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吉田法晴君
一つだけ……。時間がございませんから、十分な私の意見を述べて質疑をすることができないのでありますが、バンドン会議にも
鳩山内閣の二つの方向、二つの面が出ました。それは、高碕代表が世界平和のために貢献をしたい、それから
経済的な提携、文化的な協力に貢献をしたい、こういう三つの提案をされた。これは新聞も報じましたし、私
どもも聞きました。ところが、もう一人別の全権で、今までの台湾
政府を認めておるのだから、中国との平和
関係交渉に入ることができない、あるいは
自由主義諸国陣営との協力の範囲内においてしか貿易はできないのだ、こういうぶちこわしの
議論、
——バンドン会議の空気からいいますならば、全くぶちこわし、そうして
日本が孤立するような発言がなされております。この詳細を述べる時間がございませんのを大へん残念に思いますが、そのあと、新聞は
——インドネシア新聞でありますが、新聞は、この人は東条
内閣の閣僚であった、あるいは戦争中の中国の公使であった、こういうことで、その発言に対するインドネシアあるいはアジアの感情を露骨に出しております。
政府は高碕代表を送って、あるいは顧問等も送って、賠償交渉についてのきっかけを得たい、それから
経済提携を通じてアジアで貢献をしたいと思っておられたかもしれませんけれ
ども、そういうあるいは外務省の公使その他の
態度では、これは絶対にインドネシアとの友好
関係を結ぶということ、賠償交渉さえも私はできぬと思う。これはインドネシアだけではございません。その他の点にもございます。私は
鳩山内閣が、あるいは
鳩山首相が、ほんとうに世界大戦を防止したい、あるいは平和共存の今後の世界
政治に寄与したい、そうしてその中においてアジアの平和五原則による、あるいは十原則による友好提携の中において、
日本がその役割りを果したいというならば、私はその面を強く主張して、バンドン会議にも
鳩山首相自身がおいでになるべきであった。最近の外交を見ておりますと、周恩来にしても、あるいはインドネシアの首相にいたしましても、ビルマの首相にいたしましても、世界の各国の人たちがみずから出て、これは国際緊張の緩和のために、あるいは東西交流のために努力をしておる。私は
鳩山首相がもしほんとうに
日本の国の
国民の生活を
考え、あるいは自立
経済を
考え、平和と幸福を
考えられるならば、勇を鼓してその最後の御努力を、世界のトップ・レベル・トーキングに参加せらるべきだと思う。
選挙でなぜ勝ったかということは、これは御存じであるはずだ。私は
選挙の当時においては、それがおそらく空
約束であろうということも申して参りましたけれ
ども、しかしあなたの言われた平和外交なり、あるいは国交回復なり、あるいは自立
経済への努力というものについては、そして
選挙に臨むいわゆる
政治家的なうまさについては、心から感服をいたしましたけれ
ども、その後は、あるいはアメリカに押されあるいは
自由党に押されて、完全にそのいい面はなくなってしまった。しかも気魂を失ってしまって、喧嘩に負けたしゃもみたいに、頭を垂れてしまったような格好、(笑声)それでは
政治生命はこれは完全にございません。
国際的な平和共存のために、あるいは平和外交のために、
国民のために、最後の努力を、みずから腰を上げて国際的な
政治の面に乗り出す決意はないか。あるいは今からでもおそくはございませんが、あなたのいい面について、
日本の
国民生活の向上と、それから平和と独立のために努力をする勇気はないかどうか。もしなければ、もしなければ、政権を投げ出して、私ら社会党にお渡しなさい。バンドン会議の実情、あるいはそれと同じ精神に貫かれましたアジア諸
国会議に私
ども出席してみて、もうアジアの動向は、あるいは世界においてもそうでありますが、これは平和共存以外にない、五原則以外にないと思って参りましたが、内外の
政策について勇気を持って立ち上がるか、それとも、投げ出して社会党にやらせるか、そのいずれかを選ぶほかないと思いますが、最後に
一つ御
答弁を
鳩山首相にお願いいたします。