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谷垣説明員 三十一年度
予算でございますが、これは現在
大蔵当局と折衝をいたしておるわけでございます。その
概要を申し上げたいと思います。
お手元に資料といたしまして、「
昭和三十一年度
概算要求について」というやや薄いものと、それから「
昭和三十一年度
概算要求事項別一覧表」といたしまして、かなり部数の大きなものと、両方をお渡しいたしていると思います。便宜上それによりまして御
説明をいたしたいと思います。
三十一年度における
方針といたしましては、大体このように
予算要求の
方針を
農林省としてはきめて参っております。
一つには、
農林水産経済計画の
推進、これは現在
審議会及び
企画庁の方で、
審議会等に対しまして諮問をいたし、
審議をいたしているわけでございますが、この中に、
農林水産経済計画がございます。それとにらみ合いましての
計画を達成いたしていくための
裏づけになる
予算を
要求いたしておるわけであります。それから
試験研究機構の
整備機構を
強化いたしたい、かように考えております。三つには、
農林水産物の
輸出振興に関して力を入れていきたい。四つには、
流通改善対策及び資材の
対策を講じていきたい。五つには、
国際協力事業の
強化をいたしたい。六つには、
草資源対策等を
強化いたしまして、
畜産生産の
増強をいたしていきたい。七つには、
災害復旧事業を促進いたしたい。八つには、
補助金制度を
改善いたしまして、新しく
農業改良基金制度等を設けていきたい。九つには、
農山漁村のいわゆる
低位生産地帯の
振興に関しまして、
総合助成方式を
拡充いたしたい。さらにこれらの
予算等の問題と連関をとりまして、
融資の
積極的活用をはかっていきたい。大体このような大きな柱を重点の目標といたしまして、
予算を編成して参りました。
かようにいたしまして、
総額を申しますと、三十一年度
要求は、いわゆる
農林省関係予算の
総額といたしまして、千六百四十七億の
概算要求をいたしております。これに比較いたしまして、三十年度に
成立、御協賛を受けました
予算は、九百五十一億であります。
概算要求といたしましては、
成立予算に比較いたしますと、七三%の増ということになっております。これらの
農林関係予算の中には、北海道庁の
関係で
総理府所管になりますもの、あるいは
金融公庫に対する財源といたしまして、二百億の
大蔵省所管に属しますもの、あるいは
営繕関係で若干の
建設省所管に属しますもの等、
農林関係ではございますが、区分上そう持っていきますものがございますので、それを除きまして、純粋な
農林省所管という
格好になりますと、千三百五十五億の
概算要求に相なります。これに対しましての三十年度の
成立予算は八百八十一億、こういうことに相なっております。なおこのほかに食生活の
改善、いわゆる
学校給食等の経費が十七億
程度、三十年度と同様のものがつけ加わることに相なっております。大体
総額にいたしましてはそのような
状況でございます。
これらの先ほど申しました大きな
項目に関しましての内容につきましては、概略を申し上げますと、いわゆる
農林水産経済計画の
推進といたしましては、耕地の拡張及び
改良等によりましてこの
経済計画が触れております
計画によりますと、六カ年間に八百五十四万石の
増産を
目途といたしております。これに対しまして
昭和三十一年度におきましては百三十八万石の
増産ということに相なるのでありますが、それを
目途にいたしまして
予算の
裏づけをいたしていきたい、かように考えております。なおこの
経済計画は現在
審議中でございます。ほぼこの
計画と相似た結論に相なるかと思いますけれども、現在それぞれ
審議会あるいは
企画庁の方で検討をいたしておりますので、その結果によりますと若干の変更があるかも存じませんが、
予算要求といたしましては、従来六カ年
計画として
農林水産計画がございます。それによりまして
要求をいたしております。
耕種改善におきましては米麦合せまして六カ年間に約五百万石の
増産を
目途といたしまして、三十一年度
予算には七十七万石の
増産をはかる、こういう
計画にいたしております。水稲の
健苗育成とか、
耕土培養等の諸
施策を講ずることに相なるわけであります。それから
治山治水関係に関しましては、三十年度から引き続きましての
水源林の
造林等の
拡充をいたしますほか、奥地未
利用林の
積極的開発、あるいはまた
治山事業の
推進をはかっていきたいと考えております。
漁港整備につきましては、従来ありまする
漁港整備計画に引き続いてこれを
推進していく。
第二点の大きな柱にいたしておりまする
