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1955-12-16 第23回国会 衆議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月十六日(金曜日)    午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長 山本 粂吉君    理事 高橋  等君 理事 田原 春次君    理事 森 三樹二君       大坪 保雄君    北 れい吉君       田中 正巳君    辻  政信君       徳田與吉郎君    床次 徳二君       二階堂 進君    林  唯義君       平野 三郎君    福井 順一君       眞崎 勝次君    宮澤 胤勇君       粟山  博君   茜ケ久保重光君       飛鳥田一雄君    石橋 政嗣君       下川儀太郎君    鈴木 義男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 河野 一郎君         国 務 大 臣 船田  中君  出席政府委員         行政管理政務次         官       宇都宮徳馬君  委員外出席者         参議院議員   島村 軍次君         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 十二月十二日  委員床次徳二辞任につき、その補欠として井  出一太郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員井出一太郎辞任につき、その補欠として  床次徳二君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員中村高一君辞任につき、その補欠として神  近市子君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員大村清一君、小金義照君、薄田美朝君及び  田中伊三次君辞任につき、その補欠として田中  正巳君、平野三郎君、二階堂進君及び徳田與吉  郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員田中正巳君、平野三郎君、二階堂進君及び  徳田與吉郎辞任につき、その補欠として大村  清一君、小金義照君、薄田美朝君及び田中伊三  次君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月十五日  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三号)(参議院送付) 同月十四日  昭和三十年国勢調査諸経費の全額国庫負担に関  する請願町村金五君紹介)(第三二八号)  岐阜県恵那市武並町の寒冷地手当引上げ請願  (纐纈彌三君紹介)(第三六一号)  教職員給与改訂に関する請願黒金泰美君紹  介)(第三六二号)  同(小林郁紹介)(第四一六号)  文官恩給の不均衡調整に関する請願眞崎勝次  君紹介)(第三六三号)  旧海軍特務士官並びに准士官処遇改善に関す  る請願松岡駒吉紹介)(第三六四号)  同(白浜仁吉紹介)(第四八九号)  同(世耕弘一紹介)(第四九〇号)  未帰還公務員留守家族処遇改善に関する請願  (受田新吉紹介)(第三六七号)  同(石橋政嗣君紹介)(第四一五号)  同(白浜仁吉紹介)(第四九三号)  元満州国日本人官吏恩給法適用に関する請願  (村松久義紹介)(第三六八号)  同外一件(保科善四郎紹介)(第四一四号)  同(大石武一紹介)(第四八七号)  同(日野吉夫紹介)(第四八八号)  大阪府狭山男地域給引上げ請願古川丈吉  君紹介)(第四九一号)  京都府篠村の地域給指定に関する請願柳田秀  一君紹介)(第四九二号) の審査を本委員会に付託された。 同月十三日  米軍レーダー基地建設に伴う補償工事施行に関  する陳情書(第一一五  号)  駐留軍使用路線道路補修費国庫補助に関する  陳情書(第一  五六号)  元満州国日本人官吏恩給法適用に関する陳情  書  (第一五九号)  地方自治省設置陳情書  (第一六〇号)  行政機構合理化に関する陳情書  (第一六一号)  京都和束外二箇村の地域給指定に関する陳  情書  (第一六二号)  京都精華外五箇町村地域給引上げに関す  る陳情書(第一六三  号)  新潟飛行場米軍基地の第四次拡張反対に関する  陳情書  (第一六四号)  旧神之池航空隊跡海上自衛隊潜水艦基地設  置反対に関する陳情書  (第一六五号)  体育局設置陳情書  (第一六六号) 同月十四日  恩給法の一部改正に関する陳情書  (第二〇一号)  道路運送並びに交通行政の一元化に関する陳情  書(第二八〇号)  駐留軍使用路線道路補償費国庫補助に関する  陳情書(第二九〇  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  委員派遣承認申請に関する件  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三号)(参議院送付)  