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1955-07-30 第22回国会 参議院 本会議 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月三十日(土曜日)    午後零時十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第四十三号   昭和三十年七月三十日    午前十時開議  第一 優生保護法の一部を改正する法律案(本院提出、衆議院回付)  第二 女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律案(本院提出、衆議院回付)  第三 地方道路税法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 運輸省設置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第六 国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第七 医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出) (委員長報告)  第八 恩給改訂に関する請願(二十八件)(委員長報告)  第九 恩給不均衡是正に関する請願(二十九件)(委員長報告)  第一〇 恩給法中一部改正に関する請願(二十八件)(委員長報告)  第一一 恩給法中一部改正等に関する請願(二件)(委員長報告)  第一二 戦没者公務死範囲拡大に関する請願(委員長報告)  第一三 恩給法等一部改正に関する請願(三件)(委員長報告)  第一四 戦没者遺族扶助料等に関する請願(委員長報告)  第一五 傷病恩給増額に関する請願(委員長報告)  第一六 傷病恩給適用範囲拡大に関する請願(委員長報告)  第一七 結核症障害者の恩給に関する請願(委員長報告)  第一八 養護教諭の恩給に関する請願(七件)(委員長報告)  第一九 元樺太特定郵便局長の恩給に関する請願(委員長報告)  第二〇 旧軍人下級者公務扶助料是正に関する請願(委員長報告)  第二一 水産省設置に関する請願(委員長報告)  第二二 行政機関職員定員法中一部改正等に関する請願(委員長報告)  第二三 行政機関職員定員法中一部改正に関する請願(二件)(委員長報告)  第二四 旧軍人未亡人老齢者等恩給改訂に関する請願(委員長報告)  第二五 戦争未亡人の扶助料に関する請願(二件)(委員長報告)  第二六 未帰還公務員の恩給に関する請願(六件)(委員長報告)  第二七 頭部重傷戦傷者の恩給に関する請願(委員長報告)  第二八 北富士演習場の騒音による山梨県中野中学校等損失補償に関する請願(委員長報告)  第二九 北富士演習場中一部使用に関する請願(委員長報告)  第三〇 米軍演習による被害農家等損害補償の請願(委員長報告)  第三一 山梨県梨ケ原開拓者駐留軍演習地の一部を返還する請願(委員長報告)  第三二 東富士演習場地域農民の補償等に関する請願(委員長報告)  第三三 防災業務の一元化に関する請願(委員長報告)  第三四 国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当支給に関する法律中一部改正に関する請願(七件)(委員長報告)  第三五 東北地方薪炭手当に関する請願(三件)(委員長報告)  第三六 山形県の薪炭手当に関する請願(委員長報告)  第三七 青森県の薪炭手当に関する請願(委員長報告)  第三八 岐阜県飛騨地方薪炭手当に関する請願(委員長報告)  第三九 薪炭手当の法制化に関する請願(二件)(委員長報告)  第四〇 秋田県能代市の薪炭手当に関する請願(委員長報告)  第四一 福島県下郷町の寒冷地手当に関する請願(委員長報告)  第四二 気象通信従事者特殊有技者手当支給の請願(委員長報告)  第四三 大規模償却資産に対する固定資産税課税暫定措置に関する請願(十四件)(委員長報告)  第四四 倉庫業に対する固定資産税軽減の請願(委員長報告)  第四五 地方鉄道、軌道業に対する固定資産税減免の請願(委員長報告)  第四六 地方鉄道、軌道業に対する事業税の課税方法改正の請願(委員長報告)  第四七 建築板金業個人事業税撤廃に関する請願(委員長報告)  第四八 木材引取税撤廃に関する請願(二十一件)(委員長報告)  第四九 農業協同組合等貨物自動車自動車税免除に関する請願(委員長報告)  第五〇 娯楽施設利用税適正化等に関する請願(委員長報告)  第五一 スケート場娯楽施設利用税撤廃に関する請願(委員長報告)  第五二 市民税所得割基準税率すえ置に関する請願(委員長報告)  第五三 東京都府中市の財政措置に関する請願(二件)(委員長報告)  第五四 入湯税等軽減に関する請願(委員長報告)  第五五 ソ連地域抑留同胞救出に関する請願(委員長報告)  第五六 ソ連外各地域の抑留同胞救出等に関する請願(三件)(委員長報告)  第五七 ソ連、中共地域抑留同胞救出等に関する請願(委員長報告)  第五八 ソ連地域抑留同胞救出等に関する請願(委員長報告)  第五九 ソ連抑留同胞の引揚促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第六〇 南方地域残留同胞の捜索に関する請願(委員長報告)  第六一 中国人ふ虜殉難者遺骨収集等促進に関する請願(委員長報告)  第六二 韓国抑留漁船乗組員の送還に関する請願(二件)(委員長報告)  第六三 李承晩ライン撤廃等に関する請願(二件)(委員長報告)  第六四 千葉県木更津航空基地拡張反対に関する請願(委員長報告)  第六五 横田飛行場整備のための土地追加買収反対に関する請願(委員長報告)  第六六 兵庫県伊丹飛行場拡張反対に関する請願(委員長報告)  第六七 東京都立川基地拡張反対に関する請願(委員長報告)  第六八 長崎県鳥島海域の駐留軍演習地廃止に関する請願(二件)(委員長報告)  第六九 兵庫県元陸軍演習地青野原米空軍使用反対に関する請願(委員長報告)  第七〇 東京都代々木地区駐留軍将兵宿舎米軍将兵入舎反対に関する請願(委員長報告)  第七一 沖縄の日本復帰促進に関する請願(委員長報告)  第七二 東南アジア諸国との善隣関係樹立に関する請願(委員長報告)  第七三 原子戦争準備反対に関する請願(委員長報告)  第七四 旧軍港市における旧軍用財産の使用に関する請願(委員長報告)  第七五 米国在住同胞所有外貨債有効化に関する請願(委員長報告)  第七六 中小企業に対する税制改正の請願(委員長報告)  第七七 税理士法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第七八 海外引揚老齢民間人留置財産補償に関する請願(委員長報告)  第七九 在外資産補償暫定措置に関する請願(委員長報告)  第八〇 大かん練乳用砂糖消費税免除に関する請願(委員長報告)  第八一 在外資産補償に関する請願(委員長報告)  第八二 三級清酒設定反対に関する請願(百五十五件)(委員長報告)  第八三 葉たばこ収納価格適正化等に関する請願(委員長報告)  第八四 運動用具の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第八五 二級清酒の酒税引下げに関する請願(三十件)(委員長報告)  第八六 建築板金業所得税軽減等に関する請願(委員長報告)  第八七 福島県に国立たばこ試験場設置の請願(委員長報告)  第八八 労働金庫に対する資金運用部資金の長期融資の請願(委員長報告)  第八九 大分県国東半島を瀬戸内海国立公園に包含するの請願(委員長報告)  第九〇 瀬戸内海国立公園特別地域鷲羽山施設費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第九一 国立公園施設整備費国庫補助復活に関する請願(委員長報告)  第九二 上水道地盤変動対策事業の継続施行に関する請願(六件)(委員長報告)  第九三 宮崎県の簡易水道事業費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第九四 下水道国策樹立に関する請願(二件)(委員長報告)  第九五 高知県安芸市に水道敷設の請願(委員長報告)  第九六 東京都多摩村向ノ丘に結核療養所建設反対の請願(委員長報告)  第九七 宮崎県立宮崎病院整備費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第九八 医師介輔制度適用期間延長に関する請願(委員長報告)  第九九 ヒロポン害悪撲滅対策に関する請願(委員長報告)  第一〇〇 市の社会福祉事務所専任医師を常置する等の請願(委員長報告)  第一〇一 市の社会福祉事務所経費等補助に関する請願(委員長報告)  第一〇二 生活保護法最低生活基準額引上げに関する請願(三件)(委員長報告)  第一〇三 生活保護法最低生活基準額引上げ等に関する請願(委員長報告)  第一〇四 身体障害者更生資金に関する請願(三件)(委員長報告)  第一〇五 同和問題国策樹立に関する請願(四件)(委員長報告)  第一〇六 韓国及び台湾出身戦犯者生活保障に関する請願(委員長報告)  第一〇七 母子福祉総合法制定に関する請願(四件)(委員長報告)  第一〇八 母子福祉総合法制定等に関する請願(二件)(委員長報告)  第一〇九 児童福祉事業の危機打開に関する請願(委員長報告)  第一一〇 季節保育所開設費等国庫補助に関する請願(委員長報告)  第一一一 季節保育所開設費国庫補助復活に関する請願(委員長報告)  第一一二 保育所費用徴収基準改正等に関する請願(委員長報告)  第一一三 健康保険保険率引上げ等反対に関する請願(委員長報告)  第一一四 健康保険法による医療給付適用期間延長等の請願(委員長報告)  第一一五 健康保険制度確立等に関する請願(委員長報告)  第一一六 健康保険費増額等に関する請願(委員長報告)  第一一七 社会保険関係法規改正反対等に関する請願(三件)(委員長報告)  第一一八 船員保険医療給付国庫負担に関する請願(委員長報告)  第一一九 埼玉県川口市国民健康保険組合直営川口市民病院新築反対に関する請願(委員長報告)  第一二〇 社会保険制度の確立に関する請願(百三件)(委員長報告)  第一二一 未帰還者留守家族等援護強化に関する請願(四件)(委員長報告)  第一二二 来帰還者留守家族の援護等に関する請願(委員長報告)  第一二三 東京都外地引揚者寮補修整備等促進に関する請願(委員長報告)  第一二四 戦傷病者完全医療給付等に関する請願(二件)(委員長報告)  第一二五 戦傷病者戦没者遺族等援護法における船員の処遇改善の請願(委員長報告)  第一二六 学徒戦争傷害者援護補償に関する請願(委員長報告)  第一二七 戦没者遺族処遇改善に関する請願(委員長報告)  第一二八 旧豊川海軍工しよう動員学徒戦没者等遺家族援護に関する請願(委員長報告)  第一二九 戦傷病再発医療費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)  第一三〇 戦傷病者戦没者遺族処遇改善に関する請願(委員長報告)  第一三一 戦没軍属遺族の処遇に関する請願(委員長報告)  第一三二 濠北地域所在遺骨収集に関する請願(委員長報告)  第一三三 海外所在遺骨収集に関する請願(委員長報告)  第一三四 在華日本人遺骨の収集等に関する請願(委員長報告)  第一三五 日雇労働者の生活安定に関する請願(委員長報告)  第一三六 日雇労働者失業保険金増額等に関する請願(委員長報告)  第一三七 失業対策事業に関する請願(委員長報告)  第一三八 宮崎県串間市に公共職業安定所設置の請願(委員長報告)  第一三九 四国電力株式会社の人権じゆうりん事件に関する請願(委員長報告)  第一四〇 四国電力株式会社不当労働行為事件に関する請願(委員長報告)  第一四一 国土総合開発促進に関する請願(委員長報告)  第一四二 総合開発事業等促進に関する請願(委員長報告)  第一四三 北奥羽地域総合開発促進に関する請願(委員長報告)  第一四四 只見川特定地域総合開発促進に関する請願(三件)(委員長報告)  第一四五 只見川電源開発工事促進等に関する請願(二件)(委員長報告)  第一四六 只見川電源開発工事促進に関する請願(委員長報告)  第一四七 石油資源開発に関する請願(委員長報告)  第一四八 電気料金引下げに関する請願(委員長報告)  第一四九 只見川電力電源地方に優先確保するの請願(三件)(委員長報告)  第一五〇 日中貿易協定に関する請願(委員長報告)  第一五一 日中貿易促進に関する請願(委員長報告)  第一五二 日中貿易協定締結促進に関する請願(委員長報告)  第一五三 中小企業金融機関の拡充等に関する請願(委員長報告)  第一五四 中小企業振興対策に関する請願(委員長報告)  第一五五 発明振興対策に関する請願(二件)(委員長報告)  第一五六 オリンピック等派遣費充当のための特別自転車競技開催許可に関する請願(委員長報告)  第一五七 国産麻製品使用に関する請願(委員長報告)  第一五八 中小企業協同組合法中一部改正等に関する請願(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      —————・—————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  外務大臣から、昨日の本会議における答弁を補足するため、発言を求められました。この際、発言許可いたします。重光外務大臣。    〔国務大臣重光葵登壇
  4. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 昨日の本会議における緊急質問に対しましてなしました私の御答弁を補足申し上げます。  その際に、外電でしきりに伝えられておる新兵器輸送に関する報道について、米国大使館側に問い合せた上でさらにその結果を御報告をする、お答えをするということを申し上げておきました。その問い合せの結果、大使館当局は次の通りに通報して参りました。新型兵器日本に輸送する計画はあるが、これは原子爆弾とは何ら関係はないものである、これにはいわゆる原子弾頭を装置をしておるたまを使うことはできるけれども、日本向けのものにはかような原子弾頭のついておるたまを持っておらない。こういう返事でございました。(「おかしいじゃないか」「もっとはっきり」と呼ぶ者あり)  原子爆弾に対するわが方の態度及び方針は、従来しばしば説明を申し上げた通りでありまして、何ら変更はございませんことは、昨日も申し上げた通りでございます。今後もこの方針によって処理をいたす考えでございますことをつけ加えて申し上げます。
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) ただいまの外務大臣発言に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。成瀬幡治君。    〔成瀬幡治登壇拍手
  6. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 日本社会党を代表いたしまして、昨日から問題になっております原子兵器の問題について関係大臣質問いたすものでございます。  第一点は、アメリカの国務省と国防省との仲がどうもうまく行っておらない。もう少し簡単に申しますと、国防省の方の意見が強い。たとえばそれを日本の例にとりますと、たとえば富士山ろく演習場にからむ用水に関して協定等がございますが、そういうものが無視されてしまって、占領政策と何ら違わない現状でございます。そこで、そういう仲でございますから、アリソン大使と、原爆等を、原子兵器等を持ち込まない口頭約束ができておると、こうおっしゃるのですが、私は口頭約束くらいではだめだと思いますから、この際、態度はしばしば声明されておると申しますが、これを文書によってアメリカから取る意思はないのかどうか、保証をしてもらわなきゃならないと思います。それとからんで、基地のふえることも、安保あるいは、行政協定等に基いて、自動的に、アメリカが要求しておると、さらさらと簡単にふやしておる。これもこの際、文書で取る意思がないのかどうかを明らかにしていただきたいと思います。  それから第二点の質問でございますが、今、重光外務大臣答弁を聞きますと、しろうとだから何もわからぬとおっしゃるかもわからぬが、聞いていると、あなたさんのせいじゃないかと思う。原子砲だが、砲弾は持って来ないから、これは差しつかえないのだというようなもし議論が展開されるとするなら、日本国内にも、沖繩だけじゃなくて日本にもこういうものが持ち込まれてくる。一朝有事の際には、すぐ数時間にして日本原爆が持ち込まれるということは疑いもない事実だと思います。原子兵器の問題にからんで、私は保証されていると思う。それにからんで昨日吉田君の質問に対しまして、総理大臣は、政府としては責任をとるということをおっしゃっておる。その言葉は私は非常にあいまいだと思いますから、あなたは責任をとる責任をとるとおっしやるが、どういうときに責任をとるのか、もう一度、私は明確にしていただきたいと思います。  それから第三点としてお伺いしたい点は、自衛隊は今米国へ留学生を出しておるわけですが、これは大体原子兵器訓練を受けておるかどうか。それから共同防衛ということをよくおっしゃるのですが、実際アメリカと打ち合せしちゃって、杉原長官は、もう沖繩原子兵器を持ち込まれるということは承知しておる、あるいは今の重光大臣解釈のようなふうにして、国内にも原子砲を持ち込むということを約束しておるのじゃないか。共同防衛について一つこの際具体的な御説明を承わりたいと思います。  以上、御質問申しまして、お答えによって再質問したいと思います。(拍手)    〔国務大臣重光葵登壇
  7. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  従来原水爆弾日本に持ち込む意思のないということは、口頭だけの約束じゃだめだ、何らかの書きものによってこれを十分確めておく必要があると、こういう御趣旨のようでございました。この御趣旨は十分尊重いたしまして、私も努力することにいたします。この点は、国民としては非常に重要に考えておる点だろうと考えますので、努力をいたします。  それから次に第二の、共同防衛について、原子爆弾輸送のことについても確約があるのではないかというお話がございましたが、この点は全然ございませんことをはっきり申し上げておきます。  自衛隊原子爆弾関係する訓練があるのじゃないかというお話がございましたが、米国において……。これは私はないと思います。しかし自衛隊訓練のことは私から十分確かに申し上げるわけには参りません。まあこれらの問題について、従来政府の考えておりまする方針態度は、昨日も今日も御説明を申し上げた通り、十分に政府といたしましては責任をもってこれに対処することにいたします。(「原子兵器が入って来たじゃないか、どうするのか」「総理々々」「総理大臣答弁」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  8. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 日本の内地に原子爆弾を持ち込むということに関しては、アメリカは必ず日本の同意を求むる。その際には、政府としては原子爆弾の持ち込みに対しては、拒絶をするという従来の私の主張に対しては、私は十分責任をとります。(「持って来たじゃないか。」と呼ぶ者あり)原子爆弾日本に持って来ておりません。(「原子兵器じゃないか」と呼ぶ者あり)来ておりません。    〔国務大臣杉原荒太登壇
  9. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  アメリカに派遣しております自衛隊には、原子兵器操作訓練を受けておる者はございません。(「共同防衛の問題どうした」「共同防衛説明をなさい」と呼ぶ者あり)  共同防衛の点について、原子兵器を持ち込むことについて協定があるかという御質問、これにつきましては、外務大臣から先ほどお答え申し上げた通りでございます。    〔成瀬幡治発言許可を求む〕
  10. 河井彌八

