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田中啓一君 むずかしい問題には違いないと思いますが、しかし何分にも
投資効果が少くて、もっと多いところへ向けようという、金も不足しておるときに、そんなところは不能率じゃないか、これがおそらく
農業投資というものがなかなかできない
根本原因だと私は思う。でありますから、これは何としても大
見当でも、やはり他の第二次産業と比べて、そうしてはっきりして、そうしてこれだけの
効果はあるのだ、そうしてまたそのほかにもこういういいことがあるのだというようなふうに持っていかなければこれは強力に進めぬのであろう。先ほど
経済審議庁は、国の
財政投融資だけでも三十一年からは六百億以上にしなければならぬと思う、
努力したい、政府全体として
努力したいというお
考えは、まことに私は
衷心賛成であります。私どもも大いにそれを推進することにやぶさかではございませんが、やりたいのでございますが、何分にも
世間の抵抗は強い。強いのは、私はわからずに強いのではないか、お互いに自分の業種のところへ金を持ってこようとみなかかるのは、これは当然なんだ。でありますから、これはやはり
経済的な比較というものをやらぬことには乗り切れぬのではないかというふうに思いますが、その点を
一つぜひやっていただきたい。つまり土地改良をやって、
増産というものが、たとえば一億投下すれば米が十万石よけい
増加いたしますと、
——それほどには大ていどこもいかぬだろうと思いますが、そういうところからやはり他の産業との比較はできると思う。ことに今基盤産業、あるいは特に重要と認められるものについては非常に合理化をやろうということで、その方への
投資を大きく向けていこう、こういうことになっておるときでありまして、私の所見によれば、
農業というものは
基礎産業じゃないか、実は今、日本の
経済自立にとっては鉄や石炭と同じようなふうに見なければならぬのじゃないかと、こう
考えますので、それらの、今やっておる今度の
投資効果の比較というものは、私はできるのではないかというふうに実は思うのであります。なかなか単純ではありますまいから、困難な作業だとは思いますが、まああまりむずかしいところは切り捨てておいて、お互いとにかく
経済政策をやる者が
見当は立てる。ことにまあ今大臣は通産大臣だけおいでを願ったのでありますが、非常にこの資源開発というものは重大視して、国土狭きにあらず、資源開発の知恵が足らんのだ、
努力がたらんのだ、思い切ってやらんのだ、こういうことを常に口にしていらっしゃる。そういうときでありますから、どうしてもそこのところを
一つ明らかにして、
世間に納得さしてこれはお互い進めたい。そうでなければ、例によってこれは農民の陳情運動に過ぎないのだ、議員の選挙区へのおみやげ案に過ぎないのだ、こういうことでは、これはやっぱり国の政策として私はとれないと思う。正直いってまじめに
考えたらそれでは私はやっぱりならんと思う。そうでないのだということが明らかにならなければこの
資金は回らん。また回すべからずだと思う。でありますからどうぞその
一つ資金効果の点についても、今産業合理化をやらんとしているものと比較してどういうことになるのか、こういうことを
一つ見当をおつけを願いたいと思うのであります。
そこで次にもう
一つお伺いしたいのは、この
経済計画のバランスの問題でありますが、おそらく鉱工業
生産物に対して最大の市場を提供しておるものは、
農林水産業だと思う。従って
農林水産業の
生産物と、鉱工業の
生産物と大体交換するところに
——よけい交換できれば国民の生活水準は高くなるし、交換量が減れば水準は下がるのだ。鉱工業としてはそのほかに輸出というものがございますから、そちらに市場を持っていく、
需要を持っていく、まあ二つあわしたものが鉱工業の
生産なんでありまして、この三つのバランスをとって
増加していくところに今後の
経済の発展があり得ると思うのであります。従っておそらくもし
農林水産業の
生産増加というものがこの三カ年
計画なり六カ年
計画に見込んでおられるような
数字にならなければ、鉱工業の
生産の
増加ということもやれないのだから、やってもそれは有効
需要がなくて、できないことをやることになるであろう、こうまあ私は
考えるのでございますが、この点は
一つせっかく通産大臣がおいでになっておりますから、本日御所見を
一つ一ぺん大臣からお伺いしたい。