請 願   一 金鵄勲章年金復活に関する請願植木庚    子郎君紹介)(第一号)   二 教職員給与改訂に関する請願關谷勝    利君紹介)(第三六号)   三 同(小平忠紹介)(第四四号)   四 同(佐竹晴記紹介)(第四五号)   五 同(松浦東介紹介)(第六五号)   六 恩給法の一部改正に関する請願世耕弘    一君紹介)(第四二号)   七 日露戦役殊勲者年金復活に関する請願(    前尾繁三郎紹介)(第四三号)   八 京都府亀岡市の地域給指定に関する請願    (前尾繁三郎紹介)(第六三号)   九 岡山県津山市の地域給引上げ請願(小    枝一雄紹介)(第九三号)   一〇 元満州国日本人官吏恩給法適用に関    する請願外一件(愛知揆一君紹介)(第六    四号)   一一 国家公務員に対する寒冷地手当及び    石炭手当の支給に関する法律の一部改正に    関する請願鈴木周次郎紹介)(第九四   号)   一二 兵庫県滝野町の地域給引上    げの請願田中武夫紹介)(第一一二    号)   一三 同(茜ケ久保重光紹介)(第一一三    号)   一四 同(石橋政嗣君紹介)(第一一四号)   一五 京都精華外五箇町村地域給引上    げの請願柳田秀一紹介)(第一五五    号)   一六 自衛隊の行軍に伴う損害補償に関する    請願高木松吉紹介)(第一一五号)   一七 旧海軍特務士官並びに准士官処遇改    善に関する請願保科善四郎紹介)(第    一一六号)   一八 同(眞崎勝次紹介)(第一一七号)   一九 元満州国日本人官吏恩給法適用に関    する請願外二件(竹谷源太郎紹介)(第    一一八号)   二〇 同外四件(保科善四郎紹介)(第一    一九号)   二一 同外一件(菊地養輔君紹介)(第一    二〇号)   二二 同外二件(佐々木更三君紹介)(第一    二一号)   二三 京都和束外二箇村の地域給指定に    関する請願柳田秀一紹介)(第一五四    号)   二四 京都府相楽郡の地域給指定等に関する    請願柳田秀一紹介)(第一五六号)   二五 兵庫県今田村の地域給指定に関する請    願(有田喜一紹介)(第一五七号)   二六 駐留軍労働者に年末手当支給に関する    請願吉川兼光紹介)(第一六九号)   二七 駐留軍労働者に対する新労務基本契約    実施に関する請願吉川兼光紹介)(第    一七〇号)   二八 駐留軍労働者特別退職手当支給に関    する請願吉川兼光紹介)(第一七一    号)   二九 金鵄勲章年金復活に関する請願(薩摩    雄次君紹介)(第二二〇号)   三〇 旧海軍特務士官並びに准士官処遇改    善に関する請願山本正一紹介)(第二    六一号)   三一  同(野田武夫紹介)(第二七五    号)   三二 元満州国日本人官吏恩給法適用に関    する請願外一件(保科善四郎紹介)(第    二六二号)   三三 同外一件(大石武一紹介)(第二六    三号)   三四 同(内海安吉紹介)(第二六四号)   三五 同外二件(保科善四郎紹介)(第二    七二号)   三六 同(佐々木更三君紹介)(第二七三    号)   三七 同(菊地養輔君紹介)(第二七四    号)   三八 村松町に自衛隊誘致反対に関する請願    (石田宥全君紹介)(第二七七号)   三九 高知県土佐清水市清水地区地域給指    定に関する請願森本靖紹介)(第二七    六号)   四〇 京都府相楽郡の地域給指定等に関する    請願岡本隆一紹介)(第三〇七号)   四一 京都精華外五箇町村地域給引上    げの請願岡本隆一紹介)(第三〇八    号)   四二 京都和束外二箇村の地域給指定に    関する請願岡本隆一紹介)(第三〇九    号)   四三 昭和三十年国勢調査諸経費の全額国庫    負担に関する請願町村金五君紹介)(第    三二八号)   四四 岐阜県恵那市武並町の寒冷地手当引上    げの請願(纐纈彌三君紹介)(第三六一    号)   四五 教職員給与改訂に関する請願(黒金    泰美君紹介)(第三六二号)   四六 同(小林郁紹介)(第四一六号)   四七 文官恩給の不均衡調整に関する請願(    眞崎勝次紹介)(第三六三号)   四八 旧海軍特務士官並びに准士官処遇改    善に関する請願松岡駒吉紹介)(第三    六四号)   四九 同(白浜仁吉紹介)(第四八九号)   五〇 同(世耕弘一紹介)(第四九〇号)   五一 未帰還公務員留守家族処遇改善に関    する請願受田新吉紹介)(第三六七    号)   五二 同(石橋政嗣君紹介)(第四一五号)   五三 同(白浜仁吉紹介)(第四九三号)   五四 元満州国日本人官吏恩給法適用に関    する請願村松久義紹介)(第三六八    号)   五五 同外一件(保科善四郎紹介)(第四    一四号)   五六 同(大石武一紹介)(第四八七号)   五七 同(日野吉夫紹介)(第四八八号)   五八 大阪府狭山男地域給引上げ請願(    古川丈吉紹介)(第四九一号)   五九 京都府篠村の地域給指定に関する請願    (柳田秀一紹介)(第四九二号)     ―――――――――――――
  2. 山本粂吉