    議長河井彌八君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治登壇
  11. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 重光外務大臣並びに鳩山総理にお伺いしますが、鳩山総理自席一つ答弁願いたいと思います。一体原子兵器というものについて、砲弾と砲とは別だ、砲を持って来たのだ、だからそれは一向差しつかえないのだ、こういうことを言っておるのです。こんな子供だましなことはない。たとえば肉体を売ったけれども貞操は売らないというのと同じですよ。もっと私は誠意ある答弁を願わなければいかぬと思う。現に原子兵器沖繩に持ち込まれた。総理責任をとると言ったが、総理責任をとってやめなさい。責任をとるべきじゃないですか。それについて、もう一度私は明確に御答弁を願いたいと思います。  それから杉原防衛庁長官に伺いますが、あなたは日本共同防衛の担当の責任者だ。共同防衛について何の打ち合せもしておらないのかどうか。打ち合せをしておるとすれば、内容を明確にしてもらいたい。その打ち合せの中に、原子兵器等沖縄に持って来るということを約束しておるのじゃないか、こう質問しておるのでございます。重ねて一つ答弁願いたいと思います。  それから重光さんに一言伺いたいのですが、たまたまとおっしやるのだが、あなたのおっしゃるたま一体なんです。    〔国務大臣重光葵登壇
  12. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  私は今、この問題に対する米国責任者回答について申し上げました。アメリカ側が今回日本に輸送せんとする新型兵器は、原水爆には何ら関係のないものと、こういうことを回答しております。私としては、この回答をそのまま信じて御報告をするよりほかに道はございません。(「原子兵器じゃないか」「飛行機から落すのだけが爆弾だと思っているのか」「総理自席でいいよ」「自席でいいからはっきり」と呼ぶ者あり)
  13. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御登壇を請います。    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  14. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) このたび沖繩アメリカから届きましたオネスト・ジョン・ロケット・アーティラリーというものは、原子爆弾とは違うと私は思います。(「原子兵器じゃないか」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣杉原荒太登壇
  15. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  行政協定の第二十四条によりまして、日本区域において敵対行為が発生した場合及び敵対行為の急迫した事態が発生したときは、日本防衛のために両国政府共同防衛のためにとるべき共同措置について協議するとございますけれども、まだ今日までそういう事態が発生しておりませんので、これによって一つ共同措置についての協定というのは、まだできておりません。従いまして沖縄等の問題について、何らそういう約束もできておりませんのであります。    〔成瀬幡治発言許可を求む]
  16. 河井彌八

    議長河井彌八君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治登壇
  17. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 総理並びに外務大臣並びに杉原防衛庁長官にお聞きしたいと思います。一体原子兵器の中に原子爆弾があると私たちは考えておる。原子爆弾を持ち込まないということだけで、原子兵器云々で逃げておいでになるようですが、一体原水爆だけ持って来さえしなければ何でもいいと、こういう解釈かどうかということを明確にしていただきたいと思います。  第二点は、アメリカが、原水爆とは関係がないと、こう言っておるから、私はそれを信じておる以外にないとか、あるいはそれを取り次ぐ以外にないとおっしゃられる。あなたはアメリカ外務大臣なのか、日本外務大臣なのか、あなたの解釈は私はおかしいと思う。アメリカ原水爆とは関係がないと言うから、私はそれを信じておると、こうおっしゃる。これは原子兵器です。ロケット砲は、たまを持って来さえ、すれば、いつでも撃てるようになる。しかもそれは攻撃兵器なのです。だからあなたのおっしゃるような、ただ単に原水爆とは関係がないからということで済まされぬと思う。あなたのような解釈をすれば、沖縄でなく、これが日本国内にどんどん持ち込まれることになってしまう。私は、しっかりした解釈をもらわなければならぬ重大な問題だと思う。一体原水爆というものとは全然関係がないということでなくして、関係がある原子兵器なのです。だから、アメリカがこう解釈したから、私はそれをとるというようなことでなく、しっかりした私は解釈をとっていただかなければならないと思います。あなたがこういう答弁をされるということになると、何かそこに秘密協定があるのじゃないかというようなことが、何か想像されることになってしまう。ない、ないとおっしゃるけれども、そうじゃない。一体それじゃ、日本に持って来る砲は、たまを持って来なければ無意味なのです、必ず持って来る。持って来るときには、アメリカは何か通知してくるだろうとか何とかおっしゃるが、そんなことは保証されないと思う。それを文書で取るのかどうか、こういうことを質問をしたのです。努力するというが、努力ぐらいで済まされない。一体アメリカに行かれる大きな目的の中に、私たちは行政協定というものは破棄してもらわなければならないと考えておる。破棄並びに修正というようなことまで任務を帯びて行くのか、そういう任務はどうなっておるのか。特に原子爆弾等の問題、原子兵器の問題については、私はアメリカに強硬な主張をしてもらわなければならぬことだと考えておる。それを、原子砲はいいのだ、たまがないからいいと言う、そういうあいまいもこのものはないと思う。もう一度明確に一つ答弁願いたいと思う。委員会ではございませんから、三べんしか質問できないことになっておるから、私は誠意のある御答弁を願わなければならぬと思う。しっかり御答弁を願いたいと思います。    〔国務大臣重光葵登壇
  18. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えします。  原子爆弾の問題が重要な問題であるということは、私は問題のないところであって、たびたびこれは私の方からも申し上げておる通りであります。私はさような危険なものを、ビキニ実験以来わかっておるようなかようなものを、日本に持ち込むということは非常な危険が伴うから、これはわれわれとしては承諾できぬのだという方針でずっときておる。アメリカとしても、そういう意向のないことをはっきりさしておるということも御説明申し上げた通りであります。今回の問題になっておる兵器が、それには全然関係のないことであるという説明をしておるのであります。それを信じる、信じないは、これはみんなめいめい勝手なことであります。しかし私は、一国の責任者回答を他国にしてきたのでありますから、私はこれを信ぜざるを得ないのでございます。しかしその回答中にもあります通りに、(「回答書全文を発表しろ」と呼ぶ者あり)全文は、先ほど発表した通りであります。国会を通じて発表しております。それによって承知することが一番適当であろうと考えるのであります。しかしてこの問題については、できるだけ国民に安心のいくように、先方の相手国の考え方、言質をもとって、これを納得のいく方法によって国民に示したい、こういう努力はいたさなければならぬと思います。さようなことは、今後機会のあるごとに私はいたしたいと、こう思う決意を申し上げておるわけでございます。  これで御答弁にいたします。    〔国務大臣杉原荒太登壇
  19. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  ただいま問題になっております兵器は、原子弾発射専用のものではないと承知しております。(「何を言うか」と呼ぶ者あり)普通弾をも発射することができるものと承知しております。(「専用でないということははっきりして下さい」「議長もう一度答えさせて下さい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  20. 河井彌八

    議長河井彌八君) 静粛に願います。    〔国務大臣杉原荒太登壇
  21. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  ただいま問題になっております兵器は、これは普通弾も同様に発射することができて、原子弾だけに使用する、専用するものではない、そういうものと承知しております。(「原子弾も撃てるんじゃないか」「原子弾が撃てるかどうかということを聞いているのだ」「原子兵器には関係ないじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  22. 河井彌八

    議長河井彌八君) 自席に御着席を願います。    〔国務大臣重光葵登壇拍手
  23. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 先ほど御答弁を申し上げたことを繰り返します。  この報道について米国大使館に問い合せたところ、同大使館当局は、次の通りに通報して参りました。次の通りというのは、以下のごとくであります。「新型兵器日本に輸送する計画はあるが、これは原子爆弾とは何ら関係はないものである。」こういうことでございます。(「それに対して政府がどういう態度をとるかということだ」「さっきの食い違いはどうしたのだ」「それじゃ答弁にならぬ」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣杉原荒太登壇
  24. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げました通り、ただいま問題になっておりますこの兵器は、原子弾専用のものではない、そういうことでございます。普通弾も撃てる、こういうものだということを申し上げた次第であります。(「原子弾用の新しい兵器じゃないか」、「原子弾は撃てると言っているじゃないか」、「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  25. 河井彌八

    議長河井彌八君) 静粛に願います。     —————————————
  26. 河井彌八

    議長河井彌八君) 戸叶武君。    〔戸叶武君登壇拍手
  27. 戸叶武

    ○戸叶武君 きょうの国会並びにきのうの国会を通じての政府答弁に対して、私たちはきわめて不愉快な感じを与えられております。これは私どもだけでなく、国民全体が私はそういう印象を受けておると思うのです。きのうのラジオ、きょうの朝刊等を聞いたり見たりして、国民が自分たちは一体どういう時代に住んでいるのかということをいぶかっておると思うのです。二つの不思議があります。一つは共産党の本部から発表せられたところの同党書記長の徳田球一さんが二年前に亡くなったということを今ごろ発表した。何がゆえにそういう秘密が必要であるかということに対して、共産党はやはり疑惑に包まれると思うのです。これと同じように、鳩山内閣は割合に正直であるという点が取り柄であったけれども、答弁によると、共産党以上に何か秘密がそこにひそんでいるように国民に印象を与えておると思うのです。  そこで具体的に外務大臣質問をいたしますが、外務大臣答弁の中におきまして、われわれが外務大臣答弁を要求しているのですが、それは答弁でなくて、アメリカ大使館に対する問い合せの伝達の役割だけしか日本外務大臣はできないのかどうかということであります。その伝達の内容によりますると、新型兵器日本に輸送する計画はあるけれど、というのですが、一体輸送する計画に対して、あらかじめ日本外務大臣は、それをアメリカ側から承わっておるのでありますか。その運送するところの計画ではなくて、すでに二十九日あたりには沖繩に届いているという新聞報道もありますが、そのことは日本外務大臣は何ら御承知ないのでありましょうか、その点を私は承わりたいと思うのであります。  また、これは原子爆弾とは何ら関係がないのである、これはアメリカ大使館の方の回答文書だと思うのでありますが、果してこれらの原子兵器原子爆弾と何ら関係があるかないかという判断を、外務大臣の資格においてあなたに判断することができないでしょうか、どうでしょうか、その点を私は外務大臣の判断でお聞きしたいのであります。  われわれが今お尋ねするこの原子兵器に対して杉原防衛庁長官に承わりたいのは、杉原さんの方が少し正直のようでありますが、(笑声)とにかくこの兵器は、原子弾専用のものではないというふうな、非常にはっきりした方に近い回答をしておりますが、これは逆に解釈すれば、原子弾も撃てる原子兵器だと私は思うのであります。そういうことは、言葉の上のごまかしというのは吉田内閣でこりこりしているはずであります。(「何を言うのだ」と呼ぶ者あり、笑声)そういうやり方をしたくないというのでこの鳩山内閣は成立したのでありまするが、こういうふうに原子弾専用の兵器ではない、しかしながら、原子弾が撃てるというようなそういう兵器が、原子兵器と見られないかどうか、これは私は、杉原防衛庁長官に良識をもって答えていただきたいと思うのであります。言葉の上のごまかしという点は非常にあと味が悪いものでありますから、私はその点を明瞭にしてもらいたいと思います。  そこで鳩山首相にお尋ねしたい点は、こういうようなコンニャク問答、国民がはっきりわからないような政治的な態度を、鳩山内閣がやっているということが、日本のためによいことであるかどうか、(「こりごりだ」と呼ぶ者あり)特に外務大臣の私は御答弁中において、重光さんともあるものが、何がゆえにアメリカ大使館の使いやっこ的な役割以外にできないのか、重光さんとアリソンとの間に話し合いができたという前に話し合いがあったということでありますが、すなわち、原子兵器日本に送るときにはあらかじめ向うから話があると、あるいは鳩山さん自身のきのうの話では、原子兵器日本に送られないことになっていると、そういうようなことが言われておりますけれども、このアリソンとの間の話し合いの内容というものはどういうものか、それを私は全部明らかにしていただきたいと思うのであります。(拍手)    〔国務大臣重光葵登壇
  28. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  私は昨日申し上げた通りに、この報道に対する真相を米国大使館に問い合せる義務があると思いました。その問い合せの結果をまたその通りに国会に報告する義務があると考えました。それに基いて私は報告をしておるのでございます。  そこで外国の代表者、大使館が責任をもって言うことについては、私はこれは一応信ぜざるを得ないのでございます。私はこれをこの通りに信じておりますことを申し上げます。すなわち、これは原水爆弾とは関係のないものであるということを信じておるのでございます。その以上の御批判や御意見は、私はつつしんで承わるにとどめたいと思います。さようないきさつでこれを御報告申し上げておるのございます。    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  29. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 原子砲というものがどういう性能を持って、どういう機会にこれを使用するのであるかということを、私がもしも知識を持っておりましたならば、良心的な答弁ができるのでありますけれども、原子砲はどういう性能を持ち、どういう時期に用いるかについて存じませんので、ほかの人の説明によって判断をするより仕方がないのであります。すなわち外務大臣が申すように、アメリカ大使のわが方からの質問に答えた答弁によって、これを一応承認して、諸君に答弁をするより仕方がないと私は思うのであります。    〔国務大臣杉原荒太登壇
  30. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) 先ほど私申し上げましたのは、アメリカ側にも確かめたのでありまするが、これは先ほど申し上げました通り普通弾の発射にも用いるものであって、原子弾の発射のみに専用するものでない、そうして普通にほかの場合の例を申しましても、ガス弾をたとえば発射すること、これは普通の大砲の場合も発射し得るのでありますが、これをそれではガス弾を発射し得るものがガス兵器かと、こういうことと同じでございまして、これを原子兵器と断定することは私はむずかしいのではないかと思います。    〔戸叶武君発言許可を求む〕
  31. 河井彌八

    議長河井彌八君) 戸叶武君。    〔戸叶武君登壇
  32. 戸叶武

    ○戸叶武君 重光外務大臣は、私の質問に対して答えておりませんが、的確に答えていただきます。  第一には、原子兵器日本に持ってくる際にはあらかじめ日本の同意を求めるということが、重光・アリソン間の約束によってなされているということでありますが、その内容を明らかにしてもらいたい。  第二点は、あらかじめ日本に輸送するのに際して、通告を受けたかどうか、その点を明確にしてもらいたい。  第三には、この兵器が原子爆弾関係がないというようなことをアメリカ大使館の方では言明しているから、それに従っての言明を日本政府当局はやっておるのかと思いますが、それだけでは国民が納得できません。特に鳩山総理大臣が、原子兵器というものは何か知らないというに至っては、怠慢もはなはだしいのでありまして、これは直ちに鳩山総理大臣が杉原さんからお聞きして、総理大臣責任において原子兵器とはいかなるものであるかを明確に答弁してもらいたいと思います。(拍手)    〔国務大臣重光葵登壇
  33. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えいたします。  私は、米国日本の承諾なくして原子爆弾を持ち込むという意向のないことを明確に承知いたしております。これが従来の御答弁でございます。  原子爆弾を持ち込むということについての通告は、何も受けておりません、これが第二点。  第三点、原子爆弾に何ら関係はないということは、アメリカ責任ある回答ではっきりいたしておるのであります。私はそれを取り扱い、かつまたそれを信じておるものであります。これは米国側のかねての言明に合致するものでございます。    〔国務大臣杉原荒太登壇
  34. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  アメリカ側から事前に通告があったかどうかということ。これは私通告を受けておりません。  第二に、原子兵器かどうかという点につきましては、先ほどお答え申し上りました通りでございます。    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  35. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 原子兵器については、私はどういう性能を持ってどういう機会に使うものかということを知らないと申したのでありまして、原子兵器日本に持ってきまするオネスト・ジョン・ロケット・アーティラリーというものには、原子弾頭、つまり鉄砲のたまの頭の方に原子力を装置することができる砲弾もあるそうであります。その砲弾を撃ったときにどういう効力があるものか、原子力のどの程度のものがその砲弾の中に入れられるのか、それを知らないのでありますが、アメリカはこのたび日本に持ってきた原子砲の中には、そういう砲弾は持ってこないと、こういうことを言っておるのであります。    〔戸叶武君発言許可を求む〕
  36. 河井彌八

