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1955-06-28 第22回国会 参議院 予算委員会第三分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十八日(火曜日)    午後三時三十五分開会   ————————————— 六月二十八日予算委員長において左の 通り分科担当委員指名した。            秋山俊一郎君            左藤 義詮君            佐藤清一郎君            田中 啓一君            片柳 眞吉君            高木 正夫君            溝口 三郎君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            永井純一郎君            深川タマヱ君   —————————————  出席者は左の通り。    主査      佐多 忠隆君    副主査     小林 孝平君    委員            秋山俊一郎君            左藤 義詮君            佐藤清一郎君            田中 啓一君            溝口 三郎君            永井純一郎君            深川タマヱ君   政府委員    農林政務次官  吉川 久衛君    農林大臣官房会    計課長     武田 誠三君    農林省農林経済    局長      大坪 藤市君    農林省農地局長 渡部 伍良君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君    農林省畜産局長 原田  傳君    農林省蚕糸局長 塩見友之助君    林野庁長官   柴田  榮君    水産庁長官   前谷 重夫君   説明員    農林省農地局総    務課長     正井 保之君    食糧庁総務部長 新沢  寧君    食糧庁主計課長 森本  修君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○正副主査互選昭和三十年度一般会計予算内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十年度特別会計予算内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十年度政府関係機関予算(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————   〔年長者佐藤清一郎君仮主査となる〕
  2. 佐藤清一郎

    ○仮主査佐藤清一郎君) ただいまより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、不肖私が年長のゆえをもちまして正副主査選挙を管理させていただきます。  これより正副主査互選を行います。互選は投票によらず、便宜選挙管理者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤清一郎

