○三浦辰雄君 最後に
一つ、さっきの
農林漁業金融公庫法にも関連するわけでありますが、この
森林組合は例の伐採調整
資金という貸し出しについてある
一般の事務を担当しているようでありますが、この伐採調整
資金というのは
説明するまでもなく、山を
自分で持っている、そうしてその山をどうしても金にかえなければその
所有者の不時の金に困るために切るか、あるいは足元を見られてただのように売ってしまうといったような、換金の縁遠い山林でありますためにそういう
制度が救済の道としてできている。昔から山持ちをいなかへ行って見まするというと、わずかの金を貸したことによって人がせっかく植えた山林を
自分の
所有に変えて、今じゃ大山持ちになっているなんという例は過去にずいぶんある、そういったような実情からして、そういったことを防ぐためにああいう伐採調整
資金ができているわけでありますが、ところでこの伐採調整
資金は、現在政府が
森林法というのをお作りになって、そうしてその地方々々で、松ならば松は四十五年前に丸坊主に切ってはいけない、あるいは杉は五十年前に丸坊主に切つちゃいけない、こういうことをきめ、そしてもう
一つは、それよりももう少し下の段階で、たとえば松ならば二十年過ぎればそろそろ抜き切りをしていいのだからこれについては許可を受けろ、あるいは杉については二十五年たてば許可を受けろ、許可を受ければともかく利用のできる年令に達したのだからその場合は許すと、こういう二段立でおやりになっているんですが、その
森林組合が一部の事務を担当している伐採調整
資金の貸し出しは、現在の
運用を見ておりまするというと、その地域内において、
森林区の中において利用間伐をしようという許可を受けてその許可が受けられるという範囲内、つまりその
森林区の中でこのくらいは間伐はしていいのだというおのずから出てくる計算の数量がありますが、その数量内は許可をして、
自分で間伐をして金にかえればいいじゃないか、こういう形、もう許可量が一ぱいになっちゃって許可はできないといったときにおいて初めて伐採調整
資金というものを貸し出すという
運用に多くなっているようであります。ところが公庫法の業務
方法書を見てもそういうことはいってないのですね。業務
方法書を簡単に読んでみるというと「伐採調整
資金にあっては、その貸付金の限度は貸付に係る
森林の立木で都道府県知事が定める利用伐期令級に属するもののうち、適正伐期令級に達しないものの評価額とし、
森林所有者一人に付年三十万円以内とする。但し、その者が適正伐期令級以上の令級に属する普通林立木又は
森林法第十六条の規定により伐採の許可を受けている立木を
所有するときは、これらの立木の評価額の合計を三十万円から控除した額を限度とする。」といって別段その地域
森林区中のものが一ぱいになっちゃってどうにもこうにも切れとはいえないという場合だけ出すということが
運用の実態のようであります。一応は私どもわからぬわけではありませんが、今度の自作農創設特別
措置法といったような、自作農の維持のために、あるいはその安定のためにするところの農地の買収等のために金をかけるというところまできた今日の段階としては、私はその
森林区の中で
所有者には無
関係に、ただ総量的にその
森林区の中の
人たちの伐採許可願いというものがあらかじめ計算された許していいという量に達するまでは貸し出しはしないのだという総括的に見てそういうことで押えて、個人というものには全然
関係のないというあの
運用の行き方というものについて私はこの際としては再考を要するのじゃなかろうか。でありますので、今の伐採調整
資金というものが昨年の二十一億から今年の十八億になってしまって、借り手あまたであってどうしても仕方がないからそういったいわば窮屈な
運用をしているという御
答弁があろうと思いますが、私は
運用としてはそういうことにやむを得ずするのはこれは仕方がないとしても、原則としてはその地域全体のバランスの問題と個人の金が必要であるという問題との
関係はおのずからまた違うと思うのです。今度の
森林法を制定なされて、
農林省としてもその
森林法の
趣旨を十分徹底するように御
努力のようではありますが、まだ実はなかなかそこまでは徹底をしているとは限らない。そこでなお複雑な
事情がありますが、その問題はこれは別にしても、理屈からいってもその
森林地区の中の計算された間伐してもいい量というものをここに数字的にといいますか、机上で出しておいて、そうして一方ここに借りなければならない、急に用ができたというのに、そうして、売ろうとすれば二束三文でもって買われてしまうといったような足元を見られるようなその
人たちに対して、まだ許せば許せる範囲というものがあるのだから、お前さん伐採調整
資金というものは貸さないよということは、私は
森林法というものが一番
森林として経済的な年令までその植えた
人たちに持たしていきたい、また途中で切る場合にはできるだけその植えた
人たちの期待に反しないような形で切らせるなり、維持していきたいという
森林法の
趣旨からいえば私はおかしいと思う。私はこの点はちょうどここから見ると経済
局長もおられるのですから、その点はぜひ
一つ運用の方式を拡大してといいますか、少し窮屈さをかえてもらいたい。私はさっき
農林大臣にこの問題は聞こうと思ったのですけれども、あまり中のことまで御存じないだろうと思って、自作農創設についてはいろいろと問題が多いからああいった
措置まで、二十万円できようとするわけですから、林業はいち早くこういう
措置をとってきた、とってきたけれどもあまりに実情に合わない。それは原資が少いという
事情もあります。ありますけれども、しかしあまりに機械的すぎているじゃないか。自作農創設のような、ああいう
制度ができる機会に、この
運用というものは再検討されていいのじゃないかと思うのです。おそらく
提案者の
川俣さんは御賛成だと思うのです。もちろん当然だと思うのです。
一つ経済
局長からなり林野庁の方からお答えを願いたい。特に私は経済
局長からもお答え願いたい。