試験研究機構の
整備拡充でございますが、これはまだ仮称でございますが、
農林水産技術最高会議というような
機構を作りまして、現在ありまする
試験研究のかなり基本的な
計画あるいは
試験研究機関相互間におきまする
研究調整というようなことをいたして、
農林関係の
試験研究に関しましての積極的な
推進をはかっていったらどうか、かように考えて
要求をいたしておるわけであります。
そのほかにそれぞれ
原子力関係の
利用に関しまする
研究を
推進する必要がございますので、これらの
施設整備をいたしますほか、これに関しまする
技術者を海外に派遣いたしまして
研究をさせたい、かように考えております。
なおそのほかに従来
試験研究機関に対しまする
経費等は、たとえば
事務費、
研究費と申しますか、そういうような
関係は、半分以上が
人件費に食われているというような
状況でございましたので、来年度
要求におきましては、それを
人件費とそのほかの
事務費、
研究費というようなものの比率を引き直しまして、
人件費が五割以上を占めるというような
状況でなく、もっとそれを少くするような形において
予算要求をいたしておるわけであります。なお
施設等の
拡充あるいは
整備等に対しましても引き続いてやっていきたい、かように考えておるわけであります。
それから
農林水産物関係の
輸出振興の点でございますが、このためには従来やっておりましたような
生産費低減をいたしますあるいは製品の
品質改善をいたします諸
施策を、引き続いて
推進していきますほかに、
輸出全般の
需要増進あるいは
海外市場の
調査をいたしますために、ニューヨークとロンドンにその
調査事務所を
一つ設けたいというふうに考えております。特に
生糸、サケあるいは
マグロ等につきましてはそれぞれの国際的な
機関がございますので、それらのものとも連係をとってやっていくように考えておるわけであります。なお
輸出農林水産物におきましては、その
生産が季節的に制約されておりますために、
取引上の不利がほかのものに比べてあるわけであります。これらの不利を除去いたしますために、
輸出農林水産物に関します
信用基金を設置いたしまして、それらの業者が
輸出農林水産物の
取引をいたします際にそれぞれの
金融機関から
融資を受ける際の
保証をやり得るようにやっていきたい、かように考えております。
それから四番目の大きな
項目であります
流通改善及び
資材対策の問題でありますが、これに対しましては
中央卸売市場の
整備をはかっていきたい。あるいは
枝肉市場——現在まで
整備されておりませなんだ
畜産物の
流通改善のために
枝肉市場の
整備をはかって参りたい、かように考えて
予算要求をいたしております。なお
畜産物の
流通改善におきまして、やはり同様の趣旨で
流通改善のための必要なる
信用を付与いたしますために、
畜産物関係の
信用保証制度を創設いたしたいと考えております。
それから
肥料、農薬の需給安定の点でございますが、これは全購連あるいは
県連等によりまする従来の
やり方——保管事業をやります
やり方を引き続いてやりますほかに、
購入飼料の
対策としまして
食管特別会計による
操作数量の拡大と売り渡しの価格の
適正化をはかっていきたいと考えております。
五番目の柱であります
国際協力事業等の
強化に関しましては、従来デンマークあるいは
アメリカ等に派遣しておりました農村の青壮年を、もう少し派遣する国を広げましてスイス、あるいは西独あるいはまた
ブラジル等に派遣をいたしたい、かように考えております。
それから
草資源の問題でございますが、これは
御存じのようにすでに
農林省の方といたしましては、
畜産局内に、
分課規程を改めまして
草資源の
改良をする課を置き、あるいはまた
草資源対策のための
調査会、
協議会を開きまして、
関係方面のいろいろな御意見を聞いておるわけでありますが、そのほかに
予算措置といたしましては、
草資源に関する
試験研究あるいは
草地改良事業の
推進等を特にはかるために、それぞれの
予算を
要求しておるわけであります。
それから
災害復旧事業の促進でございますが、これは
要求といたしましては、二十九年度
災害までは百パーセント
復旧をいたしたいと考えまして、そのような
予算要求をいたしておるわけであります。なおこれには従来いろいろと問題がありました
災害の査定をいたします
人間等が非常に不足いたしておりますし、そのために問題が起き、あるいは後ほど地元の方に御迷惑をかけるようなことも間々ありましたので、これの査定する機能を
強化していきたい、かように考えております。
それから八番目には、いわゆる
零細補助金と申しますか、主として
農業改良局所管の問題でございますが、
