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1955-12-06 第23回国会 衆議院 農林水産委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月六日(火曜日)    午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 村松 久義君    理事 小枝 一雄君 理事 笹山茂太郎君    理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君    理事 田口長治郎君 理事 足鹿  覺君    理事 稲富 稜人君       赤澤 正道君    足立 篤郎君       安藤  覺君    五十嵐吉藏君       伊東 岩男君    石坂  繁君       大森 玉木君    川村善八郎君       楠美 省吾君    鈴木 善幸君       中馬 辰猪君    綱島 正興君       原  捨思君    本名  武君       松浦 東介君    松田 鐵藏君       松野 頼三君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    伊瀬幸太郎君       井谷 正吉君    石田 宥全君       川俣 清音君    佐竹 新市君       楯 兼次郎君    中村 時雄君       芳賀  貢君    日野 吉夫君       久保田 豊君  出席政府委員         農林政務次官  大石 武一君         農林事務官         (大臣官房長) 谷垣 専一君         農林事務官         (農林経済局         長)      安田善一郎君  委員外出席者         農林事務官         (農業改良局         長)      大坪 藤市君         農 林 技 官         (農業改良局普         及部長)    徳安健太郎君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      新沢  寧君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 十二月二日  委員澄勇辞任につき、その補欠として足鹿  覺君が議長指名委員選任された。 同月五日  委員松山義雄辞任につき、その補欠として村  松久義君が議長指名委員選任された。 同日  委員長綱島正興委員長辞任につき、その補欠  として村松久義君が議長指名委員長選任  された。 同月六日  委員井出一太郎君及び加藤常太郎辞任につき、  その補欠として吉川久衛君及び松田鐵藏君が議  長の指名委員選任された。 同日  理事安藤覺君、鈴木善幸君、松浦東介君及び中  馬辰猪理事辞任につき、その補欠として小枝  一雄君、助川良平君、笹山茂太郎君及び田口長  治郎君が理事に当選した。 同日  理事足鹿覺委員辞任につき、その補欠として  同君が理事に当選した。     ————————————— 十二月五日  積雪寒冷地帯米穀検査規格引下げに関する請  願(八田貞義紹介)(第一四号)  米の直接統制継続に関する請願上林榮吉君  紹介)(第一五号)  国営笠之原地区畑地かんがい工事施行等に関す  る請願上林榮吉紹介)(第一六号)  台風常襲地帯における農林水産業災害防除に  関する特別措置法制定に関する請願上林山榮  吉君紹介)(第一七号)  米の配給措置に関する請願宇田耕一紹介)  (第一九号)  米穀統制撤廃反対等に関する請願鈴木周次  郎君外一名紹介)(第二〇号)  同(高木松吉君外一名紹介)(第二一号)  天間林地区水田開発工事施行に関する請願(  小笠原八十美紹介)(第三九号)  機船底びき網撤廃に関する請願森本靖君紹  介)(第八二号)  内地米五日分増配に関する請願松原喜之次君  紹介)(第八三号)  大津漁港修築に関する請願本名武紹介)(  第八四号)  米穀予約売渡制継続に関する請願鈴木周次  郎君紹介)(第一〇三号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法有効期間延長  に関する請願小枝一雄紹介)(第一〇四  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  朝鮮半島周辺の公海における漁船の安全操業確  保等に関して、参考人出頭要求に関する件  農産物価格対策に関する件     —————————————
  2. 村松久義

    村松委員長 これより会議を開きます。  この機会にごあいさつを申し上げたいと存じます。私、はからずも昨日本委員会委員長選任をせられました。どうか一つ皆さんよろしく御指導、御鞭撻をいただきたいのでございます。何分にもふなれでございます。その大過なきを期するために努力をいたしたいと存じますが、議事規則等に関しても、本日初めて読んでみまして、戦前の運営方針とは大分異なっておることを発見いたしまして、むしろ驚いておるのでございまするが、どうかその点に関しても、全くふなれなものとしての御指導をいただきたいと思うのでございます。誠心誠意、公平にかつ円満に会議進行をいたしますることを衷心より私希望をいたしておる次第でございます。ふなれでございますので、大体においては理事会にいろいろ御意見を拝聴いたしまして、その議に基いて、私議事進行をいたしたいと考えておるのでございますが、特に理事諸君については、御協力をお願い申し上げたいと思うのでございます。  以上簡単でございまするが、ごあいさつを申し上げた次第でございます。(拍手)     —————————————
  3. 村松久義

    村松委員長 この際お諮りをいたしたいと存じます。理事安藤覚君、鈴木善幸君、中馬辰猪君及び松浦東介君より、それぞれ理事辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認めます。つきましてはその補欠、並びに委員の異動に伴い欠員となっておりました理事一名の補欠を、慣例により委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認めます。御指名を申し上げます。    小枝 一雄君  笹山茂太郎君    助川 良平君  田口長治郎君    足鹿  覺君 をそれぞれ理事指名をいたします。     —————————————
  6. 村松久義

    村松委員長 前会に引き続きまして、農産物、特に大豆価格対策について調査を進めます。御質疑があればこれを許します。
  7. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 大豆価格低落に対する措置につきまして、去る一日の当委員会におきまして、政府にこれが緊急対策並びに恒久的な措置につきましてお尋ねをいたしておったのでありますが、政府においてもすみやかにこれが対策を確立したいという御答弁がなされておったのであります。現在開拓農民初め、非常に価格低落によって困窮をいたしておりますところの生産者に対しまして、すみやかに安心のいく措置政府においてとらるべきである、こう考えておるのでありますが、前回の委員会のお約束に基いて、政府はこれに対してどのような御措置をとる方針でありますか、この点をお尋ねしたいと思うのであります。
  8. 大坪藤市

    大坪説明員 大豆の問題に関しまして、最近大豆が急に値下りをいたしまして、農民方々に非常な御迷惑をかけ、また当委員会におかれましては大豆の問題について熱心に御討議を願いまして、農業改良に従事しておりまする私どもといたしましても、まことにありがたく存じておるのでございます。これは農林省の各部局にわたっておりまして、必ずしも私のところで措置する問題ではないのでありますが、いろいろ関係局部課相談をいたしまして、一応この問題を緊急的、応急的な措置と、根本的、恒久的な措置と、二つに分けて検討いたしたのであります。  緊急措置といたしまして、当面の値下りに対処いたしますために、大体四つのことを考慮いたしておるのであります。まず第一は、年間を通じまして六十四万トン輸入することになっておりますが、そのうち未発表分の四万六千トンにつきまして、この際輸入公表を差し控えまして、当分これを割当を行わない、いわゆるたな上げをいたしたい、かように考えておるのであります。  次に非常に御迷惑をかけておりまする、特に本問題のしわが寄っております開拓者に対しましては、これは大豆収入が主たる収入でありますので、早急に農林省が中に入りまして必要な営農資金あるいは借入資金等につきまして肩がわり等のために融資のあっせんを行いたい、かような措置を講じておるのであります。  次にこれはいろいろ問題と相なっておることでありまするが、輸入いたしました大豆を、外貨割当の際の輸入条件になっている需要者以外に流れているいわゆる横流れにつきましては、農林省といたしましては、今後さようなことのないように、厳重に監視をする、こういうことが第三点であるのであります。  次にこれは非常に問題がありまするが、またできるかどうかということにつきましても検討いたしておりまするが、現在既契約になっておりまして外国から入ってきまする輸入大豆のうち、これが内地市場に出ないようにたな上げをする方法につきましては、食管会計飼料用ワクとして一部のものを肩がわりするという措置を講じたらどうであろうか、しかしこれは現在の契約その他と関係がありまするので、実際問題といたしまして実行できるかどうかは困難かと思うのでありますが、そういうような措置もあわせて研究いたしまして、当面の問題といたしまして大豆の急激なる値下りをぜひとも防止いたしたい、かように考えておるのであります。  いろいろ緊急当面の対策といたしましてさような方法を考慮し、また融資等につきましては現に具体的に開拓者方々折衝をいたしておりまするので、この数日間大豆は、これを現物取引の相場に見ましても、あるいは先物取引といたしましても相当上昇の傾向に向って参ったのであります。  次に恒久的な措置といたしましては、これはいずれの方法をとるといたしましても当国会の御審議をわずらわさなくちゃなりませんし、また政府部内といたしましても、非常に重要な問題でありまするので検討をいたしておるのでありまして、できるだけ早期に方策を決定いたしまして御検討をわずらわしたいと思っておるのでございまするが、方法といたしましては、安定法の中に大豆を入れるという考え方一つ、もう一つは四月以降から関税を復活するという問題が一つ、もう一つといたしましては、政府外国産の大豆を全量買い入れるという方法一つ、こういういろいろな方法があろうかと思われるのでありまするが、いずれも一長一短がありまするし、またこの三つの方法につきましてどれとどれとを採用するかという点につきましても検討いたしておるのでありまするが、いずれにいたしましても、こういうふうに暴落によって開拓者等が非常な迷惑をこうむることのないように、また内地産の大豆が不当な下落をすることのないような恒久的な措置を目下検討いたしておるのでありまして、できるだけ早期対策決定いたしまして御審議をわずらわしたい、かように考えておるわけであります。
  9. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 ただいま応急対策として四項目にわたる措置を講ずる、なお恒久対策として農産物価格安定法改正による大豆をその適用物資として取り上げる等の案を御提示になりましたが、この応急対策につきまして二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。それは、外貨予算のうちの四千六百トンをたな上げをするという措置はきわめて効果のある措置であろうと思うのでありますが、第二点の、営農資金等政府がめんどうをみる、特に昭和二十八年、二十九年の災害融資の借りかえの資金措置を講ずるという御方針のようでありますが、この金融措置農林中金等系統金融で御措置をなさるのでありますか。政府が特に預金部資金等からてこ入れをしてこれを行うということでありますか。この金融措置は事きわめて緊急を要する事態にあるわけであります。十二月二十日前後にはこれを償還をいたしまして、春肥購入資金融通を受けなければならない、こういう差し迫った事態になっておるのでありますが、この金融措置をどのように具体的に行う御方針でありますか、この点をお尋ねをしておきたいと思うのであります。またその次の問題としまして、食管会計飼料用ワクが二万四、五千トン残っておるようでありますが、これをどのようにして現在商社等外貨割当をいたしましたものと振りかえて食管会計買上措置を講ぜられますか、この点をもう少し具体的に御説明を願いたいと思うのです。
  10. 谷垣専一

