかりの予算をとって解決した実情があります。私は基地に反対するのにはいろいろ理由があるだろうと思います。肥たごを持ち出して、まき散らして調査員を困らせるのには何かの理由があるだろうと思います。同時にまた、警官隊を応援させて測量を強行させるのにもりっぱな理由が私はあるだろうと思うから、この双方のりっぱな理由を天下に公表して、そうして世論に訴えて、批判を仰いで、このような事件をすみやかに解決するということは、少くとも民主国家国民のとるべき態度である、私はかように考える。この意味において、あらためて御当局の御指示なりあるいは御意見を承われれば幸いだ、かように思うのであります。
  134. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 私からお答え申し上げます。砂川町の問題につきましては、先ほど来いろいろ問題もございましたが、現在といたしまして、政府といたしましては、でき得る限り話し合いの方法によりまして、現地の方とも十分な解決をつける最善の努力をいたしております。今後の問題といたしまして、基地問題も相当各所に起って参ると考えておりますが、なるべく問題を起さぬような方法で解決をいたしたい、かように考えます。
  135. 世耕弘一

    世耕委員 法務省からも政務次官がお見えになっておりますし、刑事局長もお見えになっておるようでありますが、法律的に見て、こういうような行き方が法治国の労働運動として妥当なりや、かような問題に介入することが妥当なりやいなやということの見解を聞きたいと思うのであります。
  136. 松原一彦

    松原政府委員 御意見よく承わりました。前半はつい遅刻しましたので承わりませんでしたが、御趣旨はよくわかります。私ども同感の点が少くございません。ただし、法理論的の解釈につきましては、私は日なお浅うございましてよく心得ませんので、なお研究をいたしたいと思います。人権の尊重、所有権その他の尊重はもちろんでありますが、すべて暴力に渡らざるようにいたしたいと思います。
  137. 世耕弘一

    世耕委員 調達庁の安田長官がお見えのようでありますから、長官から一つこのいきさつを御説明願いたいと思います。
  138. 安田清

    ○安田(清)政府委員 ただいまのお話は非常に多岐にわたっておりますのであれでございますが、砂川の問題について所管事項に関連をいたしましてお答えをいたしたいと思います。  砂川といいますか、立川の飛行場についての規模その他の数字のお示しがございましたが、この数字については若干世耕委員の思い違いがあるのじゃないかという気がいたしております。あそこの飛行場拡張は、現在五千五百尺の滑走路を約千五百尺延ばしまして七千尺にしようということでございます。六千八百メートルというふうにおっしゃいましたが、そう長い滑走路が今あるわけではありません。まあそれはそれといたしまして、この立川の飛行場拡張いたそうというふうに政府が決心をいたしましたまでには、たびたび国会等でも御説明申し上げました通り日本の防衛を全うするためにいかにして少い飛行場でやれるかということについて長年検討をいたしました。しかも、地元の事情その他も考えて、なるべく被害が少くて済む所というふうに考えて、しぼりにしぼった結果が、問題になっておる五飛行場でございますが、お話のように立川の飛行場拡張をあそこでやらずにどこかほかへ持っていけないかということに関します。一つの難点は、今お話のございましたように、単なる飛行場ではございません。飛行機の整備基地でございますので、お話のございましたように、非常にたくさんの労務者があそこの工場で働いておられ、その家族の方も含めてあそこで生活を保っておられる、こういう状態であります、従いまして、あそこの拡張をどこかほかの飛行場でやるということを考えますと、あれだけの大きな飛行場の設備をどこかほかの飛行場に持っていかなければならないわけであります。従いまして、お説のように失業者も相当出るということを考えるわけでありまして、ほかの飛行場で間に合わないかということを考えました場合に、立川飛行場がそういう観点から結局のところあそこで直さざるを得ぬという実情になったことは、今お話のございました、工場がついておるということからこの原因も一因をなしておる、こういうふうに考えるわけであります。  それから、あそこで地元の方々の御了承を得べく、調達庁はずいぶん努力をいたしたわけでございますが、お話のございましたように、地元の方々がこの拡張に基いて自分の父祖伝来の地を失うということに対しまして御反対のお気持、その他につきましては十分われわれといたしましても御同情ができるわけでございます。十分なる補償をいたしましてこの問題を解決いたしたいというふうに考えており、現在も考えておるわけでございますが、不幸にいたしまして、御指摘のございましたような外郭団体の介入もあって、測量自体においてああいうふうな騒ぎが起きたいというのも事実であります。そういうような関係から、問題の円満なる話し合いというのが非常にむずかしくなって参りまして、やむを得ず法律に基く測量をやらなければならぬというような事態にも及んだわけでございます。われわれといたしましては、今後の問題といたしまして、こういう事態にならないように何とかして円満なる話し合いに基いてこの目的を達成いたしたいと、せっかく努力を続けておる次第でございます。
  139. 世耕弘一