    ○仮主査佐藤清一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは主査佐多忠隆君、副主査小林孝平君を指名いたします。どうぞよろしくお願いいたします。   —————————————   〔佐多忠隆主査席に着く〕
  4. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) 皆さんの御推薦と佐藤さんの御指名によりまして、主査をやらしていただくことになったのでございますが、元来非常にふつつかでございます。それに非常にふなれであります。質問をやる方はやりますが、どうも質問をまとめる方は非常にふなれでございますので、うまくやれるかどうか危惧をいたしておりますが、幸いにして皆さん方の御協力によりまして大過なくやりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  審査に入ります前に、議事の進め方につきましてお諮りをいたします。  当分科会昭和三十年度一般会計予算、同特別会計予算及び政府関係機関予算中、農林省運輸省建設省所管について審査をいたすわけでありますが、委員長及び理事打合会の申し合せによりまして、分科会は今明日中に審査を終りまして、明日中には委員会に対して報告をいたさねばならぬことになっておりますので、この点あらかじめお含みの上御審議をお願いいたしたいと思います。また本日はこのうち農林省所管につきまして審査をお願いし、明日運輸省及び建設省所管について御審議を願うといった方法で進めて参りたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  これより審査に入ります。まず、昭和三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省所管を議題にいたします。  本件につきまして政府より説明を願います。
  6. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 昭和三十年度農林関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。  本予算案米麦等主要食糧を初め、畜産物、水産物を含めて総合的に国内食糧自給力を高めるよう各施策を効率的に実施して合理的な増産を図り、合わせて食生活改善を進めることによって国民食生活の安定に資しまするとともに、農林畜水産物の価格安定と農林漁業経営生産性の向上及び多角化を進める等、諸般の措置を講じて、その所得の確保を期し、農山漁家の安定を図りまするほか、農畜水産物等の集荷その他流通取引改善及び消費増進をはかる等の施策をもその重点といたし編成したものであります。  三十年度農林関係要求予算につきましては、一般会計及び特別会計を通じ、従来の施策であって、引き続き実施すべきものはその継続実施をはかりますとともに、新規に着手実行すべきものはあとう限りこれを実施することとし、重点的効率的な運営をはかるよう特に留意して参りたいと存じておるのであります。  まず一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。農林省所管合計といたしましては、政府原案において八百四十九億五千二百万円(前年度九百六十六億一千六百万円)となっておりましたが、衆議院修正により八百八十一億一千万円となっております。  また政府原案によりますれば、総理府所管公共事業費五十七億九千六百万円(前年度五十六億八千九百万円)及び大蔵省所管農林漁業金融公庫出資九十五億円(前年度九十五億円)を加えました農林関係予算合計は一千二億四千八百万円となり、金額において前年度千百十八億六百万円に対し、百十五億五千七百万円の減となっておりましたが、衆議院による修正の結果、総理府所管公共事業費は六十億三千五百万円、大蔵省所管農林漁業金融出資は十億円となりましたので、農林関係予算合計としては九百五十一億四千五百万円となり、前年度に比し百六十六億六千百万円の減と相なるわけでございます。  かように衆議院修正の結果を含め、関係予算におきまして減額を見ましたのは、一、災害復旧において四十二億九千万円の減、二、農業保険費において赤字補てん金繰り入れ減少等による二十六億三千八百万円の減、三、開拓者資金融通特別会計に対する一般会計からの繰り入れ(前年度十五億一千九百万円)が本年度資金運用部よりの借り入れ十億円に切りかえられたことによる減及び、四、農林漁業金融公庫出資において八十五億の減等計約百六十九億円に達する減額となる実質上の要因があったことによるものであります。従ってこれらを除けば農林省関係予算は実質的にはおおむね前年度に近い規模になっておると存じます。  関係予算の中で比較的に重要な地位を占める補助金につきまして申し上げますと、前年度公共事業関係で四百二十億九千五百万円、公共事業以外の一般経費で百五十二億四千万円、計五百七十三億三千七百万円の補助金が計上されておりましたが、政府原案では公共事業関係三百七十四億四百万円、一般経費で百三十八億八千百万円計五百十二億八千五百万円となり六十億五千二百万円の減少と相なったのでありますが、修正の結果公共事業関係三百八十三億八千九百万円、一般経費で百五十七億五千九百万円計五百四十一億四千八百万円となり前年度に比し三十一億八千九百万円の減となるのでありますが、これは災害復旧事業費補助の大幅な減少によるものでありまして、その他は特に大幅な減額はなかったものと考えます。  次に主要経費について簡単な説明を申し上げたいと存じます。まず第一に、食糧増産対策経費についてであります。いわゆる土地改良開拓事業等農地拡張改良による食糧増産経費関係予算としましては、政府原案においては二百三十七億五千百万円で、前年度二百四十五億三千四百万円に比し七億八千三百万円の減となっておりましたが、修正の結果二百四十五億六千百万円となり、前年度とほぼ同額となったのであります。なお財政投融資計画中において、余剰農産物見返資金より農業開発用資金三十億円が予定せられておりますほか、本年度におきましては世界銀行から農業開発のための資金をも別途考慮しております。土地改良事業費は、関係予算に関する限りでは修正後百二十一億八千八百万円となり、前年度百二十三億九千九百万円に比し二億一千百円の減となっております。そのうち国営灌漑排水事業は五十七億九千三百万円(前年度六十億五千六百万円)、都道府県営灌漑排水事業は三十一億三千四百万円(前年度三十二億六千万円)、団体営灌漑排水事業は十五億三千万円(前年度十五億七千四百万円)で、いずれも前年度に比し若干の減額をみているのでありますが、継続事業早期完了をはかる等、重点的に配分し、事業実施はできるだけ効率的に行うように、努めて食糧増産基本施設造成確保を行いたいと考えておるのであります。特に三十一年度以降におきまして、一だんと食糧自給度の向上を期するための準備として、土地改良調査計画費は前年慶一億五千万円でありましたが、これを二億二千五百万円に増加し、その他防災関係事業につきまして九億八千八百万円(前年度八億四千百万円)とし、重点的に計上しております。次に、耕地整備事業費につきましては、暗渠排水、客土、区画整理、農道、索道等、従来の事業のほかに新たに区画整理確定測量費を加えまして、修正後二十二億六百万円を計上いたしておりますが、前年度二十三億二千五百万円に比し一億一千九百万円の減となっております。開拓事業につきましては、前年度七十億三千九百万円に対し、修正後七十二億七千六百万円を確保しております。このうち開墾建設事業が三十九億一千八百万円(前年度四十億九千二百万円)、干拓建設事業が二十六億五千八百万円(前年度二十五億二千百万円)、計画費が二億四千百万円(前年度一億八千四百万円)、開拓事業費補助が四億五千九百万円(前年度二億四千万円)、計上されております。開拓に伴う新規入植戸数としましては五千五百戸を予定いたしましたが、前年度の七千戸に含まれた一部非助成(一千戸)の制度は取り止め、全部が助成入植となっております。入植助成のためには以上の開拓事業費のほかに、開拓実施費として修正後二十五億七千八百万円(前年度二十五億八百万円)を計上いたしております。なお開拓事業に関連いたしまして、開拓者資金融通及び開拓融資補償の点について一言申し上げますれば、営農資金及び役畜乳牛導入のための中期資金につきましては、十四億五千九百万円(前年度十四億八千五百万円)を従来通り開拓者資金融通特別会計で貸し付けることとなっております。これは別に申し述べますように、本年度一般会計からの繰り入れによりませんで同特別会計資金運用部資金十億円を借り入れる方法によることとなっておるのであります。  さらに、開拓者短期資金融通円滑化をはかるため、前年度の五千万円に引き続き中央開拓融資保証協会への一般会計からの政府出資を引き続き今回も五千万円計上いたしております。  以上の一般的な食糧増産対策経費のほか、鉱害復旧事業といたしまして九億四千万円(前年度四億四千百万円)、災害関連事業といたしまして八億三千万円(前年度八億五千三百万円)を計上いたし、これら事業促進をはかることといたしております。従って修正後におきましては、前述の食糧増産経費二百四十五億六千百万円にこれらを加えますと二百六十三億三千二百万円(前年度二百五十八億二千八百万円)と相成ります。なお、新規経費として小団地開発整備促進に必要な経費を、政府原案におきましては一億一千六百万円を計上いたしましたが、修正結果二億四千六百万円となっております。これは農山村の小団地を対象として該当市町村等計画的に行う小規模の土地改良等に要する事業費補助を行うものでございます。  第二に、耕種改善に要する経費でございますが、まず農産物種子対策につぎ美して、米麦、大豆、緑肥作物の原原種圃原種圃設置災害対策用農産物種子予備貯蔵のほか、米麦等主要食糧農産物原種決定試験事業を引続き実施いたすこととし、政府原案では総額において五億八百万円(前年度四億六千七百万円)を計上しおりましたが、修正の結果採種圃等経費として一億五千百万円を増額いたしました、また水稲健苗育成のための保温折衷苗代設置補助につきまして、先の国会で成立を見ました水稲健苗育成施設普及促進法に基き、右の経費のうちに二億二千六百万円を計上いたしておりましたが、修正の結果温床苗代を含め一億四千七百万円を増額することになっております。次に、土壌対策につきましては、低位生産地解消のための調査費秋落水田及び酸性土壌並びに特殊土壌対策経費として三億七百万円(前年度三億一千三百万円)を要求いたしております。次に、農業改良普及事業につきましては、政府原案において十七億四千九百万円(前年度十五億九千百万円)を要求いたし、農業改良普及員生活改善普及員及び専門技術員給与単価を引き上げますととともに、普及事務所運営費として新規に四千三百万円を計上いたしておりましたが、修正により農業機械化整備施設補助原案一千二百万円)を二千三百万円増額いたしました。次に、植物防疫事業につきましては、政府原案において総額五億四百万円(前年度六億九千六百万円)を要求いたしておりましたが、修正により防除機具購入費補助原案一億八千万円として一億円を増額いたし、前年に引き続き、病害虫の発生予察防除組織整備に努めるとともに農薬備蓄制度を強化することといたしました。次に、農業関係試験研究事業につきましては、その整備と内容の充実強化に努めることとし、農業技術研究所及び農業試験場経費として十二億七千百万円(前年度十一億五千五百万円)、都道府県指定試験育種試験施肥改善試験営農試験地事業及び都道府県農業試験場拡充強化等試験研究関係補助として二億百万円(前年度二億一千二百万円)を計上いたしております。なお、西南暖地における水田生産力増強のため水稲早植栽培施設助成のため、政府原案において五千五百万円(前年度五千七百万円)を計上いたしておりましたが、修正により四千三百万円を増額いたしております。次に、北海道農業振興につきましては、前年度に引き続き六千六百万円をもつて心土耕混層耕用機械購入をはかるとともに、テンサイの生産確保のために前年度同額の一千三百万円を計上いたしております。以上のほか耕種改善事業としては、輸出振興の一翼として特殊農作物及び園芸農作物生産確保改善経費として二千四百万円(前年度三千百万円)を計上いたしております。  第三に、畜産振興経費につき御説明申し上げます。まず家畜の導入についてでありますが、集約酪農地区の設定につきましては二億円(前年度二億三千四百万円)を計上し、継続四地区のほか、新規地区を加え計六地区に千八百頭のジャージー種乳牛を導入することといたしております。また品種改良のための種畜購入費として二千三百万円(前年度六千九百万円)、同じく補助として三千五百万円(前年度四千九百万円)を計上いたしますとともに、有畜農家創設資金利子補給に必要な経費として二億九千三百万円(前年度二億五千万円)を計上しておりますが、これにより本年度約九億八千万円の融資が行われるものと考えております。次に、日給飼料対策でありますが、まず牧野改良対策として草地改良政府原案で一億五千三百万円(前年度一億二千五百万円)を、修正により三千七百万円増額いたしましたほか、牧野改良センターに四千四百万円(前年度四千二百万円)、北海道補助として八百万円(前年度千二百万円)を計上いたし、牧野改良事業機械化を急速に推進することといたしましたほか、自給飼料増産のため、政府原案において飼料自給経営施設補助として前年度同額の一千五百万円を計上しておりましたが、修正により、さらに飼料採種圃等経費二千万円が計上いたされました。また畜産技術振興をはかるため、畜産技術振興補助として新規に二千万円を計上いたしましたが、これは全国及び県における畜産共進会及び畜産技術講習会経費等を内容とするものであります。  さらに、第四といたしまして、蚕糸業振興に要する経費についてであります。生糸の輸出増進のため、昨年設置されました中央蚕糸協会ニューヨーク事務所における宣伝事業費を七千万円(前年度五千万円)に増額いたしますとともに、国内における原料繭合理的増産生産費低減措置として、従来の経営改善特別措置指導施設費補助として六千五百万円(前年度六千七百万円)、老朽桑園の改植の推進を目的とする桑園能率増進施設に対する補助として、政府原案六千二百万円を修正により二千八百万円増額して新規に計上いたしましたほか、蚕糸技術改良関係経費として、二億三千七百万円(前年度二億三千七百万円)を計上いたしております。  第五といたしまして、農畜水産物等、並びに生産資材流通改善及び価格安定に関する経費について御説明申し上げます。農林漁業経営の安定と所得の確保をはかりますためには、農畜水産物等の価格安定、生産費の低下をはかることが何よりも急務であることは言うまでもないところでございます。これらに関する予算措置といたしましては、まず化学肥料につきましては、一般会計におきまして臨時肥料需給安定法に基きます需給調整のための肥料保管措置による欠損補てん経費、及び肥料市況調査等経費として一億四千五百万円(前年度六百万円)を計上し、購入飼料につきましては、食糧管理特別会計において海外の市況調査費として百万円を計上いたしましたほか、同会計におきまして輸入飼料売買操作により、需給及び価格の安定をはかることといたし、そのために要する欠損額約四億四千万円を負担することとなっております。また生鮮食品流通改善対策としまして、生鮮食料品の取引を公正にし、生産者及び消費者の利益を増進するための流通施設等の新増設の経費補助として、一般会計において一億円を計上いたしました。砂糖につきましては、特殊物資納付金処理特別会計大蔵省所管設置され、農林省その他関係省において所要の施策を講じたいと考えておりますので、一般会計におきまして、その適正な標準価格を設定するための調査費(四十五万六千円)を計上いたし、関係措置に資することとした次第であります。また牛乳乳製品につきましても、現在の需給事情改善に資することを緊急と認めまして、一般会計において農業協同組合に簡易な牛乳処理施設設置助成することとし、その経費を二千二百万円計上いたし、廉価な牛乳の供給と消費の拡大をはかることといたしておりますほか、今般国内産脱脂粉乳学童給食に使用されることとなり、その購入費補助として六千六百万円を計上いたし、この面からも消費促進に資したいと存じております。  第六に、農林漁業関係団体経費について御説明申し上げます。まず農業委員会関係につきましては、全国農業会議所都道府県農業会議に対する事業活動促進に必要な助成を前年に引き続き行うことといたし、政府原案において五千万円(前年度四千二百万円)を計上しておりましたが、修正により六千万円を増設いたしました。また市町村農業委員会費補助につきましては、政府原案として、本年度からは職員二人の担当する事務のうち二分の一人分の事務相当するものに対し補助することとし、残り一・五人分については地方財源計算に組み入れることといたしておりましたが、修正の結果職員一・一人分の事務に相当するものを補助することとし、これによりまして前年度二十四億一千六百万円に対し、十八億七千四百万円を計上することと相なりました。また修正により、農業委員会職員研修費補助として二千七百万円を新規に計上いたしましたほか、代表者会議経費八百万円を二千百万円増額いたしております。次に、農業協同組合につきましては、同中央会事業活動促進補助政府原案五千万円(前年度二千万円)を修正により一千万円増額いたしますとともに、農林漁業組合検査指導につきましては九千七百万円(前年度九千九百万円)を要求いたし、その監督に遺憾なきを期しております。また、これらの組合に対する増資奨励金等に充てるため四億五千七百万円(前年度四億六千六百万円)を要求いたし、その再建整備促進するとともに、調整勘定益金を見返りとしまして農業協同組合役職員奨学資金としまして七千万円、養蚕団体融資保証協会基金補助としまして三千二百万円を要求いたしております。右のほか、沿岸並びに内水面の漁業調整委員会に要する経費といたしましては、ほぼ前年同額の一億一千七百万円を計上いたし、また養蠶技術員に対する補助金もおおむね前年度に準ずる一億一千八百万円を計上いたしました。  第七には、農業災害補償関係経費であります。農業災害補償制度につきましては、前年度以来農業災害補償制度協議会を設けて制度改善につき検討いたして参りましたが、まだ全面的結論を得るに至らず、また一部中間答申がありましたが、これについても実施上なお研究と準備を要しますので、三十年度現行制度に即した形で予算を編成いたすとともに、現行制度につきましては、その運用指導面においてできる限りの考慮を払うことといたしたく存じております。この関係予算総額百四十五億八千五百万円(前年度百七十二億二千四百万円)を計上しております。このうち農業共済再保険特別会計繰入分としては、水稻、陸稲、麦、蠶繭、家畜の保険料国庫負担分及び業務取扱費として九十二億八千七百万円(前年度七十九億九千百万円)を、同特別会計保険金支払財源不足補てん金として二十八億円(前年度六十七億円)を計上いたしました。なお以上のほか農業共済事業事務費負担金として二十三億一千百万円(前年度二十三億八千万円)を要求いたしております。  第八には、農林漁業における財政投融資営農資金等利子補給関係経費について申し上げます。まず農林漁業金融公庫でありますが、政府原案における一般会計出資九十五億円(前年度同額)、資金運用部からの借入金百五億円(前年同額)に償還金五十五億円(前年度計画二十五億円、実績五十二億円)を加えて二百五十五億円の融資ワクを、修正により一般会計出資を十億円、資金運用部からの借入金を百九十五億円といたしましたため、融資ワクは二百六十億円となっておりますが、従来に引き続き土地改良林業漁業並びに農林畜産共同利用施設等に対する融資を行うほか、自作農の維持創設に資するため新たに農地担保金融の途を開き、本年度はさしあたり右ワク内において二十億円を充てることし、将来の拡充を期することといたしたいのであります。特別会計による農林省関係政府融資ないし融資保証制度としましては、開拓者資金融通及び中小漁業融資保証保険の両特別会計があることは御承知の通りでありますが、開拓者資金融通特別会計融資予定額としては十四億五千九百万円を計上いたし、また中小企業融資保証保険特別会計においては年間百五十億円の保証を予定しております。一般会計による利子補給金といたしましては、昭和二十八年及び二十九年発生災害被害農家に対する営農資金利子補給十勝沖地震による農業施設災害復旧資金に対する利子補給並びに水産関係ルース台風十勝沖地震カムチャッカ沖地震等による漁業災害及び昭和二十九年発生漁業災害に対する復旧資金利子補給等を含めて十八億九千二百万円(前年度十八億四千万円)を計上いたしましたほか、有畜農家創設資金利子補給につきましては、さきに述べた通りでございます。  第九といたしまして林業振興のための経費について御説明申し上げます。まず、山林公共事業費につきましては、政府原案において、治山事業に四十四億五千九百万円(前年度四十六億六千二百万円)、造林事業に三十八億八千四百万円(前年度三十三億二千九百万円)、林業事業に十六億五千六百万円(前年度十七億三千六百万円)計上いたしましたが、修正の結果、治山事業に一億円、造林事業に一億一千二百万円、林業事業に一億円をそれぞれ増額いたすこととなっております。治山事業の中では新たに水源林造成補助事業を長期計画的に拡充実施することといたし、本年度は前年度三億一千四百万円に対し約二倍である六億二百万円を計上いたしております。またこれに関連しましては、国有林野事業特別会計におきまして公有林野の官行造林事業を大いに拡充し、特にその中で水源林の造成に重点をおくことにいたしました。この両者を合わせて水源林造成事業強化の初年度といたしたいのであります。一般民有林対策としましては、政府原案において森林計画に五億四千六百万円(前年度五億七千九百万円)、保安林整備計画実施に三千六百万円(前年度三千四百万円)、森林病害虫防除に二億三千七百万円(前年度二億四千百万円)、林業改良普及に一億四百万円(前年度九千八百万円)等を計上いたしておりましたが、修正により森林計画に一千三百万円、森林病害虫駆除に二百万円をそれぞれ増額し、有益鳥獣増殖費に三百万円を新たに計上いたしました。  第十といたしまして、水産業の振興経費につき御説明申し上げます。水産業の振興のためには沿岸及び沖合における資源枯渇の傾向にある現状にかんがみまして、従来の水産増殖事業を継続するほか、海外漁場等の発展、新漁場の開発に特段の努力を払うことといたしております。水産資源の増殖につきましては、政府原案においては、一億二千万円(前年度一億三千四百万円)を計上いたし前年に引き続き内水面における種苗生産及び放流施設、貝類増殖、浅海増殖を実施いたす方針でありますが、修正の結果さらに三千万円の増額を見ております。  新漁場開発につきましては、沿岸及び沖合いにおけるものに対し新規に一千万円、インド洋開発のため一千五百万円(前年度三百万円)、アルゼンチン沖合いにおける調査開発のために新規三千万円を計上いたしております。また漁業取締り関係につきましては、北洋関係一億百万円(前年度九千八百万円)、太平洋及び東支那海関係一億八千四百万円(前年度二億九百万円)、沖合い関係八千七百万円(前年度八千八百万円)を計上いたしております。また新規に国際関係の調査取締りとして、生物調査、アラフラ海白蝶貝採取取締り等のため三千七百万円(前年度七百万円)を計上いたしておりますほか、漁場開発調査のため官船一隻(五百トン)の建造費一億八千万円を計上いたしております。次に、漁港施設の拡充につきまして、既着工地区の早期完成をはかることに重点を置き、政府原案において十八億三千九百万円(前年度十八億四千万円)を要求いたしておりましたが、修正により二億五千万円を増額いたしました。  第十一といたしまして、農地、林野、漁港関係の災害復旧費について申し上げます。政府原案におきましては、農地及び農業公共施設の災害復旧費に百二十七億七千六百万円(前年度百六十七億六千万円)、治山施設及び林道の災害復旧に七億三千百万円(前年度九億八千五百万円)、漁港の災害復旧に十三億二千六百万円(前年度十五億二千四百万円)、合計百四十八億三千三百万円を計上いたしましたが、修正の結果、一億四千六百万円の増額により百四十九億七千九百万円となり、前年度百九十二億六千九百万円に比し四十二億九千万円の減少となっております。もっとも前年度予算には補正予算で計上された当年度分の災害復旧費十七億九千百万円が含まれておりますので、これを差し引きますと減少額は二十四億九千九百万円となるわけであります。本年度におきましては、これによりまして二十七年以前の災害につきましては残事業量の三分の一を完了し、二十八年災害につきましては総事業量の六五%、二十九年災害につきましては、同じく五五%まで完了いたすことを目途としておるのでございます。  以上をもちまして農林省関係一般会計における主要な経費について御説明を終ります。  引き続いて、昭和三十年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  第一に、食糧管理特別会計につき申上げます。この会計の歳入、歳出はともに七千二百四十五億九千七百万円(前年度七千百四十九億六千三百万円)となっております。米穀の管理制度につきましては、先般の米穀懇談会の答申の趣旨を極力尊重しまして、三十年産米については、集荷制度を新たな事前売渡申込制に切りかえることといたしまして、その集荷数量は二十九産米の集荷予定数量と同量の二千三百五十万石と予定し、来米穀年度におきましても本年度程度の配給量を確保する計画となっております。国内産麦についてはほぼ二十九年産買入実績程度の数量の買い上げを予定しております。輸入食糧につきましては、配給外米の品質の向上に留意することといたし、準内地米の輸入数量を増加することとし、小麦も若干輸入量を増加して内地食糧の不足を補うことといたしました。生産者価格について申し上げますと、米につきましては、米価審議会の専門委員会におきまして算定方式その他を検討いたしておりますので、予算上の価格としては一応前年産米の生産者価格決定時における想定農家平均手取価格を計上し、麦につきましては、予算上の価格として前年産の価格を計上いたしました。また、消費者価格及び政府売渡価格につきましても、予算上は米麦ともに現行通りの価格で算定することといたしました。食生活改善のための学童給食用小麦の廉価払下に伴う損失補てん金として十六億九千三百万円及び前年度風水害、冷害による被害農家に対する飯用米麦の特別価格払下に伴う損失補てん分として一億二千万円(前年度五億九千六百万円)を一般会計より繰り入れることといたしております。米麦以外の農産物等につきましても、前年に引き続き、澱粉、テンサイ糖、甘藷なま切りぼし、菜種、飼料の買い入れ費を計上し、農産物等の価格の安定及び農家所得の確保をはかる措置を講じたいと考えております。  第二、農業共済再保険特別会計について申し上げます。この会計の各勘定を通じまして、歳入、歳出はともに百四十六億六千二百万円(前年度百七十三億八百万円)となっております。このうちまず農業勘定でありますが、三十年度特別会計予算では前年度の同会計予算に比べまして、予算算定上の米の基本価格と繭の推定価格が変更いたしました。その結果、共済掛金の国庫負担額は増加を来たしております。また二十九年度の風水害、冷害によります再保険金支払財源の不足補てん分として、さしあたり二十八億円を予定いたすこととし、この経費を含めまして百十四億二千二百万円(前年度百四十億三千九百万円)を一般会計より受け入れることといたしております。次に、家畜勘定につきましては、死亡、廃用事故と疾病傷害事故の共済掛金の国庫負担額につきましては、一応予算上におきましては前年度程度を予定いたし、五億七千四百万円(前年魔五億五千五百万円)を一般会計より繰り入れることといたしております。  第三、森林火災保険特別会計につきましては、歳入、歳出ともに三億二千七万百円(前年度二億九千百万円)を予定いたしております。  第四、漁船再保険特別会計につき申し上げます。まず普通勘定につきましては、歳入、歳出ともに十二億六百万円(前年度九億七千六百万円)でございます。三十年度より新たにこの勘定におきまして搭載漁具の保険をも引き受ける道を開くことといたしました。特殊保険勘定は歳入、歳出ともに五億七千万円(前年度五億九千三百万円)を計上いたしております。また給与保険勘定につきましては、特殊保険と同様の考えのもとに保険事故が発生した場合の再保険金の財源として資金運用部より三千五百万円の借入を予定し、歳入、歳出とも六千五百万円を計上いたしております。  第五、自作農創設特別措置特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は二十五億五千八百万円でありまして、土地の買収につきましては、既墾地四千町歩、易墾地一万七千百町歩、牧野千五百町歩を、またその売り渡しにつきましては、既墾地六千町歩、未墾地四万九千町歩、牧野三千町歩を予定いたしております。なお、従来この特別会計の余裕金によりまして、自作農維持のため農地の買収売り渡しの方式による資金融通を行なっておりましたが、三十年度よりは農林漁業金融公庫において農地担保金融を行うこととし、その資金計画中に二十億円のワクを確保することといたしましたことはさきに申し述べたとおりでございます。  第六、開拓者資金融通特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は十七億三千八百万円(前年度十九億五千五百万円)でございます。三十年度新規入植者五千五百戸を予定いたしております。二十八、二十九年の入植者を含め、これらに対し営農資金及び共同施設資金として十億七千五百万円を貸し付けることといたしております。また営農促進対策資金のうち、牛乳の貸付につきましては、従来入植後五カ年以降の者に限っていたのでありますが特に一年早め、入植後四年目の者に対しても融資いたすこととし、乳牛三千二百頭(前年度七百七十頭)、役畜四千八百頭(前年度五千五百頭)、計大家畜八千頭(前年度六千二百七十頭)を導入させるため三億八千四百万円を計上し、既入植者の安定をはかることといたしました。これらの資金は従来一般会計よりの受け入れによりまかなっておりましたが、三十年度償還金借入金によりこれをまかなうこととし、十億円を資金運用部より借り入れることといたしております。  第七、国有林野事業特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は四百七億七百万円(前年度三百五十四億一千万円)で、前年に比し増加いたしましたのは、主として二十九年度十五号台風等により、北海道等に発生いたしました風倒木を前年に引き続き処分いたすための歳入増でありまして、歳出におきましても、この処分に必要な諸施設の増強を行うと同時に、官行造林事業を強力に行うため、種苗養成費を含めて十億四千三百万円を予定いたしておりますこと等のため増加いたしておるわけであります。また治山治水対策の重要なる一環として、前年に引き続き治山治水上重要なる地域における民有保安林を本会計をもって買い取り、これに対し治山工事を施行することとし、この経費三十一億七千六百万円を計上いたしております。  第八、糸価安定特別会計につきましては、歳入、歳出ともに六十八億九千二百万円(前年度三十二億八千七百万円)を予定いたしております。生糸の価格は現在のところ急激な変動はないかと思われますが、本特別会計予算におきましては、三十年度政府の買い入れは一応三万俵(前年度一万七千俵)とし、買上価格は一応十九万円と予定して算定いたし、買い入れ費として五十七億円を計上することといたしたのであります。これは現状に即し、特に繭糸価格の安定措置を強化するために、この会計の現在保有する資金のみでは事態発生の際は買い入れ費に不足を来たすおそれがありますので、別途糸価安定特別会計法を一部改正いたし、借入金の道を開くことを予定しております。また蚕糸業の経営の安定をはかるため、繭価が異常に低落のおそれある場合には、養蚕農業脇町組合連合会をして乾繭の共同保管をなさしめることといたしました。このために要する経費は本特別会計の予備費より適時支出する方途を講じて参りたいと考えております。  第九、最後に中小漁業融資保証特別会計について申し上げます。この会計は二十七年度、五億の基金で発足いたしましたが、二十八年、二十九年度は保険金の支払い少く、基金は利子とともに繰り越されて参りました。三十年度保証額を百五十億円、これに伴う保険金支払は四億三千四百万円と確定いたしまして、歳入、歳出ともに八億二百万円を予定いたしております。  以上をもちまして農林省関係一般会計及び特別会計予算のおもな事項についての概要の御説明を終ります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  7. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) 説明を終りましたので質疑に入ります。
  8. 永井純一郎

