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1955-06-13 第22回国会 参議院 本会議 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十三日(月曜日)    午後零時十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十三号   昭和三十年六月十三日    午前十時開議  第一 昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書委員長報告)  第二 昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  去る七日、内閣総理大臣から、米価審議会委員衆議院議員安藤覺君、石田宥全君小笠原八十美君、川俣清音君、松山義雄君、村松久義君、本院議員片柳眞吉君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。  以上の七君が米価審議会委員につくことに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって、七君が米価審議会委員につくことができると議決せられました。(拍手)      ——————————
  6. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、運輸審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  去る七日、内閣総理大臣から、運輸省設置法第九条第一項の規定により、青盛忠雄君、有沢滋君、三村令二郎君を運輸審議会委員に任命することについて本院の同意を得たい旨の申し出がございました。  本件に同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  8. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって、同意することに決しました。      ——————————
  9. 榊原亨

    榊原亨君 私はこの際、保健衛生監督取締りに関する緊急質問動議を提出いたします。
  10. 上林忠次

    上林忠次君 私は、ただいまの榊原亨君の動議賛成いたします。
  11. 河井彌八

    議長河井彌八君) 榊原亨君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。榊原亨君。    〔榊原亨登壇拍手
  13. 榊原亨

    榊原亨君 私は自由党を代表して、国民保健衛生監督取締りについて緊急質問をいたしたいと存じます。  民生安定のための一つの基盤といたしまして、国民保健衛生のきわめて重要であることは申すまでもありません。しかるにこの大切な国民保健衛生の面におきまして、きびすをついで毎日いろいろなる不始末新聞紙上に続々として現われておるのでありまして、その国民生活に及ぼす害毒に至りましては、一紫雲丸の沈没の被害に比べるべくもないのでありましてこの点、政府といたしましても率直にこれらの事実を認めてすみやかにその対策を講ずべきものと存する次第であります。  まず飲料水の面を見ましても、最近水道の水の中に赤痢菌がまざって、数百名の被害を出すというような、近代文化国家といたしまして、まさに国辱に値する事件が相次いで発生しておるのであります。今年だけにいたしましても、福島、栃木、福岡、群馬の各県におきまして水道による赤痢の蔓延を見ているのであります。ことに群馬沼田市のごとき、当然施すべき水道濾過消毒を怠ったために、赤痢患者百六十数名、保菌者百九七数名を出すに至ったのでありまして、また一面赤痢の特効薬であると言われておりますところダイアジン等化学製剤、または抗生物質について見ましても、これらは赤痢には独得の効能があるものでありまするが、その使用法を間違いますると、かえってこの薬に対する菌の抵抗力が高まって保菌者を増加させる結果になりますために、現行法律におきましては、これらの薬は医師指示がなければ販売できないことになっているのでございますが、事実は全く野ばなし状態でありまして、だれでも薬局に行けば手軽に買うことができるというようになっておるのであります。これらの取締りにつきましても、特にヒロポンチクロパン同様、私どもは十分なる監督取締りを要望いたす次第でありまするが、現実の面において、これらの取締りが行われておらないということは、りつ然たるものがあるのであります。  かくして当局の不注意によりまして、水道においては赤痢菌をばらまきながら、一たん赤痢になりますと、これをなおす薬の効果が非常に減殺されておるばかりでなしに、さらにこの赤痢予防しようといたしまする際に、その予防注射をいたしますると、先日新聞紙上にございましたように、かえって非常なる副作用を起すというような始末でございまして、全くこれらの面におけるところ行政上の取締りというものが非常な盲点になっていると私は信ずるのであります。今回問題となりましたところ赤痢ワクチンにいたしましても、この問題は、いずれ委員会において詳しく検討いたしたいと存ずるのでありまするが、私が調べましたところだけをもちましても、実験の段階は終ったのでございまするが、さらに試験をいたさなければならない段階におきまして、東京都村山、砂川の両小学校生徒数千名に注射をいたしまして、はなはだしい副作用を起し、また高知県におきましても五百名の児童が同様な症状を起しているのであります。当局は、これらのワクチンについて、本当に確信があるかと申しますると、十分なる確信がないということを、私は明らかにせざるを得ないのであります。すなわち今日まで東京都では皮内注射〇・一をいたしておられたのでありまするが、今回はその四倍に当るところの〇・四グラムを皮下に注射することを指示いたしました。