    議長河井彌八君) 戸叶武君。    〔戸叶武君登壇
  37. 戸叶武

    ○戸叶武君 御病気の鳩山さんをたびたびわずらわしてお気の毒ですが、このことはきわめて重大な問題でありまして、原子力時代に原子兵器がいかなるものか、その説明を聞いても、それに対する明確な判断ができないようでは、総理大臣は勤まりませんから、もっと明確なあなたの判断によって原子兵器はいかなるものかを御説明願いたい。  それから重光さんにお願いしたい点は、重光さんは何か原子爆弾というような、私の聞かないようなことばかり言っておりますが、爆弾でなく、私の聞いておるのは、原子兵器であります。特に重光・アリソン間に約束があるということを昨日も答弁しておりますのに、その内容が発表できないのは、その約束というものは、何らかの秘密協定かどうか、その点を説明してもらいたいと思うのであります。  それから杉原さんに対しては、この原子砲弾の破壊力はいかなるものか、また原子弾を使わなくとも一般砲弾による場合においては、その威力がいかなるものか、その比較をもして、詳細に説明を願いたいと思います。    〔国務大臣重光葵登壇
  38. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えをいたします。  私は従来問題となり、日本人としても最も関心を持っておるのは危険なる原子爆弾のことであったと思います。危険のないものは何も関係はございません。しかし、この問題につきましては十分に話し合いをしなければなりません。その結果、米国といたしましては、原子爆弾日本の承諾なくして日本に持ち込むことはする意思がないということを申しておるのでありますから、これは秘密協定ではございません。何でもございません。はっきり私が、たびたび公けの席上で申した通りでございます。今回の兵器も、原子爆弾には関係がないということを言っておるのであります。(「質問に対する答弁になっておらぬよ、何を爆弾々々と言っているのだ、おかしいぞ」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣杉原荒太登壇
  39. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) お答え申し上げます。  今回アメリカ側日本に輸送すると伝えられておりますそれ自体のものについての性能は不明でございます。ただ一般的に私らが承知しておりますところでは、原子砲弾の場合にはTNTの一・五ないし二万倍くらいの威力があるということを聞いております。これは原子砲弾の場合でございます。オネスト・ジョンの方は承知しておりません。(「それでも危険がないというのか」と呼ぶ者あり)
  40. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総理大臣答弁をありますか。     —————————————
  41. 河井彌八

    議長河井彌八君) それでは、堀眞琴君。    〔堀眞琴君登壇
  42. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 一昨日並びに昨日の外国電報が日本原子砲及びロケット砲を輸送するという報道を伝えまして以来、各新聞がこの問題について大きな記事を出しております。国民はこれを見まして非常な不安にかられているのであります。私はこの際、国民の不安を一掃するために、今回日本に送られるというロケット砲の問題について、一、二質問を申し上げたいと思うのであります。  ただいままでの同僚議員の質疑に対する政府側の答弁を聞いております、と、全くの詭弁であります。たとえばロケット砲はなるほど普通の砲弾も発射する、同時に原子弾頭を装置した砲弾も発射することができる、しかしこれは原子爆弾ではないという一点張りであります。その性能については、ただいま杉原防衛庁長官から若干の説明がありました。しかしながら、これらの砲弾の性能については、外国の電報にも一部報道され、さらに一年以前から西ヨーロッパにおいては原子砲並びにロケット砲が装置されておるのであります。そして、それらの砲弾の性能については詳しい報道がすでに行われております。それによりますると、大体、ロケット砲弾の先に原子弾のついたものの威力というものは、大体広島に落された原子爆弾の五分の一ないしは四分の一の破壊力を持つものであるというのであります。従って原子爆弾とは異なるという詭弁によって、この新しい兵器のロケット砲弾を否定されることはできないと思うのであります。先ほどの内閣委員会におきまして、私は重光外相にこの問題について質問をいたしたのでありますが、重光外相は、広い意味においての原子兵器であるということを明言されております。もしこれが原子兵器であるということになるならば、五月三十一日の重光・アリソン会談によって定められた、日本原子爆弾ないしはその類似のものは日本の承諾なしには持ってこないという、あの会談の内容に触れるものと言わなければなりません。従って外相は、これらのロケット砲弾を発射すべきところのロケット砲日本への導入を拒絶する意思はないかということを、まず第一にお尋ねしたいと思います。  第二には、ただいまの外相の報告によりますると、日本に輸送する計画は向う側で持っておるということであります。しかし、外電によりますると、二十九日にすでに沖縄には原子砲が運ばれ、また日本にも二十九日には到着しておるということが報道されております。単に日本に輸送する計画があるというだけにとどまらず、外電の報道は、日本に到着しておるということを報道しておるのでありますが、この点について外相はどのように考えられるか、この点をお尋ねしたいと思います。  それから第三に、これは特に鳩山首相にお尋ねいたすのでありますが、昨日私はUP電報の、事前に日本政府と話し合いが行われておるという電報の記事を引用いたしました。何らか事前に日本政府との間に話し合いが行われたのではないかということをお尋ねしたのでありますが、鳩山首相は、これに対して、何ら事前の話し合いはなかった。UP電報も虚報であるという答弁をされておるのであります。今日でもなお、それを鳩山首相はそのように信じていられるかどうかということと、もう一つは、事前の話し合いというものは、五月三十一日のアリソン大使との会談を意味するのかどうかということについて重光外相の御答弁をわずらわしたいと思います。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  43. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) お答えをいたします。  昨日委員会で答弁をいたしました通りに、UPの伝えるがごとくに、事前に日本政府に通知があったということはございません。今日も英字新聞、毎日新聞には、スポークスマンの話が載っておりますが、日本ロケット砲を持ってくるということは、配置はしてあるけれども、現在とどいておるかどうかは知らないというようなことをスポークスマンは書いております日本に持ってくるか全く未定だというふうに書いてある通り日本には何も交渉はございません。(拍手)    〔国務大臣重光葵登壇
  44. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えをいたします。  私は従来、米国側との話し合いで原水爆の問題について話し合いをいたしました。いかなる兵器でも、いやしくも原子力に関係のある兵器は、全部そのカテゴリーに入るものだということで話し合いはいたしたことはございません。私は原水爆のごとき危険な兵器について、アメリカ側の十分な了解を得ておることをたびたび申し上げました。またその際に、日本に対していろいろな兵器を日本に輸送するということについて、談が出たときに、米国側は、常に原子爆弾日本に持ち込む意思のないということを私に認識せしむるに努めました。そこで私は、はっきりと、さような機会にも原子爆弾日本に持ち込まれないものという印象、またそれを信ずることができて、たびたびの機会にこれを確かめて、今まで御報告申し上げたことでございます。  それから輸送計画があるからということが、これはどういうことかと申しますと、おそらくこれはまだ到着しないのであるが、米国側においては輸送をする計画があるということだと私は承知をいたしておりますが、この点については米国側の計画を十分に突きとめて、私はこれを明確にしたいと、こう思っておる次第でございます。    〔堀眞琴君発言許可を求む〕
  45. 河井彌八

    議長河井彌八君) 堀眞琴君。    〔堀眞琴君登壇拍手
  46. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 ただいまの鳩山首相の御答弁によりますと、依然としてUPの報道はうそである、何ら事前に話し合いはなかった、こういうことでございます。しからばUPのあの報道に対して政府としてはどういう措置をとられるか。私がそう申し上げるのは、この報道が日ソ交渉に非常に大きな影響を与えると思うがゆえに、このUPの報道が虚報であるとするならば、政府としてはこれに対するどういう措置をとられるかを御答弁願いたいと思います。  第二に、重光外相の今の答弁でありますが、原子爆弾についての話し合いは行なった、そのことは私どもも了解することができると思います。しかしこの兵器は原子力関係の兵器、原子兵器であることに間違いはないのであります。従って外相としては、やはりこの兵器についても、五月三十一日のアリソン大使との話し合いの線に沿うて日本側で拒否するよう御措置を願いたいと思うのでありまするが、これに対して外相はどのような措置をとられるか、重ねて御答弁をお願いしたいと思います。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎登壇拍手
  47. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) お答えをいたします。  UPの報道が日ソの交渉に大した影響があるとは考えませんし、この報道に対して何らの処置をとる考えは持っておりません。    〔国務大臣重光葵登壇拍手
  48. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えをいたします。  私は今回問題となっておる兵器が、従来の私の了解をいたしておりまする原子爆弾の危険に類するものであるかどうかということは今日まだ確かめておりません。これを十分確かめた上で、その上でこれに対する処置を講じたいと考えております。
  49. 河井彌八

    議長河井彌八君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      —————・—————
  50. 河井彌八

    議長河井彌八君) 去る二十七日、内閣総理大臣から、畑地農業改良促進対策審議会委員重政庸徳君、矢嶋三義君、鈴木一君は、八月十二日に任期満了となりますので、あらかじめその後任者を指名せられたいとの申出がありました。  つきましてはこの際、日程に追加して、同委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  52. 大倉精一

    ○大倉精一君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  53. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、ただいまの大倉君の動議に賛成いたします。
  54. 河井彌八

    議長河井彌八君) 大倉君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よって議長は、畑地農業改良促進対策審議会委員に重政庸徳君、矢嶋三義君、鈴木一君を指名いたします。      —————・—————
  56. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第一、優生保護法の一部を改正する法律案(本院提出衆議院回付)を議題といたします。
  57. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本件の採決をいたします。本案の衆議院修正に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  58. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院の修正に同意することに決しました。      —————・—————
  59. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第二、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律案(本院提出衆議院回付)を議題といたします。     —————————————
  60. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本案の採決をいたします。本案の衆議院修正に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  61. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院の修正に同意することに決しました。      —————・—————
  62. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第三、地方道路税法案  日程第四、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員長青木一男君。    〔青木一男君登壇拍手
  64. 青木一男

    ○青木一男君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず地方道路税法案について申し上げます。  本案は、道路整備五カ年計画の実施に伴う地方団体の道路整備に要する財源の増加にかんがみ、都道府県等の道路財源に充てるため揮発油に対して新たに地方道路税を課することとするとともに、これに伴う徴収方法等を規定し、できるだけ徴収手続が複雑とならないよう所要の規定を設けようとするものであります。  すなわち製造場または保税地域から揮発油を引き取るもの、その他揮発油税を徴収されることとなるものに対して、揮発油一キロリットルについて二千円の税率で地方道路税を課することとし、これに伴い揮発油税は現行一万三千円の税率を一万一千円に引き下げようとするものであります。この税率については当初政府原案では、地方道路税として揮発油一キロリットルにつき四千円の課税を行い、揮発油税及び地方道路税の両者で揮発油一キロリットルにつき一万五千円の課税とし、現行税率より二千円の増加となっていたのでありますが、衆議院において自動車運賃への影響等を考慮して、地方道路税の税率を四千円から二千円に引き下げる修正がなされるとともに、地方道路税の予定税収を確保する見地から、本年四月から七月までに徴収される揮発油税のうち、地方道路税の四千円に相当する部分と、揮発油税の九千円に相当する部分とを、国税収納金整理資金に受け入れられたものとみなすこととするほか、施行期日を八月一日に変更する等の修正がなされたのであります。  なお本年度地方道路税の収入額七十二億七千五百万円は、今国会に別途提出されております地方道路譲与税法案によりまして都道府県等に道路の面積に按分して譲与されることとなっております。  本案審議に当っては、すでに成立をいたしました所得税法の改正法案とともに公聴会を開催し、地方行政、運輸、建設の諸委員会と連合審査を行う等、慎重に審議がなされ、揮発油の消費量の見込み、修正に伴う揮発油税の税収見込み、明年度予想される財源不足についての対策、道路整備五カ年計画との関連等について、種々熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は速記録によって御承知を願います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、木村委員より、「揮発油税は目的税的な性格を持っているが、この地方道路税はさらに一歩前進して明らかに目的税であること、また地方財源の充実をはかるために、かような財政措置をとることは賛成しがたく、全体の視野に立って再検討をなすべきである」、との反対意見が述べられ、採決の結果、多数をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、今国会に別途提出されております地方道路税法案、地方道路譲与税法案、日本専売公社法の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、及び入場譲与税法の一部を改正する法律案によりまして、地方道路税を新たに設けて、その収入額を地方道路譲与税として都道府県等に譲与するとともに、本年度の日本専売公社の収益のうちから、たばこ専売特別地方配付金として地方交付税と同様の方法により配付するほか、入場譲与税についてその譲与時期及び譲与時期ごとに譲与すべき額を改めるほか、特に本年度に限り入場税収入の全額を地方に譲与することとなっておりますので、これに伴い本特別会計についても所要の改正を行おうとするものであります。  本案のおもなる改正点について申し上げますと、第一点は、地方道路譲与税制度の新設及び昭和三十年度のたばこ専売特別地方配付金の措置に伴いまして、地方道路税の収入及び日本専売公社から四十四億七千四百万円を限り納付される金額をこの会計の歳入とし、地方道路譲与税の譲与金及びたばこ専売特別地方配付金をこの会計の歳出として経理することとしております。  第二点は、入場税収入の一割相当額を一般会計に繰り入れることを取りやめ、その全額を地方に譲与することに伴いまして、本年度に限り本法第五条の繰り入れに関する規定を適用しないこととしております。  第三点は——譲与税の譲与時期のうち、三月において譲与すべき金額中に同月に収納すべき税収入の見込額をも含めることとしたのに伴い、この会計において支払上現金に不足を生ずる場合も考えられますので、新たにこの会計に一時借入金または国庫余裕金の繰りかえ使用に関する制度を設けようとするものであります。  本案審議の詳細については、速記録により御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  65. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  66. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  67. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第五、運輸省設置法の一部を改正する法律案衆議院提出)  日程第六、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事宮田重文君。    〔宮田重文君登壇拍手
  69. 宮田重文

    ○宮田重文君 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案外一件の法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、運輸省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は衆議院議員畠山鶴吉君外二名より提出せられたものでありまして、本法律案は、国際観光事業の重要性にかんがみ、観光行政を強力に遂行せしめる必要上、現在運輸省にある観光部を観光局に昇格させるため、運輸省設置法に所要の改正を加えようというのが改正の眼目であります。  次に、提案者がこの改正の理由として述べておりますところを申し上げますと、国際観光事業の振興が文化の交流、国際親善の増進に貢献するところが少くないことは申すまでもなく、さらに外貨の獲得という面において、わが国経済の自立達成上大きな役割を持っており、内閣の観光事業審議会の想定によれば、もし今後十分な振興策を行うならば、三年後の昭和三十三年には約七千万ドル、約二百五十億円の収入をあげることは必ずしも困難ではないが、これがためには対外的には関係各国と緊密な連係を保ち、積極的に外客誘致策を講ずる必要があり、国内的には受け入れ態勢を整備しなければならない。戦後欧州各国においては、観光事業の指導育成に当らしめるため、あるいは一省を創設し、あるいは一局を設置して、大きな成果をあげておるのに、わが国においては現在、運輸大臣官房の観光部がこの任に当っておる状態である。現在、政府は官設観光機関国際同盟及びその地域別委員会に加盟し、あるいは理事国として、あるいは有力なるメンバーとして、国際的に活躍いたしておるのであって国際会議が相次いで開催せられるときに当り、わが国の観光行政機関の基礎が不安定であるということは、国際的提携促進上、良好なる結果を招来するとは考えられない。民間機関においてはいち早く再編成を断行して、国際観光事栗の振興をはかろうとしているのに、政府機関が旧態のままであることは、策として当を得たものとは言い得ない。かような趣旨により、さしあたり運輸省の観光部を観光局に昇格せしめようとするのであるが、国家財政の状態も十分に考慮し、人員及び予算の増加を来たさないことといたしておる。以上が提案の理由として述べられたところであります。  内閣委員会は前後二回にわたり委員会を開きまして、その間、提案者代表衆議院議員畠山鶴吉君のほか、政府側より三木運輸大臣、河野運輸政務次官、森行政管理庁政務次官等の出席を求めまして、本法律案の審議がなされたのでありますが、その審議によって明らかとなった点を申し上げますと、その第一は、本法律案は、政府提出案でなく議員提出の法律案でありますので、本法律案につき政府の所見をただしましたところ、森行政管理庁政務次官より、「国際観光事業は重要な問題であるが、国家の行政機構の簡素化は、行政管理庁当局の立場としてはこれまた重要な問題であって、この部が局に昇格すると、将来建設省その他の省においても昇格の問題が生じてくるおそれがある」旨、所見が述べられました。  その第二は、各省における観光行政の調整に関する点であります。すなわち「運輸当局は観光行政の強化推進の上から、各省と観光行政をどのように調整して行く方針であるか」との質問に対しまして、運輸当局より、「観光行政は一般に各省に分属しているように見えるが、真の意味の観光行政は、現在の運輸省の観光部に集中されており、その内容は対外宣伝、外客の国内への受け入れ態勢、ホテル、旅館の整備改善、旅行あっせん、観光教育の普及等であって、これらが運輸省の所管する観光行政のおもな業務であるが、このほかに観光関係の業務として、国立公園、道路の整備、文化財の保護、保存等の業務が厚生、文部等の各省に属しているので、各省間の連絡を緊密にすることによって、観光行政を強力に推進して行きたい」旨、答弁がありました。  その第三は、観光行政と鉄道、道路の整備との関係の点であります。この点につきまして、運輸当局より、「道路、鉄道の整備、改善は観光行政の先決問題であるから、運輸当局もこの点については今後十分努力いたしたい。なお、交通機関のサービスの第一は、人命の尊重であるから、事故の起きた交通機関については、一々相当の改善を加え、また気象業務の充実等によって今後万全を期したい」旨、答弁がありました。  その第四は、国際観光関係の予算の点であります。この点につきましては、運輸省は、海外宣伝及び外客受け入れサービス費として五千三百万円、厚生省関係では国立公園のため五千万円、建設省関係では観光道路に関係ある道路に対し年間約十億円を支出しておるということであります。  なお、以上のほか、外客の来訪状況、観光収入の見通し、国鉄の独立採算制等の問題についても質疑応答がなされましたが、その詳細は委員会会議録に譲ることを御了承願います。  昨日の委員会におきまして、質疑も終結いたしましたので、討論に入りましたところ、宮田委員より、自由党を代表して、次のごとき付帯決議案を提出され、本法律案に対する賛成の発言がありました。  この付帯決議案を朗読いたします。   付帯決議案   運輸省に観光局を設置する問題は、たとえ国際観光事業の重要性に鑑み、観光行政を強力に遂行せしめるためとはいえ、今後において、かかる際は、行政当局がその責任において行政組織全般の立場から、検討を加え考慮しなければならない問題であることは、言を俟たない。   従って、かくの如き各省、庁の行政機構に関する改正については、政府は必要ある場合責任をもってその措置を進むべきものである。  右決議する。  次に、木下委員より、社会党第四控室を代表して、本法律案並びに宮田委員提出の付帯決議案に対し賛成の旨発言がありました。  討論も終結いたしましたので、まず本法律案について採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決せられ、次いで宮田委員提出の付帯決議案につきまして採決いたしましたところ、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定せられました。  以上、御報告申し上げます。  次に、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、本法律案改正の要点を申し上げますと、今般失業保険法の一部改正によりまして、従来一律に百八十日であった失業保険金の給付日数が、長期被保険者については二百七十日または二百十日に、季節的労務者等短期被保険者については九十日に改められることになったのであります。それに対応いたしまして、国家公務員等の失業者の退職手当につきましても、その支給の基準となる日数を職員の勤続期間に応じて区分することとし、勤続期間六カ月以上十カ月未満の者は九十日、勤続期間十カ月以上五年未満の者は百八十日、勤続期間五年以上十年未満の者は二百十日、勤続期間十年以上の者は二百七十日に改めることといたしておるのが改正の主眼点でありまして、その他、この失業者の退職手当の額を計算する場合における勤続期間の計算につきましては、端数計算を行わないこととし、また、退職手当の支給を受ける遺族の順位につきましては、養父母と実父母の順位等を明確にする等、若干の規定の整備をはかるとともに、必要な経過措置を設けることといたしております。  内閣委員会におきましては、三回にわたり本法律案につき審議を行なったのでありますが、その審議において問題となった諸点を申し上げますと、まず、現在の退職手当は、今なお暫定的な措置をとられているが、恒久的な制度確立についての政府の見通しはどうか、また日々雇い入れる職員の失業者の退職手当または失業保険の給付について、予算上国が措置すべき経費は適正に計上されているかどうか、また、失業保険法による給付と国家公務員の失業者の退職手当とは、元来給付要件が異なるものであるにもかかわらず、その給付率の改正を機械的に同一の取扱いを行うために、公務員に著しい不利益を与えるのではないか、等の点でありますが、その詳細は会議録により御了承願いたいと存じます。、  かくて質疑も終結いたしましたので、討論を省略し、直ちに採決いたしましたところ、多数をもって原案通り可決すべきものと議決せられました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  70. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  まず、運輸省設置法の一部を改正する法律案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  71. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  72. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  73. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      —————・—————
  74. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第七、医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長小林英三君。    〔小林英三君登壇拍手
  75. 小林英三