    世耕委員 あそこの、基地に一万人の職工の人たちが毎日働いているということと、七百五十億のすでに物資も届いておることはわれわれは調査して聞いたのでありますが、まず一万人の職工さんに基地拡張をすることに賛成か反対かお聞きになりましたか。
  140. 安田清

    ○安田(清)政府委員 聞いておりません。
  141. 世耕弘一

    世耕委員 それは事態を処理する上において私は非常にずさんではないかと思う。あの人たちの生活が向上されるか破壊されるかに問題点があると思う。むろん、土地の人たちの住宅なり父祖伝来の土地を失う、基地にされるということは同情すべきだけれども、この点ならば、電源開発で全国至るところに父祖伝来の土地を水中に沈められている者がある。解決の方法はこんな困難なものではございません。あそこにだけ外郭団体が侵入してきて大騒ぎしてくそをかけるという醜態をするところに、私は、政府側か外郭団体か進歩政党か、いずれかに不合理なことが浮んでおるものだと思う。それを国民に批判させる材料を天下に公表することが必要ではないかということが私の今日質問する一つ理由であります。  もう一つは、あまりごたごたが長過ぎる。このために国費をずいぶん消費しておるだろうと思う。同時に、不祥事件を発生しておる、人権問題を発生させている、そしてしかも民主国家とお互いに協力して防衛態勢を整える、その間において非常な不信を招いておるというような条約上の関係、これは重大な問題であります。その点について今後どういうふうにおやりになるか。実は私は関係大臣の御列席を願ってこのことの結論を出してもらいたいと思いましたが、残念ながらその機会が得られませんので、もう一ぺんその点について重ねて申しますが、父祖伝来の土地は砂川基地ばかりではございません。全国の電源地帯至るところ、しかもそれは公共のため、国家あるいは社会共存のために、文化発達のためにみな犠牲になっておる。けれども、それはお互いに話し合えば父祖伝来の土地といえども話し合いがついている。これが話し合いがつかぬのはどちらかが横車を押しておる。どちらかが横車を押して、なおわからぬ者があれば、法的措置がとられるべきである。それが法治国の基底でなければならぬと私は思う。この点が矛盾しているのではないかと思う。この点特に当事者である安田長官は新たなる所信がおありになりますか。それとも近いうちに円満に解決するお見通しがついておられるか。私は単なる賠償金の多寡の問題で交渉してああいう騒動が起ったとは考えておりません。この見通しについてもう一ぺんお聞かせ願いたいと思います。
  142. 安田清

    ○安田(清)政府委員 ただいまあそこの現在の基地で生計を保っている者その他の意見も徴せよというお話もございました。先ほどもお答えいたしましたように、そういう調査も実はいたしておりませんが、いずれにいたしましても、われわれといたしましては、あそこの飛行場拡張いたしますことによって直接被害をこうむられる方々の御了承を得ることが第一でありまして、回りの方々の御反対、御賛成というようなことより、やはり直接被害をこうむられる方々のお気持の方を尊重しなければならぬ、こういうふうに考えているのでありまして、地元との話し合いによって問題を解決していきたい。しかも、この飛行場拡張という問題については、お話のございましたその基地において生計を営んでいる者の生活が向上するかというような問題のほかに、国といたしまして、何といたしましても飛行場拡張するということで、やはりそこに住んでおられる方々のいろいろの御被害をまず補償をいたしまして遂行するわけでございます。しかも、こういう関係の仕事をやります根本の目的は、やはり国民の守りといいますか、防衛を全うするのにどうしても不可欠であるという点からしているわけでございます。飛行場拡張その他の必要性につきましては、特に内閣から八月五日か六日に声明が出たわけでございますが、そういう観点から仕事を今まで進めておりました。お説の通り、地元の実際の関係者以外の方の反対というものが非常に仕事の円満なる進捗を阻害しているということは、遺憾ながら事実でございます。この点について、われわれといたしましては、やはり地元の方々とできるだけ話し合いの機会をつかんで、国としての必要性をよく御説明を申し上げて、御理解と御協力を得ることによって問題の解決を期したいと考えております。しかし、そういうようなことで地元の直接の関係者でない方が反対をされているから、それでは回りの世論調査をやれという今のお話のような点には、今まで気づいておりませんが、しかし、この飛行場というものの必要性については、たびたび御説明を申し上げた通りでありますし、なお、地元の現在の基地において生計を営んでおられる方々、その方々からは少くとも反対であるという御意見の表示がないわけでございますので、何といたしましても、やはり直接被害をこうむられる方との話し合いということに重点を置いてこの問題を解決していきたい、こういうふうに考えております。
  143. 世耕弘一