その指示を受けましたところ当該保健所医師は、これはあまり量が多いのではないかということを当局に反問いたしたのでありまするが、当局は、これは学童に対して適量であるということを答え、それだけならよろしいのでございますが、さらに数日後になりまするというと、前言を翻しまして、これを訂正して、〇・二にせよということを指示いたしているのであります。これらの事実を見ましても、いかに当局がこの面において確信を持たざる状態においてこれを試験的に児童注射したかということがわかるのであります。しかもこの予防注射決行に際しましては、町村衛生係だけを招集いたしました会議を開きまして、実際その衝に当っておりまするところ小学校養護訓導等はその会議に列席をさせませず、会議を開いて決定いたしましたものを天下り的に電話連絡をもって、これが決行を命じたのであります。しかもそのうちにおきましてある小学校におきましては、さらに慎重なる態度をもって、文書をもってその学童家庭承諾書を取ったのでございまするが、ある小学校におきましては、同様な承諾書を取らんといたしましたところが、驚くべきことには、その当局は、そういうことをすると、注射をする、注射を受けたいと希望する人員が減るから、そういたしましたならばその成績がわからぬから、それはやめてくれということの阻止を命じておるのであります。しかもいずれの会議におきましても、この薬が試験的であるという言葉は一言も述べておりません。これを秘密にいたしておるばかりでなしに、事件当局が行いました会議におきましても、この薬が試験的であったという言葉も述べておらないのでありまして、これは全く人権を無視いたしました暴挙でありまして、遺憾ながら私どもは、鼓を鳴らしてその責任を問わざるを得ないのであります。(拍手)  次に、食品中毒を見ましても、最近は日々この中毒状態がたくさん増してきておるのでありまして近来は私ども学会においても聞いたこともないような給食熱という病気があるということを、驚くべきことにおきましては、試験所が発表いたしておるわけであります。これは何かと申しますというと、肉類等加工品製造に際しまして、製造作業が不潔である、また加熱が不十分でありますために、食品中にばい菌が混入いたしまして中毒を起すというのだそうでありますが、かようなことが、どうして取り締ることができないのでございましょうか。つい先日も、日食観測船の「つがる」号が出発直前におきまして、船員十九名がハム、ソーセージ給食熱を起した、静岡県富士宮市の生徒二千百一名が給食熱を起したというような工合でありまして、ことに遺憾なことは、日本で初めて学校給食国産粉ミルクを使いましたために、兵庫県並びに東京都の学童千六百二十九名を中毒させた事故があるのであります。自動車にまで国産を使うように奨励しておられるところ鳩山内閣、しかも富士山の八合目でミルクを一ぱい飲ませるという内閣が、その内閣のもとにおきまして、皮肉なことにはかくのごとき粉乳中毒を相ついで起すということにつきましては、この点総理大臣はどんなお考えでおられるのでありましょうか。その他病血輸血の問題にいたしましても、ヒロポンチクロパンの問題にいたしましても、無届けの療術師、または無免許の美容師の横行、これは全く野蛮国のような状態でありましてその取締りのルーズさがいかに国民生活虫ばんでおるかということは、考えるだに、はだえに粟を生ぜざるを得ないのであります。先日私は神田を歩いておりまして、貸しふとん屋の前に参りますと、ごみだらけの歩道にきたないふとんをうず高く積んでおるのでありまして、どうするのかと聞いてみますと、これは修学旅行生徒に着せるのだというのであります。一体旅館の寝具はだれが取り締っておるのでありましょうか。これでは修学旅行に参りまして、子供病気にならない方が不思議なのであります。あれを見ましたならば、私ども家庭におきましても、自分の子供修学旅行に出そうという気にはなれないと思います。私はこの際、総理にお聞きしたいのでありまするが、民主的であること、人権を尊重されることは、決して人後に落ちないと信じておられる総理大臣が、今回の赤痢ワクチン事件における人権無視やり方について、どういう御見解をとっておられるでありましょうか。保健衛生取締り強化というようなじみな仕事は、選挙公約にはならないのかもしれないのでありますが、選挙には勝てないかもしれませんが、各種の民主党の公約が、今や全くまくらを並べて希望図に変化しておられる現在といたしまして、せめて身体不自由者のお一人であらせられるところ総理大臣が、友愛精神の政治の実績としてお示しになる一つの場合ではないかと思うのでございまするが、この方面における取締り強化をぜひともお願いしたいと私は思う。この点に対して総理大臣はどういう良心的な決意を持っていらっしゃるのでありますか。  さらに、鳩山内閣の看板の一つでございまするところ綱紀粛正はどうであるか。先ほど来申し上げましたような連日発生する不祥事故監督責任者に対して今日政府はいかなる措置を講じておられるのでありましょうか。またこの事故発生させた当事者にはどんな処分が行われておるのでありましょうか。たとえば粉ミルク事件にいたしましても、北海道の八雲工場責任者や、また沼田事件水道当事者は、いかなる業務上の過失者として検挙されて処罰されたのでありましょうか。赤痢ワクチンを作りましたところ武田製薬光工場や、先ほど申しました八雲工場は、閉鎖されたのでありましょうか。これらの点に対しまして、総理大臣厚生大臣並びに法務大臣の御見解を承わりたいのであります。  元来保健衛生取締りの実のあがらないのは、その取締り責任者であるところ保健所仕事が多過ぎるからであります。今のままでは、むしろ以前のように警察が取り締った方がよろしいという実績があがっておるのでありまして、従ってこの際保健所人員を増加し、その待遇を改善すると同時に、一方におきましては信賞必罰をもって綱紀粛正をやり、その能率の実をあげるということが最も急務であると考えるのでございまするが、厚生大臣のこの方面における御見解はいかがでございましょうか。保健所法制定の当時は、保健所において治療いたしますということは、保健所員治療に熱心になりまして、そのために取締りがおろそかになるということを私どもおそれたのでございまするが、現実におきましては、公的医療機関普及整備された今日におきまして、保健所治療方面におけるところのことにつきましては、これを廃止するお考えがあるかどうか、厚生大臣に承わりたいのであります。