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1955-06-09 第22回国会 参議院 法務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月九日(木曜日)    午後二時六分開会   —————————————   委員の異動 六月三日委員八木幸吉辞任につき、 その補欠として市川房枝君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     成瀬 幡治君    理事            劒木 亨弘君            宮城タマヨ君            市川 房枝君    委員            中山 福藏君            藤原 道子君            一松 定吉君            羽仁 五郎君            小幡 治和君   国務大臣    法 務 大 臣 花村 四郎君    国 務 大 臣 杉原 荒太君   政府委員    防衛庁防衛局長 林  一夫君    法務政務次官  小泉 純也君    法務大臣官房調    査課長     位野木益雄君    法務省刑事局長 井本 台吉君    法務省人権擁護    局長      戸田 正直君    法務省入国管理    局長      内田 藤雄君    労働省婦人少年    局長      藤田 たき君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  真道君   説明員    法務省刑事局刑    事課長     長戸 寛美君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○下級裁判所設立及び管轄区域に関  する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○出入国管理令の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○日米相互防衛援助協定等に伴う秘密  保護法の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○公聴会開会に関する件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  の件  (売春対策に関する件)  (法務行政に関する件)   —————————————
  2. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) これより法務委員会開会いたします。  まず、理事補欠互選の件を議題に供します。理事八木幸吉君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員のままになっておりますので、その補欠互選を行いたいと存じます。この互選方法は、成規手続を省略して、便宜上その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。それでは私から市川房枝君を理事に指名いたします。   —————————————
  4. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案及び出入国管理令の一部を改正する法律案、両案を便宜上一括して議題に供します。まず、政府から提案理由説明を願います。
  5. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、提案理由説明いたします。  この法律案は、最近における市町村廃置分合等に伴い、下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律所要改正を加えようとするものであります。以下簡単に今回の改正の要点を申し上げます。  第一は、簡易裁判所名称変更であります。すなわち、簡易裁判所名称は、その大部分が所在地の市町村名称を冠しております関係上、市町村廃置分合またはその名称変更に伴い、簡易裁判所名称もまたこれを改める必要がありますので、神奈川津久井津久井町の設置に伴い、神奈川中野簡易裁判所名称津久井簡易裁判所と改めるのを始めといたしまして、合計三十三の簡易裁判所名称変更しようとするものであります。  第二は、簡易裁判所管轄区域変更であります。すなわち、裁判所管轄区域は、行政区画またはこれに準ずべき区域基準として定められております関係上、市町村廃置分合等に伴い、関係簡易裁判所管轄区域変更を加える必要がありますので、春日部市の設置に伴い、大宮簡易裁判所管轄に属する埼玉県南埼玉郡旧豊春村の区域越ヶ谷簡易裁判所管轄変更するのを始めといたしまして、合計百三の簡易裁判所管轄区域変更しようとするものであります。  第三は、下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律別表整理であります。すなわち、市町村廃置分合名称変更等に伴い、同法の別表第四表及び第五表について当然必要とされる整理を行おうとするものであります。  なお、以上説明いたしました簡易裁判所名称及び管轄区域変更につきましては、いずれも、地元市町村関係官公署弁護士会等意見を十分しんしゃくし、最高裁判所とも協議の上決定したものであります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。御承知のように、最近、町村合併促進法施行等に伴い、町村合併等が全国的に行われております関係上、この法律案における改正個所もかなり多数に上っておりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  なお、ただいま議題となりました出入国管理令の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  まず、出入国管理令第五十四条の改正について申し上げます。出入国管理令に定める退去強制事由に該当するため違反審査を受け、またはその結果国外に強制退去を命ぜられた外国人は、一定収容施設にその身柄収容することになっておりますが、疾病その他特別の事情により収容を継続することが適当でない場合には、確実な身元引受人にその身元を引き受けさせ、かつ、一定の金額の保証金を納付させて、仮放免を許可することになっております。この保証金の額は法務省令で千円以上三十万円以下と定められておりますが、最近、収容が長期にわたり、かつ、違反内容も比較的軽微であって、仮放免をしてもよいと思われるにもかかわりませず、適当な身元引受人がない等のため、保証金を納付することができない者が相当あるのであります。そこで、これらの者については、保護団体等保証金を納付させてその身柄を引き受けさせた上で、仮放免を許可しているのでありますが、財政の豊かでない保護団体等相当数に上る仮放免対象者保証金を納めさせることは、いかにも気の毒でありますので、この際、保証書をもって保証金にかえることを許し、もって仮放免手続の円滑な運営を期したいと存ずるのであります。  なお、第五十五条第三項の改正は、右に伴う字句の整理であります。  次に、附則第二項について申し上げます。昭和二十七年四月二十八日平和条約が発効いたしましたとき、終戦前から引き続いて在留する朝鮮人および台湾人並びにこれらのものの子で終戦後から平和条約発効の日までに生れたものにつきましては、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係命令措置に関する法律昭和二十七年法律第百二十六号)第二条第六項によりまして、目下のところ出入国管理令に定める正規在留資格を有しないままで本邦に在留することが許されているのでありますが、これらの朝鮮人および台湾人の子で平和条約発効後に生れた者は、出生の際に特別の在留資格が与えられ、その期間は、三年と定められているのであります。そこで、平和条約発効後三年目に当る本年四月二十八日以降は、それらの子は、あらためて在留期間更新をする必要があるわけでありますが、事実上その必要が生ずる時期は、来る七月以降となっております。ところが、出入国管理令第六十七条の規定によりますと、外国人在留期間更新の許可を受けました場合には、手数料として一件につきまして千円を納めなければならないのでありますが、ただいま申し上げました子供保護者たちは、前にも申し述べました通り、永年日本に居住し、正規在留資格を持たないままで在留を許されている者で、大部分貧困者と申してよく、強いてこの手数料を納めさせようといたしますと、かえって在留期間更新を渋る結果となり、ために不法残留者が続出するおそれが多分にあるのであります。  そこで、政府としましては、これらの事情及びこれらの者とわが国との特殊関係を考慮いたしまして、政令で定める日までは、その手数料を取らずに在留期間更新ができるようにいたしたいと存ずるのであります。しかして、その政令内容といたしましては、とりあえず、平和条約発効後一年の間に在留資格を取得した子供たち在留期間更新について手数料を取らないこととし、その後に在留資格を取得した子供たち在留期間更新については、日韓会談進捗状況等をにらみ合わせて、その時期がきたときに、あらためて措置いたしたいと考えておる次第であります。  以上この法律案提案理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。   —————————————
  6. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の一部を改正する法律案議題に供します。まず政府から提案理由説明を願います。
  7. 杉原荒太

    国務大臣杉原荒太君) ただいま議題となりました日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  昨年、わが国は、アメリカ合衆国との間に、日本国に対する合衆国艦艇貸与に関する協定を締結し、すでに艦艇の受領を開始いたしておるのでありますが、同協定中には、さきに締結いたしました日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定及び日本国アメリカ合衆国との間の船舶貸借協定の場合と同様に、貸与された艦艇について所要秘密保護措置を講ずべきことが規定されているのであります。御承知のように、さきの二協定に関する秘密保護措置につきましては、すでに日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法が制定され、これによって所要保護措置が講ぜられることとなっているのでありますが、保護対象等から考えまして、本協定に関する秘密保護措置も、さきの二協定に関するものと同様にすることが適当と考えられますので、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の一部を改正し、本協定についても同法の適用を受けるようにするため、この法律案を提出いたした次第であります。  以上提案理由につきまして御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。
  8. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 引き続いて補足説明を願います。林防衛局長
  9. 林一夫