    世耕委員 地元の関係者と調達庁当局との話し合いで十分話のまとまるものが、結局関係のない外郭団体の第三者が闖入して行ってあなた方の話し合いをぶちこわすという、社会に伝えられているそういう事実はございませんか。今のお話にもそれにやや似たものがあるように私は承わっているが、もしそうだとすれば、第三者の介入を調達庁は断固として排除することを要求すべきである。また、排除を要求してなお聞かなければ、法務当局並びに警察当局の力を借りてやるべきものであって、それはむしろ調達庁の力の及ばざるところだ、私はかように考えるが、しかし、あなたの方が、第三者の関係のない連中が言いがかりをつけて介入してきてくそたごまでかついで持ち出すことは迷惑だから排除してくれということをそれぞれの機関要求なさったかどうか、この点を念のために一つ聞いておきたいと思います。
  144. 安田清

    ○安田(清)政府委員 砂川の基地の問題につきましては、地元の方々以外の方々の妨害があったからということで仕事が進まなかったのは事実といいますか、話し合いの段階において実は話し合いに入れなかったというのが事実でございます。これは要するに、地元以外の方々ということでなくて、地元の方々が当初から調達庁とは話し合いしないという態度をおとりになったのがもともとの始まりでございます。われわれといたしましては、何とかして話し合いに入りたいということで努力をいたしまして、たびたび現地にも参ったわけでありますが、調達庁との話し合い拒絶、立入禁止という札が各所に立てられておりまして、なかなかこの問題が話し合いにも入れない、反対は反対であるということで方々に反対の陳情なり何なりになりましたが、調達庁だけには反対にもいかない、とにかく調達庁とは絶対に接触しないというようなことが初めの状態でございました。そういうような状態で、いかにいたしましてもこれは仕事の開けていく道がつかないということで、やむを得ませず法的指置を整えまして、それでは一応外郭測量をやろうということでやりました際に、地元並びに外郭団体との衝突といいますか、それの妨害にあいまして、われわれといたしましてはどうしても公務の執行ができないというようなことから、そういう事態が起きまして警察に対しまして御要請を申し上げた結果、所期の目的を達して測量ができるようになった、こういうような事態でございました。そういうような段階になりまして初めて地元の方々と、これは都知事さんのごあっせんもあったわけでございますが、お話し合いの機会ができたわけでございます。それで、前福島長官がみずから現地に出向きまして、三日間にわたって話し合いをしたわけでございますが、しかし、なかなか解決のめどがつかない。結局話し合いも物別れというような事態になったわけでございますが、地元にもいわゆる絶対反対派ではない方々が相当ございまして、そういう方々も、そういうような形で、実は初めのうちは声をあげるわけには参らなかったようでございます。われわれの方も努力いたしました結果、おいおいと話し合いに応じて調達庁考え方も聞こうという方も出て参られましたので、そういう方々を通じて政府の意図のあるところをいろいろ伝えまして、現在に至っておるわけでございます。  そういうことでございますので、われわれといたしましては、国の要請であります拡張の仕事をできるだけ円満に、しかもなるべく早く解決いたしたいという観点から、事態の推移によりましては、先ほどからここで問題になっておりますように、法的措置に基いて公務の執行を行う際に不当なといいますか、公務執行が阻害されるというような事態が起きたときには、警察その他にも要請をいたしまして、公務の正当なる執行ができるようにお願いをいたしまして、今日に至っておるわけでございます。
  145. 世耕弘一