先ほど申しました水道事件赤痢ワクチン責任の所在、その原因をお聞きしたい。また赤痢ワクチンのようなまだ試験中のものは、当然国の監督のもとにございまするところ伝研あるいは予研等において製造すべきであるのに、なぜ武田製薬のような一業者にその製造をまかせておられるのでありますか。その点につきましても、厚生大臣の率直なる御意見を承わりたいのであります。なおこれらについてのその後の措置について承わりたい。  私は最後に、文部大臣にお聞きいたしたいのでございまするが、先ほど申し上げましたように、学校給食が非常な重大なる拡大の段階にある今日におきまして、これらの給食熱とかいうものに対して、文部大臣はどういうお考えをもって、これを処置せんとしておられるのでありましょうか、その具体的お考えを承わりたいのであります。また赤痢ワクチン試験注射は、すでに昭和二十八年以来数十万の学童にこれをやっておられるのでありまするが、先ほどお話し申しましたように、人権を無視したやり方をもって、今後もわが大切なる学童にこれをなさんとされておるのでありまするか、この点につきましても、文部大臣の御見解を承わりたいのであります。修学旅行の安全であるということは、ただ船を沈めないとか汽車を衝突させないというだけではだめなのであります。修学旅行によるところの、先ほどお話し申し上げましたような保健衛生の面における障害も、これを取り除くということが必要でございまするが、文部大臣は、この方においてどんなお考えをもってこれを処置しようとお考えになっていらっしゃるのでございましょうか。  以上、簡単でございまするが、私は保健衛生の面におけるところの最近の政府取締りの怠慢について、鼓を鳴らして御質問申し上げたいと存する次第であります。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  14. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 榊原君の御質問を傾聴いたしました。保健衛生日常生活に直接関係がありまして、きわめて重要であるということはお話の通りでございます。私は、近年は非常に向上してきたと思っておりましたのに、一部の地方事件が頻繁に起つておりますことは、まことに遺憾に存じます。行政監督徹底保健衛生機構整備充実あるいは衛生関係職員訓練等に力を入れまして、こういうような災いが頻発せざるようにできるだけの力を費したいと思います。詳細の事柄につきましては、関係当局から答弁をしてもらいます。    〔国務大臣川崎秀二登壇
  15. 川崎秀二

    国務大臣川崎秀二君) 保健衛生の広範なる問題について御質問でありましたので、逐次お答えを申し上げたいと思います  最近大部分の伝染病減少の一途をたどりまして、全般といたしましては、昨年同期と比して、約二〇%の減少傾向を示しておるのでありますが、これらは環境衛生改善国民衛生知識の向上によるところも大きいのでありますが、腸チフス等におきましては、予防接種普及によるところもまた非常に大きなものがあると考えるのであります。先般不幸にいたしまして、赤痢ワクチンの問題が突発をいたしまして、この問題はお説のごとくまことに遺憾に存じておる次第であります。予防接種は現在の科学の水準におきましては、若干の副作用を伴うことのある実情でありますが、かかる不測の事態を起さぬよう、原因徹底的に究明するとともに、他の予防接種副作用についても、今後一そう研究を重ね、その減少をはかりたいと存じております。事件が起りましてから、直ちに技官その他を派遣いたしまして、事件の直接責任者である東京都とも種々連絡をとっておるのでありまするが、幸いにしまして、あの事件は、翌々日には高熱患者もほとんど見出せないという状況に立ち至っておりますので、これらも御報告を申し上げておきたいと思います。  次に、食中毒事故発生につきましては、これは、最近は非常に減少を来たしております。特に先般も衆議院緊急質問があった際に申し上げたのでありますが、以前はかなりの発生をみまして、ことに一昨年は大規模な事件が起きて、旅行者に不安を与えたことがございますが、その後各県の衛生部民生部等とも十分連絡をとりまして、かようなことのないように措置をいたした関係で、この方面のことは、非常な改善にはなっていると私は思うのであります。しかし、最近発生しましたいわゆる給食病の方につきましては、この原因を研究しました結果、獣肉中のビールスによることが明らかになりまして、いわゆるソーセージ製造工程指導監督などにおきまして、非常に問題があったということが報告をされておりますので、この点につきましては、今後かようなことの起らないように、ただいま御指摘通り努力をいたしたいと思っておる次第でございます。  なお水道の問題につきまして、全般的な御言及と御指摘があったのでありますが、これは全く御指摘通りでありまして、各所におきまして水道施設の荒廃による事故、あるいは御指摘のような問題が起っておることははなはだ遺憾であります。厚生省としては水道維持管理方針昭和二十八年四月に制定をいたしまして、都道府県保健所並びに各事業主体でございます町村に対し、これに準拠して運営するよう強く通牒いたしているのであります。水道に起因する事故発生も、最近漸減はいたしておりますが、先ほどのような事故もありますので、この際、水道管理の適切なる運営につきましては、都道府県及び保健所をして指導に当らせるつもりであります。このような問題で、さらに事業主体におきましても、財源難やあるいは技術員の不足などにより、維持管理の適正に欠くるものがありますのでこの点につきましても指導徹底をはかりたい、かように存じております。  最後に、保健所の役割についてでありますが、これはもう十分われわれも地方衛生中核体としての保健所存在価値というものを認めておりまして、むしろこれは予算編成の途次におきましては、財政当局とも相当に論争をいたしました結果、財源等が復活をみているような事情であることも御承知おきを願い、かつこれはぜひとも各党派超越をいたしまして、保健所育成強化ということには御協力を願いたいと存じている次第でございます。  