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1955-12-09 第23回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月九日(金曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 山本 粂吉君    理事 江崎 真澄君 理事 大平 正芳君    理事 高橋  等君 理事 保科善四郎君    理事 山本 正一君 理事 田原 春次君    理事 森 三樹二君       大坪 保雄君    大村 清一君       北 れい吉君    小金 義照君       辻  政信君    床次 徳二君       福井 順一君    眞崎 勝次君       横井 太郎君    粟山  博君       飛鳥田一雄君    石橋 政嗣君       下川儀太郎君    鈴木 義男君       中村 高一君    矢尾喜三郎君       渡邊 惣藏君  出席国務大臣         国 務 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         行政管理政務次         官       宇都宮徳馬君         自治政務次官  早川  崇君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房公務員制度         調査室長)   大山  正君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林與三次君         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 十二月五日  委員長宮澤胤男委員長辞任につき、その補欠  として山本粂吉君が議長指名委員長選任  された。 同月七日  委員田中正巳辞任につき、その補欠として横  井太郎君が議長指名委員選任された。 同月九日  理事高橋禎一委員辞任につき、その補欠とし  て山本正一君が理事に当選した。 同日  理事辻政信君及び床次徳二理事辞任につき、  その補欠として大平正芳君及び保科善四郎君が  理事に当選した。     ――――――――――――― 十二月七日  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三号)(予) 同月八日  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第七号) 同月五日  金鵄勲章年金復活に関する請願植木庚子郎君  紹介)(第一号)  教職員給与改訂に関する請願關谷勝利君紹  介)(第三六号)  同(小平忠紹介)(第四四号)  同(佐竹晴記紹介)(第四五号)  同(松浦東介紹介)(第六五号)  恩給法の一部改正に関する請願世耕弘一君紹  介)(第四二号)  日露戦役殊勲者年金復活に関する請願前尾繁  三郎紹介)(第四三号)  京都府亀岡市の地域給指定に関する請願前尾  繁三郎紹介)(第六三号)  岡山県津山市の地域給引上げ請願小枝一雄  君紹介)(第九三号)  元満州国日本人官吏恩給法適用に関する請願  外一件(愛知撲一君紹介)(第六四号)  国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の  支給に関する法律の一部  改正に関する請願鈴木周次郎紹介)(第九  四号) 同月七日  兵庫県滝野町の地域給引上げ請願田中武夫  君紹介)(第一一二号)  同(茜ケ久保重光紹介)(第一一三号)  同(石橋政嗣君紹介)(第一一四号)  京都府精華町外五箇町村地域給引上げ請願  (柳田秀一紹介)(第一五五号)  自衛隊の行軍に伴う損害補償に関する請願(高  木松吉紹介)(第一一五号)  旧海軍特務士官並びに准士官処遇改善に関す  る請願保科善四郎紹介)(第一一六号)  同(眞崎勝次紹介)(第一一七号)  元満州国日本人官吏恩給法適用に関する請願  外二件(竹谷源太郎紹介)(第一一八号)  同外四件(保科善四郎紹介)(第一一九号)  同外一件(菊地養輔君紹介)(第一二〇号)  同外二件(佐々木更三君紹介)(第一二一号)  京都府和束町外二箇村の地域給指定に関する請  願(柳田秀一紹介)(第一五四号)  京都府相楽郡の地域給指定等に関する請願(柳  田秀一紹介)(第一五六号)  兵庫今田村の地域給指定に関する請願(有田  喜一君紹介)(第一五七号)  駐留軍労働者に年末手当支給に関する請願(吉  川兼光紹介)(第一六九号)  駐留軍労働者に対する新労務基本契約実施に関  する請願吉川兼光紹介)(第一七〇号)  駐留軍労働者特別退職手当支給に関する請願  (吉川兼光紹介)(第一七一号) の審査を本委員会に付託された。 同月六日  旧海軍特務士官並びに准士官処遇改善に関す  る陳情書外一件  (第一号)  退職公務員の救済に関する陳情書  (第二号)  文官恩給の不均衡調整に関する陳情書  (第三号)  元沖繩県吏員恩給法適用陳情書  (第四号)  内浦湾における陸上自衛隊対空射撃演習場使  用計画中止に関する陳情書  (第五号)  国有鉄道等公社職員石炭手当制度化に関する  陳情書(第七号)  青森県下に薪炭手当支給に関する陳情書  (第八  号)  地域給改訂に関する陳情書  (第九号)  兵庫今田村の地域給指定に関する陳情書  (第一〇  号)  新潟飛行場拡張反対に関する陳情書外三件  (第三六号)  千葉県にオネストジヨン試射場設置反対に関す  る陳情書外三件  (第三八号)  原子ロケット砲の東冨士演習腸持込み反対に関  する陳情書(第三九  号)  伊丹飛行場拡張反対に関する陳情書  (第七〇号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三号)(予)  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第七号)     ―――――――――――――
  2. 山本粂吉