    谷垣政府委員 融資の問題でございますが、これは現在開拓者資金開拓基金によりまする保証その他の制度によりまして、中金等系統金融機関がこれに融資をいたしまして、それに営農資金等を渡す方法が行われておるわけであります。このやり方によりまして営農資金を回すわけでありますが、過日の御論議もありましたので、とりあえずすでに御要望のありました山形、宮城、栃木、群馬等の各県に対しまして中金の方から融資をいたします措置を、昨日中金の方と了解をとりまして、それぞれ下部の方に連絡をいたさせております。なお今後御要望のあります向きには同様の措置を講じて参りたいと存じております。それによりまして春のいろいろの営農準備に手違いのないようにいたしたい、かように考えております。  なお次の食管の方に既輸入既割当のものを一時買い上げまして一時保留をする、たな上げをするという措置でございますが、これはやり方等におきましてまだ多くの問題があろうかと存じます。ただ食管の方といたしましてもえさ用大豆を購入する必要があり、またそのワクに余裕を持っておる現状でございますので、すでに既契約といたしましてまだこちらに未到着のもので一般のその他の飼料以外に流れまする予定のものの大豆をこの食管えさワク内で買い上げまして、そうして操作をして参りたい、かような意味で申し上げたのであります。それらの具体的措置につきましてはもう少し研究をいたす必要があろうかと思いますが、そのようなことで進めて参りたいと考えておる次第でございます。
  11. 村松久義

  12. 芳賀貢

    芳賀委員 大豆価格安定につきましては、先日の当委員会においていろいろ論議がかわされたわけでありますが、そのときの私ども希望といたしまして、本日の委員会において政府当局としてほすみやかにその具体的な案を御決定になってお示し願いたいということを要請しておいたわけです。政府としても最大の努力をしてこれにこたえたいというような御答弁があったわけでありますが、今大坪局長の御説明によりますと、あまり前進しておらないのじゃないかと考えるわけです。たとえば下期の三十二万五千トンの輸入計画のうち、四万六千トン分に対してはたな上げにする、こういうような程度お話はすでに先日の委員会において表明されたわけなんです。ですからたとえば輸入大豆の問題にいたしましても、すでに割当を行なった二十八万九千トンに対してこれをどういうふうにするかということが非常に大事な点じゃないかと思うわけです。これはまだ税関を通っておらないと思うのでありますが、今国内においては大豆の出回り期なのですから、速急にこの分を市場にはんらんさせる必要はないと思うのです。これは政府として相当措置が講じられると思うのですが、この分に対してどうしたらいいかという点を一つ説明願いたい。
  13. 大坪藤市

    大坪説明員 すでに公表いたしました、ただいまの二十八万トンの問題でございますが、実はこれについてどうするかということをいろいろ検討いたしたのであります。しかしこれにつきましては、もちろんいまだ内地到着いたしておりませんが、インポーターなりあるいは割当を受けました業者なりでそれぞれ外国等契約を結んでおるものもありましょうし、あるいはさようなもののない段階のものもありましょうが、いずれにいたしましても、すでに公表いたしたものをどうこうするということはきわめて困難なのであります。従って私どもといたしましては、内地に参りますものはいたしかたないが、それを何とかしてたな上げをする措置はないかということで、ただいま申し上げましたように、飼料用ワク肩がわりするという方法を講じたらどうか。もちろんこれは具体的な方法といたしましては非常にむずかしい問題でありますが、そういうような方法を講じたらどうかということで、それを具体的に目下検討いたしておる段階であるのでありまして、それ以上になりますと、すでに公表いたしたものの措置はなかなか困難である、かように一応結論を得たわけであります。
  14. 芳賀貢

    芳賀委員 今局長の言われた、すでに既割当の二十八万九千トンを解約するかどうかということではないのです。もちろん通商上の国際的信用を失うようなことをあえてする必要はないのですが、ただ問題はまだ税関を通ってないのです。入ってきてないのでしょう。ですからこれは前例もあるわけで、たとえば韓国ノリの場合でも、一定期間保税倉庫に入れておいて、そうして市場価格との調整をはかるということは、これはすでに前例としてやっている事実があるのです。ですからこの入ってくる分を行政的な一つの配慮によって調節するということは可能だと思う。一年も二年もくぎづけするということではない。今出回り期に当面しておるわけです。ですからたとえばここ三カ月なら三カ月間という出回り最盛期に対する悪影響を与えないような措置は、政府責任において講ずることができる。しかし何か政治的なひもつきがあったら別ですが、そういうことは別にここで考慮する必要はない。政府のずさんな計画によってこういう事態が生じたのでありますから、これは当然政府の行政的な責任においてそういうことはやり得ると思う、可能性があると私は信じておるんですが、その点はいかがですか。
  15. 谷垣専一

    谷垣政府委員 すでにこちらの方に、契約いたしまして、出品をしておりまするものを、留保させるということは、実際問題といたしまして、できないことかと思います。ただ入りましたものは、大部分が実需者割当になっておりまして、実需者の方に回っておることになると思います。このものにつきましてはいろいろな横流れ等の問題は少ないかと思います。問題は消費者割当になっておりまするようなもので、これらのものが確実に実需の方に回るかどうかということであろうと思います。これらの点に関しましては、入りましたあとの問題についても、外貨割当の際に、需要者横流れをしないように参るかどうかというようなことを厳重に監視をして参りたい、こういう考え方でおるわけであります。すでに契約をいたしまして、こちらに出品いたしましたものを留保するということに関しましては、これは到着を阻止するわけに参りませんので、そういうようなものにつきましては、飼料用大豆として食管で買う余地がまだ若干残っておりますから、そういうようなものをそれに充てまして、買うような方法研究していったらどうか、こういう考え方でおります。
  16. 芳賀貢

    芳賀委員 この輸入農産物は、ひとり大豆に限らず、たとえばえさ等にしても、輸入に対する優遇措置というものが講じられているわけです。特に大豆の場合は、関税定率法によりますと、一〇%の関税をかけることになっておりますが、暫定的な措置をもって、これを時限的に免除しているわけです。これは前国会におきましても、定率法の一部改正を行なって、明年の三月末までこの特例措置を講ずるということになっておるわけです。何のために特例を設けて関税を免除しておるかということ。この精神を忘れて、安易な考え方輸入割当をするということは戒めてもらわなければいけないと思う。ところが入ったとたんに、使途別の処理というものが厳密に行われていない、横流れが非常に多いということは、すでに当局においても認めておられると思う。そういうことであるならば、別にこの関税を免除するという優遇措置は必要がない。今官房長からも、そういう点については今後厳重に監督をするという趣旨のお話がありましたが、それは結局、今までわかってはおったけれども、非常に緩慢であったということを、みずから表明しているようなことになると考えるわけです。ですからこれは国内における需給関係を十分調節する意味においても、入ってきたものを市場に出回らせる場合の一つ調整というものは、これは可能であると考えるわけです。飼料肩がわりするということも一つ方法であると思いますが、たとえば保税倉庫へ入れて、一定期間そこへストップさせるということも事実効果的な措置であるというふうに考えるわけです。実需者においても一度にこれを原料として使ってしまうわけでないのでありますから、そういう調節は当然これはやり得ることと思いますけれども、これをやる御意思はございませんか。
  17. 谷垣専一