ただこの保健所業務のうち、ただいま御指摘のありましたように、治療乗務を圧縮しろということでありましたが、私も同感であります。保健所仕事は、その保健衛生監督ということと普及ということに重点がありまして、直接の治療業務にないことはもとよりでありまして、これは今日までに補充的に行なってきましたことでありますので、これらは漸次圧縮したい方針であることも明確に申し上げておきたいと思うのであります。  なお、赤痢ワクチンの問題につきまして、前後いたしましたが、今回起りました東京都下赤痢ワクチンにつきましては、赤痢ワクチンの今までの製造につきましては、予研がその責任において指導監督して、武田光工場の人と場所を借りて作ってきたのでありますが、武田のみにやらせるな、将来は一般にも作らせろという意味の御質問だと思いますが、これは薬事法による製造基準を新たに策定をいたさなければなりませんので、これを急いで行いまして、一般にも作らせる方針のように切りかえたいと思っております。  なお、チクロパン等販売につきまして御指摘がありましたが、医薬品販売業国民保健衛生に重大なる関係を有するものでありますから、その監督を適正にいたさなければならないことは御指摘通りであります。現在医薬品販売業者の数は数万の多きに上りまして、直接厚生大臣がこれを監督することの至難な面もあります。薬事法販売業の登録、業務監督行政処分等の権限を都道府県知事に一任する建前をとっておりまして、知事のもとに全国約千五百名程度の薬事監視員が、販売業日常業務監督に当っている次第でございますが、多数の業者のうちには、一部分には御指摘のごとく所定の手続によらずして、特定の医薬品販売するような不心得な者も存在することはまことに遺憾であります。この点は今後一そう府県薬事監視員を督励いたしまして、このようなことのないように努力をいたしたいと思っている次第でございます。(拍手)    〔国務大臣花村四郎登壇
  16. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) お答え申し上げます。  お尋ねのような事件国民保健衛生に甚大な被害を及ぼし、社会的影響も非常に多いので、検察庁といたしましても、関係機関と緊密なる連絡をとりまして、そうして刑事事件として認め得まする場合においては、食品衛生法その他関係法令を適用いたしまして、迅速かつ厳正公平にこれを処理いたしております。現に本年二月ごろ長崎県佐世保市を中心にいたしまして発生した駐留軍の廃棄いたしました冷凍鶏卵分布事件につきましては、直ちに捜査を進めまして、三名を食品衛生法違反として起訴いたしております。  その他の件は、目下関係行政機関、あるいは警察庁において、その原因等についてつまびらかに調査をいたしておりまするが、もし、それが犯罪の容疑が生じまするような場合がありますならば、検察庁といたしましては、当然これを取り上げて捜査を進め、適当に処理をしていく考えでございます。以上。(拍手)    〔国務大臣松村謙三登壇拍手
  17. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) お答えを申し上げます。  御指摘のような事柄が頻発をいたしまして、こういうことをできるだけ防止いたしたいと、かねがね心がけていたのでございますが、一そう注意いたしたいと存じます。  給食の問題につきましては、この脱脂乳に御指摘のようなことがございました。実はこの牛乳につきましては、御承知通りアメリカからの粉乳をとっておりますが、できるならば内地のものを使いたいと思いまして、内地、生産のものも合わせて使ってみておるわけでございます。その中にこのようなことが起りましたので、厳重にこれの取締りをいたしておるわけでございます。理想といたしましては、これを酪農の発達に伴うて生乳を児童に飲ますようにいたしたいと心得ましてそういう方向へ進めたいと考えております。  また、だんだん暑くなるに従いまして、給食食品に変化をきたし、中毒等を起す季節にもなりましたので、先般も各府県注意を促しておるような次第でございまして、そういう腐敗等に対する注意と、もしも病気が出ましたならば、早期の発見、手当、それから蔓延せざるうちに学校の休業、それぞれの措置を敏速にとるよう示達をいたしているわけでございます。  また、修学旅行につきましても、実はこれまでも地方へは相当の注意をいたしてあるのでございまして、旅行に先だちまして、その旅行地の各府県衛生課長とか、あるいは保健所長とかに通達を出しまして、宿舎の衛生監督等もお願いをするようにという厳重な示達をいたしておるわけでございます。それにもかかわらず、時たま、やはりそういう被害が出ますので、これも重ねて注意をいたすつもりでございます。  それからワクチンのあのような事柄については、これは文部省といたしましても、実に申しわけのないことと考えておりまして、厚生省ともさらに一そう連絡を密にいたして、このようなことがなく、そうして予防効果をあげるように努めたいと心得ております。      ——————————
  18. 田中一

    ○田中一君 私はこの際、請負談合に関する緊急質問動議を提出いたします。
  19. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は、田中一君の動議賛成いたします。
  20. 河井彌八

    議長河井彌八君) 田中君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。田中一君。    〔田中一君登壇拍手
  22. 田中一