    山本委員長 これより会議を開きます。  まず一言あいさつを申し上げます。このたび私が内閣委員会における委員長の重責をになうことに相なりましたが、浅学非才全くしろうとでありますので、皆様方の御指導、御鞭撻によりまして、大過なく過ごしたい、かように存じておる次第でございます。皆様方の御支援をお願い申し上げる次第でございます。  一言こあいさつを申し上げた次第でございます。     —————————————
  3. 山本粂吉

    山本委員長 お諮りいたします。辻政信君及び床次徳二君より理事辞任の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本粂吉

    山本委員長 御異議がなければさよう決します。  なお去る一日、理事高橋禎一委員辞任につき、理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして委員長より指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山本粂吉

    山本委員長 御異議なければさよう決します。  それでは    大平 正芳君  保科善四郎君    山本 正一君 を理事指名いたします。     —————————————
  6. 山本粂吉

    山本委員長 次に、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案一括議題とし、まず政府より提案理由説明を求めます。河野国務大臣。     —————————————   行政管理庁設置法の一部を改正する法律案    行政管理庁設置法の一部を改正する法律  行政管理庁設置法昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。  第二条第十二号中「の業務及び」を「、公庫公庫予算及び決算に関する法律昭和二十六年法律第九十九号)第一条の公庫をいう。)、日本住宅公団愛知用水公団及び農地開発機械公団業務法令規定により国が資本金の二分の一以上を出資する業務がある法人政令で指定するものの業務並びに」に改める。  第七条第二項中「十五人」を「二十人」に改める。    附 則  この法律は、公布の日から施行する。     —————————————  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案   一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律  一般職職員給与に関する法律昭和二十五年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。  第十九条の四第二項中「百分の百五十」を「百分の二百」に改める。    附 則  1 この法律は、公布の日から施行する。  2 改正後の一般職職員給与に関する法律第十九条の四第二項(裁判所職員臨時措置法昭和二十六年法律第二百九十九号)本則第三号及び防衛庁職員給与法昭和二十七年法律第二百六十六号)第十八条の二第二項において準用する場合並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律昭和二十七年法律第九十二号)第二条第三項(南方連絡事務局設置法昭和二十七年法律第二百十八号)第七条第三項において準用する場合を含む。)の規定により基く場合を含む。)の規定昭和三十年における適用については、同項中「百分の二百」とあるのは、「百分の百五十をこえ百分の二百をこえない範囲内において、各庁の長又はその委任を受けた者が定める割合」と読み替えるものとする。  3 昭和三十年十二年十五日に支給する期末手当の額のうち改正前の一般職職員給与に関する法律第十九条の四第二項の規定により算出したその額をこえる部分を同日に支給することができない場合においては、そのこえる部分は、同日から五日以内に支給することができる。
  7. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案提案理由並びにその概要について御説明申し上げます。  まず第一に、監察に関連して調査を行う対象範囲拡張について申し上げます。  現在、行政監察においては、国の行政機関業務について監察するとともに、日本専売公社日本国有鉄道及び日本電信電話公社業務並びに国の委任または補助にかかる業務について、監察に関連して調査を行うこととなっているのでありますが、このほかにも公庫公団等特殊の法人は、あるいは国の巨額の資金を運用し、あるいは公共性のきわめて強い事業を行う等、その業務は重要でありますので、これらに対し必要な調査を行い、その適正を期する必要があります。  よって第二条第十二号を改め、新たに国民金融公庫、住宅金融公庫農林漁業金融公庫中小企業金融公庫の四公庫日本住宅公庫愛知用水公団農地開発機械公団の三公団及び法令規定により国が資本金の二分の一以上を出資する義務がある法人で、政令で指定するものの業務についても、関係行政機関監察に関連して調査を行うことができることとしたのであります。  次に行政審議会委員定数を増加することについて申し上げます。  政府におきましては、新内閣重要政策の一つとして、行政機構の改革を強力に遂行する所存であります。これがためには一そう広く各界の公正なる意見をもくみ入れて、慎重に検討し、もって、簡素能率的にして、国民に親しまれる機構に改めたい考えであります。つきましては、当庁の諮問機関である行政審議会委員定数を五人増員して二十人以内と改め、もって、右に申し述べた要請にこたえるとともに、当行政管理庁重要施策に資したいと考えております。  以上が今回の改正法律案提案いたしました理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容概略を御説明申し上げます。  国家公務員に対しましては、夏季及び年末にそれぞれ期末手当及び勤勉手当支給されておりますが、最近における民間給与生計費子、の他給与に関係ある諸条件を考慮いたしました結果、年末に支給される手当につき若干の増額が必要であると認められるに至りました。  そこで、財政その他の事情をも考慮の上、本年七月十六日付の人事院勧告を尊重し、十二月十五日に支給する手当につきまして、期末手当の額を〇・二五月分増額して一月分とし、勤勉手当とあわせて合計一・五月分を支給することといたした次第であります。  しかしながら、これが実施につきましてはかなりの財源を必要といたしますので、財源捻出について慎重検討をいたしました結果、昭和三十年におきましては、特例措置を講ずることにいたしました。すなわち、本改正法律案により増額せられることとなる部分につきましては、既定経費節約及び必要ある場合には既定予算移流用により、各庁の長が予算範囲内で定める割合により支給することといたしました。  以上が本法律案提案する理由並びに内容概略であります。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げる次第であります。
  8. 山本粂吉

