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1955-07-29 第22回国会 参議院 農林水産委員会 第37号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十年七月二十九日(金曜日) 午前十時五十九分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
江田
三郎
君 理事
秋山俊一郎
君
白波瀬米吉
君 三浦 辰雄君
戸叶
武君 千田 正君
委員
青山 正一君
池田宇右衞門
君
大矢半次郎
君 重政
庸徳
君 関根
久藏
君 田中 啓一君
長谷山行毅
君
飯島連次郎
君
溝口
三郎
君
亀田
得治
君
清澤
俊英君 三橋八
次郎
君 東 隆君 棚橋 小虎君 菊田 七平君 鈴木 強平君
政府委員
農林政務次官
吉川 久衛君
農林省農地局長
渡部
伍良
君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
説明員
農林省農地局管
理部長
立川
宗保
君
農林省農地局計
画部長
和田栄太郎
君
農林省農地局計
画部技術
清野 保君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
愛知用水公団法案
(
内閣提出
、衆議
院送付
) ○
農地開発機械公団法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
自作農維持創設資金融通法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
)
—————————————
江田三郎
1
○
委員長
(
江田三郎
君) ただいまから
委員会
を開会します。
愛知用水公団法案
及び
農地開発機械公団法案
を議題にいたします。 両
法案
は昨日
衆議院
を通過して本院に
送付
、当
委員会
に本付託になりました。なお
衆議院農林水産委員会
におきましては十項目にわたる膨大な
付帯決議
がついておりますが、これはまだ
印刷
が間に合いませんから
印刷
ができ次第お手元にお配りいたします。 昨日に引き続きまして
事務当局
に対する質疑を願います。
溝口三郎
2
○
溝口三郎
君 昨日
計画部長
に質問いたしたのでありますが、
日本
に残っております
開拓適地
は現在七十五万
町歩
といわれているのです。そうしてその
事業費
は
開墾作業費
が大体一
反歩
一万円
程度
のように推定されている。ところが昨年
世界銀行
が
日本
の
農業事情調査
に来た結論で
日本
の
政府
に勧告しているのによりますと、
アメリカ
の
機械類
を輸入して
機械農業
を普及すれば百万
町歩
から二百万
町歩
の
草地農業
を入れた
農業開発
ができてくる、しかも
事業費
は
日本
で一
反歩
現在一万円であるのが四千円から二千五百円くらいに減少する、
開拓
の工期を早めると同時に、非常に
コスト
を引き下げるから
日本
の将来の
農業
にぜひとも
機械農業
を普及する必要があるということを勧告してきているのであります。私昨日
計画部長
にお伺いいたしましたが、先般の
愛知用水
の
視察
の場合には二千数百
町歩
の
開畑事業
が
機械
を利用してやると一
反歩
三万円になるといっている。
機械化
問題ということは一応ございますが、今まで考えられなかったような山をくずして、丘陵をくずして、そうして谷を埋めるというようなことをすれば一
反歩
三万円かかってもまだ畑になる
余地
はあると思います。
機械化
の問題に関連して昨日の御
答弁
では
愛知用水
のようなのは特別の問題で、そういうのも将来場所によっては
可能性
もある、
東北地方
では一
反歩
大体
機械農業
をやれば
世界銀行
でいうたようなことになるという御
答弁
があったわけでございますが、
上北平野
、
根釧原野等
の
機械開墾
によりまする
資料等
によりますと、
上北平野
ではやはり
開墾作業
が一
反歩
一万四、五千円、
根釧原野
でも一万五、六千円かかるようになっている。それは
火山灰地帯
の矯正なり
泥炭地
の
土壌改良等
も含まれてはおりますが、そういうことからいいまして
世界銀行
でいった一
反歩
二千五、六百円でやれば百万
町歩
から二百万
町歩
はできる、勧告とは非常に違っているのです。現在でも一万円
程度
でできるのが一万五、六千円かかるようなのを
開墾
を進めるということになっている。
一体開墾作業
の
事業費
の見積りはどういう考えでやられたかお伺いしたい。
和田栄太郎
3
○
説明員
(
和田栄太郎
君)
世界銀行
が
機械
を使ってやれば現在
手開墾
でやっておる
開墾
よりも安くなるだろうと言ったことは事実であります。しかし二千五百円といったような
数字
は示していないと存じております。私
ども
の方で今考えております
上北
の
開墾費
は反当約九千九百円でありまして、
根釧
では一万二百円でございます。しかしこの
経費
の中には、この
地帯
は御承知のように
土壌
に有機物の少い
地帯
でございますから、それを補給するために、初めに
起し
ましてすぐに
タンカル
と若干の燐酸をまきまして、これに
牧草
をまく。その
牧草
を
肥料——緑肥
として使って再墾のときに鋤き込んでいくという
やり方
を考えておるわけでございますが、このたったいま申しました
上北
の約九千九百円、
根釧
の一万二百円は
タンカル
を散布する
経費
、それから
緑肥
の種子をまく
経費
、それからそれを再墾して鋤き込む
経費
、こういうものが加わっておるのでございまして、これを
手開墾
の
経費
と比べますと、
手開墾
は
内地
では約一万三千五百円で、
北海道
では一万一千五百円になっておるのでございまして、非常に大きい差はございませんが、いろいろの余分の
作業
を追加しまして多少
手開墾
より安 いということになっております。 なお、ただいま
世銀
から
専門技術者
が協力のために来てくれて滞りますが、この
専門家
と相談をしまして、さらに
作業
がうまくできてでき上りがよくて
コスト
が安くなるような
方法
をさらに研究しましてできるだけ
経費
を少くするように努めたいと思っております。
溝口三郎
4
○
溝口三郎
君 一
反歩開墾作業
が
日本
では一万円だけれ
ども
、
機械農業
をやれば一
反歩
四千円から二千五百円でできる
可能性
があるのだということは、一月の幾日だかの
世界銀行
の
日本
に対する
農業視察団
の
報告書
にあげられているのです。それを
計画部長
は読んでないというようなことは実に私は心外だと思う。
日本
の
農業
が大転回をすべきときにそういう示唆がある、一ヘクタール
当り
十万円と書いてある。これは一月三日です。そういう何か
報告書
があるのです。だから私は
機械農業
というものは、
日本
の現在の
開拓適地
が七十五万
町歩
しか残っていないのが、まだ百万
町歩
ないし二百万
町歩可能性
があるというから、非常に私は関心を持っていたのです。それを知らぬなんということは……よく読んで、それがどこにあるか
一つ
探していただきたい、あるのだから、私は
一つ
そのためにこういう問題を研究したから申し上げたのです。 そこで、今
お話し
の、
上北
では一
反歩機械開墾
による
開墾作業
が九千八百八十五円、そのほかに四、五千円の
土壌改良費
が含まれて約一万五、六千円になる。私はだから
機械作業
をやって
トラクター
とトレーラを動かしていけば、どんなにかかっても木の根を除去したり、
除石
をやったりしても、
作業費
としても一
反歩
四、五千円以上になることは私はないと思っている。それが約一万円になるからどうも非常に高い。それはほとんど
上北
、それから
根釧
で、
両方
で
世界銀行
の
開墾用
の
機械
を三億四、五千万円、五分の利息で借りて、それをこの
地区
内の四、五年の間にその
機械費
の
全額
を全部
償却
してしまうのだという非常に無理な
金額
は全部
入植者
にこれは
委託
、九千八百八十五円で
委託
を受けてやる。
入植者
の人は
機械
はもう
公団
が持っている、そして
作業
とすれば一
反歩
四、五千円足らずでできるのに、目の前に見ていながら約一万円の
委託料
を出せというととを言われると、これは非常に問題が起きるんじゃないかと私は思っている。ことに
上北平野
と
野辺地
の原野は終戦後にあれは
軍馬補充部
の用地が
開墾
になって、そして
農林省
で
緊急開拓
を始めたところなんです。その当時の
農林省
ではやはり
機械開墾
をやろうというので
委託
をしたときに、あそこには
徳川義親
氏の名前をかりた団体が行って荒し回ったところなんです。
機械農業
ということについては非常にあの辺では苦汁をなめている。金は取ったけれ
ども
、
あと
残ったのをずっとやっていってしまったところなんです。というような歴史のあるところへ今度行って一
反歩
四、五千円でできるものを
機械
の
みな公団
が
地元
の
負担作業費
のうちに入れて、そして一
反歩
一万円のような
委託料
を出してやっていくというようなことは、これは私は非常に高い。もっとずっと安くすべきなんだ。どうしてこういう
算定
をしたか、三億何千万円の
機械
を買ってそしてそれを
開墾作業費
の方へ全部入れて
償却
に全部入れてしまった。そうしてこの
公団
の
経常費等
もそれから出していかなければならなかったから、こういう問題になってきたんじゃないか。私はもっと三億何千万円というようなのは、国がこういう問題を始めるというなら国が全部買って、それからそれで非常に安くこの
開墾
をやっていけば
入植者
の方も非常に喜ぶだろうし、
開発
の将来は
日本
の
農業
としてはもっと七十五万
町歩
なり百万
町歩
、二百万
町歩
とふえてくる。そういう大転換期だから
農民
に
負担
をしょわせるようなことをしたから私はおかしいと思う。だから高くなる。もっと半値ぐらいにやる
方法
を
農林省
は十分考えていただきたい。この点について、どうしてこういう
機械
をみな
農民
にしょわすのか。そしてしょわしておいて、そうして
あと
これは
両方
で七千
町歩
ぐらいやる。そのほかに一万六千
町歩
くらいやる余裕が残っておる。ほかと同じように九千円くらいの
貸付
をとってやっていく。三億円ぐらいの
機械
を買って、
機械
で十五、六億の
利益
を上げておるようなことになる。少しおかしいと私は思うのです。
利益
を上げる必要はない。もう少し
算定
を変えたらどうかと考えておる。
和田栄太郎
5
○
説明員
(
和田栄太郎
君) 今の
機械
でやっても安くならないではないかという
お話
でございますが、私
ども
ももう少し安くなるべきじゃないかと考えて、先ほ
ども
申しましたように、研究をいたしておるわけでございます。経過を申しますと、初めに私
ども
の方の
機械
の
専門家
が計算をしましたときに、六千何百円かくらいに出ておったわけです。ところがまた再検討をやってみましたところこういう価格になってきました。なおこの
機械
をこの
地区
だけの
開墾
にかけておるのではございませんで、
今溝口委員
からも
お話し
のように、この
機械
の貸与時間を八千時間と見まして、この
作業
全体に対して割りかけておるわけでございます。繰り返して申しますが、
溝口委員
から御
意見
がありましたように、私
ども
も目下この
経費
がさらに安くなるように
努力
をいたしておるわけであります。
溝口三郎
6
○
溝口三郎
君 この問題は私は重要だと思うから重ねて申し上げたいが、
野辺地
の
付近
の七戸のところ
牧野改良
のセンターか何かできて、あの
付近
の
牧野改良
を
トラクター
でやっておる。そうして私は畜産の方はあまり詳しくは知らぬが、非常にあそこで
手数料
はこれは三年か四年くらいずつでかけてやっても、一
反歩手数料
は
除石
の
償却費
まで入れて一
反歩
千円か
そこら
であの
委託費
をやっておるじゃないか。さらには、こっちは十倍もしないし……同じような
牧野
の
開拓
をするのに十倍もかけなければならぬというのは、
機械
がこのうち半分ぐらい入っておる。
機械
ぐらいは
政府
で持って、
償却
ぐらいをやっていかなければ、
機械
を
農家
にみなしょわしてしまって非常に私は不合理だと思う。ことにこれを並べて見ますと、
篠津
でやはり八億か九億の
機械
を買う。そうしてそれは二十
年間
ぐらいに、毎年の
償却費
とか
貸付料
は一億四千万円ぐらい、一割一分か
そこら
になっておる。それを国が貸し付けるから非常に
貸付
が安い。その
割合
と、この
農家
の方に
負担
をかけるようなのは、
機械
の
貸付料
が四倍以上になっておるのは非常に不合理だから、何かこれは変えられた方が私はいいと思う。それでそこは損失が出てもこれは
政府
がしょうべきだ。ほかの
愛知用水公団等
については、
公団
の
経費等
は五
年間
で二十億で、これは皆
全額国費
で出しておる。この
機械公団
のは一文も国が
負担
してない。
経常費
を出したらいいと思う。
あと資金計画
、
償却計画
はもう少し改正することを考慮する
余地
はないのですか。この点をお伺いしたい。
和田栄太郎
7
○
説明員
(
和田栄太郎
君)
篠津
の
貸付料
と
機械開墾
の方の
作業費
と違って参っておりますのは、
篠津
の方は
貸付料
は
機械
をそのままで貸し付ける。裸の
貸付料
であります。
機械改墾
の方は
オペレーター
もつき、油もすべての
経費
を含んでおるわけでございます。それで今利率が非常に違って出ておるのでございます。なお、
政府
がもっと
負担
してはどうかという御
意見
でございますが、それは
農林省
としては同じような
考え方
を出して、だんだん
大蔵省
と折衝をいたしたのでございますが、現在の
考え方
は、
愛知用水
の場合もこの場合も補助の
やり方
は現行と同じような
やり方
をしようということで、一応案が成り立っておるわけでございます。なお御
趣旨
は重々ごもっともでございますから、なお
大蔵省
とも折衝しまして、できるだけ
農家
の
負担
が軽くなるように
努力
をいたしたいと思います。
溝口三郎
8
○
溝口三郎
君 それは言葉を返すようですが、
農地開発機械公団
の
概要
、お配りになったものの六ページに
説明
が書いてある。
上北地区
で
資金計画
としては、
機械
の
購入費
が、これは
数字
が間違っておるが、二億二千七百万円
機械
を購入して、そうして
作業費
に二億二千八百万円かかる。
オペレーター
や何かは二億二千八百万円の中に入っているのです。そうして二億二千七百万円というのは
機械
の
購入費
なんです、
アメリカ
から来る。これの
オペレーター
や何か入って修理、
油代
、
操縦者
の
費用
が二億二千八百万円で、一
反歩
にするとこれは五千三百円になるのです。
機械
の方も五千三百円になるのです。その
全額
をその次のページで
開墾費
として
資金
を調達しているのです、
地元
から。
上北地区
で四億二千七百万円、
オペレーター
の
費用
だけでも。私はだからそういうものは五千三百円で済むのだし、
機械
を買った
全額
を、この四千何百
町歩
で二億何千万円を
農民
に
負担
させるから問題が起きるのです。
篠津
の方の問題はただとの
機械
の二億何千万円をこれを二十年賦くらいで貸しているのです。だから非常にこれは違ってきているのです。
全額
を四千何百
町歩
の
開墾作業費
を
——農民
から
機械
の
購入費
を
全額
これを四、五年の間に徴収するようになる、そうしてまだそのほかにもう三倍くらいの
能力
があるから、ほかへいって貸すとおっしゃる、非常にこの
機械公団
がもうけ仕事をやる
公団
みたいに見えるのです、
地元
からいうと。ことにそういうので、できるだけ
経営費
を出すために、一
反歩
約一万円の
委託料
をとってやらなければいかぬというようなことは、私は経験からいくというと、こういうことをやると何も
農民
のことを考えずに、とにかく
公団
の一
年間
の収入になるようにどんどんこれだけやっていって、この
上北地区
や何かは二月
当り
五百万円も
政府
の
資金
が出るようになっていますから、ほかの方はそのほかに出られないだろうと思う。それから
委託
を受けてやって、どんどんそれだけをやって、まだ農耕を始めないうちにほかの方は熊笹が出てしまうことがしばしば起っているから、そういう失敗を繰り返したくない。そんなにもうける必要はない、もっとゆっくりやったらいいし、
機械
の
費用
くらいは
大蔵省
と交渉して
農林省
が持つのだというようにぜひ私はお願いしたい。これは
篠津
の方と非常に逆転している、
篠津
の方は
機械
を買って
国営
の
地区
へ貸してやるので非常に安い値段で貸してやる。
農民
に貸すものだけはその率からいうとほかの倍も高いものになる、これは非常に私は不合理だと思うので申し上げたので、よく研究してもらいたい。 なお
機械公団
の問題でお伺いしておきたいのですが、本年
篠津
その他
機械開墾地区
に
余剰農産物
が五億五千万円入るようになっている。この
法案
によりますというと、その
金額
は
国営
の
土地改良地区
その他
上北
、
根釧
の
建設工事費
に充てる、
改良工事費
に充てる、
政府
の
委託
を受けるようになっている、それは利子をつけて五
年間
に
政府
は
公団
に返すことになっておる、そうすると
余剰農産物
が入るようになったのだが、それは
一般会計
でやる
建設工事
、それから
改良工事等
を
機械公団
に
余剰農産物
を貸して、そうして一兆円
予算
のワクに押えるということ、こういうことをやるのだ、これは五カ
年間
に返してしまうが三十一年度からは一体どうするのだ、
篠津
の
事業
、それから
機械開墾地区
の
建設工事等
は
一般会計
でやるのか、また
余剰農産物
がとれれば
余剰農産物
でやるのか、それから将来
機械公団
が
委託
を受けてまたやるようになるのか、その辺をこの間
予算委員会
で
大蔵大臣
に聞いたのですけれ
ども
、
大蔵大臣