    ○小林英三君 ただいま議題となりました医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申し上げたいと思います。  御承知の通り医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律は、明年四月一日からこれを実施しなければならないことになっておりまするが、本法の円滑なる運営を期するために医薬関係者の理解と協力を事前に調整するということが本案の提案の理由であります。  改正の第一は、医師、歯科医師が処方せんを交付しなくてもよい場合を、患者、またはその看護者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出たときと、本法に列挙した項目に該当する場合とに限定したことであります。  第二は、医師、歯科医師の調剤に関する規定に違反した場合の制裁といたしまして定められておる刑事罰を一万円以下の罰金にしたことであります。  本案につきましては、各委員よりきわめて熱心なる質疑が行われたのでありまするが、その詳細は速記録によって御了承願いたいと思います。  かくて質疑を打ち切りまして、討論に入りましたところ、高野委員より、軽々しき法律の改廃を指摘いたしまして反対、竹中委員より、本法制定の趣旨国民に周知徹底せしめることを要望いたしまして、賛成の意見を表せられたのでありまするが、討論を終了いたしまして、採決の結果、多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  76. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  77. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  78. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第八より第四十二までの請願を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員会理事宮田重文君。    〔宮田重文君登壇拍手
  80. 宮田重文

    ○宮田重文君 ただいま議題となりました請願につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  今国会に当委員会に付託せられました請願は、合計二百十七件でありまして、昨日の委員会におきまして右請願全部を審議いたしました結果、そのうち日程第八から第二十及び第二十四から第二十七までは恩給に関するもの、日程第二十一は水産省設置に関するもの、日程第二十二、二十三は行政機関職員定員法中一部改正等に関するもの、日程第二十八ないし第三十二は米駐留軍の演習場に関するもの、日程第三十三は防災業務の一元化に関するもの、日程第三十四ないし第四十一は国家公務員寒冷地手当、石炭手当並びに薪炭手当の制度化に関するものであります。また、日程第四十二は、気象通信従事者特殊有技手当支給に関するものでありまして、以上百四十二件の請願はこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  81. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  82. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  83. 河井彌八

    議長河井彌八君) お諮りいたします。この際、日程第四十三より日程第五十四までをあとに回しまして、日程第五十五より第七十三までの請願を、一括して議題といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。外務委員長石黒忠篤君。    〔石黒忠篤君登壇拍手
  85. 石黒忠篤

    ○石黒忠篤君 ただいま上程になりました日程第五十五から第七十二までの請願につきましての、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  日程第五十五より五十九までの八件は、いずれもソ連中共地区の抑留同胞の救出等を要望するものであります。日程第六十二、六十三の四件は、韓国抑留漁船乗組員の送還と李承晩ラインの撤廃を要望する趣旨のものであります。日程第六十四より六十七までの四件は、木更津、横田、伊丹、立川の各基地拡張に反対する趣旨のものであります。日程第六十八の二件は、長崎県鳥島海域駐留軍演習地の廃止を要望するものであります。  日程第六十は、南方地方に残留している同胞に政府の捜索の手を差し伸べてほしいという趣旨のものであります。日程第六十一は、中国人、俘虜殉難者の遺骨収集等を促進せられたいという趣旨のものであります。日程第六十九は、兵庫県元陸軍演習地青野原に国立療養所があり、同地が米空軍の使用になると医療に差しつかえるから反対するという趣旨のものであります。日程第七十は、代々木地区の駐留軍将兵宿舎の建設には当初より周辺住民は多くの弊害を惹起するものとして反対したが、すでに完成した今日において、米軍将兵が入舎することを反対するという趣旨のものであります。委員会におきましては、この請願に対し、政府は当該駐留軍施設について計画を慎重にし。付近住民に多大の不安を感ぜしめないようにする必要がありとの意見をもって、特にその善処を要望しておきました。  日程第七十一は、沖繩日本復帰促進に関するものであります。日程第七十二は、東南アジア諸国との善隣関係樹立のために、フィリピン及びビルマにそれぞれ宗教関係の建築をすることの趣旨のものであります。日程第七十三は、原子戦争準備反対に関するものであります。  以上二十五件につきまして、委員会において慎重審議をいたしました結果、いずれも願意妥当なることを認め、全会一致をもって、議院の会議に付することを要し、内閣に送付するものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  86. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  87. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  88. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第七十四より第八十八までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西川甚五郎君。    〔西川甚五郎君登壇
  90. 西川甚五郎

    ○西川甚五郎君 ただいま上程せられました大蔵委員会付託の請願につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申し上げます。  大蔵委員会におきましては、特に小委員会を設け、紹介議員からの趣旨説明、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、その上質疑応答を重ね、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。  日程第七十四は、旧軍港市における旧軍用財産、貸付使用料の引き上げ増額措置を停止されるとともに、貸付契約内容の改訂について善処せられたいとの趣旨であり、日程第七十五は、旧外貨債のうち内地に寄託し、強制借り換えられた海外移民のドル貨購入、旧外貨債を有効化せられたいとの趣旨でありますが、政府において研究させることが妥当と考えられ、日程第七十六は、中小企業等協同組合の法人税軽減等を計られたいとの趣旨であり、日程第七十七は、計理士が税理士業務を行い得るようにせられたいとの趣旨であり、日程第七十八は、海外引揚老齢民間人の海外留置財産に対し、補償措置を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第七十九は、引揚者の在外財産補償内払として一世帯平均三十万円等の支払暫定措置を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第八十は、大かん練乳用砂糖消費税免除措置を引き続き実施せられたいとの趣旨であり、日程第八十一は、引揚者の在外財産補償をすみやかに実現せられたいとの趣旨であり、日程第八十二は、三級清酒設定により全酒類業界は収拾しがたい混乱状態に陥り、ひいては国庫収入にも甚大な悪影響を及ぼすことになるから、三級酒の設定に反対であるとの趣旨であり、日程第八十三は、葉タバコの収納価格の適正化、災害補償制度の改正等について善処せられたいとの趣旨であり、日程第八十四は、運動用具に対する物品税を撤廃せられたいとの趣旨であり、日程第八十五は、大衆酒だる清酒二級の酒税率を大幅に引き下げられたいとの趣旨であり、日程第八十六はブリキ屋が工賃のみによって生計を立てている日雇労務者にすぎないのであるから、これら業者の所得税を勤労所得税並みに扱われたいとの趣旨であり、日程第八十七は、東北地方のタバコ栽培振興のため、福島県に国立タバコ試験場を設置せられたいとの趣旨であり、日程第八十八は、労働金庫に対し適正かつ簡易に、賃金運用部資金の長期融資措置を講ぜられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。  よって以上百九十八件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。
  91. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  92. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  93. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程第四十三より第五十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。地方行政委員長小笠原二三男君。
  95. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 ただいま議題となりました地方税関係請願について、地方行政委員会における審査の経過ならびに結果を御報告申し上げます。  まず請願第二百七号、第二百八号、第二百九号、第二百十号、第二百十一号、第二百二十号、第二百二十八号、第二百二十九号、第二百三十号、第二百三十五号、第二百六十一号、第二百九十四号、第三百五号、第三百六十二号は、大規模の償却資産に対する固定資産税の課税について、地元に有利になるようにせられたいというもの、請願第三百六十五号は、倉庫業は、総資産中に占める固定資産の割合がきわめて多い半面、収益率が低いので、倉庫業法の適用を受ける営業倉庫に対する固定資産税の課税率を軽減せられたいというもの、請願第八百六十一号は、地方鉄道軌道業に対する固定資産税は、直接運輸に使用する施設については課税を撤廃せられたいというもの、請願第一千四百十三号、第一千五百三十二号は、東京都府中市の財政困窮の原因は、歳入の根源である市税の主軸をなす固定資産税において非課税地帯が多いことに起因しているので、特別の措置を講ぜられたいというもの、請願第八百六十二号は、地方鉄道軌道業に対する事業税は、外形標準課税となっているので、これを所得課税に改められたいというもの、請願第一千二百二十五号は、建築板金業の個人事業税を撤廃せられたいというもの、請願第三百三十八号、第三百六十八号、第三百六十九号、第三百八十三号、第三百八十七号、第三百八十八号、第三百八十九号、第四百五号、第四百六号、第四百七号、第四百九号、第四百二十八号、第四百三十二号、第四百四十四号、第四百九十四号、第四百九十九号、第五百一号、第五百八十号、第六百八十五号、第七百九十八号、第九百四十七号は、木材引取税を撤廃せられたいというもの、請願第八百九十八号は、農業協同組合等の所有する貨物自動車に対する自動車税を免除せられたいというもの、請願第七百四十八号は、娯楽施設利用税の税率は、地域別、人口段階別に等差を設け、かつ法定税率にせられたいというもの、請願第八百八十四号は、スケート場娯楽施設利用税を撤廃せられたいというもの、請願第一千八十三号は、地方交付税法に規定する市民税所得割基準税率は、現行通り据え置かれたいというもの、請願第一千六百五十九号は、入湯税及び遊興飲食税の税率を軽減せられたいというものであります。  以上の請願四十六件は、慎重審査の結果、願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。
  96. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  97. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  98. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第八十九より第百四十までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事加藤武徳君。    〔加藤武徳君登壇
  100. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 ただいま議題となりました日程第八十九号から第百四十号までの請願百七十七件について社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  これらの請願の要旨を一括して述べますと、国立公園に関するもの三件、上下水道に関するもの等十件、医師介補制度の適用期間延長に関するもの等四件、生活保護法の最低基準額引き上げに関するもの等十四件、母子福祉総合法制定に関するもの等十件、社会保険制度確立に関するもの等百十二件、未帰還者留守家族及び戦傷病者戦没者遺族等に関するもの等十八件、日雇い労働者の生活安定に関するもの等四件、不当労働行為の調査に関するもの二件であります。  本委員会におきましては、これらの請願を慎重審議いたしました結果、その願意はきわめて妥当なものと認めまして、いずれも議院の会議に付して内閣に送付を要すべきものと決定いたしました。  以上、御報告をいたします。
  101. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  102. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  103. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第百四十一より第百五十八までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員会理事古池信三君。    〔古池信三君登壇
  105. 古池信三

    ○古池信三君 ただいま議題となりました日程第百四十一より日程第百五十八まで二十四件の請願は、商工委員会におきまして慎重に審査いたしました結果、いずれも願意妥当なるものと認め、日程第百五十八、中小企業協同組合法中一部改正等に関する請願は、院議に付するを要し、内閣に送付するを要せざるもの、日程第百四十一より日程第百五十七まで二十三件の請願は、いずれも院議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。
  106. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、日程第百五十八の請願のほかは、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  107. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、日程第百五十八の請願のほかは内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    午後二時十五分休憩      —————・—————    午後七時二十四分開議
  108. 河井彌八

    議長河井彌八君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。運輸委員長加藤シヅエ君、決算委員長山田節男君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。      —————・—————
  110. 河井彌八

    議長河井彌八君) つきましては、この際、日程に追加して、常任委員長の補欠選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  112. 天田勝正

    ○天田勝正君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、いずれも議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  113. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は、ただいまの天田勝正君の動議に賛成いたします
  114. 河井彌八

    議長河井彌八君) 天田君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よって議長は、運輸委員長に片岡文重君、決算委員長に小松正雄君を指名いたします。(拍手)      —————・—————
  116. 河井彌八

    議長河井彌八君) ただいま片岡文重君は常任委員長に選任されましたので、国会法第三十一条第二項の規定により、鉄道建設審議会委員を解かれました。  つきましては、この際、日程に追加して、同委員の補欠選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  118. 天田勝正

    ○天田勝正君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  119. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は、ただいまの天田勝正君の動議に賛成いたします。
  120. 河井彌八

    議長河井彌八君) 天田君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よって議長は、鉄道建設審議会委員に八木秀次君を指名いたします。      —————・—————
  122. 河井彌八

    議長河井彌八君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日衆議院から左の内閣提出案を受領した。よって議長はこれを大蔵委員会に付託した。  補助金等に係る予算の執行の適正化  に関する法律案  日本輸出入銀行法の一部を改正する  法律案本日委員長から左の報告書を提出した。  愛知用水公団法案可決報告書  農地開発機械公団法案可決報告書  北海道における国有林野の風害木等  の売払代金の納付に関する特別措置  法の一部を改正する法律案可決報告  書  昭和三十年六月及び七月の水害によ  る被害農家に対する米麦の売渡の特  例に関する法律案可決報告書  母子福祉資金の貸付等に関する法律  の一部を改正する法律案可決報告  書  クリーニング業法の一部を改正する  法律案可決報告書  弁護士法の一部を改正する法律案可  決報告書  訴訟費用等臨時措置法の一部を改正  する法律案可決報告書  補助金等に係る予算の執行の適正化  に関する法律案可決報告書  昭和三十年産米穀についての所得税  の臨時特例に関する法律案可決報告  書  日本輸出入銀行法の一部を改正する  法律案可決報告書  昭和三十年六月及び七月の大水害に  より被害を受けた地方公共団体の起  債の特例に関する法律案可決報告  書  地方交付税法の一部を改正する法律  案可決報告書  地方道路譲与税法案可決報告書  石炭鉱業合理化臨時措置法案可決報  告書  重油ボイラーの設置の制限等に関す  る臨時措置に関する法律案可決報告  書  戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車  等に関する法律案可決報告書  日本学校給食会法案可決報告書  逓信委員会請願審査報告書第二号  地方行政委員会請願審査報告書第三  号      —————・—————
  123. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して愛知用水公団法案、農地開発機械公団法案(いづれも内閣提出衆議院送付)  北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法の一部を改正する法律案昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案(いずれも衆議院提出)  以上、四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。農林水産委員長江田三郎君。    〔江田三郎君登壇拍手
  125. 江田三郎