    山本委員長 これより会議を開きます。  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず参議院修正につきその説明を求めます。島村軍次君。
  3. 島村軍次

    島村参議院議員 私は緑風会島村軍次でございます。今回提案になりました行政管理庁設置法改正案につきまして参議院修正案趣旨を説明申し上げたいと存じます。  今回提案になりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案中第二条、まずその修正部分を読み上げたいと存じます。第二条第十二号の改正規定中、「法令の規定により国が資本金の二分の一以上を出資する義務がある法人政令で指定するものの業務」この事項を削除いたしまして、修正をいたしたのであります。  簡単にその理由を御説明申し上げたいと存じます。今回の改正案は従来三公社等に行われておった行政管理庁業務をさらに公団等に及ぼし、さらに進んでいわゆる国が二分の一の出資金を持っておる会社並びにその他の団体に対して行わんとするものでありますが、行政管理庁の現在の機構並びに行政管理庁そのものの性格から考えまして、内閣の内部においてできるだけの監査調査を行うのが建前でありますので、この会社等に及ぼすことは、現在の段階におきましては行費過ぎではないかと認められるのであります。なおかつ行政管理庁業務の内容は、業務の執行に当りましては、今日の内閣責任制建前から申しまして、一体性を弱めるおそれがあるのではなかろうか。そこで正常の監督関係に返って、主管大臣監督権の強化と、そうして一面経理部面につきましては、別途ありまする会計検査院の充実をはかって、これによって監査の励行を期すべきであると考えられるのでありますので、将来行政管理庁改革等につきましても、その点十分考慮さるべきであるという理由をもちまして、たとえば政府で現在考えられおりまする輸出入銀行及び日本開発銀行等政令で指定されるものの監査は御遠慮願うことがいいのではなかろうか、かような考え方で修正をいたした次第であります。
  4. 山本粂吉

    山本委員長 これより質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。森君。
  5. 森三樹二

    ○森(三)委員 私は本法案に対する政府案並びに政府案に対する参議院修正案に対して質疑を行いたいと思うのであります。まず政府案に対しまして御質問を申し上げたいと思のでありますが、担当大臣河野氏が御出席がないことはまことに遺憾と思うのでありますが、政務次官が御出席になっておるので御答弁を願います。すなわち私どもから考えるならばこうしたところの改正案に対しまして、私はやはり国が半額出資している、すなわちその種類を申すならば、日本輸出入銀行、日本開発銀行、日本銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫、日本育英会私立学校振興会日本中央競馬会電源開発株式会社石油資源開発株式会社、こういう多くの政府出資があるわけでありますが、私どもはこうしたところの政府の重要な資金が適法に行使されておるかどうか——今政府案に対する質疑をしているのですが、河野大臣に一つ御答弁を願います。そうした国が半額出資をしているところの多数の法人があるわけでありますが、私どもは当然今回の行政機構改革によってこれらの国が出資をしているところの法人に対しては国が適法な調査をする、こういう意味において私はむしろ政府案がわれわれとしては納得できるものである、かように考えておるのですが、これに対しまして政府の御答弁を願いたいと思うのです。
  6. 宇都宮徳馬