    谷垣政府委員 そういう措置保税その他で留保するという考え方は現在持っておりません。
  18. 芳賀貢

    芳賀委員 そういうことをやる意思はないというのですか。ただ飼料用肩がわりすることを研究するという程度なのですね。これも飼料肩がわりをさせるということが決定になったのじゃないでしょう。そういう方法もあるがどうかと思って研究しているという過程ですか。
  19. 谷垣専一

    谷垣政府委員 これはすでにそれぞれ業者が、需要者外貨割当の際に条件となっておりますようにそれぞれの需要者の目的がありまして輸入しているわけであります。また価格の問題もあろうと思います。そういうようなことを考え合せまして具体的に折衝をしなければならぬことになっているのでありまして、ここでそういうような点の具体的な検討をいたした上でなければ実行ができないわけでございます。まだその点につきまして研究を要する点がかなりあるものでありますから、さようにお答えいたしたのであります。
  20. 芳賀貢

    芳賀委員 次に国内産大豆市場調整意味において、主として先ほどの御説明では開拓者関係を中心にして、たとえば開拓者資金融通法に基く返還分等に対しては、政府が至急に措置中金を通じて行うというお話がありましたが、この問題は結局開拓者関係というところだけに重点を置くということでなくて、これはもちろん緊急この必要はありますけれども国内における農産物価格安定という全体の視野から見てこれは重大な問題だと考えるわけです。ですから国内産価格維持を自主的にやらせるために融資を行うということなのです。そうなると当然広範に需給調整の態勢がとられなければならぬと思うわけです。たとえば共同販売の形とかいうことになりますと、もちろん全敗連あるいは都道府県の経済連等相当積極的に動いていかなければならないと思うわけです。その場合に全般の価格支持のための資金融通等に対してはどういうふうに考えておられるか、その点の御説明を願いたい。
  21. 大坪藤市

    大坪説明員 全般的な価格支持の問題につきましては、ただいま芳賀先生からお話がありました、たとえて申しますれば北海道道連につきましては中金本来の融資といたしまして、具体的に中金の方におきましても相当考慮しているようでございます。そういうような本来の均等融資方法によって措置をいたして参りたいと考えております。
  22. 芳賀貢

    芳賀委員 その融資をやる場合にどういうような計画自主調整をやるかが問題なのです。これは当然当局指導も必要なわけです。それはどういう形でやるつもりなのですか。
  23. 大坪藤市

    大坪説明員 この問題につきましては、全販連あるいは北海道連中金、それと農林省とが具体的な問題について具体的に相談をし合う、こういうようなことになろうかと存ずるのでありまして、すでに中金等におきましても相当考慮いたしているようでございます。
  24. 芳賀貢

    芳賀委員 具体的な問題といって少しも具体的な説明がないのですね。資金融通をして自主調整をやる場合には、たとえば時期別にどれくらいの販売をするとかいろいろな点に触れてくると思います。ですからその場合には、先ほども申した通り輸入大豆との関連に立って国内産販売数量をどうするかということに当然なってくると思うのですが、そういう指導的な措置というものは全然研究していないのですか。
  25. 徳安健太郎

    徳安説明員 ただいま芳賀委員の御質問にお答えいたしますが、北海道におきましては、本年大体百四十万か百三十万ぐらいが出回りになっております。その中で大体北販連が扱いますのが九十万程度ではないか。これにつきましてはただいま大坪局長から申し上げましたように、中金均等融資によって平均割ということになっております。それから開拓者の方の十六万俵につきましても、できれば中金の意向としては、販売については北限連を使用したらどうか、こういうことで今考えております。
  26. 芳賀貢

    芳賀委員 そのような形で今後計画販売が行われた場合、どの程度価格が上昇するか。そういう見通しはどうですか。
  27. 徳安健太郎

    徳安説明員 先般のこの農林委員会大豆問題をお取り上げになりましたのと、それからその後ただいま大坪局長から申し上げました応急対策措置ということで、最近の東京の商品取引所の売買成立価格を見て参りますと、十二月の二日ごろは当限で二千九百五十円いたしておりましたものが、本日では大体三千百三十円というようになっております。二月につきましては当時三千六十円のものが三千二百八十円というふうに大体この応急措置によりまして価格が上向いて参ったということが言えるのでありますが、ただこの価格をどの程度の目標に置くかということにつきましてはなかなかむずかしい問題でありまして、一応この現在の相場である程度成り行きで売っていくということに相なるかと思います。
  28. 芳賀貢

    芳賀委員 今徳安さんは緊急措置を講じたので値段が少し上ったと言っておりますが、何もまだ講じていないのです。ただ当農林委員会で取り上げたということによってそうなったということは言えるかもしれぬが。それで今の計画販売の場合も成り行きで相場で売っていくということになれば、それほどの期待は持てないと思う。そういう場合に、当然大坪局長がさっき言われた、たとえば農産物価格安定法の中に指定品目としてこれを入れて最低価格を支持させるというような必要が出るか出ないかということなんです。成り行きでいくなら何をかいわんやですがね。ですからそれに対して確固たる見通しと自信が持てない場合においては、何らかの法的措置が必要になるかならぬかということなんですが、その点をあわせて御答弁願いたい。
  29. 大坪藤市

    大坪説明員 今後の大豆価格がどのくらいにつくかということは、非常にこれは問題かと思うのでありますが、今日までのごとく最近の値段は、開拓者を初めといたしまして農民として非常にこれは困る値段となっているのでありまして、私どもとしては今のような措置をできるだけ講じまして今後の相場の成り行きを見たいと考えているのであります。たとえば肩がわり等につきましても、具体的な問題といたしましては非常に困難かと思いますが、今後の相場の変動ともにらみ合せまして、できるだけ一つそういうような措置を緊急に講じまして、値段がもう少し上向くように考慮いたしたい、研究いたしたい、かように考えております。
  30. 芳賀貢

    芳賀委員 どうもはっきりした責任のある態度が表明されていないのです。局長級だからはっきりしたことが言えぬとすれば当然農林大臣あるいは政務次官が御出席さるべきなんですが、前回の委員会にも出席しておらぬし、きょうもお見えになっておらぬということは、局長程度で事足りると思ってこれは大臣が出席しておらぬのですか。そういう場合には、もう少し政府として具体的な責任のある答弁ができると思うのですがどうなんですか。これ以上のことは農林大臣が来なければはっきりできないのですか。
  31. 大坪藤市

    大坪説明員 当面緊急にとり得る措置といたしましては、いろいろ検討いたしましたが、ただいままで申し上げましたことに尽きるかと思うのであります。それ以上になりますと、いわゆる恒久措置といたしまして、法律の改正あるいは時期を待たなくては実行ができないような関税の問題等になりますので、これにつきましてはどういうふうな方法をやった方が恒久措置としては最も適当であるかという点につきまして、目下検討いたしておるのでありまして、どういうふうな方策をとるかということにつきましてまだ結論を得ておりません。内部で検討中でありますので、早急に成案を得た上で御審議を願いたい、かように考えておる次第であります。
  32. 芳賀貢

    芳賀委員 一番大事な点は、やはりはっきりしたてこ入れをするということなんですね。法律の問題にしても、何も将来に関することではない。緊急必要と認めた場合においては、たとえば農産物価格安定法の一部改正とか、あるいは関税定率法の一部改正によって関税の復活だってあすの日からでもやれるじゃないか。価格安定法にこれを入れる場合にも、やるつもりならすぐできることなんです。何もこれは将来に関することではないのですよ。当面緊急措置として、たとえば外国大豆到着した場合において、私どもはこれを保税倉庫に入れて一定の聞くぎづけさせた方がいいだろうと言っても、政府はやる気がないということが明らかになっておるのですね。そういう場合においてはやはり法的な措置を必要とするのじゃないですか。成り行きだけでは何ともならぬから、やはりこれは筋を通すような法的措置が必要になってくると私たちは考えるわけですが、当局においてはその必要がないと思うのですか。
  33. 大坪藤市

    大坪説明員 当面の問題といたしまして先ほど申し上げましたようなことを実行いたしまして、推移を見ます一方、恒久的な問題といたしましては、先ほど申し上げましたようなことを目下検討いたしております。しかしいずれも重要な問題でありますので、直ちにきょうあすというわけには結論も参っておりませんので、御要望の次第もありますから、さらに一段と努力いたしまして、根本的な対策検討して参りたい、かように考えている次第であります。
  34. 芳賀貢