    ○江田三郎君 ただいま議題になりました農林水産関係の四つの法案について、農林水産委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。  最初公団関係両法案についてまとめて申し上げたいと存じます。  まず愛知用水公団法案についてでありますが、本法律案の提案の理由については、その説明の目頭において大要次のように述べられております。すなわち「国土を総合的に開発し、その利用の高度化をはかり、食糧増産上、農業経営の安定をはかることは、現在わが国において最も緊要な事柄であって、かような観点に立って農林省は農地の改良及び開発を総合的かつ効率的に行う計画を検討し、その結果愛知用水事業を取り上げることとした。愛知用水事業は、名古屋市東方に位する平野及びこれに接続する知多半島一帯に木曾川水系の水を高度に利用し、これら地域の総合的開発をはかろうとするものであって、木曾川支流王滝川にダムを新設し、ここに貯溜された水を岐阜県兼山から取水して、新設水路を通して知多半島に導き、用水不足水田の補水、農地の開発及び畑地灌漑を行い、あわせて地域内市町村の飲料用水及び工業用水を供給するとともに、貯水池の下に新たに設置される発電所や下流の既存の発電所の発電にも利用しようとするものであって、この事業によって補水される水田約一万六千五百町歩、二毛作の可能となるもの約六千八百町歩、開田約三百町歩、開畑約二千九再町歩、畑地灌漑約一万六千三百町歩に及び、その結果米麦約二十七万一千石が増産され、年間約九千七百万キロワット・アワーの電力が発生し、約三十一万四千人に対して飲料水を供給することができることになる」というのであります。  しかして本事業の資金といたしましては、国家資金のほか、国際復興開発銀行からの融資及び米国余剰農産物見返り円資金をもってこれに充てることとし、所要資金総額は、公団事務費を含めて、昭和三十年度から三十五年度まで六カ年間に三百二十一億二千八百万円でありまして、そのうち三十六億円は国際復興開発銀行融資に期待し、その融資は、輸入を必要とする建設機械及び開墾機械の資金とし、残り二百八十五億二千八百万円の円資金は、米国余剰農産物見返り円資金その他に待つこととして、従来の土地改良事業の施行の方式とは異なった構想のもとに愛知用水公団を設立して、これに事業を効率的に行わしめることにしようとするものであります。  しかして本法律案は、愛知用水事業を施行する機関として愛知用水公団を設けることとし、その公団の組織及び業務並びに必要な監督の規定を設けたものでありまして、その大要は次のようであります。  すなわち第一は、公団の性格及び役員等についてでありまして、公団は法人とし、公社に準ずる性格を与え、主たる事務所を名古屋市内に置き、役員は総裁及び副総裁を各一人、理事五人以内、監事二人以内とし、総裁及び監事は農林大臣が任命し、副総裁及び理事は、総裁が農林大臣の認可を受けて任命し、これら役員の任期は五カ年とし、しかし再任は妨げないことになっております。  第二は、公団の業務についてであります。公団はその設立の目的に従って前に述べましたような事業を行うのでありますが、公団が事業を行うに当りましては、農林大臣が関係大臣並びに自治庁長官及び経済企画庁長官の同意を得て定めて指示するところの事業基本計画に基き、関係知事と協議して定めた事業実施計画、または施設管理規程によって実施しなければならないこととし、その費用としては、大体現行の土地改良事業に準じ公団が受益者及び関係県から賦課金あるいは負担金として賦課徴収することになっております。  第三は、公団の財務及び会計についてでありまして、その収支予算及び資金計画は毎年度農林大臣の認可を受けなければならないこととし、借入金の借り入れ、余裕金の運用、財産処分等について一定の制限を加え、また事業費に対する国の補助及び国際復興開発銀行からの資金の借り入れに対する政府の保証等についても規定が設けられております。  第四は、公団に対する監督についてでありまして、その役員、業務及び会計等の全面にわたって農林大臣が監督を行い、業務の内容によりましては、農林大臣が関係大臣とともに監督することになっております。  第五は、公団の役職員の普通恩給の特例についてでありまして、国家公務員及び地方公務員を通じ、公団の在職年限の加算について特例が設けられております。  第六は、公団の税法上の特例についてでありまして、公団に対しては所得税、法人税及び固定資産税等の諸税を課さないことになっております。  以上が、本法律案の内容の大要であります。  委員会におきましては、まず農林当局から提案の理由及び法律案の内容等について説明を聞き、質疑に先立って、本法案によって施行されることになっている事業の実態を確かめるため、特に議長の承認を受けて委員を派遣して、愛知用水事業地帯の現地調査を行なったのでありまして、その調査の結果について大要次のように報告せられたのであります。  すなわち、「七月二十三日、朝六時十一分名古屋に到着、現地の概要を聞き、直ちに受益地である知多半島に向い、横須賀町を経て東浦町に至り、知多半島脊梁地帯の幹線予定地及び本用水の完成によって開墾される地帯を視察、さらに用水幹線予定地を北上して三好村に至り、用水不足による一毛作田地帯の実情を視察した。この地帯では全水田の一五%しか二毛作ができない現状にあるが、用水が完成すれば九五%は二毛作田となり、反当二千円の地元負担がかかるとしても、麦三俵六千円の収入増は確実であるから、ぜひ実現してもらいたいと熱心な要望があり、次いで挙母の開拓村を経て本地原の開拓地を視察、高蔵寺町、小牧市、犬山市を経て中仙道に入り、今渡発電所を経て兼山ダムの用水取入口の現地を視察、愛知用水のダム方式であるロックフィール・ダムとして最初に竣工した可児川水系久々利村丸山防災ダムを視察、多治見・瑞浪を経て中津川に至り、第一日の日程を終り、第二日は、中央線を木曾福島につき、用水のダム予定地である長野県西筑摩郡の牧尾橋地点及び水没予定の王滝村の中心部まで車を進めて現地を視察したが、長野県では全面的にダム建設に反対の機運にあり、水没地にもダム反対の看板を掲げており、木曾福島で県議会、地方事務所、町村長、林野庁等の反対陳情を聞き、その日に帰京した。」と報告されております。  続いて質疑に入ったのでありますが、その当初において、本法律案並びに別途提案されている農地開発機械公団法案によって提示されているこの種の事業の性格、その他、これら法律案に関連する基本的な問題について究明するため、農林大臣、大蔵大臣、経済企画庁長官の出席を求めて、これら両事業は国内における食糧増産のため、他の土地改良事業あるいは干拓事業に比べて最も効率的なものと認めた結果によるものか、あるいは特別に根拠はなくて決定したものであるか。事業資金について世界銀行の融資は少く、米国余剰農産物の今後における受け入ればいまだきまらず、国の財政には余裕がない状態においてこれらの事業を施行することは、その結果が一般の土地改良事業等にしわ寄せられることが気ずかわれるが、かような心配はないか。かような心配がないということをいかにして保証するか。来年度経済企画庁において予定されている食糧増産事業費六百八十億円については財務当局も承認したはすであるが、その中には今回の両公団法案による事業の分も含まれているか。米国余剰農産物の受け入れは、国内食糧増産上弊害があるので、重ねて交渉することは避くべきではないか。木事業が当局から述べられているようにきわめて有効適切なものであるならば、将来の見通しの的確でない外資などを当てにしないで、なぜ国内資金で実行することにしないか。アメリカの必要からくる要請をわが国に押しつけられたのではないか。しかして本法案による措置は、今後の余剰農産物の受け入れを必然化せしめるものではないか。牧野改良並びに自給飼料の改良増産を事業計画の中に取り入れるべきではないか、本事業による経費負担区分に関する基本的な考え方はどうであるか、特に工業及び農業のおのおのの長期にわたる利益をどのように見ているか、提供された資料によるアロケーションは決定的のものか、それとも一つの試案として例示的なものであって今後さらに検討して改訂する考えのものであるか、見返り資金運用による利子その他の利潤は農業関係に再投資すべきではないか、これらの工事によって被害をこうむる地元の住民、特に水没者に対する取扱方針はどうなっているか、本事業の経済効果及び受益者たる農民の借款返済能力をどう見込んでいるか、本事業にアメリカの機械や技術はどの程度導入することになっているか、そうしてそれは借款のひもつき条件であるか、この程度の事業は日本の技術でできないのか、日本技術の向上のための科学技術研究の振興についてどんな方針を持っているか等の問題についてただされましたところ、三大臣から大要次のような趣旨答弁がなされたのであります。  すなわち、「わが国財政の現状では、すでに計画した食糧増産事業の実行さえも困難であって、本事業のようにまとまった事業を行うことは至難であるが、今回このような資金を手に入れることができたので、他の事業は国内の資金でまかない、このような大規模な事業は見返り資金等の外資によって着手することが適当であると認めた、前内閣において話が進んでいたので、現内閣もこれに賛成して引き継いだのである。余裕さえあれば国内資金でやるべきであって、今後は政府部内の一致した方針として総合経済六カ年計画の一環として、食糧玄米換算千三百万石余を増産することとし、これがため昭和三十一年度に愛知用水関係を含めて六百八十億円の資金が必要であるが、これについて目下関係各省で打ち合せ中であり、ぜひ実現したい、従って愛知用水公団の事業は今後の外資導入のいかんにかかわらず、政府はぜひともこれをやりとげたい、しかも規定の事業には影響のないように努力したい、今後の米国余剰農産物の受け入れについては目下検討中であるが、今後米は断わり、とうもろこし等の飼料を入れたい、受け入れば本年よりは減るかもしれない、見返り資金の半分くらいは余剰農産物受け入れの犠牲となる農業の開発に支出したい、経費のアロケーションは一応の案であり、再検討して農家の負担を低くするように努めたい、見返り資金運用など公団経理に予定されている利潤は、今後の事業の経理の安全のために残しているのであるが、最終的に余裕がつけば農業関係に回したい。工事による被害者に対しては、一応佐久間ダムの補償を基準としていくつもりであるが、金銭的補償をもって足れりとせず、その後の農業経営の確立について、ある部分は愛知用水で開発される地区に移住を勧め、水没地区にとどまる者もその後経営の安定ができるよう指導したい。アメリカの技術及び機械の利用については、世銀借款の関係上、その信頼する技術コンサルタントの審査を必要とし、ダムと主要幹線水路の設計はアメリカの技術によることになっている、この種事業については、これをテスト・ケースとして日本の技術者に新しい技術を習得させ、今後の国内技術の向上をはかりたいと思う」云々と述べられたのであります。続いて事務当局に対していろいろな事項について詳細な説明が求められ、それらの結果から、重ねて政府首脳に対して総括的な質疑が行われる等、きわめて慎重な審議が遂げられたのでありまして、これが詳細については会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。  次に、農地開発機械公団法案についてでありますが、農地の造成及び改良の事業は、特にその規模が大きい場合においては、高能率の機械によらなければ、これを急速かつ合理的に行うことができないのでありまして、かような点にかんがみ、農地の造成及び改良の事業を効率的に行うため、ここに農地開発機械公団を設立し、国際復興開発銀行等から融資を受けて、優秀な機械を買い入れ、これを管理し、農地の造成及び改良事業を行う者に貸し付け、あるいはこれらの者から委託を受けてその事業を行うこととし、さしあたりは北海道の根釧原野にある床丹第二地区及び青森県の上北区における開墾事業、並びに北海道の篠津地区における総合灌漑排水事業についてこの公団の保有する開発機械を利用することにしようとするのが、本法律案が提出された理由であるとされております。  しかして法律案の内容の大要を申し上げますと、大体次の通りであります。  すなわち第一は、農地開発機械公団の仕組みについてでありまして、公団の性格、組織、役員、財務及び会計その他について形式的及び規模等には多少の相違がありますが、実質的には大体愛知用水公団法案等における愛知用水公団に似かよった規定が設けられております。  第二は、この公団の業務についてでありますが、これは国、地方公共団体その他農地の造成または改良事業を行う者に対し、かかる事業に使用する機械の貸付を行い、あるいはこれらの者の委託を受けてかかる事業の工事を行うこととし、これらの業務の実施については、あらかじめ事業の方法を定めて農林大臣の認可を受けなければならないこととなっております。  なお、政府はこの公団に対して、北海道及び青森県の区域内において行う国営土地改良事業の工事の一部の施行を委託することができることとし、公団は余剰農産物見返資金特別会計からの借入金をもって政府の委託による工事に要する費用に充てることができることとしてあるのであります。  委員会におきましては、この法律案につきましても、さきに申し述べました愛知用水公団法案と同時に慎重な審議が行われたのでありまして、その内容につきましても会議録によって御了承を願いたいのであります。  かくして質疑を終り、両法律案を一括して討論に付しましたところ、重政委員から次のような附帯決議を付して両法律案に賛成すると述べられました。すなわち、    愛知用水公団法案に対する附帯    決議   本法に関し政府は次の事項につい  て遺憾なく措置すべきである。   一、米国余剰農産物の受入は慎重  な検討を要するところであるが、真  に已むを得ず之が受入をなす場合に  おいては、その見返円資金は少くと  もその二分の一以上を国内農業関係  のため優先且つ重点的に支出すべき  である。   二、本法に基く事業実施に当っ  て、既に計画し、或いは予定されて  いる国内事業開発事業及び食糧増産  対策に必要な経費を削減する等、こ  れらの事業に奇しくも支障を来たす  ような事態を絶対に惹き起さないこ  と。   三、本法の事業による水没その他  の被害者に対し、各権利者の納得を  得て個人については金銭補償と併せ  て移住適地の供与等、農業経営の維  持に関しても遺憾なく措置するとと  もに、長野県西筑摩郡王滝村等にお  いてみるように、村の相当部分を水  没喪失する町村については、かかる  町村が今後も存続発展できるよう各  般の助成等特段の措置を講ずるこ  と。   四、国有林運輸施設の水没等につ  いては速やかに付替工事を完成し、  運輸機能に遺憾なからしめるととも  に、木曾谷地区の産業構造に変化を  来たし、地元住民に不安を与えるこ  とのないよう充分に留意すること。   五、本事業によって木曾川下流に  おける既得水利権に悪影響を及ぼす  ことのないよう十分なる対策を講ず  るとともに、木曾川の河床低下にも  とづく既存用水の改修工事について  も万全を期すること。   六、ダム幹線水路の共同部分の費  用の振分については発電及び水道の  事業主休の受益度合を再検討し、農  業の負担軽減について特段の考慮を  払うこと。   七、愛知用水受益地区内の農民が  本事業完成後公団に納付すべき負担  金については農民の負担能力を勘案  し適正なる額とすること。   八、余剰農産物資金融通特別会計  及び愛知用水公団会計に余剰金を生  じたときは、これを農業に優先的に  且つ効率的に使用するよう考慮する  こと。   九、牧尾橋ダムの構築について  は、苟しくも遺漏のないよう万全を  期し、且つその集水区域内の治山治  水については国及び電力会社その他  の関係者は之が実施に最善を尽すこ  と。   十、外国技術の受け入れについて  は、必要最小限度に止め、国内技術  の高度活用に努め、併せて機械器具  類についてはできる限り国産品を購  入使用すること。   次に、農地開発機械公団法案に対  する附帯決議   本法に関し政府は次の事項につい  て遺憾なく措置すべきである。   一、本法に基く事業の実施に当っ  ては、既に計画され或いは予定され  ている国内農業開発事業及び食糧増  産対策に必要な経費を削減する等、  これ等事業に奇しくも支障を来たす  ような事態を絶対に惹き起さないこ  と。   二、受益区内の農民が本事業に関  し公団に支払うべき金額は、農民の  負担能力を勘案して、適正なる額に  定めること。   三、外国技術の受け入れについて  は、必要最小限度に止め、極力国内  技術の活用に努め、併せて機械器具  類についてはできる限り国産品を購  入使用すること。   四、入植農家の営農の確立及び生  活の安定のため資金の確保及び国の  助成等に関し万全の措置を講ずるこ  と。   五、営農に当っては、穀作に偏す  ることなく、草地を活用し、家畜の  導入に努める等、総合的方式を確立  すること。というのであります。  次いで森委員から、「両法案によって行う事業は、わが国農業上面期的なものであるから、これが実施に遺憾なきを期するため、公団の人事に特に慎重を期されたい」との希望を付して賛成があり、東委員から、「機械開墾について開拓事業を完璧ならしめるため、開墾と同時に道路、電燈、学校、病院等の文化厚生施設についても、十全を期すべきである」旨の希望を付して賛成があり、千田委員から、「付帯決議の実行に遺憾なからしめるとともに、機械開墾地帯は冬期その事業を休止するから、その間の機械の活用について善処すべきである」旨の希望を付して賛成がありました。  続いて採決に入り、両法律案とも全会一致をもって、重政委員提出にかかる付帯決議を付して原案の通り可決すべきものと決定いたしました。   なお、右の付帯決議に対して、農林大臣から、「よくその趣旨を体して実  施に当る」旨発言のありましたことを申し添えて報告を終ります。   続いて、北海道における国有林野の  風害木等の売払代金の納付に関する特  別措置法の一部を改正する法律案につ  いて申し上げます。  昭和二十九年五月及び九月の暴風雨によって、北海道において生じた国有林野の風害木は、未曾有の数量に達したのでありまして、これが処理はおおむね昭和二十九年度以降三カ年間に整理する計画に基いて伐採及び運搬等、その生産は比較的順調にはかどっておりますが、その消化についてははなはだ低調でありますので、これが需要を増進しその消化を促進する意図から、昨年十二月成立を見ました北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法の一部を改正し、その適用対象を拡大して風害木等の総合的な処理の完璧を期することにしようとするのが本法律案が提出されました目的でありまして、その内容の大要は次のようであります。  第一は、風害木等の売り払いを受けるものの資格を、現行法では北海道における市町村で昭和二十九年四月一日以降災害救助法の発動が行われたものにおける農林漁業用施設等の復旧の用に供するものに限定されておりますが、これを改めて、北海道のほか内地を含め、一般の災害における復旧資材並びに災害以外の特定の施設の用に供するものにまで拡大し、また買受機関として、地方公共団体並びに日本住宅公団に範囲を拡大することであります。  第二は、売払代金の延納の期限についてでありまして、現行法ではその期限が昭和三十一年三月三十一日までとなっておりますが、これを昭和三十二年九月三十日まで一年六カ月延長しようとするのであります。  第三は、都府県への国の直営輸送販売材の売払代金の延納についてでありまして、風害木の国による直営輸送販売材の円滑なる処理を促進するため、すでに契約を結び、いまだ延納期限が到来していないものについては、その契約を変更して、延納期限を三カ月以内延長することができることにしようとするものであります。  委員会におきましては、提案者代表から提案理由の説明を聞き、続いて質疑に入り、本法案の内容及び運用等に関する諸般の事項についてただされ、慎重審議せられたのでありまして、その詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。  次いで討論に入り、別に発言もなく、続いて採決の結果、全会一致をもって、衆議院提出通り可決すべきものと決定した次第でございます。  最後に、昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案について申し上げます。  本年六月及び七月、東北地方及び北海道に起った水害によって、その所有している米麦が流失、埋没または腐敗し、あるいは非常な減収のため飯用の食糧にはなはだしく事を欠く飯米不足被害農家に対して、すでに昭和二十八年六月及び七月の水害あるいは昭和二十八年及び同二十九年の冷害等の際にとられた措置にならって、政府が所有している米、麦類及び麦製品を特別価格で売り渡し、もってこれらの被害農家が安んじて生業に精励することができるようにしようとするのが本法律案が提出された目的でありまして、これが内容は大要次のようであります。  すなわち第一は、この法律案に基いて食糧の売り渡しを受けることができる被害農家でありまして、それは本年六月及び七月の水害によってその生産して所有している米や麦類を流失あるいは埋没し、もしくは腐らせまたは著しい減収のためその農家の飯用消費量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けたものとなっており、第二は、売り渡しの方法でありまして、それは政府からその必要とする米麦を都道府県に売り渡し、都道府県は市町村を通じて被害農家に売り渡すこととし、間接的方法によることとなっており、第三は、売渡価格でありましてそれは被害農家の購入価格がおおむね生産者が政府に売り渡したときの基本価格となるようにきめてあります。  以上が本法律案の提出の理由及びその内容の概要でありまして、なお本法律案施行に要する経費としては約二百五十万円を必要とする見込みであるといわれております。  委員会におきましては、審議の結果、全会一致をもって、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。  右、報告いたします。(拍手
  126. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。  まず、愛知用水公団法案、農地開発機械公団法案  以上、両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  127. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ─────・─────
  128. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法の一部を改正する法律案昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案  以上、両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  129. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  130. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案  クリーニング業法の一部を改正する法律案(いずれも衆議院提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事常岡一郎君。
  132. 常岡一郎