    永井純一郎君 今御丁寧な御説明をいただきましたが、一、二御質問をしたいのですが、二十ページの災害復旧についてお伺いしたいのですが、農地及び農業公共施設の災害復旧費が百二十七億七千六百万円になっている。そこでこの農林省所管農地及び農業公共施設の仕越し工事ですね、この仕越し工事の合計は百五億三千五百万円くらいになっている。そこでこれは実は災害復旧を実際上やります地方府県においては非常に困難をしているのですが、たとえば農林省だけを見ましても、本年度予算が百二十七億しかないのに、仕越し工事がすでに百五億円以上ある。そうすると、百二十七億円を三十年予算で交付しますと、仕越し工事の費用に全部ほとんど継ぎ足してしまって、三十年度に実際に農地あるいは食糧増産に必要な公共農業施設を新たに実施する金はほとんどない、実際上復旧して行く金がない、こういうことに私は結果からなると思うのであります。これは非常に重大なことになると思うのですが、この辺はどういうことになっているか伺いたい。
  9. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) お話のように二十八年度は特に大きい災害でありまして、その当時特別立法等を作りまして、高率助成を考えたのであります。かつそのときには三・五・二の割合で三カ年に災害復旧費の補助金を出すというようなことであったのでありますが、国の財政上の都合から、本年度に至りましても、先ほど説明いたしましたように、二十八年の災害につきましても、六五%しかできない、こういうことになっておりまして、今日残りの金につきましては、できるだけ安い金をお世話するようなことを考えておりますので、補助金としては一兆円のワク等の関係もありまして、十分なことができないのは遺憾であります。
  10. 永井純一郎

    永井純一郎君 それで実際問題として予算が百二十七億円しか取れないで、仕越し工事が百五億円ありますから、実際上三十年度は災害町村としては新しく仕事ができないということになり、仕事をする金がないのです。もうやってしまっておるのに、新しい予算をやるので、ただそれを払うだけになってしまう、そこでこれは非常に重要なことになって、農林省もそこまで考えずに予算を組んだのか、あるいはそのことを承知の上で、すでに災害復旧を当時三カ年計画でやるということになっておって、それを信じます府県は早くやったわけなんです。従ってすでにやっている災害復旧の現実にやっておる仕事に対する予算を組まなかった、こういうふうな結果になるのであって、これは大臣はあしたくるかもしれませんが、大臣の責任を追及したいような気持もするわけなんです。もう一つ聞きたいことは、そういうことで実際上三十年度に新たに災害復旧が進まなくなるかもしれない、この金は仕越し工事に払ってしまいますから、これは重大なことだと思う。新たに三十年度に実際の災害復旧事業が進まなくなり、なかなか仕事はできない、それを一体どうするのかということが一つ、あるいは起債なり何なりで事実上はやるのか、そういったものは一体どういうことを農林省は考えておるかということが一つと、もう一つは、現実に百五億仕越し工事が農林省はあるということを、私資料をもらったのですが、その内訳は起債で、大蔵省の預金部資金の起債で幾ら百五億のうちあるのか、それから起債以外の信連とか、その他の銀行から借りておるのが幾らで、もう一つは現実に請負業者に支払っておらないもの、大体この三つぐらいに分れるのだろうと思う。この仕越し工事はどういうふうになっておるのかということ、本年度百二十七億円しかない予算であるけれども、実際上災害復旧を進めるのには、起債をこういうふうにして、どういうふうにするのだという方策が立ってくると思う。その辺をもう少し詳細にお聞きしたい。
  11. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) お話のように、仕越し工事の金は起債、それから単協、それから農林漁業金融公庫と、あとまあ村で個人で貸しておるというようなものも多少あるようでありますが、それはほとんど例外でありまして、銀行等も多少ありまして、これも例外で、おもなものは今の三つであります。そこで三十年度予算がつけば借りかえになって、また残りの三五%は同じように借りなければいかぬじゃないか、こういう問題が起ってくるのであります。これはことに二十八年度の災害の激甚であった北九州等では非常な問題になっておりますので、私の方でも今後の対策につきましては、お話にありますような起債の問題であるとか、あるいは農林漁業金融公庫の金等についても、できるだけめんどうをみたいと、こういうふうに考えております。
  12. 永井純一郎