    芳賀委員 今政務次官が御出席になったので、就任早々であるかもしれないけれども、この問題に対しては、就任された当初の農業問題として当面した一つの大きな問題ですから、相当勉強されたと思う。今までの局長の御答弁ではわれわれは了承できないのです。その程度のことでこれは十分であるということは考えられませんが、一つ政務次官から——大臣が来られればなおいいわけですが、次官として、この問題に対して、事務当局として発表のできない程度の、もう少しわれわれの期待に沿うような御発言を願いたい。
  35. 大石武一

    ○大石政府委員 お答えいたします。ただいまの私に対する御質疑は、この根本的な対策をどうするかということと存じますが、応急対策につきましては、各政府委員よりいろいろお話を申し上げたことと思います。私どももこの国内産大豆価格を何とかして安定せしめたい、安心して生産家が生産できるようにいたしたいと考えておる次第でございます。ところがやはり根本的な対策となりますと、いろいろとむずかしい問題がございます。あるいは政府委員からさきに申し上げたかとも存じますが、農産物価格安定法に入れることにいたしましても、国内産輸入との数量の関連であるとかあるいはどの程度の支持価格にしたらよろしいかというようないろいろ研究すべき問題もございますし、またそれ以外にも食管特別会計において輸入大豆を一貫して買い上げるというようなことも一応考える筋もございまして、今直ちに二、三日中に結論を出せと言われましても非常に困難するのでございます。とりあえず応急対策をいたしまして、その間にできるだけ早い機会に結論を出しまして皆様に御連絡申し上げたいと考えておる次第でございます。
  36. 芳賀貢

    芳賀委員 大石さんは応急対策ができたような考えで言っておられますが、局長の今までの御説明によっても、何も応急対策はできておらないのです。ただ具体的になった点は、下期の三十三万五千トンの割当のまだ割当しない分の四万六千トンの分だけはこれをたな上げにする。こんなことは当然なことなんです。それで一番大事な点は、二十八万九千トン——これはまだ到着してないのです。これが入ってくると一番価格暴落に対して作用するのです。ですからこれは出回り最盛期の少くとも三カ月間くらいは保税倉庫に入れて、国内産の出回りを順調にさせておいて価格の維持をはかるべきであるということをわれわれは期待して再三質問をしておる。これに対してはやる意思がないということを事務当局は言っておるんですよ。ですから保税倉庫に入れさしておくということは買い上げをするよりも楽じゃないですか。新しい内閣がこのくらいなことができないで農業問題を解決するということはできない。こういう点に対しては、応急対策としてどうするかということを大臣あるいはあなたからお伺いしたい。これは腹さえきめてもらえばやれることなんです。
  37. 谷垣専一

    谷垣政府委員 あるいは政務次官に対する御質問に私がお答えするのは申しわけないと思いますが、先ほどのことと関連がありますので、お答えさせていただきます。  先ほど申し上げましたように、保税倉庫に入れまするようなことを強制するわけには参らない建前になっておるのであります。そういうことも考えまして、えさ用大豆としての転換を考慮していったらよいじゃないか、こういうふうに存じておるわけであります。なおそれぞれ当初の需要者の方にいくべきものが横流れしておるという世評もございますので、入りましたものにつきましても、そういうことのないように監視を続けていきたいと考えておる次第でございます。
  38. 芳賀貢

    芳賀委員 私は前例があるから言っておるのです。韓国ノリの場合にそういう前例があるのです。これは既成事実の上に立って当然やるべきじゃないかということを言っておるのです。強制できないということを言っておりますけれども、これはいわゆる外貨割当と関連してやれることなんです。こういう行政的な指導に従わない場合においては、政府得意の今後割当を行わないというどうかつがきくのですよ。たとえば砂糖の超過利潤吸収の問題にしても、ああいう利潤吸収を国がやれるというような強制力というものはないわけです。しかしそれを行政指導のような形でやっているじゃないですか。やれるということは、それに応じない場合には次の外貨割当に重大なる影響があるからして業者はこれに従っておる。われわれは、そういうことを知って聞いておるのですよ。強制できないとしても、これは行政的な指導でやれると思う。いかがですか。
  39. 新沢寧

    ○新沢説明員 ただいま官房長からお答えいたしました通り、制度的に、輸入したものを一定期間保税倉庫に強制的に保管さしておくことは、これはむずかしいという意味でお答え申し上げたわけでございますが、確かに行政指導の面からいいますれば、実際の使用計画に従って倉から出して、油をしぼるなりその他の製品を作っていくということになるわけでありますから、そういう意味におきましての行政指導、よけいな、不必要な部分を市場に流さないような指導をしていくという意味合いでの行政指導は、これは先ほどの横流し防止についての監視をすることの面とあわせまして、やっていかなければならないことである、こういうふうに考えるわけでございます。ただ一定計画に従って輸入したもの、またそれが外貨割当のときにあらかじめ条件をつけておきましたものならともかく、何らの条件なしに外貨割当をして、その外貨割当に基いて入って参りますものを、入ってきた後におきまして強制的に保管させるということは、非常に困難な問題が多い、こういうふうに考えまして、先ほどこれも官房長がお答え申し上げました通り、たまたま食糧庁としては、本年度の予算におきましてえさの夫買い上げがまだ二万四千トン残っておるわけでありますが、要は市場に不必要なだぶつきをなくすことが目的でございますので、強制保管ということが困難な事情にかんがみまして、政府肩がわりをして買い取ってしまうということにいたしますならば、実際上市場の余剰外貨もなくなるし、市価に対する圧迫が低減する、こういう意味合いにおきまして、目的とするところは、おっしゃいましたことと同じ目的を考えまして、手段として申し上げた方がいいのではないかということでお答えを申し上げたわけでございます。御了承願います。
  40. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいまの新沢部長の御説明によると、これは行政指導をやれるということなんですね。これは当然やれるから、われわれは別にそういうことを問題にしていないのですけれども、やれるのでしょう、今までやった事例もあるのですからね。しかも問題は政府のずさんなる外貨割当に因を発しているのですよ。ですから、これは政府責任において処理しなければならぬ。昨年度の場合は、通産省の調査によると三十八万六千トンの大豆輸入が行われておるわけですね。ことしは上、下期の計画を合せると六十万五千トンになっておるのです。実に二十二万トンもふえて、国内においては約九十三万石ですから、十四万トンぐらいの増産が行われておるわけです。そういう国内の出回りとか、一切のものに対する検討が不備であって、安易な考えでことしの大豆輸入計画ができたということが指摘できるわけです。これは、今割当が済んでおるところの二十八万九千トンが一度に入ってくるわけでないのですね。問題は、今出回り期になっておるので、ここ三カ月くらいの間、外国輸入があまり大量に到着して市場に影響を与えないような措置をとれば、相当の効果は上るということなんですよ。全部保税倉庫へ入れるというわけではない。一番大事な期間くぎづけにさせる必要があるのじゃないかということをわれわれは言っておるわけです。これはこの席で明らかにしてもらいたいと思う。次官が御答弁できなければ、農林大臣が御出席になって答弁さるべきだと思う。最近は、農林大臣に聞かなければ何もわからぬ問題が非常に多いのですよ。ですから、もしここで明らかにすることができなければ、委員長においては大臣の出席を求められて、せめてこの大豆問題の処理くらいは、当委員会において、本日明らかにしてもらいたい。
  41. 大石武一

    ○大石政府委員 お答えいたします。先ほど政府委員よりお答えいたしましたのを補足いたすのでございますが、これは何としても業者の納得を得ることが一番大事だと思います。(「業者とは何の業者だ」と呼ぶ者あり)外貨の割当を受けた業者です。これを納得させて、できるだけ御期待に沿うように処理いたしたいと思います。
  42. 芳賀貢

    芳賀委員 今政務次官の言われた、業者に納得してもらうというのは、何の業者ですか。
  43. 大石武一

    ○大石政府委員 お答え申し上げます。外貨の割当をいたしました大豆輸入業者でございます。
  44. 芳賀貢

    芳賀委員 輸入業者ですか。輸入業者に対して納得させるというのは、これは行政的な指導を行なって了承させるという意味ですか。こっちから懇請して納得してもらうということですか。行政的な指導を加えてこれを適正な方向に向けるということなんですか。どういう意味なんですか、業者に納得してもらうというのは。
  45. 大石武一

    ○大石政府委員 今までの外貨の割当は、何らこのような条件をつけないところの割当をいたしたのでございます。従いまして、われわれは懇請をして納得させる方が——あるいはこれを強制的に納得させるというようなことになりますと、それも一つ方法でございますが、補償とかいろいろな問題がからまってくるわけでございます。これもいろいろ困難な事情がございますので、今当局におきましては別な方法を考えておるわけでございます。それは政府委員よりお答えいたさせます。
  46. 芳賀貢