    世耕委員 それでは、簡単に結論を申し上げますが、どうも調達庁はこの事件処理に当って熱がないのじゃないですか。なぜかといいますと、私が一カ月ぐらい前調査に行ったときには、地元で半数以上もの方が早く片づけてほしい、政府側がもう一押し押してくれさえすれば一挙に片がつくのじゃないか、そうすればわれわれも他の土地を購入して方針を立てるのだがという、こういう声が相当あがっているのです。ですから、むしろ、私の感じたところでは、外郭団体の暴れ回るのに対して悲鳴をあげているというのが今の地元民の現状ではないかと思う。私はこういう外郭団体の主張も行動も全く是認できない。ちょうど、狭い道路を広げてトラックを通そうじゃないかという議論に対して、車夫が反対しているというのが今の状態に当てはまる。こういう非文明的、非進歩的なことは許すべきじゃない。ほんとうに恥かしいことじゃないか。こういうことならば、むしろ堂々と世論に訴えて公正な批判を求めるべきじゃないか。あそこで働いている一万人以上の職工さんたちは、少くとも私は文明の利器を製造し修理するだけの能力を持つ知識人的な労働者であると考える。わけのわからない労働者とは違って、ある一面においては進歩的な労働者であるのだから、そういう人たちの批判を聞くこともまた非常に大切なことであり、またいろいろ新しい批判を持っているのじゃないかと私は判断するのですが、このことはまた介入してくる外郭団体の連中に対して一つの知識を与えることになるのじゃないか、こう実は感じたものだからお尋ねしたわけでありますが、私のただいま申し上げたことに誤まりがあれば、率直にその誤りについて御訂正いただきたい。ただ私が聞いたまま、調査したまま、感じたままを申し上げて、手がけておられる御当局の参考に供したい、かように考えておるのであります。ことに相手方の妨害のために何回か調査に行って引き下るということは、国家権力の行使が暴力に服したいという一つ前例になることを私はおそれる。これは暴力には暴力をもって対抗しろという意味ではありませんけれども、公正なる国家権力の行使が暴力によって、不当なる圧力によって退却するということは、民主主義政治の確立の上において大きな障害になると私は思う。ですから、これはいかなる犠牲を払っても断行すべしということをここに要望し、すみやかに解決されんことを念願してやまないのであります。
  146. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 この問題のよって起った根源は、調達局長が最初に出した使用認定申請書に地元民が反対であるということを書かれてあったにもかかわらず、総理大臣が事務的に扱って地元の空気を察知せずに、もしくは察知しておってもこれに対する政治的考慮を払わなかったからこういう重大問題が起ったのだということを、私は昨日根本長官に質問したのでありますが、私は全くそうだと思う。何のために使用認定申請書に土地所有者関係人の意見書をつけるのであるか。もしこれを無視して強行するならば、こういうものは必要でないのではないか。もし反対の意見が多数であれば、それに考慮を払って、こういう政治的な大きな問題の起らないようにするのが総理大臣の責任である、昨日私はこう申し上げておったのでありまして、私の信念は今も変っておりません。  それから、この問題について世耕議員は保守党の立場からいろいろと述べられましたが、われわれ社会党においては、基地対策特別委員会を設けて、全国的に、また各地において個別的にこれが対策を講じております。また、法廷闘争としましても、すでに十月の二十二日に認定処分取り消しの訴訟提起を東京地方裁判所に起しております。それから、十月三十日に調達局長の通知取り消しの訴訟を提起いたしまして、さらに続いて十一月の二日に行政事件訴訟特例法の第十条に基く仮処分の申請もいたしております。それで、私は、さかのぼって安保条約、行政協定に関する有効無効の法律問題は別としても、今のこの二つの事件は、憲法違反、特別措置法の第三条違反ということでやっておるのでありまして、われわれ社会党の立場から闘争を続けておるのでありますが、これにつきましては、裁判所から、訴訟が起ったときには電話で大体至急に通知してあるわけです それにもかかわらず、総理大臣異議の出たのはその後でありまして、十一月の十二日と十六日にこの仮処分の執行停止の申請は却下されておりますけれども、総理大臣異議をやる前に、すでにあなたの方は十月の一日から訴訟の出た後の現状変更は待つべきであったと私は思う。執行停止の仮処分の却下があれば別問題でございますけれども、申請をして総理大臣異議のあるものは却下になるかならぬかわからぬ。その間はあなたの方で現状変更しないことにして裁判所決定を待つべきであると思ったのに、すでにこれを無視して——法律上はそれでいいかもしれませんけれども、行政措置としては執行停止の申請が出ておるのでありますから、この決定を見るまでは私は中止すべきであったのじゃないかと思うのであります。そういう問題をかれこれいろいろ含んで、この問題は幅の広い、大きな日本の国内もしくは国際関係の問題になっております。世耕委員はその主張を双方明らかにして国民の批判を待つべきだと言われる。これはまことにけっこうであります。当委員会はこの測量にからんだ人権じゅうりんを中心として調査を進めておるのであります。内閣委員会においてもこの基地問題は論議されております。外務委員会におきましてもアメリカとの関係において論難されておるであろうと思いますし、さらに社会労働委員会におきましても特調をめぐっての争いもありましょうし、また建設委員会におきましても土地収用法をめぐって論議があるわけであります。当委員会におきましても、もちろんこの人権じゅうりん問題にからんで調査を進めるわけでありますが、世耕委員の発言がありましたので、私は希望の意見を述べておきますが、どうかわれわれのこの委員会におきましも、この権限の許す範囲において、なお起りつつあり、また将来起るべき問題でありますから、これは委員長におきましてもうんと取り上げて、いわゆる世論に訴えるべく審議を進められんことを希望する次第であります。  なお、今の点にからみまして伺っておきますが、法律上の効力といたしましては、十一月の十二日と十六日に執行停止の仮処分申請が却下になっておりますから、これ以後において法律的にはもちろんあなたの方で測量調査をされてけっこうでありますけれども、行政官庁の措置といたしましては、私はこの訴訟の提起があった場合には現状変更するということをとめておかるべきではなかったかと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
  147. 安田清

