○片柳
眞吉君 私は最初にまず
総理に御
質問をいたしたいと思うのでありますが、実は現
内閣の
経済政策の推進の仕方につきまして、基本的な
考え方を聴取いたしたいと思うのでございます。と申しますのは、現
内閣は過般の総
選挙におきましていろいろの
経済政策を掲げておりまするし、またことしの一月に総合
経済六カ年計画を立てられておるのであります。しかしこの計画を達成するのに、どういうような
考え方でこれを実現するかについては、実は必ずしも明瞭でないようであります。実は私は現
内閣の性格というものにつきましても、はっきりまだつかみ得ないのでありまして、
日本民主党が旧改進党、自由党に属された方あるいは
日本自由党この三者の合体であるのでありまして、従来の改進党の主張あるいは自由党なり
日本自由党の主張等から
考えて参りますると、
経済政策の点においても若干の何と申しまするか、思想の統一というものが私はないのではないかということを実は
心配をしておるのであります。現在の
経済閣僚の顔ぶれを拝見いたしましても、
大蔵大臣あるいは通産
大臣、農林
大臣あるいは最近文相になられました前政調会長の松村さん等、こういう方の従来のお
考えも若干
承知をしておるのでありまするが、そういう点から見ても何かしら
経済政策を実現する方策につきまして、あるいは完全なる自由主義
経済でやっていくか、あるいはその自由主義
経済の行き方について国が必要なる調整を加えていくか、こういう点についてどうも今日までのところでは若干のちぐはぐが私はあるのではないかということを実は
心配をしておるのであります。そういう
意味でこれは特に
総理から、基本的な問題でありますのでお答えを願いたいのでありまするが、私
どもも国内で増産ができ、
国民の企業努力によって物がどんどん増産され、物価もやがて安定するものにつきましては、これは私は国家がよけいなおせっかいをする必要はないと思うのでありまするが、しかし国内でほとんど生産ができ得ない、あるいは生産がされましても増産の可能性の少い物資、
言葉をかえますれば、貴重な外貨を使いまして外国から輸入する物資につきましては、やはりこれを国内に流す場合においては、その流通過程に必要なる調整を加える必要があるのではないかというふうに、実は私は最近の事態からもそういうような
考えをいたしておるのであります。
大蔵大臣は過般の御演説でも、貿易の自由化ということを言っておられましたけれ
ども、しかし現在の外貨事情から見て参りますれば、そう簡単にこれが実現はできないと思うのでありまして、やはり少い手持外貨を有効に使う
意味から外貨の割当をして、やはり必要最小限度の物しか輸入はでき得ない、またよけいな物を入れてはならないというふうに私は思うのであります。そういう点から具体的にこれは
総理に申し上げますると、たとえば外貨がそういうような事情から、輸入がそうふんだんには入れ得ない。こういう点からもうすでに御
承知と思いまするが、たとえば石油でありまするとか、あるいは砂糖でありまするとか、あるいは農村で使いまするところのカリ、燐酸肥料でありまするとか、あるいは大豆というようなものは、どうしてもこれは供給力が需要に対して、完全にこれが需要供給が合うというわけには私は
いかんと思うのであります。現に砂糖なり、大豆なり、あるいはカリ肥料等が相当値上りをしてきておることは、これは御
承知と思うのでありまして、従いましてこういうような国内の企業努力なり、
国民の努力で増産でき得ない、従って貴重な外貨を使って入れざるを得ないものについては、これを
国民に渡るまでの流通過程においては、やはりある程度その需給を調整し、あるいは価格が暴騰した場合においては、その価格を統制的なバックをもってこれを押え、あるいはその物資が偏在する場合においては、その偏在を是正するというように、こういうやはり私は全く無計画な自由主義
経済については、相当のチエックをする必要があろうかと思うのでありまするが、
総理はこの点につきましてどういうお
考えを持っておりまするか。これは私は六カ年計画を立てられましても、このプリントを見ましても、計画達成のための
前提という章がございまするけれ
ども、いかにしてこの計画を具現するかという方策については、この発表には何ら書いてないのでありまして、どうも
経済閣僚の皆さん方のお顔ぶれを拝見いたしましても、やはり相当自由主義的な
考え方の方と、ある程度その行き方に調整、チエックをすべきであるというような御
意見と、私は分れておるのではないかというふうに実は思うのでありまするが、
総理はこの問題につきましてどういうお
考えを持っておりまするか。これは特に
総理から御
答弁を願いたいと思います。