    山本委員長 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対する質疑次会に譲ります。  これより一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について質疑に入りたいと存じます。通告がありますので、順次これを許します。田原君。
  9. 田原春次

    田原委員 十二月七日の閣議国家公務員等に対する手当増額支給についてという決定がなされておると思うのであります。その中において第三項目に「地方公務員に対し、昭和三十年末に支給される手当国家公務員の場合に準じ増額支給する場合にも、これに必要な財源捻出は前記一の2に準ずることとする。ただし義務教育費国庫負担分増額分については将来財源措置を講ずること。」こういう決定があると思うのですが、これの内容をもう少し説明していただきたい。
  10. 大山正

    大山説明員 地方公務員に対します措置につきまして、なお詳細につきましては自治庁の方から御説明申し上げるのが筋合いかと思うのでございますが、一応私から御説明申し上げます。ここに書かれてあります閣議決定趣旨は、地方公務員につきましての期末手当につきましては、地方でそれぞれ自主的に措置するわけでございまして、その場合に国家公務員の場合と同じように、地方でそれぞれ節約あるいは予算の移用、流用によって、できる限り期末手当増額支給するという趣旨であります。ただ義務教育費国庫負担分につきましては、国がこれを支出する義務がございますので、既定予算範囲内でまかない得ない場合には、将来においてこれが財源措置を講ずる必要がある、そういう趣旨でございます。
  11. 田原春次