    ○安田(清)政府委員 御指摘のございましたような仮処分その他の訴訟が提起されたことは、裁判所からの通知で存じております。総理大臣異議申し立て以前に測量をやったのはおかしいじゃないかという御指摘がありました。われわれといたしましては、総理大臣の認定のございましたのが十月の十四日と覚えております。それ以後、認定があったにつき、地元に局の相当な責任者を派しまして、その旨について、なお先ほどから申し上げましたように地元の御了承を得べく、少くとも法的措置を講じて測量その他に立ち入るについては静穏にやらしていただきたいというような点もあわせまして、お願いに上ったわけでございます。そういうようなことでいろいろとお願いをいたしましたが、結果的にはどうしても御納得をいただけなかったわけでございます。いずれにいたしましても、この総理大臣の認定に基きまして、あとの手続を進め、そうして測量に参ったわけでございます。仮処分の御申請のあったことは存じておりますが、仮処分の申請がございましても、これは土地収用法その他によりまして適法に行われて獲得いたしました土地物件の調査権というものの停止をするものではございませんので、測量に参ったのであります。そういうことでございますので、却下のあった日以前の測量とその以後の測量ということについては何らの差異もないもの、こういうように考えております。
  148. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 仮処分の申請の却下を待たずに測量できるということは、それはもちろん法律上はできるでありましょう。もしかりに、これは仮定ですけれども、この問題は総理大臣異議のあることはあなたも予想したかもしれませんけれども、もしも総理大臣異議がないということになると、この訴訟提起から仮処分決定のあるまでの間に現状変更した場合にはどういうふうになりますか。もし総理大臣異議がなかったとすれば、この停止の仮処分がきまったかもしれません。あなたの方は、予想して、もちろんそうくるであろうからといってやったのでありますけれども、私は、法律上の行為のよしあしでなしに、行政官庁としては、こういう訴訟が起って仮処分の申請をしてあるのでありますから、その結果を見るまで現状変更をしないでおくべきが行政官庁としての妥当な措置ではないかというふうに伺っておる。やったことは違法であるとかないとかいうことを伺っておるじのゃないのです。その点いかがですか。
  149. 安田清

    ○安田(清)政府委員 御指摘のございましたように、訴訟の決定があるまで行政的には待つという考え方もあるわけでございます。現に、砂川におきましても、当初やりました準備のための立ち入りのときには、仮処分が提起になりまして、われわれといたしましても仮処分決定があるまで待とうということで待った例もございます。しかし、そういうように過去の経験も持っておるわけでございますが、今回におきましては仮処分決定があるまで待たずにやったわけでございます。それには、われわれといたしましては、日にちもいろいろなことで非常におくれております。何といたしましても適法な調査立ち入り権に基いてやる仕事でございますので、この際はその決定があるまで待とうということをしなかったのでございます。
  150. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 先ほど世耕委員からいわゆる条件派の数の説明があったようでございますが、私の聞くところによりますと、反対が現在八十六名、いわゆる条件派と称する者が四十一名と伺っておりますが、いかがですか。
  151. 安田清

    ○安田(清)政府委員 いわゆる条件派あるいは反対派という方々の数につきましては、これは何といいますか、いろいろの見方があるようでございます。われわれといたしましても、毎日これは動いておるような状態でございますので、的確なそういうようなふるいわけの数字というものははっきりいたさないのであります。
  152. 高橋禎一

    高橋委員長 田中委員、今度は通告のございました質疑を願いましょう。
  153. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 それでは、関連しまして、法務省の刑事局長がお見えになっておるようですから、私、昨日告訴した事件の氏名を申し上げておきましたが、今日もう時間もありませんし、説明を伺おうとは思いませんが、一つ大高根の問題にからんで、柿崎美夫という者から山形県の警察本部長以下数名の告発をいたした事件がございます。これは、昭和三十年十月十一日、罪名は特別公務員暴行傷害、それから調達局長が酒を十本この警察本部へ持っていって、どうぞよろしく頼むという内容で涜職、後にこの酒は返したようなことを言っておるそうでありますけれども、提供でありまするから贈賄という罪名になっておるそうであります。この経過を一度お調べになっておいていただきたいということを御要望申し上げます。
  154. 井本臺吉

    ○井本政府委員 柿崎美夫という告発人から本年の十月十一日に告発が出ておることは事実でございます。この告発のその後の調査につきましては、まだ私どもの方に報告が参っておりませんので、後刻さらに取り調べまして適当な機会に御報告申し上げたいと存じます。
  155. 高橋禎一

  156. 細田綱吉

    細田委員 先ほど佐竹委員から大臣に質問されて、そのお答えが留保せられたので、これは私もあまり個々の問題については御質問を差し控えておきますが、あのときお聞きのように、堂森芳夫候補の夫人がどういう嫌疑で逮捕勾留されたかということは別といたしまして、脈搏が八十、過去においても既往症として心臓が非常に悪いということで、主任巡査部長からも署長に上申があって、取り調べを中止して保護室で湯たんぽを抱かして寝かせたというほどに当時非常に悪かった。しかも、その後の検事の取り調べの途中で、たしか私の聞いたところでは二、三回も卒倒しておる。しかも荒川医師に診察さしたら、非常に危険な状態であると言い、そうして強心剤を打ったという。強心剤を打ったんだから、打った当時は一時よくなる。その強心剤を打ったあとで刑務所の医官に診断さしたら、これは大丈夫だという意見、しかもビタミンとビタカンファーの注射を前後数十日打ち続けて、五十三日間勾留した。なお、堂森候補の母堂は六十六才か七才、またこの人は、夫人が低血圧なのに対して高血圧で、二百二十ないし二百四十、これも医師の診断ではっきりしておる。眼底出血はもうすでにある。この人を三十数日勾留して調べておる。従って、これが影響して、今もって堂森夫人は公判にも出られないような始末で、からだを悪くしており、母堂に至っては、その後視力がすっかり悪くなってしまって、半失明状態、今もってそういう状態であります。これは、今もってというけれども、お年寄りですから、永久そうかもしれません。こういうような過酷な取り調べ——注射して一時安静状態にもどったところを刑務所の医官に診断さして、これは大丈夫だというような、これは少しむちゃだと思うが、そういうようなことまでして、しかも検事が、一回ならず二回、三回と卒倒しておるのにかかわらず、なおかつ出所させないで取り調べるというようなことは、選挙違反の事犯ではやむを得ない全国的な事例ですかどうですか、この点ちょっと伺っておきます。
  157. 井本臺吉