はそんなこまかいことはわからない、どうも要領を得ないのです。三十一年度はこの続きは
余剰農産物
の
借款
が成立してもやらずに
一般会計
だけでこれをやっていくのかどうかということをお伺いしたいと思います。
渡部伍良
9
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 来年度以降
余剰農産物
が引き続いて行われることになりますれば、
余剰農産物
からの金で大部分のものはまかなって行きたい、こう考えるのであります。そういう
約束
になっております。ただし、ことしは
一般会計
の締め切りが済んで後でありましたので、
公団
にこの金を移して
国営事業
として
委託
しておるのであります。そういう回りくどいことをやるのがいいのかどうか、その点は直接
余剰農産物
を
一般会計
の中に入れて
一般会計出資金
としてやるか、現在の
通り
でやるかということは、来年度の
予算編成
のときに
余剰農産物
とにらみ合せてきめる、こういう
約束
になっております。
江田三郎
10
○
委員長
(
江田三郎
君) ちょっと
溝口
さん、先ほど来御質問されている問題をお聞きしておりますというと、よく考えろということでございましたが、たとえば
上北
の場合には
機械化
まで全部入ってしまうのだ、
篠津
の場合はそうでないということになると、これは大
へん
な違いができるわけなんですが、実は
公団
が何をするかということをまだ全体的、総合的には聞いていないのですが、この
説明
を求める必要はございませんか。もうそれは
委員
の皆さんよろしゅうございますか。
亀田得治
11
○
亀田得治
君 いや、それは必要だ。
江田三郎
12
○
委員長
(
江田三郎
君) 私もまだあまり
資料
をこまかく見ていないのですが、
溝口
さんのおっしゃるような問題があるとすれば、これは大
へん
なことになってくるわけで、−
あと
で困ったことになるわけで、大体この
公団
というものはどういうことをやるのだということを一応総括的に
説明
を受けた方がいいのじゃないかと由心います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
溝口三郎
13
○
溝口三郎
君 私はその方がいいと思っております。皆さん知っているし、急ぐからやれというからやったので……。
白波瀬米吉
14
○
白波瀬米吉
君
委員長
の
意見
に賛成。
江田三郎
15
○
委員長
(
江田三郎
君)
溝口
さん済みませんが、一ぺん総括的な
説明
を受けて、続いて御質問願いたいと思います。
渡部伍良
16
○
政府委員
(
渡部伍良
君) それでは
農地開発機械公団
の
概要
、との表を見ていただきますと、まず第一に
農地開発機械公団
の
事業概要
という一ページであります。
公団
の
事業
は大別して三つに分けております。まず
一つ
は
機械開墾
の実施であります。これはそこの表にありますように
根釧地区
三千四百三十一
町歩
、
上北地区
が四千三百二十
町歩
、前者は七
年間
、後者は十
年間
に
開墾
して行く。この
開墾
のために
世界銀行
から八十六万ドルを
借款
して、それにより新式の
開墾機械
を輸入する、これに対して
国産機械
を併用いたしまして、この
地区
の
機械開墾
を行うのであります。それから第二はこの
公団
が
機械
を貸し付けるので、その
機械
を貸し付けるのは順序が逆になっておりますが、ただいま申し述べた
機械
を貸し付ける。これは(2)の
農地開発用機械
の
貸付
、その(ロ)であります。
根釧地区
、
上北地区等
は本
事業継続
中でありましても、冬季が相当長いので、そういう際に他の
地区
で
機械開墾
をやってほしいという要望、これは今まででも相当ありますので、そういう所に持っていって
機械開墾
を引き受け、あるいは
機械
を貸していく、こういうふうにいたします。 それから(イ)の方は
篠津地区
で、
世銀
からの
借款
による
用排水機械
及び
客土用
の
機械
を
篠津国営事業所
に貸し付けて
用排水
、
客土事業
を行う、こういうふうになります。 それから第三は
建設工事
の施行ということになっておりますが、これはただいま
溝口委員
から
お話
がありました
上北
及び
根釧地区
の
開墾建設工事
及び
篠津地区
の
灌漑排水事業
に対して
余剰農産物資金融通特別会計
から金を五億五千万円を受け入れて、その金をもって
北海道開発庁並び
に
農林省
にそれぞれの
地区
の
開墾建設事業
、
灌漑排水事業
を
委託
してやろう、こういうのであります。この点は
委託
でありますから法律形式的には
公団
の
事業
ということになりますが、実際には
事業
は
北海道
開発
庁なり、
農林省
が
開墾建設工事
及び
篠津
の
用排水事業
を
直営事業
としてやる、その金を
公団
が
余剰農産物
の
特別会計
から受けるという形式をとっておることになります。これの
事業
は
篠津地区
は
灌漑工事
が三億三千三百万円、
排水工事
が一億三百万円、
開墾建設工事
が三百万円、
合計
四億三千九百万円、
上北地区
の
開拓道路
が四千八百五十万円、
根釧地区
は
開拓道路
が四千八百五十万円、そういうことになっております。 次に
事業計画
の内容でありますが、
開墾面積
、
上北
と
床丹
というのがあります。
上北地区
につきましては、
入植地
が二千七百二十五
町歩
、
増反
が千五百九十五
町歩
、合せて四千三百二十
町歩
になります。1、2となっておるのは、1は
荒起し
でありまして、2は本
起し
であります。
荒起し
しまして、それに
タンカル
を入れまして、
飼料草等
を播種し、三年目に本
起し
をしていって本畑にして行く、こういうことであります。
床丹
の三千四百三十
町歩
のうちの
入植地
が三千二百二十八
町歩
、
増反
が二百二
町歩
、こういうことになっております。その一番下のちょっと表を見ていただきますと、一
町歩当り
の
開墾費
が
上北地区
は
荒起し
八万五千三百八十四円、本
起し
一万三千四百七十円、
合計
九万八千八百五十四円、
根釧
は
荒起し
が八万六千百九十五円、本
起し
が一万六千三百八十六円、
合計
十万二千五百八十一円、こういうふうになっております。
機械
の
貸付
は、
開墾用機械
としては、
年間
千八百
町歩
の
開墾能力
を持っておりますので、前の
機械開墾面積
、
上北
、
床丹
の
作業
の余裕ある限り、下のような
内地
、
北海道
の
割合
で他の
地区
の
開墾
を引き受けていく、こういうふうに考えております。 それから第五ページでありますが、これに要する
機械
の
購入計画
でありまして、三十年度は
輸入機械
だけ、すなわち
世銀
の
借款
によるものだけ、三十一年度からはそれに見合う
国産機械
を買っていく、こういうことになっております。 第六ページは、右の
事業
に伴います
公団
の
資金計画
であります。まず
篠津地区工事
だけは、先ほどの
灌漑排水工事
四億三千九百万円、この
地区
に貸し付ける
機械
の
購入費
は十二億、これを三十年、三十一、三十二年、三十三年にこの表のように買っていくということになっております。それから
上北地区
の
工事費
は四千九百万円、
開墾機械購入費
が二億七千七百万円を三十年、三十一年に買っていく。それから
開墾作業費
は先ほどの表に従いまして、三十一年から四十年にかかって
開墾作業
をやっていく。それから
機械
の
運用費
が三億四千三百万円、これは三十四年度以降に返還をしていただく、こういうふうになっております。
根釧地区
も大体同様の
趣旨
でありまして、
工事費
が四千八百万円の
開墾建設工事
であります。それから
開墾機械購入費
が二億七千二百万円、
雑工事費
が七千万円、
開墾作業費
一億七千八百万円、これは三十一年度から三十七年度まで七
年間
でやります。
機械
の
運用費
が三億八千百万円、そのほかに
公団事務費
が
年度別
に大体
年間
二千五百万円ということで総計として四億三千九百万円、
合計
四十億五千万円かかることになりますが、そのうち
世銀
から十三億六千万円借りまして、二十六億九千万円の
余剰農産物
その他円でまかなわなければならない、こういうふうになります。これの
資金調達計画
は第七ページであります。この前の六ページの四十億五千円の年別の
経費
をまかなうために、この七ページの年別の金繰りを、金の用意をしなければならないという表であります。借入金は
世銀
、見返り
資金
、預金部その他ということになっております。
委託費
はこれは先ほど
説明
しました。一応来年度以降の
国営事業
に相当するものは別としまして、とりあえず本年度五億五千万円で
篠津地区
、
上北
、
根釧
地方の
開墾建設事業
なり、
灌漑排水事業
とあれしておりますので、その
委託費
、これを三十一年度以降三十五年度までにこういう年度割で国から返していく、こういうことになります。
開墾費
は
開墾作業費
でありまして、三十一年度から
内地
では四十年度まで、
上北
は十年、
根釧
は七年で返していくということになります。それから
機械
の
貸付料
は、先ほどの
機械
の
貸付
計画に基きまして、
内地
、
北海道
、それぞれの
開墾
を受諾していった場合に貸していく。それからその次はその分に対する
機械
の
貸付料
をこの
公団
としてはとっていくと、こういうことになります。七ページの一番上の左ところにミス・プリントがあります。借入金十九億四千四百万円、これは二十三億千四百万円であります。従いまして、一番下の
合計
欄が、この
世銀
、見返り
資金
、その他の内訳は変りません。六十九億七千五百万円というのが、七十三億四千五百万円。 それから第九ページを見ていただきます。ただいまの七ページの借入金の償還計画であります。
世銀
は一応年五分で、二十六年、六年据置ということで予定しております。それから
世銀
のところに「三三(二二)」とあり、その上に「(一一)」とありますが、これは見返り
資金
の方の欄に入れるところをミス・プリントしておるのであります。そこで、六ページの
事業
資金
と七ページの金が入ってくる。七十三億四千五百万円、これの
年度別
に、たとえば、六ページの三十一年度の
合計
欄、下から三段目の十四億五百万というのと、七ページの三十一年度の
資金調達計画
の
合計
欄十四億三千八百万円、この差額が
公団
剰余金として、九ページの三十一年度の
公団
剰余金三千三百万円というところに出てくることになります。六ページの、三十一年度の
事業
をやるトータルが十四億五百万円要るわけであります。償還は……。七ページの三十一年度の
公団
に入ってくる
経費
は、それぞれ年次割りの借入金その他
委託費
、
機械
の
貸付料
、
開墾費
等で入ってくる
合計
十四億三千八百万円、その差額は
公団
剰余金として三千三百万円そこへ上ってくるのであります。そういうふうに、年次別の
事業
資金
の入ってくるのとを合せてこの
公団
剰余金というものが出てくるのでございます。これと借入金年償還額小計との差額は、
機械
残存額の次の差額の欄に出てきまして、これを五分五厘で
利益
は三十一年度ではとんとんになりますが、三十二年度では一億七千三百万円の
利益
が出てきますので、二億一千八百万円の差額
利益
が出てきます。従ってそれを五分五厘で運用し、三十三年度の
利益
に加算していく、こういうふうにして、最後の剰余金の運用というものをやりますと、最後の償還のときに、大体満期でとんとんになるのであります。十ページでありますが、
公団
機構、これは非常に規模が小さいので、大体三十人
程度
でやっていきたい、こういうように考えております。平年度二千五百万円
程度
を予定しておるのであります。 概略
公団
の
事業
の内容並びに
資金
の計画は以上の
通り
であります。なおこまかく
根釧
、
上北
、
篠津地区
の詳細な
説明
が必要でありますれば……。
溝口三郎
17
○
溝口三郎
君 先ほど私の
説明
を中断しちゃったのですが、
篠津地区
の
機械
を買うのは国産のものを入れて十二億か、そうして
貸付料
は何ページですか、そこの表に出ておりまして、大体平年度に一億四千四百万円くらい、これは
北海道
開発
庁と仙台農地事務局に貸し付けるので、これは問題ないと思います。大体十二億買って一年に一億四千万円ですから一割一分くらいずつ
償却
していくような勘定だから、そうしてその分は
国営
の
工事費
から償還してもらう、これは全然問題ないだろうと思います。ただその上の
開墾費
というのを一億七千九百万円、
上北
と
根釧
に分れておるのでありますが、
上北
の方は一
反歩
九千八百何十円、
根釧
の方は一歩一万幾らという
委託費
を
入植者
から徴収することになっている。四十年までの間に
上北
の方は四千三百
町歩
の
開拓
開墾作業
をやる、
根釧
の方は三千四百
町歩
やって、その間に
機械費
は全部
償却
してしまう、そうしてその残りの
貸付料
というのが
開墾
、
内地
と
北海道
両方
で一応十五億
利益
を出してきている。
上北
と
根釧
の
開墾
委託費
というのは、どうも私は
入植者
の方にそのわずかの期間の間に
世界銀行
で買った
機械
の
全額
を、三億何千万を徴収してしまうのは苛斂誅求だと思うのであります。そんなものは
入植者
は納得するかどうか、これは
大蔵省
との協議によったのでなくて、私は
農林省
でこういう試算をこしらえていると思うのです。だから先ほど来私の申し上げましたように、実施の場合にはできるだけ
入植者
とトラブルを起さないように、すでに起った経験は私はつぶさになめております、しかもその当時は
全額
国が
負担
したのです、
全額
を持っていっても
入植者
は、それだけの金をおれの方にくれるならばもっとりっぱなものをやるのだというようなことからあの制度がやめになったような歴史がある所なのです、しかもその
全額
を国が
負担
するのでなくて、
上北
ではその
全額
を
農民
に全部
負担
させる、これは非常に問題が起ると思うのです。ぜひもう一ぺん検討して、できるだけ安くやってもらう、そして
大蔵省
と折衝して、少くとも
公団
の
経費
は二千五百万円かかるようですが、それは
愛知用水
公団
でも
全額
国が持っておる、国がやったらその
程度
は、国が一文も見ないというのはおかしいと思うから、私はぜひ来年度において交渉していただきたい。それから先ほどお伺いしたように、本年度五億五千万円を国の
委託
を受けてやるが、その金は
政府
は五カ
年間
に利息をつけて返済してしまうということなんです。そこで来年は十二億の、たとえば
篠津
の
機械
を買うのだ、そうすればそれに伴って普通に工事をやっていくならば、
篠津
で六十億の
事業費
を、これを五カ年か
そこら
でやっていかないと
機械
の方は遊休設備になってしまう。一年に
一般会計
の純国費の分、一年に相当に大きな金でどうしてもやらないと、
機械
を買ったのが半分も遊んでしまうと困るから、
愛知用水
と同様に着手したら国費の
負担
が非常に大きなものになるから、これを
余剰農産物
でやるのか国費でやるのかということは私は明確にしておかぬと、国内の
事業費
に相当に支障を与えるようになると困るから伺っておいたのであります。さっきの御
答弁
では
余剰農産物
が実現すれば、その
余剰農産物
を
一般会計
の方へ繰り入れて、そうしてそれで国費の
事業
をやるような
方法
もある、こういうふうに伺ったのですが、そういう方向で一応お進めになるのか。
渡部伍良
18
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
のように六十数億に及ぶ
篠津
のやつはこの
公団
の計画と一致してやらなければいかぬのであります。その財源は今年はこの
公団
から、金を見返り円
特別会計
から受け入れまして
国営事業
として
委託
してやるということになっておりますが、来年もこの
方法
によるとあるいは直接見返り円
特別会計
から
一般会計
に繰り入れまして、それだけこぶにしてこの
事業
をやるかということについては
大蔵省
と
農林省
でいずれかの
方法
でやろうという
程度
の話し合いになっております。
江田三郎
19
○
委員長
(
江田三郎
君) ちょっと今のに関連して伺いますが、
溝口
さんの
お話
では、非常に
負担
が重過ぎるということを言っておられるわけです。それで
衆議院
の
付帯決議
においても、「他の
国営
地区
の例に比し著しく
負担
過重と認められる」、こう書いてあるのですが、一体この一般の
国営
地区
ではどのくらいの
負担
にされておるのですか。
渡部伍良
20
○
政府委員
(
渡部伍良
君) その
付帯決議
にありますのは、
農民
の毎年の償還金の反当幾らになるかということが高いか安いか、こういうことであります。これは
国営事業
について反当
事業費
が安いのは四、五万円から十数万円までありまして、それが補助率は国の
負担
分は
国営事業
それぞれ同じでありますので、反当
事業費
が多いところでは
農民
の
負担
が多いというのは当然であろうと思います。しからば
愛知用水
の
負担
が高いか安いかという問題でありますが……。
江田三郎
21
○
委員長
(
江田三郎
君)
愛知用水
ではないですよ、
機械公団
のことですよ。
機械公団
の
衆議院
の
付帯決議
の二に書いてあるわけなんです。
愛知用水
のとは別です。今
愛知用水
をやっているのじゃないのです。
渡部伍良
22
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
機械公団
の場合も同様でありまして、たとえば今の
開墾作業費
の
上北
の分四億二千七百万円、
根釧
三億五千二百万円でありますが、これは全部
農民
というわけではありませんので、たとえば
根釧
では三億五千二百万円のうち国庫補助が一億二千、従って
農民
に対して
公団
が融資する分が二億三千二百というふうになるのでありまして、その二億三千二百万円を年別に直して高いか安いかという問題であります。私の方ではこの
事業
を遂行するためには、
農民
の
負担
可能の限度というものを
算定