    政府委員林一夫君) 日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の一部を改正する法律案提案理由につきましては、すでに国務大臣より御説明いたしたところでありますが、次に政府委員といたしまして本法律案内容について補足して御説明申し上げます。  御承知のごとく、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法は、防衛秘密について、その秘密保護関係行政機関のとるべき措置について規定するとともに、所要の罰則を設けて、その保護をはかっている次第でありますが、この法律において保護される防衛秘密は、日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定及び日本国アメリカ合衆国との間の船舶貸借協定により供与されるものに限られております。  他方、右協定に引続いて昨年五月十四日に調印された日本国に対する合衆国艦艇貸与に関する協定は、第六条において、日本国政府が、貸与されるものにつきその秘密保護すべき旨規定いたしております。この規定は、日本国アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第三条第一項及び附属書B並びに日本国アメリカ合衆国との間の船舶貸借協定第七条と同趣旨の規定であります。従いまして、日本国に対する合衆国艦艇の貨与に関する協定により貨与されるものと、前二協定により供与されるものにつきまして、その秘密保護上の措置といたしましては、全く同様の取扱いをすることが最も適切であると考えます。これがため、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の第一条第一項を改正しまして、日本国に対する合衆国艦艇貸与に関する協定を新たに加えようとするものであります。  以上をもちまして本法律案内容についての補足説明を終ります。
  10. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ただいま説明を聴取いたしました三案に関する審査は、本日はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。  速記をとめて下さい。   〔速記中止
  12. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記をおこして。  次に、商法の一部を改正する法律案について公聴会を開くこととし、公聴会開会の日時、及び公述人の員数、人選等は、これを委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。さように決定をいたします。   —————————————
  14. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) それでは次に、検察及び裁判運営等に関する調査として、売春対策に関する件及び法務行政に関する件を議題に供します。御質疑をお願いいたします。
  15. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 今日から予算参議院の方に始まっておりますのに、お忙がしい中をお出まし願いまして、大へんありがたく、まずお礼申し上げます。  法務大臣に対しましていろいろ御所見を伺いたいと思っておりますが、少しこまかいことも入るかもしれませんが、お許し願います。  本年の五月十三日に参議院の本会議におきまして、藤原氏の売春対策に対しまするところの質問に、法務大臣がお答えになっております。この速記録によりまして、法務大臣売春対策に対しての御意見はほぼわかっておりますでございますが、もう一ぺん私からも一つ伺って、念を押しておきたいと存じますのでございます。  きのうきょうの新聞によりますと、あるいは売春処罰法案なるものが、再び衆議院の方に提案されることになっておりますようで、その大体の内容も私今わかっておりますが、法務省におきましては、昨年の二月から、法務省のみではございません、四省協力して売春対策議会なるものをお作り下すって、実態調査もあわせ、法律案について、専門家その他民間人もお集めになりまして、いろいろ慎重にこの法律案に対しても御研究になっておるはずでございますが、大臣からその経過とは申しませんが、現在最終段階におきまして、どういうことになっておりますか。ということをまずお答え願いたいと思うのであります。
  16. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 売春法案に対しまして、特にいろいろと御心配をわずらわしておりまする点は感謝にたえません。もちろん売春行為のなき世の中を迎えなければならぬことはこれは当然でありまして、ほとんど何人も異論を差しはさむ者はないと存じます。しかしながらこれは理想でありまして、しかし現実を見まするときに、直ちにもってその成果をあげることができるかどうか、これはなかなか容易ならざることであり、また私どももあなた方の御心配になられるゆえんのものもここにあろうと存じます。しかし一日もすみやかにこの理想に到達することを念願してやまざるものがあると申し上げてよろしいと思うのでございます。それゆえにたとえ今日売春行為禁止に関する法律はないにいたしましても、今日までそれぞれ法令の上で、たとえば勅令により、あるいはまた刑法の淫行誘拐罪により、あるいは児童福祉法労働基準法職業安定法性病予防法等々の諸規定に基いて、この面を取り締れるだけはあらゆる創意工夫を重ねまして取り締っておるのではございまするけれども、しかし遺憾ながらそれがまだ思うように参りませんことは、まことに私どもも遺憾しごくに存じておるのであります。従いましてこうした忌むべき行為を禁止すべき法律もなるべく早い時期に作らなければならぬということで、今日までも議会提案せられて参りましたことが、しばしばでございましたことは御承知通りでありまするが、ことに昨年はただいま宮城委員から仰せられましたように、売春問題対策協議会なるものを作りまして、そうして何回となくこの審議会を開いて、この問題をあらゆる面から検討して参ったのでありまするが、鳩山内閣が成立いたしましてからは、もっぱら懇談会並びに幹事会の形をもちまして、そうしてこの問題を討議して参ったのでありまするが、大体の議論は終局に近づきまして、その結論を出し得る程度にまで運んで参ってきておるのでございます。従いましてこの審議会意見を基礎といたしまして、そうしてこの種法案を作りたいと念願をいたしてその準備を進めつつある次第でございます。
  17. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 法案がすでに作られて、日ならずお出しいただけますように伺いまして、その日を願っておりますが、しかしこの法案がたとえば制定されましても、ここに大きい問題は、検察警察すべて総力を傾けなければ、この法案運営はなかなかむずかしいと思っておりますが、その大事な点につきまして法務大臣のお考えを一つ伺いたいと思っております。これは聞くまでもございませんが、検察警察側から申しますと、この種の問題、ことに相並んで取り扱いの方から申しますと、問題になっております食管法のことなんかから考えまして、こういう法律は作ったけれども、実際に効果のない結果になりはしないかというような声も、あるいは検察当局にあるやに考えておりますが、その点はいかがでございましょうか。またその予算措置等についてお考えがございますでしょうか、伺いたい。
  18. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 法案はまだできておりませんが、なるべくすみやかに作って、早い機会に出したいという考えのもとに進めておる次第でございます。がしかし、いつ出せるかということは、今日明言できる程度にまで至っておりません。  それからなお、この法案が通過したあとの取締りに関する御質問でありましたが、御質問のように法案取締りが徹底化されるだろうかということを御心配になられておるようですが、この点はまことにごもっともであります。私どもも同じ感じを持つのでありまするが、もちろんこの法律議会を通過いたしますれば、これが取締りの任に当るものは、あらゆる角度から全努力を傾倒して、その法律の実施に万全を期しますることは言うまでもないのでありまするが、しかし今日の検察並びに警察の体制をもってして、果して私がただいま申し上げまするような取締りが徹底的にできるかどうか、これは率直に申しますれば、なかなかむずかしいことで、どうもできるとここではっきり私は言う自信もありませんけれども、しかし人の点あるいは予算の点その他事件も客観的に見れば、ふえつつあるような傾向を持っている。あるいはさらにまたこれがどういうことになりまするか、経済状態が不景気にでもなって参りますれば、ますますこういう事犯の激増いたして参りますことも予想するにかたくないのでありまして、こういう四囲の点を総合して考えて見まするときに、なかなかむずかしい問題で、口で言うことは簡単だが、いよいよさてその取締りを徹底化していくという段階になりまするというと、相当にこれは疑問なきを得ないと率直に申し上げてよろしいと思います。がしかし翻って考えてみまするのに、法律がたとえ通過いたしたにいたしましても、法律取締りを徹底させることのみによって、この問題を根絶することができると考えるということでありまするならば、これは大いに私は間違いを起すんじゃないか、こう申し上げてよろしいと思います。もちろん法律の面でも取締っていかなければならぬのでありますけれども、その他やはり経済的な面、あるいは社会保障強化の面、あるいはまた性的に関する道徳的高揚と申しますか、こういう面や、まあいろいろのやはり四囲の環境がこういう問題をだんだんに少くしていくという、やはり情勢が作られていかなければ、ただこの法律を厳重に適用するということのみによって、その成果をあげ得るものではないと、こう私は存じております。従いまして、法律を作って取締ることも必要でありますが、その反面において法律によらざるやはり防止方法、あるいは根絶する方途というものをやはり考えて、適当に処置するということであらなければならないと、こう申し上げてよろしいと思います。がしかし、それじゃ法律を作って、その法律効果がないような場合も出てくるだろうかと、こういうようなお話もありましたが、これは、私は法律を作って効果の現われないことはあるまいと存じます。前にも私は法務委員会でこの問題が討議されたときに申し上げましたように、たとえば立ち小便をやってはならんというので禁止した法令がありますが、おそらくこの法令適用されたことがありますかどうか、私の知る範囲においてはございません。私も長い間在野法曹として今日まできておりますが、まだかつてこの法律適用された話を聞かない。聞かないけれども、しかし、この法律があるがために、よほどやはり抑制されておる面があると申し上げていいと思います。往々にして立ち小便をやりかかって、中途で考えてやめて行く人も相当見受ける場合が実際にある。でありますから、やはり法律のできておるということが、やはりそれが一つの適用をされないにしても、ある種の効果をもたらしておる。でありますから、売春行為をやった場合には罰せられるという法律が出れば、中にはやはり不心得者もあるでしょうが、やはり中には良心的に、これは法律違反になるからやめようというので、やはりある程度まで自己というものを抑制して、そうしてまあ違反を起さないという面に心がけていく者もあることを考えますれば、あながち法律ができて適用されないからと言うて無益だとは言えないと、こう申し上げてよろしいと思います。
  19. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 第二国会政府売春等処罰法案提案されたのでございますが、ちょうど今法務大臣がおっしゃるように、そのときも一番問題になりましたのは、売春婦の生活問題について、これに対するこの厚生保護の問題はどうなるかということで、もう一ぺん考え直せというようなことで、この法案政府が引っ込めたと記憶いたしております。また、私ども参議院法務委員会におきまして、第十五国会に有志の者数人で、やはり売春等処罰法案なるものを提案いたしましたときにも、私どもは、この法律案を作りながら、非常に良心的に苦しみましたということは、この種の婦人たちに対して、ことに生活苦から親子心中する以外にはないという子供を連れております未亡人たちが、どんどん落ちていっておりますが、これをただ単に縛るということだけでいいかどうか、それを救う手はないかということについて非常に苦心して私ども案を練ったのでございます。しかしながら政府予算とにらみ合せまして、どうしてもそういうことがむずかしいので、しかしこの事実は放っておけない、どうしても法律をもってしなければ、ことに業者に対しては許すことができないというところから、私ども法案提案いたしたのでございます。不幸にして第一回の簡単な審議が終りましただけで、その法案衆議院の解散と同時に流れてしまいました。そうして第十九国会には衆議院からまた提案されたのでございますが、すべてのときに問題になりますのは、今法務大臣が仰せになった問題が一番重要だと思っております。今日差し迫っておりますこの状態を、つまり以前は特殊という言葉を使いまして、特殊地域赤線区域青線区域、また特殊喫茶店特殊飲食店というようなものでのみ、そこでやむを得んというような考え方もございましたのでございますが、私どもはそこまでも絶対ならん、そうしてできるならばめかけの点までも、考えなければならないというような、非常にきびしい考え方を持って当っておりましたのでございますが、その願いは達っせませんで、今日になって、今日のこの日本状態は、実にどういう言葉をもって表わしたらいいかと苦しむほどの全国すべてが赤線地区になっておると言っても私は過言ではないだろうと思っております。特殊という喫茶店でなくて、もう普通の飲食店が、また普通の宿屋が、ことに温泉マークなど日に日にふえて参って、宿屋が全くの売春窟でございます。つまり都市からいなかへだんだん広がりまして、今日では日本の全体津々浦々まで売春窟になっていってしまったのでございます。実に世界一の売春国だと世界から笑われておりますほどでございますが、そうして、その現われは、せんだって以来問題になっておりますところの、鹿児島においての松元事件、これは制服を着服しております高等学校の生徒を使いまして、あの許すことのできない行為をやらせておりますが、これは全く氷山の一角でございまして、またその反対に、高等学校の制服を脱がせまして、特殊という名前でなく、普通の飲食店で今日では堂々と売淫行為がされております。すでに東京の家庭裁判所などにも、その生徒たちが問題を起して保護されている者もございます。そういうことを考えますというと、今日これを放っておいていいか悪いか、法務大臣の責任におきまして、また鳩山内閣の責任におきまして、どうしてもこの法案を是が非でも一つものにしていただきたいという私は切なる念願を持っております。そこでいつものになるかわからないというようななまぬるいことでなくて、一つこの辺で踏み切りをつけていただきたいと思っておりますが、法務大臣の所信をちょっと伺わせて下さいませ。
  20. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) ただいまお話しのありましたように、現在のままで放置しておくことのできないことは、私どももできないという見方は同感であります。でありまするから、従ってその法制化に努力を傾けておるのでありまするが、しかし先ほども申し上げましたように、売春問題対策協議会にこの問題をゆだねて討議をしていただいておりまする以上、そのやはり結果の報告を得ませんというと、私の方で幾らあせりましても、その気持を表わして参りますることは順序としてできないのでありまするから、従ってこの売春問題対策協議会の方へなるべくその結論を早く出してもらいたいということを要請いたしまして、そうしてその結論の到着するのを今やおそしと私どもは待ちかまえておるような次第でありますから、従ってそれが到着いたしますれば、そのときにわれわれの方で初めてこの問題にかかっていくと、こういう順序になるわけですから、一つさような意味に御了承を願いたいと思います。鳩山内閣で放っておるわけでもありませんし、私らもまた手をつけないという意味はごうもありませんから、誤解のないようにはっきり申し上げておきます。
  21. 藤原道子

    藤原道子君 ちょっと関連をして……。法務大臣に本会議でお伺いしたときとお答えが同じなのです。結局売春対策議会の結論を待っているとおっしゃいましたが、その後協議会の開催を督促されたことがおありになるかどうか。それからいま一つ私が聞く範囲においては、鳩山内閣になってからは、この協議会が開かれていないと聞いております。それからもう一つ聞くところによると、すでに協議会では一つの結論が出ている、これは法務省に対しても答申がなされておるというふうにも聞いておるのでございますが、これについての大臣の御所見を伺いたいと思います。
  22. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 請求は私からも直接何度もいたして、そうして対策審議会の本会議と申しますか、審議会それ自体は開かれておりませんが、懇談会の形において何度も開かれております。そうしてこの問題がやはり真剣に討議をされております。それからなお、鳩山内閣ができてからこれは一度も開かれぬというのは、ただいまの話によっておわかりだろうと思います。それから結論が出ておるというようなお話でしたが、これは出ておらんことは、先ほどから私が申し上げておる通りであります。
  23. 藤原道子

