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政府委員(清井正君) この点、亀田
先生のおっしゃる点は確かにあるわけです。御趣旨はよくわかるのであります。前に私が御明説申し上げましたときには、たしかそういう意味のことを御
説明申し上げたと思いますが、実はその後いろいろ部内で相談いたし、法制局とも相談いたし、最終の
決定案として出しましたのがこの案でございます。その途中の段階でも、ただいま御質問のような点について一時私御
説明申し上げたことがありますが、これは確かにお示しの点の
通り、ふやす場合と減らす場合は取扱いを異にしておるわけであります、本政令案では。ところが、ただいま大臣から簡単にお答え申し上げましたように、三条一項の指示というものは第三条においてやるわけであります。四条、五条で異なる場合の指示があるわけであります。これは先ほど来の二度三度の申し込みをやるという関係がありますので、相当収穫がありましてからおそ目になって三条四条の発動はいたすわけであります。ところが、これは大体増加の場合を予期しておるわけでありますが、減の場合でございますと、この点は申すまでもなく一度本人が自主的に申し込まれたものでございますので、これをかりに減にいたします場合には、またその後の災害であるとか、火事で焼けたとか、特殊な事情によって本八の
減収を認める、こういうことになるわけであります。ところが、だれがどのくらい減ったか、だれがどういう災害を受けたかということは、私たち食糧庁としてはちょっとわからない立場でございます。申すまでもなく、今までこの事務をやって参りましたのは市町村長でございますので、市町村長のところには個人の今までの供出実績なり、
農家の
人たちの耕作面積なり、台帳がございまして、大体AならAという
農民はこの程度の供出はしておったということがわかる仕組みになっておる次第であります。そこで、ただいま申し上げた
通り、一体本人が自主的にこれだけ売りますという申し込みをしたものを減らすという場合は、よほど公平なと申しますか、その辺の事情をよくわかっている人が、なるほどあの人は減らしてもけっこうだ、あるいは減らすだけの
理由もあるという
ことを、むしろ私法上の契約という立場でなく、公平という、ある意味から言えば公法的と申しましょうか、いわゆる近隣の申し込みをした人との公平という立場から判断をしてもらわなければならぬということを実は考えまして、減らすという場合には、まず三条
一項の指示がありまして、その後に減らす事由のあったものに対して
補正をする、こういうことにいたして、
補正したものについては今度私
どもにおいて契約の更改をする、こういう形にした方が減の
補正の場合には適当だろう、こういうように実は考えを変えるに至ったのであります。初めに、なるほど御指摘のように
説明をいたしたことがございます。その後、増の場合と減の場合には、公法上の義務の問題と、
あたりの
生産者の
売り渡しの公平という観点から見れば、減の場合には市町村長にやらせる、そこで公法上の義務を免除する、しかる後に食糧庁と
生産者の間で契約の更改をする、こういうことにしたらよろしかろう、こういうことにいたしまして、御指摘の点はよくわかっておりまするけれ
ども、減の場合の取扱いと増の場合の取扱いが違いまして、そうして減の場合には一たん三条一項の取扱いをしてから減にする、こういうことにいたしたのがこの政令案であるわけであります。御趣旨の点はよくわかりますし、私
どもも実は率直に申しまして、そういうことを考えたこともあったわけでありますが、その後、いろいろ詳細に検討した結果、ただいまお示し申し上げました政令案のように、増の場合と減の場合の取扱いの差を設けた、こういう次第になっておるわけでありますから、その点御了承願いたいと思います。