いたしまして、正直に申しましてこれで償還ができるのでありますが、もう少し償還期限を延ばすとか、あるいは補助を増したらいいのじゃないかというので、その点はさらに検討を加えていっております。さらにこれは詳細に
公団
発足いたしましてからもっとこまかい営農設計を加えた上で最終的にきめたいと思っておりますが、今のところは従来の補助率というもので考えておるのであります。
江田三郎
23
○
委員長
(
江田三郎
君)
溝口
さんこの問題は
事務当局
の今のお答えだけでいいですか。
あと
で大臣でも出席されるときにもう一ぺんはっきりなさいますか、どうされますか。
溝口三郎
24
○
溝口三郎
君
衆議院
の
農地開発機械公団法案
に対する
付帯決議
の二というのが今の問題であります。これを拝見したのですが、「従前の基準にとらわれず、
農民
の実際
負担
能力
を勘案の上、適正なる償還額を決定すること。」というのは、私先ほど申し上げた根本問題である、しかし時間がないからあまり申し上げませんが、
開墾作業
と
建設工事
とは根本的に違っておる点なんです。終戦後
緊急開拓
のできましたときには
全額国費
でやるということだった、ところが一、二年たったときにいろいろな問題が出まして、
開墾作業
という言葉は
アメリカ
の言葉だと思うのですが、新しく出てきた。そして
建設工事
というのは設計を伴った工事だ、今も続いておるが
全額国費
でやっておる、
開墾作業
というものは工事ではないのだ、これは手労働でやって、
入植者
の労働力でやるものだから、その当時は
開墾
が進まない場合には、その労働力を全部
入植者
の自主的な運営によってやって
政府
は
入植者
に交付するのだという建前だった、だからこの「従前の基準」ということは、
開墾作業
に対する補助金というのは、労働者が営農の余暇に自分の手で地ならしをする
費用
に対して国が補助をするという建前の補助規定だから、
開墾
をやると同時に営農の余暇に自分でその労働力をもって生活を維持してきたという建前を、今度一
反歩
一万円かかるから現在でも一万円だったのが、営農の一万円は、
入植者
は自分たちの生活費に充ててきた、今度その一万円を全然
入植者
はもらえない、それどころではないので、借金してきて
公団
に出さなければならぬから根本的に制度が変ったらそういう問題が出た、非常にむずかしい問題だから根本にさかのぼって、
開墾作業
という制度についてはこの際ぜひ検討を加えて、それと同時に何か一万円を徴収する制度は非常におかしいと思う、十分検討する必要があると思うのです。
渡部伍良
25
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
開墾作業
の事柄は
お話し
の
通り
でありますが、私
ども
の考えておるのは、結局今度の
機械開墾
は
一つ
の試験的な意味がありまして、従来の
開拓
がうまくいかなかったのは、たとえば
開墾建設工事
と
開墾作業
がマッチしないとか、あるいは
開墾作業
と
土壌
改良がマッチしない、あるいはその
一つ
の大きい原因は手労働であるというとなかなか伸びないということもあるし、一番大きいのは金が潤沢にないというところにあるように考えるのであります。
開墾
の成功の例を見ますると、結局最初に各
作業
、各
事業
の分野がマッチしてできなければならない、それが根本問題であると思いまして、それをまず今度の場合には酪農を主とするのでありますから
開墾面積
が大きくなる、大きくなるためには
機械開墾
をやる、そのかわりこれがうまく行けば、一定年限たてば収益は確実に確保される、こういうことになる、そうすればその収益の範囲内で償還のできる限度というものを考えまして、それを考慮して補助率を考えればいい、こういう
考え方
であるのであります。今までの申し述べた計画では、一応そういう建前から収益で少しはまかなえるというところにきております。さらに詳細に検討すべき問題として、しからば当初にかける金が初めからこれだけであるか、あるいはもっと節約できないか、たとえば住宅の問題にいたしましても、当初はブロック建物というようなことでやったのでありますが、それらで家屋の一部だけを防寒のブロック式にし、残りは営農が進んで行くに従って直して行くというようなことに切りかえた方面もあります。それに類する
事業費
の、当初の
事業費
の節約があるだろうし、今後研究に待つべきところは相当あると思いますので、それらはさらに詳細に検討を加えまして、もっと余裕のある計画に直すのにはあるいは補助金を増さなければいかぬというような点、あるいは融資の償還期限をもっと長く延ばさねばいかぬということが出てくると思います。それらは今後の検討に待ちたいと考えております。
重政庸徳
26
○重政
庸徳
君 私は概してこれは、この
機械公団
は将来赤字を出す憂いが十分にあると思う、ところがまあ赤字を出す憂いが十分にあるから、これをやってはいかぬというような意味ではないが、そういう意味で十分に注意する必要がある、いかに注意しても出るだろうと思う、
機械開墾
そのものは非常にこれは簡単なんで、
機械
が動いて行くんだから、ところがその赤字を出す根本は、要するところ
入植者
と
開墾
の行程とマッチして行かねば、これはほんとうの計画
通り
にマッチして行かなければ、いわゆる
機械
が運休するという結果になるのです。そういう意味で入植関係でどういう計画をお立てになっておるか、詳しいことは承知するまでに至らないのでありますが、概してその主要なるものはざっくばらんに申しますと、従来は
開墾
をやっておった、今まで国が
国営
開墾
もやっておりますが、ああいう方式ではとても私はそのマッチした入植との関連が工合よく行かぬ、こういうふうに思うので、このたびはどういう
方法
でやられるか、たとえて言うと、
一つ
をピック・アップして言えば、移住家屋等は国がやはりその計画に基いて最初に建築して、そして
入植者
をそれに入れて参るのか、あるいはまた営農方面で、今もいろんな質問が出ましたが、
入植者
の資格というようなものに、半年や
そこら
は自活をして行く実力のあるというような者を条件として入れるのかというような点を
一つ
お尋ねいたします。
渡部伍良
27
○
政府委員
(
渡部伍良
君) お手元に
機械開墾
事業計画
概要
というのがいっておりますが、その七ページをあけていただきますと、
地区
面積及び入植戸数。
地区
面積
上北
六千百六十八、
床丹
が四千六百十九で、そのうち耕地に直すのが、先ほど申し上げましたように、四千三百二十
町歩
、三千四百三十
町歩
、こういうことになっております。それに対して入植戸数が、
上北
が五百四十五、
床丹
が二百八、
増反
が
上北
が二千二百二十五へ
床丹
が三十九ということになっております。その次の表を見ていただきまして、そこに一戸
当り
耕地は、
上北
で五
町歩
、
床丹
で十四、四
町歩
、これを一年目三町、二年目一町、三年目一町と
荒起し
、こういうふうに
開墾
を進めて行く。これが三年目から今度また本
起し
で回転するわけですから耕地防風林、採草地、薪炭林、宅地等に分れております。それから十一ページを見ていただきますと、
上北地区
の
事業計画
及び
事業費
、それから十二ページが
根釧地区
の
事業計画
及び
事業費
ということになりまして、
上北地区
の
事業費
としては、
建設工事
が八億一千百万円、これは
全額
国庫補助、付帯工事が二億二千二百万円で、半額補助、
開墾作業
は六億六百万円で、一億七千三百万円が国、県が七千六百万円、
農民
が三億五千七百万円というふうになっております。共同施設、営農施設、これは乳牛その他、それから営農
資金
としてその他の
資金
に充てるために一億三千七百万円、こういうふうになっております。従いまして、ただいま
お話し
のありました諸点につきましては、一応国の
負担
は従来のように考えておりますが、金としては従来よりもよけい準備しましてそうして当初のスタートが誤まらないようにしょう。そこで先ほど問題になりました、それでは償還の
可能性
があるかどうかという問題になって来ると思いますが、一応十三ページ以下にこの
地区
の営農設計に基いて収入を掲げまして、償還が可能であるというふうに思っております。
重政庸徳
28
○重政
庸徳
君 僕が今質問いたしましたのは、従来の入植とは非常に手厚く営農の方面も考えられておる、それは了承いたしましたが、家屋なんかはどうなるのですか。やはり行って
入植者
が勝手に資材をなにしてやるのですか、あるいは今度の組織だから、国が建って、そうしてそれへ入れる、そうして
あと
で償還にそれを加えるというのですか。
渡部伍良
29
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 家屋の点は、
資金
ワクには用意しておりますが、
公団
で全部建ててやるというところまでは考えておりません。しかしその点は集団入植というのであるいは
公団
でやった方がいいのじゃないかと思いまして、研究いたします。
千田正
30
○千田正君 ちょっと二、三点伺いますが、この
機械開墾
の
公団
はもちろん
世界銀行
としては目標をきめてただいまの地点に当ててあるのでありますが、この内容を見まするというと、実際この
機械
の稼働期間がほとんど一カ年のうちの三分の二まで達しないのじゃないですか。
あと
のいわゆる積雪期間というものは稼働できない。この稼働できないのにむざむざこういう優秀な
機械
を寝せておく手がないのじゃないか。この
事業
の内容を拝見するというと、これが一応完成した後に
内地
その他にこれを移して、さらに将来の
日本
の余剰
地区
における
開墾
をやるんだ、これはまことにけっこうなことでありますが、この個々の
開墾
地区
の積雪期間における未活動の
機械
をいかに有効に活用するか、これを考えてもらわないことには、やはり先ほどどなたか御質問になったように、
農家
の自己
負担
というものは非常に重くなって来る。こうした積雪期間において、あるいは同じ
北海道
地区
内においても小規模ながらも
開墾
できるような所、あるいは近接したたとえば
上北
の
地区
においては岩手であるとか、秋田であるとか、そういうところの
開墾
地区
というものを一応見まして、この積雪時期において活動できなかった
機械
を活用するという方向に持って行かなかったならば、これは実際どうかと思う。この点はどういうふうに考えられておるのか。この点と、同時にまたおそらくこの
農家
の
負担
が強いということは、利子がついて来ているから相当強い。外国から借りて来るところの利子という、ものがやはり
農家
の
負担
の上にかかって来る。この点から見まして、このような活動できない期間を利用して均霑さして、そこに
農家
の経営
負担
というものを軽減し、かつまた国家の
開墾
の
地区
を伸ばして行って目的をさらに進捗さした方がいいじゃないかと私は思うのですが、それは特に制約があってそればできない、こういうのですか、どうですか。その点を承わっておきたいと思います。
渡部伍良
31
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 御承知のように、ことに
根釧地区
では、早ければ十月から五月ころまで
作業
ができないことを初めから予想しておるのであります。それで私
ども
この
機械開墾
を進める場合には、これが最初の
事業
が成功してこれでほかの
地区
もまかなえる、従って大規模にやれるという場合になれば、
機械
の彼此流用が円滑に行って
機械
を寝せる時間がなくなるからいいけれ
ども
、一
地区
を試験的にやる場合には、かりに
北海道
からその五、六カ月の間
内地
へ持って来るとしましても、どうしてもその運送期間等で相当のロスができますから、国としての
負担
も大きくなるから、非常に頭を悩ましまして、しかしその寝ておる
費用
を
農民
にかけることはこれは絶対に避けねばならないから、最初は
公団
でなしに、
特別会計
にしまして、その寝ておる時間は一切国が見る、こういうふうな案を立って進んでおったのでありますが、しかし
特別会計
になると、そういう点は国の
費用
でうまく見るとしましても、活動が鈍くなるというような点がありますので、
公団
ということにしたのであります。しかし、その
趣旨
はあくまでも実現せなければなりませんので、できるだけよその
地区
へ持っていって、働く期間と運搬する期間、
経費
とバランスの問題になりますから、それで採算のとれる限り相当に使う、しかし
負担
のよけいかかる分はできるだけ国でめんどう見たいというふうな話し合いを
大蔵省
としておるわけであります。いずれにしましても、
北海道
から
内地
に持ってくれば、運搬期間だけで往復でまごまごしていると二十日から一月くらいかかりますから、その期間はどうしたって寝るわけです。それからその運賃がかかるわけですから、その分はこれは特別に国で見るのが当然であろうという主張をしておるわけであります。大体
大蔵省
の方では、主計官のところではそれはもっともだと、そういうことになっておるのであります。そのこまかい計算まではこれはまだ入っておりません。
千田正
32
○千田正君 それで
機械
は、まあ移動するに対してはその
通り
輸送料その他の問題によってなかなか運搬賃もかかる。ただし、これは人間はもったいないじゃないですか。約五ヵ月間というものを
北海道
の融雪時期まであそこで勉強させるという手もあるでしょうけれ
ども
、との人的資源はむしろその期間だけでも
内地
において調査するとかあるいは研究させるとかというような、次への段階との、この最初の計画、第二次計画としては
内地
のどこをやる、そういうところに目標を定めて、この五カ月の間を有効に人的資源の効率を上げるような
方法
を考えらるべきであると思うが、その点はどうなんです。
渡部伍良
33
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 人の問題は二つに分れまして、
公団
の計画を立て
事業
の監督をする人と
機械
に伴う
オペレーター
の問題があるので、
オペレーター
の方は
機械
と一緒ですね。非常に今までの
機械
操作は
オペレーター
と
機械
がうまく一致しないところに、これは
日本
の土木建設
事業
一般の問題でありまして、まだうまくできていない。それによりまして、
オペレーター
が
機械
をうまく使うか使わぬかによって非常に能率が違ってくるわけで、
機械
に
オペレーター
を必ずつけるということが非常な原則になっております。
機械
だけを貸すということは、これは
世界銀行
等も非常にやかましく言っておるので、
一つ
のセットとしての
機械
と
オペレーター
、こういうことを考えております。それから計画をし監督をする人の方は、当分
北海道
でも
上北
でもここ数
年間
は、冬といえ
ども
次の準備なりいろんな検討でまあ遊ぶひまはないのではないかと、こう考えております。
千田正
34
○千田正君 そうすると当初からの目的の
通り
、それは一応そういう
機械
が寝ていようがどうあろうが、一応
根釧地区
及び
篠津
あるいは
上北
の
開墾
が完成するまでは、
機械
も人間も動かさずここに集中するというのがこの
事業計画
の目標でありますか。
渡部伍良
35
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
機械
の方は、余裕のある限りほかの
地区
にかせがせるという考えをしておりますが、
事業計画
を立てとの実施を監督する
公団
の陣容は、これはそこに当分専心させる、こういう考えであります。
亀田得治
36
○
亀田得治
君 今年は入植の戸教からいきますと、昨年よりも相当数減っておるわけですね。これはどういう理由でそういうふうになったのか。そうしてまた来年度もやはり入植戸数はもうふやさないというふうにはっきりとした
考え方
なのか、その辺……。
渡部伍良
37
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 今年入植戸数を減らしましたのは、
予算
の規模がふくれなかった関係で増加することができなかったのであります。私
ども
の考えとしましては、終戦以来十年
開拓
事業
は経過してきております。そこでこの成功の例、不成功の例、そういうものを今反省しつつあるのであります。 先ほど申し上げましたように、当初の入植のときに
開墾
建設、
開墾作業
、あるいは営農のための諸施設等がそろわなければうまくいかなかったのであります。不幸にして過去の十
年間
の例を見ますと、たとえば愛知県等では新規の入植については三十万円以上の手持ちがなければ入植選定の資格に入れないというふうなことまでやりまして、現在の国、県だけの補助なり、融資では十分でないのでありまして、そこが今までの
開拓
がうまくいっていない例であります。そういうことがほぼ明らかになったので、従ってそういう点をもう少し明確にいたしまして、しからばどれだけの金をどういうふうにつけたらいいかということをはっきりして、その上で毎年の入植戸数をきめたい、こういう考えであります。 そのために、三十年度から
開拓
地の実態調査を、これは何といいますか、全
地区
についてシラミつぶしのセンサス的な調査をやる
費用
をいただきまして、もうスタートしておりますが、それができますれば、はっきり当初百戸入れておったのが百戸落ちついておるか、あるいは脱落が何ぼできておるか、その営農状態はどうであるかということはつかめますので、そのデータをもって、従来の脱落しておるもの、あるいは成功していねいものをどう処置するか、そのためにはどれだけの金が要るかということを一方で見ます。そうしまして従来の
入植者
の立ち直りの
費用
と、新規の入植に成功するために必要な金をもってやれば、どれくらいの
費用
が要るということとにらみ合せて来年度以降の新規入植計画をきめたいと思っております。三十年度はその途中でありましたが、ある
程度
従来の入植施設に対する補強という点に重点を置きまして、入植戸数の方をある
程度
譲ったというのが実情であります。
亀田得治
38
○
亀田得治