    ○常岡一郎君 ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する排律の一部を改正する法律案外一案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告申し上げます。  まず、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  この改正法律案衆議院提出の法案でありまして、その要旨は第一に、修学資金のうち、大学に就学しまたは医師法に規定する実地修練を受けている者、すなわちインターンに対する貸付額は、現行法では月額二千円位内となっておりますが、これを月額三千円以内としたことでございます。  第二に、事業継続資金に対しまして、六カ月の据置期間を設けることといたしたこと等であります。  委員会におきましては、まず提案者たる植村衆議院議員から提案理由の説明を聴取いたしましてから、慎重に審議をいたし、提案者並びに政府当局に対しまして、各委員から活発な質疑が行われたのでありますが、その詳細は、速記録によりまして御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論省略の上、採決いたしました結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、クリーニング業法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法が制定公付されてから五年になりますが、その後の実態に即した公衆衛生上の措置を講じ、クリ—ニング業の適正な経営を期することが必要となりましたので、今回の改正となった次第であります。  改正の第一は、従来のドライ・クリーニング師の制度を廃止して、新たにクリーニング師の制度を設け、常時五人以上の従業員を使用するクリーニング所ごとに一人以上のクリーニング師を置かなければならないこととしたのであります。第二は、クリーニング所の施設の構造、設備及び管理について、都道府県知事が現状及び地方の実情に沿うような衛生上必要な事項を定めることができることとしたのであります。第三は、クリーニング所における営業違反につきましては、まず、都道府県知事が措置命令を出し、その措置命令に従わないときに、初めて営業停止または閉鎖処分を行うことに改めたのであります。第四は、クリーニング師の試験科目に、新たに洗たく物の処理に関する技能を加えたことであります。  以上が改正の要旨でありますが、本案については、質疑を終了し、討論を省略し、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  133. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  134. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  135. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して弁護士法の一部を改正する法律案、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案(いずれも衆議院提出)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長成瀬幡治君。    〔成瀬幡治登壇拍手
  137. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 ただいま議題となりました弁護士法の一部を改正する法律案及び訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議の経過及び結果につき御報告申し上げます。両改正法律案はいずれも衆議院から得出せられたものであります。  まず、弁護士法の一部を改正する法律案改正趣旨及び要点を御説明いたします。  外国人弁護士の制度は、旧法時代からあったのでありますが、終戦後の占領という特殊事情もあり、その職務範囲が拡張され、その資格要件が緩和されていたものでありますが、この問題は独立後の今日においては、一面国際的視野に立ちながら、他面独立国にふさわしいように改める必要があるので、わが国においては、旧法時代には、日本の国籍を持つ者でなければ弁護士になることができなかったのを、現行法はこれを改めて、外国人であっても試験に合格すれば弁護士になり得ることとしましたので、この意味において現行法はきわめて開放的となっているのであります。そしてこれと並んで現行法では、その第七条において外国の弁護士となる資格を有する者の特例として、いわゆる外国人弁護士制度を認めておるのでありますが、独立後の現在においては、その必要はないものと考えられるのみならず、諸外国の立法例におきましても、現在のような外国人弁護士制度は全くその例を見ないところであります。  以上の理由により、外国人弁護士制度は、これを廃止することが最も妥当な考えであるということであります。  すなわち、本法律案は、同法第七条の外国人弁護士に関する規定は、全部これを廃止することにいたしてあります。ただし。附則に経過規定を設け、従来同法第七条の外国人弁護士としての既得権を有する者は、引き続きその資格を有するものといたしております。  次に、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案について、その改正趣旨及び要点を御説明いたします。  御承知の通り、執行吏の手数料等につきましては、昭和十九年に訴訟費用等臨時措置法が制定され、終戦後も引き続く経済情勢の変動に伴い、数度この法律改正し、これらの額を増加して参ったのであります。  前回の増額、すなわち昭和二十七年七月の改正以来、国内の経済事情は多少安定に入って参りましたものの、物価の騰勢はなお継続し、現在の訴訟費用及び執行吏の手数料等の額によっては、訴訟関係者または執行関係者の負担の均衡上、公平を欠くものと考えられますので、この際、暫定的にこれらの額を増加しようとする趣旨のものであります。  すなわち第一に、民事訴訟費用中の書記料及び翻訳料の額を百十倍とあるのを百五十倍に改め、第二に、執行吏手数料規則に定められている執行吏の差し押え、競売その他書類送達等の手数料について、若干増額をはかり、第三に、差し押え、競売等における債権額、競売金額の区分を改訂することといたしたものであります。  委員会の審議に当りましては、弁護士法の一部を改正する法律案に対しましては、別に質疑もありませんでした。訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案に対しましては、最高裁判所及び法務省の関係係官より意見を聴取し、中山、吉田、赤松、一松各委員より熱心な質疑が行われましたが、その詳細は速記録によって御了承願いたいと存じます。  かくて両法律案に対する質疑を終り、討論に入りましたところ、別に両法律案に対し発言もありませんでしたので、討論省略の上採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決定いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  138. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  139. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって両案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  140. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長青木一男君。    〔青木一男君登壇拍手
  142. 青木一男

    ○青木一男君 ただいま議題となりました三法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案について申し上げます。  本案に関しましては、第十七回国会における本院予算委員会において、予算の不正不当支出防止に関する決議がなされたのであります。政府はこの決議を尊重して、これら補助金等にかかる予算の執行の適正化をはかるため、第十九回国会に補助金等に係る予算の執行適正化に関する法律案を提出したのでありますが、右法案は罰則規定等、相当問題がありましたので成立を見なかった経緯があるのでありまして、本国会に前法律案の罰則規定を相当緩和して再提出されたのであります。  本案の提案の理由並びに内容について申し上げます。国の歳出予算は、国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれており、これが不正不当に支出されるがごときことは許されないのであります。しかしながら、昭和二十八年度決算検査報告によれば、不当事項として二千二百余件が指摘され、そのうち支出に関係するものが千四百余件であり、このうち約九割近くを占める千二百余件は補助金に関するものでありまして、累年その件数は増加の趨勢にある実情であります。その内容は、事業費について過大に積算したり、不実の積算をしたものや、設計通りの工事を施行しなかったり、自己負担を免れたり、はなはだしいのは架空工事や二重申請をして国庫補助金等の交付を受けたもの等があるのであります。補助金等が国の歳出予算の約三割を占めている現在、これらの補助金等にかかる予算の執行の適正化をはかることは喫緊の要請であるのでありまして、本案の提出の理由もここに存するのであります。  以下、内容について申し上げますれば、第一に、この法律の適用を受ける補助金等とは、補助金、負担金、利子補給金及びその他国が相当の反対給付を受けないで交付する給付金であって政令で定めるものとし、補助金等に関しまして、他の法律またはこれに基く命令に特別の定めのない限り、この法律によることにしようとするものであります。第二に、補助金の交付の申請及び決定の手続を規定するほか、決定に際し、必要な条件を付することといたしますとともに、交付決定後に天災地変等、特別の事情により補助事業の全部または一部を継続する必要がなくなった場合等において、当該交付決定の全部もしくは一部の取り消し、または決定の内容もしくはこれに付した条件の変更ができることとしようとするものでありまして、補助金等の交付の申請及び決定につき必要な手続を明確にしようとするものであります。第三に、補助事業等、または間接補助事業等の遂行に当っては、常に善良な管理者の注意をもって遂行すべき義務を課するとともに、補助事業者の提出する報告等により、必要がある場合には、当該補助事業等を適正に遂行すべきことを命じ、また必要に応じ一時停止を命じ得ることとし、事業完了後は、必ず実績報告を徴し、その審査及び必要に応じて行う現地調査等により補助金等の額を確定することとしようとするものであります。なお、補助事業等により取得した財産等につきましては、補助金等の交付の目的に反する使用処分等を原則として禁止しようとするものであります。  第四に、補助事業者等、または間接補助事業者等が、補助事業または間接補助事業者に関し、法令等に違反し、または補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした場合には、補助金等の交付の決定の全部または一部の取り消しをすることができることとし、この取り消しがあった場合で、すでに補助金等が交付されているときは、その返還を命ずることとし、右の返還命令があったときは加算金を納付させることとし、返還金を納期日までに納付しないときはさらに延滞金を納付させるとともに、これら返還金等の納付がない場合には、他の補助金等の交付を一時停止し、もしくは他の補助金等と未納付額とを相殺することができることとし、さらにこれら返還金等の徴収に当っては国税徴収の例によることができることとしようとするものであります。第五に、偽わりその他不正手段により補助金等の交付を受け、または間接補助金等の交付もしくは融通を受けた者、あるいは補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした者等に対し、所要の罰則規定を設けようとするものであります。なお、地方公共団体に対しては、その団体の性格上、団体自体には罰則を適用しないこととしようとするものであります。第六に、以上のごとく、補助事業者等に対し相当厳格な規律をもって臨むことといたしておるのでありますが、他面、補助金等を交付する側においても、その取扱いをより適正にするため、補助金等に関する事務、その他補助金等にかかわる予算の執行に関する事務に従事する職員に対し、事務を不当に遅延させたり、または必要な限度をこえて補助事業者等もしくは間接補助事業者等に対し、干渉してはならない義務を課したほか、補助金等の交付の決定その他の処分に不服のある地方公共団体に対しては、不服申し立ての道を開くこととしているのであります。なお、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社に対してもこの法律を準用しようとするものであります。  さらに、本案は衆議院において修正議決せられたのでありますが、その要旨は、  一、各官庁の長は補助金の交付決定に当っては、補助事業の遂行を困難ならしめないようにすること。  二、補助金を受ける側の不正に対し課せられる罰則を、交付する国の行政機関の公務員の不正に対しても適用すること。  三、第三十一条において六カ月以下の懲役または三万円以下の罰金とあるのを、体刑を削除して、罰金刑だけにすること。 であります。  本案の審議に当りましては、決算委員会と連合審査会を開催する等慎重なる審議を行なったのでありますが、そのおもなる質疑を申し上げますと、「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、または間接補助金等の交付もしくは融通を受けた者は、五年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金を課し得ることになっているが、詐欺罪に関する刑法第二百四十六条の十年以下の懲役に関する規定と比較して、はなはだしく均衡を失しておるのではないか」との質疑に対し、「刑法第二百四十六条の普通詐欺罪の場合においては、その詐欺によって得た金を個人的な利益とするが、いわゆる偽わりその他不正手段によって得た公金は、大体において公共団体もしくはその他の法人に使わせるということで、私利をはかるという観念が伴わない関係にあり、この点が普通詐欺罪と異なる。また国家の行政権に対する侵害というような考え方で、税法上の詐欺その他の不正の手段により税金を免れた場合、また税金の過分の払い戻しを受けたような場合の処罰規定は大体三年になっているので、これらの罰則規定と照し合せて五年とすることが適当であると思う」との答弁があり、また、「補助金を国が交付する場合、たとえば単価の計算とか、あるいは補助率というものが実態と合わない場合が多いが、本法が施行された場合には、実態に即応するような予算的措置を講じなければならないと思うがどうか」との質疑に対しては、「従来も不可能なような単価の組み方はしていないと思うが、今後調整を必要とする場合には考える」旨の答弁がありました。その他詳細は、速記録により御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げます。  本案は、現下の食糧需給の現状にかんがみ、昭和三十年産米穀については、生産者からの事前売り渡し申し込みによる集荷制度を実施することとなりましたので、この制度による所要数量の確保をはかる措置として、事前売り渡し申し込みに基いて昭和三十一年二月末日までに政府に対して米穀を売り渡したものの昭和三十年分の所得税について所要の軽減措置を行おうとするものであります。  すなわち玄米一石当り平均千四百円を非課税とすることとし、昭和三十年九月末日までに売り渡された米穀については、一石当り二千四百円として六十キログラム当り九百六十円、同年十月一日から同月十五日までに売り渡されたものについては一石当り千八百円として六十キログラム当り七百二十円、同年十月十六日から同月末までに売り渡されたものについては一石当り千五百円として六十キログラム当り六百円、同年十一月十日から翌年二月末目までに売り渡されたものについては一石当り千二百円として六十キログラム当り四百八十円を非課税としようとするものであります。なお、この非課税措置によりまして、本年度において約二十九億円程度の減収が見込まれるわけでありますが、政府当局の説明によりますと、一方米価の引き上げによる増収分として約二十七億円が推測されますので、本年度の所得税収はおおむね確保できると思われるとのことであります。  本案審議に当りましては、本年八月末日までに予約申し込みをすることとなっているが、その後の追加申し込みをどう取り扱うのか。この非課税措置によって、全農家のうち二割程度のもののみが恩恵を受けることとなるが、果して妥当かどうか、租税面の優遇等によって予約買付制度の実効を期することは妥当であるかどうか、農産物価格協議会の性格及び権限如何等について、熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案は、最近東南アジアを初め、海外からプラント輸出等の引き合いが相当の額に上っておるほか、その契約条件は長期的なものであり、日本輸出入銀行の融資を必要とする度合いが累増下る趨勢にあるのであります。すなわち、昭和三十年度における日本輸出入銀行の融資見込額は、年度内四百八億円、年度末融資残高見込み五百五億円と推定されておるのでありますが、現在の資金量は資本金二百十億円、借入金八十億円、合計二百九十億円でありまして、この資金量をもってしては不定を来たすこととなるのであります。そこで産業投資特別会計から百四十億円を出資せしめ、これに伴って日本輸出入銀行法第四条の資本金二百十億円を、三百五十億円に改めようとするものであります。このほか日本輸出入銀行本年度内の融資見込額等を推算いたしまして、資金運用部から八十億円の借り入れを予定いたそうとするものであります。  本案審議の詳細は、速記録によって御承知願います。  質疑を終り、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  143. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  144. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます、よって三案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  145. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和三十年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案(参議院提出)  地方交付税法の一部を改正する法律案、地方道路譲与税法案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長小笠原二三男君。    〔小笠原二三男君登壇拍手
  147. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 ただいま議題となりました昭和三十年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告を申し上げます。  本法案は、衆議院提出にかかわるものでありまして、その内容は大体、一、昭和三十年の六月及び七月の大水害を受けた地方公共団体は、地方税、使用料、手数料等の水害のための減免、徴収猶了によって生ずる財政収入の不足を補う場合及び水害にかかる災害救助対策、伝染病予防対策、病虫害駆除対策等に通常要する費用で、当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合には、昭和三十年度に限り、地方財政法の地方債の制限に関する規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができること、二、その被害地方公共団体は政令で指定すること、三、この場合の起債は国が資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもってこれを引き受けるものとすること等を定めるものであります。  地方行政委員会におきましては、七月三十日衆議院議員北山愛郎君より提案理由の説明を聞き、慎重審査を行い、討論の後、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上、御報告申し上げます。  次に、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、昨年度より実施せられました地方交付税制度の運営の結果と、地方財政の推移にかんがみ、大体次のような改正を行おうとするものであります。  すなわち、一、特別交付税の総額は、地方交付税の総額の百分の八に相当する額とし、特定の場合に特別交付税の総額を減額することができる制度は、これを廃止すること。  二、各地方団体に交付すべき地方交付税の額の算定方法を合理化するため、基準財政需要額及び基準財政収入類の算定方法について、経費の種類、測定単位、単位費用、市町村分の態容補正に用いる種地区分等に若干の改正を加えるほか、道府県民税法人税割、法人の行う事業に対する事業税及び市町村民税法人税割の基準税額については、当分の間、総理府令で定めるところにより、前年度における当該税目にかかる基準財政収入額の算定過大または算定過小と認められる額を増減することができるものとすること。  三、昭和三十年度に限り、各地方団体に交付すべき交付税の額を算定する場合においては、たばこ専売益金から交付税及び譲与税配付金特別会計に納付される三十億円を地方交付税の総額に加えて算定するものとし、当該三十億円は、たばこ専売特別地方配付金として特別交付税の交付の例により、地方団体に配付するものとすること、等が本案の主要点であります。  地方行政委員会におきましては、七月五日川島国務大臣より提案理由の説明を聞いた後、政府側との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行いましたが、その詳細については、速記録によってごらんを願います。  七月三十日討論に入り、秋山委員は社会党第四控室を代表して、現行の交付税の総額を定める百分の二十二という率は、地方財政の実情に即せず、地方財政の上に多くの無理を生じているので、政府はすみやかにこの率の引き上げのために、適切なる措置を講ずべきであるという観点から、本法案には反対せざるを得ない旨を述べられました。  伊能委員は、本法案に織り込まれていないいろいろの点については、政府においてすみやかにこれが是正の措置をとられることを強く要望して、本案に賛成する旨を述べられました。  かくて採決の結果、本法案は多数をもって衆議院送付案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告いたします。  次に、ただいま議題となりました地方道路譲与税法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、道路に関する費用に充てるため、地方道路税の収入額を都道府県及び五大市に譲与せんとするものでありまして、その内容の大体を申し上げますと、  一、地方道路譲与税の額は、地方道路税の収入額に相当する額とし、これを都道府県及び五大市に譲与すること。  二、譲与の基準としては、それぞれの都道府県及び五大市の区域内にある国道及び都道府県道の面積に按分して譲与するものとし、この場合、道路の面積については、幅員による道路の種別、自動車一台当りの道路の延長等により、補正することができること。  三、譲与の時期は、地方交付税及び入場譲与税の交付、または譲与時期との調整をはかって、八月、十二月、三月の三回とし、それぞれ原則として前四カ月間に収納した地方道路税の収入額に相当する額を譲与すること。  四、都道府県及び五大市は、譲与を受けた地方道路譲与税の総額を道路に関する費用に充てなければならないこと、等が主要点に相なっております。  なお本法案と密接な関係にありますところの地方道路税法案に対する衆議院の修正の結果、地方道路譲与税の額は、政府原案によれば、平年度は九十四億円が四十七億円に半減する見込みであります。ただし初年度たる本年度見込額七十三億には影響がない計算に相なっております。  地方行政委員会におきましては、これらの事情にかんがみ、七月二十八日大蔵、運輸、建設各委員会と連合委員会を開き、地方道路税法案の提案理由について一萬田大蔵大臣より、地方道路譲与税法案の提案理由について川島国務大臣より、地方道路税法案の衆議院の修正点について内藤衆議院議員より、それぞれ説明を聞いた後、政府当局及び衆議院側との間に質疑応答を重ね、さらに七月三十日地方行政委員会において地方道路譲与税法案に対し慎重審査を行いましたが、その詳細については、速記録によってごらんを願います。  かくて同日討論に入り、採決の結果、本法案は、全会一致をもって衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  148. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、昭和三十年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  149. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  150. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  151. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      —————・—————
  152. 河井彌八