    田原委員 地方で自主的に措置せよ、節約または予算技術上のやりくりをやれというのでありますが、御承知のように、地方庁財源の逼迫したことはこの間からもう数次の大会や会合等によってわかっておると思います。従って中央国家公務員に対して〇・二五という増額決定すれば、当然地方公務員に対する財源措置についても政府は何とか考えてやらなければできない。その地方だけにまかすということは実際上不可能になると思います。この点について、自治庁政府委員が来ておられるようでありますから、地方公務員に対する手当、実際地方庁予算やりくりでなくできる方法、すなわち中央政府からの財源措置をしてやるということについて具体案があるかどうか、伺いたい。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 私から便宜お答えいたします。足りないところ政府委員に補足していただきます。今田原さんからお尋ねでございますが、私は地方庁の現在の財政事情が非常に赤字になっておることは十分承知いたしておりますが、何しろ地方庁中央と同様に一兆に近い予算運用しておるわけであります。従ってこの運用しておられる予算の中には、中央において相当節約が可能であると同様に節約が私は可能だと思うのであります。一方において赤字があるということと、既定予算節約するということとはおのずから別のことでございまして、予算運用に当ってこれが節約ができぬはずがないという気持を私は持っておって、地方庁のそれぞれの為政者諸君には十分にそれらの点について御考慮を願いたい。初めから地方赤字財政になっておるから金がないのだという建前で私はとりたくない。赤字赤字、一方において事業を遂行し、相当予算地方運用しておられることは事実でございますから、この運用しておられる一兆の予算の中から中央と同様な意味合いにおいて、公務員諸君の今日の現状を考えてみれば相当に私は節約ができる、節約すべきだという信念に立って、今回担当大臣としてこの案を考えたわけでございます。しかしそうは申しましても、部分的に非常に悪い点があるというものについては、これは当然中央において考えてやらなければいかぬという立場に立って私はこの案を支持したい、こう考えておるわけであります。
  13. 田原春次

    田原委員 もちろん地方予算節約予算技術上のいろいろな考慮を払うことは当然のことであって、われわれはそれでもなおできないほど窮迫されておる場合において、どう中央政府からの特別の考慮をしてもらうかという点を質問しておるのです。すなわちたとえば短期融資なら短期融資ということに対しても、暫定的にしても政府が元利の保証をするとか、何かやりくりをしてやらなければ、地方地方節約してやりくりをしろというだけではなかなか地方はできないと思う。これに対してただ今のような、地方が適宜にやれということだけではできないと思いますから、もう少しできるような特別の考慮をする用意があるかどうか、ちょっと御説明願いたい。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま申し上げましたように、地方と申しましても都道府県から市町村、それぞれの予算運用をいたしております各機関において、どうしても節約をする余地がないし、できないというものにつきましては、ここにも書いてありますように、短期融資をして、そうしてしばしば政府考えております通りに、明年度において地方財政根本的建て直しをするその際にこれを考慮することにいたしまして、それまでは短期融資をもってこれに充てていくように指定処置をしてもらいたい、こういう立場をとっておるわけであります。
  15. 田原春次

    田原委員 自治庁側のこれに対する見解はどうですか。
  16. 小林與三次

    小林説明員 今河野大臣からおっしゃった通りであります。
  17. 森三樹二

    ○森(三)委員 関連ですが、きのうの本会議太田自治庁長官は、この地方公務員期末手当に関しましては、やはり財源的な措置をする、政府責任をもってやるということを明確に言っておられたようです。これは河野さんはきのうおられなかったかもしれませんけれども、大蔵大臣とそれから自治庁長官が、地方財政の確立の法案審議のときに本会議場で答弁されたのですよ。それに対してあなたはどういうようにお考えになっておりますか。ただ節約してやれやれといって言いっぱなしではできるものではありません。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 今申し上げました通りに、節約のできるところ節約してやってもらいたい。それは今申し上げた通り都道府県市町村節約でできないところがあるでしょう。あるでしょうと考えますから、政府はこれについて一時融資の道を講ずる、こういうふうにつけ加えてあるのでございまして、節約で全部まかなってしまえ、一切中央は見ないという建前はとっておらないのでございます。御説の通り、やろうとしても節約による余地もないというところのあることも一部わかりますから、その地方についてはそういうふうにすべきであって、しかし初めから都道府県市町村全部融資の道を講ずるんだ、府県の財政は悪いんだからという建前はとっておりませんということを、明確に申し上げておきたいと思うのであって、第一次はどこまでも節約によってやってもらうんだ、しかしその節約余地のないというところについては、中央において融資の道を講ずるんだというふうに考えておるわけでございます。
  19. 森三樹二