    芳賀委員 これは政務次官、大豆輸入によって国内農産物であるところの大豆価格が不当に暴落しているのですよ。ですから、この犠牲を受けているのは、国内大豆を耕作しておる農民なんです。わずかの輸入業者の浮沈に関することとは全然違うわけです。しかも輸入業者に対しては、特例法を設けて、関税定率法の一部をわざわざ改正までして、来年の三月末まで一〇%の関税を免除するという措置まであなた方は講じておるじゃありませんか。それにもかかわらず、なお輸入業者に懇請しなければらちがあかぬというような、こういう情ない話では、これは一貫した農政というものはできないのじゃないですか。これは通産省や何かの関係と違うのですよ。農林政務次官としてもう少しわれわれの期待に沿うような御答弁を願いたい。
  47. 大石武一

    ○大石政府委員 新任早々でございまして、言葉づかいを誤まりまして申しわけございません。懇請という言葉は間違いであります。あとから命令して処置できないわけでもありませんので、これは十分に考慮いたす所存でございます。なおこれらと連関しまして、耕作者が困らぬような生産価格に持っていきたいということを念願しまして、今別の方法も考えておる次第でございます。それにつきましては一応官房長よりお答えいたさせます。
  48. 谷垣専一

    谷垣政府委員 先ほど申し上げましたように、応急対策といたしましては、食管飼料の買付をいたしまするワクがまだありますので、そういうものの買付をいたしまして、市場にだぶつくきらいがありますれば買い上げをしていく、こういう措置をとっていきたい。かように考えております。
  49. 芳賀貢

    芳賀委員 政務次官の言われていることは、おそらくそのこととは違うのですよ。もう一つ大事な点は官房長を通じて言わしむると言っているのですから、おそらく法律等によって、たとえば農産物価格安定法の中へこれを入れる措置であるとか、あるいは関税定率の一部改正を行なって、そうして三月一ぱいの早期関税復活ができるということ、そういう点だと思うのですが、そうじゃないですか。それ以外のことはこの前から繰り返して言っておることで、われわれにしても大体記憶に残っている点ばかりなのです。
  50. 谷垣専一

    谷垣政府委員 暫定的な応急措置のほかに、関税の問題でありますとか、あるいは農産物価格安定法の対象とするかどうかという問題でありますとか、あるいは食管の買付によるコントロールを大幅に広げていくやり方はどうかというような問題、あるいは現在の割当方式の改善方法がもう少し考えられるのではないかというような問題が、今後の問題といたしまして基本的に考えなければならぬ点であろうかと思います。この点におきましてはそれぞれの対案につきましていろいろと問題点があり、一長一短があろうかと思います。たとえば農産物価格安定法の対象といたしますることを考えた場合におきましても、非常に輸入依存度の高いこういうものをいたしますることが、果して従来の農産物価格安定法の対象といたしておりました品物と比較いたしましてどうであるかというような点、あるいは支持価格を設けまする場合にどの程度の支持価格が妥当であるかというような点、もしもそれがかなり低い水準でありましたような場合には、生産者の方にどういうふうに役立つかどうかというような問題があろうかと思います。またそれがある程度高い水準になりますれば、外から入って参りまする大豆価格等との差額等が問題になりましょうから、これはこれでやはり財政負担の限度の問題が起きようと思います。また関税の問題にいたしましても、すでに御承知のように、一体関税によりまする価格というものが、消費者の方の負担になるか、あるいは大豆で油を作り、みそ等を作っております面での企業努力という格好で吸収されるか、いろいろな問題があろうかと思います。そういういろいろな方法を考えてみました場合に、相当突っ込んで考えねばならぬ点が多いのであります。そういうことからいたしまして、これらの対策につきましては十分に研究をいたしまして、そうしてできるだけ早い機会に皆様の方へ御報告申し上げるように運びたい、かように考えて研究を続けておるわけでございます。そのほか出荷の調節その他の努力をどういう格好でやっていくかという問題も起ろうかと思います。あるいは基本的にはコストを引き下げるために生産指導等の面、あるいは営農指導等の面でもう少し突っ込んだ考え方恒久対策としては十分にやっていかなければならぬ点であろうかと思います。そういうようないろいろな問題点がございますので、もう少し時間をかしていただきまして検討をしたい、かように考えておる次第でございます。以上恒久対策に関しましていろいろ問題があろうかと思いますが、そんなことを現在検討いたしておりますので、御了承願いたいと思います。
  51. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいまの官房長の言われた点は、当面実効の上る方法とちょっとずれている考え方です。それを検討する場合には、今言われたようないろいろな要素というものを十分検討した上に立ってやらなければならぬというふうに考えるわけなのですけれども、ただ指摘したい点は、農産物価格安定法の対象にした場合においても、今までの例によりますと、算定方式というものを政令に譲ったわけです。その場合政令の作り方が非常に問題なわけです。たとえばカンショ、バレイショ、澱粉の価格算定の方式にしても、あれが最善の方式であって、あの方式によることが価格安定に一番沿い得る算式かどうかということは、これは議論の余地があるわけであります。特に大豆などの場合においては、国内産だけで需要を充すだけの生産額は期待ができないから、順序としては国内生産が非常に全体の需要から見て過少であるという場合においてはそれほど価格安定の配慮というものは要らないのが通常なのであります。今年の場合は異例に不当な輸入計画を立って外貨割当を行なったというところに問題があるわけであります。澱粉等に比べれば価格支持がむしろやりやすいのではないかというふうにわれわれは考えておるわけであります。  もう一つはそういうような農産物価格支持をやる場合の算式というものは、必ずしも今までの菜種であるとか澱粉等と同じような算式によるべきかどうかということもこれは問題になる。さらに法律だけに品目をきめて、あと政令にまかすというような場合は危険がある。まかされそうであれば別ですけれども、そうでなければ逆に政令が作用して農産物を下げてしまうという場合があるので、こういう点は十分われわれとしては研究する余地があると思うのであります。それできょうの問題点は、先ほど政務次官が最後におっしゃられた通り、二十八万九千トンの到着して来る分に対しては行政的な指導を与えて、これを保税倉庫等に入れて、国内産の出回り最盛期のこの期間中は調節するというふうに理解して間違いがありませんか。
  52. 大石武一

    ○大石政府委員 十分研究いたしまして、できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいと念願いたしております。
  53. 芳賀貢

    芳賀委員 いつまで研究するのですか。
  54. 大石武一

    ○大石政府委員 食管による振りかえ買い上げをいたす予定でございます。これの効果を見ましてから十分にその方の手配をいたしたいと思います。
  55. 芳賀貢

    芳賀委員 食管による何ですか。それからいま一つは、今言っておる二十八万九千トンは、出回り最盛期期間中は保税倉庫にくぎづけにするのか、しないのか、そこなのであります。
  56. 大石武一

    ○大石政府委員 どうも就任早々なので非常に言葉使いが正確でありませんで、申しわけありません。なお正確なお答えをするために農林経済局長にお答えいたさせます。
  57. 安田善一郎

    ○安田(善)政府委員 下期の輸入のほとんど全部を保税倉庫等に入れてしまって国内価格対策といたしますことはなお慎重を要すると思うのであります。なぜかと言いますと、大豆の最終製品であります大豆油及び油かす、油かすにおいては畜産局で予定しておりました基準価格より若干下って農家に指示しつつありますが、大豆油の価格についてはそれほど下っておりません。だから総量といたしましては輸入は必要なものだと思います。しかし目下問題になっておりまする国産大豆価格についての影響は相当ありますから、えさ用の外貨のワクが別途とってありますけれども、これを入れませんで、それ以外の今御指摘の輸入量の中からなるべく早く食糧庁が用途を振りかえまして、えさ用ならば食糧庁は買う制度になっておりますので、これをいわばえさ用以外の市場からは消すように振りかえて、買い取って、ちょうど御指摘の保税倉庫へ入れれば、国内供給の中から除いて価格変動を強からしめるという効果と同じ効果をねらおうとしております。その方が手っとり早いのですから、そういうふうに措置して、その結果また御指摘のことも十分に考慮して時期を失しないようにするというのが政務次官のお答えの趣旨だと思います。
  58. 村松久義

    村松委員長 川俣清音君。
  59. 川俣清音

    ○川俣委員 今せっかく同僚芳賀委員のいろいろこういうふうな対策を講じてほどうかということについて、十分な回答を得られなかったわけですが、なぜ十分な回答を得られないかというと、基本の考え方がはっきりしないために答弁が得られない、と思うのです。そこでお尋ねいたしますが、先般の農林委員会で問題にしたところが大豆価格が上った、これはどういう理由で上ったというふうにお考えになっておりますか、第一にその点をお尋ねいたします。
  60. 大坪藤市

    大坪説明員 これは御承知のように価格変動の誘因はいろいろあるのでありまして、どういうことで最近値上りになったかということにつきましては、人によりましていろいろな要因も考えられるのでありますが、私ども政府といたしましても大豆の問題につきまして、値下りについて相当重大な関心を持っておるということも一つの要因かと思うのであります。
  61. 川俣清音