    ○田中一君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、先月来、新聞紙上に毎日のように報道されておりますところ東京都庁の汚職事件、並びにこの遠因と言われておりますところの談合行為、さらにこれに関連して先般ビルマ国との間に締結されましたところの賠償の問題等に関連いたしまして、若干の質問をいたします。  東京都庁汚職事件とは、諸君も御承知通り、都健康保険組合の生浜荘建築工事の不正入札から発展いたしました、都職共済組合の湯河原荘の改修工事にからむ談合、さらに都関係庁舎の改修に関係する贈収賄へと発展し、先月三十一日共済組合事務所の捜査を足場に、財務局管理部の不正事件、建設業者の入札妨害談合事件、増上寺事件にからむ公園地解除の収賄等、六日、八日の朝日新聞紙上に詳細に報道されているのであります。  われわれはさきに安井都政の一断面として東京産業会館問題、また高速道路問題と砧ゴルフ場の問題等々、数々の不明朗ないわゆる汚職のにおいのする諸問題を国政の上から批判して参ったのでありまするが、たとえば、さらに数日前の朝日新聞紙上には、都庁内に都水クラブとかいう入札の不正談合機関があって、汚職の根のあることを知ったのでございます。これらの事件は、現在捜査中のものでありまするから、私はただいま、その内容について報告を求めはいたしませんが、少くとも地方自治体のその規模といい、財政の面からいいましても、首位にある東京都庁の汚職がますます拡大されつつあるということは、遺憾にたえないことでございます。また、ことに都の職員が、単なる業者のみの談合事件ならず、職員と一部の特権業者との間で通謀して、特定業者に落札をさせようというような事例がたくさんございます。私は、この際、総理大臣にお伺いしたいのでございますが、総理は、かつて東京市議会の議員の経歴もございます。また一部民としても、またこの事件が警視庁によらずして直接地方検察庁の手によって摘発されたものであります。先般の地方選挙におきましても、鳩山総理は、安井都政の善政であったことを謳歌いたしまして、相当の応援をいたしております。これらの点につきましては、少くとも総理大臣として政治的な責任をお感じにならかいのかどうか、まず伺いたいのでございます。  また、同時に自治庁長官に伺いたいのは、この責任と今後の措置についてでございます。これは他の自治団体に及ぼすところの影響が非常に甚大なものでございまして、自治庁長官としてはこの対策をどのように考えておられるか。また一方、自治庁におきましては、新聞紙上に伝えるところによりますと、地方会議員の自治体との請負契約、あるいは物件購入等のできないような措置考えていると伝えられています。この点の自治庁長官の考えはどうか、これをまずお伺いいたします。  第二が、建設大臣、大蔵大臣、今参っておりませんが、現業関係の各大臣に伺いたいのでございます。なおこれに対しまして、通産大臣にもお伺いいたしますが、このような汚職事件の陰には常に談合行為があるといわれております。その一点として伺いたいのは、刑法第九十六条の三に規定されておりますところの競争入札妨害談合行為、そして条文には、「偽計若クハ威力ヲ用ヒ公の競売又ハ入札ノ公正ヲ害スヘキ行為」、「公正ナル価格ヲ害シ又ハ不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シタル者」と規定してございますが、これはどのような事実を表わしたものでございますか。また、談合とはどういうものでありましょうか。私は不幸にしてこの条文からは、談合とは何かということが発見されません。従って談合並びに不正談合というものは、どのような形のものであるかということを、事実をもってお示しを願いたいと思います。  第二点としては、公共事業の施行に当りまして、現在どのような制度のもとに契約を締結しているか、予算決算及び会計令第七十八条には、一般競争契約といたしましては、「一般競争の加入者の資格」、条文には、「一般の競争に加わろうとする者に必要な資格は、大蔵大臣の定めるところによる。」と規定してございます。また第七十九条には、「契約の履行に際し故意に工事若しくは製造を粗雑にし又は物件の品質数量に関し不正の行為があった者」、また、「競争に際し不当に価格をせり上げ又はせり下げる目的を以て連合をなした者」、三には、「競争加入を妨害し又は競落者が契約を結ぶこと若しくは履行することを妨害した者」等々を規定しておりまするが、民主党所属の牧野良三君の著書であるところの「競争入札と談合」という著書を読んでみますと、こういうような批判をしております。注文者は常に落札価格の低いことを欲求し、入札者はまた落札しようとする強い念願を持っている。その結果、いたずらに最低価格を求めようとするのは自然の勢いであり、また事実であるのであります。このように競争入札とは、工事の適正、不適正を外にして、ただ最低価格をのみ目的とするもののごとき観念に傾きつつあるのであります。または安い価格安い価格と、次第に安きに向って、最低価格を競争入札制度の精神であるかのごとき変質された、また大きな障害を生じていると言っております。  私はこの際、現業の四関係大臣に伺いたいのは、現在どのような形で見積価格の決定をしておるか、あるいはどのような方法でこの適正価格というものをきめておるか、また入札者の落札入札者をきめる場合にはどういう資格のものを作っておるか、入れておるか。また従来の入札には常に談合が、不正談合が行われておったかどうか、どのような見解を持っておるか。また不正談合があったと読まれた場合には、どのような方法でこれを措置しておるか等をお伺いしたいと思います。  また、これは地方庁のみならず、各省各庁におきましても同様の、公共事業並びに物品購入等の問題にからんでたくさんの汚職があるものと私は考えております。ことに参議院等の選挙におきましては、このようなものに関連いたしまして、一部の業者と関連して立候補するというようなことも考えられているように新聞紙上で見ておりますが、このような傾向に対しまして、関係大臣並びに総理大臣はどのような御見解を持っているか。  さらに通産大臣に伺いたいのは、談合というものは不正な場合には悪いというならば、さらに他産業におけるところの価格の協定、あるいはセメント、油、石炭、その他重要な資材におきますところの価格の協定というものは談合とみなすかどうか、この点は通産大臣並びに建設大臣、大蔵大臣にお伺いいたします。  第三にお伺いしたいのは、こういうものに関連いたしまして、先般締結されたビルマ賠償に対する役務賠償のことであります。