君 従来の入植方式は、だんだん縮めていく、そうしてこういう新しい方式にマッチする条件のそろうような所だけを取り上げていくのだとか、そういうような
考え方
が相当強くなってきているのではないですか。
渡部伍良
39
○
政府委員
(
渡部伍良
君) そこまでまだはっきり言えないのであります。ただし、これだけは言えるのじゃないかと思いますが、従来の米麦を中心とした入植ですね、これではもう既耕地の近くの
増反
可能の地域を除いては、集団的に入植できる
余地
はだんだん少くなってきていることは、事実ではないかと思います。従ってこれからの新しい入植
方法
としては、どうしても家畜を相当取り入れて、米麦と家畜併用または家畜を主にするということにならなければならないのではないかということは言えると思います。これはここ数年の例を見ましても、冷害等の非常にひどかった昭和二十八年でも、青森、岩手等の牛を中心としている
入植地
ではびくともしていなのです。ところがそれをやるためには一方では今回取り上げておりますように相当大規模……、一単位
当り
の経営規模を大きくしなければいかぬ、そうしてそこに急速に一定面積を
開墾
しなければいかぬ。それからまた牛の数にしてもよけい入れなければいかぬ。どうしても面積も経営規模も大きくしなければいかぬ。しかしそのためにはたとえば酪農経営にしましても普通の米麦を作っておった人がいきなり酪農経営の入植をしても必ずしも成功することはむずかしい、従ってそれが万人向きに適用されるためにはどういうふうにやったらいいかということをつかもうとするのが今度の
機械開墾
のファームということになっておるのであります。その意味ではこれを試験的な
地区
とわれわれは呼んでおるのであります。まあ外国の酪農
専門家
に言わすと、それは試験せんでも必ず成功するのだ、従って
農林省
の人がテスト・ファームと呼ぶのはけしからん。これはパイロット・ファームである、こういうようなことも言っておるのでありますが、そのためには当初入るときの準備、あるいは当初入る人の
農業
経営を変えて行かなければならないことに対処する
能力
、そういうものが問題になることが大きいのであります。もしこれが成功しますれば、ここ数年後にはこういう形でやれる可能の
地区
は大体われわれが今手元でこれならばこういう方式の
機械開墾
もできるという
地区
が
内地
で約一万戸、
北海道
で七千戸を収容可能の
地区
とすぐ図面に出てくるのであります。しかし従来の
方法
で入植さしたのではとてもその
地区
が成功するとも思えないというので非常にこういう種類の
機械開墾
を期待しておるのであります。ありていに申し上げまして、米麦を中心とするのは
増反
、新しい
地区
はどうしても酪農を中心にした入植ということにだんだん切りかわらなければならないのじゃないかということは
農林省
の中では大体方向が一致しております。まだ解決すべき問題がたくさんありますので、まあ迷っておる、はっきりした計画になってないというのが偽わらざる実情であると申し上げたいと思います。
亀田得治
40
○
亀田得治
君 まあそういう点は
一つ
十分こういう新しい方式を進めながら検討してほしいと思います。ただ私はそういう際にこういう新しい方式の
開墾
地が成功する、それはいろいろな今までよりも有利な条件のもとにおいてやればそれは成功するかもしれません。しれませんが、しかし根本的にずっと検討してみますると、その成功、不成功のやはり大きな分れ目は
開墾
後の経営の状況なんですね。これは従来の
開墾
だってやはり同じだと思うのです。ところがこういう新しい
開墾
方式というそのくわの入れ方ですね、ここに幻惑されますと何かそれで非常に大きなものがここへ出てくるというふうなやはり錯覚を
起し
がちだと思うのです。だからそういう点はなるほど便利であるというにすぎないのであって、やはり根本的には
農家
経営というものを永続的に考えて行く、いろいろな経済条件とも合わせて。そういう点だと思うのです。だからそうなりますと、これは従来の
開墾
地なりあるいは今後米麦におきましては主として
増反
だとおっしゃったのですが、そういう土地につきましてもやはり同じようなことが考えられると思うのです。だから新しい
開墾
地で成功すれば、そういう成功した要素というものは従来の土地の中にはやはりこれも持ち込んでいく。ただ
開墾
の最初のくわの入れ方だけの違いということはあっても、そういうふうに私
ども
古いものと新しいものとぴたっと二つに分けてしまわないでやはりやっていってほしいと思う。そうしないと、何か今までの所が非常に古いこれは
農業
をやって、そうして新しいこういう
機械化
をやる所だけが
開墾
方式も新しいが、その後における経営も何か近代的で多角化してきていいのだ、そんなばかな差別をつけられては大
へん
だと思う。こういう点も
一つ
加味して、これは十分検討してほしい。 それから
愛知用水
も一緒にやっているわけですか。
江田三郎
41
○
委員長
(
江田三郎
君) 一緒にやりますか、一応今
機械開墾
をやっていますから……。 ではちょっと私お尋ねしますが、一体今後の計画でいって入植する人はどのくらいの自己
資金
を必要とするということなんですか。
渡部伍良
42
○
政府委員
(
渡部伍良
君) われわれの方としては従来のより以上の自己
資金
を必要とするのでは意味がないと考えておりますが、しかし安全を期するためには今までの計算でいきますと三十万円あるいは五十万円
程度
まで、三十——五十万円
程度
までの金を持って行った方が安全じゃないか、かように考えております。これはまだしかしきちっと締め切っておりませんから……、たとえば別海村の村長さんの
意見
とか、現地の中村さんの
意見
を聞いてみますと、どうしても
政府
の金だけでやったんでは絶対に成功しない、やはり自己
資金
がある
程度
なければならないということが言われております。私
ども
の今の考えは大体そうであります。
江田三郎
43
○
委員長
(
江田三郎
君) それは住宅建設の金なんかも入っておるわけですか。
渡部伍良
44
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 住宅建設の金なんぞはこちらで貸すことにしておりますけれ
ども
、やはり交通費や雑費や、それからいろいろと手直し、そういうものを持っていないと安心ならないというような表現だったんですね。これは余談でありますが、この前の、今度かわりましたが別海の村長さんが、昭和四年に入植したのですが、そのとき一万円持って行ったというのです。今の金にしますと四、五百万円になりますが、要するに入植の秘訣は、全部国に頼っておるというのではどうしても追われ追われになるので、ある
程度
自分の金をふところに入れて
政府
の金がくるまでのつなぎもうまくできる、そういうことがなければ成功がむずかしいということをくれぐれも言われておりますが、そういう金までも私
ども
の方でめんどうを見るということはで営ませんが、まあパイロット・ファームでありますから、
一つ
の試験でありますから、相当希望者があるし、試験だからある
程度
金を持っておる人、それから
能力
のある人から選択していくということはやむを得ないのではないかと考えております。
江田三郎
45
○
委員長
(
江田三郎
君) これはまあ
事務当局
の方の事務的な計算から出た
数字
でなしに、現地の村長さんあたりの、あるいは現地の経験者の体験から割り出した
数字
というのだから、大体安心してよかろうと思うのですが、それにしてもまあこういう金というものは三十万円要るというときには、もっと倍くらいなければできぬというのが今までの実情なんでして、三十万ないし五十万と言ったってそういう話を聞いているとやはり五十万ないし百万ということになるのではないかということになってきて、そういうところからおのずからこの
入植者
というものが非常に制約を受けるわけです。いかにパイロット・ファームか何か知りませんけれ
ども
、そういう相当まとまった自己
資金
がなければ入れぬということについて、あなた方の方ではそれでいいとお考えになっているのですか。ほかに
方法
はないということなんですか。
渡部伍良
46
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 私の方としてはそういう心配なしに入植をさせたいと思っておりますが、従来の例から、これは役所の恥になりますが、いろいろな金の、
政府
が出すべき金、あるいは
開拓
者
資金
融通で融通すべき金等についてもいろいろに不手ぎわが出てきますので、そういう点をカバーするためにはやはり既
入植者
の
意見
なり、先ほど申し上げましたような愛知県の入植選考の例等から見まして、そういう
程度
の自己
資金
を準備していただくことが望ましいのじゃないか、こういうふうに考えております。
江田三郎
47
○
委員長
(
江田三郎
君) それからこれは別途、あれは何と言うのですか、
開発
青年隊みたいな何とかいう名前のがあるわけですが、あのものと今度の
開発
機械公団
というものとのつながりというものはないものでしょうか。考えておられませんか。
渡部伍良
48
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 直接は考えておりませんが、最初に
荒起し
等の場合には、農村建設青年隊の優秀なる者をピック・アップしてそれに使った方がいいのじゃないかというふうな考えも持っておりますが、まだ結論は出ておりません。これは今までの例を見ますと、
開拓
地に入った農村建設青年隊というものは一番成績がいいようであります。その中には新しく入植したいというのが相当ありますから、そういう希望等を見て、農村建設青年隊の中から相当数を選考することも一応考慮に入れております。
江田三郎
49
○
委員長
(
江田三郎
君) それからもう
一つ
お尋ねしたいのは、先ほど千田
委員
の方から、
機械
を移動して稼働率を高めるという
お話
がありましたが、それについてあなたの方でもその点考えていくのだということですが、この
機械
というものは相当重量
機械
があるわけで、一体たとえば
上北
に入っておる
機械
を、
北海道
へ持ってくるというのは別にして、
上北
に入っておる
機械
を岩手の方へ持っていくというようなことは、今の道路なりその他でやすやすとできることなんですか、どうなんですか。
渡部伍良
50
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
開墾機械
の方はそう大きい
機械
はありませんから、
愛知用水
のように何十トンという
機械
はありませんから、一番大きいので二十一トンで、運搬は可能であると思います。
江田三郎
51
○
委員長
(
江田三郎
君) いろいろ御質問はあると思いますが、大体午前中はこの
程度
にしておきまして、午後また続行したいと思いますが、大体午後は、朝お打ち合せいたしましたように、まず自作農の方を先に片づけて、できるならば討論採決にもっていって、そうしてまたこの
公団
の方へ返っていきたい。そうして
公団
の方はできればきょう少々おそくなりましても、事務的な質問をきょう中にできることならやって、そうして
あと
理事会を開きますか、どういう措置をとりますか、主たる問題点だけをピック・アップしまして、これはあすの午前中に関係大臣にそれぞれ質問をしていただくということ、それから
付帯決議
につきましてはお配りしましたように、
衆議院
のは相当広範なものがついておりますが、これについてどうするかということも理事会、あるいはその他の
方法
によって御協議していきたい、こういうように考えておりますから、さよう御了承を願いたいと思います。 それではしばらく休憩いたしまして、午後二時から再開いたします。 午後零時四十七分休憩 —————・————— 午後二時二十九分開会
江田三郎
52
○
委員長
(
江田三郎
君) ただいまから
委員会
を開会いたします。
愛知用水公団法案
及び
農地開発機械公団法案
を午前中に引き続きまして議題にいたします。 午前中は主として
農地開発機械公団法案
について御質疑を願ったわけでありますが、午後は主として
愛知用水公団法案
についての御質疑を願います。 なお、午前中にお諮りしておきましたように、午後は
自作農維持創設資金融通法案
を議題にいたすことになっておりましたが、これに必要な
政府
の並びに修正提案者の御出席がございませんので、もしこの両
法案
を議題にしておる間に、それらの諸君が御出席になりましたら、議事の順序を変更いたしまして、また自作農の方へ返ることにいたしますから御了承お願いいたします。 それでは御質問があれば逐次お願いいたします。
森八三一
53
○森八三一君 すでに
委員会
でしばしば論議せられたことでありますが、特にこの
事業
を円満に計画
通り
完成せしめていきまするためには、何といってもダム建設の
地元
における水没措置を初めとして、残る
あと
の村作りというものについて完全な了解が成立するということがきわめて大切な条件であり内容になると思います。農林当局では、このことについて十分
公団
を指導せられまして遺憾なきを期するということであり、その
一つ
の例として、大臣の
お話
によりますれば佐久間ダムの建設という前例がありますので、そういうような前例に基いて措置をしたいというような
お話
があったのであります。そこで佐久間ダムの前例というものを非常に狭く考えて参りますと、具体的に示されている数額がそれに当ってくるというようにも理解し得るのであり、さらにその
趣旨
を広く解釈して参りますれば、ああいうものを
一つ
の例として最近の経済事情というものを織り込んで考えていくんだというようにも聞えるのであります。おそらく農林当局も、特に大臣の御発言は、佐久間ダム建設の場合を例として、実態に即するように考えていくという御
趣旨
と思いますが、そういうような点について何かお考えがありますれば、誠意をもって善処するという内容について
地元
の安心するようなことをここでお示しいただきますれば、この仕事を進めていくのには非常にプラスになると思いますので、そういうことについて最初にお伺いをいたしたいと思います。特に私がつけ加えて考えていただきたいと思いますことは、まあ、端的な表現で申しますれば、水没する被災者の諸君は、一応
公団
なり、
政府
なり、
地元
の諸君の協力を得て安住の地を求めていくと思いますがえてして、残りました村が相当規模も縮小されまする等のために、残った村の経営というものが非常に困難に逢着するというような事態が忘れがちになる例が過去においては多かったと思うのでありますが、そういうようなことについて、具体的にどんなことを考えられておるかということもあわせてまずもってお伺いいたしたいと思います。
渡部伍良
54
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 仰せの
通り
佐久間ダムの例を引いておりますが、もちろん佐久間ダムと現在の牧尾橋との点については、地勢、地味、それから村全体の状況が違うのでありまして、すぐそのままという状況にはいかないと思います。大体共通な点については、佐久間に例のないものにつきましては、最近できました同じく木曽川の丸山ダム等、そういう例とか、そのほかこれに似通った地域の例も参酌してきめたいと思います。なお、王滝村では、約四割の戸数が直接水没し、あるいはすでに耕地の大部分が水没して家は残っておるけれ
ども
生計のもとはなくなるというふうな事項に該当いたしますので、残った六割の人々の村の維持、あるいは村の
農業
の発展というようなこと等につきましても、その土地に適する、たとえば現在
地元
でぼつぼつ話が出ておりますのは、もっと乳牛を導入して、有畜営農の確立をはかりたいというような話が出ておりますが、そういう点については、今後さらに具体的にそういう
事業
が果して適するか適しないかということをさらに調査しまして、
農林省
としましては残った部分の暮しがうまくいくように十分
努力
をいたすつもりであります。
森八三一
55
○森八三一君 ただいまの
お話
は抽象的には十分了解し得るのでございますが、具体的に佐久間ダムの例が強く浮んで参りますと、その当時の物価の関係と、ただいまの物価の関係とは相違をいたしておりますし、私の承わっているところでは、佐久間ダムの場合は、たとえて申しますと農地水田の場合は一
反歩
は大体三十万
程度
でその当時は双方の了解が成立した。ところが現在王滝その他の地域における実際の売買等に現われている同様の取引
金額
は四十万ないし五十万というような実態が存在しているということでありますので、今の
お話
はさような事情を加味して十分納得のいくように
一つ
取りまとめていきたいという
趣旨
であると了解をいたしますので、そういうように御処置をいただきますることをこの際希望を申し上げておきたいと思います。 それからこれも再三再四論議ぜられた点でございますが、特に
溝口委員
からしばしば指摘されたのでございますが、今度の
地元
負担
の関係が各受益
事業
別に考えますと、特に
農民
の
負担
が過重になってくる、ことに他の同様の
開墾
開拓
等に比べて今回のものは非常に重くなってきている、それでは一定 の期間内に生ずるであろう
利益
をもつて償還をしていくことが非常に困難になる、ただ工事の上でもって計算してくれば、それだけのものを償還せしめなければ一定期間内に収支が成立しな いということになりましょうけれ
ども
、それが下の方から逆に計算してくるというと、償還が非常に過重であるということで、
事業
の進展を途中ではばむというようなことになる原因があり、さらにそれぞれの工事の着手についても非常な支障を来たすのでありますが、こういう点についてはお示しになっている計画の内容について十分再検討して、ほんとうに
農民
の生ずるであろう
利益
から逆算をして、償還し得る限度が限界線であるというような御処置を願い得ると考えておりますが、そういう再検討をお考えになるかどうか、同時に考える場合には、今申し上げましたような、この工事によって生ずる
利益
というものを基礎にして考えていくという方針がおとり願い得ると思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