    宇都宮政府委員 政府といたしましても、同様の考え原案を立案したわけでございますが、参議院において修正を受けたわけでございます。しかしながら参議院修正行政監察に関連いたしまする調査対象公団公庫等まで広げておりますから、一歩前進とみまして賛成をいたしておる次第でございます。
  7. 森三樹二

    ○森(三)委員 ただいまの政務次官の御答弁によりますと、政府案は正しいものだと思うのだけれども参議院修正もある程度これを認めなければならないというような御趣旨なのでしょうか。あるいは参議院修正案に対しては反対なんだ、こういうような御趣旨なのか、そこがはっきりしなかったのでもう一度御答弁願いたい。
  8. 宇都宮徳馬

    宇都宮政府委員 参議院修正監察に関連する調査対象公庫公団等まで広げる政府原案を認めておりますから、その点で一歩前進であろう、こう信じて賛成いたしておる次第であります。
  9. 森三樹二

    ○森(三)委員 参議院修正も一歩前進したからといって、政府原案修正されたことをもってこれを納得するような御答弁はちょっと腑に落ちないと思う。その点についてはっきりと河野さんの御答弁を願いたい。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 政府といたしましては、御承知通り、本案の参議院における提案理由にも述べております通り、この機会公社公団全体にわたって調査をいたしたい。ただこの機会に申し添えさせていただきたいと思いますことは、現在の行管がこういうことを調査することが、会計検査院調査、ないしはまた各省にございます調査機関、これらの間に混淆をし、重複をするという御疑問が大方の中におありのようでございますが、これは誤解でございまして、会計検査院調査をするのは、金銭の出納であると私は思うのであります。われわれが行いますところの調査は、事務が妥当に進行しておるかどうかという点、公正なる事務の運営が行われておるかどうかということで、それと金との間に関係は出て参りましょうけれども、その間におのずから明確に割り切れるものがあると思っておるのであります。特に行政管理庁といたしましては、内閣の中におきまして、総理が行政を指導、監督いたしまする補助機関として行うものでございますから、なるべく国家責任を持ちます全体においてわれわれが事務監査ができるようにしていきたいと思っておるのでございますけれども、昨日参議院の方におきまして、今日の段階においてはこの程度のもので妥当であろうという御決定をいただきましたので、一応参議院の意のあるところもわれわれ十分体して、そしてもし衆議院の方でこの案に御決定になればそれで事務を進めていくべきである、こう考えているのであって、今ここで参議院決定賛成反対かとおっしゃれば、参議院で御決定いただいた通り、これは院議の決定を尊重して参ることでありますから、それに賛成して参るということでございまして、これに反対すべき筋合いのものでない。と申しますのは、ただいま政務次官から申し上げました通りに、われわれの考えておりますところの範囲内でございまして、われわれのやろうという目的を逸脱して、われわれの精神と違ったことではございませんから、賛成をいたしますことが妥当である、こういうように考えておるわけであります。
  11. 森三樹二