補助金のいろいろな零細なものその他につきまして議論がございます。これに対する
対策といたしまして、この
補助金制度の
合理化をいたしますために新たに
農業改良基金制度を設けたいと思うのであります。これは無利子で一定の金を貸す
やり方と、それからその他の
施設に関しましては低利な
融資をいたしていく、あるいは
損失補償を考えるという
考え方でございます。従来あります
補助金をよしてこれに全部切りかえるというわけではございませんが、要するに従来
農山漁村に関します
技術普及を目的としておったような
補助金で
技術的な要素の強いものは、従来の
補助の
やり方を初期の段階にとどめまして、そのあとこの新しい
貸付金制度の
やり方でもつていく、こういう
考え方に立っております。従いまして従来
補助金でありましても、数年たちましてある
程度普及の効果をおさめた、
危険度といっても若干パイロット的な役割をも果したというようなものに対しましては、この
制度に乗りかえていく
やり方をとりたいと考えております。
なおそのほかに
人件費等の
補助に関しましても、
補助単価をふやしましてやっていきたい。あるいは
土壌改良などの問題において機械の
貸付制度を
国有にいたしまして、
国有貸付制度に切りかえたい、かように考えておるのであります。
なおそのほかに
総合助成の
方式を
拡充していきたいと考えております。九番目の柱であります
総合助成方式の
拡充によりまして、
低位生産地帯におきまする
農山漁村の
振興をはかっていきたいと考えております。これは従来ありました
積寒地帯のみではなく、引き続きやるわけでありますが、そのほか特定の山村も加えました
やり方をやって、
総合助成方式をやりたいと考えておるわけであります。なお
沿岸漁村の
振興のためにも同様の
やり方をとって、
総合助成方式をとっていきたい。単に
漁業だけでなく
漁村というものを
対象にやっていきたい、かように考えております。
さようなわけで冒頭に申し上げましたような
総額の
要求をいたしておるわけでございます。
これをそれぞれの
項目に申し上げまするとかなり長くなるかと思いますが、
総額におきまして千六百四十七億、これは三十年度の九百五十一億に比べまして大体七割
程度の増加になっております。なお三十年度
予算の
概算要求をいたしましたのは約二千五百億
程度やったと思います。それに対しまして九百五十一億の三十年度の
予算が
成立した、こういうことになっておる。それに比較いたしますと、このたびの三十一年度の
予算概算要求自体は相当に検討いたしまして、いわば圧縮をいたした形で
要求をいたしておるわけであります。
なお
農林漁業金融公庫の問題でございますが、この三十一年度の
貸付計画は、一応四百五十五億の
計画で
要求をいたしております。その原資は
一般会計から二百億、
預金部の
融資から二百五億、それから
金庫自体の
回収金が五十億、かような
計画で四百五十五億という
計画をいたしておるわけでございます。
五ページに今度入りたいと思います。五ページの
主要事項別の
説明でございますが、この一の
食糧増産公共事業は先ほど御
説明を大体いたしましたので御了承願いたいと思います。
主要農産物の
増産対策に関しましても、大体の数字を先ほど御
説明したわけでございます。この
施策といたしましては、先ほど申し上げましたような
農業改良基金にかなりのものが吸収をされております。この
水稲健苗の育成であるとか、
西南暖地の
生産力増強対策あるいは
通し苗代の解消、
耕土培養、イモゴや
アカホヤの
特殊土壌の
対策等は
農業改良基金に入っておるわけであります。
それから
植物防疫でございますが、従来の
国有あるいは県有の
防除機具の
整備のほかに、新たに三十年度から
市町村段階における機具の
整備が行われておるわけでありますが、これも三カ年
計画、三十三年度終了を
目途といたしましてやっていきたい、これがつけ加わっております。
それから土層の
改良でございますが、これは先ほど申しましたように、
火山噴出物の
堆積地等に
大型トラクターでやっていく、これは
国有機械にいたしまして、
貸付制度でやっていきたい、かように考えております。
原種圃関係は、従来の
やり方をそのまま広めていく考えであります。
草資源の問題は、これも大体先ほど御
説明をいたしたのでございますが、
畜産生産の
増強に関しましては、そのほかに
畜産経営の
改善合理化をはかりますために、
中央畜産会及び
都道府県畜産会によりまする
畜産経営の
診断をいたしまする
指導体制の確立をはかっていきたいと考えております。さようにいたしまして現在ありまする四百万の
有畜農家のうち、約二十万
農家について三十五年を