    藤原道子君 さらに一点、もしおわかりでしたら事務当局から……。いつその後お開きになったかということをちょっと伺わしていただきたい。お調べになってからでけっこうです。
  24. 井本台吉

    政府委員(井本台吉君) ただいま大臣から答弁されましたように、正式の売春対策議会の会合は開いておりませんが、この協議会の方針の案となるべきものにつきまして、事務当局におきましては、何回も会合を開いております。中間報告の程度で、ある程度の案にも達しておりますが、いろいろの議論が出ておりますので、その案の内容について、これをいろいろ練っているようなわけでございます。その小委員会と申しまするか、幹事会と申しまするか、それらの会合は本年になりましてから、十回近い会合を持っているのでありまして、中間報告の程度の案も、ある程度はできているのでありまするが、まだこれは発表を申し上げる段階に至っておりません。
  25. 市川房枝

    市川房枝君 協議会についての関連質問で……。今法務大臣から伺っておりますると、法務大臣は内閣の売春対策議会の答申を待って考える。協議会に対して非常な期待を持っておいでになるように伺ったのでありまするが、聞くところによりますと、その協議会に対しては予算が一つも計上されていない。関係各省が、この協議会に関する経費をそれぞれ分担して、持ち寄っている。いや、その協議会委員に対しての委員手当なども関係各省がそれぞれ分担して支払っている、こういう状態であるということを漏れ聞いているのです。そこでいわゆる事務当局の方では、一体政府自身が本気でこの問題を取り上げる意思があるかどうか。その協議会に対する予算も与えないでおいているという状態から、これを進捗する熱意が欠けているのだと、こういうことを聞いておりまするが、その予算の点についてはっきりと伺いたいと思います。
  26. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) ただいまこの売春問題対策協議会に期待をかけているかというお話でしたが、まあ期待をかけてもおりませんが、そうかと言うてかけないわけでもありません。
  27. 藤原道子

    藤原道子君 かけてるとおっしゃったでしょ、さっき……。
  28. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) いや、期待をかけているという意味ではない。その結論を諮問をしているのですから、その結論を得た上でさらにわれわれの立場において考え政府の立場において考える、こういう意味です。でありまするから、期待を特にかけているというわけでもない。またかけないというわけでもない。その結論が出てくれば、その結論によってわれわれも考えると、こういうことです。  それから予算措置の問題ですが、これはまあ予算がどうなっているか、私はまだ聞いておりませんが、多分今お話のように、売春問題対策協議会に対する特に予算というものは取っておらないのでありましょう。各省で持ち寄ってやっているのでありましょう。各省から出ている委員がやっているのでありますから……。しかしそれは吉田内閣当時に作って、そうして今日まで諮問をしてやってきているので、そのあとを鳩山内閣が受け継いでやはりきているということでありまするから、まあ特に予算措置等に対しても考えておりませんし、また予算措置等をあまり考えずに、今日までその審議会運営されてきたという意味において、予算措置がないから運営に差しつかえがあるということでありますれば、これはまたもちろん考えなければなりませんが、別に差しつかえもないようでありますから、やはり今までの状態を持続することでいいのじゃないかと、こう考えております。
  29. 市川房枝

    市川房枝君 もう一つ、協議会ができましたのは自由党内閣犬養法相のときであります。あの当時予算に計上されていなかったということはこれは了解できるのでありますが、しかし鳩山内閣が引き続いてこれをおやりになるというのでしたら、もう予算に計上するだけの時は、機会は十分あったわけであります。それを予算にお組みにならないということは、やっぱり私どもから言いますれば、それに重きを置いていらっしゃらない。いや私は期待をしておいでになると思うと言ったのを、それを御訂正になって、期待はしていないのだ、こういうお言葉なんですが、そうするというと、協議会というものに対して重きを置かないとこういうことの御意思の表明と受けとれると思うのです。  それからもう一つ協議会の結論が出ていないのだと、協議会が答申をしたら別にまた政府として考えるのだ、こういうお言葉なんですけれども、これは昨年自由党内閣のもとで協議会審議を進めて一応の結論に到達しているのでございます。結論に到達したものをさらに法文化する。でこれは関係各省の幹事会の間でやるということでそれは先ほど事務当局の方からお話がありましたようにおやりになっておったと思うのです。それからあの当時の法務大臣意見では協議会の答申を尊重する、こういうお言葉も承わったわけなんであります。それと比べまして先ほどからの花村法務大臣の御答弁は、この協議会というものに対する考え方が自由党内閣のときと比べまして非常に熱意がないと思う。期待をしていないのだ。もうあってもなくてもいいのだというか、どこもそういうふうに受け取れるのでありまするが、そういうふうに承知してよろしいかどうか、もう一ぺん念のために伺っておきます。
  30. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 予算の問題ですが、これは吉田内閣当時に予算措置を講ぜずにきたので、それを特に鳩山内閣に至って講じないから、それでこの問題に対して冷淡ではないかという意味のお話がありましたが、それは講じなんでも別に冷淡であるわけでも何でもありません。かえって吉田内閣当時よりは私の時代になって熱が高まったと申し上げてすら、いいくらいだと思っているのであります。(「その証拠を見せて下さい、証拠を」と呼ぶ者あり)が、しかし、鳩山内閣に至りましても、予算措置は講じたのでありまするが、大蔵省で不必要なりとして削ってしまったそうでありまするから、これはどうも大蔵省にその責任があるわけですから、まあ皆さま方が一つ大蔵省の方へ談判していただければ一番いいと思います。(「おかしな話だ」と呼ぶ者あり)まあ予算措置がないからというて、おろそかにするわけではありませんから、その点は御心配なすっていただかなんでもいいと思いますが、しかしその期待の点でありまするが、期待をするとかせないとか、その期待という意味をどのくらいに重く見るか。まあどういう意味に解するかということによって、おのずからその価値判断もきまってくるのでありまするが、何かその大きな望みでも持っておるような意味のお話のように私は聞き取れたので、まあそういう何も特段なる期待を持っておるわけではないという意味で、何もその審議会がどうあろうともそんなものは大して認めないというような意味じゃありませんから、その点は一つ誤解のないように願いたいと思うのです。諮問機関として存在し、しかもその諮問機関に対して諮問をした以上は、そのやはり諮問の結論を見るまでは、われわれがそれを放っておいてそうして別に行動するというようなことは、諮問機関を設け、しかもそれに諮問をした趣旨に反することになるのですから、そういうことはできませんが、しかしそうかといって審議会に一切乗りかかっておれば、何かこの問題がよりよく解決ができるかと言えば、そういうものじゃありませんから、それはそう私は別に大して期待も持っておりません。がしかし、期待を持っておらぬということは、何も軽視するということを意味するものじゃありませんから、その点は一つ誤解のないように願いたいと思います。  そこで、そういうわけですから、これはなかなか口で言えば簡単ですが、相当にむずかしい問題ですから、やはりただ政府としては議会法律案提案すれば、それで事足りるというのではありませんから、少くとも提案する以上は、それが議会を通過するという見通しもつき、また通過させなければならぬという熱意を持ち、また通過するであろうことに対する確信を持って出さなければいけませんから、そこまで到達するには、まだまだやはり審議会の結論を見て、慎重に考えなければいけないゆえんのものもそこにあると申し上げていいと思う。でありますから、われわれはむしろ熱意と責任を持ってこの問題に当っておるということを申し上げていいと思う。もしそれがないとするならば、これはそう何も頭を悩まさないでいいということになる。で、そういう意味でわれわれの努力も買ってやって下さい。
  31. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 売春対策議会のことでございますが、この協議会を作っていただくまでには、ずいぶん当法務委員会におきましても、また婦人議員全部一致団結しまして、非常な熱意を持って願いまして、吉田内閣のときに昨年二月にでき上ったものでございまして、ことに私がこの委員会に非常な期待を持っておりますということは、法務省の方からの代表としてですか、選ばれていらっしゃる委員に、実は保護の方で有名な保護立法を願いますのには、日本の権威と思っております正木委員が出ていらっしゃるので、私は非常に立法技術としても、運営としても、骨の折れますところの保護の面で、必ずやこれは早い機会にりっぱな法案ができるのではないかと非常な期待を持っておりましたのでございます。そこへもってきまして、十九国会に刑法の一部改正がございまして、大へんお骨折りいただきましたあの当時のことでございますが、実にこの画期的な初度の執行猶予に保護観察がつくという、このためにこれを活用すれば、私ども長く苦労しておりました保護の面で大へん救われる。やむにやまれない事情で落ちて行きますところの売春婦に対しては、大幅に保護することができると非常に期待を持っておりましたのでございますが、事務当局の方から、そういうことも含めまして、一体この売春対策議会の答申を待つまでもなく、法務省で責任を持ってこれに手をつけていらっしゃるはずだと思っておりましたのですが、今の初度の執行猶予の問題なども含めまして、一つ事務当局の方から御答弁を願いたいと思うのです。
  32. 井本台吉

    政府委員(井本台吉君) 御承知通り売春対策議会委員は約半数が関係各省の事務次官でありまするし、幹事も多数が関係各省の係官でございます。協議会の案の作成に並行いたしまして、事務当局といたしまして、この案の作成には一生懸命努力を払っている事情でございまして、すべてが協議会の案の作成だけだというのではなくて、事務当局側もお互いに連絡しながら、法案の作成に並行して努力しておるというように申し上げられると思います。
  33. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それでは長い間御苦労なさいましたこの案が、どのくらいな程度にできておるかというようなことはまだ御発表できないのでございますか。
  34. 長戸寛美

    説明員(長戸寛美君) お許しを得まして……。結論を先に申し上げますと、われわれの関与している面におきましては、第二次要綱案まで作成を終っております。われわれの関与している面というのを申し上げますと、要するに保安処分と刑罰との関係部分が主として法務省の担当になるわけでございますが、それに対しましては、第二次要綱案まで作成を終り、近く小委員会なり、委員会に御討議を仰ぐ段階になっております。いわば保安処分と刑罰との前提であるところの転落防止の対策と、その保安処分と刑罰の事後にくるところの保護更生の対策につきましては、これまた厚生、労働両省におきまして、一応の案ができておりまして、それを今法務省と三者が寄り合いまして、その調整に当っておる。ことに問題になります点は、所管事項の問題よりも、むしろ現在あるところの機構、施設をいかにその間に活用し得るか。それであって、しかもおざなりなものにならないで済むかという問題について、この点は討議されておるわけでございます。で、先ほど宮城委員のおっしゃいました保安処分の問題でございますが、われわれの、と申しますより、協議会で最も問題になりましたのは、売春婦自体の扱いの問題であります。業者に対することよりも、売春婦自体をいかに扱うかということが最も議論の主になってきたわけであります。それに対しましては、原則として保安処分というふうに考えておるわけでございます。それから常習悪質な者に対して、初めて刑罰処分、刑罰を考えますけれども、それも相対的不定期刑を考慮してはいかがかという点が今論議されておるわけであります。ところが非常に時間を取っておることは恐縮でございますけれども法律技術の面から申しますと、この保安処分ということは、いわば初めての問題でありまして、それが刑罰と競合した場合いかになるかとか、あるいは普通の保護観察と競合した場合にどうなるかとか、たとえば売春婦が窃盗なり殺人をいたしました場合に、その場合に刑罰と保安処分とをいかに調整するかというふうな点が、われわれとしては非常にむずかしいことなのであります。たとえば懲役として七年の刑を殺人として受けた者が、七年後に保安処分を行われるということでは意味がないことになるわけでありますし、保安処分を先行せしめるということもいかがかというふうに考えられてくるわけであります。非常に法律技術の面でむずかしい点がございますので、まあ悩んでおる。たとえばこの不定期刑にいたしましても、一般の刑罰は定期刑でございます。この定期刑と不定期刑が競合した場合にどうなるかというふうな点がわれわれとしては非常に苦心の存するところで、それがおくれておりますことは申しわけございませんけれども、努力はいたしておるわけでございます。
  35. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それでは御当局では鋭意この立法に当っていらっしゃるということを了承いたしておきます。今この保安処分のことが出ましたが、これは行政処分の何か処置をしたいというようなこともお考えになっておるのでございましょうか。そうしてまた今おっしゃった保安処分が、あの特別法でございます少年法の処分、刑事処分といったような取扱いにしようというふうに考えていらっしゃるのでございましょうか。
  36. 長戸寛美