    ○井本政府委員 先ほど大臣から本件につきましてはさらによく調査をするという言明があったわけでございますが、私どものところへ参っている報告書によりますと、確かに荒川というお医者が先ず見ております。これは堂森さんの派のお医者さんだそうでありまして、別にお医者さんの診断がへんぱに失すると申しませんけれども、そのほかの福井の刑務所高橋医師、友影医師の両方のお医者さんがさらに見ましたところが、これは十分勾留に耐えられるという診断でありますし、当局側といたしましては、この堂森夫人は逮捕される少し前までオート三輪車などに乗られて連日選挙運動をしておられたという状況でありますので、この程度の状況では勾留して取り調べることは差しつかえないのじゃないかという観点でやったような報告が参っております。  それから、お話の、一般論といたしまして、勾留すると卒倒するような者の勾留を続けていいかどうかということでございますが、事案によりませんとよくわかりませんが、私どもお医者さんの方のことは専門でありませんので、さような場合には勾留に耐えるかどうかということを十分医者に見させまして、お医者さんの方で勾留に耐えるという診断がありますれば、やはり場合によっては勾留を続けて調べるということも当然あり得ると思います。選挙違反などではないような刑法犯におきましては、ずいぶん病気の様子をいたしまして、外へ出すとすぐびんびんしてしまうというようなことで、悪い者がのがれるという事例もありますので、私どもといたしましては、全般的に専門家のお医者さんの診断をもとにいたしまして、その診断によって、勾留しても差しつかえないという者について引き続き勾留取り調べを続けているというのが実情でございます。
  158. 細田綱吉

    細田委員 あなたは今、荒川医師は堂森候補の派の人だ、こう言われる。そういう趣旨でしたね。それだったら、刑務所の医官というのは刑務所派ですよ。地方の警察庁を監督される法務当局がそういうことをまじめにお考えになるのですか。ふだん高志警察署でしょっちゅうこの人にいろいろ被疑者の診断をさせておる。だから、警察としては十分信頼できる人だと思う。ただ、その人が同じ大学を出たから、同じ医科におったからというようなことで堂森派だとか何とかいってこの事件だけを別にするということは、きわめてすが目というか何というか、ものを一方的に見過ぎている。そして、あなたのおっしゃるのは、病気だというけれども刑務所を出たらぴんぴんはね回っている者もあると言う。そういう事例もおりましょう。これは場合による。少くとも過去の既応症、低血圧、そうして卒倒の事実等は、何と言ったってそんな人じゃないですよ。そういうことが平然と行われるとしたのでは、われわれは非常に考えざるを得ない。事案によると言うけれども、今申し上げましたように、検事の前で数回卒倒している。ピタカンファーの注射を数十日連続して打っている。しかもその人は低血圧、既応症の心臓病がある。母堂に至っては眼底出血も前にやっておって、血圧は二百二十から二百四十、これは六十六、七才になると危険状態であるにきまっています。こういう事案でも、抽象的に、あなた方の御趣旨ではかまわぬからやるということでありますか。
  159. 井本臺吉

    ○井本政府委員 私どもといたしましては、お医者さんが三人おって、三人のうち二人までが勾留に耐えられるという診断でありますので、このお医者さんの診断に従ったのでございます。抽象的に高血圧で今にも死ぬかもしれぬという人を勾留して差しつかえないかと言われますと、それは適当でないと言わざるを得ないのでございますが、本件につきましては、さような医師の診断に従いまして、勾留に耐えられるという判断のもとに調べを続けたのが実情でございます。
  160. 細田綱吉

    細田委員 担当検察官の前でも数回卒倒している。そして数十日注射の打ち通しです。三人の医者のうち二人と言うけれども、友影女医はいいと言いながら、なお心臓が云々というふうに、一面どっちにでもとれるような診断です。そういう診断を三人のうちの一人がやっているわけです。正直に言えば、医務官は大丈夫だ、荒川医師は危ない、もう一人の人はどっちにでもとれるようにできているわけです。しかも取り調べ官の前でも卒倒しているんだから、そういう場合になおかつ基本的な人権をじゅうりんしてもそういうものは留置して調べなくちゃならぬとは私には考えられない。一般論としてはどうしたって出てこない。これを最後にさらに承わっておきたい。
  161. 井本臺吉