    永井純一郎君 そこで今のその起債と、銀行、その他特殊銀行、あるいは一般銀行、それから支払っておらないこれは百五億のうちどういうふうになっているのですか、これはわかっておりませんかね。
  13. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) その内訳は私の方では詳細にわかっておりませんですが、これはただ県の方から仕越し工事の総額がどうだとか、こういうことで、借り入れ先別の金額については資料はただいまありませんです。
  14. 永井純一郎

    永井純一郎君 いや、そこで実際上これは農林省としては重大な責任が私起ってくる、今のような銀行なり、中金なり、信連なり、そういうところから借りている、それからこの起債も大蔵省の起債もほとんど短期の起債のようですからね、それから支払っておらないという金額は相当ある、そうすると、その仕越し総額と本年度の農業公共施設と農地災害復旧の総金額はほとんど同じだから、払った場合にその仕越しの分について、借りてる金であるからもちろん払わなければならない、起債の方も短期であるから、これも払わなければならない、その次にまたそういう借入金をやって、府県が災害復旧をやるかというと、これはやれないと思うのです、今年は……。この前は三党協定等で特別立法したときには三・五・二の予算でやるのだということをはっきり約束したから、それをやった、ところが利子も払わなければならない、この銀行利子なるものは莫大なものになって行くわけです。そこで借金をして実際上三十年度災害復旧工事というものを事実上進めてやろうということを農林省はもし考えるならば、やはり利子補給というようなことが起ってくるのですが、それをやらなければ私やれないと思う。そういう点は具体的な、何かこの方策を予算を作るときに考えなければならなかったのだが、もう今できてしまっているのだから仕方がないとして、何か具体的な、実際上三十年度災害復旧が進むように、これはしてもらわなければならぬと思うのですが、しかし今すぐそれはここでお答えができないとしても、予算審議中に大体の見当をつけて報告をしていただきたい、こう考えます。これはまああとでけっこうです。今答弁は求めませんが……。それからもう一つ、市町村農業委員会補助説明をいただきましたが、これは先ほど政務次官の御説明を聞いてよくわからないのですが、修正の結果一・一人分の事務に相当する分を補助することになったというのですが、あとはやはりこれは地方負担分になるわけでございますか。
  15. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) その通りであります。
  16. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうすると、その地方負担分の金額は幾らになるのですか。
  17. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 今までの負担分を入れまして約十一億くらいになると思います。
  18. 永井純一郎

    永井純一郎君 地方負担が今までの分を入れて十一億だということですか、おそらく増加分が前年度予算が二十四億だったのが、今度十八億になったのですから、この六億というものが新たに地方負担としてふえて十一億と、こういう勘定だろうと思うのですが、それは地方で負担するということになっているのでしょうか、負担できないと思いますが、どういうことになっているのですか、市町村はとうてい負担できないと思うのです。
  19. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 交付税の交付金の中に算定するように自治庁と了解済みでございます。
  20. 永井純一郎

    永井純一郎君 その地方負担分を交付金の方で戻してやるという意味ですか、全額ですか、増額分だけですか。
  21. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) その通りでございます。
  22. 永井純一郎

    永井純一郎君 増額分の大億だけですか、十一億全部ですか。
  23. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 全部について財源の基礎にいたしております。
  24. 溝口三郎

    溝口三郎君 余剰農産物の借款のうち、今年度農業開発に配分されるものは三十億と決定されたわけですか、その配分の中で地区別の分が、先般土曜日の予算委員会で私質問いたしましたが、政府ではまだ決定していないようでございましたが、その後どういうふうになりましたか、経過をお伺いいたします。
  25. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) その後関係各省の間で協議し、民主党の政調会の案も出ておりますが、まだ最終的な決定はしておりませんが、ただいま出ておる案で、大体大蔵省、農林省北海道開発庁等の意見の一致点に近づいておる案というのは、三十億を、二十億四千五百万円を愛知用水に、五千万円を上北の機械改造に、四億五千万円を篠津の泥炭地の開発、五千万円を根釧の機械開墾に分けるようにいたし、愛地用水公団を作って、それでやらす。上北及び根釧等については機械開墾事業団を作って、それに機械開墾の仕事をやらせたらどうかというふうな案が出ておりますが、まだ最終的な決定というところまで行っておりません。今明日中に結論を得たいと思って交渉を続けております。
  26. 溝口三郎

    溝口三郎君 今の御答弁で、最終的決定になっていない。その線で確定するように大体なると承知して差しつかえないでしょうか。
  27. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 私の方としましては、会期も残り少いので、機械開墾事業公団を法制化する等の事務がありますので、ここらあたりで各省の話をつけたらいいのじゃないかというので努力をしております。
  28. 溝口三郎

    溝口三郎君 余剰農産物を財源にしました農業開発は従来から四地区、総事業費で五百六十億くらい消費していたのでございますが、本年三十億はわずかでございますが、それが着手になりますと、絶対に将来、着手した以上は五カ年間の計画に基いて絶対に中断することないように努めるというのは、これは大蔵大臣、経審長官、農林大臣、全部が言明されているところでございます。そこで三十億で着手するに、愛知用水その他どの地区を着手するかということが、着手した以上はこれはどうしても中断することができないというようなことから、今もって私は地区を決定することができなかった大きな原因だと思うのでございます。ただいまの御答弁によりますれば、ほぼ政府としてもその線で決定するのだということになりまして、かり決に定したとして考えますと、約五百六十億、八郎潟を入れまして五百六十億の事業費で五カ年間に必ず完成するという決意をもって政府は実行に入られると思うのでございます。そういたしますと、本年度、先ほどの説明を伺いましても、農地の改良、拡張等で約二百四、五十億の予算が、これは非常な御努力で前年度同様くらいまで修正した程度、その程度でございます。このほかに政府資金としまして、この五百六十億を五カ月で割って行きますと、相当な財政支出をして行かなければいかぬと思うのです。そこでそれを実行して行くについて、既定の事業に影響を與えてはいけないのだという強い申し入れを農林水産委員会で先般決議をいたしまして、外務委員会に申し入れたのでございます。それにつきまして、既定の国内農業開発計画、それによる経費に支障を及ぼしてはいけないという場合に、既定の国内開発計画というようなものについてどのベースをとるかということは、確定した意見は私はないように思うが、農地局長は既定のベースをどの程度にお考えになっているか、お伺いしたい。
  29. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 私の方では、その当時御説明申し上げましたように、二十九年度ないし三十年度食糧増産費のワク、すなわち予算の金で二百五、六十億、農林漁業金融公庫等の政府資金で百億出るから、三百五、六十億程度は既定のワク、こういうふうに考えておりますので、それ以上に新しく着手した地区の費用は一般会計なり、余剰農産物なり、預金部資金等で増額してやって行きたい、こういうふうに考えております。
  30. 溝口三郎

    溝口三郎君 農地局長説明では、既定のベースを三十年度予算の程度に考えられる、融資と合わせて三百五十億、それは米麦増産が百四、五万石の程度だと思うのです。それは最近のうちの最少の経費だと私は思っている。二十八年度はそれよりも三十億ぐらい経費は多い。そうして百二十万程度出ておる。一兆予算のうちで一番切り詰められた予算が、本年度農地拡張改良経費二百四、五十億でございますが、もう少し余分なベースを持つ必要がある。のみならず、先般来経済六カ年計画におきまして、六カ年間で千三百五十万石の増産計画を経済六カ年計画で立てられた。それは本年度は三百五十億程度、来年は六百八十億、三十二年は七百五十億というのを経済審議庁では試案として計画に入れておるのです。本年度の二倍以上になるのです。そのうちにこの余剰農産物による四地区計画は入っているのか、資金計画に入っておるのかどうかという点が一番また疑問があると思うのですが、本年度は三百五十億と、これははっきりしておる。予算上きまっておる。来年度の六百八十億という六カ年計画のうちで、この四地区は今度決定になるわけですが、それはどういうふうに考えておられますか。
  31. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 経済審議庁で樹立しておる六カ年計画なり、三カ年計画につきましては、国の総合経済の見地から各省の要求を調整して立てておるのでありまして、農林省農林省として、少くとも六カ年後には増大する人口に対応する食糧の所要量の増を輸入の増によってまかなわない、すなわち六カ年後においては、もう現在の輸入量を増加しないということを最低の目標に置いてやっておるのです。そうしましても現在の食糧増産費の規模ではとうていまかなえないので、少くとも経済審議庁が言っておるような、三十一年度に六百八十億、三十二年度に七百五十億、そういったふうな急カーブの財政投融資を必要とするということになるのであります。その実現の方途としては、われわれは既存の継続地区のほか、新規地区の一つとして、お述べになりましたような計画を取り上げておるのでありますから、当然それらを考慮に入れまして、今年度以降の資金計画なり、増産計画を考えなければならないのであります。六百八十億なり、七百五十億の中にはそれを含ましめるのが至当であると、こういうふうに考えております。
  32. 溝口三郎

    溝口三郎君 この借款による五百六十億を四地区に投下しましても、その生産の効果は五カ年以内にはほとんど出ない。そうすると、事業資金は投じますけれども、千三百五十万石を五カ年で増産をして、そうして輸入は二十九年度よりはもう増加させないということをやりまして、万一一般会計の方に、現在まで千三百五十万増産計画の方にこの資金が入って、そうして千三百五十万石がもしそれが確保できないと、輸入はやはり増加してくるようなことに結果はなってくる。非常に食糧増産計画は困難な事情があると思うのです。この点につきまして、できるだけ必ず、六カ年計画で立てました食糧増産計画としては、輸入は現状以上には輸入しないのだというかたい決心で今後の食糧増産対策費は計上するようにぜひお願いいたしたいと思います。  もう一点、ちょっとお伺いしておきたいのですが、先ほど災害復旧経費の問題がありましたが、二十八年度以前の残事業費、それから二十八年度の残事業費、二十九年度の残事業費おのおのが、補助金のもございましょうが、事業費は幾らになっておりますか、そうしてその合計額は……。
  33. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 総計を申し上げますと、二十六年災以降二十九年災までの総事業費が千百十二億になっております。二十九年度までに四百四十億ついております。総事業費の千百十二億のうち、補助に相当するものが八百五十四億になっておりますので、四百四十億が二十九年度までについておりますが、三十年度以降に四百十三億残ることになりまして、そのうち百二十七億が三十年度予算でカバーできる、こういうふうになっておるのであります。従いまして、二百八十四億ぐらいが三十一年度以降に残る、こういう計算になります。
  34. 溝口三郎

    溝口三郎君 世間では数年前から災害復旧年度別と言いますか、三・五・二ということを常に言われているのですが、その原則は全然くずれていると承知しているのでございますが、今の説明を伺いますと、まだ三十一年度以降は三百億近い金額が残っている。二十八年度の災害も、もうあと三十一年、二年たってから完了するか、五カ年ぐらいで完了するような計画をやっているか、どうか。
  35. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 二十八年災害の特別立法をしたときには三・五・二という強い国会方面の要求ないし決議があったのでありますが、財政規模等の関係でそれが実現できていないのであります。やっと二十五年災までが完了になりまして、六、七年の災害も多少残っていると、こういうふうになります。これは先ほどからいろいろお話しがあったのでありますが、二十八年災の災害復旧につきましては、二十九年の初めに会計検査院あるいは事務局等で災害査定の実態調査をやったのであります。御承知のように二十八年の災害は申請件数は十万件をこすほどの数量でありまして、そのうち農林省で実際に査定したのは二割余りしかできなかったと思います。そういう関係で、非常にこの査定が机上査定、書面査定になっておりましたので、現実に調べてみますと、いろいろなもうルーズな点が出ておりましたので、私の方ではそういうことでは困りますので、全個所の実地査定をやることにしておるのであります。そういう関係もありまして、今までに実際の査定をやってみると、当初の査定に比べまして百数千億の査定減が出ております。そういうふうな関係で、実際に金はつけたくても計画のやり直し等の関係でつけられない分も相当あるのであります。まだ全部の査定が完了しておりません。これはとにもかくにも全部の査定をやり直そうということでやっておりますので、そういう関係もありますので、一がいに三・五・二の補助のやり方を否定しておるというわけでもないのでありますが、事実問題としてそういうふうに手が回らなかったというような関係、あるいは計画があの二十八年のどさくさの、異常の混乱時でありましたので、遺憾な点があったというような関係もありまして、現在のような状態になっておるのであります。
  36. 溝口三郎