    説明員(長戸寛美君) このいわゆる保安処分の決定をどこでするかということは、非常に議論の集中されたところであります。最もそれを簡単にいたしますとすれば、警察においてそれを扱うということは最も簡単であるわけでございますが、しかしこの保安処分の内容としましては、われわれの現在考えておりますのは、保護観察と収容施設への強制収容でございます。そのような強制収容ということを伴うような処分は、やはり裁判所において行うことが最も妥当であるというふうに考えられますからして、これを裁判所でやっていただく。ただその場合に刑事裁判所でそれを扱うのがいいか、あるいは家庭裁判所で扱うのがいいかという問題が出て参るわけでございます。なお少年売春婦と成人売春婦との扱いはいかにするか。つまり少年売春婦に対して売春法律をもってまかなうか。あるいは少年法をもってまかなうかというような問題が、なお存するわけでございます。
  37. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 時間が過ぎますから、立法問題につきましては後日に譲りますことにいたしまして、ちょうど労働省の婦人局長がお見えになっておりますから、先ほどお話が出ました売春婦の転落防止ということにつきまして、特にお手当があり、また予算措置もできておると思っておりますから、一つお願いをします。
  38. 藤田たき

    政府委員(藤田たき君) 私どもも売春問題対策協議会の方に非常に大きな期待を持っているわけでございまして、その売春問題対策協議会法律案ができましたならばということで、私どもがその一端として考えておりますところの、たとえば売春婦が売春に陥る一歩手前にその人たちを救助することができるような女子就職助成資金というようなものを予算に計上いたしたのでございますが、まだ売春問題対策協議会の方の結果が出ておりませんものですから、残念なことにはこれが予算的に通過いたしませんでした。しかしながら私どもといたしましては、昭和二十三年以来この問題についていろいろ調査をいたしましたり啓蒙をいたしましたりいたしておるのでございますが、今年の三十年度の予算には非常にわずかでございまして、八十四万円しかいただいておりませんけれども、それの一部を使いまして、たとえばこの六月十日から七月十日までは売春防止特別活動という構想を持っておりまして、その準備をすでに進めております。そうして婦人少年局、一局としていたすのでなく、今度は大々的に職業安定局また労働基準局の協力も得まして、啓蒙活動を進めていきたいと思っておりますし、また私どもといたしましては芸妓の問題についても今までは比較的手を加えておりませんでしたが、その点も調査をいたしたいと思っておるわけでございます。先ほど申しました売春の防止助成資金というものがまだできておりませんので、予算的に大きなものは申し上げられないのは残念でございます。
  39. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 現在地方条例でもって売春を取り締っておりますところが全国に五十二カ所ございます。もちろん東京都にも相当取締りの条例はあるのでございますが、この条例は東京都だけ申しましても役に立っておりますかどうでございますかということを、事務当局の方にお伺いしたい。
  40. 井本台吉

    政府委員(井本台吉君) 全国五十数個の条例が出ておりまして、その条例によりまして昭和二十九年に検挙いたしました者が一万七千五百三十五人という数になっておりまして、全売春事犯の約過半数を占めておるというような関係で、その条例自身も相当役に立っておるものと考えております。
  41. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 条例が相当役に立っておるということを伺いましたが、このあたりで国家の高い意思表示をしていただきまして、地方条例でだけまかなうということには、条例をよく調べてみますというと、実は業者を保護するのではないか。運営いかんによりましてはかえって害になるようなものも地方条例の中にございますと思っております。でございますからもうここらあたりで、どうしても国家の高い意思表示をしまして、売春行為は相手も、業者も、ことに業者を強く許すべからざるものという国家の意思表示をすべきではないかと思っておりますが、最後に法務大臣の私の願いに対しましてのお答えを願いたいと思います。
  42. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 同感であります。
  43. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと委員長からお願いいたしますが、大臣はあと二十分くらい時間がございますから、大臣にだけ一つ御質問願いたいと思います。
  44. 藤原道子

    藤原道子君 私は実は大臣に大きな期待をかけていたんですが、今このままで放置すれば日本は売春で亡びる、そこまできていると思うのです。このごろの続出する悲惨な状態は見るに忍びない。ことに弱い女性を食いものにしておる悪質周旋人及び業者、これらのばっこはもう見るに忍びない状態にあると思います。これらに対しての売春処罰法も従って至急に出してほしいということを強く要望いたしておきます。  と同時に刑罰が非常に軽過ぎるのです。それで私はちょっと大臣にお伺いしておきたいことがある。それは児童福祉法なんかの取り扱いが、非常に刑罰が軽いのでございます。御案内のように三十四条の第一項六号におきましては、児童に淫行せしめたものに対しては十年以下の懲役となっている。ところが従来の児童福祉法違反で、第六項で処分された人たちのあれを調べていただいたのでございますけれども、それらを見ますと六項の違反が男で百二十三人、ところがこれが三年というところに一つあるのですが、とにかく執行猶予が百七件なんです。百二十三のうち百七件は執行猶予、女子が違反に問われたのが二百十八人でございますが、それが実刑に処せられたものは、執行猶予が二百七件でございますから、たった十一件しか実刑がないのです。か弱い児童を守らなければならぬということはとにかく児童憲章でうたい、さらに児童福祉法できびしく規定されている。その児童を犯した者がこういうような軽いことではだめだと思うのでございますが、これに対して大臣はどういう御見解をお持ちになるか。あるいは悪質周旋人などは実に一年間に雪だるま式にころばして、玉ころがしというそうでございますが、次から次へ子供を売っております。その売ることによって業者がもうけておる、周旋人がもうけておりますが、女はあれで借金がだんだんふえていくばかり。ところがこれら周旋人に対しても刑罰が軽過ぎる。どうもこの間から一生懸命これでも勉強しておるのでございますけれども、世界の判例等に比べましても、日本の場合は物を対象にした場合には非常に罪が重い。人権という場合になると非常に罪が軽いのでございます。これはどこからきておるものか。こういうやり方に対して大臣はどうお考えになっておるかという点を、まず私は伺わしていただきたいのでございます。今度の松元事件も一つの例ですが、たった五カ月で執行猶予が三年でございます。これではただも同じだ、これについて大臣の御所見を伺いたい。
  45. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 重く罰せられないことに御不満のようでありまするが、しかし懲役十年まではのばし得るのでございまするから、従って法制の上から申しますれば、重くも罰し得るのでありまするが、しかし今までの裁判が執行猶予がすこぶる多いというようなお話しでございまするが、それは今までの売春行為に関しまする実情をつぶさに考えてみますれば、やはり適当な裁判ではないかとわれわれも考えられまして、必ずしも軽きに失するとは私は思いませんが、要するに売春行為等をやりまする者についていろいろ調査研究をいたしてみまするというと、やはり情状酌量すべき四囲事情が非常に多いのじゃないか。ほかの犯罪に比較いたしましてそういう情状を汲まなければならない要素が非常に多いのじゃないかと、こうわれわれは申していいと思います。やはり売春行為をやる人も必ずしも法律違反することを好きこのんでやるというものでもない、順法精神がなくてそういう行為をあえてやるというものでもない。なるべくそういうことは良心的に考えても避けたいが、やはり避け得られないそこに経済的の事情があるとか、あるいは差し迫った事情があるとかいう、やはり深い四囲の環境がそうさせるという事情がひそんでおると私は認めなければならないのじゃないか。そういう事犯に対してただ単に重きをもって臨むということが、必ずしも科刑に関する適切なるものであるということは言い得ないわけですから、犯行は犯行として憎むべきではあるが、そのよってきたる原因事情について、やはり情をもって考えてやるべき筋があるならば、やはりその四囲事情を十分にしんしゃくしてやって、そうしてその科刑に臨まなければならないということは、これは刑事政策的見地から考えても当然そうあるべきことであるので、ことに売春行為などに関しましては、そういうやはり何と申しまするか、要素が多分にあるのじゃないでしょうか。われわれの知り得る範囲においてはあると申し上げていいと、私もかつて衆議院の法務委員長をやっておったときですが、東京都の特飲街も見て歩きました。そうしてさらにまた九州方面の特飲街も実地に調査をし、かつまた売春等に関しまする人々とひざをつき合せて、そうして意見の交換もしてみました。そういうやはりあらゆる観点から考えてみまするのに、相当この売春行為をやるについては、やはりいろいろの事情が伏在しておることは、これは疑う余地がないと私は申し上げていいと思います。でありまするから、そこにやはり立法措置としてとることもなかなかむずかしいことで、大いに考えなければならぬという理由もそこにあると申し上げていいと思う。でありまするが、そういうことでありまするから、従って刑事政策上の見地から推し進めて参りますると、やはり執行猶予等の恩典に浴せしめて、そうしてその非行を漸次改過遷善していくという方向に引っ張っていくということが適当であると認めて、そういう裁判が多いのであろうと、こう私は思いまするから、必ずしも執行猶予が多いからといって、その法の適用が誤まっておるという結論には私は到達することはできません。
  46. 藤原道子