渡部伍良
56
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
の
通り
この
事業
によって収益が増す範囲内で償還ができるというところは最高限であります。現在の計算でも、現在の収益計算によりますれば、相当の余裕があるのでありますが、さらに収益計算等につきましても再検討を加え十分の注意を払っていきたいと思いますが
江田三郎
57
○
委員長
(
江田三郎
君) 今の森君の質問でお答えになったんですがその収益とは一体どういう見方をしておられるのか、との出された
資料
の中で、
愛知用水
地元
負担
額というのがあるわけです。それでこれでいきますとたとえば開田あるいは田畑灌漑の場合に二千四百三十円というものがあり、それにこのほか年反当三千七十円というものがまた場合によっては出てくるわけで、そうすると五千五百円という大きなものになりますが、それに見合うところの収益というのはどういう見方をしておられるのか、収益を見るときに、たとえば
農家
の労働賃金というようなものをどういう計算をして出しておられるのか、その点どうですか。
和田栄太郎
58
○
説明員
(
和田栄太郎
君) 労力の計算はその地方の雇用労力をとっております。
江田三郎
59
○
委員長
(
江田三郎
君) これは今でもたとえば米価審議会におきましても、この労力をどう
算定
するかというととがいろいろ問題になっているんですが、これは何しろ今後長い期間にわたってこの償還をしていかなきゃならぬのでありまして、従ってこの収益というものも、あるいはそれに関連しての労力というものも相当長い期間で見ていかなきゃならぬのですが、たとえば現在の米価審議会においても現在の農村の雇用労働賃金では低過ぎる、これを変えなきゃならぬというようなことが、言われて刈るときに十年先、十五年先もその現在低過ぎておるといって問題になっている労力というものを入れた収益の計算ということになりますといつまでも
農民
を非常な奴隷的な地位につなぎとめるという点になるわけですが、そういう点はそうお考えになりますか。
渡部伍良
60
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
のように、この
事業
は建設は六年でやりますが、償還は二十数年にわたってやるのであります。その間の経済変動をどう見るかという点でありますが、これは 一応現在の状況が続くものということで計算せざるを得なかったのであります。しかし異常な経済変動が起ってくるということになりますれば、その間において調整を加える必要も起ってくるかと思いますが、
事業
をスタートする段階におきましては、ほかの
国営
その他の
地区
でやっている例に従っている次第であります。
江田三郎
61
○
委員長
(
江田三郎
君) もう一ぺんお尋ねしておきますが、経済界の異常変動が起きたという場合には、条件を変えなきやならぬという
説明
ではちょっと納得いたしかねるんじゃないかと思うので、今すでに米価の生産費を見る場合にも農村の雇用労力というものは低過ぎる、こうなってほとんど米価審議会の学識経験者の大部分の
意見
はこれを労働賃金、都市の労働賃金と同じように見なきゃならぬということが言われておるわけなんです。だからこれはもうそこへだんだん是正していかなきゃならぬところへ来ているわけであって、それは依然として今まで批判の対象になっているところの雇用労力に押えて、そうして
あと
は経済界に異常な変動がなければこれを変更する条件にならぬというようなことでは、これは少くとも
日本
の農村を振興さすという
考え方
とはほど遠いものだということに私はなると思うのですが、そうお考えになりませんか。それでなおこの問題については、せんだって大臣が出席されたと誉に私
ども
は現在の
負担
のアロケーションの問題についてもいろいろ問題がある。農村の場合には一方にこういう問題がある。たとえば米価の問題にいたしましてもこの計算では九千五百円ということにはじいてあるけれ
ども
、しかしながら今後一体国際価格というものがどんどん下向いているときに、これが一体どこまで維持できるかということが問題になるわけです。ところが片っ方において工業の用水の場合、あるいは電気料金の場合には、今度は特に工業用水の場合なんかに逆に工業用水というものの価値というものは非常に高くなってくるわけなんだから、そこで今のただ所要
経費
から見たアロケーションという従来の
やり方
というものは、この辺で
一つ
再検討しなきゃならぬという段階に来ているんじゃないか。それについては農林大臣も、あるいは経済企画庁長官もそういうことは考えなきゃならぬということを言っているわけなんです。ところが、もうそういうようなことを言っておる半面において、肝心の
農林省
事務当局
は雇用労賃というものでくぎづけをしていく、将来経済界に異常な変動がない限りはこれでいくという
考え方
では、大臣あたりの
答弁
とは非常にずれたことになると私は思うのです。重ねてその点をお伺いしたい。
渡部伍良
62
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 先ほど申し上げましたように、長期の予測を今からすることはできないので、現在の総合
開発
に対する、各
事業
に対する
費用
のアロケーションの政令には途中で物価その他の経済事情の変動があった場合どう直すという条項が入っていないのであります。その点はアロケーションの
方法
それ自体をそういう場合に対処するように直さなければいけない、こういうことが先般来各大臣のお答えになっておるという点であると思います。ただいま農林の所管に関連して申し上げているのは、スタートのときの問題でありまして、これも農産物の価格が下落する、一方で工業生産の価格が維持あるいは上っていくというようなことになれば、変更考慮、調整を考慮せなければならない場合も出てくると思いますが、現在ここに掲げておりますのでは雇用労賃をもとにしまして、反当純粋収益の増加を見まして、それに各種類の水の利用の田畑の年償還額と比べますと、一応相当の余裕を計算上見ておりますので、この計算でスタートしていきたいと思います。
お話
のたとえば、農産物の価格の労賃計算をどういうふうに見るのが最も正しいかということがきまりますれば、それに応じて訂正をしていき安ければたらないと思いますが、現在の計画では、とにもかくにも反当増加純粋収益というものと反当年償還額との間にある
程度
の余裕が計算されますので、これでスタートしたい、こういうふうに考えております。
江田三郎
63
○
委員長
(
江田三郎
君) もう一ぺんお聞きしておきますが、今のアロケーションの問題については、今の局長の
答弁
では、ちょっとまだ納得しかねますが、その問題はこの問大臣に聞きましたから別にいたしまして、ここでこの開田開畑を
公団
にした場合には、とにかく二千四百三十円というものにさらに年反当三千七十円を償還しなければならぬので、五千五百円ということになる。ところがえてしてこういうような
経費
というものは、これは当初の
予算
よりも実際やってみるというと、いつでもふえてくるわけなんで、これはどこの土地改良あたりでも、この
経費
というものが
予算
よりもふえてくるというのは通常のことなんです。すでにもう五千五百円という、反当五千五百円といりたらこれは大
へん
な金でありまして、せんだって私
ども
が
愛知用水
地区
へ行って受益
地区
の村長さんに聞いたら、まあ反当二千円ぐらいだと思っておりますというようなことなんです。そこへ持ってきて五千五百円というものが出てくる、そうすると、これはよっぽど
地元
の諸君の期待とは離れているのじゃないかということなんでして、さらに一体これよりも大きくなるということは絶対ないものかどうか。 それからこのほかにこの末端までのいろんな小さい工事等がありますが、そういうものも全部これに含まれておって、もうとにかく少くとも償還額としてはこれに加わるものは何らない、絶対にないということが言い切れるものかどうか。かりに言い切れるとしてもその点を
地元
農民
としては納得しているのかどうか、その点はどうですか。
渡部伍良
64
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 開田開畑につきましては、この備考で書いている分はいわゆる
開墾作業費
でありまして、これは希望に対して、希望があれば融資もしようというのであります。その場合には、いわゆる
開墾作業費
としての
費用
の年償還額が三千七十円になる、こういうことであります。従いましてこの開田開畑の場合には水利の
費用
のみならず、全部の
費用
が入っておるのであります。私の方の計算ではこれは十分見てある、こういうふうに考えております。 なお最初に御注意がありました、えてして当初予定より
費用
がふくれるというふうな
お話
でありますが、その点はわれわれも計画のときに十分注意をいたしまして、こういうふうに今までの
事業
と違って、
国営
、県営、団体営、末端まで一挙にやる場合でありますから、初めから予定している
金額
よりも実際やってみるとぶえるということが非常に
農家
に対する影響が悪いということを考えまして、
愛知用水
事業
の全体の
事業費
には相当大きい予備費を見込んでおるのであります。二十五億見込んでおります。これは従来に比べて見過ぎるじゃないかという
意見
もあったのでありますが、それで一応
負担
を出しておいて、実際にはできるだけ節約して最後に締めくくって清算した場合には何がしかの当初の予定よりも
負担
が減ったという印象を与える方がいいじゃないかというつもりでやっておるであります。そういう考慮を払っておるのであります。実際にやってみてどうなりますか。私の方では初めに小さくいって、
あと
でふくれることは絶対困る、
あと
から減っていくことに
努力
した方がいいと、こういう考えでやっております。
江田三郎
65
○
委員長
(
江田三郎
君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
江田三郎
66
○
委員長
(
江田三郎
君) 速記を始めて。 それでは最初に申しましたように、
自作農維持創設資金融通法案
につきまして政務次官が出席されましたし、
衆議院
の修正提案者との打ち合せもできましたからして、最初に申しましたように
自作農維持創設資金融通法案
を議題にいたしまして、両
公団
法案
につきましては後ほどまた審議を続けることにいたします。 そこで本
法案
につきましては、去る五月二十六日提案理由の
説明
を聞いたのでありますが、昨日
衆議院
において修正議決されて本院に
送付
、当
委員会
に本付託となっております。直ちに質疑に入ることにいたします。
亀田得治
67
○
亀田得治
君 本案は
衆議院
で原案が修正され送られてきたわけですが、この点に対する
政府
の
考え方
を、まず修正に対して同意をされておるのかどうか、こういう点についての基本的な考えをお伺いしたいと思います。
吉川久衛
68
○
政府委員
(吉川久衛君) ただいまの御質問の点については、同意をいたしております。
亀田得治
69
○
亀田得治
君 なおこの
衆議院
の修正について同意をしておるといいますと、修正の一番大きな点は、第二条の農地を抵当に徴するということを削除されておる点であると考えます。従いましてこの点を第二条から削除することに同意されたのであれば、第三条の第三項第三号に「当該
貸付
金を担保するため設定された抵当権の目的たる農地又は採草放牧地につき、借受人が耕作又は養畜の
事業
をやめたとき。」つまり抵当にとった土地を何かほかの目的にその金を借りた人が使い始めた、そういう場合には、償還期限がこなくても金を返さなければならない、こういう
趣旨
の規定がここに入っておるわけですが、第二条において、抵当権という問題を削除した以上は、
衆議院
においてこれは当然この項をも削除してくるべきだと私
ども
は考えるわけなんです。そういう点について実は疑問がありましたので、先ほど
衆議院
の修正案を出した諸君並びにその修正案に賛成された各党の人たちの御
意見
を聞いたところ、実はそれは手ぬかりであったということでありまするので、私は修正に同意されておる
政府
当局としても、この第三条第三項の第三号こういうものを削除してしまう、こういうことについてもおそらく同
意見
であろうと思います。ただしかし、この本来第三条の第二項とか第三項は公庫の業務規定においても実はこれは明らかにされておるはずです。そういう点から言いますと、私は単に第三項だけではなく、第二項も第三項の各号をもこれは全部不要であると実は考えておるのです。そういうふうな感じがするのですが、この点
政府
の方の
一つ
考え方
をちょっと承わりたい。
吉川久衛
70
○
政府委員
(吉川久衛君)
政府
もそのように考えております。
亀田得治
71
○
亀田得治
君 まあそれでは大体その点では
意見
が一致しておりますからけっこうですが、そこで第二条並びに第三条において、そういう抵当をとるというものを削除したこの修正提案者並びにそれに同意をした各党の人々の気持はできるだけ
農民
に土地を貸す場合に農地を抵当にしなければならぬのだというような
考え方
は適切ではないじゃないか、こういうところからまあ皆が一致してこういうようになったと思うのです。そこでこの第二条の第二項がこの修正案においてつけ加わっておるわけですね。「前項の規定による
貸付
金の返還を確保するための
方法
については、公庫が、農林大臣及び
大蔵大臣
の承認を受けて定めるものとする。」こうなっておる。そこで法律の上からは担保というものは皆消えてしまったが、との第三条の第二項というものがここにあるために、今度は業務規定においてぜひともお前は担保を出さぬと貸し付けてやらぬというふうな
やり方
をとられたのでは、この修正案を出した諸君の意図というものが、形の上では通ったけれ
ども
、実際上は何にもならない、そういうことになるおそれが十分あるわけなんです。こういう点について
一つ
どのようにお考えになっているか。
吉川久衛
72
○
政府委員
(吉川久衛君) おっしゃる
通り
だと思います。そこで
政府
といたしましては、修正提案者の各位のお考えのように措置すべきものと考えております。
亀田得治
73
○
亀田得治
君 それで大体聞きたい一番大事な点は終りましたし、これは担保がとれてしまいますと、大体これは大いにやってもらった方がいい法律案ですから、あまり尋ねることはないのですが、しかし、第一は本年はこれは二十億ですね。これは私は非常に農村の今の実情から見たら足らないと思う。こういう点、どういうふうにお考えになっておりますか。
吉川久衛
74
○
政府委員
(吉川久衛君) 御指摘の
通り
でございまして、
農林省
は当初
大蔵省
に三十五億を要求したのでございますが、
予算編成
の都合で遺憾ながら二十億に相なったような次第でございます。
亀田得治
75
○
亀田得治
君 それからこの貸し付けるのは第二条の第一項の中で、一、二、三、四と四つの項目にわかれておるわけですが、このおのおのについてどの
程度
の
貸付
のめどをつけて
合計
二十五億というふうになっているか、この点御
説明
をお願いいたしたい。
立川宗保
76
○
説明員
(立川
宗保
君) 大体この一、二、三、四の各号の中で四号が圧倒的に多うございます。その点需要もそこが圧倒的に多いのでありますので、過去のいろいろな調査を基礎にいたしましてわれわれが今腹づもりをいたしておりますのは、第四号の
資金
が大体八割
程度
、それから第三号の相続のものが四%ないし五%であります。それから一号と二号がそれぞれ六、七%
程度
ずつ、大体そんな見当を考えております。
亀田得治
77
○
亀田得治
君 第四号が八〇%ということでありますが、これは非常に取り合いになる
資金
であって、八〇%としても十六億ですが、一件
当り
といいますか、それはどの
程度
のことをお考えになっておりますか。反
当り
といいますか、一戸
当り
貸付
の具体的な規模は。
立川宗保
78
○
説明員
(立川
宗保
君) 大体一戸
当り
まず二十万くらいが限度であろうというくらいに考えております。
亀田得治
79
○
亀田得治
君 二十万が限度というのは、それ以下はどうなるのですか、どの
程度
まで行きますか。
立川宗保
80
○
説明員
(立川
宗保
君) これは一、二、三、四各号の必要性によりまして多いもの、少いものがあろうかと思いますが、まあ、ごく少いものでやっぱり二、三万というようなものは必要ではないかというような工合に考えております。一戸
当り
でございます。
亀田得治
81
○
亀田得治
君 私はこれは休会になってから、また来年度の
予算
のことはいろいろ
意見
を出すということになっているようですが、今年はまあ二十億でありますが、来年度はもっとこれに対する手当ができるように
一つ
これを考えてほしいと思うが、それはどういうふうな心がまえでしょうか。
吉川久衛
82
○
政府委員
(吉川久衛君) もっと増額しなければならないと考えております。
亀田得治
83
○
亀田得治
君 その増額のめどですね、それが現在の
農家
の第四号に該当するような、たとえば高利貸しの借金とかいろいろたくさん第四号の場合あるわけですが、実は相当なものになるわけです。で、どの
程度
の額が適当だと……。これはあまり多過ぎても困るものですが。
吉川久衛
84
○
政府委員
(吉川久衛君) これは大体府県の方からどのくらいの要求が出て参りますか、そういうものと、こちらでも過去に例もございますので、本年度
大蔵省
へ三十五億要求したような
一つ
のよりどころ等も参考がございますので、そういうものを勘案いたしましてきめたいと考えております。
亀田得治
85
○
亀田得治
君 この安定計画の点ですが、この点を少しお聞きしたいと思うのです。この安定計画の作成についてはこれは知事に一切そういう仕事をまかす、こういうような建前になっているようですが、
農林省
としては特にこういう点についてタッチしない、ただ補助金だけを各府県に回してやる、そういう
程度