建設大臣は先般の委員会におきまして、建設省設置法の一部改正を企図し、役務賠償に対する建設業者のビルマへの進出の窓口を拡げたいということを言っております。そうしてもはや事前に建設省の指導によりまして、海外建設協力会なるものを結成させております。一体この団体は何を目的としてどういうふうな指導を建設大臣は行おうとしているのでございましょうか。ビルマ国へ物件並びに役務で賠償を行おうとする場合、外務、大蔵、建設の部局は、その価格もどのような形で適正を求めようとするのでございましょうか。また、どういう形でその入札、購入をするのでございましょうか。自由に業者の意思決定をさせるならば、どういうことになりましょうか。たとえば、単にこれはビルマ関係の問題ばかりではございません。国際入札の際に、日本商社がお互いに話合いをいたしまして、入札価格の決定をみることは、これは不正談合とみなされるのでございましょうか。こういう点について、大蔵大臣並びに通産大臣の御見解を伺います。また、こうした形の問題を、外務大臣並びに関係大臣の間でもって、どのような形で方法をとろうとする意図があるか、話合いがあるかも明確に御説明願いたいと存じます。  政府は刑法第九十六条の三、予算決算及び会計令第七十八条、七十九条、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律等で、不正なる談合に対する取締りをしております。しかしながら、戦後福岡、熊本、岡山等におきまして数々の談合不正工事の摘発を受け、公判に付されております。これはおおむね無罪となっております。これは一体何に起因することでございましょうか。少くとも入札者の決定権は政府が持っております。また落札者の決定権も政府が持っているものであります。これは単に談合し、落札する者の罪ばかりではないと考えられる節がございます。すなわち法的な裏づけ、法的な措置に欠けたところがあるのではなかろうかと考えるものでございます。この際政府は、汚職のもとをなすところの数々の公共事業に対する契約、その他の案件に対しまして、抜本的な施策を行うという意思がありますかどうかを伺いたいと思います。  これはたとえば、数々の入札の場合、三十件に一つというような少い落札しか得られないのが業者の実態でございます。従いまして入札者に対する見積費の支給とか、あるいは二十五年建設省より、中央建設業審議会の決定によりましたものを建設省は各地方公共団体に流しております。これには現在できておりますところの最低入札制度等を用いております。従って政府は、この地方公共団体が現在実施しておりますところの最低入札制限制度を取り入れる意思があるかどうかの問題でございます。御承知のように、入札する者、いわゆる業者というものは、商業的見地から仕事をするのでございまして、これはつぶれようと一向差しつかえございません。しかしながら、つぶれた場合には、あるいはダンピングを行なっておった場合には、少くとも労働者に対する賃金不払いとか、あるいは労働強化をもって報いられます。実に工事に対する不正、手抜き工事を招来することは明らかでございます。従いまして、今申し上げました点につきまして、関係大臣は今後どのような形でこれを規制し、そうして汚職の根源をなすところの談合行為を合理的に、また多数の労働者の生活権を守りつつどのような措置をとるかをお伺いして、私の質問を閉じることにいたします。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  23. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 東京都の汚職事件を中心として、私に御質問がございましたが、大体においては関係閣僚から答弁をしてもらいます。  東京都の不祥事件については、まことに遺憾に存じております。現知事も、職員を交替いたしまして、都の明朗化を期待して努力をしておることと思うのであります。私に対して、都民としてむろん責任の一端は負わなくてはなりませんけれども、さてどういう責任をとるかということについては、言明はいたしかねます。    〔国務大臣川島正次郎君登壇
  24. 川島正次郎

    国務大臣(川島正次郎君) 地方公社団体の不正事件等につきましては、自治庁といたしましては常に重大な関心を持ちまして、調査もし、資料の収集もいたしております。東京都庁の入札の形式は、最低価格に落すのではなくって、標準価格を内定いたしまして、その標準価格に近い入札をした業者に落すことになっておりまして、今回の事件は、談合に関してはまだ現われていないようであります。標準価格を職員が業者に漏らしたことが、贈賄の事件として、ただいま検察庁においてこれを摘発をいたしておるのであります。まことに遺憾な事件でありまするが、ただ自治庁長官といたしまして府県に対する監督権はきわめて薄弱でございまして、ただ、財務の関係の事務を視察し、また出納を検問することができると、こうなっております。その結果につきましては、運営の合理化に資するために適切と認める技術的援助または勧告をすることができると、ただこれだけでございまして、全く地方自治団体の任意な運営をまかしておるわけであります。従いまして、地方の団体によりましては、きわめて合理的な運営をしている所もありますし、ルーズに運営をしている団体のあることもこれもまた事実であります。赤字の原因が種々ありますが、その一つとして財政の運営の拙劣さが指摘されているところも個々にあるのでございます。全く地方公共団体の自発的な粛正に待つ以外には、今日の法規としてはいたし方ないのでございます。  なお、御質問になりました地方議会の議員が今後請負契約ができないとう点でありまするが、これは地方仕事というものは、第一線の執行に直接関係のあることが多いのでありまして、従いまして、地方議会の議員が直接関係のある府県庁の仕事の請負工事をするというのは、いろんな弊害があるというので、かねて議論になっております。今回提案いたそうと考えておりまする自治法の改正案におきましても、これを取り上げまして、地方議会の議員は当該関係公共団体の仕事の請負はなすことができない、こういうふうに改正をいたしだいという案文を今用意をしている最中でございます。    〔国務大臣竹山祐太郎君登壇