    ○森(三)委員 表面から聞けば、節約ということをあなたがおっしゃっておられるのは、当りまえの話に聞こえるのですが、しかし実情は、地方財政は五百六十億も赤字があって、今度法律によって、わずか百六十億というものを政府から一時交付税の形で出しますけれども、足らないことははっきりわかっているのだから、河野さんが節約節約と言われるのは表面上の話であって、あなた自身も足らないことは百も御存じだ。それと同時に、節約できないところ政府短期融資をすると言っているが、短期融資をしてやっても、結局償還できないということは明らかなんです。それに対するところの最終的な責任というものは、今からあなたは明確にされておかなければならぬ。ただ貸してやるというような観念では私は納得できないと思うのですが、それに対するあなたの責任と、それから自治庁見解を聞きたいと思います。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 先ほど私が申し上げました通り借金があるということと節約ができる対象があるということは別だと私は思うのであります。借金があるということは私も了承いたします。しかし一兆前後の予算運用しておるということは事実でございます。これは中央も同じであります。それだけの予算を使って運用しておるのだから、節約対象になるものが一兆あるんだ、この節約対象になるものがある以上は、その中から節約ができるじゃないか、それから節約をしようとしてもできない分については別途考慮しようということで、私はその点は御了解を願いたいと思います。ただ五百億の借金があるから、借金のあるところから金をもっとしぼれといっても出るわけはないじゃないかという議論は私はとりません。借金借金であらます。しかし仕事は一兆の仕事をしているのですから、その仕事している中から節約してもらいたい、こういうふうに考えるのであります。しか、それは今申し上げる通り中央と違って五百億からの借金をしょっておりますから、十分詰めるところは詰めてあるのだということはもちろん了承できますから、詰めようにも詰めようのないところ融資もいたしましょう、こうつけてある。しからばその融資についてはどうだといえば、明年度において地方財政の根本的の立て直しをするのだから、その際にまとめて考えましょう、こういうことで、ございます。
  21. 小林與三次

    小林説明員 自治庁といたしましても、今河野大臣がおっしゃいました通り、とりあえずどうしてもやむを得ないものにつきまして融資の道を講ずることにいたしまして、その始末はおそくとも三十一年度財政計画その他において穴埋めするように極力努力いたしたい。またその前に本年度にできるものならその措置を講ずるように努力いたしたい。きのう自治庁長官が本会議でおっしゃったのはそういう趣旨だと心得ております。
  22. 森三樹二

    ○森(三)委員 それは結局、節約はいずれの場合でも必要な措置であるから、河野大臣が十分その意を体しまして、結局地方財政は行き詰まっているが、しかし行き詰まっている中にも節約に努めるべきだということは、これは理論上言えないことはないと思います。その後の財政措置に対しまして、明年度以降において、ほんとうに政府が真剣な、責任をもってやるという考えに立って、至急財政的な措置をしていただきたい、このように私は希望いたしておきます。
  23. 田原春次

    田原委員 この問題についてはもう少し掘り下げて聞きたい点もあるから、大蔵大臣自治庁長官、法務大臣を至急呼んでもらうようにお願いいたします。
  24. 山本粂吉

    山本委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  25. 山本粂吉

    山本委員長 速記を始めて下さい。暫時休憩いたします。    午前十一時十分休憩      ————◇—————    午後二時三十三分開議
  26. 山本粂吉

    山本委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。森君、
  27. 森三樹二

    ○森(三)委員 期末手当の問題につきましては、本法案提案され、国家公務員に対しては、明確に予算上の措置もつくわけでありますが、私どもの心配するのは、地方公務員に対するところ財政的な裏づけであります。それについては、先ほど給与担当河野大臣並びに自治庁当局からも、財政上の措置については、第一に経費節約によってまかなう、それでできない場合は、政府財政上の裏づけをすると言っておりますけれども、私どもは、すでに地方の各自治体は、非常な財政上の窮乏によって五百六十億という赤字ができておることは、明確にわかっておるわけであります。そこで地方財政裏づけとして百六十億の国家予算裏づけをしたのでありますが、とにかく窮乏していることは明確なんであって、法的に裏づけのない地方公務員期末手当の問題については、政府はただお座なりの答弁ではなくして、地方公務員に対する期末手当支給並びにその後の財政的な措置については、地方自治体の将来を十分保証していただきたいと思うのです。そのことについて河野大臣並びに自治庁当局からも一応の答弁ばありましたが、自治庁長官は出席されなかったけれども、幸い早川政務次官が出席されておりますから、政務次官もこれについては十分御決意のほどもあると思うのでありまして、特に私は発言をして、答弁を求める次第であります。
  28. 早川崇

