○千田正君 これは、
政府並び
衆議院の皆さんにお伺いしておきたいと思いますが、世の中に世にも不思議な物語りということがありますが、世にも不思議な
被害があるのであります。それは当参議院の農林水産
委員会が、先般木更津の漁民がノリに対しての
被害を訴えてきたわけでありますが、それを調査に参ったのであります。これについては、千葉県側は、これは防衛隊の演習の際流したところの油がノリに付着したために損害をこうむっている、ほとんどのノリは壊滅に瀕しているから、これは
政府は当然損害の賠償をすべきである、補償すべきである、こういうことを要求しているのに対して、
政府側、ことに防衛庁側の弁解では全然そういうことはない、科学的にこれは証明する、こういうので防衛庁側はがんとしてこの千葉県側の要求に対しては受け入れない、それでわれわれは調査に行ったのですが、現実には
被害を受けている、実際ノリは壊滅に瀕しております。しかしこれは漁民としてはかかるところがない。水産庁に対して調査をお願いするというと、なるほど油の
被害らしいが、これが防衛庁のための損害であるかどうかということはわからない、海上保安庁しかり、そうするというと、現実に
被害をこうむったところの漁民は、こういうことは方方で起るでありましようが、漁民たるものは一体どこへこういうことを訴えればいいのか、これは明らかに人為的な損害であるにもかかわらず、しかも
政府側のあやまちによって生じたこういう損害は、これは天災だと思ってあきらめろというのであれば、やはりこういう
法律で救わざるを得ないのであります。ところが、これに対しては何ら
政府は処置をしておらない。そこで伺っておきたいのですが、弱い農民なり漁民なりが、幾ら
政府に向っても実際の損害があるのにかかわらずそれを認めてもらえない、そういう場合においては一体これは天災とあきらめるよりほかないのでしょうか、それともかりに天災としてあきらめるならば、やはりこういった
法律によって何か救っていただかなければあきらめ切れない。そこでそういう問題は現実に起きておるのでありますが、こういう問題に対しては、
衆議院側としては何かほかに特別立法なさる御処置を
考えておられるかどうか。また
政府としては、あれは相変らずこの責任は
政府にはないのだ、こういう
考えでおられるかどうか、一応承わっておきたいと思うのであります。