    議長河井彌八君) 次に、地方道路譲与税法案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  153. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  154. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、石炭鉱業合理化臨時措置法案  重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員長吉野信次君。    〔吉野信次君登壇拍手
  156. 吉野信次

    ○吉野信次君 ただいま議題になっておりまする石炭鉱業合理化臨時措置法案の提案の理由につきましては、過日本議場において政府から説明がありましたことは御承知の通りであります。本法案の骨子は、大要次の通りであります。  第一、石炭鉱業の長期合理化について年度別の実施計画を立て、それに必要なる資金を確保すること。  第二、縦坑開発を中心として合理化を進めるとともに、坑口開設については許可制としたこと。  第三、石炭鉱業整備事業団を設け、当該事業団に非能率炭鉱の買い上げ等の業務を実施させること。  第四、標準価格制度を設定し、石炭採掘業者の販売価格がこれを大きく上回るときは、政府が引き下げの勧告をすること。  第五、炭況の悪化した場合は、生産数量と販売価格を制限する規定を設けたること。  第六、通商産業省に石炭鉱業審議会を設け、合理化計画、標準炭価の設定等、本法案実施のための重要事項についての諮問機関としたることでございます。  当委員会といたしましては、議員を現地に派遣し、また参考人を呼びまして、利害関係者のいろいろな意見を聴取いたしました。  質疑応答のおもなる点、問題になりました点を申し上げますと、本法案とエネルギー総合対策の関係はどうか、合理化工事の所要資金量とその確保の対策はどうか、非能率炭鉱の整備計画の方途はどうか、買い上げ炭鉱の維持管理方策はどうか、標準炭価制度は統制経済の前段階を意図するものではないか、炭価引き下げ勧告によってその実効を期待できるか、石炭鉱業の合理化に伴う失業対策はどうか、また整理せられる炭鉱のある地元の市町村の財政上の負担はどうか、それから買い上げの対象として租鉱権を含むかどうかというような点が問題になりましたが、質疑応答の詳細につきましては、速記録によってごらん願いたいと思います。  以上で質疑を終了して、討論に入りましたところ、阿具根委員から、「本法案の実施に当って当然予想せらるべき失業対策、労働対策、石炭需給対策、鉱業市町村の財政困窮に対する救済策について、政府は何ら確立した政策を持たないのは遺憾であるので、反対である」という意見の陳述があり、次に、古池委員から、次のごとき付帯決議を付して賛成の意見が開陳せられました。すなわち、   一、政府は、本法の施行にあた  り、エネルギーの綜合需給見透しを  確立し合理化推進の目標を明確なら  しめること。   二、政府は、本法の実施により生  ずる離職者に対し職業補導、就職斡  旋等を行うとともに、特に所要の予  算措置を講じて失業対策に遺憾なき  を期すること。   三、政府は、本法実施に必要な資  金の確保に努めるとともに、石炭企  業の過大借入の現状の是正並びに租  税負担の軽減等企業経理の改善につ  とめること。   四、政府は、都市ガス、火力発電、  石炭化学の振興等石炭需要の喚起に  つとめるとともに、必要な資金の融  通等適切な措置を講ずること。   五、政府は、炭鉱の買上にあたっ  ては、租鉱権者の鉱業施設の売渡を  円滑ならしめるよう斡施指導を行う  こと。   六、政府は、本法施行に伴い生ず  る地元市町村の税収減および失業対  策費等の増大に対し適当な措置を講  ずること。   七、政府は、炭鉱の買収代金が関  連産業の未払代金に対しても適正に  支払われるよう指導すること。   八、政府は、炭鉱の整理にあたっ  ては、買収した鉱区の鉱害の処理に  遺憾なきを期すること。であります。  次いで上條委員より、「本法案実施に際しての失業対策、貯炭処理に対し完全なる政策がなく、また炭価引き下げも結局は労働強化によるものであるとの見地から、反対である」との反対意見の陳述があり、さらに山川委員から、「本法案はきわめて不備であるが、一応わが国石炭鉱業の現状からかかる措置をとることもやむを得ないので賛成する」という賛成意見の開陳がありました。  以上をもって討論を終り、採決いたしましたるところ、本法案は多数をもって政府原案通り可決すべきものと決定いたしました。  さらに、古池委員提出の付帯決議案も、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律案について申し上げます。  最近、石油はその需要が非常に急激に増大いたしまして、わが国のエネルギー資源である石炭、電力の消費分野に著しく食い込みまして、エネルギーの消費構成に非常な変化をもたらしたのでありますので、政府は、いわゆる総合エネルギー対策の一環といたしまして、今回この法案を提案されたのであります。  この法案の内容を申し上げますと、第一点は、通商産業大臣は、重油の使用を不可欠とする特殊な場合を除き、今後重油ボイラーの設置及び重油専焼ボイラーへの改造を制限することとしたことであります。また既設の重油ボイラーにつきましても、重油の使用を抑制するため、重油の使用量を減少し、または重油ボイラー以外のボイラーに改造すべきことを指示し得るよう規定を設け、その場合必要とする資金については、政府はその確保に努力することにしたのであります。  第二点は、通商産業大臣は、重油使用を不可欠とする緊急な用途に対する重油の供給を確保するために、重油の生産業者、輸入業者、販売業者等に対し、重油の出荷または販売価格に対して必要な指示をすることができるようにしていることであります。  本法案は、衆議院において修正が加えられました。その修正の内容を申し上げますと、第一点は、第四条でありまして、通商産業大臣が重油ボイラーの改造、使用の停止、減量等を指示できるという規定中、それを指示する場合、三項目にわたる制限基準を設けたる点等であります。  第二点は、法第六条の、緊急な用途に使用する重油の確保をはかるため、通商産業大臣は、生産業者、販売業者等に対し、重油の出荷または販売価格に対し必要な指示ができるようになっておる規定を、必要な指示にかかる行為を全面的に削除し、単に通商産業大臣は、緊急用途に対する重油の供給を確保するため必要な措置をとらなければならないと改めたことであります。  第三点は、通商産業省に重油ボイラー規制審議会を設け、本法施行に必要な省令を制定し、第四条に規定する基準を定め、あるいは第六条に規定する措置をとろうとする場合、通商産業大臣の諮問に応ずることとした点であります。  第四点は、本法の有効期間十年とあったのを五年に改めた点であります。  本法案の審議の詳細につきましては、速記録に譲りたいと思いますが、特に問題となりました点は、本法案の骨子をなす第四条及び第六条が衆議院において修正されたため、通商産業大臣の権限が大幅に制限を受けまして、果して所期の目的を達成することができるかどうかという点、また重油関税の実施とあわせ、油の行政指導は複雑多岐にわたり、政府の行政指導が円滑に行われるかどうか、また今度新設されるようになった審議会の組織、運営の方針、性格についての点であります。特に、衆議院修正にかかる部分につきましては、修正者との間に熱心な質疑応答が行われました。  かくて、討論に入りましたるところ、栗山委員から、「政府原案の方がむしろよろしいので衆議院の修正案は骨抜きであるから反対である」という意味の意見が述べられ、次いで古池委員から次のような付帯決議を付して賛成する旨の意見が述べられました。その案文は、   政府は重油ボイラー規制審議会の  委員の選定に当っては、広く燃料問  題を中心とするエネルギー総合対策  に関する学識経験者を選び、もって  本審議会の運営に万全を期すべきで  ある。というのであります。次いで小松委員から反対の意見が述べられました。  かくて討論を終り、採決をいたしたるところ、多数をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  次いで古池委員提出の付帯決議案を採決いたしましたるところ、多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  157. 河井彌八

    議長河井彌八君) 石炭鉱業合理化臨時措置法案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。阿具根登君。    〔阿具根登君登壇拍手
  158. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、石炭鉱業合理化臨時措置法案に対し、反対の意思を表明するものであります。  まず、かかる法案を出さねばならなくなった原因は何かということでありますが、政府の無計画なエネルギー対策をあげねばならないと思います。昭和二十七年人口一人当りエネルギー消費量一・一八トン、昭和二十八年一・二〇トン、二十九年一・一九トンとなっておりますが、一人当りの消費量はほとんど変らないのであります。それにまかかわらず、朝鮮動乱後の不況がようやく石炭企業に及ぼさんとした昭和二十七年より政府は重油転操の指導をしたのであります。鉱工業だけの重油の輸入状況をみましても、昭和二十六年九十四万九千キロリットルにすぎなかったのが、二十七年百七十七万九千キロリットル、二十八年三百五十三万六千キロリットルと、実に四倍近くの輸入増となったのであります。このことは、委員会における質問においても通産大臣は見通しの誤まりであったと、はっきり政府の非を認めておるのでございます。先ほど申しましたように一人当りのエネルギーの変化がないのに、一方をふやせば一方が犠牲になることは当然であります。あるときは石炭企業に多額の融資をして業者を最高所得者となし、今また無税の重油を奨励して、石油業者をして最高所得者となしつつあるのであります。本国会におきまして、ようやく関税復活はみましたが、それも縮小修正されたものであり、諸外国に比してまことに僅少であることは御承知の通りであります。  なお、ただいま重油ボイラー制限法案も議題になっておりますが、いずれをみても無計画な政府の犠牲になったのは労働者であり、中小企業者であります。特に石炭鉱業においては、昭和二十八年と二十九年のわずか二カ年間に炭鉱の数は八百四十四鉱から六百六十八鉱となり、炭鉱の労働者の数は三十六万八千人から二十七万八千人と激減し、十万に近い労働者が失業者としてちまたに投げ出され、さらに賃金遅欠配のために最愛の妻を売らねばならなくなったことすら新聞は報じておるのであります。かかる労働者を救うためにも、日本の産業の自立のためにも、外国資本につながる重油に対し適切なる処置をとり、日本の産業を守らなければならないのでありますが、石油精製業界の約半数の株は外国資本に握られて、日本の今の政府はいかんともなすことができず、この法案となって現われたのであります。私はかかる考えに立って、以下七点にについて反対の理由を申し述べます。  まず第一に、本法案が成立すれば、三百万トンに見合う炭鉱の買い上げと、五万七千名に及ぶ首切りであります。すなわち六百万に及ぶ失業者の対策さえ完全にできない政府が、さらに六万に近い失業者を出す法律案を作りながら、その救済策が立ててないことであります。心ある為政者であるならば、まず失業者の吸収を先に考えるべきであります。福岡県の川崎線に対しまして、労働大臣のとられた措置はわかりますが、今田川市においてすら月平均十三日の就労しかできない失業者の実情であります。川崎線が実現いたしたとしても、現在の失業者も完全に就労させることができぬと思うのであります。まして佐賀、長崎、山口、常磐等、何ら具体的対策もなく、わずか一カ月分の手当をもらってちまたに投げ出されるのであります。失業者の対策は何ら見るべきものもなく、この裏づけとなるべき予算すら計上されていないのであります。私はかかることでは了承できないのであります。  第二点には、政府は需給調整に関して何らの責任ある措置を講じていないことであります。今日の過剰貯炭を来たし、石炭の危機を招来した原因の一半は、電力用炭の消費計画のそごによるものであります。ここ二、三年来の豊水は電力用炭の消費を減少せしめ、電力会社をして百数十億円の渇水準備金を積み立てさしているのであります。今、水主火従の電力におきましては、豊渇水一割の上下は、石炭消費を平水年より二百数十万トン上下させ、その負担を全部今日の脆弱な石炭企業に負わすことは、きわめて酷であると言わざるを得ないのであります。石炭の生産は弾力性の乏しいものであり、自然現象に応ずる供給の調整はできないのであります。これを解決せずして石炭鉱業の安定は来たし得られないのであります。政府はこれに対し、制度的救済を考える必要があるのに、何ら対策が講じられないことはまことに遺憾であります。  第三点は、租鉱権についてであります。本法案によれば、租鉱権者の施設は、租鉱権にかかる鉱業権の買収の際買い上げるとしているのでありますが、租鉱権そのものは鉱業法の関連から買い上げはできないとしているのであります。非能率炭鉱の大部分は租鉱権の炭鉱であり、買い上げを真に希望するものが租鉱権者であります。しかるに政府は、既存法律をたてにとって、当該鉱業権者から租鉱権の設定している鉱区を分譲独立して買い上げの申請をした場合のみ法を適用するとしているのであります。そこに租鉱権と鉱業権との間に血みどろな紛糾が惹起するであろうことは、火を見るよりも明らかであります。これこそ、中小炭鉱を救済するという政府の言が、羊頭を掲げて狗肉を売るものであることを立証するものであります。  第四に、労資の関係についてであります。本法案によりますと、石炭産業に従事する労働者は五年後には二十二万名となりますが、本年三月の賃金がそのまま五年間据え置きになるのであります。しかも政府が考えている六カ年計画によりますと、国民所得は二十九年を一〇〇と見て、六年後二四・九に上っているのであります。他産業よりきわめて劣悪な労働条件下に生命をかけて働いている炭鉱労働者の賃金を、他産業の労働者の賃金が上っても上げないということで、労働者が喜んで働くでしょうか。石炭の高いのは労務費が高いからという一部の人の声もありますが、諸外国に例をとって見ますと、石炭一トンに占める労務費はアメリカが六五・三%、英国が六六・七%、ルールが五三・三%であり、日本は五〇%に満たないのであります。これでどうして労務費が高いと言えましょうか。  なお、本法案のねらいである炭価の二割乃至三割値下げのために、資材面も相当切り下げて考えられておりますが、御存じのようにきわめて危険な坑内労働は、月に数十名の死傷者を出しておるのであります。これ以上資材費等を切り詰めるとすれば、坑内の保安は保たれないと思うのであります。かかることでは労働者の協力はとうてい得られるものでなく、政府の考え方は空論に終ってしまうと思うのであります。  第五に、買い上げ代金はほとんど金融機関に吸収せられ、関連産業の未払い金並びに労働者の退職手当には充当されないであろうと懸念されるのであります。炭鉱が買い上げられるとすれば、まず抵当権者である銀行が取り、次に公租公課、社会保険等々が差し引かれ、関連産業の中小企業者並びに労働者の手に渡るのはまことに申しわけ的なものとなりますが、これでは銀行の救済策と言われても仕方がないと思うのであります。  第六に、市町村対策であります。炭鉱は御承知の通り最初から町のまん中にできたものでなく、そのほとんどが山間僻地に開口され、その炭鉱を中心として町が作られてきたものであります。とすれば、炭鉱が買い上げられるとすれば、その町全体が失業者となり、いわゆる町ぐるみの失業となりますが、これに対する自治庁の対策は何ら見るべきものがないのであります。  第七に、三百に上る炭鉱を買い上げて、残った炭鉱で五年後には四千九百万トンの出炭をしなければならないのでありますが、そのためには六十八本の縦坑を掘った炭鉱は、一カ月個人能率一二・五トンのものが一挙に一九・一トンとなり、さらに縦坑を掘ることのできない非該当炭鉱は、現在一カ月の能率八トン乃至十トンの中小炭鉱でありますが、これが何と能率十七トンと、二倍出さねばならないのでございますが、私はこれは坑内の実情を知っている人が作ったとは思えないのであります。中小炭鉱のどこをどれだけ機械化すればかかる数字になるか、政府答弁は全く納得の行くものではなく、昔の十二時間坑内で就業していた当時を夢みているようなものであり、全く私の了解できないことであります。これこそ机上の空論であります。  以上七項目の反対理由を申し上げましたが、結論といたしましては、政府がかかる無謀なる法案を出さなければならなくなったということは、わが国の石炭産業が私企業の限界にきていることを裏書きするものでありまして、かかる首切り法案でなく、需要拡大による抜本的な政策を要求し、反対討論にかえるものであります。     —————————————
  159. 河井彌八