のことをお考えなんでしょうかどうですか。
吉川久衛
86
○
政府委員
(吉川久衛君)
農林省
としては直接関係をいたしておりません。知事に委任をしてきめるのでありますが、ただとの安定計画なりが
貸付
の何かむずかしい条件になるという
考え方
ではなくて指導金融でございますから、営農指導をやって行く上に無計画なものに貸すというわけには行きませんから、そういう参考の重要な
資料
となりますので、そういう意味でこの安定計画を徴するというような
考え方
であることを御了解願います。
亀田得治
87
○
亀田得治
君 この安定計画を知事が承認するしないという点について、非常に厳重にこれは考えますと、そこが
一つ
の関所になってしまって、なかなか出してやるべき考えに出ないということが起きかねないと思うのです。今、政務次官の御
意見
では非常に軽いような意味にこれを言われたのですが、これはしかしこの法律だけでは各府県の知事のとりょうというものはいろいろあろうと思うのです。ことに農地担保という点が法文上から取れた、そうするとここが重点だと、全部おれの方にもうかかってきているのだというふうなことになってきますと、なかなかこの貸し出しが実際上むずかしくなってくる点もあろうと思うのです。だから、これはせっかく二分の一、
合計
約五百万ほどの補助金を出すわけでありますから、そういう点についてのやはり指導といいますか、の点を誤まらぬように私はやってもらいたいと思うのですが、これはもうただ金だけ出して適当にやっておく、そういうことでいいでしょうかね。
吉川久衛
88
○
政府委員
(吉川久衛君) これは行政上の問題になって参りますので、たしかに御指摘のように誤まって解釈されますと、全く御指摘のような結果が生まれてくると思いますので、その法の運用、この
事業
の運営については、十分あやまちのないように行政上の指導をいたしたいと思います。
亀田得治
89
○
亀田得治
君 それからそういう方針で、やはり各府県には妥当な
一つ
の参考になる基準というようなものを出すようにしてもらいたいと思うのです。 それからもう
一つ
は、従来せっかく中央の方でいろいろな金を出されるのですが、どうしても金というものは返ってくるということを出した方としては期待するわけです。ことに公庫等を通じてやれば、どうしても実際に事務を取扱う人はそういう考えでやる。しかし初めから返ってこなくてもいいというわけに行かない。法律としてもこれは十分返ってくることを期待した条文の書き方になっておるわけです。そこいらの手加減ですね。たとえば甲乙二人ある。必要性からみると、甲の方は非常に大きい必要性を持っておる。こっちの方は必要性から見ると
程度
が少い。しかし償還
能力
からいうと、だれが見てもこっちの方が大きい。しかしこっちの方は必要性は実に迫っているのだが、償還
能力
に幾らか不安がある。どういう場合には一体どういうふうに御判断なさるのですか。一番むずかしい点なんですがね、ここは。
吉川久衛
90
○
政府委員
(吉川久衛君) 貸し付けた金の返ることは、初めから終りまで期待はいたしております。しかしながら先ほ
ども
申し上げましたように、一般の市中銀行と違いまして、指導金融でございますから、返せるような営農指導をいたしまして、それから不時の災害等が生じた場合には、条件を緩和いたしますとか、いろいろいたしまして、その点は無理のないようにすべきであると考えております。
亀田得治
91
○
亀田得治
君 それから具体的な問題になりますが、たとえば非常に高利な金を借りておりますね。そういうものの借りかえなんかをしたいというふうに考えておる人は、これはずいぶんあるわけなんです。第四号にその他云々というようななにがあったと思うのですが、そういうような中に私はもちろんそういう場合も入る。高利貸にいじめられて困っておるというふうに解釈したいわけなんですが、これはそのように解釈してよいでしょうか。
吉川久衛
92
○
政府委員
(吉川久衛君) 本法の精神が自作農の維持育成でございますから、
お話
の
通り
でございます。
亀田得治
93
○
亀田得治
君 それから第二条の第一項第四号の「その他省令で定めるやむを得ない理由により」これは何か省令案はまだできておらないのですか。できておればちょっと読んでもらいたいのですが。あるいは成文でなくても、項目だけでも結構ですから。
立川宗保
94
○
説明員
(立川
宗保
君) ここ第二条の第四号の「その他省令で定める」云々、これは大体金を借りて負債に悩んでいる場合を考えておるのでありますが、その理由といたしまして、とこの四号に書いてあります病気になった、あるいは負傷をした、災害を受けた、こういうことでとにかく一ぺん高利貸等から金を借りて、それで弱っておる。こういう理由で
資金
を必要とする場合、こういう規定をいたそうかと考えております。
亀田得治
95
○
亀田得治
君 「その他省令」というやつが、高利貸ということが最大の内容だというようなあれですから、もしそれならば、病気とか、災害とか、負傷と同じように具体的に書いた方が、非常に
農民
の方ははっきりして喜ぶと思うのですが、それは工合が悪いでしょうか。
立川宗保
96
○
説明員
(立川
宗保
君) これは省令という形でいろいろな予想をせざる必要性が今後出て参りましょうから、そういう広い書き方をしておるのでありますが、今具体的に考えておりますものは、今申し上げましたような病気、負傷、災害というようなものを原因とする負債だということをとりあえずは考えております。
長谷山行毅
97
○
長谷山行毅
君 ただいまの
亀田
委員
との質疑の際に、政務次官から、この第三条の第三項は二条の修正によって農地担保の点をやめる、それに関連してこの三条の三項は当然削除さるべきでないかという、むしろ削除しなかったことは手落ちではなかったかという
亀田
委員
の御質問に対しまして、その
通り
だというふうなお答えがあったようであります。その点は確かにそうであるかという点が一点と、それからその際の
亀田
委員
の御発言に、この三条の二項、三項も必要がないように思うのだがというふうなことを御発言があったのでありますが、それを全部引っくるめて政務次官は同感でありますというふうな御
答弁
のように聞いたのでありまするが、その点をはっきり
一つ
お答え願いたいと思います。
吉川久衛
98
○
政府委員
(吉川久衛君) 長谷山
委員
のただいまの前段については、
亀田
委員
にお答えした
通り
でございます。 それから後段の二項、三項の問題につきましては、こまかい点にわたりますので、管
理部長
の方からかわってお答えさせます。
立川宗保
99
○
説明員
(立川
宗保
君) お許しを得まして、少し技術的な問題になりますものですから、その点を申し上げたいと思います。 もともとこの第三条の二項、三項の規定は、法律に規定をしないでも公庫の業務
方法
書で十分規定のできる事項であったのでございます。ところが本法の原案は、農地を抵当にとるということが条件でございます。で農地を抵当にとります場合には、この第三条の二項、三項という
趣旨
の内容を、抵当にされました農地の登記の内容に書かなければならない事項になっております。これは割賦償還及び繰り上げ償還の規定でございますので、それは抵当になった農地に登記をしなければならないことになるわけでございます。ところが従って一々の農地に登記を
一つ
一つ
やるというのは非常にわずらわしいものでありますので、法律で一般的に書いてしまいまして、こういう農地を抵当とする
貸付
には、当然割賦償還、繰り上げ償還の事項がかぶる、従ってそれを承知の上で取引をなさいと、こういう意味で法律の上でわざわざ規定をしたということでございます。ところが
衆議院
の修正で農地の抵当権が落ちましたために、これは特別に法律に書いておく理由がなくなってしまいましたので、これはその必要があれば、その場合に業務
方法
書で適宜に規定をするという本来の原則に返るべきものになったわけでございます。そこで、もう一ぺん簡単に申し上げますと、これは法律の条文整理上のいわば不十分さというようなことになりましたものですから、先ほど
亀田
委員
の御指摘がございまして、これはなるほどその
通り
、その条文整理上落ちておるのが当然のことである。かような
趣旨
で申し上げたわけでございます。
長谷山行毅
100
○
長谷山行毅
君 そうするとこの三条の二項は結局要らないのだ、むしろ削った方がいいんだ、こういう御
意見
でございますか。
吉川久衛
101
○
政府委員
(吉川久衛君) これは修正の際に整理、削除すべきものであったのを、誤まって未整理でこのままで通してきた、こういうことでございます。
長谷山行毅
102
○
長谷山行毅
君 それから三項の三号以外の全部、これについてはどうなります。
吉川久衛
103
○
政府委員
(吉川久衛君) 同様でございます。
三浦辰雄
104
○三浦辰雄君 なるほど伺っているとその
通り
で、業務
方法
書にたとえば当然書く問題ですから、法律のこの形としては今の
お話
の
通り
だと思うのですが、さてその次にやはり
亀田
委員
と次官との間に取りかわされた質疑の中で、農地を抵当にして行くというそのことは、業務
方法
書の中で書くのか書かないのか、こういうような御質問があったと思うのです。それに対して次官の方では業務
方法
書にも書かないんだ、こういうような
答弁
があったように聞こえたんですが、私はそのことはちょっとおかしいのじゃないかと思って聞いておりましたが、その点
一つ
確認願いたいのです。
吉川久衛
105
○
政府委員
(吉川久衛君) 私の言葉が不十分で誤解を招いたといたしますればまことに恐縮に存じます。これは法律の中からは除きましたけれ
ども
、業務
方法
書には担保を徴することもできるというふうに書く場合があろうと思います。
三浦辰雄
106
○三浦辰雄君 そうするとその点はわかりましたが、結局保証人の建前とそれから担保あるいはその併用、こういうようなことを、この今審議している法律の建前の貸出の条件は、業務
方法
書で書くんだ、こういうように了解していいわけですか。
吉川久衛
107
○
政府委員
(吉川久衛君) 三浦
委員
の御指摘の
通り
でございます。ただそのほかに何も条件がない場合もあり得ると考えます。
三浦辰雄
108
○三浦辰雄君 何も条件はないという貸出が一体される公庫の業務
方法
書というのはあるのですか。
立川宗保
109
○
説明員
(立川
宗保
君) 公庫の業務
方法
書といたしましては、この修正されました第二条の第二項にございますように
貸付
金の返還を確保するための
方法
ということでございますので、何らか
貸付
金を確保する
方法
を規定をするということでございましょう。従ってこれは現在もすでに公庫の業務
方法
書にございますように、保証人及び担保、またはこれらのいずれかの一方を徴求すると、こういうことになろうかと思います。ただ現在の公庫の業務
方法
書の中に、ただし事情やむを得ないと認めるときはこれを徴求しないことができるというような規定もございますので、いろいろな事情によりまして、場合によってこのほかの
方法
で
貸付
金の償還を確保するような措置が考えられるというようなことも考究をいたしまして、この今申しました特別の場合にはこれを徴求しないという場合も予想し得るわけでございます。ただ原則といたしましては、現在の公庫の業務
方法
書にもありますように、保証人または担保あるいはその双方であるというようなことになろうかと思います。
森八三一
110
○森八三一君 今の部長の
説明
で明確になりましたが、もう一ぺん繰り返して政務次官にはっきりしていただきたいのは、この二項の前項の規定による
貸付
金の返還を確保するための
方法
について、担保を徴するようなことはしないかという
亀田
委員
の質問であったと私は思います。それに対するさようでありますという
答弁
ですから、今の管
理部長
のお答えと前の政務次官の
答弁
は全く相違しておる、こういうのでありますが、今の管
理部長
の
説明
が正しいということを次官は確認されますかどうか、はっきりしていただきたいと思います。
吉川久衛
111
○
政府委員
(吉川久衛君) 先ほど三浦
委員
にお答えした私のお答えはただいま管
理部長
と同じ意味で申し上げたいと思います。
大矢半次郎
112
○
大矢半次郎
君 そうしますというと、私はこの第三条の第三項はそのまま残していて別に差しつかえがないのじゃなかろうか、これはすべての場合に抵当権を設定するということでないのだから、必然的にこれを削除しなければならぬというのじゃなくして、ある場合には抵当権を設定することもある。そういう場合にやはりこの第三条の第三項……第三号ですか、これが働いて行くというので、別に支障がないのじゃなかろうかと思いますが、その点はいかがでしょう。
江田三郎
113
○
委員長
(
江田三郎
君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
江田三郎
114
○
委員長
(
江田三郎
君) 速記をつけて。
東隆
115
○東隆君 第二条の四号ですね、「疾病、負傷、災害その他省令で定めるやむを得ない理由」ここに、税金を払えない、こういうような場合にこれを入れることができるかと、こういう問題です。そういうようなものを入れられますか。
立川宗保
116
○
説明員
(立川
宗保
君) 税金を納められない、ということが、第四条の省令で定める理由になるかと、こういうことかと存じますが、これは、私
ども
、ただいまのところ「省令で定めるやむを得ない理由」は、まあやっぱりここに規定しておりますような「疾病、負傷、災害」等の理由によって、すでに借金をして、それで困っておるというようなものを直接には考えております。で、ただいまの、その税金を払えないというものは、非常にそういう災害を受けたとか、あるいは病気であることか、あるいはそのほか本人の責めに帰せられないような他動的な理由で払えないというような場合と、それからどうもなまけるもので、自分の責任で払えないというような場合とあろうかと思いますが、その後者の、自分でなまけて払えないという場合は、この
貸付
の対象としたくないと存じます。で、他動的な理由で場合によると税金が払えないというようなものは、一生懸命やったんだけれ
ども
、どうもその力及ばずして払えないというような場合には、この理由に規定してよかろうかというような工合に考えます。
東隆
117
○東隆君 私は
農林政務次官
もおいでですからお伺いたしますが、これは担保がなくなったわけです。従ってこの金を貸す場合非常に選択をされるおそれがある、実は非常にほしい者が貸りられないというような場合が起きてくると、これは融通の目的が達せられないわけです。そこで担保にかわるべきもの、これはその経営
農家
の信用であります。しかし信用は私はもうすでに相当なくなっていると思います。それでこれはどういうふうな
方法
をもって貸し付けられるか、もしお答えができないようだったら私は実は申し上げたいことがあるのであります。
吉川久衛
118
○
政府委員
(吉川久衛君) 今後の運用の問題等もございますので、よいお知恵があったらぜひお教えを願いたいと思いますが、大体連帯して保証人を立てていただければ借りられますし、それからまた連帯保証を引き受けてくれる人がないという場合、そういった場合、土地を持っていれば担保を徴することができるということになると思いますので、その点は心配がないのじゃないかと考えております。
東隆
119
○東隆君 私はただいまのでは不足だろうと思うのです。そこで申し上げますが、これは
農業
協同組合で生命共済をやっておるわけです。従ってこの生命共済にそこの夫婦を入れるとか長男を入れるとか、そういうふうにして、そうして信用のない
農家
に条件をつける、こういうことはこれはおそらく当然起きてくると思いますが、これは私は積極的にお進めになった方がいいのじゃないか、こう考えますので、それだけ申し上げておきます。
江田三郎
120
○
委員長
(
江田三郎
君) ほかに御発言もないようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
江田三郎
121
○
委員長
(
江田三郎
君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正
意見
のおありの方は討論中にお述べを願います。
亀田得治
122
○
亀田得治
君 私は本案に賛成いたしますが、一部修正
意見
を持っております。修正案を朗読いたします。
自作農維持創設資金融通法案
に 対する修正案
自作農維持創設資金融通法案
の一 部を次のように修正する。 第三条第二項及び第三項を削る。 第六条中「借受人」を「
資金
の貸 付を受けた者(その者の一般承継人 を含む。)」に改める。 修正の理由は先ほど懇談会並びに
委員会
で申し上げた
通り
でありますが、結局は本案の第二条で担保を削ったその関係から条文を整理したものである、こういうふうに御了承願いたいと思います。 との修正部分を除いた原案全部に賛成をいたしす。 なお賛成するにつきまして
付帯決議
をつけたいと思いますので、朗読をいたします。 案 「
自作農維持創設資金融通法案
」 に対する附帯決議 一、
政府
は不動の方針を以って農 地改革の成果の維持昂揚のため断乎 たる措置を講ずべきである。 一、本法による融資は
資金
の融通 を真に必要とする
農家
に普く均てん することを旨とし、国の財政投資を 以って
資金
の充実を図り、金利等貸 付条件を極力緩和すべきである。
江田三郎
123
○
委員長
(
江田三郎
君) ほかに御
意見
もないようですから討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
江田三郎
124
○
委員長
(
江田三郎
君) 御異議ないと認めます。 それではこれより
自作農維持創設資金融通法案
について採決いたします。 まず討論中にありました
亀田
君
提出
の修正案を問題にいたします。
亀田
君
提出
の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
江田三郎
125
○
委員長
(
江田三郎