  25. 竹山祐太郎

    国務大臣(竹山祐太郎君) お答えを申し上げます。  建設省関係やり方はどうやっているかということにつきましては、お話の通り、根本は、不正があれば刑法及び会計令に基いて処罰をされるものと考えておりまして、取扱いとしては政府のきめております方式通りにやらしておりまして、御議論としては、田中さんの御持論であるローワー・リミット制であるというような問題も検討はいたしておりますものの、今川島長官からもお話のあったように、政府やり方地方自治団体とのやり方とは違っておりまして、これも問題の点でありまして、大いに検討を要する問題としては慎重に研究はいたしておりますが、今は政府の従来とってきました法制のもとにいたしているつもりでありまして、問題は、私は就任以来最大の努力を、綱紀粛正と、今、国民の批判を受けるであろうかような問題の起らぬことに全力をあげて、監察官等を全部全国を回らしておりますが、率直に申して、私は外部から見ておりました感じと比べまして、建設省の仕事につきましては、非常に信頼をいたしておりましてまた業界も最近は非常によくなりて参りまして、私などはいろいろ話をしばしばいたす機会がありまするけれども、実に紳士的によくなって参っていることは、率直に私は感心をいたしております。  ただ何と申しても、戦後非常に業者がふえましたので、その間に非常な混乱と不当な競争が起りまして、地方等でいろいろ御指摘のような問題が起りますことは、まことに遺憾でありますが、建設省直接の仕事はもとよりのこと、地方関係仕事につきましても、極力私はこの面から努力をいたしたいと考えておりますが、法令制度の面で改訂を要することはないかということは、よく慎重に研究をいたしますが、当面起ってくるのは、今のローワー・リミット制というような問題であろうと思いますが、今直ちにこれを採用する考えはありませんが、もちろん研究をいたさなけりやならぬ一つであろうと思いますが、要は、役人が今お話の出ました予定価格の秘密の厳守ということを中心に綱紀粛正をするということと、また業界もこれに応じてほんとうに国民の指弾を受けないようにやっていくことに、政府は全力をあけて努力をいたすべきで、ことに私のところ仕事はその面が多いので、私を初め全力をあげてこの面で努力をいたしているようなわけでありまして、刑法の解釈はどうかということにつきましては、これは法務大臣等からお聞き取りをお願いいたしたいと思います。  なお、海外協力の問題につきましての御質問は、これは賠償の問題が起りますや、いち早く私はいろいろ、従来も海外へのかような仕事業者の間で不当に競争が起りますし、またそれを海外から逆に利用された事例等もありますので、この点を心配いたしまして、国家として不当な損害を受けないように、また業者みずからも不当な損害を受けないようにいたすために、外務省、経審及び通産省等と連絡を緊密にとりまして、今後起るべき賠償の幾多の問題には、相当建設業の仕事が多いのでありますから、これに対処すべく業界がほんとうに協力一致して国家のために努力ができますような態勢をとってもらっておるものでありまして、何ら法律的にどうこうしようというのではなく、業界の自粛の態勢といいますか、協力の態勢をみずからとられたのに対して、われわれもこれに対応する機関を官房に置くことに、目下設置法の改正もお願いをいたしておりますが、事実上は目下その人を置きまして、関係業者と累密な連絡をとって、現に起ってくべき賠償の問題に、国家のこの方面の、ある意味においては十分余力のある業界の力を大いに発揮をいたして参りたいという考えで対処をいたしておるような次第であります。    〔国務大臣石橋湛山君登壇
  26. 石橋湛山

    国務大臣(石橋湛山君) 談合とかあるいは不正談合とかいう言葉の意味について、私はよく実は存じません。これは法律問題でありますから、法務大臣等からお答え願うのが適当と存じます。ただ私に関係する部分と思いますのは、いろいろな生産業者やあるいは商人が、価格その他について協議をしてやることが談合じゃないかというようなお話でありましたが、これはまあ談合であるかどうか、私は法律上のことはわかりませんが、しかしこれは今の独禁法によりますと、生産業者や商人が勝手に価格の協定をしたり、あるいはいろいろの取引上の協定をすることは、法律違反だと思います。従って公正取引委員会がこれを取り締ることになっておりまして、できない建前でありまして、また事実やっておらないと思います。ただしかし、それでは実際において日本の経済界に非常な不便が起りますので、あるものにつきましては、特に法律等をもちまして、その独禁法の一部適用を除外する処置を講じております。近く御審議をわずらわさなければならぬと思っております、たとえば輸出入取引法のごときも、外国貿易に関しましては非常な不正競争、むしろ適当競争というものが起ることに弊害がございますので、独禁法の規定を幾らかはずしまして、そうして輸出入については、業者が協定をすることができるということにいたしたいと考えておるわけであります。  それからビルマ賠償につきましては、これはいろいろビルマ賠償がきまりますときのいきさつがあるようでありますが、建前といたしましては、ビルマ政府は、直接日本の業者とビルマ政府が交渉するということになっておりまして、その間に日本政府が介在すべき余地がない。今竹山建設大臣からお話がありましたように、われわれといたしましては、その場合にまた非常な競争が起って、特に不利益を起すということは困りますから、できるだけそういうことが起らないような指導をしていきたいと存じておりますが、とにかく話し合いはビルマ政府が直接やるということに相なっております。向うから相談がありました場合には、むろんこの相談に応じますけれども、従ってここに談合ということかどうかしりませんが、何かそういう話し合いをあらかじめしてやるという余地はないように思います。    〔国務大臣一萬田尚登君登壇拍手