最終目標といたしまして
経営診断を行なっていく。これで大体三十一年度におきましては四万戸の
農家の
経営診断を行いまして、乳牛の
繁殖障害あるいはまた
畜産に対しまする
農家の
経営全体につきましての指導をいたしていきたい、かように考えておるわけであります。
それから種畜の
導入でございますが、これは六カ年
計画にも、やはり
家畜増殖の
計画を立てておりますので、それによりまするほかに新しく従来ありましたジャージーの
導入を、今度は新しく世銀の
融資を
利用いたしまする
導入方式を設けていきたいと考えております。
養蚕振興に関しましては、従来ありまする稚蚕の
共同飼育あるいは、
共同桑園、
共同防除等の
施設を三十一年度をもって完了させたい、かように考えております。なお三十年度から始めております
桑園改良のための
改植展示圃の
増設等をやっていきたい。それから
桑苗の
導入をいたしまして
桑園の能率を増進するわけでありますが、これは新しく設けられました
農業改良基金制度において
融資の
対象としてやっていきたい、かように考えております。
なお
生糸の
輸出振興のために品質の
改善を急速にやる必要がございますので、蚕糸試験場、
生糸検査所等の
措置とともに、府県の試験場におきまする
蚕品種の
調査、それから
繭検定所におきまする練成及びラウジネスの
調査等をやっていきたいと考えております。
それから
治山治水対策でございますが、これは従来やっておりました
やり方をさらに
拡充してやりまするほかに、
特定地域につきましては林道、
造林事業を中心といたしまして集約的な
開発方式をとりますために見返り円の
利用を考えていきたい、かように考え
ております。
それから山林の保続
生産振興等は、従来ありまする
やり方をいたしまするほかに、
挿木造林の
優良穂木を確保するための採
穂園を設置いたしまして、これに
助成を考慮したいと考えております。
漁港修築は、先ほど申し上げました
通り、
農林水産経済計画によりまして
要求をいたしております。
水産の
振興の問題につきましては、従来のものを引き続きにやりますほかに、新
技術としましてノリの
種場の
造成事業を行うことにいたしております。さらに
沿岸、
沖合い漁業の転換を策しまして、
機船底びき、
まき網漁業の
試験操業をさせるほかに、インド洋、太平洋におきますカツオ、
マグロ漁業、それからベーリング海におきます底びき
漁業等の
調査を継続してやらせることにいたしております。なおアルゼンチンあるいは
メキシコ等におきます
漁業調査の問題は、その
方面に対します
漁業移民の問題とも関連をもちまして、三十年度より引き続きやっていきたい、かように考えております。
それから
技術改良普及組織の
強化の問題でございますが、これは先刻御報告申し上げました
改良基金
制度といわば非常に関連の多い形を考えていきたいと考えまして、そのためにも
技術改良普及組織の
整備強化をはかりたいと思いまして、各部門ともに
普及員の増員あるいはまた
補助単価の増額を考えておるわけであります。これは蚕糸、林業、
水産等の問題におきましても、それぞれ職員、
普及員の増員を考えたいと思っております。
試験研究事業は、先ほど申しましたような
技術最高会議、仮称、等のものを設け、あるいはまた原子力の
利用等の問題につきまして、それぞれ経費を上掲しますとともに、設備費等に重点を置いて参りたいと考えております。
資材対策につきましては、先ほど大体御
説明を申し上げました点に尽きるかと思います。
十二の農畜
水産物の消費
流通改善、これは先ほど少し落しましたが、
枝肉市場等の
整備とともに、牛乳製品の消費を促進いたしますために、農協にクーラー・ステーションを設置いたしたい。これに対しまして
補助を与えるという
やり方を考えております。なお
信用保証制度を創設して、それぞれの飼料の共同購入あるいは牛乳の集荷あるいは鶏卵の共同出荷、冷蔵あるいはまた羊毛の共同販売、これらの
事業資金を円滑に調達いたしたいと考えております。
食生活の
改善対策は、今年も引き続きまして学童給食を実施いたす
やり方をとっていきたいと考えております。
輸出振興対策は、先ほど申し上げましたように、ニューヨーク、ロンドンに
日本輸出農林水産物振興会の出先
機関としての事務所を設けてやっていく
やり方と、
輸出農林水産物の
信用基金を設置いたしましてやっていく
やり方を中心に進めていきたいと考えております。
輸出農林水産物の
信用基金は二年
計画で、
政府の出資は二年とも三億、それから民間からは一億ずつの出資にいたしましてやっていきたいと考えております。
それから
農山漁村の
振興の総合
対策、いわゆる低
生産地帯の
農山漁村に関しましては、先ほど申し上げました