君) 全会一致でございます。よって
亀田
君
提出
の修正案は可決せられました。 次にただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
江田三郎
126
○
委員長
(
江田三郎
君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって修正すべきものと議決されました。 次に討論中に述べられました
亀田
君
提出
の
付帯決議
案を議題といたします。
亀田
君
提出
の附帯決議案を本
委員会
の決議とすることに賛成の方挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
江田三郎
127
○
委員長
(
江田三郎
君) 全会一致と認めます。よって
亀田
君
提出
の
付帯決議
案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 なお、本会議における口頭報告の内容、議長に
提出
すべき
報告書
の作成その他自後の手続きにつきましては、慣例により
委員長
に御一任を願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
江田三郎
128
○
委員長
(
江田三郎
君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 次に本案を可とされた方は順次御署名を願います。 多数
意見
者署名
秋山俊一郎
白波瀬米吉
三浦 辰雄 千田 正 青山 正一
池田宇右衞門
大矢牟
次郎
重政
庸徳
田中 啓一
長谷山行毅
飯島連次郎
溝口
三郎
森 八三一
亀田
得治
清澤
俊英 三橋八
次郎
東 隆 棚橋 小虎 菊田 七平 鈴木 強平
江田三郎
129
○
委員長
(
江田三郎
君) ただいまの
付帯決議
並びに修正議決に対しまして、
政府
の御見解をお願いしたいと思います。
吉川久衛
130
○
政府委員
(吉川久衛君) 本
法案
につきまして
政府
の
意見
を申し上げます。ただいまの修正案につきましては全く異存はございません。
付帯決議
に対する
意見
を申し上げますれば、
政府
が本
法案
を提案して御審議をわずらわしましたのも農地改革の成果を永久に維持したいという
趣旨
でありまして、さらに一段の
努力
をいたしますことに、本法による
資金
を真に必要とする
農家
に融通することにつきましては、特に留意をいたしたいと存じます。
資金
の充実及び
貸付
条件につきましても極力善処をいたす所存であります。
—————————————
江田三郎
131
○
委員長
(
江田三郎
君) では先ほどに引き続きまして
愛知用水公団法案
及び
農地開発機械公団法案
を議題にいたします。
重政庸徳
132
○重政
庸徳
君 根本的の問題をお伺いいたしたいのでありますが、
政府
は将来特殊地域の
開発
を順次進んで施行する考えがあるかどうか。私が知っております範囲においては、次に来たるべき秋田県の八郎潟がすでに調査を長い間継続いたしております。八郎潟を後年度に回して
愛知用水
を採用したそのいきさつを次にお伺いいたしたいと思うのであります。 暑いからついでに一度に質問を申し上げたいと思うのであります。
愛知用水
は御承知の
通り
調査が相当進んでおるのであります。調査の点でまだ八郎潟が調査が不十分だから
愛知用水
を採用した、こういう御
答弁
になるかもわからぬが、しかし
愛知用水
も御承知のように今まだボーリングをやっておるよう血状況であるので、おそらく今年度中にくわ入れをいたすことは不可能だと思います。そういうような理由から行くと、そういう調査の関係で
愛知用水
を第一に採用したということも言えないと思う。そうすると
世銀
が
愛知用水
には金を貸すが秋田県の八郎潟には待て、こういうたこの一喝で八郎潟を後年度に回したのか、その点を第三点としてお伺いいたしたいのであります。 なお、
政府
は八郎潟のみならず全国で特定地域の
開発
の予定地としてどういう所を取り上げておるかこれが第四点、この点をお伺いいたします。
吉川久衛
133
○
政府委員
(吉川久衛君) 重政
委員
の御質疑の第一点につきましては、国の財政の許す限り、もちろん
世銀
あるいは
余剰農産物
等の関係もございますが、それらを総合いたしまして国の財政の許す限り、今後適当な地域があれば次々にこのような
開発
をいたしたいと考えております。 第二点以下につきましては
渡部
局長の方からかわって答えさせますから御了承願います。
渡部伍良
134
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 八郎潟を
あと
にして
愛知用水
等を先にした理由についてどうかという
お話
でございました。 御承知のように八郎潟の方は長年調査をやってきておりますが、処理すべき洪水量、それから処理すべき河口の砂の問題、そういう問題につきましてもう少し根本的に調査をし直したらどうかというのが私
ども
の方で調査を依頼したオランダのヤンセン教授の
意見
でありまして、現に技術者をオランダに派遣し、モデル試験の準備も進めておるのであります。それの完成を待ってやりたいと思っております。
愛知用水
の方はそれに比べますと全体の調査が進んでおりまして、御指摘のようにダムサイトの問題について非常に議論があったのでありますが、とれまた
農林省
の技術者を
アメリカ
に派遣して、向うでどう処理しているか、さらにまたエリックフロア等をこちらに連れて来まして現地を見、現地において
農林省
のみならず建設省その他民間の技術者等とも検討を重ねまして、との処理ができるということが確定いたしましたので、最も問題になったダムサイトが六月解決したので、これが一等先になっているということになっています。その他の
地区
の総合
開発
につきましては、これは経済企画庁の方で順次検討を加えておりますので、それに準拠して私
ども
の方も経済企画庁で立案された総合
開発
の一環として
農業
関係を担当するということになります。
重政庸徳
135
○重政
庸徳
君 そうすると八郎潟はいつごろ結論がでるのですか。あるいはオランダのヤンセンが言うたのがその
通り
になる……。 なお最後にお尋ねいたしたのは、経済企画庁が総合的にやっておるからということでなしに、全国でどういうところが上っておるかと、そういうこと、はここに簡単におっしゃたって別に差し支えがないのだから、そういう含みのある言葉でなしにここではっきりせられた方がいいじゃないですか。 〔
委員長
退席、理事三浦辰雄君着 席〕
渡部伍良
136
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 私誤解しておったので、いわゆる総合
開発
、企画庁でやっている総合
開発
……私の方で取り上げたのはこの次は八郎潟、それから
根釧
の
機械開墾
の拡張、
上北
に引き続いて九戸の
機械開墾
、そういうものを次の議題として研究しております
重政庸徳
137
○重政
庸徳
君 島根の宍道湖を調査にかかっておるのじゃないですか。もちろん今目標として取り上げているからといって、これを必ずしも今発表せられたから全部しなければねらぬということで条件がつくのじゃないのです。私の知っている範囲では、宍道湖も調査にかかっておるのじゃないですか。
渡部伍良
138
○
政府委員
(
渡部伍良
君) この新しく大規模に
国営
級以上で取り上げなければならない所は、もちろん宍道湖も調査をしております。そのほかにも長崎干拓もありますし、吉野川流域もありますし、これは調査を始めて、あるいはこれから着手しようという地域はたくさんありますが、先ほど申し上げたのはすぐ続いてやればやれるのじゃないか。宍道湖などは来年からさらにもう少し突き進んで直轄調査をやりたい、こういうふうに思っておりますが、そういう
地区
はまだたくさんあります。
秋山俊一郎
139
○
秋山俊一郎
君 今
お話し
のうちにありましたのですが、長崎干拓、いわゆる有明海の干拓ですが、これもヤンセン氏が来て
視察
して帰ったわけですが、これらも
地元
で非常に大きな期待を持っておるわけであります。どの
程度
まで調査をされたのか、御存じでしたらお伺いしたい。
渡部伍良
140
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 有明の干拓については二つの案がありまして、長崎、佐賀の地先を閉じる案と、それから有明海全体を、島原と熊本の本土を繋ぐ干拓、そういう大きい計画もあるのであります。
あと
の方はこれはまだなかなかでありますが、前の方は今調査を進めておりまして、まだ二年くらいかかるのじゃないかと思っております。
東隆
141
○東隆君 私はこの
愛知用水公団法案
と、それから
農地開発機械公団法案
、との二つを一括して、まあ
愛知用水
の方にはあまり関係はないと思いますが、
機械公団
の方で十分に考えなければならない問題があると思います。それは青森県の場合にも
北海道
の場合にも考えられるわけですが、この
機械公団
によって開くのは、これは農地の
開発
でありまして、従って今まで個人の
農家
が入地してそうして
開発
をすることが容易でなかったものを
機械
によって容易に
開発
をし、そこに人を入れる、こういうことになろうと考えます。従って、それ以外に人を入植させる場合、あるいはいわゆるプランテーションをやる場合ですね、考えなければならない問題が非常に多い。交通の問題、あるいは通信の問題、それから電灯の設備だとかというようなものから始まって学校、こういうような問題が非常にたくさんあると思う。ことにこの今回選ばれておるのは、これは根室管内の別海村ですが、別海村はこれは九十四万里もある。ちょうど香川県くらいあるのじゃないかと思う。ことに選ばれておる所は、駅から十キロか十二キロくらい、比較的距離の近い所です。中心です。従ってそう大きな問題がないし、それから指導に行かれた人、
視察
に行かれた人もそんなに困難をいたしません。従ってこれは今度の
開発
のこれは橋頭堡みたいなものである。従ってこれからまだ奥地の方に相当延ばして行かなきゃならぬのですが、それでも私は学校の問題だとか、それから電灯の設備だとか、あるいは道路の問題、そういうような問題がたくさんあると思う。ことに教育センターの問題だとか、あるいは児童の教育上考えなきゃならぬスクール・バスの問題、そんなような問題がたくさんころがっておるわけです。 〔理事三浦辰雄君退席、
委員長
着 席〕 従ってこれだけでりっぱな成績が上るとは考えられぬ。これにかわるのに非常に大きな文化的な、農村文化を建設する方面の各種の条件がこれに加わらなければ、青森の場合も、
北海道
の場合も私は目的を達しないと思う。従って現地とこれは十分な関係を持って、そうして文部省であるとか、あるいは厚生省関係であるとか、そういうような方面にこれはよほど連繋をとっていただいて進めていただかないと、ただ工事だけはできて、それだけで人が入るのだと、こういうふうには考えられないと思う。ことにあの青森の場合なんかも、戦争以前にあそこに
北海道
から酪
農家
が入って、そうして
開発
をした所な
ども
あります。それなんかも交通その他の関係や何かによって非常に苦労をしております。そんなような前例もありますので、そういう方面をどういうふうにお考えになっておるか、私はこの際お聞きをいたしたい。
渡部伍良
142
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
の点はこれまた従来の
開拓
で割に等閑視されておったのであります。最近に至りまして診療の施設とか、学校の施設とかいろいろなものをだんだんやってきておりますが、今度の場合では、先ほど来申し上げましたように、試験的
開拓
、テスト・ファームとこう言っておりますが、そういう点につきましても十分できるだけの考慮を払って行くつもりにしております。
長谷山行毅
143
○
長谷山行毅
君 先ほどの重政
委員
の八郎潟の干拓の問題ですが、この次に着手するのは八郎潟と、こういうふうな御
答弁
があったようですが、この次というと来年度というふうに承知していいのですか。
渡部伍良
144
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 私の方では来年度ということに考えております。
田中啓一
145
○田中啓一君 私は
愛知用水
の問題につきまして、きわめて常識的な質問をいたしたいと思います。
愛知用水
は、毎秒三十トン前後の水を取り入れるという御計画のように承知しておるのでありますが、それに対して、これまで常時流れております木曽川の水では足りませんで、そのまま取れば下流の用水に悪影響を及ぼすから、牧尾橋にダムを作って約六千万トンの水をためて置き、必要な場合に出すのだ、こういう御計画が骨子であると思う、そこで常時、ことに渇水時ですね、水の要るときが渇水時になるわけなんでありますが、その際に現在犬山あたりを流れております木曽川の水量というのはどれくらいでありまして、それからやかましい下流の四つの用水路でございますが、これはどれくらいの水を必要とし、どれくらいの水量に対して水利権を持っておるのでありますか、まずその点からお伺いいたします。
清野保
146
○
説明員
(清野保君) 犬山橋におきまして渇水時におきますととろの流量は約七十四トン、それから下流四用水並びに工業用水につきましては、水利権の水量は約六十一トン、そのうち
農業
用水が五十六トンこう推定しております。
田中啓一
147
○田中啓一君 今七十トン以上流れております所から、ほしいお見込みの水量が六十トン、こういう大ざっぱな
数字
になるのでありまして、あの大木曽川といえ
ども
ほとんど水はのんでしまうという状態でありまして、おそらく渇水時にはとのダムなかりせば
愛知用水
にかける水は一しずくもないという理屈になろうかと思うのであります。そこで木曽川には、われわれ現地
視察
をしまして印象を新たにしたわけでありますが、十数個の発電所がございまして、いずれもパイプで水を導入して、水を使っては流し、使っては流し、順次順送りに行くわけであります。そこで、そういうふうな場合に、
愛知用水
が、また一日の必要量毎秒三十トン余というような計画と承知しておるのでありますが、結局それだけ追加をして流さなければならない。それがうまい工合に十数個の発電所をくぐって行くであろうか、どうであろうか。これはほんとうに百姓的の質問なんでありますけれ
ども
、これはしかし百姓的なことで心配するわけなんです。その辺の
一つ
御
説明
を願いたいと思います。
清野保
148
○
説明員
(清野保君) お示しのように、木曽川の下流には約十四の発電所がございますが、上流七つはいずれも流れ込み式発電所でありまして、水の多い場合には、その堰堤を横溢して順次下に下っておる。従いまして、牧尾橋で放流した水がむだにならないか、こういうような御質問と思いますが、あそこの発電所は、牧尾橋でもって放流した水が、豊水期には一部オーバーアップしますが、大部分のものは発電所の隧道を
通り
まして、発電機を通して下流の発電力になる。そういうふうな経過をたどり、さらに下流に行きますというと、貯水池がありますので、そこで貯水をされます。最下流の兼山のダムサイトでは、豊水期を除きまして満水ということがほとんどございません。従いましてそこで貯溜されました水は兼山堰堤
付近
に設置されますところの取り入れ口を
通り
まして灌漑用水並びに上水道、工業用水として取り入れられることになっております。 なお兼山取り入れ口には放流したものを取るという原則から、水をはかる装置を作っておりまして下流に放流したもの以上取らないという証明ができるようにして下流に対する水位に支障を与えないということにいたしております。
田中啓一
149
○田中啓一君 だんだんわかりましてございますが、途中はいずれも電力目的のダムであり、導水路であるわけであります。従って、電気の都合でいろいろ操作をされることであろうと思います。夕暮ごろには非常に電気が要るから電灯負荷がどうとかこうとかということで中央指令に基いて各発電所が操作をしておられるわけであります。それで、十四もありましてなかなかややこしい水の流れ方になるだろうということを実は心配するのであります。百姓が見ますと、そうはいうものの、うまいこと届くかな
あと
か、あるいは届き過ぎて足らぬときが出てきたということになりはせぬのかという非常に心配をする。結局はこれは下流の水不足というところからくるわけでありますがその辺の発電所との調整関係とでも申しますか、というものは、何か電気関係の方と十分な協定が結ばれる御用意があるのでございますか、その辺も
一つ
お伺いいたします。
清野保
150
○
説明員
(清野保君) 水の管理につきましては関西電力の方と目下打ち合せ中でございます。御承知のように関西電力では管下の電力を押えておりまして木曽川筋にも
一つ
の給電指令所がございます。そこで電力をどう発電させるかということについていろいろやっておりますが、それと同じようにその給電指令所とタイアップしながら水を落して行く、上流の流れ込み式発電所で丸山以下の下流の貯水池にたまりました場合の問題等につきましては、従来の流れ込み式の発電所を出てきた水がいかに分けられるかという点につきまして、関西電力といろいろ打ち合せの結果、妥当なる
方法
でもって水をとる、大体現在のところ放流後七時間でもって兼山に参る、こう予想しております。七時間後に水をとる、なお、関西電力の要求もありましたので、通産省と
農林省
と水の使用
方法
につきまして打ち合せをしてございます。それを簡単に御
説明
申し上げますというと、兼山取入口の地点では、牧尾橋ダムからの貯留分に限り、そうしてその貯留したものを放流して兼山に送るそういう
一つ
の大きな原則と兼山発電所で非常な洪水があって発電所の堰堤をオーバーアップした場合は、そのオーバーアップした量の中で隧道の最大通水量の範囲内でとるというようにそのほかいろいろございますが、貯留の放流取り入れに関するそういうような打ち合せ並びに牧尾橋の堰堤の貯留につきましては下流の水利に支障を与えないようにやる。なおまた、貯留の原則とがあるいは取水の原則につきましても、これは変更しないのだ、もし変更をするような場合には、通産省、