    議長河井彌八君) 小野義夫君。    〔小野義夫君登壇拍手
  160. 小野義夫

    ○小野義夫君 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法案に対し賛成の意を表するものであります。そもそも本法案が国会に提出せられましてから、その審議の過程におきまして賛否の両論は、院の内外におきまして相当に論議がなされた次第でありまして、わが国の経済界並びに産業界の重大問題であることは申すまでもありません。われわれは本案に対し、全幅の満足を持つものではありませんが、かつ幾多の疑問と不満を有するものではありますが、わが国石炭鉱業の現状にかんがみまして、このまま放置することは許されないという大乗的見地に立ちまして賛意を表するものであります。  御承知のごとく、石炭鉱業界は一昨年来未曾有の不況に追い込まれ、大手、中小炭鉱を通じて企業経理の逼迫、あるいは破綻を惹起し、弱小炭鉱の相次ぐ倒産によって、炭鉱離職者の数は実に数万の多きに上っております。その家族の窮状は真に見るに忍びざるものがあります。さらにまたこれら炭鉱を相手とする中小商工業者は、貸し倒れその他によりまして、産炭地一帯の経済、社会の不安は日を追うて深刻の度を増すばかりであります。今日においても依然として好転の徴候を認むることができないのであります。このままに放置すれば、わが国石炭鉱業はついに破滅の運命に陥り、国民経済上重大なる結果を招来して、社会不安の増大は真に憂うべきものがあります。申すまでもなく石炭鉱業は水力電気とともに、わが国エネルギーの最大源泉でありまして、このエネルギーの上にわが国の主要産業が立っておる次第でありますから、これが危急を救い、将来の安定をはかることは、何人も異論のないところであろうと存ずるものであります。石炭鉱業が今日このような窮境に追い込まれた原因につきましては、その一端を申し述べれば、戦争中はもちろん、戦後も政府の要望にこたえて、膨大なる借金をしながら非能率的な増産を余儀なくされ、今日その負担に耐えないということも一つの原因であります。またわが国の炭坑、炭層の状態が貧弱であります。また炭質も必ずしも優良でありません。坑道が長く深部に進んでおります等の自然的原因、また過去の政治的の失敗等の諸原因によるものがありまして、端的に言えば、今日の世界経済戦において、外国石炭あるいはまた輸入重油の圧迫による結果、かくのごとき悲境に立ち至っているのであります。すなわち、わが国の石炭が外国エネルギーに比して著しく割高であるのであります。従いまして、これらの悪条件を克服するためには、この際抜本的合理化方策を講じ、これによって炭価を引き下げ、重油及び外国炭に対抗し得るようにしたいというのが本法案のねらいであります。その方策の一端として、有望炭鉱に対しては縦坑の開さく、坑内外の機械等によりまして、資材、人件費の節約を行い、他方、また非能率炭鉱に対しては買収整理を行い、集約的、能率的操業を行わしめんとするものであります。  これら一連の措置に対しましては、私はおおむね賛意を表するものであります。ただ二、三これが実施に当りまして政府に要望する諸点は左の通りであります。  第一点は、離職者の処遇に関する問題であります。過失二カ年におきまして九万人以上に上るところの離職者を出し、今日でも毎日二、三千人を出しつつある現状でありますが、今回のこの法案の実施によりまして、さらに五万七千人に上る離職者を出すことが予想せられておるのであります。政府は法文上何ら特別な規定をなさないのは遺憾でありますが、すでに政府は閣議決定に基き、その配置転換、失業対策等につき、万遺漏なきを期することをしばしば言明せられた次第でありますから、さらにあらためて政府の言明を確認し、これが実現を要望するものであります。  第二点、標準炭価制度について、われわれが立法と同時におそれるところは、官僚の権力乱用であります。本案における標準炭価制定及び標準炭価引き下げの勧告の権限を乱用し、私企業に不当の干渉をするがごとき意図があってはならないのであります。かかる考え方は断じて許されないことで、石炭鉱業合理化に伴い、多額の国家資本を投入し、これが法的措置によって斯業の繁栄と長期の安定をはかる意義を深く考慮し、炭価の引き下げと相待ってあんばいよろしきを得ることが眼目であって、勧告の権限を乱用し、一方に偏向あるいは逸脱することは許されないと思うのであります。すなわち、私企業の自立性を十分に尊重して、彼らの創意工夫を十分に発揮せしめることが肝要であると存ずるものであります。従いまして炭価引き下げの勧告をなすに当っては、品質、形状、用途等による市価の格差を、慎重かつ弾力性ある考慮を払い、いやしくも本法の本旨に背馳するがごときことのないように要望いたします。  第三点、本法案で買い上げの対象となるものの中で、租鉱権炭鉱が相当の数に上ると思われるのであります。採掘権の買収と租鉱権者との関係が相当複雑でありますから、これがために買収の困難が予想せらるるので、これが調整について一段の努力を傾注せられんことを要望いたします。  第四点、本法案においては、石炭将来の需要拡大には、ほとんど的確な見透しも方策もなく、すこぶる明瞭を欠いていると考えるのであります。計画の最終年度昭和三十四年度において四千九百万トンの需給のバランスをとると説明されておるのみであります。政府は総合エネルギーの計画によって厳密な検討を加えて、積極的の施策と視野の上に立って、石炭需要の拡大均衡をはかるべきでありましょう。ただ単に炭価を引き下げれば需要が増加するというような、安易にして無責任な楽観的希望に信頼することはできません。政府はこの際石炭化学の振興、都市ガス事業の普及、火力発電所の拡充、製塩その他石炭を必要とする事業の振興等、一連の施策を炭価の引き下げと並行して積極的に打ち出すべきであろうと要望するものであります。  その他金融、新技術、機械等、これに関連する諸問題に対して、政府は格段の努力と熱意を傾倒すべきことを要請して賛成するものであります。(拍手
  161. 河井彌八

    議長河井彌八君) これにて討論外通告者の発言は、全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  162. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      —————・—————
  163. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  164. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。運輸委員会理事重盛壽治君。    〔重盛壽治君登壇拍手
  165. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ただいま上程されました戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案につきまして運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  旧軍人軍属たる戦傷病者の国鉄無賃乗車の制度は、戦前ありましたが、昭和二十三年八月に廃止され、現在に至っております。この法律案は、旧制度を戦後の事態に即応し、社会保障の一環としてこれを復活しようとするものでありまして、その要旨は、旧軍人軍属たる戦傷病者に対し、日本国有鉄道及び連絡船に運賃を支払わずに乗車船することができるようにし、その運賃相当額は国がこれを負担しようとするものであります。  次に委員会における審議の経過を申し上げます。この法案に対する運輸大臣の意見をただしましたところ、運輸大臣より、「この法案の主旨には賛成であるが、この運賃相当額を国鉄の負担とすることについては、国鉄は企業体として独立採算制を強く要望されており、現在の国鉄の経営状態からみると、改良費にすら事欠いておるので、国鉄の負担でこれをなすべしとは要求しがたい」とのことでありました。国の負担につき大蔵大臣にその意見を求めましたところ、大蔵大臣の答弁は、「かかる問題は社会保障として考うべきことで、国の負担としては、無賃乗車の方法のみについて優遇すべきものでなく、一般に均霑すべき方法によるべきが筋であると思う」との答弁でありましたが、最後に、運輸大臣より、「政府としては、本法案に盛られた戦傷病者等の日本国有鉄道の無賃乗車船について、昭和三十一年四月一日より実行することに異存はなく、また財源の関係については政府部内において検討を加える」とのことでありました。  なお私鉄に対しても、この方法による旧軍人軍属たる戦傷病者に対する措置が及ぶことの懸念があり、この点につき、委員と運輸大臣との間に質疑が行われましたが、運輸大臣は、「これは国として戦傷病者に報ゆることであって、私企業に強うるべき筋ではない」と、その所信を明らかにせられました。  質疑を終り、討論に入りましたところ、討論省略の動議が提出され、直ちに採決に入り、全会一致をもちまして原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  166. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  167. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  168. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、日本学校給食会法案(内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。文教委員長笹森順造君。    〔笹森順造君登壇拍手
  170. 笹森順造

    ○笹森順造君 ただいま議題となりました日本学校給食会法案につきまして、文教委員会における審議の経過と結果について御報告いたします。  まず本法案の提案の理由について申し上げます。  さきに第十九回国会におきまして学校給食法が制定され、わが国の学校給食制度が一応法的に確立したのでありますが、学校給食を適正確実に運営して、その効果をあけますためには、学校給食用物資の吟味撰択と円滑迅速な供給が期待されるのであります。今回政府は、学校給食用物資の公正な全国的供給機関を特殊法人として法制化するために、この法律案を提案いたしているのであります。委員会の審議におきましては、各委員よりきわめて活発な質疑が展開されましたが、これらの質疑内容等、これに対する応答の詳細は速記録に譲ることといたします。  ついで討論に入りましたところ、白井勇委員より次のごとき付帯決議案を付して賛成の意見が述べられました。  決議案の内容は、学校給食を適正確実に運営するために、本法制定を機会に、学校給食法自体に対する法的予算的措置政府に要望する趣旨でありますが、その詳細も速記録に譲ることといたします。  続いて荒木、吉田、高橋、川口の各委員より、それぞれ政府に対する希望意見を付して賛成討論があり、かくて採決の結果、全会一致をもって、本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお付帯決議につきましても全会一致をもってこれを付することに決定いたし、政府よりその趣旨に沿うべく善処する旨の発言がありました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)    〔議長退席、副議長着席〕
  171. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  172. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  173. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、逓信委員長報告にかかる長崎県若松村上荒川簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇格するの請願外七件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長瀧井治三郎君。    〔瀧井治三郎君登壇拍手
  175. 瀧井治三郎

    ○瀧井治三郎君 ただいま議題となりました請願につきまして逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本件請願は、長崎県若松村上荒川簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇格するの請願。石川県中島町・輪島市間に電信電話、市外ケーブル架設の請願。静岡県鈴川局等の電話を吉原電報電話局に統合するの請願。愛知県旭町の電話増設に関する請願。岡山県船穂町中新田外四地区の二号便集配復活に関する請願。岡山県船穂町の電話増設に関する請願。岡山県新見市の郵便局統合等に関する請願。鹿児島県竹之浦簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇格する等の請願の八件であります。  委員会におきましては、以上の諸件につき慎重審議の結果、願意を妥当と認め、これを採択し、議員の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと全会一致をもって決定いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  176. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  177. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  178. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、地方行政委員長報告にかかる地方財政の危機打開に関する請願外十九件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長小笠原二三男君。    〔小笠原二三男君登壇拍手
  180. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 ただいま議題となりました請願について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、行政関係について申し上げます。請願第九百六十二号は、地方公共団体の所有地に造林を行なっているものについて、有効期間を延長するように改められたいというものであります。次は、地方財政関係でありますが、請願第四十四号、第六十四号、第八十九号、第百十七号、第二百二十七号、第二百五十一号、第五百五十三号、第二百六十四号、第八百六十六号は、地方財政の窮状打開のために、地方交付税及びたばこ消費税の率を引き上げられたいというもの、請願第二百五十四号、第二百六十五号は、地方財政の窮乏は極度に達しているから、地方財政制度の根本的な改革を加えられたいと要望するもの、請願第七百四十七号は、宮崎県の起債のワクを拡大せられたいというもの、請願第八百五十四号は、町村に対する起債許可最低基準を引き下げられたいというもの、請願第九百二十一号は、工業用水道の起債のワクを新たに設定して、起債全額を長期債とし、かつこれが償還については、その一部を国庫補助とせられたいというもの、請願第二百十六号は、市費支弁の自由労務者に対する期末手当等の支給について法制化せられたいというもの、請願第二百六十三号は、奄美大島の復興計画費を増額されたいというもの、請願第八百八十一号は、奄美大島の復興は遅々として進まない現状にあるので、積極的な復興促進をせられたいというもの、請願第四百九十三号は、岡山県矢掛町の簡易水道事業の起債認可について特別の考慮を払われたいというもの、請願第七百五十二号は、東京都の水道事業拡張工事について、起債許可額の増額、長期債の発行を認められたいというものであります。  以上の請願二十件は、慎重審査の結果、願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  181. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  182. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  183. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕  本日、内閣委員長から、日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律の一部を改正する法律案及び公共企業体職員等共済組合法案の審査並びに国家公務員制度及び恩給に関する調査、国家行政組織に関する調査及び国の防衛に関する調査  地方行政委員長から、公職選挙法の一部を改正する法律案(小林武治君外五名発議)、地方財政再建促進特別措置法案及び地方公務員法の一部を改正する法律案の審査並びに地方行政の改革に関する調査  法務委員長から、幼児誘拐等処罰法案及び接収不動産に関する借地借家臨時処理法案の審査並びに検察及び裁判の運営等に関する調査  外務委員長から、国際情勢等に関する調査  大蔵委員長から、租税及び金融等に関する調査  文教委員長から、教育、文化及び学術に関する調査  社会労働委員長から、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、社会福祉事業等の施設に関する措置法案及び調理改善法案の審査並びに社会保障制度に関する調査及び労働情勢に関する調査  農林水産委員長から、中央卸売市場法の一部を改正する法律案の審査並びに農林水産政策に関する調査  商工委員長から、砂利採取法案の審査並びに経済自立方策に関する調査  運輸委員長から、運輸一般事情に関する調査  逓信委員長から、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案の審査並びに郵政事業の運営実情に関する調査及び電気通信並びに電波に関する調査  建設委員長から、国設住宅法案、日本分譲住宅公社法案、日本分譲住宅公社法施行法案、建設業法の一部を改正する法律案及び国土開発縦貫自動車道建設法案の審査並びに建設事業並びに建設諸計画に関する調査  予算委員長から、昭和三十年度予算の執行状況に関する調査  決算委員長から、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査  議院運営委員長から、議院及び国立国会図書館の運営に関する件の審査  について、それぞれ継続審査及び継続調査の要求書が提出されました。     —————————————
  184. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  185. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  ただいま参事に報告させました通り、各委員長から、継続審査及び経継続調査の要求書が提出されております。  これより委員会の継続審査及び継続調査について採決をいたします。各委員長要求の通り、委員会の審査及び調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって各委員長要求の通り、委員会の審査及び調査を閉会中も継続することに決しました。  議事の都合により、これにて暫時、休憩いたします。    午後九時二十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・————— ○本日の会議に付した案件  一、原子兵器に関する緊急質問に対する国務大臣の補足答弁  一、畑地農業改良促進対策審議会委員の選挙  一、日程第一 優生保護法の一部を改正する法律案  一、日程第二 女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律案  一、日程第三 地方道路税法案  一、日程第四 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第五 運輸省設置法の一部を改正する法律案  一、日程第六 国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案  一、日程第七 医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案  一、日程第八乃至第四十二の請願  一、日程第五十五乃至第七十三の請願  一、日程第七十四乃至第八十八の請願  一、日程第四十三乃至第五十四の請願  一、日程第八十九乃至第百四十の請願  一、日程第百四十一乃至第百五十八の請願  一、常任委員長辞任の件  一、常任委員長の補欠選挙  一、鉄道建設審議会委員の選挙  一、愛知用水公団法案  一、農地開発機械公団法案  一、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法の一部を改正する法律案  一、昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案  一、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案  一、クリーニング業法の一部を改正する法律案  一、弁護士法の一部を改正する法律案  一、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案  一、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案  一、昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案  一、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案  一、昭和三十年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案  一、地方交付税法の一部を改正する法律案  一、地方道路譲与税法案  一、石炭鉱業合理化臨時措置法案  一、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律案  一、戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案  一、日本学校給食会法案  一、長崎県若松村上荒川簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇格するの請願外七件の請願  一、地方財政の危機打開に関する請願外十九件の請願  一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件