    藤原道子君 私がただいま大臣にお伺いしているのはそういう意味ではないので、売春処罰法はできておりません。従ってどんな売春行為をいたしましょうとも、男は罰せられておりません。私が伺ったのは、児童福祉法のことなんです。児童福祉法の第一章におきましては、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」と、まず規定をしてございます。それと同時に、その児童が心身ともにすこやかに育成されるためには、社会も国もこれに協力してやらなければならない。あの子もこの子もすべて国家の子供である、社会の子供であるということの原則にのっとっておるのでございます。ところがその同じ児童福祉法におきまして、第三十四条の第一項六号におきましては、児童に淫行をさせた者は十年以下の懲役と、こういうふうに規定をしてございます。それをまず大臣のお心にとめておいていただきたい。さらに私が松元事件でも五カ月、そうして執行猶予の三年であると申し上げたのは、松元事件はやらなければならない理由はどこにもございません。淫行させられた女の子も貧困のためになったのではない。松元荘は、業態が不振になったために、五百万円ばかりの借金ができた。これを切り抜けるにはどうするか、これが事件の発端でございます。そうして男が、いわゆる商売女では歓心を買うことができないから、制服の女の子供を一つはべらせることによって歓心を買って、それによって土建業としての仕事を取って、その業態の更生をはかろうというところに問題がある。そうして女の子が泣き叫ぶものを監禁をして、そうして土地の相当有力者が犯しておるのでございます。金を払っているのでございます。そういう場合に、結局どこに情状酌量があるでございましょう。もしやる事情があったとおっしゃるならば、どろぼうにも三分の理がございます。人殺しにもやっぱり理由がございますけれども、それぞれやはり罰せられているじゃございませんか。物が高く、金の方が人権に先行している今の世の中だから、こういうことになるのです。しかしそうした法律を妥当にこれを運営して、児童を守り、国民を守り、社会の秩序を守っておいでになるのが、法務大臣の私は職責だと思う。私はほかの大臣が言われたならば怒りませんけれども、情ないのです。今の大臣のお言葉を伺うと……。あなたにもお孫さんがあろうと思う、あるいはお子様があろうと思う。女学生をです。客席にはべらして、それによって利権を得ることによって、借金から逃れようとはかった人に、どこに情状の酌量があるのでございましょう。そうして十年以下の懲役も規定しているのに、わずか五カ月、しかも三年間の執行猶予、こういうことを大臣は妥当とお考えになりますか。もしそういうお考え法務大臣が今後おやりになるとすれば、われわれも真剣に考えなければなりません。世の中の母は、そうして今まで売春行為は仕方がない、社会のこれは必要悪だと言っておいでになった男の人の中に、やはり父性愛が目ざめたと申しましょうか、もうこれは売春処罰法が必要だというふうに、社会の世論はそうなっているのですよ。一体子供を守ってやるのは誰でしょう。おとなじゃございませんか。そのおとなが、相当の地位にある人たちが、子供を犯しているのです。しかもその目的は事業の不振、自分のただ生活の手段のためにやっているのじゃございませんか。そうしてこれが松元事件の問題です。と同時にほかの問題じゃなくて、児童福祉法第一項六号の違反事件が、とにかく二百十八件の中で、実刑を科せられたのは女で二百七人、男で違反にひっかかった人が百二十三件で、すでに実刑の判決を下されたのは百七人、執行猶予だの、罰金だったら、業者には何にも刑罰にならないのです。それじゃ子供を守ってやることにならないじゃございませんか、大臣は児童福祉法に対してどのようにお考えになりますか。私はその大臣の基本的な考え方を、今日は時間がございませんから、いずれまたの委員会に譲るといたしましても、大臣の今のお言葉は私は納得できません、御答弁願います。
  47. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 私が先ほど申し上げたのは、要するに売春行為……。
  48. 藤原道子

    藤原道子君 いや、児童福祉法違反と言いました。
  49. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) いやいや、ちょっとお聞き下さい。売春行為が要するに児童福祉法に触れていく場合のことを私は述べたのでありまして、ただいま委員が申されましたように、わが国の次代をになうべき児童に対して、重くかつ大きくこれをながめていかなければならぬということは当然であり、またそのことに対する熱意に対しては、私は人後に落ちるものではありませんが、しかしただこれらの諸行為に対する判決の結論のみをながめて、そうしてその判決に対する批判を下すことは、これは私は慎しまなければならぬと思います。でありまするから、私はその判決がいいとか悪いとか、あるいは適当であるとかないとかいうことは申し上げません。またある判決に対する攻撃がありましたが、しかし判決をせられたものは、あらゆる諸事情調査し、また証拠の上にのっとって、そうして科刑の実をあげていくのでありまするから、ただ結論だけをながめて、そうしてそれが児童の少くとも売春行為に関する事柄であるから、軽きに失するという御議論は、これは、私は賛成するわけにいかないと申し上げてもいいと思う。それは、やはり裁判をする人が、あらゆる観点から考えて、そうしてむしろ裁判官としては、神に誓いをたててまでも、公正妥当なる裁判をすべく心血を注いでおることを私はよく知っており、それをまた考え、想像するときに、あなたと同じような、やはり私は、ことは申されぬと、はっきり言うていいと思う。であるから、あんたも、もし調書を調べられて、そうして調書の上に現われた、あらゆる証拠なり、事情なり、あるいは四囲の環境なり、あるいはそれに関係をした人の性行なりという、すべての点を調査検討せられて、批判をせられるのであるならば、これは格別でありまするが、ただ判決の結果だけをここに抜き出してきて、そうして、これは軽きに失するじゃないかという御議論には、私は承服できません。むしろ、あなたが言われるように、これは大事なことであり、またわれわれ社会のすべての人が考えなければならない事柄であるだけに、そういう批判も、もちろんそれは慎重になさっておることではあろうと思いまするが、証拠によらずして、ただ結論だけをながめてそういう批判をなされぬように、私はむしろ、この児童福祉法のために、あなたにお願いしたいと思います。
  50. 藤原道子

    藤原道子君 私は、裁判官の判決を批判するのではないけれども、こういうふうに、すべて児童あるいは女、子供というものに対しての人権擁護の点において、どうも私、納得いかない点が多々あるのです。私は、ここでこれを申し上げる以上は、やはり判決のそれまでの調書というようなものも拝見をいたしております。それから検事正にもお目にかかって参りました。そういう人たちは、別に裁判の結果の批判はございませんけれども、私が一議員としての立場から考えまするとき、どうも納得のいかない点が多々ある。だからこういう点について、大臣が児童の福祉を守ろうとする場合に、こうした悪徳なおとなの人たちに対して、やはり刑罰というものは情状酌量もあろうとおっしゃるけれども、この処分等を全部拝見いたしましても、私たちには、子供の福祉を守ろうと思って一生懸命になっているせいかもしれませんけれども、まあそういう感じがするのですね。それで、今児童福祉法というものはあるけれども、ほとんど児童というものは放置されているのですよ。こういうことに対して、大臣、どういうふうにお考えになるか。判決が軽い、重いじゃないが、今までの、ほとんどの例が執行猶予ということになっているということになれば、われわれも一言ここで言わざるを得ない結果になるのです。今後の、法運営等におきましても、とにかく大臣としての、子供を守る、人権を尊重しよう……人権擁護局もあるのです。とにかくそうした意味からもう少し人権が守られていいのではないか。あまりにも悪徳業者が守られ過ぎておる観があるのです。ヒロポンのときにも、やはり刑罰が軽る過ぎる。一人を殺しても死刑になるのに、多くの児童、いや青少年を虫ばんで、社会に重大なる害毒を与えるこのヒロポンの違反事件に対しても、ほとんど執行猶予と罰金でございます。そのときにも、私はここでそういうことをお願い申し上げたことがございまして、法の改正等によって、最近は実刑がふえてきたようでございますが、とにかく子供は声がないわけです。だから、声なき声を代表して、私は一言大臣にその御所信を伺いたい。子供はだれが守るのか。こういう点からお伺いをしたわけでございます。個々の裁判を私は批判するわけではございません。一つの例としてここに取り上げた。
  51. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 子供を守る点においてはお説の通りで、私も満幅の賛意を表すると同時に、あなたに対して敬意を表します。やはりどこまでも守っていかなければならないという熱情においては私は少くとも人後に落ちないと申し上げていいと思うのでありまするが、その児童福祉法に触るる、つまり売春行為等に対しまする取締り、あるいは裁判等は、これはやはり私どもの領域ではありませんから……、もちろん検挙、取締りは私どもの領域でありまするけれども、しかし、裁判をすることは私どもの領域ではありませんが、しかし私の信ずる日本裁判官の人々は、やはり独立した立場に立って、そうしてあらゆる観点から事件を究明して、そうして最も適切妥当なる裁判をしておることを信じて疑わない一人であります。従いまして、それは執行猶予も多いのではありましょうが、しかしやはり執行猶予にすべき理由事情がそこにひそんでおり、その事案に適当した科刑が運ばれていったものであろうと、こう私は信じまするから、裁判について執行猶予が多いからどうとか、あるいは子供を守る観念が薄いとか、あるいは責任を持たぬとかいうような考え方は、これは私どもに言わせれば、あなたとはその見解を異にすると、申し上げていいと思うのでありまするが、まあしかし、今後とももちろん児童擁護のためにあらゆる観点からこれをながめて、万遺漏なきを期するようにいたしていきたいと存じます。どうぞ今後ともやはりその筋の権威者であられるあなた方の御指導御鞭撻をお願いいたす次第であります。
  52. 一松定吉

    ○一松定吉君 私は、今の質問応答を聞いておりますと、どちらの御主張もごもっともと思いますが、ちょっとここで一つ懇談を願いたいので、五分でも十分でも休憩していただいたらよくはないかということをお提案します。
  53. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  54. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起して。
  55. 藤原道子

    藤原道子君 それでは最後に大臣に一つお願いしておきます。児童の福祉が今守られておりません。十八歳未満の子供が禁止せられた行為を随所で行なっておりますので、そういう点に対しては一つ取締りの上において愛情ある、子供を守ろうとする立場から、一つその点は今後熱意を持ってやっていただきたい。さらに、熱意はお持ちでございましょうが、さらに各所に紙くずのように忘れられておる子供がたくさんございますので、これらの子供を守る方面に、一そうの御努力をお願いしたいと思います。いずれまた次回において……。
  56. 市川房枝

    市川房枝君 私は一言だけちょっと伺いたいんです。現在全国の各都市に赤線地区というところがあって、戦前のいわゆる遊廓と同じ行為をやっておることは大臣も御存じだと思いますが、あの赤線地区の存在は一体法的に見ると、どういう根拠で存在しておるのですか。
  57. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) そうですね。あれは公然の秘密というものですかね。(笑声)法律上許しておるわけでもありませんが、まあそうですな、赤線区域でやっている行為は禁じられておる行為であるが、法律上あるいはまた地方の諸法令等から申しますれば、違反しておる行為相当多いと思いまするが、まあ要するに黙認をしておるということじゃないですか。黙認と言うと、これは語弊がありましょうが、公然の秘密ということでしょうね。そういうことでまあやっているのじゃないでしょうか。(笑声)
  58. 市川房枝

    市川房枝君 大臣も法律上は禁止しておるということをお認めになる。法が禁止しているものを黙認していいことでしょうか。(「しかも税金を取っている」と呼ぶ者あり)
  59. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) そうですね、それについては私も考えていることもあり、言いたいこともありますが、やはりここでは言わん方がいいでしょう。それはそうですね、あなた方の御想像におまかせしておきます。
  60. 市川房枝

    市川房枝君 今の大臣の御答弁はちょっと納得しかねるのですが、少くとも法の施行を担当していられる所管大臣として、法が禁止をしている、しかしそれを黙認してる、黙認している理由は言わない。売春問題だからそう言うんですか、一体ほかの法でもそういうことをしていいのですか。
  61. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) ……
  62. 一松定吉

    ○一松定吉君 今の質問を聞いておってみると、私の懇談したいという要点に入っているのですが、それを表面に立って論議したところで、あまり効果がないと思う。懇談して効果あらしめた方がいいと思うが……。
  63. 市川房枝