    ○早川政府委員 ただいま森委員の御質問について、私は二つの観点から御答弁申し上げます。  一つは、閣議決定のあの線は、理論的に言えば、地方自治体もあの線にいかざるを得ないかと私は思うのです。なぜなれば、国家においても予算措置をやらないで財源捻出する。地方においてもそうしろというのですが、御案内のように、地方団体にも二種類ありまして、東京のように国家公務員の所掌官庁と変らない財源措置ができる自治体がございます。こういった不交付団体に関する限りは、私はあの閣議決定の線の通り、理論的にも実際的にもやるべきだと思います。ただ問題は兵庫県とか、あるいは京都府とか、その他赤字の原因はいろいろございますが、地方自治体自身があまりたくさん大学を作ったりして、放漫財政のために赤字になったところもございますが、原因は別といたしましても、現実の問題としては、給料を払うのに精一ばいというところに対しましては、庁費の節約、るいは旅費、物件費の節約ということは当然やるべきでございますが、そこに限度がある。そこでそういうところに対しては、さしあたり短期融資を認めるというのが閣議決定の線でございますが、しからばその財源措置をどうするかということに関しましては、太田長官も言われましたように、できれば年度末の補正予算、あるいは自然増収が出るかもわかりません。しかし現在は出てこないという建前になっている。またそうできない場合には、三十一年度の本格的な地方財政の再検討を目下やっておりますので、そのときに考慮をいたしたい。従ってこれは大蔵当局とも関連あることでございますから、自治庁といたしましては、何とか捻出するように努力をいたしたいと考えているわけであります。  ただもう一つの観点は、これはあくまで自治体でございますから、あの法律では〇・二五増額を限度としてとなっておりまして、自治体自身がどうするか、これはわれわれの関与し得ざるところなんで、その点は自治体御自身の判断ということを、われわれは注目しているのであります。従って現段階においては、昭和三十年度にできればけっこう、できない場合においては、三十一年度の根本的財政立て直しのときに考慮してもらうように、せっかく自治庁としては努力をしている段階でありますので、御了承を願いたいと思います。
  29. 森三樹二

    ○森(三)委員 今政務次官から御答弁がありましたが、もちろん地方自治体の自主性にもよるわけであります。しかし一応国家公務員期末手当について増額法律案が通過し、また国会においてもその予算措置をするわけであります。私どもは地方公務員においても一応〇・二五の増額は基本的に認めなければならない。そうしますと、その財政的な措置が問題になってくるのでありまして、御承知の通り期末手当の支払い期日は十二月十五日ということになっております。国家公務員には、この法律案並びに予算案が通れば、一斉に支払いが可能になっておりますが、地方公務員の場合においては、従来国会でそういう方針がきあられ心、しても、あるいはまた地方自治体が〇・二五なら〇・二五の予算措置をしようと思って自治庁当局に要求いたしましても、非常に事務が渋滞といいますか、自治庁当局の処置が緩慢であって、国会が決定したところの根本的な財政上の措置というものが非常におくれる場合がしばしばあるわけです。私どもはよく地方に帰って聞かれるのでありますが、国会の審議の模様はどうだった。そこでわれわれは国会では、もうすでに委員会においては、自治庁当局として地方の要求があれば財政的な措置というものはちゃんとできることになっているんだとこのように答弁しますが、しかし実際には、各地方団体が自治庁に対して要請しても非常におくれる。あるいはまたそれが徹底せずして、未解決のまま流れてしまっておるというような場合もあるわけであります。そこで私は、この際政務次官は特に、そういうことのないようにほんとうに留意していただかなければ、国会のわれわれの趣旨というものが地方自治団体に徹底しない場合がしばしばあって、まことに遺憾に思うのであります。これについて政務次官はどういうような御決意でおられるか、あらためてお尋ねしたいと思います。
  30. 早川崇