    ○川俣委員 何で上ったかわからぬようだから対策が立たないのです。どういう理由で上ったかということが把握できれば対策が講じられるのです。何で上ったかわからぬようだから、めくらめっぽうの手を、あれもやってみよう、これもやってみよう、それもよくやり切れないということになる。だから何で上ったかということをはっきり農林省が、こういう理由で上ったのだ——これをつかまえないで対策が立ちますか。立たぬようだからということで、わざわざ芳賀委員がこうやってみたらどうだとこう言うのに対して、ああだこうだと抗弁をされるのです。自信があるならばどういうわけで上ったのだ、この手を使えば安定するのだということが出てこなければならない。どうなんですか。
  62. 大坪藤市

    大坪説明員 具体的に最近市場が上向いた傾向につきましては、たとえば農林省があっせんをして開拓者融資をいたしまして、平均売りなりあるいはたな上げをするという措置について乗り出したというようなことも、一つのいわゆる市場を強める材料ではないかと思うのであります。また四万六千トンの補充を一時留保すると申しますか、たな上げをするということも、市場に対しまして、供給力に対しましても、これを減少せしめるゆえんかと思いますので、これも一つの要因かと思うのであります。先ほども申し上げました輸入大豆につきまして、食管会計で一般市場に出回るべきものをえさ用として一時振りかえをするという措置も、将来市場に出回るべきものがたな上げをされるというような格好になりますので、これも一つの要因かと思うのであります。この要因が決定的な要因になるかということにつきましては、人によりまして考え方でありましょうが、これらの原因も最近値上りをいたしました原因の一つではないか、かように考えておるのであります。
  63. 川俣清音

    ○川俣委員 そういう対策が宣伝されただけで一時値上りをするというようなことは、これは需給のバランスがそう不当なバランスじゃなかったということが言えるのじゃないかと思うのです。もう一つは、この貴重な外貨をなぜ一体無計画に割り当てたのです。おそらく計画に基いて割り当てたのじゃないかと思うのですが、そんなに手持ちが多くあり過ぎて外貨の割当が行われるわけはない。貴重な外貨を割り当てるには割り当てた根拠がなければならぬ。今必要だと言われている公共事業費すら節約するんだ、こういうのでしょう。やるかやらぬか別にして……。その外貨の割当を必要だから割り当てたはずだ。今必要でなくなったのか、まだ必要なのか、これは検討されたのですかどうですか。
  64. 安田善一郎

    ○安田(善)政府委員 輸入量全体の外貨割当に若干残りがあるわけです。月別割当としてはそう不当でないと思って、当時は適切だと思って割り当てたわけです。また外貨を組んだのでありますが、国内産の生産及び出回りについてはまだ時期が若干違いまして、収穫予想はありましたけれども、かたがたもって総需給量の関係が、下期の月別割当以外に、その前の上期、前年の下期との関係割当は月別を予定しておりましても、供給としてはずっと続いておるわけでございますので、その点において一カ月七万トンを入れるという分については、多少今の値下りが不当であるといたしますれば、その分は若干もうちょっとならして輸入をした方がよかったのじゃないかという気がいたしますが、ものの、特に大豆価格変動はそれだけで動いておるのではないかということも考えられますので、別途の措置を講じながら、供給の一部をさいて市場から除いたり、単にえさ用に振りかえるということでありませんで、えさ用に振りかえれば食糧管理特別会計が買い上げて、これをすぐえさに回さぬで、保留しておいて市場に出さぬということを考えておるわけでありますので、かたがたもって先日お話ありましたように、中共大豆その他の外割をしたものが他の用途に流れることは厳重にこれを押える。取引所もおのずから毎日の上下の値幅には制限があるべきものである。そういうこと等を加えれば外貨割当月別輸入計画、こういうことは必ずしも悪いとは思っておらないのであります。若干修正する方がいいかもしれぬという点はあると思います。ことに最近船運賃の値上りが相当ございまして、輸入に当りましてはこれらを相当考えていく方が国家的だと考えておるわけであります。
  65. 川俣清音

    ○川俣委員 そういう答弁であれば芳賀君の意見と同じじゃないですか。需給が非常に多く入れたために安くなったのではなくして、月別の輸入というか輸入の時期が悪かった、こういうことになる。それであれば保税をしておいて、需要の多そうなときにまたこれを出していくということが当然行政的に考えらるべきだ。あなたはそういう意見で言っていられるのだから、なぜ抗弁しなければならぬか、一年間の需要は大体間違いがないという見通しだ、ただ月別に入ってくる、あるいは用途別においてそこに不測な結果を来たしたからそこをねらわれたのだ、こういうのですからそれを保税しておいて、決してそれがあり余るものではないというあなたの答弁なんでしょう。そうなると、保税措置を講ずることは最もたやすく、最も安全な方法だということになるのではないですか。過剰になるという考え方はないのだから、これを一時保税をしておくという処置がとれないということはおかしいじゃないですか。あなたの答弁だと、芳賀委員と同じだということになる。それにしても根拠が同じでいながら、対策が立たないというのはどこにあるか。これは事務当局でやれないという意味なのですか。意見が同じであれば、対策も同じでなければならぬはずなんだ。対策が違うというのは、事務当局でやれないというならば、大臣から答弁を願わなければならぬ、こういうことになると思うのですが、どうですか。
  66. 安田善一郎

    ○安田(善)政府委員 私ちょっと参議院の農林委員会へ呼ばれておりまして、私が参りますまでの質疑応答を全部存じ上げないのは、まことに失礼でありますが、ただいまここで要点を聞いてから申し上げておるのであります。同じようなことをねらっておって、同じ目的を達しようとしていることにおいて差はないと思います。しかし保税倉庫へ入れたらどうかということは、食管で買い上げをしても同じ効果を持つのであって、既契約分の船の関係とか、外割をする前に条件をつけなかったものを新たに追加しなくてもできるじゃないかと思うので、申し上げておるのでありまして、もしそれで十分でないとなれば、芳賀委員の提案された一方法は、同じ目的を指向しておるのでありますから、韓国ノリ等においては生産期に輸入放出をしない、こういうことをわれわれの方から申し出て、通産省をして行わしめておりますから、それは全くいたさないということを申し上げてはいないわけであります。それをやらなくても所期の目的を達するのじゃないだろうかと思っておるので、その次に考えたい、こういうことを申し上げたのであります。
  67. 川俣清音

    ○川俣委員 それは基本的な考え方をついたところが、前のような御答弁があった。その答弁を達成する方策をすみやかに立てられないかということについて、なかなか立てられないというような答弁があったから、問題になっておる。だから基本的に考えが違うのじゃないかという議論をしておる。とうふの値段は下っていない。みその値段も下っていない。豆粉の値段も下っていない。これは下っていないということは、需要と供給との関係が非常にアンバランスだということではないのです。それが狂っておれば、現物価格も下っていなければならぬはずだが、それほど下っていない。小売市場では一合二十円で売っております。東京都内の小売市場を見てごらんなさい。一合二十円で売っている。一升二百円です。これは去年と比べて五円も下っていない。こんな開きがあるはずがない。これは需給供給のバランスがそう破れているわけではない。ある期別でいえばバランスが破れておる。従ってこの対策が立たないわけはないのです。この緊急な——来年の一月とか三月の問題ではない。この時期に、これほどの開きがあるものを何とかできないか、こういう質問なんです。だから二、三日待ってくれとか、一週間待ってくれとか、来年三月の関税の切れるときまで待ってくれとかいう問題ではないのです。大体農産物価格安定法を作るときに、あとでいつでも入れられるから待ってくれ、今入れないでもいいじゃないか、必要な場合においては、いつでも入れる用意があるということを当時の政府答弁しておる。これは政府が変ったといいながら、事務当局としては同じ答弁をしなければならぬはずである。いつでも入れる用意があるというのだ。それをじんぜん日をむなしうしておるために、今問題になっておる。そのくらいのことが政務次官おわかりにならないはずはない。やるというのは、あす、あさってではない。きょうにもやらなければならぬ問題です。解決はむずかしいかというと、そうむずかしいことではない。現物小売相場まで下ったということになると、根本方策が要りますが、現物価格はそう下っていない。作って大量に売り出す場合の価格が下っておるのでありますから、そこに金融難が生じておる。施策が立たない。こう一般農民が叫ぶのでありますから、今の買い取りをどうするか、今生産者が手放すのに幾らで換金してもらえるかということが問題なんです。これは来年の春まで待っておれば価格が上ることは、見通しがつく。今下っておるから、これが農政なんです。商人であれば、これは農政は要らない。来年の夏ごろになれば上るであろうということは、見通しがつくのですから、これは問題ではない。従って生産者が換金をしなければならぬ場合において、これではたまらない。こういうのですから、これに施策がないわけはないじゃないか。どうですか、政務次官から答弁してもらいたい。
  68. 大石武一