    市川房枝君 効果ということもあるが、私ははっきりとそういうことについて法務大臣の解釈を伺っておきたい。
  64. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 私はそういう行為は禁止されているが、つまり取締りの手が届かないということでしょうね。そういうことはよくないことであるが、取締りの手が届かない……。
  65. 市川房枝

    市川房枝君 届かせないのでしょう。
  66. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 届かないということです……。
  67. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  68. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を始めて下さい。
  69. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 ただいままでの論議の問題についても、政府が行政の責任者として負うべき責任を負われることは、私はお願いしておきたいと思うのですが、いささかその点において気魄が欠けたような御答弁を伺ったことは非常に残念ですが、おそらく私の耳の聞き違いだろうと思うのです。私が緊急に伺いたいのは、問題が六つばかりあるのですけれども、法相の時間の御都合もおありでしょうから、きょうお答え願えないことは次までにお調べ願っておきたいと思います。  第一は、最近の新聞で見ますと、政府は非日活動調査委員会に関する法案を提出する計画を進めているということが報ぜられております。これはそういう計画を実際にお持ちなのかどうか。もしお持ちだとすれば、いかなる理由によってそういう計画をやっておられるのか、それを伺いたい。  第二は、最近証拠なくして人を逮捕している事例がひんぴんとして起っております。これは法相もおそらく深く痛心しておられることだと確信しますが、これをどうなさるおつもりであるか。一々例をあげませんが、お調べのついていることと思う。これを根絶されることが必要である。証拠なくして人を逮捕するなどということは、一日も許さるべきことでないことは申し上げるまでもない。  第三は、監獄法の改正について政府がやはり準備を進められておるように新聞に報ぜられている。これは私は前から、現在の監獄法というものは、旧憲法時代のものを端々を直してお使いになっているということはよろしくないから、一刻も早く新憲法に基く民主主義的な改正をなさるべきだと思うが、先ごろ新聞でそういう計画を拝見して非常に喜んでいるが、その後さらにそういう計画が進んでいるようにお見受けしないのですが、その御意思がないのかどうか。  第四は、やはりこの最近公安調査庁が調査というようなことでいろいろなことをされているようだが、これは一体どういう法的根拠に基いてこういうことをやっておられるのか。ごく最近も、今われわれの手元のところへもお配りをいただいたもの、なお、またこれは時事通信とかそういうものにも発表しておられるが、公安調査庁が国民の税金を使ってこういう何か雑誌の論文のようなものを書くのは、どういう法的根拠に基いてやっておられるのか伺いたい。  第五に、団体等規正令違反事件について依然として検挙を続けておられるようだけれども、やはりこれも国民の税金を使って今取締るべきものが多々ある。先ほどお話しを伺っておれば、赤線地区のごときは、そういうふうな取締りの手が届かない。団体等規正令がいかなる実害があるのか。それについては非常な国費を使って大ぜいの人を動員してああいうことをやって、端的に言えば、世間のもの笑いになっている。何年前だか知らないけれども、ずいぶん前にいなくなった人をつかまえて、鬼の首でも取ったように思っているというようなことを世間が言っている。これは私が言うんじゃない。そういうようなことを、おやりになっているのはどういうお考えであるか。  第六は、坂巻少年に対する判決文の中に、判事は国家の反省を求めておられる。国家はどういう反省をしておられるのか、それを伺いたい。  第七は、防衛庁その他が最近汚職というか、物品の不正購入等が会計検査院などによって指摘されて、世間の批判を浴びているけれども、こういう莫大な税金を不正に使用していることは、一体どういうふうに法務省検察庁ではお考えになっているのか、どういうふうに措置されているのか、以上伺っておきたい。直ちに御返答を伺えれば伺っておきたいし、今すぐわからなければ調べてお答え願います。
  70. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 第一に、最近非日活動の調査委員会が実現するという話であるかどうかというお尋ねでありまするが、これはこういう委員会のできることは私も聞いてはおりませんし、承知しておりません。  それから第二の、証拠なくして逮捕するのは不当じゃないかというお話しでありましたが、これはどういう事柄を意味するのですか。それだけの言葉でありまするというと、的確なる答弁をいたしますることもむずかしいのでありまするが、まあ要するに不当に逮捕状を乱発しておるということの意味であろうと、こう思いまするが、この点はなるほどお説の通りそういう傾きのありますることは、私も認めておる次第でありまして、どうもこの点はまことに遺憾だと存じまするが、アメリカへ私は一昨昨年参りまして、この逮捕状を発しまするについての諸事情調査をいたしてきたのでありまするが、アメリカなどにおきましては、ほとんど逮捕状を出すまでには犯罪証査に関する捜査の結果が出ている。あらゆる証拠を収集して、そうして大体犯罪ありと断定し得るまでの心証を得られるだけのやはり捜査手続ができておりまして、そうしてそれのみならず、逮捕状を出すときは、裁判官の前に本人を呼んで、そうしてその弁明も聞きまして逮捕状を出すという段取りになりまするので、比較的人権じゅうりんの事実がないと申し上げていい。もちろんその人権じゅうりんの事実なきことを強く要望するがために、そういう手段方法をとっておるというのが、アメリカの今日の逮捕状を出すについての手続であろうと思いまするが、でありまするから、逮捕になりましても保釈金を積めば、すぐに出す。出してもすでに証拠は収集されておるのでありまするから、証拠湮滅等のおそれがない。でありまするから、人権尊重の意味からいえば、きわめて望ましいことであって、日本もそうあってほしいと私どもは思うのでありまするが、日本などはそうじゃない。大がいまあ逮捕状を出すには、証拠を集めてこういう犯罪が成立するものなりという心証を得てやるのもありましょう。ありましょうが、多くは、多くはと言うと言い過ぎかもしれませんが、まあそういう証拠を集めずに、大体こういう犯罪があるであろうというような想像のもとに逮捕状を請求して取る。そうして被疑者の身柄を拘束して、そして被告をあの手この手で責めて犯罪事実を供述させる。そうしてそれから今度は外部の物的証拠を集めてきて証拠固めをして、これなら犯罪になるということで大体起訴ができるという段取りまで参りますれば、まあ出してやるというようなことで、大体身柄を拘束する期間だけは、一日も早く出すようなことをせずに、一ぱいにとめておいて、そして起訴する準備をするというようなのが、日本で現実にこれは行われておる方法であると申し上げていいと思います。でありまするから、なかなかどうも保釈などを申請しても、あるいは証拠の湮滅のおそれがあるというような理由で、なかなか出さない場合が相当あります。まあ羽仁委員の言われますように、どうも私どもも必ずしも今日の捜査方法、あるいは手段が適当であると言えないと率直に申し上げていいと思うのであります。でありまするが、一歩退いてそれではアメリカのように人権じゅうりんのないような方途を講じていけばいいではないかと言われると言うと、それはそうすることが一番いいのであるが、しかしそうするにはやはり予算の面においても足らざる点がある、あるいは人手の点においても足らざる点がある、あるいはまた捜査方法に関する諸手段についてもやはり足らざる点があるとかいうので、なかなかすべてがやはり思うようにいかない環境に置かれておるということが、やはりひいてそうさせるのではないかとこう申し上げていいと思うのですが、これは予算も十分にあったり、人手も十分にあったり、しかもその人手も優秀な、その筋の権威のあり、また熟練した、あるいはまた知識体験を持っておる人を充てるというようなことでありますれば、これはまあそういうことはないと思うのですが、しかし日本の今日としてはなかなかそういうことは望んでもやはり得られないという結論になるのじゃないかと、こう思います。まあアメリカなどは逮捕状を出すまでには、あらゆる苦心惨たんもし、相当に捜査の費用もかけて、そうして万全を期しておるという私は話を聞いて、なるほどこれはやはり持てる国だから、こういうことができるのだなと思ったのですが、たとえば犯罪者がある家におるという場合に、その前に酒屋なり何なりの商店がある場合には、その捜査に当る人がその店員に化けて朝から晩までそこへ行っておって、そこの店員であるように見せかけて、向うの犯罪者の行動をあらゆる観点から朝から晩まで探って、そうしてちゃんと証拠を集めて来るというようなことまでやっておるという話も聞いて、なるほどと私は感心したのですが、それまでやれば、これは人権じゅうりんの事実もなくなると思うのですが、まあわが国の現実としては、これは好ましいことではありませんが、やむを得ない、人にばかりその責めを帰することはできないのではないかと、こう思いますが、まあもう少し改善していく必要は認めます。  それから監獄法の改正は、これはただいま改正すべく研究しております。  それから公安官があらゆる面で調査をしておるが、その法的根拠はどこにあるかというお話でありますが、これは公安調査庁法に規定があって、公安調査官が調査をいたしておるのでありますが、この調査の対象は要するに党活動であります。共産党の党活動であります。党活動が対象になっておりまするが、その党活動を調査する結果として、やはり個人にも及んでいくというような場合があり得ると思いますが、はっきりした調査の対象はやはり党活動である。それは公共の安全を確保するという建前のもとに、破壊活動を防止したりする意味において、日々の調査を怠らずに推進しておる、こういうことでありますから、これは合法的にやっておるわけであります。  それから団規令違反のお話でありましたが、これはもうすでに廃止になりまして、今は適用されておりません。だが前に団規令の存在したときに犯した犯罪は、そのときの法律によって処罰をするという規定が残っておりますから、従ってその法律に基いて、このごろ逮捕された竹中君などはこの規定にのっとって逮捕されているわけです。
  71. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 そのことをあなたがどうお考えになるか。
  72. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) それは法律にありまする以上は、やはり法律を忠実に、しかも誠実にこれを執行していくという面から考えて、まことに事情としては忍びざるものがあると申し上げてもいいと思うのでありますが、法の前にはいかんともいたし方ない、こういうことでやむを得ないと思います。  それから坂巻少年の判決についてのお問いでありますが、これは判決を見ないと何にも申し上げられませんから、これはまた調べておいて適当なときにお答え申し上げてよろしいと思います。  それから防衛庁の予算の乱費の点ですね。これはまことにどうも忌むべきことでありまするが、しかし少くともその乱費の行為法律に触るるごときことのある場合においては、これは断固として容赦なく取り締って参りまするから、そういう点については何ら欠くるところはないと申し上げていいと思います。が、しかし会計検査院のただ犯罪の範疇に入らざる会計乱費の問題については、これはやはり検察庁としては何ら手を下すべき筋のものでもなし、また手を下すということは人権じゅうりんのおそれもありまするから、十分に私は慎しむべきでありまするが、しかし一たび法に触るる犯罪行為が出て参りまする場合においては、これはもう断固として容赦なくその取締り、その処罰に向って善処して参りますることは、これははっきり申上げておきます。
  73. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今のお答えについて一言申上げます。法務大臣は、法務大臣に就任せられたにつきましては、非常な抱負をお持ちになって御就任のことと拝察をいたします。従って、ただいま私が申し上げました諸点について、それぞれ遺憾である、あるいはそういうものを改善したいというふうにお答えいただいたことは、必ずそれを実行せられるということを私は確信して伺っておきます。  この証拠なくして人を逮捕しているというのは、言うまでもなく盛んに人違いの人を逮捕している。しかもただいま御説明のようにアメリカの場合、アメリカばかりじゃなく、国際的な慣例で、証拠をもって人を逮捕するというのは当りまえです。それが証拠もなくして人を逮捕していいということは、予算の面で、あるいは人手の面でやむを得ないという、非常に検察なり警察に対してこれは法相として涙をのんだような同情のあるお答えがあったのですが、日本検察官や警察官があなたの今のお答えを聞いてみずから戦慄して、そうしてその行為を改めることを私は切望します。国民にかわって……。結局あなたとしては、しかしその足りない予算の中で、足りない人手の中でそういう重大な人権じゅうりんというものを根絶せられることをお考えになっていることと信じて、これ以上きょうは伺わないのですが、後に個々の例について御調査の結果を、そういう証拠なくして人を逮捕していることはないかどうか、あるとすればどういう事例があるというようにお考えになっているか、それを伺っておきたいと思うのです。イギリスなりアメリカなりでも、ただ金があって、人手があるからできたことじゃないのですよ。これは法相もよく御研究になったことでしょうが、やはり政府と国民双方が人権を擁護するために、長年かかって非常な努力をしてやったことで、金があって、人手があれば、すぐできるというような簡単な問題じゃない。これはやはり法相が検察官や警察官がこの証拠というものについて、どういう考え方をしているかということに重大な関心を持っていただかなきゃならん。これはしかし申し上げるまでもないことだと思う。なお詳しく御調査の結果を後に伺いたいと思います。  それから公安調査庁の先ほどの御答弁は、もう一回御研究願ってからお答えいただきたいと思うのですが、公安調査庁のなすところの調査というのは、破壊活動防止法なり公安調査庁法なり、われわれは国会において十分慎重な質疑応答を繰り返して、そして確定したところのものに基いていただきたいのです。そうでなければ議会における政府の答弁というものは、政府が変ってしまえば、もはや無視していいというような慣例をお開きになろうとしているおつもりはなかろうと思う。破壊活動防止法や公安調査庁法というものが人権侵害にわたるおそれが多分にあるというために、国会がそれに付帯する決議をつけたことはまさかお忘れじゃないと思う。国会が特に心配してそういう注意を政府に向って促したということをお考えになれば、最近の公安調査庁の調査活動というものは、いささか常軌を逸しています。それで正確に言えば、公安調査庁の調査というものは、その破壊活動防止法に関して求められてできているところの委員会が活動して、初めて公安調査庁が活動するということでなければならん。そのためにわざわざ丁重にああいう法律ができているのです。かつまた、その破壊活動であるというふうに認定するには、それだけの丁重な手続が必要であるということは申し上げるまでもない。勝手にある団体、ある政党、あるいはある個人が破壊的と認めて調査を開始していいとお考えになっているというふうにまさかお考えになっているのじゃあるまい。また法律はそんなことは許しておりません。ところが徐々にそういう悪い習慣が発生しつつあることについて、法務大臣は重大な職責においてそういうことが行われないように、厳重に監視を続けておられることを信じて疑いません。  監獄法についてはどうか早くなすべきことをしていただきたいのです。  それから団体等規正令については、御承知のようにすでに裁判においては、前の政令を今日において適用するということの必要がないという判決も出ているのです。もちろんその判決はまだ確定したものではない。今法相のお言葉でも、情において忍びざるところがあるというようなお言葉もありまして、そういうふうな果して眼前明白な危険があって、それを直ちに防止しなければならないものであるかどうかということについて、多大の疑問のある方面については、多大の予算と多大の人員とを配置して、眼前明白の危険のあるような場合の行為、あるいは官吏の人権じゅうりんというような方面については、予算が足りない、人手が足りないというふうにおっしゃっている点は、あなたのお答えをそのままちょうだいするということが、はなはだ困難でございますから、重ねて後日お答えをいただいておきたいと思うのです。  それから最後の点でありますが、しからば現在法相は、会計検査院等が指摘している事実というものは法に触れていない、法に触れていないならば、やって差しつかえないというふうにお考えになっているのかどうか。果してあれが、いかなる意味においても、法に触れていないというふうにお考えですか。公務員法なり何なりにおいて、公務員が守らなければならない最高の義務というものに、違反していないというふうにお考えですか。
  74. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) 会計検査院のどういう事件ですか。それを具体的におっしゃっていただきたいと思います。会計検査院で起きたどういう事案を指されるのであるか、それをおっしゃっていただきたいと思います。
  75. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 法相にお願いしておきますが、あなたは政府を代表しておられる。政府はそれらの問題について、議員の質問に対して答える義務があります。私はお答えをする義務はないのです。今申し上げたのは、まさかあなたが御存じがないはずはないと思いますし、十分お調べを願って次回にお答えを願います。そういう問題が、いわゆる法律に触れないことだというふうに、あなたがお答えになっているということは、公務員、ことに防衛庁の公務員などに対する影響からも、非常に重大でありますから、会計検査院は、ああいう点を指摘しているが、法律に触れているとは思わないというお答えでないお答えが私は必要だと思う。
  76. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) お答をしないと私は申したわけじゃありません。お答えをせんがために、あなたの質問されておられる事項がわからないから、どういう事実を指されて、そうしてその取締りないしは逮捕というのですか、犯罪検挙に手をつけないのであるかということがわからないので、どういう事件を指されるのであるか、それをお聞きしたいのです。それをおっしゃっていただければ、私の方でそれに適合する御答弁をするのでありますが、それがちょっと私にわからなかったものですから、ただ抽象的に何か会計検査院になり、あるいは防衛庁なりにおいて使途不明、あるいは使途について濫費したというような事実のあった場合には、法務省取締りの見地からどう考えるかというような意味の抽象的のお話のように、先ほど私はお聞きしたものですから、従って抽象的の答弁をしたのでありますが、もし具体的にやれというのでありまするならば、具体的事例をあげて、どこでどういう事件が起きているか、その事件に対する処置はどうするか、こういうお尋ねでありまするならば、それに相応するお答えをいたしたいと思いまして、それでお聞きしたわけで、決して答弁をしない意味では毛頭ありませんから、誤解のないようにお願いします。
  77. 中山福藏