    ○井本政府委員 卒倒々々と言われるのですが、私どもの方に参った報告では、目まいを起して腰かけからゆるやかに床の上に倒れたことがある旨の報告があります。ただ、この場合でも、別に意識がどうというのではなくて——非常に弱っておったことはうかがわれますが、同時にお医者さんの診断を受けまして、この程度では別に拘束してはいかぬというような状況ではないという診断がありましたので、引き続き拘束をして調べを続けたのが今までの報告の事実でございます。なお、仰せの点につきましては、先ほどの大臣の御言明もありましたので、さらに詳細に調べてみたいというふうに考えております。
  162. 高橋禎一

  163. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 売春処罰法について副官房長官並びに法務当局お尋ねいたしたいと思います。  第二十二特別国会におきまして売春等処罰法が提出せられましたときに、次の国会に提出をするように要望の決議をいたしまして、同法案が否決せられたのは御承知通りであります。もちろんこの決議を尊重されてのことと思いますが、昭和三十年の十月二十八日の閣議決定に基きまして、売春問題連絡協議会設置されたことは御承知通りであります。先般われわれ法務委員の者が副官房長官、連絡協議会議長であるあなたにお目にかかった際に、さらにに売春問題対策審議会法を作って、この法律に基き売春問題の審議会を作るというお説でありまして、通常国会の劈頭にこの法案を出したい、こういうことでございましたが、その点はどれほど進行いたしておりますか。
  164. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 先月の十九日に法務委員会理事方々と一応懇談をする機会をいただいたのでございます。その際に私から申し上げたことは今も変っておりませんです。法務委員会の御決議の趣旨を体しまして、内閣に強力なる審議機関を設けて、その議を経て行政措置立法措置予算措置など総合対策を策定して、すみやかに政府の責任において実施励行すべしという御決議の趣旨でございますので、最初、政府といたしまして、閣議の決定に基く事実上の審議会を設けまして、それによって法案の一応の事前の御審議と申しますか、いろいろと審議会において御意見を承わって、政府の原案を出そうという趣旨であったのでございますが、法務委員長それから法務大臣、官房長官関係者の合議に基きまして、やはり強力なる審議機関を設けることはあくまで法令の根拠に基く察議会でなくてはならないだろうという御趣旨でございまして、さような趣旨から、通常国会の劈頭に審議会設置法案を提案いたしまして、それを御審議を願い、すみやかに法令の根拠に基く審議会設置させていただきたいと思います。それと相並行いたしまして、先般政府部内において、前内閣の末期でございますが、関係庁の担当官だけで連絡協議会を組織いたしまして、私が議長をさせていただいておるのでございます。これの間で政府として法案の一つの原案というようなものを策定してみたらどうだろうというので、数回会合いたしまして、大体の方針をきめまして、ただいまその法案の原案といったものを作成をいたしております。臨時国会が済みましたならば、早急にさらにこの連絡協議会を開催いたしまして、一応法案の草案的なものを一つ作成いたしまして、それができましたならば、またあらためて、これは正式な手続ではございませんが、今後またいろいろ御審議を願う意味におきまして、法務委員会の方にも一応御相談いたしまして、法務委員会としての方向なり御意見というものを十分に参酌いたしまして、一応法案なるものを作りまして、そして今私が申しました法令の根拠に基く審議会にこれを一ぺんかけまして、そうして十分御審議を願いまして、その結果政府の最後の原案というものを策定いたしまして、国会に提案いたしたい、かような順序でやりたい、こういうように考えております。大へんどうもおそくなって申しわけないのでありますが、必ず通常国会までには政府の法案の草案といいますか、そういうものを作り上げてみたいと、せいぜい努力いたしておる次第であります。
  165. 田中幾三郎

    田中(幾)委員 御努力のほどはよくわかるのでございますが、その草案をさらに法案に作りまして、来るべき通常国会に提出のできる見通しですか。  それから、売春問題対策協議会ですか、この構想によりますと、もちろん予算を伴うことになると思うのでありますが、三十一年度の予算にもこの点の考慮が払われておるかどうか。
  166. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 この点につきましては、政府部内の連絡協議会におきまして、それぞれ法案の最終的な決定は別といたしまして、一応三十一年度予算には、労働省は労働省、厚生省は厚生省、警察庁は警察庁、それぞれ予算をすでに要求しております。
  167. 高橋禎一

    高橋委員長 吉田君。
  168. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいまの問題に関連しまして、本来、この問題は非常に重大な政府と当委員会の約束でありますので、法務大臣その他の政府当局に伺いたかったのでありますけれども、ただいまのところ、今国会中に機会もなさそうでございますので、若干補充的にただいまの同僚の質問に関連して聞いておきたいと思うのであります。  法務省は、三十一年度に、いわゆる広い意味における売春対策とか、売春の禁止とか、そういう概念に入るべきもの、すなわち本年七月十九日に当委員会において決議されましたその趣旨に沿いまして、何らかの予算措置をとったかどうか、それを一つお尋ねしておきたい。
  169. 松原一彦