    ○大石政府委員 お答えいたします。ただいまの川俣委員のお説なよくわかりまして、非常に勉強になりました。生産者価格の現在の苦しい立場、これを何とかしてしのがせるためには、いろいろな施策があると思いますが、一つ融資の問題だと思います。今まで融資をいたしまして、多少でもその危機をしのぐように努力をいたしておる次第でございます。
  69. 川俣清音

    ○川俣委員 融資だけで解決がつくならば、簡単です。せっかく芳賀委員から対策が出ておるのだから、その対策に対して、もうあす、あさっての間においてもそれと同等の効果のある対策を講ぜられるならば別ですよ。せっかく案が出ておるのに対して、なぜ一体答弁できないか、こう聞いておる。
  70. 大石武一

    ○大石政府委員 現在の急場をしのぐために、総合的な対策を立てておるわけでございます。一部は実行いたしまして、さらに今後行政措置をするわけでございますが、その具体策に関しましては、経済局長よりお答えをいたしたいと思います。
  71. 安田善一郎

    ○安田(善)政府委員 川俣先生がいろいろな角度から例を適宜に引かれまして、御意見を申されましたことは、決して違った意見を持っておるわけではございません。ただ特定の安定法とか、保税倉庫に入れることはどうだという点については、他の総合的な行政措置を総合的に講じまして、その内容を申し上げますれば、大豆輸入外貨割当は当分たな上げ、時期が適切でない場合はいたさない。菜種の輸入も差し控える。すでに割り当てて入ってくるものでも食管買い上げをいたしまして、市場に放出しないように、供給の力にならぬようにいたしたいと思います。しかしとうふで御指摘になりましたように、私は先ほど大豆油で例を申し上げましたが、大豆かすなどは農家にとっては安い方がいいのでありますから、その様子を見ていたします。取引業者と用途別の予約した用途以外に横流れを防止いたします。そういうことで効果を期待しておるのであります。それで需給事情もたいていいいだろう、こういうように見ておりますので、その行政措置をとることはすでに決定いたして実施に移しつつあるわけです。当委員会の御論議のほかに、そのために取引所の価格も上りつつあるわけであります。それをもっと上るだろうと期待しておりますので、そのあたりで措置をとればいいと思います。その後のことはそれをとってから研究をするといいのではないかということが目下の段階でございます。
  72. 村松久義

    村松委員長 この際お諮りをいたします。この委員会の空気を委員長において観測をいたしまして、政府にも答弁に関する食い違いその他も発見せられます。また準備が果してできておるかどうかに関しても、何やらあるようでございまするので、この際政府においても一つ思想の統一をせられることを要求いたしまして、休憩いたしたいと思いまするが、休憩に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 川俣清音

    ○川俣委員 なお事務当局の間において意見の統一ができなかった場合においては、大臣みずから出席されて答弁されるようにお取り計らい願いたいと思います。
  74. 村松久義

    村松委員長 その点は了承いたしました。     —————————————
  75. 村松久義

    村松委員長 休憩に入る前に一つお諮りをいたしたいと思います。明日に予定せられております日韓漁業問題に関する参考人を招致いたしたいと思っております。これは前回の委員会において御決定になっておるそうでございまするので、だれを呼ぶか、その氏名については一つ委員長におまかせをいただきたいと思いまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 村松久義

    村松委員長 明日参考人として招致いたしたいと思いまする氏名をここに申し上げます。江口次作君、中野源二郎君、大迫フミツ君、岡田サト君、栄久江君、この五名を参考人として意見を聴取いたしたいと存じます。  では休憩をいたします。    午後零時二十三分休憩      ————◇—————    午後五時十七分開議
  77. 村松久義

    村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際前委員長綱島君より退任のごあいさつ発言の要求がございます。これを許します。綱島君。
  78. 綱島正興

    綱島委員 私は御承知の通りほんとうにだめで、ちょうどいわば破れみのを着てさみだれの中を歩いたような格好でした。皆さんの大へんな御支援によりまして、大過はたくさんございました。大過なくではございません。大過ばかりでございましたが、皆さんの御寛容と御看過によってわずかに責めを果すことができたのであります。どうもありがとうございました。今後ともどうぞ公私ともによろしくお願い申し上げます。(拍手)
  79. 村松久義

    村松委員長 御苦労様でした。  午前に引き続きまして、大豆価格問題についての調査を進めます。この際政務次官より発言を求めておられますからこれを許します。政務次官大石君。
  80. 大石武一

    ○大石政府委員 国内産大豆価格につきましては、午前中よりいろいろと御審議を賜わっておった次第でございます。ようやく政府の意見がまとまりましたので、まとめて皆様に御報告申し上げたいと思います。  国内産大豆値下りの原因につきましては、年間需給計画の過大に基くものではなくて、国内産大豆の出回り時期と輸入大豆到着時期が競合したこと並びに国際価格の下落等に原因するものと考える次第でございます。従いましてその対策といたしましては、当面輸入大豆による市場への圧迫を軽減することが必要でありますので、次のような措置を講じたいと考えております。  第一に割当未済分の四万六千トンを当分割当を保留したいと思います。次に既割当分の一部を飼料用に切りかえまして食管会計で買い上げする等市場への圧迫を軽減する等の処置をとりたいと思います。次に横流れ等のことによりまして市場を擾乱することがございますので、これを十分に防止するために輸入をした大豆外貨割当の際の条件となっておる用途以外に売り渡すことのないように十分な監視をいたしたいと考えておる次第でございます。さらに生産者の売り急ぎによって市場価格に悪影響を及ぼすことを防止するために開拓者等融資のあっせんを行いたいと思いますし、すでにその一部について実施をいたしております。  以上のような措置をとりまして、なお市場価格の維持に十分な効果がないと認められます場合には、さらに行政的にとり得る有効なあらゆる措置につきまして現に考究中でございますが、さらに考究を続けて参りたいと思う次第でございます。  なお大豆価格安定のための恒久措置といたしましては、農産物価格安定法の対象とすること、あるいは関税を賦加すること、または輸入大豆政府買い入れによる操作等、あるいは外貨割当による輸入調整等のいろいろな措置が考えられておりますけれども、これらの諸策の利害得失を十分に検討しました上にその方策を充実することにいたしたいと思う次第でございます。
  81. 村松久義

    村松委員長 ただいまの発言に対して質疑の通告がございます。これを許します。芳賀貢君。
  82. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいま政務次官を通じまして、政府意思統一を行われて、数項目にわたっての具体的な恒久対策等の御説明があったわけでございますが、一応その御熱意に対しましては了承するものであります。ただ政務次官が申されました前段の輸入計画は、決して過大なものではないということを冒頭に言われておるのでありまして、ただ四万六千トン分のたな上げを除いた以外は、今年度の需給計画においてはこれはどうしても必要な数量であるということを言われておるように判断するのであります。そういたしますと、問題は、国内産の出回りと輸入到着の時期がちょうどダブっておるというような最悪の事態に遭遇しましたので、これの調整をはかるということによって相当緩和できるということが明らかになったわけです。それでただ単に、この場合四万六千トンのたな上げ以外には、第二項によると既契約分のうちから飼料用として二万四千トン程度食管の方で肩がわりをするということのようでありますが、ただ問題は、この程度措置と、あとは厳重に横流しを防止するという点、それから特に開拓者を対象にいたしまして融資措置を講ずるということで十分の効果が期待できればそれでいいわけでありますが、それでもわれわれの期待した成果が上らない場合においては、当然政府といたしましてあらゆる面から検討を加えて、可能なる行政的な措置によってこれを打開するというような御意思がさらに付加されておるようでありますが、午前中の委員会におきましても、当面一番効果の上る問題といたしましては、二十八万九千トン分に対しましてこれを保税倉庫に保管させることが適切でないかということが論議の中心であったわけであります。あらゆる行政的な措置政府の善意なる判断のもとにおいて行うという配慮の中には、当然一番重要な問題が含まれておると私たちは考えておるわけでありますが、果してこの次の段階には当然輸入分を保税倉庫に入れて需給の調整を時期的にはかるということが入っておる。そういうことをやり得るという御意向のもとにこれをお示しになったのかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。
  83. 大石武一

    ○大石政府委員 お答えいたします。ただいま芳賀委員の仰せられましたように、いろいろのこれらの恒久対策を実施いたしまして、それで十分な効果があれば何より仕合せございますが、そのような効果の十分上らない場合には、もちろんお説のように保税倉庫にこれを貯蔵する等の方策につきまして十分にこれを研究いたす所存でございます。
  84. 川俣清音