    溝口三郎君 あの査定が問題になりまして、非常に水増しがあるというようなことから、大蔵省では、また農林省の申請したものに対して年度割りをきめる当時に、非常に厳格な査定を大蔵省でしたのではないか、そういうようなところから、今度は立ち会いの検査をしてやって行ったところが、そう大した水増しはなかったというようなふうにも聞いているのでございますが、女だ確定はしていないのでございますか。
  37. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 査定を全部やるのは大体今年一ぱいかかる予定であります。御承知のように、二十八年度災害については会計検査院等の報告件数、あるいは報告の実態から見ましても、私ども常識で判断できないようなことが、非常に何と言いますか、たとえば北九州の小倉では一方村で数十億の被害をこうむって、農業施設だけでも大きいところでは五億、八億というものを受けております。件数から見ましても一カ村で三百カ所、五百カ所というのが出ております。従って一時に査定をやった、あるいはまた町村が災害復旧をやるために、その当時の混乱状態から計画が立たなかった、そういう関係で査定がうまく行っていない、こういうふうなのが実態でありまして、洗ってみるといろいろ考えさせられるところがあるのでありますが、とにもかくにも、そういうふうに全部を洗ってみてきめたい、こういうふうに思っております。
  38. 溝口三郎

    溝口三郎君 ただいまのお話で、これは二十八年度に災害の個所は十万カ所ばかりある。これを短期間に全部査定する。これは人力のとても及ぶところではない。できるだけ職員を増加して、できるだけ正確な調書をこしらえる必要があるのであります。これはできるだけそういうふうにできないでしょうか。私はけさ新聞で拝見したのですが、ただいま決算委員会でも問題になっておるのですが、建設省では、今後は災害ができたならば全地区を全部査定するというようなことを説明しておられるのですが、これは人を増してそういう場合にやるということになったのでありましょうか。ただいまのように、三年かからないと全地区が査定できないという、あなたのやり方から言うと……。そこは建設省農林省と関連して災害の方針、査定の方針をきめておられるのですか、お伺いしたい。
  39. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 御承知のように、建設省事業は規模が大きいわけでありまして、件数から言うと、農林省の比ではないのであります。ところが農林省の方は農地、農道、水路、頭首工、あらゆるものがあるので件数が多くなるのであります。そこで建設省と同じように、全地区の査定をやるためには、これはなかなか人数を一挙に増すということも困難でありますが、しかし通常の場合においては少くとも過半数は実際査定ができるようにはしたいと思いまして、三十年度の要求では、災害復旧査定官を十一名ばかり増員はいたしております。建設の方はそういう関係がありまして、もう少し前から、去年も増員したようであります。農林省は少しおくれておったのでありますが、今年からそういうようにいたしたいと思います。それを本省におきまして、機動的に、災害地に一斉に出動してやれる、こういうふうな態勢でやって行きたいと思います。しかし十一名くらい増したのでは、ちょっと大きい災害が出ればなかなか査定困難であると思いますので、地方の事務局との人員の使い方、あるいは県の耕地関係の職員の機動的配置等も考えましてやりたいと思います。これは二十八年の災害のときには、各府県からひどい災害地に応援にやったのでありますが、これが何と言いますか、訓練がうまくできてないとか、あるいはやり方がうまくなかったというような点がありまして、今後は農林省に災害査定官を置いて、それを主任にして、各府県から集めたやつを応援、補佐みたいなのを使いましてやれば、相当成績が上るのじゃないかと考えます。
  40. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 食糧増産の面から農地局の仕事というものは非常に大切なことなので、私は非常な関心を持って見ておりましたが、一番困っていることは、すでに災害にしましても、あるいは土地改良にしましても、査定が終った、終ってもなお農林省から金がこないというようなことで、事業実施者の負担というものがますます増大して行くというようなことになっているのでありまして、まず金を、事業者として資金を借りることが容易でない。農林中央金庫の資金を借りるにいたしましても、非常にむずかしい、やかましいことを言うておりますし、これを借り受けるにしましても、ワクがあってなかなか借りられないというような現状でありますが、過年度の災害、あるいはその他の事業等におきまして、すでに農林省が送金しなければならぬというようなものはどのくらいになっておりますか。それをまず伺いたいと思います。
  41. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) ちょっと今の御質問の趣旨がくみ取れなかったのですが。
  42. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 査定が終って、農林省から補助をやらなければならぬ、送金しなければならぬものが各県にまだ相当あると思うのですが、その額がどのくらいになっておりますか。
  43. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 二十九年度まで交付した額を除きまして、三十年度以降に今できている査定に基きまして交付しなければならぬのは、先ほど申しましたように、さらに再査定をやっておりまして、多少の数字が狂うと思いますが、現在までの手持ちの資料では約四百億あまりが三十年度以降に交付しなければならない金になっている。その中で百二十七億が三十年度災害復旧として計上されていると思います。
  44. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 こういうふうに多額な送金をせねばならぬものが、査定を終ったものがすでに四百億円程度というわけでありますから、査定が二割程度しか進んでおらぬというような現状におきまして、農林省として補助金を交付せねばならぬものが相当多額に私はなるのじゃないかと思いますが、これらが土地改良実施する上において非常に難関になるわけであります。最近の会計検査の要領というものが、非常に不正が行われておるというて批難をされておる面もありますけれども、また一方から言うと、あの会計検査の検査というものが、実に人道を無視した、まるで地獄における鬼の検査であるというて、一般の事業者はふるえ上っておる。たとえばすでにコンクリートを打ったところへ、夜の夜中に行って、万能や、その他の道具でもってコンクリートの厚さがどのくらいになっておるかということで、ぶちこわして見る、はなはだしい人は、村長は二度と再び孫子の時代までも土地改良なんというものはやらさないというような悲壮なことを言うておるものもあるのであります。中には不正行為をやって、補助金だけで工事を進めておるものもずいぶんあったでありましようけれども、この検査の内容というものは、はなはだ私は不当な、人道を無視した検査でもあるようにも聞いておるのです。これは土地改良協会あたりで集まったときには非難ごうごうであります。また大蔵省から、立ち会いで検査を、いま一応査定をしなければならぬというようなことにつきましては、農林省としてはもう少し自信のある査定をすべきではなかろうかと考えます。こういうことにつきまして、また二度の手数をかけて二割くらいの査定しか終らぬのに、またろくな人員もそろっておらないのに、再び先に査定を終ったやつをまたやり直すということは、はなはだ不見識ではないかと考えるのですが、これにつきまして……。
  45. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 会計検査院の検査の方法について、いろいろなお話がありました。私の方では昨年から官房に考査官室というのを作りまして、まずそういうのを、会計検査院のお世話にならないような事前の指導なり、事前の監査をやったらどうかということをまずやっております。そこで会計検査のやり方についてお話のようなあれがありましたので、昨年度会計検査に数県考査官を立ち会わせました。しかしその報告は受ける方の側の言うことだけでは工合が悪い。具体的に申しますと、昨年度の検査を受けたのに立ち会った県、三県か四県ありましたが、ほとんど文句のない地区はないのであります。必ず何か文句が出ておるのであります。それで私の方もちょっと驚いたのでありますが、ただ、今人道を無視したような検査ということがありますが、たとえば二重帳簿を作っておるとか、あるいは伝票を、会計検査がくるからということで、書きかえているということになりますと、なかなか聞く方も聞く方、答える方も答える方でらちがあかないので結局時間が長くかかる、あるいは証憑書類を注文先、あるいは購買先から取り寄せるというようなことで、夜通しやったというような例もあったようであります。いずれにしましても、事業実施する方、それからそれに対して補助金を交付する農林省、あるいは県が、みんながそういった疎漏、あるいは不正の工事が起らないように心がけるのが大切だと思いますので、私の方でやるべき査定は、できるだけ書面だけを見て実地を見ないで適当な査定をやるということはなくするようにする。すなわち現場の査定の率を多くしていく、できれば全部を現場に立ち会って査定をしたい、こういうふうに考えております。何ざま、災害は、毎年同じような規模で起らない。ことに二十八年のような大災害になりますと、そのために特別の人を置くというようなことも困難でありますので、過去の平均災害発生量等もにらみ合わせて、普通の年ならば大部分の実地査定ができるような人員をととのえてやっていきたい。同時に考査官制度、事前監査の制度というものもさらに念を入れまして、事後で会計検査院からいろいろ批難されるようなことのないように指導していきたい、こういうように考えております。
  46. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 検査の要領が、事業を施行するものについて非常な悩みであるのです。それはどういうことかというと、まず書類の査定がある、県の査定がある、また農林省の査定がある、会計検査院の検査、あるいは大蔵省の検査というように、検査心々で年中来る。こういうものを一元化して、何とか同じお役所の役人なんだから、一ぺんで済ますようなことでやれないものか、こういうことを何回も何回も繰り返して、まあもちろん不正工事を行うような方でも、相当にこれは自粛をし、事業を施行する場合において、その理事者なり何なりは十分に選者しなければならぬと私らは考えますけれども、一方においてはそういうむだが事業を施行するものに非常な負担になっているのです。これは実際から言うと、おいでになれば検査官だからというので鞠躬如として心の置きどころもわからぬような状態で、検査を受ける。そうしていろいろなおみやげ持って行ったり何かするような、そういうことも相当考えられることです。そういったようなことも何回となく繰り返されれば、土地改良なんというものはなかなか容易に始まらないということです。どうかこれは私の希望でありますが、検査につきましては、何とか今、渡部局長の言うのには、さらに会計検査院の検査を無事に通るようにしておきたいというようなことになりますと、これは再三検査をして、厳重な検査をするというようなことに私は受け取りますからそれは厳重もいいが、何回もやらないで、県なら県の係、検査官もおるのでありますから、十分連携をとって、一ぺんにやるような方法をとることと、それからなるべく早く検査を済ます、そうして補助金を早く流してやるということが一番大切だと考えますから、切にお願いする次第であります。  それともう一つお尋ねをいたしますのは、金利の問題です。せっかく土地改良事業農林省計画し、推進しましても、この資金の問題で、いつも悩んで、事業施行者はおるわけです。ことに農林中央金庫なんというものは、名は農林でありましても実際は高利貸しのようなやり方をしておるわけであります。これらにつきましても十分に監督をする方式が一番大切だと思いますが、現在金利はどういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
  47. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 農林漁業金融公庫から出す災害復旧のものは最低五億になっております。預金部資金から出れば六分五厘、これは起債であります。一般の系統金融機関から借りる場合は一割一分ないし一割一分五厘というふうになっております。
  48. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 この農林中央金庫の一割一分というものですね、これを何とか方策をして五分か六分五厘までにやれないものでありますか、これの方策ありませんか。
  49. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 私の方では特別の安い金利のものは、農林漁業金融公庫の方から流させていきたい、こういうふうに考えておりまして、災害復旧等に関して中金の系統機関の金を借りるのは補助金がくるまでのほんの短かいつなぎの期間程度でまかなえるようにいたしたいというのがねらいでありますが、先ほど来お話がありましたように、それではいってないので、問題がありますのでできるだけ努力いたしたいと思います。
  50. 左藤義詮

    左藤義詮君 生鮮食料品流通改善のためにきわめてわずかですが、一億ほどの予算がありますが、どういうふうに配分なさるのですか、どういう計画でございますか。
  51. 武田誠三