    ○森(三)委員 私は大臣並びに政務次官の御答弁は不満足なんです。すなわち政府は、政府原案責任を持ち、また自信を持ってお出しになっておる。ところが参議院において修正を受くるや、直ちに妥協といいますか、退却といいますか、その目的が一致しておる、ただその範囲が縮小したにすぎないのだから、その目的において一致しておるならば、これに対しても賛意を表せざるを得ないというような、まことに担当大臣としては自信のない御答弁であって、これは私は政府が今後法案を出す上において非常に重大な例を作るのじゃなかろうかと思うのであります。もう少し担当大臣としては基本的な確固たるお考えを持って臨まなければならぬ。やはり政府としては、あくまでも原案の通過を望まれるのが至当でなかろうかと思うのです。それを参議院修正を受け、当委員会があなた方の与党によって修正案が支持されそうな空気が見ゆるや、直ちに後退したところの御答弁をされるということは、これは政府の信念というものを非常に疑われるのではなかろうか、このように考えるのです。それに対して河野大臣は、これは今後のこともありますから、もう少し信念的な御答弁がなければ、私は納得できないと思うのです。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 問題にも多少関連があると思うのでございまして、今回の修正は、この修正によってわれわれの目的を達成することができなくなる、目的の達成が困難であるという場合でございますれば、あくまでも私は原案を支持して参ることにやぶさかでございませんが、御承知通り今回の修正は、今申し上げたこととは違うのでございまして、範囲をどの程度に広げるか、程度をどの程度にとどめておくかということでございまして、またわれわれといたしましても、ここに案を具しました開発銀行にいたしましても、輸出入銀行にいたしましても、それを直ちにやらなければならない、これをやることを目途としてこの改正案提案したのだということであれば、これは原案の支持はあくまでもしなければなりませんけれども、総括的に、政府が二分の一以上出資しておるものについてはやることができるようにしておこうということでございます。また会計検査院と違いまして、この範囲にありますものは毎年全部監査をしなければならないという建前をとろうと私は考えておらないのでございまして、その中で順次順を追うて監査をして参ればよろしいのであって、毎年一ぺんは必ずしなければならぬという建前のものじゃないと思うのであります。またしていかなければならぬとも思いませんので、さしあたり今ここで改正を願いました程度改正でそれをまず十分手を尽しまして、その後にまた必要が起ればしかるべき機会にまた改正をすることに御了解願うということでよろしいんじゃないかと思いますので、ただいま申し上げたような答弁をしたのでございまして、これは程度の問題であり、範囲の問題でございますから、しかもこれはここまでなければ絶対にその精神が生きる死ぬという問題でない、しかも行政管理庁として運用して参ります上において、すぐこれから手をつけなければならぬ問題でもないというようなことがございますので、この参議院修正をわれわれとしては了承するという立場をとりたい、こう思っているわけでございます。
  13. 森三樹二

    ○森(三)委員 参議院がたとい修正いたしましても、当委員会において修正するか、しないかということは、これは理論的に言えば未知数です。政治上の動きはまた別でありますが、それをすでに当委員会もそうなるであろうというような予測のもとに政府が御発言をするということは、これまた私は不穏当でなかろうかと思う。すなわち国会決定した法案に対しては、政府としては十分尊重しなければならない。しかし参議院修正したけれども、いまだに衆議院意思というものは何ら表明されておらない。本法案に対しては本日当委員会において初めて審議されておるのであります。これがどういう結果を招来するかということもまだわからないのです。政治上の動きとしてはあなた方はすでに察知されておられるために、そういう御発言をなさるかと私は思うのでありますが、しかし当委員会においては私が初めて質疑をいたしておるのであって、まだその結論というものは出されておらない。それを先走って、政府はすでに参議院の、一院意思というものに片寄ったような御答弁をなさることは、政府として国会の運営上まことに遺憾ではなかろうかと私は思うのであります。すなわち両院意思が違った場合においては、両院協議会、あるいはまた参議院意思決定衆議院においてくつがえすことも法的に許されることであって、これは今後の国会意思決定が十分なされた上において国会決定政府が尊重する、こういうならば話はわかるのでありますが、これを見越してすぐ退却的な御答弁をなさるということは、ふに落ちないと思うのであります。この点いかがですか。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 参議院修正に対してどうかというお尋ねでございましたからお答えをしたのであって、原案が悪い、参議院修正がよいとお答えしたのではございません。その点は今参議院修正通りなんだろうと見越して答えたというふうにおっしゃいますけれども、私が進んで発言したんじゃない。お尋ねがありましたから、参議院修正に対する政府態度を申し上げたのでございまして、また衆議院態度がきまりまして、その態度についてどうかということであれば、私はその態度について私の考えを申し上げるのでございまして、何も参議院態度をここで礼賛して、これが一番いいのだと申しているわけではないのでありまして、私たち原案とこれと比べまして、その程度は、政府としては今の修正案でも行政管理庁としてこの案を維持して運営していくには、これで差しつかえありませんということを申し上げた次第であります。
  15. 森三樹二

    ○森(三)委員 河野大臣の御答弁を聞いておりますと、結局どちらでもいいのだ、結論的に言うと、政府案が通ればよし、政府案でなくて、参議院修正案でも大体自分たち目的に近いのだからいいのだというような、それこそまことに確信のない御答弁であって、そういう政府のお考えというものは、あらゆる法案に対してどちらでもいいのだというような態度は納得できないのであります。やはり政府検討検討を加えて、そうして法律案を提出される以上は、自分の提出した法律案を維持するということが当然であるのに、修正されればそれでも仕方がないのだ、また一院修正しただけをもってそれでもかまわない、結局どちらでもいいというように私にはとれるのでありますが、そのように解釈してよろしゅうございましょうか。
  16. 河野一郎