農林省
の協議が必要だというような規定もついております。要するに、
農林省
といたしましては、下流の水利に支障を与えないというようなことを大原則といたしましてこれについて想定を終り、なおまた、具体的な水の管理につきましては、将来堰堤操作規程あるいは兼山取入口の取水に関する管理規程を関係方面と協議の上決定いたしたいと考えております。
田中啓一
151
○田中啓一君 牧尾橋ダムの有効取水量は六、七千万トン前後のように思われます。それから見ますれば三十トン水を使うといたしますと一日で約二百六十万トンくらいになると思うのでありますから、そうするとまあ二十日か二十五日しかダムにはたまっておらないわけであります。そこでこの
愛知用水
の灌漑区域の水のほしがり方というものは、これは早や今から大旱の雲霓を望んでいるような勢いでありまして、現地
視察
におきましても
委員
各位もおそらくこれは一日も早くやってやりたいという気持になってとられたと思うのでありますが、それはまた一方考えますと
農林省
の計画は水量計をつけて取水口は厳重に固めて、めったにそうたくさん水をやらぬぞ、こういうお考えのように拝承するのでありますが、しかし、じだんだ踏んでせがまれて水が通るものなら通してやれというような気にも、これはお互いの百姓でもそのときの立場でわれわれもどっちにもふらふら実はするのであります。そこでまあこの
愛知用水
の水源というものは、今のような操作をされて計画的に灌漑をされるのでありますが、百姓の実情から見まして、熱情から見まして、果して本当に計画
通り
取水口の所で守れるかどうか計画のうちから守れるかどうかと言っちゃこれは話にならぬけれ
ども
、実際百姓というのはそういうものなんです。多ければみのがさつけて出て行く、少くてもみのがさつけて出て行くというのでありますから、私はそういう中で育った人間なものでありますから、少々の役人ぐらいは放り出してしまってそれきりなんです。場合によっては水量計ぐらい適当にどけて置くくらいのことはやりかねないものです。あの辺の百姓の水に対するおそれと執着と
両方
あります。ありますから、実際この
愛知用水
というものはこうやって三十トンずつ出して二十日間しかもたないというものだが、実際の実情というものはうまい工合にあんばいして行きさえすれば、そうみのがさつけて水よこせと押し寄せる者はないか、これは
そこら
辺はどういう見当なんですか。これは計画局長はいろいろと御苦心しておられることと思いますから、お伺いいたします。
和田栄太郎
152
○
説明員
(
和田栄太郎
君) 受益
地帯
の用水量につきましては、三
年間
用水量の試験をやりました。それに基きまして十分必要な用水量が計画に入れられてございます。それからダムの有効キャパシティーは六千三百万トンでございますが、放流開始は今までの雨量記録から申しますと、三月にため始めまして五月一ぱいに必ず満水ということになっております。それからこの六千三百万トンの放流を開始するわけでありますが、灌漑期間中にも降雨がございまして、このほかに入ってくるわけであります。従って単純に六千三百万トンで終るという計算でなしに、こういう常に入りながら出すということになります。そこで私たちが今までに計算しました結果を申しますと、そういう
やり方
をいたしまして、今までの雨量記録それから流量記録
両方
から水の足りようがどうなるだろうかといろ過不足の計算をやってみました。そうしますと最近十カ
年間
では二カ年が水が足りない、ところが四十五カ年の記録で見ますとその間に四カ年従って長い間を見ますと、十年に一回ぐらい水の足りないことが起るだろうということが予想されるわけであります。それからその四十五
年間
のうちで一番水の足りなかったのを見ますと、九日分が水が足りない。ところが稲の生育の方から考えますと、いつも水がたんぼにたまっていなければならぬということはございません。いろいろの
作業
の都合上なるべくたまっておってくれた方が都合はよろしゅうございますけれ
ども
、そうかといって足りないときでもいつもためて置かなければならないというものではございません。不足のときには四国あたりで広く行われております間断灌漑をやりましても決して収量が落ちるものではございません。そこで九日足りないということでございますから、ですから一週間分か十日分しかないということになったときから間断灌漑を開始いたしますれば、収量の減退なしに乗り切ることができる。幸いに
公団
は工事を完了しましてからも施設の管理をいたすごとに予定をしておりまするからその間断灌漑等をうまく運べるものと考えております。
田中啓一
153
○田中啓一君 だいぶ安心をいたしましたが、なお下流の用水関係者というものは、何分にもこれは
愛知用水
の関係からではございませんけれ
ども
、木曽川の改修の結果、いいことではありますが、水位が非常に下りまして、そうして現在すでに取り入れに困難をしておる。いわんやとにかく上流で水を取られるということになれば、何らかの悪影響をこうむるであろうということで、非常に漠然ではありますけれ
ども
、深い心配をしておるというわけでございますのでこの下流の用水の取り入れに対してはこの際十分の御対策があろうと思うのであります。それの御計画ならびに着手、完成時期等につきましてお示しを願えれば非常に幸いでございます。
和田栄太郎
154
○
説明員
(
和田栄太郎
君) 先ほど技術課長から御
説明
申し上げました
通り
、
愛知用水
の取水計画は下流用水には悪影響を与えないように考えております。しかし今田中
委員
から御指摘のように、今渡より下流の用水が、河床の低下あるいは砂利が取り入れ口にたまる一というようなことで現に取水困難な状態になっております。しかもなお河床は年々低下し、あるいは中州が年々大きくなるという状態でございますので、これは
愛知用水
とは別個の問題として改善を必要とするというように私たちも考えまして、四年前からその対策についての調査をやって参りました。現在のところ犬山城のちょっと上あたりに岩盤がありまして、河床の変化のおそれのないところで堰堤を作りまして、下流の用水を一気に取り入れるという計画をいたしております。その取り入れ堰堤の模型実験もすでに終っております。今年から実施設計に移るように目下
大蔵省
と折衝中でございます。
三橋八次郎
155
○三橋八
次郎
君 この
愛知用水
の方の
農業
方面の純益の見積りがあまり大き過ぎるように思うのでございますが、たとえてみますると、果樹園の灌漑など二万九千円の
利益
があるというようにありますけれ
ども
、これは一体どういう基礎によって計算されたのでございますか。
和田栄太郎
156
○
説明員
(
和田栄太郎
君) 果樹につきましては、現にあの
地区
内で相当数の
農家
が小規模の灌漑栽培をいたしております。その何十人かの実績の調査をいたしまして、それの八割五分をとりましてそれから計算をいたしたものでございます。
三橋八次郎
157
○三橋八
次郎
君 一毛田の灌漑水補給で千七百円というのもかなり大きいように思うのですが、こういうようなことを申しますのは、結局この
愛知用水
によって
農業
用水と工業用水、あるいは発電というものを起すわけでございますが、いつもこういうようなものの結果を見ますると、工業あるいは発電の方が非常に
利益
をとうむっておるのに、分担金だけが
農家
の方が非常に高くなるというのが、過去の実績にあるのでございます。それというのは、やはり純益の見積りが少し高過ぎるのではないかと思います。もちろん所によりましてはこれだけのものが上がると思うのですけれ
ども
、全部平均しての高、果樹も何も入れまして七千なんぼというような見積りでございますけれ
ども
、これも少し高過ぎるのではないかと思うのです。結局は
農家
の方の
負担
金が工業用水あるいは発電の方よりも安くなるように今後十分注意されるような用意がありますかどうかお伺いしたいと思います。
和田栄太郎
158
○
説明員
(
和田栄太郎
君) この発電、水稲
農業
の
費用
の振り分けをいたしましたのは、電源
開発
法に伴う
費用
の振り分けの政令がございます。これは関係各省が長い間かかって研究いたしまして、こういう振り分け方が合理的であろうとこれは大体
利益
に応じて
負担
をするという
考え方
でございますが、それできめられて、また計算の
やり方
もそれできめられておるわけであります。その方式に従って計算をいたしました。この
やり方
について、現に計数を今までの経験から少し改善をしようじゃないかという
意見
が関係各省から出まして目下経済企画庁を中心にその研究をいたしておりますので、その一般方式が変りましたならば、これもそれに従って行くということに考えております。
三橋八次郎
159
○三橋八
次郎
君 その研究でございますがその研究をやっておるその見通しは、現在よりも安くなるような傾向でございますか、高くなるような傾向でございますか。
和田栄太郎
160
○
説明員
(
和田栄太郎
君) これはお互いに計数が動いて業くわけでございまして、まだ最終結論になっておりませんが、
農林省
としましては極力
農業
の方が
負担
が軽くなるように
努力
を現にいたしておりますし将来も
努力
を続けるつもりであります。
三橋八次郎
161
○三橋八
次郎
君 今研究をしておるということはけっこうなことでございますが、これまではどうしても
農業
の方が負けておるということはこれはもうだれが見てもわかっておることでございますから、
農家
の方に
負担
が余計かからぬように
一つ
運営するようにお願いしたいと思います。
飯島連次郎
162
○
飯島連次郎
君 私は
機械公団
の方について一、二点伺いたいと思います。 第十八条の業務のところを見ると
貸付
ということとそれから工事をみずから行うということと、大体二つが中心になると思うのですが、この
事業計画
書ですか、
公団
の
概要
等を拝見すると、こういう
事業
では、やはり当面は
機械
を貸し付けるというととが主になるのですか、それともみずから
事業
を行う方が主になるのですか、重点はどっちですか。
渡部伍良
163
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
上北
及び
根釧
ではみずから
開墾
をするのが主になります。それから
篠津
では
機械
を貸し付けるのが主になります。
江田三郎
164
○
委員長
(
江田三郎
君) ちょっと
委員
の皆さんに申し上げますが、本会議の方はただいま自衛隊法の討論が始まっておりまして五時十五分くらいには記名採決だろうと思いますから、お含みの上でお願いいたします。
飯島連次郎
165
○
飯島連次郎
君 まあ両様あると、そうするとこの最初
アメリカ
から入ってくる
機械
に対し、みずから
開墾
する場合はいいけれ
ども
、貸し付ける場合には
機械
に人をつけてやるわけですね。
渡部伍良
166
○
政府委員
(
渡部伍良
君) 原則として
オペレーター
をつけて貸すということになります。
飯島連次郎
167
○
飯島連次郎
君 そうすると
アメリカ
から
機械
について来た技術者というものは、これは必要最小限度の期間に限られていると思うのでありますが、これに対しては
機械
に対する
操縦者
というか取扱い者を養成するという
考え方
と計画は持っておりませんか。
渡部伍良
168
○
政府委員
(
渡部伍良
君) この
機械
を運転するために
アメリカ
から技術者を雇うつもりはありません。
機械
を買ったときに、これはどこの
日本
の会社でも同じでありますが、一応の扱い方の注意があります。その後はこれに専属の
オペレーター
を
公団
で雇うということになります。これの研修については、これは一番重要なことでありますので十分やりたいと思います。
飯島連次郎
169
○
飯島連次郎
君 これは私
ども
多少こういう仕事の経験を大陸で持っておるのですが、こういう仕事をやる場合に、これは一番のポイントは、
機械
と人というものを常に結び付けて、簡単にかえないということにあると思うのであります。従ってみずから業を行う場合には、この点は問題ないと思いますけれ
ども
、貸す場合には、人を離して
機械
だけを貸すということが——これを見ると、あるいは県に貸したりあるいは
事業
体に貸したりということですから——おそらく将来起ってくると思うのであります。そうなってくると、この表に見るように、非常に高価な
機械
も含まれておるようでありますから、これは法律が期待するようなスピードアップはできるかもしれないけれ
ども
、単位面積
当り
の
経費
を少くして
農民
のために農地を提供するという目的には、必ずしも沿わないという問題が起ってくることを私
ども
は懸念するわけであります。従ってこの
趣旨
に沿うようにするためには、当初から
機械
について十分習熟できる人の養成というか、それなしには私はこの仕事が優秀な成果を上げることはおそらく不可能に近いと思うわけであります。従って
機械
のことにあまりに夢中になっておって、そういう人の方の手配がなければ、私は出発当初から大きな挫折というか、頓挫をしやしないかということをわれわれの経験に徴して考えられるので、この点については、特に注意をせられる必要があると、こう思うわけであります。
渡部伍良
170
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
の
通り
ここ数年の土木関係の能率を上げるには、部品と
オペレーター
の問題でありまして、との点はわれわれの国内でも経験しておりますし、
農林省
も相当
機械
を持っておりますから経験をしております。従って
お話
の
通り
これを運転する者の養成については十分注意を払いたいと思います。
飯島連次郎
171
○
飯島連次郎
君 それからもう一点は、最初はやむを得ずして
機械
を入れたとしても、
機械開墾
というものが所期の効果を上げて一般からもだいぶ要望されるということになって参れば、当然
機械
みずからを国で、
日本
国内で製造するということが伴ってこなければならないと思います。そういった場合に、
日本
の国の金で、
日本
の国産の
機械
を使うということになってくれば、私はそういう時代にはかなり要望も、それから
事業
量もふえてくるというととが、ここ三—五年の後に期待できるわけです。そういうときには、私はかねて建設の方でやったような、建設
機械
抵当法というような法律を制定をして、そうしてできるだけ
機械
に関する
経費
負担
を軽減せしむるという措置も、当然これは今から予想されるわけですから、そういうことについて
政府
みずからは何らかの施策なり用意を持っておるかどうか。
渡部伍良
172
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
お話
の
通り
、これは先般農林大臣からお答えいたしましたように、耐久力とか新タイプとか必要の最小限度を輸入するつもりでありまして、だんだん
国産機械
もりっぱになってきておりますので、ほんとうに必要な最小限度だけにとどめたいと思っております。
飯島連次郎
173
○
飯島連次郎
君 私の後段の質問は、こういうかなり単価の高い、そうして総額では
機械費
というものが
資金
の大部分を占めるこの仕事に対して、国の方ではその
機械
をかりに抵当なりにして、そうして抵当融資をする、こういうふうなことを考える必要があるだろう、いつまでも輸入の
機械
に依存するのでないという限りは、建設
機械
抵当法を設置して五十億の
資金
を融通してあの大きな国土
開発
のために国がとったような措置も、この
機械開墾
については私は講ぜられてしかるべきであろう、こういうことなんだが、そのことについては
政府
は何らかの考えを持っておるかということです。
渡部伍良
174
○
政府委員
(
渡部伍良
君)
公団
に対して融資するという
お話
でありますれば研究いたしますが、(「そうではない」と呼ぶ者あり)一般に貸し付けるのは今農林漁業金融公庫の方で農機具について貸しておりますので、(「
機械
製造だ、メーカーだ」と呼ぶ者あり)これは現在でも通産省において
国産機械
の奨励をやっておりますから、私の方で
農業
用にいい
機械
がありますれば、それに
農林省
からこういう
機械
がほしいのだということで、十分援助するようなことを通産省と相談いたしたいと思います。
森八三一
175
○森八三一君 本案はきわめて大
事業
でありまするので、まだ質疑はたくさんあると思いますが、私はこの際
事務当局
に対する質疑はこの
程度
にいたしまして、補償の問題、分担の問題、
資金
の見通しの問題等本
事業
を推進して参りまするためには
政府
に向って幾多注意を喚起すべき事項があると思います。そういう問題につきまして理事会で十分御検討いただきまして、しかるべき案を作成願い、さらに総括的に大臣等に対しまして質問すべき事項もあると思いますので、そういう事項につきましても理事会で御整理願いまして、明日それをお諮り願って、本
法案
の進行をはかっていただきたいと思います。
江田三郎
176
○
委員長
(
江田三郎
君) ただいまの森君の御
意見
は、
事務当局
に対する質問はこの
程度
でおく、そうして引き続いて理事会を開いて
付帯決議
についての相談をし、なおまた基本的な問題について関係三大臣に対する質問があればこれも理事会で整理の上、明日壁頭に関係三大臣の出席を求めてこれをただし、理事会で作ったところの
付帯決議
も諮って討論に持って行くということのようですが、さように取り計らってよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
池田宇右衞門
177
○
池田宇右衞門
君 理事がいないときには代理が会派から必ず出て、やはり重要問題だから……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
江田三郎
178
○
委員長
(
江田三郎
君) 池田先輩のおっしゃる
通り
取り計らいまして……。それでは本日はこれで散会いたします。 午後四時三十九分散会