    政府委員(武田誠三君) 一億円の生鮮食料品の流通施設に対します補助金につきましては、これは大体消費地と生産地を通じまして、主として生産者の利益になるようにということに目途をおきまして、流通施設の改善をはかって参りたいというような考え方でおるのでありますが、現在のところ、そのうちの約六割程度のものは生鮮食料品としての蔬菜なり、あるいは水産物というようなものの流通施設の改善、それから四割程度のものを酪農関係の畜産物関係の流通施設の改善というようなものに振り向けていきたいというような気持で考えております。
  52. 左藤義詮

    左藤義詮君 この間問題になった公取からの横やりを入れられた、たとえば大阪の荷受けの、そういう方面にこれをお流しになる予定じゃないのですか。
  53. 武田誠三

    政府委員(武田誠三君) 魚市場等の施設の改善につきましては、適当な計画がございますれば、そういうものにつけていくことも必要かというふうに考えておりますが、具体的に大阪の魚市場に現在どれだけの補助金をあの中から割くという計画はまだ持っておりません。
  54. 左藤義詮

    左藤義詮君 開拓に伴う新規入植の戸数は本年は減っておるのですが、これはいろいろ農村の二、三男対策とか、あるいはその他いろいろなたとえば失業の問題、いろいろあるのですが、引揚者はどうしてこんに減ってくるのですか、昨年は七千戸ですが、本年は五千五百戸というふうになっておるのですが……。
  55. 正井保之

    説明員(正井保之君) 昨年度七千戸の入植がございましたが本年度は、実は昨年度の七千戸入植の中には一部助成と申しまして住宅と酸土改良の一郎だけを助成する、そういうふうな中途半端なものがあったわけでございます。それで実は本年度の五千五百戸は全部完全な助成をする戸数ということでございまして、実質的には昨年度に比べまして五百戸の減、こういうことになっておりますが、私どもといたしましては全体的に食糧増産対策の意味と、それからただいまお話がありました二、三男対策の意味を兼ねましてできるだけ事業の規模としては大きく持っていきたいということでございましたが、総体に予算のワクの関係もありまして、それと、現在開拓地の実情は建設工事が入植者の数に比して実はおくれておる、入植者の数はある程度入っておるけれども建設工事が伴わないそのために営農にも支障を来たしておる、こういうふうな十分な営農ができないというような状況等もございまして、建設事業費等との関連等もございまして、昨年に比べまして実質的には五百戸の減、こういうふうなことになりました。
  56. 左藤義詮

    左藤義詮君 まあ相当奨励をして入植をしたけれども、どうもうまくいかない、あるいはそれにしんぼうができない、山の木を切るだけ切ってあとの開墾なんか一向手につかない、山を荒すだけで結局は逃げ出してしまう、非常に入植がうまくいってない、そういうことでだんだんもう建設がおくれておると、そうでありましょうが、だんだんこれは数を減らしていく、もう開拓に伴う入植ということはあまり先のないことだ、非常に終戦後これに力を入れたけれどもどうも育っていかないというふうなお見通しであるのか、この開拓の実情を少し、この予算がこういうふうに減った、予算は減っておりませぬが戸数を五百戸も減らして、一部入植を減らした分を入れますと一千五百戸減らした、農林省としては開拓というものに相当なる見切りをつけられてしまったその実情を少しお話願いたい。
  57. 正井保之

    説明員(正井保之君) 開拓に見切りをつけたという意味じゃございませんで、実は入植は当然にそれに引き続いての、ないしはそれに同時に行われる建設工事が十分に伴わなければ非常に苦労をかけるというふうなことで、本年度増産対策費全般のワクと申しますか、そういったふうな関係からいたずらに戸数のみをふやすということよりも、そういったこれに伴う施策が必要であるというふうなことからやむを得ず減じたのでございます。なおそういった開拓の営農を充足するというふうな建前からいたしまして、実は入植者に対しましては入植三年間に基本営農資金を貸し付けております。それが大体十七万円程度でございますが、それに引き続きまして特に開拓地では家畜導入ということが開拓を進める上からみて非常に重大な要素になっております。そこで本年度はそういったふうの消極的な面もございますが、昨年度とは、たとえば役畜が五千頭くらいか、乳牛が七百頭余りでありましたが、本年度は役畜が大体昨年度並みか、若干減っております。乳牛については三千頭ばかり持ち込むとかいうふうなことでありますとか、あるいは別途開拓融資保証と申しまして、実は開拓者営農資金保証をやっておりますが、この方の金を五千万円ばかり増額いたしまして飼料、あるいは肥料等の手当の道を講ずる、なおまた入植されまして、あと開拓地のごく小規模の畑地灌漑等をやりますと、非常に営農が伸びるという面があるのであります。本年度はそういった新たな事業を取り上げまして、一般畑地灌漑の補助率に比しまして、率の高い補助をする、あるいは開拓地でいつも問題になりますのは道路の関係であります、その道路につきましては、工事が終りましたならば、あとは市町村に移管するとか、あるいは大きな道路につきましては府県に移管して、その方におまかせするわけでありまするが、非常に工事をやったあとの引き渡しまでの間の手入れが不十分なため、なかなか受け取ってくれない、道は非常に荒れるというふうな状態にもあるものですから、本年度から道路補修費というものを組みまして、そういった開拓地における基盤の整備というふうなことに実は相当の力を入れましておるような次第でありまして、開拓について非常にまあ見切るというようなことじゃございません。なおまた先ほどもお話がありましたように、外資導入の関連で、余剰農産物の関連もありましたように、機械開墾というふうな形での開拓というものが、これからのまた傾斜地等、あるいは気温の低いところ、こういった面での開拓の方式として、非常にまあ新しく取り上げるべき問題でありますので、そういった面でまた積極的な検討なり事業計画をやっていくというふうなことでございまして、開拓について一般的に消極的な態度をとるということではございません。
  58. 左藤義詮

    左藤義詮君 戦前、移民が結局捨て子といいますか、棄民だと言われたのですが、開拓もずいぶん戦後やかましく言いましたが、なかなかあと実績が上っていかなくて、脱落者が多い。二、三男対策といいますけれども、なかなかそういう面のプラスにならない。今、課長からいろいろお話がございましたが、まあ時間がありますれば、もう少し実情等も伺いたいと思いますが、今日は時間もありませんから、一つよほどこれは農林省は腰を入れて、ほんとうに数だけそろえて一応発足すればそれで済んだということにならないように、今度はこうして数を減らして、予算の方は減らさないで、数を減らした。私はある意味においては質的には非常にいいことだと思うのでありますが、十分私は腰を据えて、ただ数字だけ、あるいは書類だけの仕事になってしまわないように、もっと親切に身を入れてやられるように特に私はこの点の努力を希望申し上げます。
  59. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私は二、三点水産の問題で伺いのですが、アルゼンチン沖の調査費三千万円を計上されておりますが、これは昨年からそういう計画があったことは承知しておりますが、どういうことで三千万円くらいであの調査ができるのでありますか。多分東光丸を派遣するのだろうと思いますが、その計画をお伺いしたいと思います。
  60. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申し上げます。お話のようにアルゼンチンの調査につきましては、東光丸を出したいと思っております。東光丸は現在北洋の監視に参っておりまするので、十一月ごろから予定いたしております。現在予算に計上いたしておりますのは、本会計年度の十一月から三月まででございます。なおわれわれの計画といたしましては、明年度大体七月ごろまで調査をするという形で、残余につきましては、明年度に計上いたしたい。御承知のように、アルゼンチンの方は往復に相当の期間を要しますから、調査の関係も両年度にまたがりまして調査いたしたい、かように考えております。
  61. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 それは十一月ごろから出まして、何カ月くらいやるわけでありますか。何カ月くらいその調査をやるわけでありますか。
  62. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは今具体的な調査計画を練っておりますが、大体片道に百日、こういうような航海日数は要すると思います。大体十一月から参りますと、二月ごろに調査に入ると思います。大体向うの気候の関係で、その期間が最も低温でございますから、その期間をねらって調査をいたしまして、そうして大体二、三、四と、約三カ月足らずで調査を実施してみたいと、かように考えております。
  63. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうしますと、その調査はおそらくアルゼンチンも参加するのじゃないかと思いますが、調査の結果として日本の漁業者が、何か日本の漁業者がだんだん向うへ行けるという話でもあるのか、単にこちらが調査して資料を提供して、自分の方の資料ともするという程度のものか、この点……。
  64. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本来はわれわれといたしましては、あそこの大陸棚の状況からいたしまして、相当底びき関係が有望であると、こう考えまして調査をいたすわけでございまして、将来の考え方といたしましては、あそこに日本で過剰の状態でございまする漁船及び漁業者を持っていって就業いたしたいということを考えておりますが、魚種の関係、漁労の状態、消費の状態等を調査たいした上で具体的な計画を立てたい。現在私たちは大体五名ほどの調査員を、それに専門家を連れていきたいということで人選いたしておる次第でございます。
  65. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一点、漁港の問題でありますが、今回修正によって二億五千万円というものが増額されたのですが、従来漁港の施設は非常に重要視されておるにかかわらず、なかなか予算の裏づけがないために進行しておりません。第一次整備計画において四百五十港を計画したものが、まだ未着工のものが七十五もあるというような状態で、本年度の当初予算といいますか、政府予算におきましては減額されておりますので、おそらく新規のものは計画のうちになかったと思いますが、今回二億五千万円増額されたことについては、ある程度の新規の着工もしなければ、いつまでたっても済まないと、こういうふうにわれわれは考えまして、農林水産委員会におきましても強く要望しているところでありますが、農林省としてはどういうふうに考えているか。
  66. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お話のように本年度の当初の予算は、昨年度に対しましてほぼ同様の十二億五千万円でございまして、この場合におきましては新規の着手ということは考えておりませんでした。現在この修正によりまして、ある程度の新規の着工も必要ではないか、かように考えまして、事務的に大蔵当局といろいろ協議いたしております。この新規をやります場合に問題になりますのは、現在の漁港整備計画は二十六年度整備したことは御承知の通りでありまして、二十六年当時と現在においては相当事情の変更もありますし、先日また衆議院の本会議におきましても、改訂計画について決議案も出たわけでありまして、われわれとしては先般漁港審議会を開いて改訂計画を作成いたしましたので、これを関係庁と協議いたしまして、漁港法の手続きに従いまして国会の御承認を得たいと、かように考えております。
  67. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ここに食生活改善のために学童給食用の小麦の払い下げに対する補助金の補てんに十七億近くのものがありますが、この食生活改善ということは、現在の日本の食糧事情から考えて非常に大切なことであり、これを強力に推進していかなければならぬと考えておりますが、これは主として食糧品を扱うものは農林省関係になっております。しかし大体からいうと厚生省かもしれぬと思うのですが、この食生活改善ということについて農林御当局じゃどういうふうな構想を持っておられますか、単に牛乳を飲ませるとか、あるいはパンを食わせるだけが食生活改善とは言えないと思うのですが、いろいろ畜産もあれば水産もあり、日本にはいろいろな生産物がある、そういうふうなものをどういうふうに考えて今後推進していくか、単にここでは小麦を学童に食わせるということだけなんですが、その点について何か構想を持っておられるか。
  68. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 御指摘のように、わが国のただいまの食糧事情から考えますと、食生活改善はきわめて重要な問題でございます。全く同様に考えております。従いまして、農林省で考えております食生活改善は、学童給食の問題もございますが、日本の現状から考えますと米麦偏重の食生活をいたしております。米麦だけで需給食糧を確保するということは日本の国の現状からきわめて困難でございます。しかしながら需給確保の問題はわが国の農政の基本の問題であると考えまして、外国に食糧を依存するということはできるだけ避けなければならない。かような観点から一般に総合食糧の確保、水産資源を開発して水産食品を取り上げるとか、あるいは畜産を振興して蓄製品を取り上げるとかいうようにいたしまして総合食糧の確保をしなければならないと思っておりますが、長い間の米作中心の食生活になれました国民の慣行は急に改めることができません。そこでここに掲げてありますように、小さなうちから食生活を転換できるような一つの習慣をつけることも食生活改善のためには役立つのではないか、かような考え方からただいま非常に食糧事情のよくないこの時期に、特に学童に給食施設をいたしまして食慣行を改めて、そして地についた食生活改善をやっていきたい。こういうような見地からこの学童給食の問題を取り上げているわけでございます。単なる衛生とゆう面だけではなくて、食糧需給というような観点から、これは農林省所管としておくことが妥当でございます。
  69. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今の御意見私も全く同感でありまして、われわれのようになった者は今さらパン食ばかりでやっていけといってもなかなかやっていけないのです。従って子供の時分にこれを習慣づけるということは非常に大切なことでありますし、現在もう子供は御飯よりもパンの方を喜ぶといった工合になれてきておるようでありますが、同時に今日本では水産物が非常に豊富にとれる、外国にもどんどん輸出しておりますが、これが現在の調理法その他の加工方法ではまだパン食にぴったりこないものがある。中にはパン食と一緒に食べられるようにできつつあるものもありますが、こういうものも一緒に学童に持っていかなければ、パンだけを持っていって、おこうことパンで食べろといっても、こいつは無理だ。私は皆さん農業のことばかりおっしゃるから水産のことを言わしていただきたいんですが、この豊富な水産物を学童にも何かうまい工合に加工しまして、そうして食べさして行くということになれば、これは栄養の面からいってもいわゆる食習慣を変えて行くという上においても非常に工合がいいだろう。巷間いろいろなものができておりますが、これらのものももう少し研究もし、助成もするということによって学童に粉食と同時にそういったものを供給してやる。それは金はかかりますけれども、将来日本のいわゆる米麦偏重ということを変えて行くためには少々金がかかっても私はいいと思う。そうして農耕地の少いところのものを、どんどん開拓していってもこれは限度がある。幸いに水産物は相当に取れておりますから、これを学童に供給するような方途を、これは予算面で今後考えてもらいたい。そうすればもっと工合のいいものができるんじゃないか、かように考えますので、この点私は要望しておきます。
  70. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) ただいまの問題については、私どもは文部省と厚生省と私ども農林省とが一緒になりまして、特別な法的な裏づけはとりあえず持ちませんが、委員会等を作りまして、その問題を積極的に一つ取り上げて検討をして何らかの御期待に沿うような結論を得るような努力をしたいと目下準備中であることを御了解願いたいと思います。
  71. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 食生活の面から学童にパン食というような方策につきましては私も同感でございますが、アメリカの余剰農産物がわが国との条約、協定によりまして入ることになりますが、その際の一千五百万ドルの贈与分において多額の粉乳が来るわけでございますが、日本の酪農家は昨年の乳製品の下落によりまして非常な打撃を受けておる。今度の一千五百万ドルの贈与分の粉乳が参りますときには、私は相当の酪農製品の価格の上に影響を及ぼしてなかなか困難な状態に陥るのではないか。余剰農産物の輸入においては米や小麦その他のものは足りないが、日本に足りないものばかりでございますから少しも農家には影響はないといっても過言ではなかろうかと考えるのでありますが、乳製品だけはこういうものが学童に給食用に使われるにいたしましても相当に私は影響があると考えるものでありますが、これにつきまして政務次官のお考えを一つ承わりたいと思います。
  72. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) 佐藤委員と同じように、私も日本の畜産業に対して全然心配をしていないものではございません。しかしいろいろ問題はあろうと思いますけれども、わが国の酪農が思うように伸びない原因の一つは需要が普遍化されていない、いわゆる酪製品の市場が非常に陜隘である。そういうことから私は価格の面に悪影響がもたらさられていると思います。そこでやはりもっと需要といいますか、市場をもっと拡大する必要があると思います。そうして広い範囲に消化されることになりますれば、その価格の経済的な変動というものはだんだんと私は幅が陜まって、酪農というものが安定をしてくると思います。そういう意味において外国の食糧に依存するということは、最初も申し上げたように好ましいことではございませんが、この安いものを利用して今のうちにできるだけ一つ普及いたしまして、そうしてこの市場を広めると申しますか食慣習を改善して、そうして需給の安定をはかって行くということには役立つのではないか、かような考え方でこの余剰農産物、あるいはグラント分についてこれをうまく活用して、一つ将来のために役立せようという、こういう考え方でございます。  酪農振興等については私以上佐藤委員すでに十分御存じの通りでございまして、いろいろの問題がございます。いろいろの施策が考えられます。これらの問題についてはまた機会をいただいて十分いろいろと御協力を願って、酪農振興の方途を確立して行きたい、かように考えております。
  73. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 御説は御もっともでございますが、農林省として昨年も相当の痛手を受けて、ようやく落ちついたような酪農の現状でございますから、できる限り酪農振興に影響することのないように農林省としては考えていただきたいと思います。  そこでお伺いいたしたいのは、購入飼料をどういうふうにして購入されるか。欠損額四億四千万円を負担すると言っておりますが、外国のいわゆるふすまとかぬか、あるいは燕麦というようなものが相当安く手に入るとわれわれは考えておるのでありますが、こういう安く入ったものをさらに四億四千万も負担をして飼料として配給するのか。この予算説明書だけでは内容がわかりませんから、これについての御説明を願いますと同時に、一方におきましてはこのコストを、乳価のコストを下げるためのこういった施設は積極的にやってもらわなければ、酪農家はいわゆる脱脂乳のような無料で配給されるような膨大なものと対抗できないということになりはせぬかと考えるのです。これにつきまして一つその内容はどういうことか、御説明願いたい。
  74. 原田傳