    河野国務大臣 これは先ほどからお答え申し上げましたように、どちらでもよいというものではございません。けれども、これではいけないかというとこれでいけないというものでないということを申し上げたのであります。すなわち、大きなワクの中で、これだけを行政監査対象にしていくことがいいと思う。しかし絶対にこれでなければならぬかと申すと、そうじゃない。この外に出るということになれば、そこまでやる必要があるとかないとかいうことになりますけれども、この中でございますから、しかもこの中では独立して、孤立して政策が実行できないということはないのでありまして、その中を行政監査しておればそれである程度目的は達せられるじゃないか。この外に問題が起ってきたとき、また外の力にも行かんければならぬというときにやってもいいじゃないかという参議院修正案の御趣旨でございましたから、まず与えられたワク内においてやればある程度目的は達せられるという解釈をわれわれはとっておるのでありまして、それが政策でイエスかノーか、白か黒かということになれば、それはどちらでもいいということは決して申しません。この白のワク内における判断でございますから——われわれとしては、まず政府対象にするものはこれだけでありますから、全部について監査いたしたいという原案を提出いたしましたけれども、そこまで行かずに、このワク内でとどめておけという参議院の御決定でございますから、むろんそれでもわれわれとしてはけっこうであります、こう申し上げたのであって、決して私はどちらでもよろしいということを無責任に、しかも自分の良心なしに申し上げておるのではないのでありまして、その点は御理解願いたいと思います。
  17. 森三樹二

    ○森(三)委員 ますますどうも納得できないのです。このワク内ならばよいとして最初あなた方のお出しになったものを、それが縮小されても目的を達せられるということは言えないと思う。十のものが五となった場合に、十と五と同じだということは言えない。十でもよい、五でもよいとあなたは言っておられたように受け取れたのでありますが、あなたは参議院修正案をそこにお持ちでありませんが、一応ごらんになっていただきたいと思います。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 わかっております。
  19. 森三樹二

    ○森(三)委員 わかっているとすれば、結局ここに書いてある「日本住宅公団、愛知用水公団及び農地開発機械公団業務」そこまでは認めて、その下の「法令により国が資本金の二分の一以上を出資する義務がある法人政令で指定するものの業務」とありますのを削ってあるわけです。それだけのものが縮小されても、国民の重要な税を法人等に出資しているのでありますから、これに対してはもちろん会計検査院の十分な検査も必要であると同時に、国の行政機関としてこの事務を十分審査することがあって差しつかえないし、またあるべきが至当だと私は考えているのであります。それを今河野大臣は、最初の原案は十のものであったけれども、それが五になってもかまわないのだというが、それは同じだとは言えないじゃないですか。それはあくまでも縮小された参議院修正案であって、やはり政府としては最初の法案をあくまでも堅持するということでなければならぬと思うのであります。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 両案が同じであると言っているのではないのであります。修正されたものでは行政管理庁として仕事ができないかというと、修正されたもので十分仕事をして参りまして、このワクの外の原案との問のものについて監査の必要が当面起ってきたらば、そのときにまた案を具して御審議を願っても決しておそいことじゃないということを申しているのであります。しかしわれわれとしては、政府の仕事としてやっておりますものは、今原案として出しましたように、全部を監査するという建前をとることが一番よいと思っております。それはその通りでございます。しかし今、さしあたり参議院修正通り、そこまで行かなくてもいいじゃないか、この程度のことでやっておいたらどうかということでございますから、この程度のことで十分機能を発揮してその範囲内で間違いないようにしておく。もっとも先ほど申し上げましたように、行政管理庁としてもおのずから仕事に限度がございます。やろうとしても毎年一ぺん必ずやるわけではございません。ございませんから、そこでそういうふうにワク内の仕事をやって、また院の方から監査すべき点があるじゃないか、なぜそれを監査しないのだ、ワクを広げて監査せよということであるならばむろん監査して差しつかえない、こう思っているのでございますから、その点はどうか御理解をいただきたいと思います。
  21. 森三樹二