通りに、
積寒地帯のみを
対象としておりました従来の
やり方は引き続きやるわけでありますが、さらにこれを広げまして特定山村に
拡充したいと考えております。
移民及び入植の
対策でありますが、三十一年度の新しい
考え方といたしましては、海外移民におきましては、ブラジルならブラジルの受け入れをいたします受け入れ国で、向うの人で非常に熱心に
日本の移民に対して活躍をしておられる人あるいはまた
日本移民を受け入れる場合において非常に有力な方々、こういう方々があるわけでありますが、そういう人たちを
日本に招待いたしまして、
日本の現状をよく見ていただくというようなことを考えまして、その経費も
要求いたしておるわけであります。そのほか現地
調査事業等、あるいはまた海外移住協会の行いまするところの募集、講習等の
事業に対しまして
助成をはかっております。
国内の入植の問題に関しましては、特に開拓地の営農指導を
強化いたしたいと思いまして、指導員の
強化をはかっております。そのほかは開拓資金の
特別会計の資金を増加し、あるいはまた開拓
融資協会に対しまする
政府出資を増額いたしまして、これによる資金の活用をはからしていく、あるいはまた不振開拓地がございますが、これらに対しましては総合的な営農指導あるいはまた建設工事等、総合的な指導を
強化していきたいと考えております。なお特に上北、根釧等大規模の機械開墾をいたしまするところにおきましては、これの営農の確立をいたさねばならないと思いますので、現地に営農指導所と試験圃を作る、あるいはまた入植者のために必要な営農上の訓練、あるいは機械を使いますから、その機械開墾の
技術者の訓練等を実施したいと考えております。
なお次の農業保険でございますが、この農業保険に関しましては、
予算の
要求は一応現行
制度を維持するという建前で、その運営に必要な経費を
要求いたしております。なおしかし町村合併等によりまして共済組合が整理統合をされておりますので、その
整備強化をはかる必要がございます。従いまして
事務費の国庫負担金を増額、あるいはまたそれぞれの職員を
強化する等の
措置をはかっていきたいと考えております。
災害対策でございますが、これは先ほど申し上げました
通りに、二十九年度
災害までは全部完了したい、こういう建前で
予算要求をいたしております。なお査定業務を完全にやりたいために、これの査定官を増員、あるいはまた県の係官その他これに関しまする職員の講習を行うことは先ほど御報告申し上げた
通りであります。
農林
漁業団体でございますが、これは農業
委員会制度につきましては、
予算要求といたしましては、現行体制のままで所要の
予算を
要求いたしております。そのほか農協あるいは
漁業組合等の再建
整備事業は従来に引き続いてやることになります。なおその常例検査の増額をはかっておるわけであります。新たな問題といたしましては、協同組合につきましては調整勘定益金がありますが、調整勘定益金を財源にいたしまして、各府県の中央会に基金を設け、そしてその基金と信連の資金の供給とを結びつけまして不振組合の
振興をはかっていきたい、不振組合
対策として調整勘定益金を
利用していきたい、かように考えております。
国際協力事業は、先ほど申し上げました
通りでございますが、従来ありましたようなもの、また今後拡大していきますようなもの、国際会議の参加であるとか、あるいは賠償事務の処理でありますとか、あるいは
漁業条約の交渉というように、国際
関係の処理に必要な部門がかなり拡大されておりますので、これに必要な経費を計上いたしております。そのほか国連の
技術援助
計画に伴いまするエキスパートの受け入れ、あるいはまたそれに伴ってこちらからそれぞれの国々のところへ人を派遣する等につきましては、従来やりましたものを拡大して考えております。
なお農林
水産業の
生産性向上本部というものを作りまして、そしてその
事業に必要な
調査事業等につきまして委託をいたしたい、かように考えております。
統計
調査事業に関しましては、従来やりましたものを継続あるいは
整備いたしますが、特に被害
調査の精度を上げる必要がございますので、講習をやりますほかに、その機動力を充実するものとして、オートバイでありますとか自転車でありますとかいうものを
整備いたしたいと考えております。そのほか、米
生産費の精度向上でありますとか、あるいは一般物価賃金
調査をもう少し精度を高める、あるいはまた林業経済の
調査をやりますとか、養蚕統計の地帯別推計を実施する等のことを考えまして、その
裏づけの
予算を
要求いたしておるわけでございます。
大体の御
説明は以上でありますがあともし各局別にいろいろございましたら、
予算課長等が来ておりますので……。