    ○川俣委員 関連して……。今の芳賀委員に対しての御答弁は、効果が上らなかった場合と、こういうことでのがれようとしておりますが、これは元へ戻しまして、一体大豆がいつできるかということは農林省は知らぬわけはない。秋ごろできるということは当然わかっておる、出回りがいつかということもわかっておる。輸入計画があったのに時期がずれた、そこで競合が起るというようなことは初めからわかっておったことなのであります。わかったことを事前にやるのが行政のはずであります。行政の失敗をすみやかに取り戻さなければならぬのに、これをやってみてから、もしもできなければこうだと言われる。初めからの計画から見まして輸入時期がずれて、ここで競合が起るということはわかっておった。できるときはいつか、これもきまっておる。それが輸入とぶつかれば競合が起るということ、予想以上に収穫がよくて、その出回りがいつかということは初めにわかっておる。それに一時的に大豆の消費量はそんなに大きいわけではない、米と違って日々の大豆の消費量というものは急激にふえるわけのものではない。一年間の需給量から見ると過大ではない。あなたが説明しておられる通りです。この時期がぶつかったということの責任は行政事務当局が負わなければならないということを痛感しておられるかどうか、この点をもう一つ確めておきたい。
  85. 大石武一

    ○大石政府委員 お説ごもっともでございます。確かに政府におきましてもその年間需給計画の狂いはそうないと思うのでありますが、思いがけない入船のずれがありましたこと、あるいはまことにけっこうなことでありますが、思いがけない豊作でありますとかというようなことによりまして、確かに価格の変動について農民に心配を与えましたことは農林当局として申しわけないと思っております。おっしゃる通り、以上の諸施策によりまして十分な効果を上げ得ると信ずるものであります。もちろんそれが不十分な場合には、十分に午前中の御議論を尊重いたす所存でございます。
  86. 川俣清音

    ○川俣委員 一体なぜ保税倉庫に保管ができないのか。これはおそらく業界でいろいろ反対もあるだろう、こういうことを予想せられての心配だと思います。ところが安く輸入したものをその用途別に正確に消費をするのであれば、ほんとうにそういう考え方があるならば、反対はないはずであります。現に今まで横流しをしてきたことを農林省が見のがしておったのであるから、また再び見のがしができるだろうというところに期待をかけて反対をしておる。農林省を甘く見ておる、ばかにしておる。そこから反対が出ておる。正規の通り使わなければならないようになってきたら反対はないはずであります。なぜ今大豆がこんなに安く入っておりながら油の方が高いか。油の方へできるだけ回さないで、よそに回しておる。そのうま味を考えるから今保税倉庫に入れられては困る、当りまえの油にしたら反対する理由はない。横流しをしたいための反対なのであります。横流しは厳に取り締りますと言うけれども、ほんとうにそれをやる気だったら保税倉庫に入れて差しつかえないのです。ほんとうに油に使って油の値段が下るなら別です。油が下っていないということは、油にしていないというりっぱな証拠じゃないですか。これで監督いたします。取り締りましたと言うのだったら、油の値段を下げてごらんなさい。菜種の値段を下げてごらんなさい。あるいはしょうゆの値段を下げてごらんなさい。それなら横流しをしたのではないということが言えます。その用途の方に使わないで横流しをして市場を混乱させているのですから、そこで安全な道としてはどうしても保税倉庫に入れておかなければ不安全だ。こういうところから芳賀委員がこれを強く主張している。行政の失敗を再び繰り返すなと言うのです。今あなたは政務次官だから無理だと思いますが、帰って大臣と二人で相談して、すみやかに実行しなさい。
  87. 大石武一

    ○大石政府委員 御意見を十分に尊重いたしまして研究いたす所存であります。
  88. 村松久義

    村松委員長 淡谷悠藏君。
  89. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ちょっと簡単にお伺いいたしますが、さっき開拓地などで豆の値下りに押されまして売り急ぎなどをしないために融資を行うつもりだ、その一部はすでに実施をしておるというお話でございましたが、一部実施しております融資は一体どのくらい融資しておられますか、お伺いいたします。
  90. 谷垣専一

    谷垣政府委員 開拓者に対しましては、今問題になっておりまするのは、災害融資等によりましての償還期限が来ておる、その償還ができないことが一つ、それから営農資金等の必要が生じてきておる点が一つ、こういうことが問題であろうかと存じます。従いまして災害資金等の返還期限の問題につきましては、これは借りかえの措置を講ずるような融資を考慮いたして参ります。それでもなお不十分の場合には、償還期限の延長等のことを計らいたいと存じておりまするけれども、御存じの通りに、開拓者がなるたけ融資等につきまして確実に償還をしていくことが、今後におきまする信用にも関係があると存じますので、借りかえを主とした融資をしていく、それでもなおできない場合には、償還期限の延長等を認めたい、こういう考え方でやっております。なお営農資金等の必要があると思います。そのために売り急ぎ等があってはならないと思いますので、営農資金融資もやっておるわけでございます。一部すでに実施いたしましたと申し上げましたのは、営農資金融資及び災害等の借りかえの融資両方を通じて申し上げたのでございます。従いまして二月当りどのくらい、こう御意見がございましたけれども、それは今申し上げましたように、両方の問題がございますので、二戸幾らというふうには今のところまだ私たちの方では明瞭になっておりません。御了承願いたいと思います。
  91. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そういたしますと、ただいまの融資は滞貨に対する融資だとほ考えられていないのですか。私はこれは一部実施というのは、豆を売りたい開拓者に対して、幾らか豆をカタに融資をしておるのかと思ったのですが、滞貨融資だとはまだお考えになっていないのでしょうか。
  92. 谷垣専一

    谷垣政府委員 先ほど説明が不十分でございましたけれども農民が協同組合あるいは開拓民が開拓協同組合等に売りまする場合の組合に対しまする融資は、これはそれぞれの系統融資としてございます。先ほど申し上げましたのは、個々の開拓民が営農資金等が必要であり、あるいは被害等を受けまして、その受けた借金を返さなければならぬという期限が来ておる、そういうものに対しまして融資をしておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
  93. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 組合に対しては何らか融資をするようなことをお考えになっておりまんか。たとえば豆の値下りに乗じてこれを買い集めようというような商人などの手から農民を守るために、開拓連あるいはその他の組合に対して滞貨に対する融資をして、売り急ぎします農民を救おうというお考えがあるのか。
  94. 谷垣専一

    谷垣政府委員 開拓民あるいは農民が、その協同組織でありまする組合を利用いたしまして出荷の調整をいたしますることは、非常に喜ばしいことと考えております。従いましてそれらの組合が必要といたしまする資金は、それぞれの系統を通じまして融資をあっせんいたしておるわけでございまして、これは農林省といたしましても今後ともあっせんを指導していきたい、かように考えております。
  95. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その指導の根拠ですが、一体組合に対しては一俵当りの単価をどれくらいに見て、どれくらいの融資をするお考えでございますか。
  96. 谷垣専一

    谷垣政府委員 一俵幾らというようなことは、これはそれぞれの開拓組合なり何なりが上部の協同組合あるいは中金等との関係においてきまることかと思います。あるいは開拓協同組合個々の自己資金の豊富さがどの程度あるかという問題にもなろうかと思います。そういうことでそれぞれの事情があると思います。今ここで一俵幾らというふうには私たち予測しておりません。
  97. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 先ほどの農林次官の御答弁で、大体今までの政府措置も悪かったと率直にお認めになっておりますが、こういう政府措置の誤りからきております農民の犠牲を救うのは、やはり政府責任だと思います。従ってこの融資につきましても、農林省がしいてワクをはめないで、少くとも無理な金を借りなくても、豆が一定の値段で売れさえすればよろしいというこの農民の気持を率直にお認めになって、少くとも生産費をまかなうくらいの、あるいはまた借りた諸種の融資が返せるような状態で、この組合などの申し出に応じてやるというような準備がございますかどうか、一点だけ確かめておきたい。
  98. 谷垣専一

    谷垣政府委員 これは今淡谷委員の申されましたように、できるだけ組合が農民要望に応じ得ますように、そういう状況のもとに中金等融資できまするように、私たちは努力いたさなければならぬと考えております。
  99. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 最後に要望を申し上げておきますが、少くとも今度の農林委員会におけるいろいろな質疑は、豆の値段が下ったことに対する不満なのであります。従ってこの下っております豆の価格を普通のものと考えて、それを基準に融資をしょうなんていうお考えは持たれないように、私は政府の方にもこのくらいの生産費は要るのだという計数は必ず出ていると思います。従ってその線に落ちつくような額まで融資ども引き上げられるように、十分な御配慮を下さいますよう要望いたしまして質問を終ります。
  100. 村松久義

    村松委員長 質疑は終了いたしました。  明日は午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十七分散会