    ○早川政府委員 地方自治の建前上、国家が官選知事その他の場合のように、命令をしまたは勧告するというわけには参りませんが、地方公務員法、教育公務員特例法、警察法等を読みますと、国の国家公務員その他一般の事業会社等の給与を勘案し尊重して、俸給給料問題を考えなければならぬという建前になっておりますので、各自治体が自己の財政状況をにらんで当然これは尊重するような期待を、われわれは表明しておるのでございます。ただ御承知のように、自治庁は、かつての内務省のように勧告も命令もできません。その点は間接的な勧告という程度でとどめざるを得ないことは一つ御了承願いたいと思います。
  31. 山本粂吉

    山本委員長 ほかに御質疑はございませんか——なければこれにて質疑は終局いたしました。  これより討論に入ります。通告がありますのでこれを許します。保科君。
  32. 保科善四郎

    ○保科委員 最近における民間給与あるいは生活費そのほか、給与に関係あるところの諸条件を考慮いたしますと、政府提案されましたこの改正法律案は適当であると考えます。ただし地方公務員に対する財源に関しましては、しばしば政府当局が言明されました通りに、その節約でもってできない部分財源措置に関しては、必ずその言明通り実行されんことを期待いたしまして賛成するものであります。
  33. 山本粂吉

    山本委員長 森君。
  34. 森三樹二

    ○森(三)委員 私は社会党を代表いたしまして、本法案に賛成するものであります。  しかしながら先ほど来しばしば申し上げましたように、地方公務員に対しましてははっきりしたところ財源というものを国家が保障することにはなっておりません。従いまして自治庁当局並びに大蔵当局はこの法案趣旨を十分に体されて、地方公務員に対しても、期末手当の支払いについて期日が非常にずれましたり、あるいはまたその財政上の裏づけができないことのないようにしていただかなければならぬと思う。従来の例から申しますと、この趣旨地方自治体に徹底をしない。あるいはまた自治庁当局あるいは大蔵当局に財政上の措置を要望いたしましても、非常に誠意を欠いたような措置に出られる場合がしばしばあったのであります。私どもは今後そういう遺憾な措置がなされることを非常におそれまして、できれば本法案の附帯決議として、地方公務員に対する期末手当財源措置をすみやかにしなければならないというような趣旨のことも、実はつけたいと考えておったのでありますが、一応けさ河野長官並びに自治庁当局の答弁を求めまして、政府はこれに対する裏づけ責任を持ってやるんだというような答弁もありました。ただいままた早川政務次官の答弁もありましたが、私どもは本法案の通過に当りまして、政府は必ず責任あるところ財政上の裏づけをすみやかにする、地方自治体から要求があれば必ずするようにということを強く要望をいたしまして、本法案に賛成するものであります。
  35. 山本粂吉

    山本委員長 これにて討論は終結いたしました。  これより本案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  36. 山本粂吉

    山本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 山本粂吉

    山本委員長 なければ、さよう決します。     —————————————
  38. 山本粂吉

    山本委員長 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案について、田原君より発言を求められております。これを許します。田原君。
  39. 田原春次

    田原委員 審議の都合上、次の資料をすみやかに委員長から行政管理庁に要求してもらいたい。それは、国が資本金の二分の一以上を出資しておる法人の名称、出資の総額、それから政府の出資額及び事業内容等を至急に資料として出してもらいたい。第二点は、二分の一以下の出資をしておる法人があれば、これもぜひ同様の項目についての資料を出してもらいたい。第三点は、これらの、たとえば国民金融公庫農林漁業金融公庫中小企業金融公庫、住宅金融公庫及び日本輸出入銀行等の主要なる貸付先の状況を調査ができれば、これを報告として出してもらいたい。以上でございます。
  40. 山本粂吉

    山本委員長 ただいま田原君より御要求のありました資料につきましては、当局に対してその提出方を求めることにいたします。さよう御了承願います。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十九分散会      ————◇—————