    ○森(三)委員 河野大臣答弁を聞いておりますと、結局その必要があった場合にはまた法律案を出せばいいのだというような、まことに自信のない便宜的な御答弁で、この法律案大臣政治的に取り扱っているということが明々白々であります。これ以上質疑をしても結局押し問答になりますからやめますが、結論は私わかっておりますけれども担当大臣としてはもう少し信念的な考えをもってこうした法案をお取り扱いになるように、一応警告を発して、質疑を留保しておきます。
  22. 山本粂吉

    山本委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      ————◇—————    午前十一時五十二分開議
  23. 山本粂吉

    山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  ほかに御質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、これにて質疑は終了いたしました。  これより討論に入ります。通告がありますのでこれを許します。森君。
  25. 森三樹二

    ○森(三)委員 私ども参議院より送付せられました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をいたしたいと思うのであります。  われわれ社会党は国家のこうした行政管理につきましては、あくまでも国の重要なる施設、そしてまたその目的を達するための法人に対しまして、厳重なる監理、査察をすることを当然と考えておるのでありまして、日本住宅公団、あるいは愛知用水公団、あるいは農地開発機械公団はもちろん、最初政府提案しておりましたものは、「法令の規定により国が資本金の二分の一以上を出資する義務がある法人政令で指定するものの業務」とありますが、当然これらを含めて私どもはできるだけ範囲を拡張して本法案対象にしなければならない、かように考えておったんであります。はからずも参議院においては、この資本金の二分の一以上を国が出資する法人に対しては、これを削ってしまったんでありますが、われわれ社会党といたしましては、これに対してはまことに遺憾にたえない。むしろ国が資本金の二分の一以上を出資する義務がある法人に対しても調査並びに監査をするという建前において、私どもは本法案反対するのであります。
  26. 山本粂吉

    山本委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕
  27. 山本粂吉

    山本委員長 起立多数。よって本案は原案通り可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。     —————————————
  29. 山本粂吉

    山本委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。御承知通り国会法第四十七条第二項の規定によりまして、委員会は、議院より特に付託されました案件につきまして、閉会中もなお審査することができることになっております。つきましては、本委員会といたしましても、閉会中審査案件を議長に申し出ることとし、その案件は、一、行政機構並びにその運営に関する件、二、恩給及び法制一般に関する件、三、自衛隊に関する件、四、公務員の給与に関する件、五、調達庁に関する件といたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。  ただいま議長に申し出ることに決しました閉会中審査案件が議院より付託されました場合、坂付基地問題等につきまして、現地に委員を派遣し、つぶさにその実情を調査いたしたいと存じますが、派遣委員の氏名、日時等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。     —————————————
  32. 山本粂吉

    山本委員長 次に、請願審査に入ります。請願審査は便宜上理事会におきまして御検討願いましたので、その結果につき、請願の説明及び政府よりの説明を省略し、委員長よりお諮りいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 山本粂吉

    山本委員長 請願日程中、第二ないし第六、第一六、第二六ないし第二八、第四三、第四五ないし第四七及び第五一ないし第五三の各請願は議院の会議に付し、採択の上内閣に送付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。  なお、ただいま採択いたしました請願の報告書の作成につきましては委員長に一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。     —————————————
  36. 山本粂吉

    山本委員長 なお本委員会に送付になりました陳情書は御手元に配付いたしました文書により御承知おき願いたいと存じます。     —————————————
  37. 山本粂吉

    山本委員長 船田防衛庁長官より発言を求められておりますのでこれを許します。船田防衛庁長官。
  38. 船田中

    ○船田国務大臣 この機会に二言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  私、はからずも今回防衛庁長官という重任を担当することになりました。もとより浅学非才、かつ防衛問題につきましては何ら経験のない者でございます。皆様方の格別なる御指導、御鞭撻をいただきまして任務を全ういたしたいと存じます。内閣委員の皆さん方は特にその方面については造詣の深い専門の御研究を持ち、また経験を持っていらっしゃる方が多いのでございますから、どうぞ何分御指導、御鞭撻をいただきたい。この機会に特にお願いいたします。(拍手)
  39. 山本粂吉

    山本委員長 これにて会議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会      ————◇—————