  27. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 国の会計制度の原則として、競争入札をいたしまして、多数不特定の人を参加せしめて、そうしてこの談合の機会を少くするという建前にいたしておることは御承知通りであります。ただこの競争の場合に不公正があるというような場合におきましては、先ほど御指摘のような予算決算会計令七十九条に基きまして、その後二カ年間競争に参加できないということをあくまで励行していきたいと思っております。なお、こういうことに関連する官吏におきましては、厳にこの綱紀粛正して保っていかなければならぬことは申すまでもありません。なおこの競争入札の場合におきまして、最低の価格をとることについての御意見があったようであります。これにつきましては、競争入札をいたしまして、国が契約するような場合に、国が勝手に相手をきめるということなくしていくという意味におきまして、競争入札は非常にいいと思うのであります。これがありますと、自然最低値段ということにまあなると思うのでありますが、このことにつきましては、先ほど建設大臣からお話がありましたように、今後十分検討してみる必要があろうかと考えております。  なお、このビルマの賠償につきましては、通産大臣御答弁でありましたが、私ども関係することは、今話がありましたように、在日ビルマ・ミッションが直接日本の生産業者に発注していくことになっておるのでありますが、その代金の支払い、これは日本政府が払っていかなくちゃならぬ、この支払い方式の問題があります。これはただいま検討中でまだきまっておりませんが、これも十分間違いのないような仕組みにいたしたいと考えております。    〔国務大臣重光葵君登壇
  28. 重光葵

    国務大臣(重光葵君) 私に対する御質問は、ビルマの賠償問題に関することであったと思います。すでに通産大臣、大蔵大臣等の御説明の通りでございます。ビルマ賠償が役務賠償、現物賠償になっておる、その賠償の価格決定はどうするかということについては、ビルマ政府が直接日本人の業者と契約することになっておることを御説明がありましたが、その通りでございます。政府はこれに関与しないことになっております。しかしこれに関係をいたしまして、今御心配がありましたような国際信用を害するようなことに相なっては、価格決定もしくは入札について、そういうことになってはいけませんので、さような場合におきましては、適当にこれを政府から指導するということはむろんやらなければならぬことを考えております。以上。      ——————————
  29. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第一、昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第二、昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書  以上、両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。決算委員長山田節男君。    〔山田節男君登壇
  31. 山田節男

    ○山田節男君 ただいま議題となりました昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書に関する決算委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。  まず本件の内容の概略を申し上げますと、昭和二十八年度において一般会計、特別会計を合計いたしました国有財産の増加領は四千九百四十二億余円、減少額は千五百十三億余円、差引純増加領は三千四百二十九億余円でありまして、年度末、すなわち昭和二十九年三月三十一日における国有財産の現在額は七千五百九十三億余円となっております。この内訳は、行政財産千四百三十三億余円、普通財産六千百六十億余円でありまして、行政財産をさらに分類いたしますと、公用財産七百四十六億余円、公共用財産一億余円、皇室用財産二億余円、企業用財産六百八十二億余円となっております。  次に国有財産の無償貸付は、一般会計、特別会計を合計して、昭和二十八年度におきまする増加額は一億一千万余円、減少額は一億余円、差引純増加額は一千万余円でありまして、年度末における無償貸付の現在額は一億八千万余円となっております。  決算委員会は、右二件につきまして政府の説明並びに会計検査院の検査報告の説明を聴取いたしました上、慎重審議いたしましたが、本件の内容をなしますところの国有財産の取得、管理、処分に関し処理の適正でない点につきましては、別途昭和二十八年度決算審査においてこれを審議することにいたしておりますので、この二件の計算書については、異議がないことを議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  32. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。  両件を問題に供します。両件は、委員長報告通り決することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  33. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。  よって両件は、全会一致をもって委員長報告通り議決せられました。  本日の議事日程は、これにて終了いたしました。  次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十四分散会      —————————— ○本日の会議に付した案件  一、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件  一、運輸審議会委員の任命に関する件  一、保健衛生監督取締りに関する緊急質問  一、請負談合に関する緊急質問  一、日程第一 昭和二十八年度国有財産増減及び現在額計算書  一、日程第二 昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書