    松原政府委員 実は、法務省としましても、ただいまの田中官房副長官の言われる通りに心得て、次官等が連絡に参っておりますし、なお、省内でも、牧野法務大臣意見によりまして、ただいま別個に協議もいたしておる次第でございまして、人権擁護の方面におきましても、昨年に比べて保護の予算をとっておりまするし、また一部にはすでに東京地検の柳川検事正のところでも、すでに保護相談の実行まで進めておるようなわけでございまして、今具体的の数字は私は申し上げかねますが、これはまかなえるだけの予算要求しておるということを経理部長から聞いております。
  170. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいまの意見につきましては、一つ委員長にお計らいを願いまして、田中官房副長官の御説明があったのでありますから、法務省、労働省、厚生省において、売春対策と申しますか、三十一年度新たに予算要求をしておる事実がありまましたら、その予算費目、金額などを資料としてお取り寄せ願いまして、われわれ検討してみたいと思いますので、ぜひお取り計らいを願います。  ついでに、この機会に、次の準備のために資料を出していただいたら大へんいいと思います。いわゆる売春婦と目すべきものが全国に何ほどの数存在しておるか、最近のものをあらためて法務省、厚生省、労働省あるいは警視庁などに対して資料として出すようにお計らいを願いたいと思います。それから、最近ここ一年間の転落防止の対象になった人数、それから、厚生省におきまして最近具体的に転落防止について種々施設が拡大されたように聞いておりますので、そういういった面についての資料、それから、いわゆる売春婦に場所に提供しております営業者の数、それらをまず資料としてお取り寄せを願います。なお、参考に、旅館とかあるいは飲食店、そういうものにつきましても、あわせ参考資料として、適当と思われる範囲におきまして数を出していただきたいと思います。  それから、これは次官に伺っておきますが、前国会の決議の趣旨によりますと、適当な対策協議会と申しますか、審議会式なものを設置するということもさることながら、次の通常国会には売春禁止の法律案自体を出すことを実は約束されているのでありまして、大臣はこれに対して最善の努力をするとお誓いになったのであります。今田中さんが述べたごとく、審議会設置もさることだけれども、どうしても次の国会におきましては売春禁止という法律案自体を出す義務があるのであります。これの用意はないでしようか。それを出す意思がないでしょうか。これは大臣にぜひ伺っておかなければならぬと思った点ですが、それはいかがですか。また、そういう方向へ向って今内閣の内部に各省の連絡機関設置されているということでありますが、そういう方におきましても、法案自体についての御用意はないのかどうか、そういう原案を作りつつあるということでありますが、それは次の国会において出すおつもりの原案になるのかどうか。というのは、あなたの方では法的根拠に基いて審議会設置を常会劈頭に出すとおっしゃるのだが、法的根拠に基いて強力な充実した審議会を設けて、その上でということになると、おそらく常会に間に合わぬのではないかと思いますので、禁止法案自体をやはり通常国会に出す約束でありますので、そのつもりでその法案の原案を今作成中であるのかどうか、この二点を両方からお伺いいたします。
  171. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 ただいまの御趣旨の資料につきましては、内閣におきまして関係各省と協力いたしましてお手元にお届けいたします。  それから、第二の問題につきましては、先ほど私が申し上げましたごとくに、まず法令の根拠に基く審議会を最初に作っていただきまして、そうして政府の方で作りました法案の要綱のようなものをこの審議会で早急に御審議会を願いまして、その審議会の御審議が済みましたら、すぐそれを政府提出の法案化しまして、同じ通常国会に提案する準備でございます。
  172. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 法務省もそれでは御同様に伺っていいのですか。
  173. 松原一彦

    松原政府委員 御承知のように、牧野法相はいろいろ意見を持っております。しかし、その意見は、売春という文字などについては非常に苦慮をいたしておるようでございますが、売春を禁止するというその一面に、婦人の人権を擁護するということを含めて適切なる法案を得たいというので、非常に苦労いたしております。それで、われわれもその調査を命ぜられておりますので、見通しとしましては、この審議会にわれわれの意見も申し入れて、御決議の意味が徹底するような法案を得て通常国会に出す、こう行っておりますから、どうぞ御了承願います。
  174. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと確認しておきたいのですが、そうしますと、これはやはり法務省所管の法案ということになりましょうか。あるいは、いろいろお話の状況によれば、他の省に相当食い入った関係があるようにも思われますが、法務所管の売春禁止法といったものと了解していいのですか。
  175. 田中榮一

    田中(榮)政府委員 これは法務省、警察庁それから労働、厚生各省にわたっておりますが、法案提出の責任省としては、われわれは法務省が当っていただくことを希望いたしております。
  176. 高橋禎一

    高橋委員長 本日の日程はこれで全部終了いたしました。これにて散会いたします。   午後二時二十三分散会