    政府委員(原田傳君) 購入飼料需給並びに価格を安定させますために食糧管理特別会計価格差の補填のための四億四千万ばかり計上してあるわけでございます。ただいまお尋ねのやり方につきまして内容を申し上げますと、酪農を初めといたしまして畜産関係の経営上の問題といたしまして購入飼料にあまり強く依存いたしますことは、経営上感心しないことでございますが、さりとてこの購入飼料価格が、需給が窮屈になりましたために非常に高くなるという状態を、そのまま放置するわけに参りませんので、現在飼料需給安定法という法律の運用によりまして、ふすまでありますとか、トウモロコシでありますとか、麦類、大豆かす等の重要な購入飼料需給が窮屈になりましたために価格が上りますことを防止するために、食管会計の負担におきまして海外からこれらの購入飼料資源を輸入いたしまして国内に放出するというやり方をいたしまして、需給の安定、価格の均衡をはかるというやり方をいたして参っておるわけであります。ところがこの場合やはり海外から購入いたしましたものを国内におきまして、大体これは市価に準拠した価格で放出いたしまして、供給量を増すことによって価格が落ちつくというやり方でいたしておるわけでございますが、そのために輸入いたしました原価と国内におきまして放出いたしました価格との間にどうしてもこれは価格の差が生じますので、赤字が全然出ないようにという仕組みでやって参りますと、現在国内においてさような購入飼料が不足の場合に、海外から特に採算の合うものでなければ買えないというようなことになりまして、そのために需給上必要な量を購入することができないという事態を従来よく生じて参りまして、そのために価格の調節が十分に行われないという現象が続いて参りましたので、三十年度におきましてはやはり国内におきまする購入飼料需給のバランスを合すために必要な数量は赤字を出してでも海外から購入する、輸入する、これを国内の市価に準拠しました価格で放出することによって、飼料の需給の安定をはかり、また価格の安定をはかる、かような仕組みにいたしておるわけでございます。で、法律の運用上毎年購入飼料需給計画を立てまして、これを飼料審議会に諮りました上で農林省できめまして、その計画の範囲内で輸入をいたすわけでございます。本年度考えております計画といたしましては、ふすまを十万六千トン、トウモロコシを十五万四千トン、麦類を十二万トン、大豆かすを取るための大豆十万トンというものを計画いたしておるわけでございます。申し上げましたようなやり方によりまして、国内の飼料価格の安定をはかるために国内の市価に準拠しました価格によりました結果、輸入原価との差額が四億四千万円ばかり見込んである、こういうやり方でございます。
  75. 佐藤清一郎

    佐藤清一郎君 もう一つ。きわめて適当な措置でありまして、心から賛意を表するものでありますが、ただこれによりまして製粉会社等の、いわゆるふすまが今まで勝手に高く売り上げておりましたものが、こういうふうにいわゆる飼料を安定するような処置を、量と金額によって安定するような処置をとりますと、これは非常に原価が安くつくようう結果になると考えるのでありますが、なお、この際食糧庁長官に一つ麦の製粉あるいは精米についての農林省の指令というのが、たとえば米におきましては九四%につき上げるというような指令を出してあるわけでありますが、これらの事実の上において製粉におきましても相当に業者は楽なパーセンテージでやっておるわけでありますが、どういうふうに監督されておりますか、これらを十分に監督をされますと……今製粉業者の内容は詳しく私はわかりませんが、精米等におきましては、もうかってしょうがないというような内容を持っておるわけでありますが、これらについての監督の方法及びパーセント等をどういうふうにされておるのですか、お尋ねしておきます。
  76. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ただいま米の搗精の監督についてのお尋ねでございましたが、実は政府といたしましては、配給面につきましては府県庁に全部委託をしてといいますか権限を委任をしているわけでございます。一応政府といたしましては、配給の場合におきまして、歩どまり計算におきまして、一定の搗精率というものを定めて計算をしておりますが、法令上におきましては、かつてありましたように何パーセントよりもついていけないというような厳重な制限を実は置いておらないわけでございます。ただ卸売、あるいは小売のマージンの計算の上におきますと、今お話がございましたような搗精をいたしました場合に、どれくらいの副産物が出、どれくらいの経費がかかるということでやっているわけでございます。その搗精の過程におきましてこちらが定めておりまするものと違うやり方で利潤を生み出しているということがありますと、はなはだいけないわけでございまして、これは実は先ほど申し上げましたように、配給米の配給につきましての実施の監督は府県庁がやっておりますが、実際の現品の検査につきましては、食糧事務所も製品検査もやりますので、時々、全府県ということではありませんが、特に東京都のような主要府県におきましては、都庁と食糧事務所とが相協力いたしまして、ときどき抜き打ち的と申しますか、精米屋、お米屋さんの実際の配給品を取ってきまして、実際のこちらの指定している歩どまりについているか、ときどき検査をして所定の歩どまり通り搗精をするように、励行させるように気をつけております。
  77. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) ほかになかったらちょっと私から一つ。  先ほど食管特別会計の御報告があったのですが七千二百四十五億九千七百万円の歳入歳出になっておりますが、今度の新らしい米価、あるいは麦価等によってこの収支の概要がどういうふうに変化するか、それを一つ御説明願いたい。
  78. 森本修

    説明員(森本修君) 三十年度の食管特別会計によりますと、三十年度に損失と利益と相殺いたしまして約七十億の損失を予定をいたしておりますが、今回の米価の政府原案によりますと、それと減収加算を合計いたしますと、約百六億の損失金の増加ということに相なります。ただこの二つの損失に対しましては、見合いの財源を用意をいたしておりますので、予定の損益といたしましては、予算に計上いたしました七十億と変らない、そういうことに相なっております。  麦価につきましては、国内産の麦価が若干下りましたので、歳出が約三億程度減少をいたしますが、売り渡し価格も下りましたので、むしろ損失の増加と相なります。内麦につきましては、ただその内麦の損失の増加を外麦の売り渡し価格の値上げによりましてカバーをする方針を取っておりますが、麦につきましては損益が変更がないということになります。
  79. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) 主計局から出しておられる予算説明の中に、食糧管理特別会計の歳入歳出の項目がおのおのあげてあるのですが、これが今度の米価変更によってどういうふうに変化して行くか、これを一つ数字で示していただきたい。
  80. 森本修

    説明員(森本修君) 先ほど申し上げました減収加算と米価の予算米価よりの値上り、これを合せまして歳出増が同じく百六億と予定されております。
  81. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) それはわかっているのです。ここにあげてある予算の概要の形式で、歳入歳出、この形式でどういうふうに変化するか。
  82. 森本修