    ○中山福藏君 私は法務大臣に、お忙がしいようでありますから、一つだけ関連してお尋ねしておきたい。ただいま東京都庁の汚職事件が盛んに行われておる。これは今度土木機械、建設問題に移っておるのですが、これには補助費が抱き合せで相当渡っておるに違いない。しかしこの補助費の問題については、これは会計検査院でそのつど批難されるべき事項として剔抉しておるのです。ところが会計検査院法の第三十三条には、会計検査院が不正があったと認めるときには通告しなければならぬということになっておる。二十六年、二十七年のときにわずかに一件通告しておるのですね。それに先だっての予算委員会で、私が防衛庁の問題を取り上げて、一千万円の前渡しの金、それから三億六千七百万円、この金も前渡しをして、それで工事の即時着手ということに契約をしながら、これが二十九年の三月の二十五日でしたか、その金を渡しておる。しかもその年の九月にまだこれが着工していないということを私ははっきり事実を列挙してお尋ねしたのです。ところがそれも時間がなかったからやめましたが、そういうことが一種の背任であることは明かにわかっておる。今度の東京都の汚職事件に関しましても、これは抱き合せの補助金というものが必ず現われてくる。これは必ず問題がある。私は地方公共団体も地方自治体の土木事業については、毎年それがなくちゃならぬと見ておる。これは多年の私の在野法曹としての体験上あるのです。これは探ればあるのですが探らないのです。あなたの御承知通り会計検査院の年度において加速度的にふえていく批難事項をごらんになれば、私は政治家として、ことに法相としての地位にあられたら、単に犯罪の嫌疑があれば探るというだけでは足らんと思う。(「その通り」と呼ぶ者あり)これを積極的に乗り込んで探るだけの熱意がなくちゃ、国家に対するところの、憲法第十五条の公務員たる職責が尽されないと思うのです。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)それをお尋ねしておるわけです。それでただいま羽仁委員の御質問はそういう点にからんでおることだと私は考えるのです。それでこの二十六年、二十七年、二十八年、二十九年、三十年、……三十年はまだ現われておりませんが、二十八年度が今決算委員会に報告されておりますが、これを見ても加速度にふえておる、金の点において、件数の点において……。これをただ私は嫌疑があれば当然検事局で探るのだというような冷淡なことでは、過去の私は遺物的の政治だと思います。これは私はそういう冷淡な態度だから、こういう汚職事件がふえても、批難さるべき事項をやっても、会計検査院も一向検事局に通告しないし、また法務大臣も一向、犯罪の嫌疑があれば、それは必ず調べるのだという、いわゆる月並みの御答弁であれば、ますますそういうことはふえてくるに違いないと思うのです。私はそういう点についての一つ、花村法相はそうそうたる在野法曹として諤諤の議論を吐いた方なんです。その方が今法務大臣になっているのですから、私はこれを質問するのです。あなたが法務大臣になって、在野法曹時代の一つ魂を生かして、あくまでこの問題について取っ組んでもらいたい。それについてはどういう覚悟ですか、一つ承わっておきたい。
  78. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) そうです。ただいまお話しのありましたように、会計検査院法の三十三条には、検査官がその職務執行中犯罪ありと思料する場合には通告しなければならぬという規定もあり、また公務員法にも、公務員がその職務執行中犯罪あることを認めた場合においては告発をしたければならぬという規定もありまして、これは公務員に課せられたる一種の義務であると申し上げてよろしいと思うのであります。でありまするから、そういう犯罪ありと思料した場合においては通告をし、あるいはまた告発をすべきが当然でありまするので、私どもはその法の精神にのっとって公務員はやっておることであろうと思いまするが、しかしその通告なり、あるいは告発なりがあるないにいたしましても、検察官といたしましては、犯罪ありと思料する場合においては、何時でも捜査の手を伸ばすことができるのでありまして、また犯罪の嫌疑ありと認められる場合においては、当然捜査をさせなければならないむしろ義務があるとまで申し上げてよろしいと思うのであります。従いましてそういう涜職なり、あるいは横領なり等の事案が、公務員の間においてありと認め得られる場合においては、これはもうすみやかに仮借するところなく捜査を進めて、検挙、取締りをすべきは当然であり、またそういたしておるのでありまするけれども、しかしまたその半面考えなければならないことは、人権尊重ということを忘れてはならない。先ほども羽仁委員が言われたように、どうも逮捕状を乱発するおそれがあると言われたのだが、これはなるほどそう言われればそういう節もあるのでありますが、それと同じように、また十分に証拠なく、あるいは嫌疑に対する信憑力をもってしての犯罪捜査でありませんというと、今言われたような行き過ぎがすぐ出てきて、やはりこれは非難攻撃の的になるばかりでなく、人権をじゅうりんするおそれがそこに出てくるのです。でありまするから、そこがなかなかむずかしいところなんです。人権じゅうりんの事実を作ってはならない。そうかというて、犯罪検挙に対して一指でもゆるめてはならない。そこのところの呼吸をうまくやっていく、人権のじゅうりん事実もなく、犯罪のある場合においては必ず的確に検挙をしていくという、やはり建前をとるということが望ましいので、そこのコツをうまくやっていくということが、これがまあ検察官の頭のよさや、あるいはそのたっとい体験を積んだりっぱな検察官がそういう処置をとっていくのでありまするが、まあそういうことが望ましいので、ただどうも会計検査の上において不当があり、あるいはただどうも犯罪がありそうだというようなことだけで、犯罪検挙のために乗り込んでいくというようなことは、これは大いに慎しまなければならないし、またそういうことがあってはならないと私は思うのであります。むしろどうも検挙が少し手ぬるいじゃないかというくらいに、やはりむしろ刑法等の処罪規定に関する精神から申しまするならば、むしろそこに寛大さを持ってやる方がやはり間違いがないじゃないか。間違いのない方をやはりよく考えてやるべきであるとこう私は申し上げてよろしいと思うのであります。が、しかし中山委員のお説、傾聴に値するものがありまするので、大いに参考にしてその最善を期していきたいと思います。
  79. 中山福藏

    ○中山福藏君 どうも大臣はコツを心得ていられると見えまして、非常にあなた答弁が上手になり過ぎている。どうも大臣ずれがしてきましたよ、このごろ……。私はそれで申し上げるのですが、これは会計検査院の批難事項をお読みになると、そんな御答弁はできんはずなんです。これはまた今二つ例をあげただけでも、これは検察庁としてお取り調べになる価値があるのです。ただいま仰せられた人権じゅうりんのことですね、羽仁さんがお尋ねになりました、いわゆる逮捕状をしきりに乱発するという問題は、これは昨年の春以前にはそういうことがしばしばあったのです。いわゆる検事の逮捕状の請求に対して、受命判事が読まずにこれを交付しておったのですね。それでむちゃくちゃにやったのですけれども、近ごろはそれは減っておるのです。だからこういうことはあまり近ごろ行われぬと私は感じておりますが、ただ、日本人はあまり調べられる人が正直過ぎますから、アメリカ人と非常にその点は調べられる人が違うのでございます。そこで私お願いしておくのですが、もう少しコツを心得ずに、何とか熱を入れて、あれだけはっきりした数字まであげて、あれを見てみるというと、法律家としてはどうしても手をつけなければいかぬという点が現われておりますよ。しかも告発という、刑事訴訟法上の言葉の違いでも、告発という問題は、これは疑いがあるときはやってもよいということになっております。この告発と告訴の意味の違いから考えても、やはり疑いがある場合においては、これは問題が違いますけれども検察当局においてはやはりお調べになるという熱意がなければいかんと申し上げておるのです。ことに見ていてごらんなさい。東京都の汚職問題については会計検査院が検査されると必ず批難される事項が幾多現われてくるに違いない。そこで最後に法務大臣にお尋ねしておくが、東京都におけるところの汚職事件は、御報告になって差しつかえないという点まで到達しておりますか。もし到達しておれば、この次に一つ伺ってみたいと思うのでございますが、どうでございましょうか。
  80. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) ただいま東京都の汚職事件については捜査を進めつつありまするので、従って秘密の事項に属しまするので、ここに報告し得ざることを遺憾に存じます。
  81. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 法相に重ねてお願いしたいのですが、法相の先ほどの御答弁は、検察庁は官吏の人権はあくまで尊重する、国民の人権は尊重しない。(笑声)売春業者の人権はあくまで尊重する、しかしその犠牲となる可憐なる少女の人権は守らない、そういう御方針ですか。今のお答えは全くそうとしかうかがえません。会計検査院の報告については国民は憤怒していますよ。週刊朝日でも中野好夫君は満腔の怒りを持ってこれを書いている。そうして今中山委員がおっしゃるようにあれだけのことをやっていて、それで別に犯罪の嫌疑ありとは思えない。明白眼前の危険ありとは考えない。国民の税金が盗まれているとは考えないという政府が、一面においては先ほどの団体等規正令の適用にせよ何にせよ、いかなる実害があるのか、いかなる眼前明白の危険があるのか、いかなる必要があるのか、それに対しては多大の予算と人員とを使って、そうして検挙を行なっている。だから客観的事実としては、あなたがいかにあなたの弁舌をもって糊塗されようとも、国民の受けるところは、法務大臣は官吏の人権や売春業者の人権はあくまで尊重する。しかしながら国民、あるいは共産党員、あるいは可憐な少女の人権というものが侵されるのは関知するところでない。それは明らかに犯罪の嫌疑がなければ、そっちは引っ張らない。そっちの人権は擁護しない。しかし官吏の場合にはよほど明かな証拠がなければ引っ張らぬ、そういうお答えとうかがえますがどうでしょうか。
  82. 花村四郎

    国務大臣花村四郎君) われわれが持つ基本的人権は、これは天与の権利でありまして、この天与の権利を憲法が認めるのが、われわれが持つ基本的人権であります。従いましてその人権は何人といえども同様でありまして、官吏であるとか、あるいはないとかによって、その人権に差等軽重の生ずべきものでありませんことは、これは多く申し上げるまでもないと思います。従いましてその人権を擁護するについて、人あるいは職、あるいは地位等によって差別のあるべきはずがありませんから、私の先ほど申し上げましたことがかくのごときへんぱな人権擁護の意味にお聞きになったということでありますならば、それはお聞き違いであると私は申し上げてよろしい。断じてかかるへんぱなことを私は申し上げたのではございません。官吏であろうが、あるいはなかろうが、普通の一般国民であろうが、その人権の尊重すべきことは一にかかって、もって軽重のあるべきはずはなく、同一であると申し上げてよろしいと思うのであります。こういう意味において誤解のないようにお願いをいたしておきます。
  83. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  84. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起して。
  85. 一松定吉

    ○一松定吉君 委員長、ただいま羽仁委員花村法相に対する質問の中で、証拠なくしてみだりに逮捕状を乱発する弊が近ごろ非常に多い。それは人権じゅうりんのはなはだしきものであるのだが、こういうようなものに対しては相当取締りをしなければならんのではないかと、こういう質問をしたのに対して、花村法相は、自分もそういうようなことがどうもあることに対して非常に憂慮しておるのだと、だからしてそういうことについては、一つ将来取締りをしたいという希望を述べられた。ところがそれはそういうなまぬるいことでは、なかなか証拠なくして逮捕状を出すというようなことについての取締りが十分できません。そこで私はそういうような刑事々件の不起訴記録というものが検察庁にあるはずです。もしくは警察にあるはずです。それは刑事訴訟法の四十七条によると、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」ということが四十七条に規定がある、これは刑事訴訟法です。そうすると今のような公にならない検察庁にある不起訴記録を取り寄せるというと、検察庁はこの四十七条の前段の規定で、皆いけない、いけない、秘密書類だから出さん、今の花村君の答えにおいてもそういうことを言われたんです。ところがそれはいわゆる国会法の第百四条、「各議院から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」という規定国会法の百四条にある。これによりまして一つ羽仁委員の方で挙げられましたような事案の数多いことでありますから、顕著なもの二、三の書類を取り寄せる、そしてこの法務委員会調査してみて、果してそういう事実があるということであれば、それを根底にして適当な処置をとるという必要があると私は考えまするから、一つ当委員会において決議してもらいたい。それについては後刻、その具体的の証拠なくして逮捕状を乱発したと疑わるべき事件の具体的の罪名、それから所属庁それらのことを書面をもって提出いただくことになりますから、皆さんが御同意でありまするならば、賛成の上、当委員会においてその取り寄せの決定をお願いいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  86. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 異議ございませんですか、それではさように取り計らわせていただきます。
  87. 中山福藏

    ○中山福藏君 私は資料の要求を一つきょうお願いしたい。きょう出入国管理会に関する改正が出ておりますが、昭和二十七年度以後の在留許可になった外国人、あるいは退去命令を執行された中国人ですね、それの人名並びにその審査委員会の審査記録を一つ資料として提出してもらいたいということを要求しておきます。
  88. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  89. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起して下さい。
  90. 市川房枝

    市川房枝君 先ほど藤原さんの児童福祉法においての児童に淫行せしめた者に対する刑罰が、判決が軽いように思われるという御意見に対して、法務大臣は軽くないといいますか、情状はいろいろあるのだというような御意見があったのですが、この問題は非常に重大な問題だと思いますので、児童福祉法に直接関係のある厚生省児童局並びにこれを運用している検察庁、あるいは家庭裁判所から、この問題について少し伺いたいと思うのですが、それから同時にそういう児童福祉法の淫行に対する判決といいますか、科刑のほかの資料、あるいは児童の人身売買に対する……、これは職業安定法あるいは労働基準法等によるものだと思いますが、そういうものに対する科刑の資料ですね、その重いか軽いかといいますか、大体それが適当であるかどうかということも一つ知りたいと思いますから、そういう資料も要求していただきたいと思います。
  91. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  92. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起して下さい。資料要求に対しましてはその点伝えますし、なお、売春関係について委員会を持つというような御発言だと委員長は了承いたしますから、その点については十分理事会にもおはかりして善処していきたいと思います。
  93. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 一松委員の御発言によって本委員会は決議をしたのでありますが、それは後ほど重ねて書類によってお願いしますが、政府の方でさっそくお調べを願うために、その二、三の例をあげておきますが、先ほど申し上げたのは、一つは、大阪で自動車強盗の容疑者として前科一犯の男が逮捕された。ところが容疑が薄いというので間もなく釈放された、これですね。もう一つ福岡では、日共潜行幹部現わるとの情報に、所轄警察署では、紺野氏に似かよっている人物を人違いとの抗弁も聞かばこそ、ほとんど無理やりに任意同行して指紋を照合した結果、別人とわかり釈放した、第二の場合などは逮捕状は出ていないのかもしれませんが、しかし逮捕状だけの問題でもないのです。任意同行ということの慣例も、悪い慣例は打破しなければなりませんから、政府が誠意をもってそれについての材料を集めていただきたい。最近の実例は竹中恒三郎君逮捕の際に、同行しておられた西沢君を、竹中君を隠匿したとかいう疑いで逮捕した。おそらくこれは逮捕状が出ていると思います。それで疑いないというので釈放されたのです。これですね。しかしなお政府がこういうような逮捕状の乱発あるいはそれに類似したような行為を根絶されようとする誠意があるならば、自発的になお国会の参考として考えてほしいとお考えになる資料をぜひ出していただきたい。われわれが要求しなければ出さぬというようなことでなくて、協力して、こういう忌むべき慣習を打破したい。これはさっき法務大臣も、はなはだ忌むべきことだと言っておられますから、協力的態度を示されたいということを希望しておきます。
  94. 井本台吉

    政府委員(井本台吉君) できるだけ御希望に沿いたいと思いますが、関連事件で現に捜査中に関するものにつきましては、捜査の秘密の点もありまして、あるいは事件の概要をお伝えする程度で御勘弁願いたいと思う点もあるかと思いますので、あらかじめ御了承願いたいと思います。
  95. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時一分散会