    説明員(森本修君) 食糧買入費が百六億増加いたします。
  83. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) それから食糧管理費はその収支がどういうふうに…。この項目でその収支がどういうふうに違うか……。
  84. 森本修

    説明員(森本修君) 食糧管理費は約十八億ほど減少になる見込みであります。それから米価の値上げに伴います財源の捻出によりまして変動して参ります項目は、まだ計数整理が全部済んでおりませんので、金額が最終確定はいたしておりませんが、食糧の売払代が若干増加いたします。
  85. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) これは明日でいいですが、三十年度予算の概要をもう一ぺん。新らしい米価その他によって変更されるものを、新らしい資料としてお出し願いたい。
  86. 永井純一郎

    永井純一郎君 食糧庁長官見えていないので、きのうの質問の続きなんですが、あるいはよくわからぬかもしれませんが、数字だけちょっと聞いておきたいのですが、一万六十円という米価について、これは生産費も十分に考えているのだという答弁があった、その結果、それじゃ生産費はどういう計算の生産費としたかと、こういう質問に対して答えたのが、清井君の方からの答弁された数字は非常にわかりにくかった、ざっと口で言ったからわかりにくかったのですが、反当り物財費が七千三百八十五円、労力費が九千百十七円、それから資本利子、これは土地資本利子——地代だろうと思いますが——これが五百十八円という答えがあった、それでこの五百十八円というのは一体どういう計算なのか、これをちょっとお伺いしておきたいのです。
  87. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ただいまお話の生産費の内訳でございますが、実はただいまお話のありました生産費につきましては、実は二十七年の生産費を基礎にした数字を昨日長官が御説明申し上げたと存ずるのでありますが、その中に資本利子として五百十八円ございます。実は今細目の数字を持って参らなかったのでございますが、現在統計調査部でやっております生産費の調査におきましては、擬制的に資本利子としてあげてあった部面もあるのでありまして、この資本利子の内訳の内容は、固定資本に対します資本利子と、それから流動資本に対する資本利子と、それから労働資本に対する資本利子と三つで構成されておるわけでございます。で実はその内訳の細部をちょっと今日持って参りませんでしたので、はなはだ申しわけないのでございますが、そのうちの固定資本は御承知の通り生産に用います固定資産分の、固定資産に対します資本利子に相当する部分でございます。これは実際に米にかかっております負担部分、期間的にも一年中通じて米に用いられておりませんので、その負担日数、負担割合に応じまして国債利率をかけまして算出するわけでございます。固定資本利子は今申し上げたようなものでございます。流動資本利子も生産のために直接投ぜられた流動資産に対しまして、それを資金調達をしてそういう流動資産を買いまして投入したという擬制のもとに、それに対する資本利子を計上しております。それから労働につきましても実は自家労働が御承知の通り大部分を占めておるわけでございますが、全部雇用いたしましたとして、雇用した場合にその資本が投ぜられるわけです。それに対する資本利子というわけで計算をいたしましたのが総計五百十八円、こういうことになっております。
  88. 永井純一郎

    永井純一郎君 固定資産、流動資産の利子それから労働資本利子、その三つが五百十八円というのは、いかにも小さいと思うのです、それはね。これはまるきり話にならない数字だ。ですからどういうふうにして五百十八円が出たか、どういう計算をしたか、まさにおかしいです。五百十八円ということはないわけです。小作料か何か、平均小作料かおそらく平均五百十八円ぐらいになっておるからそれをぽんと入れておるのじゃないですか。
  89. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ただいまお話のございました資本利子の中には土地資本利子は別に除いてございます。地代として別に除いておりまして、それ以外。固定資産、流動資産、労働資産から除いておるわけでございます。
  90. 永井純一郎

    永井純一郎君 地代は幾らです。
  91. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) きのう申し上げた数字では千九十四円ということになっております。
  92. 永井純一郎

    永井純一郎君 千九十……。それはきのうのに入っていませんね。一万三十五円の中に入っていませんよ。抜いちゃったのかな。
  93. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 一万三十五円の中には、ただいまの千九十四円は入っております。
  94. 永井純一郎

    永井純一郎君 いやしかしきのうですね、食糧庁長官が物財費七千三百八十五円、労力費が九千百十七円、それから資本利子が五百十八円、合せて一万七千二十円になる。ここから副産物の収入二千十円を差し引くと一万五千十円となり、これを二石四斗二升で割って石に直して、六千二百二円、これは私言うのをずっと書いたので間違っているかもしれぬが、ですから入っていないのです、そういうものは。
  95. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) きのう申し上げた数字は実は確定的な考え方ではありませんで、一応試算のような形の数字になっておりますが、一応考え方といたしまして平均生産費をそのままとっておりませんで、いわゆるバルクラインの考え方で平均生産費をこの考え方の上にずらしておるわけであります。その場合に地代相当部分は土地によりまして地代が変ってくるわけでございます。生産費の高くなるような限界点に近くなりますれば地代分も小さくなって参りますわけで、地代を含めて引き延して参りますとおかしな結果になります。最初の計算におきましては今おっしゃった通りの数字でございまして地代を除いて計算しておりまして、それから標準偏差だけ伸ばしましたのが八千百十一円、それに地代をそこへ加えております。千九十四円という地代を加えて出しております。
  96. 永井純一郎

    永井純一郎君 わかりました、それで。この二石四斗二升という平均反収は三千戸の調査農家だけの平均反収ですか、これは。
  97. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ここに持って参りました生産費は三千戸のうちで更に災害を受けた農家あるいは非常に供給力の小さい農家いわゆる自給農家というものを除きました米を販売しております農家につきましての平均値をとってございます。
  98. 永井純一郎

    永井純一郎君 災害農家は全部除いているのですか。
  99. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 一応調査約束で災害率が二〇%以上のものを除くとしたわけでございます。従いまして二〇%未満の災害を受けたものはこの平均値の中に入ってきております。
  100. 永井純一郎

    永井純一郎君 そこでもう一つお伺いしたいのは、こういう計算ができるのかどうかしりませんが、この統計調査部の生産費調査のこの材料を使って、生産費の安い農家からずっと累積して行って出した限界生産費というものは出せると思うか、それは幾らになるのですか。
  101. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) どうも申しわけございませんが資料を忘れて参りましたので、あとで調べます。
  102. 永井純一郎

    永井純一郎君 それでは今のこの生産費の一万三十五円というものを今いろいろ質問したことを、詳しく書いた資料にして出していただきたいと思います。それからもう一つ供出農家の平均反収が幾らなのですか。この二十九年度はこれは基本にしていいようですが。
  103. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 先ほど申しましたように、販売農家につきましての平均はございますけれども、さらにそれから供出農家だけを除きました資料はございません。
  104. 永井純一郎

    永井純一郎君 いや、全国の供出農家の平均反収。
  105. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ちょっとそれは調査しておりませんでした。
  106. 永井純一郎

    永井純一郎君 それは割当のときにはあるはずです。
  107. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 供出農家ということでは現在ありませんで。
  108. 永井純一郎

    永井純一郎君 供出した農家ですよ。その全国平均反収とその最低の反収、おそらく一石六、七斗ぐらいから関西では供出していますから、平均反収と割り当てた供出農家の最低の反収、この二つを知りたいのです。
  109. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 現在の調査では全農家、それは販売をいたしておりますのも、販売いたしておらないものも、全部農家を含めたものの平均値とまた個々の調査を、それから販売農家とこうございまして、販売農家のうちさらに供出だけしかやっていない農家というのは実は分けていないわけであります。しかし大体におきまして販売農家というものが大部分政府に売っておるわけでございますから、今申し上げた販売農家に関する数字が大体供出農家の数字と一致するというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。それで今ここに出ておりますのは平均値だけしか出ておりませんので、ほかの資料と一緒に提出いたします。
  110. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) それから私から一つ。先ほど購入飼料の御説明があったんですが、御説明によると、国内で飼料が不足して、しかも価格が値上りをした。従ってその価格を安定し、あるいは需給をバランスさせるために、輸入飼料を買い入れるということになっておりますので、実際の状態からいえば、この輸入飼料を適当な時期に適当な場所からお買いになれば、ここに出るような大きな欠損なんというのは出るようなことは考えられないように思うんですが、どういう操作でこういう欠損が出るのか。それからそういう輸入飼料を扱うのは、もちろん食管会計自体でおやりになるんでしょうが、どういう所が扱っていて、どれくらいの部分をそれらの会社なり商社なりが扱うのか、その辺の事情を少し詳しく御説明を願いたいと思います。これは特に二十九年度の実績としてどういうことだったのか。さらに三十年度計画としてどういう操作をされ、どういう値段で処置されて、こういうことになるのか。
  111. 原田傳

    政府委員(原田傳君) ただいまお尋ねの点でございますが、国内におきまする飼料の需給の状況は、品物によりましてそれぞれ違う点がございまして、現在の状態で参りますと、比較的価格が安定しておりますものといたしましては、トウモロコシでありますとか、大豆かす等でございまするが、これと違いまして、ふすまなどにつきましては、ふすまの需要が非常に強くなっておりますために、国内産の供給では間に合わないという現象が起きて参りまして、ふすまなどにつきましては、たとえば昨年の夏あたりに非常に急激に需給が逼迫いたしまして、高い値段になっておる。その後それが一時落ちつきましたけれども、また昨年の暮以来高くなっておる、こういうような現象を生ずるのでございまして、これに対しまして先ほど申し上げましたように、飼料需給安定法によりまして、食管会計の負担において海外からふすまを輸入いたしたのでございますが、先ほど申し上げましたように、国内価格が相当高くなってはおりますものの、海外から入れますと運賃等を加算いたしまして、さらにそれより上回るというような現象を生じて参るのでございまして、そのために赤字をあらかじめ用意いたしませんと国内の供給を十分ならしめるための輸入ができないというような状態になりますので、今回のようにあらかじめ一定の計画に基きまして、ふすまにつきましては先ほど申し上げましたように十万六千トンを、平均的に見ましてトン当り約二万八千円ばかりで輸入いたしたわけでございます。これを現実に売って参りますと価格差が生じて参るというような状況でございます。トウモロコシなどにつきましては、これは国内価格に相当見合う程度で輸入が現在行われておりますので、政府がこれを直接輸入するというような状態にまでまだなっておらないというような状況でございます。麦類につきましては、飼料用に適しますマニトバ五号というものを輸入いたしまして、これは国内におきまする麦価の体系がございますので、その麦価の体系に即しまして放出いたしますので、この面におきましては、むしろ逆に黒字が出るというような状態にあるわけでございます。大豆につきましては、やはり輸入価格というものと国内価格との間に差額が生じますために、その差額をあらかじめ用意いたしませんと必要量を輸入することが困難である、こういうような状態にありまして、これらを通算いたしまして、本年度計画といたしましては、先ほど申し上げましたように四億四千万円ばかりの赤字になっておるという状況でございます。また輸入の取扱いでございますが、これにつきましては従来からこの輸入の実績にありまする商社を指定いたしまして、約十社ばかりになっておりますが、この十社をして輸入を取り扱わしめるという行き方でございます。
  112. 佐多忠隆

    主査佐多忠隆君) どうも今の御説明からも、四億四千万円もの負担が出るという計算が納得できない。従ってさっき申しましたこれに関する二十九年度の輸入、あるいは価格の状況がおのおのどうだったのか。それから三十年度計画としてどういうふうにやっておられるのか、こまかい数字、それから今の取扱いの十社が過去においてどういう扱いをしたか、三十年度に大体どういう扱いをさせるような予定にしておられるか、それらの詳しい資料を御提出願いたい。  他に別にございませんか。それでは御質疑がないようでありますが、農林省所管については一応これで終る予定にしていたんですが、本日は一応これで終了しておきますが、大臣も見えておりませんので、さらに明日あるいは大臣にも来ていただいて、別な問題についての御質疑をいたすかどうか、それらの点についてはあとで御相談をしてきめることにいたしたいと思います。とにかく一応本日はこれで終了いたします。次回は、あした二十九日午前十時から開会いたします。本日はこれで散会いたします。    午後六時二十九分散会